JPWO2019117102A1 - 液体試料検査キット用膜担体、液体試料検査キット、液体試料検査キットの製造方法、液体試料の検査方法及び膜担体 - Google Patents

液体試料検査キット用膜担体、液体試料検査キット、液体試料検査キットの製造方法、液体試料の検査方法及び膜担体 Download PDF

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Abstract

液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キット用膜担体(3)であって、液体試料を輸送できる少なくとも一つの流路(2)を備え、流路(2)の底面に、液体試料を輸送するための毛細管作用を生じせしめる微細構造が設けられ、流路(2)の中に、底面の高さレベルが変化する段差が設けられている、液体試料検査キット用膜担体(3)を提供する。膜担体は、液体試料中の被検出物質を検出する検知ゾーンを有することが好ましい。

Description

本発明は、液体試料検査キット用膜担体、液体試料検査キット、液体試料検査キットの製造方法、液体試料の検査方法及び膜担体に関する。
近年、抗原抗体反応等を用いることで、感染症への罹患や妊娠、血糖値等を測定する、Point of Care Test(POCT)試薬が注目を集めている。POCT試薬は、短時間で結果の判別が可能、使用方法が簡便、安価であるといった特徴をもっている。POCT試薬は、これらの特徴から、症状が軽度の段階での診察や定期診察等に多く使用されており、今後増加することが予想される在宅医療においても重要な診察ツールとなっている。
多くのPOCT試薬では、血液等の液体試料を検査キットに導入し、その中に含まれる特定の被検出物質を検出することで判定を行っている。液体試料から特定の被検出物質を検出する方法としてイムノクロマトグラフィ法がよく用いられている。イムノクロマトグラフィ法とは、検査キットの膜担体上に滴下された液体が膜担体上を移動する中で、被検出物質と標識体とが結合し、更にこれらが検査キット中に固定化された物質(以下、検出物質という)と特異的に結合し、その結果生じた色や質量の変化等を検出するという手法である。検出物質は、試薬(reagent)と言い換えてもよい。
被検出物質を検出する手法として、標識体として着色ラテックス粒子、蛍光ラテックス粒子、金属コロイド粒子等を用いることで生じる色変化を、吸光度測定器等の光学測定機器を介して検知するものがよく知られている。
上記の色変化を光学的に判定するPOCT試薬として、ニトロセルロース膜を用いたラテラルフロー型のキットがよく用いられている(特許文献1)。ニトロセルロース膜は、直径が数μm程度の微細な孔を多数有しており、その孔の中を液体試料が毛細管力によって移動する。
しかし、ニトロセルロース膜は天然物由来であり、孔径や孔同士のつながり方が一様ではないため、それぞれの膜で液体サンプルの流れる流速に差異が生じてしまう。流速を制御する手法として特許文献2が示されているが、特許文献2は流路が多孔質体である。本発明は、流路が凸部を有する微細構造であり、特許文献2とは異なる。特許文献2はニトロセルロース膜を使用しているため、孔径や孔同士のつながり方が一様ではないという課題があった。流速に差異が生じると、被検出物質を検出するためにかかる時間も変化してしまい、その結果、被検出物質が結合を生じる前に非検出として誤って判断してしまう可能性がある。
上記の課題を解決するため、微細流路を人工的に作製するという手法が考案されている(特許文献3〜7)。この手法を用いると、均一な構造を有する膜担体を作製することができるため、被検出物質が結合を生じる前に非検出として誤って判断してしまう可能性を低減できる。
上記の特許文献では系内での流路構造が均一であるため検出性能に制限があった。特許文献8には、人工的な微細流路を用いた際の検出性能を向上させる手法として、流速制御を目的とした溝型流路と、感度向上を目的としたピラー型流路を組み合わせるものが示されている。
特開2014−062820号公報 国際公開第2016/051974号 特許第4597664号 特表2012−524894号公報 特許第5609648号 特開2016−011943号公報 特開2013−113633号公報 特許第5821430号 国際公開第2016/098740号
しかし、上記の特許文献1〜8に記載の手法では、検出物質にのみ着目しており、被検出物質や標識体の流れに関しては着目していなかった。人工的な微細流路を用いた系では流れが単純な層流になりやすく、その結果被検出物質と標識体の撹拌が十分に行われにくくなるため、検出性能を低下させる要因となっていた。特にラテラルフロー型のイムノクロマトグラフィ法では、検出系がシンプルな分だけ、流路構造の影響が検査結果に反映されやすい。
特許文献9は、液体試料中の被検出物質を検出する検査キット用の膜担体であって、前記液体試料を輸送できる少なくとも一つの流路が設けられ、前記流路の底面に、前記液体試料を輸送するための毛細管作用を生じせしめる微細構造が設けられている、液体試料検査キット用膜担体が記載されている。しかし、特許文献9は、段差について記載がない、
本発明は、上記問題を鑑みて、例えば、被検出物質が検出されたことを光学的手法で確認可能なイムノクロマトグラフィ法において、高感度な判定が可能な検査キットの提供を課題とする。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キット用膜担体であり、
前記液体試料を輸送できる、一体成型された少なくとも一つの流路を備え、
前記流路の底面に、前記液体試料を輸送するための毛細管作用を生じせしめる微細構造が設けられ、
前記流路の中で前記底面の高さレベルが変化する段差が少なくとも一つ設けられている、液体試料検査キット用膜担体であり、
前記段差が、前記液体試料の輸送方向について、上流側に比べ下流側の前記底面の高さレベルが高くなるように設けられている、液体試料検査キット用膜担体。
(2)前記微細構造が、円錐、多角錐、円錐台、多角錐台、円柱、多角柱、半球、半楕円体の何れを有する(1)に記載の液体試料検査キット用膜担体。
(3)前記段差における前記底面の高さレベルの変化量が、前記段差の上流側の前記微細構造の高さの2倍以下である、(1)又は(2)に記載の液体試料検査キット用膜担体。
(4)前記流路において、前記段差の下流側で、前記底面の高さレベルが前記段差の上流側の高さレベルに近づくように傾斜が設けられている、(1)〜(3)の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
(5)前記段差を境界として、その上流側と下流側とで前記微細構造が変化する、(1)〜(4)の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
(6)前記段差を境界として、その下流側の前記微細構造の高さが上流側よりも小さい、(1)〜(5)の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
(7)前記微細構造の高さが、前記流路内で10μm以上500μm以下である、(1)〜(6)の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
(8)液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キットであり、
(1)〜(7)の何れか一項に記載された液体試料検査キット用膜担体を備え、
前記膜担体は、前記液体試料中の前記被検出物質を検出する検知ゾーンを有し、
前記検知ゾーンにおいて、前記被検出物質が検出された際に色変化が生じる、液体試料検査キット。
(9)前記検知ゾーンが、前記流路内の傾斜部に設けられている、(8)に記載の液体試料検査キット。
(10)前記液体試料中の前記被検出物質と特異的に反応する抗体又はその抗原結合性断片を有する標識体が、前記被検出物質と反応し得るように前記液体試料検査キットの少なくとも一部に設けられており、
前記色変化は、前記被検出物質と結合した前記標識体によって生じる、(8)又は(9)に記載の液体試料検査キット。
(11)前記標識体が、着色ラテックス粒子又は蛍光ラテックス粒子に前記抗体又は前記抗原結合性断片が結合した粒子である、(10)に記載の液体試料検査キット。
(12)前記検知ゾーンには、前記被検出物質を検出する検出物質が固定されており、 前記色変化は、前記標識体が前記検出物質により前記検知ゾーンに保持されて呈色することによって生じる、(10)又は(11)に記載の液体試料検査キット。
(13)(8)〜(12)の何れか一項に記載された液体試料検査キットの製造方法であり、
前記検知ゾーンに、前記被検出物質を前記検知ゾーンに保持することによって前記色変化を生じせしめる検出物質を固定する工程を備える、液体試料検査キットの製造方法。
(14)(8)〜(12)の何れか一項に記載された液体試料検査キットを用いる、液体試料の検査方法であり、
前記液体試料と、前記液体試料中の被検出物質と特異的に結合する標識体とを混合して混合液体試料を調製し、前記被検出物質と前記標識体とを互いに結合させる工程と、
前記混合液体試料を前記膜担体に設けられた滴下ゾーンに滴下する工程と、
前記微細構造により、前記混合液体試料を前記滴下ゾーンから前記検知ゾーンへ輸送する工程と、
前記検知ゾーンにおける色変化を検知する工程と、を備える、液体試料の検査方法。
(15)液体試料中の被検出物質を検出する膜担体であり、
少なくとも一つの流路を備え、
前記流路の底面に、微細構造が設けられ、
前記流路の中で段差が少なくとも一つ設けられている、膜担体であり、
前記段差が、前記液体試料の輸送方向について、上流側に比べ下流側の底面の高さレベルが高くなるように設けられている、膜担体。
本発明によれば、被検出物質が検出されたことを光学的手法で確認可能なイムノクロマトグラフィ法において、高感度な判定が可能な検査キットの提供が可能となる。
上述した目的、及びその他の目的、特徴及び利点は、以下に述べる好適な実施の形態、及びそれに付随する以下の図面によって更に明らかになる。
本発明による実施形態の一例であり、検査キットの模式的な上面図である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の模式的な上面図である。 (a)は、本発明による実施形態の一例であり、微細構造の俯瞰図(上面図)であり、(b)は、(a)に示す微細構造を構成する凸部の斜視図である。 (a)は、本発明による実施形態の一例であり、微細構造の俯瞰図(上面図)であり、(b)は、(a)に示す微細構造を構成する凸部の斜視図である。 (a)は、本発明による実施形態の一例であり、微細構造の俯瞰図(上面図)であり、(b)は、(a)に示す微細構造を構成する凸部の斜視図である。 (a)は、本発明による実施形態の一例であり、微細構造の俯瞰図(上面図)であり、(b)は、(a)に示す微細構造を構成する凸部の斜視図である。 本発明による実施形態の一例であり、微細構造を有する膜担体の断面図である。 本発明による実施形態の一例であり、流路中に設けられた段差の断面図である。 本発明による実施形態の一例であり、流路中に設けられた段差の断面図である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の模式的な上面図である。 本発明による実施形態の一例であり、微細構造を形成するためのモールドの概略図である。 本発明による実施形態の一例であり、微細構造を形成するためのモールドの概略図(上面図、断面図)である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。又、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態の液体試料検査キット用膜担体とは、例えば、液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キット用の膜担体をいう。
ここで、被検出物質は、何ら限定されるものではなく、各種病原体、各種臨床マーカー等、抗体と抗原抗体反応することが可能ないかなる物質であってもよい。被検出物質の具体例として、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、HAV、HBs、HIV等のウイルス抗原、MRSA、A群溶連菌、B群溶連菌、レジオネラ属菌等の細菌抗原、細菌等が産生する毒素、マイコプラズマ、クラミジア・トラコマティス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン等のホルモン、C反応性タンパク質、ミオグロビン、心筋トロポニン、各種腫瘍マーカー、農薬、及び環境ホルモン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。被検出物質が、特に、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、C反応性タンパク質、ミオグロビン、及び心筋トロポニンのような検出と治療措置に急を要するものである場合には、本実施形態の液体試料検査キット及び膜担体の有用性が特に大きい。被検出物質は、単独で免疫反応を誘起できる抗原であってもよく、単独では免疫反応を誘起できないが、抗体と抗原抗体反応により結合した場合に免疫反応を誘起できるハプテンであってもよい。被検出物質は、通常、液体試料中で浮遊又は溶解した状態にある。液体試料は、例えば、上記被検出物質を緩衝液に浮遊又は溶解させた試料であってよい。
本実施形態に係る液体試料検査キット(以下検査キットということもある)は、液体試料中の被検出物質を検出する。図1は、検査キットの模式的な上面図である。例えば、図1に示すように、検査キット18は、膜担体3と、膜担体3を収容する筐体18aと、を備える。膜担体3は、その表面に、液体試料が滴下される滴下ゾーン3xと、液体試料中の被検出物質を検出するための検知ゾーン3yと、を有している。滴下ゾーン3xは、筐体18aの第一開口部18bにおいて露出している。検知ゾーン3yは、筐体18aの第二開口部18cにおいて露出している。
図2は、膜担体3の模式的な上面図である。図2に示すように、膜担体3は、液体試料を輸送する少なくとも一つの流路2を備えている。流路2は、一体成型により備えることが好ましい。流路2の底面には、微細構造が設けられている(図示せず、詳細は後述)。微細構造は、少なくとも滴下ゾーン3xと検知ゾーン3yとの間に位置する。膜担体3の表面全体にわたり、微細構造が設けられていてもよい。膜担体3の表面全体が、液体試料の流路2であってよい。微細構造は、毛細管作用を生じせしめる。微細構造の毛細管作用により、液体試料は、微細構造を介して、滴下ゾーン3xから検知ゾーン3yへ(輸送方向dに沿って)輸送される。液体試料中の被検出物質が検知ゾーン3yにおいて検出されると、検知ゾーン3yの色が変化する。
膜担体3の全体の形状は、特に限定されないが、例えば、四角形等の多角形、円形、又は楕円形であってよい。膜担体3が四角形である場合、膜担体3の縦幅(短手方向の長さ)L1は、例えば、2mm以上100mm以下であってよく、膜担体3の横幅(長手方向の長さ)L2は、例えば、2mm以上100mm以下であってよい。微細構造の高さを除く膜担体の厚みは、例えば、0.1mm以上10mm以下であってよい。
微細構造は、円錐、多角錐、円錐台、多角錐台、円柱、多角柱、半球、半楕円体の何れかよりなることが好ましい。図3〜6は、それぞれ、本実施形態における、流路の底面に設けられた微細構造及びそれを構成する凸部の一例を示す。図3〜6中、(a)は、それぞれ微細構造の俯瞰図(上面図)であり、(b)は、それぞれ(a)に示す微細構造を構成する凸部の斜視図である。図3〜6に示すように、微細構造7は、凸部8の総体(集合体)である。つまり、微細構造7は、液体試料の流路2の底面に相当する平坦部9と、平坦部9から突出する複数の凸部8と、を備える。毛細管作用により、複数の凸部8の間の空間が、液体試料を膜担体3の表面に沿って輸送する流路2として機能する。換言すれば、毛細管作用により、微細構造7における空隙が、液体試料を膜担体3の表面に沿って輸送する流路2として機能する。複数の凸部8は、規則的に、又は、並進対称的に、膜担体3の表面上に並んでいてよい。
例えば、図3に示すように、凸部8aの形状は、円錐であってもよい。例えば、図4に示すように、凸部8bの形状は、四角錐であってもよい。例えば、図5に示すように、凸部8cの形状は、六角錐であってもよい。例えば、図6に示すように、凸部8dの形状は、横置きの三角柱(三角柱における一側面(四角形の面)が平坦部9に接するように置かれた三角柱)であってもよい。微細構造7を俯瞰した(上面から見た)際に膜担体3の全表面を視認でき、被検出物質が検出された際の色変化を光学的手法で確認しやすい点で、これらの中では、円錐や多角錐等の錐体構造が凸部8の形状として適している。錐体構造の中では、円錐が凸部8の形状として適している。
微細構造7を構成する凸部8の形状は、幾何学的に正確な形状である必要はなく、角部が丸みを帯びている形状や表面に微細な凹凸が存在する形状等であってもよい。
膜担体3には、流路2の底面の高さレベルが変化する段差11が設けられている。図8は、段差を膜担体厚み方向及び液体試料の輸送方向それぞれと垂直な方向から見たものである。図9のように、段差より下流の領域Bは、底面の高さレベルが段差より上流の領域Aに近づくように傾斜がかかっていてもよい。
上記段差11は、液体試料内で高さ方向に関する撹拌をより促進する観点から、流路2の底面の高さレベルが不連続的に変化するものが好ましい。
尚、上記段差11は流路2の底面の高さレベルが変化するものであり、凸構造(例えば、出っ張り)や凹構造(例えば、溝)は除かれる。
上記段差11は、上流側よりも下流側において底面の高さレベルが高くなっている。この場合、液体試料の表面張力により段差11を超えて液体試料は展開され、その際に液体試料内で高さ方向に関する撹拌が促進され、被検出物質と標識体との反応率が向上することから検査キットの性能が向上する。
上記段差11の底面レベルの高さの変化量は、段差11よりも上流側の微細構造8Aの高さの2倍以下であることが好ましい。この場合、段差11における毛細管力による液体試料の進行がより一層スムーズに行われる。ここで、微細構造8Aの高さは、例えば凸部8の高さである。
又、上記段差11の底面レベルの高さの変化量すなわち段差11の高さは、例えば、5μm以上1000μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下である。
上記段差11の下流側の領域Bにおいては、領域Bの下流側の高さレベル(例えば、特定の一辺20Aの対辺20B)が、その上流側の高さレベル(例えば、特定の一辺20A)に近づくように、傾斜がかかっていてもよい。傾斜は下流側へ向かってかかることが好ましい。この場合、重力の影響で流路内の液体試料が展開されやすく、反応時間の短縮や、液体試料展開後の残存標識体によるバックグラウンドの着色抑制が達成できる。
上記段差11を境界として、上記凸部8の形状が変化してもよい。段差11において、展開中の液体試料の液面高さの変化が生じるが、上記凸部8の形状を変化させることでより微細構造と液体試料の接触を促進でき、感度を向上できる。ここで言う液面高さとは、各領域での流路底面から展開中の液体試料の液面までの高さを言う。ここで言う上記凸部8の形状には、凸部8の大きさも含まれる。
具体的には、段差11を超えた直後の液面高さは段差の上流側よりも低くなる。したがって液体試料の流量も小さくなるが、段差11を境界として微細構造全体と液体試料が接触することで微細構造と液体試料中の被検出物質との接触を促進でき、感度を向上できる。段差11を境界として、段差11の下流側の微細構造の高さを小さくした場合、微細構造と液体試料中の被検出物質との接触をより促進でき、感度をより向上できる。ここで言う流量とは、単位時間あたりに、液体試料の展開方向と垂直方向の流路断面を通過した液体試料の体積を言う。
上記微細構造7を構成する凸部8の高さ6は、好ましくは10μm以上500μm以下である。凸部8の高さ6は、複数の凸部8間においてこの範囲で変化していてもよい(互いに異なっていてもよい)。凸部8の高さ6が10μm以上である場合、流路2の体積が大きくなり、液体試料がより短時間で展開可能となる。凸部8の高さ6が500μm以下である場合、微細構造7を作製する時間とコストを低減でき、微細構造7の作製がより容易となる。
凸部8の高さ6は、平坦部9に直交する方向における凸部8の最大長さとして定義される。図3及び図7に示すように、凸部8aの形状が円錐である場合、凸部8aの高さ6aは、平坦部9に直交する方向における凸部8aの最大長さ(円錐の高さ)である。図4に示すように、凸部8bの形状が四角錐である場合、凸部8bの高さ6bは、平坦部9に直交する方向における凸部8bの最大長さ(四角錐の高さ)である。図5に示すように、凸部8cの形状が六角錐である場合、凸部8cの高さ6cは、平坦部9に直交する方向における凸部8cの最大長さ(六角錐の高さ)である。図6に示すように、凸部8dの形状が横置きの三角柱である場合、凸部8dの高さ6dは、平坦部9に直交する方向における凸部8dの最大長さ(横置きの三角柱の高さ)である。
凸部8の底面10の径4は、凸部8の底面10における代表長さとして定義される。底面10における代表長さは、底面10の形状が円の場合は直径、三角形又は四角形の場合は最も短い一辺の長さ、五角形以上の多角形の場合は最も長い対角線の長さ、それ以外の形状の場合は底面10における最大の長さとする。
図7は、図3に示す微細構造7aを有する膜担体3のVII−VII線に沿った矢視断面図である。図3及び図7に示すように、凸部8aの形状が円錐である場合、凸部8aの底面10aの径4aは、円錐の底面(円)の直径である。図4に示すように、凸部8bの形状が正四角錐である場合、凸部8bの底面10bの径4bは、底面(正四角形)10bの辺の長さである。図5に示すように、凸部8cの形状が正六角錐である場合、凸部8cの底面10cの径4cは、底面(正六角形)10cの中心を通る対角線の長さ(最も長い対角線の長さ)である。図6に示すように、凸部8dの形状が横置きの三角柱である場合、凸部8dの底面10dの径4dは、底面(長方形)10dの最も短い一辺の長さ(図6では、液体試料の輸送方向dと直交する方向の長さ)である。
上記微細構造7を構成する凸部8の底面積(凸部8の底面10一つあたりの面積)は、好ましくは75μm以上250000μm以下である。凸部8の底面積は、複数の凸部8間においてこの範囲で変化していてもよい(互いに異なっていてもよい)。凸部8の底面積が75μm以上である場合、微細加工が容易になり、微細構造の作製のコストがより低減する。凸部8の底面積が250000μm以下である場合、一つの検査キット内で微細構造7を構成する凸部8の数が多くなり、液体試料の展開がより容易になる。
上記微細構造7を構成する凸部8同士の最近接距離5は、好ましくは500μm以下、より好ましくは2μm以上100μm以下である。凸部8同士の最近接距離5は、複数の凸部8間においてこの範囲で変化していてもよい(互いに異なっていてもよい)。凸部8同士の最近接距離5は、0μmより小さいことは有りえず、500μm以下である場合、液体試料と流路2との接触面積が増大し、これにより毛細管力が増大するため液体試料を移動させることがより容易になる。ここで、「凸部8同士の最近接距離」とは、同一の領域内で隣り合う一対の凸部8の最近接距離である。
上記微細構造7を構成する凸部8のアスペクト比は、好ましくは0.1以上2.0以下である。ここで言うアスペクト比とは、凸部8の高さ6(Lh)を、凸部8の底面10の代表長さ(径4)(Lv)で割った値(Lh/Lv)である。アスペクト比が0.1以上である場合、液体試料と流路2との接触面積が増大し、これにより毛細管力が増大するため液体試料を移動させることがより容易になる。アスペクト比が2.0以下である場合、微細構造の作製がより容易になる。
微細構造7は、同一領域内において、互いに同一の凸部8から構成されていてよい。微細構造7は、同一領域内において、互いに異なる凸部8から構成されていてもよい。この場合、互いに異なる凸部8は、同一領域内において、液体試料の輸送方向dに沿って、一定の規則に従い並んでいてよい。つまり、凸部8は、同一の領域内において、例えば、凸部8の底面10の径4、凸部8の高さ6、凸部8同士の最近接距離5及び凸部8のアスペクト比(高さ6/径4)の少なくとも1つが、液体試料の輸送方向dに沿って、一定の規則に従い変化(増大又は減少)するように並んでいてよい。
図10は、他の一実施形態における膜担体の上面図である。図2に示す膜担体3では、領域Bに検知ゾーン3yが設けられているが、図10に示す膜担体13では、領域B1に検知ゾーン13yが設けられている。図10に示すように滴下ゾーン13x及び検知ゾーン13yは、膜担体13の短手方向の略全体にわたって形成されていてもよい。
本実施形態の液体試料検査キット18の微細構造7及び膜担体3は、熱可塑性プラスチックからなっていてよい。換言すれば、熱可塑性プラスチックからなる膜状の基材を加工することにより、微細構造7を有する膜担体3を作製できる。加工方法としては、例えば、熱インプリント、UVインプリント、射出成型、エッチング、フォトリソグラフィー、機械切削、レーザー加工等が挙げられる。この中でも安価に精密な加工を施す手法として、熱可塑性プラスチックに対する熱インプリントが適している。熱可塑性プラスチックとしてはポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂及びアクリル系樹脂等が挙げられ、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等様々な種類のものを用いることができる。
インプリントや射出成型といった金型を用いた加工方法の場合、錐体は、底面に比べ上部が細くなっているため、同底面の柱体を作製するよりも金型作製時に削り出す体積は少なくて済み、金型を安価に作製できる。この場合、液体試料中の被検出物質の検出をより安価に行うことが可能となる。
以上説明したとおり、膜担体3は、液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キット18用の膜担体3であって、膜担体3の一面上に設けられた、液体試料を輸送するための毛細管作用を生じせしめる微細構造7と、微細構造7により形成された、液体試料を輸送する流路2と、を備え、膜担体3には、流路2の底面の高さレベルが変化する段差11を有する。
本実施形態に係る液体試料検査キット18では、膜担体3が有する検知ゾーン3yにおいて、被検出物質が検出された際に色変化が生じる。色変化は、光学的手法で確認可能な色変化であってよい。
上記光学的手法としては、主に目視による判定と蛍光強度を測定する手法の2つが挙げられる。目視によって判定する場合には、検知前と検知後の色をCIE1976L色空間の表色系で測定した際の、2つの色刺激間の色差(JIS Z8781−4:2013に記載のΔE)が0.5以上となる色変化が生じることが好ましい。この色差が0.5以上であると、色の違いを目視で確認することが容易になる。蛍光強度を測定して判定する場合には、検知ゾーン3yでの蛍光強度(Fl1)と、検知ゾーン3yに隣接する上流域及び下流域での蛍光強度(Fl2)との比(Fl1/Fl2)=10/1以上となる色変化が生じることが好ましい。この比が10/1以上であると、シグナルとノイズの分離が容易になる。
本実施形態の液体試料検査キット18に検知ゾーン3yを作製するために、一実施形態において、流路2の少なくとも一部に、検出物質が固定化されている。つまり、検知ゾーン3yには、被検出物質を検出する検出物質が固定されている。検知ゾーン3yにおける色変化は、被検出物質が検出物質により(検出物質と反応して)検知ゾーン3yに保持されることによって生じる。
言い換えれば、液体試料検査キット18の製造方法は、検知ゾーン3yに、検出物質を固定する工程を備えている。検出物質としては、被検出物質を検知ゾーン3yに保持することによって色変化を生じせしめる検出物質が好ましい。検知ゾーン3yに検出物質(試薬)をより効率よく固定化できる点から、膜担体3における検知ゾーン3yを設ける箇所に予め表面処理を施していてよい。
上記表面処理の方法としては、何ら限定されるものではなく、例えばUV照射、UV/オゾン処理、各種プラズマ処理、3−AminopropyltriethoxysilaneやGlutaraldehydeによる表面修飾等の種々の方法を用いることができる。
本実施形態において、上記検出物質(試薬)としては、例えば、抗体が挙げられる。抗体は、被検出物質と抗原抗体反応する抗体であり、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。
検知ゾーン3yにおける色変化は、液体試料中の被検出物質と特異的に反応する抗体又はその抗原結合性断片を有する標識体によって生じるものであってよい。色変化は、例えば、標識体が、検出物質により(検出物質と反応(結合)して)検知ゾーン3yに保持されて呈色することによって生じる。
標識体は、例えば、コロイド粒子、ラテックス粒子等の粒子に上記抗体又はその抗原結合性断片が結合したものであってよい。抗原結合性断片とは、被検出物質と特異的に結合できる断片を言い、例えば、抗体の抗原結合性断片をいう。標識体は、抗体又はその抗原結合性断片を介して被検出物質に結合できる。粒子は、磁性又は蛍光発光性を有してもよい。コロイド粒子としては、金コロイド粒子、白金コロイド粒子の金属コロイド粒子等が挙げられる。粒子は、粒径制御、分散安定性及び結合容易性の点で、好ましくはラテックス粒子である。ラテックス粒子の材料としては特に限定されないが、ポリスチレンが好ましい。
粒子は、視認性の点で、好ましくは着色粒子又は蛍光粒子であり、より好ましくは着色粒子である。着色粒子は、肉眼で色が検出可能なものであればよい。蛍光粒子は、蛍光物質を含有すればよい。粒子は、着色ラテックス粒子又は蛍光ラテックス粒子であってよい。粒子が着色ラテックス粒子である場合、上述の色変化が、目視により好適に判定される。粒子が蛍光ラテックス粒子である場合、上述の色変化が、蛍光強度の測定により好適に判定される。
上述した標識体が、滴下される液体試料中の被検出物質と反応し得るように、検査キット18の少なくとも一部に設けられている。標識体は、例えば、検査キット18中の部材に設けられていてよく、膜担体3の流路2の少なくとも一部(検知ゾーン3yより上流側)に設けられていてよい。そして、被検出物質と反応(結合)した標識体は、検出物質により(検出物質が被検出物質と反応(結合)することにより)検知ゾーン3yに保持される。これにより、検知ゾーン3yにおける色変化(標識体による呈色)が生じる。
検知ゾーン3yは、段差11より下流側の傾斜部に設けられていてよい。傾斜部では、重力の影響で流路内の液体試料が展開されやすく、液体試料展開後の残存標識体によるバックグラウンドの着色抑制が特に顕著となる。したがって検知ゾーン3yにおける色変化が特に認識しやすくなり、被検出物質の検出感度が向上する。
本実施形態の一側面に係る液体試料の検査方法は、検査キット18を用いる検査方法である。
検査キット18を用いる、液体試料の検査方法は、液体試料と、液体試料中の被検出物質と特異的に結合する標識体とを混合して混合液体試料(混合済み液体試料)を調製し、被検出物質と標識体とを互いに結合させる工程と、混合液体試料を膜担体3に設けられた滴下ゾーン3xに滴下する工程と、微細構造7により、混合液体試料を滴下ゾーン3xから検知ゾーン3yへ輸送する工程と、検知ゾーン3yにおける色変化(標識体の呈色)を検知する工程と、を備えてよい。
例えば、上記検査方法は、液体試料を、膜担体3の表面のうち滴下ゾーン3xに滴下する工程と、膜担体3の表面に形成されている微細構造7(複数の凸部8)が奏する毛細管作用により、微細構造7を介して、液体試料を滴下ゾーン3xから検知ゾーン3yへ輸送する工程と、輸送過程において、液体試料中の被検出物質を、上記の抗体又はその抗原結合性断片を介して標識体と結合させ、更に、被検出物質を、検知ゾーン3yに固定された試薬と結合させて、検知ゾーン3yにおける色変化を検知する(色変化の有無を光学的に判定する)工程と、を備えてよい。
上記の検査方法の被検出物質と標識体とを互いに結合させる工程では、液体試料と標識体とを混合する方法は特に制限されない。例えば、標識体の入れられた容器に液体試料を添加する方法でもよいし、例えば、標識体を含む液体と液体試料とを混合してもよい。例えば、液体試料の入れられた容器の滴下口にフィルターを挟み、そのフィルター中に標識体を固定化していてもよい。
以下、本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
<モールドの準備>
モールドは、レーザー加工及び機械切削によって作製した。図11に微細構造を作成するためのモールド20を示す。図11に示すモールド20は、複数の領域(第一の領域A、第二の領域B)を有し、その表面には、図8に示す微細構造(凸部)に対応する凹部が形成されている(図示せず)。モールド20はアルミ合金A5052製である。このモールド(金型)の中心部には、30mm×30mmの範囲に微細加工が施されている。モールド20の加工範囲のうち、特定の一辺(20A)から加工範囲内側に5mmの位置に、特定の一辺(20A)と平行に深さ(高さ)100μmの段差11が設けられている。段差と特定の一辺(20A)との間の領域(領域A)と、領域A以外の領域(領域B)には、それぞれ径が100μm、深さ(表では高さということもある)100μmの円錐型の凹部(微細構造を転写した際に凸部を形成できる凹部)が、微細構造同士の最近接距離(最近接微細構造間距離)5を5μmとして図3や図8の三角配列形式で並んでいる。
上記のモールドの凹凸面に対し、転写した際のモールドと熱可塑性プラスチックの剥離を容易かつ確実にするため、離型処理を施した。離型処理は、ダイキン工業社製オプツールHD−2100THに約1分間浸し、乾燥させたのち、一晩静置することで行った。
<微細構造の転写>
上記のようにして得られたモールドを用いて、熱可塑性プラスチックに微細構造を転写した。熱可塑性プラスチックとしては、ポリスチレン(デンカ株式会社製デンカスチレンシート、膜厚300μm)を用いた。加工方法として熱インプリントを用い、装置はSCIVAX社製X−300を用いた。成形温度は120℃、印加圧力は5.5MPaとし、10分間転写を行った。転写後は、圧力を印加したまま熱可塑性プラスチックとモールドを80℃まで冷却し、その後圧力を除くことで、一端側から順に領域A及び領域Bを有する膜担体を作製した。
[実験例2]
実験例1における段差の深さを10μm、領域A及び領域Bの微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部としたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例3]
実験例1における段差の深さを500μm、領域A及び領域Bの微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部としたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例4]
実験例1における段差の深さを50μmとしたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例5]
実験例1における段差の深さを200μmとしたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例6]
実験例1における領域Bの微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部としたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例7]
実験例1における段差の深さを500μm、領域Aの微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部としたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例8]
実験例1における段差の深さを500μm、領域Aの微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部とし、領域Bの微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部としたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例9]
図12に、実験例9の微細構造を作成するためのモールド20を示す。特記しない限り、実験例1のモールド20と同一である。図12は微細構造(凸部)に対応する凹部を図示していない。領域Bのうち、段差11から特定の一辺20Aと反対方向に5mm幅分の領域(領域B1)に傾斜をつけ、領域Bのうち領域B1以外の領域(領域B2)のモールド面の高さレベルと、領域Aのモールド面の高さレベルとを一致させたこと以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。但し、特定の一辺20Aの高さレベル、特定の一辺20Aの対辺20Bの高さレベル、領域B1と領域B2の境界線20Cの高さレベルは、同一にした。
[実験例10]
実験例9における段差の深さを50μmとしたこと以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例11]
実験例9における段差の深さを200μmとしたこと以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例12]
実験例9における領域B1及び領域B2の微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部とした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例13]
実験例9における段差の深さを500μm、領域Aの微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部とした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例14]
実験例9における段差の深さを500μm、領域Aの微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部とし、領域B1及び領域B2の微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部とした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例15]
実験例9における領域B1の微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部とした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例16]
実験例9における段差の深さを500μm、領域A及び領域B2の微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部とした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例17]
実験例9における段差の深さを500μm、領域A及び領域B2の微細構造を、径が500μm、深さ500μmの円錐型の凹部とし、領域B1の微細構造を、径が10μm、深さ10μmの円錐型の凹部とした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例18]
モールドの微細加工範囲内に段差を設けず、30mm×30mmの全範囲にわたって径が100μm、深さ100μmの円錐型の凹部を設けた以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例19]
段差の上流側よりも下流側において底面の高さレベルが100μm低くなっている以外は、実験例1と同様の条件で膜担体を作製した。
[実験例20]
段差の深さを300μmとした以外は、実験例9と同様の条件で膜担体を作製した。
<検知ゾーンの作製>
上記のように作製した膜担体の、領域Bのうち、段差11から特定の一辺(20A)と反対方向に5mm幅分の領域(傾斜を有する構造では領域B1)にUV処理を施した。その部分に、抗A型インフルエンザNP抗体浮遊液、並びに抗B型インフルエンザNP抗体浮遊液を各々線幅1mmで塗布し(塗布量は各3μL)、温風下で良く乾燥させ、検出物質を固定化した。
<標識体のセット>
精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体(上記と別の抗体)及び精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体(上記と別の抗体)を使用した。抗A型インフルエンザウイルスNP抗体に粒子径0.394μmの青色ラテックス粒子(CM/BL セラダイン製)を共有結合で標識し、糖、界面活性剤及びタンパク質を含むトリス緩衝液にラテックス粒子の濃度が0.025w/v%になるように懸濁し、ソニケーションを行って充分に分散浮遊させた抗A型標識体を調製した。同様に抗B型インフルエンザウイルスNP抗体に青色ラテックス粒子を標識した抗B型標識体を調製した。
抗A型標識体と抗B型標識体とを混合した。混合により得られた混合物について、大きさが3cm×1cmのガラス繊維(33GLASS NO.10539766 Schleicher&Schuell製)に1平方センチメートルあたり50μLになる量を塗布し、温風下で良く乾燥させ、標識体パッドを作製した。その後、実験例1〜20のようにして作製した膜担体の領域Aの端部2mmだけ標識体パッドを重ね、カッターで幅5mmの短冊に裁断して一体化された液体サンプル検査キットを作製した。
<検知評価>
上記のように作製された液体試料検査キットの端部の標識体パッド上(滴下ゾーン)に、液体試料を100μL滴下した。液体サンプルは、希釈溶液としてデンカ生研社製クイックナビ―Fluに付属している検体浮遊液を用い、A型インフルエンザウイルスA/Beijing/32/92(H3N2)(以下A型ということもある)を4×10倍に希釈したものと、B型インフルエンザウイルスB/Shangdong/7/97(以下B型ということもある)を4×10倍に希釈したものの2種を用いた。
Figure 2019117102
Figure 2019117102
検知の判定は、15分間後に検知ゾーン(A型インフルエンザウイルス検出部並びにB型インフルエンザウイルス検出部)の着色ラインの有無を目視により観察して行った。
判定の結果、A/Beijing/32/92(H3N2)を4×10倍に希釈したものを用いた場合はA型検知ゾーンのみに色の変化が確認でき、B/Shangdong/7/97を4×10倍に希釈したものを用いた場合はB型検知ゾーンのみに色の変化が確認できた。
実験例1〜20のように作製した膜担体から、上記のように液体試料検査キットを作製した。次いで、A型インフルエンザウイルスA/Beijing/32/92(H3N2)の希釈倍率を4×10から大きくしていった際に、試験開始後15分後に着色ラインの有無を目視できなくなる希釈倍率(A型目視判定可能な限界倍率)を求めた。その希釈倍率の1/2の希釈倍率で検査した際に、試験開始してから着色ラインの色の濃さが安定するまでの時間(A型の濃さが安定するまでの時間)を求めた。その結果を表1〜2に示す。
実験例1〜20のように作製した膜担体から、上記のように液体試料検査キットを作製した。次いで、B型インフルエンザウイルスB/Shangdong/7/97の希釈倍率を4×10から大きくしていった際に、着色ラインの有無を目視できなくなる希釈倍率(B型目視判定可能な限界倍率)を求めた。その希釈倍率の1/2の希釈倍率で検査した際に、試験開始してから着色ラインの色の濃さが安定するまでの時間(B型の濃さが安定するまでの時間)を求めた。その結果を表1〜2に示す。
濃さが安定するまでの時間は、A型の濃さが安定するまでの時間と、B型の濃さが安定するまでの時間との平均値を、濃さが安定するまでの時間として用いた。
表1〜2には、各実験例について以下の基準に基づく総合評価の結果も併せて示す。
A:判定時間(濃さが安定するまでの時間)6分以内にA型で7×10以上、B型で7×10以上の希釈倍率で判定可能なもの、又はA型で8×10以上、B型で8×10以上の希釈倍率で判定可能なもの。
B:総合評価がA、C何れにもあてはまらないもの。
C:判定時間が8分以上10分以下のもの。
D:判定時間が10分を超えるもの、又は、判定可能な希釈倍率がA型で4×10以下、又は、B型で4×10以下のもの。
[実験例21〜37]
実験例21〜37における膜担体の作製は、領域A、領域B1及び領域B2において、
表3〜4に示すとおりの段差の深さ、微細構造(凸部)の径及び微細構造(凸部)の高さとなるようにすること以外は、実験例1と同様にして行った。
次いで、用いる粒子を着色ラテックス粒子から蛍光ラテックス粒子(micromer-F 蛍光ラテックス粒子 材料ポリスチレン コアフロント社製)に変更し、試験開始後4分後に着色ラインの有無をイムノクロマトリーダ(C11787 浜松ホトニクス社製)で読み取りできなくなる倍率(蛍光判定可能な限界倍率)を求めたこと以外は、実験例1〜17と同様にして、検知ゾーンの作製、標識体のセット及び検知評価を行った。結果を表3〜4に示した。
表3〜4には、各実験例について以下の基準に基づく総合評価の結果も併せて示す。
A:試験開始後4分での蛍光判定可能な限界倍率が、A型で1×10以上、B型で1×10以上であるもの。
B:総合評価がA、C何れにもあてはまらないもの。
C:試験開始後4分での蛍光判定可能な限界倍率が、A型で7×10未満、B型で7×10未満であるもの。
Figure 2019117102
Figure 2019117102
表1〜4の結果から、本実施形態による液体試料検査キットは、流路中に段差を設けることで被検出物質と標識体の撹拌を促進でき、高感度な検査が実施できることが示された。段差の下流側の傾斜部に検知ゾーンを作製することで、バックグラウンドの着色を抑制できるため更なる高感度化につながることが示された。更に、表3〜4の結果から、上記液体試料検査キットにおいて、粒子を蛍光ラテックス粒子とした場合であっても、高感度な検査が実施可能であることが確認された。
段差を設けない場合、高感度が得られなかった(実験例18)。段差の上流側よりも下流側において底面の高さレベルが低い場合、液体が下流側へ流れず、測定できなかった(実験例19)。
段差における底面の高さレベルの変化量が、段差の上流側の前記微細構造の高さの2倍を超えると、判定時間が長かった(実験例20)。
本実施形態の液体試料検査キットは、高感度な検査を安価に実施することができるため、使い捨て可能なPOCT試薬に有用である。
本実施形態によれば、設計自由度の高い人工的な微細凸部を設けた流路を用いることで、特許文献2のように構造が均一ではない多孔質体の孔径や厚みを調整する手法よりも容易に液体試料検査キット内の流れを制御できる。流路中に段差を設けることで、被検出物質や標識体の撹拌が促進され、平滑な人工流路を用いる特許文献3〜8の場合よりも検知ゾーンでの感度を向上させることができる。
この出願は、2017年12月11日に出願された日本出願特願2017−236604号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
2 流路
3,13 膜担体
3x,13x 滴下ゾーン
3y,13y 検知ゾーン
4 凸部の底面における代表長さ(凸部の底面の径)
5 最近接微細構造間距離
6,6a,6b,6c,6d 凸部の高さ
8,8a,8b,8c,8d 凸部
7,7a,7b,7c,7d 微細構造
9 平坦部
10,10,10b,10c,10d 凸部の底面
18 液体試料検査キット
18a 筐体
18b 第一開口部
18c 第二開口部
20 モールド
20A 特定の一辺
20B 特定の一辺20Aの対辺
20C 領域B1と領域B2の境界線
A 第一の領域
B 第二の領域
B1 領域
B2 B1以外の領域
d 液体試料の流れる方向(輸送方向)

Claims (15)

  1. 液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キット用膜担体であり、
    前記液体試料を輸送できる、一体成型された少なくとも一つの流路を備え、
    前記流路の底面に、前記液体試料を輸送するための毛細管作用を生じせしめる微細構造が設けられ、
    前記流路の中で前記底面の高さレベルが変化する段差が少なくとも一つ設けられている、液体試料検査キット用膜担体であり、
    前記段差が、前記液体試料の輸送方向について、上流側に比べ下流側の前記底面の高さレベルが高くなるように設けられている、液体試料検査キット用膜担体。
  2. 前記微細構造が、円錐、多角錐、円錐台、多角錐台、円柱、多角柱、半球、半楕円体の何れかを有する請求項1に記載の液体試料検査キット用膜担体。
  3. 前記段差における前記底面の高さレベルの変化量が、前記段差の上流側の前記微細構造の高さの2倍以下である、請求項1又は2に記載の液体試料検査キット用膜担体。
  4. 前記流路において、前記段差の下流側で、前記底面の高さレベルが前記段差の上流側の高さレベルに近づくように傾斜が設けられている、請求項1〜3の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
  5. 前記段差を境界として、その上流側と下流側とで前記微細構造が変化する、請求項1〜4の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
  6. 前記段差を境界として、その下流側の前記微細構造の高さが上流側よりも小さい、請求項1〜5の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
  7. 前記微細構造の高さが、前記流路内で10μm以上500μm以下である、請求項1〜6の何れか一項に記載の液体試料検査キット用膜担体。
  8. 液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キットであり、
    請求項1〜7の何れか一項に記載された液体試料検査キット用膜担体を備え、
    前記膜担体は、前記液体試料中の前記被検出物質を検出する検知ゾーンを有し、
    前記検知ゾーンにおいて、前記被検出物質が検出された際に色変化が生じる、液体試料検査キット。
  9. 前記検知ゾーンが、前記流路内の傾斜部に設けられている、請求項8に記載の液体試料検査キット。
  10. 前記液体試料中の前記被検出物質と特異的に反応する抗体又はその抗原結合性断片を有する標識体が、前記被検出物質と反応し得るように前記液体試料検査キットの少なくとも一部に設けられており、
    前記色変化は、前記被検出物質と結合した前記標識体によって生じる、請求項8又は9に記載の液体試料検査キット。
  11. 前記標識体が、着色ラテックス粒子又は蛍光ラテックス粒子に前記抗体又は前記抗原結合性断片が結合した粒子である、請求項10に記載の液体試料検査キット。
  12. 前記検知ゾーンには、前記被検出物質を検出する検出物質が固定されており、
    前記色変化は、前記標識体が前記検出物質により前記検知ゾーンに保持されて呈色することによって生じる、請求項10又は11に記載の液体試料検査キット。
  13. 請求項8〜12の何れか一項に記載された液体試料検査キットの製造方法であり、
    前記検知ゾーンに、前記被検出物質を前記検知ゾーンに保持することによって前記色変化を生じせしめる検出物質を固定する工程を備える、液体試料検査キットの製造方法。
  14. 請求項8〜12の何れか一項に記載された液体試料検査キットを用いる、液体試料の検査方法であり、
    前記液体試料と、前記液体試料中の被検出物質と特異的に結合する標識体とを混合して混合液体試料を調製し、前記被検出物質と前記標識体とを互いに結合させる工程と、
    前記混合液体試料を前記膜担体に設けられた滴下ゾーンに滴下する工程と、
    前記微細構造により、前記混合液体試料を前記滴下ゾーンから前記検知ゾーンへ輸送する工程と、
    前記検知ゾーンにおける色変化を検知する工程と、を備える、液体試料の検査方法。
  15. 液体試料中の被検出物質を検出する膜担体であり、
    少なくとも一つの流路を備え、
    前記流路の底面に、微細構造が設けられ、
    前記流路の中で段差が少なくとも一つ設けられている、膜担体であり、
    前記段差が、前記液体試料の輸送方向について、上流側に比べ下流側の前記底面の高さレベルが高くなるように設けられている、膜担体。
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