JPWO2020090726A1 - 電磁波シールドフィルム、シールドプリント配線板の製造方法、及び、シールドプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
シールドプリント配線板を製造する際には、電磁波シールドフィルムの接着剤層が、フレキシブルプリント配線板に接触するように、電磁波シールドフィルムがフレキシブルプリント配線板に貼付されることになる。
つまり、導電性接着剤層とグランド回路との電気的接触は、導電性フィラーとグランド回路との接触により得られるものである。導電性接着剤とグランド回路との接触面には、導電性フィラーが存在しない部分もある。このような部分があるので、導電性接着剤層とグランド回路との接続抵抗が高くなってしまうという問題がある。
また、接着性樹脂が導電性フィラーを含むので、導電性接着剤層全体の比誘電率及び誘電正接が高くなってしまう。導電性接着剤層の比誘電率及び誘電正接が高くなると、伝送特性が悪化してしまうという問題が生じる。
導電性バンプを、グランド回路と確実に接触するように設計することにより、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗を小さくすることができる。
第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)が上記範囲であると、導電性バンプが絶縁性接着剤層を貫きやすくなる。そのため、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗を小さくすることができる。
第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)を0.5μm未満にすることは技術的に困難である。
第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)が2.0μmを超えると、導電性バンプが絶縁性接着剤層を貫きにくくなり、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗が大きくなる箇所が生じやすくなる。
絶縁性接着剤層は、導電性フィラー等の導電性物質を含まないため、比誘電率及び誘電正接が充分に小さくなる。
従って、本発明の電磁波シールドフィルムを用いて製造されたシールドプリント配線板では、伝送特性が良好になる。
さらに、複数の上記導電性バンプの高さは、略同一であることが望ましい。
複数の導電性バンプの高さが略同一であると、均等に複数の導電性バンプが絶縁性接着剤層を貫き、グランド回路と接触しやすくなる。
そのため、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗を小さくすることができる。
すなわち、導電性バンプは、導電性ペーストからなっていてもよい。
導電性ペーストを用いることにより、導電性バンプを任意の位置に任意の形状で容易に形成することができる。
第2絶縁性接着剤層面から導電性バンプまでの距離が20μm以下であると、導電性バンプが絶縁性接着剤層を貫きやすくなるので、導電性バンプがグランド回路に接触しやすくなる。
このような範囲であると、本発明の電磁波シールドフィルムを用いて製造するシールドプリント配線板の伝送特性を向上させることができる。
そのため、得られたシールドプリント配線板では、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗が低く、伝送特性が充分に良好である。
そのため、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗は充分に低い。
絶縁性接着剤層は、導電性フィラー等の導電性物質を含まないため、比誘電率及び誘電正接が充分に小さくなる。
従って、本発明のシールドプリント配線板では、伝送特性が良好になる。
第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)が上記範囲であると、導電性バンプが絶縁性接着剤層を貫きやすくなる。そのため、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗を小さくすることができる。
絶縁性接着剤層は、導電性フィラー等の導電性物質を含まないため、比誘電率及び誘電正接が充分に小さくなる。
従って、本発明の電磁波シールドフィルムを用いて製造されたシールドプリント配線板では、伝送特性が良好になる。
図1は、本発明の電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明の電磁波シールドフィルムが用いられたシールドプリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
また、絶縁性接着剤層13側のシールド層12には複数の導電性バンプ14が形成されている。
そして、絶縁性接着剤層13は、シールド層12側の第1絶縁性接着剤層面13aと、第1絶縁性接着剤層面13aの反対側の第2絶縁性接着剤層面13bとを有し、第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)は、0.5〜2.0μmである。
保護層11の材料は特に限定されないが、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、活性エネルギー線硬化性組成物等から構成されていることが望ましい。
保護層の厚さが1μm未満であると、薄すぎるのでシールド層及び絶縁性接着剤層を充分に保護しにくくなる。
保護層の厚さが15μmを超えると、厚すぎるので保護層が折り曲がりにくくなり、また、保護層自身が破損しやすくなる。そのため、耐折り曲げ性が要求される部材へ適用しにくくなる。
シールド層12は、電磁波をシールドすることができれば、その材料は導電性の材料であれば特に限定されず、例えば、金属からなっていてもよく、導電性樹脂からなっていてもよい。
また、シールド層12は、金属箔であってもよく、スパッタリングや無電解めっき、電解めっき等の方法で形成された金属膜であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
導電性バンプ14は、絶縁性接着剤層13を貫き、グランド回路22aに接触することになる。
導電性バンプ14を、グランド回路22aと確実に接触するように設計することにより、グランド回路22a−導電性バンプ14間の接続抵抗を小さくすることができる。
複数の導電性バンプ14の高さが略同一であると、均等に複数の導電性バンプ14が絶縁性接着剤層13を貫き、グランド回路22aと接触しやすくなる。
そのため、グランド回路22a−導電性バンプ14間の接続抵抗を小さくすることができる。
導電性バンプ14の体積は、10000〜1000000μm3であることが望ましく、30000〜500000μm3であることがより望ましい。
すなわち、導電性バンプ14は、導電性ペーストからなっていてもよい。
導電性ペーストを用いることにより、導電性バンプ14を任意の位置に任意の形状で容易に形成することができる。
また、導電性バンプ14は、スクリーン印刷により形成されていてもよい。
導電性ペーストを用いてスクリーン印刷により導電性バンプ14を形成する場合、導電性バンプ14を任意の位置に任意の形状で容易にかつ効率よく形成することができる。
樹脂組成物の材料はこれらの1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
この場合、導電性バンプは、銅、銀、スズ、金、パラジウム、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、及びこれらのいずれか1つ以上を含む合金からなることが望ましい。
めっき法や蒸着法は従来の方法を用いることができる。
上記の通り電磁波シールドフィルム10は、絶縁性接着剤層13によりプリント配線板20に接着されることになる。
絶縁性接着剤層13は、導電性フィラー等の導電性物質を含まないため、比誘電率及び誘電正接が充分に小さくなる。
従って、電磁波シールドフィルム10を用いて製造されたシールドプリント配線板30では、伝送特性が良好になる。
第2絶縁性接着剤層面13bの表面粗さ(Ra)が上記範囲であると、複数の導電性バンプ14が絶縁性接着剤層13を均等に貫くことになる。
そのため、複数の導電性バンプ14が均等に複数のグランド回路22aに接触することになる。従って、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗を小さくすることができる。
第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)を0.5μm未満にすることは技術的に困難である。
第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)が2.0μmを超えると、複数の導電性バンプが絶縁性接着剤層を均等に貫きにくくなり、グランド回路−導電性バンプ間の接続抵抗が大きくなる箇所が生じやすくなる。
絶縁性接着剤層の厚さが5μm未満であると、絶縁性接着剤層を構成する樹脂の量が少ないため、充分な接着性能が得られにくい。また、破損しやすくなる。
絶縁性接着剤層の厚さが30μmを超えると、全体が厚くなり、柔軟性が失われやすい。また、導電性バンプが絶縁性接着剤層を貫きにくくなる。
第2絶縁性接着剤層面13bから導電性バンプ14までの距離が20μm以下であると、導電性バンプ14が絶縁性接着剤層13を貫きやすくなるので、導電性バンプ14がグランド回路22aに接触しやすくなる。
また、絶縁性接着剤層13を構成する樹脂の周波数1GHz、23℃における、誘電正接は0.0001〜0.03であることが望ましく、0.001〜0.02であることがより望ましい。
このような範囲であると、電磁波シールドフィルム10を用いて製造するシールドプリント配線板30の伝送特性を向上させることができる。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、イミド系樹脂、及び、アクリル系樹脂が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、アミド変性エポキシ樹脂であることがより望ましい。
これらの樹脂は、絶縁性接着剤層を構成する樹脂として適している。
絶縁性接着剤層の材料はこれらの1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
電磁波シールドフィルム10が貼付されることになるプリント配線板20について以下に説明する。
ベースフィルム21及びカバーレイ23の材料は、特に限定されないが、エンジニアリングプラスチックからなることが望ましい。このようなエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、ポリエステル、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイドなどの樹脂が挙げられる。
また、これらのエンジニアリングプラスチックの内、難燃性が要求される場合には、ポリフェニレンサルファイドフィルムが望ましく、耐熱性が要求される場合にはポリイミドフィルムが望ましい。なお、ベースフィルム21の厚みは、10〜40μmであることが望ましく、カバーレイ23の厚みは、10〜30μmであることが望ましい。
また、開口部23aの形状は、特に限定されず、円形、楕円形、四角形、三角形等であってもよい。
プリント回路22及びグランド回路22aの材料は、特に限定されず、銅箔、導電性ペーストの硬化物等であってもよい。
そのため、グランド回路22a−導電性バンプ14間の接続抵抗は充分に低い。
絶縁性接着剤層13は、導電性フィラー等の導電性物質を含まないため、比誘電率及び誘電正接が充分に小さくなる。
従って、シールドプリント配線板30では、伝送特性が良好になる。
図3A、図3B、図3C及び図3Dは本発明のシールドプリント配線板の製造方法の一例を工程順に示す工程図である。
本工程では、図3Aに示すように、上記電磁波シールドフィルム10を準備する。
電磁波シールドフィルム10の望ましい構成等は既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
本工程では、図3Bに示すように、プリント配線板20を準備する。
プリント配線板20の望ましい構成等は既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
本工程では、図3Cに示すように、電磁波シールドフィルム10の第2絶縁性接着剤層面13bが、プリント配線板20のカバーレイ23に接触するようにプリント配線板20に電磁波シールドフィルム10を配置する。
この際、グランド回路22aの上に導電性バンプ14が位置するようにする。
本工程では、図3Dに示すように、電磁波シールドフィルム10の複数の導電性バンプ14が、電磁波シールドフィルム10の絶縁性接着剤層13を貫き、プリント配線板20の複数のグランド回路22aに接触するように加圧する。
まず、第1剥離フィルムとして、片面に剥離処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
その後、保護層の上に、無電解めっきにより2μmの銅層を形成した。当該銅層は、シールド層となる。
なお、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とイソシアネートの混合物の重量比は、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:イソシアネート=100:0.2であった。
そして、導電性ペーストを銅層にスクリーン印刷することにより導電性バンプを形成した。
導電性バンプは形状が円錐状であり、高さ23μm、体積100000μm3であった。
なお、導電性バンプの形状、高さ、体積は、コンフォーカル顕微鏡(Lasertec社製、OPTELICS HYBRID、対物レンズ20倍)を用いて、バンプを形成したシールド層の表面の任意の5か所を測定した後、データ解析ソフト(LMeye7)を用い解析した。2値化のパラメータは高さで、自動しきい値アルゴリズムはKittler法とした。
そして、第2剥離フィルムの剥離処理面に絶縁性接着剤層用組成物を塗工し、電気オーブンを用い、100℃で2分間加熱し、厚さ9μmの絶縁性接着剤層を作製した。
絶縁性接着剤層の厚さを16μm、第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)を0.76μmにした以外は、実施例1と同様に、実施例2に係る電磁波シールドフィルムを作製した。
まず、第1剥離フィルムとして、片面に剥離処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
その後、保護層の上に、無電解めっきにより2μmの銅層を形成した。当該銅層は、シールド層となる。
なお、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とイソシアネートの混合物の重量比は、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:イソシアネート=100:0.2であった。
そして、導電性ペーストを銅層にスクリーン印刷することにより導電性バンプを形成した。
導電性バンプは形状が円錐状であり、高さ23μm、体積100000μm3であった。
なお、導電性バンプの形状、高さ、体積は、コンフォーカル顕微鏡(Lasertec社製、OPTELICS HYBRID、対物レンズ20倍)を用いて、バンプを形成したシールド層の表面の任意の5か所を測定した後、データ解析ソフト(LMeye7)を用い解析した。2値化のパラメータは高さで、自動しきい値アルゴリズムはKittler法とした。
なお、アミド変性エポキシ樹脂の周波数1GHz、23℃における、比誘電率は2.69であり、誘電正接は0.0103であった。
図4は、接続抵抗測定試験における電磁波シールドフィルムの抵抗値の測定方法を模式的に示す模式図である。
図4における、電磁波シールドフィルム110は、各実施例及び比較例に係る電磁波シールドフィルムを模式的に示している。
電磁波シールドフィルム110は、保護層111と、保護層111に積層されたシールド層112と、シールド層112に積層された絶縁性接着剤層113とからなり、絶縁性接着剤層113側のシールド層112には複数の導電性バンプ114が形成されている。
また、接続抵抗測定試験では、ベースフィルム121と、ベースフィルム121の上に形成された複数の測定用プリント回路125と、測定用プリント回路125を覆うカバーレイ123とを備え、カバーレイ123には測定用プリント回路125を露出する開口部123aが形成されているモデル基板120を準備する。
なお、開口部123aは、直径が1mmの円形である。
なお、この加熱サイクルの工程は、電磁波シールドフィルムをプリント配線板に貼付した後に電子部品を実装するリフロー工程を模したものである。
11、111 保護層
12、112 シールド層
13、113 絶縁性接着剤層
13a 第1絶縁性接着剤層面
13b 第2絶縁性接着剤層面
14、114 導電性バンプ
20 プリント配線板
21、121 ベースフィルム
22 プリント回路
22a グランド回路
23、123 カバーレイ
23a、123a 開口部
30 シールドプリント配線板
120 モデル基板
125 測定用プリント回路
150 抵抗計
Claims (8)
- 保護層と、
前記保護層に積層されたシールド層と、
前記シールド層に積層された絶縁性接着剤層とからなり、
前記絶縁性接着剤層側の前記シールド層には導電性バンプが形成されており、
前記絶縁性接着剤層は、前記シールド層側の第1絶縁性接着剤層面と、前記第1絶縁性接着剤層面の反対側の第2絶縁性接着剤層面とを有し、
前記第2絶縁性接着剤層面の表面粗さ(Ra)は、0.5〜2.0μmであることを特徴とする電磁波シールドフィルム。 - 前記導電性バンプは、複数形成されている請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
- 複数の前記導電性バンプの高さは、略同一である請求項2に記載の電磁波シールドフィルム。
- 前記導電性バンプは、樹脂組成物と導電性フィラーとからなる請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
- 前記第2絶縁性接着剤層面から前記導電性バンプまでの距離は、20μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
- 前記絶縁性接着剤層を構成する樹脂の周波数1GHz、23℃における、比誘電率が1〜5であり、誘電正接が0.0001〜0.03である請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波シールドフィルムを準備する電磁波シールドフィルム準備工程と、
ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に形成されたグランド回路を含むプリント回路と、前記プリント回路を覆うカバーレイとを備え、前記カバーレイには前記グランド回路を露出する開口部が形成されているプリント配線板を準備するプリント配線板準備工程と、
前記電磁波シールドフィルムの第2絶縁性接着剤層面が、前記プリント配線板のカバーレイに接触するように前記プリント配線板に前記電磁波シールドフィルムを配置する電磁波シールドフィルム配置工程と、
前記電磁波シールドフィルムの導電性バンプが、前記電磁波シールドフィルムの絶縁性接着剤層を貫き、前記プリント配線板のグランド回路に接触するように加圧する加圧工程とを含むことを特徴とするシールドプリント配線板の製造方法。 - ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に形成されたグランド回路を含むプリント回路と、前記プリント回路を覆うカバーレイとを備え、前記カバーレイには前記グランド回路を露出する開口部が形成されているプリント配線板と、
請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波シールドフィルムとからなり、
前記電磁波シールドフィルムの導電性バンプは、前記絶縁性接着剤層を貫き、前記プリント配線板のグランド回路に接続していることを特徴とするシールドプリント配線板。
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