JPWO2020085092A1 - 着磁装置、着磁方法、およびモータの製造方法 - Google Patents

着磁装置、着磁方法、およびモータの製造方法 Download PDF

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Abstract

着磁装置(100C)は、上層の第1着磁コイル(30a)及び下層の第2着磁コイル(30b)とを備え、第1着磁コイル(30a)の中心を中心O2とし、第1着磁コイルの2つの中間部の中央線を中央線SL1、中央線SL2とし、第1着磁コイル(30a)の内側折り返し部(30ain)における径方向外側端部(Q1)を通り、中心O2を中心とする円を円R11とするとき、中央線SL1と円R11との交点、中心O2、中央線SL2と円R11との交点とが成す角度は、360度を永久磁石(60)の磁極の総数で除した値よりも小さい。

Description

本願は、着磁装置に関するものである。
従来、モータには、円筒状の永久磁石が用いられる場合がある。例えば、回転軸と直交する方向に、且つ回転軸から放射状に広がる着磁方向を有し、周方向に交互にN極とS極が複数形成されるようにラジアル方向に多極着磁されたマグネットが用いられている。
また、回転軸と平行の着磁方向を有し、周方向に交互にN極とS極が複数形成されるようにアキシャル方向に多極着磁されたマグネットが用いられている。さらに、モータの回転子に、その回転数を検出するためのセンサが組み込まれている回転位置検出装置付きモータの場合は、回転軸と平行の着磁方向を有し、周方向に交互にN極とS極が複数形成されるようにアキシャル方向に多極着磁されたマグネットが用いられる。
アキシャル方向に磁石を着磁する場合、着磁装置に、軸方向に突出する突極部を設け、各突極部に導線を巻回して着磁コイルを形成する着磁装置を使用する。さらに、例えば、特許文献1には、断面が長方形の導線を着磁コイルに使用することにより、断面が円形の導線を使用する場合に比べて着磁コイルに通電する電流を大きくし、着磁された磁石が高温で減磁しにくく、モータの特性のばらつきも小さくできる技術が提案されている。このように、断面長方形の着磁コイルを使用すれば、ヨークの中心に対して、着磁コイルの位置のばらつきが小さいため、着磁むらが発生しにくく、モータの回転精度を向上できる。
近年、希土類系の磁石が普及し、フェライト系の磁石などに比べ、磁石の着磁に必要な磁界が増加している。着磁装置の着磁コイルに通電することによって発生する磁界を大きくするためには、アンペアターンを増加する必要がある。これには、通電する電流を増やすか、巻回する導線のターン数を増加させる必要がある。
例えば、軸方向に垂直な断面扇形の突極部の周囲に導線を巻き回して着磁コイルを形成し、ターン数を2ターンとする場合には、隣り合う突極部の間に2本の導線が入ることになる。また、着磁磁界を大きくするため、一般的に強磁性部材からなる突極部を用いる。これにより、強磁性部材を用いることで、着磁コイルから発生する磁界を断面扇形の突極部に集中させることができる(例えば特許文献1、図13参照)。
しかしながら、着磁コイルのターン数を増やすと、突極部を形成する空間が狭くなり、突極部の断面積が小さくなるとN極とS極の着磁磁界が低下してしまう。また、センサマグネットに着磁する場合、突極部によりセンサマグネットの周方向にN極とS極が交互に形成されるため、隣り合う突極部の間の間隔が広がると、着磁コイルと対向するセンサマグネットの着磁磁界が小さくなり、結果的にN極とS極の切り替わりが緩やかになって、着磁後にセンサマグネットから発生する磁界が歪んでしまう。
特開2001−351816号公報
着磁装置を用いて永久磁石に着磁する際には、上層の着磁コイルに対向するように着磁前の永久磁石を配置するため、上層の着磁コイルに比べ、下層の着磁コイルと永久磁石の距離が遠くなる。
したがって、この場合、上層の着磁コイルに着目すると、内周と外周にコイルエンドが交互に存在し、上層のコイルエンドが存在しない部分には下層のコイルエンドが存在する。この場合、下層のコイルエンドとセンサマグネットとの距離が遠いため、下層の着磁コイルによりセンサマグネットに印加される磁界が弱くなり、センサマグネットの内周部、中心部、外周部で表面磁束密度分布の波形が異なってしまう。例えば、外周付近では、N極の表面磁束密度の角度ピッチが狭くなり、中央付近では角度ピッチの誤差がほぼなく、内周付近では逆にN極の表面磁束密度の角度ピッチが広くなり、磁極が切り替わる角度ピッチの切り替わりの精度が悪くなるという課題があった。このような永久磁石を、回転電機の回転位置検出用のセンサマグネットとして使用することを想定すると、センサマグネットの磁極の切り替え精度とホール素子の取り付け精度の問題から、製品毎の回転位置検出精度にばらつきが生じ均一な製品精度を確保できないという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、周方向に交互に磁極が切り替わる永久磁石の磁極の切り替えピッチを精度良く調整できる着磁装置を提供することを目的とする。
本願に開示される着磁装置は、
円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる、積み重ねられた上層の第1着磁コイル及び下層の第2着磁コイルとを備え、
前記第1着磁コイルは、1本の導線が、平面上において波状かつ菊花文様状に折り返される複数の内側折り返し部と複数の外側折り返し部を有し、
前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルを表裏反転させた形状であり、
前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部と、前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部とは、周方向に1磁極分だけずれて配置され、
前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの中心を中心O2とし、
前記第1着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線SL1、中央線SL2とし、
前記第2着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線PL1、中央線PL2とし、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記内側折り返し部における径方向外側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R11とし、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記外側折り返し部における径方向内側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R33とするとき、
前記中央線SL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さく、
前記中央線SL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線PL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線PL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さいものである。
また、本願に開示される着磁装置は、
円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
台座部と、前記台座部の上に放射状に、溝を介して周方向に交互に配置された第1突極部及び第2突極部と、
前記第1突極部及び前記第2突極部の周囲にそれぞれ巻回され、前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる第1着磁コイル及び第2着磁コイルとを備え、
前記第1着磁コイルは、前記第1突極部の内周側を通って巻回され、前記第1突極部と隣り合う前記第2突極部の間の溝の中を通って、隣り合う前記第2突極部の外周側を通って巻回され、さらに隣の溝の中に収納され、全ての前記第1突極部及び前記第2突極部に対して繰り返して波状に巻回されており、
前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルの前記巻き終わり端部を収納した溝と同じ溝から、前記第2突極部の内周側を通って巻回され、前記第2突極部と隣り合う前記第1突極部との間の溝の中を通って、隣り合う前記第1突極部の外周側を通って巻回され、さらに隣の溝の中に収納され、全ての前記第1突極部及び前記第2突極部に対して繰り返して波状に巻回されており、
前記台座部の中心を中心O1とし、
前記第1突極部の周方向両側において、径方向に延びる2本の前記溝の中央線をそれぞれ中央線ML1、中央線ML2とし、
前記第1突極部及び前記第2突極部の径方向内側端部を通り、前記中心O1を中心とする円を円R1とし、
前記第1突極部及び前記第2突極部の径方向外側端部を通り、前記中心O1を中心とする円を円R3とするとき、
前記中央線ML1と前記円R1との交点、前記中心O1、前記中央線ML2と前記円R1との交点とが成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも小さく、
前記中央線ML1と前記円R3との交点、前記中心O1、前記中央線ML2と前記円R3との交点が成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも大きく、
前記第2突極部の周方向両側において、径方向に延びる2本の前記溝の中央線をそれぞれ前記中央線ML2、中央線ML3とするとき、
前記中央線ML2と前記円R1との交点、前記中心O1、前記中央線ML3と前記円R1との交点とが成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線ML1と前記円R3の交点、前記中心、前記中央線ML3と前記円R3との交点が成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも小さいものである。
本願に開示される着磁装置によれば、軸方向に対して垂直な着磁面のあるアキシャル方向に着磁した円筒状の永久磁石の表面磁束密度の波形を、内周部、中心部、外周部において、測定する位置によらず角度誤差を低減できる。
実施の形態1に係る永久磁石の平面図と側面図である。 実施の形態1に係る着磁装置の斜視図である。 実施の形態1に係る突極部に印加する磁界と、磁束密度との関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る第1突極部の形状を示す平面図である。 実施の形態1に係る第2突極部の形状を示す平面図である。 実施の形態1に係る着磁装置を着磁コイル側からみた平面図である。 比較例としての着磁装置の平面図である。 実施の形態1に係る着磁装置で着磁した永久磁石の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。 比較例である着磁装置で着磁した永久磁石の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。 実施の形態1に係るモータの断面図である。 実施の形態1に係る台座及び突極部を省略した着磁装置の平面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る永久磁石の着磁装置を図に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、特に断り無く径方向、周方向、外周側、内周側というときは、着磁装置の径方向、周方向、外周側、内周側をいうものとする。
図1は、着磁装置を用いて着磁する永久磁石60の平面図と側面図である。
図2は、着磁装置100の斜視図である。
図2に示す着磁装置100を用いて着磁する永久磁石60は、円環状であり、その中心軸61に垂直な平面において、中心軸から放射状に、周方向にN極とS極とが周方向に交互に配設されるように24極に着磁されている。永久磁石60の材料は、ネオジムを含む希土類系ボンド磁石である。一例として、外径が直径30mm、内径が直径15mm、厚みが3mmのNd−Fe−B(ネオジム、鉄、ホウ素焼結磁石)系のボンド磁石に着磁するものとして説明する。
なお、永久磁石60は、フェライト焼結、フェライトボンド、ネオジム焼結、サマリウム−コバルト系磁石であってもよい。近年、永久磁石の高特性化に伴い、着磁に必要な磁界が増加している。永久磁石60を着磁するには、高出力、高容量の電源を着磁装置100に使用する必要がある。
次に、着磁装置100について説明する。
着磁装置100は、円柱状の台座部10と台座部10の上に、台座部10の中心軸Oを中心として放射状に、周方向に溝Mを介して交互に配置された第1突極部20a及び第2突極部20bと、第1突極部20a及び第2突極部20bの周囲にそれぞれ巻回され、永久磁石60を着磁するための磁界を発生させる上層の第1着磁コイル30aと下層の第2着磁コイル30bとを備える。着磁装置100の台座部10の直径は、45mmとする。また、第1突極部20a、第2突極部20bが15°ピッチで、周方向に交互に、それぞれ12個、合計24個配置されている。以下、単に着磁コイル30という時は、第1着磁コイル30aと第2着磁コイル30bとの双方を指すものとし、単に突極部20という時は、第1突極部20aと第2突極部20bとの双方を指すものとする。本実施の形態では、第1突極部20aは、永久磁石をN極に、第2突極部20bは、永久磁石をS極に着磁する。ただし、N極とS極は、第1着磁コイル30a、第2着磁コイル30bに流す電流の向きで決まるため、永久磁石の磁極は、N極とS極を逆に着磁してもよい。
突極部20は、台座部10と一体化された強磁性部材からなる。一般的には、純鉄、S45Cなどの炭素鋼、或いはSS400などの一般構造材などの強磁性部材により構成されている。なお、本実施の形態では、突極部20に強磁性部材を用いているが、必ずしも強磁性部材でなくてもよく、樹脂などの常磁性部材で構成されていてもよい。
しかしながら、近年の磁石の高性能化により着磁に必要な磁界が増加しているため、強磁性部材を用いて導線から発生する磁界を高めることが有効である。
図3は、突極部に印加する磁界と磁束密度との関係を示すグラフである。
図3は、一般的に強磁性部材に磁界を印加した場合の、強磁性部材の内部を通る磁束密度と印加した磁界の関係を示しており、磁界が小さい領域において強磁性部材内を通る磁束密度が急激に立ち上がった後、磁界と磁束密度の関係が線形を示し、それぞれが比例するように変化することを示している。
磁束密度が急激に立ち上がる領域において、ある磁界の範囲をΔH、その時の磁束密度の増加分をΔBとした際、μ=ΔB/ΔHを透磁率と呼び、μが大きいほど急峻に磁束密度が立ち上がることになり、より小さい磁界で大きい磁束密度を得ることができる。
さらに大きい磁界をかけた後、磁束密度の上昇が飽和し、真空中、或いは空気中に磁界を印加した場合と同様に、磁界が小さい場合よりもμが小さく、かつ磁界と磁束密度とが直線状となる関係となる。このように、μが高いものほど、導線に通電する電流が小さくても強い着磁磁界を発生することができる。
第1突極部20aと第2突極部20bとは、径方向外側に向かって太くなる涙型をしている。また、双方の断面形状は、やや異なる。
図4は、第1突極部20aの形状を示す平面図である。
図5は、第2突極部20bの形状を平面図である。
なお、説明の都合上、図面に示す角度は、誇張して記載したものであり、実際の角度とは異なる。
図4と図5とを比較すると分かるように、第1突極部20aと第2突極部20bとは形状が異なる。内周部では、第1突極部20aの方が、第2突極部20bよりも周方向の幅が狭く、外周部では、第1突極部の方が、第2突極部20bよりも周方向の幅が広い。ここで、図4に示す第1突極部20aの右隣りに、図5に示す第2突極部20bが配置されているとする。また、図4に示す第1突極部20aの左に存在する溝Mを溝M1とし、図4に示す第1突極部20aと図5に示す第2突極部20bの間に存在する溝Mを溝M2とし、図5に示す第2突極部20bの右に存在する溝Mを溝M3とする。溝M1〜溝M3の間には上述の第1着磁コイル30a、第2着磁コイル30bが挿入されるので溝M1〜溝M3の周方向の幅は同じある。なお、面取りされた断面涙型の突極部を示したが、断面三角形でもよい。
ところで、仮に、第1突極部20aの形状と第2突極部20bの形状とが同じであった場合には、周方向に隣り合う溝M1と溝M2、溝M2と溝M3の、それぞれの中央を径方向に延びる中央線ML1、ML2、ML3のうち、中央線ML1と中央線ML2、中央線ML2と中央線ML3同士が成す角度は、360度を磁極の総数24(永久磁石60の磁極の総数に等しい)で除した値である15度となる。
一方、上述のように、実際には、形状の異なる第1突極部20aと第2突極部20bとが、周方向に交互に並んでいる。次に、各中央線ML1〜ML3上にそれぞれ3点を定義し、周方向に隣り合う2本の中央線上、かつ、図4、図5に示す平面図上での台座部10上の中心O1(全ての突極部20の径方向の中心線の交点でもある)から、径方向に同じ距離にある2点と、中心O1とが成す角度について説明する。
図4及び図5に示す、第1突極部20a及び第2突極部20bの径方向内側端部を通る、中心O1を中心とする円(直径15mm)を円R1とし、同様に第1突極部20a及び第2突極部20bの径方向中央部を通る円(直径22.5mm)を円R2、第1突極部20a及び第2突極部20bの径方向外側端部を通る円(直径30mm)を円R3とする。
まず、図4に示す、第1突極部20aについて述べる。
第1突極部20aの周方向両側には、径方向に延びる溝M1と溝M2とが存在する。
円R2と中央線ML1との交点ML1R2と、中心O1と、円R2と中央線ML2との交点ML2R2とが成す角度20aR2は、15度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値と同じである。
次に、円R1と中央線ML1との交点ML1R1と、O1と、円R1と中央線ML2との交点ML2R1とが成す角度20aR1は、14度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度小さい。
次に、円R3と中央線ML1との交点ML1R3と、中心O1と、円R3と中央線ML2との交点ML2R3とが成す角度20aR3は、16度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度大きい。
次に、図5に示す、第2突極部20bについて述べる。
円R2と中央線ML2との交点ML2R2と、中心O1と、円R2と中央線ML3との交点ML3R2とが成す角度20bR2は、15度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値と同じである。
次に、円R1と中央線ML2との交点ML2R1と、中心O1と、円R1と中央線ML3との交点ML3R1とが成す角度20bR1は、16度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度大きい。
次に、円R3と中央線ML2との交点ML2R3と、中心O1と、円R3と中央線ML3との交点ML3R3とが成す角度20bR3は、14度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度小さい。
なお、図4、図5では、角度20aR1、20aR3、20bR1、20bR3の角度を、角度20aR2、20bR2の角度からそれぞれ+−1度ずらしているが、放射状の導線の角度が360度/p(pは極数:本実施の形態では24)よりも小さい、または、大きければよく、上記1度に限定されるものではない。
次に、着磁コイル30について詳細を説明する。
図6は、着磁装置100を着磁コイル30側からみた平面図である。
それぞれ、1本の導線からなる第1着磁コイル30aと、第2着磁コイル30bとが、台座部10の上で積み重なって配置されている。台座部10側を下、その反対を上とすると、台座部10の上に第2着磁コイル30bが配設され、その上に第1着磁コイル30aが配設される。第2着磁コイル30bは、第1着磁コイルを表裏反転させた形状をしている。
図2、図6に示すように第1着磁コイル30aは、第1突極部20aの内周側を通って巻回され、24個の溝Mの中を通って、隣り合う第2突極部20bの外周側を通って巻回され、隣の溝Mの中に収納され、これを全ての突極部20に対して繰り返して波状、かつ菊花文様状に折り返して巻回されている。第1着磁コイル30aのうち、外周側で折り返されている部分を外側折り返し部30aoutとし、内周側で折り返されている部分を内側折り返し部30ainとし、外側折り返し部30aoutおよび内側折り返し部30ainに繋がり、溝Mに収納される部分を中間部30as1とする。また、同じ内側折り返し部30ainに繋がり、隣の溝Mに収納される部分を中間部30as2とする。
第2着磁コイル30bは、その巻き始め端部30bsが、第1着磁コイル30aの巻き終わり端部に30aeに接続され、第1着磁コイル30aの巻き終わり端部30aeを収納した溝Mと同じ溝Mから、径方向の逆方向に、第2突極部20bの内周側を通って巻回され、24個の溝Mの中を通って、隣り合う第1突極部20aの外周側を通って巻回され、さらに隣の溝Mの中に収納され、これを全ての突極部20対して繰り返して波状かつ菊花文様状に折り返して巻回されている。
同様に、第2着磁コイル30bのうち、外周側で折り返されている部分を外側折り返し部30boutとし、内周側で折り返されている部分を内側折り返し部30binとし、外側折り返し部30boutおよび内側折り返し部30binに繋がり、溝Mに収納される部分を中間部30bs1とする。また、同じ内側折り返し部30ainに繋がり、隣の溝Mに収納される部分を中間部30bs2とする。
第1着磁コイル30aおよび第2着磁コイル30bはこのように構成されているので、図6に示すように、導線が径方向に折り返される位置(内側折り返し部30ainと内側折り返し部30bin、外側折り返し部30aoutと外側折り返し部30bout)が、第1着磁コイル30aと第2着磁コイル30bとでは、周方向に溝M1つ分(1磁極分)だけずれている。導線は1mmX1mmの断面四角形状であり、各溝Mの内壁面に沿った形状を有する。なお、断面形状は、長方形でもよい。
溝Mに沿って導線を収納するが、各溝Mの幅は、1.2mmである。導線の幅よりも大きくしている。導線に電流を流した際に、絶縁破壊を防止するため、導線と強磁性部材の間には絶縁フィルム、或いは絶縁紙を挿入して絶縁する。また、導線又は強磁性部材、もしくは導線と強磁性部材の両方に電着塗装などの絶縁膜を形成してもよい。この場合は、溝Mの幅は、導線の幅とほぼ等しくてもよい。
上述した各溝Mの構成によれば、各溝Mに収納される第1着磁コイル30aについて、第1突極部20aの周囲を取り囲む部分の角度は、内周側の屈曲して折り返す部分では14度、溝Mの径方向中央部分では15度、溝Mの径方向外周部分では16度となる。
同様に、各溝Mに収納される第2着磁コイル30bについて、第2突極部20b周囲を取り囲む部分の角度は、内周側の屈曲して折り返す部分では16度、溝Mの径方向中央部分では15度、溝Mの径方向外周部分では14度となる。
第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bを構成する導線の内周側の屈曲して折り返す部分の断面形状は、径方向1.5mm×軸方向1mmの長方形であり、外周側屈曲して折り返す部分の断面形状は、径方向2mm×軸方向1mmである。
第1着磁コイル30aを上層に配置し、第2着磁コイル30bを下層に配置しており、第1着磁コイル30aの巻き終わり端部と、第2着磁コイル30bの巻き始め端部が接続されており、2ターンを構成している。なお、ターン数は2ターンに限らず、3ターン、または4ターンでもよい。
また、導線の断面形状は円形でもよく、断面長方形でもよい。市販のマグネットワイヤ―を用いてもよく、より好ましくは着磁コイルの形状精度を確保するために銅板をワイヤーカットなどで加工することが望ましい。銅板からワイヤーカットで精度よく加工でき、導線の位置精度を向上できる。
近年、モータの小型高効率化に伴い、小径で多極の着磁装置が要求され、ヨークの歯、溝の構成が寸法的に困難になってきていることから、着磁コイルの断面寸法をそれほど大きくできないため、通電する電流を増加する必要があるが、電流を10kA/mm^2以上流すと導線が発熱し過ぎたり、ローレンツ力によって導線が力を受けて破断したりする恐れがある。そのため、上述のように着磁コイル30のターン数を増やして対応することが望ましい。
また、上述のように、第1突極部20a、第2突極部20bの間の溝Mに収納されている導線の断面積に比べて、内周側と外周側で折り返されている部分の導線の断面積が大きい。永久磁石60への着磁時には、導線に大電流を通電するため、ローレンツ力により導線に力が発生する。反平行に電流が流れると導線に反発力が働く。
着磁装置100に大電流を流すために、大容量のコンデンサを有する電源をこれに接続する。コンデンサと着磁装置100の間にスイッチを接続し、瞬間的にコンデンサの電荷を着磁装置に流すことで大電流のパルスが着磁装置100の導線に流れる。
そのため、生産ラインで着磁する場合、導線に働く反発力が繰り返し印加される。このとき、着磁コイル30のうち、突極部の内周側と外周側を屈曲して折り返す部分の導線に応力が集中し、導線が破断する可能性がある。そのため、導線を破断しにくくするため、当該部分の断面積を、溝Mに収納される部分の断面積よりも大きくすることで応力を低減し、導線の破断を防止している。ただし、必ずしも必要ではなく、均一な断面積の導線を使用してもよい。
さらに、永久磁石60の着磁時に着磁コイル30の導線が動かないようにするために、突極部20と導線とをエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂で一体化し、突極部20と磁極コイルの導線との間の空間を埋め、導線が動かないようにする。また、着磁コイル30への通電により導線が発熱するため、使用する樹脂が軟化する温度は、摂氏100度以上、望ましくは摂氏150度以上であることが望ましい。また、永久磁石60への着磁時に、樹脂に対して導線から衝撃がかかるため、樹脂には耐衝撃性が必要であり、ガラス粉末などのフィラーを樹脂に混合するとなおよい。
図7は、比較例としての着磁装置100Bの平面図である。
次に、着磁装置100の比較例として着磁装置100Bについて述べる。
着磁装置100と比較例としての着磁装置100Bとの大きな違いは、24個の突極部20Bの形状は全て同一である点である。着磁コイル30Bの構成は、屈曲部の断面積と溝Mの中に収納される部分の断面積とが同じである点以外は、着磁装置100の着磁コイル30と同じである。
図8は、着磁装置100で着磁した永久磁石60の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。縦軸が磁束密度を示し、横軸が磁石の周方向の位置を回転角度として示している。グラフFR1が永久磁石60の直径15mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFR2が永久磁石60の直径22.5mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFR3が永久磁石60の直径30mmの位置の磁束密度の変化を表す。これは、上述の円R1、R2、R3の位置の磁束密度に相当する。なお、それぞれのグラフは、永久磁石60の周方向全体360度の内の、12度から18度までの一部のみを示していて、実際には、N極とS極の磁束密度の分布は、正弦波状となる。
図9は、比較例である着磁装置100Bで着磁した永久磁石の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。磁束密度を測定した位置は、上述の永久磁石60と同じである。グラフFRB1が永久磁石の直径15mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFRB2が永久磁石の直径22.5mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFRB3が永久磁石の直径30mmの位置の磁束密度の変化を表す。いずれの永久磁石も24極であるため、磁極が15度毎にSからN又はその反対に切り替わる。
図8に示すように、本実施の形態の永久磁石60では、直径15mmの位置、30mmの位置共に、磁極が切り替わる角度は、直径22.5mmの位置の表面磁束密度の磁極が切り替わる角度とほぼ一致している。そして、直径15mmと30mmの位置の磁極が切り替わる角度の、直径22.5mmの位置(15度)とのずれは、0.05度程度である。
次に、図9の比較例の永久磁石の場合、直径22.5mmの位置の表面磁束密度分布の磁極の切り替わりの角度は、ほぼ15度であり、直径15mmと30mmの位置の表面磁束密度の磁極の切り替わりの角度のずれは、15度から0.8度であった。このような永久磁石を回転センサ用のセンサマグネットとして使用する場合であって、回転軸に組付けられた後に回転子のマグネットが着磁される場合、回転子マグネットを着磁する時の磁界がセンサマグネットにも印加され、センサマグネットから発生する磁束密度分布が乱れてしまう。センサマグネットの磁極が等間隔でなくなり、回転センサから正しい回転数信号が出力されなくなる。
このように、磁極の切り替わりの角度の径方向の位置によるずれを低減するため、突極部20の内周側で屈曲するように、着磁コイル30を折り返し、各溝Mに挿入される着磁コイル30の導線が成す角度を上述のように変えることが有効であったことが分かる。
次に、永久磁石60を回転検出装置付きモータに搭載した場合を考える。
図10は、モータ80の断面図である。
図10に示すように、固定子鉄心81に複数の固定子コイル82が周方向にほぼ等間隔に配設された固定子85と、複数の永久磁石83が周方向に配設され、外周面が固定子85の内周面に対向するように配設された回転子88と、電源から供給される直流電流を、回転子88を介して転流させるためのトリガーとなる、回転軸89に固定され、回転子88の回転角θを検出するための磁界を発生するセンサマグネットとしての永久磁石60と、このセンサマグネットと対向して配設され、上記磁界に応じた信号を出力する3つのホール素子87を配置する。センサマグネットの着磁方向は、回転軸89の軸方向と平行な方向である。
なお、この適用例では、永久磁石60をセンサ用のマグネットとしているが、アキシャルギャップモータのようにモータを駆動するための永久磁石に適用してもよい。
図11は、着磁装置100Cの平面図である。
また、図11に示すように、着磁装置100Cは、台座部10、第1突極部20a、第2突極部20bを省略し、第1着磁コイル30aと第2着磁コイル30bのみで構成されたものである。このような、着磁装置100Cでも、着磁装置100と同様の効果を奏する。
この場合、これまでの説明で「溝M1、溝M2の中央線ML1、ML2と、円R1〜R3の各交点、中心O1を用いて特定した角度」については、「中心O1」を「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの中心O2」と読み替え、「溝M1、溝M2の中央線ML1、ML2」を「第1着磁コイル30aの、径方向に延び、同じ内側折り返し部30ainに繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部30aoutに繋がる2つの中間部30as1、30as2のそれぞれの中央線SL1、中央線SL2」と読み替え、「円R1」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの内側折り返し部30ain、30binにおける径方向外側端部Q1を通り、前記中心O2を中心とする円R11」と読み替え、「円R3」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの外側折り返し部30aout、30boutにおける径方向内側端部Q3を通り、中心O2を中心とする円R33」と読み替え、「円R2」を、中間部30as1、30as2のそれぞれの径方向の中央部を通り、中心O2を中心とする円R22」と読み替えるとよい。
また、これまでの説明で「溝M2、溝M3の中央線ML2、ML3と、円R1〜R3の各交点、中心O1を用いて特定した角度」については、「中心O1」を「第1着磁コイル30a及び前記第2着磁コイル30bの中心O2」と読み替え、「溝M2、溝M3の中央線ML2、ML3」を「第2着磁コイル30bの、径方向に延び、同じ内側折り返し部30binに繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部30boutに繋がる2つの中間部30bs1、中間部30bs2のそれぞれの中央線PL1、中央線PL2」と読み替え、「円R1」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの内側折り返し部30ain、30binにおける径方向外側端部Q1を通り、前記中心O2を中心とする円R11」と読み替え、「円R3」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの外側折り返し部30aout、30boutにおける径方向内側端部Q3を通り、中心O2を中心とする円R33」と読み替え、「円R2」を、中間部30bs1、30bs2のそれぞれの径方向の中央部を通り、中心O2を中心とする円R22」と読み替えるとよい。
さらに、コイルを固定するために、樹脂などでコイルを覆うことが望ましい。これにより、コイルの変形を防止できる。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
100,100B 着磁装置、10 台座部、20a 第1突極部、20b 第2突極部、20,20B 突極部、30,30B 着磁コイル、30a 第1着磁コイル、30b 第2着磁コイル、30ain,30bin 内側折り返し部、30aout,30bout 外側折り返し部、30as1,30as2,30bs1,30bs2 中間部、R1,R2,R3,R11,R22,R33 円、20aR1,20aR2,20aR3,20bR1,20bR2,20bR3 角度、M,M1,M2,M3 溝、ML1,ML2,ML3,SL1,SL2,PL1,PL2 中央線、ML1R1,ML1R2 交点、ML1R3,ML2R1,ML2R2,ML2R3,ML3R1,ML3R2,ML3R3 交点、O,61 中心軸、O1,O2 中心、Q1 径方向外側端部、Q3 径方向内側端部、60 永久磁石、80 モータ、81 固定子鉄心、82 固定子コイル、83 永久磁石、85 固定子、87 ホール素子、88 回転子、89 回転軸、FR1,FR2,FR3,FRB1,FRB2,FRB3 グラフ。
本願は、着磁装置、着磁方法、およびモータの製造方法に関するものである。
従来、モータには、円筒状の永久磁石が用いられる場合がある。例えば、回転軸と直交する方向に、且つ回転軸から放射状に広がる着磁方向を有し、周方向に交互にN極とS極が複数形成されるようにラジアル方向に多極着磁されたマグネットが用いられている。
また、回転軸と平行の着磁方向を有し、周方向に交互にN極とS極が複数形成されるようにアキシャル方向に多極着磁されたマグネットが用いられている。さらに、モータの回転子に、その回転数を検出するためのセンサが組み込まれている回転位置検出装置付きモータの場合は、回転軸と平行の着磁方向を有し、周方向に交互にN極とS極が複数形成されるようにアキシャル方向に多極着磁されたマグネットが用いられる。
アキシャル方向に磁石を着磁する場合、着磁装置に、軸方向に突出する突極部を設け、各突極部に導線を巻回して着磁コイルを形成する着磁装置を使用する。さらに、例えば、特許文献1には、断面が長方形の導線を着磁コイルに使用することにより、断面が円形の導線を使用する場合に比べて着磁コイルに通電する電流を大きくし、着磁された磁石が高温で減磁しにくく、モータの特性のばらつきも小さくできる技術が提案されている。このように、断面長方形の着磁コイルを使用すれば、ヨークの中心に対して、着磁コイルの位置のばらつきが小さいため、着磁むらが発生しにくく、モータの回転精度を向上できる。
近年、希土類系の磁石が普及し、フェライト系の磁石などに比べ、磁石の着磁に必要な磁界が増加している。着磁装置の着磁コイルに通電することによって発生する磁界を大きくするためには、アンペアターンを増加する必要がある。これには、通電する電流を増やすか、巻回する導線のターン数を増加させる必要がある。
例えば、軸方向に垂直な断面扇形の突極部の周囲に導線を巻き回して着磁コイルを形成し、ターン数を2ターンとする場合には、隣り合う突極部の間に2本の導線が入ることになる。また、着磁磁界を大きくするため、一般的に強磁性部材からなる突極部を用いる。これにより、強磁性部材を用いることで、着磁コイルから発生する磁界を断面扇形の突極部に集中させることができる(例えば特許文献1、図13参照)。
しかしながら、着磁コイルのターン数を増やすと、突極部を形成する空間が狭くなり、突極部の断面積が小さくなるとN極とS極の着磁磁界が低下してしまう。また、センサマグネットに着磁する場合、突極部によりセンサマグネットの周方向にN極とS極が交互に形成されるため、隣り合う突極部の間の間隔が広がると、着磁コイルと対向するセンサマグネットの着磁磁界が小さくなり、結果的にN極とS極の切り替わりが緩やかになって、着磁後にセンサマグネットから発生する磁界が歪んでしまう。
特開2001−351816号公報
着磁装置を用いて永久磁石に着磁する際には、上層の着磁コイルに対向するように着磁前の永久磁石を配置するため、上層の着磁コイルに比べ、下層の着磁コイルと永久磁石の距離が遠くなる。
したがって、この場合、上層の着磁コイルに着目すると、内周と外周にコイルエンドが交互に存在し、上層のコイルエンドが存在しない部分には下層のコイルエンドが存在する。この場合、下層のコイルエンドとセンサマグネットとの距離が遠いため、下層の着磁コイルによりセンサマグネットに印加される磁界が弱くなり、センサマグネットの内周部、中心部、外周部で表面磁束密度分布の波形が異なってしまう。例えば、外周付近では、N極の表面磁束密度の角度ピッチが狭くなり、中央付近では角度ピッチの誤差がほぼなく、内周付近では逆にN極の表面磁束密度の角度ピッチが広くなり、磁極が切り替わる角度ピッチの切り替わりの精度が悪くなるという課題があった。このような永久磁石を、回転電機の回転位置検出用のセンサマグネットとして使用することを想定すると、センサマグネットの磁極の切り替え精度とホール素子の取り付け精度の問題から、製品毎の回転位置検出精度にばらつきが生じ均一な製品精度を確保できないという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、周方向に交互に磁極が切り替わる永久磁石の磁極の切り替えピッチを精度良く調整できる着磁装置、着磁方法、およびモータの製造方法を提供することを目的とする。
本願に開示される着磁装置は、
円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる、積み重ねられた上層の第1着磁コイル及び下層の第2着磁コイルとを備え、
前記第1着磁コイルは、1本の導線が、平面上において波状かつ菊花文様状に折り返される複数の内側折り返し部と複数の外側折り返し部を有し、
前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルを表裏反転させた形状であり、
前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部と、前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部とは、周方向に1磁極分だけずれて配置され、
前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの中心を中心O2とし、
前記第1着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線SL1、中央線SL2とし、
前記第2着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線PL1、中央線PL2とし、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記内側折り返し部における径方向外側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R11とし、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記外側折り返し部における径方向内側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R33とするとき、
前記中央線SL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さく、
前記中央線SL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線PL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線PL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さいものである。
また、本願に開示される着磁装置は、
円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
台座部と、前記台座部の上に放射状に、溝を介して周方向に交互に配置された第1突極部及び第2突極部と、
前記第1突極部及び前記第2突極部の周囲にそれぞれ巻回され、前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる第1着磁コイル及び第2着磁コイルとを備え、
前記第1着磁コイルは、前記第1突極部の内周側を通って巻回され、前記第1突極部と隣り合う前記第2突極部の間の溝の中を通って、隣り合う前記第2突極部の外周側を通って巻回され、さらに隣の溝の中に収納され、全ての前記第1突極部及び前記第2突極部に対して繰り返して波状に巻回されており、
前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルの前記巻き終わり端部を収納した溝と同じ溝から、前記第2突極部の内周側を通って巻回され、前記第2突極部と隣り合う前記第1突極部との間の溝の中を通って、隣り合う前記第1突極部の外周側を通って巻回され、さらに隣の溝の中に収納され、全ての前記第1突極部及び前記第2突極部に対して繰り返して波状に巻回されており、
前記台座部の中心を中心O1とし、
前記第1突極部の周方向両側において、径方向に延びる2本の前記溝の中央線をそれぞれ中央線ML1、中央線ML2とし、
前記第1突極部及び前記第2突極部の径方向内側端部を通り、前記中心O1を中心とする円を円R1とし、
前記第1突極部及び前記第2突極部の径方向外側端部を通り、前記中心O1を中心とする円を円R3とするとき、
前記中央線ML1と前記円R1との交点、前記中心O1、前記中央線ML2と前記円R1との交点とが成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも小さく、
前記中央線ML1と前記円R3との交点、前記中心O1、前記中央線ML2と前記円R3との交点が成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも大きく、
前記第2突極部の周方向両側において、径方向に延びる2本の前記溝の中央線をそれぞれ前記中央線ML2、中央線ML3とするとき、
前記中央線ML2と前記円R1との交点、前記中心O1、前記中央線ML3と前記円R1との交点とが成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線ML1と前記円R3の交点、前記中心、前記中央線ML3と前記円R3との交点が成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも小さいものである。
また、本願に開示される着磁方法は、
前記着磁装置を用いて、前記永久磁石を着磁するものである。
また、本願に開示されるモータの製造方法は、
前記着磁方法を用いて着磁された前記永久磁石を回転子の回転軸に固定し、
前記永久磁石に対向して前記回転子の回転角を検出する回転検出装置を配設するものである。
本願に開示される着磁装置、着磁方法、およびモータの製造方法によれば、軸方向に対して垂直な着磁面のあるアキシャル方向に着磁した円筒状の永久磁石の表面磁束密度の波形を、内周部、中心部、外周部において、測定する位置によらず角度誤差を低減できる。
実施の形態1に係る永久磁石の平面図と側面図である。 実施の形態1に係る着磁装置の斜視図である。 実施の形態1に係る突極部に印加する磁界と、磁束密度との関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る第1突極部の形状を示す平面図である。 実施の形態1に係る第2突極部の形状を示す平面図である。 実施の形態1に係る着磁装置を着磁コイル側からみた平面図である。 比較例としての着磁装置の平面図である。 実施の形態1に係る着磁装置で着磁した永久磁石の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。 比較例である着磁装置で着磁した永久磁石の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。 実施の形態1に係るモータの断面図である。 実施の形態1に係る台座及び突極部を省略した着磁装置の平面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る永久磁石の着磁装置、着磁方法、およびモータの製造方法を図に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、特に断り無く径方向、周方向、外周側、内周側というときは、着磁装置の径方向、周方向、外周側、内周側をいうものとする。
図1は、着磁装置を用いて着磁する永久磁石60の平面図と側面図である。
図2は、着磁装置100の斜視図である。
図2に示す着磁装置100を用いて着磁する永久磁石60は、円環状であり、その中心軸61に垂直な平面において、中心軸から放射状に、周方向にN極とS極とが周方向に交互に配設されるように24極に着磁されている。永久磁石60の材料は、ネオジムを含む希土類系ボンド磁石である。一例として、外径が直径30mm、内径が直径15mm、厚みが3mmのNd−Fe−B(ネオジム、鉄、ホウ素焼結磁石)系のボンド磁石に着磁するものとして説明する。
なお、永久磁石60は、フェライト焼結、フェライトボンド、ネオジム焼結、サマリウム−コバルト系磁石であってもよい。近年、永久磁石の高特性化に伴い、着磁に必要な磁界が増加している。永久磁石60を着磁するには、高出力、高容量の電源を着磁装置100に使用する必要がある。
次に、着磁装置100について説明する。
着磁装置100は、円柱状の台座部10と台座部10の上に、台座部10の中心軸Oを中心として放射状に、周方向に溝Mを介して交互に配置された第1突極部20a及び第2突極部20bと、第1突極部20a及び第2突極部20bの周囲にそれぞれ巻回され、永久磁石60を着磁するための磁界を発生させる上層の第1着磁コイル30aと下層の第2着磁コイル30bとを備える。着磁装置100の台座部10の直径は、45mmとする。また、第1突極部20a、第2突極部20bが15°ピッチで、周方向に交互に、それぞれ12個、合計24個配置されている。以下、単に着磁コイル30という時は、第1着磁コイル30aと第2着磁コイル30bとの双方を指すものとし、単に突極部20という時は、第1突極部20aと第2突極部20bとの双方を指すものとする。本実施の形態では、第1突極部20aは、永久磁石をN極に、第2突極部20bは、永久磁石をS極に着磁する。ただし、N極とS極は、第1着磁コイル30a、第2着磁コイル30bに流す電流の向きで決まるため、永久磁石の磁極は、N極とS極を逆に着磁してもよい。
突極部20は、台座部10と一体化された強磁性部材からなる。一般的には、純鉄、S45Cなどの炭素鋼、或いはSS400などの一般構造材などの強磁性部材により構成されている。なお、本実施の形態では、突極部20に強磁性部材を用いているが、必ずしも強磁性部材でなくてもよく、樹脂などの常磁性部材で構成されていてもよい。
しかしながら、近年の磁石の高性能化により着磁に必要な磁界が増加しているため、強磁性部材を用いて導線から発生する磁界を高めることが有効である。
図3は、突極部に印加する磁界と磁束密度との関係を示すグラフである。
図3は、一般的に強磁性部材に磁界を印加した場合の、強磁性部材の内部を通る磁束密度と印加した磁界の関係を示しており、磁界が小さい領域において強磁性部材内を通る磁束密度が急激に立ち上がった後、磁界と磁束密度の関係が線形を示し、それぞれが比例するように変化することを示している。
磁束密度が急激に立ち上がる領域において、ある磁界の範囲をΔH、その時の磁束密度の増加分をΔBとした際、μ=ΔB/ΔHを透磁率と呼び、μが大きいほど急峻に磁束密度が立ち上がることになり、より小さい磁界で大きい磁束密度を得ることができる。
さらに大きい磁界をかけた後、磁束密度の上昇が飽和し、真空中、或いは空気中に磁界を印加した場合と同様に、磁界が小さい場合よりもμが小さく、かつ磁界と磁束密度とが直線状となる関係となる。このように、μが高いものほど、導線に通電する電流が小さくても強い着磁磁界を発生することができる。
第1突極部20aと第2突極部20bとは、径方向外側に向かって太くなる涙型をしている。また、双方の断面形状は、やや異なる。
図4は、第1突極部20aの形状を示す平面図である。
図5は、第2突極部20bの形状を平面図である。
なお、説明の都合上、図面に示す角度は、誇張して記載したものであり、実際の角度とは異なる。
図4と図5とを比較すると分かるように、第1突極部20aと第2突極部20bとは形状が異なる。内周部では、第1突極部20aの方が、第2突極部20bよりも周方向の幅が狭く、外周部では、第1突極部の方が、第2突極部20bよりも周方向の幅が広い。ここで、図4に示す第1突極部20aの右隣りに、図5に示す第2突極部20bが配置されているとする。また、図4に示す第1突極部20aの左に存在する溝Mを溝M1とし、図4に示す第1突極部20aと図5に示す第2突極部20bの間に存在する溝Mを溝M2とし、図5に示す第2突極部20bの右に存在する溝Mを溝M3とする。溝M1〜溝M3の間には上述の第1着磁コイル30a、第2着磁コイル30bが挿入されるので溝M1〜溝M3の周方向の幅は同じある。なお、面取りされた断面涙型の突極部を示したが、断面三角形でもよい。
ところで、仮に、第1突極部20aの形状と第2突極部20bの形状とが同じであった場合には、周方向に隣り合う溝M1と溝M2、溝M2と溝M3の、それぞれの中央を径方向に延びる中央線ML1、ML2、ML3のうち、中央線ML1と中央線ML2、中央線ML2と中央線ML3同士が成す角度は、360度を磁極の総数24(永久磁石60の磁極の総数に等しい)で除した値である15度となる。
一方、上述のように、実際には、形状の異なる第1突極部20aと第2突極部20bとが、周方向に交互に並んでいる。次に、各中央線ML1〜ML3上にそれぞれ3点を定義し、周方向に隣り合う2本の中央線上、かつ、図4、図5に示す平面図上での台座部10上の中心O1(全ての突極部20の径方向の中心線の交点でもある)から、径方向に同じ距離にある2点と、中心O1とが成す角度について説明する。
図4及び図5に示す、第1突極部20a及び第2突極部20bの径方向内側端部を通る、中心O1を中心とする円(直径15mm)を円R1とし、同様に第1突極部20a及び第2突極部20bの径方向中央部を通る円(直径22.5mm)を円R2、第1突極部20a及び第2突極部20bの径方向外側端部を通る円(直径30mm)を円R3とする。
まず、図4に示す、第1突極部20aについて述べる。
第1突極部20aの周方向両側には、径方向に延びる溝M1と溝M2とが存在する。
円R2と中央線ML1との交点ML1R2と、中心O1と、円R2と中央線ML2との交点ML2R2とが成す角度20aR2は、15度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値と同じである。
次に、円R1と中央線ML1との交点ML1R1と、O1と、円R1と中央線ML2との交点ML2R1とが成す角度20aR1は、14度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度小さい。
次に、円R3と中央線ML1との交点ML1R3と、中心O1と、円R3と中央線ML2との交点ML2R3とが成す角度20aR3は、16度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度大きい。
次に、図5に示す、第2突極部20bについて述べる。
円R2と中央線ML2との交点ML2R2と、中心O1と、円R2と中央線ML3との交点ML3R2とが成す角度20bR2は、15度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値と同じである。
次に、円R1と中央線ML2との交点ML2R1と、中心O1と、円R1と中央線ML3との交点ML3R1とが成す角度20bR1は、16度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度大きい。
次に、円R3と中央線ML2との交点ML2R3と、中心O1と、円R3と中央線ML3との交点ML3R3とが成す角度20bR3は、14度である。これは、上述した、360度を磁極の総数24で除した値15度よりも1度小さい。
なお、図4、図5では、角度20aR1、20aR3、20bR1、20bR3の角度を、角度20aR2、20bR2の角度からそれぞれ+−1度ずらしているが、放射状の導線の角度が360度/p(pは極数:本実施の形態では24)よりも小さい、または、大きければよく、上記1度に限定されるものではない。
次に、着磁コイル30について詳細を説明する。
図6は、着磁装置100を着磁コイル30側からみた平面図である。
それぞれ、1本の導線からなる第1着磁コイル30aと、第2着磁コイル30bとが、台座部10の上で積み重なって配置されている。台座部10側を下、その反対を上とすると、台座部10の上に第2着磁コイル30bが配設され、その上に第1着磁コイル30aが配設される。第2着磁コイル30bは、第1着磁コイルを表裏反転させた形状をしている。
図2、図6に示すように第1着磁コイル30aは、第1突極部20aの内周側を通って巻回され、24個の溝Mの中を通って、隣り合う第2突極部20bの外周側を通って巻回され、隣の溝Mの中に収納され、これを全ての突極部20に対して繰り返して波状、かつ菊花文様状に折り返して巻回されている。第1着磁コイル30aのうち、外周側で折り返されている部分を外側折り返し部30aoutとし、内周側で折り返されている部分を内側折り返し部30ainとし、外側折り返し部30aoutおよび内側折り返し部30ainに繋がり、溝Mに収納される部分を中間部30as1とする。また、同じ内側折り返し部30ainに繋がり、隣の溝Mに収納される部分を中間部30as2とする。
第2着磁コイル30bは、その巻き始め端部30bsが、第1着磁コイル30aの巻き終わり端部に30aeに接続され、第1着磁コイル30aの巻き終わり端部30aeを収納した溝Mと同じ溝Mから、径方向の逆方向に、第2突極部20bの内周側を通って巻回され、24個の溝Mの中を通って、隣り合う第1突極部20aの外周側を通って巻回され、さらに隣の溝Mの中に収納され、これを全ての突極部20対して繰り返して波状かつ菊花文様状に折り返して巻回されている。
同様に、第2着磁コイル30bのうち、外周側で折り返されている部分を外側折り返し部30boutとし、内周側で折り返されている部分を内側折り返し部30binとし、外側折り返し部30boutおよび内側折り返し部30binに繋がり、溝Mに収納される部分を中間部30bs1とする。また、同じ内側折り返し部30ainに繋がり、隣の溝Mに収納される部分を中間部30bs2とする。
第1着磁コイル30aおよび第2着磁コイル30bはこのように構成されているので、図6に示すように、導線が径方向に折り返される位置(内側折り返し部30ainと内側折り返し部30bin、外側折り返し部30aoutと外側折り返し部30bout)が、第1着磁コイル30aと第2着磁コイル30bとでは、周方向に溝M1つ分(1磁極分)だけずれている。導線は1mmX1mmの断面四角形状であり、各溝Mの内壁面に沿った形状を有する。なお、断面形状は、長方形でもよい。
溝Mに沿って導線を収納するが、各溝Mの幅は、1.2mmである。導線の幅よりも大きくしている。導線に電流を流した際に、絶縁破壊を防止するため、導線と強磁性部材の間には絶縁フィルム、或いは絶縁紙を挿入して絶縁する。また、導線又は強磁性部材、もしくは導線と強磁性部材の両方に電着塗装などの絶縁膜を形成してもよい。この場合は、溝Mの幅は、導線の幅とほぼ等しくてもよい。
上述した各溝Mの構成によれば、各溝Mに収納される第1着磁コイル30aについて、第1突極部20aの周囲を取り囲む部分の角度は、内周側の屈曲して折り返す部分では14度、溝Mの径方向中央部分では15度、溝Mの径方向外周部分では16度となる。
同様に、各溝Mに収納される第2着磁コイル30bについて、第2突極部20b周囲を取り囲む部分の角度は、内周側の屈曲して折り返す部分では16度、溝Mの径方向中央部分では15度、溝Mの径方向外周部分では14度となる。
第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bを構成する導線の内周側の屈曲して折り返す部分の断面形状は、径方向1.5mm×軸方向1mmの長方形であり、外周側屈曲して折り返す部分の断面形状は、径方向2mm×軸方向1mmである。
第1着磁コイル30aを上層に配置し、第2着磁コイル30bを下層に配置しており、第1着磁コイル30aの巻き終わり端部と、第2着磁コイル30bの巻き始め端部が接続されており、2ターンを構成している。なお、ターン数は2ターンに限らず、3ターン、または4ターンでもよい。
また、導線の断面形状は円形でもよく、断面長方形でもよい。市販のマグネットワイヤ―を用いてもよく、より好ましくは着磁コイルの形状精度を確保するために銅板をワイヤーカットなどで加工することが望ましい。銅板からワイヤーカットで精度よく加工でき、導線の位置精度を向上できる。
近年、モータの小型高効率化に伴い、小径で多極の着磁装置が要求され、ヨークの歯、溝の構成が寸法的に困難になってきていることから、着磁コイルの断面寸法をそれほど大きくできないため、通電する電流を増加する必要があるが、電流を10kA/mm^2以上流すと導線が発熱し過ぎたり、ローレンツ力によって導線が力を受けて破断したりする恐れがある。そのため、上述のように着磁コイル30のターン数を増やして対応することが望ましい。
また、上述のように、第1突極部20a、第2突極部20bの間の溝Mに収納されている導線の断面積に比べて、内周側と外周側で折り返されている部分の導線の断面積が大きい。永久磁石60への着磁時には、導線に大電流を通電するため、ローレンツ力により導線に力が発生する。反平行に電流が流れると導線に反発力が働く。
着磁装置100に大電流を流すために、大容量のコンデンサを有する電源をこれに接続する。コンデンサと着磁装置100の間にスイッチを接続し、瞬間的にコンデンサの電荷を着磁装置に流すことで大電流のパルスが着磁装置100の導線に流れる。
そのため、生産ラインで着磁する場合、導線に働く反発力が繰り返し印加される。このとき、着磁コイル30のうち、突極部の内周側と外周側を屈曲して折り返す部分の導線に応力が集中し、導線が破断する可能性がある。そのため、導線を破断しにくくするため、当該部分の断面積を、溝Mに収納される部分の断面積よりも大きくすることで応力を低減し、導線の破断を防止している。ただし、必ずしも必要ではなく、均一な断面積の導線を使用してもよい。
さらに、永久磁石60の着磁時に着磁コイル30の導線が動かないようにするために、突極部20と導線とをエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂で一体化し、突極部20と磁極コイルの導線との間の空間を埋め、導線が動かないようにする。また、着磁コイル30への通電により導線が発熱するため、使用する樹脂が軟化する温度は、摂氏100度以上、望ましくは摂氏150度以上であることが望ましい。また、永久磁石60への着磁時に、樹脂に対して導線から衝撃がかかるため、樹脂には耐衝撃性が必要であり、ガラス粉末などのフィラーを樹脂に混合するとなおよい。
図7は、比較例としての着磁装置100Bの平面図である。
次に、着磁装置100の比較例として着磁装置100Bについて述べる。
着磁装置100と比較例としての着磁装置100Bとの大きな違いは、24個の突極部20Bの形状は全て同一である点である。着磁コイル30Bの構成は、屈曲部の断面積と溝Mの中に収納される部分の断面積とが同じである点以外は、着磁装置100の着磁コイル30と同じである。
図8は、着磁装置100で着磁した永久磁石60の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。縦軸が磁束密度を示し、横軸が磁石の周方向の位置を回転角度として示している。グラフFR1が永久磁石60の直径15mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFR2が永久磁石60の直径22.5mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFR3が永久磁石60の直径30mmの位置の磁束密度の変化を表す。これは、上述の円R1、R2、R3の位置の磁束密度に相当する。なお、それぞれのグラフは、永久磁石60の周方向全体360度の内の、12度から18度までの一部のみを示していて、実際には、N極とS極の磁束密度の分布は、正弦波状となる。
図9は、比較例である着磁装置100Bで着磁した永久磁石の表面から発生する磁束密度の分布の一部を示すグラフである。磁束密度を測定した位置は、上述の永久磁石60と同じである。グラフFRB1が永久磁石の直径15mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFRB2が永久磁石の直径22.5mmの位置の磁束密度の変化を表し、グラフFRB3が永久磁石の直径30mmの位置の磁束密度の変化を表す。いずれの永久磁石も24極であるため、磁極が15度毎にSからN又はその反対に切り替わる。
図8に示すように、本実施の形態の永久磁石60では、直径15mmの位置、30mmの位置共に、磁極が切り替わる角度は、直径22.5mmの位置の表面磁束密度の磁極が切り替わる角度とほぼ一致している。そして、直径15mmと30mmの位置の磁極が切り替わる角度の、直径22.5mmの位置(15度)とのずれは、0.05度程度である。
次に、図9の比較例の永久磁石の場合、直径22.5mmの位置の表面磁束密度分布の磁極の切り替わりの角度は、ほぼ15度であり、直径15mmと30mmの位置の表面磁束密度の磁極の切り替わりの角度のずれは、15度から0.8度であった。このような永久磁石を回転センサ用のセンサマグネットとして使用する場合であって、回転軸に組付けられた後に回転子のマグネットが着磁される場合、回転子マグネットを着磁する時の磁界がセンサマグネットにも印加され、センサマグネットから発生する磁束密度分布が乱れてしまう。センサマグネットの磁極が等間隔でなくなり、回転センサから正しい回転数信号が出力されなくなる。
このように、磁極の切り替わりの角度の径方向の位置によるずれを低減するため、突極部20の内周側で屈曲するように、着磁コイル30を折り返し、各溝Mに挿入される着磁コイル30の導線が成す角度を上述のように変えることが有効であったことが分かる。
次に、永久磁石60を回転検出装置付きモータに搭載した場合を考える。
図10は、モータ80の断面図である。
図10に示すように、固定子鉄心81に複数の固定子コイル82が周方向にほぼ等間隔に配設された固定子85と、複数の永久磁石83が周方向に配設され、外周面が固定子85の内周面に対向するように配設された回転子88と、電源から供給される直流電流を、回転子88を介して転流させるためのトリガーとなる、回転軸89に固定され、回転子88の回転角θを検出するための磁界を発生するセンサマグネットとしての永久磁石60と、このセンサマグネットと対向して配設され、上記磁界に応じた信号を出力する3つのホール素子87を配置する。センサマグネットの着磁方向は、回転軸89の軸方向と平行な方向である。
なお、この適用例では、永久磁石60をセンサ用のマグネットとしているが、アキシャルギャップモータのようにモータを駆動するための永久磁石に適用してもよい。
図11は、着磁装置100Cの平面図である。
また、図11に示すように、着磁装置100Cは、台座部10、第1突極部20a、第2突極部20bを省略し、第1着磁コイル30aと第2着磁コイル30bのみで構成されたものである。このような、着磁装置100Cでも、着磁装置100と同様の効果を奏する。
この場合、これまでの説明で「溝M1、溝M2の中央線ML1、ML2と、円R1〜R3の各交点、中心O1を用いて特定した角度」については、「中心O1」を「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの中心O2」と読み替え、「溝M1、溝M2の中央線ML1、ML2」を「第1着磁コイル30aの、径方向に延び、同じ内側折り返し部30ainに繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部30aoutに繋がる2つの中間部30as1、30as2のそれぞれの中央線SL1、中央線SL2」と読み替え、「円R1」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの内側折り返し部30ain、30binにおける径方向外側端部Q1を通り、前記中心O2を中心とする円R11」と読み替え、「円R3」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの外側折り返し部30aout、30boutにおける径方向内側端部Q3を通り、中心O2を中心とする円R33」と読み替え、「円R2」を、中間部30as1、30as2のそれぞれの径方向の中央部を通り、中心O2を中心とする円R22」と読み替えるとよい。
また、これまでの説明で「溝M2、溝M3の中央線ML2、ML3と、円R1〜R3の各交点、中心O1を用いて特定した角度」については、「中心O1」を「第1着磁コイル30a及び前記第2着磁コイル30bの中心O2」と読み替え、「溝M2、溝M3の中央線ML2、ML3」を「第2着磁コイル30bの、径方向に延び、同じ内側折り返し部30binに繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部30boutに繋がる2つの中間部30bs1、中間部30bs2のそれぞれの中央線PL1、中央線PL2」と読み替え、「円R1」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの内側折り返し部30ain、30binにおける径方向外側端部Q1を通り、前記中心O2を中心とする円R11」と読み替え、「円R3」を、「第1着磁コイル30a及び第2着磁コイル30bの外側折り返し部30aout、30boutにおける径方向内側端部Q3を通り、中心O2を中心とする円R33」と読み替え、「円R2」を、中間部30bs1、30bs2のそれぞれの径方向の中央部を通り、中心O2を中心とする円R22」と読み替えるとよい。
さらに、コイルを固定するために、樹脂などでコイルを覆うことが望ましい。これにより、コイルの変形を防止できる。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
100,100B 着磁装置、10 台座部、20a 第1突極部、
20b 第2突極部、20,20B 突極部、30,30B 着磁コイル、
30a 第1着磁コイル、30b 第2着磁コイル、
30ain,30bin 内側折り返し部、
30aout,30bout 外側折り返し部、
30as1,30as2,30bs1,30bs2 中間部、
R1,R2,R3,R11,R22,R33 円、
20aR1,20aR2,20aR3,20bR1,20bR2,20bR3 角度、
M,M1,M2,M3 溝、
ML1,ML2,ML3,SL1,SL2,PL1,PL2 中央線、
ML1R1,ML1R2 交点、
ML1R3,ML2R1,ML2R2,ML2R3,ML3R1,ML3R2,ML3R3 交点、
O,61 中心軸、O1,O2 中心、Q1 径方向外側端部、Q3 径方向内側端部、60 永久磁石、80 モータ、81 固定子鉄心、82 固定子コイル、
83 永久磁石、85 固定子、87 ホール素子、88 回転子、89 回転軸、
FR1,FR2,FR3,FRB1,FRB2,FRB3 グラフ。
本願に開示される着磁装置は、
円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる、積み重ねられた上層の第1着磁コイル及び下層の第2着磁コイルとを備え、
前記第1着磁コイルは、1本の導線が、平面上において波状かつ菊花文様状に折り返される複数の内側折り返し部と複数の外側折り返し部を有し、
前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルを表裏反転させた形状であり、
前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部と、前記第着磁コイルの各前記内側折り返し部とは、周方向に1磁極分だけずれて配置され、
前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの中心を中心O2とし、
前記第1着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線SL1、中央線SL2とし、
前記第2着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線PL1、中央線PL2とし、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記内側折り返し部における径方向外側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R11とし、
前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記外側折り返し部における径方向内側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R33とするとき、
前記中央線SL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さく、
前記中央線SL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線PL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
前記中央線PL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さいものである。

Claims (7)

  1. 円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
    前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる、積み重ねられた上層の第1着磁コイル及び下層の第2着磁コイルとを備え、
    前記第1着磁コイルは、1本の導線が、平面上において波状かつ菊花文様状に折り返される複数の内側折り返し部と複数の外側折り返し部を有し、
    前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルを表裏反転させた形状であり、
    前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部と、前記第1着磁コイルの各前記内側折り返し部とは、周方向に1磁極分だけずれて配置され、
    前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
    前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの中心を中心O2とし、
    前記第1着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線SL1、中央線SL2とし、
    前記第2着磁コイルの、径方向に延び、同じ内側折り返し部に繋がり、それぞれ周方向反対側の外側折り返し部に繋がる2つの中間部の、それぞれの中央線を中央線PL1、中央線PL2とし、
    前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記内側折り返し部における径方向外側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R11とし、
    前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの前記外側折り返し部における径方向内側端部を通り、前記中心O2を中心とする円を円R33とするとき、
    前記中央線SL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さく、
    前記中央線SL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線SL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
    前記中央線PL1と前記円R11との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R11との交点とが成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも大きく、
    前記中央線PL1と前記円R33との交点、前記中心O2、前記中央線PL2と前記円R33との交点が成す角度は、360度を前記永久磁石の磁極の総数で除した値よりも小さい着磁装置。
  2. 円環状の永久磁石を中心軸に対して放射状に、N極とS極を周方向に交互に配設するように着磁する着磁装置であって、
    台座部と、前記台座部の上に放射状に、溝を介して周方向に交互に配置された第1突極部及び第2突極部と、
    前記第1突極部及び前記第2突極部の周囲にそれぞれ巻回され、前記永久磁石を着磁するための磁界を発生させる第1着磁コイル及び第2着磁コイルとを備え、
    前記第1着磁コイルは、前記第1突極部の内周側を通って巻回され、前記第1突極部と隣り合う前記第2突極部の間の溝の中を通って、隣り合う前記第2突極部の外周側を通って巻回され、さらに隣の溝の中に収納され、全ての前記第1突極部及び前記第2突極部に対して繰り返して波状に巻回されており、
    前記第2着磁コイルの巻き始め端部は、前記第1着磁コイルの巻き終わり端部と接続され、
    前記第2着磁コイルは、前記第1着磁コイルの前記巻き終わり端部を収納した溝と同じ溝から、前記第2突極部の内周側を通って巻回され、前記第2突極部と隣り合う前記第1突極部との間の溝の中を通って、隣り合う前記第1突極部の外周側を通って巻回され、さらに隣の溝の中に収納され、全ての前記第1突極部及び前記第2突極部に対して繰り返して波状に巻回されており、
    前記台座部の中心を中心O1とし、
    前記第1突極部の周方向両側において、径方向に延びる2本の前記溝の中央線をそれぞれ中央線ML1、中央線ML2とし、
    前記第1突極部及び前記第2突極部の径方向内側端部を通り、前記中心O1を中心とする円を円R1とし、
    前記第1突極部及び前記第2突極部の径方向外側端部を通り、前記中心O1を中心とする円を円R3とするとき、
    前記中央線ML1と前記円R1との交点、前記中心O1、前記中央線ML2と前記円R1との交点とが成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも小さく、
    前記中央線ML1と前記円R3との交点、前記中心O1、前記中央線ML2と前記円R3との交点が成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも大きく、
    前記第2突極部の周方向両側において、径方向に延びる2本の前記溝の中央線をそれぞれ前記中央線ML2、中央線ML3とするとき、
    前記中央線ML2と前記円R1との交点、前記中心O1、前記中央線ML3と前記円R1との交点とが成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも大きく、
    前記中央線ML1と前記円R3の交点、前記中心O1、前記中央線ML3と前記円R3との交点が成す角度は、360度を前記第1突極部及び前記第2突極部の総数で除した値よりも小さい着磁装置。
  3. 前記第1突極部及び前記第2突極部は、強磁性部材からなる請求項2に記載の着磁装置。
  4. 前記第1突極部及び前記第2突極部は、軸方向に垂直な断面が、涙型又は三角形である請求項2又は請求項3に記載の着磁装置。
  5. 前記溝の周方向の幅は、前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルの幅と等しい請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の着磁装置。
  6. 前記第1着磁コイルが、前記第1突極部の内周側に及び前記第2突極部の外周側において屈曲して折り返す部分の断面積及び、
    前記第2着磁コイルが、前記第2突極部の内周側及び前記第1突極部の外周側において屈曲して折り返す部分の断面積は、前記溝に収納される部分の断面積よりも大きい請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の着磁装置。
  7. 前記第1着磁コイル及び前記第2着磁コイルは、断面長方形である請求項5又は請求項6に記載の着磁装置。
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