JPH0750110B2 - 免疫測定法 - Google Patents

免疫測定法

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JPH0750110B2
JPH0750110B2 JP63324054A JP32405488A JPH0750110B2 JP H0750110 B2 JPH0750110 B2 JP H0750110B2 JP 63324054 A JP63324054 A JP 63324054A JP 32405488 A JP32405488 A JP 32405488A JP H0750110 B2 JPH0750110 B2 JP H0750110B2
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文雄 石川
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高感度で非特異反応が少ない免疫測定法に関す
る。
(従来の技術) 各種生体成分から特定の被測定物質を検出もしくは定量
するために抗原抗体反応が利用されている。例えば,抗
原もしくは抗体である被測定物質に対する抗体もしくは
抗原を担持させたラテックスなどを試薬として凝集反応
を測定することにより被測定物質の測定がなされる。こ
のような免疫反応の測定方法としては,上記のような凝
集反応を光学的もしくは肉眼により目視観察する方法,
酵素免疫測定法(EIA),放射免疫測定法(RIA)など各
種方法が知られている。
これらの免疫反応の測定法において,抗原抗体反応を促
進させ,あるいは微量成分を効果的に測定することを目
的として種々の添加剤が用いられている。例えば,反応
系にポリエチレングリコールやデキストランを添加する
方法が採用されている。これらは水溶性もしくは親水性
のポリマーであり,これらを加えることにより疎水性相
互作用により進行する抗原抗体反応が促進される。例え
ば,これらの化合物を加えることによりラテックス試薬
の凝集反応が促進される。しかし,これらの化合物によ
り反応系における非特異反応もまた促進されるため,バ
ックグラウンド値が上がる。そのため,バックグラウン
ド値を越える量の測定値でないと検出することができな
い。つまり多量の試料を必要とする。従って,この方法
は,短時間で反応を進行させることは可能であるが,非
特異反応を抑制するには充分な方法とはいえない。
免疫反応における特異性を高めるために,塩化コリン,
ホルムアルデヒド,エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)
などの添加剤を測定系に加える方法も採用されている。
しかし,これらの化合物を添加すると,非特異反応を抑
制するとともに所望の抗原抗体反応をも抑制するため測
定感度が低くなるという欠点を有する。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の問題点を解決するものであり,そ
の目的とするところは,非特異反応が抑制されかつ高感
度の得られる免疫反応測定用試薬,および免疫反応測定
法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は,試料中の被測定物質である抗原または抗体を
免疫反応により測定する方法であって;不活性担体にカ
チオン性の官能基が導入された,もしくはカチオン性の
官能基を有する化合物を吸着させたカチオン性不活性担
体を調製する工程;該カチオン性不活性担体に該被測定
物質である抗原または抗体に対する抗体または抗原を担
持させて,固相化抗体または固相化抗原を調製する工
程;該固相化抗体または固相化抗原をポリアニオンと接
触させ,該ポリアニオンを該固相化抗体または固相化抗
原に担持させる工程;および該ポリアニオンを担持した
固相化抗体または固相化抗原と該試料とを混合し,免疫
反応により該試料中の被測定物質を測定する工程;を包
含し,そのことにより上記目的が達成される。
本発明方法に用いられる不活性担体としては,疎水性の
表面を有する,あるいは部分的に疎水性の表面を有する
不活性担体がいずれも利用され得る。例えば,ラテック
ス,プラスチックビーズ,プラスチックプレートなどの
合成高分子化合物でなる材料,タンニン酸で処理した赤
血球などの有機材料;およびシリカなどの無機材料が挙
げられる。特に,工業的に安定した品質で大量生産しう
るラテックス;またはプラスチックビーズ,プラスチッ
クプレートなどのプラスチック成形品が好適に使用され
る。
カチオン性の官能基もしくはそれを有する化合物は,上
記不活性担体への抗体または抗原(被測定物質である抗
原または抗体に対応する)の担持効率を上げる目的で,
該不活性担体に導入もしくは吸着される。このような不
活性担体に導入もしくは吸着させるカチオン性の官能基
には,1級,2級,3級または4級のアミノ基およびそれらの
塩が挙げられる。カチオンとして作用しうるpH範囲が広
い4級アミノ基およびその塩が好適に使用される。
担体に上記カチオン性の官能基を導入する方法として
は,担体として使用するプラスチックを合成する際に
カチオン性の官能基を含むモノマーを同時に反応させて
該基を有する担体を調製する方法;担体を成形した後
に,その表面に化学修飾によりカチオン性の官能基を結
合させる方法;およびカチオン性の官能基を含む化合
物(例えば,アミン類またはカチオン性ポリマー)を担
体表面に物理的に吸着させる方法がある。の方法とし
ては,例えば,重合時にアミノ基を有するモノマーを同
時に重合させる(ナイロンもしくはその誘導体を調製す
る)方法が挙げられる。の方法としては,例えば,シ
リカのような無機の材料を不活性担体として用い,該シ
リカのOH基を化学的に修飾する方法がある。の方法に
用いられる化合物として,低分子量化合物としてはドデ
シルアミン,ヘキサデシルトリメチルアミンなどの各種
アミン類が,高分子量化合物としては疎水性部分を含む
カチオン性ポリマーが用いられる。該ポリマーの疎水性
部分は,アルキル基,アルキレン基,フェニル基などか
ら成る。該アルキル基およびアルキレン基の炭素数は,1
〜15個の範囲内にあるものが適当である。これよりも大
きな炭素数では,ポリマーが水に溶解しにくくなり,担
体を処理するのが困難となる。ポリマーの分子量は1,00
0〜400,000が適当である。これよりも小さい分子量で
は,担体との疎水性相互作用が十分ではなくなり,担体
に効果的に吸着されない。400,000を上回る分子量で
は,ポリマーの粘度が高くなってしまい,担体を処理す
るのが困難となる。
このようなポリマーとしては,ポリアリルアミン(1級
アミノ基を有する;日東紡績(株)製),ポリエチレン
イミン(2級アミノ基を有する),ポリ塩化ジアリルジ
メチルアンモニウム,ポリアミンスルホン(4級アミノ
基を有する),核酸などがある。例えば,次式(I)で
示される4級アミノ基を有するポリマーが好適である: ここで,R1〜R10は水素またはアルキル基,Y1およびY2
アルキル基またはアルキレン基であり,該Y1およびY2
はS,NまたはOが含まれていてもよい。特に,次の構造
式(II)で示されるポリアミンスルホン(日東紡,PAS−
A−5,平均分子量2,000〜5,000)が好適である: 本発明方法で用いられるアニオン性ポリマーとしては,
解離してアニオンを生じるような基を有するポリマーが
いずれも使用され得る。ポリマー主鎖としては,セルロ
ース,アルキルセルロース,デキストランなどの多糖
類;ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類;ポ
リアルコール類などが挙げられる。これらの主鎖に結合
するアニオン性の基としては,カルボキシル基,スルホ
ン酸基,硫酸エステル基,リン酸エステル基などがあ
る。アニオン性ポリマーの例としては,カルボキシメチ
ルセルロース,デキストラン硫酸,コンドロイチン硫
酸,ポリアクリル酸,それらの塩などがある。アニオン
性ポリマーの分子量は1000〜500,000が適当であり,該
ポリマーの溶解度,粘度などを考慮して適宜選択され
る。これらのポリマーは適当に組みあわせて用いられ得
る。
本発明方法で測定される被測定物質としては,α−フェ
トプロテイン,HBs抗原,CEA(癌胎児性抗原),抗トレポ
ネーマ パリダム,抗カルジオライピン抗原,抗HBs抗
体,抗HBc抗体,抗HIV抗体など,免疫反応を用いて測定
され得るほとんどすべての物質があげられる。
上記担体上に固定化され,固相化抗体または固相化抗原
を形成し得る物質としては,上記被測定物質と免疫反応
を行ない得る物質が適宜選択される。本法は,特にこの
ような物質の固定化時に界面活性剤が存在するような場
合に好適に利用される。界面活性剤の存在下では,通
常,固定化効率が悪いが,本法においては効果的にこの
ような物質を固定化することが可能となる。従って,抽
出,安定化などのために界面活性剤を必要とする物質,
例えば,ウィルス抗原(例えば,HBs抗原,HBc抗原,HBe抗
原,HIV抗原,ATLV抗原);梅毒トレポネーマなどの菌体
の表面抗原;細胞膜上に存在する各種抗原,膜タンパ
ク,リセプターなども効果的に担体上に固定化される。
上記菌体の表面抗原,膜タンパクなどの抽出や安定化の
ために用いられる界面活性剤としては,非イオン性,両
性およびカチオン性の界面活性剤が使用され得る。非イ
オン性の界面活性剤としては,例えば,トリトンX,ツイ
ーン20,ツイーン80,オクチルグルコシド,オクチルチオ
グルコシド,ヘプチルチオグルコシド,MEGA−8(オク
タノイル−N−メチルグルカミド:Octanoyl−N−methy
lglu−camide),MEGA−9(ノナノイル−N−メチルグ
ルカミド:Nonanoyl−N−methylglucamide),MEGA−10
(デカノイル−N−メチルグルカミド:Decanoyl−N−m
ethyl−glucamide)などが挙げられる。両性の界面活性
剤としては,例えば,CHAPS(3−〔(3−コラミドプロ
ピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネー
ト:3−〔(3−Cholamidopropyl)di−methylammonio〕
−1−propanesulfonate),CHAPSO(3−〔(3−コラ
ミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒドロキシ
−1−プロパンスルホネート:3−〔(3−Cholamidopro
pyl)dimethylammonio〕−2−hydroxy−−1−propane
−sulfonate)などが挙げられる。カチオン性の界面活
性剤としては,ドデシルアミン,ヘキサデシルトリメチ
ルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
本発明方法によれば,まず,上記不活性担体に上記方法
によりカチオン性の官能基が導入された,もしくはカチ
オン性の官能基を有する化合物を吸着させたカチオン性
不活性担体が調製される。このカチオン性不活性担体
に,被測定物質である抗原または抗体に対する抗体また
は抗原を担持させて,固相化抗体または固相化抗原を調
製する。例えば,緩衝液,生理食塩水または精製水に上
記抗体または抗原を溶解した溶液をカチオン性担体に接
触させることにより行われる。このことにより上記抗体
または抗原はまず,イオン的相互作用により担体表面の
カチオン性官能基に引き寄せられ,次いで担体との疎水
性相互作用により該担体表面に固定化される。このとき
に使用される緩衝液としては,当業者に公知のいずれの
緩衝液も使用できるが,イオン強度が0.1Mを下回るもの
が望ましい。上記抗体または抗原の固定化の最初のステ
ップとしてイオン的な相互作用を利用しているので,イ
オン強度が高いと効果が得られない。緩衝液のpHは,担
体上のカチオンが解離しており,固定化される抗体また
は抗原が該緩衝液中で安定に存在し得,かつ負に荷電す
るようなpHに調整される。ただし,担体上のカチオンと
して4級アミノ基を用いる場合には,どのpHにおいても
担体上のカチオンは解離しているので比較的広いpH範囲
の緩衝液が使用され得る。
このようにして得られる固相化抗体または固相化抗原
を,必要に応じて,後述の免疫反応に関与しないタンパ
クと処理し,担体上の未結合部位のブロッキングを行な
う。次に,固相化抗体または固相化抗原をポリアニオン
と接触させる。例えば,上記アニオン性ポリマーを含む
水溶液もしくは緩衝溶液に該固相化抗体または固相化抗
原を浸漬する。このときに,抗体もしくは抗原を安定化
するために,アルブミンなどのタンパク,あるいはショ
糖などの多糖類を添加剤として加えることも可能であ
る。使用される緩衝液としては,ポリアニオンが解離し
た状態で安定に存在できるものであればよい。例えば,
リン酸緩衝液,トリス塩酸緩衝液などが挙げられ,pHは
5〜9の範囲が適切である。ポリアニオン接触時のポリ
アニオンの濃度は,分子量や粘度により異なるが,通常
約0.1から10%の範囲である。
ポリアニオンと接触させた後の固相化抗体または固相化
抗原を緩衝液で洗浄し,適当な緩衝液中に保存する。洗
浄あるいは保存のための緩衝液中には,該固相化抗体ま
たは固相化抗原の安定性を高める目的で添加剤が含有さ
れていてもよく,アニオン性のポリマーが含有されてい
てもよい。
本発明方法においては,上記のように,カチオン性の不
活性担体に,被測定物質である抗原または抗体に対する
抗体もしくは抗原が結合される。従って,該抗体または
抗原はイオン性相互作用および疎水性相互作用により効
果的に担体上に結合する。界面活性剤の存在下において
も該結合は効果的になされ得る。このことにより後述の
免疫反応の感度が上昇する。このようにして形成された
固相化抗体または固相化抗原に,上記のようにポリアニ
オンを接触させると,該ポリアニオンは該固相化抗体ま
たは固相化抗原上に固定化される。ポリアニオンの結合
により,固相化抗体または固相化抗原上に残留している
カチオン性の電荷が相殺される。このことにより,後述
の免疫反応において担体上のカチオン基と試料中のアニ
オン性物質が結合するのが阻害される。つまり,免疫反
応における非特異反応が防止される。ポリアニオンの代
わりに低分子量のアニオン(例えば,硫酸イオン,塩素
イオン)を利用しても同様の効果が得られると考えられ
る。しかし,担体上に吸着した上記低分子量アニオン
は,検体中のアニオン性物質(通常,オリゴマーあるい
はポリマーである)と置換する。そのため,非特異反応
の抑制が効果的に行なわれ得ない。
上記のようにポリアニオンが担持された固相化抗体また
は固相化抗原に,被測定物質を含む試料を接触させる
と,抗原抗体反応が進行する。その結果得られる生成物
を測定することにより被測定物質が測定される。測定方
法としては,EIA,RIA,ラテックス法などが挙げられ,被
測定物質が,上記のように,感度よく,かつ非特異反応
を抑制した状態において測定することが可能となる。本
発明方法において抗原抗体反応による測定系の特異性を
高めたり測定感度を上げたりするために,塩化コリン,E
DTA,糖類(多糖類,デキストランなど),ポリエチレン
グリコールのような親水性ポリマーなどを反応系に添加
することも可能である。
本発明方法に類似した技術として,特開昭57−182169号
公報には,非特異反応を防止するために,被測定物質を
含む検体を免疫反応時に使用される媒体に可溶なポリア
ニオンで処理し,得られた処理後の試料を用いて(ポリ
アニオンの存在あるいは不存在下で)免疫反応を行なう
ことが開示されている。しかし,このような方法におい
ては,免疫反応に用いる固相化抗体または固相化抗原の
調製時に界面活性剤が存在すると固定化効率が低く,充
分な感度が得られない。これに対して,本法において
は,界面活性剤の存在下においても固定化効率が高いた
め充分な感度が得られる。例えば,本法はHBs抗原,HBc
抗原,HBe抗原,梅毒抗原(トレポネーマ抗原および脂質
抗原),HIV抗原,ATLV抗原などの抗原を本発明方法によ
り担体上に固定し,これらの抗原に対する抗体を測定す
るのに利用される。本発明方法は,疾病の診断および治
療のための臨床検査などの分野に広く利用され得る。
(実施例) 本発明を以下の実施例につき説明する。
実施例1 [梅毒トレポネーマ抗原の固定化による抗トレポネーマ
抗体の測定] (A)試薬および検体の調製 以下の試薬および検体を調製して用いた。
リン酸緩衝液:リン酸一ナトリウム(2水和物),リン
酸二ナトリウム(2水和物)および塩化ナトリウムを,
リン酸および塩化ナトリウムの終濃度がそれぞれ0.02M
および0.15M,そしてpHが7.4となるように混合して調製
した。
リン酸−クエン酸緩衝液:0.2Mリン酸二ナトリウムと0.1
Mクエン酸とを混合し,pH5.5に調整した。
1%ポリアミンスルホン水溶液:ポリアミンスルホン
(日東紡,PAS−A−5,平均分子量2,000〜5,000)を水に
溶解して1%水溶液とした。このポリアミンスルホンの
構造式は明細書中の(II)式で示される。
1mM塩酸:塩酸を精製水で希釈して1mM塩酸水溶液とし
た。
1%BSA:リン酸緩衝液に牛血清アルブミンを1%となる
ように溶解した。
CMC溶液:カルボキシメチルセルロースを精製水に0.1〜
0.3%となるように溶解した。
DS溶液:デキストランサルフェートを精製水に0.1〜0.3
%となるように溶解した。
1%トリトンX−100:リン酸緩衝液にトリトンX−100
を1%となるように溶解した。
梅毒抗原液:家兎睾丸中で10〜14日間培養したトレポネ
ーマ パリダム[Treponema pallidum;CDC(Center for
Disease Control,Public Health Service,U.S.Departm
ent of Health,Education and Welfare,Atlanta,Georgi
a)より入手したものを家兎睾丸に接種し,継代培養し
たものを用いた]を生理食塩水中に109個菌体/mlとなる
ように懸濁した菌体懸濁液1mlを採り,リン酸緩衝液中
で遠心分離(6,000rpm×5分,3回)することにより洗浄
した。次いで,得られた沈澱に1%トリトンX−100を1
ml添加し,37℃にて30分間インキュベートした。その
後,これを超遠心分離機にかけて(50,000rpm×1時
間)上清を採取し,1%トリトンX−100で1,000倍希釈し
て使用した。
梅毒陽性家兎血清:睾丸にトレポネーマ パリダムを接
種後,45日間飼育した家兎から血清を採取した。市販のT
PHAキット(セロディアTP(富士レビオ),およびセロ
クリットTP(化血研))を用いてタイター(力価)を測
定したところ,いずれのキットにおいても2,560タイタ
ーを示した。この血清を1%BSAで50倍に希釈して使用
した。
正常家兎血清:トレポネーマ パリダムが接種されてい
ない家兎から採取した血清を用いた。上記と同様に市販
のTPHAキットを用いてタイターを測定したところ,結果
は陰性を示した。この血清を1%BSAで50倍に希釈して
用いた。
ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG:ペルオキシダーゼ標
識抗ウサギIgG(マイルズ・ラボラトリーズ社)を1%B
SAで1,000倍に希釈して用いた。
マイクロタイタープレート:プラスチック製の96穴(ウ
ェル)マイクロタイタープレート(ヌンク社)を用い
た。
ペルオキシダーゼ基質:o−フェニレンジアミン(2塩酸
塩)および過酸化水素水を,リン酸−クエン酸緩衝液に
それぞれ2mg/mlと0.03%となるように溶解した。基質の
調製は使用直前に行った。
1N硫酸:濃硫酸を精製水で希釈して1N硫酸水溶液とし
た。
(B)マイクロタイタープレートの処理 マイクロタイタープレートの各ウェルに,1%ポリアミン
スルホン水溶液を50μlずつ分注し,室温にて1時間放
置した。その後,アスピレーターを用いてポリアミンス
ルホン水溶液を除去し,各ウェルを200μlの精製水で
3回,次いで1mM塩酸200μlで1回,最後にリン酸緩衝
液200μlで1回吸引洗浄した。このマイクロタイター
プレートのウェルに梅毒抗原液50μlを添加し,室温に
て1時間インキュベートした。対照として,梅毒抗原液
の代わりに1%BSAを50μl分注したウェルを用意し
た。インキュベートの後,梅毒抗原液および1%BSAを
吸引除去し,200μlの1%BSAで3回吸引洗浄した。次
いで,200μlの1%BSAを添加し,室温にて1時間放置
してブロッキングを行った。その後,1%BSAを吸引除去
し,CMC溶液またはDS溶液を200μlずつ分注し,室温で
1時間放置した。次に該CMC溶液またはDS溶液を吸収除
去した。このような処理を終えたプレートは直ちにELIS
A分析に使用した。
(C)ELISA分析 第1抗体として上記の梅毒陽性家兎血清100μlを使用
した。これを上述のように調製した梅毒抗原固定化マイ
クロタイタープレートの各ウェルに分注した。対照のウ
ェル(梅毒抗原の代わりに1%BSAで処理した)にも同
様に梅毒陽性家兎血清を分注した。別に,血清中の非特
異的吸着を示す物質の存在の有無を調べるために,上記
の正常家兎血清を上記梅毒陽性家兎血清と同様にウェル
に分注した。これらのウェルを室温にて1時間インキュ
ベートした後,液を吸引除去し,200μlの1%BSAで3
回吸引洗浄した。次いで,第2抗体としてペルオキシダ
ーゼ標識抗ウサギIgGを100μlずつ各ウェルに分注し,
室温にて1時間インキュベートした。その後,ウェル内
の液を吸引除去し,上記と同様にウェルを200μlの1
%BSAで3回吸引洗浄した後,各ウェルにペルオキシダ
ーゼ基質を100μl添加し,室温にて正確に15分間イン
キュベートした。基質ブランクとして,第1抗体および
第2抗体のいずれも添加していないウェルを用意し,同
様に基質液を添加してインキュベートした。その後,1N
硫酸100μlを添加することによって酵素反応を停止さ
せた。反応停止後,マイクロタイタープレートリーダー
(MTP−100,コロナ社)を用いて,基質ブランクを対照
として492nmにおける吸光度を測定した。結果を表1に
示す。表1における数値は,n=4の平均値である。
比較例1 実施例1(A)項における家兎血清の希釈時に,1%BSA
または従来の非特異反応抑制剤として塩化コリン緩衝液
(塩化コリンを1%BSAに0.05〜0.3Mとなるように溶解
したもの)を用いた。さらに(B)項においてCMC溶液
またはDS溶液の代わりに1%BSAを用いた。上記以外は
実施例1と同様に操作して測定を行なった。結果を実施
例1の結果とともに表1に示す。
表1から本発明方法により,カチオン性官能基が導入さ
れた担体を用いた場合において非特異的反応が抑制され
特異性が高く,かつ高感度の測定が可能となることがわ
かる。
実施例2 〔梅毒トレポネーマ抗原ラテックス試薬による抗トレポ
ネーマ抗体の測定〕 (A)試薬および検体の調製 特に指示されないかぎり,実施例1と同一名の試薬およ
び検体は実施例1と同様に調製した。
ラテックス:0.23μmポリスチレンラテックス(固形分1
0%,積水化学工業(株))を用いた。
(B)ラテックスの処理 ラテックス1mlと1%ポリアミンスルホン水溶液5mlを混
合し,室温にて1時間放置した。その後,遠心分離(1
5,000rpm×1時間)することによりポリアミンスルホン
水溶液を除去し,1mM塩酸5mlで3回遠心洗浄(15,000rpm
×1時間)した。さらに,精製水5mlで同様に3回遠心
洗浄した後,ラテックスの固形分が10%となるように精
製水に懸濁し,この状態で使用するまで保存した。
上記のようにポリアミンスルホン処理したラテックス20
0μlと梅毒抗原液800μlとを混合し,室温にて1時間
攪拌した。その後,1%BSA5mlを添加し,15,000rpmにて1
時間遠心分離した。得られた沈澱にCMC溶液またはDS溶
液5mlを加え,室温にて1時間攪拌した。次に,15,000rp
mにて1時間遠心分離し,得られた沈澱に1%BSA5mlを
添加し,同様に遠心分離することにより沈澱を洗浄し
た。この沈澱に1%BSA4mlを添加し,よく分散させてラ
テックス試薬とした。このようにして調製したラテック
ス試薬は,4℃にて保存した。
(C)免疫凝集法による分析 梅毒陽性家兎血清と上述のように調製したラテックス試
薬とをそれぞれ50μlずつガラス板上に採り,攪拌混合
して3分間反応させた。対照として,正常家兎血清につ
いても同様に反応させた。反応後,ラテックス試薬の凝
集の有無を目視観察することにより判定し,凝集が観察
された場合を陽性(+),+よりも弱い凝集が観察され
た場合を(±),そして凝集が観察されなかった場合を
陰性(−)とした。結果を表2に示す。
比較例2 実施例2(A)項における家兎血清の希釈時に,比較例
1と同様に1%BSAまたは塩化コリン緩衝液を用いた。
さらに(B)項においてCMC溶液またはDS溶液の代わり
に1%BSAを用いた。その結果を実施例2の結果ととも
に表2に示す。
表2から,本発明方法によりカチオン性官能基が導入さ
れた担体(ラテックス)を凝集反応に用いた場合でも,
非特異反応が抑制され,特異性が高く,かつ,高感度の
測定が可能となることがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,非特異的反応が抑制され
特異性が高くかつ高感度での測定が行なわれ得る免疫測
定法が提供される。本法は,各種疾病の診断および治療
のための臨床検査などの分野に広く利用され得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の被測定物質である抗原または抗体
    を免疫反応により測定する方法であって; 不活性担体にカチオン性の官能基が導入された,もしく
    はカチオン性の官能基を有する化合物を吸着させたカチ
    オン性不活性担体を調製する工程; 該カチオン性不活性担体に該被測定物質である抗原また
    は抗体に対する抗体または抗原を担持させて,固相化抗
    体または固相化抗原を調製する工程; 該固相化抗体または固相化抗原をポリアニオンと接触さ
    せ,該ポリアニオンを該固相化抗体または固相化抗原に
    担持させる工程;および 該ポリアニオンを担持した固相化抗体または固相化抗原
    と該試料とを混合し,免疫反応により該試料中の被測定
    物質を測定する工程; を包含する免疫測定法。
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