JPWO2020116467A1 - 熱硬化性樹脂組成物及びシート - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、硬化後に耐熱性及び柔軟性を併せ持ち、かつ低温で硬化可能な樹脂組成物を提供することである。
上記課題を解決するために、下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物を提供する。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上含有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物
【選択図】なし
上記課題を解決するために、下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物を提供する。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上含有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物
【選択図】なし
Description
本発明は、熱硬化性樹脂組成物及びシートに関する。さらに詳しくは、耐熱性と柔軟性に優れた熱硬化性樹脂組成物及びシートに関する。
耐熱性に優れた材料として、ポリマレイミド化合物からなる材料が知られているが、耐熱性には優れているものの、その物性は硬く、用途として特定の用途にしか用いることができていなかった。
一方、柔軟性を有する材料として、各種高分子材料を用いたものが知られているが、一般的に高分子化合物は熱に弱く、耐熱性に劣るという問題があった。
一方、柔軟性を有する材料として、各種高分子材料を用いたものが知られているが、一般的に高分子化合物は熱に弱く、耐熱性に劣るという問題があった。
そして、耐熱性と柔軟性を備えた材料として、近年ポリイミド化合物が着目されているが、構造が特殊な材料であり、特定の溶媒にしか溶解しない、高温でないと硬化しない等、材料としての選択性が狭いという問題があった。
例えば、特許文献1には、(A)分子中に2個以上のマレイミド基を有するポリマレイミド化合物、(B)分子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(C)エポキシ樹脂硬化剤、および(D)特定のアクリル樹脂系接着性樹脂または熱可塑性共重合ポリエステル樹脂を含有する接着性樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物、ならびにそれで成形封止された電子部品が開示されている。
さらに、特許文献2には、ベース基板上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液をポリイミドフィルムの厚みが50μm以下になるように塗布し、加熱処理を完了させ、ベース基板上にポリイミドフィルムを形成し、ポリイミドフィルム上に応力緩和層を形成した後、ポリイミドフィルムと応力緩和層が積層された状態でベース基板を除去し、かつ、ポリイミドフィルムのベース基板と反対側の面に表示装置または表示装置用部材を形成する表示装置の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献2には、ベース基板上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液をポリイミドフィルムの厚みが50μm以下になるように塗布し、加熱処理を完了させ、ベース基板上にポリイミドフィルムを形成し、ポリイミドフィルム上に応力緩和層を形成した後、ポリイミドフィルムと応力緩和層が積層された状態でベース基板を除去し、かつ、ポリイミドフィルムのベース基板と反対側の面に表示装置または表示装置用部材を形成する表示装置の製造方法が開示されている。
これまで、様々な高耐熱材料及び柔軟性を備えた材料が開発されてきているが、それらは未だ満足できる物性を備えたものではない。
そこで、本発明の課題は、硬化後に耐熱性及び柔軟性を併せ持ち、かつ低温で硬化可能な樹脂組成物を提供することである。
そこで、本発明の課題は、硬化後に耐熱性及び柔軟性を併せ持ち、かつ低温で硬化可能な樹脂組成物を提供することである。
発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量を有するポリマレイミド化合物を、エポキシ化合物、ポリエステル、芳香族アミン化合物と組み合わせることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物及びシートである。
すなわち、本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物及びシートである。
上記課題を解決するための本発明の熱硬化性樹脂組成物は、下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とするものである。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物
この特徴によれば、(A)〜(D)成分を含有することで、熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物の柔軟性が向上し、耐熱性及び柔軟性を併せ持つ熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物
この特徴によれば、(A)〜(D)成分を含有することで、熱硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物の柔軟性が向上し、耐熱性及び柔軟性を併せ持つ熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の一実施態様としては、(A)成分が、芳香環を有する化合物であることを特徴とするものである。
この特徴によれば、(A)成分が芳香環を有することで、硬化後により耐熱性が向上した熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
この特徴によれば、(A)成分が芳香環を有することで、硬化後により耐熱性が向上した熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の一実施態様としては、(C)成分が、下記式(1)の構造を有するポリエステルであることを特徴とするものである。
(式(1)中、R1はそれぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を、Xは、芳香環を含む基を、Yは単結合、アルキレン基又は酸素原子を、繰り返し数nは1以上の整数を表す。)
この特徴によれば、(C)成分が式(1)の構造を有するポリエステルであることで、より本発明の効果を発揮することができる。
この特徴によれば、(C)成分が式(1)の構造を有するポリエステルであることで、より本発明の効果を発揮することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の一実施態様としては、熱硬化性樹脂組成物において(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの、(A)成分の含有量が15〜75質量%、(B)成分の含有量が1〜13質量%、(C)成分の含有量が15〜75質量%、(D)成分の含有量が1〜15質量%であることを特徴とするものである。
この特徴によれば、より本発明の効果を発揮することができる。また、熱硬化性樹脂組成物の用途に合わせて、硬化後の耐熱性及び柔軟性を制御することができる。
この特徴によれば、より本発明の効果を発揮することができる。また、熱硬化性樹脂組成物の用途に合わせて、硬化後の耐熱性及び柔軟性を制御することができる。
また、上記課題を解決するための本発明のシートとしては、(A)〜(D)成分を含有する熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするものである。
この特徴によれば、重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物を含有することで、シートの柔軟性が向上し、耐熱性及び柔軟性を併せ持つシートとすることができる。
この特徴によれば、重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物を含有することで、シートの柔軟性が向上し、耐熱性及び柔軟性を併せ持つシートとすることができる。
本発明によれば、硬化後に耐熱性及び柔軟性を併せ持ち、かつ低温で硬化可能な樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とするものである。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とするものである。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物
<(A)ポリマレイミド化合物>
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(A)ポリマレイミド化合物は、重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有する化合物である。
重量平均分子量の下限値としては、好ましくは1000g/mol以上であり、より好ましくは1500g/mol以上であり、さらに好ましくは2000g/mol以上である。上限値としては、好ましくは25000g/mol以下である。
(A)ポリマレイミド化合物の重量平均分子量を500g/mol以上とすることで、硬化物の柔軟性が向上し、硬化後に耐熱性及び柔軟性を併せ持つ熱硬化性樹脂組成物とすることができる。また、(A)ポリマレイミド化合物の重量平均分子量を25000g/mol以下とすることで、硬化前において熱硬化性樹脂組成物の取扱い性を向上させることができる場合がある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(A)ポリマレイミド化合物は、重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上有する化合物である。
重量平均分子量の下限値としては、好ましくは1000g/mol以上であり、より好ましくは1500g/mol以上であり、さらに好ましくは2000g/mol以上である。上限値としては、好ましくは25000g/mol以下である。
(A)ポリマレイミド化合物の重量平均分子量を500g/mol以上とすることで、硬化物の柔軟性が向上し、硬化後に耐熱性及び柔軟性を併せ持つ熱硬化性樹脂組成物とすることができる。また、(A)ポリマレイミド化合物の重量平均分子量を25000g/mol以下とすることで、硬化前において熱硬化性樹脂組成物の取扱い性を向上させることができる場合がある。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(A)ポリマレイミド化合物は、数平均分子量が好ましくは500g/mol以上である。数平均分子量の下限値としては、好ましくは1000g/mol以上であり、より好ましくは1500g/mol以上であり、さらに好ましくは2000g/mol以上である。上限値としては、好ましくは25000g/mol以下である。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(A)ポリマレイミド化合物は、マレイミド基を2個以上有するものである。マレイミド基とは、下記式(2)で表される構造である。
前記式(2)において、R2は置換基を示し、好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜20個のアルキルである。炭素原子数1〜20個のアルキル基としては、好ましくは直鎖、分岐鎖であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
上記式(3)において、mは0を含むポリイミド単位の繰り返し数を表し、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10である。また、(A)ポリマレイミド化合物は、mの異なる式(3)の化合物の混合物であってもよい。
さらに、式(3)において、Zは、好ましくはそれぞれ独立して脂肪族環、芳香環、ヘテロ原子を有する芳香環を表し、それらの環構造がアルキレン基やエーテル構造によって結合されている構造であってもよい。
式(3)においてR3は、好ましくはそれぞれ独立して、脂肪族環、芳香環、ヘテロ原子を有する芳香環、アルキル、アルキレン、ポリエーテル基、ポリシロキサン基を含む構造である。
式(3)において、R2は上記式(2)において説明したものと同様である。
さらに、式(3)において、Zは、好ましくはそれぞれ独立して脂肪族環、芳香環、ヘテロ原子を有する芳香環を表し、それらの環構造がアルキレン基やエーテル構造によって結合されている構造であってもよい。
式(3)においてR3は、好ましくはそれぞれ独立して、脂肪族環、芳香環、ヘテロ原子を有する芳香環、アルキル、アルキレン、ポリエーテル基、ポリシロキサン基を含む構造である。
式(3)において、R2は上記式(2)において説明したものと同様である。
さらに、本発明の(A)ポリマレイミド化合物は、好ましくは下記式(4)〜(6)で表される構造である。
式(4)〜(6)において、R3、mは上記式(3)において説明したものと同様である。より好ましくは、R3は、環式構造を有する炭化水素基であり、炭素原子数は、好ましくは20以上50以下である。
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(A)ポリマレイミド化合物としては、具体的には、Designer Molecules Inc.(DMI)製の、BMI−689、BMI−1400、BMI−1500、BMI−1700、BMI−2500、BMI−3000GEL、BMI−3000Commercial Grade、BMI−3000powder、BMI−5000powder、BMI−5000Toluene、BMI−6000や、日本化薬(株)製のMIR−3000等が挙げられる。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物の固形分中、(A)成分の含有量は、好ましくは10〜80質量%である。
(A)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
ここで、固形分とは、本発明の熱硬化性樹脂組成物において、溶剤以外の成分で、かつ溶剤に溶解又は分散する成分のことをいう。例えば、上記(A)〜(D)成分や下記の硬化剤(潜在性硬化剤を含む)、硬化促進剤等が含まれる。
(A)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
ここで、固形分とは、本発明の熱硬化性樹脂組成物において、溶剤以外の成分で、かつ溶剤に溶解又は分散する成分のことをいう。例えば、上記(A)〜(D)成分や下記の硬化剤(潜在性硬化剤を含む)、硬化促進剤等が含まれる。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物において(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの、(A)成分の含有量は、好ましくは15〜75質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
(A)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
(A)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
<(B)エポキシ樹脂>
本発明の熱硬化性樹脂組成物における(B)エポキシ樹脂は、特に限定されず、好ましくは芳香族系エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂であり、より好ましくは平均エポキシ基数が2個以上である多官能エポキシ樹脂である。本発明の熱硬化性樹脂組成物において(B)エポキシ樹脂を含有させることで、硬化後により耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物とすることができ、電気・電子材料、構造用材料等に使用することができる。
平均エポキシ基数は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量を、JIS K7236に準じて求めたエポキシ当量で割ることにより求めることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における(B)エポキシ樹脂は、特に限定されず、好ましくは芳香族系エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂であり、より好ましくは平均エポキシ基数が2個以上である多官能エポキシ樹脂である。本発明の熱硬化性樹脂組成物において(B)エポキシ樹脂を含有させることで、硬化後により耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物とすることができ、電気・電子材料、構造用材料等に使用することができる。
平均エポキシ基数は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量を、JIS K7236に準じて求めたエポキシ当量で割ることにより求めることができる。
芳香族系エポキシ樹脂としては、好ましくは1分子中に芳香族環を有し、平均エポキシ基数が2個以上のものである。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物又はこれらの誘導体;4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラメチルビフェニル−4,4'−ジオール等のビフェニル化合物又はこれらの誘導体;トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のフェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂;クレゾールノボラック樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂;ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂;ナフトールアラルキル樹脂;ジアミノジフェニルメタン骨格の誘導体等をエポキシ化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの芳香族系エポキシ樹脂の中でも、得られる硬化物の耐熱性と機械強度が良好なため、好ましくはビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物又はこれらの誘導体、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、及びジアミノジフェニルメタン骨格の誘導体をエポキシ化したエポキシ樹脂である。得られる硬化物が、耐熱性及び機械強度のバランスに優れることからビスフェノール系エポキシ樹脂がより好ましい。
脂肪族エポキシ樹脂としては、好ましくは1分子中に脂肪族骨格を有し、平均エポキシ基数が2個以上のものである。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール、若しくはペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール、又はこれらの誘導体等をエポキシ化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、好ましくは1分子中に脂環式骨格を有し、平均エポキシ基数が2個以上のものである。例えば、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート;2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;及び水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノール等の脂環構造を有するジオール又はこれらの誘導体等を挙げることができる。
これらの脂環式エポキシ樹脂の中でも、得られる硬化物の耐熱性、機械強度が特に優れるため、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いることが好ましい。
上記芳香族系エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族系エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物の固形分中、(B)成分の含有量は、好ましくは1〜15質量%である。
(B)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に柔軟性を維持しつつ、比較的低温で硬化可能という効果を発揮することができる。
(B)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に柔軟性を維持しつつ、比較的低温で硬化可能という効果を発揮することができる。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物において(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの、(B)成分の含有量は、好ましくは1〜13質量%である。
(B)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に柔軟性を維持しつつ、比較的低温で硬化可能という効果を発揮することができる。
(B)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に柔軟性を維持しつつ、比較的低温で硬化可能という効果を発揮することができる。
<(C)ポリエステル>
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(C)ポリエステルは、ジオール化合物とジカルボン酸化合物又はジカルボン酸ハライドを反応させて得られる重合体である。
ジオール化合物としては、特に限定されないが、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールなどが挙げられ、好ましくは芳香族ジオールであり、より好ましくは二価フェノール化合物である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(C)ポリエステルは、ジオール化合物とジカルボン酸化合物又はジカルボン酸ハライドを反応させて得られる重合体である。
ジオール化合物としては、特に限定されないが、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールなどが挙げられ、好ましくは芳香族ジオールであり、より好ましくは二価フェノール化合物である。
前記二価フェノール化合物としては、好ましくは、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−2,2’−ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン)が挙げられる。
また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオールが挙げられる。
ジカルボン酸又ジカルボン酸ハライドとしては、特に限定されないが、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸又はそれらのハライドが挙げられ、好ましくは芳香属ジカルボン酸、より好ましくは全芳香族二価カルボン酸又はそれらのハライドである。
全芳香族二価カルボン酸又はそれらのハライドとしては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸又はそれらのハライドが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸又はそれらのハライドとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸又はそれらのハライドが挙げられる。
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物における(C)ポリエステルの末端構造は、好ましくは水酸基である。
(C)ポリエステルの末端構造を水酸基とすることで、(A)ポリマレイミドや(B)エポキシ樹脂の硬化に関して効率的に作用することができ、熱硬化性樹脂組成物の硬化後の耐熱性をより向上させることができる。
(C)ポリエステルの末端構造を水酸基とすることで、(A)ポリマレイミドや(B)エポキシ樹脂の硬化に関して効率的に作用することができ、熱硬化性樹脂組成物の硬化後の耐熱性をより向上させることができる。
式(1)中、R1はそれぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基である。アルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜10の直鎖、又は分岐鎖を有するアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
式(1)中、Xは芳香環を含む基である。前記芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環が挙げられ、Xの構造として具体的には、フェニレン、ナフタレン基、ジフェニルアルキル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基等の基である。
さらに、式(1)中、Yは単結合、アルキレン基又は酸素原子である。前記アルキレン基としては、炭素原子数1〜10個のアルキレン基が挙げられ、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
さらに、式(1)中、Yは単結合、アルキレン基又は酸素原子である。前記アルキレン基としては、炭素原子数1〜10個のアルキレン基が挙げられ、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
本発明における(C)ポリエステルの重量平均分子量が5000〜150000であることが好ましい。重量平均分子量を上記範囲内とすることで、熱硬化性樹脂組成物における各成分の均一性や溶媒溶解性を向上させることができる。
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(C)ポリエステルのガラス転移温度は、好ましくは180℃以上である。下限値としては、より好ましくは200℃以上であり、さらに好ましくは220℃以上である。(C)ポリエステルのガラス転移温度を180℃以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の耐熱性をより向上させることができる。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物の固形分中、(C)成分の含有量は、好ましくは10〜80質量%である。
(C)成分の含有量を上記範囲内とすることで良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
(C)成分の含有量を上記範囲内とすることで良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物において(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの、(C)成分の含有量は、好ましくは15〜75質量%である。
(C)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
(C)成分の含有量を上記範囲内とすることで、硬化後に良好な耐熱性及び柔軟性を有する熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
<(D)芳香族アミン化合物>
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(D)芳香族アミン化合物は、(A)ポリマレイミド化合物や(B)エポキシ樹脂の硬化に寄与するものである。
(D)芳香族アミン化合物としては、好ましくはベンゼン環を有するアミン化合物であり、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジメチルベンジルアミン、m−キシリレンジアミン、テトラメチルジアミノジフェニルメタン、テトラエチルジアミノジフェニルメタン、ジエチルジメチルジアミノジフェニルメタン、ジメチルジアミノトルエン、ジアミノジエチルトルエン、ジアミノジプロピルトルエン、ジアミノジブチルトルエン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジトリルスルホン、ビス(4−アミノー3−エチルフェニル)メタン、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等の芳香族ポリアミン類が挙げられ、より好ましくは4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタンである。
また、上記各種の(D)芳香族アミン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、(D)芳香族アミン化合物は、(A)ポリマレイミド化合物や(B)エポキシ樹脂の硬化に寄与するものである。
(D)芳香族アミン化合物としては、好ましくはベンゼン環を有するアミン化合物であり、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジメチルベンジルアミン、m−キシリレンジアミン、テトラメチルジアミノジフェニルメタン、テトラエチルジアミノジフェニルメタン、ジエチルジメチルジアミノジフェニルメタン、ジメチルジアミノトルエン、ジアミノジエチルトルエン、ジアミノジプロピルトルエン、ジアミノジブチルトルエン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジトリルスルホン、ビス(4−アミノー3−エチルフェニル)メタン、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等の芳香族ポリアミン類が挙げられ、より好ましくは4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタンである。
また、上記各種の(D)芳香族アミン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの、(D)成分の含有量は、好ましくは1〜15質量%である。
(D)成分の含有量を上記範囲内とすることで、良好な硬化性という効果を発揮することができる。
(D)成分の含有量を上記範囲内とすることで、良好な硬化性という効果を発揮することができる。
<(E)溶剤>
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(E)溶剤に溶解させてワニスの形態としてもよい。溶剤としては特に限定されないが、好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等である。具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等を挙げることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(E)溶剤に溶解させてワニスの形態としてもよい。溶剤としては特に限定されないが、好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等である。具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等を挙げることができる。
前記(E)溶剤の量は、熱硬化性樹脂組成物に含まれる固形分100質量部あたり、好ましくは1〜20000質量部である。ここで、固形分とは、溶剤に溶解する成分であり、例えば、上記(A)〜(D)成分や下記の硬化剤(潜在性硬化剤を含む)、硬化促進剤等が含まれる。
<(F)硬化剤>
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、更に硬化剤を含有することができる。含有される硬化剤としては、特に限定されないが、好ましくは、フェノール系硬化剤(フェノール樹脂等)、ジシアンジアミド系硬化剤(ジシアンジアミド等)、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などである。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、更に硬化剤を含有することができる。含有される硬化剤としては、特に限定されないが、好ましくは、フェノール系硬化剤(フェノール樹脂等)、ジシアンジアミド系硬化剤(ジシアンジアミド等)、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などである。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール系硬化剤としては、好ましくはフェノール類またはナフトール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール、アルキルフェノール、ビスフェノール、テルペンフェノールなど)と、ホルムアルデヒドとを、縮合重合させたものである。具体的には、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、α−ナフトールノボラック樹脂、β−ナフトールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、及びポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記酸無水物系硬化剤としては、具体的には、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などのアルキルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸などのアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、好ましくは、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、硬化剤の種類によって適宜設定することができる。ただし、好ましくはエポキシ基1当量あたり、硬化剤の官能基の当量数が0.001〜2当量であり、より好ましくは0.005〜1.5当量となる量である。
なお、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤は、潜在性硬化剤である。潜在性硬化剤の活性温度の下限値は、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。また、活性温度の上限値は、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは180℃以下である。活性化温度を上記範囲内とすることで、活性温度以上で迅速に硬化する熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
<(G)硬化促進剤>
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、特に限定されないが、好ましくは変性イミダゾール系硬化促進剤、変性脂肪族ポリアミン系促進剤、変性ポリアミン系促進剤などである。硬化促進剤は、エポキシ樹脂などの樹脂との反応生成物(アダクト)として使用することが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤の活性温度は、保存安定性の点から、下限値としては、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。また、活性温度の上限値としては、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは180℃以下である。
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、特に限定されないが、好ましくは変性イミダゾール系硬化促進剤、変性脂肪族ポリアミン系促進剤、変性ポリアミン系促進剤などである。硬化促進剤は、エポキシ樹脂などの樹脂との反応生成物(アダクト)として使用することが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤の活性温度は、保存安定性の点から、下限値としては、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。また、活性温度の上限値としては、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは180℃以下である。
ここで、活性温度とは、潜在性硬化剤および/または硬化促進剤の作用により、熱硬化性樹脂の硬化が急速に早められる温度である。
硬化促進剤の量は、硬化促進剤の種類によって適宜設定することができるが、通常、エポキシ樹脂100質量部あたり、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。なお、硬化促進剤をアダクトとして使用する場合、硬化促進剤の量は、硬化促進剤以外の成分(エポキシ樹脂など)を除いた硬化促進剤の正味の量を意味する。
<(H)その他の添加剤>
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記以外の第三成分を含んでもよい。第三成分としては、熱可塑性樹脂、無機フィラー、重合開始剤、難燃剤、顔料、分散剤、シランカップリング剤、チキソ性付与剤などを挙げることができる。
さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記以外の第三成分を含んでもよい。第三成分としては、熱可塑性樹脂、無機フィラー、重合開始剤、難燃剤、顔料、分散剤、シランカップリング剤、チキソ性付与剤などを挙げることができる。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素などを挙げることができる。無機フィラーの平均粒径は、体積粒度分布の累積体積50%における粒径(D50)は、例えば0.01〜100μmである。無機フィラーの量は、配合する場合、(A)〜(C)成分の合計100質量部あたり、好ましくは1〜5000質量部であり、より好ましくは10〜3000質量部である。
重合開始剤は、加熱により、硬化性を発現する。重合開始剤としては、ラジカル発生剤、酸発生剤、塩基発生剤などを用いることができる。具体的には、ベンゾフェノン系化合物、ヒドロキシケトン系化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩などのスルホニウム塩などを用いることができる。重合開始剤の量は、配合する場合、エポキシ樹脂100質量部あたり、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。
<シート>
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、シートやフィルム等の形態に成形して使用することができる。シートの形態は、特に限定されず、単層シートであってもよく、2層以上の多層シートであってもよい。
本発明のシートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜1500μmであり、より好ましくは20〜500μmである。厚みが10μm未満であると、表面硬度が不十分となることがあり、1500μmを超えると、割れ易くなり、ロール・ツー・ロールでの巻き取りが困難となることがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、シートやフィルム等の形態に成形して使用することができる。シートの形態は、特に限定されず、単層シートであってもよく、2層以上の多層シートであってもよい。
本発明のシートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜1500μmであり、より好ましくは20〜500μmである。厚みが10μm未満であると、表面硬度が不十分となることがあり、1500μmを超えると、割れ易くなり、ロール・ツー・ロールでの巻き取りが困難となることがある。
本発明のシートは、好ましくは未硬化状態、半硬化状態、又は硬化状態のものである。半硬化状態とは、熱硬化性樹脂組成物がモノマーおよび/またはオリゴマーを含む状態であり、熱硬化性樹脂組成物中における化合物の三次元架橋構造の発達が不十分な状態をいう。すなわち、必要に応じて、塗膜を50〜150℃で1分〜10分間加熱してゲル化したり、Bステージ化したりして、シート化してもよい。なお、Bステージ化とは、樹脂組成物を半硬化状態の固体にすることをいう。Bステージの樹脂組成物を加熱すると溶融し、硬化反応が更に進行する。硬化状態とは、前記熱硬化性樹脂組成物を完全に硬化させたものをいう。
シート、フィルム等に成形する方法としては、上記に示した溶媒に溶解した前記熱硬化性樹脂組成物を基材に塗工し、乾燥後、加熱等を行うことで硬化を行うことができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物は、前記(A)〜(D)成分を含有していることから、硬化後の耐熱性及び柔軟性、また比較的低温での硬化性を併せ持つという特性を有している。
本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物は、前記(A)〜(D)成分を含有していることから、硬化後の耐熱性及び柔軟性、また比較的低温での硬化性を併せ持つという特性を有している。
本発明のシートの製造方法としては、特に限定されないが、生産性の観点から、ロール・ツー・ロールプロセスが好適に用いられる。具体的には、各種支持フィルム(離型処理をしたPET、PMMAフィルム等)に本発明の樹脂組成物を所定の膜厚でコーティングし、支持フィルムを剥離することで得ることが出来る。コーティング方法としては、グラビアコート、ロールコーティング、バーコーティング、ダイコーティング、ナイフコーティング等が挙げられる。
<硬化物>
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化を進めることにより、硬化物とすることができる。前記硬化物の形態としては、好ましくはシート、フィルム等の形態である。シート、フィルム等に成形する方法としては、上記に示した溶媒に溶解した前記熱硬化性樹脂組成物を基材に塗工し、乾燥後、加熱等を行うことで硬化を行うことができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化を進めることにより、硬化物とすることができる。前記硬化物の形態としては、好ましくはシート、フィルム等の形態である。シート、フィルム等に成形する方法としては、上記に示した溶媒に溶解した前記熱硬化性樹脂組成物を基材に塗工し、乾燥後、加熱等を行うことで硬化を行うことができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、硬化温度は特に限定されないが、好ましくは220℃以下である。下限値としては、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。上限値としては、より好ましくは200℃以下であり、さらに好ましくは190℃以下である。また硬化時間は特に限定されないが、好ましくは30分以上1500分であり、下限値としては、より好ましくは60分以上である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記(A)〜(D)成分を含有していることから220℃以下という低温で硬化することができ、硬化における熱によって関係材料が悪影響を受けることを抑制することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記(A)〜(D)成分を含有していることから220℃以下という低温で硬化することができ、硬化における熱によって関係材料が悪影響を受けることを抑制することができる。
<硬化物の物性>
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物の曲げ弾性率は、−40℃において、好ましくは1.0GPa以上であり、より好ましくは1.4GPa以上である。
さらに、25℃において、好ましくは1.0GPa以上であり、より好ましくは1.4GPa以上である。
さらに、250℃において、好ましくは0.01GPa以上であり、より好ましくは0.011GPa以上である。
曲げ弾性率の測定は、いずれもJIS K7171に準じて、ストログラフVG20−E(東洋精機製作所社製)を用いて、測定湿度50%RH、ロードセル1.0kN、ヘッド移動速度5mm/minの条件で測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物の曲げ弾性率は、−40℃において、好ましくは1.0GPa以上であり、より好ましくは1.4GPa以上である。
さらに、25℃において、好ましくは1.0GPa以上であり、より好ましくは1.4GPa以上である。
さらに、250℃において、好ましくは0.01GPa以上であり、より好ましくは0.011GPa以上である。
曲げ弾性率の測定は、いずれもJIS K7171に準じて、ストログラフVG20−E(東洋精機製作所社製)を用いて、測定湿度50%RH、ロードセル1.0kN、ヘッド移動速度5mm/minの条件で測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物の引張強度は、25℃において、好ましくは15N以上である。
引張強度の測定は、島津製作所製オートグラフを用い、チャック間20mm、引張速度5mm/分の条件にて、シート厚さ50μmの条件で測定することができる。
引張強度の測定は、島津製作所製オートグラフを用い、チャック間20mm、引張速度5mm/分の条件にて、シート厚さ50μmの条件で測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物の伸び率は、25℃において、好ましくは10%以上である。さらに、25℃において、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは30%以上である。
伸び率の測定は、島津製作所製オートグラフを用い、チャック間20mm、引張速度5mm/分の条件にて、シート厚さ50μmの条件で測定することができる。
伸び率の測定は、島津製作所製オートグラフを用い、チャック間20mm、引張速度5mm/分の条件にて、シート厚さ50μmの条件で測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物の5.0質量%加熱減量温度は、好ましくは300℃以上であり、より好ましくは325℃、さらに好ましくは350℃以上である。
5.0質量%加熱減量温度の測定は、熱質量測定装置(TGA)にて、25℃での質量を基準に、昇温速度10℃/分で測定して5.0質量%減量したときの温度として測定することができる。
5.0質量%加熱減量温度の測定は、熱質量測定装置(TGA)にて、25℃での質量を基準に、昇温速度10℃/分で測定して5.0質量%減量したときの温度として測定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物のガラス転移温度Tgは、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは70℃以上である。ガラス転移温度Tgはより高い方が好ましく、上限値は特に限定されないが、例えば、250℃以下である。
硬化物のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定(DSC)装置(セイコーインスツル社製)を用いて、温度範囲30〜250℃、昇温速度2℃/分、周波数1MHzの条件で測定することができる。
硬化物のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定(DSC)装置(セイコーインスツル社製)を用いて、温度範囲30〜250℃、昇温速度2℃/分、周波数1MHzの条件で測定することができる。
<用途>
上記のとおり、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物は耐熱性と柔軟性に優れているため、半導体等の電子部品用封止剤、積層板、FRP(複合材料)、層間絶縁材、接着剤等の自動車・航空機及び電気・電子材料用分野等で用いられる、高い機械的・電気的接続信頼性が求められる部品材料として好適に用いることができる。さらに、その柔軟性により、ウエアラブル端末に用いるフレキシブル基材としても好適に用いることができる。
上記のとおり、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物は耐熱性と柔軟性に優れているため、半導体等の電子部品用封止剤、積層板、FRP(複合材料)、層間絶縁材、接着剤等の自動車・航空機及び電気・電子材料用分野等で用いられる、高い機械的・電気的接続信頼性が求められる部品材料として好適に用いることができる。さらに、その柔軟性により、ウエアラブル端末に用いるフレキシブル基材としても好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<熱硬化性樹脂組成物の作製>
表1に示す配合(質量部)にて、熱硬化性樹脂組成物を得た。この熱硬化性樹脂組成物の粘度を、25℃、せん断速度2.5(1/s)の条件下、ブルックフィールド社製、HBT型粘度計(スピンドルタイプ:No29)を用いて測定した。
表1に示す配合(質量部)にて、熱硬化性樹脂組成物を得た。この熱硬化性樹脂組成物の粘度を、25℃、せん断速度2.5(1/s)の条件下、ブルックフィールド社製、HBT型粘度計(スピンドルタイプ:No29)を用いて測定した。
上記材料の詳細を以下に示す。
(A)ポリマレイミド化合物:
実施例1:商品名BMI689(Designer Molecules Inc製)
実施例2:商品名BMI1700(Designer Molecules Inc製)
実施例3、6、7:商品名BMI1400(Designer Molecules Inc製)
実施例4:商品名BMI3000(Designer Molecules Inc製)実施例5:商品名BMI6000(Designer Molecules Inc製)
比較例1:商品名BMI(ケイ・アイ化成(株)製)
比較例2:商品名BMI70(ケイ・アイ化成(株)製)
(B)エポキシ樹脂:商品名EPC830LVP(DIC(株)製)
(C)ポリエステル:商品名ユニファイナーM2000H(ユニチカ(株)製)
(D)芳香族アミン化合物:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、商品名KAYAHARD AA(日本化薬(株)製)
(A)ポリマレイミド化合物:
実施例1:商品名BMI689(Designer Molecules Inc製)
実施例2:商品名BMI1700(Designer Molecules Inc製)
実施例3、6、7:商品名BMI1400(Designer Molecules Inc製)
実施例4:商品名BMI3000(Designer Molecules Inc製)実施例5:商品名BMI6000(Designer Molecules Inc製)
比較例1:商品名BMI(ケイ・アイ化成(株)製)
比較例2:商品名BMI70(ケイ・アイ化成(株)製)
(B)エポキシ樹脂:商品名EPC830LVP(DIC(株)製)
(C)ポリエステル:商品名ユニファイナーM2000H(ユニチカ(株)製)
(D)芳香族アミン化合物:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、商品名KAYAHARD AA(日本化薬(株)製)
<シートの作製>
上記で作製した熱硬化性樹脂組成物を、コーティング法によりシート状にコートし、180℃で120分で硬化を行い、厚みが50μmの硬化シートを作製した。
上記で作製した熱硬化性樹脂組成物を、コーティング法によりシート状にコートし、180℃で120分で硬化を行い、厚みが50μmの硬化シートを作製した。
<シートの評価>
上記で作製した硬化シートについて、下記の評価を行った。評価結果と(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの(A)〜(D)成分の含有量を質量%で表記したものを表2に示す。
[評価方法]
・5.0質量%加熱減量温度
熱質量測定装置(TGA)にて、25℃での質量を基準に、昇温速度10℃/分で測定して5.0質量%減量したときの温度を測定した。
・引張強度、伸び率
島津製作所製オートグラフで、硬化シートから作製した試験片を、チャック間20mm、引張速度5mm/分の条件にて、25℃の引張強度、伸び率を測定した。
上記で作製した硬化シートについて、下記の評価を行った。評価結果と(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの(A)〜(D)成分の含有量を質量%で表記したものを表2に示す。
[評価方法]
・5.0質量%加熱減量温度
熱質量測定装置(TGA)にて、25℃での質量を基準に、昇温速度10℃/分で測定して5.0質量%減量したときの温度を測定した。
・引張強度、伸び率
島津製作所製オートグラフで、硬化シートから作製した試験片を、チャック間20mm、引張速度5mm/分の条件にて、25℃の引張強度、伸び率を測定した。
表2をみると、本発明の(A)〜(D)成分を含有した熱硬化性樹脂組成物は、180℃という低温で硬化することが可能であり、かつ耐熱性及び柔軟性を併せ持ったシートを形成できることがわかった。一方、重量平均分子量が500g/mol未満のポリマレイミドを含有する比較例1及び2は、実施例のシートに比べて柔軟性が劣る結果となった。さらに、(B)エポキシ樹脂を含有しない比較例3のシートは、伸び率及び耐熱性に劣ることがわかった。
<シリコンウエハの封止試験>
次に、上記で実施例3の熱硬化性樹脂組成物から作製されたシートで、180℃、120分で硬化させ、シリコンウエハ上の封止を行った。
直径5インチ(約125mm)×厚み200μmのシリコンウエハ上に硬化後の樹脂組成物の厚みが200μm又は50μmとなるように封止を行った。
次に、上記で実施例3の熱硬化性樹脂組成物から作製されたシートで、180℃、120分で硬化させ、シリコンウエハ上の封止を行った。
直径5インチ(約125mm)×厚み200μmのシリコンウエハ上に硬化後の樹脂組成物の厚みが200μm又は50μmとなるように封止を行った。
[評価方法]
上記熱硬化性樹脂組成物で封止されたシリコンウエハについて、以下の基準及び方法で評価した。
上記、後硬化後、室温まで冷却し、反り量を以下の基準で評価した。測定方法はレーザー変位計を用いて、シリコンウエハの基板側中心部と、ウエハ端部2点との高低差の平均を測定した結果、厚み200μm、50μmとも反り量が2mm未満であった。
上記熱硬化性樹脂組成物で封止されたシリコンウエハについて、以下の基準及び方法で評価した。
上記、後硬化後、室温まで冷却し、反り量を以下の基準で評価した。測定方法はレーザー変位計を用いて、シリコンウエハの基板側中心部と、ウエハ端部2点との高低差の平均を測定した結果、厚み200μm、50μmとも反り量が2mm未満であった。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物は耐熱性と柔軟性に優れたているため、半導体用封止剤、積層板、FRP(複合材料)、層間絶縁材、接着剤等の自動車・航空機及び電気・電子材料用分野等で用いられる、高い機械的・電気的接続信頼性が求められる部品材料として好適に用いることができる。さらに、その柔軟性により、ウエアラブル端末に用いるフレキシブル基材として好適に用いることができる。
Claims (6)
- 下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。
(A)重量平均分子量が500g/mol以上であり、マレイミド基を2個以上含有するポリマレイミド化合物
(B)エポキシ化合物
(C)ポリエステル
(D)芳香族アミン化合物 - 前記(A)成分が、芳香環を有するマレイミド化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)成分が、水酸基末端のポリエステルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂組成物において(A)〜(D)成分の合計含有量を100質量%としたときの、(A)成分の含有量が15〜75質量%、(B)成分の含有量が1〜13質量%、(C)成分の含有量が15〜75質量%、(D)成分の含有量が1〜15質量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- シートであって、請求項1〜5の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする、シート。
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