JPWO2020044565A1 - 診断装置、診断方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

構造物20に設けられた複数のセンサ21から、構造物20に発生する振動を表す振動情報を取得し、振動情報を用いて固有振動モード形状を表す固有振動モード情報を生成する生成部2と、構造物20に対して振動を与えた回数と、振動を与えた場合に正常な固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な固有振動モード形状の発生率を算出する発生率算出部3と、発生率と基準値とに基づいて、構造物に対する補修補強効果の有無を診断する診断部4と、を有する診断装置1である。

Description

本発明は、構造物の診断に用いられる診断装置、診断方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
近年、橋梁の老朽化が社会的問題となっており、老朽化した橋梁に対して補修工事、補強工事が実施されている。そして、橋梁に対してそれらの工事を実施した場合、実施した工事により橋梁に補修補強による効果が現れているか否かを診断することが重要である。
関連する技術として、特許文献1には、精度よく橋脚の健全度を評価する健全性評価装置が開示されている。開示された健全性評価装置によれば、橋梁又は高架橋を車両が通過する場合、橋軸方向の加速度振幅と、橋軸方向と直交な橋軸直角方向の加速度振幅とを取得する。そして、その健全性評価装置は、橋軸直角方向の加速度振幅の最大値を、橋軸方向の加速度振幅の最大値で除して、加速度振幅比を算出し、加速度振幅比を用いて橋脚の健全性を診断する。
また、特許文献2には、橋脚の強度劣化を診断に利用できる信号処理方法が開示されている。開示された信号処理方法によれば、橋脚の振動により発生した信号を用いて固有振動数を算出し、固有振動数と基準値との比較に基づいて、強度劣化を診断する。
また、特許文献3には、構造物の地震対策の効果を判定する対策効果判定装置が開示されている。開示された対策効果判定装置によれば、対策前後の構造物の常時微動より得られた常時微動に関する時間領域のデータそれぞれをスペクトル変換し、変換したスペクトルを用いてスペクトル比を算出する。そして、スペクトル比と振動数との関係を用いて、補修補強対策効果があるか否かを診断する。
また、非特許文献1には、橋梁に対する補修補強に対する効果を診断する方法が提案されている。非特許文献1によれば、橋梁のコンクリート床版の補修補強に対する診断をする方法として、たわみ量(変位量)計測などを用いる。
特開2015−078554号公報 特開2007−270552号公報 特開平10−253491号公報
市川友範、外四名、「内部に水平ひび割れを有する道路橋床版の補修・補強とその効果」、道路橋床版シンポジウム論文報告集、2012年6月、p.111−117
しかしながら、特許文献1においては、加速度振幅比を用いて、橋梁に対する健全性の診断をしている。また、特許文献2においては、固有振動数を用いて、橋梁に対する強度劣化の診断をしている。また、特許文献3においては、スペクトル比と振動数との関係を用いて、構造物に対する補修補強の診断をしている。そのため、剛性が大きい構造物である橋梁などの場合、特許文献1から3を用いても、補修補強に対する診断を精度よく行うことができない。
また、非特許文献1についても同様に、たわみ量計測は、たわみ量が小さい橋梁においては、精度よく診断を行うことができない。すなわち、剛性が大きい構造物である橋梁などの場合、すなわちたわみ量が小さい場合、補修補強に対する診断を精度よく行うことができない。
本発明の目的の一例は、構造物の診断を精度よく行う診断装置、診断方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一側面における診断装置は、
構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生する振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を表す固有振動モード情報を生成する、生成部と、
前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、発生率算出部と、
前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、診断部と、
を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における診断方法は、
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を有することを特徴とする。
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータに、
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を実行させるプログラムを記録していることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、構造物の診断を精度よく行うことができる。
図1は、診断装置の一例を示す図である。 図2は、診断装置を有するシステムの一例を示す図である。 図3は、センサが計測した加速度の一例を示す図である。 図4は、加速度を時間領域から周波数領域に変換したことを示す図である。 図5は、固有振動モード形状の一例を示す図である。 図6は、診断装置の動作の一例を示す図である。 図7は、診断装置の動作の一例を示す図である。 図8は、診断装置を実現するコンピュータの一例を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を参照しながら説明する。
[装置構成]
最初に、図1を用いて、本実施の形態における診断装置1の構成について説明する。図1は、診断装置1の一例を示す図である。
図1に示す診断装置1は、構造物の診断を精度よく行うための装置である。また、図1に示すように、診断装置1は、生成部2と、発生率算出部3と、診断部4とを有する。
このうち、生成部2は、構造物に設けられた複数のセンサから、構造物に発生する振動を表す振動情報を取得し、振動情報を用いて固有振動モード形状を表す固有振動モード情報を生成する。なお、構造物は、少なくとも砂、水、セメントを用いて凝固させた硬化物(コンクリート、又はモルタルなど)、又は金属、又はそれらを用いて構築された構造物である。また、構造物は、建築物全体、又はその一部である。更に、構造物は、機械類の全体、又はその一部である。
発生率算出部3は、構造物に対して振動を与えた回数と、振動を与えた場合に正常な固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な固有振動モード形状の発生率を算出する。なお、固有振動モードは、例えば、一次振動モードなどを用いることが望ましい。
診断部4は、発生率と基準値とに基づいて、構造物に対する補修補強効果の有無を診断する。具体的には、あらかじめ構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を基準値とし、基準値と実施した後に算出した発生率とに基づいて、構造物の補修補強効果の有無を診断する。
このように、本実施の形態においては、固有振動モード形状を用いて算出した発生率を用いて、構造物に対する補修補強効果の有無を診断できるので、構造物の剛性が大きい場合でも、構造物に対する補修補強効果を精度よく診断できる。そのため、特許文献1から3、非特許文献1に開示された装置より、構造物の診断を精度よく行うことができる。
[システム構成]
続いて、図2、図3、図4、図5を用いて、本実施の形態における診断装置1についてより具体的に説明する。図2は、診断装置を有するシステムの一例を示す図である。図3は、センサが計測した加速度の一例を示す図である。図4は、加速度を時間領域から周波数領域に変換したことを示す図である。図5は、固有振動モード形状の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施の形態におけるシステムは、生成部2、発生率算出部3、診断部4に加えて、複数のセンサ21(21aから21n)と、収集部22とを有する。なお、生成部2は、区間設定部23と、抽出部24と、モード形状生成部25とを有する。
図2に示すシステムでは、例えば、構造物20(床版)上を、進入側から退出側へ、複数回、車両30を走行させて、構造物20に対して複数回の振動を与える。また、図2の例では、車両30が継ぎ目Pを通過することで、継ぎ目Pを支点として、構造物20に衝撃が加わり、構造物20が振動をする。
構造物20は、図2の例では、多径間構造橋梁の床版である。ただし、構造物20は構成する部材は、床版に限らない。また、車両30は、構造物20に対して振動を与えるため用いられるための装置である。ただし、振動を与える装置は、車両30に限らない。例えば、振動を与える装置は、あらかじめ準備した起振機でもよい。又は、あらかじめ準備した錘を落下させることで、振動を与えてもよい。ただし、上述した方法に限定されるものではない。
センサ21は、構造物20に取り付けられ、構造物20の少なくとも振動の大きさを計測し、計測した振動の大きさを示す振動情報を有する信号を診断装置1へ送信する。例えば、三軸加速度センサ、ファイバセンサなどを用いることが考えられる。
具体的には、図2に示すように、構造物20に取り付けられた複数のセンサ21それぞれは、取り付けられた位置において加速度を計測する。続いて、複数のセンサ21それぞれは、計測した加速度を示す振動情報を有する信号を、診断装置1へ送信する。なお、センサ21それぞれと診断装置1とのやり取りには、有線通信又は無線通信などを用いる。また、振動情報は、例えば、加速度と、加速度を計測した日時とを関連付けた情報である。
収集部22は、構造物20に取り付けられた複数のセンサ21それぞれから、有線通信又は無線通信などを用いて送信された振動情報を受信する。その後、収集部22は、収集した振動情報を、生成部2へ出力する。
生成部2は、センサ21それぞれから収集した振動情報それぞれに対して減衰自由振動区間を設定する。そして、生成部2は、それら設定した減衰自由振動区間における振幅情報を時間領域から周波数領域に変換する。その後、生成部2は、変換した減衰自由振動区間における周波数ごとの振幅のうち、振幅が最大値となる周波数の振幅・位相情報を用いて、固有振動モード形状を表す固有振動モード情報を生成する。
具体的には、生成部2が有する区間設定部23は、まず、収集部22から、センサ21aから21nそれぞれが計測した加速度を表す振動情報を取得する。続いて、区間設定部23は、センサ21nが計測した加速度が閾値Thを超えたか否かを判定する。区間設定部23は、加速度が閾値Thを超えている場合、加速度が閾値Thを超えた時点(開始日時ts)から、所定時間経過した時点(終了日時te)までの時間に含まれる区間を減衰自由振動区間tdとする。続いて、区間設定部23は、センサ21aから21mそれぞれが計測した振動情報に対しても、減衰自由振動区間tdを設定する。
図3に示す波形がセンサ21nにより計測された波形である場合、加速度が閾値Thを超えた時点(開始日時ts)から所定時間経過した時点(終了日時te)までの時間内に減衰自由振動区間tdを設定する。また、区間設定部23は、センサ21aから21mそれぞれが計測した振動情報に対しても、減衰自由振動区間tdを設定する。
次に、生成部2が有する抽出部24は、センサ21aから21nそれぞれに対して設定した減衰自由振動区間において、振幅情報(加速度)を時間領域から周波数領域に変換(例えば、フーリエ変換など)する。そして、抽出部24は、センサ21aから21nそれぞれに対して、振幅が所定値以上となる周波数を抽出する。
図4に示す波形が、センサ21aから21nのいずれかに対応する減衰自由振動区間の振幅を周波数領域に変換した波形である場合、振幅が最大値となる周波数f1±αを抽出する。周波数f1から所定周波数αずれていても、所定周波数αを計測誤差などとして周波数f1と見做すことができる。抽出する周波数f1は、例えば、振幅が最大値となる周波数であることが望ましいが、最大値に対応する周波数でなくてもよい。
次に、生成部2が有するモード形状生成部25は、センサ21aから21nそれぞれついて抽出した周波数f1に対して、抽出した周波数f1に関係する振幅・位相情報を用いて、固有振動モード形状を生成する。例えば、図5に示すような、センサ21aから21nに対応する固有振動モード形状を生成する。
発生率算出部3は、構造物20に対して振動を与えた回数と、振動に対して正常な固有振動モード形状が発生した回数とを用いて、固有振動モード形状の発生率を算出する。具体的には、発生率算出部3は、まず、生成した固有振動モード形状が、あらかじめ設定されている基準となる固有振動モード形状に類似しているか否かを判定する。
発生率算出部3は、生成した固有振動モード形状が、基準となる固有振動モード形状に類似している場合、固有振動モードが発生したものとする。ここで、あらかじめ設定されている基準となる固有振動モード形状に類似しているとは、例えば、図5に示す閾値Th1と閾値Th2との間(破線間)に、固有振動モード形状が含まれている場合などである。
又は、あらかじめ設定されている基準となる固有振動モード形状に類似しているとは、例えば、基準となる固有振動モード形状と生成した固有振動モード形状とのMAC(Modal Assurance Criteria)が、あらかじめ決められた閾値より大きい場合である。ただし、上述した方法に限定されるものではない。
続いて、発生率算出部3は、構造物20上を車両30が走行した回数N(振動を与えた回数)と、振動に対して固有振動モード形状が発生した回数Mとを用いて、固有振動モード形状の発生率(M/N×100[%])を算出する。なお、発生率は、比率(M/N)などでもよい。
診断部4は、あらかじめ構造物20に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を基準値とし、当該基準値と構造物20に対して補修補強を実施した後に算出した発生率とに基づいて、構造物20の補修補強効果の有無を診断する。具体的には、診断部4は、固有振動モード形状の発生率が、基準値より大きくなれば、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。
理由は、構造物20に対して補修補強を実施する前は、構造物20が異常状態であるため、基準となる固有振動モード形状が発生しにくいため、固有振動モード形状の発生率が小さくなる。それに対して、構造物20に対して補修補強を実施した後は、構造物20が正常状態であるため、固有振動モード形状の発生率が大きくなるためである。
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態における診断装置1の動作について図6、図7を用いて説明する。図6、図7は、診断装置の動作の一例を示す図である。以下の説明においては、適宜図2から図5を参酌する。また、本実施の形態では、診断装置1を動作させることによって、診断方法が実施される。よって、本実施の形態における診断方法の説明は、以下の診断装置1の動作説明に代える。
図6に示すように、収集部22は、構造物20に設けられた複数のセンサ21(21aから21n)から、構造物20に発生した振動(例えば、加速度など)を表す振動情報を受信する(ステップA1)。
続いて、生成部2は、収集した振動情報を用いて、センサ21それぞれについて減衰自由振動区間を設定する。そして、生成部2は、それら設定した減衰自由振動区間における振幅情報を、時間領域から周波数領域に変換する。その後、生成部2は、減衰自由振動区間における周波数ごとの振幅のうち、振幅が所定値以上となる周波数を抽出し、抽出した周波数に関係する振幅・位相情報を用いて、固有振動モード形状を生成する(ステップA2)。ステップA2の詳細については、図7を用いて後述する。
ステップA2の処理について詳細に説明する。
図7における、ステップB1において、区間設定部23は、構造物20に設けられている退出側センサ21nの振幅情報を用いて、開始日時を特定する。具体的には、図3に示すように、区間設定部23は、退出側センサ21nが計測した加速度が閾値Thを超えたか否かを判定する。
ステップB2において、区間設定部23は、加速度が閾値Thを超えていた場合、加速度が閾値Thを超えた時点(開始日時ts)から所定時間経過した時点(終了日時te)に含まれる時間を、減衰自由振動区間tdとする。例えば、図3に示す波形がセンサ21nにより計測された波形である場合、加速度が閾値Thを超えた開始日時ts以降から終了日時teまでの時間において、減衰自由振動区間を設定する。更に、区間設定部23は、センサ21aから21mそれぞれに対しても、減衰自由振動区間を設定する。
ステップB3において、抽出部24は、センサ21aから21nそれぞれに対して設定した減衰自由振動区間において、振幅情報(加速度)を時間領域から周波数領域に変換する。続いて、ステップB4において、抽出部24は、センサ21aから21nそれぞれについて振幅が所定値以上となる周波数を抽出する。例えば、図4に示すように、波形がセンサ21aから21nのいずれかに対応する場合、振幅が最大値となる周波数f1を抽出する。
ステップB5において、モード形状生成部25は、センサ21aから21nそれぞれについて抽出した周波数に対して、抽出した周波数の振幅・位相情報を用いて、固有振動モード形状を生成する。例えば、図5に示すような、センサ21aから21nに対応する固有振動モード形状を生成する。
次に、生成部2は、構造物20に所定回数Mの振動を与えたか否かを判定する。所定回数Mの振動が与えられた場合(ステップA3:Yes)、ステップA4の処理に移行する(ステップA3)。生成部2は、所定回数Mの振動がまだ与えられていない場合(ステップA3:No)、ステップA1の処理に移行する(ステップA3)。
次に、発生率算出部3は、構造物20に対して振動を与えた回数Mと、振動を与えた場合に正常な固有振動モード形状が生成された回数Nとに基づいて、固有振動モード形状の発生率を算出する(ステップA4)。
ステップA4の処理について具体的に説明する。
ステップA4において、発生率算出部3は、まず、生成した固有振動モード形状が、あらかじめ設定されている基準となる固有振動モード形状に類似しているか否かを判定する。
続いて、発生率算出部3は、生成した固有振動モード形状が、基準となる固有振動モード形状に類似している場合、固有振動モードが発生したものとする。例えば、図5に示すあらかじめ設定した、閾値Th1と閾値Th2との間(破線間)に、固有振動モード形状が含まれている場合などである。
続いて、発生率算出部3は、構造物20上を車両30が走行した回数N(振動を与えた回数)と、振動に対して固有振動モード形状が発生した回数Mとを用いて、固有振動モード形状の発生率(M/N×100[%])を算出する。なお、発生率は、比率(M/N)などでもよい。
次に、診断部4は、あらかじめ構造物20に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を基準値とし、基準値と構造物20に対して補修補強を実施した後に算出した発生率とに基づいて、構造物20の補修補強効果の有無を診断する(ステップA5)。
具体的には、診断部4は、固有振動モード形状の発生率が、基準値より大きくなれば、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。例えば、診断部4は、正常な固有振動モード形状の発生率100[%]で、基準値が65[%]であれば、発生率100[%]は基準値65[%]より大きいので、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。
[変形例1]
変形例1について説明する。変形例1では、構造物20に構造が類似した他の構造物について、他の構造物に対して補修補強を実施する前の算出した発生率を基準値とする。診断部4は、当該基準値と構造物20に対して補修補強を実施した後に算出した発生率とに基づいて、構造物20の補修補強効果の有無を診断する。具体的には、診断部4は、正常な固有振動モード形状の発生率が、基準値よりも大きくなれば、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。
診断ができる理由は、構造物20に構造が類似した補修補強を実施する前の他の構造物は、異常状態であるため、基準となる固有振動モード形状になり難いため、正常な固有振動モード形状の発生率が小さいくなる。それに対して、構造物20に対して補修補強を実施した後は、構造物20が正常状態であるため、正常な固有振動モード形状の発生率が大きくなるためである。
[変形例2]
変形例2について説明する。変形例2では、診断部4は、構造物20が完成した当初の発生率を基準値とし、当該基準値と、補修補強を実施した後に算出した発生率とに基づいて、構造物20の補修補強効果の有無を診断する。具体的には、診断部4は、正常な固有振動モード形状の発生率が、基準値と同じ値又は近い値であれば、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。
診断ができる理由は、構造物20が完成した当初の発生率と、構造物20に対して補修補強を実施した後の正常な固有振動モード形状の発生率とは、同じ又は近い値となるためである。
[本実施の形態の効果]
以上のように本実施の形態によれば、固有振動モード形状を用いて算出した発生率を用いて、構造物に対する補修補強効果の有無を診断できるので、構造物の剛性が大きい場合でも、構造物に対する補修補強効果を精度よく診断できる。
また、構造物が橋梁である場合、加速度振幅比、固有振動数、スペクトル比と振動数との関係、たわみ量を用いても、補修補強効果を精度よく診断を行うことができないが、剛性が大きく、たわみ量が小さくても、橋梁の補修補強に対する診断を精度よく行うことができる。
また、構造物が橋梁である場合、その橋梁の形式に寄らず、本実施の形態に示した診断を適用可能である。具体的には、桁橋、吊橋、トラス橋、ラーメン橋などへ適用できる。
また、構造物が橋梁である場合、その橋梁の使用材料に寄らず、本実施の形態に示した診断を適用可能である。具体的には、鋼橋、RC橋、PC橋などへ適用できる。
また、構造物が橋梁である場合、その橋梁の主桁の種類に寄らず、本実施の形態に示した診断を適用可能である。具体的には、T桁橋、箱桁橋、I桁橋などへ適用できる。
また、構造物に対する補修補強効果を精度よく診断できるので、構造物に対する補修補強工事を合理化できるとともに、高度化することがでる。
[プログラム]
本発明の実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図6に示すステップA1からA5、図7に示すステップB1からB5、を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における診断装置と診断方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、生成部2(区間設定部23、抽出部24、モード形状生成部25)、発生率算出部3、診断部4として機能し、処理を行なう。
また、本実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、生成部2(区間設定部23、抽出部24、モード形状生成部25)、発生率算出部3、診断部4のいずれかとして機能してもよい。
[物理構成]
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、診断装置1を実現するコンピュータについて図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態における診断装置1を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
図8に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていてもよい。
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
なお、本実施の形態における診断装置1は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、診断装置1は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
[付記]
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)から(付記15)により表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
(付記1)
構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生する振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を表す固有振動モード情報を生成する、生成部と、
前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、発生率算出部と、
前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、診断部と、
を有することを特徴とする診断装置。
(付記2)
付記1に記載の診断装置であって、
前記診断部は、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
ことを特徴とする診断装置。
(付記3)
付記1又は2に記載の診断装置であって、
前記固有振動モード形状は一次振動モードである
ことを特徴とする診断装置。
(付記4)
付記1から3のいずれか一つに記載の診断装置であって、
前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
ことを特徴とする診断装置。
(付記5)
付記1から3のいずれか一つに記載の診断装置であって、
前記構造物は橋梁の床版である
ことを特徴とする診断装置。
(付記6)
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を有することを特徴とする診断方法。
(付記7)
付記6に記載の診断方法であって、
前記(c)のステップにおいて、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
ことを特徴とする診断方法。
(付記8)
付記7又は8に記載の診断方法であって、
前記固有振動モード形状は一次振動モードである
ことを特徴とする診断方法。
(付記9)
付記7から9のいずれか一つに記載の診断方法であって、
前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
ことを特徴とする診断方法。
(付記10)
付記7から9のいずれか一つに記載の診断方法であって、
前記構造物は橋梁の床版である
ことを特徴とする診断方法。
(付記11)
コンピュータに、
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記12)
付記11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記(c)のステップにおいて、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記13)
付記11又は12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記固有振動モード形状は一次振動モードである
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記14)
付記11から13のいずれか一つに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記15)
付記11から13のいずれか一つに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記構造物は橋梁の床版である
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
以上のように本発明によれば、構造物の診断を精度よく行うことができる。また、本発明は、構造物の診断を精度よく行う分野において有用である。例えば、構造物が橋梁である場合、その橋梁の形式に寄らず、桁橋、吊橋、トラス橋、ラーメン橋などの診断に有用である。また、橋梁の使用材料に寄らず、鋼橋、RC橋、PC橋などの診断に有用である。更に、橋梁の主桁の種類に寄らず、T桁橋、箱桁橋、I桁橋などの診断に有用である。
1 診断装置
2 生成部
3 発生率算出部
4 診断部
20 構造物
21 センサ
22 収集部
23 区間設定部
24 抽出部
25 モード形状生成部
30 車両
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
本発明は、構造物の診断に用いられる診断装置、診断方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
本発明の目的の一例は、構造物の診断を精度よく行う診断装置、診断方法、及びプログラムを提供することにある。
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における診断方法は、
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を有することを特徴とする。
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは
コンピュータに、
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
発生率算出部3は、構造物に対して振動を与えた回数と、振動を与えた場合に正常な固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な固有振動モード形状の発生率を算出する。なお、固有振動モード形状は、例えば、一次振動モードなどを用いることが望ましい。
発生率算出部3は、生成した固有振動モード形状が、基準となる固有振動モード形状に類似している場合、固有振動モード形状が発生したものとする。ここで、あらかじめ設定されている基準となる固有振動モード形状に類似しているとは、例えば、図5に示す閾値Th1と閾値Th2との間(破線間)に、固有振動モード形状が含まれている場合などである。
続いて、発生率算出部3は、構造物20上を車両30が走行した回数N(振動を与えた回数)と、振動に対して固有振動モード形状が発生した回数Mとを用いて、正常な固有振動モード形状の発生率(M/N×100[%])を算出する。なお、発生率は、比率(M/N)などでもよい。
診断部4は、あらかじめ構造物20に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を基準値とし、当該基準値と構造物20に対して補修補強を実施した後に算出した発生率とに基づいて、構造物20の補修補強効果の有無を診断する。具体的には、診断部4は、正常な固有振動モード形状の発生率が、基準値より大きくなれば、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。
理由は、構造物20に対して補修補強を実施する前は、構造物20が異常状態であるため、基準となる固有振動モード形状が発生しにくいため、正常な固有振動モード形状の発生率が小さくなる。それに対して、構造物20に対して補修補強を実施した後は、構造物20が正常状態であるため、正常な固有振動モード形状の発生率が大きくなるためである。
続いて、発生率算出部3は、生成した固有振動モード形状が、基準となる固有振動モード形状に類似している場合、正常な固有振動モード形状が発生したものとする。例えば、図5に示すあらかじめ設定した、閾値Th1と閾値Th2との間(破線間)に、固有振動モード形状が含まれている場合などである。
続いて、発生率算出部3は、構造物20上を車両30が走行した回数N(振動を与えた回数)と、振動に対して固有振動モード形状が発生した回数Mとを用いて、正常な固有振動モード形状の発生率(M/N×100[%])を算出する。なお、発生率は、比率(M/N)などでもよい。
具体的には、診断部4は、正常な固有振動モード形状の発生率が、基準値より大きくなれば、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。例えば、診断部4は、正常な固有振動モード形状の発生率100[%]で、基準値が65[%]であれば、発生率100[%]は基準値65[%]より大きいので、構造物20の補修補強効果が有ったと診断する。
(付記6)
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を有することを特徴とする診断方法。
(付記8)
付記又はに記載の診断方法であって、
前記固有振動モード形状は一次振動モードである
ことを特徴とする診断方法。
(付記9)
付記からのいずれか一つに記載の診断方法であって、
前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
ことを特徴とする診断方法。
(付記10)
付記からのいずれか一つに記載の診断方法であって、
前記構造物は橋梁の床版である
ことを特徴とする診断方法。
(付記11)
コンピュータに、
(a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
(b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
(c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
を実行させるプログラム。
(付記12)
付記11に記載のプログラムであって、
前記(c)のステップにおいて、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
ことを特徴とするプログラム
(付記13)
付記11又は12に記載のプログラムであって、
前記固有振動モード形状は一次振動モードである
ことを特徴とするプログラム
(付記14)
付記11から13のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
ことを特徴とするプログラム
(付記15)
付記11から13のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記構造物は橋梁の床版である
ことを特徴とするプログラム

Claims (15)

  1. 構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生する振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を表す固有振動モード情報を生成する、生成手段と、
    前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、正常な前記固有振動モード形状の発生率を算出する、発生率算出手段と、
    前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、診断手段と、
    を有することを特徴とする診断装置。
  2. 請求項1に記載の診断装置であって、
    前記診断手段は、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
    ことを特徴とする診断装置。
  3. 請求項1又は2に記載の診断装置であって、
    前記固有振動モード形状は一次振動モードである
    ことを特徴とする診断装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の診断装置であって、
    前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
    ことを特徴とする診断装置。
  5. 請求項1から3のいずれか一つに記載の診断装置であって、
    前記構造物は橋梁の床版である
    ことを特徴とする診断装置。
  6. (a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
    (b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
    (c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
    を有することを特徴とする診断方法。
  7. 請求項6に記載の診断方法であって、
    前記(c)のステップにおいて、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
    ことを特徴とする診断方法。
  8. 請求項6又は7に記載の診断方法であって、
    前記固有振動モード形状は一次振動モードである
    ことを特徴とする診断方法。
  9. 請求項6から8のいずれか一つに記載の診断方法であって、
    前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
    ことを特徴とする診断方法。
  10. 請求項6から8のいずれか一つに記載の診断方法であって、
    前記構造物は橋梁の床版である
    ことを特徴とする診断方法。
  11. コンピュータに、
    (a)構造物に設けられた複数のセンサから、前記構造物に発生した振動を表す振動情報を取得し、前記振動情報を用いて固有振動モード形状を生成する、ステップと、
    (b)前記構造物に対して振動を与えた回数と、前記振動を与えた場合に正常な前記固有振動モード形状が生成された回数とに基づいて、前記固有振動モード形状の発生率を算出する、ステップと、
    (c)前記発生率と基準値とに基づいて、前記構造物に対する補修補強効果の有無を診断する、ステップと、
    を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記(c)のステップにおいて、あらかじめ前記構造物に対して補修補強を実施する前に算出した発生率を前記基準値とし、前記基準値と補修補強を実施した後に算出した前記発生率とに基づいて、補修補強効果の有無を診断する
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 請求項11又は12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記固有振動モード形状は一次振動モードである
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 請求項11から13のいずれか一つに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記構造物は多径間構造橋梁の部材である
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. 請求項11から13のいずれか一つに記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記構造物は橋梁の床版である
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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