JP7025413B2 - 膜担体及びその製造方法並びに液体試料検査キット - Google Patents

膜担体及びその製造方法並びに液体試料検査キット Download PDF

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Description

本発明は、膜担体及びその製造方法並びに液体試料検査キットに関する。
近年、抗原抗体反応等を用いることで、感染症への罹患や妊娠、血糖値等を測定する、Point of Care Test(POCT、臨床現場即時検査)試薬が注目を集めている。POCTとは、日本臨床検査自動化学会が発光したPOCTガイドラインにおいて、被験者の傍らで行われる検査、或いは、被験者自らが行う検査であり、検査時間の短縮及びその場での検査(被験者に見える検査)が可能という利点を有する検査と定義されている。
POCT試薬には、迅速検査が可能、使用方法が簡便、試薬が安価という特徴がある。これらの特徴から、症状が軽度の段階での診察や定期診察等に多く使用されており、今後増加することが予想される在宅医療においても重要な診察ツールとなっている。
多くのPOCT試薬では、血液等の液体試料を検査キットに導入し、その中に含まれる特定の被検出物質を検出することで判定を行っている。液体試料から特定の被検出物質を検出する方法としてイムノクロマトグラフィ法がよく用いられている。イムノクロマトグラフィ法とは、検査キットの膜担体上に滴下された液体が膜担体上を移動する中で、被検出物質と、液体試料中に浮遊又は溶解した状態にある、液体試料中の被検出物質と特異的に反応する抗体又はその抗原結合性断片を結合した標識粒子とが、結合し、更にこれらが検査キット中に固定化された物質(以下、検出物質という)と特異的に結合し、その結果生じた色又は質量の変化等を検出するという手法である。
現行のPOCT試薬は、検出物質(例えば、固相タンパク質)の配向を制御できていないために、イムノクロマトグラフィ法での目視感度が低下する場合があった。一例として検出物質が抗体、被検出物質が抗原であるPOCTを考える。抗体は基部であるFc部位と、抗原と反応するFab部位から構成される。この時、抗体の配向を制御できていない現行のPOCT試薬では、POCT試薬の流路の最表面がFab部位とFc部位から成るランダムな表面となる。一方、抗体の配向が制御されたPOCT試薬においては、POCT試薬の流路の最表面がFab部位となり、かつ流路と抗体の接着面がFc部位となる。従って、抗体の配向が制御されたPOCT試薬では現行の制御されていないPOCT試薬に比べ、流路の最表面においてFab部位と抗原の反応確率が上昇するため、イムノクロマトグラフィ法での目視感度が上昇すると考えられる。即ち、検出物質の配向制御によりPOCT試薬の目視感度が上昇すると期待される。
例えば、特許文献1では、光応答性成分を含有する固相に光照射により、タンパク質等の微小物体を固定化するのに際して、微小物体が固相に対して一定の配向性で固定可能な相互作用可能な成分を固相に備えさせることで、微小物体の配向性を制御して固相に固定化している。しかしながら、特許文献1の光固定化方法を用いてPOCT試薬を製造した場合、POCT試薬の光安定性が低下するため、実用化は難しい。
特許文献2及び特許文献3では、濃厚タンパク質水溶液を電場中に設置することにより、タンパク質の結晶成長が促進されると示されている。しかし、特許文献2及び特許文献3は、液体試料検査キットについて、記載がない。
特許文献4では、電気的効果としてカチオン性高分子及びアニオン性高分子が有する電荷を利用することで、セラミックス粒子表面への微小粒子の接着に成功している。具体的な手法としては、セラミックス粒子表面にカチオン性高分子及びアニオン性高分子の水溶液を塗布することで、セラミックス粒子表面に電荷を付与しており、帯電した微小粒子との間に生じる静電的相互作用により強く接着させている。しかし、特許文献4は、液体試料検査キットについて、記載がない。
特許文献5は、液体試料中の被検出物質を検出する検査キット用の膜担体であって、前記液体試料を輸送できる少なくとも一つの流路が設けられ、前記流路の底面に、前記液体試料を輸送するための毛細管作用を生じせしめる微細構造が設けられている、液体試料検査キット用膜担体を記載している。しかし、特許文献5は、検出物質の配向制御について、記載がない。
特許第4887863号公報 特許第5858274号公報 特許第5626914号公報 特開2010-64945号公報 国際公開第2016/098740号
本発明は、上記事情を鑑みて、高感度な判定が可能な膜担体の提供を目的とする。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)流路と電荷付与物質と検出物質とを備え、検出物質は電荷付与物質を介して流路に保持され、検出物質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質/検出物質)が、0.01~100である、膜担体。
(2)検出物質が、検出物質と電荷付与物質との静電的相互作用により生じる電界によって配向している、(1)に記載の膜担体。
(3)電荷付与物質が、カチオン性高分子及びアニオン性高分子からなる群より選択される1種以上である、(1)又は(2)に記載の膜担体。
(4)電荷付与物質が、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)である、(1)~(3)のいずれかに記載の膜担体。
(5)電荷付与物質が、ポリスチレンスルホン酸である、(1)~(4)のいずれかに記載の膜担体。
(6)流路が、樹脂で形成されている、(1)~(5)のいずれかに記載の膜担体。
(7)流路が、凹凸構造を有する、(1)~(6)のいずれかに記載の膜担体。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の膜担体を有する、液体試料検査キット。
(9)流路上に電荷付与物質を塗布する工程と、塗布された電荷付与物質上に検出物質を塗布する工程と、を備え、検出物質の塗布量に対する電荷付与物質の塗布量(電荷付与物質塗布量/検出物質塗布量)が0.01~100である、膜担体の製造方法。
(10)電荷付与物質を塗布する工程の前に、インプリントにより流路に凹凸構造を形成する工程を更に備える、(9)に記載の膜担体の製造方法。
本発明によれば、高感度な判定が可能な膜担体の提供が可能となる。
本発明による実施形態の一例であり、検査キットの模式的な上面図である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の模式的な俯瞰図(上面図)である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の模式的な断面図である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の模式的な断面図である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の模式的な断面図である。 検出物質の配向制御を説明するための、膜担体の要部を示す断面図である。 本発明による実施形態の一例であり、微細構造を形成するための金型(モールド)の概略図である。 本発明による実施形態の一例であり、膜担体の拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る液体試料検査キット(以下、単に「検査キット」ともいう)は、液体試料中の被検出物質を検出する。図1は、検査キットの模式的な上面図である。例えば、図1に示すように、検査キット10は、膜担体4と、膜担体4を収容する筐体10aと、を備える。膜担体4は、その表面に、液体試料が滴下される滴下ゾーン4xと、液体試料中の被検出物質を検出するための検知ゾーン4yと、を有している。滴下ゾーン4xは、筐体10aの第一開口部10bにおいて露出している。検知ゾーン4yは、筐体10aの第二開口部10cにおいて露出している。膜担体4において、滴下ゾーン4x及び検知ゾーン4yは、それぞれ液体試料の輸送方向の上流側及び下流側に位置する。
膜担体は、一実施形態において、液体試料中の被検出物質を検出する液体試料検査キット用の膜担体である。
ここで、被検出物質としては、何ら限定されるものではなく、各種病原体、各種臨床マーカー等、抗体と抗原抗体反応することが可能ないかなる物質であってもよい。具体例としては、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、HAV、HBs、HIV等のウイルス抗原、MRSA、A群溶連菌、B群溶連菌、レジオネラ属菌等の細菌抗原、細菌等が産生する毒素、マイコプラズマ、クラミジア・トラコマティス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン等のホルモン、C反応性タンパク質、ミオグロビン、心筋トロポニン、各種腫瘍マーカー、農薬、及び環境ホルモン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。特に、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、C反応性タンパク質、ミオグロビン、及び心筋トロポニンのような検出と治療措置に急を要する項目の場合にはその有用性が特に大きい。被検出物質は、単独で免疫反応を誘起できる抗原であってもよいし、単独では免疫反応を誘起できないが抗体と抗原抗体反応により結合することが可能なハプテンであってもよい。被検出物質は、液体試料中で浮遊又は溶解した状態にあってよい。液体試料は、例えば、上記被検出物質を緩衝液に浮遊又は溶解させた試料であってよい。
図2は、膜担体の模式的な上面図である。例えば、図2に示すように、膜担体4は、流路2と電荷付与物質1と検出物質3とを備えている。検出物質3は電荷付与物質1を介して流路2に保持されている。検出物質3が存在する領域が、検知ゾーンを構成している。液体試料は、流路2を介して、滴下ゾーンから検知ゾーンへ輸送される。
図3は、一実施形態の膜担体の模式的な断面図(図2のII-II線に沿った断面図)である。図3に示す膜担体4Aは、流路2と、流路2の主面上の少なくとも一部に存在する電荷付与物質1と、該電荷付与物質1上に存在する検出物質3とから構成されている。この膜担体4Aは、例えば、流路2の表面の少なくとも一部に電荷付与物質1を塗布し、該電荷付与物質1上に検出物質3を更に塗布することにより得られる。
図4は、他の実施形態の膜担体の模式的な断面図である。図4に示す膜担体4Bは、流路2と、流路2の内部の少なくとも一部に存在する電荷付与物質1と、電荷付与物質1上かつ流路2の表面上に存在する検出物質3とから構成されている。この膜担体4Bは、例えば、流路2の表面の少なくとも一部に電荷付与物質1を塗布し、該電荷付与物質1を流路2の内部に浸潤させた後、流路2の表面上の電荷付与物質1を塗布した領域に、検出物質3を更に塗布することにより得られる。
図5は、他の実施形態の膜担体の模式的な断面図である。図5に示す膜担体4Cは、流路2と、流路2の内部の少なくとも一部に存在する電荷付与物質1と、電荷付与物質1上かつ流路2の内部及び表面に存在する検出物質3とから構成されている。つまり、検出物質3は、流路2の内部に存在すると共に、流路2の表面にも露出している。この膜担体4Cは、例えば、流路2の表面の少なくとも一部に電荷付与物質1を塗布し、該電荷付与物質1を流路2の内部に浸潤させた後、流路2の表面上の電荷付与物質1を塗布した領域に、検出物質3を更に塗布し、該検出物質3を流路2の内部に浸潤させることにより得られる。
流路2は、膜担体4において、液体試料を輸送するための流路として機能する。流路2の表面は、平坦又は曲面であってもよい。流路2の表面上には、微細構造(凹凸構造)が形成されていてもよい。流路2の表面上に微細構造が設けられている場合、微細構造の毛細管作用により、液体試料は、微細構造を介して輸送される。また、流路2は、多孔質基材で構成されていてもよい。液体試料が多孔質基材で構成されている場合、液体試料は、多孔質基材の孔の中を毛細管作用によって移動することにより、輸送される。
流路の全体の形状は、特に限定されないが、例えば、四角形等の多角形、円形、又は楕円形であってよい。流路が四角形である場合、流路の縦幅(短手方向の長さ)は、例えば、2mm以上100mm以下であってよく、流路の横幅(長手方向の長さ)は、例えば、2mm以上100mm以下であってよい。
流路2の厚さは100μm~5mmが好ましく、500μm~2mmがより好ましい。流路2上に凹凸構造が設けられている場合、流路2の厚さは、凸部の高さを含まない。
流路2を形成する材料は、樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂であることがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、メチルメタクリレート―スチレン共重合体(MS)、メチルメタクリレート―ブタジエン―スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート―アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン(MABS)、スチレンブロック共重合体(SBC)、ポリカーボネート(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等が挙げられる。
流路2が多孔質基材で構成されている場合、流路2の材料はニトロセルロースであることが好ましい。この場合、流路2として、ニトロセルロースメンブレンを用いることができる。
流路2が表面の少なくとも一部に凹凸構造(微細構造)が設けられた基材で構成されている場合、流路2の材料は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。微細構造は凹凸構造を有する構造であり、複数の凸部を有している。
流路2は、高感度な検査がより一層容易になる観点から、少なくとも表面の一部に凹凸構造(微細構造)を有することが好ましい。つまり、膜担体4は、少なくとも表面の一部に凹凸構造が設けられた流路2を備えていることが好ましい。凹凸構造は、少なくとも滴下ゾーンと検知ゾーンとの間に位置していてよい。流路2の表面全体にわたり、凹凸構造が設けられていてもよい。
微細構造は、インプリントにより形成することができる。インプリントにより微細構造を形成する方法としては、熱インプリントが好ましい。熱インプリントとは、微細構造を有する金型(モールド)を基材に押し当て、加熱により柔らかくした基材に微細構造を転写することにより、微細構造を有する基材を作製する方法である。この熱インプリントではナノオーダーの微細加工が可能である。
微細構造を有する金型(モールド)は、凹凸構造を有する。金型における凹凸構造としては、図7に示すように、金型7の表面に、凹部5が三角配列形式にて、規則的に整列する構造が好ましい。
流路2における凹凸構造としては、図8に示すように、流路2の表面に、凸部6が突起として各方向に規則的に配列する構造が好ましい。凸部6が突起として規則的に配列する構造としては、平面格子状に配列する構造が好ましい。平面格子としては、斜方格子、六角格子、正方格子、矩形格子、平行体格子のうちの1種以上が好ましく、六角格子がより好ましい。六角格子の中では、正三角形格子が好ましい。図8は、凸部6が正三角形格子状に配列する構造を示す。
凸部6は流路2と同じ材料からなることが好ましい。凸部6の形状としては、錐体又は柱体が好ましく、錐体がより好ましい。錐体としては、図8のように、凸部6の断面は三角形であることが好ましく、正三角形がより好ましい。断面が三角形である錐体としては、円錐形状又は角錐形状が好ましく、円錐形状がより好ましい。
凸部6のピッチ11は、1~300μmが好ましく、5~100μmがより好ましく、10~50μmが最も好ましい。凸部6のピッチ11が1μm以上である場合、光反射性がより優れたものとなる。凸部6のピッチ11が300μm以下である場合、透明性がより優れたものとなる。
凸部6のピッチ11は、互いに隣接する、凸部6と凸部6の間の寸法(隣接する凸部6の中心間距離)をいう。凸部6が錐体である場合、ピッチ11は、図8のように、錐体の頂点と錐体の頂点の間の寸法をいう。
凸部6の高さは、1~1000μmが好ましく、10~50μmがより好ましい。1μm以上だと、流路体積が大きくなり、液体試料を展開するのに長い時間を要しない。1000μm以下だと、微細構造を作製するのに多大な時間とコストがかからず、微細構造の製造が容易になる。凸部6の高さは凸部6の底面に直交する方向における凸部6の最大長さとして定義される。つまり、凸部6の高さは、凸部6の底面から凸部6の頂点までの寸法をいう。
凸部6の底面の径は、1~1000μmが好ましく、10~50μmがより好ましい。凸部6の底面の径が1μm以上である場合、モールドの微細加工費が安くなり、面積の大きい膜担体4の流路2の表面に無数の微細構造を均一に作製し易く、液体試料を移動させるのに必要な毛細管力が強まる。凸部6の底面の径が1000μm以下である場合、モールドの作製時に金属部材から削りだす金属の体積が小さくなり、モールド及び膜担体4の作製費用が安くなり、膜担体4における流路の面積が小さくなり、膜担体4が小型化して、膜担体4自体の運搬が容易になる。
凸部6の底面の径は、凸部6の底面における代表長さとして定義される。底面における代表長さは、底面の形状が円の場合は直径、三角形又は四角形の場合は最も短い一辺の長さ、五角形以上の多角形の場合は最も長い対角線の長さ、それ以外の形状の場合は底面における最大の長さとする。凸部6が円錐(図8参照)又は円柱である場合、凸部6の底面の径は、凸部6の底面(円)の直径である。
電荷付与物質1としては、高分子が好ましい。高分子としては、カチオン性高分子及びアニオン性高分子からなる群より選択される1種以上が好ましい。カチオン性高分子とは水溶液中で正電荷を有する高分子化合物であり、アニオン性高分子とは水溶液中で負電荷を有する高分子化合物である。電荷付与物質として、カチオン性高分子又はアニオン性高分子を流路2に塗布することで、流路2の表面に正又は負の電荷を付与できる。
高分子の重量平均分子量は、10000~500000が好ましく、50000~200000がより好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される標準ポリエチレンオキサイド換算の値である。例えば、重量平均分子量は、溶剤として水を用い、GPCシステム(東ソ-株式会社製SC-8010)を使用し、市販の標準ポリエチレンオキサイドで検量線を作成して求めることができる。
カチオン性高分子としては、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDDA)を好ましく用いることができる。本実施形態において用いることのできる他のカチオン性高分子としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリ(ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルアクリル酸)共重合体等が挙げられる。但し、カチオン性高分子としての一例であり、これに限るものではない。
アニオン性高分子としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を好ましく用いることができる。本実施形態において用いることのできる他のアニオン性高分子としては、ポリビニル硫酸(PVS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)等が挙げられる。但し、アニオン性高分子としての一例であり、これに限るものではない。
電荷付与物質は、検知ゾーンの少なくとも一部に存在していてよく、検知ゾーンの全体にわたり存在していてよく、検知ゾーンをはみ出して存在していてもよい。
検出物質は例えば、固相タンパク質であってよい。固相タンパク質としては、例えば、抗体が挙げられる。抗体は、被検出物質と抗原抗体反応する抗体であり、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。
検出物質は、電荷付与物質上に存在していればよく、電荷付与物質が存在する領域の一部に存在していてよく、全体にわたり存在していてもよい。
検出物質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質/検出物質)は、0.01~100が好ましく、0.1~10がより好ましい。電荷付与物質/検出物質は、0.01以上、0.1以上、0.3以上、0.5又は0.8以上であってよく、100以下、10以下、8以下、5以下又は3以下であってよい。電荷付与物質/検出物質が、0.01以上である場合、検出物質3bを強く固着できる。電荷付与物質/検出物質が100以下である場合、被検出物質との非特異的な相互作用が起こらない。
検出物質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質/検出物質)は、電荷付与物質及び検出物質の両方が存在する領域における質量比として定義される。
検出物質の配向制御について、固相タンパク質を例に挙げて、図6をもとにその仕組みを説明する。図6に示すように、検出物質3を構成する固相タンパク質は、固相タンパク質基部3aと、固相タンパク質端部3bとを有している。電荷付与物質1は、固相タンパク質基部3aに局在する表面電荷に対し、静電的相互作用を示す。その結果、固相タンパク質基部3aが電荷付与物質1(流路2)の方向を向き、固相タンパク質端部3bが最表面に位置するため、検出物質(固相タンパク質)3の配向制御が可能となる。
検出物質は、検出物質と電荷付与物質との静電的相互作用により生じる電界により配向していてよい。また、一実施形態において、検出物質は、検出物質を保持する基材(流路)表面の電位により配向しているということもできる。
液体試料検査キットにおいて、流路上の検知ゾーンは、被検出物質を検出した際に色変化を示す。検知ゾーンにおける色変化は、被検出物質が検出物質により(検出物質と反応して)検知ゾーンに保持されることによって生じる。色変化は、光学的手法で確認可能な色変化であってよい。
上記光学的手法としては、主に目視による判定と蛍光強度を測定する手法の2つが挙げられる。目視によって判定する場合には、検知前と検知後の色をCIE1976L色空間の表色系で測定した際の、2つの色刺激間の色差(JIS Z8781-4:2013に記載のΔE)が0.5以上となるような色変化が生じることが好ましい。この色差が0.5以上であると、色の違いを目視で確認することが容易になる。蛍光強度を測定して判定する場合には、検知ゾーンでの蛍光強度(Fl1)と、検知ゾーンに隣接する上流域および下流域での蛍光強度(Fl2)との比(Fl1/Fl2)=10/1以上となるような色変化が生じることが好ましい。この比が10/1以上であると、シグナルとノイズの分離が容易になる。
膜担体は、流路の少なくとも表面の一部に電荷付与物質を塗布する工程(第1の塗布工程)と、塗布された電荷付与物質上に検出物質を塗布する工程(第2の塗布工程)と、を備える方法により、製造できる。
第1の塗布工程では、流路の少なくとも表面の一部に電荷付与物質を塗布する。第1の塗布工程では、検知ゾーンの少なくとも一部に電荷付与物質を塗布してよく、検知ゾーンの全体にわたり電荷付与物質を塗布してよく、検知ゾーンからはみ出して塗布してもよい。
電荷付与物質は、電荷付与物質を含有する水溶液を電荷付与物質上に塗布することにより、実施してよい。この場合、第1の塗布工程と第2の塗布工程との間に、電荷付与物質を含有する水溶液中の溶媒を揮発させる工程(第1の乾燥工程)を備える。第1の乾燥工程は、真空乾燥機等を用いて実施できる。
電荷付与物質を含有する水溶液中の電荷付与物質の濃度は、0.01~20質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
第2の塗布工程では、塗布された電荷付与物質上に検出物質を塗布する。検出物質は、電荷付与物質上の一部に塗布してよく、電荷付与物質が存在する領域の全体にわたり塗布してもよく、電荷付与物質が存在する領域からはみ出して塗布してもよい。
検出物質は、検出物質を含有する溶液(検出物質溶液)を電荷付与物質上に塗布することにより、電荷付与物質上に保持することができる。この場合、第2の塗布工程後に、検出物質溶液中の溶媒を揮発させる工程(第2の乾燥工程)を備える。
検出物質溶液は、検出物質を精製水に溶解させた水溶液が好ましい。検出物質を安定に存在させるために、検出物質溶液に対し、他の化合物、例えば、塩化ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等を添加してもよい。
検出物質溶液中の検出物質の濃度は、0.00001~1w/v%が好ましく、0.0001~0.1w/v%がより好ましい。
検出物質溶液のpHによって、適切な電荷付与物質1は変化しうる。例えば、検出物質溶液のpHが7.0より大きい場合、用いる電荷付与物質1はカチオン性高分子のほうが、静電的相互作用を強める点で、好ましい。例えば、検出物質溶液のpHが7.0より小さい場合、用いる電荷付与物質1はアニオン性高分子のほうが、静電的相互作用を強める点で、好ましい。検出物質溶液のpHが7.0の場合は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子のどちらも電荷付与物質1として使用できる。
電荷付与物質を塗布する工程の前に、インプリントにより流路に凹凸構造を形成する工程を更に備えていてよい。
検出物質の塗布量に対する電荷付与物質の塗布量の比(電荷付与物質塗布量/検出物質塗布量)は、好ましくは0.01~100であり、より好ましくは0.1~10である。電荷付与物質/検出物質は、0.01以上、0.1以上、0.3以上、0.5又は0.8以上であってよく、100以下、10以下、8以下、5以下又は3以下であってよい。なお、電荷付与物質塗布量/検出物質塗布量は、各物質の質量(固形分)基準で算出された値である。
本実施形態の膜担体4は、電荷付与物質が存在しない膜担体及び検出物質に対する電荷付与物質の質量比が0.01~100の範囲外である膜担体に比べ、目視判定可能な限界倍率が大きいため、高感度な判定を可能とする膜担体と評価できる。
本実施形態の膜担体4では、基材(流路2)表面に、カチオン性高分子、アニオン性高分子等の電荷付与物質を塗布することにより、基材表面に電荷を付与し、帯電した検出物質(例えば固相タンパク質)との間に生じる静電的相互作用により、電荷付与物質が検出物質を強く接着させている。この手法を用いることにより、基材の材質又は表面の形状によらず基材に電荷を付与できる。よってPOCT試薬の基材に使用した場合にも、本実施形態は、電荷を有する検出物質と強く接着できる。本実施形態は、検出物質に存在する局在電荷を利用することにより、検出物質の配向制御が可能となる。本実施形態は、電荷付与物質により生じた電界を用いて、検出物質の配向制御が可能となる。
以下、本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実験例に限定されるものではない。
[実施例1]
<電荷付与物質の塗布>
流路の材料(流路材料)として市販のニトロセルロースメンブレン(Millipore社製)を用いた。膜担体の下端から1.0cmの位置に、電荷付与物質として20質量%のポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDDA、Aldrich社製、Mw=100000~200000)を精製水で20倍に希釈し得られた水溶液を塗布し、真空乾燥機内でよく乾燥させた。なお、電荷付与物質塗布量は、PDDAを含む水溶液の質量から水の質量を除いた質量(固形分)である。
<固相タンパク質(検出物質)の固定>
ニトロセルロースメンブレンにおいてPDDAを塗布した領域に、固相タンパク質として抗A型インフルエンザウイルスNP抗体を水に懸濁させた抗A型インフルエンザウイルスNP抗体浮遊液(抗A型インフルエンザウイルスNP抗体の濃度は0.0033w/v%)を、PDDAの塗布面積と同じ面積となるように塗布し、温風下でよく乾燥させた。なお、固相タンパク質塗布量は、抗A型インフルエンザウイルスNP抗体浮遊液の質量から、水の質量を除いた質量(固形分)である。
実施例1では、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)(固形分換算比)は1とした。
<標識物質のセット>
精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体(上記と別の抗体)を使用した。精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体に粒子径0.2μmの赤色ラテックス粒子(SC-042-R JSRライフサイエンス社製)を共有結合で標識し、糖、界面活性剤及びタンパク質を含むトリス緩衝液にラテックス粒子の濃度が0.025w/v%になるように懸濁し、ソニケーションを行って充分に分散浮遊させた抗A型標識体を調製した。
抗A型標識体を大きさが3cm×1cmのガラス繊維(33GLASS NO.10539766 Schleicher&Schuell製)に1平方センチメートルあたり50μLになる量を塗布し、温風下で良く乾燥させ、標識体パッドを作製した。その後作製した膜担体の端部2mmだけを標識物質パッドを重ね、カッターで幅5mmの短冊に裁断して一体化された液体試料検査キットを作製した。
<検知評価>
上記のように作製された液体試料検査キットの端部に、液体試料を100μL滴下した。液体試料は、希釈溶液としてデンカ生研社製クイックナビ―Fluに付属している検体浮遊液を用いた。A型インフルエンザウイルス A/Beijing/32/92(H3N2)の希釈倍率を2×10から大きくしていった際に、試験開始後10分後に着色ラインの有無を目視できなくなる希釈倍率(目視判定可能な限界倍率)を求めた。以降、流路をメンブレンとした場合の結果を表1に示す。
<総合評価>
目視判定可能な限界倍率から判定した。極めて高感度な場合をA、高感度な場合をB、高感度でない場合をCとした。
[実施例2]
実施例1における固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を100としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[実施例3]
実施例1における固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0.01としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[実施例4]
実施例1における電荷付与物質を20質量%のポリスチレンスルホン酸(PSS、Aldrich社製、Mw=70000)としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[実施例5]
実施例1における電荷付与物質をPSSとし、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を100としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[実施例6]
実施例1における電荷付与物質をPSSとし、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0.01としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[比較例1]
実施例1における電荷付与物質の塗布を行うことなく、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[比較例2]
実施例1における電荷付与物質を固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を1000としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[比較例3]
実施例1における電荷付与物質をPSSとし、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0.001としたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
[実施例7]
<モールドの準備>
モールドは、レーザー加工及び機械切削によって作製した。このモールドはアルミ合金A5052製である。この金型の中心部には、径が25μm、ピッチが30μm、深さが30μmの円錐形状の凹部が、図7のような三角配列形式で3cm×3cmの範囲に加工されている。
上記のモールドの凹凸面に対し、転写した際のモールドと熱可塑性樹脂の剥離を容易かつ確実にするため、離型処理を施した。離型処理の手法は、ダイキン工業社製オプツールHD-2100THに約1分浸し、乾燥させたのち、一晩静置することで行った。
<微細構造の転写>
上記のようにして得られたモールドを用いて、熱可塑性樹脂に微細構造を転写した。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン(PS、デンカ社製デンカスチレンシート、膜厚300μm)を用いた。加工方法として熱インプリントを用い、装置はSCIVAX社製X-300を用いた。成形温度は120℃、印加圧力は5.5MPaとし、10分間転写を行った。転写後は、圧力を印加したまま熱可塑性プラスチックとモールドを80℃まで冷却し、その後圧力を除くことで、表面に円錐形状の凸部を有する流路を作製した。流路2には、ピッチが30μm、径が25μm、高さが30μmの円錐形状の凸部6が、図8のような三角配列形式で3cm×3cmの範囲に加工されている。
その後の操作は、実施例1における流路をポリスチレンとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。以降、流路をポリスチレンとした場合の結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例7における固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を100としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[実施例9]
実施例7における固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0.01としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[実施例10]
実施例7における電荷付与物質をPSSとしたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[実施例11]
実施例7における電荷付与物質をPSSとし、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を100としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[実施例12]
実施例7における電荷付与物質をPSSとし、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0.01としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[比較例4]
実施例7における電荷付与物質の塗布を行うことなく、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[比較例5]
実施例7における固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を0.0001としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
[比較例6]
実施例7における電荷付与物質をPSSとし、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)を10000としたこと以外は、実施例7と同様の条件で実験を行った。
表1及び表2より以下が認められた。電荷付与物質を塗布し、かつ、固相タンパク質に対する電荷付与物質の質量比(電荷付与物質塗布量/固相タンパク質塗布量)が0.01~100である場合、目視判定可能な限界倍率が増加していることが認められた。
Figure 0007025413000001
Figure 0007025413000002
本実施形態により、検出物質の配向が制御された、高感度な液体試料検査キットが得られる。本実施形態の液体試料検査キットは、例えば、本実施形態を用いていない液体試料検査キットに比べて試験時の判定スコアが1.5倍になり、高感度化を達成できる。本実施形態の液体試料検査キットを用いることにより、被検出物質の量が少ない罹患初期における検査精度の向上が見込まれる。
1 電荷付与物質
2 流路
3 検出物質
3a 固相タンパク質基部
3b 固相タンパク質端部
4,4A,4B,4C 膜担体
4x 滴下ゾーン
4y 検知ゾーン
5 凹部
6 凸部
7 金型(モールド)
10 液体試料検査キット
10a 筐体
10b 第一開口部
10c 第二開口部
11 ピッチ

Claims (10)

  1. 流路と電荷付与物質と検出物質とを備え、
    前記検出物質は前記電荷付与物質を介して前記流路に保持され、
    前記検出物質に対する前記電荷付与物質の質量比(電荷付与物質/検出物質)が、0.01~10である、膜担体。
  2. 前記検出物質が、前記検出物質と前記電荷付与物質との静電的相互作用により生じる電界によって配向している、請求項1に記載の膜担体。
  3. 前記電荷付与物質が、カチオン性高分子及びアニオン性高分子からなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の膜担体。
  4. 前記電荷付与物質が、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の膜担体。
  5. 前記電荷付与物質が、ポリスチレンスルホン酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載の膜担体。
  6. 前記流路が、樹脂で形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の膜担体。
  7. 前記流路が、凹凸構造を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の膜担体。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の膜担体を有する、液体試料検査キット。
  9. 流路上に電荷付与物質を塗布する工程と、
    塗布された前記電荷付与物質上に検出物質を塗布する工程と、を備え、
    前記検出物質の塗布量に対する前記電荷付与物質の塗布量(電荷付与物質塗布量/検出物質塗布量)が0.01~10である、膜担体の製造方法。
  10. 前記電荷付与物質を塗布する工程の前に、インプリントにより前記流路に凹凸構造を形成する工程を更に備える、請求項9に記載の膜担体の製造方法。
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