明 細 デ ィ ジ タ ル信 号伝送装置 技 術 分 野 本発明は、 P C M信号のようなディ ジタル信号を一定ヮ - ド数毎 にプロ ック化して伝送するディ ジタル信号伝送装置に関し、 特に、 各ブロ シ ク毎にコ ンハ°ンデ イ ン グ処理を行って伝送ビ ッ ト レー 卜 の 低減を図ったデイ ジタル信号伝送装置に関する。 背 景 技 術 近年において、 アナログのオーディオ信号やビデオ信号等をサン プリ ング(標本化.) して量子化および符号化処理を行い、 いわゆる P C M C パルス · コ — ド ' モジ ュ レ ー シ ョ ン )信号として伝送ある いは記録 · 再生することが多くなつている。
このような P C M信号等を伝送あるいは記録 · 再生するに際して- 例えば 2 O kHz程度の帯域と 9 0 d B 程度以上の S / N比を得るた めに、 サンプリ ング周波数 : fs を 4 4. 1 kHz とし、 1 ワ ー ド 1 6 ビ ッ 卜の直線量子化が一般に採用されているが、 この場合の伝送レ - トは 7 0 0 K B P S ( 1秒間に 7 0 0 Kビッ ト ) 以上にも達する極 めて高いものとなる。
ところで、 上述のようなオーディオ信号やビデオ信号のようなァ
ナ口グ信号を A Z D変換して得られたディ ジタル信号においては、 その統計的性質が偏りを持つことや視聴覚現象からみて重要度の低 い部分があることを利用して、 情報量を圧縮することが可能であり 例えば差分 ·和分処理や圧縮 · 伸張処理( コ ンパンディ ング処理) を行っても信号の品質劣化が極めて少ないことが知られている。
このような点を考慮し、 本件出願人は先に、 例えばディ ジタル P C M信号に対して、 一定時間単位あるいは一定ワ ー ド数毎にブロ ッ ク化するとともに、 各ブ□ ック毎に差分処理等の予測処理やコンパ ンディ ング処理を行って伝送あるいは記録 ·再生することを、 特願 昭 5 8 — 9 7 6 8 7〜 9号、 特願昭 5 8 — 1 6 3 0 5 4号、 特願昭 5 8 — 1 6 6 2 6 7号あるいは特願昭 5 8 — 2 1 0 3 8 2号等にお いて提案している。
これらの技術においては、 各プロ ック毎に少なく とも 1 ヮ一 ドの 基準デ -タ、 例えばス ト レー ト P C Mデータを設けており、 この基 準デ-タに基いて例えほ'差分データを順次加算する等の濱算処理を 行うことによって、 ブロ ック内の元のサン プ リ ン グデータ (:ス ト レ 一 .卜 P C Μデー タ )を全て復元町能としている。 これは主として、 一般に差分処理データを伝送する際に生ずるヱラ -伝播を最小限に 抑えるためであり、 また、 ブロ ック毎に予測処理やコンパンディ ン グ処理を切り換える際のブロ ック境界でのォー バ — シ ユ ー ト等のェ ラーを防止するためである。
ところで、 ビッ ト圧縮率を極端に高く とる場合、 例えば 1 ワー ド 1 6 ビッ トのデ-タ..を 1 ヮ一 ド 4 ビッ トにまで圧縮するような場合 には、 上記基準データの 1 ヮー ドが圧縮されたデ—タの 4 ヮー ド分 に相当するため、 伝送劾率あるいは記録効率を高めようとすると、
ブ α ック内に上記基準デ-タを設けずに伝送あるいは記録 ·再生す ることが望ましい。
しかしながら、 単なる差分出力を伝送する場合には、 S Z N改善 が不充分であつたり、 あるいは伝送路上や記録 '再生時等にコ - ド · エラ一が発生した場合に異音が発生する等の問題点がある。
本発明は、 このような実情に鑑み、 伝送ビッ ト レー トを極端に低 くできるとともに、 Sノ N劣化やコー ド · エラ—発生時の異音の発 生等を防止し得るようなディ ジタル信号伝送装置の提供を目的とす る o 発 明 の 開 示 すなわち、 本発明のディ ジタル信号伝送装置は、 入力ディ ジタル 信号を時間軸に沿って一定ヮ - ド数毎にブロ ッ ク化し、 各ブロ ック 毎の信号に対して予測誤差を得るためのフ ィ ルタ、 いわゆる差分処 琿フ ィ ルタを介して伝送するとともに、 上記差分処理フ ィ ルタとし て、 N次の予測器および N次以下の予測器を用いて成る複数の差分 処理フ ィ ルタを予め設けておき、 これらの各差分処理フ ィ ルタから の出力の上記ブロ ッ ク内の最大絶対値( ピーク値〕 に係数を乗算し たものを互いに比較し、 その値が最小となる差分処理フ ィ ルタを当 該ブロ ックに対して選択することを特徴としている。 .
こ こで、 上記複数の差分処理フ ィ ルタのうちには、 入力されたデ イジタル信号をそのまま出力するフ ィ ルタ ( フラ ッ ト · 0ス ) を含 んでいてもよい o
このような特徴を有するディ ジタル信号伝送装置によれば、 上記
複数の差分処理フ ィルタからの 1 ブロ ック分の各予測誤差出力のそ れぞれのピーク値〔 ブ α ック内最大絶対値〕 のうち最小のピーク値 を出力する差分処理フ ィ ルタが、 当該ブロ ック内の入力デ ィ ジタル 信号を最も効率よく差分処理するものであり、 この差分処理フ ィ ル 5 タを選択することにより高効率の伝送が行える。 また、 ブロ ック内 の谷ピ-ク値に差分処理フ ィル タの次数等に応じた所定の係数を乗 算して(いわゆる重み付けして)比較することにより、 高次のフ ィ ルタよりも低次のフ ィ ル タや入力信号をそのまま出力するフ ィ ルタ '〔 フラ ッ ト ·ノ、。ス ) を優先的にあるいはより頻繁に選択させ、 高域 ιο · 信号入力時の S Z Ν劣化の改善やコー ド ' エラ一発生時の異音発生 の防止等も可能となる。 図面の簡単な 説明
15 第 1図は本発明に係るディ ジタル信号伝送装置が適用されるシ ス テム全体の概略的構成を示すブロ ック回路図、 第 2図および第 3図 は第 1図のェン コ -ダおよびデコ -ダのより具体的な^成例をそれ ぞれ示すプロ ッ ク回路図、 第 4図は複数の差分処理フ イ ル クの周波 数特性を示すグラ フ、 第 5図は 1 ブロ ッ ク内の伝送ヮー ド構成の一 20 例を示す図、 第 6図は他の具体例に用いられる複数の差分処理フ ィ ノレ タの周波数特性を示すグラ フ、 第 7図はノ イ ズ · シヱイ ピング処 理されたノ ィズのスぺク 卜ル分布を示すグラフ、 第 8図は再量子化 の際のレン ジ ング位置の移動を説明するための図、 第 9図はェン コ -ダの要部を示すブ口 ック回路図、 第 1 0図はデコ -ダの要部を示 25 すブ α ッ ク回路図、 第 1 1図および第 1 2図は再量子化の際のォ―
一 - 85/00721 バ―フロウによるエラー伝播を説明するための図、 第 1 3図は本発 明の第 4の実施例に用いられるェン コ一ダの具体例を示すブロ ック 回路図、 第 1 4図は第 1 3図中の各ェン コ — ド ' フ ィ ル タの周波数 特性の具体例を示すグラフ、 第 1 5図は入力信号周波数に応じたフ ィ ルタの選択動作例を説明するためのグラフ、 第 1 6図および第 1 7図は本発明の第 4の実施例による最適フ ィ ルタ選択動作のそれぞ れ異なる手順の例を示すフ α - ' チ ヤ一 ト、 第 1 8図は有限演算語 長によるノ ィズを考慮した全体構成のブ α ック回路図、 第 1 9図お よび第 2 0図は第 1 8図の a 〜 e点における各信号レベルをそれぞ れ互いに異なるレベルの入力信号について示すグラフ、 第 2 1 図は 第 1 図中のデコーダの具体例を示すブロ ック回路図、 第 2 2図は入 力信号レベルに対する.デコーダ出力のノイズ ' レベルを示すグラフ. 第 2 3図および第 2 4図はデコーダ出力の周波数スぺク トルを示す グラフである 0
* 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明に係るディ ジタル信号伝送装置をォ -ディォ · ビッ 卜 . レー ト . リ ダク シ ョ ン . システ ムに適用した実施例について、 図面を参照しながら説明する。
全体の概略構成
第 1図は、 全体の概略的な構成を示すブ ロ ッ ク回路図である。 こ の第 1図に示すシステムは、 記録側 (あるいは一般に送信側) のェ ン コ ーダ 1 0 と、 再生側 (一般に受信側)のデコ―ダ 3 0 とにより 構成されており、 エ ン コーダ 1 0の入力端子 1 1 には、 アナログ .
オ-ディォ信号を周波数 f s でサンプリ ングし、 量子化および符号 化を施して得られるオーディオ P C M信号 X (n)が供給されている。 この入力信号 X ( は、 予測器 1 2および加算器 1 3にそれぞれ送 られており、 予測器 1 2からの予測信号 は、 加算器 1 3に減算 信号として送られている。 したがって、 加算器 1 3においては、 上 記入力信号 X (n )から上記予測信号 ( n)が減算されることによって、 予測誤差信号あるいは C広義の)差分出力 d (n)、 すなわち、
d (n) = x (n)— x (n) ···' ① が出力される。
こ こで、 予測器 1 2は、 一般に過去の P個の入力 X ( n - ) , X C n - p + l ) , … , x 〔 n— 1 ) の 1次結合により予測値 ^ (n)を算 出するものであり、
x (n) = ∑ ak- x n-k ) . ' ③ k=l
ただし (. 'k = 1,2,〜,P )は係数 となる。 したがって、 上記予測誤差出力あるいは C広義の )差分出 力 d (n)は、
P
d (n) = (n)— " ctk · (. n— k ) ③
k=l
と表せる。 このような予測誤差出力 d (n)を得るための F I Rフ ィ ル タ 2 5を、 以下ェ ン コ 一 ド ' フ ィ ルタあるいは差分処理フ イ ノレタ と 称す。 また、 本実施例においては、 入力ディ ジタル の一定時間内の データ、 すなわち、 一定ヮ— ド数 の入-力データ毎にブロ ック化し て、 各ブロ ック毎に最適の特性の上記ェン コ ー ド ' フ ィ ルタ (差分 処理フ ィ ルタ ) 2 5を選択するようにしている。 これは、 例えば第 2図に示すように、 互いに異なる特性を有する複数の〔例えば 4つ
の) ェン コ一 ド ' フ ィ ルタ 2 5 A , 2 5 B , 2 5 Cおよび 2 5 Dを 予め設けておき、 これらのフ ィ ルタ 2 5 A〜 2 5 Dのうちの最適の 特性のフ ィ ル タを選択することで実現できる。 ただし、 一般のディ ジタ ル ' フ ィ ルタの構成上は、 第 1図に示す 1個のエ ン コ ー ド . フ ィ ルタ 2 5 の予測器 1 2 の上記係数 ak の組を複数組(例えば 4組:) 係数メ モリ等に記憶させておき、 これらの係数の組を切換選択する ことで、 実質的に上記複数のェ ン コ一 ド ' フ ィ ルタのうちの 1つを 選択するのと等価な動作を行わせることが多い。 この上記各プロ ッ ク毎の最適フィ ルタの選択は、 複数の各差分処理フ ィ ル タからの出 力のブ α ック内最大絶対値( ピーク値) または最大絶対値( ピーク 値) に係数を乗算した値を、 予測 · レ ン ジ適応回路 2 1 において互 いに比較することによって行われ、 具体的には各最大絶対値〔また はその係数乗算値)のうち値が最小となるような差分処理フ ィ ル タ ' が当該ブロ ックに対して最適のフ ィ ル タとして選択される。 このと きの最適フ ィ ル タ選択情報は、 モ - ド選択情報として、 予測 ' レン ジ適応回路 2 1 から出力され、 予測器 1 2に送られる。
次に、 上記予測誤差としての差分出力 d (n)は、 加算器 1 4を介し、 利得 Gのシ フ タ 1 5 と量子化器 1 6とよりなるビッ ト圧縮手段に送 られ、 例えば浮動小数点( フ α—テ ィ ン グ · ポイ ン ト )表示形態に おける指数部が上記利得 Gに、 仮数部が量子化器 1 6からの出力に それぞれ対応するような圧縮処理あるいはレン ジング処理が施され る。 すなわち、 シ フ タ 1 5は、 デ ィ ジ タ ル 2進データを上記利得 G に応じたビッ ト数だけシ フ ト (算術シフ ト )することによりいわゆ るレン ジを切り替えるも のであり、 量子化器 1 6は、 この ビ ッ 卜 · シフ トされたデ-タの一定ビッ ト数を取り出すような再量子化を行
つている。 次に、 ノイズ ' シヱイ ビング回路( ノイ ズ ' シヱイ ノヽ。 )
1 7は、 量子化器 1 6の出力と入力との誤差分、 いわゆる量子化誤 差を加算器 1 8で得て、 この量子化誤差を利得 G _ 1 のシ フ タ 1 9を 介し予測器 2 0に送って、 量子化誤差の予測信号を加算器 1 4に減 算信号として帰還するようないわゆるエラー ' フ ィ — ドバックを行 う。 このとき、 予測 ' レン ジ適応回路 2 1 は、 上記選択されたモ一 'ドのフ ィルタからの差分出力のプロ ック内最大絶対値に基きレン ジ 情報を出力し、 このレンジ情報を各シフタ 1 5および 1 9に送って ブロ ック毎に上記各利得 Gおよび GT1 を決定している。 また、 予測 器 2 0については、 予測 · レンジ適応回路 2 1 からの上記モ― ド情 報が送られることによって特性が決定されるようになっている。
したがって、 加算器 1 4からの出力 d (n)は、 上記差分出力 d (n)よ りノイ ズ · シェイ ノ、。 1 7からの量子化誤差の予測信号 (n)を減算し た
d (n) = d (n)― e (n) ④ となり、 利得 Gのシフタからの出力 d"(n)は、
dv(n) = G · d (n) ⑤ となる。 また、 量子化器 1 6からの出力 は、 量子化の過程にお ける量子化誤差 e (n)とすると、 -
Λ " .
d (n) = d ^n) + e (n) - ⑥ となり、 ノ イ ズ ' シヱイパ 1 7の加算器 1 8において上記量子化誤 差 e (n)が取り出され、 利得 G" のシフ ト 1 9を介し、. 過去の r個の 入力の 1 次結合をとる予測器 2 0を介して得られる量子化誤差の予 測信号 ( は、
e {n) = ∑ β,, · e ( n -k ) · G '⑦
k=l
となる。 この⑦式は、 上述の③式と同様の形となっており、 予測器
1 2および 2 0は、 それぞれシ ステム関数が、
の F I R (有限イ ンパルス応答) フ ィ ルタである。
これらの④〜⑦式より、 量子化器 1 6からの出力 ^(n)は、
(n) = G · ( d(n)- e (n) ) + e(n)
r
= G. d(n)十 e(n)— ∑ ^k · e ( n-k) @ この⑨式の d (n)に上記③式を代入して、
- Λ P r
d (n) = G 1 x(n)- " ak · x ( n-k ) } +e(n)- 2" e ( n-k )
k=l k=l
@i となり、 この出力
出力.端子 2 2を介して取り出される。 ここ で、 上記 x (n) , e (n) , ^(n)の z変換をそれぞれ X(z) , E (z) ,公 (z)と すると、 z
-k)
= G - X(z) ( 1 - P(zj)-l-E(zj( 1 -R(z)) (ii)
となる。
なお、 予測 ' レンジ適応回路 2 1からの上記レン ジ情報は出力端 子 2 3より、 また上記モ - ド選択情報は出力端子 2 4よりそれぞれ
取り出される。
次に、 受信側あるいは再生側のデコーダ 3 0の入力端子 3 1 には 上記エン コーダ 1 0の出力端子 2 2からの出力 (n)が伝送され、 あ るいは記録 ·再生されることによって得られた信号 (ひ)が供給され ている。 この入力信号 (n)は、 利得 のシフタ 3 2を介し加算器 3 3に送られている。 加算器 3 3からの出力 X (n)は、 予測器 3 4に 送られて予測信号 x (n)となり、 この予測信号 X (n)は加算器 3 3に送
A
られて上記シフ タ 3 2からの出力 d (n)と加算される。 この加算出力 がデコ— ド出力 x' (n)として出力端子 3 5 より出力される。
また、 エ ン コーダ 1 0の各出力端子 2 3および 2 4 より出力され. 伝送あるいは記録 ·再生された上記レンジ情報およびモ - ド選択情 報は、 デコーダ 3 0の各入力端子 3 6および 3 7にそれぞれ入力さ れている。 そして、 入力端子 3 6からのレ ンジ情報はシフタ 3 2に 送られて利得 を決定し、 入力端子 3 7からのモ- ド選択情報は 予測器 3 4に送られて予測特性を決定する。 この予測器 3 4の予測 特性は、 エ ン コ -ダ 1 0の予測器 1 2の特性に等しいものが選択さ れ o
このような構成のデコーダ 3 0において、 シフタ 3 2からの出力 は、
//X, /へ, , ^-1
d (n) = d (n) · G であり、 加算器 3 3の出力 x (n)は、
Λ Λ 〜,
X (n) = d (n)十 X (n) @: となる。 こ こで、 予測器 3 4は、 エ ン コーダ 1 0の予測器 1 2に等 しい特性が選択されることより、
-y p Λ
χ η) = ∑ αι,· χ ( η— k )
k=l
85/00721 であるから、 ⑫ , ®式より、
Λ -J Λ P A,
x(n)=G · d fn)-h cik- x ( n-k ) (¾
k=l
Λ Λ A A
となる。 次に、 x (n) , d (n)の z変換をそれぞれ X(z) , D(z)とすると. Λ .J A ρ Λ _k
X(z)=G · D(z)+∑ ak -X(z) - z k
k=l
j Λ Λ
=G 1 · D(z)+P(z) · X(z) ⑮
t一 . Λ となる。 こ こで、 伝送路や記録媒体にエラーが無いとして、 D(z) =
A
D(z)とすると、 上記 di)式および⑮式より、
と 'ぶるコ
この @式より、 量子化誤差 E )に対して G"
1 のノ ィズ低減効果が 得られることが明らかであり、 このときデコーダ出力に現れるノ ィ ズのスぺク トル分布を N(z)とすると、
となる。 また、 このようなシステ ムにおいて、 上記 Gは上記ブロ ック内の 最大絶対値に関係する値で正規化するように作用するものであるが. この Gは周波数特性を有している。 こ こで、 説明を簡略化するため
— — に、 上記 Gを、 '
G = Gp · Gf …… ' © のような 2つの要素 Gp と Gf の積として表す。 これらの 2つの要 素のうち、 Gp は上記予測フ ィ ル タ処理による予測ゲイ ン、 すなわ ち瞬時 S / Nの改善量を意味し、 G f は上記レン ジン グ処理による ゲイ ン . コ ン 卜 口—ル量、 すなわちダイ ナ ミ ック · レ ンジの拡大量 を意味する。 したがって、 Gp は、 入力信号周波数に依存し、 入力 信号レベルには依存しないのに対し、 G f は、 入力信号周波数には 依存せず、 入力信号レベルに依存することになる o また Gp は、
の S Z N改善量を有し、 また予測誤差を得るための差分処理フ ィ ル タの伝達関数 1 一 の逆関数となるような周波数特性を有してお り、 このときのノイ ズ ' スペク ト ルは上記⑬式のようになる。 G f に関しては、 上記ブロ ック毎に選択されたモー ドにおけるブロ ック 内最大絶対値で正規化するような準瞬時圧伸に対応している。
このような概略構成を有するシ ステ ムにおいて、 本発明の要旨は. 予測器 1 2 と加算器 1 3とより成る予測誤差出力あるいは差分出力 を得るための差分処理フ ィ ルタとして、 N次の予測器および N次以 下の予測器を用いて成る複数のフ ィ ル タを設け、 各フ ィ ルタから の 出力の上記ブ α ック内最大絶対値または最大絶対値に係数を乗算し たものを互いに比較し、 その値が最小となるような差分処理フ ィル タを選択するようにしたことである。 この複数の差分処理フ ィ ルタ のうちには、 ス ト レー ト P C Mデータをそのまま出力するものも含 まれる。
具体的な構成例
次に第 2図は、 上記第 1図に示したオーディオ · ビ ッ 卜 レ ー ト · リ ダクシ ョ ン ' シ ステ ムのエン コーダ 1 0のより具体的な構成例を 示し、 第 1図の各部と対応する部分には同一の参照番号を付してい る ό
この第 2図において、 上記予測器 1 2 としては、 複数個、 例えば 4個の予測器 1 2 A , 1 2 B , 1 2 C , 1 2 Dが設けられている。 これらの予測器 1 2 A〜 1 2 Dからの予測出力は、 減算信号として それぞれ加算器 1 3 A〜 1 3 Dに送られ、 元の入力信号から減算さ れる。 すなわち、 それぞれ 4個ずつの予測器 1 2 A〜 1 2 Dおよび 加算器 1 3 A〜 1 3 Dにより'、 4系統の予測誤差を得るための 4個 の差分処理フ ィ ル タが構成されている。 ここで、 各予測器 1 2 A〜 1 2 Dは、 見かけ上それぞれ 2次の構成を有し、 係数《1, 2として、 予測器 1 2 Αが Ki , ·Κ2 、 同 1 2 Β力 s Κ3 , Κ 4 、 同 1 2 Cが Κ5, Κ6 、 同 1 2 Dが K7 , s を有しているが、 所望の予測器の係数 の少なくとも 1個を 0 とすることにより、 1次以下の予測特性を得 ることができる。 したがって、 上記 4個の差分処理フ ィ ルタについ ても、 見かけ上はそれぞれ 2次差分をとる構成となっているが、 所 望の差分処理フ ィ ルタについて 1 次以下の差分をとる特性( ス ト レ ー ト P CMデ― タを出力するものも含む) を得ることが可能である。
これらの谷差分処理フ ィ ルタからの出力、 すなわち各加算器 1 3 A〜 1 3 Dからの出力は、 それぞれ ヮ— ド遅延回路 4 1 A〜 4 1 Dおよび最大絶対値ホ一ル ド回路 4 2 A〜 4 2 Dに送られており、 ヮ一 ド遅延回路 4 1 A〜 4 1 Dからの各出力は、 モ- ド切換ス ィ ツチ回路 4 3の各被選択端子 a 〜 dに送られている。 すなわち、 前
記 1 ブロ ック力 s ヮ一 ドであるから、 ヮー ド遅延回路 4 1 Α〜 4 1 Dにおいては 1 ブロ ック分の遅延が行われ、 この遅延が行われて いる間に、 各最大絶対値( ピーク ) ホー ル ド回路 4 2 Α〜 4 2 Dに おいて前記ブロ ック内最大絶対値が検出されるわけである。 これら のブ□ ック内最大絶対値は、 予測 · レンジ適応回路 2 1 に送られて 互いに比較され、 その値が最小となるものが選択される。 このとき、 各ブロ ック内最大絶対値にそれぞれ所定の係数を乗算していわゆる 重み付けを行つた後に比較してもよい。 予測 · レン ジ適応回路 2 1 は、 上記各差分処理フ イ ノレタからのそれぞれ 1 プロ ック分のデータ のうちの上記最小のブロ ック内最大絶対値が得られる 1 ブロ ック分 のデータを選択するためのモ- ド選択情報を出力し、 このモー ド選 択情報が切換スィ ツチ回路 4 3に送られることによって、 上記選択 された 1 ブ α ック分のデータを出力する遅延回路への切換接続が行 われる。 切換ス ィ ツチ回路 4 3からの出力は、 加算器 1 4に送られ る。 また、 予測 · レンジ適応回路 2 1 からの上記モ— ド選択情報は, 予測器 2 0および出力端子 2 4にも送られている ο こ こで、 予測器 2 0は、 例えばデコ―ダ出力に現れるノィ ズ(前記⑩式参照) をホ ワイ ト とするために、 予測器 1 2 A〜 1 2 Dのうちの上記選択され たものに等しい特性のものが選択される。 すなわち、 予測器 2 0も 見かけ上 2次の予測器 «成を有しており、 係数 A , に対応する係 数 K a , K は、 予測器 1 2 A〜 1 2 Dの各係数の組 K i , K 2 〜 7 , s のうちの上記モ― ド選択により指定された差分処理フ ィ ルタの予測器の係数に等しいものが選ばれる。
また、 第 3 図に示されたデコーダ 3 0の具体例において、 予測器 3 4は、 第 2図の予測器 1 2 A〜 1 2 Dに対応して見かけ上 2次の
一 一 構成を有しており、 各係数 Kc , Kd としては、 上記予測器 1 2 A 〜 1 2 Dの係数の組 Κι , Κ2 〜 Κ7 , Κ8 のうちのいずれか一組 が入力端子 3 7からのモ — ド選択情報に応じて選択されるようにな つている。
これらの第 2図および第 3図の他の構成は、 前述した第 1図と同 様であるため、 説明を省略する。
なお、 以上のような具体的 1奪成を有するエン コーダ 1 0やデコ— ダ 3 0のハ - ドゥエア構成としては、 例えば複数個の予測器 1 2 A 〜 1 2 D等を現実に設ける必要はなく、 1個の予測器の係数を時分 割的に切り換えて用いればよく、 さらには、 エン コーダ 1 0ゃデコ ーダ 3 0全体を D S P 〔ディ ジタル信号プロセッサ )やメ モ リ等か ら成るシ ステ ムにより ソ フ ト ウ ヱァ的に実現できるこ とは勿論であ る o
第 1の実施例
ここで、 本発明の第 1の実施例として、 入力端子 1 1 に供給され るォ—ディ ォ P C M信号のサンプ リ ング周波数 fs を 1 8.9 kHzと し、 1 ヮー ド 1 6 ビッ 卜で 1 プロ ッ.クのヮ一 ド数 を 2 8 ヮ ー ドと し、 量子化器 1 6において、 1 ワー ド 4 ビッ トのデ—タに再量子化 する場合について詳細に説明する。 このときの上記 2次の予測器 1 2 A〜 1 2 Dの各係数の組 , K2 〜 Κ7 , Ks としては、 例え ば、
1 2 A K i = 1.8426 K2 一 0.8649
1 2 B Ks = 0.875 K4 0
1 2 C Ks = 1.5155 K6 -0,81
1 2 D K7 = 0 Ks 0
のように予め設定しておく。 このときの上記各モ ドの差分処理フ ィ ルタ の伝達関数 1 一 P (z)は、
A : 1 - 1.8 4 2 6 z + 0.8 6 4 9 z
一 1
B 1 一 0.8 7 5 z
C : L5 1 5 5 z + 0.8 1 z
D :
となり、 これらの各差分処理フ ィ ルタ の周波数特性は、 第 4図の各 曲線 A〜 Dのようになる。
すなわち、 特性曲線 Aに対応する差分処理フ イ ノレ タ (予測器 1 2 it) Aと加算器 1 3 Aとより成る )が 2次差分 P C Mモー ドに相当する フ ィ ル タであり、 低域の予測ゲイ ンすなわち瞬時 S Nの改善量が 大きい。 特性曲線 Bに対応する差分処理フ ィ ルタ (予測器 1 2 Bお よび加算器 1 3 B )は 1次差分 P C Mモー ドに相当するフ ルタで あり、 また、 特性曲線でに対応する差分処理フ ィ ル タ (予測器 1 2 is Cおよび加算器 1 3 C )は中域の予測ゲイ ンが大き くなっている。
予測器 1 2 Dおよび加算器 1 3 Dより成る差分処理フ ィルタは、 係 数 マ , K 8 が共に 0であることより、 第 4図の特性曲線 Dに示す ように、 周波数特性を持たず基準利得 1のいわゆる単なるフ ラ ッ ト ' ノ、。ス特性となっており、 ス ト レ― ト P C Mモー ドに相当している。
0 第 5図は、 1 ブ α ック毎に伝送されるヮ一 ド構成の具体例を示し、 再量子化された 1 ヮー ド 4 ビッ 卜で 2 8 ヮー ドのオーディオ 'デー タ ' ワー ド Wo 〜 W27 と、 1 ヮー ド 1 6 ビッ 卜力、ら 4 ビッ 卜へのブ ロ ック毎の再量子化の際の 4 ビッ 卜の取り出し位置を示すいわゆる レンジ情報ヮ - ド W R と、 上記 4つのフ ィ ルタに対応する 4 モー ド
25 のうちのいずれが選択されたかを示すモ- ド選択情報ヮ - ド WM と
力 S i ブロ ック毎に伝送される。 したがって、 伝送されるオーディオ ' デ— タ 1 ワ ー ド当りの平均ビッ ト数は、
( 4X28 + 4 + 2 ) ÷28 = 4,214 C bit]
となる o
この第 4図において、 単一の正弦波信号が入力される場合には、 入力信号周波数が 0から : i までは特性曲線 Aのフ ィ ルタが、 周波 数が ; fi から / 2 までは特性曲線 Cのフ ィル タが、 また周波数が: f2 から fs , 2程度までは特性曲線 Dのフ ィ ル タがそれぞれ選択され る。 なお入力信号の周波数 ; fs ノ 2以上については、 いわゆるエリ ァシ ング防止のため、 Aノ D変換前に L P F ( 口 —ノヽ0ス フ ィ ルタ ) により予め除去されることは勿論である。 このようにして選択され た各フ ィ ルタの周波数応答がその周波数での予測ゲイ ンすなわち瞬 時 S Z Nの改善量となり、 周波数に対する瞬時 S / Nの改善量は第
4図の斜線部のようになる。
ただし、 実際のオーディオ入力信号は複合スペク ト ルの信号であ るため、 上述のような明瞭な境界による選択は行われず、 特性曲線 Bのフ ィ ル タ も比較的頻繁に使用される。
また、 上述のフ ィ ルタ選択は、 各モ— ドのフ ィルタからのブロ ッ ク内最大絶対値( ピーク値) をそのまま比,較した場合に行われるも のであるが、 各モー ドのブロ ック内ピーク値に対してそれぞれ所定 の係数を乗算して比較することにより、 低次のフ ィ ル タあるいはス ト レー 卜 P C Mデ―タを出力するフ ィ ル タをより多く選択するよう にしてもよい。 この場合、 上記係数の一例としては、 特性 Aのフ ィ ノレタからの 2次差分 P C Mデータのピーク値には係数 2を乗算し、 特性 Dのフ イ ノレ タからのス ト レ — 卜 P C Mデータのピーク値には係
数 0 7を乗算し、 他のフィルタからのデータのピーク値には係数 1 を乗算して (あるいは係数を乗算せずに )、 各値を互いに比較し、 その値が最小となるようなフ ィルタを選択する。 このような係数の 乗算は、 第 4図のグラフ内の対応する特性曲線を縦軸方向に平行移 動させる ( レス ポン ス値を変える ) ことに対応し、 例えば特性曲線 Aのフ ィ ルタからのピ―ク値に係数 2を乗算することは、 特性曲線 Aを第 4図内で約 6 dB 上方に平行移動させることに相当する。 し たがって、 結果的には、 フ ィ ル タ切換周波数 : f 1 や; f 2 が低周波側 に移行することになり、 特性 Aのフ ィ ルタに比べて特性 Cのフ ィ ル タがより頻繁に、 また特性 Cのフ ィ ル タに比べて特性 Dのフ ィ ルタ がより頻繁に選択されることになる。 このように低次のフ ィ ルタ の 使用頻度を上げることにより、.伝送^のコ ー ド · エラーに対し、 そ の影響を抑えることができる。
なお、 デコーダ側でほ、 入力された 1 ブロ ック分のオーディオ ' データ . ワー ド Wo 〜 W 27が上記レ ン ジ' It報ヮー ド のデータに 基いてシフタ 3 2によりプロ ック単位で伸張処理あるいはェン コ 一 ダ側とは逆のレ ン ジング処理が施され、 次に加算器 3 3と予測器 3 4より成るフ ィ ルタにおいて、 上記モー ド選択情報ヮー ド WM のデ -タに基いてブ□ ッ ク単位で逆予測処理が施され、 元のス ト レ - 卜 P C Mデータが復元される。
この第 1の実 例のシステムによれば、 低〜中程度の忠実度の音 質の伝送が可能となり、 通常の音声信号等を極めて低いビ ッ ト レ - ト ( 1 ヮ - ド当り 4. 2 1 4 ビ ッ ト、 1 チ ャ ン ネル当りの伝送ビッ ト レー 卜約 7 9, 6 k ビッ ト ノ秒)で伝送することができる。
第 2 の実施例
— 一 次に、 中〜高忠実度 ( ミ ドル〜ハイ · フ ア イ ) の音質での音楽信 号伝送が可能なシステムの例と して、 第 4図の特性曲線 A B D に対応する予測係数を有する 3種類のフ ィ ルタを用い、 サンプ リ ン グ周波数 f s を上記第 1の実施例の倍の 3 7. 8 kHz とする場合につ いて説明する。 他の具体的数値および具体的構成は、 上記第 1 の実 施例と同様とする。
この場 合、 上記 3種類のフ ィ ル タ の周波数特性は、 サンプ リ ン グ 周波数 fs が倍となったことに伴って、 第 6図の特性曲線 A B このようになる。 すなわち、 特性曲線 Dはス ト レー 卜 P C Mモー ド に、 特性曲線 Bは 1 次差分モ— ドに、 特性曲線 Aは 2 次差分モー ド にそれぞれ対応する。
ところで、 量子化器 1 6において 1 ワー ド 1 6 ビッ トから 4 ビッ 卜への再量子化を行う際に、 所定位蘆の 4 ビ ッ ト を取り出すわけで' ある力 s'、 このときシフタ 1 5では、 ノ イ ズ ' シ ヱイ ビング処理前の デ― タすなわち選択されたモー ドのブロ ッ ク内ピー ク値に基いてレ ン ジ ( ビ ッ ト ' シ フ ト量) が決定されるため、 ノ イ ズ ' シ 1 7からのフ ィ ー ドバ ッ ク · エラ —が加算器 1 4にて重畳されること により、 特にレ ン ジ ン グ処理の際に取り出される ビ ッ 卜の最大値に 近いデータ入力時において、 デー タがオ フ ロ ウする虞れがあ るつ
これを防止するため、 選択されたモー ドのブロ ッ ク内のピー ク値 (最大絶対値) に対して所定の 1 以上の係数 r を予め乗算し、 この 乗算結果をピ― ク値とみなしてレン ジ ング位置すなわち 1 6 ビ ッ 卜 中の 4 ビッ トの取り出 し位置を決定する。 このように、 真のピー ク 値の上記所定数 r倍の値によってレン ジング位置が決定されるため.
ノ イ ズ · シヱイパ 1 7からのエラ ーが帰還されても、 上記ォ一バ一 フ ロ ウが発生しに く くなる。 この場合、 上記係数 rは、 選択された モー ドの予測器特性に応じて設定しておく こ とが好ましい。
こ こで、 ノ イ ズ · シヱイパ 1 7内の予測器 2 0は、 差分処理用の 予測器 1 2 A〜 1 2 Dに等しい特性のものがモ ー ド選択に応じて選 択されることより、 ス ト レー ト P C Mモー ド時には、 第 2図の係数 a , Kb が共に 0 となり、 エ ラ — ' フ ィ ー ドバッ ク量が 0 となつ てノ イ ズ ' シヱイ ピングの影響はな く、 係数 r = 1 とすればよい。 また、 1 次差分モー ド時には、 ノ イ ズ ' シ ヱイ ビング処理を施した 後のエン コ ーダ出力でのノ イ ズ · スペク ト ルが第 6図の特性曲線 B に等し くなる点を考慮して、 r 1.1 4 とすればよく、 2次差分モ 一 ド時には、 第 6図の特性曲線 Aを考慮して、 r 1.3 3 とすれば よい。
すなわち、 上記 1 次差分モー ド選択時において、 エン コ ーダ出力 でのノイ ズ ' スペク ト ルは概略第 7図のようになる。 これは、 4 ビ ッ トで再量子化する ときの瞬時 S Z Nが約 2 4 dB であることより、 フル . スケ ール ( 4 ビ ジ トで表現可能な最大レ ベル ) を基準の 0 dB とするとき、 ノ イ ズ ' シ ヱイ ビング前のノ イ ズ ' レベル力 — 2 4 dB となり、 これに 1 次予測のエラ — · フ ィ — ドパッ クによるノ イ ズ ' シヱイ ビング処理が施されて、 第 7図の斜線部に示すようなスぺク ト ル分布のノ イ ズ ' レベルとなる。 したがって、 周波数 : fs Z 2近 傍のノ イ ズ ' レベルはノ イ ズ ' シ ヱイ ビング前のレベルに比べて約 6 dB 持ち上げられることになり、 これが上記ォ一バーフ ロウを起 こす原因となる。 これは、 ノ イ ズ ' シヱイ ピ ング前の量子化ノ イ ズ の振幅分布が上記再量子化された 4 ビ シ 卜の L S Bの ± ビ ッ ト内
でラ ン ダムであることより、 これの 1 次差分をとるときのノ イ ズの 最大振福は、
+ L S B— (— ¾ L S B ) =+ l L S B
- i L S B - ( +^ L S B ) =- l L S B
6
より ± 1 L S Bとなり、 これが fs / 2付近での約 6 dB の持ち上 りに対応する。 したがって、 無入力時でも + 6 dB のノ ィ ズを伝送 することになり、 4 ビッ トのフル ' スケ一ルの 0 d B に対して ; f s / 2付近で約一 1 8 dB の位置にノ ィ ズの ピー ク値が存在し得るこ とになるつ こ こで、 一 1 8 dB は約 0.1 2 5であるから、 信号のピ — ク値を 1 一 0.1 2 5、 すなわち 0.8 7 5倍に抑えれば、 ノ イズ · シ エイ ビングによるオー バ —フ ロ ウを未然に防ぐことができる。 し たがって、 レ ン ジ ング位置決定のためのピー ク値に対する乗算係数 r としては、 1 / 0.8 7 5 = 1.1 4 とすればよい。
次に、 上記 2次差分モ ー ド選択時のレ ン ジ ン'グ位 *決定用のピ - ク値に対する乗算係数 rについては、 第 6図の特性曲線 Aの : f s / 2付近での持ち上りが約 + 1 2 dB であることより、 4 ビッ ト再量 子化のフル ' スケール 0 d B に対してノ イ ズ · レベルのピー ク値は 約— 1 2 dB の位置に存在し得ることになる。 — 1 2 dB は約 0.25 であるから、 信号のピー ク値を 1 — 0, 2 5 = 0.7 5倍に抑えること によって、 ノ イ ズ ' シ エイ ビングによるオー バ ーフ ロ ウを防止でき、 上記係数 rは 1 0.7 5 より約 1, 3 3 となる。
ところで、 信号が急激に変化するこ とによって、 再量子化の際の レン ジング位置が急激に変化する場合に、 前のブ 口 ックのノ ィズが 次のプロ ッ クにく り越されることによってオー バ —フ ロ ウを生ずる
ことがある。 これは特に、 ブロ ックの境界近傍で信号レベルが急激 に低下した場合に生じ易く、 このとき、 レンジング位置すなわち再 量子化のための 4 ビッ ト取り出し位置は、 例えば第 8図 A , Bに示 すように、 1 6 ビッ ト中の S B側から L S B側に急激に移動する が、 前ブロ ッ クのデータ (第 8図 A ) のエラ—分が次のブロ ックの デ-タ (第 8図 B ) にそのまま帰還されることによって、 再量子化 により取り出される 4 ビッ トのデータがオー バ —フロウしてしまう。 これは、 シフタ 1 5の利得 Gとしては、 前ブロ ックで小さかったも のが次のブロ ックで急激に増大することに相当する。
そこで、 オー バ ーフ ロウを許容して、 オー バ ーフ ロウが発生した ときには、 再量子化 ·4 ビッ 卜で表現可能な正又は負の最大値に固定 していわゆるク リ ッ ピングすることにより、 符号の反転を防ぐとと もに異音の発生を最小限に抑えることが望ましい。 . また、 このク リ ッ ピング処理に先立ち、 レン ジが小さ くなる (利 得 Gが大き くなる ) ときのビッ ト取り出し位蘆の移動に制限を加え、 例えば第 8図 Cに示すように、 前ブロ ッ クの位置より 1 ビッ トだけ L S Β側に移動した位置をビッ ト取り出し位置あるいはレン ジング 位 *とする。
このよう に、 レン ジング位置が元の 1 6 ビッ トのデ— タの M S Β 側から L S Β側に移動するときの移動童に制限を加えることにより、 急激なレ ン ジの変化が防止でき、 ノイズ ' シヱイ ビングによるォー バ―フ ロ ウの大きさを小さ くできる。
こ こで、 最もォ -バ— フ ロ ウの生じ易い、 すなわち最も急峻なノ ィズ · シヱイ ピング処理を行っている上記 2次差分モー ド選択時の レンジング位置移動の制限作用について説明する。
一 — この 2次差分モー ド選択時におけるェン コ—ダ出力でのノイズ ' スぺク ト ル分布は、 第 6図の特性曲線 Aと同様の曲線形状に表われ、 ノイズ ' シエイ ピング前に比べて : fs ノ 2付近のノ イ ズのピーク値 は略 4倍すなわち約十 1 2 dB だけ持ち上げられる。 したがって、 再量子化データの 4 ビッ トによるフノレ ' スケー ルを O dB とすると き、 ノィズのピ一ク値は— 1 2 dB の位置に存在し得ることになり、 0.2 5をノィズが占めることになる。 次に、 レン ジング位置の移動 については、 上述のように、 1 ブロ ックにっき L S B側に 1 ビッ ト 以内にするという制限があるため、 次のブロ ックにおいて帰還され るノイ ズの大きさは、 このときのフル ' スケー ルを 0 dB として、 最大でも上記 1 ビ ッ ト分の一 6 dB 、 すなわち 0.5である。 なお、 上記制限を設けない場合には、 レンジの変化ステ ップが最大 1 2 ビ ッ トあることより一 1 2 + 6 X 1 2 = 6 0、 すなわち約 6 0 dB の ノイ ズが伝播されることになる 0 これに対して、 上記制限を設けた 場合には、 過渡部で最大でも 0.5をノイ ズが占めることになり、 信 号に対し上記乗算係数 rを設定しない〔 r = l とする )場合でも、 信号の最大値 1 とノィズの最大値 0.5 との和 1.5、 すなわち約 + 3, 5 dB のオー バ ーフ ロウですむ 0
次に、 このようなオー バ ーフ ロウの大きさを制限したのちに、 上 述のようなク リ ッピング処理を行う o
こ こで、 ク リ ツ ピング処理とは、 上記ォ一バーフ ロゥが生じたと きに、 再量子化によって取り出される 4 ビ ッ トの正又は負の最大値 にデータを固定あるいはク リ ッピングすることにより、 符号の反転 を防止し、 エラーを小さ く抑えるものであるが、 この時発生したェ ラ—、 すなわち真の値とク リ ップした上記正又は負の最大値との差
を帰還( エラ ー ' フ ィ ー ドバッ ク ) し、 次回にく り越すことにより すなわち通常のェラー ' フ ィ ー ドバックをそのまま行うことにより ク リ ップによる歪等の悪影響はほとんど発生しないことが確認され ている。
5 これに対して、 上記ク リ ツプ時にエラ ーの帰還を停止してしまう と、 一時的にノイ ズ ' シヱイ ピングがかからな くなり、 デコ—ダ出 力には大レベルの低域ノ イ ズ、 すなわちデコー ド ' フ ィ ルタの特性 に応じたノ イズが発生し、 その歪が伝播するため、 聴感上非常に問 題となる。
10 このようなク リ ッピング処理時のエラ — ' フ ィ ー ドバックの有無 による作用上の差異について以下説明する。
ここで説明を簡略化するために、 第 9図に示すような 1 次のノィ ズ · シエイ ピングを行う場合について考察する。
この第 9図において、 シ フタ 1 5からの出力 d (n)は、 量子化器 1 i s 6において 1 6 ビッ トから 4 ビッ 卜に再量子化さ.れて出力 d (n)とな り、 オー バ 一フ ロウ時のク リ ッ ビング回路( ク リ ッ ノヽ0 ) 2 6を介し て出力 d (n)となるものとする。 また、 量子化器 1 6への入力 d (n)と ク リ ッ ノ、 ° 2 6からの出力 d (n)との誤差分である量子化ノイズあるい はエラー e (n)は、 ノイズ ' シヱイ ノ、。 1 7においてシフタ 1 9を介し
20 1 ヮ - ド遅延手段 2 7を介して加算器 1 4に減算信号として供給さ れている。
なお、 この第 9図の構成を要部とするエン コ -ダに対して、 デコ 一ダの要部は、 第 1 0図に示すように構成され、 予測器 3 4は 1 ヮ 一 ド遅延手段 2 8より成っている。
25 いま、 時間経過に伴って任意のーブロ ック (第 1 のブロ ック ) か
一 — ら次のブロ ック (第 2のブロ ック ) に移る際に、 信号のピーク値が 小さ くなり、 シフタ 1 5の利得 Gが Gから G · ^ (ただし^〉 1 ) に変化する場合に、 上記第 1のブロ ックの最終のェンコ -ダ出カデ —タを、
( d (n) - e C n - l ) . G"} . G+ e(n)
= d (n) · G— e ( n— l ) + e (n) @>
A
とするとき、 デコーダのシフタ 3 2からの出力 d (n)は、
となる。 次に、 上記第 2のプロ ックの先頭のエン コーダ出力データ ( n + 1 )は、 n +l )=C d C n +i )— e(n). G—】) · G' ^+e C n+i )
= d 〔 n +l ) · G - ^ - e (n) · ^ + e 〔 n + i )
A
また、 デコーダ内のデータ d 〔 n + i )は、
Λ -1 d 〔 n + i ) = d η 4- l ) +e ( n+ l ) · G · g 一 e(n) . G
Λ Λ
となる。 こ こで、 デコーダ出力 x(n) , x 〔 n + l ) を考えるに際し、
Λ j
X C n - 1 ) = y C n - l ) + e ( n— i ) · G"J とすると、 @式より、
Λ
x (n)= y C n - i ) +d(n)+e(n) · G一 i また、 この <D式と @式より、
Λ
x ( n+ l ) =y 〔 n— l ) +d(n)+d ( n十 i ) 十 e ( n十 l ) · G-] · 1 (§) となる。 これら <§), @式で示されるように、 オー バ —フ ロウのない ときには、 ブロ ック間の干渉は一切発生せず、 前ブロ ックの大^な
量子化誤差が後続のブロ ッ クに尾を引 く ことはない。
次に、 上記第 2のブロ ッ クの先頭ヮ ー ドでオーバ—フ ロ ウを起こ した場合において、 上記 @式の e (η) · ^ の項がォ—バ—フ α ゥの原 因となるわけである力 こ こでオーバーフ ロ ウが生じク リ ップさせ たときのエラ —分を Εとして (§)式を書きなおすと、
'd'〔 n +l ) = { d C n+l )- e(n). G"1} · G · + e C n +l ) + E =d C n +i ) · G - ^-e(n). cz + e C n+l ) +E
よって上記 @式は、
(! ( n+l ) = d〔 n + l )+ { e ( n+l ) +E } - G"1 · ^-1- e (n) . G"1
となる。 また、 上記 (g)式のデコ ーダ出力は、
x^C n+ 1 ) =yし n- 1 )+d(n)+d ( n + l )+ { e (n+i )+E}
•ο"1·^"1 -' ⑩ となり、 この⑩式と上記 @式との差は、
Ε · G"1 · l ·…… ( ) で、 これがク リ ツプによるデコ —ダ出力に表れる歪である O 次に、 ク リ ップによるエラ —伝播については、 上記 @式で発生し たエラ ーを通常通りフ ィ - ドバ ッ クする場合に、 n 十 2 に対応する エン コ ー ド出力は、
/SCn + 2 )= dC n + 2 )-{ e ( n + 1 ) +E } · G 、 -1〕
• G- (n + 2 ) · <g)
A 、
よって、 d〔n + 2 ) は、 十 2) = d C n + 2)+e ( n十 2 ) · G—ュ · 一 { e (n + i )+E} 'G ー1 (§)
一 2 7— 721 この ®式と (§)式より、 デコーダ出力は、
( n + 2 )=y C n-i )+d(n)+d〔 n +i )+d〔 n+2 )
+ e C n + 2 ) * G— 1 —1 ( ) となり、 Eの影響はなくなる。 これに対して、 上記 @式で発生した エラ—をフ ィ ー ドバッ クしない場合には、
4\ n + 2 )=d ( n+2) - G-^ + e (n + 2) @ d Cn + 2 )=d n+2 )+e Cn + 2 ) · GT1 -】 ® この (§)式と上記 @)式より、 デコーダ出力は、
( n + 2 )=y〔 n - 1 ) +d(n)+d〔 n十 1 )+d〔 n + 2 )
+e〔n + 2 ) · G— 1 · 1 + { e〔 n +1 ) +E }
• G—1 —1 .
となるから、 結果として、 E + e〔n + i ) を帰還しなかったことに よる影響が伝播することになる。
以上の考察の結果からも明らかなように、 ク リ ッ ピングによるェ ラーも、 通常の量子化誤差と同様にフ ィ一 ドバッ クする方が良いこ とがわかる。 この場合、 オー バ —フ Φゥを起こしたワー ドのみが上 記 ( )式の E · G"1.^"1なる歪を発生するだけですみ、 ェラ -が後続 ヮー ドに伝播することはない。
次に、 上記レンジング位蘆すなわち再童子化ビ ッ トの取り出し位 置が L S B側に移動するときの移動量に制限を加えることの効果に ついて説明する。
先ず、 ク リ ッビングによるエラ —分を次のヮー ドにフ ィ — ドバッ クすることは上記 ®式に示されている。 この ®式中で帰還されるェ ラーとしては、 { e〔n + i )+E } · G—1' — 1 の項であり、 これが n十
2のヮー ドでオー バ ーフ ロウを引き起こす原因となり得る。 すなわ
ち、 前記第 8図 Bのように急激に再量子化ビッ ト取り出し位置〔 レ ン ジング位置)が ] S B側に移動した場合には、
Fs ^
I d Cn + 2 ) - G-^-{ e Cn+i )+E } l> ただし、 Fs は現在のブロ ッグの再量子化ビ ッ ト で表現可能 なフノレスケールの大きさ
となる.ことがあり、 n + lのヮー ドでのエラ—分 Eを n + 2のヮー ドで吸引しきれずに、 連続してオーバーフロウを起こしてしま うわ けである。 このようにして、 次々 とオーバ—フ ロウによるエラーが 伝播し、 大きな歪となる。 この様子を第 1 1図に示す。 この第 1 1 図においては、 上記レンジン グ位置が急激に L S B側に移-動したと きのプロ ック内の先頭ヮー ドを W。 としており、 このヮー ド W。 の データ Do に前ヮー ド〔前プロ ックの最終ワー ド) についての量子 化誤差〔 エラ - )が重畳されて真の値 Ρ。 となるわけであるが、 こ の真の値 P 0 は現在のブロ ックの再量子化ビッ トで表現可能なフル ' スケール F Sの範囲を越えてオー バーフロ ウとなるため、 上記ク リ ッ ビング処理が施されて、 出力値 Q。 は正の最大値にはりつけら れる。 このときの量子化誤差 E Q は、 出力値 QQ -真の値 PQ であ る。 このエラー Εο の符号を反転したもの、 すなわち— Εϋ が次の ヮー ド のデータ D丄 に重畳されて真の値 Pi となるが、 この真 の値 JP JL も フル ' スケール F Sを越えてォ一バー フ ロウとなるため 出力値 Qi も正の最大値にク リ ップされる。 このようにしてエラー が伝播する。 なお、 第 1 1図においては、 図示の都合上、 ブロ ック 先頭ヮー ド WQ のエラ一重畳された真の値 PQ をフル ' スケ ールの 数倍以内にしているが、 実際には WQ に帰還されるエラ —は、 フル ' スケー ルの約 1 0 0 0倍〔約 6 0 dB ) となる可能性もあり、 ェ
一 - ラ -伝播が長時間に渡って持続することもある。
これに対して、 上述のようにレンジング位置〔再量子化ビ ッ トの 取り出し位置)が L S B側に移動するときの移動量を例えば 1 ビッ トに制限する場合には、 第 1 2図に示すように、 ブロ ック先頭ヮ—
5 ド WQ で帰還されるエラ—が小さ く抑えられ、 短時間でエラ—伝播 が解消される。 したがって、 デコーダからの出力信号の歪が小さ く 抑えられ、 テン ポラル ' マスキング効果と相まって、 聴感上何ら支 障のない信号伝送が可能となる。
第 3 の実施例
次に、 上述した第 2の実施例をさらに高品質にした高忠実度伝送 が可能な第 3の実施例について説明する 0
この第 3の実施例においては、 量子化器 1 6における再量子化ビ ッ ト数を 8 ビ ッ ト とし、 差分処理フ ィ ルタ としては、 1次差分 P C Mデータを出力するものとス ト レ— ト P C Mデータを出力するもの 丄 5 との 2種類を用いている。 サンアリ ング周波数: f s は、 第 2の実施 例と同様に 3 7. 8 kHzとしており、 1 次差分フ ィ ルタの特性曲線は 前記第 6図の曲線 Bに等しくなる.つ 他の条件および 成は、 上述し た第 2の実施例と同様である。
この第 3の実施例の場合には、 再量子化されたォ -ディォ ·デー
20 タ ' ワー ドが 8 ビッ トであるため、 第 2の実施例に比べてより高品 質の信号伝送が行なえる。 なお、 伝送されるデータのビ ッ ト レー ト は、 1 ヮ - ド当 り平均 8. 2 1 4 ビッ トで、 1 チ ャンネル当り約 3 1 0. 5 k ビ ッ トノ秒となる。
ところで、 これらの実施例においては、 ; fs 6以下の低域の予 25 測ゲイ ン Gp 力 S d B表示で負とならないようなフ.ィルタのみを用い
ており、 いわゆる和分フ ィ ル タは用いていない。 これは、 広帯域の 音楽信号においては、 高域信号のみが単独で存在することは非常に まれであり、 常に低 · 中域信号の存在を考慮した差分処理フ ィ ル タ が適当なためである。
以上説明した第 1ないし第 3の実施例においては、 入力ディ ジタ ル信号を時間軸に沿って一定ヮ - ド数毎にブロ ック化し、 各ブロ ッ ク毎の信号に対して予測誤差を得るためのフ ィ ルタを介して伝送す るとともに、 上記フ ィ ルタとして、 N次の予測器および N次以下の 予測器を用いて成る複数のフ ィ ル タを設け、 各フ ィ ル タから の出力 の上記ブ'口 ック内の最大絶対値あるいは最大絶対値に係数を乗算し たものを互いに比較し、 その値が最小となるフ ィ ルタを選択するこ とを特徵'とする信号伝送装置が開示されており、 上記各フイ ルクの 選択は、 結果として、 入力信号の主要成分の周波数に応じて行われ る O
このような第 1 ないし第 3の実施例のデイ ジタル信号伝送装置に よれば、 高次差分 P C M、 1 次差分 P C M、 ス ト レー ト P C Mの各 データを出力する複数個の差分処理フ ィ ル タを用い、 これらを適応 的に切換選択しているため、 効率的なビ ッ ト レ - ト低減が行え、 信 号の品質を劣化させることなく極めて低いビッ ト レー トでの信号伝 送が可能となる。 また、 ス ト レ ー ト P C Mデータの出力モー ドも切 換選択できるため、 高域信号入力時の Sノ N劣化や、 エラー発生時 の過大な誤差電力の発生も解決できる。
また、 選択されたフ ィ ルタ から の出口のブロ ック内のピー ク値 最大絶対値) に係数 r r≥ 1 )を乗算し、 この乗算された値に基 いてレンジング位置すなわち再量子化ビッ トの取り出し位置を決定
— 1— /JP85/00721 することにより、 ノ イ ズ ' シエイ ビング処理によるフ ィ — ドバ ッ ク • ェラ —が重畳されても、 ォ—バ― フ ロ ウが起こ りに く くなる。 さらに、 入力信号レベルがブロ ッ クの境界付近で急激に低下し、 レン ジング位置すなわち再量子化ビ ッ 卜 の取り出し位置が L S B側 に急激に移動しょう とする際に、 この移動量に制限を加えることに より、 再量子化ビッ トのオー バ'ーフ ロ ウによるエラ ーを小さ く抑え ることができる。 このとき、 再量子化ビッ トがォ— バ —フ ロ ウ した ときに、 正または負の最大値でク リ ッ ピングし、 このときのエラ ー をフ ィ — ドバ ッ ク してノ イ ズ ' シ エイ ビング処理を施すことにより エラ -伝播を抑えて異音の発生等による悪影響を有効に防止するこ とが可能となる。 '
しかしながら、 上述の実施例のように予測フ ィルタ処理を用いて 伝送ビ ッ ト · レ - トを低減しょうとする場合に、 理論値に近い理想 的な S / N改善を得る'ためには、 ディ ジタル ' フ ィ ルタの演算語長 を充分長く とる必要がある。
例えば、 2次の予測器を用いて成る予測ゲイ ンが 3 6 d B のェン コ ー ド ' フ ィ ルタ 〔 F I Rディ ジタル ' フ ィ ノレタ ) をエ ン コーダ側 で使用すると、 デコーダ側の I I Rデ ィ ジタル ' フ ィ ルタの演算語 長としては、 少な く とも L S B 〔最下位桁 ) より下位側に 6 ビ ッ ト の余裕が必要となる。 また、 6 ビ ッ ト余裕をとつても、 無入力時の ノ イ ズ ' レベルを通常のビッ ト 圧縮処理しない P C M信号のノ イ ズ ' レベルと等し くすることはできず、 ノ イ ズ . レベルを等しくする にはさらに演算語長を長く とる必要がある。 このため、 I I Rディ ジタル ' フ ィルタ等の乗算器、 加算器、 メ モ リ等の語長が長くなり 回路規模が大となってしま う。
そこで、 このような点を改善すべく、 従来と同程度あるいはより 短い演算語長で理論値に近い S Z Nあるいは同等の S ZNを得るこ とができ、 構成も簡単な本発明の他の実施例について以下説明する—。 第 4の実施例
第 1 3図は本発明の第 4の実施例となるディ ジタル信号伝送装置 の要部として、 上述したビ ッ ト · レ ー ト · リ ダク シ ョ ン ' シ ステ ム のエ ン コーダの具体例を示している。 この'第 1 3図の各部のうち、 前述した第 1図や第 2図の各部と対応する部分には、 同一の参照番 号を付している。
この第 1 3図において、 上記ェンコー ド ' フ ィ ルタ 〔差分処理フ ィルタ ) 2 5としては、 複数個、 例えば 3個のフ ィ ルタ 2 5 A , 2 5 B , 2 5 Cを予め設けておき、 入力信号に応じて上記ブロ ック毎 にこれらのフ ィ ル タ 2 5 A〜 2 5 Cのうちから最適の特性のものを 選択するようにしている。 これらのェ ン コ一 ド ' フ ィ ル タ 2 5 A〜 2 5 Cは、 予測器 1 2 A〜 1 2 Cをそれぞれ有し、 各予測器 1 2 A 〜 1 2 Cからの出力を各加算器 1 3. A〜 1 3 Cに送って、 元の入力 信号からそれぞれ減算するような^成となっている。 すなわち、 各 予測器 1 2 A , 1 2 B , 1 2 Cのシステム関数を P z) , P2(z) ,P3(z) とするとき、 各フ ィ ルタ 2 5 A , 2 5 B , 2 5 Cの伝達簡数は、 そ れぞれ 1一 P z) , 1 — P2(z)', 1 -P3(z)となる。 このような各フ ィ ル タ 2 5 A , 2 5 B , 2 5 Cの特性の一例を第 1 4図の特性曲線 A , B , Cにそれぞれ示す。 この第 1 4図において、 各特性曲籙 A , B, Cは、 例えば
A : 1 - Pi(z) = 1
B : 1 - P2(z) = 1 一 0.9375 z"1
— —
C : 1 - P 3(z) = 1 - 1.796875 z -1 +0.8125 z 'z を示し、 サンプリ ング周波数 f s を 37. 8 kHz としている。 すなわち、 特性曲線 Aに対応するフ ィ ルタ 2 5 Aからは通常のス ト レー ト P C Mデ ータが出力され、 特性曲線 Bに対応する フ ィ ルタ 2 5 Bからは 1次差分 5 P C Mデータが出力され、 特性曲線 Cに対応するフ ィ ルタ 2 5 Bからは 2次差分 P C Mデータが出力される。
これらの各エ ンコ ー ド ' フ ィ ノレタ 2 5 A、 2 5 B s 2 5 Cからの出力 は、 それぞれ ワ ー ド ( 1 ブロ ック) 遅延回路 4 1 A、 4 1 B、 4 1 C および最大絶対値 (ピーク値) ホール ド回路 4 2 A、 4 2 B、 4 2 Cに
1 0 送られており、 各 ワー ド遅延回路 4 1 A、 4 1 B、 4 1 Cからの各出 力は、 モ ー ド切換 (あるいはフ ィ ルタ選択) ス ィ ッ チ回路 4 3 の各被選 択端子 a,b,c にそれぞれ送られている。 すなわち、 各 ヮー ド遅延回路 4 1 A、 4 1 B、 4 1 Cにおいてそれぞれ上記 1 ブロ ッ ク分の遅延が行 'われ、 この間に各最大絶対値 (ピーク値) ホール ド回路 4 2 A、 4 2 B
• 5 4 2 Cにおいて、 各フ ィ ルタ 2 5 A、 2 5 B、 2 5 Cからの各出力デー タ (n),d2(n) ,d3(n)のそれぞれブロ ック内の最大絶対値 (ピーク値) dl P(m) .. d2p(m) , d3p(m)が検出される。 ただし mはブロ ック番号を意味 し、 一般に数値 Xを越えない最大の整数を 〔 X〕 と表すとき、 1 ワー ド ブロ ッ クである力、ら、 上記ブロ ック番号 mは、 m = (^-) となる。
20 これらのブロ ック内ビーク値 c pdn) > d2p(m) , d3p(m)は、 それぞれ係 数乗算器 4 4 A、 4 4 B . 4 4 Cにより、 重み (係数) β β β 3 が 乗算され、 予測 · レ ンジ適応回路 2 1 に送られている。 予測 . レ ンジ適 応回路 2 1 においては、 各係数乗箕器 4 4 A、 4 4 B、 4 4 Cからの重 み付けされた上記ピーク値である 9 i't p m) , β 2· d2p(m) , β 3· d3p(m)
2S を互いに比較し、 これらのう ち最も小さ く なる値を検出して、 この最小 の値を出力する上記フ ィ ルタを選択するようなモー ド選択情報を出力す る。 こ のモー ド選択情報は、 切換ス ィ ツチ 4 3、 予測器 2 0および出.力
端子 2 4に送られる。
こ こで、 上記各係数乗算器 4 4 A , 4 4 B , 4 4 Cの各重み係数 β ,β2 zを例えばそれぞれ約 0.7 , 1 , 2.0 とするときの各ェ ン コー ド · フ ィ ルタ 2 5 A , 2 5 B , 2 5 Cの選択.のされ方を第 1 5 図に示す。 この第 1 5図において、 上記ス ト レー ト P C Mデータを 出力する フ ィ ル タ 2 5 Aに対応する特性曲線 Aの周波数レス ポン ス は、 係数乗算器 4 4 Aにて/? 0.7の重み付けがなされることによ り、 約 3 dB 程度下方 C低レベル側) に移動した曲線 Aとなり、 ま た、 2次差分 P CMデータを出力するフ ィ ルタ 2 5 Cに対応する特 性曲線 Cについては、 係数乗算器 4 4 Cにて 3 = 2.0の重み付けが され、 約 6 dB .程度上方〔高レベル側) に移動した曲線 C となる。 なお、 1 次差分 P C Mデータを出力するフ ィ ルタ 2 5 Bに対応する 特性曲線 Bについては、 係数乗算器 4 4 Bによる重み付けがなされ ない 〔/^2= 1 ) ため、 元の曲線 Bがそのまま用いられる。 これらの 曲線 Aと B、 および Bと Cの各交点の周波数は、 それぞれ^ sお よび ϋ〔 ただし.: f s はサンプリ ング周波数) となり、 ; f s = 3 7. 8 kHz のときにはゝ ~^~f Β 4.4 5 kHz , - " = 3.1 5 kHz となる。 予測 ' レ ン ジ適応回路 2 1 においては、 これらの特性曲線 A , B , じのうちの最も低レベルのものを選択するから、 第 1 5図太線に示 すように、 入力信号の周波数が低域から^ "までのときには曲線 c に対応する 2次差分 P C Mモー ド選択情報が出力され、 から
までのときには曲線 Bに対応する 1次差分 P C Mモー ド選択
情報が出力され、^ ¾~;fS以上のときにはス ト レ — ト P C Mモー ド選 択情報が出力される。 そして、 予測 * レンジ適応回路 2 1 からの上 記モー ド選択情報がス ト レ— 卜 P C Mモー ドのときには、 切換スィ
ツチ 4 3は被選択端子 aに切換接続され、 フ ィ ル タ 2 5 Aから ヮ 一 ド遅延回路 4 1 Aを介して得られたス ト レー ト P C Mデータが、 切換スィ ツチ 4 3より次段の加算器 1 4に送られる。 以下同様に、 上記モー ド選択情報が 1 次差分 P C Mモ ー ドのときには、 切換ス ィ ツチ 4 3は端子 bに切換接続され、 フ ィ ルタ 2 5 Bから遅延回路 4 1 Bを介して得られた 1 次差分 P C Mデ-タが加算器 1 4に送られ- また、 上記モー ド選択情報が 2次差分 P CMモー ドのときには、 切 換スィ ッチ 4 3は端子 c に切換接続され、 フ ィ ル タ 2 5 Cから遅延 回路 4 1 Cを介して得られた 2次差分 P C Mデータが加算器 1 4に 送られる。 したがって、 切換ス ィ ッ チ 4 3より加算器 1 4に送られ る出力 d (n)の周波数レス ポン スは、 第 1 5図の太線のように表わさ れる。
さらに、 本発明においては、 このような入力信号の主として周波 数に応じたモ- ド切り'換えあるいは最適フ ィ ル タの選択動作に優先 して、 低次側のエ ン コ ー ド · フ ィ ル タから の出力の上記ブロ ック内 ピーク値が一定値 LQ 以下となるとき、 該フ ィル タ を最適フ ィ ルタ として選択するような動作を行っている。
このときの上記一定値 L Q は、 一般に、 量子化器 1 6によって再 量子化されて出力端子 2 2より送出される伝送データの ヮ - ド長ぁ るいは再量子化ビッ 卜数 Nに応じて、 例えば L Q = 2" 1— 1 とすれ ばよい。 一例として、 再量子化ビッ ト数が 4 ビ ッ ト 〔 N = 4 )のと き、 L。 を 「 7 」 とすれば、 上記再量子化の際にビッ ト欠落なく伝 送できる。 すなわち、 フ ィ ル タ 2 5 Aからのス ト レ― ト P C Mデ— タのブロ ック内ピーク値〔最大絶対値) dip (m)が上記 L Qである 「 7 」以下のときには、 入力信号周波数に無関係にス ト レー ト P CM
デー タ出力用のフ ィ ルタ 2 5 Aを優先的に選択し、 1 次差分以上の 高次の〔予測ゲイ ンの大きな ) 差分処理フ ィ ルタ 2 5 B , 2 5 Cを 選択しないようにし、 また、 上記ブロ ッ ク内ピー ク値 dip が上記 Lo より大であっても、 フ ィ ルタ 2 5 Bからの 1 次差分 P C Mデー タのブロ ッ ク内ピー ク値 d2 p Mが L 0 である f 7 」 以下のときには、 1次差分処理フ ィ ルタ 2 5 Bを優先的に選択し、 より高次の 予測 ゲイ ンのより大きな) 2 次差分処理フ ィ ルタ 2 5 Cを選択しないよ うにしている。 これらの低次側の ( 予測ゲイ ンの小さな )各フ ィノレ タ 2 5 , 2 5 B力、らのデー タの各ブロ ック内ピー ク ί直 Up (m), d2p (m)は、 比較回路 2 6に送られることにより上記一定値 Lo との比較 結果が予測 · レン ジ適応回路 2 1 に送られて、 上述したような優先 的な最適フ ィ ル タの選択が行われる。 したがって、 予測 ' レン ジ適 応回路 2 1 からのモー ド選択情報は、 前記入力信号周波数に応じた モー ド選択に優先して、 上述のフ ィ ルタ出力レベルに応じたモ ー ド 選択を行う ような情報となる。
第 4実施例のフ ィ ルタ選択 ¾作の具体例
次に、 以上のような第 1 3図のエ ン コーダ 1 0 において、 上述し た優先的な最適フ ィ ルタ選択を行う ときの動作の具体例を、 第 1 6 図、 第 1 7図のフ ロ ーチ ヤ — 卜を参照しながら説明する。
先ず、 第 1 6図において、 ステ ップ 1 0 1 で上記ス ト レー ト P C Mデー タのプロ ッ ク内ピ-ク値 c p(m)が上記一定値 Lo C例えば f 7 」 )以下か否かを判別し、 Y E Sの場合にはステ ツプ 1 0 2に進 んで、 当該ブロ ッ ク内のス ト レ ー ト JP C Mデータ d丄 (n)あるいはポ イ ン タ · Ύ ドレスをレジス タ Rc に格納し、 N Oの場合にはステ ツ プ 1 0 3に進む。 ステ ップ 1 0 3では、 上記 1 次差分 P C Mデータ
— — のブ Q ック内ピ - ク値 c p (m)が上記一定値 L 0 以下か否かを判別し、 Y E Sの場合にはステ ップ 1 0 4に進んで 1 次差分 P C Mデータ da (n)あるいはそのボイ ン タ · 了 ド レスをレジス タ He に格納し、 N O の場合にはステ ップ 1 0 5に進む。
以上の動作が第 1 3 図の比較回路 2 6における上記優先的なフ ィ ノレタ選択動作に対応するものであり、 ステ ップ 1 0 5以降の動作は、 前述した第 1 ないし第 3の実施例と同様な最適フ ィ ルタ選択動作に 対応するものである。
すなわち、 ステ ップ 1 ϋ 5においては、 ス ト レー ト P C Mデータ のブロ ック内ピーク値 ( p&n)に上記重み付け係数 /^ 〔例えば ^丄 = 0.7 ) を乗算したもの Λ · dlP Wと、 1次差分 P C Mデータのブ ロ ッ ク値 d2p(m)に上記重み付け係数 β C例えば = 1.0 ) を乗 算したもの^ 2 · d2p Mとを比較して A · dlP (m)が 2 · d2p (m)より小 さいか否かを判別し、 Y E Sのときにはステッ プ 1 0 6に進み、 N 0のときにはステ ップ 1 0 7に進む。 ステ ッ プ 1 0 6では、 上記値 Λ · dip (m)をレジス タ RB に格納するとともに、 ス ト レー ト P C M デ一 タ (n)あるいはそのポイ ン タ ' ア ドレスをレジス タ R c に格納 し、 ステ ップ 1 0 8に進み、 また、 ステ ップ 1 0 7では、 上記^ 2· d2p(m)をレジス タ RB に格納するとともに、 1 次差分 P C Mデータ d2(n)あるいはそのポイ ン タ ' ア ドレスをレジスタ Rc に格納し、 ス テ ツプ 1 0 8に進む。 ステ ップ 1 0 8においては、 2次差分 P C M データのプロ ッ ク内ピー ク値 d3p (m)に重み付け係数 3 C例えば ^ = 2.0 ) を乗算した値^ 3 · d3p (m)が上記レジスタ RB 内のデータ 〔 これを RB で示す) より小さいか否かを判別し、 Y E Sのときはス テ ツブ 1 0 9に進み、 N Oのときはステ ップ 1 1 0に進む。 次に、
ステ ップ 1 0 9においては、 2次差分 P C Mデータ d3(n)あるいはそ のポイ ン タ · Ύ ド レスをレジスタ He に格納した後、 ステ ップ 1 1 0では、 レジスタ RB 内のデー タあるいは Rc 内データによって指 定されるァ ド レスのデータを最適フ ィ ルタ出力データ として、 次段 のレン ジングおよびノ イ ズ ' シ ヱイ ビング回路系に送る。 なお、 上 記各ステ ップ 1 02 , 1 0 4の実行後もステ ップ 1 1 0に進むよう になっている。
以上の第 1 6図のフ ローチ ヤ一 卜の各ステ ップの順序は種々変更 可能であり、 例えば第 1 7 に示すような手順によっても第 1 6図 と実質的に同等の動作を実現できる。
すなわち、 第 1 7図においては、 高次側の差分処理フ ィルタから 順にブロ ック 内ピー ク値についての判断を行っており、 先ず、 ステ ップ 2 0 1では、 2次差分フ ィ ルタに関して、 上記重み付けされた ブロ ッ ク内ピー ク値 3 · d3p (m)をレジス タ RB に格納する とともに, 当該ブ ロ ッ ク内のデータ d3(n)あるいはそのボイ ン タ · ァ ドレスをレ ジス : Rc に格納した後、 ステ ップ 2 0 2に進む。 ステ ッ プ 2 0 2 では、 1 次差分 P C Mデータのブ口 ッ ク内ピ― ク値 d2p Mが上記一 定値 L。 以下か否かを判別し、 N Oのときステ ップ 2 0 3に進み、 Y E Sのときステ ップ 20 4に進む。 ステ ップ 20 3においては、 各重み付けされたブロ ック内ピ— ク値 /? 2 · Up (m)が ? 3 · d3p より 小さいか否かを判別し、 Y E Sのときステ ップ 2 0 4に進み、 N O のときステ ップ 2 0 5に進む。 ステ ップ 2 0 4では、 重み付けされ たピーク値 2 - d2p (m)をレジスタ RB に格納するとともに、 データ d2(n)あるいはその了 ドレスをレジスタ R c に格納した後ゝ ステ ップ 2 0 5に進む。 ステ ップ 2 0 5では、 ス小 レー ト P C Mデータのブ
一 — 口 ッ ク内ピーク値 dlP (m)が上記一定値 L 0 より小さいか否かを判別 し、 N 0のときステ ップ 2 0 6 に進み、 Y E Sのときステ ップ 2 0 7に進む。 ステ ップ 2 0 6 においては、 値 i · dip (m)がレジス タ RB 内のデータ 〔 RB ) より小さいか否かを判別し、 Y E Sのときス テ ップ 2 0 7に進み、 N Oのときステ ップ 2 0 8に進む。 ステ ップ 2 0 7ではデータ di (n)あるいはそのァ ドレスをレジス タ Rc に格納し、 ステ ップ 2 0 8 に進む。 ステ ップ 2 0 8は上記第 1 6図のステ ップ 1 1 0 に対応し、 レジスタ Rc 内のデー タあるいはこれにより指定 されるァ ド レスのデー タを最適フ ィ ルタ出力データ として、 次段の 回路部に送る。 - 以上説明したような第 1 6図または第 1 7図に示すフ ロ ー チ ヤ — トの手順に従ってフ ィルタ選択動作を実行するこ とにより、 ス ト レ — ト P C Mデー タ のフ '口 ッ ク内ピ―ク値 diP Mあるいは 1 次差分 P C Mデ— タのブ□ ッ グ内ピ―ク値 d2p (m)が一定値 L 0 以下 例えば 4 ビッ ト伝送の場合、 LQ = 7 ) となるような微小入力時に、 より 低次のフ ィ ルタ力^ すなわち 2 次差分処理フ ィ ル タ よ り 1次差分処 理フ ィ ル タが、 1 次差分処理フ ィ ル タ よ り ス ト レ一 ト P C Mデー タ 出力フ ィ ルタが優先的に選択される。 なお、 一般に上記一定値 Lo は、 前述したように、 再量子化ビッ ト を Nとする とき、 LQ = 2N_ 1 とすればよい。
第 4実施例における有限演算語長によるノ イ ズ
以上のように、 フ ィ ルタ出力レベルが小さいときに低次側の 〔予 測ゲイ ンの小さな ) フ ィ ル タを優先的に選択することにより、 フ ィ ノレタ内部での演算語長を長く とらなく ともノ イ ズ ' レ ベルを低く抑 える ことができる。
これは、 予測ゲイ ンの小さなフ ィ ルタほど演算語長の制限により 生ずるノィズに対して有利であるからであり、 以下にその理由を説 明する。
こ こで、 前述した各予測器 1 2 , 2 0 , 3 4等のディ ジタ ル ' フ ィ ルタにおいては、 一般に入力データやその遅延出力データに対し て係数を乗算したりこれらのデ-タを加算するような演算処理を行 つているが、 この演算処理等の演算語長を有限とした場合には、 切 ' り捨てあるいは四捨五入すること等に応じたノ イズ、 いわゆる演算 誤差が生ずる。
このような演算誤差を、 各フ ィ ル タ毎にそれぞれ (n) , er2 (n), er3 (n)とし、 それぞれの z変換を第 1 8図に示すように順次 ERi(z), ER2(z) , ER3(z)とする。 すなわち、 エ ン コーダ 1 0側において、 伝 達関数あるいはシ ステム関数が P(z)の予測器 1 2を含むフ ィ ル タ 2 5での演算誤差を ER4z)とし、 R(z)の予測器 2 0を含むフィ ルタで の演算誤差を E (z)とし、 また、 デコーダ 3 0側において、 シ ステ ム関数が P(z)の予測器 3 4を含むフ ィ ルタでの演算誤差を ER3(z)と する。 これらの各フ ィ ルタで付加されるノ イ ズは、 入力信号とは無 相関にホワイ トノイズとして散らばつている。 これらのノイ ズを考 慮して、 ェ ン コ 一 ド、 デコ— ド特性を求めてみると、
X(z)C 1 - P(z) ) - ERi(z) = D(z) (§)
CD(z)- E(z) · G"-R(z)-ER2(z)) G + E(z)=&(z) ⑩
⑩式に⑩式を代入して整理すると、 エン コ ー ド出力は、
/ & (z)=G . X(z) 1 - P(z)) -GC ERi(z)+ER2(z)) +E(z)〔 1 -R(z))
©
同様にデコ一 ド特性は、
ζ)+ ER 3 (ζ) @
Λ A
ν, ― G 1 · D(z)+ER3 (z) ^
一 Ρ(ζ)
A Λ
こ こで、 伝送路にエラ—がないものとして、 D(z)= D(z)とし、 @)式 を @式に代入すると、
dD となり、 結果として、 各フ ィ ルタで付加されたノ イズの加算された ものに対して、 , — ^(z)なるフ ィルタ処理を施したものが出力に現 れることになる。 これは、 ェンコ一 ド · フ ィ ル タ 2 5の予測ゲイ ン に相当する ェ — の利得が小さいフィ ルタ程、 上記演算語長によ るノィ ズに対して有利となることを意味する。
ところで、 本実施例のようなオーディオ · ビッ ト · レー ト · リ ダ ク シ ヨ ン ' シ ステ ムを、 光学式デー タ · フ ァ イ ル 'ディ スク ' シ ス テ ム、 いわゆる C D R 0 Mシス テム等に適用する場合には、 一般ュ 一ザ側では光学式デイ スク再生装置、 いわゆる C D RO Mプレーヤ 等を備えれば足り、 データ記録を行う必要が無いことより、 ェ ン コ ーダ 1 0の構成はある程度複雑化しても、 デコ -ダ 3 0の構成を簡 略化できれば充分実用的である。
このような点を考慮して、 エ ン コ ーダ 1 0側では充分に長い演算 語長をとれるものとし、 上記演算語長によるエ ン コーダ側のノ ィズ ERi(z)および ER2(z)を共に 0 とする。 このときのデコ—ダ側で必要 な演算語長、 すなわち許容できる最大のノィズ ERs(z)について考察 する。
第 1 9図および第 2 0図は、 上記第 1 8図中の各点 a 〜 e における 信号レベルを上記 2次差分モ - ド選択時について模式的に示したも のであり、 第 1 9図は入力信号レベルが小さ く L S B 〔 最下位ビッ 卜 ) から 4 ビッ 卜の範囲内で表されるデー タの場合、 第 2 0図は入 力信号レベルが比較的大き く L S Bから 1 0 ビッ 卜の範囲内で表さ れるデ—タ の場合をそれぞれ示している。
こ こで、 差分処理フ ィ ル タ 2 5において、 上記 2次差分モー ドの ときの予測ゲイ ンは低域側 直流〜 1kHz 程度 ) で約 3 6 d B と大 き く、 これは 5 〜 6 ビッ ト程度シフ トされたのと同等となり、 第 1 9図、 第 2 0図の a点から b点へのレベル ' シ フ 卜に対応している。 次に、 シ フ タ 1 5、 量子化器 1 6およびノ ィ ズ ' シ ヱ ^ f ピ ング回路 1 7により、 レン ジ ング処理およびノ イ ズ ' シ エ イ ピング処理が施 される。 こ こで、 本シス テ ムにおいて、 レン ジング処理されて伝送 されるデータのワー ド長を 4 ビッ ト とする とき、 最も小さい入力信 号に対するレン ジングの際のビッ ト取り出し位置は、 L S B C 最下 位ビッ ト )である B Q から 4 ビッ ト上位側のビ ッ ト B 3 までの範囲 となる。 したがって、 第 1 9図に示すように、 上記差分処理によつ て L S B (すなわちビッ 卜 B Q ) より下位にシ フ トされた b点のデ ー タは、 上記ノ イ ズ ' シ エイ ピング処理によって、 ビッ ト B 0 , B丄 の変化として 第 1 9図 c点の太線矢印 ) 伝送されることになる。 これは、 ビ ッ ト B o 〜 : B 3 の 4 ビッ トでも、 低域信号に対しては L ビッ ト B o :) より 6 ビッ ト下位までのデー タを伝送すること がノ イ ズ ' シ ヱイ ビングによって可能となるからであり、 ノ イズの 低域成分は L S Bより 6 ビッ ト下位側に 〔約 3 6 d B 下方に)存在 することになる。 次に、 デコーダ 3 0 には、 上記ビッ ト g u 〜 : B 3
の 4 ビッ 卜のデータが d点に供給され、 この 4 ビ シ 卜のデータから デコ— ド処理によって更に下位 6 ビッ トを生成し上記 a点に入力さ れたデータを復元する。 なお、 第 2 0図においては、 参考のために 通常の入力レベルにおける動作を示している。
以上の説明からも明らかなように、 上記 2次差分モ - ドの予測ゲ ィ ンが約 3 6 d B のフ ィ ル タを用いるときには、 デコーダ側の演算 語長として、 特に微小信号入力時には L S Bより下位側に約 6 ビッ ト程度の余裕が必要であることがわかる。
さらに、 実測データによると、 無入力時には下位'側 6 ビッ トの余 裕をとってもまだ不足であり、 これは、 デコ— ド側のフ ィ ルタ I I Rフ ィ ルタ ) の次数が高いときに、 無入力にもかかわらず微小信 号が出力されてしまうようないわゆる リ ミ ッ ト · サイ クルの影響も
^" れる o
そこで、 本発明の第 4実施例においては、 前述したように、 微小 入力時には低次の、 すなわち予測ゲイ ン の小さなフ ィ ル タを優先的 に選択することにより、 演算語長の. L S Bより下位側の余裕ビッ ト を長く しなく とも充分な S Z Nを実現できるようにしている。
すなわち、 例えば、 入力信号が再量子化ビッ ト数 N以内で表わし 得るような微小入力時には、 高次の( 1次以上の)差分処理を施し て信号を圧縮しても S 改善効果は全く無く、 デコー ド時の演算 語長制限による悪影響のみ増大することになる。 このとき、 ス ト レ ー ト P C Mデ—タのブ□ ック内ピーク値 cUp (m)は一定値 L 0 C = 2 N_ 1- 1 ) 以下となるから、 ス ト レー ト P C Mモー ドのエン コー ド ' フ ィ ルタ 〔第 1 3図のフ ィ ル タ 2 5 A )が選択され、 入力された 元のサンプリ ング波高値 P C Mデータ C ただし、 信号として有効な
ビッ ト数は再量子化ビッ ト N以下となっている。 )がそのまま再量 子化されて 〔下位側 Nビッ 卜が取り出されて)伝送され、 デコ— ド 時には何ら演算語長制限によるノ ィズの悪影響を受けることなく元 の入力信号を復元でき、 結果として Sノ Nの良好なデコ - ド出力を 得ることができる。
また、 ス ト レー ト P C Mデータの有効信号成分が Nビッ トを超え ても、 1 次差分出'力が Nビッ ト以内で表わされそのブ口 ック内ピ— ク値 d2p (m)が一定値. L Q C = 2N_ 1一 1 ) 以下であるならば、 さらに 高次の 予測ゲイ ン の大きな) 2次差分モ— ドを選択しても S 改善効果は得られないため、 1次'差分 P C Mデ-タを伝送すればよ い。 このときのデコー ド出力としては、 2次差分モー ド時に比べて. 演算語長制限によるノイズをより少く抑えることができる。
さらに、 全体的には、 予測ゲイ ンの小さな低次のフ ィ ルタの選択 される割合が増加するため、 コー ド ' エラ ー発生時に、 予測ゲイ ン が大きいことによる悪影響をある程度抑えることができ、 結果とし て、 コー ド ' エラーに対して強いものとなる。
第 4実施例における測定結果の具体例
次に、 以上のような構成および動作によって得られたデコ - ド出 力についての具体的な測定結果について説明する。
第 2 1図は、 第 1図中のデコ -ダ 3 0の具体例を示すブロ ッ ク回 路図であり、 予測器 3 4は、 2個の単位遅延素子 4 1 , 4 2、 2個 の係数乗算器 4 3 , 4 4および加算器 4 5より成る見かけ上 2次の F I R〔有限イ ンパルス応答)ディ ジタ ル ' フ ィ ルタの ¾成を有し ている。 なお、 この F I Rフ ィ ル タ構成の予測器 3 4力 加算器 3 3の出力側から加算器 3 3 自体に戻る帰還路中に挿入接続されるこ
とによって、 全体として見かけ上 2次の I I R 〔無限イ ンパルス応 答) ディ ジタル ' フ ィ ルタが構成される。
この加算器 3 3および予測器 3 4から成る I I Rフ ィ ル タに対し て、 シフタ 3 2 より ヮ— ド長が例えば 1 6 ビッ トのデイ ジタル信号 が供給される場合に、 このヮ ー ド長 1 6 ビ ッ 卜 の L S B 〔最下位ビ ッ ト ) よりも下位側に X ビッ トの余裕ビッ ト を付加して、 フ ィ ルタ 内部での演算を行う ものとし、 このときの各部演算語長を第 2 1 図 に示す。
このような第 2 1 図の構成のデコ —ダ 3 0 を用い、 ェン コ一ダ側 でのフ ィ ル タ演算時の下位側余裕ビ ッ トを充分に 例えば 6 ビッ ト 以上) とり、 前述した優先的なフ ィ ル タ選択処理を行わない場合 〔 以下比較例、 あるいは処理なしの例という ) と、 本発明のようにフ ィ ル タ出カレべノレに応じた優先的なフ ィ ルタ選択処理を行う場合と についてのデコーダ出力の S ノ N測定結果を、 第 2 2図ないし第 2 4図に示す。
先ず、 第 2 2図は、 入力信号レベルに対するデコーダ出力のノ ィ ズ ' レ ベルを示し、 図中の折線 aは、 本発明の優先的なフ ィ ル タ選 択処理を施し、 第 2 1 図のデコ -ダ 3 0の下位側余裕ビッ ト Xを 4 ビッ ト とした場合を示している。 また、 第 2 2図中の折線 bおよび cは、 いずれも上記比較例となる処理なしの場合を示し、 上記デコ 一ダ側での下位側余裕ビッ ト Xを、 bでは 6 ビッ ト、 cでは 4 ビッ ト とした例を示している。
この第 2 2図から明らかなように、 入力レベルが小さ くなると、 比較例 〔処理なしの例) における下位側余裕ビッ トが 6 ビ ッ ト 〔折 線 b ) の場合と 4 ビッ ト 〔折線。 :)の場合 で、 各ノ イ ズ ' レベル
の差が大き くなる力 本発明の処理を施した例〔折線 a )では、 下 位側余裕ビッ ト Xが 4 ビッ ト と小さ く とも、 ほぼ上記比較例の 6 ビ ッ トの場合 C折線 c ) と同程度のノ ィズ ' レベルとなり、 S Z N劣 化が抑えられている。
次に、 第 2 3図および第 2 4図は、 デコーダ出力の周波数スぺク ト ルを示しており、 第 2 3図は本発明の優先的なフ ィルタ選択処理 を施した場合を、 また、 第 2 4図は比較例として処理なしの場合を、 それぞれ示している。 なお、 演算語長は、 共に、 下位側 6 ビッ 卜の 余裕をとっている。 さらに、 各図の Aは一 6 0 d B で 1kH zの信号 が入力されたとき、 Bは一 8 0 d B で 1 kH zの入力信号のとき、 C は無入力のときをそれぞれ示している。
このように入力信号のレベルが変化したとき、 本発明の処理を行 う第 2 3図の例においては、 Aの一 6 0 dB 、 1 kHz入力に応じて 1次差分モ— ドと 2次差分モー ドとが選択され、 Bの一 8 0 d B 、 1 kHz 入力に応じてス ト レー ト P C Mモー ドのみが選択され、 Cの 無入力時にもス ト レー ト P C Mモ — ドのみが選択される。 これに対 して、 上記比較例としての処理なしの第 2 4図の場合には、 Aの - 6 0 d B 、 1 kHz入力に対して 1 次差分モー ドと 2次差分モー ドと が選択されるが、 Bの一 8 0 d B 、 1kHz 入力に対しては 1次差分 モー ドが選択され、 Cの無入力に対しては 2次差分モー ドが選択さ れる。
これらの第 2 3図と第 2 4図とを比較すると、 微小信号入力時 C 無入力時も含む) においては、 比較例の第 2 4図 B , Cに比べて、 本発明の第 2 3図 B , Cの が明らかに改善されていることが わかる。 特に、 無入力時には、 第 2 4図 Cの全帯域でのノイズ ' レ
ベルが— 8 9. 9 d B と大きいのに対し、 第 2 3図 Cのノイズ ' レべ ルはー 9 3. 7 d B と小さ く抑えられており、 優れた S / N改善効果 が得られている。
このような本発明の第 4の実施例によれば、 微小信号入力時には 予測ゲイ ンの小さな低次のフ ィルタが選択され易くなるため、 予測 ゲイ ンの大きな高次のフ ィ ルタを用いた場合の '演算語長の制限によ るノイズを小さ く抑えることができる。 また、 低次のフ ィ ルタの選 択される割合が増加するため、 コー ド · エラ ーに対して強いという 効果も同時に得られる。 さらに、 少なく ともデコーダ側のフ ィ ルタ 内部演算語長の下位側余裕ビッ トを小さ くできるため、 デコ -ダの 回路 成を簡略化できる。
なお、 本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、 入力 ディ ジタ ル信号のサンプ リ ング周波数、 1 ヮ ー ドのビ ッ 卜数、 1 ブ ロ ック内のワー ド数、 フ ィ ルタ の最高次数 Nや種類数、 あるいは再 量子化ビ ッ 卜数等は任意に設定できるこ とは勿論である。