JP2016100441A - 着磁装置、および磁石の製造方法 - Google Patents

着磁装置、および磁石の製造方法 Download PDF

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良輔 山口
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Abstract

【課題】通電回路によって通電されるコイル(1次側コイル)の通電時間の割りに磁場の印加時間を長くすることのできる着磁装置及びこれを用いた磁石の製造方法を提供する。【解決手段】着磁装置20のコア22には、1次側コイル24及び2次側コイル26が巻かれている。通電回路30によって1次側コイル24に直流電圧源32の電圧が印加されると、1次側コイル24に流れる電流が増加するが、2次側コイル26に生じる逆起電力は2次側コイル26に設けられたダイオード28の順方向とは逆となるため、2次側コイル26に電流は流れない。スイッチング素子34が開操作されることで、1次側コイル24に対する通電が終了すると、2次側コイル26に電流が流れる。【選択図】図1

Description

本発明は、着磁装置、および磁石の製造方法に関する。
たとえば特許文献1には、着磁コイルを備える第1のループ回路に通電回路(サイリスタおよびコンデンサ)を配置するとともに、着磁コイルを備えてサイリスタおよびコンデンサを迂回する第2のループ回路にダイオードを備える着磁装置が提案されている。この装置では、サイリスタをオン操作することで、コンデンサが放電され、第1のループ回路に電流が流れることで、着磁コイルに電流が流れる。その後、コンデンサの電圧がゼロとなることで、第2のループ回路に電流が流れ、着磁コイルに電流を流し続けることができる。
特開2008−270274号公報
上記着磁装置では、着磁コイルに電流が流れている期間、この電流に起因して磁束が生じることから、着磁対象である磁石材料に磁場を印加することができる。ここで、磁場の印加期間は、磁石材料の性能を高める上である程度の長さが要求されることがある。一方、着磁コイルに電流が流れる期間が長い場合、発熱量が増大し、これを冷却する要求が大きくなる。ここで、上記の装置では、着磁コイルに電流が流れている期間が磁場の印加期間となることから、着磁装置を冷却する要求が大きくなることを抑制することと磁場の印加期間をある程度長くすることとが互いに背反の関係となっている。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電回路によって通電されるコイルの通電時間の割りに磁場の印加時間を長くすることのできる着磁装置、およびこれを用いた磁石の製造方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.着磁装置は、コアと、該コアに巻かれた1次側コイルと、前記コアに巻かれて且つ前記1次側コイルに対して絶縁された2次側コイルと、前記1次側コイルに通電する通電回路と、前記2次側コイルを流れる電流を一方向に制限する流通規制回路部品とを備え、前記流通規制回路部品は、前記1次側コイルに流れる電流が増加する際に前記2次側コイルに生じる電圧によって該2次側コイルに電流が流れることを規制するものであり、前記通電回路によって前記1次側コイルに流れる電流によって生じる磁束により、磁石材料が着磁される。
上記構成では、通電回路による通電によって1次側コイルに電流が流れると、これにより磁束が生じ、磁石材料に磁束が入って磁石材料を着磁する。換言すれば、磁石材料に磁場が印加される。ここで、通電回路による通電によって1次側コイルに流れる電流が増加すると、2次側コイルの鎖交磁束が増加する。このため、2次側コイルには鎖交磁束の増加を妨げる電流を流すための電圧が生じるが、流通規制回路部品によって電流の流れが規制される。
その後、通電回路による通電が終了すると、1次側コイルに流れる電流の減少に伴って2次側コイルの鎖交磁束が減少しようとする。このため、2次側コイルには、鎖交磁束の減少を妨げる電流を流す電圧が生じる。この電流は、流通規制回路部品によって妨げられることがない。したがって、2次側コイルに電流が流れ、これにより磁束が生じる。2次側コイルに電流が流れることで生じる磁束は、磁石材料に入って磁石材料を着磁する。換言すれば磁石材料に磁場が印加される。すなわち、通電回路によって1次側コイルに通電する期間が終了した後にも、磁石材料に磁場が印加される。
したがって、通電回路によって通電される1次側コイルの通電時間の割りに磁場の印加時間を長くすることができる。
2.上記1記載の着磁装置において、前記1次側コイルのターン数よりも前記2次側コイルのターン数の方が大きい。
1次側コイルに印加する電圧が同一であるなら、1次側コイルのターン数が大きいほど、1次側コイルに流れる電流によって生じる磁束が所望の大きさになるまでに要する時間が長くなる。このため、1次側コイルの通電時間を短縮するうえでは、1次側コイルのターン数を大きくすることに限度が生じる。一方、2次側コイルのターン数を大きくするほど、2次側コイルに流れる電流の減衰速度が低下し、ひいては2次側コイルに電流が流れることで磁石材料に磁場が印加される期間を伸長することができる。このため、上記構成のターン数の設定によれば、1次側コイルの通電期間を極力短くして且つ、2次側コイルに電流が流れることによって磁石材料に磁場が印加される期間を極力長くすることができる。
3.上記1または2記載の着磁装置において、前記流通規制回路部品は、ダイオードである。
上記構成では、流通規制回路部品として、電子操作が不要な素子を用いることで、着磁工程を簡素化することができる。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載の着磁装置において、前記1次側コイルおよび前記2次側コイルが巻かれたコアを複数備え、前記複数のコアのそれぞれに巻かれた前記1次側コイルは、互いに直列接続されている。
上記構成では、複数の1次側コイルが互いに直列接続されているため、それら1次側コイル同士でインピーダンスにばらつきがあったとしても、それらに流れる電流にばらつきが生じることを好適に抑制することができる。このため、各1次側コイルに流れる電流によって生じる磁束の大きさにばらつきが生じることを好適に抑制することができる。
5.永久磁石の形状に内壁が区画された区画部材の中に流動性を付与した磁石材料を充填する充填工程と、前記充填された磁石材料が未だ流動性を有する期間に、上記1〜4のいずれか1項に記載の着磁装置によって前記磁石材料に磁場を印加する着磁工程とを有する磁石の製造方法。
上記のように流動性を有した磁石材料を着磁する場合、着磁工程において配向率を高めることも可能となる。ただし、配向率を高める上では、磁場の印加期間をある程度長くすることが要求される。この点、上記構成の着磁装置を用いることで、磁場の印加期間を十分に確保しやすい。
一実施形態にかかる着磁装置および埋込磁石型ロータを示す図。 同実施形態にかかる1次側コイルおよび2次側コイルの関係を示す図。 (a)〜(c)は、同実施形態にかかる着磁処理を示すタイムチャート。 同実施形態の変形例にかかる着磁装置を示す図。
以下、着磁装置および磁石の製造方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すロータ10は、埋込磁石同期機(IPMSM)を構成する。このIPMSMは、電動パワーステアリング装置(EPS)に内蔵されるものである。ロータ10は、円筒状をなしている。ロータ10は、ロータコア12を備えている。ロータコア12は、電磁鋼板を複数積層して形成されている。ロータコア12は、ロータ10の軸方向(紙面に垂直な方向)に貫通する挿入孔14を、10個備えている。これらは、軸方向に直交する断面形状が略U字状の形状である。挿入孔14には、永久磁石の材料である磁石材料16が充填されている。磁石材料16は、磁粉と樹脂との混合物であるボンド磁石であり、これを高温にして流動性を付与することで挿入孔14に充填される。
本実施形態では、挿入孔14内の磁石材料16が流動性を有している期間に、磁石材料16に磁場を印加して磁石材料16を着磁することで、磁石材料16が着磁された永久磁石の着磁率のみならず、配向率をも向上させることを狙っている。ここで、配向率は、磁化容易方向が磁石材料16を着磁して生成された永久磁石の表面に垂直な方向に揃っている度合いのこととする。配向率が低い場合、着磁によって最終的にN極から出てS極に入る磁束の磁束密度が低下する。一方、着磁率は、磁石材料16を構成する磁粉内の局所的な領域の磁気モーメント(着磁方向)が磁化容易方向のうちの一方の方向に揃っている度合いのこととする。すなわち、配向率が高くても、一対の磁化容易方向のいずれか一方に着磁方向が揃っている度合いが低ければ、永久磁石のN極から出てS極に入る磁束の磁束密度が低下する。本実施形態では、着磁工程の終了後の残留磁化を、配向率を高く保った状態で磁石材料16全体を磁気飽和させた後の残留磁化に近づけることを試みる。これにより、IPMSMの速度起電力係数を大きくすることができ、ひいては所定の大きさの電流を流した際のIPMSMの発生トルクを大きくすることができる。
着磁装置20は、挿入孔14に充填された磁石材料16に磁場を印加してこれを着磁する装置である。着磁装置20は、磁場の発生源として電磁石を利用したものである。これは、磁場の発生源として、永久磁石を用いる場合、磁石材料16を着磁することで得られる永久磁石の着磁率や配向率を十分に高くすることが困難であるために選択されたものである。
ここで、磁場の発生源が永久磁石である場合、磁石材料16から生成される永久磁石の着磁率や配向率を十分に高く保つことが困難である理由としては、たとえば次のものがある。すなわち、ロータコア12の外周側から回転中心O側へと磁石材料16を延ばすことで磁石材料16の面積を拡大した構成の場合、ロータコア12に磁束が入る際の面積Saよりも磁束を入れたい磁石材料16の面積Sbの方が大きくなるために、ロータコア12に入る磁束密度よりも磁石材料16に入る磁束密度の方が低くなるというものである。ちなみに、磁場の発生源である永久磁石として、その磁束の磁束密度が、磁石材料16を着磁して生成される永久磁石に関して理想とされる磁束密度よりも大きくなるものを選択可能である。ただし、残留磁化よりも飽和磁化の方が大きくなることに加えて、面積Saよりも面積Sbの方がある程度大きい場合には、永久磁石を用いて磁石材料16を着磁すると、磁石材料16に与える磁束の磁束密度が不十分となりやすい。
着磁装置20は、ティースを構成する複数のコア22を備えている。着磁装置20のコア22は、電磁鋼板によって形成されている。着磁装置20のコア22は、挿入孔14に充填された磁石材料16のそれぞれに対向するように配置されるため、挿入孔14の数に等しい数(ここでは、10個)だけ設けられている。着磁装置20のコア22のそれぞれには、1次側コイル24が巻かれている。1次側コイル24のターン数n1は、着磁装置20のコア22同士で互いに等しく設定されている。各コア22に巻かれる1次側コイル24は、隣接する一対のコア22のそれぞれに巻かれるものの一方と他方とのそれぞれが発生する磁束の方向が、ロータ10の径方向内側となるものと外側となるものとのそれぞれとなるように設定されている。これは、図1に磁束線Lmfとして例示するように、隣接する一方のコア22に巻かれる1次側コイル24からロータ10のロータコア12に入った磁束が、他方のコア22に巻かれた1次側コイル24に入るようにするための設定である。
さらに、各コア22に巻かれた1次側コイル24は、互いに直列接続されている。これは、各コア22に巻かれた1次側コイル24同士でインピーダンスにばらつきがある場合であっても、1次側コイル24に循環電流が流れる事態を回避するためのものである。すなわち、各コア22に巻かれた1次側コイル24を互いに並列接続する場合、インピーダンスのばらつきに起因して、1次側コイル24に流れる電流にばらつきが生じる。そしてこの場合、隣接する一対の1次側コイル24に流れる電流によって生成される磁束にばらつきが生じることから、1次側コイル24の鎖交磁束と同1次側コイル24を流れる電流とを整合させるように、1次側コイル24内に起電力が生じ、ひいては1次側コイル24に循環電流が流れる。
着磁装置20の各コア22には、さらに、1次側コイル24と絶縁された2次側コイル26が巻かれている。2次側コイル26の両端には、ダイオード28が接続されている。ダイオード28は、2次側コイル26を流れる電流を一方向に規制するための流通規制回路部品である。
詳しくは、図2に示すように、ダイオード28は、1次側コイル24に電流Iが流れることで生じる磁束(図中、磁束密度Bにて示す)によって、2次側コイル26の鎖交磁束が増加するときに、この増加を打ち消す逆起電力によって2次側コイル26に電流が流れることを阻止するものである。なお、2次側コイル26のターン数n2は、1次側コイル24のターン数n1よりも大きい値に設定されている。なお、図2には、1次側コイル24のターン数n1が「1」であり、2次側コイル26のターン数n2が「3」であるように記載しているが、これは、ターン数n1とターン数n2との大小関係を例示するためのものに過ぎず、各ターン数n1,n2の値を限定する意図はない。
図1に示すように、着磁装置20は、1次側コイル24に電流を流す通電回路30を備えている。通電回路30は、たとえば昇圧回路やコンデンサ等で構成された直流電圧源32と、直流電圧源32の正極および負極と1次側コイル24の直列接続体の一対の端部のそれぞれとを接続したループ回路を開閉するスイッチング素子34とを備えている。また、通電回路30は、スイッチング素子34を開閉操作するコントローラ36を備えている。
ここで、本実施形態の作用について、図3を参照しつつ説明する。なお、図3(a)は、スイッチング素子34の開閉状態の推移を示し、図3(b)は、1次側コイル24を流れる電流Iの推移を示し、図3(c)は、着磁装置20の各コア22からロータ10のロータコア12に入る磁束の推移を示す。なお、図3(c)に実線で示す磁束の推移は、1次側コイル24に電流Iが流れることによって生成される磁束に関するものであり、一点鎖線にて示す磁束の推移は、2次側コイル26に電流が流れることによって生成される磁束に関するものである。
図3に示すように、挿入孔14に磁石材料16が充填される充填工程の途中の時刻t1にスイッチング素子34が閉操作されることで、着磁工程が開始される。すなわち、スイッチング素子34が閉操作されると、1次側コイル24を流れる電流Iが増加し、これに伴い1次側コイル24からロータコア12に入る磁束が上昇する。ここで、ロータコア12に入る磁束の大きさは、1次側コイル24のターン数n1と1次側コイル24を流れる電流Iとに応じて定まる。このため、ターン数n1や電流Iを大きくすることで、着磁用の永久磁石を用いた場合よりも、ロータコア12に入る磁束を大きくすることができる。なお、この際、2次側コイル26には、同2次側コイル26の鎖交磁束が増加するため逆起電力が生じるが、この逆起電力がダイオード28の順方向とは逆であることから、2次側コイル26には電流が流れない。
そして、時刻t2にスイッチング素子34が開操作されると、1次側コイル24に流れる電流Iは迅速に減少してゼロとなる。1次側コイル24に流れる電流Iが減少すると、1次側コイル24に電流Iが流れることに起因して生じる磁束が減少する。これにより、2次側コイル26の鎖交磁束が減少することから、2次側コイル26には、鎖交磁束の減少を妨げる逆起電力が生じる。この逆起電力は、ダイオード28の順方向であるため、2次側コイル26に電流が流れ、これにより磁束が生じる。2次側コイル26を流れる電流は、1次側コイル24に流れる電流によって生成される磁束の減少に伴って増加し、ひいては、2次側コイル26に電流が流れることによって生成される磁束が上昇する。そして、1次側コイル24を流れる電流Iがゼロとなった後には、2次側コイル26の内部抵抗やダイオード28における損失に起因して、2次側コイル26を流れる電流が漸減し、2次側コイル26に流れる電流によって生成される磁束も漸減する。ちなみに、スイッチング素子34が開操作されている期間は、1次側コイル24は発熱しないことから、これを冷却しやすい期間となる。
なお、2次側コイル26を流れる電流の漸減速度は、ターン数n2等によって調整可能である。本実施形態では、磁石材料16の流動性が配向率を上昇させやすい規定値以上である期間において、磁束の大きさが所定値以上となるように減衰速度が設定される。ここで所定値は、配向率を高める上で要求される値の下限値に基づき設定される。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)2次側コイル26を備えることで、1次側コイル24に流れる電流Iがゼロとなった後にも、2次側コイル26に流れる電流によって磁石材料16に磁場を印加することができる。このため、1次側コイル24に対する通電時間(電流Iが流れる時間)の割りに、磁石材料16に磁場を印加する期間を長くすることができる。
(2)1次側コイル24のターン数n1よりも2次側コイル26のターン数n2を大きくした。これにより、1次側コイル24の通電期間を極力短くして且つ、磁石材料16に磁場が印加される期間を極力長くすることができる。
すなわち、1次側コイル24に印加される電圧が同一であるなら、1次側コイル24のターン数n1が大きいほど、1次側コイル24に流れる電流によって生じる磁束が所望の大きさになるまでに要する時間が長くなる。これは、1次側コイル24を、1次側コイル24のインダクタンスLと内部抵抗RのLR直列回路と見なして説明するなら、電流の時定数が、「L/R」となるためである。ここで、インダクタンスLは、ターン数n1の2乗に比例する一方、1次側コイル24の電気経路の長さがターン数n1に比例することに鑑みれば、内部抵抗Rはターン数n1の1乗に比例する。このため、時定数は、ターン数n1が大きいほど大きくなる。したがって、1次側コイル24の通電時間を短縮するうえでは、1次側コイル24のターン数n1を大きくすることに限度が生じる。
一方、2次側コイル26のターン数n2を大きくするほど、2次側コイル26を流れる電流の減衰速度を定める時定数が大きくなることから、2次側コイル26に流れる電流の減衰速度が低下し、ひいては2次側コイル26に電流が流れることで磁石材料16に磁場が印加される期間を伸長することができる。
なお、2次側コイル26のターン数n2を1次側コイル24のターン数n1よりも大きくする場合、2次側コイル26に流れる電流は、1次側コイル24を流れる電流よりも小さくなる一方、各コア22に巻かれる1次側コイル24の抵抗値よりも2次側コイル26の抵抗値の方が大きくなる。しかし、電流が流れることによる発熱量は、抵抗の1乗に比例して且つ電流の2乗に比例することに鑑みれば、1次側コイル24に電流を流す期間よりも2次側コイル26に電流を流す期間を長くした方が、発熱量を低減しやすいとも考えられる。
(3)2次側コイル26にダイオード28を接続することで、2次側コイル26に対する通電開始タイミングが、1次側コイル24の通電停止タイミングによって自動的に定まる。このため、着磁工程を簡素化することができる。
(4)各ロータコア12のそれぞれに対向して配置される1次側コイル24を全て直列接続した。これにより、1次側コイル24同士でインピーダンスにばらつきがあったとしても、それらに流れる電流にばらつきが生じることを好適に抑制することができる。このため、各1次側コイル24に流れる電流によって生じる磁束の大きさにばらつきが生じることを好適に抑制することができる。
また、上記対向して配置される1次側コイル24を全て直列接続する場合、並列接続する場合と比較して、直流電圧源32の端子電圧が同一なら、1次側コイル24に流れる電流の上昇速度が小さくなる。このため、1次側コイル24の通電時間を極力短縮する上では、1次側コイル24のターン数n1を大きくすることに大きな制約が生じる。このため、上記のように、1次側コイル24のターン数n1よりも2次側コイル26のターン数n2を大きくすることのメリットが特に大きい。
(5)2次側コイル26を、各コア22毎に独立に巻いた。このため、各コア22に巻かれる2次側コイル26を直列接続する場合と比較して、コア22間を結ぶ電気経路だけ2次側コイル26の合計の電気経路長を短くすることができるため、発熱量を低減することができる。
(6)磁石材料16に流動性が付与されている状態で着磁工程を開始した。この場合、着磁工程において磁石材料16の配向率を高めることも可能となる。ただし、配向率を高めるうえでは、磁石材料16の流動性が規定値以上である間は、着磁工程において強い磁場を印加することが望ましい。これに対し、仮に、1次側コイル24のみを用いて磁石材料16に磁場を印加する場合には、磁石材料16に強い磁場を印加することのできる時間を長くすることが困難となり、ひいては配向率を十分に上昇させることが困難となる。ちなみに、配向率の高い焼結磁石であって且つ磁気モーメントが2方向にランダムに付与されることで着磁率が低下している焼結磁石を着磁する場合には、強い磁場を印加することが要求される時間は、本実施形態において強い磁場を印加することが要求される時間よりも短い傾向にある。このため、磁石材料16に流動性が付与されている状態で着磁工程を開始する本実施形態では、2次側コイル26を備えることのメリットが特に大きい。
(7)ロータ10を、EPS内蔵のIPMSMに適用した。EPS内蔵のIPMSMは、極対数が多くなる傾向にあることから、図1に示した面積Saを広くすることが難しく、ロータ10の径方向から永久磁石によって磁場を印加したのでは、着磁率が低下しやすい。このため、磁場の発生源として電磁石を用いることのメリットが特に大きい。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。ちなみに、「課題を解決するための手段」に記載された「永久磁石の形状に内壁が区画された区画部材」は、上記実施形態における図1のロータコア12が対応する。
・「1次側コイルについて」
上記実施形態では、着磁装置20の複数のティースを構成するそれぞれのコア22に巻かれる1次側コイル24を全て直列に接続したがこれに限らない。たとえば、コア22同士が隣接する2つの1次側コイル24を直列として1組として且つ、これら1組の2次側コイル26同士を並列接続してもよい。また、たとえば着磁装置20の複数のティースを構成するそれぞれのコア22に巻かれる1次側コイル24を全て並列接続してもよい。また、並列接続に代えて、1次側コイル24の数だけ独立に直流電圧源32を用意し、1次側コイル24のそれぞれに専用の直流電圧源を割り当ててもよい。
・「2次側コイルについて」
上記実施形態では、着磁装置20の複数のティースを構成するそれぞれのコア22に巻かれる2次側コイル26同士を互いに絶縁したがこれに限らない。たとえば、これらを直列に接続してもよい。
単一のコア22に巻かれる2次側コイル26の数は、1個に限らない。たとえば互いに絶縁された2個の2次側コイルであってもよい。この際、それら2次側コイル同士のターン数を互いに異ならせてもよい。
・「ターン数について」
上記実施形態では、1次側コイル24のターン数n1よりも2次側コイル26のターン数n2を大きい値に設定したがこれに限らない。たとえば、ターン数n1とターン数n2とを等しくしてもよい。またたとえば、ターン数n1をターン数n2よりも大きくしてもよい。こうした場合であっても、1次側コイル24のみを用いる場合と比較して、2次側コイル26を併用する場合には、1次側コイル24の通電時間よりも磁場の印加期間を伸長させることができることには相違ない。
・「磁場の印加方向について」
ロータ10の径方向にコア22を対向させることで、径方向から磁場を印加するものに限らない。たとえば、ロータ10の軸方向から磁場を印加するものであってもよい。図4に、これを実現する着磁装置20を例示する。なお、図4において、図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図4に示すように、着磁装置20のうち複数のティースを構成するコア22は、着磁工程において着磁装置20に対向して配置されるロータ10の軸方向に延びるようにして形成され、ロータ10の周方向に均等に配置されている。そして、コア22には、1次側コイル24および2次側コイル26が巻かれている。なお、図4では、コア22の平面図を示しており、2次側コイル26よりも紙面上方側に1次側コイル24が配置されることを想定しているため、2次側コイル26が記載されていない。
・「流通規制回路部品について」
ダイオードに限らず、サイリスタを用いてもよい。この場合、スイッチング素子34のオフ操作に同期してサイリスタをオン操作すればよい。また、単一の素子に限らない。たとえば、一対のMOS電界効果トランジスタを、そのボディーダイオードのカソード同士を短絡させて直列接続したものであってもよい。この場合、スイッチング素子34のオフ操作に同期して上記一対のトランジスタをオン操作すればよい。このように電子操作を要する部品を利用することには、同部品がダイオードよりも損失が少ない場合には、2次側コイル26を流れる電流の漸減速度を低下させることができるメリットがある。
・「通電回路について」
図1においては、直列接続された複数の1次側コイル24に単一の直流電圧源32によって電圧を印加したがこれに限らない。たとえば、直流電圧源32の並列接続体によって、直列接続された複数の1次側コイル24に電圧を印加してもよい。
・「着磁装置について」
図1においては、1次側コイル24よりもコア22の径方向内側に2次側コイル26を配置したがこれに限らない。たとえば、2次側コイル26よりもコア22の径方向内側に1次側コイル24を配置してもよい。またたとえば、1次側コイル24上に2次側コイル26を巻いてもよい。
コア22としては電磁鋼板の積層体に限らない。たとえば、パーメンジュールや圧粉磁心等によって形成されたものであってもよい。
・「着磁対象について」
ロータ10の永久磁石(磁石材料16)の数としては、図1に例示したものに限らない。この際、複数であることも必須ではない。
着磁対象としては、流動性を有した磁石材料に限らず、たとえば、焼結磁石等であってもよい。
・「充填工程と着磁工程との関係について」
図3に例示したものに限らない。たとえば、着磁工程の開始タイミングを、充填工程の終了タイミングとしてもよく、また、スイッチング素子34の開操作タイミング(t2)以降に、充填工程の終了タイミングがくるようにしてもよい。
10…ロータ、12…ロータコア、14…挿入孔、16…磁石材料、20…着磁装置、22…コア、24…1次側コイル、26…2次側コイル、28…ダイオード、30…通電回路、32…直流電圧源、34…スイッチング素子、36…コントローラ。

Claims (5)

  1. コアと、
    該コアに巻かれた1次側コイルと、
    前記コアに巻かれて且つ前記1次側コイルに対して絶縁された2次側コイルと、
    前記1次側コイルに通電する通電回路と、
    前記2次側コイルを流れる電流を一方向に制限する流通規制回路部品とを備え、
    前記流通規制回路部品は、前記1次側コイルに流れる電流が増加する際に前記2次側コイルに生じる電圧によって該2次側コイルに電流が流れることを規制するものであり、
    前記通電回路によって前記1次側コイルに流れる電流によって生じる磁束により、磁石材料が着磁される着磁装置。
  2. 前記1次側コイルのターン数よりも前記2次側コイルのターン数の方が大きい請求項1記載の着磁装置。
  3. 前記流通規制回路部品は、ダイオードである請求項1または2記載の着磁装置。
  4. 前記1次側コイルおよび前記2次側コイルが巻かれたコアを複数備え、
    前記複数のコアのそれぞれに巻かれた前記1次側コイルは、互いに直列接続されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の着磁装置。
  5. 永久磁石の形状に内壁が区画された区画部材の中に流動性を付与した磁石材料を充填する充填工程と、
    前記充填された磁石材料が未だ流動性を有する期間に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の着磁装置によって前記磁石材料に磁場を印加する着磁工程とを有する磁石の製造方法。
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