JPWO2019176913A1 - ヘテロファジックプロピレン重合材料 - Google Patents

ヘテロファジックプロピレン重合材料 Download PDF

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Abstract

プロピレン共重合体(I)と、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)と、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料。プロピレン共重合体(I):プロピレン以外のオレフィンに由来する単量体単位の含有量が0.05重量%以上10重量%未満であり、極限粘度[η]Iが、1.50dL/g未満であるプロピレン共重合体。エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2):エチレンに由来する単量体単位の含有量が10重量%以上30重量%以下であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度より高い極限粘度であるエチレン−α−オレフィン共重合体。

Description

本発明は、ヘテロファジックプロピレン重合材料に関する。
ヘテロファジックプロピレン重合材料は、その特長を生かし、自動車部品、家電製品、食品・医療容器、建材・土木産業材などの分野に広く利用されている。例えば、特許文献1には、プロピレン単独重合体部分と、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分とを含有するヘテロファジックプロピレン重合材料が開示されている。
特開2008−208306号公報
近年、上記分野において、多様なデザインの樹脂成形体が使用され、各種デザインを表現可能な材料が求められている。例えばシボ意匠面を有する黒色成形体とした場合に、より黒く見える成形体が得られるヘテロファジックプロピレン重合材料が求められている。
本発明の目的は、シボ意匠面を有する黒色成形体とした場合に、より黒く見える成形体が得られるヘテロファジックプロピレン重合材料を提供することにある。
本発明は,以下の重合材料を提供する。
[1]下記プロピレン共重合体(I)と、下記エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)と、下記エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料であって、
プロピレン共重合体(I)の極限粘度[η]が、1.50dL/g未満であるヘテロファジックプロピレン重合材料。

プロピレン共重合体(I):プロピレンに由来する単量体単位と、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、
エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位の含有量が0.05重量%以上10重量%未満である(但し、プロピレン共重合体(I)の全重量を100重量%とする)プロピレン共重合体。

エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1):エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、
エチレンに由来する単量体単位の含有量が10重量%以上30重量%以下である(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の全重量を100重量%とする)エチレン−α−オレフィン共重合体。

エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2):エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、
エチレンに由来する単量体単位の含有量が10重量%以上30重量%以下であり(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の全重量を100重量%とする)、
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度より高い極限粘度であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
[2][1]に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料であって、
該ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン不溶成分の極限粘度[η]CXISに対するキシレン可溶成分の極限粘度[η]CXSの比([η]CXS/[η]CXIS)が、1.0以上であるヘテロファジックプロピレン重合材料。
[3]エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の含有量をa重量%、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の含有量をa重量%(ただし、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量を100重量%とする)、
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量をb重量%(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の全重量を100重量%とする)、
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量をb重量%(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の全重量を100重量%とする)として、
下記式(3)を満たす[1]または[2]に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料。

X=(a+a)/(a+a) (1)
Y=a+a (2)
Y≦4.37X−32.4 (3)

[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料と、熱可塑性エラストマー(III)とを含むプロピレン樹脂組成物。
[5]充填材(D)を更に含む[4]に記載のプロピレン樹脂組成物。
[6][1]〜[3]のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料と、充填材(D)とを含むプロピレン樹脂組成物。
[7][1]〜[3]のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料を含む成形体。
[8][4]〜[6]のいずれか一項に記載のプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
本発明によれば、シボ意匠面を有する黒色成形体とした場合に、より黒く見える成形体が得られるヘテロファジックプロピレン重合材料を提供することができる。
<ヘテロファジックプロピレン重合材料の構成>
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料は、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるプロピレン重合材料である。
プロピレン共重合体(I)は、プロピレンに由来する単量体単位と、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位の含有量が、該プロピレン共重合体(I)の全重量100重量%に対して、0.05重量%以上10重量%未満であるプロピレン共重合体である。前記の少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位の含有量は、好ましくは4重量%以上7重量%以下である。
プロピレン共重合体(I)の極限粘度[η]は、1.50dL/g未満である。流動性の観点から、プロピレン共重合体(I)の極限粘度[η]は、好ましくは1.0dL/g以下であり、より好ましくは0.95dL/g以下である。[η]は、好ましくは0.7dL/g以上であり、より好ましくは0.8以上である。
プロピレン共重合体(I)の極限粘度[η]は、例えば、プロピレン共重合体(I)を製造する際の水素濃度を調整することによって調整することができる。プロピレン共重合体(I)を製造する際の水素濃度を高くすることにより、[η]を小さくすることができる。
本明細書において、極限粘度は、温度135℃、テトラリン中で測定される極限粘度であり、参考文献「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491項に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。還元粘度は、温度135℃、テトラリン溶媒の条件で、ウベロ−デ型粘度計により、濃度0.1g/dL、0.2g/dL、および0.5g/dLの3点を測定する。
プロピレン共重合体(I)として、例えば、
(1)プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90重量%より多く99.95重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が0.05重量%以上10重量%未満であるプロピレン−エチレン共重合体(但し、該プロピレン−エチレン共重合体の全重量を100重量%とする);
(2)プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90重量%より多く99.95重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が0.05重量%以上10重量%未満であり、炭素原子数4以上12以下のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が0重量%より多く10重量%未満であるプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(但し、該プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量を100重量%とする);および
(3)プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90重量%より多く99.95重量%以下であり、炭素原子数4以上12以下のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が0.05重量%以上10重量%未満であるプロピレン−α−オレフィン共重合体(但し、該プロピレン−α−オレフィン共重合体の全重量を100重量%とする)が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)は、エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、エチレンに由来する単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の全重量100重量%に対して、10重量%以上30重量%以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体である。前記のエチレンに由来する単量体単位の含有量は、好ましくは15重量%以上25重量%以下であり、より好ましくは18重量%以上25重量%以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)は、エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、エチレンに由来する単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の全重量100重量%に対して、10重量%以上30重量%以下であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度より高い極限粘度であるエチレン−α−オレフィン共重合体である。前記のエチレンに由来する単量体単位の含有量は、好ましくは15重量%以上25重量%以下であり、より好ましくは18重量%以上25重量%以下である。
プロピレン共重合体(I)、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位は、炭素数4以上12以下のα−オレフィンから導かれ、その具体例としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、および2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンであり、より好ましくは1−ブテンである。
プロピレン共重合体(I)は、一例において、ランダム共重合体であってもよい。また、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)は、一例において、ランダム共重合体であってもよい。
プロピレン共重合体(I)としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体、およびプロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられ、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、およびエチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、またはエチレン−1−オクテン共重合体であり、より好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体である。
本明細書において、ヘテロファジックプロピレン重合材料の具体例を、”(プロピレン共重合体(I))−(エチレン−α−オレフィン共重合体)ヘテロファジック重合材料”と記載する。例えば、”(エチレン−プロピレン)−(エチレン−プロピレン)ヘテロファジック重合材料”との記載は、プロピレン共重合体(I)がエチレン−プロピレン共重合体であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)がエチレン−プロピレン共重合体であるヘテロファジックプロピレン重合材料を意味する。
ヘテロファジックプロピレン重合材料のプロピレン共重合体(I)がエチレン−プロピレン共重合体である場合、該重合材料としては、例えば、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−プロピレン)ヘテロファジック重合材料、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−プロピレン−1−ブテン)ヘテロファジック重合材料、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−プロピレン−1−オクテン)ヘテロファジック重合材料、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−1−ブテン)ヘテロファジック重合材料、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−1−オクテン)ヘテロファジック重合材料等が挙げられる。
ヘテロファジックプロピレン重合材料として、好ましくは、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−プロピレン)ヘテロファジック重合材料、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−プロピレン−1−ブテン)ヘテロファジック重合材料、(エチレン−プロピレン)−(エチレン−1−ブテン)ヘテロファジック重合材料、または(エチレン−プロピレン)−(エチレン−1−オクテン)ヘテロファジック重合材料である。
本明細書において、ヘテロファジックプロピレン重合材料の”キシレン不溶成分”とは、ヘテロファジックプロピレン重合材料に含まれるp−キシレンに不溶な成分であって、下記方法により得られる固形物を意味する。
ヘテロファジックプロピレン重合材料2gを、沸騰しているp−キシレン2000mLに完全に溶解して溶液を得、次いで該溶液を25℃まで降温し放置し、25℃の溶液中に析出した固形物。
本明細書において、ヘテロファジックプロピレン重合材料の”キシレン可溶成分”とは、ヘテロファジックプロピレン重合材料中のキシレン不溶成分以外の成分を意味する。
本発明に係るヘテロファジックプロピレン重合材料は、該ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン不溶成分の極限粘度[η]CXISに対するキシレン可溶成分の極限粘度[η]CXSの比([η]CXS/[η]CXIS)が、1.0以上であることが好ましい。[η]CXS/[η]CXISは、より好ましくは1.1以上であり、さらに好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.3以上である。
[η]CXS/[η]CXISは、例えば、プロピレン共重合体(I)、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)を製造する際の水素濃度を調整することによって調整することができる。各共重合体を製造する際、水素濃度を高くすると該共重合体の極限粘度を小さくすることができ、水素濃度を低くすると該共重合体の極限粘度を大きくすることができる。[η]CXS/[η]CXISを1.0以上とする方法として、プロピレン共重合体(I)の極限粘度を、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の少なくとも一方の極限粘度より小さくする方法が挙げられ、好ましくは、プロピレン共重合体(I)の極限粘度を、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の極限粘度より小さくする方法である。そのようになるように、各共重合体を製造する際の水素濃度を調整する。
本発明に係るヘテロファジックプロピレン重合材料は、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の含有量をa重量%、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の含有量をa重量%(ただし、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量を100重量%とする)、
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量をb重量%(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の全重量を100重量%とする)、
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量をb重量%(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の全重量を100重量%とする)として、
下記式(3)を満たすことが好ましい。
X=(a+a)/(a+a) (1)
Y=a+a (2)
Y≦4.37X−32.4 (3)
式(3)は、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)を製造する際の重合温度、重合圧力、および滞留時間を調整することによって調整することができる。重合温度を高くすると、該リアクターで製造される共重合体の含有量を増加させることができる。重合圧力を高くすると、該リアクターで製造される共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量を増加させることができる。滞留時間を長くすると、該リアクターで製造される共重合体の含有量を増加させることができる。
Xは好ましくは17以上23以下である。Yは好ましくは30以上50以下であり、より好ましくは40以上50以下であり、さらに好ましくは42以上50以下である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の合計含有量は、好ましくは20重量%以上70重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上60重量%以下であり、さらに好ましくは30重量%以上50重量%以下である(但し、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量を100重量%とする)。ヘテロファジックプロピレン重合材料に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の含有量は、好ましくは5重量%以上15重量%以下である(但し、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量を100重量%とする)。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の135℃テトラリン中で測定した極限粘度は、好ましくは0.1dL/g以上5dL/g以下であり、より好ましくは1.0dL/g以上5.0dL/g以下であり、さらに好ましくは1.5dL/g以上4.0dL/g以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の135℃テトラリン中で測定した極限粘度は、好ましくは5.0dL/g以上10dL/g以下であり、より好ましくは5.0dL/g以上9.0dL/g以下であり、さらに好ましくは5.0dL/g以上8.0dL/g以下である。エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の極限粘度は、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度より高く、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の極限粘度とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度との差は、好ましくは4dL/g〜8dL/gである。
ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン可溶成分の極限粘度[η]CXSは、好ましくは0.1dL/g以上10dL/g以下であり、より好ましくは1.0dL/g以上5.0dL/g以下であり、さらに好ましくは1.5dL/g以上4.0dL/g以下である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン可溶成分の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4.0以上であり、より好ましくは5.0以上、さらに好ましくは6.0以上、さらに好ましくは7.0以上である。ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン可溶成分の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは50以下である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料中のエチレンに由来する単量体単位の含有量は、好ましくは8重量%以上30重量%以下であり、より好ましくは9重量%以上25重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以上20重量%以下である(但し、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量を100重量%とする)。
ヘテロファジックプロピレン重合材料およびその組成物のメルトフローレートは、好ましくは1g/10分以上100g/10分以下であり、より好ましくは2g/10分以上80g/10分以下であり、さらに好ましくは3g/10分以上60g/10分以下である。当該メルトフローレートは、JIS K6758に規定された方法に従い、230℃、2.16kg荷重で測定される。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料およびその組成物は、一例において、後述の実施例に記載の方法で求めたアイゾット衝撃強度が、好ましくは3.0kJ/m以上、より好ましくは3.5kJ/m以上、さらに好ましくは4.0kJ/m以上である。この値が大きいほど、低温衝撃特性に優れる。
<ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法>
プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とを、逐次重合により同一のリアクターで製造してヘテロファジックプロピレン重合材料を得てもよいし、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とを連続する多段リアクターにおいて逐次で製造してヘテロファジックプロピレン重合材料を得てもよいし、それぞれ別々のリアクターで製造したプロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とをブレンドしてもよい。ブレンド方法としては、溶液状態でのブレンド、および溶融状態でのブレンド等が挙げられる。
プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)は、連続する多段リアクターにおいて逐次で製造すること(多段重合)が好ましい。多段リアクターの数は特に限定されないが、例えば、プロピレン共重合体(I)の重合では6段、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の重合では2段とすることができる。プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とのいずれを先に重合してもよい。多段重合して得られるヘテロファジックプロピレン重合材料は、別々のリアクターで製造した成分をブレンドして得られる材料よりも、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とがより均質に分散しているため、低温衝撃特性などの物性がより高いという特性を有する。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
<製造方法1>
下記工程(1−1)と下記工程(1−2)とを含むヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
工程(1−1):プロピレン重合触媒の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)を得る工程。
工程(1−2):前記プロピレン共重合体(I)の存在下、多段重合方法により、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
<製造方法2>
下記工程(2−1)と下記工程(2−2)とを含むヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
工程(2−1):プロピレン重合触媒の存在下、多段重合方法により、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)を得る工程。
工程(2−2):前記エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
<製造方法1−1>
下記工程(1−1)と下記工程(1−2−1)と下記工程(1−2−2)とを含むヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
工程(1−1):プロピレン重合触媒の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)を得る工程。
工程(1−2−1):前記プロピレン共重合体(I)の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)との混合物を得る工程。
工程(1−2−2):前記混合物の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
<製造方法1−2>
下記工程(1−1)と下記工程(1−2−3)と下記工程(1−2−4)とを含むヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
工程(1−1):プロピレン重合触媒の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)を得る工程。
工程(1−2−3):前記プロピレン共重合体(I)の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)との混合物を得る工程。
工程(1−2−4):前記混合物の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
製造方法2は、より具体的には、以下の製造方法2−1または製造方法2−2である。
<製造方法2−1>
下記工程(2−1−1)と下記工程(2−1−2)と下記工程(2−2)とを含むヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
工程(2−1−1):プロピレン重合触媒の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)を得る工程。
工程(2−1−2):エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の混合物を得る工程。
工程(2−2):前記混合物の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
<製造方法2−2>
下記工程(2−1−3)と下記工程(2−1−4)と下記工程(2−2)とを含むヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
工程(2−1−3):プロピレン重合触媒の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)を得る工程。
工程(2−1−4):エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の混合物を得る工程。
工程(2−2):前記混合物の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
工程(1−2−1)、工程(1−2−2)、工程(1−2−3)、工程(1−2−4)、工程(2−1−1)、工程(2−1−2)、工程(2−1−3)、および工程(2−1−4)はそれぞれ独立に、多段重合であってもよく、一段の重合であってもよい。
多段重合方法とは、直列に接続された複数の反応領域において、重合触媒の存在下、モノマーを重合する重合方法であって、下記工程a〜工程cを含む重合方法である。
工程a:最上流の第1の反応領域へ、重合触媒とモノマーとを供給し、該モノマーを重合することにより、重合体を得る工程。
工程b:第1の反応領域で得られた重合体を、第1の反応領域に接続された第2の反応領域へ移送する工程
工程c:前記第2の反応領域へモノマーを供給し、前記第1の反応領域で得られた重合体の存在下、モノマーを重合することにより、重合体を得る工程
直列に接続された反応領域の数が3以上の場合、第3の反応領域以降の反応領域においても、前記工程bおよび前記工程cに相当する工程を行う。
多段重合としては、
1つの反応器中に1つの反応領域を有する反応器が直列に複数接続されたシステム中で行う場合と、
1つの反応器中に複数の反応領域を有する反応器中で行う場合と、
1つの反応器中に1つの反応領域を有する反応器と、1つの反応器中に複数の反応領域を有する反応器とが接続されたシステム中で行い場合と、が挙げられる。
1つの反応器中に複数の反応領域を有する反応器としては、多段噴流層型反応器が挙げられる。
多段重合方法における反応領域の数は特に限定されない。前記工程(1−1)、または前記工程(2−2)では、多段重合方法の反応領域の数は6〜10が好ましい。前記工程(1−2)、または前記工程(2−1)では、多段重合方法の反応領域の数は2〜5が好ましい。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法では、固体触媒成分および有機アルミニウム化合物の存在下、少量のオレフィン(本来の重合(通常、本重合と言われる)で使用されるオレフィンのうちの少なくとも1つ)を重合させ(生成されるオレフィン重合体の分子量を調節するために水素のような連鎖移動剤を用いてもよいし、外部電子供与体を用いてもよい)、該オレフィンの重合体で表面が覆われた触媒成分を生成させる工程(該重合は通常、予備重合と言われ、したがって該触媒成分は通常、予備重合触媒成分と言われる)を含んでもよい。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法では、以下に記載するプロピレン重合触媒を用いることが好ましい。
一実施形態において、固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物とを例えば公知の方法によって接触させることによって得られるプロピレン重合触媒を用いることができる。また、別の実施形態において、固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、外部電子供与体とを接触させることによって得られるプロピレン重合触媒を用いることができる。
固体触媒成分として以下に記載する固体触媒成分を用いることが好ましい。
モノエステル化合物、脂肪族ジカルボン酸エステル化合物、ジオールジエステル化合物、β−アルコキシエステル化合物およびジエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも一種の内部電子供与体と、チタン原子と、マグネシウム原子と、ハロゲン原子とを含み、
下記要件(I)〜(IV)を満たす、オレフィン重合用固体触媒成分。
(I)規格ISO15901−1:2005に従い水銀圧入法により測定される全細孔容積が0.95〜1.80mL/gであり、規格ISO15901−1:2005に従い水銀圧入法により測定される比表面積が60〜170m/gであること。
(II)規格ISO13320:2009に従い、レーザ回折・散乱法により測定される体積基準の粒子径分布において、10μm以下である成分の累積百分率が6.5%以下であること。
(III)規格ISO15472:2001に従い、X線光電子分光法により得られる酸素原子の1s軌道に帰属されるピークを波形分離して得られるピーク成分のうち、結合エネルギーが532eV以上534eV以下の範囲にピークトップを有するピーク成分の面積(F)に対する、結合エネルギーが529eV以上532eV未満の範囲にピークトップを有するピーク成分の面積(G)の比(G/F)が0.33以下であること。
(IV)チタン含有量が1.50〜3.40wt%であること。
このような固体触媒成分は、例えば、ハロゲン化チタン化合物および溶媒を含むハロゲン化チタン化合物溶液と、マグネシウム化合物とを接触させ、固体生成物を含むスラリーを得る工程(I)を有し、当該工程(I)において、下記式(2)で表されるCに対する下記式(1)で表されるAの比(A/C)が、3以下である、固体触媒成分の製造方法によって製造することができる。
A=a/b (1)
a:ハロゲン化チタン化合物溶液に含まれるハロゲン化チタン化合物の体積(mL)
b:ハロゲン化チタン化合物溶液に含まれる溶媒の体積(mL)
C=a/c (2)
a:ハロゲン化チタン化合物溶液に含まれるハロゲン化チタン化合物の体積(mL)
c:固体生成物を含むスラリーに含まれる溶媒の体積(mL)
内部電子供与体として用いられるモノエステル化合物としては、芳香族カルボン酸エステル化合物および脂肪族カルボン酸エステル化合物が好ましい。芳香族カルボン酸エステル化合物としては、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ペンチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸オクチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸プロピル、トルイル酸ブチル、トルイル酸ペンチル、トルイル酸ヘキシルおよびトルイル酸オクチル等が挙げられる。脂肪族カルボン酸エステル化合物としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸オクチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸ヘキシル、酪酸オクチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、吉草酸ブチル、吉草酸ペンチル、吉草酸ヘキシル、吉草酸オクチル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプロン酸ブチル、カプロン酸ペンチル、カプロン酸ヘキシル、カプロン酸オクチル、エナント酸メチル、エナント酸エチル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、エナント酸ペンチル、エナント酸ヘキシル、エナント酸オクチル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸ペンチル、カプリル酸ヘキシル、カプリル酸オクチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、ペラルゴン酸ペンチル、ペラルゴン酸ヘキシル、ペラルゴン酸オクチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸プロピル、カプリン酸ブチル、カプリン酸ペンチル、カプリン酸ヘキシル、カプリン酸オクチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ペンチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ペンチル、ミリスチン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸ペンチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸オクチル、マルガリン酸メチル、マルガリン酸エチル、マルガリン酸プロピル、マルガリン酸ブチル、マルガリン酸ペンチル、マルガリン酸ヘキシル、マルガリン酸オクチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘキシルおよびステアリン酸オクチル等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸エステル化合物としては、エタン二酸ジメチル、エタン二酸ジエチル、エタン二酸ジプロピル、エタン二酸ジブチル、エタン二酸ジペンチル、エタン二酸ジヘキシル、エタン二酸ジオクチル、プロパン二酸ジメチル、プロパン二酸ジエチル、プロパン二酸ジプロピル、プロパン二酸ジブチル、プロパン二酸ジペンチル、プロパン二酸ジヘキシル、プロパン二酸ジオクチル、ブタン二酸ジメチル、ブタン二酸ジエチル、ブタン二酸ジプロピル、ブタン二酸ジブチル、ブタン二酸ジペンチル、ブタン二酸ジヘキシル、ブタン二酸ジオクチル、ペンタン二酸ジメチル、ペンタン二酸ジエチル、ペンタン二酸ジプロピル、ペンタン二酸ジブチル、ペンタン二酸ジペンチル、ペンタン二酸ジヘキシル、ペンタン二酸ジオクチル、ヘキサン二酸ジメチル、ヘキサン二酸ジエチル、ヘキサン二酸ジプロピル、ヘキサン二酸ジブチル、ヘキサン二酸ジペンチル、ヘキサン二酸ジヘキシル、ヘキサン二酸ジオクチル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジメチル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジエチル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジプロピル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジペンチル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジヘキシル、(E)−ブタ−2−エン二酸ジオクチル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジメチル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジエチル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジプロピル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジブチル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジペンチル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジヘキシル、(Z)−ブタ−2−エン二酸ジオクチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジメチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジプロピル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジブチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジペンチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジメチル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジプロピル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジブチル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジペンチル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、1,2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジメチル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジプロピル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジブチル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジペンチル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシル、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル、3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジメチル、3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジプロピル、3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジブチル、3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジペンチル、3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジヘキシルおよび3、6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等が挙げられる。
ジオールジエステル化合物としては、1,2−ジベンゾエートプロパン、1,2−ジアセチルオキシプロパン、1,2−ジベンゾエートブタン、1,2−ジアセチルオキシブタン、1,2−ジベンゾエートシクロヘキサン、1,2−ジアセチルオキシシクロヘキサン、1,3−ジベンゾエートプロパン、1,3−ジアセチルオキシプロパン、2,4−ジベンゾエートペンタン、2,4−ジアセチルオキシペンタン、1,2−ジベンゾエートシクロペンタン、1,2−ジアセチルオキシシクロペンタン、1,2−ジベンゾエート−4−tert−ブチル−6−メチルベンゼン、1,2−ジアセチルオキシ−4−tert−ブチル−6−メチルベンゼン、1,3−ジベンゾエート−4−tert−ブチル−6−メチルベンゼンおよび1,3−ジアセチルオキシ−4−tert−ブチル−6−メチルベンゼン等が挙げられる。
β−アルコキシエステル化合物としては、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸メチル、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸エチル、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸プロピル、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ブチル、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ペンチル、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ヘキシル、2−メトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸オクチル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸メチル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸プロピル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸ブチル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸ペンチル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸ヘキシル、3−メトキシ−2−フェニルプロピオン酸オクチル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸メチル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸エチル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸プロピル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ブチル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ペンチル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ヘキシル、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸オクチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸メチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸プロピル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸ブチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸ペンチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸ヘキシル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸オクチル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸メチル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸エチル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸プロピル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ブチル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ペンチル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸ヘキシル、2−プロピルオキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸オクチル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸メチル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸プロピル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸ブチル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸ペンチル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸ヘキシル、3−プロピルオキシ−2−フェニルプロピオン酸オクチル、2−メトキシベンゼンカルボン酸メチル、2−メトキシベンゼンカルボン酸エチル、2−メトキシベンゼンカルボン酸プロピル、2−メトキシベンゼンカルボン酸ブチル、2−メトキシベンゼンカルボン酸ペンチル、2−メトキシベンゼンカルボン酸ヘキシル、2−メトキシベンゼンカルボン酸オクチル、2−エトキシベンゼンカルボン酸メチル、2−エトキシベンゼンカルボン酸エチル、2−エトキシベンゼンカルボン酸プロピル、2−エトキシベンゼンカルボン酸ブチル、2−エトキシベンゼンカルボン酸ペンチル、2−エトキシベンゼンカルボン酸ヘキシルおよび2−エトキシベンゼンカルボン酸オクチル等が挙げられる。
ジエーテル化合物としては、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジプロピルオキシプロパン、1,2−ジブトキシプロパン、1,2−ジ−tert−ブトキシプロパン、1,2−ジフェノキシプロパン、1,2−ジベンジルオキシプロパン、1,2−ジメトキシブタン、1,2−ジエトキシブタン、1,2−ジプロピルオキシブタン、1,2−ジブトキシブタン、1,2−ジ−tert−ブトキシブタン、1,2−ジフェノキシブタン、1,2−ジベンジルオキシブタン、1,2−ジメトキシシクロヘキサン、1,2−ジエトキシシクロヘキサン、1,2−ジプロピルオキシシクロヘキサン、1,2−ジブトキシシクロヘキサン、1,2−ジ−tert−ブトキシシクロヘキサン、1,2−ジフェノキシシクロヘキサン、1,2−ジベンジルオキシシクロヘキサン、1,3−ジメトキシプロパン、1,3−ジエトキシプロパン、1,3−ジプロピルオキシプロパン、1,3−ジブトキシプロパン、1,3−ジ−tert−ブトキシプロパン、1,3−ジフェノキシプロパン、1,3−ジベンジルオキシプロパン、2,4−ジメトキシペンタン、2,4−ジエトキシペンタン、2,4−ジプロピルオキシペンタン、2,4−ジブトキシペンタン、2,4−ジ−tert−ブトキシペンタン、2,4−ジフェノキシペンタン、2,4−ジベンジルオキシペンタン、1,2−ジメトキシシクロペンタン、1,2−ジエトキシシクロペンタン、1,2−ジプロピルオキシシクロペンタン、1,2−ジブトキシシクロペンタン、1,2−ジ−tert−ブトキシシクロペンタン、1,2−ジフェノキシシクロペンタン、1,2−ジベンジルオキシシクロペンタン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、9,9−ビス(エトキシメチル)フルオレン、9,9−ビス(プロピルオキシメチル)フルオレン、9,9−ビス(ブトキシメチル)フルオレン、9,9−ビス−tert−ブトキシメチルフルオレン、9,9−ビス(フェノキシメチル)フルオレン、9,9−ビス(ベンジルオキシメチル)フルオレン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシベンゼン、1,2−ジプロピルオキシベンゼン、1,2−ジブトキシベンゼン、1,2−ジ−tert−ブトキシベンゼン、1,2−ジフェノキシベンゼンおよび1,2−ジベンジルオキシベンゼン等が挙げられる。
また、特開2011−246699号公報に記載された内部電子供与体も適用することができる。
内部電子供与体として好ましくは、ジカルボン酸エステル化合物、ジオールジエステル化合物およびβ−アルコキシエステル化合物である。内部電子供与体は、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、特開平10−212319号公報に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、または、アルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリiso−ブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドとの混合物またはテトラエチルジアルモキサンである。
外部電子供与体としては、特許第2950168号公報、特開2006−96936号公報、特開2009−173870号公報、および特開2010−168545号公報に記載された化合物を例示することができる。中でも、好ましくは酸素含有化合物または窒素含有化合物である。酸素含有化合物として、アルコキシケイ素、エーテル、エステル、およびケトンを例示することができる。中でも、好ましくはアルコキシケイ素またはエーテルであり、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、ジiso−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシランが挙げられる。
溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエン等の不活性炭化水素が好ましい。
前記ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法では、固体触媒成分および有機アルミニウム化合物の存在下、少量のオレフィンを重合させ、該オレフィンの重合体で表面が覆われた触媒成分を生成させる工程(該重合は通常、予備重合と言われ、したがって該触媒成分は通常、予備重合触媒成分と言われる)を含んでもよい。予備重合に用いられるオレフィンは、ヘテロファジックプロピレン重合材料を構成するオレフィンのうちの少なくとも一つである。予備重合工程では、生成されるオレフィン重合体の分子量を調節するために水素のような連鎖移動剤を用いてもよいし、外部電子供与体を用いてもよい。
一実施形態において、予備重合では、有機アルミニウム化合物は、固体触媒成分に含まれる遷移金属原子1モルあたり0.1〜700モルとすることが好ましく、0.2〜200モルとすることが好ましい。外部電子供与体は、固体触媒成分に含まれる遷移金属原子1モルあたり0.01〜400モルとすることが好ましい。溶媒1Lあたりに含まれる固体触媒成分は1〜500gとすることが好ましい。予備重合されるオレフィンの量は、固体触媒成分1gあたり、通常、0.1〜200gである。
一実施形態において、多段重合によりプロピレン共重合体(I)を製造し、次いで多段重合によりエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)を製造することができる。より具体的には、ベッセル型反応器と気相反応器とを用いた多段重合によりプロピレン共重合体(I)を製造し、次いで、気相反応器を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)を製造し、次いで、気相反応器を用いてエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)を製造することができる。
プロピレン共重合体(I)の製造における1段目では、例えばベッセル型反応器を用いることができる。重合温度は、例えば0〜120℃とすることができる。重合圧力は、例えば常圧〜10MPaGとすることができる。
プロピレン共重合体(I)の製造における2段目では、例えば気相反応器を用いることができる。重合温度は、例えば40〜80℃とすることが好ましく、40〜75℃とすることがより好ましい。重合圧力は、例えば常圧〜10MPaGとすることが好ましく、常圧〜2.0MPaGとすることがより好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の製造では、例えば気相反応器を用いることができる。重合温度は、例えば0〜120℃とすることが好ましい。重合圧力は、例えば常圧〜10MPaGとすることが好ましく、常圧〜2.0MPaGとすることがより好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の製造では、例えば気相反応器を用いることができる。重合温度は、例えば0〜120℃とすることが好ましい。重合圧力は、例えば常圧〜10MPaGとすることが好ましく、常圧〜2.0MPaGとすることがより好ましい。
<プロピレン樹脂組成物>
前記ヘテロファジックプロピレン重合材料は、他の成分と組合せ、プロピレン樹脂組成物とすることができる。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物の一態様として、成形体の衝撃強度の観点またはシボ意匠面を有する黒色成形体とした場合に、より黒く見える観点から、前記ヘテロファジックプロピレン重合材料と熱可塑性エラストマー(III)とを含有するプロピレン樹脂組成物が好ましい。
プロピレン樹脂組成物中の熱可塑性エラストマー(III)の含有量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の含有量100重量部に対して、好ましくは10〜60重量部であり、より好ましくは20〜50重量部である。
熱可塑性エラストマー(III)としては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、プロピレン−1−ブテン共重合体、密度が0.880g/cm未満のエチレン−プロピレン共重合体が挙げられる。プロピレン−1−ブテン共重合体中の1−ブテンに由来する単量体単位の含有量は、4重量%以上10重量%以下が好ましい。密度が0.880g/cm未満のエチレン−プロピレン共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量は、4重量%以上10重量%以下が好ましい。
本明細書において、スチレン系熱可塑性エラストマーとは、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物に由来する単量体単位からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体およびその水素添加物を意味する。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
熱可塑性エラストマー(III)は、好ましくは、密度が0.880g/cm未満のエチレン−プロピレン共重合体およびプロピレン−1−ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である。
前記ヘテロファジックプロピレン重合材料と熱可塑性エラストマー(III)とを含有するプロピレン樹脂組成物は、後述の充填剤(D)を更に含むことが好ましい。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物の一態様として、前記ヘテロファジックプロピレン重合材料と充填剤(D)とを含むプロピレン樹脂組成物が挙げられる。充填剤(D)としては、無機繊維、有機繊維が挙げられる。充填剤(D)は無機繊維が好ましい。
無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維が挙げられ、有機繊維としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維が挙げられる。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物中の充填剤(D)の平均長さは、好ましくは400〜800μmであり、より好ましくは、450μm〜700μmである。
本明細書において、プロピレン樹脂組成物中の充填剤(D)の平均長さは、特開2002−5924号公報に記載の方法で測定される重量平均繊維長を意味する。
プロピレン樹脂組成物中の充填剤(D)の平均長さは、プロピレン樹脂組成物を溶融混練して製造するときの混練強度を適宜調整することにより、制御することができる。例えば、二軸混練機を使用すると、単軸混練機を使用する場合に比べ、混練強度が強く、混練前に比べ、充填剤(D)の平均長さを短くすることができる。また、混練機中のスクリューの溝深さを大きくすることにより、混練強度を弱くすることができ、充填剤(D)の平均長さを長くすることができる。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物中、充填剤(D)の含有量は、プロピレン樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して、プロピレン樹脂組成物からなる成形品の強度、耐熱性、寸法安定性や軽量化の観点から、好ましくは1重量部以上30重量部以下であり、より好ましくは1〜20重量部であり、さらに好ましくは1〜15重量部である。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物の一態様として、前記ヘテロファジックプロピレン重合材料と、プロピレン共重合体(I)、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)以外のオレフィン系重合体とを含むプロピレン樹脂組成物が挙げられる。当該オレフィン系重合体としては、例えば、エチレン系重合体が挙げられる。本明細書において、エチレン系重合体とは、エチレンに由来する単量体単位の含有量が50重量%より多い重合体を指す。エチレン系重合体としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。エチレン単独重合体としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンが挙げられる。エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
前記オレフィン系重合体は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。ブレンドされるオレフィン系重合体の量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料全体に対して、0.1〜40重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料に対して、必要に応じて、耐熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、滑剤、着色剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、石油樹脂、発泡剤、発泡助剤、有機または無機フィラー等の添加剤を添加することができる。添加剤の添加量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料全体に対して、0.01重量%以上であることが好ましく、また、30重量%以下であることが好ましい。添加剤は、1種単独で用いてもよいし、また、任意の割合で2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、群青、コバルトブルー、チタンイエロー、鉛白、鉛丹、鉛黄、紺青等が挙げられる。 有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ポリアゾイエロー、アンスラキノンイエロー、ポリアゾレッド、アゾレーキイエロー、ペリレン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。着色剤の添加量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料全体に対して、0.05重量%以上であることが好ましく、また、5重量%以下であることが好ましい。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物の製造方法としては、例えば着色剤を添加する場合を例に挙げると、
(1)所定量のヘテロファジックプロピレン重合材料、並びに必要に応じて添加される熱可塑性エラストマー、充填材、着色剤および他の成分を、ドライブレンドした後、溶融混練する方法、(2)成形品の製造過程でヘテロファジックプロピレン重合材料、並びに必要に応じて添加される熱可塑性エラストマー、充填剤、着色剤および他の成分を、直接、成形機の混練装置に投入して混練する方法等が挙げられる。
また、本発明に係るプロピレン樹脂組成物の製造においては、調整された濃度の着色剤を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチを用いてもよい。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料は、例えば、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、発泡成形法、中空成形法、ブロー成形法、真空成形法、粉末成形法、カレンダー成形法、インフレーション方法、プレス成形等の成形方法に好適に使用することができる。
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料の用途としては、例えば、自動車内装部品および外装部品等の自動車部品、食品・医療容器、家具や電気製品の部品、土木・建築材料等が挙げられる。自動車内装部品としては、例えば、インストルメンタルパネル、トリム、ドアーパネル、サイドプロテクター、コンソールボックス、コラムカバー等が挙げられる。自動車外装部品としては、例えば、バンパー、フェンダー、ホイールカバー等が挙げられる。食品・医療容器としては、例えば、ラップフィルム、食品容器、輸液バッグ、輸液ボトル等が挙げられる。家具や電化製品の部品としては、例えば、壁紙、床材、化粧シート、洗濯機等の排水ホース等が挙げられる。土木・建築材料としては、例えば、防水シート、遮水シート、ホース、ダクト、ガスケット等が挙げられる。なお、遮水シートとは、最終処分場等において、廃棄物の保有水や雨水等が浸出しないようにするために敷設されるシートである。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
発明の詳細な説明ならびに実施例および比較例における各項目の測定値は、下記の方法で測定したものである。
(1)極限粘度([η]、単位:dL/g)
ヘテロファジックプロピレン重合材料の全体の極限粘度、プロピレン共重合体(I)の極限粘度、ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン不溶成分の極限粘度およびヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン可溶成分の極限粘度
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1g/dL、0.2g/dL、および、0.5g/dLの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、参考文献「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491項に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定を行った。
(2)エチレンに由来する単量体単位の含有量(単位:重量%)
ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量100重量%に対する、ヘテロファジックプロピレン重合材料中のエチレンに由来する単量体単位の含有量、プロピレン共重合体(I)全重量100重量%に対する、プロピレン共重合体(I)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)全重量100重量%に対する、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)のエチレンに由来する単量体単位の含有量およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)全重量100重量%に対する、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)のエチレンに由来する単量体単位の含有量を、下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(参考文献:Macromolecules 1982,15,1150−1152)に基づいて求めた。
<炭素核磁気共鳴(13C−NMR)測定条件>
装置:ブルカー・バイオスピン(株)製 AVANCEIII 600HD
測定プローブ:10mmクライオプローブ
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d=85/15(容積比)の混合液
試料濃度:100mg/mL
測定温度:135℃
測定方法:プロトンデカップリング法
積算回数:256回
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:テトラメチルシラン
(3)キシレン不溶成分(CXIS、単位:重量%)
ヘテロファジックプロピレン重合材料2gを沸騰しているキシレン2000mLに完全に溶解して溶液を得、次いで該溶液を、25℃まで降温し放置した。その後、25℃の溶液に析出した固形物を濾別し、減圧下80℃で乾燥して、キシレン不溶成分を得た。
(4)キシレン可溶成分(CXS、単位:重量%)
ヘテロファジックプロピレン重合材料2gを沸騰しているキシレン2000mLに完全に溶解して溶液を得、次いで該溶液を25℃まで降温し放置した。その後、25℃の溶液に析出した固形物を濾別し、濾液を濃縮、乾固してキシレンを蒸発させ、さらに減圧下80℃で乾燥して、キシレン可溶成分を得た。
(5)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K6758に規定された方法に従って測定した。測定温度は230℃で、荷重は2.16kgで測定した。
(6)外観評価用成形体の成形
下記外観評価(1)および外観評価(2)で使用する成形体の成形条件(射出成形機、金型、条件)、評価方法は以下のとおりであった。
(6−1−1)外観評価(1)用成形体の作製に用いた射出成形機および金型、成形条件
射出成形機:住友重機械工業製 SE180D 型締力 180トン
成形温度:220℃
金型:成形品板厚 3mm厚、1点ゲート。片側シボ意匠仕上げ。
製品寸法:100mm×400mm×3mm厚
金型温度:50℃
(6−1−2)外観評価(2)用成形体の作製に用いた射出成形機および金型、成形条件
射出成形機:住友重機械工業製 SE130DU 型締力 130トン
成形温度:230℃
金型:成形品板厚 3mm厚、1点ゲート。片側鏡面仕上げ。
製品寸法:90mm×150mm×3mm厚
金型温度:50℃
(6−2−1)外観評価(1)
上記(6−1−1)で得られた外観評価(1)用成形体のシボ意匠面の明度を下記の通り測定した。
測定装置:BYK−Gardner社製 BYK−mac
明度の測定:入射した光の正反射角を基準線として15°、110°の角度に反射した光のそれぞれの明度(明度(15°)、明度(110°))を測定した。下記式(4)で定められる外観指標を求めた。外観指標が大きいほど、成形体がより黒く見え、好ましい。
外観指標=100−(明度(15°)−明度(110°)) 式(4)
(6−2−2)外観評価(2)
上記(6−1−2)で得られた外観評価(2)用成形体を、23℃、相対湿度50%の条件で120時間保持した後の該成形体の鏡面を目視で観察し、前記条件で保持する前の成形体の鏡面と比べ、変化の有無を調べた。
(7)アイゾッド衝撃強度の測定方法
(7−1)射出成形機および金型、成形条件
下記条件にて、アイゾッド衝撃強度測定用成形体を成形した。
射出成形機:住友重機械工業製 SE130DU 型締力 130トン
成形温度:220℃
金型:ASTM試験用金型
金型温度:50℃
(7−2)アイゾッド衝撃強度(単位:kJ/m2)
ASTM D526に準拠し、温度−30℃で、アイゾッド衝撃強度を測定した。
[実施例1]
[固体触媒成分の製造]
工程(1−1A):撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mLのフラスコを窒素で置換した後、該フラスコに、トルエン36.0mL、および四塩化チタン22.5mLを投入し、撹拌し、四塩化チタン溶液を得た。フラスコ内の温度を0℃とした後、同温度でマグネシウムジエトキシド1.88gを30分おきに4回投入した後、0℃で1.5時間撹拌した。次いで、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸エチル0.60mLをフラスコ内に投入した後でフラスコ内の温度を10℃に昇温した。その後、同温度で2時間撹拌し、トルエン9.8mLを投入した。次いで、フラスコ内の温度を昇温し、60℃の時点でフラスコ内に2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸エチル3.15mLを投入し、110℃まで昇温した。同温度で3時間、フラスコ内の混合物を撹拌した。
得られた混合物を固液分離して固体を得た。該固体を100℃にてトルエン56.3mLで3回洗浄した。
工程(1−1B):洗浄後の固体にトルエン38.3mLを投入し、スラリーを形成した。該スラリーに四塩化チタン15.0mL、2−エトキシメチル−3,3−ジメチルブタン酸エチル0.75mLを投入して混合物を形成し、110℃で1時間混合物を攪拌した。その後、攪拌した混合物を固液分離し、該固体を60℃にてトルエン56.3mLで3回洗浄し、さらに室温にてヘキサン56.3mLで3回洗浄し、洗浄後の固体を減圧乾燥して固体触媒成分を得た。
この固体触媒成分について、チタン原子含有量は2.53重量%であり、エトキシ基含有量は0.44重量%であり、内部電子供与体含有量は13.7重量%であった。また、レーザ回折・散乱法による中心粒径は59.5μmであり、体積基準の粒子径分布において10μm以下である成分の累積百分率は5.3%であった。XPS分析による酸素原子1s軌道に由来し、結合エネルギーが532〜534eVの範囲にピーク位置を有するピーク成分量は85.0%であり、前記結合エネルギーが529〜532eVの範囲にピーク位置を有するピーク成分量は15.0%であった。水銀圧入法による全細孔容積は1.43mL/gであり、細孔半径5〜30nmの範囲の細孔の合計容積は0.160mL/gであり、細孔半径30〜700nmの範囲の細孔の合計容積は0.317mL/gであり、比表面積は107.44m/gであった。
(A−1)ヘテロファジックプロピレン重合材料
(A−1a)予備重合
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理したn−ヘキサン1.1L、トリエチルアルミニウム22ミリモル、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン2.2ミリモルを収容させた。その中に上記固体触媒成分6gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン6gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを内容積260Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタン184Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
(A−1b)本重合
スラリー重合リアクターと気相反応器3槽とを直列に配置した装置において、下記重合工程Iおよび下記重合工程IIにおいてプロピレン共重合体(Ia)を製造し、生成ポリマーを失活することなく後段に移送し、下記重合工程III−1および下記重合工程III−2においてエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1a)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2a)を製造した。
[重合工程I(オレフィン事前重合反応装置を用いたプロピレン-エチレン共重合)]
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレンとエチレンとの共重合を行った。すなわち、プロピレン、エチレン、水素、トリエチルアルミニウム、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシランおよび(1−1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをリアクターに連続的に供給し、重合反応を行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:50℃、
攪拌速度:150rpm、
リアクターの液レベル:26L、
プロピレンの供給量:20kg/時間、
エチレンの供給量:0.03kg/時間、
水素の供給量:40.0NL/時間、
トリエチルアルミニウムの供給量:17.8ミリモル/時間、
tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシランの供給量:3.45ミリモル/時間、
予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.30g/時間、
重合圧力:3.15MPa(ゲージ圧)。
[重合工程II(多段気相重合反応装置によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))]
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを多段気相重合反応装置として準備した。
前段のスラリー重合リアクターから上記多段気相重合リアクターの最上段である流動層に、ポリプロピレン粒子および液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく連続供給した。
多段気相重合リアクター内でのポリプロピレン粒子の段間移送は、ダブル弁方式により行った。
この移送手段は、上段の反応領域と下段の反応領域を1インチサイズの配管で接続し、配管に二つの開閉弁を設け、下側の弁を閉じた状態で上側の弁を開け、上段の反応領域から弁の間にパウダーを溜め込み、その後、上側の弁を閉じた後に下側の弁を開けることで下段の反応領域にポリプロピレン粒子を移送するものである。
上記構成の多段気相重合リアクターの下部からプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給した。
これにより、各反応領域にそれぞれ流動層または噴流層を形成させ、ガス組成および圧力を一定に保つようプロピレン、エチレンと水素の供給量をコントロールし、過剰ガスをパージしながらプロピレン-エチレン共重合をさらに行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:60℃、
重合圧力:1.40MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいて、リアクター内ガスの濃度比は、
(エチレン/(水素+プロピレン+エチレン))が4.3モル%であり、(水素/(水素+プロピレン+エチレン))が14.2モル%であった。
[重合工程III−1(流動層型リアクターによるプロピレン−エチレン共重合(気相重合))]
前段の多段気相重合リアクターから排出されるポリプロピレン粒子を流動層型オレフィン重合反応装置としての流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合工程III-1の流動層型リアクターは鉛直方向に1段の流動層の反応領域を有しており、前段の多段気相重合リアクターから流動層型リアクターへのポリプロピレン粒子の移送手段は、上記のダブル弁方式で行った。
上記構成の流動層型リアクターにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給し、ガス組成および圧力を一定に保つようにガス供給量の調整および過剰ガスをパージしながら、ポリプロピレン粒子の存在下、プロピレンとエチレンとの共重合を行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.37MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいてはリアクター内ガスの濃度比は、エチレン/(水素+プロピレン+エチレン)が23.1モル%であり、水素/(水素+プロピレン+エチレン)が2.37モル%であった。
[重合工程III−2(流動層型リアクターによるプロピレン−エチレン共重合(気相重合))]
重合工程III−1の流動層型リアクターから排出されるポリプロピレン粒子をさらに後段の流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合工程III-2の流動層型リアクターは鉛直方向に1段の流動層の反応領域を有しており、重合工程III−1の流動層型リアクターから重合工程III−2の流動層型リアクターへのポリプロピレン粒子の移送手段は、ダブル弁方式で行った。
以下の条件以外は、上記重合工程III−1と同様の方法でプロピレンとエチレンとの共重合を行い、ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−1)を得た。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.33MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいてはリアクター内ガスの濃度比は、エチレン/(水素+プロピレン+エチレン)が22.7モル%であり、水素/(水素+プロピレン+エチレン)が0.07モル%であった。
ヘテロファジックプロピレン重合材料の組成
プロピレン共重合体(Ia)の含有量:57.1重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−1a)の含有量:28.1重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−2a)の含有量:14.8重量%
エチレンに由来する単量体の含有量
プロピレン共重合体(Ia)中の含有量:5.8重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−1a)中の含有量:21.9重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−2a)中の含有量:19.9重量%
極限粘度
プロピレン共重合体(Ia):0.9dL/g
エチレン−プロピレン共重合体(II−1a):2.4dL/g
エチレン−プロピレン共重合体(II−2a):7.3dL/g
CXS成分の極限粘度/CXIS成分の極限粘度:1.9
ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−1)のCXS成分の分子量分布(Mw/Mn):16.4
Y≦4.37X−32.4 (3)
X=21.2、
式(3)の右辺=4.37×21.2−32.4=60.2
Y=42.9
[実施例2]
実施例1で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料(A−1)100重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.1重量部、および6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェピン(スミライザーGP、住友化学株式会社製)0.1重量部、有機過酸化物マスターバッチ(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン8重量部とプロピレン単独重合体92重量部の混合物)0.37重量部を混合した後、単軸押出機(田辺プラスチックス株式会社製、バレル内径:40mm、スクリュー回転数:100rpm、シリンダー温度:250℃)を用いて溶融混練し、得られた溶融混練物を、その後に、ダイ部より押し出した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂組成物(B−1)のペレットを得た。
樹脂組成物(B−1)のメルトフローレート:21.5g/10分
上記樹脂組成物(B−1)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−1)の方法で成形し、外観評価(1)用成形体を得た。外観評価(1)用成形体を、上記(6−2−1)の方法で評価した外観指標は77であった。
上記樹脂組成物(B−1)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−2)の方法で成形し、外観評価(2)用成形体を得た。外観評価(2)用成形体を、上記(6−2−2)の方法で評価した。23℃、相対湿度50%の条件で120時間保持する前後で、成形体鏡面の外観に変化は無かった。
上記樹脂組成物(B−1)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(7−1)の方法で成形し、アイゾッド衝撃強度測定用成形体を得た。上記(7−2)の方法で評価したアイゾット衝撃強度は10.2kJ/mであった。
[実施例3]
実施例1で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料(A−1)70重量部、熱可塑性エラストマー(Versify4200、密度:0.876g/cm、エチレン−プロピレン共重合体、ダウ・ケミカル株式会社製)30重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.1重量部、および6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェピン(スミライザーGP、住友化学株式会社製)0.1重量部を混合した後、二軸押出機((登録商標)TEX44αII:株式会社日本製鋼所製、バレル内径:44mm、スクリュー回転数:300rpm、シリンダー温度:200℃)を用いて溶融混練し、得られた溶融混練物を、その後に、ダイ部より押し出した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂組成物(B−2)のペレットを得た。
樹脂組成物(B−2)のメルトフローレート:4.8g/10分
上記樹脂組成物(B−2)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−1)の方法で成形し、外観評価(1)用成形体を得た。外観評価(1)用成形体を、上記(6−2−1)の方法で評価した外観指標は81であった
上記樹脂組成物(B−2)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−2)の方法で成形し、外観評価(2)用成形体を得た。外観評価(2)用成形体を、上記(6−2−2)の方法で評価した。23℃、相対湿度50%の条件で120時間保持する前後で、成形体鏡面の外観に変化は無かった。
上記樹脂組成物(B−2)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(7−1)の方法で成形し、アイゾッド衝撃強度測定用成形体を得た。上記(7−2)の方法で評価したアイゾット衝撃強度は4.4kJ/mであった。
[実施例4]
(A−2)ヘテロファジックプロピレン重合材料
(A−2a)予備重合
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理したn−ヘキサン1.1L、トリエチルアルミニウム22ミリモル、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン2.2ミリモルを収容させた。その中に実施例1と同様に製造した固体触媒成分6gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン6gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを内容積260Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタン184Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
(A−2b)本重合
スラリー重合リアクターと気相反応器3槽とを直列に配置した装置において、下記重合工程Iおよび下記重合工程IIにおいてプロピレン共重合体(Ib)を製造し、生成ポリマーを失活することなく後段に移送し、下記重合工程III−1および下記重合工程III−2においてエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1b)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2b)を製造した。
[重合工程I(オレフィン事前重合反応装置を用いたプロピレン-エチレン共重合)]
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレンとエチレンとの共重合を行った。すなわち、プロピレン、エチレン、水素、トリエチルアルミニウム、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシランおよび(1−1a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをリアクターに連続的に供給し、重合反応を行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:50℃、
攪拌速度:150rpm、
リアクターの液レベル:26L、
プロピレンの供給量:20kg/時間、
エチレンの供給量:0.03kg/時間、
水素の供給量:40.0NL/時間、
トリエチルアルミニウムの供給量:19.6ミリモル/時間、
tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシランの供給量:3.09ミリモル/時間、
予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.23g/時間、
重合圧力:3.20MPa(ゲージ圧)。
[重合工程II(多段気相重合反応装置によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))]
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを多段気相重合反応装置として準備した。
前段のスラリー重合リアクターから上記多段気相重合リアクターの最上段である流動層に、ポリプロピレン粒子および液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく連続供給した。
多段気相重合リアクター内でのポリプロピレン粒子の段間移送は、ダブル弁方式により行った。
この移送手段は、上段の反応領域と下段の反応領域を1インチサイズの配管で接続し、配管に二つの開閉弁を設け、下側の弁を閉じた状態で上側の弁を開け、上段の反応領域から弁の間にパウダーを溜め込み、その後、上側の弁を閉じた後に下側の弁を開けることで下段の反応領域にポリプロピレン粒子を移送するものである。
上記構成の多段気相重合リアクターの下部からプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給した。
これにより、各反応領域にそれぞれ流動層または噴流層を形成させ、ガス組成および圧力を一定に保つようプロピレン、エチレンと水素の供給量をコントロールし、過剰ガスをパージしながらプロピレン-エチレン共重合をさらに行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:60℃、
重合圧力:1.40MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいて、リアクター内ガスの濃度比は、(エチレン/(水素+プロピレン+エチレン))が4.1モル%であり、(水素/(水素+プロピレン+エチレン))が13.9モル%であった。
[重合工程III−1(流動層型リアクターによるプロピレン−エチレン共重合(気相重合))]
前段の多段気相重合リアクターから排出されるポリプロピレン粒子を流動層型オレフィン重合反応装置としての流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合工程III-1の流動層型リアクターは鉛直方向に1段の流動層の反応領域を有しており、前段の多段気相重合リアクターから流動層型リアクターへのポリプロピレン粒子の移送手段は、上記のダブル弁方式で行った。
上記構成の流動層型リアクターにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給し、ガス組成および圧力を一定に保つようにガス供給量の調整および過剰ガスをパージしながら、ポリプロピレン粒子の存在下、プロピレンとエチレンとの共重合を行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.37MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいてはリアクター内ガスの濃度比は、エチレン/(水素+プロピレン+エチレン)が20.6モル%であり、水素/(水素+プロピレン+エチレン)が2.37モル%であった。
[重合工程III−2(流動層型リアクターによるプロピレン−エチレン共重合(気相重合))]
重合工程III−1の流動層型リアクターから排出されるポリプロピレン粒子をさらに後段の流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合工程III-2の流動層型リアクターは鉛直方向に1段の流動層の反応領域を有しており、重合工程III−1の流動層型リアクターから重合工程III−2の流動層型リアクターへのポリプロピレン粒子の移送手段は、ダブル弁方式で行った。
以下の条件以外は、上記重合工程III−1と同様の方法でプロピレンとエチレンとの共重合を行い、ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−2)を得た。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.33MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいてはリアクター内ガスの濃度比は、エチレン/(水素+プロピレン+エチレン)が21.1モル%であり、水素/(水素+プロピレン+エチレン)が0.08モル%であった。
ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−2)の組成
プロピレン共重合体(Ib)の含有量:53.5重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−1b)の含有量:36.2重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−2b)の含有量:10.3重量%
エチレンに由来する単量体の含有量
プロピレン共重合体(Ib)中の含有量:5.4重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−1b)中の含有量:19.8重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−2b)中の含有量:19.9重量%
極限粘度
プロピレン共重合体(Ib):0.9dL/g
エチレン−プロピレン共重合体(II−1b):2.2dL/g
エチレン−プロピレン共重合体(II−2b):7.8dL/g
CXS成分の極限粘度/CXIS成分の極限粘度:1.8
ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−2)のCXS成分の分子量分布(Mw/Mn):64.2
Y≦4.37X−32.4 (3)
X=19.8、
式(3)の右辺=4.37×19.8−32.4=54.1
Y=46.5
[実施例5]
実施例4で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料(A−2)100重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.1重量部、および6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェピン(スミライザーGP、住友化学株式会社製)0.1重量部を混合した後、単軸押出機(田辺プラスチックス株式会社製、バレル内径:40mm、スクリュー回転数:100rpm、シリンダー温度:200℃)を用いて溶融混練し、得られた溶融混練物を、その後に、ダイ部より押し出した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂組成物(B−3)のペレットを得た。
樹脂組成物(B−3)のメルトフローレート:5.4g/10分
上記樹脂組成物(B−3)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−1)の方法で成形し、外観評価(1)用成形体を得た。外観評価(1)用成形体を、上記(6−2−1)の方法で評価した外観指標は71であった。
上記樹脂組成物(B−3)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−2)の方法で成形し、外観評価(2)用成形体を得た。外観評価(2)用成形体を、上記(6−2−2)の方法で評価した。23℃、相対湿度50%の条件で120時間保持する前後で、成形体鏡面の外観に変化は無かった。
上記樹脂組成物(B−3)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(7−1)の方法で成形し、アイゾッド衝撃強度測定用成形体を得た。上記(7−2)の方法で評価したアイゾット衝撃強度は9.2kJ/mであった。
[比較例1]
(A−3)ヘテロファジックプロピレン重合材料
(A−3a)予備重合
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水および脱気処理した
n−ヘキサン1.3L、トリエチルアルミニウム26ミリモル、tert−ブチル−n−プロ
ピルジメトキシシラン2.6ミリモルを収容させた。その中に実施例1と同様に製造した固体触媒成分7gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン7gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを内容積260Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、液状ブタン184Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
(A−3b)本重合
スラリー重合リアクターと気相反応器3槽とを直列に配置した装置において、下記重
合工程Iおよび下記重合工程IIにおいてプロピレン重合体成分(Ic)を製造し、生成ポ
リマーを失活することなく後段に移送し、下記重合工程III−1および下記重合工程III−2においてエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1c)を製造した。
[重合工程I(オレフィン事前重合反応装置を用いたプロピレン重合)]
攪拌機付きSUS304製ベッセルタイプのスラリー重合リアクターを用いて、プロピレン重合を行った。すなわち、プロピレン、水素、トリエチルアルミニウム、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシランおよび(A−3a)で製造した予備重合触媒成分のスラリーをリアクターに連続的に供給し、重合反応を行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:50℃、
攪拌速度:150rpm、
リアクターの液レベル:18L、
プロピレンの供給量:25kg/時間、
水素の供給量:77.5NL/時間、
トリエチルアルミニウムの供給量:28.8ミリモル/時間、
tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシランの供給量:5.13ミリモル/時間、
予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.24g/時間、
重合圧力:3.37MPa(ゲージ圧)。
[重合工程II(多段気相重合反応装置によるプロピレン重合(気相重合))]
鉛直方向に6段の反応領域を有し、その内最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合リアクターを多段気相重合反応装置として準備した。
前段のスラリー重合リアクターから上記多段気相重合リアクターの最上段である流動層に、ポリプロピレン粒子および液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく連続供給した。
多段気相重合リアクター内でのポリプロピレン粒子の段間移送は、ダブル弁方式により行った。
この移送手段は、上段の反応領域と下段の反応領域を1インチサイズの配管で接続し、配管に二つの開閉弁を設け、下側の弁を閉じた状態で上側の弁を開け、上段の反応領域から弁の間にパウダーを溜め込み、その後、上側の弁を閉じた後に下側の弁を開けることで下段の反応領域にポリプロピレン粒子を移送するものである。
上記構成の多段気相重合リアクターの下部からプロピレンおよび水素を連続的に供給した。
これにより、各反応領域にそれぞれ流動層または噴流層を形成させ、ガス組成および圧力を一定に保つようプロピレンと水素の供給量をコントロールし、過剰ガスをパージしながらプロピレン重合をさらに行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:70℃、
重合圧力:2.00MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいて、リアクター内ガスの濃度比は、(水素/(水素+プロピレン))が12.0モル%であった。
[重合工程III−1(流動層型リアクターによるプロピレン−エチレン共重合(気相重合))]
前段の多段気相重合リアクターから排出されるポリプロピレン粒子を流動層型オレフィン重合反応装置としての流動層型リアクターに連続的に供給した。重合工程III-1の流動層型リアクターは鉛直方向に1段の流動層の反応領域を有しており、前段の多段気相重合リアクターから流動層型リアクターへのポリプロピレン粒子の移送手段は、上記のダブル弁方式で行った。
上記構成の流動層型リアクターにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給し、ガス組成および圧力を一定に保つようにガス供給量の調整および過剰ガスをパージしながら、ポリプロピレン粒子の存在下、プロピレンとエチレンとの共重合を行った。反応条件は以下の通りとした。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.96MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいてはリアクター内ガスの濃度比は、エチレン/(水素+プロピレン+エチレン)が17.6モル%であり、
水素/(水素+プロピレン+エチレン)が3.02モル%であった。
[重合工III−2(流動層型リアクターによるプロピレン−エチレン共重合(気相重合))]
重合工程III−1の流動層型リアクターから排出されるポリプロピレン粒子をさらに後段の流動層型リアクターに連続的に供給した。
重合工程III-2の流動層型リアクターは鉛直方向に1段の流動層の反応領域を有しており、重合工程III−1の流動層型リアクターから重合工程III−2の流動層型リアクターへのポリプロピレン粒子の移送手段は、ダブル弁方式で行った。
以下の条件以外は、上記重合工程III−1と同様の方法でプロピレンとエチレンとの共重合を行い、ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−3)を得た。
重合温度:70℃、
重合圧力:1.92MPa(ゲージ圧)
当該リアクターにおいてはリアクター内ガスの濃度比は、エチレン/(水素+プロピレン+エチレン)が17.5モル%であり、水素/(水素+プロピレン+エチレン)が3.07モル%であった。
ヘテロファジックプロピレン重合材料(A−3)の組成
プロピレン単独重合体(Ic)の含有量:59.5重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−1c)の含有量:40.5重量%
エチレンに由来する単量体の含有量
プロピレン単独重合体(Ic)中の含有量:0重量%
エチレン−プロピレン共重合体(II−1c)中の含有量:20.5重量%
極限粘度
プロピレン単独重合体(Ic):0.9dL/g
エチレン−プロピレン共重合体(II−1c):2.1dL/g
Y≦4.37X−32.4 (3)
X=20.5、
式(3)の右辺=4.37×20.5−32.4=57.2
Y=40.5
[比較例2] 比較例1で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料(A−3)100重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.1重量部、および6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1.3.2]ジオキサフォスフェピン(スミライザーGP、住友化学株式会社製)0.1重量部を混合した後、単軸押出機(田辺プラスチックス株式会社製、バレル内径:40mm、スクリュー回転数:100rpm、シリンダー温度:200℃)を用いて溶融混練し、得られた溶融混練物を、その後に、ダイ部より押し出した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂組成物(B−3)のペレットを得た。
樹脂組成物(B−3)のメルトフローレート:16g/10分
上記樹脂組成物(B−3)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−1)の方法で成形し、外観評価(1)用成形体を得た。外観評価(1)用成形体を、上記(6−2−1)の方法で評価した外観指標は68であった。
上記樹脂組成物(B−5)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(6−1−2)の方法で成形し、外観評価(2)用成形体を得た。外観評価(2)用成形体を、上記(6−2−2)の方法で評価した。23℃、相対湿度50%の条件で120時間保持後の成形体鏡面の外観に、白化が見られた。
上記樹脂組成物(B−5)100重量部とカーボンブラックを含有する黒色マスターバッチ10重量部とを混合して、上記(7−1)の方法で成形し、アイゾッド衝撃強度測定用成形体を得た。上記(7−2)の方法で評価したアイゾット衝撃強度は10.9kJ/mであった。
Figure 2019176913
本発明のヘテロファジックプロピレン重合材料は、例えば、自動車内装部品および外装部品等の自動車部品、食品・医療容器、家具や電気製品の部品、土木・建築材料等の原料として利用することができる。

Claims (9)

  1. 下記プロピレン共重合体(I)と、下記エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)と、下記エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料であって、
    プロピレン共重合体(I)の極限粘度[η]が、1.50dL/g未満であるヘテロファジックプロピレン重合材料。

    プロピレン共重合体(I):プロピレンに由来する単量体単位と、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、
    エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位の含有量が0.05重量%以上10重量%未満である(但し、プロピレン共重合体(I)の全重量を100重量%とする)プロピレン共重合体。

    エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1):エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、
    エチレンに由来する単量体単位の含有量が10重量%以上30重量%以下である(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の全重量を100重量%とする)エチレン−α−オレフィン共重合体。

    エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2):エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する単量体単位とを含む共重合体であって、
    エチレンに由来する単量体単位の含有量が10重量%以上30重量%以下であり(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の全重量を100重量%とする)、
    エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の極限粘度より高い極限粘度であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
  2. 請求項1に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料であって、
    該ヘテロファジックプロピレン重合材料のキシレン不溶成分の極限粘度[η]CXISに対するキシレン可溶成分の極限粘度[η]CXSの比([η]CXS/[η]CXIS)が、1.0以上であるヘテロファジックプロピレン重合材料。
  3. エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の含有量をa重量%、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の含有量をa重量%(ただし、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全重量を100重量%とする)、
    エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量をb重量%(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)の全重量を100重量%とする)、
    エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)中のエチレンに由来する単量体単位の含有量をb重量%(但し、エチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)の全重量を100重量%とする)として、
    下記式(3)を満たす請求項1または2に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料。

    X=(a+a)/(a+a) (1)
    Y=a+a (2)
    Y≦4.37X−32.4 (3)
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料と、熱可塑性エラストマー(III)とを含むプロピレン樹脂組成物。
  5. 充填材(D)を更に含む請求項4に記載のプロピレン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料と、充填材(D)とを含むプロピレン樹脂組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料を含む成形体。
  8. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
  9. 下記工程(1−1)と下記工程(1−2−1)と下記工程(1−2−2)とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法。
    工程(1−1):プロピレン重合触媒の存在下、多段重合方法により、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)を得る工程。
    工程(1−2−1):前記プロピレン共重合体(I)の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)との混合物を得る工程。
    工程(1−2−2):前記混合物の存在下、プロピレンおよび炭素数4以上12以下のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを共重合して、プロピレン共重合体(I)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−1)とエチレン−α−オレフィン共重合体(II−2)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料を得る工程。
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