JPWO2020059853A1 - 光コネクタ用清掃具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電を生じさせ難く光コネクタの端面に位置する塵埃を的確に除去できる光コネクタ用清掃具を提供する。【解決手段】 汚染体を保持可能な層を有し光コネクタの端面を清掃するための清掃体が供給可能に保持される供給保持体が収納される本体と、前記本体から供給された清掃体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッドと、前記光コネクタと係合可能であり、かつ、前記光コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体と、前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達して清掃体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構と、を備え、前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記光コネクタの端面から離隔し、前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって清掃体が変位し、前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触する。【選択図】 図7

Description

光コネクタのフェルールの端面を清掃するための光コネクタ用清掃具に関する。
光コネクタを清掃するための光コネクタ用清掃具として、不織布を光コネクタのフェルールの端面に当接させた状態にして不織布を移動させるものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2014−35489号公報 特許第5955453号
光ファイバを光コネクタに接続するときには、光ファイバ端面を光コネクタのフェルールの端面と向かい合わせにする。このため、光コネクタのフェルールの端面や光ファイバ端面に塵埃が付着していたときには、伝送損失が増大することになる。このようなことから、光コネクタ用清掃具を用いて光コネクタのフェルールの端面を清掃する必要がある。
前述した光コネクタ用清掃具は、光コネクタのフェルールの端面に位置する塵埃を布によって除去するものである。この光コネクタ用清掃具では、フェルールの端面を布で掃拭するため、光コネクタのフェルールなどの部材が帯電する場合がある。このため、帯電により、光コネクタのフェルールの端面に塵埃が引き寄せられたり、電気的な不具合を生じさせたりする可能性が生じた。さらに、布でフェルール端面を掃拭した際に塵埃が光コネクタのフェルールの端面に擦られて、フェルール端面が傷つけられる場合もあった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、帯電を生じさせ難く塵埃を的確に除去できる光コネクタ用清掃具を提供することにある。
本発明による光コネクタ用清掃具の特徴は、
汚染体を保持可能な層を有し光コネクタの端面を清掃するための清掃体が供給可能に保持される供給保持体が収納される本体と、
前記本体から供給された清掃体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッドと、
前記光コネクタと係合可能であり、かつ、前記光コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体と、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達して清掃体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構と、を備え、
前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記光コネクタの端面から離隔し、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって清掃体が変位し、
前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触する。
帯電を生じさせ難く光コネクタの端面に位置する塵埃を的確に除去できる。
本実施の形態による清掃具10の全体の概略を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の全体の概略と光コネクタOCとを示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の左側面を示す側面図である。 本実施の形態による清掃具10の右側面を示す側面図である。 本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rを外した状態を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lを外した状態を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の供給リール200及び巻取リール300を外した状態を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rの構成を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lの構成を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10のヘッド部400(ヘッド部400及びヘッド保持体420)の構成を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10のヘッド部400における清掃体CTの経路を示す斜視図である。 本実施の形態による清掃具10のヘッド部400における清掃体CTの経路を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10の巻取制御体500の移動の変化を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10の巻取制御体500の移動の変化を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10のラチェット歯車322とラック536と供給リール用歯止め180を示す概略図である。 本実施の形態による清掃具10を用いて光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具10を用いて光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。 本実施の形態による清掃具100の供給リール200及び巻取リール3000を外した状態を示す斜視図である。
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、
汚染体を保持可能な層(例えば、後述する樹脂層RLなど)を有し光コネクタの端面(例えば、後述する光コネクタのフェルールFEの端面ESなど)を清掃するための清掃体(例えば、後述する清掃体CTなど)が供給可能に保持される供給保持体(例えば、後述する供給リール200など)が収納される本体(例えば、後述するハウジング100など)と、
前記本体から供給された清掃体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッド(例えば、後述する清掃ヘッド410など)と、
前記光コネクタと係合可能であり、かつ、前記光コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体(例えば、後述する巻取制御体500など)と、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達して清掃体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構(例えば、後述するラック536及びラチェット歯車322など)と、を備え、
前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記光コネクタの端面から離隔し、
前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって清掃体が変位し、
前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触する光コネクタ用清掃具(例えば、後述する清掃具10など)が提供される。
光コネクタ用清掃具は、本体と清掃ヘッドと供給機構とを備える。
本体は、清掃体の供給保持体が収納される。清掃体は、光コネクタの端面を清掃するための部材である。清掃体は、汚染体を保持可能な層(以下、保持可能層と称する)を有する。光コネクタの端面に保持可能層を押圧することで、光コネクタの端面に存在する汚染体(塵埃など)を保持可能層に転着させて、光コネクタの端面から汚染体を除去することができる。供給保持体には、清掃体が供給可能(送り出し可能)に保持される。
清掃体は、長尺な形状を有するものが好ましい。また、清掃体は、可撓性を有するものが好ましい。例えば、テープ状や糸状の形状にすることができる。清掃体は、供給保持体に供給可能に収納できるものであればよい。清掃体の大きさ及び形状は、本体から清掃ヘッドに供給して光コネクタの端面を清掃できるものであれば、適宜に選択することができる。
清掃ヘッドは、本体から離隔しかつ本体に対して一定の保持位置に保持される。清掃ヘッドは、本体に対して不動の位置に保持されている。清掃ヘッドには、本体から供給された清掃体が位置づけられる。このようにしたことで、清掃作業の際に、清掃ヘッドは、本体との相対位置や相対距離がほとんど変化しないので、光コネクタ用清掃具(本体や清掃ヘッドなど)を一定の姿勢に保ちつつ、光コネクタの端面に清掃体を押圧することができ、光コネクタの端面から汚染体を保持可能層に的確に転着させることができる。
制御体は、光コネクタと係合することができる。例えば、操作者が光コネクタ用清掃具を光コネクタに近づけることで、制御体を光コネクタに係合させることができる。制御体は、清掃ヘッドに対して第1の位置から第2の位置まで変位することができる。第1の位置及び第2の位置は、互いに離隔している。制御体は、清掃ヘッドに対して相対的に変位できればよく、光コネクタに対しては、変位しなくてもよい。
供給機構は、制御体が第1の位置から第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達する。清掃体は、伝達された動作によって変位して清掃ヘッドに供給される。
制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔する。すなわち、制御体が第1の位置に位置するときには、未だ、清掃体によって光コネクタを清掃する状態にはなっていない。
制御体が第1の位置から第2の位置に変位する間に、供給機構によって清掃体が変位する。制御体が第1の位置から第2の位置までの間に、清掃体が変位し、清浄な清掃体を清掃ヘッドに供給することができる。
制御体が前記第2の位置に位置するときに、清掃ヘッドが光コネクタの端面と接触するので、清浄な清掃体を光コネクタの端面に接触させて光コネクタの端面を清掃することができる。
すなわち、第1の実施の態様による光コネクタ用清掃具は、制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔しており、第1の位置から第2の位置に変位する間に清掃体を変位させ、第2の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面と接触する。
制御体が変位することで、供給機構を介して制御体の動作を清掃体に伝達し、本体から清掃体が清掃ヘッドに供給される。
また、制御体が第1の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面から離隔し、制御体が第2の位置に位置するときには、清掃ヘッドは光コネクタの端面と接触すればよく、制御体が第1の位置から第2の位置に変位する間に、清掃ヘッドが徐々にコネクタの端面に近づいてもよい。
<<第2の実施の態様>>
第2の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記本体に対して一定の位置に設けられ一定の形状を有するヘッド保持体(例えば、後述するヘッド保持体420など)を、更に備え、
前記清掃ヘッドは、前記ヘッド保持体の一定の位置に設けられて、前記本体に対して前記保持位置に保持される。
ヘッド保持体は、一定の形状を有する。すなわち、ヘッド保持体は、制御体の変位や供給機構などによって形状が変化することはなく、時間的に形状が変化することはない。また、ヘッド保持体は、一定の大きさを有するのが好ましい。
さらに、ヘッド保持体は、本体に対してほぼ一定の位置に設けられている。すなわち、ヘッド保持体は、制御体の変位や供給機構などによって位置が変化することはなく、時間的に位置が変化することはない。
清掃ヘッドは、ヘッド保持体の一定の位置に設けられる。このようにしたことにより、清掃ヘッドは、本体に対して一定の保持位置に保持されることになる。したがって、制御体が変位している状態においても、供給機構が動作している状態においても、清掃ヘッドは、本体に対して一定の保持位置に保持された状態を維持する。清掃ヘッドは、ヘッド保持体から突出し露出して配置される。
なお、ヘッド保持体は、本体と別体に構成されても一体に構成されてもよい。別体に構成したときには、組み立てやメンテナンスを容易にすることができる。一体に構成したときには、組み立て工程を省くことができる。
<<第3の実施の態様>>
第3の実施の態様は、第2の実施の態様において、
前記ヘッド保持体は、前記本体から供給される清掃体を前記清掃ヘッドに向かって直線状に案内する。
ヘッド保持体は、清掃体を本体から清掃ヘッドに案内するための案内部材としても機能する。清掃体は、汚染体を保持可能な層を有するため、清掃ヘッドに案内されるまでの過程で汚染されないようにする必要がある。このため、ヘッド保持体は、清掃ヘッドに案内されるまでに、清掃体を湾曲させたり屈曲させたりすることなく、直線状(平面状)に案内する。このようにすることで、最短でかつヘッド保持体や他の部材などの接触がないようにして清掃ヘッドに供給することができ、清掃体の汚染を防止することができる。
<<第4の実施の態様>>
第4の実施の態様は、第3の実施の態様において、
前記清掃ヘッドに供給された清掃体を回収して保持する回収保持体(例えば、後述する巻取リール300など)をさらに備え、
前記供給機構は、前記制御体の動作を前記回収保持体を伝達して前記回収保持体に清掃体を回収させ、清掃体の回収に伴って清掃体を牽引して、前記本体から前記清掃ヘッドに清掃体を供給する。
回収保持体は、清掃ヘッドに供給された清掃体を回収して保持する。さらに、供給機構は、制御体の動作を回収保持体に伝達し回収保持体によって清掃体を回収させ、この清掃体の回収動作に伴って清掃体を牽引する。すなわち、まず、供給機構が、制御体の動作を回収保持体に伝達し、回収保持体は清掃体を回収する。清掃体の回収動作によって清掃体が牽引されて、牽引動作が、清掃体を介して供給保持体に伝達されて、供給保持体に保持されている清掃体が清掃ヘッド向かって供給される。なお、清掃体は、供給保持体から清掃ヘッドを経て回収保持体に至るまで一体に連続的に形成されているものが好ましい。清掃体は、供給保持体から清掃ヘッドに供給され、光コネクタの端面の清掃によって、汚染体が転着された後に、清掃ヘッドから回収されて回収保持体に保持される。このようにすることで、清浄な状態の保持可能層を有する清掃体を清掃ヘッドに供給し、光コネクタの端面の清掃によって汚染体が転着されて汚染された清掃体を回収保持体に回収するので、清浄な清掃体を清掃ヘッドに常に位置づけることができる。
<<第5の実施の態様>>
第5の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記制御体を第1の位置(例えば、後述する最大前方位置MFなど)に戻すための付勢力を前記制御体に加える付勢力発生手段(例えば、後述するコイルバネ140など)を更に備え、
前記付勢力発生手段は、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置されている。
付勢力発生手段は、付勢力を制御体に加えることで、制御体をホームポジションに戻す。付勢力発生手段は、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置されている。清掃体の移動経路は、供給保持体から清掃ヘッドを経て回収保持体に至るまでの経路である。
付勢力発生手段を、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置することで、付勢力発生手段の動作によって生ずる汚染体が清掃体の保持可能層等に付着することを防止して、保持可能層等の清浄性を維持して、清掃ヘッドに供給することができる。
さらに、付勢力発生手段を、ヘッド保持体から離隔した位置に配置するのが好ましい。付勢力発生手段の動作によって生ずる汚染体が、ヘッド保持体に到達しにくくして清掃体の保持可能層等に付着することを防止することができる。
<<第6の実施の態様>>
清掃体は、長尺で可撓性を有するものが好ましくフィルム状、不織布状、織布状等であってもよい。清掃体は、汚染物を転着させて除去できるものであれよい。また、清掃体は、長手方向に沿って一体で連続的に形成されているものが好ましい。さらにまた、清掃体は、保持可能層を被覆する被覆フィルムを剥離可能に有するものが好ましい。
<<第7の実施の態様>>
供給保持体は、清掃体を送り出し可能に収容されていればよい。供給保持体は、清掃体を収容空間に蓄えておき、清掃体を収容空間から送り出す。さらに、供給保持体は、第1の回転軸(例えば、後述する後側突出部118など)を中心に回転可能な回転体であるのが好ましい。清掃体は、供給保持体に巻回されて保持されており、供給保持体の回転に従って巻回が解かれ供給保持体から徐々に送り出される。供給保持体に巻回されて保持されているときには、汚染体を保持可能な層は、隣接して重なっている清掃体によって覆われている。清掃体の巻回が解かれることで、隣接して重なっていた清掃体が離隔して汚染体を保持可能な層が露出する。
<<第8の実施の態様>>
回収保持体は、清掃体を収容して回収できばよい。回収保持体は、清掃体を収容するための収容空間に蓄える。さらに、回収保持体は、第1の回転軸と異なる第2の回転軸(例えば、後述する前側突出部116など)を中心に回転可能な回転体であるのが好ましい。第2の回転軸は、第1の回転軸から離隔した位置にあるのが好ましい。また、第2の回転軸は、第1の回転軸と平行であるのが好ましい。なお、第1の回転軸と第2の回転軸とが同軸であってもよい。第1の回転軸と第2の回転軸とが同軸である場合には、供給保持体と回収保持体とは互いに平行に並んで配置される。なお、第1の回転軸と第2の回転軸とが平行に配置されていなくても、供給保持体は清掃体を送り出すことができ、回収保持体は、清掃体を収容できるものであればよい。清掃体は、供給保持体の回転に従って徐々に巻回されて回収される。
<<第9の実施の態様>>
ヘッド保持体は、長尺な形状を有し、ヘッド保持体は、本体から突出して配置され、本体から突出して最も離隔した位置が、清掃ヘッドを保持するための保持位置である。配設されてる光ケーブルなどの各種のケーブル類の隙間から清掃ヘッドを光コネクタに近づけることができる。
<<第10の実施の態様>>
ヘッド保持体は、中空の形状を有し、
ヘッド保持体の内側に清掃体が移動可能に配置され、
制御体は、ヘッド保持体の長手方向に沿ってかつヘッド保持体の外側を変位することができる。ヘッド保持体の内側に清掃体が配置され、ヘッド保持体の外側を制御体が変位するので、制御体の操作によって、清掃体を汚染させることがなく、保持可能層の清浄性を保つことができる。制御体は、長尺な形状を有するのが好ましい。
<<第11の実施の態様>>
ヘッド保持体は、供給保持体から送り出された清掃体が清掃ヘッドに向って移動する供給経路と、清掃ヘッドを経由した清掃体が回収保持体に向かって移動する回収経路との双方の経路を有する。ヘッド保持体の内部においては、供給経路と回収経路とは平行に位置する。なお、本実施の形態において、ヘッド保持体において供給経路と回収経路とが平行であるとは、ヘッド保持体における供給経路と回収経路との間隔の変動幅が、供給経路の移動距離及び回収経路の移動距離に対する変動率が、10分の1(1/10)内にあることをいう。
すなわち、(ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最大間隔−ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最小間隔)/(供給経路の移動距離)≦1/10、及び(ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最大間隔−ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最小間隔)/(回収経路の移動距離)≦1/10が成立すれば、供給経路と回収経路とは平行である。ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最大間隔は、例えば、後述する図12に示すDXであり、ヘッド保持体における供給経路と回収経路との最小間隔は、例えば、後述する図12に示すDNである。また、供給経路の移動距離や回収経路の移動距離は、例えば、後述する図12に示すLNである。
このように、ヘッド保持体において清掃体の供給経路と回収経路とを平行にしたことにより、ヘッド保持体を細くすることができ、光ケーブルなどの多数のケーブル類が配置されているような環境であっても、ケーブル類の隙間を利用して清掃ヘッドを光コネクタに近づけることができる。
<<第12の実施の態様>>
前述したように、付勢力発生手段は、清掃体の移動経路から離隔した位置に配置されている。より具体的には、付勢力発生手段は、ヘッド保持体とは異なる位置に配置される。より詳細には、付勢力発生手段は、ヘッド保持体における供給経路及び回収経路から離隔した位置に配置されている。
付勢力発生手段は、ヘッド保持体を挟んで清掃ヘッドから離隔して位置に配置されている。言い換えれば、付勢力発生手段と清掃ヘッドとは、ヘッド保持体を挟んで離隔した位置に配置される。付勢力発生手段の動作によって汚染体が発生する場合であっても、汚染体が清掃ヘッドに到達しにくくして清掃ヘッドに供給された清掃体を清浄に保つことができる。
さらに、付勢力発生手段は、供給保持体の第1の回転軸と回収保持体の第2の回転軸とを結ぶ線に平行に、かつ供給保持体及び回収保持体に隣接した位置に配置される。
ヘッド保持体及び制御体の長手方向は、供給保持体の第1の回転軸と回収保持体の第2の回転軸とを結ぶ線に平行である。ヘッド保持体及び制御体は同軸に配置される。
さらにまた、付勢力発生手段の変位方向は、制御体の変位方向と同じである。付勢力発生手段に生ずる付勢力を制御体に的確に伝達させることができる。
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態による清掃具10の全体の概略を示す斜視図である。図2は、本実施の形態による清掃具10の全体の概略と光コネクタOCとを示す斜視図である。図3は、本実施の形態による清掃具10の左側面を示す側面図である。図4は、本実施の形態による清掃具10の右側面を示す側面図である。図5は、本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rを外した状態を示す斜視図である。図6は、本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lを外した状態を示す斜視図である。図7は、本実施の形態による清掃具10の供給リール200及び巻取リール300を外した状態を示す斜視図である。図8は、本実施の形態による清掃具10の右ハウジング110Rの構成を示す斜視図である。図9は、本実施の形態による清掃具10の左ハウジング110Lの構成を示す斜視図である。図10は、本実施の形態による清掃具10のヘッド部400(ヘッド部400及びヘッド保持体420)の構成を示す斜視図である。図11は、本実施の形態による清掃具10のヘッド部400における清掃体CTの経路を示す斜視図である。なお、図5〜図9では、簡便のため、キャップ160を省略して示した。
<<<<清掃具10>>>>
清掃具10は、清掃体CTを用いて、光コネクタのフェルールの端面を清掃するための光コネクタ用の清掃具(清掃工具)である。
<<<方向>>>
本明細書で用いる方向について、説明する(図1及び図2参照)。
<前・後・長手>
清掃具10の清掃ヘッド410が位置する側や方向を前側や前方向とし、ハウジング100が位置する側や方向を後側や後方向とする。なお、前後方向は、ヘッド部400の長手方向と称する場合もある。
<右・左>
後側から前側に向かって右の側や方向を右側や右方向と称し、後側から前側に向かって左の側や方向を左側と称する。
<下・上>
また、コイルバネ140が位置する側や方向を下側や下方向や下部と称し、供給リール200や巻取リール300が位置する側や方向を上側や上方向や上部と称する。
<上流・下流>
清掃体CTを送り出して供給する側を上流と称し、清掃体CTが巻き取られる側が下流と称する。後述する供給リール200が上流となり、巻取リール300が下流となる。
<清掃体CT>
清掃体CTは、長尺で可撓性を有し、少なくとも樹脂層を有しており、樹脂層が、コネクタ端面及びガイドピンGPに接触することで塵埃などの汚れを除去することができる。清掃体CTは、例えば、テープ状の形状や糸状などの一体で連続した形状を有する。
清掃体CTの幅は、特に限定されないが、少なくとも清掃対象である、光コネクタのフェルールFEの端面ESの幅以上か、または、さらにガイドピンGPを含んだ幅以上とすることができる。
清掃体CTの厚みは、特に限定されないが、例えば、0.05mm〜2mmとすることができる。
清掃体CTは、樹脂層単独であってもよく、基材上に積層されていてもよい。また、剥離フィルムが積層されていてもよい。基材は、樹脂層だけで清掃体CTとして支持ができない場合に、支持材として用いることができる。剥離フィルムは、本発明の清掃具10を使用していない期間に、清掃体CTの清掃面を汚れや破損から保護するために用いることができる。
前記清掃体CTは、清掃体ヘッドに送られ、清掃体ヘッド上で光コネクタのフェルールFEの端面ES及びガイドピンGPに接触させられる。このとき、基材は、樹脂層の清掃体ヘッドに接する表面に積層される。また、剥離フィルムは、樹脂層の基材とは反対側の表面に積層される。剥離フィルムは、清掃体CTが清掃体ヘッドに到達する前に、剥離され、清掃体CTから除外される。
樹脂層は、光コネクタのフェルールFEの端面ES及びガイドピンGPとの接触により、汚れが除去できる限りにおいて、特に限定されず、例えば、粘着剤、樹脂フォーム(発泡体)、ガイドピンGPが埋設、刺突又は貫通できる柔軟性を有する樹脂、不織布、織布等を挙げることができる。
粘着剤の材質としては、公知のものを用いることができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。これら粘着剤には、粘着付与剤、充填剤等の添加剤が配合されていてもよい。公知の粘着剤は、容易に入手が可能であり、粘着力や糊残り防止効果を容易に改変することができるという利点を有する。
粘着剤は、接触により汚れを清掃体CTに付着させる機能があれば接着剤でもよく、例えば、弱い粘着性を有するオレフィン系接着剤等を用いることが可能である。接着剤は、コネクタ端面及びガイドピンGPに接触したときに、糊残り等コネクタ端面への汚染を抑制又は防止対策を施したものが好ましい。
前記樹脂フォーム(発泡体)は、公知のものを使用することができる。樹脂フォーム(発泡体)が形成する清掃面に汚れを捕捉できるメカニズムは解明のための検証が必要ではあるが、例えば、柔軟な清掃面に押し付けられた汚れが樹脂フォーム(発泡体)に埋没(あるいは半埋没)して清掃面から離脱しにくくなり、樹脂フォーム(発泡体)に捕捉されることが、一例として考えられる。
別の考察例としては、光コネクタのフェルールFEの端面ESやガイドピンGPを樹脂フォーム(発泡体)に押し付けた際、樹脂フォーム(発泡体)中の気泡が圧し潰されて、内部の大気が外部に押し出される。さらに、連続気泡の一部が圧し潰されて、遮断される。この際、樹脂フォーム(発泡体)表面と、光コネクタのフェルールFEの端面ESやガイドピンGPの表面は、減圧されて吸着される。さらに、小さなゴミは気泡内に吸い込まれ、気泡よりも大きなゴミは、気泡内が減圧することにより吸着されることも一例として考えられる。
また、種々検証の結果、樹脂フォーム(発泡体)はガイドピンGPを貫通させてもガイドピンGPへの異物の付着が生じないことを把握した。これは、樹脂フォーム(発泡体)は、気泡を有するため、非常に柔軟な材質であるとともに、ガイドピンGPが刺突、貫通し易い。従って、ガイドピンGPが、樹脂フォーム(発泡体)に刺突、貫通した際、樹脂フォーム(発泡体)が、ガイドピンGPの側面部に絡みつき、ガイドピンGPの側面部のゴミを効率よく除去できると考えられる。樹脂フォーム以外であっても貫通によりガイドピンGPへの異物の付着が生じないものであれば好適に用いることができる。
樹脂フォーム(発泡体)の材質は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹、エポキシ系樹脂、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂フェノール樹脂、シリコーン樹脂等を含む樹脂フォーム(発泡体)を挙げることができる。これらの材質は、少なくとも1つ又は複数組み合わせて用いることができる。これらのうち、柔軟性が優れ、圧縮残留歪みが低くなることからウレタンフォームが好適である。また、強度に優れるとともに軽量性、断熱性に優れていることから、(メタ)アクリルフォームを用いることも好適である。また樹脂フォーム(発泡体)は、ウレタンフォームと、(メタ)アクリルフォームとを混合して用いる場合には、その混合比により、ウレタンフォームの特性と、アクリルフォームの特性を、用途などに合わせて調整することが可能であることから好適である。
樹脂フォーム(発泡体)に含まれる気泡の構造は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。気泡の構造としては、各気泡が樹脂フォーム(発泡体)中で、独立して存在する独立気泡構造、又は、各気泡が樹脂フォーム(発泡体)中で連続的に繋がっている連続気泡構造を有することができる。連続気泡構造は、各気泡が、連通貫通孔によって接続されている場合や、独立気泡の壁部を破壊して接続されている場合を含む。前述したようにガイドピンGPが樹脂フォーム(発泡体)を刺突又は貫通し易くなり、効率よくゴミを除去することができるため連続気泡構造を有する樹脂フォーム(発泡体)が好ましい。
前記樹脂フォーム(発泡体)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により、発泡体を製造することができる。例えば、樹脂フォーム(発泡体)は、化学発泡、物理発泡のいずれの製法のものでもよく、独立気泡を形成後、物理的に気泡を粉砕して連通した連続気泡発泡体でもよい。例えば、特開2012−56985号公報に開示されている発泡体の製造方法などが好適である。
前記柔軟性を有する樹脂としては、公知のものを用いることができ、例えば、ポリウレタン樹脂やポリアクリル樹脂を挙げることができる。またそれらをゲル化したゲル材を含むことができる。ゲル材としては、一般にポリウレタンゲルと呼ばれる、軟質ポリウレタン樹脂などを用いることができる。ゲル材は、変形しやすいと同時に、ガイドピンGPが、容易に、埋設、刺突又は貫通することができる。この場合にゲル材の粘着力が弱い場合でも、軟質ポリウレタンのもつ柔らかさによる埋設効果や、刺突や貫通することで、光コネクタの端面やガイドピンGPから、汚れを除去することができる。
また、ゲル材は微粘着であるため、光コネクタの脱着が容易であり、糊残り等を生じず、さらに汚れが付着した軟質ポリウレタンの表面を水で濡らした無塵布で清掃することで、再利用が可能である。前記軟質ポリウレタンとしては、例えば、特開2001−316448号公報に開示されている軟質組成物などを好適に用いることができる。
基材の材質は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、合成樹脂、天然樹脂等の樹脂類、天然のゴム類や合成ゴム等のゴム類、天然繊維や合成繊維、繊維、紙、をシート状に形成したものを用いることができる。これらの材質は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、いずれのものも使用可能である。例えば、樹脂の押出成形シート、樹脂シートの細幅切断加工、繊維の撚合せ、繊維の編込み(メッシュ材や織布など)、積層布,不織布、紙等を用いることができる。
繊維の編込みとしては、例えば、目開き0.5〜2.0mm程度の網目構造のメッシュ材を用いることができる。
清掃体CTと、光コネクタとが、接触する際、清掃体CTがガイドピンGP及び穴?の形状を追従するように変形する場合には、清掃体CTは、柔軟性を有する必要があるため、基材はオレフィン系やポリ塩化ビニル系の合成樹脂が好適である。
一方、清掃体CTと、光コネクタとが、接触する際、ガイドピンGPが清掃体CTを貫通する場合には、貫通が容易な構造や貫通が容易な材質の基材を用いることが好適であり、例えば、網状に構成された繊維の編込み、積層布、不織布等を好適に用いることができる。
基材として、繊維の編込みや、積層布、不織布等の空隙を含む材質を用いる場合には、樹脂層の一部を、基材の空隙内に侵入(含浸)した状態とすることができる。このような状態とすることで、基材と樹脂層の密着が強固なものとなる。従って、光コネクタのフェルールFEの端面ESやガイドピンGPを清掃体CTから取り外す際に、樹脂層が基材から脱離して、光コネクタのフェルールFEの端面ESやガイドピンGPに付着するという、糊残りが生じにくくなるという利点もある。
貫通が容易な材質の基材としては、紙、不織布、織布や樹脂のフィルムを好適に用いることができる。貫通が容易な樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂などのように一定の伸びを示した後に容易に破断する樹脂や、一軸延伸又は二軸延伸されたポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)などの様に易切断性加工を施した樹脂などを好適に用いることができる。
剥離フィルムの材質は、公知のものを用いることができ、特に限定されない。樹脂フィルムや紙などのシート状の材質の樹脂層側の面に剥離加工が施されていればよい。剥離加工は、特に限定されないが、例えば、ジメチルシロキサンなどの剥離剤を塗布するなどの方法を挙げることができる。
<<<清掃具10の構成>>>
清掃具10は、主に、ハウジング100と供給リール200と巻取リール300とヘッド部400と巻取制御体500とを備える。これらのハウジング100、供給リール200、巻取リール300、ヘッド部400、巻取制御体500は、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)やPOM(ポリアセタール)樹脂などによって形成される。
<<<ハウジング100>>>
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300とを回転可能に保持する。ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300とを前後方向に沿って収納する。ハウジング100では、巻取リール300が前側に位置し、供給リール200が後側に位置する。ハウジング100は、全体として長尺な形状を有する。
ハウジング100は、供給リール200と巻取リール300との間の領域に凹部150を有し、操作者の指を係合させ易くして、操作者の操作を的確にすることができる。
ハウジング100は、右ハウジング110Rと左ハウジング110Lとを有する。ハウジング100の右側の部分を構成するハウジングが右ハウジングであり、ハウジング100の左側の部分を構成するハウジングが左ハウジングである。右ハウジング110Rは、係止爪154を有し、左ハウジング110Lは、係止孔152を有する。右ハウジング110Rの外形と、左ハウジング110Lの外形とは、おおよそ線対称に形成されている。右ハウジング110Rと左ハウジング110Lとを向かい合わせにして、右ハウジング110Rの係止爪を左ハウジング110Lの係止孔に係止させることで、一体化してハウジング100を形成することができる。
<<右ハウジング110R>>
右ハウジング110Rは、ハウジング100の右側の部分を構成するハウジングである。
<案内用溝部112R>
右ハウジング110Rの下部には、2本の案内用溝部112Rが形成されている。案内用溝部112Rが、巻取制御体500の右側の側面に形成されている案内用突条512Rと係合することで、巻取制御体500を前後方向に案内しつつ移動させることができる。
<ストッパ114RF及びストッパ114RR>
ストッパ114RFは、右ハウジング110Rの下部の前方に配置され、ストッパ114RRは、右ハウジング110Rの下部の後方に配置される。ストッパ114RFは、巻取制御体500の最大前方位置MFを画定し、ストッパ114RRは、巻取制御体500の最大後方位置MRを画定する。
ストッパ114RF及びストッパ114RRは、巻取制御体500の右側に形成された移動制御孔514Rと係合して、最大前方位置MFで巻取制御体500を停止させたり(後述する図13(a)の状態)、最大後方位置MRで巻取制御体500を停止させたり(後述する図14の状態)することができる。
また、ストッパ114RFは、ヘッド保持体420の右側の側面に形成されている前側の係止孔424RFと係合し、ストッパ114RRは、ヘッド保持体420の右側の側面に形成されている後側の係止孔424RRと係合して、ヘッド保持体420をハウジング100に係止する。
<前側突出部116及び後側突出部118(回転可能に保持)>
前側突出部116及び後側突出部118は、右方向に向かって突出して形成されている。前側突出部116には、巻取リール300の貫通孔330が挿入されて、前側突出部116は、巻取リール300を回転可能に保持する。後側突出部118には、供給リール200の貫通孔230が挿入されて、後側突出部118は、供給リール200を回転可能に保持する。
<残量確認用窓120>
残量確認用窓120は、供給リール200に巻回されている残りの清掃体CTの量(残量)を視認するための貫通孔である。操作者は、清掃体CTの残量を確認して、操作を進めることができる。
<歯止め保持部122R>
歯止め保持部122Rは、凹状(窪み状)に形成され、巻取リール用歯止め190の固定端部192を収容して保持することができる。歯止め保持部122Rには、巻取リール用歯止め190の固定端部192が固定される。
<バネ保持部124R>
バネ保持部124Rは、後述するバネ保持部124Lと向かい合わせになって、コイルバネ140を伸縮可能に保持する。特に、コイルバネ140が縮んだ状態となったときでも、コイルバネ140を円筒状の形状を維持して安定的に保持することができる。
<バネ係止収容部128>
バネ係止収容部128は、後述する左ハウジング110Lに形成されているバネ係止部126を収容する。バネ係止部126をバネ係止収容部128によって覆うことにより、バネ係止部126に係止されたコイルバネ140の固定端部142がバネ係止部126から外れないようにすることができる。
<<左ハウジング110L>>
<案内用溝部112L>
左ハウジング110Lの下部には、2本の案内用溝部112Lが形成されている。
案内用溝部112Lが、巻取制御体500の左側の側面に形成されている案内用突条512Lと係合することで、巻取制御体500を前後方向に案内しつつ移動させることができる。
<ストッパ114LF及びストッパ114LR>
ストッパ114LFは、左ハウジング110Lの下部の前方に配置され、ストッパ114LRは、左ハウジング110Lの下部の後方に配置される。ストッパ114RF及びストッパ114RRと同様に、巻取制御体500の最大前方位置MFと最大後方位置MRとを画定する。ストッパ114LFは、巻取制御体500の最大前方位置MFを画定し、ストッパ114LRは、巻取制御体500の最大後方位置MRとを画定する。
ストッパ114LF及びストッパ114LRは、巻取制御体500の左側に形成された移動制御孔514Lと係合して、最大前方位置MFで巻取制御体500を停止させたり、最大後方位置MRで巻取制御体500を停止させたりすることができる。
また、ストッパ114LFは、ヘッド保持体420の左側の側面に形成されている前側の係止孔424LFと係合し、ストッパ114LRは、ヘッド保持体420の左側の側面に形成されている後側の係止孔424LRを係合して、ヘッド保持体420をハウジング100に係止する。
<歯止め保持部122L>
歯止め保持部122Lは、凹状(窪み状)に形成され、供給リール用歯止め180の固定端部182を収容して保持することができる。歯止め保持部122Lには、供給リール用歯止め180の固定端部182が固定される。
<バネ保持部124L>
前述したように、バネ保持部124Lは、バネ保持部124Rと向かい合わせとなって、コイルバネ140を伸縮可能に保持する。
<バネ係止部126>
バネ係止部126は、コイルバネ140の固定端部142を係止する。バネ係止部126は、コイルバネ140が伸縮動作したときでも、コイルバネ140を安定して保持することができる。バネ係止部126は、前述した右ハウジング110Rに形成されているバネ係止収容部128に収容される。コイルバネ140の固定端部142がバネ係止部126から外れないようにすることができる。
<<清掃体ガイドローラ130>>
供給リール200と巻取リール300との間には、清掃体ガイドローラ130が回転可能に設けられている。清掃体ガイドローラ130は、略円筒状の形状を有する。清掃体ガイドローラ130は、清掃体CTと当接して清掃体CTを湾曲させて、清掃体CTの移動方向を変更する。具体的には、供給リール200から送り出された清掃体CTを一定の方向に変更して、清掃ヘッド410に向かって案内することができる。清掃体CTを一定の方向に向かうように調整することで、供給リール200に巻回されている清掃体CTの残量に依存することなく、安定して清掃ヘッド410に向かって送り出すことができる。
<<コイルバネ140>>
コイルバネ140は、コイル状に形成されたバネであり、伸縮可能に形成されている。なお、各図では、簡便のため、コイルバネ140を円柱状の形状で示した。コイルバネ140は、伸縮の状態に応じて付勢力を生じさせる。コイルバネ140は、固定端部142と移動端部144との2つの端部を有する。固定端部142は、左ハウジング110Lのバネ係止部126に係止される。移動端部144は、巻取制御体500のコイルバネ押圧部540に係合される。巻取制御体500が後側に移動したときには、コイルバネ140は縮み、巻取制御体500が前側に移動したときには、コイルバネ140は伸びる。コイルバネ140は、巻取制御体500に付勢力を印加する。
<<供給リール用歯止め180>>
供給リール用歯止め180は、板バネ構造を有し、固定端部182と板バネ部184とを有する。固定端部182は、左ハウジング110Lの歯止め保持部122Lに固定される。板バネ部184は、長尺な形状を有し、長手方向に対して垂直な方向に撓んで弾性変形することができる。
板バネ部184の先端には、係合端186を有する。係合端186は、屈曲した形状を有する。係合端186は、供給リール200のピニオン体220のラチェット歯車222と係合する。板バネ部184は、ラチェット爪として機能する。板バネ部184によるラチェット機構については後述する。
<<巻取リール用歯止め190>>
巻取リール用歯止め190は、板バネ構造を有し、固定端部192と板バネ部194とを有する。固定端部192は、右ハウジング110Rの歯止め保持部122Rに固定される。板バネ部194は、長尺な形状を有し、長手方向に対して垂直な方向に撓んで弾性変形することができる。
板バネ部194の先端には、係合端196を有する。係合端196は、屈曲した形状を有する。係合端196は、巻取リール300のピニオン体320のラチェット歯車322と係合する。板バネ部194は、ラチェット爪として機能する。板バネ部194によるラチェット機構については後述する。
<<キャップ160及びキャップ保持部170>>
キャップ160は、清掃ヘッド410に着脱可能に被せるための被覆体である。清掃ヘッド410をキャップ160で被覆することで、清掃体CTの樹脂層RLの汚染を防止することができる。また、ハウジング100の後部には、キャップ保持部170が形成されている。清掃具10で清掃作業をするときには、清掃ヘッド410からキャップ160を取り外す必要がある。取り外したキャップ160をキャップ保持部170に取り付けることによって、作業者は、キャップ160を手で持つことなく清掃することができ、清掃作業を簡便にすることができる。
<<<供給リール200>>>
供給リール200は、主に、左供給リール枠210L及び右供給リール枠210Rを有する。左供給リール枠210Lと右供給リール枠210Rとの間に、未使用の清掃体CTが送り出し可能(供給可能)に巻回される。
<<左供給リール枠210L>>
左供給リール枠210Lは、略円盤状の形状を有する。左供給リール枠210Lは、主に、ピニオン体220と、固定部224と、貫通孔230とを有する。
<ピニオン体220>
左供給リール枠210Lは、ピニオン体220を有する。ピニオン体220は、左供給リール枠210Lの外側(左ハウジング110Lと面する側)に形成されている。ピニオン体220は、高さの低い略円筒状の形状を有する。ピニオン体220は、左供給リール枠210Lと一体に同軸に形成されている。ピニオン体220の外周面に沿ってラチェット歯車(ラチェットギヤ)222が形成されている。
ラチェット歯車222は、非対称の歯面を有する歯の列によって構成される。ラチェット歯車222の歯は、歯先を挟んで圧力角が小さい歯面(傾きが急な(傾きが大きい)歯面)(以下、傾斜大歯面と称する)と圧力角が大きい歯面(傾きが緩い(傾きが小さい)歯面)(以下、傾斜小歯面と称する)とによって構成される。傾斜大歯面によって係合面が構成され、傾斜小歯面によってスリップ面、摺動面が構成される。歯面の傾きによって、供給リール200の回転を許可する回転方向(回転許可方向)と回転を禁止する回転方向(回転禁止方向)とを規定することができる。ラチェット歯車222と、前述した供給リール用歯止め180の係合端186とによって、ラチェット機構(戻り防止機構)を構成する。
このラチェット機構によって、供給リール200は、第1の回転方向(例えば、時計回り)の回転を許可する(回転許可方向)一方、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向(例えば、反時計回り)の回転を禁止する(回転禁止方向)ことができる。
<固定部224>
固定部224が、左供給リール枠210Lの中心部から突出して形成されている。供給リール200では、固定部224は、右供給リール枠210Rに向かって配置される。固定部224は、間隙(図示せず(後述する巻取リール300の固定部324の間隙326と同様))を有し、清掃体CTの長手側の第1の端部(図示せず)を間隙に挟持させることで清掃体CTが固定される。固定部224の先端部には、平坦部228が形成され右供給リール枠210Rを保持することができる。
左供給リール枠210Lの中心部には貫通孔230が形成され、貫通孔230には右ハウジング110Rの後側突出部118が挿入される。
<右供給リール枠210R>
右供給リール枠210Rは、略円盤状の形状を有する。右供給リール枠210Rの中心部に円状の貫通孔232が形成され、貫通孔232には、左供給リール枠210Lの固定部224が挿入される。
<供給リール200の機能>
左供給リール枠210Lと右供給リール枠210Rとの間の間隙に清掃体CTが巻回される。供給リール200が回転することで、供給リール200に巻回されている未使用の清掃体CTを徐々に送り出して清掃ヘッド410に向かって送り出すことができる。清掃体が供給リール200に巻回されて保持されているときには、粘着性の樹脂層は、隣接して重なっている清掃体CTによって覆われている。巻回が解かれることで、隣接して重なっていた清掃体CTが離隔して粘着性の樹脂層が露出する。
<<<巻取リール300>>>
巻取リール300は、右巻取リール枠310Rを有する。巻取リール300には、使用済みの清掃体CTが巻回される。
<<右巻取リール枠310R>>
右巻取リール枠310Rは、略円盤状の形状を有する。右巻取リール枠310Rは、主に、ピニオン体320と、固定部324と、貫通孔330とを有する。
<ピニオン体320>
右巻取リール枠310Rは、ピニオン体320を有する。ピニオン体320は、右巻取リール枠310Rの外側(右ハウジング110Rと面する側)に形成されている。ピニオン体320は、高さの低い略円筒状の形状を有する。ピニオン体320は、右巻取リール枠310Rと一体に同軸に形成されている。ピニオン体320の外周面に沿ってラチェット歯車(ラチェットギヤ)322が形成されている。
ラチェット歯車322は、非対称の歯面を有する歯の列によって構成される。ラチェット歯車322の歯は、歯先を挟んで圧力角が小さい歯面(傾きが急な歯面)と圧力角が大きい歯面(傾きが緩い歯面)とによって構成される。歯面の傾きによって、巻取リール300の回転を許可する回転方向(回転許可方向)と回転を禁止する回転方向(回転禁止方向)とを規定することができる。ラチェット歯車322と、前述した巻取リール用歯止め190の係合端196とによって、ラチェット機構(戻り防止機構)を構成する。
このラチェット機構によって、巻取リール300は、第1の回転方向(例えば、時計回り)の回転を許可する(回転許可方向)一方、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向(例えば、反時計回り)の回転を禁止する(回転禁止方向)ことができる。
<<固定部324>>
固定部324が、右巻取リール枠310Rの中心部から突出して形成されている。巻取リール300では、固定部324は、左ハウジング110Lに向かって配置される。固定部324は、間隙326を有し、清掃体CTの長手側の第2の端部(図示せず)を間隙326に挟持することで清掃体CTが固定される。右巻取リール枠310Rの中心部には貫通孔330が形成され、貫通孔330には、右ハウジング110Rの前側突出部116が挿入される。
なお、本実施の形態では、左巻取リール枠は存在しないが、左巻取リール枠を設けてもよい。左巻取リール枠を設けることで、巻き取った後の清掃体CTを的確に保持することができる。
<<<ヘッド部400>>>
ヘッド部400は、ハウジング100から前方向に向かって突出して配置される。ヘッド部400は、清掃ヘッド410とヘッド保持体420とを有する。
<<清掃ヘッド410>>
清掃ヘッド410は、清掃体CTを光コネクタのフェルールFEの端面ESに当接させるための当接部412を有する。当接部412は、光コネクタのフェルールFEの端面ESに応じた大きさ及び形状を有する。
<収容孔414>
当接部412には、光コネクタのフェルールFEの端面ESから突出する2本のガイドピンGPを収容するための2つの収容孔414が形成されている。収容孔414を形成したことにより、光コネクタのフェルールFEの端面ESのガイドピンGPの根本まで、清掃体CTの樹脂層RLを到達させることができ、ガイドピンGPの根本付近の塵埃も的確に除去することができる。ガイドピンGPの根本付近に付着した塵埃の除去については、後で詳述する(後述する図16及び図17参照)。
清掃ヘッド410は、長尺で薄く扁平の直方体状の形状を有する。清掃ヘッド410は、後述するヘッド保持体420の前側の端部426の一定の位置に保持される。供給リールから送り出された清掃体CTは、当接部412に案内されて当接部412に位置づけられる。清掃ヘッド410は、ヘッド保持体420に着脱可能に設けることができる。光コネクタのフェルールFEの端面ESに応じて、対応する清掃ヘッド410に適宜に交換することができる。
当接部412に位置づけられた清掃体CTの樹脂層RLは、光コネクタのフェルールFEの端面ESと向かい合わせにされて、樹脂層RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESに当接されることで、光コネクタのフェルールFEの端面ESに存在する塵埃が樹脂層RLに転着される。この転着によって、光コネクタのフェルールFEの端面ESの塵埃を除去することができる。その後、清掃体CTは、当接部412から巻取リール300に向かって巻き取られる。なお、清掃体CTの変位については、後で詳述する。
<<ヘッド保持体420>>
ヘッド保持体420は、長尺な一定の形状を有する。具体的には、ヘッド保持体420は、長尺な角筒状の形状を有し、中空の構造を有する。ヘッド保持体420は、供給リール200から巻取リール300に至るまでの清掃体CTを移動可能に収容する。具体的には、ヘッド保持体420は、供給リール200から送り出され、前述した清掃ヘッド410の当接部412を経由して、巻取リール300に巻き取られるまでの清掃体CTを移動可能に収容する。
<保持孔422>
ヘッド保持体420の前部の側面には、保持孔422が形成されている。保持孔422には、清掃ヘッド410に形成されているピン416が挿入される。このようにして、清掃ヘッド410をヘッド保持体420の一定の位置に保持することができる。
<係止孔424RF及び424RR並びに係止孔424LF及び424LR>
ヘッド保持体420の後部の右側の側面には、2つの係止孔424RF及び424RRが形成されている。係止孔424RFは、前側に形成され、係止孔424RRは、後側に形成されている。前側の係止孔424RFは、右ハウジング110Rのストッパ114RFと係合し、後側の係止孔424RRは、右ハウジング110Rのストッパ114RRと係合する。
また、ヘッド保持体420の後部の左側の側面には、2つの係止孔424LF及び424LRが形成されている。係止孔424LFは、前側に形成され、係止孔424LRは、後側に形成されている。前側の係止孔424LFは、左ハウジング110Lのストッパ114LFと係合し、後側の係止孔424LRは、左ハウジング110Lのストッパ114LRと係合する。
係止孔424RF及び424RR並びに係止孔424LF及び424LRによって、ヘッド部400をハウジング100に係止させることにより、ヘッド部400をハウジング100の一定の位置に保持させることができる。
<<清掃ヘッド410の位置>>
清掃ヘッド410は、一定の形状を有しかつハウジング100に対して一定の位置に係止されているヘッド保持体420の一定の位置に保持されている。したがって、清掃ヘッド410は、ハウジング100に対して常に一定の位置に位置する。すなわち、清掃ヘッド410は、清掃作業の作業前、作業中、作業後の全てに亘って、ハウジング100に対して移動することはなく、ハウジング100やヘッド保持体420に対して常に一定の位置に保持される。清掃ヘッド410をハウジング100やヘッド保持体420に対して一定の位置に保持されるようにしたことで、清掃ヘッド410の当接部412に供給されている清掃体CTを光コネクタのフェルールFEの端面ESに一定の力で押圧することができ、操作者の技量によることなく端面ESの塵埃を安定して除去することができる。
清掃ヘッド410の前端は、ヘッド保持体420から突出し、清掃ヘッド410の当接部412は、ヘッド保持体420から突出した位置に配置される。このようにすることで、清掃体CTが外部に向かって露出し、光コネクタのフェルールFEの端面ESに、当接部412に供給されている清掃体CTを的確に当接することができる。
また、清掃ヘッド410の前端のみをヘッド保持体420から突出させることより、清掃体CTの樹脂層RLが汚染されにくくすることができる。なお、前述したキャップ160を清掃ヘッド410に取り付けることができ、清掃具10を使用しないときに、清掃体CTの樹脂層RLが汚染されないようにでき、清浄な状態を維持することができる。
<<ヘッド保持体420の内部の構成>>
ヘッド保持体420の内部には、清掃ヘッド410と清掃体CTのみが配置される。すなわち、ヘッド保持体420の内部には、供給リール200から清掃ヘッド410に供給される清掃体CT(供給用清掃体CT)と、清掃ヘッド410と、清掃ヘッド410を経由して巻取リール300に巻き取られる清掃体CT(回収用清掃体CT)とのみが存在する。また、供給リール200から送り出された清掃体CTの樹脂層RLは、露出した状態となる。このため、ヘッド保持体420の内部では、供給用清掃体CT及び回収用清掃体CTを直線状(平面状)に保ちつつ移動させる。このようにすることで、清掃体CTの樹脂層RLがヘッド保持体420の内壁と接触しないようにして、樹脂層RLが汚染されることを防止することができる。
さらに、後述する可動可能な制御本体510は、ヘッド保持体420の外側に配置されており、ヘッド保持体420は、隔壁として機能する。例えば、制御本体510の摺動(移動)によって塵埃が発生した場合であっても、ヘッド保持体420によって塵埃を遮断してヘッド保持体420の内部に進入させにくくでき、樹脂層RLの汚染を防止することができる。
さらにまた、制御本体510を駆動するためのコイルバネ140は、ハウジング100の後部に配置されており、すなわち、ヘッド保持体420から離隔した位置に配置されており、コイルバネ140の伸縮によって塵埃が発生した場合であっても樹脂層RLの汚染を防止することができる。
また、ハウジング100の後部に配置されているコイルバネ140は、バネ保持部124L及び124Rの内部に収納されており、バネ保持部124L及び124Rは、隔壁として機能し、コイルバネ140の伸縮による塵埃が広がることを防止できる。
<<開口部428>>
ヘッド保持体420は、清掃体CTの移動方向に沿って、3つの開口部428を有する。ヘッド保持体420は、いわゆる肉抜きした形状を有する。3つの開口部428を設けたことにより、清掃体CTがヘッド保持体420の内部を移動する際に、ヘッド保持体420と接触することを防止して、清掃体CTの清浄状態を保つことができる。また、ヘッド保持体420との接触を防止することで、清掃体CTを安定して移動させることができる。開口部は3つに限られない。
<<<巻取制御体500>>>
巻取制御体500は、制御本体510と制御用端面520と巻取用延在部530とコイルバネ押圧部540とを有する。
<<制御本体510>>
制御本体510は、長尺な略角筒状の形状を有し、長手方向に貫通している。すなわち、制御本体510は、中空の構造を有し、制御本体510の内側には、前述したヘッド部400(ヘッド保持体420及び清掃ヘッド410)が収容される。制御本体510は、内側に収容したヘッド部400に対して、ヘッド部400の長手方向に沿って移動することができる。制御本体510は、ヘッド部400の長手方向に沿ってヘッド部400の外側を移動することができ、制御本体510の移動によって、巻取制御体500の全体も、ヘッド部400及びハウジング100に対してヘッド部400の長手方向に沿って移動することができる。巻取制御体500の動作及び操作については、後述する。
<案内用突条512R及び案内用突条512L>
制御本体510の右側の側面には、2本の案内用突条512Rが形成されている。2本の案内用突条512Rは、長尺な畝状の形状を有する。2本の案内用突条512Rは、制御本体510の長手方向に沿って、互いに平行に、制御本体510の右側の側面の上部と下部との二箇所に形成されている。
制御本体510の左側の側面には、2本の案内用突条512Lが形成されている。2本の案内用突条512Lは、長尺な畝状の形状を有する。2本の案内用突条512Rは、制御本体510の長手方向に沿って、互いに平行に、制御本体510の左側の側面の上部と下部との二箇所に形成されている。
<移動制御孔514R及び移動制御孔514L>
制御本体510の右側の側面には、長尺な移動制御孔514Rが形成されている。移動制御孔514Rは、略長円状の貫通孔の形状を有する。移動制御孔514Rは、制御本体510の長手方向に沿って、2本の長尺な案内用突条512Rの間に形成されている。
制御本体510の左側の側面には、長尺な移動制御孔514Lが形成されている。移動制御孔514Lは、略長円状の貫通孔の形状を有する。移動制御孔514Lは、制御本体510の長手方向に沿って、2本の長尺な案内用突条512Lの間に形成されている。
移動制御孔514R及び移動制御孔514Lは、制御本体510の右側の側面と左側の側面とで互いに向かい合って形成されている。
<<制御用端面520>>
制御用端面520は、制御本体510の前端部に形成された端面である。制御用端面520は、光コネクタOCのハウジング端面OSと向かい合って当接し、ハウジング端面OSと係合可能に形成されている。具体的には、フェルールFEの端面ESを清掃する作業の際に、操作者によって清掃具10が把持されて、清掃具10が光コネクタOCに近づけられると、まず、制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと向かい合うように清掃具10が位置づけられ、制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)するまで近づけられる。
さらに、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、ハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに向かって近づく。制御本体510が、ハウジング100の後方に相対的に移動することによって、清掃体CTが供給リール200から新たに送り出されて、清掃ヘッド410の当接部412に供給される清掃体CTが移動する。
操作者が清掃具10にさらに、力を加えると、制御本体510は、さらにハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド410の当接部412は、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESにさらに近づき当接する。制御本体510が、ハウジング100の後方にさらに移動することによって、清掃体CTが供給リール200から新たに送り出されて、清掃体CTの清浄な樹脂層RLが清掃ヘッド410の当接部412に供給される。このため、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに当接するときには、清掃体CTの清浄な樹脂層RLがフェルールFEの端面ESと接触することになる。
このように、操作者が清掃具10に力を加えて、清掃具10を光コネクタOCに押し込むことによって、清掃ヘッド410の当接部412を光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づけつつ清掃体CTを供給リール200から送り出して、常に、清掃体CTの清浄な樹脂層RLをフェルールFEの端面ESに当接させることができる。なお、清掃ヘッド410、制御本体510及び清掃体CTの具体的な動作については、図13〜図17で後述する。
なお、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング100及びヘッド部400に対して相対的に移動するが、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESと係合した状態となっており、巻取制御体500や制御本体510は、光コネクタOCに対して静止した状態となっている。実際には、ハウジング100及びヘッド部400が光コネクタOCに向かって移動する。
<<巻取用延在部530>>
巻取用延在部530は、制御本体510から巻取リール300に向かって延在して設けられている。巻取用延在部530は、湾曲部532とラック形成部534とを有する。
<湾曲部532>(付勢力発生部)
湾曲部532は、略90度湾曲した形状を有する。湾曲部532は、ヘッド部400の長手方向に対して略垂直に突出し、略90度湾曲してヘッド部400の長手方向と略平行になって巻取リール300に向かって延在する。湾曲部532は、弾性変形可能な材質で形成され、適宜に弾性変形することができる。
<ラック形成部534>
ラック形成部534は、湾曲部532に接続され、略直線状の長尺な形状を有する。ラック形成部534は、ヘッド部400の長手方向に沿ってラック(歯先が平面状に並んだ歯の列)536が形成されている。ラック536は、巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。
制御本体510が前後方向に移動することで、ラック形成部534も前後方向に移動することができる。ラック形成部534の前後方向の移動によって、巻取リール300を回転させることができる。制御本体510と巻取リール300との動作については、後で詳述する。
<コイルバネ押圧部540>
巻取制御体500の後側の端部には、コイルバネ押圧部540が形成されている。コイルバネ押圧部540には、コイルバネ140の移動端部144が係合されている。コイルバネ140は、バネ保持部124Lとバネ保持部124Rとによってコイルバネ140の側部が支持され、コイルバネ押圧部540と左ハウジング110Lのバネ係止部126との間で伸縮可能に保持される。
<<<<清掃具10の動作(清掃具10に対する操作)>>>>
以下では、清掃具10の動作について説明する。前述したように、操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込むことで巻取制御体500をハウジング100及びヘッド部400に対して移動させることができる。以下では、まず、巻取制御体500のみの動作を説明し、次に、巻取制御体500及び巻取リール300の動作について説明する。
<<<巻取制御体500の動作(制御本体510に対する操作>>>
前述したように、制御本体510は、中空の構造を有し、制御本体510の内側には、前述したヘッド部400(ヘッド保持体420及び清掃ヘッド410)に収容される。制御本体510は、内側に収容されたヘッド部400に対してヘッド部400の外側を移動することができる。具体的には、操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込むことで、制御本体510を光コネクタOCのハウジング端面OSに係合させて、ヘッド部400の長手方向(すなわち、清掃体CTの前後方向)に沿って制御本体510を移動させることができる。
<巻取制御体500の最大前方位置MF>
図13(a)は、制御本体510が最も前側に位置するときの状態を示す。移動制御孔514Rがストッパ114RFと係合し、移動制御孔514Lがストッパ114LFと係合するときに、制御本体510は、ストッパ114RF及びストッパ114LFによって係止され、制御本体510が最も前側に位置する(最大前方位置MF)。操作者が制御本体510に力が加えていないときには、コイルバネ140の付勢力によって、制御本体510は、前方に移動して最大前方位置MFに位置づけられる。この最大前方位置MFが、制御本体510のホームポジションとなる。
<巻取制御体500の中間位置>
図13(b)は、制御本体510が最大前方位置MFから少し後方に移動した状態を示す。前述したように、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、最大前方位置MFからハウジング100の後方に向かって移動する。制御本体510が後側に移動したときには、制御本体510の一部がハウジング100の内部に収容されるとともに、ヘッド保持体420の一部が、制御本体510から露出して、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づく。
<フェルールFEとの当接>
操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込む力をさらに強めることによって、制御本体510がさらに後側に移動したときには、ヘッド保持体420の一部が、制御本体510からさらに露出して、当接部412は、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESと当接する。
<巻取制御体500の最大後方位置MR>
図14は、移動制御孔514Rがストッパ114RRと係合し、移動制御孔514Lがストッパ114LRと係合したときに、制御本体510は、ストッパ114RR及びストッパ114LRによって係止され、制御本体510が最も後側に位置する(最大後方位置MR)。このように、制御本体510は、最大後方位置MRで停止させることができる。制御本体510を最大後方位置MRで停止させることで、操作者が清掃具10を光コネクタOCに押し込む力を強めて光コネクタOCのフェルールFEを強く押圧しようとした場合であっても、フェルールFEを損傷させることを防止することができる。
前述したように、コイルバネ140が制御本体510の後部に設けられており、コイルバネ140は、制御本体510に対して付勢力を印加する。操作者が制御本体510に加える力を弱めたときには、コイルバネ140の付勢力によって、制御本体510は、最大前方位置MFまで移動し、ホームポジションに戻ることができる。このように、巻取制御体500は、最大前方位置MFと最大後方位置MRとの間で移動することができる。
<<巻取制御体500及び巻取リール300の動作>>
前述したように、制御本体510の移動によって、巻取制御体500は、清掃具10の後方又は前方に移動することができる。ここで、巻取制御体500の動作と巻取リール300の動作とについて説明する。
前述したように、制御本体510は、巻取用延在部530を有し、巻取用延在部530には、ラック536が形成されている。このラック536は、巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。また、巻取リール用歯止め190は、板バネ部194を有し、板バネ部194には、係合端196が形成されている。この係合端196も巻取リール300のラチェット歯車322と係合する。すなわち、巻取リール300のラチェット歯車322には、制御本体510のラック536と、巻取リール用歯止め190の係合端196との2つの部材が係合し、互いの係合状態によって、巻取リール300を動作を制御することができる。図15は、ラック536とラチェット歯車322との係合と、係合端196とラチェット歯車322との係合との状態を示す概略図である。なお、ラック536は、巻取用延在部530によって覆われているが(図13及び図14等参照)、図15では、説明のためにラック536を明示した。
<<制御本体510に力が加えられたとき>>
<ラチェット歯車322とラック536との係合>
制御本体510が後方に向かう力(図13(b)及び図15の矢印A1参照)が印加されたときには、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、巻取用延在部530のラック536から巻取リール300のラチェット歯車322へ、巻取リール300が回転し得る力が伝達される。図13(b)及び図15の図面上では、巻取リール300が時計回り(矢印A2参照)に回転し得る力が伝達される。巻取用延在部530のラック536と巻取リール300のラチェット歯車322とによってラックアンドピニオン機構が構成され、直進運動を回転運動に変換して動作を伝達する。
<ラチェット歯車322と係合端196との係合解除>
巻取リール300のラチェット歯車322に力(図13(b)及び図15の図面上で時計回りに回転しようとする力(矢印A2参照))が伝達されるときには、巻取リール300は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが互いに離隔する方向に移動する。このため、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが係合することはなく、巻取リール300の回転動作は禁止されない。したがって、操作者が制御本体510に力を加えて巻取制御体500を後方に移動させることで(図13(b)及び図15の矢印A1参照)、巻取リール300を時計回りに回転(図13(b)及び図15の矢印A2参照)させることができる。
なお、巻取リール300が回転(図13(b)及び図15の図面上で時計回りの回転)するときには、板バネ部194の係合端196の傾斜小歯面と、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面とが接触する。さらに、巻取リール300の回転に従って、板バネ部194は、ラチェット歯車322の歯と摺動しながら、ラチェット歯車322の歯によって押圧されて徐々に弾性変形する。板バネ部194の係合端196が、ラチェット歯車322の歯先を通過したときに、板バネ部194は、弾性変形が解除されて元の形状に戻る。
<清掃体CTの牽引及び供給>
このように、制御本体510に力が加えられて巻取制御体500が後方に移動するときには、制御本体510の移動によって巻取リール300に力が伝達されて、巻取リール300が回転することができる。巻取リール300が回転することで、清掃体CTが牽引されて(図13(b)の矢印A3参照)巻取リール300に巻回される。清掃体CTが牽引されることで、供給リール200から清掃体CTが新たに送り出され(図13(b)の矢印A4参照)、清掃体CTの清浄な樹脂層RLが清掃ヘッド410の当接部412に供給される(図13(b)の矢印A5参照)。制御本体510に力が加えられて巻取制御体500が後方に移動するときに、巻取制御体500を最大後方位置MRまで移動させることができる(図14の状態)。
<<制御本体510への力が弱まったとき>>
<ラチェット歯車322とラック536との係合>
次に、巻取制御体500を後方に移動させた後に、制御本体510への力が弱まったときには、前述したように、コイルバネ140の付勢力によって、巻取制御体500は、前方に向かって移動しようとする(図15及び図13(b)の矢印B1参照)。すなわち、巻取制御体500は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが互いに離隔する方向に移動しようとする。したがって、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、巻取用延在部530のラック536の傾斜大歯面とが係合することなく、巻取制御体500の前方への移動は禁止されない。
なお、巻取制御体500が前方に移動するときには、巻取用延在部530のラック536の傾斜小歯面は、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面と接触する。さらに、巻取制御体500の移動に従って、巻取用延在部530は、ラチェット歯車322の歯と摺動しながら、ラチェット歯車322の歯によって押圧されて徐々に弾性変形する。巻取用延在部530のラック536は、ラチェット歯車322の歯先を通過したときに、弾性変形が解除されて元の形状に戻る。
<ラチェット歯車322と係合端196との係合>
さらに、巻取制御体500が前方に移動するときには、巻取用延在部530のラック536の傾斜小歯面と、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜小歯面との接触により、巻取リール300が回転し得る力が加えられる。図15の図面上では、巻取リール300が反時計回りに回転し得る力が伝達される(図15の破線の矢印B2参照)。巻取リール300のラチェット歯車322に反時計回りに回転しようとする力が伝達されるときには、巻取リール300のラチェット歯車322の傾斜大歯面と、板バネ部194の係合端196の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、巻取リール300に反時計回りに回転し得る力が伝達されても、巻取リール300の回転動作が禁止され、巻取リール300が反時計回りに回転することはない。ラチェット歯車322と係合端196との係合によって、逆戻り防止機構が構成される。
<ラチェット歯車222と係合端186との係合>
前述したように、供給リール用歯止め180は、板バネ部184を有し、板バネ部184には、係合端186が形成されている(図6参照)。また、供給リール200にはラチェット歯車222設けられている。板バネ部184の係合端186は、供給リール200のラチェット歯車222と係合する。清掃体CTが供給リール200に逆戻りする方向の力が、清掃体CTを介して加えられたときには、供給リール200のラチェット歯車222の傾斜大歯面と、板バネ部184の係合端186の傾斜大歯面とが、向かい合って係合する。この係合により、供給リール200に清掃体CTが逆戻りする方向の力が伝達されても、供給リール200の回転動作が禁止される。ラチェット歯車222と係合端186との係合によって、逆戻り防止機構が構成される。
このように、制御本体510への力が弱まったときには、巻取リール300が回転することなく、巻取制御体500は、コイルバネ140の付勢力によって、前方に向かって移動する(図15及び図13(b)の矢印B1参照)。したがって、巻取リール300に巻回されている清掃体CTが解放されることなく、巻回された状態を維持して、巻取制御体500をホームポジションに戻すことできる(図13(a)の状態)。巻取制御体500をホームポジションに戻す際に、巻取リール300の回転動作を禁止することで、塵埃で汚染された清掃体CTが清掃ヘッド410に戻ることを防ぐことができる。
<清掃体CTの送り長さFL>
巻取制御体500は、ストッパ114RF及びストッパ114LFによって最大前方位置MFに位置づけられ、ストッパ114RR及びストッパ114LRによって最大後方位置MRに位置づけられる。このため、常に、巻取制御体500を一定の長さ(図13(a)及び図14のFL参照)だけ移動させることができ、清掃体CTの送り長さも一定にすることができ、操作者の技量や熟練度によることなく常に清浄な樹脂層RLを清掃ヘッド410の当接部412に供給することができる。
<<<清掃体CTの経路>>>
供給リール200では、清掃体CTが巻回されており、清掃体CTの樹脂層RLは、隣接する清掃体CTによって覆われる。このため、清掃体CTの樹脂層RLが汚染されることはない。
供給リール200は、ハウジング100に保持され、供給リール200から送り出された清掃体CTは、清掃ヘッド410に達するまで、ハウジング100及びヘッド保持体420に収容されており、清掃体CTの樹脂層RLを清浄に保つことができる。
清掃体CTが供給リール200から送り出されるときに、巻回が解かれて清掃体CTの樹脂層RLは露出する。リール200から送り出された後、清掃体CTの樹脂層RLは、いずれの部材と接触することなく直進して清掃ヘッド410に到達するのが好ましい。樹脂層RLの反対側の面は、ローラやガイドなどによって、清掃体CTの経路を適宜に変更することができる。また、清掃体CTの樹脂層RLが部材と接触する場合でも、清浄な部材を用いることで、清掃体CTの樹脂層RLを清浄に保つことができる。
<<<<清掃作業の流れ>>>>
まず、操作者によって制御用端面520が光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)するまで近づけられる。次に、制御本体510の制御用端面520が、光コネクタOCのハウジング端面OSと当接(係合)した状態を維持しつつ、操作者が清掃具10に力を加えると、制御本体510は、ハウジング端面OSによって押圧されて、ハウジング100の後方に相対的に移動するとともに、清掃ヘッド410の当接部412が、光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに向かって近づく。
制御本体510がハウジング100の後方に相対的に移動することにより(図13(b)の矢印A1)、巻取リール300が、制御本体510の移動に応じた回転角度で巻取方向に回転する(図13(b)の矢印A2)。巻取リール300の回転により清掃体CTが牽引されて(図13(b)の矢印A3)、巻取リール300に巻回される。
巻取リール300によって清掃体CTが牽引されることで(図13(b)の矢印A3)、供給リール200から清掃体CTが送り出されて(図13(b)の矢印A4)、清掃体CTの清浄な樹脂層RLが清掃ヘッド410の当接部412に供給される(図13(b)の矢印A5)。
この後、操作者が、清掃具10への力を強めて清掃ヘッド410の当接部412を光コネクタのフェルールFEの端面ESに向けて近づけ、清掃体CTの樹脂層RLを光コネクタのフェルールFEの端面ESに押圧することで、光コネクタのフェルールFEの端面ESの塵埃を樹脂層RLに転着させて、光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃することができる。
このように構成したことにより、制御本体510の相対的に移動に伴って、清掃体CTが牽引され続ける。すなわち、清掃ヘッド410の当接部412が光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに到達するまで、制御本体510は移動し続けて清掃体CTが牽引される。このため、清掃体CTの樹脂層RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESに押圧されるまでの間に、清掃ヘッド410の当接部412に位置していた清掃体CTは当接部412から離隔した位置に移動し、清掃体CTの清浄な樹脂層RLが当接部412に新たに供給されて位置づけられる。すなわち、清掃体CTの樹脂層RLが光コネクタのフェルールFEの端面ESと当接するよりも前に、清掃体CTの清浄な樹脂層RLを当接部412に新たに供給することができる。
清掃が終わった後に、操作者が、清掃具10への力を弱めることで、コイルバネ140の付勢力によって制御本体510を前方に相対的に移動させてホームポジションに戻す。
なお、制御本体510が前方に移動するときには、ラチェット歯車322は、係合端196によって係止されており、巻取リール300の回転が禁止されるため、清掃体CTは移動することなく、清掃ヘッド410の当接部412に供給された清掃体CTの樹脂層RLは当接部412の位置で維持される。
<<<<清掃具10による清掃の過程>>>>
図16(a)〜図16(d)は、清掃具10を用いて、光コネクタのフェルールFEの端面ESを清掃する過程を示す断面図である。例えば、MPOコネクタなどの清掃に用いることができる。図16(a)〜図16(d)は、清掃過程におけるフェルールFEと清掃体CTとの相対的な位置関係を示す。図16(a)〜図16(d)に示す例では、フェルールFEに、12本の光ファイバーOFの端部が並んで設けられている。また、フェルールFEには、2本のガイドピンGPが、12本の光ファイバーOFを挟んでフェルールFEの端面ESから垂直(端面ESから離隔する方向)に突出して設けられている。
まず、作業者が清掃具10を把持し、図2に示すように、清掃具10の清掃ヘッド410を光コネクタOCの開口部OPと向かい合わせにして近づける。次いで、光コネクタOCのハウジング端面OSに制御本体510の制御用端面520に係合させて清掃具10に力を加える。力を加えることで、制御本体510をハウジング100内に収納させつつ、光コネクタOCの開口部OPに清掃ヘッド410を挿入することができ、ヘッド部400の当接部412を光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づけることができる。さらに、清掃具10への力を強めることで、清掃体CTの樹脂層RLをフェルールFEの端面ESに密着させることができる。具体的な過程を以下で説明する。
まず、図16(a)に示すように、作業者が光コネクタOCの開口部OPに清掃ヘッド410を挿入すると、清掃体CTの樹脂層RLは、フェルールFEの端面ESと離隔した位置で向かい合う。
さらに、作業者が光コネクタOCに向かって清掃具10に力を加えると、図16(b)に示すように、光コネクタOCのハウジング端面OSに制御本体510の制御用端面520が係合し、ヘッド部400の当接部412の清掃体CTの樹脂層RLが光コネクタOCのフェルールFEの端面ESに近づく。図16(b)に示す状態では、清掃体CTの樹脂層RLは、フェルールFEの2本のガイドピンGPの先端部と接触し、2本のガイドピンGPによって押圧されて弾性変形する。
次いで、作業者がさらに力を加えると、図16(c)に示すように、清掃体CTの樹脂層RLは光コネクタOCのフェルールFEの端面ESにさらに近づく。このとき、樹脂層RLは、2本のガイドピンGPによって押圧されるとともに、樹脂層RLに生じた付勢力(復元力)によって2本のガイドピンGPを覆い始める。
次に、作業者が清掃具10にさらに力を加えると、図16(d)に示すように、樹脂層RLがフェルールFEの端面ESまで到達する。このとき、2本のガイドピンGPの接触によって弾性変形した箇所は、樹脂層RLに生じた付勢力(復元力)により2本のガイドピンGPの根本まで樹脂層RLによって覆われる。2本のガイドピンGPの根本まで樹脂層RLで覆うことで、樹脂層RLとフェルールFEの端面ESとの間に隙間が生ずることなく樹脂層RLをフェルールFEの端面ESの全体に密着させることができる。2本のガイドピンGPの根本まで樹脂層RLを付着させることで、フェルールFEの端面ESの全体の塵埃を樹脂層RLの粘着力で転着させることができる、塵埃は、フェルールFEの端面ESに静電気力などで付着している。2本のガイドピンGPの根本の周囲や2本のガイドピンGPに付着している塵埃も、樹脂層RLの粘着力によって転着させて除去することができる。樹脂層RLの弾性係数や硬度などを適宜に選択することで、樹脂層RLの付勢力(復元力)を用いて、2本のガイドピンGPの全体を樹脂層RLで被覆することができる。
清掃ヘッド410には、2本のガイドピンGPを収容するための収容孔414が形成されており、樹脂層RLがフェルールFEの端面ESまで到達するときも、ガイドピンGPの全体とともに樹脂層RLが収容孔414に収容される。収容孔414を設けたことにより、ガイドピンGPが形成されているフェルールFEであっても、的確に塵埃を除去することができる。また、樹脂層RLも収容孔414に収容できるので、付勢力(復元力)による樹脂層RLの変形も妨げられることがなく、ガイドピンGPの全体を樹脂層RLで覆うことができる。
前述した図16(a)〜図16(d)は、樹脂層RLが、2本のガイドピンGPによって穿刺されることなく、2本のガイドピンGPの形状及び大きさに応じて弾性変形し、樹脂層RLに生じた付勢力(復元力)によって、2本のガイドピンGPの根本まで樹脂層RLに被覆されていく例を示したが、2本のガイドピンGPを樹脂層RLに穿刺させて樹脂層RLを塑性変形させてもよい。図17(a)〜図17(d)は、樹脂層RLが塑性変形する場合の例を示す図である。なお、樹脂層RLを弾性変形させるか、塑性変形させるかは、樹脂層RLのショアA硬度などを適宜に定めればよい。
図17(a)は図16(a)と同じ状態である。図17(b)に示すように、2本のガイドピンGPが清掃体CT(樹脂層RL)に接触して押圧されると、樹脂層RLは、2本のガイドピンGPによって穿刺されて塑性変形し、2本のガイドピンGPとの接触の当初から刺衝が始まる。次いで、清掃体CTを押し込むと、図17(c)に示すように、さらに塑性変形が進行し、徐々に2本のガイドピンGPは、樹脂層RLに刺衝されていく。最終的には、図17(d)に示すように、樹脂層RLは塑性変形しながら、清掃体CTはフェルールFEの端面ESに到達する。このように、樹脂層RLを塑性変形させる場合でも、2本のガイドピンGPの根本まで清掃体CTの樹脂層RLを付着させることができる。この場合も、2本のガイドピンGPの根本の周囲や2本のガイドピンGPに付着している塵埃も、樹脂層RLの粘着力によって転着させて除去することができる。
<<<<変形例1>>>>
前述した実施の形態の清掃体CTでは剥離フィルムがない例を示したが、清掃体CTに剥離フィルムを設けてもよい。剥離フィルムは、樹脂層RLを被覆するためのフィルムであり、剥離フィルムを設けることで、樹脂層RLの粘着性を維持したり汚染を防止したりすることができる。
清掃体CTに剥離フィルムを設けたときには、清掃体CTを剥離フィルムとともに供給リール200に巻回しておき、供給リール200から送り出すときに、剥離フィルムを剥がして、清掃ヘッド410に供給することができる。
剥離フィルムの剥離は、曲率半径を小さくして清掃体CTを湾曲させて、清掃体CTの曲がり具合を大きくすることで、剥離フィルムを剥がれやすくすることができる。また、剥離した剥離フィルムを収容するための剥離フィルム収容リールを設けるのが好ましい。剥離された剥離フィルムが樹脂層RLと再び接触して、清掃体CTの円滑な移動を妨げることを防止することができる。さらに、剥離された剥離フィルムの接触によって、樹脂層RLの粘着性を低下させたり清浄性を低下させたりすることを防止することもできる。
剥離した剥離フィルムを収容せずに、排出孔を設けて、ハウジング100から剥離とともに排出させるようにしてもよい。剥離フィルム収容リールを設けるための空間を確保する必要がなくなり、ハウジング100を小さくすることで、清掃具10の全体を小型化することができる。さらに、排出した剥離フィルムを切断するためのカッターを排出孔に設けてもよい。
<<<<変形例2>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、光コネクタOCの端面ESに押圧されて塵埃が転着された清掃体CTを巻取リール300によって回収する例を示したが、排出孔を設けて、塵埃で汚染された清掃体CTをハウジング100から排出するようにしてもよい。巻取リール300を設けるための空間を確保する必要がなくなり、ハウジング100を小さくすることで、清掃具10の全体を小型化することができる。さらに、排出した清掃体CTを切断するためのカッターを排出孔に設けてもよい。
<<<<変形例3>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、ハウジング100の前側に巻取リール300を配置し、ハウジング100の後側に供給リール200を配置する例を示したが、供給リール200を前側に配置し、巻取リール300を後側に配置してもよい。樹脂層RLが露出してから清掃ヘッド410の当接部412に到達するまでの距離を短くすることができ、樹脂層RLが汚染される可能性を低くして、粘着性を維持して的確に塵埃を転着させることができる。
<<<<変形例4>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、供給リール200及び巻取リール300の各々を互いに離隔して異なる回転軸で回転可能に配置する例を示したが、供給リール200及び巻取リール300を同軸上に回転可能に配置してもよい。前後方向に小型化することができる。
<<<<変形例5>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、ハウジング100とヘッド部400と別体に準備されて接合して清掃具10を構成する例を示したが、ハウジング100とヘッド部400と予め一体に形成されたものでもよい。
<<<<変形例6>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、制御本体510の移動によって、巻取リール300のみを回転させる例を示したが、供給リール200のラチェット歯車222に制御本体510の動作を伝達させて、巻取リール300とともに供給リール200を回転させるようにしてもよい。清掃体CTの牽引によって供給リール200を回転させる必要がなくなり、清掃体CTに牽引力を加えずに済み、牽引力によって清掃体CTを引き伸ばしたり破損させたりすることを防止することができる。
<<<<変形例7>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、2本のガイドピンGPを収容するための収容孔414を設けたが、収容孔414を設けなくてもよい。当接部412を収容孔414のない平坦な形状にすることができ、ガイドピンGPが存在しないフェルールFEの場合には、フェルールFEの端面ESの全面に樹脂層RLを均一の押圧力で押圧することができる。
<<<<変形例8>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、コイルバネ140を用いて、巻取制御体500や制御本体510に付勢力を印加する例を示したが、付勢力を発生されることができるものであればよく、コイルバネの他、板バネなどの各種のバネや、ゴムなどの樹脂などで形成された弾性体などにすることができる。
<<<<変形例9>>>>
前述した実施の形態の清掃具10では、ヘッド保持体420の内部においては、清掃体CTの供給経路と回収経路とが平行となる例を示したが、供給経路と回収経路とを非平行となるようにしてもよい。
<<<<<他の実施の形態>>>>>
図18は、清掃具100の供給リール200及び巻取リール3000を外した状態を示す斜視図である。
図18に示す清掃具100は、巻取リール3000が、清掃具10の巻取リール300と異なる点を除いて同じ構成を有する。清掃具10の巻取リール300は、右巻取リール枠310Rのみを有する。これに対して、巻取リール3000は、右巻取リール枠310Rと左巻取リール枠310Lとを有する。このようにすることで、清掃体CTを右巻取リール枠310Rと左巻取リール枠310Lとの間に保持することができる。このため、長尺な形状を有する清掃体CTが巻き取られる際に、清掃体CTが蛇行することを防止でき、清掃体CTを巻取リール3000に的確に巻き取ることができる。清掃体CT同士が巻取リール3000で絡まることを未然に防止して、清掃体CTを最後まで巻き取ることができ、無駄を防止することができる。
なお、供給リール200は、清掃具10においても清掃具100においても、右供給リール枠210R及び左供給リール枠210Lを有する。このため、安定した姿勢で清掃体CTを清掃ヘッド410に供給でき、他の部材などとの接触を防止し、清浄な状態のまま清掃ヘッド410に供給することができる。
<<<<清掃体CTの別の形態>>>>
次に、本発明の光コネクタ用清掃具の構成部材として特に適する清掃体CTについて詳述する。清掃体CTについて既に説明された事項については、ここでは説明を省略する場合がある。ここで説明された事項は、矛盾の生じない範囲で、本発明に係る全ての実施の形態に対して適用することが可能である。
以下、清掃体CTを形成する樹脂層がポリウレタン樹脂である場合について説明する。
<<<物性>>>
以下、清掃体CTの各物性について説明する。清掃性能評価(ピン転写、ゴミ除去、ファイバ部転写)については、清掃体が樹脂層と基材とを含む場合、樹脂層と基材とを含んだ状態にて評価を行う。物性評価(引張強度、引裂き強度、伸び、伸び率、ヒステリシスロス、硬度)については、清掃体が樹脂層と基材とを含む場合、基材から樹脂層を分離して、樹脂層単独(単層)にて評価、測定を行う。
<<アスカーC硬度>>
清掃体CTの樹脂層のアスカーC硬度は、好ましくは40〜90であり、より好ましくは65〜85である。清掃体CTの樹脂層のアスカーC硬度が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の捕集性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
清掃体CTの樹脂層のアスカーC硬度は、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の方法で測定される。測定は、アスカーゴム硬度計C型を用いて行われる。なお、測定においては、ポリウレタン樹脂の硬化完了後、25℃、50%RHの環境下で24時間保存した清掃体CTの樹脂層を用いるものとする。
<<引張強度等の引張特性>>
清掃体CTの樹脂層の引張強度は、好ましくは0.55〜30MPaであり、より好ましくは0.6〜30MPaであり、特に好ましくは0.65〜22MPaである。
清掃体CTの樹脂層の引張強度が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の捕集性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
清掃体CTの樹脂層の破断伸びは、好ましくは100〜150mmであり、より好ましくは105〜140mmでる。清掃体CTの樹脂層の破断伸びが、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の捕集性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
清掃体CTの樹脂層の破断伸び率は、好ましくは200〜700%であり、より好ましくは400〜650%である。清掃体CTの樹脂層の破断伸び率が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の捕集性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
清掃体CTの樹脂層の引張強度は、JIS K7312:1996「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に記載の、ダンベル試験片を用いた測定方法で測定される。ダンベル試験片形状は、ダンベル状3号形試験片とする。測定は、材料試験機を用いて行う。材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとする。引張強度、破断伸び及び破断伸び率は、同時に測定することができる。
<<引裂強度>>
清掃体CTの樹脂層の引裂強度は、好ましくは3N〜30Nであり、より好ましくは5N〜16Nである。清掃体CTの樹脂層の引裂強度が、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の捕集性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
清掃体CTの樹脂層の引裂強度は、JIS K7312:1996「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方」に記載の、アングル形試験片を用いた測定方法で測定される。測定は、材料試験機を用いて行う。材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとする。
<<ヒステリシスロス>>
清掃体CTの樹脂層のヒステリシスロスは、好ましくは3〜60%以下であり、より好ましくは5〜50%である。清掃体CTの樹脂層のヒステリシスロスが、かかる範囲にあることで清掃対象表面の形状を追従することができ、汚染物質の捕集性能が高くなる。特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面の清掃効果が著しくできる。
清掃体CTのヒステリシスロスは、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の方法で測定される。測定は、材料試験機を用いた引張ヒステリシス試験により行う。試験片形状は、ダンベル状3号形試験片とする。材料試験機のクロスヘッド速度を1000mm/minとし、引張・圧縮を30サイクル繰り返した後のヒステリシスロスを測定する。
清掃体CTの樹脂層がこのような特性を有する場合、清掃体CTが清掃対象表面の形状を追従することができ、特にガイドピンが突設された光ファイバ用の光コネクタの接続端面に用いた場合には、ガイドピンの形状を追従することが可能となり、ガイドピン及び光コネクタ接続端面への清掃効果が著しく高い。また、一度清掃体CTに捕集された汚染体が、再度清掃対象表面に付着する再付着も起こらないため、清掃効果を著しく向上させることが可能である。
<<<樹脂層の材質>>>
<<ポリウレタン樹脂>>
ポリウレタン樹脂は、ポリオールと、ポリイソシアネートとを有するポリウレタン樹脂組成物から形成され、その組成中に、その他の成分を含んでいてもよい。
<ポリオール>
ポリオールの、1分子の構造内に含まれる水酸基数(以降、官能基数とする場合がある)は、好ましくは2〜5であり、より好ましくは2〜3である。ポリオールの水酸基数が、かかる範囲にある場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物とすることができる。ポリオールとして複数種類のポリオールを含む場合は、各ポリオールの割合と各ポリオールの水酸基数とを乗じた値を算出し、それらの値を加算することで、ポリオールの水酸基数を計算することができる。
ポリオールの数平均分子量は、好ましくは100〜6000である。ポリオールの数平均分子量がかかる範囲にある場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物とすることができる。
具体的なポリオールとしては、特に限定されないが、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリジエン系ポリオール、水添ポリジエンポリオール、及び、これらのポリマーポリオール等が挙げられる。ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ポリエステルポリオールとしては、ポリオールとポリカルボン酸を脱水縮合反応して得られるポリエステルポリオールや、ε−カプロラクトン、メチルバレロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合で得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールを形成するポリオールは、特に限定されない。ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−テトラコサンジオール、1,6−テトラコサンジオール、1,4−ヘキサコサンジオール、1,6−オクタコサンジオールグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、2,5−ノルボルナンジオール、1,3−アダマンタンジオール、ダイマージオール等の脂環族ポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の芳香族ポリオール;等を挙げることができる。これらは1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
ポリエステルポリオールを形成するポリカルボン酸は、その分子構造中にカルボキシル基を複数有する物であれば特に限定されない。ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ポリカルボン酸;又はこれらの酸エステル;等を挙げることができる。これらは、1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール等の多価アルコールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等と、を反応させて得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを重合させて得られる、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、及び、これらのコポリエーテルが挙げられる。また、グリセリンやトリメチロールエタン等の多価アルコールを用い、上記の環状エーテルを重合させて得ることもできる。
ポリエステルエーテルポリオールとしては、ポリカルボン酸と、ジエチレングリコール、又はプロピレンオキシド付加物等のグリコール等とを脱水縮合反応で得られるもの等が挙げられる。
ポリエステルエーテルポリオールを形成するポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ポリカルボン酸;又はこれらの酸エステル;を挙げることができる。これらは、1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
ポリマーポリオールは、ポリオール中でエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られる。
エチレン性不飽和モノマーとしては、
アクリル系モノマー、例えば、(メタ)アクリロニトリル、メチルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート(アルキル部分は、炭素数1〜20、又は、それ以上であってもよい);
炭化水素系モノマー、例えば、スチレン等の芳香族不飽和炭化水素、α−オレフィン、ブタジエン等の脂肪族不飽和炭化水素(炭素数2〜20又はそれ以上の炭素数のアルケン、アルカジエン等);
並びにこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)];
が挙げられる。
これらポリオールのうち、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオールをポリオールとして含むことが好ましく、これらのうち二つ以上をポリオールとして含むことがより好ましい。これらのポリオールを用いた場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物を得ることができる。
<ポリイソシアネート>
具体的なポリイソシアネートとしては特に限定されず、2官能のポリイソシアネートであっても3官能以上のポリイソシアネートであってもよい。
2官能のポリイソシアネートとしては、
2,4−トルエンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(2,6−TDI)、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、水素添加MDI、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、等の芳香族系のもの;
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族のもの;ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等のアルキレン系のもの;
等が挙げられる。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、
1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナトメチルオクタン等;
が挙げられる。
ポリイソシアネートは、これらのポリイソシアネートの変性体や誘導体であってもよい。また、イソシアネートは、1つ又は複数を組み合せて用いることができる。
ポリイソシアネートは、芳香族系及び脂肪族のものを含むことが好ましく、芳香族系のものを含むことがより好ましい。ポリイソシアネートは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、水素添加MDI、モノメリックジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートを含むことが特に好ましい。
ポリイソシアネートのNCO%は、好ましくは10〜70であり、より好ましくは20〜60であり、特に好ましくは30〜55である。
ポリイソシアネートのNCO%が、かかる範囲にある場合には、伸びが良く、破断し難い、形状追従性の高いポリウレタン樹脂物を得ることができる。
このような成分を含むポリウレタン樹脂組成物をシート状等に成形したのち、光や熱などにより硬化させて、樹脂層を製造することができる。
<<<<清掃具10の別の形態>>>>
次に、本発明の光コネクタ用清掃具の特に適する構成部材について詳述する。ここで説明された事項は、矛盾の生じない範囲で、本発明に係る全ての実施の形態に対して適用することが可能である。
清掃体CTと接触し得る部材(例えば、ヘッド部400、清掃ヘッド410、ヘッド保持体420など)は、フィラーを含有することが好ましい。一部の部材がフィラーを含有してもよいし、全ての部材がフィラーを含有してもよい。また、各部材は、一部の領域のみフィラーを含むように形成されてもよいし、部材全体がフィラーを含むように形成されてもよい。
清掃体CTと接触し得る部材がフィラーを含有することで、当該部材の清掃体CTと接触し得る箇所(清掃体CTと接触し得る面)に、フィラーが表出することにより凹凸が形成される、乃至は、部材の肉厚部に埋設されたフィラーに沿った凹凸が形成される。この凹凸によって、清掃体CTと部材との密着が防止され、清掃体CTを滑らかに繰り出すことができる。
なお、このようなフィラーを各部材に含有させる方法としては特に限定されず、(1)部材を製造する際に予めフィラーを練り込んでおく方法、(2)熱や溶剤等により部材表面の粘度を下げた状態で、部材表面にフィラーを埋設させる方法、(3)フィラーを含む接着剤や樹脂材料を部材表面に塗布する方法、等が挙げられる。
フィラーの材質としては、特に限定されず、樹脂フィラーや無機フィラーを使用することができる。部材成型用の材料がマイナスに帯電しやすいところ、相対的にプラスに帯電しやすいフィラーを導入した場合、部材の帯電を防止し、清掃体CTと部材との密着が防止され、清掃体CTを滑らかに繰り出すことができる。このような観点としては、フィラーは、POMフィラー、PPフィラー、PETフィラー、アクリル樹脂フィラー、ガラスフィラーであることが好ましく、ガラスフィラーであることがより好ましい。フィラーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
このようなフィラーの粒径は特に限定されないが、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは1〜100μmとすることができる。
また、清掃体CTと接触し得る部材は、清掃体CTと接触し得る箇所を粗面化してもよいし、構成部材そのものによって凹凸を施してもよい。これにより、清掃体CTと部材との密着が防止され、清掃体CTを滑らかに繰り出すことができる。
上述したように、本発明は、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
特に、本実施の形態によって記載された所定の清掃具は、使用済みの清掃体CTを交換可能とする形態、および、使用済みの清掃体CTを交換不可能とする形態(使い捨ての形態)のいずれも含むものである。使用済みの清掃体CTを交換可能とする形態において、清掃体CTの交換方法は、従来公知の方法を採用可能であり、例えば、供給リールおよび/または巻取リールごと、使用済みの清掃体CTを交換可能としてもよい。
また、このような観点によれば、本発明を、所定の機構を有する所定の光コネクタ用清掃具で使用されるのに適した所定の清掃体CTと解することが可能である。特に、所定の機構を有する所定の光コネクタ用清掃具が清掃体CTを交換可能である場合、交換用の清掃体CTも本発明に含まれるものと解することが可能である。
また、別の観点によれば、本発明を、所定の清掃体CTを使用するのに適した所定の光コネクタ用清掃具とすることも可能である。
次に、本発明に係る清掃具10の構成材料として好ましく使用される清掃体CTの具体例を、実施例および参考例により詳細に説明する。なお、本発明はこの実施例には何ら限定されない。
<<<<清掃体CTの製造>>>>
以下のようにして、実施例1〜8、および、参考例1〜3に係る清掃体CTを得た。
<<<実施例1>>>
数平均分子量1500のエステル系ジオール10質量%と、数平均分子量2000のエーテル系ジオール80質量%と、数平均分子量1500のエーテル系トリオール質量10%と、を合わせた混合物を調整し主剤とした。
モノメリックジフェニルメタンジイソシアネートカルボジイミド変性イソシアネートと、数平均分子量3000のエーテル系のトリオールと、数平均分子量500のエステル系ジオールと、の混合物を80℃で2時間反応させ、NCO約18.9%のプレポリマーを硬化剤とした。
硬化剤を容器に移し、主剤のポリオールが有する水酸基と、硬化剤のポリイソシアネートが有するイソシアネート基を当量比1.2(イソシアネート基の当量/水酸基の当量)となるように主剤を秤取り、撹拌しながら硬化剤に滴下した。
滴下完了後触媒(ジブチルチンジラウレート 0.3g)を添加し、十分に混合した後、真空下で脱泡したものを、実施例1に係る混合液とした。
<<清掃性能評価用の清掃体CT>>
次に、清掃性能評価用の清掃体CTを以下のように製造した。
得られた混合液を、離型処理を施した厚み25μmのPETフィルム(東レフィルム加工;セラピールBKE-RX)の非離型面上に流し、アプリケーター(フィルムアプリケーターNo.350FA;コーティングテスター工業)を用いて350μmの膜厚のフィルム状物とした。
フィルム状物を乾燥炉にて100℃で60分間加熱し、ウレタン化反応を起こし、硬化を完了させた。
以上のようにして、350μmの厚さのシート状物である清掃体CTを得た。なお、PETフィルムは、清掃体CTの基材としてそのまま用いた。
<<樹脂層の物性評価用の清掃体CT(物性評価用サンプル)>>
また、樹脂層の物性評価用の清掃体CT(物性評価用サンプル)を以下のように製造した。

得られた混合液を、離型処理を施した厚み25μmのPETフィルム(東レフィルム加工;セラピールBKE-RX)の離型面上に流し、アプリケーター(フィルムアプリケーターNo.350FA;コーティングテスター工業)を用いて350μmの膜厚のフィルム状物とした。
フィルム状物を乾燥炉にて100℃で60分間加熱し、ウレタン化反応を起こし、硬化を完了させた。
<<<実施例2〜8、参考例1〜3>>>
表1、2に記載の各種条件にて実施例1と同様に、実施例2〜8、及び、参考例1〜3に係る清掃体CT、清掃体CTの樹脂層を得た。
なお、各実施例および参考例で使用した、主剤および硬化剤の組み合わせは以下の通りである。
Figure 2020059853
<<<<評価>>>>
得られた各実施例及び参考例の清掃体CTについて、以下の評価試験を実施した。各評価結果を表2に示す。
<<<樹脂層の物性評価>>>
<<アスカーC硬度>>
アスカーC硬度を、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の方法に準じて測定した。
(試験片の作製)
アルミカップの容器内に各混合液を入れ、10mm厚さの樹脂層が得られるように調整し、100℃60分間で硬化させた後、25℃、50%RHの環境下で24時間保存した、測定サンプルを作製した。
(測定条件)
測定は、高分子計器株式会社製アスカーゴム硬度計C型を用いて行った。
<<引張強度等の引張特性>>
<引張強度、破断伸び、破断伸び率>
引張強度、破断伸び、破断伸び率を、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の、ダンベル試験片を用いた測定方法に準じて測定した。
(試験片の作製)
各清掃体CTの樹脂層(厚み350μmのシート)を、ダンベル状3号形試験片形状に成形し、ダンベル試験片を作製した。
(測定条件)
測定は、島津製作所製材料試験機AGS−X(ロードセル:5kN)を用いて、基材から樹脂層を剥離、分離し、樹脂層単層での測定を行った。
材料試験機のクロスヘッド速度を100mm/minとし、サンプルが破断した際の荷重とクロスヘッドの変位量から、引張強度、破断伸び及び破断伸び率を測定した。
<引裂強度>
引裂強度を、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載の、アングル形試験片を用いた測定方法に準じて測定した。
(試験片の作製)
各清掃体CTの樹脂層(厚み350μmのシート)を、アングル形試験片形状に成形し、アングル型試験片を作製した。
(測定条件)
測定は、島津製作所製材料試験機AGS−X(ロードセル:5kN)を用いて、基材から樹脂層を剥離、分離した樹脂層単層での測定を行った。
材料試験機のクロスヘッド速度は、100mm/minとして測定を行った。
<<ヒステリシスロス>>
ヒステリシスロスは、JIS K7312:1996「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に記載のダンベル試験片を用いた測定方法に準じて測定した。
(試験片の作製)
各清掃体CTの樹脂層(厚み350μmのシート)を、ダンベル状3号形試験片形状に成形し、ダンベル試験片を作製した。
(測定条件)
測定は、島津製作所製材料試験機AGS−X(ロードセル:5kN)を用いて、基材から樹脂層を剥離、分離した樹脂層単層での測定を行った。
材料試験機のクロスヘッド速度を1000mm/minとして、引張・圧縮を30サイクル繰り返した後のヒステリシス損失を測定した。クロスヘッドの変位量と荷重を測定し、サイクル試験後の荷重と変位量曲線から測定した。
<<<清掃性能評価>>>
<<ピン転写性、ゴミ除去性の評価>>
ピン転写性及びゴミ除去性の評価を下記の方法で行った。
評価には、(株)扇港産業社製のMPOジャンパーコード、両端12MPO付、OM3コード型、全長1m、フラット研磨又は、APC8度研磨、オス‐メスを用い、予め接続点面に、紙粉やACダストFINEを付着させて評価用コネクタとした。
コネクタの接続端面を、各清掃体CTの表面に当接させたのち、コネクタの接続端面のガイドピン及び表面を観察し、ピンへのゴミ転写汚染の有無、コネクタの接続端面のゴミ除去性を確認した。
観察は、キーエンス社製マイクロスコープ(型式VHX−500F)にて任意の倍率で行った。またSumix社製のManta+を用いて測定した。
ピン転写性及びゴミ除去性の判定は、以下のように行った。
◎:ガイドピン及びコネクタ接続端面のゴミが完全に除去された。
○:接続端面上には一部ゴミが残っていたが、ファイバ上のゴミは除去され、接続自体には問題が生じなかった。
×:ゴミが完全に除去されなかった。
<<光ファイバ部転写性評価>>
得られた各実施例及び参考例の汚染物質捕集体について、ファイバ部転写性の評価を下記の方法で行った。
評価には、(株)扇港産業社製のMPOジャンパーコード、両端12MPO付、OM3コード型、全長1m、フラット研磨又は、APC8度研磨、オス−メスを用い、予め接続点面に、紙粉やACダストFINEを付着させて評価用コネクタとした。
コネクタの接続端面(光ファイバ部を含む)を、各汚染物質捕集体に表面に当接させたのち、コネクタの接続端面の光ファイバ部の表面を観察し、異物と転写物の有無を確認した。
観察は、Sumix社製のManta+を用いてコネクタの光ファイバの観察を行った。
光ファイバ部の転写性の判定は、以下のように行った。
◎:光ファイバ部のゴミが完全に除去された。
○:接続端面上には一部ゴミが残っていたが、ファイバ上のゴミは除去され、接続自体には問題が生じなかった。
×:ゴミが完全に除去されなかった。
Figure 2020059853
また、各実施例に係る清掃体CTを実際に清掃具10に組み込んで使用したところ、清掃具の動作を阻害することなく、光コネクタの端面の汚染体を容易に捕集可能であることが確かめられた。
10 清掃具
100 ハウジング
140 コイルバネ
200 供給リール
300 巻取リール
410 清掃ヘッド
420 ヘッド保持体
500 巻取制御体
CT 清掃体
RL 樹脂層
MF 最大前方位置
MR 最大後方位置

Claims (9)

  1. 汚染体を保持可能な層を有し光コネクタの端面を清掃するための清掃体が供給可能に保持される供給保持体が収納される本体と、
    前記本体から供給された清掃体が位置づけられる清掃ヘッドであって、前記本体に対して一定の保持位置に保持された清掃ヘッドと、
    前記光コネクタと係合可能であり、かつ、前記光コネクタと係合した状態を維持しつつ前記清掃ヘッドに対して第1の位置から前記第1の位置と異なる第2の位置まで変位可能な制御体と、
    前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置まで変位する動作を清掃体に伝達して清掃体を変位させて前記清掃ヘッドに供給する供給機構と、を備え、
    前記制御体が前記第1の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドは前記光コネクタの端面から離隔し、
    前記制御体が前記第1の位置から前記第2の位置に変位する間に、前記供給機構によって清掃体が変位し、
    前記制御体が前記第2の位置に位置するときには、前記清掃ヘッドが前記光コネクタの端面と接触する光コネクタ用清掃具。
  2. 前記本体に対して一定の位置に設けられ一定の形状を有するヘッド保持体を、更に備え、
    前記清掃ヘッドは、前記ヘッド保持体の一定の位置に設けられて、前記本体に対して前記保持位置に保持される請求項1に記載の光コネクタ用清掃具。
  3. 前記ヘッド保持体は、前記本体から供給される清掃体を前記清掃ヘッドに向かって直線状に案内する請求項2に記載の光コネクタ用清掃具。
  4. 前記清掃ヘッドに供給された清掃体を回収して保持する回収保持体をさらに備え、
    前記供給機構は、前記制御体の動作を前記回収保持体を伝達して前記回収保持体に清掃体を回収させ、清掃体の回収に伴って清掃体を牽引して、前記本体から前記清掃ヘッドに清掃体を供給する請求項3に記載の光コネクタ用清掃具。
  5. 前記制御体を第1の位置に戻すための付勢力を前記制御体に加える付勢力発生手段を更に備え、
    前記付勢力発生手段は、前記供給保持体に隣接し清掃体の移動経路と異なる位置に配置されている請求項1に記載の光コネクタ用清掃具。
  6. 前記ヘッド保持体は、前記清掃体と向かい合う面に少なくとも1つの貫通孔を有する、請求項3に記載の光コネクタ用清掃具。
  7. 前記ヘッド保持体は、フィラーを含む、請求項3に記載の光コネクタ用清掃具。
  8. 前記回収保持体は、前記清掃体を巻き取って回収する回転保持体であり、間隙を有して互いに向かい合う2つのリール枠であって、巻き取った前記清掃体を前記間隙に保持する2つのリール枠を有する、請求項4に記載の光コネクタ用清掃具。
  9. 前記清掃体は、ポリウレタン樹脂を含む樹脂層を有し、
    前記樹脂層は、引張強度が0.6〜30MPaであり、アスカーC硬度が40〜90であり、ヒステリシスロスが5〜53である、請求項1に記載の光コネクタ用清掃具。
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