JP3348891B2 - 不溶性担体及びその担体を用いる免疫学的検出方法 - Google Patents
不溶性担体及びその担体を用いる免疫学的検出方法Info
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Description
子電解質錯体からなる免疫学的検出用の不溶性担体、及
びその不溶性担体を用いる免疫学的検出方法に関する。
出対象物質を免疫学的に測定することは、日常的に汎用
されている手段であり、測定対象項目も各種抗原や抗
体、ポリペプチド類、ステロイド類、薬剤等のハプテン
等多岐に渡っている。生体液中に含まれるこれら成分の
量は極めて微量な場合が多く、これらを精度良く測定す
ることは、正確な疾病診断や治療効果の確認のため重要
なことで、分析機器の発展とともに、年々高精度化が進
んでいる。
放射免疫測定法、ラテックス凝集法、酵素免疫測定法
(EIA)、固相酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光
免疫測定法、発光免疫測定法(CLIA)等がある。特
に近年は、有機合成高分子であるポリスチレン等のいわ
ゆるラテックスや、無機物のガラスやシリカ等の不溶性
担体に検出対象物質と免疫学的に結合することのできる
免疫学的活性物質を担持し、被検試料中の検出対象物質
との間で免疫反応を行い、そのときの凝集反応や標識物
質による信号を目視的あるいは光学的な手段により検出
する方法が多用されている。
が微量であり、また被検試料である生体液は、その由来
や種類によって性状や粘性等の物性、被検試料に含まれ
る組成成分等に大きな差があり多様である。そのためし
ばしば本来目的とする免疫学的反応とは無関係な反応、
いわゆる非特異的反応が発生し、それが測定結果に影響
を与えてしまうという問題点がある。
種々考えられるが、その1つとして不溶性担体の材質や
表面構造の反応系への関与が挙げられる。例えば、現在
汎用されているラテックス粒子の大部分は、市販のポリ
スチレン製ラテックス粒子である。ポリスチレンは、ス
チレン系の芳香族ビニル化合物をモノマーとして、重合
開始剤としての乳化重合剤(例えば界面活性剤)や過硫
酸カリウム等の存在下、ラジカル重合機構による、いわ
ゆる乳化重合法等によって合成されている。また、スチ
レンモノマーと、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等
の不飽和カルボン酸とを組み合わせて重合反応を行うこ
とにより生成ポリマーに親水性を付与したり、更に、生
成ポリマーの比重を調整するためにハロゲン原子含有ア
クリレート等も含めて重合反応を行う等、複雑な配合や
処理が施されている。従って、こうして得られた生成ポ
リマーは単にスチレン系ポリマーと総称されているもの
の、それらの組成や、表面官能基の種類及び量、更に親
和性や電荷等には大きな差異が存在する。このような担
体が有する多様な物性に対応して、検出対象物質以外の
物質が干渉し、非特異的反応が生じるものと考えられ
る。また、ラテックス粒子等の粒状体は、反応に用いる
前の保存中に自己凝集を起こす場合があり、これも担体
表面の物性が影響しているものと思われる。
を用いて免疫学的測定を行う場合には、最初に検出対象
物質と免疫学的に結合することのできる免疫学的活性物
質を不溶性担体に結合させる。その結合方法としては、
不溶性担体と免疫学的活性物質とを溶液中で接触させて
結合させる方法、いわゆる物理吸着法(不溶性担体の表
面疎水性と免疫学的活性物質の疎水性との相互作用によ
る疎水結合、又は不溶性担体表面のマイナス荷電と免疫
学的活性物質のプラス荷電部位との結合)と、不溶性担
体表面に架橋性基(例えば、アミノ基、カルボキシル基
又はチオール基)を導入し、免疫学的活性物質を共有結
合させる方法、いわゆる化学結合法とがある。
溶性担体を用いて免疫学的測定を行う場合に、検出対象
物質以外の物質(例えば試料中に共存する種々のタンパ
ク質やその他の物質、あるいは検出系に用いる標識化抗
体等)が不溶性担体に対して干渉する、いわゆる非特異
的反応を抑制するために、抑制剤の添加や不溶性担体自
体の特性を変性する工夫が行われている。例えば、非特
異的反応の抑制剤として、哺乳動物の正常血清タンパク
質、アルブミン、スキムミルク、コラーゲン、ゼラチン
等を添加し、免疫学的活性物質が結合した不溶性担体表
面を処理することが一般的に行われている。また、不溶
性担体自体の製造法の改良については、例えば、特開昭
54−59988号、特開昭56−61410号、及び
特開昭61−218946号各公報に種々の方法が開示
されている。
量でしか含まれていない成分を定量する場合には、極め
て高感度の測定が要求されるのに対し、従来法による手
段では、検出対象物質以外の物質による干渉、すなわち
非特異的反応を充分に抑制することは困難であった。本
発明者は、従来技術の欠点を解消すべく種々研究を重ね
たところ、意外にも、高分子電解質錯体を用いて形成し
た不溶性担体、或いは、高分子電解質錯体で被覆した不
溶性担体を用いると、前記の非特異的反応を有効に抑制
して、測定精度を向上させ、生体試料中に極微量でしか
含まれていない検査対象物質を正確かつ高精度で検出な
いし測定することができることを見出した。本発明は、
こうした知見に基づくものである。
のアルキレン基、一般式
は2個のアルキレン基である)で表される基又はアリー
レン基であって、R2、R3、R5及びR6はそれぞれ独立
に炭素数1〜3個のアルキル基であるか、又はR1は式
中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5及びR6と一緒に
なって式
とし、そしてX1 -は対イオンであり、mは5以上の数で
ある]で表されるカチオンポリマー、 (a2)一般式(II)
R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンであ
る)で表される基であるか、一般式
ル基であり、X3 -は対イオンである)で表される基であ
るか、又は一般式
R26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンであ
る)で表される基であり、nは10以上の数である]で
表されるカチオンポリマー、 (a3)一般式(III)
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、R92は−N+H2X
5 -又は−N+HC(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX
6 -はそれぞれ独立に対イオンであり、tは20〜100
であり、そしてrは10以上の整数である)で表される
カチオンポリマー、及び (a4)カチオン性多糖類からなる群から選んだカチオ
ン性高分子電解質少なくとも1種と、 (b1)一般式(IV)
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、sは20〜100
であり、そしてqは10以上の整数である)で表される
アニオンポリマー、 (b2)一般式(V)
素数6〜18個のアルキル基であり、Yはカルボン酸基
若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸
基若しくはその塩、又は、カルボン酸基若しくはその
塩、スルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基若しくは
その塩を含有するアリール基であり、aは20〜100
の数であり、pは10以上の数である)で表されるアニ
オンポリマー、及び (b3)アニオン性多糖類からなる群から選んだアニオ
ン性高分子電解質少なくとも1種とを反応させる(但
し、前記カチオン性高分子電解質が、Aが一般式
リマーである場合には、前記アニオン性高分子電解質
は、一般式(V)で表されるアニオンポリマーでないも
のとする)ことによって得られる高分子電解質錯体によ
り、少なくとも表面が形成されていることを特徴とす
る、免疫学的検出用の不溶性担体に関する。また、本発
明は、前記不溶性担体を用いる免疫学的検出方法にも関
する。以下、本発明を詳述する。
olyelectrolyte complex:以
下、PECともいう)は、WO92/09198号公報
にも記載されているとおり、それ自体公知の物質であ
る。PECは正荷電を有する高分子電解質であるカチオ
ンポリマーの溶液と負荷電を有する高分子電解質である
アニオンポリマーの溶液とを混合することにより瞬時に
形成することができる。こうして得られたPECは、特
殊な3元系溶媒(例えば、特定の組成からなる、水/ア
セトン/低分子塩)には溶解するが、一般的な溶媒には
不溶性である。PECは、出発ポリマー(高分子電解
質)の種類、それらの混合比、調製条件などにより、多
様な性質を有する各種の高分子電解質錯体を提供するこ
とができる。
繰り返し単位中にN+ 原子を含有する高分子電解質であ
り、具体的には
のアルキレン基、好ましくは炭素数2〜8個の直鎖又は
分枝鎖のアルキレン基、一般式
は2個のアルキレン基であり、好ましくはR11及びR12
はp位で結合しているものとする)で表される基又はア
リーレン基であって、R2、R3、R5及びR6はそれぞれ
独立に炭素数1〜3個のアルキル基であるか、又はR1
は式中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5及びR6と一
緒になって式
とし、そしてX1 -は対イオンであり、mは5以上の数で
ある]で表されるカチオンポリマー、即ち4級アンモニ
ウム塩ポリマー、
R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンであ
る)で表される基であるか、一般式
ル基であり、X3 -は対イオンである)で表される基であ
るか、又は一般式
R26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンであ
る)で表される基であり、nは10以上の数である]で
表されるカチオンポリマー、即ち4級アンモニウム塩ポ
リマー、
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基;例えば、メチル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、メチルチオエチル基、
メルカプトメチル基、5−イミダゾリルメチル基又は3
−イミダゾリルメチル基であり、R92は−N+H2X5 -又
は−N+HC(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX6 -は
それぞれ独立に対イオンであり、tは20〜100であ
り、そしてrは10以上の整数である)で表されるカチ
オンポリマー、即ち塩基性アミノ酸ポリマー、及び
る。
繰り返し単位中に−COO- 基、−SO3 - 基、−PO
3 H- 基又は−PO3 2- 基を含有する高分子電解質で
あり、具体的には
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基;例えば、メチル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、メチルチオエチル基、
メルカプトメチル基、5−イミダゾリルメチル基又は3
−イミダゾリルメチル基であり、sは20〜100であ
り、そしてqは10以上の整数である)で表されるアニ
オンポリマー、即ち酸性アミノ酸ポリマー、
素数6〜18個のアルキル基、好ましくは炭素数6〜1
4個の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基であり、Yはカ
ルボン酸基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその
塩、リン酸基若しくはその塩、又は、カルボン酸基若し
くはその塩、スルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基
若しくはその塩を含有するアリール基であり、aは20
〜100、好ましくは50〜100の数であり、pは1
0以上の数である)で表されるアニオンポリマー、即ち
アクリル酸系ポリマー、及び (b3)アニオン性多糖類からなる群から選択された少
なくとも1種の化合物である。但し、前記カチオン性高
分子電解質が、Aが一般式
リマーである場合には、前記アニオン性高分子電解質
は、一般式(V)で表されるアニオンポリマーでないも
のとする。
1)の具体例を挙げれば、第4級ポリエチレンイミンク
ロライド、ポリ(N,N,N’,N’−テトラメチル−
アルキレン−p−キシリレンジアンモニウムクロライ
ド)、ポリ(N,N,N’,N’−テトラメチル−アル
キレン−ジアンモニウムジクロライド)、ポリ(N,
N,−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアンモニウム
クロライド)、ポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクロイ
ルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド)、ポリ(2−メタクロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド)、ポリ(グリシジルトリメチ
ルアンモニウムクロライド)、ポリ〔(ジメチルイミニ
オ)エチレン(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−
フェニレンメチレンジクロライド〕〔一般に、2Xと称
される〕、ポリ〔(ジメチルイミニオ)ヘキサメチレン
(ジメチルイミニオ)メチレン−1,4−フェニレンメ
チレンジクロライド〕〔一般に、6Xと称される〕、ポ
リ〔(ジメチルイミニオ)ヘキサメチレンクロライド〕
〔一般に、6,6と称される〕、ポリ(N−エチル−4
−ビニルピリジニウムブロマイド)、ポリ(ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド)等である。
2)の具体例を挙げれば、ポリ(ビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライド)、ポリビニルピリジウム
クロライド、ポリ(N−ベンジル−4−ビニルピリジウ
ムクロライド)等である。前記一般式(III)のカチオン
ポリマー(a3)の具体例を挙げれば、ポリリジン、ポ
リアルギニン又はこれらポリマーを構成する単量体のコ
ポリマー、更に、これら単量体とグリシン、アラニン、
フェニルアラニン、チロシン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイ
ン、ヒスチジン、プロリン、及び/又はトリプトファン
などとのコポリマーである。カチオン性多糖類(a4)
の具体例としては、WO92/09198号公報に記載
されているように、キトサン及びその誘導体、並びに中
性多糖類のジエチルアミノエチル誘導体を挙げることが
できる。中性多糖類としては、デキストラン、セルロー
ス、マンナン、スターチ又はアガロース等を挙げること
ができる。これら誘導体のジエチルアミノエチル置換度
は、糖残基1個当たり0.5〜2.0基、好ましくは
0.7〜1.5基であり、重合度は、50〜500、好
ましくは100〜1000である。なお、ジエチルアミ
ノエチル基の窒素原子とアニオンポリマーのアニオン基
とが結合する。
1)の具体例を挙げれば、ポリグルタミン酸、ポリアス
パラギン酸又はこれらポリマーを構成する単量体のコポ
リマー、更に、これら単量体とグリシン、アラニン、フ
ェニルアラニン、チロシン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイ
ン、ヒスチジン、プロリン、及び/又はトリプトファン
などとのコポリマーである。なお、一般式(III)及び
(IV)で示されるポリアミノ酸は、一般的な酸無水物モ
ノマー法、活性エステル化法、メリーフィールド法等に
よって合成することができる。
2)の具体例を挙げれば、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリイタコン酸モノエステル、ポリマレイン酸
モノエステル、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンス
ルホン酸、これらポリマーを構成する単量体のいずれか
2種以上のコポリマー、更に、これら単量体とその単量
体のカルボキシル基にエステル結合によって結合した炭
素数6〜18個のアルキル基を有するカルボン酸誘導体
とのコポリマーである。
は、WO92/09198号公報に記載されているよう
に、ヒアルロン酸及びその誘導体、アルギン酸及びその
誘導体、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸
C、コンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)及びその
誘導体、コンドロイチン硫酸D及びその誘導体、コンド
ロイチン硫酸E及びその誘導体、ヘパラン硫酸及びその
誘導体、ヘパリン及びその誘導体、κ−カラギナン及び
その誘導体、λ−カラギナン及びその誘導体、セルロー
ス誘導体、キチン誘導体、カルボキシメチルスターチ及
びその誘導体、アミロース誘導体、アミロペクチン誘導
体、β−1,3’−グルカン誘導体(例えばカードラ
ン)、β−1,2’−グルカン誘導体、β−1,3’
−;β−1,6’−グルカン誘導体(例えばレンチナ
ン、シゾフィラン、コリオラン)、デキストラン誘導
体、プルラン誘導体、アガロース誘導体、β−1,4’
−ガラクタン誘導体、マンナン誘導体及びイヌリン誘導
体を挙げることができる。
ン性高分子電解質とを通常の方法で反応させることによ
って容易にPECを調製することができる。即ち、前記
のカチオンポリマー及びアニオンポリマーの各水溶液
(好ましくは、イオン席として10-5モル/リットル〜
10-2モル/リットル)を、カチオンポリマーのカチオ
ン席とアニオンポリマーのアニオン席との濃度比(カチ
オン席/アニオン席)が0.25〜4.0の範囲内、好
ましくは0.4〜2.5の範囲内で、水溶液中で混合し
て反応させれば良い。カチオン席とアニオン席の濃度比
が0.25〜4.0の範囲外になると、PECが形成さ
れ難くなるので好ましくない。各ポリマーを溶解する溶
媒としては、精製水や各種緩衝液(例えばリン酸緩衝液
等)、あるいはそれらと水混和性有機溶媒(例えばメタ
ノール、エタノール、アセトン等)との混合液を用いる
ことができる。この反応は比較的活性が高いので、溶液
のpH、イオン強度、温度などは比較的広い範囲である
ことができるが、一般的にはpH3〜9、イオン強度0
〜1.0及び0〜100℃で実施する。こうして得られ
る高分子電解質錯体を直接不溶性担体として形成する
か、あるいは適当な基材(例えば、ポリスチレン、赤血
球、シリカ、ガラス、ゼラチン、又は従来の不溶性担体
材料)に被覆することによって、免疫学的検出用の不溶
性担体として用いることができる。
ニオンポリマーとの配合比を変化させることにより、生
成するPECの荷電バランスを容易に変更し、調整する
ことができる。即ち、種々の荷電バランスを有するPE
Cを用いることにより、例えば、それを被覆した不溶性
担体の表面電荷を調整し、結合させる免疫学的活性物質
の固定化効率の向上や、非特異的反応の抑制などを、不
溶性担体の調製時に適宜選択することが可能となる。本
発明で用いるPECの荷電バランスは、−6〜+6の範
囲が好ましい。ここで、荷電バランスとは、PECの荷
電状態を、その出発原料であるカチオンポリマー及びア
ニオンポリマーの、各々のカチオン席及びアニオン席の
濃度比で表現するものである。例えば、使用するカチオ
ンポリマーのカチオン席及びアニオンポリマーのアニオ
ン席の濃度比が等しい場合は、生成するPECの荷電バ
ランスは±0となる。濃度比がこれより大きければ(即
ち、カチオン席の濃度の方が高ければ)荷電バランスは
プラスとなり、小さければ(即ち、アニオン席の方が高
ければ)マイナスとなる。また、濃度比が1.5の場合
は荷電バランスは+2となり、濃度比が0.5の場合は
荷電バランスは−3.3となる。荷電バランスの調整
は、等濃度のカチオンポリマー溶液及びアニオンポリマ
ー溶液の混合量を変化させることによって容易に行うこ
とができる。
度、水混和性有機溶媒の含有量を変化させることで、生
成PECの物性(例えば、硬度や弾性)を自由に調整す
ることが可能で、粒子状、板状、フィルム状等の成型も
容易に行えるため、PEC自体で本発明の不溶性担体全
体を形成することができる。
つ容易に被覆できる性質を有しているので、適当な基材
の全表面をPECで被覆して本発明の不溶性担体を製造
することもできる。基材としては、ポリスチレン若しく
はポリ塩化ビニール等の合成高分子化合物、赤血球等の
有機材料、シリカなどの無機材料、又は紙類等を用いる
ことができ、更に、従来法において不溶性担体として用
いられている担体それ自体をPECで被覆して使用する
こともできる。例えば、ラテックス凝集法で不溶性担体
として用いるラテックス粒子は、その粒径によって測定
感度が変動するので、市販品ではその粒径がすでに管理
された状態になっている。従って、それらの市販品を基
材として用い、PECで被覆すると、粒径が管理された
本発明による不溶性担体を簡便に製造することができ
る。
ば、PECには免疫学的活性物質を保護する機能もあ
る。例えば、不溶性担体に結合させるべき免疫学的活性
物質をPEC液に取り込ませた後で、基材に被覆するこ
とも可能である。従って、PECを用いた本発明による
不溶性担体の代表的な調製方法としては、以下の方法を
挙げることができる。 (1)基材(特には、従来法における不溶性担体)に免
疫学的活性物質を結合させ、続いてPECを被覆する方
法。 (2)基材にPECを被覆し、続いて免疫学的活性物質
を結合する方法。 (3)アニオンポリマー溶液とカチオンポリマー溶液と
を混合した後に、免疫学的活性物質を添加し、その混合
液と基材とを接触させる方法。 (4)アニオンポリマー溶液とカチオンポリマー溶液と
免疫学的活性物質含有液とを同時に添加して混合し、そ
の混合液と基材とを接触させる方法。 (5)カチオンポリマー溶液に免疫学的活性物質含有液
を添加し、その混合液と基材とを接触させ、続いてアニ
オンポリマー溶液を添加して混合する方法。 (6)アニオンポリマー溶液に免疫学的活性物質含有液
を添加し、その混合液と基材とを接触させ、続いてカチ
オンポリマー溶液を添加して混合する方法。
塗布、噴霧又は浸漬などの方法で行うことができる。P
EC溶液を基材に単に接触させるだけでも良い。例え
ば、カチオンポリマー溶液とアニオンポリマー溶液とを
混合し、その混合溶液に基材を0.5〜48時間程度浸
漬しておき、こうして処理したPEC被覆基材を生理食
塩水や精製水で洗浄し、室温で風乾するか、或いは50
〜100℃程度に加温し乾燥する。また、基材としてス
チレンビーズやラテックス等を用いる場合は、PECを
被覆させたのち、遠心分離法などで洗浄し、風乾するこ
となく、洗浄液あるいは適当な緩衝液などの溶液中にそ
のまま保存しておくだけでも良い。PEC溶液に基材を
浸漬する際、基材の材料やそれに結合する免疫学的活性
物質の特性などにより必要に応じて塩濃度や温度を適宜
調整することもできる。例えば、ポリスチレンビーズを
PEC溶液に浸漬するとき、例えばNaCl等の塩を
0.01〜5M、温度を0〜100℃の雰囲気範囲でP
ECを生成し、基材と接触させ、浸漬することによっ
て、基材へのPECの被覆処理時間を短縮(例えば温度
を高めることによる)したり、逆に、免疫学的活性物質
が結合されている基材にPECを被覆するときには、免
疫学的活性物質の活性を損なうことのない、温和な条件
下でPECを被覆することもできる。
疫学的反応により検出することのできる生理活性物質を
いい、特には生体成分中に含まれる生理活性物質をい
う。具体的には、タンパク質、酵素、多糖類、脂質、核
酸などがあり、それには例えば、各種抗原、抗体、レセ
プターなどが挙げられる。より具体的には、フィブリノ
ーゲン、アルブミン、C反応性タンパク質、抗ストレプ
トリジンO、リウマチ因子、アルファ−フェトプロテイ
ン(AFP)、梅毒トレポネーマ抗体、HBs抗体、H
Bc抗体、HBe抗体、HTLV−1に対する抗体、H
IVに対する抗体等がある。更に低分子化合物であるハ
プテン、例えばホルモン、抗てんかん薬などの各種薬剤
並びにハプテンに対する抗体をいう。従って、これらと
免疫学的に結合することのできる免疫学的活性物質と
は、前記物質のもう一方の免疫学的パートナーをいう。
また、本明細書において被検試料とは、前記の検出対象
物質を含むおそれのある試料であれば特に限定されるも
のではないが、特には血液、血清、血漿、尿、唾液、髄
液等の生体液や、細胞及び組織抽出物等をいう。
り調製し、入手することができる。例えば、被検試料中
の或る抗原物質を測定する場合には、それを特異的に認
識し得る抗血清やポリクローナル抗体あるいはモノクロ
ーナル抗体等の免疫学的活性物質あるいはそれを含む生
成物を、従来公知の操作(例えば哺乳動物への免疫等)
により調製することができる。それらの免疫学的活性物
質を、予めPEC未被覆の基材に結合させる場合、ある
いは、PEC被覆済の不溶性担体に結合させる場合は、
共に公知の物理吸着法あるいは化学結合法を用いること
ができる。
合した本発明の不溶性担体は、従来公知の不溶性担体と
全く同様の態様で使用することができる。例えば、免疫
学的活性物質を結合した本発明の不溶性担体を、被検試
料に直接あるいは被検試料の処理液と接触させ、それに
伴う免疫反応を従来公知の手段により検出することによ
り、被検試料中の検出対象物質を正確に測定することが
できる。例えば、ラテックス凝集法、酵素免疫測定法、
固相酵素測定法、蛍光免疫測定法、発光免疫測定法、金
属コロイド免疫測定法等の従来の不溶性担体を用いる免
疫学的検出法全般への応用が可能である。この際に、従
来公知の非特異的反応抑制剤(例えば、スキムミルク、
アルブミン又は界面活性剤)を併用しても構わない。
ける非特異反応の要因としては、不溶性担体それ自体が
有する親水性、疎水性、化学構造、荷電、表面若しくは
界面自由エネルギー、又は微細構造等による影響が考え
られる。他方、PECは親水性のミクロドメイン構造、
表面の水の構造変化、あるいは荷電バランス等の変化に
よって著しく多様な性質を示すが、これらの物性のコン
トロールに自由度が高い。従って、こうしたコントロー
ル可能な物性を不溶性担体に付与することにより、前記
の非特異反応の要因を抑制することができる。更に、P
ECは、不溶性担体に固定される免疫学的活性物質の活
性を維持する特性も有している。
明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。以下の実施例に記載の平均分子量は蒸気圧降下法で
測定した数平均分子量である。なお、Abは抗体の略称
である。また、以下の実施例において使用したポリマー
及びその略称は次のとおりである。(a)カチオンポリマー 6X:ポリ[(ジメチルイミニオ)ヘキサメチレン(ジ
メチルイミニオ)メチレン−1,4−フェニレンメチレ
ンジクロライド(平均分子量約10000 ) 2X:ポリ[(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチル
イミニオ)メチレン−1,4−フェニレンメチレンジク
ロライド(平均分子量約6000) PVBMA:ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド)(平均分子量約15000 ) PLL:ポリ(L−リジン)(平均分子量約3000) キトサン:(脱アセチル化度100%、平均分子量約20
00)(b)アニオンポリマー CLA:アクリル酸/ラウリルアクリレートのランダム
共重合体(アクリル酸含量約80モル%、平均分子量約
10000 ) COA:アクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート
のランダム共重合体(アクリル酸含量約60モル%、平
均分子量約8000) PGA:ポリグルタミン酸(平均分子量約4000) Alg:アルギン酸ナトリウム(平均分子量約4000)
濃度(イオン席として10-3M;以下10-3UMとい
う)となるように0.15M−NaCl含有10mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0)(以下PBSともいう)を用
いて調整し、6X溶液とした。また、アニオンポリマー
であるCLAを165.6μg/mlの濃度(10- 3
UM)となるようにPBSを用いて調整し、CLA溶液
とした。ポリスチレンビーズ〔直径6.35mm:セキ
スイ化学工業(株)〕1個に対し、抗ヒトα−フェトプ
ロテインF(ab’)2 抗体〔抗ヒトAFP抗体:
(株)ヤトロン〕溶液(8μg/ml:PBS)0.5
mlを加え、56℃で30分間振盪した後、生理食塩水
で3回洗浄した。前記の6X溶液0.25mlと前記の
CLA溶液0.25mlを混合してPEC溶液を調製し
た。その溶液に抗体感作ビーズ1個を加え、56℃で3
0分間振盪した後、生理食塩水で3回洗浄した。得られ
たビーズ状担体を生理食塩水中で保存し、後記の測定に
用いた。(2)ビーズ状担体(ビーズ/PEC+Ab)の調製 前項(1)の6X溶液0.25mlと前項(1)のCL
A溶液0.25mlを混合してPEC溶液を調製した
後、前項(1)の抗ヒトAFP抗体溶液(4mg/m
l:PBS)1μl(終濃度8μg/ml)を加えた。
この溶液に、前項(1)のポリスチレンビーズ1個を加
え、56℃で30分間振盪した後、生理食塩水で3回洗
浄した。得られたビーズ状担体を生理食塩水中で保存
し、後記の測定に用いた。(3)ビーズ状担体(ビーズ/カチオンポリマー+アニ
オンポリマー+Ab)の調製 前項(1)の6X溶液0.25mlと前項(1)のCL
A溶液0.25mlと前項(1)の抗ヒトAFP抗体
(4mg/ml:PBS)溶液1μlを同時に加えて混
合した。この溶液に、前項(1)のポリスチレンビーズ
1個を加え、56℃で30分間振盪した後、生理食塩水
で3回洗浄した。得られたビーズ状担体を生理食塩水中
で保存し、後記の測定に用いた。
ポリマー+Ab)+アニオンポリマー)の調製 前項(1)の6X溶液0.25mlに前項(1)の抗ヒ
トAFP抗体(4mg/ml:PBS)溶液1μlを加
えて混合した後、前項(1)のポリスチレンビーズ1個
を加えた。更に前項(1)のCLA溶液0.25mlを
加え、56℃で30分間振盪した後、生理食塩水で3回
洗浄した。得られたビーズ状担体を生理食塩水中で保存
し、後記の測定に用いた。(5)ビーズ状担体(ビーズ/(アニオンポリマー+A
b)+カチオンポリマー)の調製 前項(1)のCLA溶液0.25mlに前項(1)の抗
ヒトAFP抗体(4mg/ml:PBS)溶液1μlを
加えて混合した後、前項(1)のポリスチレンビーズ1
個を加えた。更に前項(1)の6X溶液0.25mlを
加え、56℃で30分間振盪した後、生理食塩水で3回
洗浄した。得られたビーズ状担体を生理食塩水中で保存
し、後記の測定に用いた。(6)従来ビーズ(PEC未コート)の調製 前項(1)のポリスチレンビーズ1個に対し、前項
(1)の抗ヒトAFP抗体液(8μg/ml:PBS)
0.5mlを加え、56℃で30分間振盪した後、生理
食塩水で3回洗浄した。得られたビーズ状担体を生理食
塩水中で保存し、後記の測定に用いた。(7)AFPの測定 0.1%変性ウシアルブミン含有PBS(以下d−BS
Aともいう)でAFP標準溶液〔(株)ヤトロン〕を希
釈し、AFPとして0〜40ng/mlの各希釈列を調
製した。各希釈列400μlに前記(1)〜(6)の操
作によって調製した各不溶性担体1個を加え、37℃で
1時間静置した後、生理食塩水で2回洗浄した。そこに
ペルオキシダーゼ標識抗ヒトAFP抗体溶液(8μg/
ml:d−BSA)400μlを加え、37℃で1時間
静置し、生理食塩水で3回洗浄した。処理した不溶性担
体を新しい容器に移し、発色液としての0.25%o−
フェニレンジアミンと0.015%H2 O2 とを含む
0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)400μlを加
えて、室温で25分間静置して発色させた。1N−HC
lを加えて発色を停止させ、波長492nmにおける吸
光度を測定した。その結果を、前項(1)〜(5)の担
体と前項(6)の担体とを比較してそれぞれ図1〜図5
に示す。図1〜5から明らかなとおり、PECで処理し
たいずれのポリスチレンビーズも、従来法と比較してブ
ランク値は低減し、かつ実効感度(ΔE:サンプルの吸
光度−ブランク値)が上昇することが確認された。
て、6X-COA、2X-CLA、PVBMA-COA 、PVBMA-CLA 、PLL-PG
A 、6X-Alg、キトサン-Alg、及びキトサン-COAの組み合
わせを用い、実施例1(1)と同様の操作によりPEC
被覆ビーズ状担体を調製し、AFPの測定を行った結
果、種々の組み合わせのPECで処理したポリスチレン
ビーズも、従来法と比較してブランク値の低減やS/N
比の上昇などで良好な結果を示した。
(荷電バランスによる差) (1)PEC被膜ビーズ状担体(ビーズ/PEC/A
b)の調製 カチオンポリマーであるPVBMAを211.5μg/
mlの濃度(10-3UM)となるようにPBSを用いて
調整し、PVBMA溶液とした。また、アニオンポリマ
ーであるCLAを実施例1(1)と同様にPBSで濃度
10-3UMに調整し、CLA溶液とした。前記のPVB
MA溶液2mlとCLA溶液1mlを混合して荷電バラ
ンスが+3.3のPEC溶液を調製した。この溶液0.
5mlに対し、実施例1で用いたポリスチレンビーズ1
個を加え、56℃で1時間振盪した後、生理食塩水で3
回洗浄した。PEC被覆ビーズ状担体1個に対し、実施
例1の抗ヒトAFP抗体溶液(8μg/ml:PBS)
0.5mlを加え、4℃で一昼夜放置した後、生理食塩
水で3回洗浄した。調製した不溶性担体を生理食塩水中
で保存し、後記の測定に用いた。同様に、PVBMA溶
液1.2mlとCLA溶液1mlからのPEC(荷電バ
ランス+0.9)、PVBMA溶液1mlとCLA溶液
1mlからのPEC(荷電バランス±0)、PVBMA
溶液1mlとCLA溶液1.2mlからのPEC(荷電
バランス−0.9)、及びPVBMA溶液1mlとCL
A溶液2mlからのPEC(荷電バランス−3.3)の
各溶液を用いて、前記と同様の操作により各ビーズを調
製した。(2)従来法ビーズ(PEC未コート)の調製 実施例1で用いたポリスチレンビーズ1個に対し、実施
例1の抗ヒトAFP抗体溶液(8μg/ml:PBS)
0.5mlを加え、4℃で一昼夜放置した後、生理食塩
水で3回洗浄した。こうして調製した不溶性担体を生理
食塩水中で保存し、後記の測定に用いた。(3)AFPの測定 前記の操作によって調製した各不溶性担体を用いて、実
施例1(7)と同様の操作でAFPを測定した。その結
果を図6〜10に示す。荷電バランスが+3.3のPE
Cを用いて調製したビーズ(図6)では、従来法と実効
感度は同程度(ブランク値は上昇)であったが、その他
の荷電バランスを有するPECを用いた担体は、従来法
と比較してブランク値は低減し、かつ実効感度が上昇す
ることが確認された。
果 実施例1で用いたポリスチレンビーズ1個に対して、カ
チオンポリマーである6Xを173.5μg/mlの濃
度(1×10-3UM)となるようにPBSを用いて調整
して6X溶液とした。また、アニオンポリマーであるC
LAを実施例1(1)と同様にPBSで濃度10-3UM
に調整し、CLA溶液とした。6X溶液とCLA溶液と
を等量混合してPEC溶液を調製し、実施例1で用いた
ポリスチレンビーズ1個に対してそのPEC溶液0.5
mlを加え、56℃で30分間振盪し、生理食塩水で3
回洗浄し、PEC被覆ビーズ状担体を作成した。次に、
ヒト血清100μlにd−BSA300μlと前記の操
作によって調製したポリスチレンビーズ1個とを加え、
37℃で1時間静置した後、生理食塩水で2回洗浄し
た。そこにペルオキシダーゼ標識抗ヤギIgG抗体溶液
(8μg/ml)400μlを加え、37℃で1時間静
置し、生理食塩水で3回洗浄した。処理した不溶性担体
を新しい容器に移し、発色液としての0.25%o−フ
ェニレンジアミンと0.015%H2 O2 とを含む0.
1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)400μlを加え
て、室温で25分間静置して発色させ、1N−HCl
(3ml)を加えて反応を停止させ、波長492nmに
おける吸光度を測定した。対照試験としてはPEC未コ
ートのポリスチレンビーズを用いて同様の操作を行っ
た。その結果を表1に示す。
おいても、PEC未コートビーズでは、血清中の検出対
象物質以外の物質の干渉によって発色が起こっており、
同様の干渉はPEC被覆ビーズ状担体では効率的に抑制
されることが確認された。前記実施例1〜3に示した組
み合わせのうち、6X−CLAの組み合わせ以外のもの
にも同様の効果が認められ、本発明の有用性を確認する
ことができた。
測定 抗ヒトα1 −アンチキモトリプシン抗体〔(株)医学生
物学研究所〕を公知の手段によりペプシン消化し、抗ヒ
トα1 −アンチキモトリプシンF(ab’)2抗体(抗
ヒトα1 −ACT抗体)を調製した。ポリスチレンビー
ズ〔直径6.35mm;セキスイ化学工業(株)〕1個
に、その抗ヒトα1 −ACT抗体溶液(12.5μg/
ml)0.5mlを加え、37℃で2時間振盪してビー
ズに抗体を結合し、生理食塩水で3回洗浄した。カチオ
ンポリマーである6Xを1×10-3UMとなるようにP
BSを用いて調整して6X溶液とした。また、カチオン
ポリマーであるPVBMAを1×10-3UMとなるよう
にPBSを用いて調整してPVBMA溶液とした。更
に、アニオンポリマーであるCOAを1×10-3UMと
なるようにPBSを用いて調整してCOA溶液とした。
6X溶液とCOA溶液とを等量混合して6X−COAの
組み合わせからなるPECを調製し、その0.5mlを
先の抗ヒトα1 −ACT抗体を結合したビーズに添加
し、37℃で4時間振盪した後、生理食塩水で3回洗浄
し、後記の測定に用いた。同様にPVBMA溶液とCO
A溶液とを等量混合してPVBMA−COAの組み合わ
せのPECを調製し、前記と同様の操作によりビーズを
処理し、後記の測定に用いた。
研究所〕を0.1%ウシ血清アルブミンを含むPBS
(以下BSA−PBSともいう)で希釈し、α1 −AC
Tとして0〜20ng/mlの各希釈列を調製した。各
希釈列400μlに前記の操作によって調製した各ビー
ズ状不溶性担体1個を加え、37℃で1時間静置した
後、生理食塩水で2回洗浄した。そこにペルオキシダー
ゼ標識抗ヒトα1 −ACT抗体溶液(23μg/ml)
400μlを加え、37℃で1時間静置し、生理食塩水
で3回洗浄した。処理した不溶性担体を新しい容器に移
し、発色液としての0.25%o−フェニレンジアミン
と0.015%H2 O2 とを含む0.1Mクエン酸緩衝
液(pH6.0)400μlを加えて、室温で25分間
静置して発色させ、1N−HClを加えて反応を停止さ
せて、波長492nmにおける吸光度を測定した。その
結果を図11に示す。どちらのPECによってもブラン
ク値が低減し、実効感度の上昇が認められた。
高分子電解質錯体からなる不溶性担体を用いると、従来
の免疫学的検出法における非特異的反応を有効に抑制し
て、測定精度を向上させ、生体試料中に極微量でしか含
まれていない検査対象物質を正確かつ高精度で検出ない
し測定することができる。
従来のPEC非被覆担体とを用いてEIAによりAFP
を測定した場合の濃度と吸光度の変化を示すグラフであ
る。
従来のPEC非被覆担体とを用いてEIAによりAFP
を測定した場合の濃度と吸光度の変化を示すグラフであ
る。
従来のPEC非被覆担体とを用いてEIAによりAFP
を測定した場合の濃度と吸光度の変化を示すグラフであ
る。
従来のPEC非被覆担体とを用いてEIAによりAFP
を測定した場合の濃度と吸光度の変化を示すグラフであ
る。
従来のPEC非被覆担体とを用いてEIAによりAFP
を測定した場合の濃度と吸光度の変化を示すグラフであ
る。
電バランス=+3.3〕と従来のPEC非被覆担体とを
用いてEIAによりAFPを測定した場合の濃度と吸光
度の変化を示すグラフである。
電バランス=+0.9〕と従来のPEC非被覆担体とを
用いてEIAによりAFPを測定した場合の濃度と吸光
度の変化を示すグラフである。
電バランス=±0〕と従来のPEC非被覆担体とを用い
てEIAによりAFPを測定した場合の濃度と吸光度の
変化を示すグラフである。
電バランス=−0.9〕と従来のPEC非被覆担体とを
用いてEIAによりAFPを測定した場合の濃度と吸光
度の変化を示すグラフである。
荷電バランス=−3.3〕と従来のPEC非被覆担体と
を用いてEIAによりAFPを測定した場合の濃度と吸
光度の変化を示すグラフである。
のPEC非被覆担体とを用いてEIAによりα1 −AC
Tを測定した場合の濃度と吸光度の変化を示すグラフで
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 (a1)一般式(I) 【化1】 [式中、R1及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜10個
のアルキレン基、一般式 【化2】 (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1又
は2個のアルキレン基である)で表される基又はアリー
レン基であって、R2、R3、R5及びR6はそれぞれ独立
に炭素数1〜3個のアルキル基であるか、 又はR1は式中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5及び
R6と一緒になって式 【化3】 で表される基であってR4は前記と同じ意味であるもの
とし、そしてX1 -は対イオンであり、mは5以上の数で
ある]で表されるカチオンポリマー、 (a2)一般式(II) 【化4】 [式中、Aは一般式 【化5】 (式中、Bは炭素数1又は2個のアルキレン基であり、 R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンであ
る)で表される基であるか、一般式 【化6】 (式中、R24は炭素数1〜3個のアルキル基又はベンジ
ル基であり、X3 -は対イオンである)で表される基であ
るか、又は一般式 【化7】 (式中、R25は炭素数1又は2個のアルキル基であり、
R26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンであ
る)で表される基であり、nは10以上の数である]で
表されるカチオンポリマー、 (a3)一般式(III) 【化8】 (式中、vは3又は4であり、R91は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、R92は−N+H2X
5 -又は−N+HC(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX
6 -はそれぞれ独立に対イオンであり、tは20〜100
であり、そしてrは10以上の整数である)で表される
カチオンポリマー、及び (a4)カチオン性多糖類からなる群から選んだカチオ
ン性高分子電解質少なくとも1種と、 (b1)一般式(IV) 【化9】 (式中、uは1又は2であり、R81は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、sは20〜100
であり、そしてqは10以上の整数である)で表される
アニオンポリマー、 (b2)一般式(V) 【化10】 (式中、R31は水素原子又はメチル基であり、R32は炭
素数6〜18個のアルキル基であり、Yはカルボン酸基
若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸
基若しくはその塩、又は、カルボン酸基若しくはその
塩、スルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基若しくは
その塩を含有するアリール基であり、aは20〜100
の数であり、pは10以上の数である)で表されるアニ
オンポリマー、及び (b3)アニオン性多糖類からなる群から選んだアニオ
ン性高分子電解質少なくとも1種とを反応させる(但
し、前記カチオン性高分子電解質が、Aが一般式 【化11】 で表される基である一般式(II)で表されるカチオンポ
リマーである場合には、前記アニオン性高分子電解質
は、一般式(V)で表されるアニオンポリマーでないも
のとする)ことによって得られる高分子電解質錯体によ
り、少なくとも表面が形成されていることを特徴とす
る、免疫学的検出用の不溶性担体。 - 【請求項2】 検出対象物質と免疫学的に結合すること
のできる免疫学的活性物質を前記検出対象物質と結合可
能な状態で表面に固定して含み、 (a1)一般式(I) 【化12】 [式中、R1及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜10個
のアルキレン基、一般式 【化13】 (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1又
は2個のアルキレン基である)で表される基又はアリー
レン基であって、R2、R3、R5及びR6はそれぞれ独立
に炭素数1〜3個のアルキル基であるか、 又はR1は式中の2個の窒素原子及びR2、R3、R5及び
R6と一緒になって式 【化14】 で表される基であってR4は前記と同じ意味であるもの
とし、そしてX1 -は対イオンであり、mは5以上の数で
ある]で表されるカチオンポリマー、 (a2)一般式(II) 【化15】 [式中、Aは一般式 【化16】 (式中、Bは炭素数1又は2個のアルキレン基であり、 R21、R22及びR23はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X2 -は対イオンであ
る)で表される基であるか、一般式 【化17】 (式中、R24は炭素数1〜3個のアルキル基又はベンジ
ル基であり、X3 -は対イオンである)で表される基であ
るか、又は一般式 【化18】 (式中、R25は炭素数1又は2個のアルキル基であり、
R26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素
数1〜3個のアルキル基であり、X4 -は対イオンであ
る)で表される基であり、nは10以上の数である]で
表されるカチオンポリマー、 (a3)一般式(III) 【化19】 (式中、vは3又は4であり、R91は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、R92は−N+H2X
5 -又は−N+HC(NH)NH2X6 -であり、X5 -及びX
6 -はそれぞれ独立に対イオンであり、tは20〜100
であり、そしてrは10以上の整数である)で表される
カチオンポリマー、及び (a4)カチオン性多糖類からなる群から選んだカチオ
ン性高分子電解質少なくとも1種と、 (b1)一般式(IV) 【化20】 (式中、uは1又は2であり、R81は水素原子;炭素数
1〜4個のアルキル基;ヒドロキシ基、メルカプト基若
しくは炭素数1〜3個のアルキルチオ基で置換された炭
素数1〜4個のアルキル基;又はイミダゾリルメチル基
若しくはインドリルメチル基であり、sは20〜100
であり、そしてqは10以上の整数である)で表される
アニオンポリマー、 (b2)一般式(V) 【化21】 (式中、R31は水素原子又はメチル基であり、R32は炭
素数6〜18個のアルキル基であり、Yはカルボン酸基
若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸
基若しくはその塩、又は、カルボン酸基若しくはその
塩、スルホン酸基若しくはその塩又はリン酸基若しくは
その塩を含有するアリール基であり、aは20〜100
の数であり、pは10以上の数である)で表されるアニ
オンポリマー、及び (b3)アニオン性多糖類からなる群から選んだアニオ
ン性高分子電解質少なくとも1種とを反応させる(但
し、前記カチオン性高分子電解質が、Aが一般式 【化22】 で表される基である一般式(II)で表されるカチオンポ
リマーである場合には、前記アニオン性高分子電解質
は、一般式(V)で表されるアニオンポリマーでないも
のとする)ことによって得られる高分子電解質錯体によ
り、少なくとも表面が形成されていることを特徴とす
る、不溶性担体。 - 【請求項3】 請求項2に記載の不溶性担体と被検試料
とを接触させて免疫学的反応を誘起させ、その反応に由
来する検出可能な変化を検出することを特徴とする、被
検試料中の検出対象物質を免疫学的に検出する方法。
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J.Colloid Interface Sci.,147(2)(1991)p.450〜456 |
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JPH06160394A (ja) | 1994-06-07 |
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