JPWO2021006058A1 - チョコレート - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、適度な固化速度、良好な口どけ、良好なブルーム耐性、を有する、非テンパー非トランス酸タイプのチョコレートを開発することである。本発明は、油脂および糖類を含むチョコレートであって、前記チョコレートに含まれる油脂が、7〜13質量%のS3、45〜65質量%のS2O、5質量%以下のU3、を含み、0.60〜0.75の、S2Oの含有量に対するSOSの含有量の質量比(SOS/S2O)、を有する、前記チョコレートである。

Description

本発明は、チョコレート、特にベーカリー食品の被覆に適したチョコレートに関する。
チョコレートで被覆された、クッキー、ビスケット、ケーキ、ドーナッツ、デニッシュ、クロワッサン、ウェハースなどのベーカリー食品は、人気があり、広く流通している。チョコレートは、チョコレートに含まれる油脂の違いにより、テンパータイプと非テンパータイプとに、大きく分けられる。
非テンパータイプのチョコレートは、安価で、取り扱いやすいので、ベーカリー食品の被覆によく用いられる。非テンパータイプのチョコレートは、さらに、ラウリン系油脂が使用されたタイプと、非ラウリン系油脂が使用されたタイプとに、大きく分けられる。
ラウリン系油脂が使用されたチョコレートは、良好な口融けを有する。しかし、ベーカリー食品に被覆されたチョコレートが、ひび割れしやすい。また、ラウリン系油脂は、ココアバターとの相溶性が良くないので、ココアバターを豊富に含むチョコレートには適さない。
非ラウリン系油脂は比較的ココアバターとの相溶性がよい。そして、非ラウリン系油脂が使用されたチョコレートは、さらに、高トランス酸タイプと、非トランス酸タイプとに、大きく分けられる。健康への懸念がある高トランス酸タイプは、好まれない。非トランス酸タイプとしては、例えば、特開2007−319043号公報に、SSO型トリグリセリドを主成分として含む被覆用油脂組成物が開示される。
特開2007−319043号公報
しかし、非トランス酸タイプのチョコレートは、固化速度、口どけ、ブルーム耐性などに未だ課題を有する。
本発明の課題は、適度な固化速度、良好な口どけ、良好なブルーム耐性、を有する、非テンパー非トランス酸タイプのチョコレートを開発することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、油脂および糖類を含むチョコレートにおいて、チョコレートに含まれる油脂が、特定のトリグリセリドを特定の量および含有比で含有することにより、上記特性を有するチョコレートが得られることが見いだされた。これにより、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様をとり得る。
(1)油脂および糖類を含むチョコレートであって、前記チョコレートに含まれる油脂が、7〜13質量%のS3、45〜65質量%のS2O、5質量%以下のU3、を含み、0.60〜0.75の、S2Oの含有量に対するSOSの含有量の質量比(SOS/S2O)、を有する、前記チョコレート。(ただし、S、O、U、S3、S2O、SOS、U3は、それぞれ、S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸、O:オレイン酸、U:炭素数18の不飽和脂肪酸、S3:Sが3分子結合しているトリグリセリド、S2O:Sが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド、SOS:1位と3位にS、2位にOが結合しているトリグリセリド、U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド、を示す)
(2)前記チョコレートに含まれる油脂が、5〜30質量%のココアバターを含有する、(1)のチョコレート。
(3)前記チョコレートに含まれる油脂が、5〜20質量%のパームステアリンを含有する、(1)または(2)のチョコレート。
(4)前記チョコレートに含まれる油脂が、5〜25質量%のパーム中融点部を含有する、(1)〜(3)の何れか1つのチョコレート。
(5)前記チョコレートに含まれる油脂を構成する脂肪酸が、35〜55質量%のP、4〜20質量%のSt、25〜45質量%のO、10質量%以下のL、を含む、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。(ただし、P、St、Lは、それぞれ、P:パルミチン酸、St:ステアリン酸、L:炭素数18の、2以上の二重結合を有する脂肪酸、を示す)
(6)(1)〜(5)の何れか1つのチョコレートで被覆された状態にある、食品。
本発明によれば、適度な固化速度、良好な口どけ、良好なブルーム耐性、を有する、非テンパー非トランス酸タイプのチョコレートを提供することができる。
以下、本発明のチョコレートの取り得る態様について順を追って記述する。
なお、本発明において、A〜Bは、A以上B以下を意味する。例えば、A〜B質量%は、A質量%以上B質量%以下を意味する。
本発明においてチョコレートは、日本国におけるチョコレート類の表示に関する公正競争規約(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規に規定されているチョコレートに限定されない。本発明のチョコレートは、油脂および糖類を主原料とする。主原料には、必要に応じてカカオ成分(カカオマス、ココアパウダーなど)、乳製品、香料、乳化剤などを加える。かかるチョコレートは、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、冷却工程など)の全部ないし一部を経て製造される。また、本発明のチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートなども含む。
本発明のチョコレートは、25〜65質量%の油脂を含有し得る。本発明のチョコレートの油脂含有量は、好ましくは28〜60質量%であり、より好ましくは30〜55質量%である。なお、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、配合される油脂以外に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳など)由来の油脂(ココアバター、乳脂など)も含む。例えば、カカオマスに含まれる油脂(ココアバター)の含有量(含油率)は、55質量%であり、ココアパウダーに含まれる油脂(ココアバター)の含有量(含油率)は11質量%であり、全脂粉乳に含まれる油脂(乳脂)の含有量(含油率)は25質量%であり得る。そして、チョコレートの油脂含有量は、チョコレートに含まれる各原料の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせた値を合計した値となる。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、7〜13質量%のS3を含有する。ここで、Sは、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を意味する。Sの例としては、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられる。S3は、3つ(3分子)のSがグリセロールにエステル結合したトリグリセリド(SSS)を意味する。トリグリセリドに結合した3つのSは異なっていてもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるS3の含有量は、好ましくは8〜12質量%であり、より好ましくは8〜11質量%である。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、45〜65質量%のS2Oを含有する。ここで、Oは、オレイン酸を意味する。S2Oは、2つ(2分子)のSと、1つ(1分子)のOとが、グリセロールにエステル結合したトリグリセリドを意味する。SとOのトリグリセリドにおける結合位置は問わない。また、トリグリセリドに結合した2つのSは異なる脂肪酸であってもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるS2Oの含有量は、好ましくは48〜60質量%であり、より好ましくは50〜57質量%である。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、5質量%以下のU3を含有する。ここで、Uは、炭素数18の不飽和脂肪酸を意味する。Uの例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。U3は、3つ(3分子)のUがグリセロールにエステル結合したトリグリセリド(UUU)を意味する。トリグリセリドに結合した3つのUは異なる脂肪酸であってよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるU3の含有量は、好ましくは2〜5質量%であり、より好ましくは2〜4質量%であり、さらに好ましくは2.5〜4質量%である。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、0.60〜0.75の、S2Oの含有量に対するSOSの含有量の質量比(SOS/S2O)、を有する。ここで、SOSは、グリセロールの、1位と3位にS、2位にO、がエステル結合したトリグリセリドを意味する。トリグリセリドの1位と3位に結合した2つのSは異なる脂肪酸であってもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂の、S2Oの含有量に対するSOSの含有量の質量比(SOS/S2O)は、好ましくは0.60〜0.73%であり、より好ましくは0.61〜0.72であり、さらに好ましくは0.62〜0.71である。
本発明のチョコレートの態様によれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂が、上記範囲内の、S3、S2O、U3、を含有し、上記範囲内のSOS/S2Oを満たすと、チョコレートは、適度な固化速度、良好な口どけ、良好なブルーム耐性、を有する。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、14〜26質量%のSU2を含有してもよい。ここで、SU2は、1つ(1分子)のSと、2つ(2分子)のUとが、グリセロールにエステル結合したトリグリセリドを意味する。SとUのトリグリセリドにおける結合位置は問わない。また、トリグリセリドに結合した2つのUは異なる脂肪酸であってもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるSU2の含有量は、好ましくは16〜25質量%であり、より好ましくは18〜24質量%である。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、0.35〜0.55の、S2Oの含有量に対するPOPの含有量の質量比(POP/S2O)、を有する。ここで、Pは、パルミチン酸を意味する。POPは、グリセロールの、1位と3位にP、2位にO、がエステル結合したトリグリセリドを意味する。本発明のチョコレートに含まれる油脂の、S2Oの含有量に対するPOPの含有量の質量比(POP/S2O)は、好ましくは0.38〜0.50%であり、より好ましくは0.39〜0.48である。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、0.50〜0.80の、SOSの含有量に対するPOPの含有量の質量比(POP/SOS)、を有する。本発明のチョコレートに含まれる油脂の、SOSの含有量に対するPOPの含有量の質量比(POP/SOS)は、好ましくは0.55〜0.75%であり、より好ましくは0.60〜0.70である。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、油脂を構成する脂肪酸の全量に占める、パルミチン酸(以下、Pとも表す)、ステアリン酸(以下、Stとも表す)、オレイン酸(O)、炭素数18の、2以上の二重結合を有する脂肪酸(以下、Lとも表す)、の含有量が、それぞれ以下に示す範囲を満たす。すなわち、本発明のチョコレートに含まれる油脂を構成する脂肪酸の全量に占めるパルミチン酸の含有量は、好ましくは35〜55質量%であり、より好ましくは38〜53質量%であり、さらに好ましくは41〜51質量%である。また、同様に、ステアリン酸の含有量は、好ましくは4〜20質量%であり、より好ましくは6〜18質量%であり、さらに好ましくは7〜16質量%である。また、同様に、オレイン酸の含有量は、好ましくは25〜45質量%であり、より好ましくは28〜40質量%であり、さらに好ましくは30〜38質量%である。また、同様に、炭素数18の、2以上の二重結合を有する脂肪酸の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは4〜9質量%であり、さらに好ましくは4〜8質量%である。本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、油脂を構成する脂肪酸の全量に占めるステアリン酸の含有量が比較的少なくても、適度な固化速度と良好なブルーム耐性を有し得る。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、油脂を構成する脂肪酸の全量に占める、トランス型脂肪酸(以下、TAとも表す)の含有量が、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
本発明のチョコレートに含まれる油脂が、上記範囲内の、S3、S2O、U3、を含有し、上記範囲内のSOS/S2Oを満たす限り、本発明のチョコレートに使用する油脂は、特に限定されない。食用に適した油脂を適宜使用してもよい。使用可能な油脂の例として、ココアバター、パーム油、パーム分別油、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、マンゴー分別油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、豚脂、および乳脂などの動植物油脂、および、これらに混合、分別、エステル交換、および水素添加のうちの1種以上の処理が適用されることにより得られる加工油脂、の中から選択される1種以上の油脂が挙げられる。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、ココアバターを、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜26質量%、さらに好ましくは10〜22質量%、含有する。本発明の態様の1つによれば、チョコレートに含まれる油脂に占めるココアバターの割合が高くても、良好なブルーム耐性を有する。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、パームステアリンを、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは7〜16質量%、さらに好ましくは9〜14質量%、含有する。パームステアリンのヨウ素価は、好ましくは25〜45であり、より好ましくは29〜40であり、さらに好ましくは31〜37である。本発明の態様の1つによれば、チョコレートに含まれる油脂にパームステアリンが含まれると、作業(環境)温度が高くても、チョコレートは適度な固化速度を維持し得る。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、パーム中融点部を、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは9〜23質量%、さらに好ましくは12〜22質量%、含有する。パーム中融点部のヨウ素価は、好ましくは25〜45であり、より好ましくは29〜40であり、さらに好ましくは31〜37である。本発明の態様の1つによれば、チョコレートに含まれる油脂にパーム中融点部が含まれると、チョコレートは良好な口どけを得やすい。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、ランダムエステル交換油脂の分別低融点部を含有し得る。ランダムエステル交換油脂は、好ましくは、パームステアリン、または、パーム中融点部、または、それらの油脂、を含む油脂を、ランダムエステル交換して得られる油脂である。また、ランダムエステル交換油脂のヨウ素価は、好ましくは25〜45であり、より好ましくは29〜40であり、さらに好ましくは31〜37である。ランダムエステル交換油脂は、例えば、パームステアリンとパーム中融点部の、好ましくは10:0〜0:10の混合油脂、より好ましくは8:2〜2:8の混合油脂、さらに好ましくは7:3〜3:7の混合油脂、をランダムエステル交換して得られる。ランダムエステル交換油脂は、分別され、低融点部が得られる。ランダムエステル交換油脂の分別低融点部を得る際には、必要に応じて、パーム油および/またはパーム分別油(パームステアリン、パーム中融点部、パームオレインなど)を、ランダムエステル交換油脂に対して10質量%の範囲内で混合して分別してもよい。ランダムエステル交換油脂の分別低融点部のヨウ素価は、好ましくは38〜47であり、より好ましくは40〜46であり、さらに好ましくは41〜45である。ランダムエステル交換油脂の分別低融点部に占めるS3の含有量は、好ましくは5〜11質量%であり、より好ましくは7〜10質量%である。ランダムエステル交換油脂の分別低融点部のSOS/S2Oは、好ましくは0.32〜0.42であり、より好ましくは0.35〜0.40である。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートに含まれる油脂は、上記のランダムエステル交換油脂の分別低融点部を、好ましくは45〜80質量%、より好ましくは50〜75質量%、さらに好ましくは55〜70質量%、含有する。本発明の態様の1つによれば、チョコレートに含まれる油脂に、上記のランダムエステル交換油脂の分別低融点部パーム中融点部が含まれると、チョコレートは、良好な口どけ、ブルーム耐性、を得やすい。
上記ランダムエステル交換油脂を製造するためのランダムエステル交換の方法は、特に限定されない。従来公知の方法で行うことができる。ランダムエステル交換は、ナトリウムメトキシドなどの合成触媒を使用した化学的エステル交換を適用してもよいし、リパーゼを触媒とした酵素的エステル交換を適用してもよい。ランダムエステル交換反応後の油脂は、従来公知の、脱色、脱臭などの精製処理が適用されてもよい。
上記ランダムエステル交換油脂の分別低融点部を製造するための分別方法は、特に限定されない。従来公知の、ドライ分別、溶剤分別、乳化分別など方法が適用できる。しかし、分別は、好ましくはドライ分別である。ドライ分別は、典型的には、融解した油脂を槽内で攪拌しながら冷却することにより、結晶を析出させた後、圧搾および/またはろ過により、高融点部(硬質部または結晶画分)と低融点部(軟質部または液状画分)とに分ける方法である。油脂を分別する時の温度は、特に制限されない。しかし、ドライ分別する時の温度は、好ましくは33〜45℃であり、より好ましくは35〜44℃であり、さらに好ましくは37〜43℃である。
本発明において、数値を特定する方法は従来公知の分析方法を適用できる。具体的には、油脂に含まれる各トリグリセリドの含有量は、ガスクロマトグラフィー法(例えば、AOCS Ce5−86準拠)により測定できる。トリグリセリドの対称性は、例えば、J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じて測定できる。油脂を構成する各脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフィー法(例えば、AOCS Ce1f−96準拠)により測定できる。また、油脂のヨウ素価は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定できる。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートは、糖類を、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは25〜55質量%、さらに好ましくは30〜50質量%、含有し得る。本発明のチョコレートが含有し得る糖類としては、例として、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース、デキストリンなどが挙げられる。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートは、油脂および糖類以外にも、チョコレートに一般的に配合される原材料を含有し得る。油脂および糖類以外の原材料としては、例として、全脂粉乳、脱脂粉乳などの乳製品、カカオマス、ココアパウダーなどのカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工粉末、野菜加工粉末、抹茶粉末、コーヒー粉末などの各種粉末、ガム類、澱粉類、レシチン、リゾレシチン、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤、トコフェロール、アスコルビン酸などの酸化防止剤、着色料、香料など、を挙げることができる。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートは、従来公知の方法により製造することができる。すなわち、本発明のチョコレートは、例えば、油脂、糖類、カカオ成分、乳製品、並びに、乳化剤などの原材料を使用して、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、冷却工程などを経て、製造され得る。
本発明の態様の1つによれば、本発明のチョコレートが被覆された状態にある、食品が挙げられる。本発明の食品としては、例えば、ドーナツ、食パン、コッペパン、フルーツブレッド、バターロール、フランスパン、ロールパン、菓子パン、蒸しパン、スイートドウ、マフィン、ベーグル、クロワッサン、デニッシュペーストリーなどのパン、カステラ、ワッフル、ボーロ、八つ橋、せんべい、かりんとう、スポンジケーキ、ロールケーキ、パウンドケーキ、バウムクーヘン、フルーツケーキ、マドレーヌ、シュー、エクレア、ミルフィーユ、パイ、タルト、マカロン、ビスケット、クッキー、クラッカー、プレッツェル、ウェハース、スナック菓子、クレープ、スフレ、パフなどの焼き菓子、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓などの冷凍菓子、バナナ、りんご、イチゴなどの果物、が挙げられる。本発明の食品は、好ましくはパン・菓子であり、より好ましくは菓子であり、さらに好ましくは焼き菓子である。
本発明の態様の1つによれば、本発明の食品は、例えば、従来公知の製造方法で、パン、菓子などの食品を、本発明のチョコレートで被覆することにより、製造できる。本発明のチョコレートは、被覆時の環境温度が比較的高くても、適度な固化速度を有する。本発明のチョコレートにより被覆された本発明の食品は、チョコレートの口どけがよく、また、保存期間が長くてもチョコレートのブルームが発生し難い。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。しかし、本発明はこれらに何ら限定されない。
〔分析方法〕
(トリグリセリド)
油脂に含まれる各トリグリセリドの含有量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86準拠)により測定した。また、トリグリセリドの対称性は、J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じて銀イオンカラム−HPLC法で測定した。
(脂肪酸)
油脂を構成する各脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce1f−96準拠)により測定した。
(ヨウ素価)
油脂のヨウ素価は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
〔使用油脂〕
チョコレートの原料油脂として以下の油脂を使用した。
(ランダムエステル交換油脂の分別低融点部:略号IEOL)
65質量部のパーム中融点部(ヨウ素価45)と35質量部のパームステアリン(ヨウ素価11)を混合した。得られた混合油を、ナトリウムメチラートを触媒としてランダムエステル交換し、その後、水洗乾燥することにより、ランダムエステル交換油脂を得た。95質量部のランダムエステル交換油脂と5質量部のパーム中融点部(ヨウ素価45)を混合し、混合油脂を得た。得られた混合油脂を42℃でドライ分別し、高融点部を除去することで低融点部(ヨウ素価43.8、S3含有量7.7質量%、SOS/S2O質量比0.40)を得た。得られた低融点部を脱臭処理したものをIEOLとした。
(ランダムエステル交換油脂の分別高融点部:略号IEST)
上記IEOLの分別時に生じる高融点部を脱臭処理したものをIESTとした。
(パームステアリン:略号PS)
パームステアリン(ヨウ素価32、マレーシアISF社製)を使用した。
(パーム中融点部:略号PMF)
パーム中融点部(ヨウ素価34、マレーシアISF社製)を使用した。
(パームオレイン:略号PL)
パームオレイン(ヨウ素価56、マレーシアISF社製)を使用した。
(シアステアリン:略号SS)
シアステアリン(マレーシアISF社製)を使用した。
〔チョコレートの製造〕
表1〜2に示された配合に基づいて、例1〜10の各チョコレートを、通常のチョコレートの製造方法(混合、微粒化、精練、冷却)で製造した。例1〜10の各チョコレートを50℃で完全に融解し、45℃に調温した。45℃に調温した例1〜10の各チョコレートを市販のクッキーに被覆し、18℃の環境温度下で15分間、冷却固化した。
〔チョコレートの評価〕
上記の被覆後冷却固化した例1〜10チョコレートの表面の状態および口どけを、以下の基準に従って、少なくとも5年の経験を積んだ開発者3名が、協議して評価した。18℃の環境温度下で15分間の条件下でも冷却固化が十分であると、チョコレートは、ひび割れ、べたつきがなく、艶がよい。さらに、上記で製造した例1〜10チョコレートが被覆されたクッキーを、20℃の恒温下と、20℃12時間32℃12時間を1サイクルとする変動温度下とに、3ヵ月間静置して、チョコレートの状態(ブルーム耐性)を同様に評価した。表1〜2に結果を示す。
(被覆後冷却固化したチョコレートの状態)
◎:ひび割れ、べたつきがなく、艶が良く、非常に良好
〇:ひび割れ、べたつきがなく、艶があり、良好
△:ひび割れ、または、べたつき、がある
×:許容できない、ひび割れ、または、べたつき、がある

(口どけ)
◎:非常に良好
○:良好
△:許容範囲
×:不良

(3ヵ月後のチョコレートの状態)
◎:ブルームの発生または組織の荒れがなく、艶が良く、非常に良好
○:ブルームの発生または組織の荒れがなく、艶があり、良好
△:ブルームの発生または組織の荒れはないが、艶が乏しく、許容範囲
×:ブルームの発生または組織の荒れがあり、不良
Figure 2021006058
Figure 2021006058

Claims (6)

  1. 油脂および糖類を含むチョコレートであって、前記チョコレートに含まれる油脂が、
    7〜13質量%のS3、
    45〜65質量%のS2O、
    5質量%以下のU3、を含み、
    0.60〜0.75の、S2Oの含有量に対するSOSの含有量の質量比(SOS/S2O)、を有する、
    前記チョコレート。
    (ただし、S、O、U、S3、S2O、SOS、U3は、それぞれ、
    S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸、
    O:オレイン酸、
    U:炭素数18の不飽和脂肪酸、
    S3:Sが3分子結合しているトリグリセリド、
    S2O:Sが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド、
    SOS:1位と3位にS、2位にOが結合しているトリグリセリド、
    U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド、
    を示す)
  2. 前記チョコレートに含まれる油脂が、5〜30質量%のココアバターを含有する、請求項1に記載のチョコレート。
  3. 前記チョコレートに含まれる油脂が、5〜20質量%のパームステアリンを含有する、請求項1または2に記載のチョコレート。
  4. 前記チョコレートに含まれる油脂が、5〜25質量%のパーム中融点部を含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレート。
  5. 前記チョコレートに含まれる油脂を構成する脂肪酸が、
    35〜55質量%のP、
    4〜20質量%のSt、
    25〜45質量%のO、
    10質量%以下のL、を含む、
    請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレート。
    (ただし、P、St、Lは、それぞれ、
    P:パルミチン酸、
    St:ステアリン酸、
    L:炭素数18の、2以上の二重結合を有する脂肪酸、
    を示す)
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のチョコレートで被覆された状態にある、食品。
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