JPS62231169A - 免疫学的診断試薬 - Google Patents

免疫学的診断試薬

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JPS62231169A
JPS62231169A JP7497686A JP7497686A JPS62231169A JP S62231169 A JPS62231169 A JP S62231169A JP 7497686 A JP7497686 A JP 7497686A JP 7497686 A JP7497686 A JP 7497686A JP S62231169 A JPS62231169 A JP S62231169A
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acid
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木原 康夫
Kenjiro Mori
健二郎 森
Takashi Tsuji
孝 辻
Tetsuo Watanabe
哲男 渡辺
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は免疫学的診断試薬に関し、詳しくは、免疫活性
物質を固定化した水分散型高分子重合体粒子の水性分散
液からなり、ラテックス凝集反応において非特異的凝集
反応がなく、且つ、凝集反応の判定が容易であると共に
、検体の個体開蓋によらずに安定した高い特異的凝集反
応性を有し、更に、保存安定性にすぐれる免疫学的診断
試薬に関する。
(従来の技術) 近年、人間や動物の病理的状態或いはその他の状態の医
学的診断のために、血液、尿その他の体液中の生理活性
物質が有する免疫活性を利用する免疫学的診断方法が広
く用いられている。この方法は、免疫学的な反応を起こ
す抗原又は抗体のいずれか一方、又は両者を組合せて体
液等の被検液と反応させ、抗原又は抗体と、これらに対
応する抗体又は抗原との間の特異的な反応、即ち、抗原
抗体反応に基づく凝集反応又は凝集阻止反応によって、
上記のような免疫活性成分の存在を測定する方法である
。この場合、肉眼又は顕微鏡等の光学的手段による観察
を容易にするために、一般に、抗原又は抗体は微粒子状
の担体、例えば、ラテックス、赤血球等に担持されて診
断試薬とされ、通常、pHを中性近傍とした水性媒体中
でのこのような粒子の凝集反応の有無を利用して、血清
等の体液中の被検成分が測定される。
例えば、微粒子がラテックスからなる診断試薬の凝集反
応について説明すると、抗原又は抗体を担持させた微粒
子を含有する水性分散液からなる診断試薬を被検液と混
合すると、上記抗原又は抗体に対応する被検液中の抗体
又は抗原は、微粒子上の抗原又は抗体と特異的に反応し
、ラテックス凝集反応、即ち、前述したように、肉眼的
に観察し得、又は光学的手段によって検知し得る微粒子
の凝集反応が生じる。しかし、被検液中に測定すべき抗
体又は抗原が存在しない場合は、肉眼的及び光学的手段
によって観察検知し得る凝集は起こらない。このように
して、抗原又は抗体を担持させた微粒子の凝集反応の有
無によって、被検液中の抗体又は抗原の存在を決定する
ことができる。
このような免疫学的診断試薬は、免疫活性物質、即ち、
抗原又は抗体が微量にでも被検液中に存在すれば、これ
を検出し得る高い感度と、目的とする免疫活性物質との
み反応する高い特異性を有することが要求される。更に
、長期間の保存によっても、高い検出感度及び特異性を
保持することが要求される。
このような免疫学的診断試薬としては、従来、ポリスチ
レンラテックス粒子表面に抗原及び抗体を物理吸着によ
り固定化してなる診断試薬や、カルボキシル化ラテック
ス粒子にカルボジイミド、ジアルデヒド等を用いて共有
結合により固定化してなる診断試薬等が提案されている
。しかし、従来のかかる診断試薬は、いずれも、血清等
のような被検液と反応させたとき、対応する抗体又は抗
原を含む陽性血清のみならず、対応する抗体又は抗原を
含まない陰性血清に対しても凝集反応を起こすことがあ
る。このような凝集反応は非特異的凝集反応と呼ばれて
おり、しばしば診断を誤まらせることがある。このよう
な非特異的凝集反応が起こる理由は必ずしも明らかでは
ないが、一つには血清中に含まれる補体等の因子による
ものと考えられる。同時に、これらの非特異的凝集反応
を生じさせる因子の有無や含有量は、検体に個人差があ
って、場合によっては診断を誤らせる。
一方、従来からラテックス粒子の非特異的凝集を防ぐこ
とを目的として、ラテックス凝集反応の有無の判定を行
なう際に、血清をグリシン等の緩衝液で希釈したり、或
いは血清中の補体を失活させる非動化処理を施すことが
行なわれている。しかし、このような処理によっては、
非特異的凝集を十分に抑制することは困難であり、また
、手間を要して、診断に時間がかかるという問題がある
このような免疫学的診断試薬における問題を解決するた
めに、従来より、非特異的凝集反応を抑制することを目
的として、診断試薬に添加剤を添加することが一般に行
なわれており、かかる添加剤として、例えば、グリコー
ル類や、ゼラチン、アルブミン等のタンパク質、或いは
ポリアニオン等が知られている。しかし、これらの添加
剤の効果は一般に十分ではないので、近年、添加剤とし
て、例えば、ショ糖及び塩化コリン(特開昭54−02
6327号公報) 、N、N−ジアルキルアミドやジ低
級アルキルスルホキシド(特開昭55−160853号
公報)等が提案されている。
更に、近年になって、種々の無機塩類が非特異的凝集を
抑制する効果をもつ添加剤として提案されている。例え
ば、特開昭56−158947号公報には、グアニジン
、グアニジン塩酸塩、グアニジニウムチオシアン酸塩、
尿素等を代表例とするケイオトロピツク(chaotr
optc)剤と共に、似ケイオトロピツク剤として塩化
リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、ヨウ化リチウムのようなハロゲン化アルカリ金属や
、塩化カルシウムのようなハロゲン化金属が記載されて
いる。
しかし、上記した添加剤を含有する免疫学的診断試薬も
、依然として非特異的凝集を抑制する効果が満足すべき
ものではなく、特に、血清を希釈することなく、原血清
を免疫学的診断試薬と混合したとき、非特異的凝集が往
々にして起こる。特に、上記したような塩類を添加剤と
して用いるとき、このような傾向が著しい。
このために、特開昭57−35754号公報には、免疫
学的診断試薬にハロゲン化アルカリ金属を0.2モル/
1以上の高濃度にて含有させることが記載されている。
しかし、一般に、添加剤を高濃度に配合するときは、免
疫学的診断試薬の本来の特異的凝集反応をも抑制する傾
向があり、実用的な添加剤の濃度は自ずから限られるこ
ととなる。
従って、検体の個体開蓋によらずに、安定した高い特異
凝集反応性を有する一方、非特異的凝集反応が十分に抑
制された免疫学的診断試薬が強く要望されている。
他方、免疫学的診断試薬は、一般に室温又はそれ以上の
温度での保存安定性に劣り、特に、添加剤として無機塩
類を用いるときにこの傾向が強いので、免疫学的診断試
薬は、従来、10℃以下の温度で保存されることが多い
。しかし、このような場合、使用に際しては、再び室温
に戻す煩瑣な手間を必要とするので、従来より室温で保
存することができ、且つ、この室温での保存によって、
自然凝集を起こすことなく、しかも、診断への使用に当
たっては、高い検出感度を保持しているように、保存安
定性にすぐれた免疫学的診断試薬が強く要望されている
このように、従来、種々の添加剤を含有する免疫学的診
断試薬が提案されているが、尚、非特異的凝集が十分に
抑制されていないと共に、検体の個体開蓋による影響が
大きく、また、診断試薬が保存安定性に劣る問題がある
(発明の目的) 本発明者らは、免疫学的診断試薬における上記の問題を
解決するために鋭意研究した結果、免疫活性物質を固定
化した水分散型高分子重合体粒子の水性分散液からなる
免疫学的診断試薬において、これにある種のアミノカル
ボン酸又はアミノスルホン酸又はこれらの塩と共にチオ
シアン酸塩を溶解共存させることにより、前記無機塩類
系の添加剤を含めて、従来より知られている添加剤に比
較して、検体の個体開蓋によらずに安定した高い特異的
凝集反応性を確保させると共に、非特異的凝集を抑制す
る効果に格段にすぐれ、更に、保存安定性にも格段にす
ぐれる免疫学的診断試薬を得ることができることを見出
して、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、血清を希釈することなく、しかも、
非動化処理も行なわずに、非特異的凝集反応が抑制され
、且つ、検体の個体開蓋によらずに安定した高い特異的
凝集反応性を有すると共に、低温のみならず、室温又は
それ以上の高い温度での保存安定性にすぐれた免疫学的
診断試薬を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明による免疫学的診断試薬は、免疫活性物質が固定
化された水分散型高分子重合体粒子の水性分散液からな
る免疫学的診断試薬において、上記水性分散液に (al  一般式 (但し、X及びYは水素又は置換基を有していてもよい
アルキル基、シクロアルキル基又は相互に結合してなる
環状アミノ基残基を示し、Zは置換基を有していてもよ
いアルキレン基を示す。但し、X及びYは同時には水素
ではない。) で表わされる第2級又は第3級アミノ基を有するアミノ
スルホン酸又はその塩、 (b)  チオシアン酸塩、及び (C1pH調整剤としてのアンモニア又は有機アミン が配合されてなることを特徴とする。
本発明による免疫学的診断試薬において、免疫活性物質
を固定化するための担体である水分散型高分子重合体粒
子の平均粒径は、好ましくは0.03〜2μm、特に好
ましくは0.1〜1μ9mである。
平均粒径が小さすぎると、免疫活性物質を固定化した水
分散型高分子重合体粒子の抗原抗体反応による凝集を肉
眼で観察することが困難であり、一方、大きすぎるとき
は、重合体粒子に安定な分散状態を保持させるのが困難
となるからである。また、重合体粒子の比重は、0.9
〜1゜5の範囲にあることが好ましく、更に、後述する
ように、免疫活性物質を固定化した後の比重が1.0〜
1.3の範囲にあることが好ましい。重合体粒子が免疫
活性物質の固定化の前後に上記範囲よりも小さい比重を
有するときは、重合体粒子がその水性分散液における水
性媒体表面に浮遊して、分散安定性に劣るようになり、
一方、上記範囲よりも大きいときは、粒子が分散液の水
性媒体中に沈降し、凝集しやすくなって、同様に分散安
定性に劣るようになるからである。
本発明において用いる水分散型高分子重合体粒子は、通
常、不飽和二重結合を有する単量体の−又は二基上の乳
化重合によって調製される。かかる単量体としては、例
えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体、
酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル系単量体、スチレン
、メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン糸車m
 体、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル系単量
体、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル系単
量体、ブタジェン等のジエン系単量体等が用いられる。
また、これら単量体の単独重合体又は共重合体粒子に官
能基やイオン性基を与え、又は粒子の水性媒体中での分
散安定性を高める等を目的とする重合体粒子の改質のた
めに、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、スチレンスルホ
ン酸ナトリウム、スルホプロピル(メタ)アクリレート
ナトリウム塩、N−ビニルピロリドン等の単量体を前記
単量体と共重合させることもできる。
更に、上記単量体と共に、単量体成分として多官能性単
量体を内部架橋剤として乳化共重合させて、架橋させた
水分散型窩分子重合体粒子を得ることもできる。内部架
橋剤は、重合体に架橋構造を導入するので、診断試薬中
に含まれれば好ましくない水溶性重合体の生成を抑制す
ると共に、得られる重合体粒子のガラス転移温度を高め
ることができる。更に、内部架橋剤は、水分散型高分子
重合体粒子を非膨潤化して、重合体粒子の水性媒体中で
の分散安定性を高めるのに効果がある。
かかる内部架橋用多官能性単1体としては、例えば、脂
肪族多価アルコールのポリ (メタ)アクリレートが好
ましく用いられる。具体例として、例えば、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1.3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ (メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメクンテトラ(メ
タ)アクリレート等が好ましく用いられる。
また、ジビニルベンゼンやN、N”−メチレンビスアク
リルアミド等も内部架橋剤として用いることができる。
尚、個々の単量体の具体的な種類は、得られる水分散型
高分子重合体粒子が免疫活性物質を固定化した診断試薬
として、保存時に融着、凝集を起こさないように、所要
のガラス転移点を有するように選ばれる。重合体粒子の
ガラス転移点は、診断試薬の保存温度及び診断試薬の使
用温度を考慮して、好ましくは10℃以上、特に室温以
上である。
免疫活性物質を共有結合にて上記水分散型高分子重合体
粒子に固定化する場合や、後述するように、所謂スペー
サ基を介して水分散型高分子重合体粒子に免疫活性物質
を固定化する場合には、重合体粒子はその表面に官能基
を有することが必要である。このような官能基としては
、例えばカルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アミ
ノ基、ホルミル基、カルバモイル基、イソチオシアナー
ト基、アジドカルボニル基、ヒドラジド基、酸無水物基
等を挙げることができる。従って、これらの官能基を有
する重合体粒子を調製するには、単量体成分として、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸のようなカルボキシル
基を存する単量体、例えば、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシメチルメタクリレートのような水
酸基を有する単量体、例えば、グリシジルメタクリレー
トのようなグリシジル基を有する単量体を、必要に応じ
て、他の共重合性単量体と乳化共重合させることによっ
て、それぞれカルボキシル基、水酸基及びグリシジル基
を有する水分散型高分子重合体粒子を得ることができる
また、所要の単量体成分を重合させた後、得られた水分
散型高分子重合体粒子に官能基を導入することもできる
。このための方法としては、例えば、アクリル酸エステ
ルを単量体成分として重合させて得た重合体粒子を加水
分解することにより、カルボキシル基を有する重合体粒
子を得ることができる。また、アミノ基やヒドラジド基
を有する水分散型高分子重合体粒子を調製するには、例
えば、アクリルアミドのようなアミド基を有する単量体
、又はアクリル酸メチルのようなメチルエステル基を有
する単量体をそれぞれ他の単量体と乳化共重合し、得ら
れた共重合体中のアミド基をホフマン分解し、又はメチ
ルエステル基をヒドラジンと反応させることにより得る
ことができる。
しかし、このように官能基を有する水分散型高分子重合
体粒子に免疫活性物質を共有結合にて固定化するための
方法は、特に制限されず、従来より知られている任意の
方法によることができる。
更に、本発明による免疫学的診断試薬においては、水分
散型高分子重合体粒子に免疫活性物質を共有結合によっ
て固定化するに際して、必要に応じて、免疫活性物質の
重合体粒子上での自由度を高めるために、重合体粒子と
免疫活性物質とをスペーサ基を介在させて共有結合にて
結合させることができる。このスペーサ基は、予め重合
体粒子に結合させ、この後にこのスペーサ基と免疫活性
物質とを結合させてもよく、或いはスペーサ基を予め免
疫活性物質に結合させ、これを重合体粒子に結合させて
もよい。更に、必要に応じて、重合体粒子及び免疫活性
物質の両方に予めスペーサ基を結合させ、これらを相互
に結合させることもできる。
上記スペーサ基として用い得る化合物は、少なくとも二
官能性の有機化合物であり、多官能性の重合体を排除す
るものではないが、特に、炭素数1〜12の炭素鎖基を
有する二官能性の有機化合物が好ましい。このようなス
ペーサ基として機能する化合物の具体例として、例えば
、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
キシリレンジアミン等のジアミン類、グリシン、β−ア
ミノプロピオン酸、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロ
ン酸、ε−アミノカプリル酸等のアミノアルキルカルボ
ン酸、リジン、グルタミン酸、β−アラニン、アルギニ
ン、グリシルグリシルグリシン等のアミノ酸類等が好ま
しく用いられるが、これらに限定されるものではない。
このスペーサ基は、予め重合体粒子に結合させ、この後
にこのスペーサ基と免疫活性物質とを結合させてもよく
、或いはスペーサ基を予め免疫活性物質に結合させ、こ
れを重合体粒子に結合させてもよい。更に、必要に応じ
て、重合体粒子及び免疫活性物質の両方に予めスペーサ
基を結合させ、これらを相互に結合させることもできる
前記した官能基を有する水分散型高分子重合体粒子に直
接に免疫活性物質を共有結合にて固定化し、又は重合体
粒子にスペーサ基を結合し、また、このスペーサ基に免
疫活性物質を共有結合にて固定化するための方法は、特
に制限されず、従来より知られている任意の方法による
ことができる。
例えば、好ましい方法の一つとして、結合試薬として水
溶性カルボジイミドを用いる方法を挙げることができる
。例えば、アミノアルキルカルボン酸をスペーサ基とし
て用いる場合であれば、水溶性カルボジイミドを用いて
、アミノアルキルカルボン酸を水分散型高分子重合体粒
子に結合させ、次いで、この重合体粒子に結合されたア
ミノアルキルカルボン酸に水溶性カルボジイミドを用い
て同様にして、免疫活性物質を共有結合にて固定化する
ことができる。
かかる方法において用いる水溶性カルボジイミドとして
は、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−シクロへキシル−
3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−
p−トルエンスルホネート等を挙げることができる。こ
のような水溶性カルボジイミドを用いて、スペーサ基を
介して、又は介さずして直接に、共有結合によって免疫
活性物質を重合体粒子に固定化するには、従来より知ら
れている通常の方法及び条件によることができる。例え
ば、スペーサ基を用いる場合であれば、重合体粒子の水
性分散液にスペーサ基と共に適宜量、例えば、水性分散
液の単位容量当りに0.01〜10mg/mlとなるよ
うに水溶性カルボジイミドを添加し、通常の条件、例え
ばpHを4〜10に保持して、5〜60℃程度の温度で
数分乃至数十時間、通常、1〜5時間程度反応させれば
よい。
次いで、このスヘーサ基を結合させた重合体粒子に同様
にして免疫活性物質を固定化すればよい。
また、官能基が水酸基であるときは臭化シアン法により
、また、アミノ基であるときはジアルデヒドと反応させ
、これら官能基を活性化することによって、スペーサ基
を結合させ、次いで、上記と同様にして免疫活性物質を
重合体粒子に共有結合にて固定化することができる。ま
た、重合体粒子に直接に免疫活性物質を固定化すること
もできる。
勿論、本発明においては、免疫活性物質を上記した共有
結合性以外の従来より知られている任意の方法、例えば
、物理吸着法やイオン結合法等によって固定化してもよ
い。よく知られているように、物理吸着法による場合は
、担体としての水分散型高分子重合体粒子は、前記した
ii体が適宜に選ばれて、単独若しくは共重合されて、
表面が疎水性であるように調製され、また、イオン結合
法による場合は、水分散型高分子重合体粒子はイオン性
基を有するように調製される。
しかし、このように免疫活性物質が物理吸着法やイオン
結合法によって水分散型高分子重合体粒子に固定化され
ている場合は、免疫学的診断試薬の水性媒体のイオン強
度によっては、免疫活性物質の水分散型高分子重合体粒
子との結合状態が影響を受けて、例えば、特異凝集性の
低下や保存安定性に欠けることがあるので、本発明にお
いては、免疫活性物質は好ましくは共有結合法によって
水分散型高分子重合体粒子に固定化される。但し、上記
した問題が生起しないときは、免疫活性物質を物理吸着
法やイオン結合法によって水分散型高分子重合体粒子に
固定化してもよいのは当然である。
本発明において用いる免疫活性物質としては、特に制限
はなく、抗原、抗体及びハプテン等いずれを用いてもよ
い。例えば、ヒト及び動物免疫グロブリン、変性免疫グ
ロブリン、α−フェトプロティン、C反応性タンパク(
CRP)や肝炎ウィルス関連抗原、風iHA抗原等の各
種ウィルス抗原、トキソプラズマ、マイコプラズマ、梅
毒トレボネーマ等の種々の細菌、真菌、毒素等の微生物
抗原、アルブミン、補体成分等の各種血漿タンパク成分
、エストロゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)
等の各種ホルモン等が挙げられ、また、これらの抗原成
分に対する抗体等も使用することができる。
本発明による免疫学的診断試薬は、上記のように固定化
した免疫活性物質の失活が起こらないように、水分散型
高分子重合体粒子が適当なpH及び濃度のグリシン緩衝
液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等の緩衝液に分散され
ていると共に、この重合体粒子の水性分散液に粒子の非
特異的凝集を抑制するだめの添加剤として、前記一般式
(I)で表わされる第2級又は第3級アミノ基を有する
アミノスルホン酸若しくはその塩と共に、−C弐MSC
N           (IJ )(但し、Mは1価
の陽イオンを示す) で表わされるチオシアン酸塩とを含有する。ここに、上
記1価の陽イオンは、アルカリ金属イオン又はアンモニ
ウムイオンが好適であり、アルカリ金属イオンとしては
、特に、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリチウ
ムイオンが好ましい。
先ず、本発明による免疫学的診断試薬乙こおいて、上記
緩衝液の濃度は、通常、0,2M以下の範囲が適当であ
り、好ましくは0.01〜0.1 Mの範囲である。
上記一般式(1)で表わされるアミノスルホン酸におい
て、アミノ基は第2級又は第3級であることを必要とし
、第1級の場合は、これを添加剤として用いても、非特
異的凝集を抑制する効果は殆ど得られない。
一般式(I)において、X及びYは水素又は置換基を有
していてもよい鎖状又は分岐鎖状アルキル基、シクロア
ルキル基又は相互に結合してなる環状アミノ基残基を示
し、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜5
の鎖状又は分岐鎖状アルキル基、炭素数5〜8のシクロ
アルキレン基又は5〜6員環の環状アミノ基残基を示す
。従って、X及びYの好ましい具体例として、例えば、
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ
プロピル基、トリ (ヒドロキシメチル)メチル基、カ
ルバモイルメチル基、シクロヘキシル基等の置換基を有
していてもよいアルキル基やシクロアルキル基、以下に
示すようなモルホリノ基等の環状アミノ基残基を挙げる
ことができる。但し、X及びYは同時には水素ではない
また、一般式(1)におけるZは、置換基を有していて
もよいアルキレン基を示し、好ましくは置換基を有して
いてもよい炭素数1〜4の鎖状又は分岐鎖状アルキレン
基を示す。置換基としては、例えば、水酸基を挙げるこ
とができる。Zの好ましい具体例として、例えば、エチ
レン基、プロピレン基、ヒドロキシプロピレン基等を挙
げることができる。
従って、アミノスルホン酸の好ましい具体例として、例
えば、 (1)      (tlOcHzcHz) JC1h
CH2SO311(2)      (lIOcHzc
lh) ZNC112CIl (Oll) CH25O
:IH(3)      (HOCHzClh) zC
NHCHzCHzSO:+ll(4)      (I
IOCII□GHz) :+CN1lCHzCHzC1
hSOJ(5)      (IIOCII□CH2)
zcNHcHzcH(OH)CIIzSOJ(6)  
    II□NC0CHzNHCthC1hSOJX
−一ノ 等を挙げることができる。
尚、本発明によれば、上記アミノスルホン酸に代えて、
一般式(III) ^3−111N (B−COOII) m     (
I[I )で表わされる第2級又は第3級アミノ基を有
するアミノカルボン酸又はその塩を用いることができる
上記一般式(III)で表わされるアミノカルボン酸に
おいても、アミノ基は第2級又は第3級であることを必
要とし、第1級の場合は、これを添加剤として用いても
、非特異的凝集を抑制する効果は殆ど得られない。
また、上記一般式(III)において、Aは水素又は置
換基を有していてもよい直鎖状又は分岐鎖状アルキル基
を示し、アルキル基の場合、その炭素数は好ましくは1
〜5である。mは1又は2である。但し、mが2のとき
、Aは同時には水素ではない。Aにおける置換基として
、例えば、水酸基やカルバモイル基を挙げることができ
る。従って、Aの好ましい具体例として、例えば、ヒド
ロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、トリ (ヒドロ
キシメチル)メチル基、カルバモイルメチル基等を挙げ
ることができる。
また、Bは置換基を有していてもよいアルキレン基、好
ましくは炭素数1〜3のフルキレン基を示す。従って、
Bの好ましい具体例として、メチレン基、エチレン基等
のようなアルキレン基を挙げることができる。このアル
キレン基も水酸基のような置換基を有していてもよい。
従って、上記アミノカルボン酸の好ましい具体例として
、例えば、 (14)    (IIOCII□CIl□)zNcH
zcOOll(15)    (IIOCHz) :1
CNHCH2COOH(16)    II□NC0C
H2N (CH2COOH) 2等を挙げることができ
る。
本発明においては、上記アミノスルホン酸又はアミノカ
ルボン酸は、前述したように、ナトリウム塩やカリウム
塩のようなアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等の塩と
しても用いることもできる。
本発明においては、このようなアミノスルホン酸又はア
ミノカルボン酸又はこれらの塩とチオシアン酸塩の水分
散型高分子重合体粒子の水性分散液における含有■は、
それぞれの至適濃度に基づくある範囲内であることが好
ましい。即ち、本発明によれば、上記添加剤をある濃度
範囲内で用いることによって、検体の固体間差によらず
に安定して、陰性活性を実質的に消滅させると共に、高
い特異的凝集反応性、即ち、陽性活性を確保することが
でき、更に、それぞれの添加剤の有効な使用範囲が拡大
されるのである。
一般に、免疫学的診断試薬は、原因は必ずしも明らかで
はないが、検体の個体間に非特異的凝集反応を生じさせ
る因子の強度に差が認められること、及び特異的凝集反
応を起こさせる因子、例えば、抗体等の強度や濃度にも
個体開蓋が認められる。従って、添加剤を含有する免疫
学的診断試薬においては、陽性活性を保持しつつ、陰性
活性を抑制すると共に、上記したように、個体開蓋によ
る影客を極力排除することを意図して、添加剤は、通常
、至適濃度といわれる範囲で診断試薬に添加される。
ここに、至適濃度とは、単独の添加剤を含有させた免疫
学的診断試薬において、その生理活性を低下させない添
加剤の最高濃度をXとし、非特異的凝集反応を抑制し得
る添加剤の最低濃度をYとするとき、これらの中間濃度
Zとして定義される濃度であって、次式で表わされる。
即ち、至適濃度は、第1図に示すように、模式的には、
非特異的凝集が現れず、且つ、陽性活性が最大である濃
度領域の中間点濃度である。かかる至適濃度をはずれた
範囲で添加剤を含有する免疫学的診断試薬を用いる場合
は、例えば、検体と試薬の混合比によっては、陽性が陰
性に、或いは陰性が陽性として判定されるように凝集性
が異なることがあり、診断を誤らせることがある。
しかし、現実には、検体が特に強い非特異的a集性を有
する場合には、添加剤を至適濃度範囲で用いても、例え
ば、(±)と判定されることもあり、また、診断の対象
となる症状が初期であるような場合には、検体が弱い陽
性活性を有するので、(−)に判定されることがある。
このような場合、従来は、異常値や検出限界外であると
して処理されている。
本発明の免疫学的診断試薬においては、それぞれの至適
濃度に基づいて、各添加剤を所定の範囲の濃度で添加す
るとき、上記した個体開蓋を大幅に除いて、安定して高
い特異的凝集反応性と低い非特異的凝集反応性とを確保
することができる。
即ち、アミノスルボン酸又はアミノカルボン酸又はこれ
らの塩を単独で用いる場合の至適濃度をZA、チオシア
ン酸塩を単独で用いる場合の至適濃度をZBとし、本発
明の免疫学的診断試薬に含有されるそれぞれの添加剤の
濃度をA及びBとするとき、 0.15Za≦A≦0.8ZA O,2Z@≦B≦1.1Z1 0.8  (ZA+Z、)≦A+B≦1.3 (ZA+
Z、)を満たすように、A及びBが決定されるのが好ま
しい。
即ち、本発明の免疫学的診断試薬においては、アミノス
ルホン酸又はアミノカルボン酸又はこれらの塩の至適濃
度Aは、これを単独で用いる場合の至適濃度ハの”15
〜80%の範囲とし、チオシアン酸塩の至適濃度Bは、
これを単独で用いる場合の至適濃度Z、の20〜110
%の範囲とし、且つ、上記7ミノスルホン酸又はアミノ
カルボン酸又はこれらの塩とチオシアン酸塩の総濃度A
十Bは、それぞれの単独の至適濃度の合計IZA +Z
、の80〜130%の範囲とする。
アミノスルホン酸又はアミノカルボン酸又はこれらの塩
の濃度が、これを単独で用いる場合の至適濃度の15%
よりも小さいとき、及び/又はチオシアン酸塩の濃度が
これを単独で用いる場合の至適濃度の20%よりも小さ
いときは、これら添加剤の併用添加による非特異的凝集
反応の抑制効果を十分に得ることができず、他方、アミ
ノスルホン酸又はアミノカルボン酸又はこれらの塩の濃
度が、これを単独で用いる場合の至適濃度の80%より
も大きいとき、及び/又はチオシアン酸塩の濃度がこれ
を単独で用いる場合の至適温度の100%よりも大きい
ときは、陽性活性自体が低くなるからである。
更に、アミノスルホン酸又はアミノカルボン酸又はこれ
らの塩と、チオシアン酸塩の濃度との合計濃度が、それ
ぞれの添加剤の至適濃度の合計濃度の80%よりも小さ
いときは、検体が強い非特異的凝集反応性を有する場合
、所期の効果を得ることが困難であり、他方、それぞれ
の添加剤の至適濃度の合計濃度の130%よりも大きい
ときは、特異的凝集性を低下させる傾向があるからであ
る。
更に、本発明による免疫学的診断試薬は、水分散型高分
子重合体粒子の分散安定性及び抗原抗体反応等の生理反
応の活性を考慮して、そのpl+を通常、6〜9、好ま
しくは7〜8.5の範囲に調整するために、アンモニア
又は前記アミノスルホン酸及びアミノカルボン酸以外の
有機アミンをp ll 調整剤として溶解含有する。こ
のようなpH調整剤の使用量は、用いる添加剤アミノス
ルホン酸やアミノカルボン酸によっても異なるので、特
に限定されないが、通常、0.1〜30倍モル、好まし
くは0゜5〜2倍モルの範囲である。かかる有機アミン
としては、特に、限定されるものではないが、トリスヒ
ドロキシメチルアミノメタン)(以下、単にトリスとい
う。)や、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス
(ヒドロキシメチル)メタン(以下、単にビストリスと
いう。)等が好ましく用いられる。
また、診断試薬における重合体粒子の濃度は、通常、診
断試薬の総重量に基づいて0.01〜5重世%の範囲で
あるが、好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。尚
、本発明による免疫学的診断試薬には、防腐効果を与え
るために、アジ化ナトリウム等の防腐剤を添加してもよ
い。
本発明による免疫学的診断試薬は、例えば、一つの方法
として、血清を希釈し、これを用いて免疫学的診断を行
なう場合に、アンモニア又は有機アミンを添加溶解させ
ることによってpH−t−調整した希釈液に上記アミノ
スルホン酸、アミノカルボン酸又はこれらの塩とチオシ
アン酸塩とを緩衝液に溶解含有させ、次いで、これを免
疫活性物質を固定化した水分散型高分子重合体粒子の水
性分散液に添加混合することにより調製することができ
る。また、免疫活性物質を固定化した水分散型高分子重
合体粒子の水性分散液に、アンモニア又は有機アミンを
添加溶解させてpHを調整した上記アミノスルホン酸、
アミノカルボン酸又はこれらの塩とチオシアン酸塩とを
含む水溶液を添加混合して、免疫学的診断試薬を調製し
、これを保存することができる。但し、本発明による免
疫学的診断試薬の調製方法は、これに限定されるもので
はない。
更に、本発明による免疫学的診断試薬は、従来より知ら
れている添加剤を含有させることもできる。かかる添加
剤としては、例えば、ヒト、ウシ、ウマ、ウサギ等の動
物血清や血清アルブミン、ゼラチン、糖類、ポリビニル
ピロリドン、ポリエチレングリコール等を挙げることが
できる。これらの添加剤を通常、診断試薬の総重量に基
づいてO11〜2重世%の範囲で本発明によるアミノカ
ルボン酸やアミノスルホン酸と併用することによって、
多くの場合、免疫学的診断試薬の非特異的凝集の抑制効
果を高めることができ、また、沈降現象を抑制して、診
断時の凝集の有無判定を容易ならしめることができる。
本発明による免疫学的診断試薬を使用する免疫学的診断
は、例えば、診断試薬と被検液とをガラス板又はプラス
チック板の富み又は平面板上又はマイクロプレートにお
いて混合し、肉眼又は顕微鏡観察によって、重合体粒子
の凝集の有無を判定することにより行なわれる。また、
凝集の有無を光学的な変化として判定することもできる
マイクロプレートを用いる方法は、診断に要する液量を
減じて、短時間に検出を行なう高感度検出法であり、一
般に、高濃度の血清は、微粒子を凝集させる傾向が強い
ので、検体血清はこれを高度に希釈して用いる必要があ
る。しかしながら、本発明によって、凝集反応液中にp
i(を調整したアミノスルホン酸又は了ミノカルボン酸
と共に千オシアン酸塩とを溶解含有させることにより、
非特異的凝集が抑制されるのみならず、特異凝集活性が
高められ、しかも、有効範囲が拡大されて、検体の個体
器差によらずに、安定した性能を得ることができる。
(発明の効果) 以上のように、本発明の免疫学的診断試薬は、免疫活性
物質を固定化した水分散型高分子重合体粒子の水性分散
液に、前記した特定のアミノスルホン酸、アミノカルボ
ン酸又はこれらの塩と共にチオシアン酸塩を含有させて
なり、この結果、その理由は必ずしも明らかではないが
、重合体粒子の非特異的凝集が完全に阻止されるので、
診断に際して、血清を緩衝液で希釈したり、或いは非動
化処理しなくとも、迅速に正確な判定を行なうことがで
きる。しかも、添加剤の使用濃度範囲が拡大されて、検
体の個体器差によらずに、安定した高い性能を得ること
ができる。
更に、本発明による診断試薬は、従来の診断試薬に比較
して、長期間にわたる保存安定性にすぐれ、特に、低温
のみならず、室温又はそれ以上の比較的高い温度におい
ても、保存安定性にすぐれて、しかも、かかる保存後の
使用に際しても高検出感度を示す。
また、免疫活性物質の担体として用いる水分散型高分子
重合体粒子は、粒径を含む品質が均一であるうえに、そ
れ自体は免疫活性をもたないので、固定化操作が容易で
あると共に、固定化粒子は高い検出感度と高い特異性と
を有し、かくして、高精度での診断を可能とする診断試
薬を与える。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示し、具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以
下においては、重合体粒子に免疫活性物質を固定化した
後、必要に応じて濾紙(阻5)にて濾過し、得られた分
散液に添加剤を添加して、診断試薬とした。
実施例1 (al  水分散型合成高分子重合体粒子の調製メタク
リル酸メチル8.0g、メタクリル酸イソブチル5. 
Og 、アクリル酸1.0g、メタクリロニトリル3.
0g及びトリエチレングリコールジメタクリレート0.
7gを蒸留水370gに加え、更に蒸留水Logに過硫
酸カリウム0.1gを溶解させた重合開始剤水溶液を加
えた後、窒素気流下、75℃の温度で撹拌速度190 
rpmで攪拌しつつ、8時間重合を行なった。重合率9
9%にて平均粒径0.30μmの水分散型高分子重合体
粒子を含む水性分散液を得た。
この重合体粒子の水性分散液を最初、蒸留水にて4回遠
心洗浄し、次いで、0.01Mホウ酸緩衝液(pH7,
5)にて2回遠心洗浄して、水相中の水溶性高分子を除
去し、重合体粒子を精製した後、この重合体粒子を0.
OIMホウ酸緩衝液(pH7,5)に固形分が5重量%
となるように再分散させた。
(bl  重合体粒子へのスペーサ基の結合上で得た水
分散型高分子重合体粒子の水性分散液100m1とε−
アミノカプロン酸水溶液(0,02M)100mlとを
混合し、IN水酸化ナトリウム水溶液にてpH7,5に
調製した。0.OIMホウ酸緩衝液(pl+ 7.5 
)に溶解させた1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩水溶液(25mg/m
l) 20mlを上記水性分散液に加え、室温で3時間
、攪拌下に反応させた。−夜、冷蔵庫に放置した後、0
.OIMホウ酸緩衝液(p)17.5 )にて3回遠心
洗浄して、スペーサ基を結合された重合体粒子を得、こ
れを0.01Mホウ酸緩衝液(pH7,5)に固形分5
重量%になるように再分散させた。
(C1ウサギIgGの固定化 上で得たスペーサ基を有する水分散型同分子重合体粒子
の水性分散液5ml、0.1 Mホウ酸緩衝液(pH7
,5)  2 ml及び蒸留水11m1を混合し、これ
に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩水溶液(2mg/ml) 2mlを
加え、10分後にウサギIgG水溶液(5mg/ml)
を5ml添加し、10℃で2時間反応させた。
次に、反応混合物中の余剰の水溶性カルボジイミドを消
費するために、10重量%L−アルギニン水溶液(pH
7,5) 5+++1を加え、1時間インキュベートシ
た。次いで、0.01Mホウ酸緩衝液(pH8゜2)に
て遠心洗浄を3回行なった後、0.OIMホウ酸緩衝液
(pH8,2)に分散させて全110m1に調整し、か
くして、ウサギIgGを前記スペーサ基を介して共有結
合にて固定化した水分散型高分子重合体粒子の水性分散
液を得た。固定他社は重合体粒子1g当り約30mgで
あった。
(dl  アミノスルホン酸(1〉とチオシアン酸アン
モニウムのそれぞれの至適濃度の決定 種々の濃度にて前記アミノスルホン酸(1)又はチオシ
アン酸アンモニウムとを含有し、トリスにてpHを8.
0に調整した水溶液と、前記ウサギIgGを固定化した
水分散型高分子重合体粒子の水性分散液とを混合して、
上記アミノスルホン酸又はチオシアン酸アンモニウムと
を種々の?m 度にて含有する重合体粒子濃度1゜0重
里%の免疫学的診断試薬を調製した。
この診断試薬と関節リウマチ因子陽性血清及び陰性血清
を原液のままそれぞれガラス板上にて等容量混合攪拌し
ながら、3分後に凝集状態を肉眼判定した。その結果を
第2図及び第3図に示す。
これらの結果から前記アミノスルホン酸(1)の至適濃
度は、前記式に基づいて0.36M#、チオシアン酸ア
ンモニウムの至適温度は0.33M/!!である。
尚、血清としては、赤血球にrgcを固定したりウマチ
診断薬(富士レビオ社製RAHA)を160倍に希釈し
た陽性活性試薬と20倍以下に希釈した陰性活性試薬を
用いた。
(81免疫学的診断試薬の調製 免疫活性物質としてウサギTgGを固定化した本試薬は
、リウマチ因子検出試薬として用いることができる。
上記と同様にして、前記アミノスルホン酸(1)の濃度
を0.14M/A(単独で用いる場合の至適濃度の39
%)とし、チオシアン酸アンモニウムの濃度を種々に変
えて免疫学的診断試薬を調製し、その活性を測定した。
結果を第4図に示す。この結果からチオシアン酸アンモ
ニウムの至適濃度は0.25M/1と計算される。この
濃度は、千オシアン酸アンモニウムを単独で用いる場合
の至適濃度の76%である。また、この免疫学的診断試
薬において、添加剤の総濃度は、それぞれの添加剤の至
適濃度の合計量の115%である。
次に、チオシアン酸アンモニウムの濃度を0.125M
/7!(単独で用いる場合の至適濃度の38%)とし、
前記アミノスルホン酸(1)の濃度を種々に変えて免疫
学的診断試薬を調製し、その活性を測定した。結果を第
5図に示す。この結果から、前記アミノスルホン酸(1
)の至適濃度は0゜19M/lであって、単独で用いる
場合の至適濃度の53%である。この免疫学的診断試薬
において、添加剤の総濃度は、それぞれの添加剤の至適
濃度の合計量の91%である。
(f)  アミノスルホン酸(8)の至適濃度の決定種
々の濃度にて前記アミノスルホン酸(8)を含有し、ト
リスにてpHを8.0に調整した水溶液と、前記ウサギ
IgGを固定化した水分散型高分子重合体粒子の水性分
散液とを混合して、上記アミノスルホン酸又はチオシア
ン酸アンモニウムとを種々の濃度にて含有する重合体粒
子濃度1.0重量%の免疫学的診断試薬を調製した。
この診断試薬と関節リウマチ因子陽性血清及び陰性血清
を原液のままそれぞれガラス板上にて等容量混合攪拌し
ながら、3分後に凝集状態を肉眼判定した。その結果を
第6に示す。
この結果から、前記アミノスルホン酸(8)の至適濃度
は、前記式に基づいて0.15M/7!である。
(g)  免疫学的診断試薬の調製 チオシアン酸アンモニウムの濃度を単独で用いる場合の
至適濃度の38%である0、125M#!とじ、前記ア
ミノスルホン酸(8)の濃度を種々に変えて免疫学的診
断試薬を調製し、その活性を測定した。結果を第7図に
示す。この結果から前記アミノスルホン酸(8)の至適
濃度は0.113M/lであって、単独で用いる場合の
至適濃度の75%である。この免疫学的診断試薬におい
て、添加剤の総濃度は、それぞれの添加剤の至適濃度の
合計量の113%である。
実施例2 実施例1と同様にして、種々の濃度にて添加剤を含有す
る免疫学的診断試薬を調製し、その活性を調べた。用い
た血清は前記したのと同じであり、その希釈倍率は、陽
性血清については、Aが640倍、Bが320倍、Cが
160倍、Dが80倍、Eが40倍であり、陰性血清は
すべて20倍以下である。結果を第1表に示す。
本発明による診断試薬においては′、非特異的凝集反応
が起こらないが、対照診断試薬では非特異的凝集が生じ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般に添加剤濃度と凝集性との関係を示すグラ
フであって、斜線領域が至適濃度範囲を示す。第2図は
チオシアン酸アンモニウムを単独で用いる場合の至適濃
度範囲を示すグラフ、第3図はアミノスルホン酸(1)
を単独で用いる場合の至適濃度範囲を示すグラフ、第4
図はアミノスルホン酸(1)の濃度を0.14M#とじ
たときのアミノスルホン酸(1)の至適濃度範囲を示す
グラフ、第5図はチオシアン酸アンモニウムの濃度を0
.125M/Zとしたときのアミノスルホン酸(1)の
至適濃度範囲を示すグラフ、第6図はアミノスルホン酸
(8)を単独で用いる場合の至適濃度範囲を示すグラフ
、第7図はチオシアン酸アンモニウムの濃度を0.12
5M/lとしたときのアミノスルホン酸(8)の至適濃
度範囲を示すグラフである。 特許出願人 日東電気工業株式会社 代理人 弁理士  牧 野 逸 部 (1゛■ 第1 図 第2図 0     0.2タ     θ、ダ     0,
7り1斥(、M/12) 第3図 第4問 シ【九(M/ノジ 第5図 1九(、M/り

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)免疫活性物質が固定化された水分散型高分子重合
    体粒子の水性分散液からなる免疫学的診断試薬において
    、上記水性分散液に (a)一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (但し、X及びYは水素又は置換基を有していてもよい
    アルキル基、シクロアルキル基又は相互に結合してなる
    環状アミノ基残基を示し、Zは置換基を有していてもよ
    いアルキレン基を示す。但し、X及びYは同時には水素
    ではない。)で表わされる第2級又は第3級アミノ基を
    有するアミノスルホン酸又はその塩、 (b)チオシアン酸塩、及び (c)pH調整剤としてのアンモニア又は有機アミン が配合されてなることを特徴とする免疫学的診断試薬。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007212343A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Nitto Boseki Co Ltd 抗原の測定法およびそれに用いるキット
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