JPWO2019142890A1 - 有機珪素化合物、及びそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

機械的物性、低燃費性、グリップ性に優れたゴム材料を可能とし、好ましくは天然由来材料からなる新規な構造を有する有機珪素化合物、及びそれを用いたゴム組成物を提供する。

Description

本発明は、特定の構造を持つ有機珪素化合物、及びそれを用いたゴム組成物に関する。本発明はタイヤ、ベルト、防振ゴムといった用途に好適に用いられ、タイヤ用途で特に好適に用いられる。
近年、低燃費性、制動性に優れたシリカ配合タイヤを始めとし、防振ゴムや各種ゴムロールなど様々なシリカ配合ゴム製品が普及しつつある。しかしながら、シリカ配合ゴム組成物はコンパウンド粘度が著しく上昇するため、シランカップリング剤を配合することにより粘度の上昇を緩和する手法が一般的に取られている。また、シランカップリング剤は、シリカ表面のシラノールと反応することによりシリカ同士の相互作用を低減し、ゴムの損失正接や動的弾性率を下げることが知られている。
現在、シランカップリング剤の中でも、低燃費タイヤ用途ではポリスルフィド系カップリング剤が多用されている(特許文献1参照)。
特開2000−103794号公報
本発明の課題は、より一層の性能の向上がなされたシランカップリング剤を提供することとし、特に、化石燃料の枯渇と天然資源の活用を背景として、サスティナブル材料(天然由来材料)を用いたシランカップリング剤を提供することを好ましい課題とする。
本発明は上記の点に鑑み、新規な構造を有し、ゴム組成物、ゴム材料に使用することにより、機械的物性、低燃費性、グリップ性に優れたゴム材料を可能とし、好ましくは天然由来材料からなる有機珪素化合物、及び有機珪素化合物を含有するゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討の結果、特定の構造を持つ有機珪素化合物、(好ましくは、アミノ酸、又はその誘導体の骨格を有する有機珪素化合物)、及びそれを用いたゴム組成物により、上記課題を解決できることを見出した。
また、本発明は以下のように記載することができる。
項1 下記一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は下記一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物。
Figure 2019142890
(式[A]中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、Ra、Rb、Rcの少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
dは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
1は単結合又は2価の有機基である。
e、Rf、Rgはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
p1は、0又は1を表す。)
Figure 2019142890
(式[B]中、Rhは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
i、Rjはそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
2は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
kは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
2は単結合又は2価の有機基である。
l、Rm、Rnはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
p2は、0又は1を表す。)
Figure 2019142890
(式[1]中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、R1、R2、R3の少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
4は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
5は水素、又は有機基である。
6は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
Figure 2019142890
(式[2]中、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
8、R9はそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
1は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
10は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
11は水素、又は有機基である。
12は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
項2 前記2価の有機基が、側鎖を有していてもよい、両端に結合手を有する直鎖状連結基であり、2つの結合手間の距離を原子数でカウントした場合、10以下である項1に記載の有機珪素化合物。
項3 前記直鎖状連結基が、直鎖アルキレン基、−NH−、−C(=O)−から選ばれる1種である、又は2種以上の組み合わせである項2に記載の有機珪素化合物。
項4 前記側鎖が、置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基である項2又は3に記載の有機珪素化合物。
項5 前記側鎖が、天然α−アミノ酸側鎖基又は天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基である項2〜4のいずれかに記載の有機珪素化合物。
項6 前記炭素数1〜10の一価の炭化水素基が、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す、項1〜5のいずれかに記載の有機珪素化合物。
項7 式[1]中、R1、R2、R3がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R4が置換もしくは無置換の炭素数1〜18の二価の炭化水素基であることを特徴とする項1に記載の有機珪素化合物。
項8 ゴム;シリカ系充填材;
下記一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は下記一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物を含有するゴム組成物。
Figure 2019142890
(式[A]中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、Ra、Rb、Rcの少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
dは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
1は単結合又は2価の有機基である。
e、Rf、Rgはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
p1は、0又は1を表す。)
Figure 2019142890
(式[B]中、Rhは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
i、Rjはそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
2は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
kは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
2は単結合又は2価の有機基である。
l、Rm、Rnはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
p2は、0又は1を表す。)
Figure 2019142890
(式[1]中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、R1、R2、R3の少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
4は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
5は水素、又は有機基である。
6は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
Figure 2019142890
(式[2]中、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
8、R9はそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
1は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
10は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
11は水素、又は有機基である。
12は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
項9 前記2価の有機基が、側鎖を有していてもよい、両端に結合手を有する直鎖状連結基であり、2つの結合手間の距離を原子数でカウントした場合、10以下である項8に記載のゴム組成物。
項10 前記直鎖状連結基が、直鎖アルキレン基、−NH−、−C(=O)−から選ばれる1種である、又は2種以上の組み合わせである項9に記載のゴム組成物。
項11 前記側鎖が、置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基である項9又は10に記載のゴム組成物。
項12 前記側鎖が、天然α−アミノ酸側鎖基又は天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基である項9〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
項13 前記炭素数1〜10の一価の炭化水素基が、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す、項8〜12のいずれかに記載のゴム組成物。
項14 式[1]中、R1、R2、R3がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R4が置換もしくは無置換の炭素数1〜18の二価の炭化水素基であることを特徴とする項8に記載のゴム組成物。
項15 更に、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、(保護化)メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有する項8〜14のいずれかに記載のゴム組成物。
項16 ゴムが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)から選択される1種である、又は2種以上であることを特徴とする項8〜15のいずれかに記載のゴム組成物。
項17 シリカ系充填材がBET比表面積20〜300m2/gの湿式シリカであることを特徴とする項8〜16のいずれかに記載のゴム組成物。
項18 項8〜17のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなるゴム材料。
項19 項18のゴム材料を用いてなるタイヤ、ベルト、防振ゴム。
本発明者らは、本願発明の有機珪素化合物(好ましくは、天然由来材料からなる構造を持つ有機珪素化合物)をゴム組成物に使用することにより、機械的物性、低燃費性、グリップ性に優れたゴム材料を可能とすることを見出した。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物に関する。なお、一般式[A]で表される有機珪素化合物及び一般式[1]で表される有機珪素化合物の両方に含まれる有機珪素化合物が存在していてもよく、また、一般式[B]で表される有機珪素化合物及び一般式[2]で表される有機珪素化合物の両方に含まれる有機珪素化合物が存在していてもよい。
まず、一般式[A]で表される有機珪素化合物について詳細に説明する。
Figure 2019142890
(式[A]中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、Ra、Rb、Rcの少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
dは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
1は単結合又は2価の有機基である。
e、Rf、Rgはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
p1は、0又は1を表す。)
一般式[A]において、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜4、cは1〜12であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基のいずれかであることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜4、cは1〜8であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基のいずれかであることが特に好ましく、無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基であることが最も好ましい。
またRa、Rb、Rcのうち少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは2〜18、bは2〜6、cは2〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基のいずれかであることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜6、cは2〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜12のアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数4〜12のジアルキルアミノアルコキシ基のいずれかであることが特に好ましく、無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基であることが最も好ましい。
一般式[A]において、Rdは、置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜12の二価の炭化水素基が好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキレン基が特に好ましい。
一般式[A]において、置換しうる置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基、ビニル基などの不飽和炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基などが挙げられる。
一般式[A]において、L1は、単結合又は2価の有機基であり、該2価の有機基としては、側鎖を有していてもよい、両端に結合手を有する直鎖状連結基であり、2つの結合手間の距離を原子数でカウントした場合、10以下である直鎖状連結基であることが好ましい。例えばエチレン基の場合、2つの結合手間の距離は「2」となる。2つの結合手間の距離は、9以下であることがより好ましく、8以下であることが更に好ましい。
両端に結合手を有する直鎖状連結基としては、直鎖アルキレン基、−NH−、−C(=O)−から選ばれる1種である、又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。直鎖アルキレン基としては、炭素数1〜8の直鎖アルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜6の直鎖アルキレン基であることがより好ましい。
前記直鎖状連結基が有していてもよい側鎖は、置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基であることが好ましい。該置換基としては、ヒドロキシ基;カルボキシル基;アミノ基;−CONH2;グアニジノ基;チオール基;イミダゾール基;インドール基;及びトリメトキシシリル基及びトリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基等が挙げられる。なお、一般的に水素原子は側鎖に分類されないが、前記直鎖状連結基が天然α−アミノ酸由来である場合、水素原子も側鎖に分類され、該天然α−アミノ酸由来の直鎖状連結基は必ず側鎖を有する。
該炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を組み合わせた基であってもよい。また、該炭化水素基が有する炭素−炭素結合の間に−S−又は−C(=O)−が挿入されていてもよい。
該脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれであってもよく、飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい。飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基等の環状の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。
該芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
前記2価の有機基としては、下記式L3で表される基であることが好ましい。
Figure 2019142890
(式L3中、Roは側鎖を有していてもよい、炭素数1〜10の直鎖アルキレン基を表す。q及びrは、それぞれ独立に、0又は1を表す。左側の*は硫黄原子との結合手を表し、右側の*はもう一方の結合手を表す。)
式L3において、Roは、炭素数1〜8の直鎖アルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜6の直鎖アルキレン基であることがより好ましい。
oが有していてもよい側鎖としては、前記L1における置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基として例示された基が挙げられる。なかでも、天然α−アミノ酸側鎖基、又は天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基であることが好ましい。天然α−アミノ酸側鎖基とは、天然α−アミノ酸由来の側鎖に位置する官能基を意味しており、具体的には−(CH23−NH−C(NH2)(=NH)(アルギニン側鎖基)、−(CH24NH2(リシン側鎖基)、−CH2OH(セリン側鎖基)、−CHOHCH3(スレオニン側鎖基)、−CH2−C64−OH(チロシン側鎖基)、−CH2CONH2(アスパラギン側鎖基)、−CH2COOH(アスパラギン酸側鎖基)、−(CH22CONH2(グルタミン側鎖基)、−(CH22COOH(グルタミン酸側鎖基)、−CH2SH(システイン側鎖基)、−H(グリシン側鎖基)、−CH3(アラニン側鎖基)、−CH2C(C=CH−N=CH−NH−)(ヒスチジン側鎖基)、−CH(CH3)CH2CH3(イソロイシン側鎖基)、−CH2CH(CH32(ロイシン側鎖基)、−(CH22SCH3(メチオニン側鎖基)、−CH265(フェニルアラニン側鎖基)、−CH2−C(C=CH−NH−Ph−)(トリプトファン側鎖基)、−CH(CH32(バリン側鎖基)等が挙げられる。
式L3において、qは1であることが好ましい。
式L3において、rは1であることが好ましい。
式L3において、q及びrが1であり、Roが側鎖として天然α−アミノ酸側鎖基或いは天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基を有するメチレン基である場合、原料として天然α−アミノ酸を用いることができる。従って、本発明の一態様としては、化石燃料の枯渇と天然資源の活用の背景として要求されているサスティナブル材料からも、本発明の有機珪素化合物を製造することができる。
一般式[A]において、Re、Rf、Rgはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。該炭素数1〜10の一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状の飽和脂肪族炭化水素基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜3の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基である。
一般式[A]において、p1は1であることが好ましい。
一般式[B]で表される有機珪素化合物について詳細に説明する。
Figure 2019142890
(式[B]中、Rhは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
i、Rjはそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
2は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
kは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
2は単結合又は2価の有機基である。
l、Rm、Rnはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
p2は、0又は1を表す。)
一般式[B]において、Rhとしては、一般式[A]におけるRa〜Rcで説明した基と同様の基が挙げられる。
一般式[B]において、Ri、Rjは、それぞれ独立に、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましい。
13、R14、R15は、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、水素のいずれかであることが好ましい。
一般式[B]において、Rkとしては、一般式[A]におけるRdで説明した基と同様の基が挙げられる。
一般式[B]において、L2としては、一般式[A]におけるL1で説明した基と同様の基が挙げられる。
一般式[B]において、Rl、Rm、Rnとしては、一般式[A]におけるRe、Rf、Rgで説明した基と同様の基が挙げられる。
一般式[B]において、p2は1であることが好ましい。
一般式[1]で表される有機珪素化合物について詳細に説明する。
Figure 2019142890
(式[1]中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、R1、R2、R3の少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
4は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
5は水素、又は有機基である。
6は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
一般式[1]においては、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜4、cは1〜12であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基のいずれかであることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜4、cは1〜8であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基のいずれかであることが特に好ましい。
またR1、R2、R3のうち少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは2〜18、bは2〜6、cは2〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基のいずれかであることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜6、cは2〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜12のアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数4〜12のジアルキルアミノアルコキシ基のいずれかであることが特に好ましい。
一般式[1]において、R4は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいても良い炭素数1〜18の二価の炭化水素基であり、置換もしくは無置換の芳香環を含んでいても良い炭素数1〜12の二価の炭化水素基が好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキレン基が特に好ましい。
一般式[1]において、R5は水素、又は有機基であり、有機基としては天然α−アミノ酸側鎖基、天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基を例示することができる。天然α−アミノ酸側鎖基とは、天然α−アミノ酸由来の側鎖に位置する官能基を意味しており、具体的には−(CH23−NH−C(NH2)(=NH)(アルギニン側鎖基)、−(CH24NH2(リシン側鎖基)、−CH2OH(セリン側鎖基)、−CHOHCH3(スレオニン側鎖基)、−CH2−C64−OH(チロシン側鎖基)、−CH2CONH2(アスパラギン側鎖基)、−CH2COOH(アスパラギン酸側鎖基)、−(CH22CONH2(グルタミン側鎖基)、−(CH22COOH(グルタミン酸側鎖基)、−CH2SH(システイン側鎖基)、−H(グリシン側鎖基)、−CH3(アラニン側鎖基)、−CH2C(C=CH−N=CH−NH−)(ヒスチジン側鎖基)、−CH(CH3)CH2CH3(イソロイシン側鎖基)、−CH2CH(CH32(ロイシン側鎖基)、−(CH22SCH3(メチオニン側鎖基)、−CH265(フェニルアラニン側鎖基)、−CH2−C(C=CH−NH−Ph−)(トリプトファン側鎖基)、−CH(CH32(バリン側鎖基)等が挙げられる。R5は、水素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のチオエーテル(−S−)を有するアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基であることが好ましく、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換のチオエーテル(−S−)を有する炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基であることがより好ましい。
一般式[1]において、R6は水素、又はアミノ基の保護基である。アミノ基の保護基としては、アミノ基の保護基として作用する基であれば特に限定されないが、tert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、4−ジメチルアミノアゾベンゼン−4’−スルホニル基、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニル基、2,4−ジニトロフェニル基、2−ニトロフェニルスルフェニル基、クロロアセチル基、ホルミル基などが挙げられる。R6は、水素、tert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基であることが好ましい。
一般式[1]において、置換しうる置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基、ビニル基などの不飽和炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基などが挙げられる。
Figure 2019142890
(式[2]中、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかであり、R8、R9はそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基であり、Wは−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素であり、R10は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいても良い炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。R11は水素、又は有機基であり、R12は水素、又はアミノ基の保護基である。)
一般式[2]においては、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかであり、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜4、cは1〜12であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基のいずれかであることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜12のアミノアルコキシ基、炭素数2〜12のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜12のジアルキルアミノアルコキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは4〜18、bは2〜4、cは1〜8であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基のいずれかであることが特に好ましい。
一般式[2]において、R8、R9は置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基であり、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましい。
13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、又は水素のいずれかであり、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、水素のいずれかであることが好ましい。
一般式[2]において、R10は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいても良い炭素数1〜18の二価の炭化水素基であり、置換もしくは無置換の芳香環を含んでいても良い炭素数1〜12の二価の炭化水素基が好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキレン基が特に好ましい。
一般式[2]において、R11は水素、又は有機基であり、有機基としては天然α−アミノ酸側鎖基、天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基を例示することができる。天然α−アミノ酸側鎖基とは、天然α−アミノ酸由来の側鎖に位置する官能基を意味しており、具体的には−(CH23−NH−C(NH2)(=NH)(アルギニン側鎖基)、−(CH24NH2(リシン側鎖基)、−CH2OH(セリン側鎖基)、−CHOHCH3(スレオニン側鎖基)、−CH2−C64−OH(チロシン側鎖基)、−CH2CONH2(アスパラギン側鎖基)、−CH2COOH(アスパラギン酸側鎖基)、−(CH22CONH2(グルタミン側鎖基)、−(CH22COOH(グルタミン酸側鎖基)、−CH2SH(システイン側鎖基)、−H(グリシン側鎖基)、−CH3(アラニン側鎖基)、−CH2C(C=CH−N=CH−NH−)(ヒスチジン側鎖基)、−CH(CH3)CH2CH3(イソロイシン側鎖基)、−CH2CH(CH32(ロイシン側鎖基)、−(CH22SCH3(メチオニン側鎖基)、−CH265(フェニルアラニン側鎖基)、−CH2−C(C=CH−NH−Ph−)(トリプトファン側鎖基)、−CH(CH32(バリン側鎖基)等が挙げられる。R11は、水素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のチオエーテル(−S−)を有するアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基であることが好ましく、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換のチオエーテル(−S−)を有する炭素数1〜5のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基であることがより好ましい。
一般式[2]において、R12は水素、又はアミノ基の保護基である。アミノ基の保護基としては、アミノ基の保護基として作用する基であれば特に限定されないが、tert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、4−ジメチルアミノアゾベンゼン−4’−スルホニル基、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニル基、2,4−ジニトロフェニル)基、2−ニトロフェニルスルフェニル基、クロロアセチル基、ホルミル基などが挙げられる。R12は、水素、tert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基であることが好ましい。
一般式[2]において、置換しうる置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基、ビニル基などの不飽和炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基、アミノ基、ニトロ基などが挙げられる。
本発明の有機珪素化合物としては、一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を加水分解後に縮合反応させて得られた縮合物(オリゴマー)であっても良く、他の成分と縮合反応させて得られた縮合物(オリゴマー)であっても良い。他の成分としては二価以上の炭素数1〜60の分子内に窒素原子を含んでいてもよいアルキルポリオール及び/又は二価以上の炭素数2〜60の分子内に窒素原子を含んでいてもよい(ポリ)アルキルエーテルポリオールが例示され、炭素数2〜60のアルキルポリオール及び/又は炭素数2〜60の(ポリ)アルキルエーテルポリオールが好ましく、炭素数2〜30のアルキルポリオール及び/又は炭素数2〜30の(ポリ)アルキルエーテルポリオールがより好ましい。
二価以上の炭素数1〜60の分子内に窒素原子を含んでいてもよいアルキルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが例示される。二価以上の炭素数2〜60の分子内に窒素原子を含んでいてもよい(ポリ)アルキルエーテルポリオールとしては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが例示される。
本発明の有機珪素化合物において、一般式[A]においては、Ra、Rb、Rcがそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基であり、Rdが置換もしくは無置換の炭素数1〜18の二価の炭化水素基であり、L1が単結合又は式L3で表される基であり、Re、Rf、Rgがそれぞれ独立して、炭素数1〜5の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、Ra、Rb、Rcがメトキシ基、エトキシ基から選択され、Rdがトリメチレン基であり、L1が単結合又は式L3で表される基において、Roが天然α−アミノ酸側鎖基又は天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖アルキレン基であり、Re、Rf、Rgがメチル基であることが特に好ましい。
本発明の有機珪素化合物において、一般式[1]においては、R1、R2、R3がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R4が置換もしくは無置換の炭素数1〜18の二価の炭化水素基であることが好ましく、R1、R2、R3がメトキシ基、エトキシ基から選択され、R4がトリメチレン基であることが特に好ましい。
本発明の有機珪素化合物の製造方法は特に限定されることがないが、例えば一般式[1]及び[2]で表される有機珪素化合物の製造方法としては、カルボジイミド縮合剤と塩基の存在下、メルカプトシランをN−保護アミノ酸と反応させることにより製造する方法を例示することができる。
N−保護アミノ酸はアミノ酸のアミノ基を公知の保護基、例えば段落「0047」等で記載された保護基で保護されたものであり、具体的に例示すると、BOC−アラニン、BOC−バリン、BOC−ロイシン、BOC−イソロイシン、BOC−グルタミン酸、BOC−フェニルアラニン、BOC−メチオニン等のBOC保護天然α−アミノ酸;Z−アラニン、Z−バリン、Z−ロイシン、Z−イソロイシン、Z−グルタミン酸、Z−フェニルアラニン、Z−メチオニン等のZ保護天然α−アミノ酸;AC−アラニン、AC−バリン、AC−ロイシン、AC−イソロイシン、AC−グルタミン酸、AC−フェニルアラニン、AC−メチオニン等のAC保護天然α−アミノ酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、BOCはtert−ブチルオキシカルボニル基の略称、Zはベンジルオキシカルボニル基の略称、ACはアセチル基の略称である。
メルカプトシランを具体的に例示すると、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランや3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
メルカプトシランの使用量は、N−保護アミノ酸に対して0.3〜5.0モル当量であることが好ましく、0.5〜3.0モル当量であることがより好ましく、0.6〜2.5モル当量であることが特に好ましい。
カルボジイミド縮合剤としては、N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N、N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)1,3−ビス(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル)カルボジイミド(BDDC)、1−tert−ブチル−3−エチルカルボジイミド(BEC)などが例示される。また、カルボジイミド縮合剤はこれらの1種類または2種類以上を用いてもよい。
カルボジイミド縮合剤の使用量はメルカプトシランに対して0.5〜10モル当量であることが好ましく、0.8〜3.0モル当量であることがより好ましい。
塩基としてはN,N−ジメチル−4−アミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジンなどが例示される。また、塩基はこれらの1種類または2種類以上を用いてもよい。
塩基の使用量は、メルカプトシランに対して0.01〜10モル当量であることが好ましく、0.05〜1.0モル当量であることがより好ましい。
メルカプトシランとN−保護アミノ酸との反応においては、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド溶媒等が例示される。
溶媒の使用量は、メルカプトシランに対して0.3〜100質量倍であることが好ましく、0.5〜40質量倍であることがより好ましい。
反応条件には制限はないが、反応温度は通常0〜60℃、反応時間は1時間〜24時間程度が好ましい。
例えば、一般式[A]及び[B]で表される有機珪素化合物のうち、L1及びL2が、式L3で表される基であり、式L3中、q及びrが1である有機珪素化合物は、上記一般式[1]及び[2]で表される有機珪素化合物の製造方法と同様の方法で製造することができる。N−保護アミノ酸としては、上記BOC保護天然α−アミノ酸に加えて、BOC−β−アラニン、BOC−γ-アミノ酪酸、BOC−6−アミノヘキサン酸等を使用することができる。
また、一般式[A]及び[B]で表される有機珪素化合物のうち、L1及びL2が単結合であり、p1及びp2が1であり、Re〜Rg及びRl〜Rnがメチル基である有機珪素化合物の製造方法としては、例えば、塩基存在下、メルカプトシランと二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることにより製造する方法を例示することができる。
メルカプトシランを具体的に例示すると、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランや3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
メルカプトシランの使用量は、二炭酸ジ−tert−ブチルに対して0.1〜3.0モル当量であることが好ましく、0.3〜2.0モル当量であることがより好ましく、0.5〜1.5モル当量であることが特に好ましい。
塩基としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどが例示される。また、塩基はこれらの1種類または2種類以上を用いてもよい。塩基の使用量は、メルカプトシランに対して1〜10モル当量であることが好ましく、1.5〜5.0モル当量であることがより好ましい。
メルカプトシランと二炭酸ジ−tert−ブチルとの反応においては、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒等が例示される。
溶媒の使用量は、メルカプトシランに対して0.3〜100質量倍であることが好ましく、1〜50質量倍であることがより好ましい。
反応条件には制限はないが、反応温度は通常0〜60℃、反応時間は12時間〜72時間程度が好ましい。
上記一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は上記一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物は、タイヤ用として使用される他、防振ゴム、ゴム床、ロール、パッキン、シール材、Oリング等のゴム、更には、例えば半導体封止材等の電子装置の部品等に使用することもできる。
次に、本発明のゴム組成物について記載する。本発明のゴム組成物は、ゴム、シリカ系充填材、本発明の一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物を含有する。
〔ゴム、シリカ系充填材〕
本発明のゴム組成物に用いるゴムとしては特に限定はされないが、天然ゴム(NR);ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、各種アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴム;各種エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)等の非ジエン系ゴムなどが挙げられ、ジエン系ゴムであることが好ましい。ゴムは単独、又は任意にブレンドして使用することができる。特に、NR、IR、SBRが好ましく、ブレンドする場合においてはNR、IR、SBRから選択される少なくとも1種のゴムがゴム成分として10〜90質量%含有していてもよい。
本発明のゴム組成物に用いるシリカ系充填材としては、BET比表面積が10〜400m2/gである湿式シリカ及び/又は乾式シリカであることが好ましく、より好ましくはBET比表面積が20〜300m2/gである湿式シリカ、更に好ましくはBET比表面積が50〜300m2/gである乾式シリカ、特に好ましくはBET比表面積が80〜250m2/gである湿式シリカがより好ましい。なお、BET比表面積は、島津製作所社製のトライスターII3020測定装置を用い、当該装置に添付されるプロトコールにしたがって測定することができる。
本発明のゴム組成物に用いるシリカ系充填材は、ゴム100質量部に対して、シリカ系充填材は10〜150質量部を含有することが好ましく、20〜150質量部を含有することがより好ましく、20〜120質量部を含有することが更に好ましく、40〜120質量部を含有することがより更に好ましく、60〜120質量部を含有することが特に好ましい。
〔一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物〕
本発明のゴム組成物において、有機珪素化合物として、前記一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は前記一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物を含有する。
本発明のゴム組成物に用いる一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物は、ゴム100質量部に対して、1〜30質量部を含有することが好ましく、2〜25質量部を含有することがより好ましく、3〜15質量部を含有することが特に好ましい。
〔他の有機珪素化合物〕
本発明のゴム組成物では、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、(保護化)メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有してもよい(以下、これらの有機珪素化合物を「他の有機珪素化合物」と総称する場合がある)。
本発明のゴム組成物が、他の有機珪素化合物、即ち、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、(保護化)メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有する場合、シリカ系充填材100質量部に対して0.1〜20質量部を配合することが好ましく、0.5〜15質量部を配合することがより好ましく、0.5〜10質量部とすることが更に好ましく、0.5〜5.0質量部とすることがより更に好ましい。
ビニル系有機珪素化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン等が例示される。
アミノ系有機珪素化合物としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
アルキル系有機珪素化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトシキシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が例示される。
エポキシ系有機珪素化合物としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
メタクリル系有機珪素化合物としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物としては、一般式[3]で表されるポリスルフィド系シランカップリング剤が例示され、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが特に好ましい。
(R16−O)3-m(R16)m−Si−R17−Sl−R17−Si−(R16)m(O−R16)3-m・・・[3]
(式[3]中、R16は独立して炭素数1〜18のアルキル基、又はCa2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基を表し、R17は炭素数1〜9のアルキレン基又は二価のフェニル基を表し、lは1〜9の整数を表し、mは0、1、又は2の整数を表す。)
(保護化)メルカプト系有機珪素化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を有しているメルカプト系有機珪素化合物、及び、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン等の化合物としてはメルカプト基を有していない(メルカプト基が保護されている)有機珪素化合物であって、熱、薬剤等が加えられることにより、後発的にメルカプト基を有することになる保護化メルカプト系有機珪素化合物を例示することができる。
(保護化)メルカプト系有機珪素化合物としては、下記一般式[4]で表される化合物であることが好ましい。
18 n(R193-n−Si−R20−SH・・・・[4]
一般式[4]において、R18は、それぞれ独立して、炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
一般式[4]において、R19は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。
一般式[4]において、R20は、二価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜18の二価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基である。
一般式[4]において、nは、0、1または2である。
併用される他の有機珪素化合物を具体的に例示すると、前記一般式[3]で表される化合物に相当する株式会社大阪ソーダ製のCABURUS−2とCABURUS−4、3−アミノプロピルトリエトキシシランであるJNC社製のS330、デグサ社製の、前記CABURUS−2タイプに相当するSi−75、前記CABURUS−4タイプに相当するSi−69、下記式[5]で表されるSi−363、モメンティブ社製の、前記CABURUS−4タイプに相当するA−1289、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランであるA−189、NXT、下記式[6]で表されるNXT−LowV、前記CABURUS−4タイプに相当する信越化学社製のKBE−846などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独又は混合して使用することもできる。
Figure 2019142890
Figure 2019142890
また本発明の有機珪素化合物、及びビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、(保護化)メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から少なくとも一種は、それらの合計質量がシリカ系充填材100質量部に対し30質量部を超えないことが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造においては、80〜250℃で混練することが好ましく、80〜200℃で混練することがより好ましい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
本発明においては、更に、架橋剤を含むことが好ましく、架橋剤は硫黄、セレン、有機過酸化物、モルホリンジスルフィド、チウラム系化合物、オキシム系化合物から選択される少なくとも一種であることが特に好ましいが、これらに限定されるものではない。
上記架橋剤の含有量は、ゴム100質量部に対して、0.1〜20質量部含有することが好ましく、0.2〜15質量部含有することがより好ましく、0.5〜10質量部含有することが特に好ましい。
本発明のゴム組成物に架橋剤を添加後の組成物(架橋用ゴム組成物)の混練は、100℃以下で混練することが好ましい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
本発明のゴム組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の他に、通常ゴム工業で用いられる配合剤を使用できる。例えば、グアニジン系架橋促進剤、スルフェンアミド系架橋促進剤、亜鉛華(酸化亜鉛)などの架橋促進(助)剤、加工助剤、チタネート系などのカップリング剤、フェニル−α−ナフチルアミンやN-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンなどの老化防止剤、カーボンブラック、炭酸カルシウムなどの充填剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、スコーチ防止剤等を使用できる。
グアニジン系架橋促進剤としては、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。
スルフェンアミド系架橋促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−第三ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−第三ブチル−ジ(2−ベンゾチアゾール)スルフェンイミド等が挙げられる。
本発明のゴム組成物における架橋促進(助)剤の配合量は、ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、3〜9質量部であることが特に好ましい。架橋促進(助)剤の配合量とは、架橋促進剤及び架橋促進助剤に該当するものの合計配合量であり、架橋促進剤及び架橋促進助剤を両方使用する場合には、それらの合計配合量を表す。
加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド;オレイン酸エチルなどの高級脂肪酸エステル、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの高級脂肪族アミンなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物における加工助剤の配合量は、ゴム100質量部に対して、例えば、300質量部以下、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。
軟化剤としては、カルナバワックス、セレシンワックスなどの石油系ワックス;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのポリグリコール;ワセリン、パラフィン、ナフテンなどの脂肪族炭化水素;シリコーン系オイルなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物における軟化剤の配合量は、ゴム100質量部に対して、例えば、300質量部以下、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。
本発明のゴム組成物における老化防止剤の配合量は、ゴム100質量部に対して、例えば、30質量部以下、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
カーボンブラックとしては、以下のものに限定されないが、例えば、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが挙げられる。
カーボンブラックは、ゴム100質量部に対して、0.5〜100質量部含有することが好ましく、1〜90質量部含有することがより好ましく、2〜80質量部含有することが特に好ましい。
本発明のゴム組成物(架橋用ゴム組成物)の混練では、通常ゴム工業にて使用されるロール、加圧ニーダー、インターミキサー、バンバリーミキサーなどの各種混合機械を用いることが可能である。
このように調製された架橋用ゴム組成物は押出成形機、カレンダーロール、又はプレスにより意図する形状に成形し、好ましくは120〜230℃で、1分〜3時間加熱して架橋物(ゴム材料)を得ることができる。また、架橋の際には金型を用いても良い。
本発明のゴム材料の切断時引張強さ(TSb)は、11MPa以上であればよく、好ましくは13.0MPa以上、より好ましくは15.0MPa以上、更に好ましくは16.0MPa以上であり、上限は特に限定されないが、35MPa以下であってもよく、25MPa以下であってもよい。
本発明のゴム材料の切断時伸び(Eb)は、200%以上であればよく、好ましくは240%以上、より好ましくは270%以上、更に好ましくは280%以上であり、上限は特に限定されないが、500%以下であってもよく、400%以下であってもよい。
この切断時引張強さ及び切断時伸びは、後述する実施例の測定法に従って決定できる。
本発明のゴム材料は、低燃費性及びグリップ性に優れている点に特徴があり、0℃におけるtanδが大きいと、グリップ性に優れることが示唆され、60℃におけるtanδが小さいと、燃費性に優れることが示唆される。通常、60℃のtanδの値が小さくなると、0℃のtanδの値も小さくなる傾向があるが、本発明のゴム材料は、汎用されているポリスルフィド系有機珪素化合物を用いたゴム材料と比べて、60℃のtanδの値を小さくしつつ、0℃のtanδの値を大きくすることができる。0℃におけるtanδとしては、0.20以上であることが好ましく、より好ましくは0.25以上であり、更に好ましくは0.28以上である。0℃におけるtanδの上限は、特に限定されないが、0.8以下であってもよく、0.5以下であってもよい。60℃におけるtanδとしては、0.15以下であることが好ましく、より好ましくは0.13以下である。60℃におけるtanδの下限は、特に限定されないが、0.05以上であってもよく、0.08以上であってもよい。このtanδは、後述する実施例の測定法に従って決定できる。
本発明のゴム材料は、好ましくは摩耗性も優れている。1000回転あたりの摩耗体積は、例えば0.4cc以下であり、0.30cc以下であることが好ましく、より好ましくは0.28cc以下である。下限は特に限定されないが、0.05cc以上であってもよく、0.1cc以上であってもよい。この摩耗性は、後述する実施例の測定法に従って決定できる。
本発明のゴム組成物を用いたゴム材料はタイヤ(特にトレッド部分)、ベルト、防振ゴムなどの動的に使用されるゴム部品で好適に使用することができ、ゴム材料は本発明のゴム組成物を架橋してなる架橋物であることが好ましい。
本願は、2018年1月19日に提出された日本国特許出願第2018−007561号に基づく優先権の利益を主張するものである。2018年1月19日に出願された日本国特許出願第2018−007561号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1 BOC−アラニン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物1)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた300mLの三口フラスコに10.0g(52.9mmol)のBOC−アラニン(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニン、東京化成工業株式会社製)、100gのジクロロメタン(和光純薬株式会社製)、12.6g(52.9mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.65g(5.3mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、12.0g(58.1mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し3時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[7]で表される有機珪素化合物1を17.1g(収率79%)得た。物性値を以下に示す。
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 5.0−4.9(m、1H)、4.4−4.3(m、1H)、3.8(q、J=7.0Hz、6H)、2.9(t、J=7.5Hz、2H)、1.8−1.6(m、2H)、1.5(s、9H)、1.4(d、J=7.0Hz、3H)、1.2(t、J=7.0Hz、9H)
Figure 2019142890
実施例2 BOC−バリン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物3)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた300mLの三口フラスコに10.0g(46.0mmol)のBOC−バリン(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリン、東京化成工業株式会社製)、100gのジクロロメタン(和光純薬株式会社製)、11.0g(46.0mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.56g(4.6mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、10.5g(50.6mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し3時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[8]で表される有機珪素化合物3を17.0g(収率85%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 5.0(d、J=9.6Hz、1H)、4.3(dd、J=4.8、9.6Hz、1H)、3.8(q、J=6.8Hz、6H)、2.9(t、J=7.6Hz、2H)、2.3−2.2(m、1H)、1.7−1.6(m、2H)、1.5(s、9H)、1.2(t、J=6.8Hz,9H)、1.0(d、J=6.8Hz、3H)、0.9(d、J=6.8Hz、3H)、0.7−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例3 BOC−ロイシン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物4)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた500mLの三口フラスコに11.3g(45.3mmol)のBOC−ロイシン一水和物(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシン一水和物、東京化成工業株式会社製)、113gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(和光純薬株式会社製)、10.8g(45.3mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.55g(4.5mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、10.3g(49.9mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し終夜攪拌した。反応終了後、100gの酢酸エチルと100gの超純水を加えて分液し、水層を100gの酢酸エチルで2回抽出した。抽出された有機層を超純水と15wt%塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過してろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[9]で表される有機珪素化合物4を11.0g(収率54%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.8(d、J=8.4Hz、1H)、4.4−4.3(m、1H)、3.8(q、J=6.8Hz、6H)、2.9(t、J=7.2Hz、2H)、1.7−1.6(m、5H)、1.5(s、9H)、1.2(t、J=6.8Hz、9H)、0.9(d、J=6.4Hz、6H)、0.7−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例4 BOC−イソロイシン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物5)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた500mLの三口フラスコに11.2g(46.5mmol)のBOC−イソロイソン0.5水和物(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−イソロイシン0.5水和物、東京化成工業株式会社製)、112gのDMF(和光純薬株式会社製)、10.1g(46.5mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.57g(4.6mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、10.6g(51.1mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し終夜攪拌した。反応終了後、100gの酢酸エチルと100gの超純水を加えて分液し、水層を100gの酢酸エチルで2回抽出した。抽出された有機層を超純水と15wt%塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過してろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[10]で表される有機珪素化合物5を11.9g(収率57%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 5.0(d、J=9.2Hz、1H)、4.3(dd、J=4.4、9.6Hz、1H)、3.8(q、J=6.8Hz、6H)、2.9(t、J=7.6Hz、2H)、2.1−1.9(br、1H)、1.7−1.6(m、2H)、1.5(s、9H)、1.5−1.3(m、1H)、1.2(t、J=6.8Hz、9H)、1.2−1.0(m、1H)、0.9(d、J=6.8Hz、3H)、0.9(t、J=7.2Hz、3H)、0.7−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例5 BOC−グルタミン酸残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物6)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた500mLの三口フラスコに13.0g(52.6mmol)のBOC−グルタミン酸(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタミン酸、東京化成工業株式会社製)、130gのDMF(和光純薬株式会社製)、25.1g(105.2mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、1.28g(10.5mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、23.9g(115.7mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し終夜攪拌した。反応終了後、300gの酢酸エチル、100gのヘキサンと400gの超純水を加えて分液し、水層を200gの酢酸エチルで2回抽出した。抽出された有機層を超純水と15wt%塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過してろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[11]で表される有機珪素化合物6を15.6g(収率43%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 5.0(d、J=8.8Hz、1H)、4.4−4.3(m、1H)、3.8(q、J=6.8Hz、12H)、2.9(t、J=6.8Hz、4H)、2.7−2.6(m、2H)、2.3−2.2(m、1H)、2.0−1.9(m、1H)、1.8−1.6(m、4H)、1.5(s、9H)、1.2(t、J=6.8Hz、18H)、0.8−0.6(m、4H)
Figure 2019142890
実施例6 BOC−メチオニン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物7)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた200mLの三口フラスコに12.0g(48.1mmol)のBOC−メチオニン(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−メチオニン、東京化成工業株式会社製)、120gのジクロロメタン(和光純薬株式会社製)、11.5g(48.1mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.59g(4.8mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、10.9g(52.9mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し4時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[12]で表される有機珪素化合物7を19.6g(収率87%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 5.2(d、J=8.4Hz、1H)、4.5−4.4(m、1H)、3.8(q、J=7.2Hz,6H)、2.9(t、J=7.2Hz、2H)、2.6−2.4(m、2H)、2.2−2.0(m、1H)、2.1(s、3H)、1.9−1.8(m、1H)、1.7−1.6(m、2H)、1.4(s、9H)、1.2(t、J=7.2Hz、9H)、0.7−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例7 BOC−フェニルアラニン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物8)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた300mLの三口フラスコに14.0g(52.8mmol)のBOC−フェニルアラニン(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン、東京化成工業株式会社製)、140gのジクロロメタン(和光純薬株式会社製)、12.5g(52.8mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.64g(5.3mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、12.0g(58.0mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し4時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、白色固体である下記式[13]で表される有機珪素化合物8を22.7g(収率89%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.4−7.3(m、2H)、7.3−7.2(m、1H)、7.2−7.1(m、2H)、5.0(d、J=8.8Hz、1H)、4.6(dd、J=6.8、14.0Hz、1H)、3.8(q、J=6.8Hz、6H)、3.2(dd、J=5.5、14.0Hz、1H)、3.1(dd、J=7.0、14.0Hz、1H)、2.9(t、J=7.2Hz、2H)、1.8−1.6(m、2H)1.4(s、9H)、1.2(t、J=6.8Hz、9H)、0.8−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例8 BOC−β−アラニン残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物9)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた300mLの三口フラスコに12.0g(63.4mmol)のBOC−β−アラニン(N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニン、東京化成工業株式会社製)、120gのジクロロメタン(和光純薬株式会社製)、15.1g(63.4mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、0.77g(6.3mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、14.4g(69.8mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し終夜攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[14]で表される有機珪素化合物9を24.2g(収率93%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.9(br、1H)、3.8(q、J=7.2Hz、6H)、3.5−3.3(m、2H)、2.9(t、J=7.2Hz、2H)、2.8(t、J=6.0Hz、2H)、1.7−1.6(m、2H)、1.2(t、J=7.2Hz、9H)、0.7−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例9 BOC−6−アミノヘキサン酸残基を有するチオエステル型トリエトキシシラン(有機珪素化合物10)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた1000mLの三口フラスコに15.0g(114.4mmol)の6−アミノヘキサン酸、119gの1N水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)、203gのテトラヒドロフラン(THF)(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら25.0g(114.4mmol)の二炭酸ジ−tert−ブチル(和光純薬株式会社製)を加えて終夜攪拌した。反応終了後、反応溶液を塩酸(和光純薬株式会社製)で酸性にした後、200gの酢酸エチルを加えて2回抽出した。抽出された有機層を超純水、15wt%塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過してろ液を減圧濃縮し、無色透明の液体である粗BOC−6−アミノヘキサン酸を28.0g得た。得られた化合物は精製せずに次の反応に使用した。
温度計、磁気攪拌装置を備えた500mLの三口フラスコに28.0gの粗BOC−6−アミノヘキサン酸、265gのジクロロメタン(和光純薬株式会社製)、27.3g(114.4mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、1.4g(11.4mmol)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら5℃まで冷却した後、26.0g(125.8mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬株式会社製)を加えた。その後、室温まで昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[15]で表される有機珪素化合物10を44.4g(2段階における収率86%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 4.6−4.5(br、1H)、3.8(q、J=6.8Hz、6H)、3.1−3.0(m、2H)、2.9(t、J=7.2Hz、2H)、2.5(t、J=7.2Hz、2H)、2.7−2.6(m、4H)、1.5−1.4(m、2H)、1.4(s、9H)、1.4−1.3(m、2H)、1.2(t、J=6.8Hz、9H)、0.7−0.6(m、2H)
Figure 2019142890
実施例10 Boc保護3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(有機珪素化合物11)の合成
温度計、磁気攪拌装置を備えた500mLの三口フラスコに10.0g(41.9mmol)の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、300gのアセトニトリル(和光純薬株式会社製)、15.1g(109.1mmol)の炭酸カリウム(和光純薬株式会社製)を加えた。フラスコ内を磁気攪拌装置で攪拌しながら11.9g(54.5mmol)の二炭酸ジ−tert−ブチル(和光純薬株式会社製)を加えて室温で2日間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過してろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)で精製し、無色透明の液体である下記式[16]で表される有機珪素化合物11を10.7g(収率76%)得た。物性値を以下に示す。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 3.8(q、J=6.8Hz、6H)、2.8(t、J=7.2Hz、2H)、2.8−2.7(m、2H)、1.5(s、9H)、1.2(t、J=6.8Hz、9H)、0.8−0.7(m、2H)
Figure 2019142890
実施例11〜20、比較例1 ゴム組成物の製造
250ccバンバリーミキサータイプのアタッチメントBR−250を備えたラボプラストミル10C100(東洋精機株式会社製)にて混練試験を行った。装置温度は90℃のオイル循環加熱とし、ミキサーのローター回転速度は60rpm一定とした。配合はゴム100gベースにて試験を行った。手順はゴム成分を30秒間素練りした後、表1の配合(I)に示される薬剤を添加し、30秒間混練した。次いで表1の配合(II)に示される薬剤を添加して3分間混練後、混練物を排出した。尚、実施例・比較例の有機珪素化合物の量は、実施例・比較例における有機珪素化合物中の硫黄量が同じになるように調整した。排出した混練物は室温の6インチロールにて冷却後、表1の配合(III)に示される架橋剤成分を添加し6分間混練して、約2mmの厚みのシート(未架橋シート)を得た。翌日、残りのコンパウンドを160℃で20分間熱プレス架橋し、試験用サンプル(架橋シート)を得た。
引張試験
架橋シートから3号形ダンベル試験片を打ち抜き、ミネベア社製テクノグラフTG−2kNを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を行った。
動的粘弾性試験1
架橋シートから幅4×長さ40×厚み2mmの試験片を打ち抜き、セイコーインスツル株式会社製DMS6100にて、チャック間距離20mm、初期荷重1000mN、引張歪10μm、10Hzの加振条件下で測定した。なお測定温度範囲は−20℃〜20℃とし、2℃/分の速度で昇温して、0℃のtanδを測定した。
動的粘弾性試験2
架橋シートから幅4×長さ25×厚み2mmの試験片を打ち抜き、株式会社ユービーエム製Rheogel−4000にて、チャック間距離20mm、初期歪5%、動振幅0.5%、10Hzの加振条件下で測定した。なお測定温度範囲は60℃一定とした。
磨耗性試験
JIS K6264に準拠した試験片(架橋シート)を作成し、JIS K6264−2に準じアクロン磨耗試験機にて15°の傾斜角にて測定を行った。また負荷荷重は44.1N、試験片の回転速度は1分間に250回転とした。
以下に実施例及び比較例で用いた配合剤を示す。
*1 JSR株式会社製 SL552
*2 東ソーシリカ株式会社製 Nipsil AQ(BET比表面積215m2/g)
*3 日本石油株式会社製 Sunthene415
*4 日油株式会社製 ステアリン酸さくら
*5 大内新興化学工業株式会社製 ノクラック6C
*6 株式会社大阪ソーダ製 CABRUS−2((ポリ)スルフィド系有機珪素化合物)
*7 堺化学工業株式会社製 酸化亜鉛2種
*8 大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーD(グアニジン系架橋促進剤)
*9 大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーCZ(スルフェンアミド系架橋促進剤)
*10 細井化学工業株式会社製 コロイド硫黄
Figure 2019142890
上記試験方法より得られた実施例及び比較例の試験結果を表2に示す。
Figure 2019142890
表2に示される通り、本願発明の有機珪素化合物を用いた実施例11〜20は、最も汎用されているポリスルフィド系有機珪素化合物を用いた比較例1と比較して、0℃のtanδは大きく、グリップ性も優れることが示唆され、60℃のtanδが小さく、燃費性に優れることが示唆された。通常、60℃のtanδの値が小さくなると、0℃のtanδの値も小さくなる傾向があるが、本願発明の有機珪素化合物を用いた実施例11〜20は、グリップ性と燃費性の両方で優れる点でも好ましい。
また、本願発明の有機珪素化合物を用いた実施例11〜20は、機械物性、摩耗性が比較例1と比較して劣らないことが示唆された。
また、実施例11〜17で用いられた本願発明の有機珪素化合物は、現在多量に使用されているポリスルフィド系有機珪素化合物に対して、サスティナブル材料より誘導される点でも好ましいと言える。
本発明にある有機珪素化合物を使用することにより、グリップ性、低燃費性に優れたゴム組成物およびゴム材料を提供することができる。従って、特にタイヤのトレッドや防振ゴム、ベルトなどの動的に使用されるゴム部品の製造には好適である。

Claims (19)

  1. 下記一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は下記一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物。
    Figure 2019142890
    (式[A]中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、Ra、Rb、Rcの少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    dは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    1は単結合又は2価の有機基である。
    e、Rf、Rgはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
    p1は、0又は1を表す。)
    Figure 2019142890
    (式[B]中、Rhは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    i、Rjはそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
    2は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
    kは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    2は単結合又は2価の有機基である。
    l、Rm、Rnはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
    p2は、0又は1を表す。)
    Figure 2019142890
    (式[1]中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、R1、R2、R3の少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    4は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    5は水素、又は有機基である。
    6は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
    Figure 2019142890
    (式[2]中、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    8、R9はそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
    1は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
    10は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    11は水素、又は有機基である。
    12は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
  2. 前記2価の有機基が、側鎖を有していてもよい、両端に結合手を有する直鎖状連結基であり、2つの結合手間の距離を原子数でカウントした場合、10以下である請求項1に記載の有機珪素化合物。
  3. 前記直鎖状連結基が、直鎖アルキレン基、−NH−、−C(=O)−から選ばれる1種である、又は2種以上の組み合わせである請求項2に記載の有機珪素化合物。
  4. 前記側鎖が、置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基である請求項2又は3に記載の有機珪素化合物。
  5. 前記側鎖が、天然α−アミノ酸側鎖基又は天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基である請求項2〜4のいずれかに記載の有機珪素化合物。
  6. 前記炭素数1〜10の一価の炭化水素基が、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す、請求項1〜5のいずれかに記載の有機珪素化合物。
  7. 式[1]中、R1、R2、R3がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R4が置換もしくは無置換の炭素数1〜18の二価の炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の有機珪素化合物。
  8. ゴム;シリカ系充填材;
    下記一般式[A]、[B]、[1]、又は[2]で表される有機珪素化合物、又は下記一般式[A]、[B]、[1]、及び[2]で表される有機珪素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機珪素化合物を縮合成分として含む縮合物を含有するゴム組成物。
    Figure 2019142890
    (式[A]中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、Ra、Rb、Rcの少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    dは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    1は単結合又は2価の有機基である。
    e、Rf、Rgはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
    p1は、0又は1を表す。)
    Figure 2019142890
    (式[B]中、Rhは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    i、Rjはそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
    2は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
    kは置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    2は単結合又は2価の有機基である。
    l、Rm、Rnはそれぞれ独立して、炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表す。
    p2は、0又は1を表す。)
    Figure 2019142890
    (式[1]中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかであり、R1、R2、R3の少なくとも一つは置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、ヒドロキシ基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    4は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    5は水素、又は有機基である。
    6は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
    Figure 2019142890
    (式[2]中、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基を有するシロキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するシロキシ基、炭素数1〜18のアミノアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルアミノアルコキシ基、炭素数3〜18のジアルキルアミノアルコキシ基、ヒドロキシ基、炭素数2〜18のカルボキシル基、Ca2a+1O−((CH2bO)cで表されaは1〜18、bは1〜6、cは1〜18であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル基、ハロゲン原子のいずれかである。
    8、R9はそれぞれ独立して、置換又は無置換の炭素数1〜8のアルキレン基である。
    1は−C(=O)−、−O−、−NR13−、−CR1415−のいずれかであり、R13、R14、R15は置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基又は水素である。
    10は置換もしくは無置換の芳香環を含んでいてもよい炭素数1〜18の二価の炭化水素基である。
    11は水素、又は有機基である。
    12は水素、あるいはアミノ基の保護基である。)
  9. 前記2価の有機基が、側鎖を有していてもよい、両端に結合手を有する直鎖状連結基であり、2つの結合手間の距離を原子数でカウントした場合、10以下である請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 前記直鎖状連結基が、直鎖アルキレン基、−NH−、−C(=O)−から選ばれる1種である、又は2種以上の組み合わせである請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 前記側鎖が、置換基又は置換基を有していてもよい炭化水素基である請求項9又は10に記載のゴム組成物。
  12. 前記側鎖が、天然α−アミノ酸側鎖基又は天然α−アミノ酸側鎖基より誘導される基である請求項9〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. 前記炭素数1〜10の一価の炭化水素基が、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す、請求項8〜12のいずれかに記載のゴム組成物。
  14. 式[1]中、R1、R2、R3がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R4が置換もしくは無置換の炭素数1〜18の二価の炭化水素基であることを特徴とする請求項8に記載のゴム組成物。
  15. 更に、ビニル系有機珪素化合物、アミノ系有機珪素化合物、アルキル系有機珪素化合物、エポキシ系有機珪素化合物、メタクリル系有機珪素化合物、(保護化)メルカプト系有機珪素化合物、(ポリ)スルフィド系有機珪素化合物、及びそれらの縮合物から選択される少なくとも一種を含有する請求項8〜14のいずれかに記載のゴム組成物。
  16. ゴムが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)から選択される1種である、又は2種以上であることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載のゴム組成物。
  17. シリカ系充填材がBET比表面積20〜300m2/gの湿式シリカであることを特徴とする請求項8〜16のいずれかに記載のゴム組成物。
  18. 請求項8〜17のいずれかに記載のゴム組成物を用いてなるゴム材料。
  19. 請求項18のゴム材料を用いてなるタイヤ、ベルト、防振ゴム。
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