JPWO2020162214A1 - 清掃具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複雑な形状に追従することができ、かつ、靭性の高い樹脂を用いることで、汚れを的確に除去できる清掃具を提供する。【解決手段】 汚染物質捕集体を備えた清掃具であって、前記汚染物質捕集体が、ポリウレタン樹脂であり、前記汚染物質捕集体のアスカーC硬度が、45?90であり、前記汚染物質捕集体の引張強度が、2.0MPa以上30MPa以下であることを特徴とする、清掃具。

Description

粘着性の汚染物捕集体を含む清掃具に関する。
粘着性を有する清掃体を備えた清掃具は、清掃対象に清掃体を押し当て、その粘着性により、汚染物質を捕集し、保持することで清掃が可能である。
光コネクタを清掃するための光コネクタ用清掃具としても、前記清掃具が用いられていることが知られている(例えば、特許文献1参照)。光ファイバを光コネクタに接続するときには、光ファイバ端面を光コネクタのフェルールの端面と向かい合わせにする。このため、光コネクタのフェルールの端面や光ファイバ端面に塵埃が付着していたときには、伝送損失が増大することになる。このようなことから、光コネクタ用清掃具を用いて光コネクタのフェルールの端面を清掃する必要がある。
特開2002−219421号公報
前述した清掃具を用いて、清掃を行う際、清掃対象がその表面に凹凸等の複雑な形状を含む場合には、清掃体がその凹凸等の形状を追従できず、清掃体が汚れに到達できず、清掃が不十分となることがあった。また、清掃体が凹凸等と接触した際に、清掃体の一部が清掃対象に付着することがあり、清掃体を汚してしまうおそれがあった。
また、光コネクタにはガイドピンが突設されているものがあり、接続端面のみを清掃できたとしても、ガイドピンに汚れが残されていた場合に、ガイドピンの汚れが、接続端面を汚してしまう恐れがあった。また、ガイドピンと接続端面の両方を清掃できる清掃具が必要とされるが、ガイドピンの形状を追従しつつ、汚れを十分に清掃することが困難であり、汚れの清掃が不十分となるか、清掃体の一部がガイドピンや接続端面に付着する問題があった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な形状に追従することができ、かつ、靭性の高い樹脂を用いることで、汚れを的確に除去できる清掃具を提供することにある。
本発明による清掃具の特徴は、
本発明(1)は、
汚染物質捕集体を備えた清掃具であって、
前記汚染物質捕集体が、ポリウレタン樹脂であり、
前記汚染物質捕集体のアスカーC硬度が、45〜90であり、
前記汚染物質捕集体の引張強度が、2.0MPa以上30MPa以下
であることを特徴とする、清掃具である。
本発明(2)は、
前記汚染物質捕集体のヒステリシスロスが、3%以上50%以下であることを特徴とする、前記発明(1)の清掃具である。
本発明(3)は、
前記汚染物質捕集体が、帯状のフィルムであることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の清掃具である。
本発明(4)は、
前記汚染物質捕集体が、基材に、直接又は他の層を介して積層されていることを特徴とする、前記発明(3)の清掃具である。
本発明(5)は、
前記基材が、前記基材の前記汚染物質捕集体を積層する表面と対向する表面に離型層を含むことを特徴とする、前記発明(4)の清掃具である。
本発明(6)は、
前記汚染物質捕集体が、渦巻き状に巻回されていることを特徴とする、前記発明(3)〜(5)のいずれかの清掃具である。
本発明(7)は、
前記汚染物質捕集体を有し、コネクタの端面を清掃するための前記汚染物質捕集体が供給可能に保持される供給保持体が収納される本体と、
前記本体から供給された前記汚染物質捕集体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッドと、
前記コネクタと係合可能であり、かつ、前記コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体と、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を前記汚染物質捕集体に伝達して前記汚染物質捕集体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構と、を備え、
前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記コネクタの端面から離隔し、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって前記汚染物質捕集体が変位し、
前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触することを特徴とする、前記発明(3)〜(6)のいずれかの清掃具である。
本発明(8)は、
ピンが突設されたコネクタの端面清掃用である、前記発明(7)の清掃具である。
本発明(9)は、
ピンが突設されたコネクタの端面清掃用の清掃具であって、
前記汚染物質捕集体と、
前記汚染物質捕集体の表面の、少なくとも一部が露出するように前記汚染物質捕集体を支持する支持体と、備え、
前記汚染物質捕集体の露出している表面部の、法線方向における汚染物質捕集体の厚みが、前記接続端面の表面からピン先端部までの長さよりも大きいことを特徴とする、前記発明(1)の清掃具である。
本発明(10)は、
前記支持体は、板体と、前記汚染物質捕集体を側方から囲むように前記板体の周縁に形成された側壁部とを、備えた、前記発明(9)の清掃具である。
本発明(11)は、
光コネクタの端面清掃用である、前記発明(1)〜(10)いずれかの清掃具である。
本発明(12)
前記光コネクタの端面は、光ファイバを接続するための端面である前記発明(11)に記載の清掃具。
清掃対象表面の複雑な形状に追従することができ、汚れを的確に除去できる。
本実施の形態による清掃具10の全体の概略を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の全体の概略と光コネクタOCとを示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の左側面を示す側面図である。 本実施の形態による清掃具10の右側面を示す側面図である。 本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rを外した状態を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lを外した状態を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の供給リール200及び巻取リール300を外した状態を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rの構成を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lの構成を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10のヘッド部400(ヘッド部400及びヘッド保持体420)の構成を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10のヘッド部400における清掃体CTの経路を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10のヘッド部400における清掃体CTの経路を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10の巻取制御体500の移動の変化を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10の巻取制御体500の移動の変化を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10のラチェット歯車322とラック536と供給リール用歯止め180を示す概略図である。 本実施の形態による清掃具10を用いて光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10を用いて光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。 (a)は第13の実施の形態の清掃具を示す斜視図、(b)は第13の実施の形態の清掃具を示す縦断面図、(c)は光コネクタを示す斜視図である。 第13の実施の形態の清掃具を用いて、ガイドピンGPが突設された光コネクタの端面を清掃する方法を説明する断面図であり、(a)清掃具の汚染物捕集体に対して、光コネクタの端面に突設されたガイドピンGPを穿刺し、端面を汚染物捕集体の表面に押し当てた状態を示す断面図、(b)ガイドピンGPを汚染物捕集体から抜き取った状態を示す断面図である。 第14の実施の形態の清掃具を示す縦断面図である。 第14の実施の形態の清掃具を用いて、ガイドピンGPが突設された光コネクタの端面を清掃する際において、清掃具の汚染物捕集体に対して、光コネクタの端面に突設されたガイドピンGPを穿刺し、端面を汚染物捕集体の表面に押し当てた状態を示す断面図である。 第15の実施の形態の清掃具を示す縦断面図である。 第16の実施の形態の清掃具を示す縦断面図である。 第17の実施の形態の清掃具を示す上面斜視図と説明図である。
<<<<本実施の形態の概要>>>>
本発明の清掃具は、清掃対象に当接し、汚染体を捕集し、保持可能な汚染物質捕集体を備える。
以下に本発明にかかる汚染物捕集体を詳述する。
<<<汚染物捕集体>>>
本発明の汚染物質捕集体は、その組成は限定されないが、ポリウレタン樹脂を含み、アスカーC硬度が45〜90であり、引張強度が2.0MPa以上30MPa以下である。
汚染物質捕集体が前記特性を有すると、汚染物質捕集体は、清掃対象表面の形状を追従することができ、特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面への清掃効果が著しく高い。また、一度汚染物質捕集体に捕集された汚染体が、再度清掃対象表面に付着する再付着も起こらないため、極めて清掃効果の高いクリーナとして用いることができる。
汚染物質捕集体の形状は、特に限定されず、例えば、帯状又はシート状のフィルム、棒状、柱状、錘状、錘台状及びブロック状の多角形体又は円形体、楕円形体、球状、楕円球状としてもよい。
汚染物質捕集体は、基材、支持体、汚染物捕集体保持体に、直接又は他の層を介して積層されてもよいし、一部が露出した状態で収容体等に収容されていてもよい。
基材は、基材の前記捕集体を積層する表面と対向する表面に離型層を含んでもよい。
汚染物質捕集体は、渦巻き状に巻回されてもよい。
<<ポリウレタン樹脂>>
本発明の汚染物捕集体は、ポリウレタン樹脂を含む。ポリウレタン樹脂は、前記汚染物質捕集体の力学特性を有する限りにおいて、その組成は限定されない。
ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを有する組成物から形成され、その組成中に、その他の成分を含んでいてもよい。
<ポリオール成分>
ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分を含む。ポリオール成分は、複数種類のポリオールを含むことができる。
ポリオール成分の、その1分子の構造内に含まれる水酸基数(以降、官能基数とする場合がある)は、2〜5であり、2〜3が好ましい。ポリオールの水酸基数が、かかる範囲にある場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物とすることができる。ポリオール成分として、複数種類のポリオールを含む場合は、各ポリオールの配合量の割合と、各ポリオールの水酸基数とを乗じたものを加算することで、ポリオール成分の水酸基数とすることができる。
ポリオール成分の数平均分子量は、100〜6000とすることができる。ポリオール成分の数平均分子量がかかる範囲にある場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物とすることができる。
ポリオールとしては、上述の特徴を満たす限りにおいて特に限定されない。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリジエン系ポリオール、水添ポリジエンポリオール、及び、これらのポリマーポリオール等が挙げられる。前記ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ポリエステルポリオールとしては、ポリオールとポリカルボン酸を脱水縮合反応して得られるポリエステルポリオールや、ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合で得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールを形成するポリオールは、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−テトラコサンジオール、1,6−テトラコサンジオール、1,4−ヘキサコサンジオール、1,6−オクタコサンジオールグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、2,5−ノルボルナンジオール、1,3−アダマンタンジオール、ダイマージオール等の脂環族ポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の芳香族ポリオール;を挙げることができる。これらは1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
前記ポリカルボン酸は、その分子構造中にカルボキシル基を複数有する物であり、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ポリカルボン酸;又はこれらの酸エステル;を挙げることができる。これらは、1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール等の多価アルコールの少なくとも1種と、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等とを反応させて得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルをそれぞれ重合させて得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、及び、これらのコポリエーテルが挙げられる。また、グリセリンやトリメチロールエタン等の多価アルコールを用い、上記の環状エーテルを重合させて得ることもできる。
ポリエステルエーテルポリオールとしては、ポリカルボン酸と、ジエチレングリコール、もしくはプロピレンオキシド付加物等のグリコール等とを脱水縮合反応で得られるものが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ポリカルボン酸;又はこれらの酸エステル;を挙げることができる。これらは、1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
ポリマーポリオールは、ポリオール中でエチレン性不飽和モノマーをその場で重合させることにより得られる。エチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロニトリル、アルキル(C1〜20又はそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等);炭化水素系モノマー、例えば芳香族不飽和炭化水素(スチレン等)、脂肪族不飽和炭化水素(C2〜20又はそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィン、ブタジエン等);並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)]が挙げられる。
これらポリオールのうち、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールを含む場合が好ましく、少なくともこれらのうち二つ以上を混合して用いる場合がより好ましい。これらのポリオールを用いた場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物を得ることができる。
<ポリイソシアネート成分>
本発明に用いられるポリイソシアネートは、本発明の効果が阻害されない限りにおいて、特に限定されない。例えば、2官能のポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(2,6−TDI)、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、水素添加MDI、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、等の芳香族系のもの;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族のもの;ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等のアルキレン系のもの;3官能以上のポリイソシアネートとしては、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナトメチルオクタン等;及びこれら変性体;誘導体等;が挙げられる。また、これらのイソシアネートは、1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
これらイソシアネートのうち、芳香族系及び脂肪族のものを含む場合が好ましく、芳香族系のものを含む場合がより好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、水素添加MDI、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む場合がより好ましい。
本発明にかかるポリイソシアネートのNCO%は、10〜70であり、20〜60が好ましく、30〜55がより好ましい。ポリイソシアネートのNCO%が、かかる範囲にある場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物を得ることができる。
ここで、本発明におけるNCO%の定義は、JIS K1603−1「プラスチック−ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法−第1部:イソシアネート基含有率の求め方」、3.定義、3.3イソシアネート基含有率、「試料中に存在する特定イソシアネート量を質量分率で表したもの」である。また、NCO%の測定方法は、JIS K1603−1、B法による。B法は、TDI、MDI及びポリメチレンポリフェニルイソシアネートの精製又は粗製イソシアネート及びこれから誘導される変性イソシアネートに適用できる。本発明における粘度は、JISK7301「熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法、6.一般性状試験方法、6.2粘度」に準拠する。
<その他添加剤>
本発明にかかるポリウレタン樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述した各成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、界面活性剤、充填剤、可塑剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、抗菌剤、光安定剤、安定剤、分散剤、触媒、架橋剤、溶剤等が挙げられる。
<<汚染物質捕集体の製造方法>>
汚染物質捕集体の製造方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、下記にポリウレタン樹脂を用いた製造例を示す。
ポリウレタン樹脂物の製造方法としては、例えば、所定量のポリイソシアネート成分の入った反応容器に、理論量より少ないポリオール成分を滴下した後に加熱し、ポリイソシアネート成分の有するイソシアネート基と、前記ポリオールの有する水酸基とを反応させ、末端に活性イソシアネートを有するポリウレタンプレポリマーを調製し、ポリウレタン樹脂組成物を製造する方法が挙げられる。前記反応は通常50〜120℃、好ましくは60〜100℃の温度で行われる。反応時間は通常1〜15時間である。
前記ポリウレタンプレポリマーを製造する際に使用するポリオールとポリイソシアネートとの配合は、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と前記ポリオールが有する水酸基との当量比(以下、[イソシアネート基/水酸基]の当量比という)が、0.7〜1.5の範囲内であることが好ましく、0.8〜1.2の範囲内であることがより好ましい。前記当量比が、かかる範囲にある限り、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物を得ることができる。
前記ポリウレタンプレポリマーは、通常、無溶剤下で製造することができるが、ポリオールとポリイソシアネートとを有機溶剤中で反応させることによって製造してもよい。有機溶剤中で反応させる場合には、反応を阻害しない酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤を使用することができるが、反応の途中又は反応終了後に減圧加熱等の方法により有機溶剤を除去することが必要である。
前記イソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを製造する際には、必要に応じてウレタン化触媒を使用することができる。ウレタン化触媒は、前記反応の任意の段階で、適宜加えることができる。前記ウレタン化触媒としては、例えば、3級アミン、金属化合物等が挙げられる。
3級アミンとしては、例えば、例えばTEDA(トリエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
金属化合物としては、ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズのカルボン酸塩類;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクタン酸鉛、オクタン酸ビスマス等のオクタン酸金属塩;等が挙げられる。
以上の方法によって得られたイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量としては、100〜10,000の範囲であることが好ましく、200〜6,000の範囲であることがより好ましい。なお前記数平均分子量は、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー法により測定し、標準試料であるポリスチレンの分子量として換算した数値とすることができる。
得られたポリウレタン樹脂組成物の25℃での粘度は、50000mPa・s以下であることが好ましく、30000mPa・s以下であることがより好ましく、15000mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、特に限定されないが、例えば10mPa・sである。50000mPa・s超の場合にはウレタン樹脂物成形時に薄膜化が困難になる。ここで、当該粘度はJIS K 7117−1に準じて測定することができる。
なお、得られたポリウレタン樹脂組成物は、シート状等に成形したのち、光や熱などにより硬化させて汚染物質捕集体として用いることができる。
ポリウレタン樹脂組成物の成形方法としては、得られたポリウレタン樹脂組成物を真空下で脱泡した後に、離型処理を施した型あるいはフィルム上等に流し、フィルムアプリケーター等を用いて所定の膜厚となるように広げる。その後、常温〜150℃で約40分〜2日間、静置あるいはオーブン内で加熱してウレタン化反応を起こさせる。しかる後に型あるいはフィルムから取り外すことによって成形された汚染物質捕集体を得ることができる。
<<汚染物質捕集体の物性>>
<アスカーC硬度>
本発明の汚染物質捕集体のアスカーC硬度は、45〜90であり、好適には60〜85である。汚染物質捕集体のアスカーC硬度が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の補修性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
本発明の汚染物質捕集体のアスカーC硬度は、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の方法で測定される。測定は、アスカーゴム硬度計C型を用いて行われる。なお、測定に用いる汚染物質捕集体は、ポリウレタン樹脂の硬化完了後、25℃、50%RHの環境下で24時間保存したものを用いる。
<引張強度等の引張特性>
本発明の汚染物質捕集体の引張強度は、2.0MPa以上30MPa以下であり、4.0MPa以上22MPa以下が好ましい。汚染物質捕集体の引張強度が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の補修性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
また、本発明の汚染物質捕集体の破断伸びは、100mm〜150mmとすることができ、105mm〜140mmが好ましい。汚染物質捕集体の破断伸びが、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の補修性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
さらに、本発明の汚染物質捕集体の破断伸び率は、200%〜700%とすることができ、400%〜650%が好ましい。汚染物質捕集体の破断伸び率が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の補修性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
本発明の汚染物質捕集体の引張強度は、JIS K7312:1996「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の、ダンベル試験片を用いた測定方法で測定される。ダンベル試験片形状は、ダンベル状3号形試験片とし、材料試験機を用いて測定する。材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとして測定を行う。同時に破断伸び及び破断伸び率を測定ことができる。
<引裂強度>
本発明の汚染物質捕集体の引裂強度は、3N〜30Nとすることができ、5N〜16Nが好ましい。汚染物質捕集体の引裂強度が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の補修性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
本発明の汚染物質捕集体の引裂強度は、JIS K7312:1996「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方」に記載の、アングル形試験片を用いた測定方法で測定される。測定は材料試験機を用いて測定される。材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとして測定を行う。
<ヒステリシスロス>
本発明の汚染物質捕集体のヒステリシスロスは、3%以上60%以下であり、5〜50%が好ましい。汚染物質捕集体のヒステリシスロスが、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の補修性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
本発明の汚染物質捕集体のヒステリシスロスは、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の方法で測定される。測定は、材料試験機を用いて、引張ヒステリシス試験を行われる。この際、試験片形状をダンベル状3号形試験片とし、材料試験機のクロスヘッド速度を1000mm/minとして、引張・圧縮を30サイクル繰り返した後のヒステリシスロスを測定する。
<<<<清掃具(汚染物質捕集体の用途)>>>>
本発明の汚染物質捕集体の用途は、後述するように汚染物に汚染物質捕集体を接触することで、清掃対象を清掃する清掃具であり、その清掃対象は特に限定されない。本発明の清掃具は、微小な汚染体を清掃可能なことから、微小な汚染体が不具合原因になるような、シビアな電子機器類、特に、光ファイバ用の光コネクタの接続端面を清掃するのに好適である。また、本発明の汚染物質捕集体は、形状追従性に優れていることから、ガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面を清掃するのにより好適である。
以下に、好適例である光コネクタの端面用の清掃具について、具体的な実施の態様例について、詳述する。
なお、本願において、「穿刺」とは、ピンを押し込むことである。ピンを押し込むことで、ピンを押し込まれた部分の汚染物捕集体はピンの形状に追従して凹み、ピンを抜き取った後の汚染物質捕集体は、凹みが解消されて元の形状に戻る。
<<<第1の実施形態>>>
第1の実施の態様によれば、
汚染体を捕集し、保持可能な汚染物質捕集体(例えば、後述する汚染物質捕集体RLなど)を有し、清掃対象面を清掃するための清掃体(例えば、後述する清掃体CTなど)が供給可能に保持される供給保持体(例えば、後述する供給リール200など)が収納される本体(例えば、後述するハウジング100など)と、
前記本体から供給された清掃体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッド(例えば、後述する清掃ヘッド410など)と、
前記光コネクタと係合可能であり、かつ、前記光コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体(例えば、後述する巻取制御体500など)と、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達して清掃体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構(例えば、後述するラック536及びラチェット歯車322など)と、を備え、
前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記光コネクタの端面から離隔し、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって清掃体が変位し、
前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触する光コネクタ用清掃具(例えば、後述する清掃具10など)が提供される。
光コネクタ用清掃具は、本体と清掃ヘッドと供給機構とを備える。
本体は、清掃体の供給保持体が収納される。清掃体は、光コネクタの端面を清掃するための部材である。清掃体は、汚染体を保持可能な汚染物質捕集体を有する。光コネクタの端面に保持可能層を押圧することで、光コネクタの端面に存在する汚染体(塵埃など)を保持可能層に転着させて、光コネクタの端面から汚染体を除去することができる。供給保持体には、清掃体が供給可能(送り出し可能)に保持される。
清掃体は、長尺な形状を有するものが好ましい。また、清掃体は、可撓性を有するものが好ましい。例えば、帯状やテープ状の形状にすることができる。清掃体は、供給保持体に供給可能に収納できるものであればよい。清掃体の大きさ及び形状は、本体から清掃ヘッドに供給して清掃対象面を清掃できるものであれば、適宜に選択することができる。
清掃ヘッドは、本体から離隔しかつ本体に対して一定の保持位置に保持される。清掃ヘッドは、本体に対して不動の位置に保持されている。清掃ヘッドには、本体から供給された清掃体が位置づけられる。このようにしたことで、清掃作業の際に、清掃ヘッドは、本体との相対位置や相対距離がほとんど変化しないので、光コネクタ用清掃具(本体や清掃ヘッドなど)を一定の姿勢に保ちつつ、光コネクタの端面に清掃体を押圧することができ、光コネクタの端面から汚染体を汚染物質捕集体に的確に転着させることができる。
また、清掃ヘッドに、弾性体を導入することで、例えば、光コネクタの端面がいわゆる「8°研磨」により仕上げられたものであって、ガイドピンGPと端面との角度が直角でない場合であっても、清掃ヘッドが、端面の表面の形状を追従し、端面の表面を均質にムラなく清掃することができる。より具体的には、清掃ヘッドの光コネクタ端面側と本体側の間に、光コネクタ端面側及び、本体側に用いられている材質よりも柔らかい材質(弾性体等)を用いることで、清掃体の搬送性、汚染物質捕集体の清掃対象への追従性、8°研磨端面への当接性を優れたものにすることができる。
制御体は、光コネクタと係合することができる。例えば、操作者が光コネクタ用清掃具を光コネクタに近づけることで、制御体を光コネクタに係合させることができる。制御体は、清掃ヘッドに対して第1の位置から第2の位置まで変位することができる。第1の位置及び第2の位置は、互いに離隔している。制御体は、清掃ヘッドに対して相対的に変位できればよく、光コネクタに対しては、変位しなくてもよい。
供給機構は、制御体が第1の位置から第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達する。清掃体は、伝達された動作によって変位して清掃ヘッドに供給される。
制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔する。すなわち、制御体が第1の位置に位置するときには、未だ、清掃体によって光コネクタを清掃する状態にはなっていない。
制御体が第1の位置から第2の位置に変位する間に、供給機構によって清掃体が変位する。制御体が第1の位置から第2の位置までの間に、清掃体が変位し、清浄な清掃体を清掃ヘッドに供給することができる。
制御体が前記第2の位置に位置するときに、清掃ヘッドが光コネクタの端面と接触するので、清浄な清掃体を光コネクタの端面に接触させて光コネクタの端面を清掃することができる。
すなわち、第1の実施の態様による光コネクタ用清掃具は、制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔しており、第1の位置から第2の位置に変位する間に清掃体を変位させ、第2の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面と接触する。
制御体が変位することで、供給機構を介して制御体の動作を清掃体に伝達し、本体から清掃体が清掃ヘッドに供給される。
また、制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔し、制御体が第2の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面と接触すればよく、制御体が第1の位置から第2の位置に変位する間に、清掃ヘッドが徐々にコネクタの端面に近づいてもよい。
<<第2の実施の態様>>
第2の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記本体に対して一定の位置に設けられ一定の形状を有するヘッド保持体(例えば、後述するヘッド保持体420など)を、さらに備え、
前記清掃ヘッドは、前記ヘッド保持体の一定の位置に設けられて、前記本体に対して前記保持位置に保持される。
ヘッド保持体は、一定の形状を有する。すなわち、ヘッド保持体は、制御体の変位や供給機構などによって形状が変化することはなく、時間的に形状が変化することはない。また、ヘッド保持体は、一定の大きさを有するのが好ましい。
さらに、ヘッド保持体は、本体に対してほぼ一定の位置に設けられている。すなわち、ヘッド保持体は、制御体の変位や供給機構などによって位置が変化することはなく、時間的に位置が変化することはない。
清掃ヘッドは、ヘッド保持体の一定の位置に設けられる。このようにしたことにより、清掃ヘッドは、本体に対して一定の保持位置に保持されることになる。したがって、制御体が変位している状態においても、供給機構が動作している状態においても、清掃ヘッドは、本体に対して一定の保持位置に保持された状態を維持する。清掃ヘッドは、ヘッド保持体から突出し露出して配置される。
なお、ヘッド保持体は、本体と別体に構成されても一体に構成されてもよい。別体に構成したときには、組み立てやメンテナンスを容易にすることができる。一体に構成したときには、組み立て工程を省くことができる。
<<第3の実施の態様>>
第3の実施の態様は、第2の実施の態様において、
前記ヘッド保持体は、前記本体から供給される清掃体を前記清掃ヘッドに向かって直線状に案内する。
ヘッド保持体は、清掃体を本体から清掃ヘッドに案内するための案内部材としても機能する。清掃体は、汚染物質捕集体を有するため、清掃ヘッドに案内されるまでの過程で汚染されないようにする必要がある。このため、ヘッド保持体は、清掃ヘッドに案内されるまでに、清掃体を湾曲させたり屈曲させたりすることなく、直線状(平面状)に案内する。このようにすることで、最短でかつヘッド保持体や他の部材などの接触がないようにして清掃ヘッドに供給することができ、清掃体の汚染を防止することができる。
<<第4の実施の態様>>
第4の実施の態様は、第3の実施の態様において、
前記清掃ヘッドに供給された清掃体を回収して保持する回収保持体(例えば、後述する巻取リール300など)をさらに備え、
前記供給機構は、前記制御体の動作を前記回収保持体を伝達して前記回収保持体に清掃体を回収させ、清掃体の回収に伴って清掃体を牽引して、前記本体から前記清掃ヘッドに清掃体を供給する。
回収保持体は、清掃ヘッドに供給された清掃体を回収して保持する。さらに、供給機構は、制御体の動作を回収保持体に伝達し回収保持体によって清掃体を回収させ、この清掃体の回収動作に伴って清掃体を牽引する。すなわち、まず、供給機構が、制御体の動作を回収保持体に伝達し、回収保持体は清掃体を回収する。清掃体の回収動作によって清掃体が牽引されて、牽引動作が、清掃体を介して供給保持体に伝達されて、供給保持体に保持されている清掃体が清掃ヘッド向かって供給される。なお、清掃体は、供給保持体から清掃ヘッドを経て回収保持体に至るまで一体に連続的に形成されているものが好ましい。清掃体は、供給保持体から清掃ヘッドに供給され、光コネクタの端面の清掃によって、汚染体が転着された後に、清掃ヘッドから回収されて回収保持体に保持される。このようにすることで、清浄な状態の汚染物質捕集体を有する清掃体を清掃ヘッドに供給し、光コネクタの端面の清掃によって汚染体が転着されて汚染された清掃体を回収保持体に回収するので、清浄な清掃体を清掃ヘッドに常に位置づけることができる。
<<第5の実施の態様>>
第5の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記制御体を第1の位置(例えば、後述する最大前方位置MFなど)に戻すための付勢力を前記制御体に加える付勢力発生手段(例えば、後述するコイルバネ140など)をさらに備え、
前記付勢力発生手段は、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置されている。
付勢力発生手段は、付勢力を制御体に加えることで、制御体をホームポジションに戻す。付勢力発生手段は、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置されている。清掃体の移動経路は、供給保持体から清掃ヘッドを経て回収保持体に至るまでの経路である。
付勢力発生手段を、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置することで、付勢力発生手段の動作によって生ずる汚染体が清掃体の汚染物質捕集体等に付着することを防止して、汚染物質捕集体等の清浄性を維持して、清掃ヘッドに供給することができる。
さらに、付勢力発生手段を、ヘッド保持体から離隔した位置に配置するのが好ましい。付勢力発生手段の動作によって生ずる汚染体が、ヘッド保持体に到達しにくくして清掃体の汚染物質捕集体等に付着することを防止することができる。
<<第6の実施の態様>>
清掃体は、長尺で可撓性を有するものが好ましくフィルム状、不織布状、織布状等であってもよい。清掃体は、汚染物を転着させて除去できるものであれよい。また、清掃体は、長手方向に沿って一体で連続的に形成されているものが好ましい。さらにまた、清掃体は、汚染物質捕集体を被覆する被覆フィルムを剥離可能に有するものが好ましい。
<<第7の実施の態様>>
供給保持体は、清掃体を送り出し可能に収容されていればよい。供給保持体は、清掃体を収容空間に蓄えておき、清掃体を収容空間から送り出す。さらに、供給保持体は、第1の回転軸(例えば、後述する後側突出部118など)を中心に回転可能な回転体であるのが好ましい。清掃体は、供給保持体に巻回されて保持されており、供給保持体の回転に従って巻回が解かれ供給保持体から徐々に送り出される。供給保持体に巻回されて保持されているときには、汚染物質捕集体は、隣接して重なっている清掃体によって覆われている。清掃体の巻回が解かれることで、隣接して重なっていた清掃体が離隔して汚染物質捕集体が露出する。
<<第8の実施の態様>>
回収保持体は、清掃体を収容して回収できばよい。回収保持体は、清掃体を収容するための収容空間に蓄える。さらに、回収保持体は、第1の回転軸と異なる第2の回転軸(例えば、後述する前側突出部116など)を中心に回転可能な回転体であるのが好ましい。第2の回転軸は、第1の回転軸から離隔した位置にあるのが好ましい。また、第2の回転軸は、第1の回転軸と平行であるのが好ましい。なお、第1の回転軸と第2の回転軸とが同軸であってもよい。第1の回転軸と第2の回転軸とが同軸である場合には、供給保持体と回収保持体とは互いに平行に並んで配置される。なお、第1の回転軸と第2の回転軸とが平行に配置されていなくても、供給保持体は清掃体を送り出すことができ、回収保持体は、清掃体を収容できるものであればよい。清掃体は、供給保持体の回転に従って徐々に巻回されて回収される。
<<第9の実施の態様>>
ヘッド保持体は、長尺な形状を有し、ヘッド保持体は、本体から突出して配置され、本体から突出して最も離隔した位置が、清掃ヘッドを保持するための保持位置である。配設されている光ケーブルなどの各種のケーブル類の隙間から清掃ヘッドを光コネクタに近づけることができる。
<<第10の実施の態様>>
ヘッド保持体は、中空の形状を有し、
ヘッド保持体の内側に清掃体が移動可能に配置され、
制御体は、ヘッド保持体の長手方向に沿ってかつヘッド保持体の外側を変位することができる。ヘッド保持体の内側に清掃体が配置され、ヘッド保持体の外側を制御体が変位するので、制御体の操作によって、清掃体を汚染させることがなく、保持可能層の清浄性を保つことができる。制御体は、長尺な形状を有するのが好ましい。
<<第11の実施の態様>>
ヘッド保持体は、供給保持体から送り出された清掃体が清掃ヘッドに向って移動する供給経路と、清掃ヘッドを経由した清掃体が回収保持体に向かって移動する回収経路との双方の経路を有する。ヘッド保持体の内部においては、供給経路と回収経路とは平行に位置する。なお、本実施の形態において、ヘッド保持体において供給経路と回収経路とが平行であるとは、ヘッド保持体における供給経路と回収経路との間隔の変動幅が、供給経路の移動距離及び回収経路の移動距離に対する変動率が、10分の1(1/10)内にあることをいう。
すなわち、(ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最大間隔−ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最小間隔)/(供給経路の移動距離)≦1/10、及び(ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最大間隔−ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最小間隔)/(回収経路の移動距離)≦1/10が成立すれば、供給経路と回収経路とは平行である。ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最大間隔は、例えば、後述する図12に示すDXであり、ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最小間隔は、例えば、後述する図12に示すDNである。また、供給経路の移動距離や回収経路の移動距離は、例えば、後述する図12に示すLNである。
このように、ヘッド保持体において清掃体の供給経路と回収経路とを平行にしたことにより、ヘッド保持体を細くすることができ、光ケーブルなどの多数のケーブル類が配置されているような環境であっても、ケーブル類の隙間を利用して清掃ヘッドを光コネクタに近づけることができる。
<<第12の実施の態様>>
前述したように、付勢力発生手段は、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置されている。より具体的には、付勢力発生手段は、ヘッド保持体とは異なる位置に配置される。より詳細には、付勢力発生手段は、ヘッド保持体における供給経路及び回収経路から離隔した位置に配置されている。
付勢力発生手段は、ヘッド保持体を挟んで清掃ヘッドから離隔して位置に配置されている。言い換えれば、付勢力発生手段と清掃ヘッドとは、ヘッド保持体を挟んで離隔した位置に配置される。付勢力発生手段の動作によって汚染体が発生する場合であっても、汚染体が清掃ヘッドに到達しにくくして清掃ヘッドに供給された清掃体を清浄に保つことができる。
さらに、付勢力発生手段は、供給保持体の第1の回転軸と回収保持体の第2の回転軸とを結ぶ線に平行に、かつ供給保持体及び回収保持体に隣接した位置に配置される。
ヘッド保持体及び制御体の長手方向は、供給保持体の第1の回転軸と回収保持体の第2の回転軸とを結ぶ線に平行である。ヘッド保持体及び制御体は同軸に配置される。
さらにまた、付勢力発生手段の変位方向は、制御体の変位方向と同じである。付勢力発生手段に生ずる付勢力を制御体に的確に伝達させることができる。
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態による清掃具10の全体の概略を示す斜視図である。図2は、本実施の形態による清掃具10の全体の概略と光コネクタOCとを示す斜視図である。図3は、本実施の形態による清掃具10の左側面を示す側面図である。図4は、本実施の形態による清掃具10の右側面を示す側面図である。図5は、本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rを外した状態を示す斜視図である。図6は、本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lを外した状態を示す斜視図である。図7は、本実施の形態による清掃具10の供給リール200及び巻取リール300を外した状態を示す斜視図である。図8は、本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rの構成を示す斜視図である。図9は、本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lの構成を示す斜視図である。図10は、本実施の形態による清掃具10のヘッド部400(ヘッド部400及びヘッド保持体420)の構成を示す斜視図である。図11は、本実施の形態による清掃具10のヘッド部400における清掃体CTの経路を示す斜視図である。なお、図5〜図9では、簡便のため、キャップ160を省略して示した。
<<<<清掃具10>>>>
清掃具10は、清掃体CTを用いて、光コネクタのフェルールの端面を清掃するための光コネクタ用の清掃具(清掃工具)である。
<<<方向>>>
本明細書で用いる方向について、説明する(図1及び図2参照)。
<前・後・長手>
清掃具10の清掃ヘッド410が位置する側や方向を前側や前方向とし、ハウジング100が位置する側や方向を後側や後方向とする。なお、前後方向は、ヘッド部400の長手方向と称する場合もある。
<右・左>
後側から前側に向かって右の側や方向を右側や右方向と称し、後側から前側に向かって左の側や方向を左側と称する。
<下・上>
また、コイルバネ140が位置する側や方向を下側や下方向や下部と称し、供給リール200や巻取リール300が位置する側や方向を上側や上方向や上部と称する。
<上流・下流>
清掃体CTを送り出して供給する側を上流と称し、清掃体CTが巻き取られる側が下流と称する。後述する供給リール200が上流となり、巻取リール300が下流となる。
<清掃体CT>
清掃体CTは、長尺で可撓性を有し、少なくとも汚染物質捕集体を有しており、汚染物質捕集体が、コネクタ端面及びガイドピンGPに接触することで塵埃などの汚れを除去することができる。清掃体CTは、例えば、テープ状の形状の一体で連続した形状を有する。
清掃体CTの幅は、特に限定されないが、少なくとも清掃対象を光コネクタの端面であるとした場合には、光コネクタのフェルールFEの端面ESの幅以上か、又は、さらにガイドピンGPを含んだ幅以上とすることができる。
清掃体CTの厚みは、特に限定されないが、例えば、0.05mm〜2mmとすることができる。
清掃体CTは、汚染物質捕集体単独であってもよく、基材上に積層されていてもよい。また、剥離フィルムが積層されていてもよい。基材は、汚染物質捕集体だけで清掃体CTとして支持ができない場合に、支持材として用いることができる。剥離フィルムは、本発明の清掃具10を使用していない期間に、清掃体CTの清掃面を汚れや破損から保護するために用いることができる。
前記清掃体CTは、清掃体ヘッドに送られ、清掃体ヘッド上で光コネクタのフェルールFEの端面ES及びガイドピンGPに接触させられる。このとき、基材は、汚染物質捕集体の清掃体ヘッドに接する表面に積層される。また、剥離フィルムは、汚染物質捕集体の基材とは反対側の表面に積層される。剥離フィルムは、清掃体CTが清掃体ヘッドに到達する前に、剥離され、清掃体CTから除外される。
基材の材質は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、合成樹脂、天然樹脂等の樹脂類、天然のゴム類や合成ゴム等のゴム類、天然繊維や合成繊維、繊維、紙、をシート状に形成したものを用いることができる。これらの材質は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、いずれのものも使用可能である。例えば、樹脂の押出成形シート、樹脂シートの細幅切断加工、繊維の撚合せ、繊維の編込み(メッシュ材や織布など)、積層布,不織布、紙等を用いることができる。
繊維の編込みとしては、例えば、目開き0.5〜2.0mm程度の網目構造のメッシュ材を用いることができる。
清掃体CTと、光コネクタとが、接触する際、清掃体CTの汚染物質捕集体は、ガイドピンGP及び穴の形状を追従するように変形するが、基材は汚染物質捕集体と同様に、ガイドピンGP及び穴の形状を追従してもよいし、追従せず貫通してもよい。
基材がガイドピンGP及び穴の形状を追従する場合には、基材は、柔軟性を有する必要があるため、厚みの薄い樹脂フィルム、オレフィン系やポリ塩化ビニル系の合成樹脂が好適である。
一方、清掃体CTと、光コネクタとが、接触する際、ガイドピンGPが基材を貫通する場合には、貫通が容易な構造や貫通が容易な材質の基材を用いることが好適であり、例えば、網状に構成された繊維の編込み、積層布、不織布、厚みの薄い樹脂フィルム等を好適に用いることができる。
基材として、繊維の編込みや、積層布、不織布等の空隙を含む材質を用いる場合には、汚染物質捕集体の一部を、基材の空隙内に侵入(含浸)した状態とすることができる。このような状態とすることで、基材と汚染物質捕集体の密着が強固なものとなる。したがって、光コネクタのフェルールFEの端面ESやガイドピンGPを清掃体CTから取り外す際に、汚染物質捕集体が基材から脱離して、光コネクタのフェルールFEの端面ESやガイドピンGPに付着するという、糊残りが生じにくくなるという利点もある。
貫通が容易な材質の基材としては、紙、不織布、織布や樹脂フィルムを好適に用いることができる。貫通が容易な樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂などのように一定の伸びを示した後に容易に破断する樹脂や、一軸延伸又は二軸延伸されたポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)などの様に易切断性加工を施した樹脂などを好適に用いることができる。
剥離フィルムの材質は、公知のものを用いることができ、特に限定されない。樹脂フィルムや紙などのシート状の材質の汚染物質捕集体側の面に剥離加工が施されていればよい。剥離加工は、特に限定されないが、例えば、ジメチルシロキサンなどの剥離剤を塗布するなどの方法を挙げることができる。
<<<<清掃具10の構成>>>
清掃具10は、主に、ハウジング100と供給リール200と巻取リール300とヘッド部400と巻取制御体500とを備える。これらのハウジング100、供給リール200、巻取リール300、ヘッド部400、巻取制御体500は、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)やPOM(ポリアセタール)樹脂などによって形成される。
<<<ハウジング100>>>
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300とを回転可能に保持する。
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300とを前後方向に沿って収納する。ハウジング100では、巻取リール300が前側に位置し、供給リール200が後側に位置する。ハウジング100は、全体として長尺な形状を有する。
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300との間の領域に凹部150を有し、操作者の指を係合させ易くして、操作者の操作を的確にすることができる。
ハウジング100は、右ハウジング110Rと左ハウジング110Lとを有する。ハウジング100の右側の部分を構成するハウジングが右ハウジングであり、ハウジング100の左側の部分を構成するハウジングが左ハウジングである。右ハウジング110Rは、係止爪154を有し、左ハウジング110Lは、係止孔152を有する。右ハウジング110Rの外形と、左ハウジング110Lの外形とは、おおよそ線対称に形成されている。右ハウジング110Rと左ハウジング110Lとを向かい合わせにして、右ハウジング110Rの係止爪を左ハウジング110Lの係止孔に係止させることで、一体化してハウジング100を形成することができる。
<<右ハウジング110R>>
右ハウジング110Rは、ハウジング100の右側の部分を構成するハウジングである。
<案内用溝部112R>
右ハウジング110Rの下部には、2本の案内用溝部112Rが形成されている。案内用溝部112Rが、巻取制御体500の右側の側面に形成されている案内用突条512Rと係合することで、巻取制御体500を前後方向に案内しつつ移動させることができる。
<ストッパ114RF及びストッパ114RR>
ストッパ114RFは、右ハウジング110Rの下部の前方に配置され、ストッパ114RRは、右ハウジング110Rの下部の後方に配置される。ストッパ114RFは、巻取制御体500の最大前方位置MFを画定し、ストッパ114RRは、巻取制御体500の最大後方位置MRを画定する。
ストッパ114RF及びストッパ114RRは、巻取制御体500の右側に形成された移動制御孔514Rと係合して、最大前方位置MFで巻取制御体500を停止させたり(後述する図13(a)の状態)、最大後方位置MRで巻取制御体500を停止させたり(後述する図14の状態)することができる。
また、ストッパ114RFは、ヘッド保持体420の右側の側面に形成されている前側の係止孔424RFと係合し、ストッパ114RRは、ヘッド保持体420の右側の側面に形成されている後側の係止孔424RRと係合して、ヘッド保持体420をハウジング100に係止する。
<前側突出部116及び後側突出部118(回転可能に保持)>
前側突出部116及び後側突出部118は、右方向に向かって突出して形成されている。前側突出部116には、巻取リール300の貫通孔330が挿入されて、前側突出部116は、巻取リール300を回転可能に保持する。後側突出部118には、供給リール200の貫通孔230が挿入されて、後側突出部118は、供給リール200を回転可能に保持する。
<残量確認用窓120>
残量確認用窓120は、供給リール200に巻回されている残りの清掃体CTの量(残量)を視認するための貫通孔である。操作者は、清掃体CTの残量を確認して、操作を進めることができる。
<歯止め保持部122R>
歯止め保持部122Rは、凹状(窪み状)に形成され、巻取リール用歯止め190の固定端部192を収容して保持することができる。歯止め保持部122Rには、巻取リール用歯止め190の固定端部192が固定される。
<バネ保持部124R>
バネ保持部124Rは、後述するバネ保持部124Lと向かい合わせになって、コイルバネ140を伸縮可能に保持する。特に、コイルバネ140が縮んだ状態となったときでも、コイルバネ140を円筒状の形状を維持して安定的に保持することができる。
<バネ係止収容部128>
バネ係止収容部128は、後述する左ハウジング110Lに形成されているバネ係止部126を収容する。バネ係止部126をバネ係止収容部128によって覆うことにより、バネ係止部126に係止されたコイルバネ140の固定端部142がバネ係止部126から外れないようにすることができる。
<<左ハウジング110L>>
<案内用溝部112L>
左ハウジング110Lの下部には、2本の案内用溝部112Lが形成されている。
案内用溝部112Lが、巻取制御体500の左側の側面に形成されている案内用突条512Lと係合することで、巻取制御体500を前後方向に案内しつつ移動させることができる。
<ストッパ114LF及びストッパ114LR>
ストッパ114LFは、左ハウジング110Lの下部の前方に配置され、ストッパ114LRは、左ハウジング110Lの下部の後方に配置される。ストッパ114RF及びストッパ114RRと同様に、巻取制御体500の最大前方位置MFと最大後方位置MRとを画定する。ストッパ114LFは、巻取制御体500の最大前方位置MFを画定し、ストッパ114LRは、巻取制御体500の最大後方位置MRとを画定する。
ストッパ114LF及びストッパ114LRは、巻取制御体500の左側に形成された移動制御孔514Lと係合して、最大前方位置MFで巻取制御体500を停止させたり、最大後方位置MRで巻取制御体500を停止させたりすることができる。
また、ストッパ114LFは、ヘッド保持体420の左側の側面に形成されている前側の係止孔424LFと係合し、ストッパ114LRは、ヘッド保持体420の左側の側面に形成されている後側の係止孔424LRを係合して、ヘッド保持体420をハウジング100に係止する。
<歯止め保持部122L>
歯止め保持部122Lは、凹状(窪み状)に形成され、供給リール用歯止め180の固定端部182を収容して保持することができる。歯止め保持部122Lには、供給リール用歯止め180の固定端部182が固定される。
<バネ保持部124L>
前述したように、バネ保持部124Lは、バネ保持部124Rと向かい合わせとなって、コイルバネ140を伸縮可能に保持する。
<バネ係止部126>
バネ係止部126は、コイルバネ140の固定端部142を係止する。バネ係止部126は、コイルバネ140が伸縮動作したときでも、コイルバネ140を安定して保持することができる。バネ係止部126は、前述した右ハウジング110Rに形成されているバネ係止収容部128に収容される。コイルバネ140の固定端部142がバネ係止部126から外れないようにすることができる。
<<清掃体ガイドローラ130>>
供給リール200と巻取リール300との間には、清掃体ガイドローラ130が回転可能に設けられている。清掃体ガイドローラ130は、略円筒状の形状を有する。清掃体ガイドローラ130は、清掃体CTと当接して清掃体CTを湾曲させて、清掃体CTの移動方向を変更する。具体的には、供給リール200から送り出された清掃体CTを一定の方向に変更して、清掃ヘッド410に向かって案内することができる。清掃体CTを一定の方向に向かうように調整することで、供給リール200に巻回されている清掃体CTの残量に依存することなく、安定して清掃ヘッド410に向かって送り出すことができる。
<<コイルバネ140>>
コイルバネ140は、コイル状に形成されたバネであり、伸縮可能に形成されている。なお、各図では、簡便のため、コイルバネ140を円柱状の形状で示した。コイルバネ140は、伸縮の状態に応じて付勢力を生じさせる。コイルバネ140は、固定端部142と移動端部144との2つの端部を有する。固定端部142は、左ハウジング110Lのバネ係止部126に係止される。移動端部144は、巻取制御体500のコイルバネ押圧部540に係合される。巻取制御体500が後側に移動したときには、コイルバネ140は縮み、巻取制御体500が前側に移動したときには、コイルバネ140は伸びる。コイルバネ140は、巻取制御体500に付勢力を印加する。
<<供給リール用歯止め180>>
供給リール用歯止め180は、板バネ構造を有し、固定端部182と板バネ部184とを有する。固定端部182は、左ハウジング110Lの歯止め保持部122Lに固定される。板バネ部184は、長尺な形状を有し、長手方向に対して垂直な方向に撓んで弾性変形することができる。
板バネ部184の先端には、係合端186を有する。係合端186は、屈曲した形状を有する。係合端186は、供給リール200のピニオン体220のラチェット歯車222と係合する。板バネ部184は、ラチェット爪として機能する。板バネ部184によるラチェット機構については後述する。
<<巻取リール用歯止め190>>
巻取リール用歯止め190は、板バネ構造を有し、固定端部192と板バネ部194とを有する。固定端部192は、右ハウジング110Rの歯止め保持部122Rに固定される。板バネ部194は、長尺な形状を有し、長手方向に対して垂直な方向に撓んで弾性変形することができる。
板バネ部194の先端には、係合端196を有する。係合端196は、屈曲した形状を有する。係合端196は、巻取リール300のピニオン体320のラチェット歯車322と係合する。板バネ部194は、ラチェット爪として機能する。板バネ部194によるラチェット機構については後述する。
<<キャップ160及びキャップ保持部170>>
キャップ160は、清掃ヘッド410に着脱可能に被せるための被覆体である。清掃ヘッド410をキャップ160で被覆することで、清掃体CTの汚染物質捕集体RLの汚染を防止することができる。又はウジング100の後部には、キャップ保持部170が形成されている。清掃具10で清掃作業をするときには、清掃ヘッド410からキャップ160を取り外す必要がある。取り外したキャップ160をキャップ保持部170に取り付けることによって、作業者は、キャップ160を手で持つことなく清掃することができ、清掃作業を簡便にすることができる。
<<<供給リール200>>>
供給リール200は、主に、左供給リール枠210L及び右供給リール枠210Rを有する。左供給リール枠210Lと右供給リール枠210Rとの間に、未使用の清掃体CTが送り出し可能(供給可能)に巻回される。
<<左供給リール枠210L>>
左供給リール枠210Lは、略円盤状の形状を有する。左供給リール枠210Lは、主に、ピニオン体220と、固定部224と、貫通孔230とを有する。
<ピニオン体220>
左供給リール枠210Lは、ピニオン体220を有する。ピニオン体220は、左供給リール枠210Lの外側(左ハウジング110Lと面する側)に形成されている。ピニオン体220は、高さの低い略円筒状の形状を有する。ピニオン体220は、左供給リール枠210Lと一体に同軸に形成されている。ピニオン体220の外周面に沿ってラチェット歯車(ラチェットギヤ)222が形成されている。
ラチェット歯車222は、非対称の歯面を有する歯の列によって構成される。ラチェット歯車222の歯は、歯先を挟んで圧力角が小さい歯面(傾きが急な(傾きが大きい)歯面)(以下、傾斜大歯面と称する)と圧力角が大きい歯面(傾きが緩い(傾きが小さい)歯面)(以下、傾斜小歯面と称する)とによって構成される。傾斜大歯面によって係合面が構成され、傾斜小歯面によってスリップ面、摺動面が構成される。歯面の傾きによって、供給リール200の回転を許可する回転方向(回転許可方向)と回転を禁止する回転方向(回転禁止方向)とを規定することができる。ラチェット歯車222と、前述した供給リール用歯止め180の係合端186とによって、ラチェット機構(戻り防止機構)を構成する。
このラチェット機構によって、供給リール200は、第1の回転方向(例えば、時計回り)の回転を許可する(回転許可方向)一方、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向(例えば、反時計回り)の回転を禁止する(回転禁止方向)ことができる。
<固定部224>
固定部224が、左供給リール枠210Lの中心部から突出して形成されている。供給リール200では、固定部224は、右供給リール枠210Rに向かって配置される。固定部224は、間隙(図示せず(後述する巻取リール300の固定部324の間隙326と同様))を有し、清掃体CTの長手側の第1の端部(図示せず)を間隙に挟持させることで清掃体CTが固定される。固定部224の先端部には、平坦部228が形成され右供給リール枠210Rを保持することができる。
左供給リール枠210Lの中心部には貫通孔230が形成され、貫通孔230には右ハウジング110Rの後側突出部118が挿入される。
<右供給リール枠210R>
右供給リール枠210Rは、略円盤状の形状を有する。右供給リール枠210Rの中心部に円状の貫通孔232が形成され、貫通孔232には、左供給リール枠210Lの固定部224が挿入される。
<供給リール200の機能>
左供給リール枠210Lと右供給リール枠210Rとの間の間隙に清掃体CTが巻回される。供給リール200が回転することで、供給リール200に巻回されている未使用の清掃体CTを徐々に送り出して清掃ヘッド410に向かって送り出すことができる。清掃体が供給リール200に巻回されて保持されているときには、汚染物質捕集体は、隣接して重なっている清掃体CTによって覆われている。巻回が解かれることで、隣接して重なっていた清掃体CTが離隔して汚染物質捕集体が露出する。
<<<巻取リール300>>>
巻取リール300は、右巻取リール枠310Rを有する。巻取リール300には、使用済みの清掃体CTが巻回される。
<<右巻取リール枠310R>>
右巻取リール枠310Rは、略円盤状の形状を有する。右巻取リール枠310Rは、主に、ピニオン体320と、固定部324と、貫通孔330とを有する。
<ピニオン体320>
右巻取リール枠310Rは、ピニオン体320を有する。ピニオン体320は、右巻取リール枠310Rの外側(右ハウジング110Rと面する側)に形成されている。ピニオン体320は、高さの低い略円筒状の形状を有する。ピニオン体320は、右巻取リール枠310Rと一体に同軸に形成されている。ピニオン体320の外周面に沿ってラチェット歯車(ラチェットギヤ)322が形成されている。
ラチェット歯車322は、非対称の歯面を有する歯の列によって構成される。ラチェット歯車322の歯は、歯先を挟んで圧力角が小さい歯面(傾きが急な歯面)と圧力角が大きい歯面(傾きが緩い歯面)とによって構成される。歯面の傾きによって、巻取リール300の回転を許可する回転方向(回転許可方向)と回転を禁止する回転方向(回転禁止方向)とを規定することができる。ラチェット歯車322と、前述した巻取リール用歯止め190の係合端196とによって、ラチェット機構(戻り防止機構)を構成する。
このラチェット機構によって、巻取リール300は、第1の回転方向(例えば、時計回り)の回転を許可する(回転許可方向)一方、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向(例えば、反時計回り)の回転を禁止する(回転禁止方向)ことができる。
<<固定部324>>
固定部324が、右巻取リール枠310Rの中心部から突出して形成されている。巻取リール300では、固定部324は、左ハウジング110Lに向かって配置される。固定部324は、間隙326を有し、清掃体CTの長手側の第2の端部(図示せず)を間隙326に挟持することで清掃体CTが固定される。右巻取リール枠310Rの中心部には貫通孔330が形成され、貫通孔330には、右ハウジング110Rの前側突出部116が挿入される。
なお、本実施の形態では、左巻取リール枠は存在しないが、左巻取リール枠を設けてもよい。左巻取リール枠を設けることで、巻き取った後の清掃体CTを的確に保持することができる。
<<<ヘッド部400>>>
ヘッド部400は、ハウジング100から前方向に向かって突出して配置される。ヘッド部400は、清掃ヘッド410とヘッド保持体420とを有する。
<<清掃ヘッド410>>
清掃ヘッド410は、清掃体CTを光コネクタのフェルールFEの端面ESに当接させるための当接部412を有する。当接部412は、光コネクタのフェルールFEの端面ESに応じた大きさ及び形状を有する。
<収容孔414>
当接部412には、光コネクタのフェルールFEの端面ESから突出する2本のガイドピンGPを収容するための2つの収容孔414が形成されている。収容孔414を形成したことにより、光コネクタのフェルールFEの端面ESのガイドピンGPの根本まで、清掃体CTの汚染物質捕集体RLを到達させることができ、ガイドピンGPの根本付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンGPの根本付近に付着した塵埃の除去については、後で詳述する(後述する図16及び図17参照)。
清掃ヘッド410は、長尺で薄く扁平の直方体状の形状を有する。清掃ヘッド410は、後述するヘッド保持体420の前側の端部426の一定の位置に保持される。供給リールから送り出された清掃体CTは、当接部412に案内されて当接部412に位置づけられる。清掃ヘッド410は、ヘッド保持体420に着脱可能に設けることができる。光コネクタのフェルールFEの端面ESに応じて、対応する清掃ヘッド410に適宜に交換することができる。
当接部412に位置づけられた清掃体CTの汚染物質捕集体RLは、光コネクタのフェルールFEの端面ESと向かい合わせにされて、汚染物質捕集体RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESに当接されることで、光コネクタのフェルールFEの端面ESに存在する塵埃が汚染物質捕集体RLに転着される。この転着によって、光コネクタのフェルールFEの端面ESの塵埃を除去することができる。その後、清掃体CTは、当接部412から巻取リール300に向かって巻き取られる。なお、清掃体CTの変位については、後で詳述する。
<<ヘッド保持体420>>
ヘッド保持体420は、長尺な一定の形状を有する。具体的には、ヘッド保持体420は、長尺な角筒状の形状を有し、中空の構造を有する。ヘッド保持体420は、供給リール200から巻取リール300に至るまでの清掃体CTを移動可能に収容する。具体的には、ヘッド保持体420は、供給リール200から送り出され、前述した清掃ヘッド410の当接部412を経由して、巻取リール300に巻き取られるまでの清掃体CTを移動可能に収容する。
ヘッド保持体420の、清掃体CTの清掃面と対向する平面部に、1つ以上の窓部425を設けてもよい。清掃体CTは、清掃具内を移動する際に摩擦により、静電気を帯びる場合がある。窓部425が設けられていることで、清掃体CTが静電気を帯びた場合に、ヘッド保持体420の内壁部に付着することを防止することができ、清掃体CTが清掃具内を移動可能にすることができる。
また、同様にヘッド保持体420の材質や内壁部の材質として、帯電防止材、又は、帯電防止加工を施した材質を用いることで、清掃体CTがヘッド保持体420の内壁部に付着することを防止することができ、清掃体CTが清掃具内を移動可能にすることができる。
<保持孔422>
ヘッド保持体420の前部の側面には、保持孔422が形成されている。保持孔422には、清掃ヘッド410に形成されているピン416が挿入される。このようにして、清掃ヘッド410をヘッド保持体420の一定の位置に保持することができる。
<係止孔424RF及び424RR並びに係止孔424LF及び424LR>
ヘッド保持体420の後部の右側の側面には、2つの係止孔424RF及び424RRが形成されている。係止孔424RFは、前側に形成され、係止孔424RRは、後側に形成されている。前側の係止孔424RFは、右ハウジング110Rのストッパ114RFと係合し、後側の係止孔424RRは、右ハウジング110Rのストッパ114RRと係合する。
また、ヘッド保持体420の後部の左側の側面には、2つの係止孔424LF及び424LRが形成されている。係止孔424LFは、前側に形成され、係止孔424LRは、後側に形成されている。前側の係止孔424LFは、左ハウジング110Lのストッパ114LFと係合し、後側の係止孔424LRは、左ハウジング110Lのストッパ114LRと係合する。
係止孔424RF及び424RR並びに係止孔424LF及び424LRによって、ヘッド部400をハウジング100に係止させることにより、ヘッド部400をハウジング100の一定の位置に保持させることができる。
<<清掃ヘッド410の位置>>
清掃ヘッド410は、一定の形状を有しかつハウジング100に対して一定の位置に係止されているヘッド保持体420の一定の位置に保持されている。したがって、清掃ヘッド410は、ハウジング100に対して常に一定の位置に位置する。すなわち、清掃ヘッド410は、清掃作業の作業前、作業中、作業後の全てに亘って、ハウジング100に対して移動することはなく、ハウジング100やヘッド保持体420に対して常に一定の位置に保持される。清掃ヘッド410をハウジング100やヘッド保持体420に対して一定の位置に保持されるようにしたことで、清掃ヘッド410の当接部412に供給されている清掃体CTを光コネクタのフェルールFEの端面ESに一定の力で押圧することができ、操作者の技量によることなく端面ESの塵埃を安定して除去することができる。
清掃ヘッド410の前端は、ヘッド保持体420から突出し、清掃ヘッド410の当接部412は、ヘッド保持体420から突出した位置に配置される。このようにすることで、清掃体CTが外部に向かって露出し、光コネクタのフェルールFEの端面ESに、当接部412に供給されている清掃体CTを的確に当接することができる。
また、清掃ヘッド410の前端のみをヘッド保持体420から突出させることより、清掃体CTの汚染物質捕集体RLが汚染されにくくすることができる。なお、前述したキャップ160を清掃ヘッド410に取り付けることができ、清掃具10を使用しないときに、清掃体CTの汚染物質捕集体RLが汚染されないようにでき、清浄な状態を維持することができる。
<<ヘッド保持体420の内部の構成>>
ヘッド保持体420の内部には、清掃ヘッド410と清掃体CTのみが配置される。すなわち、ヘッド保持体420の内部には、供給リール200から清掃ヘッド410に供給される清掃体CT(供給用清掃体CT)と、清掃ヘッド410と、清掃ヘッド410を経由して巻取リール300に巻き取られる清掃体CT(回収用清掃体CT)とのみが存在する。また、供給リール200から送り出された清掃体CTの汚染物質捕集体RLは、露出した状態となる。このため、ヘッド保持体420の内部では、供給用清掃体CT及び回収用清掃体CTを直線状(平面状)に保ちつつ移動させる。このようにすることで、清掃体CTの汚染物質捕集体RLがヘッド保持体420の内壁と接触しないようにして、汚染物質捕集体RLが汚染されることを防止することができる。
さらに、後述する可動可能な制御本体510は、ヘッド保持体420の外側に配置されており、ヘッド保持体420は、隔壁として機能する。例えば、制御本体510の摺動(移動)によって塵埃が発生した場合であっても、ヘッド保持体420によって塵埃を遮断してヘッド保持体420の内部に進入させにくくでき、汚染物質捕集体RLの汚染を防止することができる。
さらにまた、制御本体510を駆動するためのコイルバネ140は、ハウジング100の後部に配置されており、すなわち、ヘッド保持体420から離隔した位置に配置されており、コイルバネ140の伸縮によって塵埃が発生した場合であっても汚染物質捕集体RLの汚染を防止することができる。
また、ハウジング100の後部に配置されているコイルバネ140は、バネ保持部124L及び124Rの内部に収納されており、バネ保持部124L及び124Rは、隔壁として機能し、コイルバネ140の伸縮による塵埃が広がることを防止できる。
<<<巻取制御体500>>>
巻取制御体500は、制御本体510と制御用端面520と巻取用延在部530とコイルバネ押圧部540とを有する。
<<制御本体510>>
制御本体510は、長尺な略角筒状の形状を有し、長手方向に貫通している。すなわち、制御本体510は、中空の構造を有し、制御本体510の内側には、前述したヘッド部400(ヘッド保持体420及び清掃ヘッド410)が収容される。制御本体510は、内側に収容したヘッド部400に対して、ヘッド部400の長手方向に沿って移動することができる。制御本体510は、ヘッド部400の長手方向に沿ってヘッド部400の外側を移動することができ、制御本体510の移動によって、巻取制御体500の全体も、ヘッド部400及びハウジング100に対してヘッド部400の長手方向に沿って移動することができる。巻取制御体500の動作及び操作については、後述する。
<案内用突条512R及び案内用突条512L>
制御本体510の右側の側面には、2本の案内用突条512Rが形成されている。2本の案内用突条512Rは、長尺な畝状の形状を有する。2本の案内用突条512Rは、制御本体510の長手方向に沿って、互いに平行に、制御本体510の右側の側面の上部と下部との二箇所に形成されている。
制御本体510の左側の側面には、2本の案内用突条512Lが形成されている。2本の案内用突条512Lは、長尺な畝状の形状を有する。2本の案内用突条512Rは、制御本体510の長手方向に沿って、互いに平行に、制御本体510の左側の側面の上部と下部との二箇所に形成されている。
<移動制御孔514R及び移動制御孔514L>
制御本体510の右側の側面には、長尺な移動制御孔514Rが形成されている。移動制御孔514Rは、略長円状の貫通孔の形状を有する。移動制御孔514Rは、制御本体510の長手方向に沿って、2本の長尺な案内用突条512Rの間に形成されている。
制御本体510の左側の側面には、長尺な移動制御孔514Lが形成されている。移動制御孔514Lは、略長円状の貫通孔の形状を有する。移動制御孔514Lは、制御本体510の長手方向に沿って、2本の長尺な案内用突条512Lの間に形成されている。
移動制御孔514R及び移動制御孔514Lは、制御本体510の右側の側面と左側の側面とで互いに向かい合って形成されている。
<<制御用端面520>>
制御用端面520は、制御本体510の前端部に形成された端面である。制御用端面520は、光コネクタOCのハウジング端面OSと向かい合って当接し、ハウジング端面OSと係合可能に形成されている。具体的には、フェルールFEの端面ESを清掃する作業の際に、操作者によって清掃具10が把持されて、清掃具10が光コネクタOCに近づけられると、まず、制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと向かい合うように清掃具10が位置づけられ、制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)するまで近づけられる。
さらに、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、ハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに向かって近づく。制御本体510が、ハウジング100の後方に相対的に移動することによって、清掃体CTが供給リール200から新たに送り出されて、清掃ヘッド410の当接部412に供給される清掃体CTが移動する。
操作者が清掃具10にさらに、力を加えると、制御本体510は、さらにハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド410の当接部412は、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESにさらに近づき当接する。制御本体510が、ハウジング100の後方にさらに移動することによって、清掃体CTが供給リール200から新たに送り出されて、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLが清掃ヘッド410の当接部412に供給される。このため、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに当接するときには、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLがフェルールFEの端面ESと接触することになる。
このように、操作者が清掃具10に力を加えて、清掃具10を光コネクタOCに押し込むことによって、清掃ヘッド410の当接部412を光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づけつつ清掃体CTを供給リール200から送り出して、常に、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLをフェルールFEの端面ESに当接させることができる。なお、清掃ヘッド410、制御本体510及び清掃体CTの具体的な動作については、図13〜図17で後述する。
なお、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング100及びヘッド部400に対して相対的に移動するが、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESと係合した状態となっており、巻取制御体500や制御本体510は、光コネクタOCに対して静止した状態となっている。実際には、ハウジング100及びヘッド部400が光コネクタOCに向かって移動する。
<<巻取用延在部530>>
巻取用延在部530は、制御本体510から巻取リール300に向かって延在して設けられている。巻取用延在部530は、湾曲部532とラック形成部534とを有する。
<湾曲部532>(付勢力発生部)
湾曲部532は、略90度湾曲した形状を有する。湾曲部532は、ヘッド部400の長手方向に対して略垂直に突出し、略90度湾曲してヘッド部400の長手方向と略平行になって巻取リール300に向かって延在する。湾曲部532は、弾性変形可能な材質で形成され、適宜に弾性変形することができる。
<ラック形成部534>
ラック形成部534は、湾曲部532に接続され、略直線状の長尺な形状を有する。ラック形成部534は、ヘッド部400の長手方向に沿ってラック(歯先が平面状に並んだ歯の列)536が形成されている。ラック536は、巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。
制御本体510が前後方向に移動することで、ラック形成部534も前後方向に移動することができる。ラック形成部534の前後方向の移動によって、巻取リール300を回転させることができる。制御本体510と巻取リール300との動作については、後で詳述する。
<コイルバネ押圧部540>
巻取制御体500の後側の端部には、コイルバネ押圧部540が形成されている。コイルバネ押圧部540には、コイルバネ140の移動端部144が係合されている。コイルバネ140は、バネ保持部124Lとバネ保持部124Rとによってコイルバネ140の側部が支持され、コイルバネ押圧部540と左ハウジング110Lのバネ係止部126との間で伸縮可能に保持される。
<<<<清掃具10の動作(清掃具10に対する操作)>>>>
以下では、清掃具10の動作について説明する。前述したように、操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込むことで巻取制御体500をハウジング100及びヘッド部400に対して移動させることができる。以下では、まず、巻取制御体500のみの動作を説明し、次に、巻取制御体500及び巻取リール300の動作について説明する。
<<<巻取制御体500の動作(制御本体510に対する操作)>>>
前述したように、制御本体510は、中空の構造を有し、制御本体510の内側には、前述したヘッド部400(ヘッド保持体420及び清掃ヘッド410)に収容される。制御本体510は、内側に収容されたヘッド部400に対してヘッド部400の外側を移動することができる。具体的には、操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込むことで、制御本体510を光コネクタOCのハウジング端面OSに係合させて、ヘッド部400の長手方向(すなわち、清掃体CTの前後方向)に沿って制御本体510を移動させることができる。
<巻取制御体500の最大前方位置MF>
図13(a)は、制御本体510が最も前側に位置するときの状態を示す。移動制御孔514Rがストッパ114RFと係合し、移動制御孔514Lがストッパ114LFと係合するときに、制御本体510は、ストッパ114RF及びストッパ114LFによって係止され、制御本体510が最も前側に位置する(最大前方位置MF)。操作者が制御本体510に力が加えていないときには、コイルバネ140の付勢力によって、制御本体510は、前方に移動して最大前方位置MFに位置づけられる。この最大前方位置MFが、制御本体510のホームポジションとなる。
<巻取制御体500の中間位置>
図13(b)は、制御本体510が最大前方位置MFから少し後方に移動した状態を示す。前述したように、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、最大前方位置MFからハウジング100の後方に向かって移動する。制御本体510が後側に移動したときには、制御本体510の一部がハウジング100の内部に収容されるとともに、ヘッド保持体420の一部が、制御本体510から露出して、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づく。
<フェルールFEとの当接>
操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込む力をさらに強めることによって、制御本体510がさらに後側に移動したときには、ヘッド保持体420の一部が、制御本体510からさらに露出して、当接部412は、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESと当接する。
<巻取制御体500の最大後方位置MR>
図14は、移動制御孔514Rがストッパ114RRと係合し、移動制御孔514Lがストッパ114LRと係合したときに、制御本体510は、ストッパ114RR及びストッパ114LRによって係止され、制御本体510が最も後側に位置する(最大後方位置MR)。このように、制御本体510は、最大後方位置MRで停止させることができる。制御本体510を最大後方位置MRで停止させることで、操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込む力を強めて光コネクタOCのフェルールFEを強く押圧しようとした場合であっても、フェルールFEを損傷させることを防止することができる。
前述したように、コイルバネ140が制御本体510の後部に設けられており、コイルバネ140は、制御本体510に対して付勢力を印加する。操作者が制御本体510に加える力を弱めたときには、コイルバネ140の付勢力によって、制御本体510は、最大前方位置MFまで移動し、ホームポジションに戻ることができる。このように、巻取制御体500は、最大前方位置MFと最大後方位置MRとの間で移動することができる。
<<巻取制御体500及び巻取リール300の動作>>
前述したように、制御本体510の移動によって、巻取制御体500は、清掃具10の後方又は前方に移動することができる。ここで、巻取制御体500の動作と巻取リール300の動作とについて説明する。
前述したように、制御本体510は、巻取用延在部530を有し、巻取用延在部530には、ラック536が形成されている。このラック536は、巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。また、巻取リール用歯止め190は、板バネ部194を有し、板バネ部194には、係合端196が形成されている。この係合端196も巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。すなわち、巻取リール300のラチェット歯車322には、制御本体510のラック536と、巻取リール用歯止め190の係合端196との2つの部材が係合し、互いの係合状態によって、巻取リール300の動作を制御することができる。図15は、ラック536とラチェット歯車322との係合と、係合端196とラチェット歯車322との係合との状態を示す概略図である。なお、ラック536は、巻取用延在部530によって覆われているが(図13及び図14等参照)、図15では、説明のためにラック536を明示した。
<<制御本体510に力が加えられたとき>>
<ラチェット歯車322とラック536との係合>
制御本体510が後方に向かう力(図13(b)及び図15の矢印A1参照)が印加されたときには、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、巻取用延在部530のラック536から巻取リール300のラチェット歯車322へ、巻取リール300が回転し得る力が伝達される。図13(b)及び図15の図面上では、巻取リール300が時計回り(矢印A2参照)に回転し得る力が伝達される。巻取用延在部530のラック536と巻取リール300のラチェット歯車322とによってラックアンドピニオン機構が構成され、直進運動を回転運動に変換して動作を伝達する。
<ラチェット歯車322と係合端196との係合解除>
巻取リール300のラチェット歯車322に力(図13(b)及び図15の図面上で時計回りに回転しようとする力(矢印A2参照))が伝達されるときには、巻取リール300は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが互いに離隔する方向に移動する。このため、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが係合することはなく、巻取リール300の回転動作は禁止されない。したがって、操作者が制御本体510に力を加えて巻取制御体500を後方に移動させることで(図13(b)及び図15の矢印A1参照)、巻取リール300を時計回りに回転(図13(b)及び図15の矢印A2参照)させることができる。
なお、巻取リール300が回転(図13(b)及び図15の図面上で時計回りの回転)するときには、板バネ部194の係合端196の傾斜小歯面と、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面とが接触する。さらに、巻取リール300の回転に従って、板バネ部194は、ラチェット歯車322の歯と摺動しながら、ラチェット歯車322の歯によって押圧されて徐々に弾性変形する。板バネ部194の係合端196が、ラチェット歯車322の歯先を通過したときに、板バネ部194は、弾性変形が解除されて元の形状に戻る。
<清掃体CTの牽引及び供給>
このように、制御本体510に力が加えられて巻取制御体500が後方に移動するときには、制御本体510の移動によって巻取リール300に力が伝達されて、巻取リール300が回転することができる。巻取リール300が回転することで、清掃体CTが牽引されて(図13(b)の矢印A3参照)巻取リール300に巻回される。清掃体CTが牽引されることで、供給リール200から清掃体CTが新たに送り出され(図13(b)の矢印A4参照)、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLが清掃ヘッド410の当接部412に供給される(図13(b)の矢印A5参照)。制御本体510に力が加えられて巻取制御体500が後方に移動するときに、巻取制御体500を最大後方位置MRまで移動させることができる(図14の状態)。
<<制御本体510への力が弱まったとき>>
<ラチェット歯車322とラック536との係合>
次に、巻取制御体500を後方に移動させた後に、制御本体510への力が弱まったときには、前述したように、コイルバネ140の付勢力によって、巻取制御体500は、前方に向かって移動しようとする(図15及び図13(b)の矢印B1参照)。すなわち、巻取制御体500は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが互いに離隔する方向に移動しようとする。したがって、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが係合することなく、巻取制御体500の前方への移動は禁止されない。
なお、巻取制御体500が前方に移動するときには、巻取用延在部530のラック536の傾斜小歯面は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面と接触する。さらに、巻取制御体500の移動に従って、巻取用延在部530は、ラチェット歯車322の歯と摺動しながら、ラチェット歯車322の歯によって押圧されて徐々に弾性変形する。巻取用延在部530のラック536は、ラチェット歯車322の歯先を通過したときに、弾性変形が解除されて元の形状に戻る。
<ラチェット歯車322と係合端196との係合>
さらに、巻取制御体500が前方に移動するときには、巻取用延在部530のラック536の傾斜小歯面と、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面との接触により、巻取リール300が回転し得る力が加えられる。図15の図面上では、巻取リール300が反時計回りに回転し得る力が伝達される(図15の破線の矢印B2参照)。巻取リール300のラチェット歯車322に反時計回りに回転しようとする力が伝達されるときには、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、巻取リール300に反時計回りに回転し得る力が伝達されても、巻取リール300の回転動作が禁止され、巻取リール300が反時計回りに回転することはない。ラチェット歯車322と係合端196との係合によって、逆戻り防止機構が構成される。
<ラチェット歯車222と係合端186との係合>
前述したように、供給リール用歯止め180は、板バネ部184を有し、板バネ部184には、係合端186が形成されている(図6参照)。また、供給リール200にはラチェット歯車222設けられている。板バネ部184の係合端186は、供給リール200のラチェット歯車222と係合する。清掃体CTが供給リール200に逆戻りする方向の力が、清掃体CTを介して加えられたときには、供給リール200のラチェット歯車222の傾斜大歯面と、板バネ部184の係合端186の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、供給リール200に清掃体CTが逆戻りする方向の力が伝達されても、供給リール200の回転動作が禁止される。ラチェット歯車222と係合端186との係合によって、逆戻り防止機構が構成される。
このように、制御本体510への力が弱まったときには、巻取リール300が回転することなく、巻取制御体500は、コイルバネ140の付勢力によって、前方に向かって移動する(図15及び図13(b)の矢印B1参照)。したがって、巻取リール300に巻回されている清掃体CTが解放されることなく、巻回された状態を維持して、巻取制御体500をホームポジションに戻すことできる(図13(a)の状態)。巻取制御体500をホームポジションに戻す際に、巻取リール300の回転動作を禁止することで、塵埃で汚染された清掃体CTが清掃ヘッド410に戻ることを防ぐことができる。
<清掃体CTの送り長さFL>
巻取制御体500は、ストッパ114RF及びストッパ114LFによって最大前方位置MFに位置づけられ、ストッパ114RR及びストッパ114LRによって最大後方位置MRに位置づけられる。このため、常に、巻取制御体500を一定の長さ(図13(a)及び図14のFL参照)だけ移動させることができ、清掃体CTの送り長さも一定にすることができ、操作者の技量や熟練度によることなく常に清浄な汚染物質捕集体RLを清掃ヘッド410の当接部412に供給することができる。
<<<清掃体CTの経路>>>
供給リール200では、清掃体CTが巻回されており、清掃体CTの汚染物質捕集体RLは、隣接する清掃体CTによって覆われる。このため、清掃体CTの汚染物質捕集体RLが汚染されることはない。
供給リール200は、ハウジング100に保持され、供給リール200から送り出された清掃体CTは、清掃ヘッド410に達するまで、ハウジング100及びヘッド保持体420に収容されており、清掃体CTの汚染物質捕集体RLを清浄に保つことができる。
清掃体CTが供給リール200から送り出されるときに、巻回が解かれて清掃体CTの汚染物質捕集体RLは露出する。リール200から送り出された後、清掃体CTの汚染物質捕集体RLは、いずれの部材と接触することなく直進して清掃ヘッド410に到達するのが好ましい。汚染物質捕集体RLの反対側の面は、ローラやガイドなどによって、清掃体CTの経路を適宜に変更することができる。また、清掃体CTの汚染物質捕集体RLが部材と接触する場合でも、清浄な部材を用いることで、清掃体CTの汚染物質捕集体RLを清浄に保つことができる。
<<<<清掃作業の流れ>>>>
まず、操作者によって制御用端面520が光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)するまで近づけられる。次に、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、ハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに向かって近づく。
制御本体510がハウジング100の後方に相対的に移動することにより(図13(b)の矢印A1)、巻取リール300が、制御本体510の移動に応じた回転角度で巻取方向に回転する(図13(b)の矢印A2)。巻取リール300の回転により清掃体CTが牽引されて(図13(b)の矢印A3)、巻取リール300に巻回される。
巻取リール300によって清掃体CTが牽引されることで(図13(b)の矢印A3)、供給リール200から清掃体CTが送り出されて(図13(b)の矢印A4)、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLが清掃ヘッド410の当接部412に供給される(図13(b)の矢印A5)。
この後、操作者が、清掃具10への力を強めて清掃ヘッド410の当接部412を光コネクタのフェルールFEの端面ESに向けて近づけ、清掃体CTの汚染物質捕集体RLを光コネクタのフェルールFEの端面ESに押圧することで、光コネクタのフェルールFEの端面ESの塵埃を汚染物質捕集体RLに転着させて、光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃することができる。
このように構成したことにより、制御本体510の相対的に移動に伴って、清掃体CTが牽引され続ける。すなわち、清掃ヘッド410の当接部412が光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに到達するまで、制御本体510は移動し続けて清掃体CTが牽引される。このため、清掃体CTの汚染物質捕集体RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESに押圧されるまでの間に、清掃ヘッド410の当接部412に位置していた清掃体CTは当接部412から離隔した位置に移動し、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLが当接部412に新たに供給されて位置づけられる。すなわち、清掃体CTの汚染物質捕集体RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESと当接するよりも前に、清掃体CTの清浄な汚染物質捕集体RLを当接部412に新たに供給することができる。
清掃が終わった後に、操作者が、清掃具10への力を弱めることで、コイルバネ140の付勢力によって制御本体510を前方に相対的に移動させてホームポジションに戻す。
なお、制御本体510が前方に移動するときには、ラチェット歯車322は、係合端196によって係止されており、巻取リール300の回転が禁止されるため、清掃体CTは移動することなく、清掃ヘッド410の当接部412に供給された清掃体CTの汚染物質捕集体RLは当接部412の位置で維持される。
<<<<清掃具10による清掃の過程>>>>
図16(a)〜図16(d)は、清掃具10を用いて、光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。例えば、MPOコネクタなどの清掃に用いることができる。図16(a)〜図16(d)は、清掃過程におけるフェルールFEと清掃体CTとの相対的な位置関係を示す。図16(a)〜図16(d)に示す例では、フェルールFEに、12本の光ファイバOFの端部が並んで設けられている。また、フェルールFEには、2本のガイドピンGPが、12本の光ファイバOFを挟んでフェルールFEの端面ESから垂直(端面ESから離隔する方向)に突出して設けられている。
まず、作業者が清掃具10を把持し、図2に示すように、清掃具10の清掃ヘッド410を光コネクタOCの開口部OPと向かい合わせにして近づける。次いで、光コネクタOCのハウジング端面OSに制御本体510の制御用端面520に係合させて清掃具10に力を加える。力を加えることで、制御本体510をハウジング100内に収納させつつ、光コネクタOCの開口部OPに清掃ヘッド410を挿入することができ、ヘッド部400の当接部412を光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づけることができる。さらに、清掃具10への力を強めることで、清掃体CTの汚染物質捕集体RLをフェルールFEの端面ESに密着させることができる。具体的な過程を以下で説明する。
まず、図16(a)に示すように、作業者が光コネクタOCの開口部OPに清掃ヘッド410を挿入すると、清掃体CTの汚染物質捕集体RLは、フェルールFEの端面ESと離隔した位置で向かい合う。
さらに、作業者が光コネクタOCに向かって清掃具10に力を加えると、図16(b)に示すように、光コネクタOCのハウジング端面OSに制御本体510の制御用端面520が係合し、ヘッド部400の当接部412の清掃体CTの汚染物質捕集体RLが光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づく。図16(b)に示す状態では、清掃体CTの汚染物質捕集体RLは、フェルールFEの2本のガイドピンGPの先端部と接触し、2本のガイドピンGPによって押圧されて弾性変形する。
次いで、作業者がさらに力を加えると、図16(c)に示すように、清掃体CTの汚染物質捕集体RLは光コネクタOCのフェルールFEの端面ESにさらに近づく。このとき、汚染物質捕集体RLは、2本のガイドピンGPによって押圧されるとともに、汚染物質捕集体RLに生じた付勢力(復元力)によって2本のガイドピンGPを覆い始める。
次に、作業者が清掃具10にさらに力を加えると、図16(d)に示すように、汚染物質捕集体RLがフェルールFEの端面ESまで到達する。このとき、2本のガイドピンGPの接触によって弾性変形した箇所は、汚染物質捕集体RLに生じた付勢力(復元力)により2本のガイドピンGPの根本まで汚染物質捕集体RLによって覆われる。2本のガイドピンGPの根本まで汚染物質捕集体RLで覆うことで、汚染物質捕集体RLとフェルールFEの端面ESとの間に隙間が生ずることなく汚染物質捕集体RLをフェルールFEの端面ESの全体に密着させることができる。2本のガイドピンGPの根本まで汚染物質捕集体RLを付着させることで、フェルールFEの端面ESの全体の塵埃を汚染物質捕集体RLの粘着力で転着させることができる、塵埃は、フェルールFEの端面ESに静電気力などで付着している。2本のガイドピンGPの根本の周囲や2本のガイドピンGPに付着している塵埃も、汚染物質捕集体RLの粘着力によって転着させて除去することができる。汚染物質捕集体RLの弾性係数や硬度などを適宜に選択することで、汚染物質捕集体RLの付勢力(復元力)を用いて、2本のガイドピンGPの全体を汚染物質捕集体RLで被覆することができる。
清掃ヘッド410には、2本のガイドピンGPを収容するための収容孔414が形成されており、汚染物質捕集体RLがフェルールFEの端面ESまで到達するときも、ガイドピンGPの全体とともに汚染物質捕集体RLが収容孔414に収容される。収容孔414を設けたことにより、ガイドピンGPが形成されているフェルールFEであっても、的確に塵埃を除去することができる。また、汚染物質捕集体RLも収容孔414に収容できるので、付勢力(復元力)による汚染物質捕集体RLの変形も妨げられることがなく、ガイドピンGPの全体を汚染物質捕集体RLで覆うことができる。
前述した図16(a)〜図16(d)は、汚染物質捕集体RLが、2本のガイドピンGPによって穿刺されることなく、2本のガイドピンGPの形状及び大きさに応じて弾性変形し、汚染物質捕集体RLに生じた付勢力(復元力)によって、2本のガイドピンGPの根本まで汚染物質捕集体RLに被覆されていく例を示したが、2本のガイドピンGPを汚染物質捕集体RLに穿刺させて汚染物質捕集体RLを塑性変形させてもよい。図17(a)〜図17(d)は、汚染物質捕集体RLが塑性変形する場合の例を示す図である。なお、汚染物質捕集体RLを弾性変形させるか、塑性変形させるかは、汚染物質捕集体RLのショアA硬度などを適宜に定めればよい。
図17(a)は図16(a)と同じ状態である。図17(b)に示すように、2本のガイドピンGPが清掃体CT(汚染物質捕集体RL)に接触して押圧されると、汚染物質捕集体RLは、2本のガイドピンGPによって穿刺されて塑性変形し、2本のガイドピンGPとの接触の当初から刺衝が始まる。次いで、清掃体CTを押し込むと、図17(c)に示すように、さらに塑性変形が進行し、徐々に2本のガイドピンGPは、汚染物質捕集体RLに刺衝されていく。最終的には、図17(d)に示すように、汚染物質捕集体RLは塑性変形しながら、清掃体CTはフェルールFEの端面ESに到達する。このように、汚染物質捕集体RLを塑性変形させる場合でも、2本のガイドピンGPの根本まで清掃体CTの汚染物質捕集体RLを付着させることができる。この場合も、2本のガイドピンGPの根本の周囲や2本のガイドピンGPに付着している塵埃も、汚染物質捕集体RLの粘着力によって転着させて除去することができる。
<<<<変形例1>>>>
前述した実施の形態の清掃体CTでは剥離フィルムがない例を示したが、清掃体CTに剥離フィルムを設けてもよい。剥離フィルムは、汚染物質捕集体RLを被覆するためのフィルムであり、剥離フィルムを設けることで、汚染物質捕集体RLの粘着性を維持したり汚染を防止したりすることができる。
清掃体CTに剥離フィルムを設けたときには、清掃体CTを剥離フィルムとともに供給リール200に巻回しておき、供給リール200から送り出すときに、剥離フィルムを剥がして、清掃ヘッド410に供給することができる。
剥離フィルムの剥離は、曲率半径を小さくして清掃体CTを湾曲させて、清掃体CTの曲がり具合を大きくすることで、剥離フィルムを剥がれやすくすることができる。また、剥離した剥離フィルムを収容するための剥離フィルム収容リールを設けるのが好ましい。剥離された剥離フィルムが汚染物質捕集体RLと再び接触して、清掃体CTの円滑な移動を妨げることを防止することができる。さらに、剥離された剥離フィルムの接触によって、汚染物質捕集体RLの粘着性を低下させたり清浄性を低下させたりすることを防止することもできる。
剥離した剥離フィルムを収容せずに、排出孔を設けて、ハウジング100から剥離とともに排出させるようにしてもよい。剥離フィルム収容リールを設けるための空間を確保する必要がなくなり、ハウジング100を小さくすることで、清掃具10の全体を小型化することができる。さらに、排出した剥離フィルムを切断するためのカッターを排出孔に設けてもよい。
<<<<変形例2>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、光コネクタOCの端面ESに押圧されて塵埃が転着された清掃体CTを巻取リール300によって回収する例を示したが、排出孔を設けて、塵埃で汚染された清掃体CTをハウジング100から排出するようにしてもよい。巻取リール300を設けるための空間を確保する必要がなくなり、ハウジング100を小さくすることで、清掃具10の全体を小型化することができる。さらに、排出した清掃体CTを切断するためのカッターを排出孔に設けてもよい。
<<<<変形例3>>>>
前述した実施の形態の清掃体CTでは基材がない例を示したが、清掃体CTに基材を設けてもよい。基材は、例えば汚染物質捕集体RLを支持するためのフィルムであり、基材を設けることで、汚染物質捕集体RLが使用前に変形したり、破損したりすることを防止することができる。また、清掃体CTを巻き回した際、清掃体CT同士が接着するのを防止することができる。
清掃体CTに基材を設けたときには、清掃体CTは基材とともに供給リール200に巻回しておき、供給リール200から送り出すときに、清掃体CTと基材とを一体として、清掃ヘッド410に供給することができる。
基材は、清掃CTが清掃ヘッド410に供給された際、清掃CTの清掃ヘッド側の表面に設けることができる。使用後の基材は、清掃CTと一体として巻取りリールに回収される。
<<<<変形例4>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、ハウジング100の前側に巻取リール300を配置し、ハウジング100の後側に供給リール200を配置する例を示したが、供給リール200を前側に配置し、巻取リール300を後側に配置してもよい。汚染物質捕集体RLが露出してから清掃ヘッド410の当接部412に到達するまでの距離を短くすることができ、汚染物質捕集体RLが汚染される可能性を低くして、粘着性を維持して的確に塵埃を転着させることができる。
<<<<変形例5>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、供給リール200及び巻取リール300の各々を互いに離隔して異なる回転軸で回転可能に配置する例を示したが、供給リール200及び巻取リール300を同軸上に回転可能に配置してもよい。前後方向に小型化することができる。
<<<<変形例6>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、ハウジング100とヘッド部400と別体に準備されて接合して清掃具10を構成する例を示したが、ハウジング100とヘッド部400と予め一体に形成されたものでもよい。
<<<<変形例7>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、制御本体510の移動によって、巻取リール300のみを回転させる例を示したが、供給リール200のラチェット歯車222に制御本体510の動作を伝達させて、巻取リール300とともに供給リール200を回転させるようにしてもよい。清掃体CTの牽引によって供給リール200を回転させる必要がなくなり、清掃体CTに牽引力を加えずに済み、牽引力によって清掃体CTを引き伸ばしたり破損させたりすることを防止することができる。
<<<<変形例8>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、2本のガイドピンGPを収容するための収容孔414を設けたが、収容孔414を設けなくてもよい。当接部412を収容孔414のない平坦な形状にすることができ、ガイドピンGPが存在しないフェルールFEの場合には、フェルールFEの端面ESの全面に汚染物質捕集体RLを均一の押圧力で押圧することができる。
<<<<変形例9>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、コイルバネ140を用いて、巻取制御体500や制御本体510に付勢力を印加する例を示したが、付勢力を発生されることができるものであればよく、コイルバネの他、板バネなどの各種のバネや、ゴムなどの樹脂などで形成された弾性体などにすることができる。
<<<<変形例10>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、ヘッド保持体420の内部においては、清掃体CTの供給経路と回収経路とが平行となる例を示したが、供給経路と回収経路とを非平行となるようにしてもよい。
<<<第2の実施形態>>>
第2の実施形態の清掃具は、ガイドピンGPが突設された端面を清掃するための第1の実施形態とは異なる別の態様の清掃具である。清掃対象物としては、ガイドピンGP(ピン)が突設された端面を有する光コネクタ(MTコネクタ(F12形多心光ファイバコネクタ:JIS C 5981)、MPOコネクタ(F13形多心光ファイバコネクタ:JIS C 5982)、MTRJコネクタ、MPXコネクタ等。);コンセントのソケットに差し込むための2〜3本のガイドピンGPが突設されたプラグ等が挙げられる。
第2の実施形態の清掃具は、ガイドピンGPが穿刺可能な汚染物捕集体と、汚染物捕集体の表面の一部が露出(支持体と非接触)するように汚染物捕集体を支持する支持体とを有する。また、汚染物質捕集体の露出している表面部の、法線方向における汚染物質捕集体の厚みが、前記接続端面の表面からピン先端部までの長さよりも大きくてもよい。詳しくは後述するように、実施形態の清掃具は、その露出した汚染物捕集体の表面に対して、清掃対象端面に突設されたガイドピンGPを穿刺し、端面を汚染物捕集体の表面に押し当てることによって、ガイドピンGPが突設された端面を、ピンの周面も含めて、簡単かつ短時間で清掃可能としたものである。
以下、第2の実施形態の清掃具について、実施の態様例を挙げ、ガイドピンGPが突設された光コネクタの端面を清掃する場合を示して、詳細に説明する。
<<第13の実施の態様>>
図18(a)は第13の実施の形態の清掃具を示す斜視図、図18(b)は第13の実施の形態の清掃具を示す縦断面図、図18(c)は清掃対象物である光コネクタを示す斜視図である。図18(c)に例示した光コネクタOC2は、端面(接続端面)ES2に、2本のガイドピンGP2が突設された光コネクタである。図18(c)中の符号OFは、光ファイバである。
第13の実施の形態の清掃具20は、ガイドピンGP2が穿刺可能な汚染物質捕集体RL2と、汚染物質捕集体RL2の一方の表面に積層してこれを支持する、剛性を備えた板体610(支持体)とを有し、携帯可能な大きさの矩形板状に形成されたものである。板体610が設けられておらず露出した側の汚染物質捕集体RL2の表面601には、カバーフィルム(カバー)600が剥離可能に設けられ、汚染物質捕集体RL2の表面601を覆っている。カバーフィルム600は、清掃具20を用いて光コネクタOC2を清掃する時には剥離されるものである。
第13の実施の形態の清掃具20の有する汚染物質捕集体RL2は、図18(a)〜(c)に示すように、光コネクタOC2の有するガイドピンGP2の長さ(GL)以上の厚み(D1)を有している。この例では、汚染物質捕集体RL2の厚み(D1)は、2.5〜3.0mm程度である。
カバーフィルム600としては、汚染物質捕集体RL2に対する離型処理がなされた公知の樹脂フィルム等を使用できる。
なお、以下の各実施形態例において、カバーフィルムには、ここに例示したもの等を同様に使用できる。
剛性を備えた板体610は、たとえば金属板、樹脂板(ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)、非晶性ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン等からなる板。)等からなり、汚染物質捕集体RL2を安定に支持できるように、その材質等に応じた厚みに設定されている。板体610は、ガイドピンGP2が穿刺可能である必要はない。
なお、以下の各実施形態例において、剛性を備えた板体には、ここに例示したもの等を同様に使用できる。
第13の実施の形態の清掃具20を用いて、ガイドピンGP2が突設された光コネクタOC2の端面(接続端面)21を清掃する場合には、まず、作業者が清掃具20のカバーフィルム600を剥離し、汚染物質捕集体RL2の表面601を露出させる。
ついで、作業者が一方の手で光コネクタを持ち、他方の手で清掃具20を持ち、図19(a)に示すように、光コネクタOC2の端面ES2を清掃具20の露出した汚染物質捕集体RL2の表面601に接近させ、ガイドピンGP2を汚染物質捕集体RL2に穿刺し、端面ES2を汚染物質捕集体RL2の表面601に押し当てる。この例では、汚染物質捕集体RL2の厚み(D1)は、光コネクタOC2のガイドピンGP2の長さ(GL)以上であるため、ガイドピンGP2が全長にわたって汚染物質捕集体RL2に穿刺された状態となる。また、この例では、ガイドピンGP2を汚染物質捕集体RL2に穿刺することで、非貫通の穴が形成される。
ついで、図19(b)に示すように、光コネクタOC2の端面ES2を汚染物質捕集体RL2から引き離して、ガイドピンGP2を汚染物質捕集体RL2から抜き取る。なお、ガイドピンGP2を汚染物質捕集体RL2から抜き取ると、非貫通の穴は元の平坦な状態に戻る。
以上の清掃作業においては、光コネクタOC2の端面ES2に付着していた塵、埃等は、端面ES2が汚染物質捕集体RL2の表面601に押し当てられることにより、汚染物質捕集体RL2の表面601に付着し、移行する。また、ガイドピンGP2の周面に付着していた塵、埃等も、ガイドピンGP2が汚染物質捕集体RL2へ穿刺され、その後抜き取られる間に、汚染物質捕集体RL2に付着し、移行する。
このように第13の実施の形態の清掃具20によれば、作業者が、光コネクタOC2の端面ES2を清掃具20の汚染物質捕集体RL2に押し当て、ガイドピンGP2を穿刺し、抜き取るだけの簡単かつ短時間の操作により、端面ES2やガイドピンGP2の周面に付着していた塵、埃等を除去できる。よって、ガイドピンGP2が突設された端面ES2を、ガイドピンGP2の周面も含めて、一度に1つの操作で清掃することができる。
また、たとえば、光コネクタの端面がいわゆる「8°研磨」により仕上げられたものであって、ガイドピンGPと端面との角度が直角でない場合であっても、端面の表面を均質にムラなく清掃することができる。
また、第13の実施の形態の清掃具20は、構成が簡単であり、コスト的に有利である。
また、第13の実施の形態の清掃具20は、作業者が携帯できる大きさに形成されている。そのため、作業者がある場所で光コネクタ接続作業を行った後に、別の場所に移動して光コネクタ接続作業を行う場合等に、清掃具20を容易に持ち運び、各場所で清掃作業を行うことができる。
なお、図19(a)では、カバーフィルム600を汚染物質捕集体RL2の表面601の全面が露出するように完全に剥離した状態を図示した。しかしながら、カバーフィルム600は、汚染物質捕集体RL2の表面601の全面が露出するように剥離する必要はなく、光コネクタOC2の端面ES2を清掃するのに必要な面積及び形状の表面601が露出する限りにおいては、部分的に剥離してもよい。
たとえば、この例のように、光コネクタOC2の端面ES2の面積に比べて、汚染物質捕集体RL2の表面601の面積が充分に大きい場合には、汚染物質捕集体RL2の表面601の一部のみを露出させて清掃の操作を行ってよい。また、その後、カバーフィルム600を元に戻し、露出した汚染物質捕集体RL2の表面601を再び覆ってもよい。
そして、次に、別の光コネクタOC2の端面ES2を清掃する場合には、再度、カバーフィルム600を部分的に剥離して、汚染物質捕集体RL2の表面601を露出させ、清掃を行えばよい。この際、清掃対象の光コネクタOC2の端面ES2及びガイドピンGP2に付着している塵、埃の量が少なく、汚れの程度が小さい場合には、汚染物質捕集体RL2の表面601における同一領域で、複数の光コネクタOC2の端面ES2を清掃してもよい。汚れの程度が大きい場合には、1つの光コネクタOC2を清掃するたびに、別の新しい表面601を露出させ、端面ES2の清掃を行うことが好ましい。
このように1つの清掃具20により、複数の光コネクタOC2に対して、清掃を行うことができる。
また、汚染物捕集体RLを覆うカバーフィルム600は、1枚で構成されたものだけでなく、複数枚に分割されたものでもよい。このような構成とすることにより、分割された複数枚のうちの一部を剥離して、汚染物捕集体RLの一部の領域のみを露出させることもできる。
これにより、光コネクタOC2の端面ESの面積に比べて、汚染物捕集体RLの表面601の面積が充分に大きい場合には、1つの光コネクタOC2の端面ESの清掃に必要な分だけ、汚染物捕集体RLの表面601を露出させることができる。
また、図19では、清掃具20の長手方向と、光コネクタOC2の端面ES2の長手方向とが平行になる位置関係で、光コネクタOC2の端面ES2を汚染物質捕集体RL2の表面601に押し当てた状態を図示しているが、清掃具20の長手方向と、光コネクタOC2の端面ES2の短手方向とが平行になるように押し当ててもよく、清掃作業におけるこれらの位置関係には特に制限はない。
第13の実施の形態の清掃具20は、剛性を備えた板体610の上に汚染物質捕集体RL2を形成し、カバーフィルム600をその上に設ける方法で製造できる。
汚染物質捕集体RL2の形成は、汚染物質捕集体RL2の材質等に応じて行えばよく、たとえば、汚染物質捕集体RL2を構成するモノマー成分を板体610の上に塗布し、その後、必要に応じて、加熱、光照射等を行って、モノマー成分を硬化(架橋)させる方法等で形成できる。また、汚染物捕集体は、別途用意した転写性を備えたシート上に形成しておき、これを板体610上に転写する等して形成してもよい。
<<第14の実施の形態>>
図20は、第14の実施の形態の清掃具を示す縦断面図である。
第14の実施の形態の清掃具21は、ガイドピンGP2が穿刺可能な汚染物質捕集体RL2と、汚染物質捕集体RL2の一方の表面に積層してこれを支持する、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611(支持体)とを有し、携帯可能な大きさの矩形板状に形成されたものである。板体611が設けられておらず露出した側の汚染物質捕集体RL2の表面601には、カバーフィルム(カバー)600が剥離可能に設けられ、汚染物質捕集体RL2の表面601を覆っている。
第14の実施の形態の清掃具21は、図20に示すように、汚染物質捕集体RL2が、光コネクタOC2の有するガイドピンGP2の長さ(GL)よりも小さな厚み(D2)で形成されている点、また、支持体として、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611を有している点で、第13の実施の形態の清掃具20と異なる。
ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611としては、たとえばポリウレタン、エチレンビニルアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステルの樹脂;又は、これら樹脂の発泡体;ネオプレン、天然スポンジなどのゴム系スポンジ;等が挙げられる。この例では、汚染物質捕集体RL2とガイドピンGP2が穿刺可能な板体611との合計厚み(D3)が、光コネクタOC2のガイドピンGP2の長さ(GL)以上に設定されている。
なお、以下の各実施形態例において、ガイドピンGP等のピンが穿刺可能な板体には、ここに例示したもの等を同様に使用できる。
第14の実施の形態の清掃具21を用いた場合も、第13の実施の形態の清掃具20の場合と同様に、作業者がこれを携帯し、同様の簡単な手順、操作で、ガイドピンGP2が突設された光コネクタOC2の端面ES2の清掃を短時間で行うことができる。
第14の実施の形態の清掃具21においては、汚染物質捕集体RL2の厚み(D2)が、ガイドピンGP2の長さ(GL)よりも小さい。そのため、この例では、図21に示すように、作業者が、光コネクタOC2のガイドピンGP2を汚染物質捕集体RL2に穿刺すると、ガイドピンGP2を押し込まれた部分の汚染物質捕集体RL2がガイドピンGP2の形状に追従して凹む。しかしながら、このような場合でも、ガイドピンGP2の周面に付着していた塵、埃等は、ガイドピンGP2が汚染物質捕集体RL2を凹ませ、その後抜き取られる過程で、汚染物質捕集体RL2に付着し、移行する。光コネクタOC2の端面ES2に付着していた塵、埃等は、第13の実施の形態の場合と同様に、端面ES2が汚染物質捕集体RL2の表面601に押し当てられることにより、汚染物質捕集体RL2に付着し、移行する。これにより、塵、埃等が除去される。
なお、ガイドピンGP2が穿刺された部分の板体611はガイドピンGP2の形状に追従して凹む、又は貫通もしくは非貫通の穴が形成される。
また、ガイドピンGP2を抜き取った後の汚染物質捕集体RL2は、凹みが解消されて元の形状に戻る。一方、板体611は、凹みが解消されて元の形状に戻る、又は貫通もしくは非貫通の穴が閉じる。
第14の実施の形態の清掃具21は、第13の実施の形態の清掃具20にくらべて、汚染物捕集体を形成する粘着剤の量を削減することができる。よって、汚染物捕集体の形成に要するコストを抑制できる。
また、第14の実施の形態の清掃具21の板体611に発泡体を使用することにより、清掃具21の使用感を向上させることができる。すなわち、作業者がガイドピンGP2を穿刺したときに、抵抗感が低減される一方、清掃作業に対する応答の明確性(刺しごたえ)を得ることができる。
第14の実施の形態の清掃具21は、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611の上に汚染物質捕集体RL2を形成し、カバーフィルム600をその上に設ける方法で製造できる。
汚染物質捕集体RL2の形成は、上述のとおり、汚染物質捕集体RL2の材質等に応じて行えばよい。
<<第15の実施の形態>>
第15の実施の形態の清掃具は、第14の実施の形態の清掃具と同様に、すなわち図20に示すように、ガイドピンGP2が穿刺可能な汚染物質捕集体RL2と、汚染物質捕集体RL2の一方の表面に積層してこれを支持する、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611(支持体)とを有し、携帯可能な大きさの矩形板状に形成されたものである。板体611が設けられておらず露出した側の汚染物質捕集体RL2の表面601には、カバーフィルム(カバー)600が剥離可能に設けられ、汚染物質捕集体RL2の表面601を覆っている。
第15の実施の形態の清掃具21は、図20に示すように、汚染物質捕集体RL2が、光コネクタOC2の有するガイドピンGP2の長さ(GL)よりも小さな厚み(D2)で形成されている点、また、支持体として、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611を有している点で、第13の実施の形態の清掃具20と異なる。
ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611としては、たとえばポリウレタン、エチレンビニルアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン等の樹脂の発泡体、ネオプレン、天然スポンジなどのゴム系スポンジ等が挙げられる。この例では、汚染物質捕集体RL2とガイドピンGP2が穿刺可能な板体611との合計厚み(D3)が、光コネクタOC2のガイドピンGP2の長さ(GL)以上に設定されている。
なお、以下の各実施形態例において、ガイドピンGP等のピンが穿刺可能な板体には、ここに例示したもの等を同様に使用できる。
<<第15の実施の形態>>
図22は、第15の実施の形態の清掃具を示す縦断面図である。
上述の第14の実施の形態の清掃具21においては、図20に示したように、支持体は、汚染物質捕集体RL2に接して設けられた、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611のみから構成されていた。これに対して第16の実施の形態の清掃具22の支持体は、図23に示すように、汚染物質捕集体RL2に接して設けられた、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611に加えて、金属板、樹脂板等の剛性を備えた板体610との2層で構成されている。剛性を備えた板体610は、ガイドピンGP2が穿刺可能である必要はない。
このような構成とすることにより、清掃具22に、より剛性及び強度を付与でき、また、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611を保護することもできる。
支持体として使用される板体は、この例では2層であるが、必要に応じて3層以上としてもよい。ただし、板体として、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611を用いる場合には、該板体611は、図22に示すように、汚染物質捕集体RL2に接する側に設けられる必要がある。
第16の実施の形態の清掃具22においても、支持体である板体610及び板体611が設けられておらず露出した側の汚染物質捕集体RL2の表面601には、カバーフィルム(カバー)13が剥離可能に設けられ、汚染物質捕集体RL2の表面601を覆っている。
第16の実施の形態の清掃具22を用いた場合も、第13の実施の形態の清掃具20の場合と同様に、作業者がこれを携帯し、同様の簡単な手順、操作で、ガイドピンGP2が突設された光コネクタOC2の端面ES2の清掃を短時間で行うことができる。
第16の実施の形態の清掃具22は、剛性を備えた板体610とガイドピンGP2が穿刺可能な板体611との積層体を形成し、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611に接触するように、その上に汚染物質捕集体RL2を形成し、カバーフィルム600をその上に設ける方法で製造できる。
汚染物質捕集体RL2の形成は、上述のとおり、汚染物質捕集体RL2の材質等に応じて行えばよい。また、剛性を備えた板体610と、ガイドピンGP2が穿刺可能な板体611との間には、図示しない接着層が介在していてもよい。
<<第16の実施の形態>>
図23は、第16の実施の形態の清掃具を示す縦断面図である。
第16の実施の形態の清掃具23は、支持体として、剛性を備えた板体610と、汚染物質捕集体RL2を側方から囲むように板体610の周縁に立設、形成された側壁部612とからなるものを備えている点で、第13の実施の形態の清掃具20と異なる。
第16の実施の形態の清掃具23を用いた場合も、第13の実施の形態の清掃具20の場合と同様に、作業者がこれを携帯し、同様の簡単な手順、操作で、ガイドピンGP2が突設された光コネクタOC2の端面ES2の清掃を短時間で行うことができる。
剛性を備えた板体610と、板体610の周縁に形成された側壁部612とからなる支持体としては、一端(上端)が開口した浅い皿状の容器等を使用できる。
このように皿状の容器等を使用すると、この中に汚染物質捕集体RL2を構成するモノマー成分を流し込むことができる。そして、これらモノマー成分を必要に応じて加熱、光照射する等して硬化(架橋)させ、容易に清掃具23を製造できる。
側壁部612の材質は、板体610と同じでも異なっていてもよい。
ガイドピンの側面と、側壁部612表面からの距離とが、ガイドピンGP2の長さ(GL)よりも長くなる位置に、ガイドピンを汚染物質捕集体RL2に接触させることができる態様となっていることが好ましい。
ガイドピンGP2が汚染物捕集体RL2を押圧したときには、汚染物捕集体RL2は、歪みを一時的に蓄え、蓄えた歪みを解放することで、ガイドピンやコネクタに近づくように変形する。蓄えた歪みが、十分であれば、汚染物捕集体RL2は、ガイドピンGP2の表面やコネクタの端面と密着するように変形することができる。
ガイドピンから側壁部612までの距離が、ガイドピンGP2の長さよりも長くなる位置に、ガイドピンGP2を汚染物捕集体RLに接触させることで、ガイドピンの表面やコネクタの端面と密着するように変形させるのに必要な歪みを蓄えることができる。
換言すれば、光コネクタの接続端面が、側壁部612からの距離がガイドピンGP2の長さよりも長くなる位置に当接することで、汚染物質捕集体RL2が弾性変形する際に側壁部612の影響を受け難い。このようにすることで、フェルールの端面やガイドピンの根本も含めて充分に清掃することができる。本作用機序の詳細は、国際公開2018/074468号公報に開示されている。
<<第17の実施の形態>>
図24(a)は、第17の実施の形態の清掃具24を示す斜視図である。清掃具24は、剛性を備えた板体(図示せず)と、その周縁に形成された側壁部(図示せず)とからなる支持体と、支持体の内部に備えられた汚染物質捕集体RL2と、汚染物質捕集体RL2の上面を覆う蓋部620とからなる。蓋部620には、1つ又は複数の窓部621が備えられている。窓部621の開口面積は、清掃対象面である、光コネクタの接続端面の面積よりも大きい。また、窓部621の開口位置と大きさは、清掃のため光コネクタが窓部を介して、汚染物質捕集体に刺入された際、ガイドピンGP2の位置がその周囲にある側壁部612の表面からガイドピンGP2の先端までの距離がガイドピンGP2の長さ(GL)よりも大きくなる位置に配置されるように設けられている(図24(b))。
この様な態様とすれば、作業者がこれを携帯し、同様の簡単な手順、操作で、ガイドピンGP2が突設された光コネクタOC2の端面ES2の清掃を短時間で行うことができる。
<<その他の態様>>
露出している汚染物捕集体RL2の表面を覆うカバーの形態は、フィルム状に限定されず、実施の態様の形態17のような蓋状、キャップ状の他、これらに清掃対象面が通り抜けられる窓を設け、その窓をフィルム等で覆った態様等、汚染物捕集体を汚れから保護できるものであれば、その形態に制限はない。また、窓部621を有する蓋部620の上面にカバーフィルムを備えるものであってもよい。
また、たとえば第13の実施の形態の清掃具20は、図18の形態においては、汚染物質捕集体RL2の側面が露出した状態となっているが、汚染物質捕集体RL2の周囲に枠体等を設けて、汚染物質捕集体RL2の側面が汚れないように保護することが好ましい。他の例(支持体が側壁部を有しない例)においても、同様に汚染物捕集体の側面を枠体等で覆ってよい。
また、以上の第14〜第17実施の形態例では、各清掃具20〜24として、作業者が携帯可能な大きさに形成された矩形板状の清掃具を例示したが、形状は矩形に限定されず、円形等でもよい。また、清掃具は、清掃対象物に応じて、板状以外の形状としてもよいし、携帯可能な大きさとしなくてもよい。
また、清掃対象物がその端面に有するピンの数は、2本に限定されず、1本でも3本以上でもよい。さらに、ピンの横断面(長手方向に対して直交する面)の形状は、円形に限定されず、多角形状、C字状等の形状でもよく、制限はない。
上述したように、本発明は、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
・実施例1
数平均分子量1500のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量2000のエーテル系ジオール80質量%と、数平均分子量1500のエーテル系トリオール質量10%と、を合わせた混合物を調整し主剤とした。モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエーテル系のトリオールと、数平均分子量500のエステル系ジオールと、の混合物を80℃で2時間反応させ、NCO約18.9%のプレポリマーを硬化剤とした。硬化剤を容器に移し、主剤のポリオールが有する水酸基と、硬化剤のポリイソシアネートが有するイソシアネート基を当量比1.2(イソシアネート基の当量/水酸基の当量)となるように主剤を秤取り、撹拌しながら硬化剤に滴下した。滴下完了後触媒(ジブチルチンジラウレート 0.3g)を添加し、十分に混合した後、真空下で脱泡したものを、実施例1の混合液とした。
<汚染物質捕集体の作製方法>
次に、得られた混合液を、離型処理を施した厚み25μmのPETフィルム(東レフィルム加工;セラピールBKE-RX)上に流し、アプリケーター(フィルムアプリケーターNo.350FA;コーティングテスター工業)を用いて350μmの膜厚のフィルム状とし、乾燥炉にて100℃で60分間ウレタン化反応を起こし、硬化を完了させた。350μmの厚さのシート状の汚染物質捕集体を得た。なお、PETフィルムは、汚染物質捕集体の支持体としてそのまま用いた。
・実施例2
主剤を、数平均分子量800のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量800のエーテル系ジオール70質量%と、数平均分子量1000のエーテル系トリオール20質量%とを合わせた混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエステルと数平均分子量3000のエーテル系のトリオール混合物と、数平均分子量500のエステル系と数平均分子量500のエーテル系のジオール混合物としたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例2の汚染物質捕集体を得た。
・実施例3
主剤を、数平均分子量200のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量200のエーテル系ジオール80質量%と、数平均分子量200のエステル系トリオール5質量%と、数平均分子量200のエーテル系トリオール5質量%を合わせた混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエステル系トリオールと、数平均分子量3000のエーテル系のトリオール混合物と、数平均分子量500のエステル系と数平均分子量500のエーテル系のジオール混合物としたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例3の汚染物質捕集体を得た。
・実施例4
主剤を、数平均分子量1500のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量2000のエーテル系ジオール80質量%と、数平均分子量1500のエーテル系トリオール10質量%を合わせた混合物とし、硬化剤を、ヘキサメチレンジイソシアネートと数平均分子量500のエステル系トリオールと、数平均分子量500のエーテル系トリオールと、数平均分子量100のエステル系ジオールと、数平均分子量100エーテル系ジオールの混合物とし、NCO約12.0%のプレポリマーとしたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例4の汚染物質捕集体を得た。
・実施例5
主剤を、数平均分子量200のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量200のエーテル系ジオール70質量%と、数平均分子量200のエステル系トリオール15質量%と、数平均分子量200のエーテル系トリオール5質量%を合わせた混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエステル系トリオールと、数平均分子量3000のエーテル系のトリオール混合物と、数平均分子量500のエステル系と数平均分子量500のエーテル系のジオール混合物としたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例5の汚染物質捕集体を得た。
・実施例6
主剤を、数平均分子量6000のエーテル系ジオール40質量%と、数平均分子量6000のエーテル系トリオール10質量%と、数平均分子量6000のエーテル系ジオールポリマーポリオール40質量%と、数平均分子量6000のトリオールポリマーポリオール10質量%との混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量6000のエステル系トリオールと、エーテル系トリオールと、数平均分子量500のエステル系ジオールと、数平均分子量500のエーテル系ジオールとの混合物としたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例6の汚染物質捕集体を得た。
・実施例7
主剤を、数平均分子量1500のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量2000のエーテル系ジオール60質量%と、数平均分子量1500のエーテル系トリオール30質量%との混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエステル系トリオールと、数平均分子量3000のエーテル系トリオールと、数平均分子量500のエステル系ジオールと、数平均分子量500のエーテル系ジオールとの混合物としたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例7の汚染物質捕集体を得た。
・実施例8
主剤を、数平均分子量800のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量800のエーテル系ジオール70質量%と、数平均分子量1000のエーテル系トリオール20質量%との混合物とし、硬化剤を、ヘキサメチレンジイソシアネートと、数平均分子量500のエステル系トリオールと、数平均分子量500のエーテル系トリオールと、数平均分子量500のエステル系トリオールと、数平均分子量100のエーテル系ジオールと、数平均分子量100のエステル系ジオールとの混合物とし、NCO12.0%のプレポリマーとしたほかは、たほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、実施例8の汚染物質捕集体を得た。
・比較例1
主剤を、数平均分子量6000のエーテル系ジオール40質量%と、数平均分子量6000のトリオール10質量%と、数平均分子量6000のエーテル系ジオールポリマーポリオール40質量%と、数平均分子量6000のトリオールポリマーポリオール10質量%との混合物とし、硬化剤を、ヘキサメチレンジイソシアネートと、数平均分子量500のエステル系トリオールと、エーテル系トリオールと、数平均分子量100のエステル系ジオールと、エーテル系ジオールとの混合物とし、NCO12.0%のプレポリマーとしたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、比較例1の汚染物質捕集体を得た。
・比較例2
主剤を、数平均分子量2000のエーテル系ジオール45質量%と、数平均分子量2000のエステル系トリオール5質量%と、数平均分子量3000のエーテル系ジオール45質量%と、数平均分子量3000のエステル系トリオール5質量%と、の混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートと、数平均分子量3000のエステル系トリオールと、数平均分子量3000のエーテル系トリオールと、数平均分子量3000のエステル系トリオールと、数平均分子量200のエーテル系ジオールと、数平均分子量200のエステル系ジオールとの混合物とし、NCO8.8%のプレポリマーとしたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、比較例2の汚染物質捕集体を得た。
・比較例3
主剤を、数平均分子量6000のエーテル系ジオール40質量%と、数平均分子量6000のエーテル系ジオール10質量%と、数平均分子量6000のエーテル系ジオールポリマーポリオール40質量%と、数平均分子量6000のトリオールポリマーポリオール10質量%と、の混合物とし、硬化剤を、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートと、数平均分子量3000のエステル系トリオールと、数平均分子量3000のエーテル系トリオールと、数平均分子量200のエステル系ジオールと、数平均分子量200のエーテル系ジオールと、の混合物とし、NCO8.8%のプレポリマーとしたほかは、実施例1の汚染物質捕集体と同様にして、比較例3の汚染物質捕集体を得た。
<評価>
・アスカーC硬度
得られた各実施例及び比較例の汚染物質捕集体のアスカーC硬度は、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の方法に準じて測定した。測定は、高分子計器株式会社製アスカーゴム硬度計C型を用いて行った。測定に用いた汚染物質捕集体のサンプルは、各実施例及び比較例の汚染物質捕集体(厚み350μmのシート)の硬化完了後、25℃、50%RHの環境下で24時間保存したものを、それぞれ9層重ね3.15mmの厚みのサンプルとして測定した。結果を表1に示した。
・引張強度等の引張特性
得られた各実施例及び比較例の汚染物質捕集体の引張強度、破断伸び、破断伸び率は、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の、ダンベル試験片を用いた測定方法に準じて測定した。ダンベル試験片は、各実施例及び比較例の汚染物質捕集体(厚み350μmのシート)をそれぞれ6層(厚み2.1mm)積層し、60℃の乾燥炉で24時間加熱し、一体化したものを、ダンベル状3号形試験片形状に成形して作製した。作製したダンベル状3号試験片は、島津製作所製材料試験機AGS−X(ロードセル:5kN)を用いて測定した。材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとして測定を行い、クロスヘッドの変位量を測定し、サンプルが破断した際の荷重と変位量から、引張強度、破断伸び及び破断伸び率を測定した。結果を表1に示した。
・引裂強度
得られた各実施例及び比較例の汚染物質捕集体の引裂強度はJIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の、アングル形試験片を用いた測定方法に準じて測定した。アングル型試験片は、各実施例及び比較例の汚染物質捕集体(厚み350μmのシート)をそれぞれ6層(厚み2.1mm)積層し、60℃の乾燥炉で24時間加熱し、一体化したものを、アングル形試験片形状に成形し作製した。測定島津製作所製材料試験機AGS−X(ロードセル:5kN)を用いて測定した。材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとして測定を行った。結果を表1に示した。
・ヒステリシスロス
得られた各実施例及び比較例の汚染物質捕集体のヒステリシスロスは、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載のダンベル試験片を用いた測定方法に準じて測定した。ダンベル試験片は、各実施例及び比較例の汚染物質捕集体(厚み350μmのシート)をそれぞれ6層(厚み2.1mm)積層し、60℃の乾燥炉で24時間加熱し、一体化したものを、ダンベル状3号形試験片形状に成形して作製した。作製したダンベル状3号試験片は、島津製作所製材料試験機AGS−X(ロードセル:5kN)を用いて測定した。材料試験機のクロスヘッド速度を1000mm/minとして、引張・圧縮を30サイクル繰り返した後のヒステリシス損失を測定した。クロスヘッドの変位量と荷重を測定し、サイクル試験後の荷重と変位量曲線から測定した。結果を表1に示した。
・ピン転写性、ゴミ除去性の評価
得られた各実施例及び比較例の汚染物質捕集体について、ピン転写性及びゴミ除去性の評価を下記の方法で行った。評価には、(株)扇港産業社製のMPOジャンパーコード、両端12MPO付、OM3コード型、全長1m、フラット研磨又は、APC8度研磨、オス‐メスを用い、予めその接続点面に、紙粉やACダストFINEを付着させて評価用コネクタとした。コネクタの接続端面を、各汚染物質捕集体に表面に当接させたのち、コネクタの接続端面のガイドピン及び表面を観察し、ピンへのゴミ転写汚染の有無、コネクタの接続端面のゴミ除去性を確認した。観察は、キーエンス社製マイクロスコープ(型式VHX−500F)を用いて任意の倍率で行った。
ピン転写性及びゴミ除去性の判定は、ガイドピン及びコネクタ接続端面のゴミが完全に除去できた場合を◎、ファイバ上のゴミは除去されているが、接続端面上には一部ゴミが残っている。しかし、接続の際には問題なく接続可能な場合を○、ゴミが完全に除去されていない場合を×とした。結果を表1に示した。
・光ファイバ部転写性評価
得られた各実施例及び比較例の汚染物質捕集体について、ファイバ部転写性の評価を下記の方法で行った。評価には、(株)扇港産業社製のMPOジャンパーコード、両端12MPO付、OM3コード型、全長1m、フラット研磨又は、APC8度研磨、オス−メスを用い、予めその接続点面に、紙粉やACダストFINEを付着させて評価用コネクタとした。コネクタの接続端面(光ファイバ部を含む)を、各汚染物質捕集体に表面に当接させたのち、コネクタの接続端面の光ファイバ部の表面を観察し、異物と転写物の有無を確認した。観察は、VIAVI社製ファイバマイクロスコープ(型式P5000i)を用いてコネクタの光ファイバの観察を任意の倍率で行った。光ファイバ部の転写性の判定は、光ファイバ部のゴミが完全に除去できた場合を◎、ファイバ上のゴミは除去されているが、接続端面上には一部ゴミが残っている。しかし、接続の際には問題なく接続可能な場合を○、ゴミが完全に除去されていない場合を×とした。結果を表1に示した。
<評価結果>
表1の結果から、本願発明の清掃具の効果が理解できる。
Figure 2020162214
10,20,21,22,23,24 清掃具
100 ハウジング
140 コイルバネ
200 供給リール
300 巻取リール
410 清掃ヘッド
420 ヘッド保持体
500 巻取制御体
600 カバーフィルム(カバー)
601 汚染物捕集体の表面
610 汚染物捕集体保持体
611 板体
612 側壁部
620 蓋部
621 窓部 CT 清掃体
RL 汚染物質捕集体
MF 最大前方位置
MR 最大後方位置
GP ガイドピン
OC,OC2 コネクタ
ES,ES2 露出面

Claims (12)

  1. 汚染物質捕集体を備えた清掃具であって、
    前記汚染物質捕集体が、ポリウレタン樹脂であり、
    前記汚染物質捕集体のアスカーC硬度が、45〜90であり、
    前記汚染物質捕集体の引張強度が、2.0MPa以上30MPa以下であることを特徴とする、清掃具。
  2. 前記汚染物質捕集体のヒステリシスロスが、3%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の清掃具。
  3. 前記汚染物質捕集体が、帯状のフィルムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の清掃具。
  4. 前記汚染物質捕集体が、基材に、直接又は他の層を介して積層されていることを特徴とする、請求項3に記載の清掃具。
  5. 前記基材が、前記基材の前記汚染物質捕集体を積層する表面と対向する表面に離型層を含むことを特徴とする、請求項4に記載の清掃具。
  6. 前記汚染物質捕集体が、渦巻き状に巻回されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の清掃具。
  7. 前記汚染物質捕集体を有し、コネクタの端面を清掃するための前記汚染物質捕集体が供給可能に保持される供給保持体が収納される本体と、
    前記本体から供給された前記汚染物質捕集体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッドと、
    前記コネクタと係合可能であり、かつ、前記コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体と、
    前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を前記汚染物質捕集体に伝達して前記汚染物質捕集体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構と、を備え、
    前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記コネクタの端面から離隔し、
    前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって前記汚染物質捕集体が変位し、
    前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記コネクタの端面と接触することを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一項に記載の清掃具。
  8. ピンが突設されたコネクタの端面清掃用である、請求項7に記載の清掃具
  9. ピンが突設されたコネクタの端面清掃用の清掃具であって、
    前記汚染物質捕集体と、
    前記汚染物質捕集体の表面の、少なくとも一部が露出するように前記汚染物質捕集体を支持する支持体と、備え、
    前記汚染物質捕集体の露出している表面部の、法線方向における汚染物質捕集体の厚みが、前記端面の表面からピン先端部までの長さよりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の清掃具。
  10. 前記支持体は、板体と、前記汚染物質捕集体を側方から囲むように前記板体の周縁に形成された側壁部とを、備えた、請求項9に記載の清掃具。
  11. 光コネクタの端面清掃用である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の清掃具。
  12. 前記光コネクタの端面は、光ファイバを接続するための端面である請求項11に記載の清掃具。
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