JPWO2019087653A1 - めっき成形品用熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品、めっき成形品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れる熱可塑性樹脂組成物及び成形品を提供することを課題とし、該組成物は、ポリカーボネート樹脂(I)、ジエン系ゴム質重合体の存在下に、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(II)、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなるビニル系共重合体(III)およびメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)から実質的になり、該(I)〜(IV)の含有量の合計を100重量%としたとき、該(I)が50〜70重量%、該(II)が10〜30重量%、該(III)が5〜20重量%、該(IV)が1〜10重量%であり、かつ該(I)100重量%に対する該(IV)の含有割合が3〜20重量%であることを特徴とするめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物である。
Description
本発明は、めっき成形品用の熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品に関する。
ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレン樹脂は、優れた成形加工性、機械的特性を有し、また、塗装性やめっき性等の二次加工性にも優れることから、自動車分野、家電分野、OA機器分野など広範な分野において、各種構成部材の成形材料として使用されている。
また、ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性に優れていることから、自動車分野、家電分野、OA機器分野、建材分野をはじめとする多岐の分野にわたって幅広く使用されている。近年、ポリカーボネート樹脂の成形加工性や二次加工性等を改善する目的で、また、ABS樹脂の耐熱性や耐衝撃性を改善する目的で、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂を溶融混合しアロイ化する検討が進められており、特に自動車分野において、耐熱性、耐衝撃性、および塗装性やめっき性等の二次加工性が必要とされる部品への展開が進んでいる。特に機械特性や耐熱性等の特性を維持したまま、めっき特性を向上させる種々の検討が進められている。
ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂アロイの機械特性や耐熱性等の特性を維持したまま、めっき特性を向上させる従来の技術として、例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂、ゴム平均粒子径が規定されたグラフト共重合体およびビニル系共重合体からなるダイレクトめっき用樹脂組成物が開示されている。特許文献1に記載の樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性、流動性のバランスを取りながら、めっき特性が向上しているものの、その効果は十分ではなく、まためっき後の耐久性も不十分である課題があった。また、特許文献2には、ポリカーボネート樹脂、ゴム質重合体含有共重合体、ビニル系共重合体からなり、共重合体中のアセトン可溶分のシアン化ビニル単量体含有率が規定されたメッキ用樹脂組成物が開示されている。特許文献2に記載の樹脂組成物は、めっき特性が向上しているものの、その効果は十分ではなく、また外観、耐熱性、耐衝撃性のバランスも不十分である課題があった。また、特許文献3には、ポリカーボネート樹脂、ビニル系共重合体、グラフト率を規定したグラフト共重合体を含む無電解メッキ用樹脂組成物が開示されている。特許文献3に記載の樹脂組成物は、めっき密着性に優れると共に、耐衝撃性や剛性のバランスに優れるものの、その効果は十分ではなく、まためっき後の耐久性も不十分である課題があった。また、特許文献4には、グラフトゴムを主成分とする、メッキ性、耐衝撃性、大型成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物が開示されており、好ましい態様として、さらに有機ケイ素化合物を規定量配合した熱可塑性樹脂組成物が開示されている。特許文献4に記載の樹脂組成物は、耐衝撃性、流動性、メッキ特性に優れるものの、その効果は十分ではなく、まためっき後の耐久性も不十分である課題があった。
本発明は、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れる、熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂、グラフト共重合体、ビニル系共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体を特定組成で配合することにより、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)を要旨とする。
(1)ポリカーボネート樹脂(I)、ジエン系ゴム質重合体の存在下に、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(II)、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなるビニル系共重合体(III)およびメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)から実質的になり、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、ポリカーボネート樹脂(I)が50〜70重量%、グラフト共重合体(II)が10〜30重量%、ビニル系共重合体(III)が5〜20重量%、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)が1〜10重量%であり、かつポリカーボネート樹脂(I)100重量%に対するメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有割合が3〜20重量%であることを特徴とするめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(2)さらに、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量部としたときに、シリコーン系化合物およびフッ素系化合物から選択されるいずれか1種以上の化合物(V)を、0.01〜0.2重量部配合してなることを特徴とする上記(1)記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(3)化合物(V)が、ポリジメチルシロキサンを主成分とする化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(4)ビニル系共重合体(III)を100重量%としたときに、該ビニル系共重合体(III)に共重合されているシアン化ビニル系単量体成分の含有割合が、29〜33重量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
(6)上記(5)記載の成形品にめっき処理を施してなることを特徴とするめっき成形品。
(1)ポリカーボネート樹脂(I)、ジエン系ゴム質重合体の存在下に、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(II)、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなるビニル系共重合体(III)およびメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)から実質的になり、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、ポリカーボネート樹脂(I)が50〜70重量%、グラフト共重合体(II)が10〜30重量%、ビニル系共重合体(III)が5〜20重量%、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)が1〜10重量%であり、かつポリカーボネート樹脂(I)100重量%に対するメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有割合が3〜20重量%であることを特徴とするめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(2)さらに、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量部としたときに、シリコーン系化合物およびフッ素系化合物から選択されるいずれか1種以上の化合物(V)を、0.01〜0.2重量部配合してなることを特徴とする上記(1)記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(3)化合物(V)が、ポリジメチルシロキサンを主成分とする化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(4)ビニル系共重合体(III)を100重量%としたときに、該ビニル系共重合体(III)に共重合されているシアン化ビニル系単量体成分の含有割合が、29〜33重量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
(6)上記(5)記載の成形品にめっき処理を施してなることを特徴とするめっき成形品。
本発明によれば、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れることから、従来成形できなかった大型成形品や複雑形状成形品、薄肉成形品を射出成形によって得ることができるため、製品の大型化や形状の複雑化に適応でき、また、耐久性の高いめっきによって長期的に意匠性に優れた成形品を得ることができる。
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物とその成形品について、具体的に説明する。
ポリカーボネート樹脂(I)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンで代表的に例示される芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲンで代表的に例示されるカーボネート前駆体との反応によって得られる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と記載することがある。)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの中で好ましいのは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類であり、特に好ましいのは、ビスフェノールAである。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類を用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。中でもホスゲンが好ましく用いられることが多い。これらカーボネート前駆体もまた1種類を用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂(I)を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、従来から知られている方法によって製造することができる。例えば、界面重合法(ホスゲン法)、溶融エステル交換法、溶液重合法(ピリジン法)、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。
代表的な製造方法として界面重合法による製造方法を例示する。反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物、ならびに必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)及び芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のための酸化防止剤を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミン又は第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。分子量調節剤の添加はホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。なお反応温度は例えば、0〜40℃で、反応時間は例えば2〜5時間である。
ここで、界面重合に適用できる有機溶媒としては、界面重合反応に不活性であり、水と混ざり合わず、ポリカーボネート樹脂を溶解することができれば特に制限されるものではない。例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。またアルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物やフェニルクロロフォルメートが挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、好ましくは0.1〜1モルである。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂(I)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、50〜70重量%の範囲にあり、好ましくは52〜68重量%、より好ましくは55〜65重量%である。この割合が50重量%を下回った場合には、流動性は優れるものの、耐衝撃性と耐熱性が低下する。一方、この割合が70重量%を超える場合には、耐衝撃性、耐熱性は優れるものの、流動性が不足し、例えば、射出成形時の成形性に劣るものとなる。
ポリカーボネート樹脂(I)の粘度平均分子量(MV)には、特に制限は無いが、好ましくは10,000以上、21,000以下、より好ましくは12,000以上、20,000以下、最も好ましくは15,000以上、18,000以下である。MVが10,000以上の場合には、耐衝撃性などの機械特性、耐熱性などが向上する傾向があり、21,000以下の場合には流動性の向上、成形品外観が良化する傾向があり、好ましい。
ポリカーボネート樹脂(I)の粘度平均分子量(MV)は、次の方法により求めることができる。まず、塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂(I)0.7gを20℃で溶解した溶液(濃度c=0.7)から、オストワルド粘度計を用いて、次式にて算出される比粘度(ηSP)を求める。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数] 。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数] 。
続いて、求められた比粘度(ηSP)から次のSchnellの式により粘度平均分子量MVを算出することができる。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4MV 0.83 。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4MV 0.83 。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を組成するグラフト共重合体(II)は、ジエン系ゴム質重合体(A)の存在下に、少なくとも芳香族ビニル系単量体(B)およびシアン化ビニル系単量体(C)を含有する単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体である。
グラフト共重合体(II)に用いることができるジエン系ゴム質重合体(A)としては、ガラス転移温度が0℃以下のものが好適であり、その下限値には特に制限は無いが実用上は−80℃程度である。使用できるジエン系ゴム質重合体を例示すると、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体およびアクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体などが挙げられるが、なかでも、ポリブタジエンが好ましく用いられる。
ジエン系ゴム質重合体(A)の重量平均粒子径は特に制限はないが、100〜1200nmであることが好ましく、200〜1200nmであることがより好ましい。ジエン系ゴム質重合体(A)として重量平均粒子径が100nmに満たないものを使用すると、耐衝撃性が低下することがあり、一方、重量平均粒子径が1200nmを超えるものを使用する場合には、流動性が低下することがある。
また、ジエン系ゴム質重合体(A)としては、耐衝撃性と流動性との両立の観点から、重量平均粒子径が200〜400nmの低粒子径のものと、重量平均粒子径が450〜1200nmの高粒子径のものの2種類のジエン系ゴム質重合体を併用することが好ましく、より好ましくは重量平均粒子径が280〜400nmのものと600〜1200nmのものの併用、さらに好ましくは重量平均粒子径が320〜380nmのものと700〜1100nmのものの併用である。
さらに、前述のとおりジエン系ゴム質重合体(A)を2種類用いる場合、耐衝撃性と流動性の観点から、低粒子径のものと高粒子径のものの重量比率が、90:10〜50:50の範囲にあることが好ましく、より好ましくは80:20〜60:40、さらに好ましくは75:25〜65:35の範囲である。
なお、ジエン系ゴム質重合体(A)の重量平均粒子径は、「Rubbaer Age Vol.88 p.484〜490(1960)by E.Schmidt,P.H.Biddison」に記載のアルギン酸ナトリウム法(アルギン酸ナトリウムの濃度量割合とアルギン酸ナトリウム濃度の累積重量分率より累積重量分率50%の粒子径を求める。)により測定することができる。
グラフト共重合体(II)に含まれるジエン系ゴム質重合体(A)由来の部分の重量分率は、40〜65重量%に調整することが好ましく、より好ましいジエン系ゴム質重合体(A)由来の部分の重量分率は、40〜60重量%であり、さらに好ましくは40〜50重量%である。重量分率が40重量%以上では耐衝撃性が向上し、一方、65重量%以下では流動性が向上するため好ましい。
グラフト共重合体(II)に用いられる芳香族ビニル系単量体(B)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレンおよびブロモスチレンなどが挙げられるが、特にスチレンが好ましく採用される。
グラフト共重合体(II)に用いられるシアン化ビニル系単量体(C)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましく採用される。
その他、グラフト共重合体(II)を得るにおいては、本発明の効果を失わない程度に芳香族ビニル系単量体(B)およびシアン化ビニル系単量体(C)と共重合可能な他のビニル系単量体を用いうる。他のビニル系単量体の具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドおよびメタクリル酸メチルなどが挙げられ、それぞれの目的に応じて選択することができ、これらは1種類を用いても複数種を組み合わせて用いても良い。なお、耐熱性や難燃性をさらに向上させる意図があれば、N−フェニルマレイミドを用いることが好ましい。また、硬度向上を重視するのであれば、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
グラフト共重合体(II)に占める芳香族ビニル系単量体(B)由来部分の重量分率は、グラフト共重合体(II)の重量を100重量%としたとき、26〜43重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜41重量%、特に好ましくは35〜41重量%である。この重量分率が26重量%以上の場合には、着色しにくい傾向があり、一方、43重量%以下の場合にはグラフト重合が進行しやすく、グラフト率が向上し、耐衝撃性が向上する傾向がある。
グラフト共重合体(II)に占めるシアン化ビニル系単量体(C)由来部分の重量分率は、グラフト共重合体(II)の重量を100重量%としたとき、9〜17重量%が好ましく、より好ましくは10〜16重量%、さらに好ましくは12〜16重量%である。この重量分率が9重量%以上の場合には、グラフト重合が進行しやすく、グラフト率が向上し、耐衝撃性が向上する傾向があり、17重量%以下の場合には、着色しにくい傾向がある。
グラフト共重合体(II)のグラフト率は、特に制限されるものではない。耐衝撃性と流動性のバランスから、グラフト率は7〜30%が好ましく、より好ましくは20〜28%、さらに好ましくは22〜26%である。グラフト率(%)は、次式で示される。
グラフト率(%)=[ジエン系ゴム質重合体にグラフト重合したビニル系単量体の総量(重量)]/[ジエン系ゴム質重合体の重量]×100。
グラフト率(%)=[ジエン系ゴム質重合体にグラフト重合したビニル系単量体の総量(重量)]/[ジエン系ゴム質重合体の重量]×100。
グラフト共重合体(II)として、例えばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレングラフト共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレングラフト共重合体(MABS樹脂)等を挙げることができる。なかでもアクリロニトリル・ブタジエン・スチレングラフト共重合体(ABS樹脂)が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(II)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、10〜30重量%の範囲にあり、好ましくは12〜28重量%、より好ましくは15〜25重量%である。この割合が10重量%未満の場合には、耐衝撃性、めっき特性が低下し、30重量%を超える場合、流動性および耐熱性が低下する。。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を組成するビニル系共重合体(III)は、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなるビニル系共重合体である。中でも、ビニル系共重合体(III)100重量%に対して、シアン化ビニル系単量体(E)由来部分が29〜33重量%含まれたものが好ましい。また、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の共重合割合としては、芳香族ビニル系単量体(D)67〜71重量%およびシアン化ビニル系単量体(E)29〜33重量%であることが好ましく、更に好ましくは、芳香族ビニル系単量体(D)68〜70重量%およびシアン化ビニル系単量体(E)30〜32重量%である。ビニル系共重合体(III)に占めるシアン化ビニル系単量体(E)由来部分の割合が、29重量%以上の場合には、めっき工程の前工程であるエッチング工程で使用されるエッチング液(強酸水溶液)との親和性が向上し、ジエン系ゴム質重合体(A)がよりエッチングされやすくなり、アンカー効果が大きくなり、めっき特性が向上する傾向があり好ましい。シアン化ビニル系単量体成分の平均含有量が、33重量%以下の場合には、ビニル系共重合体(III)の芳香族ビニル系単量体(D)の平均含有量が大きくなり、ビニル系共重合体(III)とポリカーボネート樹脂(I)との相溶性が向上し、耐熱性や耐衝撃性等の特性が向上する傾向があり好ましい。本発明において、ビニル系共重合体(III)は、ジエン系ゴム質重合体(A)を含まない点で、グラフト共重合体(II)とは異なる共重合体である。
ビニル系共重合体(III)に用いられる芳香族ビニル系単量体(D)としては、前述のグラフト共重合体(II)での芳香族ビニル系単量体(B)と同様に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどが挙げられる。好ましくはスチレンが用いられる。これらは必ずしも1種類で使用する必要はなく、複数種併用して使用することもできる。これらの中で特にスチレンが好ましく採用される。
ビニル系共重合体(III)に用いられるシアン化ビニル系単量体(E)としては、前述のグラフト共重合体(II)でのシアン化ビニル系単量体(C)と同様に、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましく採用される。これらは必ずしも1種類で使用する必要はなく、複数種併用して使用することもできる。
また、グラフト共重合体(II)と同様に、ビニル系共重合体(III)においても本発明の効果を失わない程度に芳香族ビニル系単量体(D)およびシアン化ビニル系単量体(E)と共重合可能な他のビニル系単量体を用いても良い。他のビニル系単量体の具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドおよびメタクリル酸メチルなどが挙げられ、それぞれの目的に応じて選択することができ、これらは1種類を用いても複数種を組み合わせて用いても良い。耐熱性や難燃性をさらに向上させる意図があれば、N−フェニルマレイミドを用いることが好ましい。また、硬度向上を重視するのであれば、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
ビニル系共重合体(III)は、メチルエチルケトン溶媒、30℃、ウベローデ粘度計で測定される固有粘度が0.35〜0.50dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.37〜0.48dl/g、更に好ましくは0.40〜0.45dl/gの範囲である。固有粘度が0.35dl/g以上の場合には、耐衝撃性が向上する傾向があり、一方、0.50dl/g以下の場合には流動性が向上する傾向があり好ましい。
ビニル系共重合体(III)として、例えばアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS樹脂)等を挙げることができる。なかでもアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ビニル系共重合体(III)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、5〜20重量%の範囲であり、好ましくは7〜18重量%、より好ましくは5〜15重量%である。この割合が5重量%未満の場合には、流動性が低下し、20重量%を超える場合、耐衝撃性およびめっき特性が低下する。
本発明において、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)の製造方法には特に制限はなく、塊状重合、懸濁重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合、沈殿重合およびこれらの組み合わせ等が用いられる。単量体の仕込み方法に関しても特に制限はなく、初期に一括添加してもよく、共重合体の組成分布を付けるため、あるいは防止するために添加方法は数回に分けて重合してもよい。
本発明において、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)の重合に使用される開始剤としては、過酸化物またはアゾ系化合物などが好適に用いられる。
過酸化物の具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオクテート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。なかでもクメンハイドロパーオキサイドおよび1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサンが、特に好ましく用いられる。
また、アゾ系化合物の具体例としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1′−アゾビスシクロヘキサン−1−カーボニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート、1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン、2−t−ブチルアゾ−2−シアノブタン、および2−t−ブチルアゾ−2−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペンタンなどが挙げられる。なかでもアゾビスイソブチロニトリルが特に好ましく用いられる。
これらの開始剤を使用する場合、1種または2種以上を併用して使用される。
重合を行うに際しては、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)の重合度調節を目的として、メルカプタンやテルペンなどの連鎖移動剤を使用することも可能である。連鎖移動剤の具体例としては、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタンおよびテルピノレンなどが挙げられる。なかでも、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンおよびn−ドデシルメルカプタンが好ましく用いられる。これらの連鎖移動剤を使用する場合は、1種または2種以上を併用して使用される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物では、グラフト共重合体(II)が弱アルカリ性を呈することがあり、本発明の構成成分のポリカーボネート樹脂(I)のアルカリ分解、熱分解を防ぐ目的で、酸性化合物をグラフト重合体製造時や樹脂組成物を生産するための溶融混錬時に添加することができる。本発明で使用することができる酸性化合物には、特に制限は無いが、使用できる化合物を具体的に例示すると、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、イタコン酸、安息香酸、安息香酸メチル、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、リン酸、リン酸二水素ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、無水マレイン酸、無水コハク酸、リン酸、リン酸二水素ナトリウムであり、より好ましくは、リン酸、リン酸二水素ナトリウムである。上記の様に例示した酸性化合物は、必ずしも1種で使用する必要は無く、複数種併用して使用することもできる。
酸性化合物の添加量は、目安として(I)〜(III)の合計100重量部に対し1.0重量部以下が好ましい。1.0重量部以下の場合には、射出成形品の表面れ等の外観不良を抑制できる傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)とは、グラフト共重合体(II)とは異なる成分であり、ブタジエンゴム質重合体の存在下に、メタクリル酸メチル単量体およびスチレン単量体を主成分とする単量体混合物をグラフト共重合してなるコアシェル型のグラフト共重合体である。
本発明に用いるメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)は、コア成分にブタジエンゴム質重合体を有し、シェル成分にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体を有する共重合体である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、1〜10重量%の範囲であり、好ましくは2〜9重量%、より好ましくは3〜8重量%である。この割合が1重量%未満であると、ポリカーボネート樹脂(I)マトリクス相へのメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)導入量が少なくなり、エッチング工程時にポリカーボネート樹脂(I)マトリクス相のアンカー効果が不十分となり、十分なめっき特性が得られない。10重量%を超えると、耐熱性や流動性が低下する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂(I)100重量%に対するメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有割合は、3〜20重量%であり、好ましくは4〜18重量%、より好ましくは5〜15重量%である。この含有割合が3重量%未満の場合、ポリカーボネート樹脂(I)マトリクス相へのメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)導入量が少なくなり、エッチング工程時にポリカーボネート樹脂(I)マトリクス相のアンカー効果が不十分となり、十分なめっき特性が得られない。一方、20重量%を超える場合、耐熱性や流動性が低下する傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)およびメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)から実質的になるものである。ここでいう「実質的になる」の意味は本発明の効果を損なわない範囲において他の成分を含みうるとの意であり、以下でも説明されるように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は目的とする機能に応じて種々の添加物を含みうる。そのような添加物は通常はポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量部としたとき10重量部以下であり、好ましくは5重量部以下であり、更に好ましくは3重量部以下である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量部としたときに、さらに、シリコーン系化合物およびフッ素系化合物から選択されるいずれか1種以上の化合物(V)を、0.01〜0.2重量部含有することが好ましい。化合物(V)の含有割合はより好ましくは、0.02〜0.18重量部、さらに好ましくは0.03〜0.15重量部である。化合物(V)を、0.01重量部以上含有した場合、射出成形時に残留する応力が緩和され、エッチング工程でのエッチング不良やめっき工程でのめっき不良が解消され、さらにめっき後成形品の樹脂とめっき皮膜の界面にかかる応力が分散されることで、めっき剥がれや膨れ等の耐久性が更に改善される。また、化合物(V)を、0.2重量部以下配合した場合、耐熱性低下の抑制や化合物(V)の成形品表面へのブリードアウトによる外観不良を更に抑制できることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に好適に使用されるシリコーン系化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のオルガノシロキサン類およびそれらから選択されるいずれか1種類以上を主成分とするシリコーンゴム、テトラエチルシラン、トリメチルヘキシルシラン等のシラン類あるいはトリエチルクロルシラン、ジエチルジクロルシラン、フェニルトリクロルシラン、ジフェニルジクロルシラン等のハロシラン類が挙げられる。成形品表面へのブリードアウト抑制の観点から、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のオルガノシロキサン類およびそれらから選択されるいずれか1種類以上を主成分とするシリコーンゴムが好ましく、ポリジメチルシロキサンを主成分とする化合物がさらに好ましく、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーンゴムが最も好ましい。ここでいうシリコーンゴムとは、上記オルガノシロキサン類を架橋反応させたものであり、常温から200℃の範囲の温度域の全部または一部の温度域においてゴム性状を示すものを指す。 また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に好適に使用されるフッ素系化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられるが、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする化合物が最も好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には本発明の特性を損なわない範囲で、公知の耐衝撃改良材を使用することができる。使用することができる耐衝撃改良材としては、天然ゴム、低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/メチルアクリレート共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ブチルアクリレート共重合体、エチレン/エチルアクリレート/一酸化炭素共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/オクテン−1共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体などのエチレン系エラストマ、ポリエチレンテレフタレート/ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体などのポリエステルエラストマ、アクリル系のコアシェルエラストマ、スチレン系エラストマが例示される。これらは、必ずしも1種類で使用する必要はなく、2種類以上混合して使用することもできる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には本発明の特性を損なわない範囲で、無機充填材を添加することも可能である。無機充填材の形状としては、繊維状、粉末状、粒状、板状などのいずれの形状であってもよい。具体的には、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、モンモリロナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状の充填材、ガラスフレーク、マイカ、タルク、アルミナフレーク、カオリン、カーボンフレーク、金属フレーク、鱗片状カーボン、黒鉛などの板状充填材が挙げられる。特にガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。なお、上記無機充填材はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。無機充填材は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシランなどのカップリング剤などで処理されていてもよい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には本発明の特性を損なわない範囲で、公知の艶消し改良材を使用することができる。使用することができる艶消し改良材としては、不飽和ニトリル−共役ジエン形共重合体ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体ゴム等、及びこれらのゴム中の共役ジエン単位を水素化したゴムなどが例示される。また、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴムと併用してもよい他のゴムは、硫黄加硫系や有機過酸化物加硫系等のゴム工業で常用される架橋剤で架橋できるゴムである。その具体例として、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(ランダム、ブロック)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴムなどの共役ジエン系重合体ゴム及びその水素化物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)等が例示される。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には本発明の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、含硫黄化合物系酸化防止剤、含リン有機化合物系酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系などの熱酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サクシレート系などの紫外線吸収剤、アクリル酸およびそのエステルや、メタクリル酸およびそのエステルからなる重合体または共重合体や変性ポリテトラフルオロエチレンなどの成形加工助剤、デカブロモビフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、塩素化ポリエチレン、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化ポリカーボネート、三酸化アンチモン、縮合リン酸エステルなどの難燃剤・難燃助剤、銀系抗菌剤に代表される抗菌剤、抗カビ剤、カーボンブラック、酸化チタン、離型剤、潤滑剤、顔料および染料などを添加することもできる。
次に本発明の熱可塑性樹脂組成物を得る方法について具体的に例を挙げて説明するが、もちろん本発明の要旨はこの例に限定して解釈されるものではない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、構成する各樹脂成分を溶融混合して得ることができる。溶融混合方法に関しては、特に制限は無いが、加熱装置、ベントを有するシリンダーで単軸または二軸のスクリューを使用して溶融混合する方法などが採用可能である。溶融混合の際の加熱温度は、通常230〜320℃の範囲から選択されるが、本発明の目的を損なわない範囲で、溶融混合時の温度勾配等を自由に設定することも可能である。また、二軸のスクリューを用いる場合は、互いに同方向回転でも異方向回転でも良い。また噛み合い型、非噛み合い型のスクリューのいずれでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形方法については特に限定されないが、射出成形により好適に成形される。射出成形は、好ましくは240〜300℃の通常、熱可塑性樹脂組を成形する温度範囲で実施することができる。また、射出成形時の金型温度は、好ましくは30〜80℃の通常成形に使用される温度範囲である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れることから、めっきが施される成形品において好適に用いられ、また、大型または形状の複雑な成形品に好適である。すなわち、本発明の樹脂組成物は、厳しいめっき品位が要求されうる自動車内装用のパワーウインドパネル、センターコンソール、センタークラスター、コンソールシャッター、レバーコントローラー、コンソールボックス、インナードアハンドルなどや、自動車用の外装材、すなわちリアスポイラー、グリル、ガーニッシュ、ドアミラー、ルーフ、フェンダー、バンパー、アウタードアハンドルなどへも応用することができる。また電気電子用途、OA機器用途、住宅・建材用途にも好適に使用することができる。
本発明をさらに具体的に説明するため、以下に実施例を挙げるが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではなく、種々の変形が可能である。まず、実施例および比較例において用いられた各種物性の評価方法を下記する。
(1)耐衝撃性
組成物ペレットを、シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、JIS K 7139に規定される多目的試験片タイプA1を成形し、これを切り出したタイプB2試験片を用いて、ISO179/1eAに準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。
組成物ペレットを、シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、JIS K 7139に規定される多目的試験片タイプA1を成形し、これを切り出したタイプB2試験片を用いて、ISO179/1eAに準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。
(2)流動性
組成物ペレットをISO1133に準拠して、温度240℃、98N荷重条件でメルトフローレートを測定した。
組成物ペレットをISO1133に準拠して、温度240℃、98N荷重条件でメルトフローレートを測定した。
(3)耐熱性
熱変形温度:ISO75−2(1.8MPa条件で測定)に準拠して測定した。試験片は、シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、JIS K 7139に規定される多目的試験片タイプA1を成形して得た。
熱変形温度:ISO75−2(1.8MPa条件で測定)に準拠して測定した。試験片は、シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、JIS K 7139に規定される多目的試験片タイプA1を成形して得た。
(4)めっき特性
シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、127mm×76mm×3mmtの試験片を成形して得た。80℃で12時間熱処理後、試験片を奥野製薬工業株式会社製「トッププラコンBOW」10ml/Lおよび98%硫酸30ml/Lの混液に浸漬、脱脂洗浄した。その後、三酸化クロム溶液400g/Lおよび98%硫酸220ml/Lの68℃混液に15分間浸漬し、エッチング処理した。その後、奥野製薬工業株式会社製「トップキャッチCR−200」220ml/Lおよび35%塩酸50ml/Lの25℃混液に2分間浸漬し、中和処理した。その後、奥野製薬工業株式会社製「キャタリストC−7」20ml/Lおよび35%塩酸200ml/Lの35℃混液に5分間浸漬し、キャタリスト(触媒吸着)処理した。その後、35%塩酸100ml/Lの40℃水溶液に5分間浸漬し、アクセレーター(パラジウム還元)処理した。その後、奥野製薬工業株式会社製「化学ニッケルSEP」の35℃溶液に6分間浸漬し、ニッケル金属層を形成させた。その後、奥野製薬工業株式会社製「ANCアクチ」10ml/Lおよび98%硫酸30ml/Lの25℃混液に30秒浸漬し、同置換した。最後に奥野製薬工業株式会社製「トップダンクCuX」の25℃溶液に浸漬し、3A/dm2の電流値で、2.5時間硫酸銅めっきした。めっき後試験片に関して、試験片中央部に、カッターにて、長さ60mm、幅10mmの切れ込みを入れ、JIS H 8630に従い、50mm/分のクロスヘッド速度にて、ピーリング(90°引き剥がし)強度測定を実施した。ピーリング強度が大きい方が、めっき皮膜と樹脂の密着性に優れると言える。また、めっき後試験片の外観を下記の基準にて、5段階で評価した。なお、数字が大きいほど、めっき皮膜形成に優れると言える。
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して100% ・・・ 5
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して80%以上、100%未満 ・・ 4
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して60%以上、80%未満 ・・・ 3
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して40%以上、60%未満 ・・・ 2
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して20%以上、40%未満 ・・・ 1 。
シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、127mm×76mm×3mmtの試験片を成形して得た。80℃で12時間熱処理後、試験片を奥野製薬工業株式会社製「トッププラコンBOW」10ml/Lおよび98%硫酸30ml/Lの混液に浸漬、脱脂洗浄した。その後、三酸化クロム溶液400g/Lおよび98%硫酸220ml/Lの68℃混液に15分間浸漬し、エッチング処理した。その後、奥野製薬工業株式会社製「トップキャッチCR−200」220ml/Lおよび35%塩酸50ml/Lの25℃混液に2分間浸漬し、中和処理した。その後、奥野製薬工業株式会社製「キャタリストC−7」20ml/Lおよび35%塩酸200ml/Lの35℃混液に5分間浸漬し、キャタリスト(触媒吸着)処理した。その後、35%塩酸100ml/Lの40℃水溶液に5分間浸漬し、アクセレーター(パラジウム還元)処理した。その後、奥野製薬工業株式会社製「化学ニッケルSEP」の35℃溶液に6分間浸漬し、ニッケル金属層を形成させた。その後、奥野製薬工業株式会社製「ANCアクチ」10ml/Lおよび98%硫酸30ml/Lの25℃混液に30秒浸漬し、同置換した。最後に奥野製薬工業株式会社製「トップダンクCuX」の25℃溶液に浸漬し、3A/dm2の電流値で、2.5時間硫酸銅めっきした。めっき後試験片に関して、試験片中央部に、カッターにて、長さ60mm、幅10mmの切れ込みを入れ、JIS H 8630に従い、50mm/分のクロスヘッド速度にて、ピーリング(90°引き剥がし)強度測定を実施した。ピーリング強度が大きい方が、めっき皮膜と樹脂の密着性に優れると言える。また、めっき後試験片の外観を下記の基準にて、5段階で評価した。なお、数字が大きいほど、めっき皮膜形成に優れると言える。
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して100% ・・・ 5
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して80%以上、100%未満 ・・ 4
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して60%以上、80%未満 ・・・ 3
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して40%以上、60%未満 ・・・ 2
めっき皮膜形成率が試験片面積全体に対して20%以上、40%未満 ・・・ 1 。
(5)めっき後成形品耐久性
シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、50mm×90mm、厚さ1mmと2.5mmの段付き試験片を成形して得た。エッチング処理およびめっき処理は、上記(4)項の条件と同条件で実施し、めっき後試験片を得た。得られためっき後試験片を、−30℃で1時間処理後、40分かけて70℃まで昇温、70℃で1時間処理後、40分かけて−30℃まで降温した。このサイクルを1サイクルとして、200サイクルまでのヒートサイクル耐久性試験を実施した。耐久性については、めっき試験片の外観を、下記の基準にて、評価した。
200サイクルまで、試験片に異常(クラックや膨れ)なし ・・・ ◎
150サイクル以上、200サイクル未満で試験片に異常(クラックや膨れ)発生
・・・ ○
100サイクル以上、150サイクル未満で試験片に異常(クラックや膨れ)発生
・・・ △
100サイクル未満で試験片に異常(クラックや膨れ)発生 ・・・ × 。
シリンダー温度を250℃、金型温度を60℃に設定した射出成形機を用いて、50mm×90mm、厚さ1mmと2.5mmの段付き試験片を成形して得た。エッチング処理およびめっき処理は、上記(4)項の条件と同条件で実施し、めっき後試験片を得た。得られためっき後試験片を、−30℃で1時間処理後、40分かけて70℃まで昇温、70℃で1時間処理後、40分かけて−30℃まで降温した。このサイクルを1サイクルとして、200サイクルまでのヒートサイクル耐久性試験を実施した。耐久性については、めっき試験片の外観を、下記の基準にて、評価した。
200サイクルまで、試験片に異常(クラックや膨れ)なし ・・・ ◎
150サイクル以上、200サイクル未満で試験片に異常(クラックや膨れ)発生
・・・ ○
100サイクル以上、150サイクル未満で試験片に異常(クラックや膨れ)発生
・・・ △
100サイクル未満で試験片に異常(クラックや膨れ)発生 ・・・ × 。
<ポリカーボネート系樹脂(I)>
・ポリカーボネート系樹脂(I−1);商品名「“ユーピロン”(登録商標)S−2000」、粘度平均分子量:24,000、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製。
・ポリカーボネート系樹脂(I−1);商品名「“ユーピロン”(登録商標)S−2000」、粘度平均分子量:24,000、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製。
<グラフト共重合体(II)の調製>
ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径350nmと800nmの2種併用し、比率8:2)45重量%(固形分換算)の存在下で、スチレン40重量%とアクリロニトリル15重量%からなる単量体混合物を、ステアリン酸カリウムを使用して乳化重合してゴム強化スチレン・アクリロニトリル共重合体ラテックスを得た。これを、90℃の温度の0.3%希硫酸水溶液中に添加して凝集後、水酸化ナトリウム水溶液により中和後に洗浄・脱水・乾燥工程を経て、グラフト共重合体(II−1)を調製した。グラフト率は25%であった。
ポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径350nmと800nmの2種併用し、比率8:2)45重量%(固形分換算)の存在下で、スチレン40重量%とアクリロニトリル15重量%からなる単量体混合物を、ステアリン酸カリウムを使用して乳化重合してゴム強化スチレン・アクリロニトリル共重合体ラテックスを得た。これを、90℃の温度の0.3%希硫酸水溶液中に添加して凝集後、水酸化ナトリウム水溶液により中和後に洗浄・脱水・乾燥工程を経て、グラフト共重合体(II−1)を調製した。グラフト率は25%であった。
<ビニル系共重合体(III)の調製>
・スチレン69重量%とアクリロニトリル31重量%からなる単量体混合物を連続塊状重合して、ビニル系共重合体(III−1)を調製した。得られたビニル系共重合体(III−1)の固有粘度は0.53dl/gであり、共重合体中のアクリロニトリル由来部分の含有量は、31重量%であった。
・スチレン76重量%とアクリロニトリル24重量%からなる単量体混合物を懸濁重合して得られたスラリーを洗浄・脱水・乾燥工程を経て、ビニル系共重合体(III−2)を調製した。得られたビニル系共重合体(III−2)の固有粘度は0.42dl/gであり、アクリロニトリル由来部分の含有量は、24重量%であった。
・スチレン63.5重量%とアクリロニトリル36.5重量%からなる単量体混合物を懸濁重合して得られたスラリーを洗浄・脱水・乾燥工程を経て、ビニル系共重合体(III−3)を調製した。得られたビニル系共重合体(III−3)の固有粘度は0.49dl/gであり、アクリロニトリル由来部分の含有量は、36.5重量%であった。
・スチレン69重量%とアクリロニトリル31重量%からなる単量体混合物を連続塊状重合して、ビニル系共重合体(III−1)を調製した。得られたビニル系共重合体(III−1)の固有粘度は0.53dl/gであり、共重合体中のアクリロニトリル由来部分の含有量は、31重量%であった。
・スチレン76重量%とアクリロニトリル24重量%からなる単量体混合物を懸濁重合して得られたスラリーを洗浄・脱水・乾燥工程を経て、ビニル系共重合体(III−2)を調製した。得られたビニル系共重合体(III−2)の固有粘度は0.42dl/gであり、アクリロニトリル由来部分の含有量は、24重量%であった。
・スチレン63.5重量%とアクリロニトリル36.5重量%からなる単量体混合物を懸濁重合して得られたスラリーを洗浄・脱水・乾燥工程を経て、ビニル系共重合体(III−3)を調製した。得られたビニル系共重合体(III−3)の固有粘度は0.49dl/gであり、アクリロニトリル由来部分の含有量は、36.5重量%であった。
<メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)>
・MBS樹脂(IV−1);商品名「“カネエース”M732」、(株)カネカ製。
・MBS樹脂(IV−1);商品名「“カネエース”M732」、(株)カネカ製。
<化合物(V)>
・シリコーン系化合物(V−1);シリコーンオイル、商品名「SH200」、東レ・ダウコーニング(株)製。
・シリコーン系化合物(V−2);シリコーンゴム、商品名「EP-2720」、東レ・ダウコーニング(株)製。
・シリコーン系化合物(V−1);シリコーンオイル、商品名「SH200」、東レ・ダウコーニング(株)製。
・シリコーン系化合物(V−2);シリコーンゴム、商品名「EP-2720」、東レ・ダウコーニング(株)製。
<その他添加剤>
・酸性化合物;0.5mol/Lリン酸。
・酸性化合物;0.5mol/Lリン酸。
(実施例1〜12、比較例1〜9)
ポリカーボネート系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)、化合物(V)およびその他添加剤を、表1または表2に示した比で配合し、スクリュー径30mmの同方向回転の二軸押出機(温度範囲:240〜260℃)で溶融混練を行い、ペレットを得た。得られたペレットから、射出成形機(成形温度250℃、金型温度60℃)を用いて試験片を作製し、前述の方法により評価を行った。なお、表中ポリカーボネート系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の割合(wt.%)はこれら成分の含有量の合計を100重量%としたときの割合である。また、化合物(V)およびその他添加剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の合計重量を100重量部としたときの含有量(重量部)である。
ポリカーボネート系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)、化合物(V)およびその他添加剤を、表1または表2に示した比で配合し、スクリュー径30mmの同方向回転の二軸押出機(温度範囲:240〜260℃)で溶融混練を行い、ペレットを得た。得られたペレットから、射出成形機(成形温度250℃、金型温度60℃)を用いて試験片を作製し、前述の方法により評価を行った。なお、表中ポリカーボネート系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の割合(wt.%)はこれら成分の含有量の合計を100重量%としたときの割合である。また、化合物(V)およびその他添加剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の合計重量を100重量部としたときの含有量(重量部)である。
実施例1〜12、すなわち本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れる。一方、実施例1〜2と比較例1〜2の比較から、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体を配合しないと、耐衝撃性が低下すると共に、めっき特性であるピーリング強度が低下し、めっき後外観が悪化し、さらに耐久性にも劣ることがわかる。また、実施例2〜6と比較例3〜4の比較から、ポリカーボネート系樹脂(I)の含有量が本発明で規定する範囲より少ないと耐衝撃性、耐熱性が低下し、多いとめっき特性であるピーリング強度が低下し、めっき後外観が悪化し、さらに耐久性にも劣ることがわかる。また、実施例2〜6と比較例5、9との比較から、ビニル系共重合体(III)の含有量が本発明で規定する範囲を外れると、めっき特性であるピーリング強度が低下し、めっき後外観が悪化し、さらに耐久性にも劣ることがわかる。また、実施例2〜6と比較例6との比較から、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)配合量およびポリカーボネート系樹脂(I)に対するメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有割合が本発明で規定する範囲よりも大きいと、耐衝撃性および耐熱性が低下する。実施例2〜6と比較例7〜8との比較から、グラフト共重合体(II)の含有量が本発明で規定する範囲よりも小さいと、めっき特性であるピーリング強度が低下し、めっき後外観が悪化し、さらに耐久性にも劣り、大きいと耐衝撃性、耐熱性とめっき特性、耐久性のバランスにおとることがわかる。また、実施例5と実施例12との比較から、化合物(V)を(V−1)から、(V−2)に変更することによって、ピーリング強度、外観、耐久性にさらに優れることがわかる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械特性、耐熱性、流動性、めっき特性、耐久性、めっき成形品外観等のバランスに優れることから、めっきが施される成形品において好適に用いられ、また、大型または形状の複雑なめっき成形品に好適である。すなわち、本発明の樹脂組成物は、厳しいめっき品位が要求されうる自動車内装用のパワーウインドパネル、センターコンソール、センタークラスター、コンソールシャッター、レバーコントローラー、コンソールボックス、インナードアハンドルなどや、自動車用の外装材、すなわちリアスポイラー、グリル、ガーニッシュ、ドアミラー、ルーフ、フェンダー、バンパー、アウタードアハンドルなどへも応用することができる。また電気電子用途、OA機器用途、住宅・建材用途にも好適に使用することができる。
Claims (6)
- ポリカーボネート樹脂(I)、ジエン系ゴム質重合体の存在下に、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(II)、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなるビニル系共重合体(III)およびメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)から実質的になり、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量%としたときに、ポリカーボネート樹脂(I)が50〜70重量%、グラフト共重合体(II)が10〜30重量%、ビニル系共重合体(III)が5〜20重量%、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)が1〜10重量%であり、かつポリカーボネート樹脂(I)100重量%に対するメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有割合が3〜20重量%であることを特徴とするめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、ポリカーボネート樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、ビニル系共重合体(III)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(IV)の含有量の合計を100重量部としたときに、シリコーン系化合物およびフッ素系化合物から選択されるいずれか1種以上の化合物(V)を、0.01〜0.2重量部配合してなることを特徴とする請求項1記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
- 化合物(V)が、ポリジメチルシロキサンを主成分とする化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
- ビニル系共重合体(III)を100重量%としたときに、該ビニル系共重合体(III)に共重合されているシアン化ビニル系単量体成分の含有割合が、29〜33重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載のめっき成形品用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 請求項5記載の成形品にめっき処理を施してなることを特徴とするめっき成形品。
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