JPWO2019044343A1 - 切削インサート、刃先交換式ボールエンドミル、および刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体 - Google Patents

切削インサート、刃先交換式ボールエンドミル、および刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体 Download PDF

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Abstract

この切削インサート(1)では、すくい面と、すくい面とは反対側を向いてインサート取付座に着座される着座面(3)と、すくい面と着座面(3)との周囲に延びる逃げ面(4)とを備え、すくい面と逃げ面(4)との交差稜線部には、円弧状に延びる円弧状切刃部(5a、6a)と、円弧状切刃部(5a、6a)に接する直線状切刃部(5b、6b)とを備えた2つの切刃(5、6)が形成され、着座面(3)には、インサート取付座の底面から突出する凸部に当接可能な壁面(8b)を有する溝部(8)が形成され、溝部(8)は、この溝部(8)が延びる方向の一端側から他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部(9)を有している。

Description

本発明は、刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサート、およびこのような切削インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式ボールエンドミルに関する。
本願は、2017年8月30日に、日本に出願された特願2017−165664号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
このような刃先交換式ボールエンドミルに用いられる切削インサートにおいては、2つの円弧状切刃部がすくい面の周方向に互いに反対側に形成されたものが知られている。そのような切削インサートでは、これらの円弧状切刃部に連なって逃げ面となる切削インサートの側面が凸湾曲することになるため、切削加工時の切削負荷により、切削に使用される円弧状切刃部とは反対側の円弧状切刃部に連なる逃げ面の湾曲に沿って切削インサートがずれ動き易い。そこで、例えば特許文献1、2には、インサート取付座の底面に突出する凸部を形成するとともに、切削インサートの着座面には、この凸部に当接可能な壁面を備えた溝部を形成することにより、このような切削インサートのずれ動きを防止することが記載されている。
ここで、特許文献1においては、溝部の対向する2つの壁面のうち1つだけを凸部の1つの側面に当接させることが記載されている。また、特許文献2には、円弧状切刃部と直線状切刃部とをそれぞれ備えた主切刃と副切刃を形成し、これら主切刃と副切刃とを非対称とすることにより、同形同大の1種2つの切削インサートの円弧状切刃部によって、エンドミル本体先端の軸線付近から外周にかけての切削と、この軸線から離れた位置から外周にかけての切削を行うことが記載されている。
特開平9−174322号公報 特開平11−197933号公報
ところで、これら特許文献1、2の図面に記載された切削インサートでは、上記溝部の対向する2つの壁面が互いに平行に延びるように示されている。ところが、溝部の壁面が平行に延びている場合に、エンドミル本体の凸部の剛性を高めて切削インサートのずれ動きに対する強度を確保するためにこの凸部の幅を大きくすると、切削インサートの溝部の幅も大きくなり、切削インサートの強度の低下を招いて切削加工時の負荷により損傷が生じ易くなるおそれがある。その一方で、切削インサートの強度を確保するために溝部の幅を小さくすると、エンドミル本体の凸部の幅も小さくしなければならなくなって切削インサートの取付剛性を確保できず、切削加工時の負荷による切削インサートのずれ動きを確実に防止することができなくなるおそれが生じる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、切削インサートの強度を損なうことなく、その切削加工時のずれ動きを確実に防止することが可能な切削インサートおよび該切削インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式ボールエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、軸線回りに回転される刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、上記エンドミル本体の回転方向に向けられるすくい面と、このすくい面とは反対側を向いて上記インサート取付座の底面に着座される着座面と、これらすくい面と着座面との周囲に延びる逃げ面とを備え、上記すくい面と上記逃げ面との交差稜線部には、上記すくい面に対向する方向から見た平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部と、この円弧状切刃部に接するように延びる直線状切刃部とをそれぞれ備えた2つの切刃が、上記円弧状切刃部と直線状切刃部を上記すくい面の周方向に交互に位置させて形成されるとともに、上記着座面には、上記インサート取付座の底面から突出する凸部に当接可能な壁面を有する溝部が形成されており、上記溝部は、該溝部が延びる方向の一端側から他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部を有していることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式ボールエンドミルは、このような切削インサートが、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に、このインサート取付座の底面から突出する凸部に上記溝部の壁面を当接させて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
このような構成の切削インサートおよび刃先交換式ボールエンドミルにおいては、切削インサートの溝部が、該溝部が延びる方向の一端側から他端側に向けて溝幅が狭くなる幅狭部を有しているので、この幅狭部の溝幅が狭くなる他端側においては切削インサートの肉厚を確保して応力を分散し、強度の向上を図ることができる。一方、逆に幅狭部の一端側では溝幅が広くなるので、刃先交換式ボールエンドミルにおいて、上記凸部を、上記溝部の上記幅狭部が当接する部分で、該溝部が延びる方向の上記他端側から上記一端側に向かうに従い幅広となるように形成することにより、切削加工時の負荷に対する取付剛性を高めて切削インサートのずれ動きを確実に防止することが可能となる。
また、上記2つの切刃のうち一方は主切刃とされるとともに他方は副切刃とされ、上記副切刃の円弧状切刃部が、上記主切刃の円弧状切刃部に対して等しい半径で周方向の長さが短く形成されていて、切削インサートが特許文献2に記載されているように非対称とされている場合には、同形同大の1種2つの切削インサートにより、主切刃の円弧状切刃部によってエンドミル本体先端の軸線付近から外周にかけての切削を行うとともに、この軸線から離れた位置から外周にかけての切削を副切刃の円弧状切刃部によって行うことが可能となる。このため、切削インサートの管理が容易となるとともに経済的である。
そして、この場合には、上記溝部が、上記副切刃の円弧状切刃部側から上記主切刃の直線状切刃部側に向けて延びていて、上記幅狭部は、上記主切刃の直線状切刃部側が上記一端側とされるとともに、上記副切刃の円弧状切刃部側が上記他端側とされているのが望ましい。これにより、副切刃が切削に使用される場合に、この副切刃の円弧状切刃部に作用する切削負荷に対しては、幅狭部の幅狭となった他端側において切削インサートの強度を確保することができるとともに、切削に使用されない主切刃の円弧状切刃部に沿った切削インサートのずれ動きは、この主切刃の円弧状切刃部から離れた幅広となる幅狭部の一端側で確実に防止することが可能となる。
従って、この場合には、上記溝部は、上記副切刃の円弧状切刃部に連なる上記逃げ面に開口していてもよい。また、上記副切刃の円弧状切刃部が、該副切刃の直線状切刃部から離れるに従い上記着座面側から離れた後に該着座面側に近づく凸曲線状に形成されているのが望ましい。これにより、この副切刃の円弧状切刃部は、その上記着座面に対して最も凸となる点である最凸点から徐々に被削材に切り込むことになるので、切削抵抗の低減を図ることができる。
すなわち、刃先交換式ボールエンドミルに用いられる切削インサートにおいて、切削加工時には、円弧状切刃部の先端部や、これに連なる逃げ面やインサート本体の側面には大きな切削負荷が印加される。そこで、この切削負荷を軽減することや、切屑の排出性を考慮した切刃形状が望まれている。本発明では、円弧状切刃部と被削材との接触形態を制御することにも着目した。
例えば、切削加工方法として、所定の軸方向深さごとに設定されたピックフィードにより工作物形状に接近する工具軌跡で加工する等高線加工を選択した場合には、切刃が被削材に食い付く領域として、切屑厚みが薄くなる切刃先端側を設定することが望ましい。この場合に、円弧状切刃部を上述のような凸曲線状に形成することによって捩れ形状とすることで、切刃に作用する衝撃を軽減することができるので、より好ましい切刃形状となる。
一方、切削加工方法として、三次元形状の特定の被削材の構成部分に対して、その面に沿った工具軌跡で切削加工を行う面沿い加工(走査線加工)を選択した場合には、エンドミル本体の軸線方向への切り込みの際に、切屑厚みが厚くなる円弧状切刃部の先端部側より被削材に食い付くため、先端部に大きな切削負荷が印加される。そこで、円弧状切刃部を凸曲線状として上記最凸点を設けて切削インサートを厚肉化することにより、切刃強度の向上を図ることができる。
ただし、このように溝部が副切刃の円弧状切刃部に連なる逃げ面に開口しているとともに、この副切刃の円弧状切刃部が凸曲線状に形成されている場合には、上記溝部の上記逃げ面への開口部は、上記副切刃の円弧状切刃部の上記最凸点よりも上記副切刃の直線状切刃部側に位置していることが望ましい。これにより、上記最凸点から副切刃の円弧状切刃部が被削材に食い付いて切り込む際の衝撃により溝部の開口部から切削インサートに損傷が生じるのを防ぐことができる。
具体的には、上記着座面に対向する方向から見た底面視において、上記最凸点と上記副切刃の円弧状切刃部の中心とを結ぶ直線と、上記副切刃の直線状切刃部側を向く上記溝部の壁面と上記逃げ面との交差稜線部の上記着座面側への端部と上記副切刃の円弧状切刃部の中心とを結ぶ直線とがなす第1の交差角が、5°〜60°の範囲とされていることが望ましい。
この第1の交差角が5°を下回るほど小さいと、溝部の開口部が上記最凸点に近づきすぎて副切刃の円弧状切刃部の食い付き時に切削インサートが損傷するおそれがある。その一方で、この第1の交差角が60°よりも大きいと、切削インサートに形成した取付孔にクランプネジを挿通してインサート取付座のネジ孔にねじ込むことにより切削インサートを取り付ける場合に、溝部や凸部が取付孔やネジ孔と干渉するおそれが生じる。
また、同じく上述のように溝部が副切刃の円弧状切刃部に連なる逃げ面に開口しているとともに、この副切刃の円弧状切刃部が凸曲線状に形成されている場合に、上記着座面に対向する方向から見た底面視において、上記最凸点と上記副切刃の円弧状切刃部の中心とを結ぶ直線と、上記副切刃の円弧状切刃部側への該副切刃の直線状切刃部の延長線とがなす第2の交差角は、10°〜50°の範囲とされていることが望ましい。
この第2の交差角が10°を下回るほど小さいと、副切刃が切削に使用される場合に上記最凸点がエンドミル本体の軸線に近づきすぎてしまい、軸線回りの回転速度が小さい部分から副切刃の円弧状切刃部が被削材に切り込むことになって、切削抵抗を低減する効果が損なわれるおそれがある。一方、この第2の交差角が50°を上回るほど大きいと、上述のように溝部の開口部を副切刃の円弧状切刃部に連なる逃げ面において上記最凸点よりも副切刃の直線状切刃部側に位置させようとしたときに、溝部や凸部が切削インサートの取付孔やインサート取付座のネジ孔と干渉するおそれが生じる。また更に、この第2の交差角θ2が50°よりも大きいと、円弧状切刃部の軸方向すくい角が負の値となる領域が増大するため、切屑の排出性が劣化しやすくなる。
なお、上記溝部は、該溝部が延びる方向の一端側の上記逃げ面と他端側の上記逃げ面とのうちの少なくとも一方には開口していなくてもよい。この場合には、上述のように副切刃の円弧状切刃部が凸曲線状に形成されていても、その逃げ面に溝部が開口していなければ損傷を生じるおそれも少ない。
さらに、上記溝部は、上記幅狭部よりも上記一端側と上記他端側とのうちの少なくとも一方では一定の溝幅とされていてもよい。すなわち、溝部は、該溝部が延びる方向において部分的に一端側から他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部を有していてもよい。例えば、他端側で溝幅が狭くなった幅狭部よりもさらに他端側では溝部の溝幅を一定とすれば、この部分で凸部の幅が狭くなりすぎるのを抑えて取付剛性をより確実に確保することが可能となる。
さらにまた、上記溝部における上記幅狭部の他端における溝幅は、この溝部の他端側に位置する上記切刃の上記円弧状切刃部の半径rに対して0.05×r〜0.18×rの範囲とされていることが望ましい。幅狭部において最も幅狭となる他端における溝幅が上記範囲を下回るほど狭いと、インサート取付座の凸部の幅も小さくしなければならず、確実に剛性を確保することが困難となるおそれがある。一方、この幅狭部の他端における溝幅が上記範囲を上回るほど広くて、溝部の壁面が互いに平行な状態に近くなると、幅狭部の他端側において肉厚を確保することにより応力を分散して切削インサートの強度を維持することができなくなるおそれがある。
以上説明したように、本発明によれば、切削インサートの着座面に形成された溝部の幅狭部により、溝幅が狭くなる溝部が延びる方向の他端側においては切削インサートの肉厚を確保して応力を分散し、強度の向上を図ることができ、切削加工時の負荷による切削インサートの損傷を防止することができる。その一方で、溝部が延びる方向の一端側では幅狭部の溝幅が広くなるので、刃先交換式ボールエンドミルの凸部を幅広に形成することができ、切削インサートの取付剛性を高めてずれ動きを確実に防止することが可能となる。
本発明の切削インサートの第1の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 図1に示す実施形態の底面図である。 図2および図3における矢線A方向視の側面図である。 図2および図3における矢線B方向視の側面図である。 図2および図3における矢線C方向視の側面図である。 図2および図3における矢線D方向視の側面図である。 本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態におけるエンドミル本体の先端部を示す斜視図である。 図8に示すエンドミル本体の先端部の正面図である。 図9における矢線A方向視の平面図である。 図9における矢線B方向視の側面図である。 図9における矢線C方向視の底面図である。 図9における矢線D方向視の側面図である。 本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態の先端部を示す斜視図である。 図14に示す実施形態の正面図である。 図15における矢線A方向視の平面図である。 図15における矢線B方向視の側面図である。 図15における矢線C方向視の底面図である。 図15における矢線D方向視の側面図である。 溝部における幅狭部の他端の溝幅を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、溝幅が一定の場合を示す図である。 溝部における幅狭部の他端の溝幅を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、幅狭部を有して円弧状切刃部の半径rに対する幅狭部の他端部の溝幅が0.133×rの場合を示す図である。 溝部における幅狭部の他端の溝幅を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、幅狭部を有して円弧状切刃部の半径rに対する幅狭部の他端部の溝幅が0.067×rの場合を示す図である。 第1の実施形態の変形例を示す底面図である。 本発明の切削インサートの第2の実施形態を示す底面図である。 図22における矢線A方向視の側面図である。 図22における矢線B方向視の側面図である。 本発明の切削インサートの第3の実施形態を示す底面図である。 図25における矢線A方向視の側面図である。 図25における矢線B方向視の側面図である。 図25における矢線C方向視の側面図である。 本発明の切削インサートの第4の実施形態を示す底面図である。 図29における矢線A方向視の側面図である。 図29における矢線B方向視の側面図である。 本発明の切削インサートの第5の実施形態を示す底面図である。
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態の切削インサート1を示すものである。また、図8〜図13は、この第1の実施形態の切削インサート1が着脱可能に取り付けられる刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体11の先端部を示すものであり、図14〜図19は、このエンドミル本体11のインサート取付座12に第1の実施形態の切削インサート1が着脱可能に取り付けられた本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態の先端部を示すものである。
本実施形態の切削インサート1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて、平面視において図2に示すような木の葉形の板状をなしており、その上面が上述のような木の葉形のすくい面2とされる。また、このすくい面2とは反対側を向く下面はすくい面2と略相似形をなす木の葉形で上記インサート取付座の底面に着座される平坦な着座面3とされ、これらすくい面2と着座面3との間において周囲に延びる側面は逃げ面4とされている。
すくい面2と逃げ面4との交差稜線部には、すくい面2に対向する方向から見た平面視において図2に示すように円弧状に延びる円弧状切刃部5a、6aと、この円弧状切刃部5a、6aに接するように延びる直線状切刃部5b、6bとをそれぞれ備えた2つの切刃が、これら円弧状切刃部5a、6aと直線状切刃部5b、6bをすくい面2の周方向に交互に位置させて形成されている。これら2つの切刃のうち一方の第1の切刃は主切刃5とされ、他方の第2の切刃は副切刃6とされる。
また、逃げ面4は、すくい面2から着座面3側に向かうに従い切削インサート1の内周側に向かうように傾斜しており、本実施形態の切削インサート1はポジティブタイプの切削インサートとされている。さらに、すくい面2と着座面3の中央部には、切削インサート1を貫通するように形成された断面円形の取付孔7が開口しており、この取付孔7のすくい面2側の部分は着座面3側に向かうに従い縮径するように形成されている。
ここで、上記平面視において、主切刃5の円弧状切刃部5aは略1/4円弧状をなしている。これに対して、副切刃6の円弧状切刃部6aは、主切刃5の円弧状切刃部5aと等しい半径で、ただし周方向の長さは主切刃5の円弧状切刃部5aよりも短くされており、すなわち1/4円弧よりも短い円弧状に形成されている。また、これに伴い、主切刃5の直線状切刃部5bは、逆に副切刃6の直線状切刃部6bよりも短くされている。すなわち、本実施形態の切削インサート1は、取付孔7の中心線回りに180°回転対称とはされておらず、非対称とされている。
なお、これら主切刃5と副切刃6の直線状切刃部5b、6bは、上記平面視において主切刃5の円弧状切刃部5aと副切刃6の直線状切刃部6bとが交差するすくい面2の第1の端部2aから、主切刃5の直線状切刃部5bと副切刃6の円弧状切刃部6aとが交差するすくい面2の第2の端部2bに向かうに従い、互いに近づくように延びている。また、これら第1、第2の端部2a、2bは、主切刃5と副切刃6の円弧状切刃部5a、6aと直線状切刃部5b、6bとに鈍角に交差する面取り状に形成されている。なお、第1の端部2aは、第2の端部2bよりも着座面3の近くに位置している。
さらに、これら主切刃5と副切刃6の円弧状切刃部5a、6aは、それぞれの直線状切刃部5b、6bから離れるに従い上記着座面3側から離れた後に該着座面3側に近づく凸曲線状に形成されており、このうち副切刃6の円弧状切刃部6aがなす凸曲線が着座面3に対して最も離れて凸となる点(着座面3から最も突出した最突点)が、この副切刃6の円弧状切刃部6aの最凸点Sとなる。なお、主切刃5と副切刃6の直線状切刃部5b、6bは、逃げ面4に対向する方向から見た側面視においても、図4および図6に示すように円弧状切刃部5a、6aがなす凸曲線に接して、円弧状切刃部5a、6aから離れるに従い着座面3側に近づく略直線状に延びている。
また、すくい面2の中央部における上記取付孔7の開口部の周辺には、主切刃5や副切刃6よりも着座面3から離れる方向に突出した上記平面視に略楕円状をなす突部2cが形成されている。この突部2cの上端面は着座面3と平行な平坦面とされていて、取付孔7はこの突部2cの上端面に開口している。さらに、この突部2cの外周面は上記上端面側に向かうに従いすくい面2の内側に向かうように傾斜している。また、すくい面2は、主切刃5および副切刃6から離れて該すくい面2の内側に向かうに従い着座面3側に延びた後に凹曲面状をなして突部2cの上記外周面に連なっている。
さらにまた、主切刃5と副切刃6の直線状切刃部5b、6bに連なる逃げ面4は、上述のように傾斜する平面状に形成されている。一方、主切刃5と副切刃6の円弧状切刃部5a、6aに連なる逃げ面4は、すくい面2側ではこれら円弧状切刃部5a、6aに沿って切削インサート1の周方向に湾曲しているが、着座面3側には上述のように傾斜しつつ平面状に切り欠かれた平面部4aを有している。
図3に示すように、上記着座面3には溝部8が形成されている。ここで、本実施形態では、着座面3に垂直に対向する方向から見た底面視において、図3に示すように、第1、第2の2つの溝部8A、8Bが、着座面3における取付孔7の開口部と間隔をあけて、この開口部を間にして互いに反対側に形成されている。第1の溝部8Aは取付孔7の開口部よりもすくい面2の第1の端部2a側に形成され、第2の溝部8Bはすくい面2の第2の端部2b側に形成されている。
これらの溝部8は、該溝部8が延びる方向に直交する断面が、取付孔7が延びる方向に偏平した略長方形状に形成されており、すなわち着座面3に略垂直な方向に延びて互いに対向する第1、第2の2つの壁面8a、8bと、これら第1、第2の壁面8a、8bの間に延びる着座面3に平行な底面8cとを備えている。各溝部8の第1の壁面8aはすくい面2の第1の端部2a側を向いており、第2の壁面8bはすくい面2の第2の端部2b側を向いている。なお、第1、第2の壁面8a、8bと着座面3との交差稜線部は凸曲面によって面取りされ、第1、第2の壁面8a、8bと底面8cとが交差する隅角部は凹曲面状に形成されている。
また、上記第1の溝部8Aは、副切刃6の直線状切刃部6bに連なる逃げ面4に開口するとともに、主切刃5の円弧状切刃部5aに連なる逃げ面4には開口しない止まり溝状に形成されている。この第1の溝部8Aにおける主切刃5の円弧状切刃部5a側の端部は、上記底面8cから凹曲面をなすようにして着座面3に連なっている。さらに、この第1の溝部8Aでは、第1、第2の壁面8a、8bは上記底面視において互いに平行に延びており、すなわち第1の溝部8Aの溝幅は一定である。第1の溝部8Aにおける主切刃5の円弧状切刃部5a側の上記端部は、これら第1、第2の壁面8a、8bに直交するように延びていて、第1の溝部8Aは着座面3に対向する方向から見て概略長方形状をなしている。
一方、第2の溝部8Bは、本実施形態では主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4と副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4との双方に開口する貫通溝状に形成されている。そして、本実施形態では、この第2の溝部8Bが、該第2の溝部8Bが延びる方向の一端側から他端側に向けて溝幅が狭くなる幅狭部9を有している。ここで、本実施形態では、主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4側が第2の溝部8Bの一端側とされるとともに、副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4側が他端側とされ、さらに図3に示すように第2の溝部8Bの全体が、この幅狭部9とされている。この幅狭部9は、本実施形態では溝幅が狭くなる割合が第2の溝部8Bの一端側から他端側に向けて一定とされ、すなわち第2の溝部8Bの第1、第2の壁面8a、8bは上記底面視において一端側から他端側に向かうに従い直線状をなして互いに接近するように形成されている。
また、上記副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4への第2の溝部8Bの開口部は、側面視に凸曲線状をなすこの副切刃6の円弧状切刃部6aが着座面3に対して最も凸となる上記最凸点Sよりも副切刃6の直線状切刃部6b側に位置している。具体的には、上記底面視において、上記最凸点Sと副切刃6の円弧状切刃部6aがなす円弧の中心Pとを結ぶ直線L1と、副切刃6の直線状切刃部6b側を向く第2の溝部8Bの第1の壁面8aと逃げ面4との交差稜線部(面取り部分を除く)の着座面3側への端部Qと上記中心Pとを結ぶ直線L2とがなす第1の交差角θ1が5°〜60°の範囲とされている。
さらに、上記底面視において、上記最凸点Sと副切刃6の円弧状切刃部6aの中心Pとを結ぶ上記直線L1と、副切刃6の円弧状切刃部6a側への該副切刃6の直線状切刃部6bの延長線L3とがなす第2の交差角θ2は10°〜50°の範囲とされている。なお、上記幅狭部9の他端(本実施形態では第2の溝部8Bの他端)における溝幅W1は、この幅狭部9を有する溝部(第2の溝部8B)の他端側に位置する円弧状切刃部(副切刃6の円弧状切刃部6a)の着座面3側から見た半径rに対して0.05×r〜0.18×rの範囲とされ、例えば1mm〜7mmの範囲とされている。ただし、図3において、円弧状切刃部6aの着座面3側から見た形状が円弧からずれた形状になっている場合は、そのずれた形状に対して最も近接した円弧を仮想的に描いて、この仮想の円弧から半径rを求めることにする。
これに対して、幅狭部9の一端における溝幅W2は、W2>W1とされ、幅狭部9を有する溝部(第2の溝部8B)の他端側に位置する円弧状切刃部(副切刃6の円弧状切刃部6a)の着座面3側から見た底面視、またはすくい面2側から見た平面視の半径rに対して0.10×r〜0.30×rの範囲とされ、主切刃5の直線状切刃部5bの上記平面視または底面視における長さRに対しては0.10×R〜0.32×Rの範囲とされている。なお、これらの溝幅W1、W2は、第1、第2の溝壁面8a、8bが着座面3に対向する方向から見た底面視において直線状に延びている場合は、これら第1、第2の溝壁面8a、8bがなす直線の二等分線に垂直な方向の幅であり、図32に示す第5の実施形態のように一方の溝壁面(第1の溝壁面8a)が曲線状で、他方の溝壁面(第2の溝壁面8b)が直線状の場合は、直線状の溝壁面に垂直な方向の幅である。
さらにまた、上記底面視において、第2の溝部8Bの第2の壁面8bの他端側への延長面がなす直線L4が、副切刃6の円弧状切刃部6a側への該副切刃6の直線状切刃部6bの延長線L3に対してなす傾斜角αは、45°〜90°の範囲とされている。同じく上記底面視において、第2の溝部8Bの第1の壁面8aの延長面がなす直線L5が主切刃5の直線状切刃部5bに対してなす傾斜角βは45°〜90°の範囲とされている。第2の溝部8Bの第2の壁面8bの延長面がなす直線L4が主切刃5の直線状切刃部5bに対してなす傾斜角γは上記傾斜角βよりも小さくされている。本実施形態では、上記底面視において、第1の溝部8Aは第1の端部2a側で副切刃6の直線状切刃部6bと鋭角に交差する方向に延びるとともに、第2の溝部8Bは第2の端部2b側で主切刃5の直線状切刃部5bと鋭角に交差する方向に延びている。
ここで、このような超硬合金等の硬質材料により形成された切削インサート1は、粉末冶金技術の基本的な工程に沿って製造される。すなわち、切削インサート1が超硬合金製の場合は、炭化タングステン粉末とコバルト粉末を主成分とし、必要に応じてクロムやタンタル等を副成分とする顆粒状の造粒粉末を用いて、金型を用いた粉末プレス成形を行う。こうして得られたプレス成形体は、適切な雰囲気と温度に制御された焼結炉内で所定の時間焼結することにより、切削インサート1となる焼結体を製造することができる。切削インサート1の基本的形状は上記金型の設計により反映され、切削インサート1の詳細形状は金型成形によって得られる。
更に切削インサート刃先形状の高精度化を図るために、必要に応じて研削砥石を用いた研削加工を施すこともある。
このような第1の実施形態の切削インサート1は、上述のように図8〜図13に示すエンドミル本体11の先端部に形成されたインサート取付座12に着脱可能に取り付けられ、図14〜図19に示す本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態を構成する。このエンドミル本体11は鋼材等の金属材料により形成され、その後端部は軸線Oを中心とした円柱状のシャンク部とされるとともに、先端部は軸線O上に中心を有する凸半球状とされている。本実施形態の刃先交換式ボールエンドミルは、このエンドミル本体11が軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転させられつつ該軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、インサート取付座12に取り付けられた切削インサート1によって被削材に切削加工を施す。
なお、本実施形態においては、軸線Oが延びる方向のうち、エンドミル本体11のシャンク部からインサート取付座12へ向かう方向を先端側(図10〜図13および図16〜図19の左側)といい、インサート取付座12からシャンク部へ向かう方向を後端側(図10〜図13および図16〜図19の右側)という。また、軸線Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち軸線Oに接近する方向を内周側といい、軸線Oから離間する方向を外周側という。
ここで、本実施形態では、エンドミル本体11の先端部外周を切り欠くようにして2つのチップポケット13が形成されており、これらのチップポケット13のエンドミル回転方向Tを向く底面に、それぞれインサート取付座12が周方向に間隔をあけて互いに反対側に形成されている。そして、これら2つのインサート取付座12には、第1の実施形態に基づく同形同大の1種の第1、第2の切削インサート1A、1Bがそれぞれ取り付けられる。
これらのインサート取付座12は、エンドミル回転方向Tを向く平坦な底面12aと、この底面12aからエンドミル回転方向Tに延びてエンドミル本体11の外周側を向く先端内周側の壁面12bおよび先端外周側を向く後端外周側の壁面12cとを備えている。壁面12b、12cは、底面12aから離れるに従いインサート取付座12の外側に傾斜する平面状に形成され、底面12aに切削インサート1の着座面3を着座させた状態で、主切刃5と副切刃6の直線状切刃部5b、6bに連なる平面状の逃げ面4と円弧状切刃部5a、6aに連なる逃げ面4の着座面3側の平面部4aに当接可能とされている。
また、これらの壁面12b、12cの間には、切削インサート1の湾曲した逃げ面4との接触を避けるために凹んだ凹部12dが形成されている。さらに、底面12aには、切削インサート1の取付孔7に挿通される図示されないクランプネジがねじ込まれるネジ孔12eが形成されている。なお、このネジ孔12eの中心線は、上述のように切削インサート1の着座面3を底面12aに着座させて、主切刃5と副切刃6の直線状切刃部5b、6bに連なる平面状の逃げ面4と円弧状切刃部5a、6aに連なる逃げ面4の着座面3側の平面部4aを壁面12b、12cに当接させた状態で、切削インサート1の取付孔7の中心線よりも凹部12d側に僅かに偏心するようにされている。
これら2つのインサート取付座12のうち第1のインサート取付座12Aは、図9および図10に示すようにエンドミル本体11の先端部を、先端側で軸線Oを含む範囲まで切り欠くように形成されている。この第1のインサート取付座12Aには、第1の切削インサート1Aが、主切刃5の円弧状切刃部5aを軸線O近傍から延びて該軸線O上に中心を有する凸半球上に位置させるとともに、主切刃5の直線状切刃部5bをこの凸半球に接する軸線Oを中心とした円筒面上に位置させるようにして取り付けられる。従って、第1のインサート取付座12Aの壁面12bには第1の切削インサート1Aにおける副切刃6の直線状切刃部6bに連なる平面状の逃げ面4が当接させられ、第1のインサート取付座12Aの壁面12cには第1の切削インサート1Aにおける副切刃6の円弧状切刃部6aの逃げ面4の平面部4aが当接させられる。
そして、この第1のインサート取付座12Aの底面12aには、第1の切削インサート1Aの着座面3に形成された溝部8の壁面が当接可能な第1の凸部14Aが、ネジ孔12eと壁面12cとの間に突出するとともに、エンドミル本体11の先端部の外周面から上記凹部12dに向けて該凹部12dの手前にまで凹部12dと間隔をあけて延びるように形成されている。従って、この第1の凸部14Aには、第1の切削インサート1Aの着座面3に形成された溝部8のうち第2の溝部8Bが当接することになり、第1のインサート取付座12Aに第1の溝部8Aが当接する凸部は形成されてはいない。
ここで、この第1の凸部14Aは、該第1の凸部14Aが延びる方向に直交する断面がエンドミル回転方向Tに偏平した略長方形状をなしており、全体が幅狭部9とされた第2の溝部8Bに対して、この第2の溝部8Bが延びる方向の上記他端側から上記一端側(エンドミル本体11の内周側から外周側)に向かうに従い全体的に幅広となるように形成されている。ただし、この第1の凸部14Aの幅(第1の凸部14Aが延びる方向に直交する方向の幅)は、第2の溝部8Bが延びる方向において第1の凸部14Aに当接する位置での幅(第2の溝部8Bが延びる方向に直交する方向での幅)よりも僅かに小さくされ、第1の凸部14Aの底面12aからの突出高さも第1の切削インサート1Aの着座面3からの第2の溝部8Bの深さよりも僅かに小さくされている。
一方、2つのインサート取付座12のうち第2のインサート取付座12Bは、図9および図11に示すようにエンドミル本体11の先端側で軸線Oから外周側に僅かに離れた位置から形成されている。この第2のインサート取付座12Bには第2の切削インサート1Bが、その副切刃6の円弧状切刃部6aを軸線Oから離れた位置から第1の切削インサート1Aの主切刃5の円弧状切刃部5aが位置する上記凸半球上に位置させるとともに、この副切刃6の直線状切刃部6bを第1の切削インサート1Aの主切刃5の直線状切刃部5bが位置する上記円筒面上に位置させるようにして取り付けられる。従って、第2のインサート取付座12Bの壁面12bには第2の切削インサート1Bの主切刃5の直線状切刃部5bに連なる平面状の逃げ面4が当接させられ、第2のインサート取付座12Bの壁面12cには第2の切削インサート1Bの主切刃5の円弧状切刃部5aの逃げ面4の平面部4aが当接させられる。
そして、この第2のインサート取付座12Bの底面12aには、ネジ孔12eよりも先端側に第2の凸部14Bが形成されるとともに、ネジ孔12eと壁面12cとの間には第3の凸部14Cが形成されている。これら第2、第3の凸部14B、14Cも、エンドミル本体11の先端部の外周面から内周側に向かって延びている。第2の凸部14Bは第2のインサート取付座12Bの壁面12bの手前にまで該壁面12bと間隔をあけて形成され、また第3の凸部14Cは第2のインサート取付座12Bの凹部12dの手前にまで該凹部12dと間隔をあけて形成されている。従って、第2の凸部14Bには第2の切削インサート1Bの第2の溝部8Bが当接し、第3の凸部14Cには第2の切削インサート1Bの第1の溝部8Aが当接する。
また、これら第2、第3の凸部14B、14Cも、第2、第3の凸部14B、14Cが延びる方向に直交する断面がエンドミル回転方向Tに偏平した略長方形状をなしている。このうち第2の凸部14Bは、当接する第2の切削インサート1Bの第2の溝部8Bの全体が幅狭部9とされているのに対して、この第2の溝部8Bが延びる方向の上記他端側から上記一端側(エンドミル本体11の外周側から内周側)に向かうに従い全体的に幅広となるように形成されている。なお、第3の凸部14Cの幅は、この第3の凸部14Cが延びる方向に亙って一定である。
さらに、これら第2、第3の凸部14B、14Cの幅(第2、第3の凸部14B、14Cが延びる方向に直交する方向の幅)も、第2、第1の溝部8B、8Aが延びる方向において第2、第3の凸部14B、14Cに当接する位置での幅(第2、第1の溝部8B、8Aが延びる方向に直交する方向での幅)よりも僅かに小さくされている。また、第2のインサート取付座12Bの底面12aからの第2、第3の凸部14B、14Cの突出高さも第2の切削インサート1Bの着座面3からの第2、第1の溝部8B、8Aの深さよりも僅かに小さくされている。
このような第1、第2のインサート取付座12A、12Bに第1、第2の切削インサート1A、1Bが上述のように着座させられて、倒立した円錐台状の頭部を有するクランプネジを取付孔7に挿通してネジ孔12eにねじ込んでゆくと、このネジ孔12eの中心線が切削インサート1の取付孔7の中心線よりも凹部12d側に僅かに偏心していることから、切削インサート1は凹部12d側に押し付けられる。
このとき、第1のインサート取付座12Aにおいては、第1の切削インサート1Aの副切刃6の直線状切刃部6bに連なる逃げ面4と円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4の平面部4aが壁面12b、12cにそれぞれ押圧される。また、第2のインサート取付座12Bにおいては、第2の切削インサート1Bの主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4が壁面12bに押圧され、主切刃5の円弧状切刃部5aに連なる逃げ面4の平面部4aが壁面12cに押圧される。
そして、これとともに、第1のインサート取付座12Aにおいては、第1の凸部14Aに第1の切削インサート1Aの第2の溝部8Bがエンドミル本体11の先端側から当接する。従って、この第1の凸部14Aには、そのエンドミル本体11の先端側を向く側面14aに第1の切削インサート1Aの第2の溝部8Bにおける第2の壁面8bが当接し、第2の溝部8Bにおける第1の壁面8aと第1の凸部14Aとの間には僅かな間隔があけられることになる。
また、第2のインサート取付座12Bにおいては、第2、第3の凸部14B、14Cに第2の切削インサート1Bの第2、第1の溝部8B、8Aが同じくエンドミル本体11の先端側から当接する。従って、第2、第3の凸部14B、14Cには、そのエンドミル本体11の先端側を向く側面14aに第2、第1の溝部8B、8Aの第1の壁面8aがそれぞれ当接し、第2、第1の溝部8B、8Aの第2の壁面8bと第2、第3の凸部14B、14Cとの間には僅かな間隔があけられる。このように、第1〜第3の凸部14A〜14Cに第1、第2の溝部8A、8Bが当接することにより、切削加工時の負荷による切削インサート1のずれ動きを防止することができる。
そして、上記構成の切削インサート1および刃先交換式ボールエンドミルにおいては、切削インサート1の溝部8のうち第2の溝部8Bが、この第2の溝部8Bが延びる方向の一端側から他端側に向けて溝幅が狭くなる幅狭部9を有しているので、これにより幅狭部9の溝幅が小さくなる第2の溝部8Bの他端側では、切削インサート1の肉厚を大きく確保して強度を向上させることができる。このため、切削加工時に過大な負荷が切削インサート1に作用しても、この第2の溝部8Bから切削インサート1に損傷が生じるのを防止することができる。
その一方で、第2の溝部8Bが延びる方向の一端側では幅狭部9は逆に広くなるので、刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体11においては、この第2の溝部8Bの幅狭部9が当接する部分における第1、第2の凸部14A、14Bを幅広に形成することができる。このため、切削加工時の負荷に対する切削インサート1の取付剛性を高めることができ、切削インサート1のずれ動きをさらに確実に防止して精度の高い切削加工を行うことができる。
また、本実施形態の切削インサート1においては、幅狭部9の最も幅狭となる他端における溝幅W1が、この幅狭部9を有する溝部(第2の溝部8B)の他端側に位置する円弧状切刃部(副切刃6の円弧状切刃部6a)の着座面3側から見た半径rに対して0.05×r〜0.18×rの範囲とされており、これによってもさらに確実に切削インサート1の強度を向上しつつ取付剛性を高めることができる。すなわち、この幅狭部9の他端における溝幅W1が上記範囲を下回るほど狭いと、インサート取付座12における第1、第2の凸部14A、14Bの幅も狭くせざるを得なくなって切削インサート1の取付剛性を高めることができなくなるおそれがある。一方、幅狭部9の他端における溝幅W1が上記範囲を上回るほど広くて、第2の溝部8Bの第1、第2の壁面8a、8bが平行に近いと、上述のように第2の溝部8Bの他端側で切削インサート1の肉厚を大きく確保して切削インサート1の強度を確保することができなくなり、過大な負荷が作用したときに損傷を生じるおそれがある。
ここで、図20A〜図20Cは、第2の溝部の他端における溝幅W1を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、第2の溝部8Bの他端側に位置する円弧状切刃部(副切刃6の円弧状切刃部6a)の半径rが15.0mmのとき、図20Aは溝幅W1が溝部の全長に亙って3.0mmで一定の場合(幅狭部9を有さない場合)を示し、図20Bは幅狭部9を有して円弧状切刃部6aの半径rに対する他端の溝幅W1が2.0mm(0.133×r)の場合を示し、図20Cも幅狭部9を有して円弧状切刃部6aの半径rに対する他端の溝幅W1が1.0mm(0.067×r)の場合を示している。なお、解析は、エンドミル本体11の回転数が2500min−1、回転速度が230m/min、送り速度が1500mm/min(1刃当たりの送り量は0.3mm/1刃)、切り込み量と切削幅はともに15mm、被削材はS45C(硬さ220HB)、エンドミル本体の材料はSKD61(硬さ45HRC、引っ張り強度1600MPa、疲労強度500MPa)の場合を想定し、ミーゼス応力で評価した。
これら図20A〜図20Cにおいて、着座面3に白く描かれた部分の溝部側の領域が、応力が集中している範囲となる。すると、溝幅が一定で幅狭部9を有することのない切削インサートによる図20Aの結果よりも、幅狭部9を有する切削インサートによる図20B、図20Cの方が白く描かれた部分が小さくて応力が分散しており、特に溝幅W1が小さい切削インサートによる図20Cが最も応力が集中している範囲が小さくなっている。この結果より、幅狭部9を設けることによって応力を分散して切削インサート1の強度を確保することができ、また溝幅W1が0.05×r〜0.18×rの範囲とされるのが望ましいことが分かる。
なお、この溝幅W1は0.06×r〜0.17×rの範囲がより望ましく、0.065×r〜0.16×rの範囲がさらに望ましい。また、溝幅W1は、幅狭部9の一端における溝幅W2に対しては、0.25×W2〜0.90×W2の範囲とされるのが望ましく、0.30×W2〜0.85×W2の範囲とされるのがより望ましく、0.32×W2〜0.80×W2の範囲とされるのがさらに望ましい。一方、この幅狭部9の一端における溝幅W2は、上記半径rに対して0.10×r〜0.30×rの範囲が望ましく、0.12×r〜0.28×rの範囲がより望ましく、0.15×r〜0.26×rの範囲がさらに望ましい。
ところで、本実施形態の切削インサート1は、副切刃6の円弧状切刃部6aが主切刃5の円弧状切刃部5aと等しい半径で、ただし周方向の長さは短くされており、すなわち非対称に形成されている。そして、これに伴い、本実施形態の刃先交換式ボールエンドミルにおいても、第1のインサート取付座12Aはエンドミル本体11の先端部を先端側で軸線Oを含む範囲まで切り欠くように形成されているのに対して、第2のインサート取付座12Bは軸線Oから外周側に僅かに離れた位置から形成されている。さらに、これら第1、第2のインサート取付座12A、12Bに同形同大の1種2つの切削インサート1が、第1の切削インサート1Aは主切刃5の円弧状切刃部5aをエンドミル本体11先端の軸線O付近から延びるように、また第2の切削インサート1Bは副切刃6の円弧状切刃部6aを軸線Oから離れた位置から延びるようにして、同一の凸半球面状に位置させている。
このため、1種の切削インサート1によってエンドミル本体11の先端の軸線O付近から外周にかけての切削と、軸線Oから離れた位置から外周にかけての切削を行うことができ、切削インサート1の管理を容易にすることができるとともに、切削インサート1を製造するための金型も1種で済む。また、第1の切削インサート1Aの主切刃5と第2の切削インサート1Bの副切刃6に切削によって摩耗等が生じた場合には、これらの切削インサート1を反対側のインサート取付座12に取り付け直すことにより、第1の切削インサート1Aを第2の切削インサート1Bとして、また第2の切削インサート1Bを第1の切削インサート1Aとして再使用することができるので、経済的である。
さらに、本実施形態では、幅狭部9を有する第2の溝部8Bが、副切刃6の円弧状切刃部6a側から主切刃5の直線状切刃部5b側に向けて延びていて、幅狭部9は、このうち主切刃5の直線状切刃部5b側が上記一端側とされるとともに、副切刃6の円弧状切刃部6a側が上記他端側とされて、幅狭となるようにされている。このため、第2の切削インサート1Bとして副切刃6を切削に使用する場合には、本実施形態のように第2の溝部8Bが副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4に開口していても、この副切刃6に作用する負荷を幅狭となった第2の溝部8Bの幅狭部9の他端側で受け止めることができて強度を確保することが可能である。また、切削に使用されない主切刃5の円弧状切刃部5aに沿った第2の切削インサート1Bのずれ動きは、この円弧状切刃部5aから離れた第2の溝部8Bの幅狭部9の幅広の一端側で確実に防止することができる。
また、本実施形態では、これら主切刃5の円弧状切刃部5aや副切刃6の円弧状切刃部6aが、直線状切刃部5b、6bから離れるに従い着座面3側から離れた後に再び着座面3側に近づく凸曲線状に形成されている。従って、円弧状切刃部5a、6aは、切削の際に着座面3に対して最も離れて凸となる上記最凸点Sから徐々に被削材に食い付いて切り込むことになるので、切削抵抗を低減することができる。また、切削インサート1の着座面3に形成された第2の溝部8Bの溝幅W1が狭くなる他端側においては、最凸点Sにおける肉厚を確保して強度の向上を図ることができ、切削加工時の負荷による切削インサート1の損傷を防止することができる。なお、最凸点Sにおける肉厚とは、図4に符号tで示すように着座面3に垂直な方向における着座面3から最凸点Sまでの距離である。また、第2の溝部8Bの他端側の幅狭部9において、最凸点Sにより切削インサート1の肉厚が確保される範囲は、図4、図7、図31において符号Uで示される領域である。符号Uで示される領域におけるインサート肉厚の値は、上記t値に対して0.65×t〜1.00×tの範囲が望ましく、0.70×t〜1.00×tの範囲がより望ましく、0.75×t〜1.00×tの範囲がさらに望ましい。
しかも、本実施形態では、円弧状切刃部5a、6aが凸曲線状に形成されているとともに、第2の溝部8Bは上述のように副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4に開口しているが、この第2の溝部8Bの逃げ面4への開口部は、副切刃6の円弧状切刃部6aの最凸点Sよりも副切刃6の直線状切刃部6b側に位置している。従って、この最凸点Sから副切刃6の円弧状切刃部6aが被削材に食い付いて切り込む際の衝撃が第2の溝部8Bの開口部に直接伝播するのを避けることができ、このような衝撃によって第2の溝部8Bの開口部から切削インサート1が損傷するのも防ぐことができる。
なお、このような衝撃による切削インサート1の損傷を確実に防ぐには、本実施形態のように、上記底面視において、最凸点Sと副切刃6の円弧状切刃部6aの中心Pとを結ぶ直線L1と、副切刃6の直線状切刃部6b側を向く第2の溝部8Bの第1の壁面8aと逃げ面4との交差稜線部の着座面3側への端部Qと副切刃6の円弧状切刃部6aの中心Pとを結ぶ直線L2とがなす第1の交差角θ1が、5°〜60°の範囲とされていることが望ましい。
なお、この第1の交差角θ1は5°〜40°の範囲がより望ましく、5°〜20°の範囲がさらに望ましい。
この第1の交差角θ1が5°を下回るほど小さいと、第2の溝部8Bの逃げ面4への開口部が、この逃げ面4が連なる副切刃6の円弧状切刃部6aの最凸点Sに近づきすぎ、この円弧状切刃部6aが最凸点Sから被削材に食い付く際の衝撃によって切削インサート1に損傷が生じるおそれがある。逆に、この第1の交差角θ1が60°よりも大きいと、本実施形態のように切削インサート1の取付孔7に挿通したクランプネジをインサート取付座12のネジ孔12eにねじ込んで切削インサート1を取り付ける場合には、第2の溝部8Bや第1、第2の凸部14A、14Bが取付孔7やネジ孔12eと干渉するおそれが生じる。
また、本実施形態では、同じく上記底面視において、副切刃6の円弧状切刃部6aの上記最凸点Sとこの円弧状切刃部6aの中心Pとを結ぶ直線L1と、副切刃6の円弧状切刃部6a側への該副切刃6の直線状切刃部6bの延長線L3とがなす第2の交差角θ2が10°〜50°の範囲とされている。従って、これによっても第2の溝部8Bや第1、第2の凸部14A、14Bと取付孔7やネジ孔12eとの干渉を防ぎつつ、副切刃6の凸曲線状の円弧状切刃部6aによって確実な切削抵抗の低減を図ることができる。
なお、この第2の交差角θ2は15°〜48°の範囲がより望ましく、35°〜47°の範囲がさらに望ましい。
すなわち、上記延長線L3は、切削インサート1を第2の切削インサート1Bとして第2のインサート取付座12Bに取り付けたときには、この第2の切削インサート1Bの着座面3に対向する上記底面視、または取付孔7の中心線に沿ってすくい面2に対向する方向から見た平面視において、エンドミル本体11の軸線Oと略平行になる。このため、上記第2の交差角θ2は、軸線O上に位置した円弧状切刃部6aの中心Pと最凸点Sとを結ぶ上記直線L1と、軸線Oとがなす交差角と略等しくなる。ただし、直線状切刃部5b、6bは、切削インサート1をエンドミル本体1に取り付けたときに若干のバックテーパー角度をもっていてもよく、従って交差角θ2は厳密に直線L1と軸線Oとがなす交差角と等しくなくてもよい。
この第2の交差角θ2が50°よりも大きいと、第1の交差角θ1を上述のような範囲としたときに、第2の溝部8Bや第1、第2の凸部14A、14Bが取付孔7やネジ孔12eと干渉するおそれが生じる。また更に、この第2の交差角θ2が50°よりも大きいと、第2の切削インサート1Bの円弧状切刃部6aの軸方向すくい角が負の値となる領域が増大するため、切屑の排出性が劣化しやすくなる。
また、この第2の交差角θ2が10°を下回るほど小さいと、第2の切削インサート1Bの円弧状切刃部6aにおいて最凸点Sが軸線Oに近づきすぎ、軸線O回りの回転速度が小さい部分から副切刃6の円弧状切刃部6aが被削材に切り込むことになって、切削抵抗を低減する効果が損なわれるおそれがある。
さらに、本実施形態では、切削インサート1の着座面3に第1の溝部8Aが形成されており、第2の切削インサート1Bとして使用されるときには、この第1の溝部8Aも第2のインサート取付座12Bの第3の凸部14Cに当接するので、一層確実に第2の切削インサート1Bのずれ動きを防止することができる。なお、第1のインサート取付座12Aの底面12aにも、この第1の溝部8Aが当接する凸部14Cを形成してもよい。また、この第1の溝部8Aは、主切刃5の円弧状切刃部5aに連なる逃げ面4には開口しない止まり溝状に形成されているので、第1の切削インサート1Aとして使用されるときに、主切刃5の円弧状切刃部5aの強度を向上させることができるとともに、切屑が第1の溝部8Aに噛み込まれるようなこともない。
次に、図21は、図1〜図7に示した第1の実施形態の切削インサート1の変形例であり、この変形例や後述する第2〜第5の実施形態の図において、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配してある。また、図3に示した寸法や角度を示す補助線も省略するが、特に説明がない場合には、第1の実施形態の寸法や角度がそのまま適用される。
図1〜図7に示した第1の実施形態の切削インサート1においては、第1の溝部8Aにおける主切刃5の円弧状切刃部5a側の端部が、この第1の溝部8Aの第1、第2の壁面8a、8bに直交するように延びて、第1の溝部8Aが着座面3に対向する方向から見て概略長方形状をなしていた。これに対し、この変形例の切削インサート1においては、第1の溝部8Aにおける主切刃5の円弧状切刃部5a側の端部が、着座面3に対向する方向から見て主切刃5の円弧状切刃部5aに並行するような凸曲線状または第1、第2の壁面8a、8bに斜交する斜辺状に形成されていて、着座面3に対向する方向から見て概略台形状をなしていることを特徴とする。
このような変形例の切削インサート1では、着座面3と逃げ面4との交差稜線部と、この第1の溝部8Aにおける主切刃5の円弧状切刃部5a側の端部との間の間隔を略一定とすることができるので、この間隔部分の強度も略一定とすることができ、第1の切削インサート1Aとして使用されるときに、さらに確実に主切刃5の円弧状切刃部5aの強度を向上させることができる。また、エンドミル本体11の第2のインサート取付座12Bの第2の凸部14Cや、第1のインサート取付座12Aに第1の溝部8Aが当接する凸部14Cを形成する場合でも、これらの凸部14Cをインサート取付座12の底面12aに対向する方向から見て第1の溝部8Aに対応した概略台形状に形成することにより、第1の溝部8Aとの当接面積を大きくして切削インサート1を一層安定して取り付けることが可能となる。
一方、上記第1の実施形態では、第2の溝部8Bは主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4と副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4とに開口する貫通溝状に形成されているが、この第2の溝部8Bが延びる方向の一端側の逃げ面4と他端側の逃げ面4のうち少なくとも一方には開口していない止まり溝状に形成されていてもよい。例えば、図20〜図22は、本発明の切削インサート1の第2の実施形態を示すものであり、この第2の実施形態では、幅狭部9を有する第2の溝部8Bが副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4には開口しない止まり溝状に形成されている。このため、副切刃6の円弧状切刃部6aの強度の向上を図って損傷を防止することができる。
また、図23〜図26は、本発明の切削インサート1の第3の実施形態を示すものであり、この第3の実施形態では、幅狭部9を有する第2の溝部8Bが、副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4には開口しないとともに、主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4にも開口しない止まり溝状に形成されている。このため、副切刃6の円弧状切刃部6aと主切刃5の直線状切刃部5bの強度の向上を図ることができる。
次に、図27〜図29は、本発明の切削インサート1の第4の実施形態を示すものであり、図30は、本発明の切削インサート1の第5の実施形態を示すものである。上記第1〜第3の実施形態では、第2の溝部8Bの全体が一端側から他端側に向かうに従い溝幅が漸次狭くなる幅狭部9であったのに対し、これら第4、第5の実施形態では、第2の溝部8Bの一端側と他端側とのうち少なくとも一方では一定の溝幅とされた等幅部10とされていることを特徴とする。
ここで、これら第4、第5の実施形態では、第1の実施形態と同様に主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4に交差する第2の溝部8Bの一端側が他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部9とされるとともに、副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4に交差する第2の溝部8Bの他端側が上記等幅部10とされている。ただし、第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態と同様に幅狭部9の溝幅が狭くなる割合は一端側から他端側に向かうに従い一定であるが、第5の実施形態では、幅狭部9の溝幅が狭くなる割合は一端側から他端側に向かうに従い小さくなっている。すなわち、第5の実施形態では、第2の溝部8Bにおいてすくい面2の第2の端部2b側を向く第2の壁面8bは上記底面視に直線状であるのに対し、第1の端部2a側を向く第1の壁面8aは上記底面視に凸曲線状をなして等幅部10の第1の壁面8aに接している。
このような第4、第5の実施形態の切削インサート1においても、第2の溝部8Bが幅狭部9を有しているので、この幅狭部9の他端側では切削インサート1の肉厚を確保して強度を向上させ、損傷が生じるのを防ぐことができる。また、この第2の溝部8Bの幅狭部9よりも他端側では、溝幅が一定の等幅部10を設けることによって溝幅が狭くなりすぎるのを防ぐことができるので、エンドミル本体11のインサート取付座12における第1、第2の凸部14A、14Bを第2の溝部8Bと同様の形状とすることにより、これら第1、第2の凸部14A、14Bの幅が小さくなりすぎるのを抑えることができ、切削インサート1の取付剛性を一層確実に確保することができる。
なお、このような等幅部10は、第2の溝部8Bの一端側に設けられていてもよく、また両端側に設けられていてもよい。さらに、第1〜第5の実施形態の切削インサート1では、第1の溝部8Aは溝幅が一定であるが、この第1の溝部8Aも一端側から他端側に向かうに従い幅狭となる幅狭部9を有していてもよい。その場合に、第1の溝部8Aの幅狭部9は、第2の溝部8Bの幅狭部9と同じ方向の一端側から他端側に向けて幅狭となっていてもよく、また第2の溝部8Bの幅狭部9と反対の方向の一端側から他端側に向けて幅狭となっていてもよい。
本発明によれば、切削インサートの着座面に形成された溝部の幅狭部により、溝幅が狭くなる他端側においては切削インサートの肉厚を確保して応力を分散し、強度の向上を図ることができ、切削加工時の負荷による切削インサートの損傷を防止することができる。その一方で、一端側では幅狭部の溝幅が広くなるので、刃先交換式ボールエンドミルの凸部を幅広に形成することができ、切削インサートの取付剛性を高めてずれ動きを確実に防止することが可能となる。
1(1A、1B) 切削インサート
2 すくい面
3 着座面
4 逃げ面
5 主切刃(2つの切刃のうち一方)
5a 主切刃5の円弧状切刃部
5b 主切刃5の直線状切刃部
6 副切刃(2つの切刃のうち他方)
6a 副切刃6の円弧状切刃部
6b 副切刃6の直線状切刃部
7 取付孔
8、8A、8B 溝部
9 幅狭部
10 等幅部
11 エンドミル本体
12(12A、12B) インサート取付座
14A、14B、14C 凸部
r 溝部(第2の溝部8B)における幅狭部9の他端側に位置する円弧状切刃部(6a)の半径
P 底面視において副切刃6の円弧状切刃部6aがなす円弧の中心
Q 副切刃6の直線状切刃部6b側を向く第2の溝部8Bの第1の壁面8aと逃げ面4との交差稜線部の着座面3側への端部
S 副切刃6の円弧状切刃部6aの最凸点
t 最凸点Sにおける切削インサート1の肉厚
U 最凸点Sにより切削インサート1の肉厚が確保される範囲
L1 底面視において中心Pと最凸点Sとを結ぶ直線
L2 底面視において中心Pと端部Qとを結ぶ直線
L3 底面視において副切刃6の円弧状切刃部6a側への副切刃6の直線状切刃部6bの延長線
W1 幅狭部9の他端における溝幅
W2 幅狭部9の一端における溝幅
O エンドミル本体11の軸線
T エンドミル回転方向
θ1 第1の交差角
θ2 第2の交差角
本発明は、刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートこのような切削インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式ボールエンドミル、および刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体に関する。
本願は、2017年8月30日に、日本に出願された特願2017−165664号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、このような背景の下になされたもので、切削インサートの強度を損なうことなく、その切削加工時のずれ動きを確実に防止することが可能な切削インサート該切削インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式ボールエンドミル、および刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、軸線回りに回転される刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、上記エンドミル本体の回転方向に向けられるすくい面と、このすくい面とは反対側を向いて上記インサート取付座の底面に着座される着座面と、これらすくい面と着座面との周囲に延びる逃げ面とを備え、上記すくい面と上記逃げ面との交差稜線部には、上記すくい面に対向する方向から見た平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部と、この円弧状切刃部に接するように延びる直線状切刃部とをそれぞれ備えた2つの切刃が、上記円弧状切刃部と直線状切刃部を上記すくい面の周方向に交互に位置させて形成されるとともに、上記着座面には、上記インサート取付座の底面から突出する凸部に当接可能な壁面を有する溝部が形成されており、上記溝部は、該溝部が延びる方向の一端側から他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部を有しているとともに、上記他端側が上記逃げ面に開口していることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式ボールエンドミルは、このような切削インサートが、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に、このインサート取付座の底面から突出する凸部に上記溝部の壁面を当接させて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。さらに、本発明の刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体は、軸線回りに回転される刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体であって、このような切削インサートが、先端部に形成されたインサート取付座に、このインサート取付座の底面から突出する凸部に上記溝部の壁面を当接させて着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
このような構成の切削インサート刃先交換式ボールエンドミル、および刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体においては、切削インサートの溝部が、該溝部が延びる方向の一端側から他端側に向けて溝幅が狭くなる幅狭部を有しているので、この幅狭部の溝幅が狭くなる他端側においては切削インサートの肉厚を確保して応力を分散し、強度の向上を図ることができる。一方、逆に幅狭部の一端側では溝幅が広くなるので、刃先交換式ボールエンドミルにおいて、上記凸部を、上記溝部の上記幅狭部が当接する部分で、該溝部が延びる方向の上記他端側から上記一端側に向かうに従い幅広となるように形成することにより、切削加工時の負荷に対する取付剛性を高めて切削インサートのずれ動きを確実に防止することが可能となる。
本発明の切削インサートの第1の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 図1に示す実施形態の底面図である。 図2および図3における矢線A方向視の側面図である。 図2および図3における矢線B方向視の側面図である。 図2および図3における矢線C方向視の側面図である。 図2および図3における矢線D方向視の側面図である。 本発明の刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体の一実施形態における先端部を示す斜視図である。 図8に示すエンドミル本体の先端部の正面図である。 図9における矢線A方向視の平面図である。 図9における矢線B方向視の側面図である。 図9における矢線C方向視の底面図である。 図9における矢線D方向視の側面図である。 本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態の先端部を示す斜視図である。 図14に示す実施形態の正面図である。 図15における矢線A方向視の平面図である。 図15における矢線B方向視の側面図である。 図15における矢線C方向視の底面図である。 図15における矢線D方向視の側面図である。 溝部における幅狭部の他端の溝幅を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、溝幅が一定の場合を示す図である。 溝部における幅狭部の他端の溝幅を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、幅狭部を有して円弧状切刃部の半径rに対する幅狭部の他端部の溝幅が0.133×rの場合を示す図である。 溝部における幅狭部の他端の溝幅を変化させた場合のシミュレーション解析による応力の分散状態を示す図であって、幅狭部を有して円弧状切刃部の半径rに対する幅狭部の他端部の溝幅が0.067×rの場合を示す図である。 第1の実施形態の変形例を示す底面図である。 本発明の切削インサートに対する第1の参考例を示す底面図である。 図22における矢線A方向視の側面図である。 図22における矢線B方向視の側面図である。 本発明の切削インサートに対する第2の参考例を示す底面図である。 図25における矢線A方向視の側面図である。 図25における矢線B方向視の側面図である。 図25における矢線C方向視の側面図である。 本発明の切削インサートの第2の実施形態を示す底面図である。 図29における矢線A方向視の側面図である。 図29における矢線B方向視の側面図である。 本発明の切削インサートの第3の実施形態を示す底面図である。
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態の切削インサート1を示すものである。また、図8〜図13は、この第1の実施形態の切削インサート1が着脱可能に取り付けられる本発明の刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体11の一実施形態の先端部を示すものであり、図14〜図19は、このエンドミル本体11のインサート取付座12に第1の実施形態の切削インサート1が着脱可能に取り付けられた本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態の先端部を示すものである。
このような第1の実施形態の切削インサート1は、上述のように図8〜図13に示す本発明のエンドミル本体11の一実施形態の先端部に形成されたインサート取付座12に着脱可能に取り付けられ、図14〜図19に示す本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態を構成する。このエンドミル本体11は鋼材等の金属材料により形成され、その後端部は軸線Oを中心とした円柱状のシャンク部とされるとともに、先端部は軸線O上に中心を有する凸半球状とされている。本実施形態の刃先交換式ボールエンドミルは、このエンドミル本体11が軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転させられつつ該軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、インサート取付座12に取り付けられた切削インサート1によって被削材に切削加工を施す。
一方、2つのインサート取付座12のうち第2のインサート取付座12Bは、図9および図12に示すようにエンドミル本体11の先端側で軸線Oから外周側に僅かに離れた位置から形成されている。この第2のインサート取付座12Bには第2の切削インサート1Bが、その副切刃6の円弧状切刃部6aを軸線Oから離れた位置から第1の切削インサート1Aの主切刃5の円弧状切刃部5aが位置する上記凸半球上に位置させるとともに、この副切刃6の直線状切刃部6bを第1の切削インサート1Aの主切刃5の直線状切刃部5bが位置する上記円筒面上に位置させるようにして取り付けられる。従って、第2のインサート取付座12Bの壁面12bには第2の切削インサート1Bの主切刃5の直線状切刃部5bに連なる平面状の逃げ面4が当接させられ、第2のインサート取付座12Bの壁面12cには第2の切削インサート1Bの主切刃5の円弧状切刃部5aの逃げ面4の平面部4aが当接させられる。
すなわち、上記延長線L3は、切削インサート1を第2の切削インサート1Bとして第2のインサート取付座12Bに取り付けたときには、この第2の切削インサート1Bの着座面3に対向する上記底面視、または取付孔7の中心線に沿ってすくい面2に対向する方向から見た平面視において、エンドミル本体11の軸線Oと略平行になる。このため、上記第2の交差角θ2は、軸線O上に位置した円弧状切刃部6aの中心Pと最凸点Sとを結ぶ上記直線L1と、軸線Oとがなす交差角と略等しくなる。ただし、直線状切刃部5b、6bは、切削インサート1をエンドミル本体11に取り付けたときに若干のバックテーパー角度をもっていてもよく、従って交差角θ2は厳密に直線L1と軸線Oとがなす交差角と等しくなくてもよい。
次に、図21は、図1〜図7に示した第1の実施形態の切削インサート1の変形例であり、この変形例や後述する第2、第3の実施形態および第1、第2の参考例の図において、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配してある。また、図3に示した寸法や角度を示す補助線も省略するが、特に説明がない場合には、第1の実施形態の寸法や角度がそのまま適用される。
このような変形例の切削インサート1では、着座面3と逃げ面4との交差稜線部と、この第1の溝部8Aにおける主切刃5の円弧状切刃部5a側の端部との間の間隔を略一定とすることができるので、この間隔部分の強度も略一定とすることができ、第1の切削インサート1Aとして使用されるときに、さらに確実に主切刃5の円弧状切刃部5aの強度を向上させることができる。また、エンドミル本体11の第2のインサート取付座12Bの第3の凸部14Cや、第1のインサート取付座12Aに第1の溝部8Aが当接する凸部14Cを形成する場合でも、これらの凸部14Cをインサート取付座12の底面12aに対向する方向から見て第1の溝部8Aに対応した概略台形状に形成することにより、第1の溝部8Aとの当接面積を大きくして切削インサート1を一層安定して取り付けることが可能となる。
一方、上記第1の実施形態では、第2の溝部8Bは主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4と副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4とに開口する貫通溝状に形成されているが、この第2の溝部8Bが延びる方向の一端側の逃げ面4には開口していない止まり溝状に形成されていてもよい。なお、図22〜図24は、本発明の切削インサート1に対する第1の参考例を示すものであり、この第1の参考例では、幅狭部9を有する第2の溝部8Bが副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4には開口しない止まり溝状に形成されている。このため、副切刃6の円弧状切刃部6aの強度の向上を図って損傷を防止することができる。
また、図25〜図28は、本発明の切削インサート1に対する第2の参考例を示すものであり、この第2の参考例では、幅狭部9を有する第2の溝部8Bが、副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4には開口しないとともに、主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4にも開口しない止まり溝状に形成されている。このため、副切刃6の円弧状切刃部6aと主切刃5の直線状切刃部5bの強度の向上を図ることができる。
次に、図29〜図31は、本発明の切削インサート1の第2の実施形態を示すものであり、図32は、本発明の切削インサート1の第3の実施形態を示すものである。上記第1の実施形態では、第2の溝部8Bの全体が一端側から他端側に向かうに従い溝幅が漸次狭くなる幅狭部9であったのに対し、これら第2、第3の実施形態では、第2の溝部8Bの一端側と他端側とのうち少なくとも一方では一定の溝幅とされた等幅部10とされていることを特徴とする。
ここで、これら第2、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に主切刃5の直線状切刃部5bに連なる逃げ面4に交差する第2の溝部8Bの一端側が他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部9とされるとともに、副切刃6の円弧状切刃部6aに連なる逃げ面4に交差する第2の溝部8Bの他端側が上記等幅部10とされている。ただし、第2の実施形態では、第1〜第3の実施形態と同様に幅狭部9の溝幅が狭くなる割合は一端側から他端側に向かうに従い一定であるが、第3の実施形態では、幅狭部9の溝幅が狭くなる割合は一端側から他端側に向かうに従い小さくなっている。すなわち、第3の実施形態では、第2の溝部8Bにおいてすくい面2の第2の端部2b側を向く第2の壁面8bは上記底面視に直線状であるのに対し、第1の端部2a側を向く第1の壁面8aは上記底面視に凸曲線状をなして等幅部10の第1の壁面8aに接している。
このような第2、第3の実施形態の切削インサート1においても、第2の溝部8Bが幅狭部9を有しているので、この幅狭部9の他端側では切削インサート1の肉厚を確保して強度を向上させ、損傷が生じるのを防ぐことができる。また、この第2の溝部8Bの幅狭部9よりも他端側では、溝幅が一定の等幅部10を設けることによって溝幅が狭くなりすぎるのを防ぐことができるので、エンドミル本体11のインサート取付座12における第1、第2の凸部14A、14Bを第2の溝部8Bと同様の形状とすることにより、これら第1、第2の凸部14A、14Bの幅が小さくなりすぎるのを抑えることができ、切削インサート1の取付剛性を一層確実に確保することができる。
なお、このような等幅部10は、第2の溝部8Bの一端側に設けられていてもよく、また両端側に設けられていてもよい。さらに、第1〜第3の実施形態の切削インサート1では、第1の溝部8Aは溝幅が一定であるが、この第1の溝部8Aも一端側から他端側に向かうに従い幅狭となる幅狭部9を有していてもよい。その場合に、第1の溝部8Aの幅狭部9は、第2の溝部8Bの幅狭部9と同じ方向の一端側から他端側に向けて幅狭となっていてもよく、また第2の溝部8Bの幅狭部9と反対の方向の一端側から他端側に向けて幅狭となっていてもよい。

Claims (10)

  1. 軸線回りに回転される刃先交換式ボールエンドミルのエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、
    上記エンドミル本体の回転方向に向けられるすくい面と、このすくい面とは反対側を向いて上記インサート取付座の底面に着座される着座面と、これらすくい面と着座面との周囲に延びる逃げ面とを備え、
    上記すくい面と上記逃げ面との交差稜線部には、上記すくい面に対向する方向から見た平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部と、この円弧状切刃部に接するように延びる直線状切刃部とをそれぞれ備えた2つの切刃が、上記円弧状切刃部と直線状切刃部を上記すくい面の周方向に交互に位置させて形成されるとともに、
    上記着座面には、上記インサート取付座の底面から突出する凸部に当接可能な壁面を有する溝部が形成されており、
    上記溝部は、該溝部が延びる方向の一端側から他端側に向かうに従い溝幅が狭くなる幅狭部を有していることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記2つの切刃のうち一方は主切刃とされるとともに他方は副切刃とされ、
    上記副切刃の円弧状切刃部は、上記主切刃の円弧状切刃部に対して等しい半径で周方向の長さが短く形成されており、
    上記溝部は、上記副切刃の円弧状切刃部側から上記主切刃の直線状切刃部側に向けて延びていて、上記主切刃の直線状切刃部側が上記一端側とされるとともに、上記副切刃の円弧状切刃部側が上記他端側とされていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記溝部は、上記副切刃の円弧状切刃部に連なる上記逃げ面に開口しているとともに、
    上記副切刃の円弧状切刃部は、該副切刃の直線状切刃部から離れるに従い上記着座面側から離れた後に該着座面側に近づく凸曲線状に形成されており、
    上記溝部の上記逃げ面への開口部は、上記副切刃の円弧状切刃部が上記着座面に対して最も凸となる最凸点よりも上記副切刃の直線状切刃部側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の切削インサート。
  4. 上記着座面に対向する方向から見た底面視において、
    上記最凸点と上記副切刃の円弧状切刃部の中心とを結ぶ直線と、
    上記副切刃の直線状切刃部側を向く上記溝部の壁面と上記逃げ面との交差稜線部の上記着座面側への端部と、上記副切刃の円弧状切刃部の中心とを結ぶ直線とがなす第1の交差角が、5°〜60°の範囲とされていることを特徴とする請求項3に記載の切削インサート。
  5. 上記着座面に対向する方向から見た底面視において、
    上記最凸点と上記副切刃の円弧状切刃部の中心とを結ぶ直線と、
    上記副切刃の円弧状切刃部側への該副切刃の直線状切刃部の延長線とがなす第2の交差角が、10°〜50°の範囲とされていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の切削インサート。
  6. 上記溝部は、該溝部が延びる方向の上記一端側の上記逃げ面と上記他端側の上記逃げ面とのうちの少なくとも一方には開口していないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  7. 上記溝部は、上記幅狭部よりも上記一端側と上記他端側とのうちの少なくとも一方では一定の溝幅とされていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  8. 上記溝部における上記幅狭部の他端における溝幅が、この溝部の他端側に位置する上記切刃の上記円弧状切刃部の半径rに対して0.05×r〜0.18×rの範囲とされていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  9. 請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載の切削インサートが、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に形成されたインサート取付座に、このインサート取付座の底面から突出する凸部に上記溝部の壁面を当接させて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする刃先交換式ボールエンドミル。
  10. 上記凸部は、上記溝部の上記幅狭部が当接する部分では、該溝部が延びる方向の上記他端側から上記一端側に向かうに従い幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項9に記載の刃先交換式ボールエンドミル。
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