JPWO2020100666A1 - 自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 - Google Patents

自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 Download PDF

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Abstract

自動変速機(3)のATコントロールユニット(10)は、所定の変速段が選択されているとき、自動変速機(3)の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定する。解放故障摩擦要素が特定されると、解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。

Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法に関する。
従来、ニュートラルフェール時の変速段の自由度を確保することができる自動変速機の制御装置が知られている(特許文献1参照)。この装置は、第1,第2タービン回転速度センサからの回転速度検出値を用いて算出した入力軸Inputの回転速度と、出力軸回転速度センサによる出力軸Outputの回転速度と、から算出されたギヤ比に基づき、ニュートラル故障状態であると判定する。ニュートラル故障状態であると判定されると安全な変速段へ変速するニュートラル制御を実行する。ニュートラル制御手段は、締結摩擦要素を特定する選択ギヤ段と、前記第1,第2タービン回転速度センサにより検出される回転速度関係と、に基づいて、誤解放している摩擦要素または該摩擦要素を駆動するアクチュエータ部材を特定する。
上記従来装置において、選択ギヤ段と、タービン回転速度センサにより検出される回転速度関係に基づいて解放故障の摩擦要素を特定しようとすると、選択ギヤ段で締結される摩擦要素が複数であると解放故障部位を特定できない場合がある。一方、停車状態で1速段から順番に変速段を変え、それぞれの変速段で回転速度関係を監視し、解放故障部位を特定するという探り制御を実施すると、解放故障部位の特定が遅れてしまい、速やかに走行可能な変速段に退避出来ない、という問題があった。
特開2008−2553号公報
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、自動変速機の摩擦要素に解放故障が発生した際、解放故障部位を速やかに特定することで、速やかに走行可能な変速段に退避することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機は、自動変速機と、コントロールバルブユニットと、変速機コントロールユニットと、を備える。
変速機コントロールユニットは、前記複数の摩擦要素のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応するものであり、所定の変速段が選択されているとき、自動変速機の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定する。解放故障摩擦要素が特定されると、解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。
このように、判定実施が停車中に限られるだけでなく故障部位を特定するのに時間を要する探り制御を実施せずに解放故障摩擦要素を特定する方策を採用している。この結果、自動変速機の摩擦要素に解放故障が発生した際、解放故障部位を速やかに特定することで、速やかに走行可能な変速段に退避することができる。
実施例1の制御装置及び制御方法が適用された自動変速機を搭載するエンジン車を示す全体システム図である。 実施例1の制御装置及び制御方法が適用された自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 実施例1の制御装置及び制御方法が適用された自動変速機での変速用の摩擦要素の各変速段での締結状態を示す締結表図である。 実施例1の制御装置及び制御方法が適用された自動変速機での変速マップの一例を示す変速マップ図である。 実施例1のコントロールバルブユニットとATコントロールユニットの詳細構成を示す制御系構成図である。 実施例1のATコントロールユニットの解放故障フェールセーフ制御部にて実行される第3クラッチの解放故障フェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャートである。 比較例での故障モード・要因・SOL・故障直後のAT影響と車両挙動を示す故障グレード図である。 実施例1での故障モード・要因・SOL・故障直後のAT影響と車両挙動を示す故障グレード図である。 実施例1においてライン圧ソレノイドの走行中異常時(コンタミスティック以外)におけるフェールセーフ制御作用を説明する各特性を示すタイムチャートである。 実施例1において潤滑ソレノイドの走行中異常時(コンタミスティック以外)におけるフェールセーフ制御作用を説明する各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の自動変速機の制御装置及び制御方法を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1における制御装置及び制御方法は、前進9速・後退1速の変速段を有する自動変速機を搭載したエンジン車(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「自動変速機の詳細構成」、「油圧/電子制御系の詳細構成」、「第3クラッチの解放故障フェールセーフ制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は実施例1の制御装置及び制御方法が適用された自動変速機を搭載するエンジン車を示す全体システム図である。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系には、図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、自動変速機3と、プロペラシャフト4と、駆動輪5と、を備える。自動変速機3には、変速のためのスプールバルブや油圧制御回路やソレノイドバルブ等によるコントロールバルブユニット6が取り付けられている。このコントロールバルブユニット6に有するアクチュエータ(クラッチソレノイド20、ライン圧ソレノイド21、潤滑ソレノイド22、ロックアップソレノイド23)は、ATコントロールユニット10からの制御指令を受けて作動する。ここで、クラッチソレノイド20は、摩擦要素毎に複数個設けられている。なお、トルクコンバータ2は、締結によりエンジン1のクランク軸と自動変速機3の入力軸INを直結するロックアップクラッチ2aを内蔵する。
エンジン車の制御系には、図1に示すように、ATコントロールユニット10と、エンジンコントロールユニット11と、CAN通信線12と、を備える。なお、ATコントロールユニット10には、解放故障フェールセーフ制御部10aを有する。
自動変速機3の制御装置であるATコントロールユニット10は、タービン回転センサ13、出力軸回転センサ14、ATF油温センサ15、インヒビタースイッチ18、中間軸回転センサ19、第3クラッチ圧センサ24、ライン圧センサ25等からの信号を入力する。
タービン回転センサ13は、トルクコンバータ2のタービン回転数(=変速機入力軸回転数)を検出し、タービン回転数Ntの信号をATコントロールユニット10に送出する。出力軸回転センサ14は、自動変速機3の出力軸回転数(=車速)を検出し、出力軸回転数No(車速VSP)の信号をATコントロールユニット10に送出する。ATF油温センサ15は、ATF(自動変速機用オイル)の温度を検出し、ATF油温TATFの信号をATコントロールユニット10に送出する。インヒビタースイッチ18は、運転者によるセレクトレバーやセレクトボタン等へのセレクト操作により選択されたレンジ位置を検出し、レンジ位置信号をATコントロールユニット10に送出する。中間軸回転センサ19は、中間軸(インターミディエイトシャフト=第1キャリアC1に連結される回転メンバ)の回転数を検出し、中間軸回転数Nintの信号をATコントロールユニット10に送出する。
第3クラッチ圧センサ24は、後述する第3クラッチK3のクラッチ油室の油圧を検出し、第3クラッチ圧信号をATコントロールユニット10に送出する。ライン圧センサ25は、コントロールバルブユニット6で調圧されるライン圧PLを検出し、ライン圧信号をATコントロールユニット10に送出する。
ATコントロールユニット10では、変速マップ(図4参照)上での車速VSPとアクセル開度APOによる運転点(VSP,APO)の変化を監視することで、
1.オートアップシフト(アクセル開度を保った状態での車速上昇による)
2.足離しアップシフト(アクセル足離し操作による)
3.足戻しアップシフト(アクセル戻し操作による)
4.パワーオンダウンシフト(アクセル開度を保っての車速低下による)
5.小開度急踏みダウンシフト(アクセル操作量小による)
6.大開度急踏みダウンシフト(アクセル操作量大による:「キックダウン」)
7.緩踏みダウンシフト(アクセル緩踏み操作と車速上昇による)
8.コーストダウンシフト(アクセル足離し操作での車速低下による)
と呼ばれる基本変速パターンによる変速制御を行う。
エンジンコントロールユニット11は、アクセル開度センサ16、エンジン回転センサ17、等からの信号を入力する。
アクセル開度センサ16は、ドライバーのアクセル操作によるアクセル開度を検出し、アクセル開度APOの信号をエンジンコントロールユニット11に送出する。エンジン回転センサ17は、エンジン1の回転数を検出し、エンジン回転数Neの信号をエンジンコントロールユニット11に送出する。
エンジンコントロールユニット11では、エンジン単体の様々な制御に加え、ATコントロールユニット10での制御との協調制御によりエンジントルク制限制御等を行う。ATコントロールユニット10とエンジンコントロールユニット11は、双方向に情報交換可能なCAN通信線12を介して接続されている。よって、エンジンコントロールユニット11は、ATコントロールユニット10から情報リクエストが入力されると、リクエストに応じてアクセル開度APOやエンジン回転数NeやエンジントルクTeやタービントルクTtの情報をATコントロールユニット10に出力する。また、ATコントロールユニット10から上限トルクによるエンジントルク制限要求が入力されると、エンジントルクを所定の上限トルクにより制限したトルクとするエンジントルク制限制御が実行される。
[自動変速機の詳細構成]
図2は実施例1の制御装置及び制御方法が適用された自動変速機3の一例を示すスケルトン図であり、図3は自動変速機3での締結表であり、図4は自動変速機3での変速マップの一例を示す。以下、図2〜図4に基づいて自動変速機3の詳細構成を説明する。
自動変速機3は、下記の点を特徴とする。
(a) 変速要素として、機械的に係合/空転するワンウェイクラッチを用いていない。
(b) 摩擦要素である第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第1クラッチK1、第2クラッチK2、第3クラッチK3は、変速時にクラッチソレノイド20によってそれぞれ独立に締結/解放が制御される。
(b) 第2クラッチK2と第3クラッチK3は、クラッチピストン油室に作用する遠心力による遠心圧を相殺する遠心キャンセル室を有する。
自動変速機3は、図2に示すように、ギヤトレーンを構成する遊星歯車として、入力軸INから出力軸OUTに向けて順に、第1遊星歯車PG1と、第2遊星歯車PG2と、第3遊星歯車PG3と、第4遊星歯車PG4と、を備えている。
第1遊星歯車PG1は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第1サンギヤS1と、第1サンギヤS1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリアC1と、ピニオンに噛み合う第1リングギヤR1と、を有する。
第2遊星歯車PG2は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第2サンギヤS2と、第2サンギヤS2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリアC2と、ピニオンに噛み合う第2リングギヤR2と、を有する。
第3遊星歯車PG3は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第3サンギヤS3と、第3サンギヤS3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリアC3と、ピニオンに噛み合う第3リングギヤR3と、を有する。
第4遊星歯車PG4は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第4サンギヤS4と、第4サンギヤS4に噛み合うピニオンを支持する第4キャリアC4と、ピニオンに噛み合う第4リングギヤR4と、を有する。
自動変速機3は、図2に示すように、入力軸INと、出力軸OUTと、第1連結メンバM1と、第2連結メンバM2と、トランスミッションケースTCと、を備えている。変速により締結/解放される摩擦要素として、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2と、第3ブレーキB3と、第1クラッチK1と、第2クラッチK2と、第3クラッチK3と、を備えている。
入力軸INは、エンジン1からの駆動力がトルクコンバータ2を介して入力される軸で、第1サンギヤS1と第4キャリアC4に常時連結している。そして、入力軸INは、第2クラッチK2を介して第1キャリアC1に断接可能に連結している。
出力軸OUTは、プロペラシャフト4及び図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪5へ変速した駆動トルクを出力する軸であり、第3キャリアC3に常時連結している。そして、出力軸OUTは、第1クラッチK1を介して第4リングギヤR4に断接可能に連結している。
第1連結メンバM1は、第1遊星歯車PG1の第1リングギヤR1と第2遊星歯車PG2の第2キャリアC2を、摩擦要素を介在させることなく常時連結するメンバである。第2連結メンバM2は、第2遊星歯車PG2の第2リングギヤR2と第3遊星歯車PG3の第3サンギヤS3と第4遊星歯車PG4の第4サンギヤS4を、摩擦要素を介在させることなく常時連結するメンバである。
第1ブレーキB1は、第1キャリアC1の回転を、トランスミッションケースTCに対し係止可能な摩擦要素である。第2ブレーキB2は、第3リングギヤR3の回転を、トランスミッションケースTCに対し係止可能な摩擦要素である。第3ブレーキB3は、第2サンギヤS2の回転を、トランスミッションケースTCに対し係止可能な摩擦要素である。
第1クラッチK1は、第4リングギヤR4と出力軸OUTの間を選択的に連結する摩擦要素である。第2クラッチK2は、入力軸INと第1キャリアC1の間を選択的に連結する摩擦要素である。第3クラッチK3は、第1キャリアC1と第2連結メンバM2の間を選択的に連結する摩擦要素である。
図3は、自動変速機3において6つの摩擦要素のうち三つの同時締結の組み合わせによりDレンジにて前進9速後退1速を達成する締結表を示す。以下、図3に基づいて、各変速段を成立させる変速構成を説明する。
1速段(1st)は、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第3クラッチK3の同時締結により達成する。2速段(2nd)は、第2ブレーキB2と第2クラッチK2と第3クラッチK3の同時締結により達成する。3速段(3rd)は、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第2クラッチK2の同時締結により達成する。4速段(4th)は、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第1クラッチK1の同時締結により達成する。5速段(5th)は、第3ブレーキB3と第1クラッチK1と第2クラッチK2の同時締結により達成する。以上の1速段〜5速段が、ギヤ比が1を超えている減速ギヤ比によるアンダードライブ変速段である。
6速段(6th)は、第1クラッチK1と第2クラッチK2と第3クラッチK3の同時締結により達成する。この第6速段は、ギヤ比=1の直結段である。
7速段(7th)は、第3ブレーキB3と第1クラッチK1と第3クラッチK3の同時締結により達成する。8速段(8th)は、第1ブレーキB1と第1クラッチK1と第3クラッチK3の同時締結により達成する。9速段(9th)は、第1ブレーキB1と第3ブレーキB3と第1クラッチK1の同時締結により達成する。以上の7速段〜9速段は、ギヤ比が1未満の増速ギヤ比によるオーバードライブ変速段である。
さらに、1速段から9速段までの変速段のうち、隣接する変速段へのアップ変速を行う際、或いは、ダウン変速を行う際、図3に示すように、掛け替え変速により行う構成としている。即ち、隣接する変速段への変速は、三つの摩擦要素のうち、二つの摩擦要素の締結は維持したままで、一つの摩擦要素の解放と一つの摩擦要素の締結を行うことで達成される。
Rレンジ位置の選択による後退速段(Rev)は、第1ブレーキB1と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の同時締結により達成する。なお、Nレンジ位置及びPレンジ位置を選択したときは、6つの摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3の全てが解放状態とされる。
そして、ATコントロールユニット10には、図4に示すような変速マップが記憶設定されていて、Dレンジの選択により前進側の1速段から9速段までの変速段の切り替えによる変速は、この変速マップに従って行われる。即ち、そのときの運転点(VSP,APO)が図4の実線で示すアップシフト線を横切るとアップシフト変速要求が出される。又、運転点(VSP,APO)が図4の破線で示すダウンシフト線を横切るとダウンシフト変速要求が出される。
[油圧/電子制御系の詳細構成]
図5は、実施例1のコントロールバルブユニット6とATコントロールユニット10の詳細構成を示す。以下、図5に基づいていて油圧/電子制御系の詳細構成を説明する。
コントロールバルブユニット6は、油圧源としてメカオイルポンプ61と電動オイルポンプ62を備える。メカオイルポンプ61は、エンジン1によりポンプ駆動され、電動オイルポンプ62は、電動モータ63によりポンプ駆動される。
コントロールバルブユニット6は、油圧制御回路に設けられる弁としてライン圧ソレノイド21とライン圧調圧弁64とクラッチソレノイド20とロックアップソレノイド23を備える。さらに、潤滑ソレノイド22と潤滑調圧弁65とブースト切換弁66とP-nP切換弁67とクーラー68を備える。
ライン圧調圧弁64は、メカオイルポンプ61と電動オイルポンプ62の少なくとも一方からの吐出油を、ライン圧ソレノイド21からのバルブ作動信号圧に基づいてライン圧PLに調圧する。
クラッチソレノイド20は、ライン圧PLを元圧とし、摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3毎に締結圧や解放圧等を制御する。なお、図5において、クラッチソレノイド20が1個あるように記載しているが、摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3毎に6個のソレノイドを有する。
ロックアップソレノイド23は、ライン圧調圧弁64によるライン圧PLの調圧時における余剰油を用いてロックアップクラッチ2aの差圧を制御する。
潤滑ソレノイド22は、潤滑調圧弁65へのバルブ作動信号圧と、ブースト切換弁66への切換圧と、P-nP切換弁67へ切換圧とを作り出す。
潤滑調圧弁65は、潤滑ソレノイド22からのバルブ作動信号圧によって、摩擦要素とギヤトレーンを含むパワートレーン(PT)へクーラー68を介して供給する潤滑流量をコントロールすることができる。そして、潤滑調圧弁65によってPT供給潤滑流量を適正化することでフリクションを低減する。
ブースト切換弁66は、潤滑ソレノイド22からの切換圧によって、第2クラッチK2と第3クラッチK3の遠心キャンセル室の供給油量を増加する。このブースト切換弁66は、遠心キャンセル室の油量が不足しているシーンで一時的に供給油量を増やすときに使用する。
P-nP切換弁67は、潤滑ソレノイド22からの切換圧によって、パーキングモジュールへ供給するライン圧の油路を切り換え、パークロックを行う。
このように、コントロールバルブユニット6は、シフト・バイ・ワイヤ構造が採用され、Dレンジ圧油路やRレンジ圧油路等を切り換えるマニュアルバルブを廃止していること特徴とする。そして、潤滑ソレノイド22と、潤滑調圧弁65と、ブースト切換弁66と、P-nP切換弁67という特有のバルブ要素を備える。
ATコントロールユニット10には、図5に示すように、複数の摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応する解放故障フェールセーフ制御部10aを有する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、所定の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定する。解放故障摩擦要素が特定されると、解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、所定の変速段が選択されている走行中、自動変速機3のギヤ比検出値を監視する。そして、ギヤ比検出値が、選択されている変速段のギヤ比目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、所定の変速段が選択されている停車中、アクセル足離し状態で自動変速機3への入力トルクの上限を規制する。そして、自動変速機3の入力回転数検出値と入力回転数目標値との差回転数を監視し、差回転数が所定値を超えて乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、解放異常判定時、油圧検出値が正常であると判定されると、ライン圧ソレノイド21に対して油圧上昇指令を出力する。油圧上昇指令を出力した後のライン圧を探りつつ、油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用する退避先の変速段へ移行する。退避先の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、退避先の変速段における回転数目標値から乖離していると判定され、且つ、油圧上昇指令を出力した後のライン圧探りによりライン圧異常と判定されると、ライン圧ソレノイド21を故障部位として特定する。ライン圧ソレノイド21が故障部位として特定されると、自動変速機3への入力トルク(エンジントルク)の上限を制限するフェールセーフ制御を実行する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、退避先の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、退避先の変速段における回転数目標値から乖離していると判定され、且つ、油圧上昇指令を出力した後のライン圧探りによりライン圧正常と判定されると、潤滑ソレノイド22を故障部位として特定する。潤滑ソレノイド22が故障部位として特定されると、油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。
[第3クラッチの解放故障フェールセーフ制御処理構成]
図6は、実施例1のATコントロールユニット10の解放故障フェールセーフ制御部10aにて実行される第3クラッチK3の解放故障フェールセーフ制御処理の流れを示す。以下、図6の各ステップについて説明する。なお、実施例1では、第3クラッチK3の解放故障フェールセーフ制御処理構成を示すが、他の摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2についても各油圧センサを設けることで同様の処理構成とすることができる。
ステップS1では、スタート、或いは、S3又はS5での判定なしとの判断に続き、ギヤ比乖離判定の有無を判断する。ギヤ比乖離判定ありの場合はステップS2へ進み、ギヤ比乖離判定なしの場合はエンドへ進む。
ここで、ギヤ比乖離判定をする際、タービン回転センサ13からのタービン回転数Nt(=変速機入力軸回転数)と出力軸回転センサ14からの出力軸回転数Noを入力する。そして、所定の変速段が選択されている走行中、自動変速機3のギヤ比検出値(=Nt/No)を監視し、ギヤ比検出値が、選択されている変速段のギヤ比目標値から±所定値以上乖離していると、ギヤ比乖離判定ありとする。一方、所定の変速段が選択されている停車中、アクセル足離し状態で自動変速機3への入力トルクの上限を規制する。そして、自動変速機3の入力回転数検出値(タービン回転数Nt)と入力回転数目標値(出力軸回転数No×目標ギヤ比)との差回転数を監視し、差回転数が所定値を超えて乖離していると、ギヤ比乖離判定ありとする。
ステップS2では、S1でのギヤ比乖離判定ありとの判断に続き、累積タイマーをカウントし、ステップS3へ進む。
ステップS3では、S2での累積タイマーカウントに続き、累積タイマーが所定タイマー値への到達判定の有無を判断する。累積タイマーが所定タイマー値への到達判定ありの場合はステップS4へ進み、累積タイマーが所定タイマー値への到達判定なしの場合はステップS1へ戻る。
ステップS4では、S3での累積タイマーが所定タイマー値への到達判定ありとの判断に続き、累積タイマー判定回数をアップし、ステップS5へ進む。
ステップS5では、S4での潤滑ソレノイド22の故障報知に続き、累積タイマー判定回数が所定回数への到達判定の有無を判断する。累積タイマー判定回数が所定回数への到達判定ありの場合はステップS6へ進み、累積タイマー判定回数が所定回数への到達判定なしの場合はステップS1へ戻る。
ステップS6では、S5での累積タイマー判定回数が所定回数への到達判定ありとの判断に続き、そのとき選択されている変速段での締結摩擦要素(第3クラッチK3を含む)の何れかが解放異常であることを確定し、ステップS7へ進む。
ステップS7では、S6での解放異常確定に続き、第3クラッチK3の油圧が正常であるか否かを判断する。正常よりも低いと第3クラッチK3が滑ったと推定してステップS8へ進み、正常であると第3クラッチK3以外が滑ったと一次推定してステップS9へ進む。
ここで、第3クラッチK3の油圧が正常であるか否かの判断は、第3クラッチ圧センサ24からの第3クラッチK3の油圧検出値が、ライン圧指令値による油圧よりも解放判定閾値以上低いと、第3クラッチK3の油圧が正常より低いと判断する。
ステップS8では、S7での第3クラッチK3の油圧が正常よりも低いとの判断に続き、第3クラッチK3の誤解放のときの退避先変速段に変速段を移行し、エンドへ進む。
ここで、第3クラッチK3の誤解放のときの退避先変速段とは、第3クラッチK3を用いない変速段(3速段、4速段、5速段、9速段:図3参照)であり、リンプホーム性を考慮すると、3速段、4速段、5速段の何れかである。
ステップS9では、ステップS7での第3クラッチK3の油圧が正常であるとの判断に続き、ライン圧PLを上昇させる制御指令をライン圧ソレノイド21へ出力し、ステップS10へ進む。
ステップS10では、S9でのPL油圧上げに続き、ライン圧センサ25により検出されるライン圧検出値がライン圧ソレノイド21への上昇指令に従って上昇しているか否かを判断する。PLSOL正常である場合はステップS11へ進み、PLSOL異常である場合はステップS12へ進む。
ステップS11では、S10でのPLSOL正常であるとの判断に続き、PLSOL正常結果(plfailflag=0)を記憶し、ステップS13へ進む。
ステップS12では、S10でのPLSOL異常であるとの判断に続き、PLSOL異常結果(plfailflag=1)を記憶し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、S10又はS11でのPLSOL正常/異常の結果記憶に続き、トルク上限制限しているとき、アクセル開度APOの上昇に応じた斜め上げ復帰によりトルク上限制限を解除し、ステップS14へ進む。
ステップS14では、S13でのトルク上限制限解除に続き、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行し、ステップS15へ進む。
ここで、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段とは、第3クラッチK3を用いる変速段(1速段、2速段、6速段、7速段、8速段:図3参照)のうち、そのときに選択されていない変速段である。
ステップS15では、S14での退避先の変速段移行に続き、退避先の変速段でのギヤ比乖離の有無を判断する。ギヤ比乖離判定あり(ギヤ比ずれ有り)の場合はステップS17へ進み、ギヤ比乖離判定なし(ギヤ比ずれ無し)の場合はステップS16へ進む。なお、ギヤ比乖離の有無の判断は、ステップS1と同様に行う。
ステップS16では、S15でのギヤ比ずれ無しとの判断に続き、ステップS7で判断したときの第3クラッチK3以外の要素の誤解放であると確定し、エンドへ進む。
ステップS17では、S15でのギヤ比ずれ有りとの判断に続き、ステップS10〜S12によるライン圧ソレノイド21の探り結果を判定する。PLSOL探り結果判定がplfailflag=1である場合はステップS18へ進み、PLSOL探り結果判定がplfailflag=0である場合はステップS20へ進む。
ステップS18では、S17でのPLSOL探り結果判定がplfailflag=1であるとの判断に続き、ライン圧ソレノイド21の異常を確定し、ステップS19へ進む。
ステップS19では、S18でのPLSOL異常確定に続き、トルク上限値制限制御(Cグレード相当)を実行し、エンドへ進む。
ステップS20では、S17でのPLSOL探り結果判定がplfailflag=0であるとの判断に続き、潤滑ソレノイド22の異常を確定し、ステップS21へ進む。
ステップS21では、S20での潤滑SOL異常確定に続き、滑り要因が摩擦要素のμ低下であるため、第3クラッチK3を用いない退避先変速段に変速段を移行し、エンドへ進む。ここで、第3クラッチK3を用いない変速段とは、3速段、4速段、5速段、9速段(図3参照)である。
次に、実施例1の作用を、「背景技術」、「摩擦要素の解放故障フェールセーフ制御作用」、「ライン圧ソレノイド異常時のフェールセーフ制御作用」、「潤滑ソレノイド異常時のフェールセーフ制御作用」に分けて説明する。
[背景技術]
本発明が対象とする自動変速機ユニットは、変速に関与する摩擦要素のそれぞれをクラッチソレノイドで変速をさせており、故障時対応の検討が必要である。既存の自動変速機ユニットにおいてもクラッチソレノイドの機能異常診断は行っていたが、機能安全要求やシステム差異によって、新規課題があるため、併せて検討する。
そこで、故障モードを明確にし、それに応じたギヤ比機能異常(解放故障)診断と処置を織り込むことにした。以下、(1) 自己診断ポリシー、(2) システム概要、(3) 故障モード、(4) 故障グレード、(5) 要求明確化、(6) 課題を明確化、について説明する。
(1) 自己診断ポリシー
自己診断開発で考慮すべき5つの要求(安全確保、法規対応、誤検知防止、PT保護、リンプホーム性確保)を達成できるようにすること。
(2) システム概要(既存ユニットとの差異)
本発明が対象とする自動変速機ユニットは、シフト・バイ・ワイヤが採用され、マニュアルバルブが廃止されている。これに対し、既存の自動変速機ユニットは前進/後進をマニュアルバルブでハード保証していたが、その機能がないため新規の故障モードがある。
(3) 故障モード
バルブの油圧回路故障(中間圧)も含むクラッチ締結&解放故障を想定する。
解放指示SOLは完全開放している状態を前提としているため、誤締結側故障で突然掴む側故障は発生しないと考える。変速をトリガーとして誤締結側故障は発生する。誤締結側故障のうち、放せない側故障は、インターロック(Aグレード故障)の発生するシーンと想定する。
(4) 故障グレード
変速用のクラッチソレノイドの各故障モードの故障グレードをまとめると、図7に示すようになる。即ち、コンタミスティックの中間圧の場合はSOL指示を変更することで、アップグレードするリスクがある。これは、故障SOLを締結指示、解放指示しても中間クラッチ圧が発生し、誤解放と誤締結がSOL指示によって変わるためである。なお、機能異常で同じクラッチ滑りが発生する故障を抽出すると、PLSOL機能異常、潤滑SOL機能異常でも同様にクラッチ滑りの要因になるため、対応を併せて検討する必要がある。
(5) 要求明確化
安全:変速によってクラッチ引きずりによるアップグレードさせない(Aグレードを回避する)。
リンプホーム:走行不能(Bグレード)を走行可能(Cグレード)にダウングレードする。
ユニット保護:クラッチ焼けによる走行不能(Bグレード)になるモードを回避することを最優先で考える。
なお、将来的に発生する故障グレードよりも現在の故障グレード対応を優先する。
(6) 課題明確化
(a)締結指示中の誤解放機能故障状態を判定する。
(b)誤解放故障でのリンプホームに移行するために故障部位を特定する。
(c)コンタミスティックでの中間圧故障時に故障SOLがかけかえ変速で解放指示して急減速を発生させない。
(d)クラッチ発熱によるクラッチ焼け防止する。
(e)クラッチ滑りの他の故障要因との干渉によるアップグレード防止する。
[摩擦要素の解放故障フェールセーフ制御作用]
本発明は、上記(6)課題明確化で抽出した課題に着目してなされたものである。課題を解決する手段として、ATコントロールユニット10に、複数の摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応する解放故障フェールセーフ制御部10aを有する。解放故障フェールセーフ制御部10aは、所定の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定する。解放故障摩擦要素が特定されると、解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する手段を採用した。
つまり、ギヤ比乖離判定により、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかの解放異常が確定すると、図8のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7へと進む。S7では、第3クラッチK3の油圧が正常であるか否かが判断され、正常よりも低いと第3クラッチK3が滑ったと推定してステップS8へ進む。ステップS8では、第3クラッチK3の誤解放のときの退避先変速段に変速段を移行するフェールセーフ制御が実行される。
このように、自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生した際、解放故障部位を速やかに特定することで、速やかに走行可能な変速段に退避することができる。即ち、締結指示中の誤解放機能故障状態を判定することを意図し、所定の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値と摩擦要素の油圧検出値を監視するようにした。このため、故障部位を特定するに際し、停車中に限られることはなく、走行中であっても3つの摩擦要素が締結される何れかの変速段が選択されていると判定処理を実行することができる。そして、選択されている変速段における回転数検出値と油圧検出値を監視する手法であり、解放故障摩擦要素を特定するのに時間を要する探り制御を実施しないため、探り制御に比べて故障発生から異常確定までに要する時間を短縮することができる。
ちなみに、実施例1における変速用のクラッチソレノイド20の各故障モードの故障グレードをまとめると、図8に示すようになる。即ち、MIN圧でコンタミスティック/オイルリークの締結指示の場合、比較例での故障グレードは、図7に示すように、クラッチ容量なしで走行不能(Bグレード)であった。これに対し、実施例1での故障グレードは、図8に示すように、通常走行ができる(正常)までダウングレードする。
中間圧でコンタミスティックの解放指示の場合、比較例での故障グレードは、図7に示すように、クラッチ引きずり大でインターロック気味で走行不能な(Aグレード)であった。これに対し、実施例1での故障グレードは、図8に示すように、クラッチ滑りがあり駆動力不足になるが走行可能である(Cグレード)までダウングレードする。
[ライン圧ソレノイド異常時のフェールセーフ制御作用]
機能異常で同じクラッチ滑りが発生する故障を抽出すると、PLSOL機能異常でも同様にクラッチ滑りの要因になるため、対応を併せて検討した。
即ち、図6のフローチャートにおいて、S7で第3クラッチK3の油圧が正常であり、第3クラッチK3以外の要素が滑ったと一次推定されるとする。この場合、S7からS9へ進んでライン圧PLを上昇させる制御が行われ、ライン圧ソレノイド21が機能異常であると、S9からS10→S12→S13→S14へと進む。S14では、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行する。例えば、6速段が選択されているときは、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段として7速段へ移行する。
S14にて第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行した後、次のS15にてギヤ比ずれ有りと判断されると、S15からS17→S18→S19→エンドへと進む。S18では、ライン圧ソレノイド21が異常であることを確定し、S19では、トルク上限値制限制御(Cグレード相当)が実行される。
このライン圧ソレノイド異常時のフェールセーフ制御作用をタイムチャートで示すと図9に示すようになる。
時刻t1にてライン圧ソレノイド21に故障が発生すると、異常確定(微小滑り)タイマーが上昇し、時刻t2にて所定値に到達すると異常が確定する。時刻t2の後の時刻t3にてライン圧PLの上昇を開始し、時刻t4にてライン圧ソレノイド21の正常/異常の判定を終了すると、時刻t4から自動変速機3の変速段が6速段から7速段へと移行する。そして、時刻t5にてライン圧ソレノイド21の異常が確定すると、入力トルク制限なしから入力トルク制限有りへ移行する。
このように、ライン圧ソレノイド21の異常は、第3クラッチ圧センサ24で第3クラッチK3が正常であると判定してもライン圧ソレノイド21が異常である可能性があるため、ライン圧PLを上げた後に油圧が狙い通りに動いているのかどうかを判定する。そして、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行したとき、退避先の変速段でギヤ比のずれが有り、ライン圧PLが狙い通りに動いていないと、ライン圧ソレノイド21が異常であると確定する。ライン圧ソレノイド21の異常が確定すると、入力トルク制限なしから入力トルク制限有りへ移行し、クラッチ滑りにより駆動力不足になるが走行可能なCグレードによるリンプホーム性を確保する。
[潤滑ソレノイド異常時のフェールセーフ制御作用]
機能異常で同じクラッチ滑りが発生する故障を抽出すると、潤滑SOL機能異常でも同様にクラッチ滑りの要因になるため、対応を併せて検討した。
即ち、図6のフローチャートにおいて、S7で第3クラッチK3の油圧が正常であり、第3クラッチK3以外の要素が滑ったと一次推定されるとする。この場合、S7からS9へ進んでライン圧PLを上昇させる制御が行われ、ライン圧ソレノイド21が正常であると、S9からS10→S11→S13→S14へと進む。S14では、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行する。例えば、6速段が選択されているときは、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段として7速段へ移行する。
S14にて第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行した後、次のS15にてギヤ比ずれ有りと判断されると、S15からS17→S20→S21→エンドへと進む。S20では、潤滑ソレノイド22が異常であることを確定し、S21では、第3クラッチK3を使用しない退避先の変速段へ移行する。
この潤滑ソレノイド異常時のフェールセーフ制御作用をタイムチャートで示すと図10に示すようになる。
時刻t1にて潤滑ソレノイド22に故障が発生し、潤滑流量の不足により摩擦要素の摩擦係数μが低下し、滑りが発生すると、異常確定(微小滑り)タイマーが上昇し、時刻t2にて所定値に到達すると異常が確定する。時刻t2の後の時刻t3にてライン圧PLの上昇を開始し、時刻t4にてライン圧ソレノイド21の正常/異常の判定を終了すると、時刻t4から自動変速機3の変速段が6速段から7速段へと移行する。そして、時刻t5にて潤滑ソレノイド22の異常が確定すると、自動変速機3の変速段が7速段から第3クラッチK3を使用しない5速段へと移行する。
このように、潤滑ソレノイド22の異常は、第3クラッチ圧センサ24で第3クラッチK3が正常であると判定してもライン圧ソレノイド21が異常である可能性があるため、ライン圧PLを上げた後に油圧が狙い通りに動いているのかどうかを判定する。そして、第3クラッチK3を使用する退避先の変速段へ移行したとき、退避先の変速段でギヤ比のずれが有り、ライン圧PLが狙い通りに動いていると、ライン圧ソレノイド21ではなく潤滑ソレノイド22が異常であると確定する。潤滑ソレノイド22の異常が確定すると、第3クラッチK3を使用しない5速段へと移行し、走行可能な状態を維持することで、リンプホーム性を確保する。
以上述べたように、実施例1の自動変速機3の制御装置及び制御方法にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 複数の変速段を実現する自動変速機3と、自動変速機3のギヤトレーンに有する複数の摩擦要素への油圧を調圧するコントロールバルブユニット6と、コントロールバルブユニット6に有する各ソレノイドの制御を行う変速機コントロールユニット(ATコントロールユニット10)と、を備える。この自動変速機3の制御装置であって、
変速機コントロールユニット(ATコントロールユニット10)に、前記複数の摩擦要素のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応する解放故障フェールセーフ制御部10aを有する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、
所定の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。
解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定する。
解放故障摩擦要素が特定されると、解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。
このため、自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生した際、解放故障部位を速やかに特定することで、速やかに走行可能な変速段に退避することができる。
即ち、判定実施が停車中に限られるだけでなく故障部位を特定するのに時間を要する“探り制御”を実施せずに解放故障摩擦要素を特定する方策を採用している。したがって、自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生すると、故障発生から短時間にて解放異常が判定され、解放異常の判定に基づいて解放故障部位が特定される。
(2) 解放故障フェールセーフ制御部10aは、
所定の変速段が選択されている走行中、自動変速機3のギヤ比検出値を監視する。
ギヤ比検出値が、選択されている変速段のギヤ比目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。
このため、所定の変速段が選択されている走行中に自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生したとき、故障発生から短時間にて解放異常を判定することができる。
即ち、走行中における解放異常による摩擦要素の滑りは、実ギヤ比と目標ギヤ比の乖離により精度良く判定することができる。
(3) 解放故障フェールセーフ制御部10aは、
所定の変速段が選択されている停車中、アクセル足離し状態で自動変速機3への入力トルクの上限を規制し、自動変速機3の入力回転数検出値と入力回転数目標値との差回転数を監視する。
差回転数が所定値を超えて乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。
このため、所定の変速段が選択されている停車中に自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生したとき、故障発生から短時間にて解放異常を判定することができると共に、停車中の故障急復帰に対してトルク変動を抑えることができる。
即ち、停車中における解放異常による摩擦要素の滑りは、ギヤ比の監視では判定できないため、自動変速機3の実入力回転数と目標入力回転数の関係で判定する。そして、停車中の故障が復帰すると、急復帰になってトルク変動が発生する。このため、停車中の判定条件に、アクセル足離し状態で自動変速機3への入力トルクの上限規制を加える。これによって、解放故障から急復帰してもトルク変動が抑えられる。
(4) コントロールバルブユニット6の油圧制御回路に、複数の摩擦要素のそれぞれへの油圧の元圧となるライン圧を調圧するライン圧ソレノイド21を有する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、
解放異常判定時、油圧検出値が正常であると判定されると、ライン圧ソレノイド21に対して油圧上昇指令を出力する。
油圧上昇指令を出力した後のライン圧を探りつつ、油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用する退避先の変速段へ移行する。
退避先の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、退避先の変速段における回転数目標値から乖離していると判定され、且つ、油圧上昇指令を出力した後のライン圧探りによりライン圧異常と判定されると、ライン圧ソレノイド21を故障部位として特定する。
このため、締結摩擦要素の滑りが判定された場合、滑りの原因がライン圧故障であるときにライン圧ソレノイド21を故障部位として特定し、再度、締結摩擦要素の滑りが発生するのを防止することができる。
即ち、油圧が正常でも、ライン圧故障であると退避先の変速段で再度、摩擦要素に滑りが発生する可能性がある。これに対し、故障部位を推定した後にライン圧PLの上げ指示を行うことで、摩擦要素へのライン圧故障であるか否かを切り分けることができる。
(5) 解放故障フェールセーフ制御部10aは、ライン圧ソレノイド21が故障部位として特定されると、自動変速機3への入力トルクの上限を制限するフェールセーフ制御を実行する。
このため、ライン圧ソレノイド21が故障部位である場合、リンプホームに移行した後、クラッチ焼けによる速やかに走行可能な変速段に退避するのを防止することができる。即ち、自動変速機3への入力トルクの上限を制限することにより、リンプホームに移行した後、ライン圧不足により滑っている摩擦要素での発熱量が抑えられる。
(6) コントロールバルブユニット6の油圧制御回路に、摩擦要素へ供給する潤滑流量を、発熱を抑える適正な流量に調圧する潤滑ソレノイド22を有する。
解放故障フェールセーフ制御部10aは、
退避先の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、退避先の変速段における回転数目標値から乖離していると判定され、且つ、油圧上昇指令を出力した後のライン圧探りによりライン圧正常と判定されると、潤滑ソレノイド22を故障部位として特定する。
このため、締結摩擦要素の滑りが判定された場合、滑りの原因が潤滑流量の不足によるμ劣化であるときに潤滑ソレノイド22を故障部位として特定し、再度、締結摩擦要素の滑りが発生するのを防止することができる。
即ち、油圧が正常でも、潤滑流量の不足によるμ劣化があると退避先の変速段で再度、摩擦要素に滑りが発生する可能性がある。これに対し、故障部位を推定した後にライン圧PLの上げ指示を行うことで、摩擦要素へのライン圧故障であるか否かを切り分けることができ、ライン圧正常であると、潤滑ソレノイド22を故障部位として特定できる。
(7) 解放故障フェールセーフ制御部10aは、潤滑ソレノイド22が故障部位として特定されると、油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。
このため、潤滑ソレノイド22が故障部位である場合、リンプホームに移行した後、クラッチ焼けによる速やかに走行可能な変速段に退避するのを防止することができる。
即ち、油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行し、締結摩擦要素を変更することにより、リンプホームに移行した後、潤滑流量不足があっても初期の摩擦要素温度が低く抑えられる。
(8) 複数の変速段を実現する自動変速機3と、自動変速機3のギヤトレーンに有する複数の摩擦要素への油圧を調圧するコントロールバルブユニット6と、コントロールバルブユニット6に有する各ソレノイドの制御を行う変速機コントロールユニット(ATコントロールユニット10)と、を備える。この自動変速機3の制御方法であって、変速機コントロールユニット(ATコントロールユニット10)は、前記複数の摩擦要素のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応するものであり、
所定の変速段が選択されているとき、自動変速機3の回転数検出値を監視し、回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する。
解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定する。
解放故障摩擦要素が特定されると、解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する。
このため、自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生した際、解放故障部位を速やかに特定することで、速やかに走行可能な変速段に退避することができる。
即ち、判定実施が停車中に限られるだけでなく故障部位を特定するのに時間を要する“探り制御”を実施せずに解放故障摩擦要素を特定する方策を採用している。したがって、自動変速機3の摩擦要素に解放故障が発生すると、故障発生から短時間にて解放異常が判定され、解放異常の判定に基づいて解放故障部位が特定される。
以上、本発明の自動変速機の制御装置及び制御方法を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、複数の摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3のうち第3クラッチK3に着目し、油圧センサとして、第3クラッチ圧センサ24とライン圧センサ25を設ける例を示した。しかし、油圧センサとしては、摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2の油圧センサをそれぞれ設ける例としても良いし、必要に応じて選択した油圧センサを設ける例としても良い。
実施例1では、自動変速機として、前進9速後退1速の自動変速機3の例を示した。しかし、自動変速機としては、前進9速後退1速以外の有段変速段を持つ自動変速機の例としても良い。また、実施例1では、エンジン車に搭載される自動変速機の制御装置及び制御方法の例を示したが、エンジン車に限らず、ハイブリッド車や電気自動車等の自動変速機の制御装置及び制御方法としても適用することが可能である。

Claims (8)

  1. 複数の変速段を実現する自動変速機と、前記自動変速機のギヤトレーンに有する複数の摩擦要素への油圧を調圧するコントロールバルブユニットと、前記コントロールバルブユニットに有する各ソレノイドの制御を行う変速機コントロールユニットと、を備える自動変速機の制御装置であって、
    前記変速機コントロールユニットに、前記複数の摩擦要素のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応する解放故障フェールセーフ制御部を有し、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、
    所定の変速段が選択されているとき、前記自動変速機の回転数検出値を監視し、前記回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定し、
    解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、前記油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定し、
    前記解放故障摩擦要素が特定されると、前記解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する、
    自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、
    所定の変速段が選択されている走行中、前記自動変速機のギヤ比検出値を監視し、
    前記ギヤ比検出値が、選択されている変速段のギヤ比目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する、
    自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、
    所定の変速段が選択されている停車中、アクセル足離し状態で前記自動変速機への入力トルクの上限を規制し、前記自動変速機の入力回転数検出値と入力回転数目標値との差回転数を監視し、
    前記差回転数が所定値を超えて乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定する、
    自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記コントロールバルブユニットの油圧制御回路に、前記複数の摩擦要素のそれぞれへの油圧の元圧となるライン圧を調圧するライン圧ソレノイドを有し、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、
    解放異常判定時、前記油圧検出値が正常であると判定されると、前記ライン圧ソレノイドに対して油圧上昇指令を出力し、
    前記油圧上昇指令を出力した後のライン圧を探りつつ、前記油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用する退避先の変速段へ移行し、
    前記退避先の変速段が選択されているとき、前記自動変速機の回転数検出値を監視し、前記回転数検出値が、前記退避先の変速段における回転数目標値から乖離していると判定され、且つ、前記油圧上昇指令を出力した後のライン圧探りによりライン圧異常と判定されると、前記ライン圧ソレノイドを故障部位として特定する、
    自動変速機の制御装置。
  5. 請求項4に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、前記ライン圧ソレノイドが故障部位として特定されると、前記自動変速機への入力トルクの上限を制限するフェールセーフ制御を実行する、
    自動変速機の制御装置。
  6. 請求項4又は5に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記コントロールバルブユニットの油圧制御回路に、摩擦要素へ供給する潤滑流量を、発熱を抑える適正な流量に調圧する潤滑ソレノイドを有し、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、
    前記退避先の変速段が選択されているとき、前記自動変速機の回転数検出値を監視し、前記回転数検出値が、前記退避先の変速段における回転数目標値から乖離していると判定され、且つ、前記油圧上昇指令を出力した後のライン圧探りによりライン圧正常と判定されると、前記潤滑ソレノイドを故障部位として特定する、
    自動変速機の制御装置。
  7. 請求項6に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記解放故障フェールセーフ制御部は、前記潤滑ソレノイドが故障部位として特定されると、前記油圧検出値が正常であると判定された摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する、
    自動変速機の制御装置。
  8. 複数の変速段を実現する自動変速機と、前記自動変速機のギヤトレーンに有する複数の摩擦要素への油圧を調圧するコントロールバルブユニットと、前記コントロールバルブユニットに有する各ソレノイドの制御を行う変速機コントロールユニットと、を備える自動変速機の制御方法であって、
    前記自動変速機コントロールユニットは、前記複数の摩擦要素のうち何れかが解放故障している場合に解放故障に対応するものであり、
    所定の変速段が選択されているとき、前記自動変速機の回転数検出値を監視し、前記回転数検出値が、選択されている変速段の回転数目標値から乖離していると、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の何れかが解放異常と判定し、
    解放異常判定時、選択されている変速段で締結される締結摩擦要素の油圧検出値を監視し、前記油圧検出値が正常油圧より低いと判定されると、判定された摩擦要素を解放故障摩擦要素として特定し、
    前記解放故障摩擦要素が特定されると、前記解放故障摩擦要素を使用しない退避変速段へ移行するフェールセーフ制御を実行する、
    自動変速機の制御方法。
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