JPWO2019031240A1 - エポキシアルコール化合物の製造方法 - Google Patents

エポキシアルコール化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;および工程B:式(I)(式中、Arは、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表される化合物と工程Aで得た溶液とを反応させて式(II)で表される化合物を得る工程;により式(II)で表される化合物を高収率で得ることができ、式(II)で表される化合物は、抗真菌剤の製造中間体として有用な式(V)で表される化合物に導くことができる。

Description

本発明は、エポキシアルコール化合物の製造方法に関する。
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール等のエポキシアルコール化合物および(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシラン等のトリアゾール化合物は、例えば抗真菌剤の製造中間体として有用であることが知られている(WO2007/062542、US5620994、US5807854等を参照)。
エポキシアルコール化合物とエポキシトリアゾール化合物の取得方法として、US6884892には、エポキシアルコール化合物である3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールを、2’,4’−ジフルオロ−2−ヒドロキシプロピオフェノンを塩基存在下でトリメチルオキソスルホニウム塩と反応させることで取得する方法が記載されており、このエポキシアルコール化合物を経由して、エポキシトリアゾール化合物である2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシランの製造方法が記載されている。
しかしながら、上記のエポキシアルコール化合物の製造方法では、望まない構造異性体との異性体混合物として得られる場合がある。そのような異性体混合物から高純度のトリアゾール化合物を製造する方法として、WO2012/053659には、副生した構造異性体を酸によって分解する方法が記載されているが、反応工程数が増加することに加え、そもそも望まない構造異性体の副生により目的とするエポキシアルコール化合物の収率が低下する。従って、より高い収率でエポキシトリアゾール化合物を製造するためには、望まない構造異性体の副生量を低減することが求められる。
本発明はエポキシアルコール化合物の高収率な製造方法を提供すると共に、さらにエポキシトリアゾール化合物の製造方法をも提供する。
本発明は、以下の通りである。
〔1〕 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;および
工程B:式(I)
Figure 2019031240
(式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
で表される化合物(以下、化合物(I)と記す)と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(II)と記す)を得る工程;
を有する化合物(II)の製造方法。
〔2〕 化合物(I)が式(Ia)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物であり、化合物(II)が式(IIa)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物である〔1〕に記載の方法。
〔3〕 Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕 Rがメチル基である〔3〕に記載の方法。
〔5〕 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕 工程A、工程Bおよび
工程C:化合物(II)と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて式(III)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(III)と記す)またはその塩を得る工程;
を有する化合物(III)またはその塩の製造方法。
〔7〕 化合物(I)が式(Ia)で表される化合物であり、化合物(II)が式(IIa)で表される化合物であり、化合物(III)が式(IIIa)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物である〔6〕に記載の方法。
〔8〕 Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である〔6〕または〔7〕に記載の方法。
〔9〕 Rがメチル基である〔8〕に記載の方法。
〔10〕 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である〔6〕〜〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕 工程A、工程B、工程Cおよび
工程D:化合物(III)またはその塩の1級または2級水酸基を脱離基に変換し、式(IV)
Figure 2019031240
(式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(IV)と記す)またはその塩を得る工程;
を有する化合物(IV)またはその塩の製造方法。
〔12〕 化合物(I)が式(Ia)で表される化合物であり、化合物(II)が式(IIa)で表される化合物であり、化合物(III)が式(IIIa)で表される化合物であり、化合物(IV)が式(IVa)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物である〔11〕に記載の方法。
〔13〕 Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である〔11〕または〔12〕に記載の方法。
〔14〕 Rがメチル基である〔13〕に記載の方法。
〔15〕 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である〔11〕〜〔14〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕 工程A、工程B、工程C、工程Dおよび
工程E:化合物(IV)またはその塩と塩基とを反応させて、式(V)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(V)と記す)またはその塩を得る工程;
を有する化合物(V)またはその塩の製造方法。
〔17〕 化合物(I)が式(Ia)で表される化合物であり、化合物(II)が式(IIa)で表される化合物であり、化合物(III)が式(IIIa)で表される化合物であり、化合物(IV)が式(IVa)で表される化合物であり、化合物(V)が式(Va)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物である〔16〕に記載の方法。
〔18〕 Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である〔16〕または〔17〕に記載の方法。
〔19〕 Rがメチル基である〔18〕に記載の方法。
〔20〕 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である〔16〕〜〔19〕のいずれかに記載の方法。
〔21〕 工程A、工程Bおよび
工程F:化合物(II)の水酸基を脱離基に変換し、式(VI)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、(VI)と記す)を得る工程;
を有する化合物(VI)の製造方法。
〔22〕 化合物(I)が式(Ia)で表される化合物であり、化合物(II)が式(IIa)で表される化合物であり、化合物(VI)が式(VIa)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物である〔21〕に記載の方法。
〔23〕 Arが2,4−ジフルオロフェニル基および2,5−ジフルオロフェニル基からなる群から選ばれる基である〔21〕または〔22〕に記載の方法。
〔24〕 Rがメチル基である〔21〕に記載の方法。
〔25〕 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である〔21〕〜〔24〕のいずれかに記載の方法。
〔26〕 工程A、工程B、工程Fおよび
工程G:化合物(VI)と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて、化合物(V)またはその塩を得る工程;
を有する化合物(V)またはその塩の製造方法。
〔27〕 化合物(I)が式(Ia)で表される化合物であり、化合物(II)が式(IIa)で表される化合物であり、化合物(VI)が式(VIa)で表される化合物であり、化合物(V)が式(Va)で表される化合物である〔26〕に記載の方法。
〔28〕 Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である〔26〕または〔27〕に記載の方法。
〔29〕 Rがメチル基である〔28〕に記載の方法。
〔30〕 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である〔26〕〜〔29〕のいずれかに記載の方法。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
ハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基において、ハロゲン原子として好ましいのはフッ素原子である。ハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基および2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基が挙げられ、好ましくは2,4−ジフルオロフェニル基および2,5−ジフルオロフェニル基が挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基とは、炭素数が1〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基およびドデシル基が挙げられ、中でも、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
トリメチルオキソスルホニウム塩としては、例えば、塩化トリメチルオキソスルホニウム、臭化トリメチルオキソスルホニウム、ヨウ化トリメチルオキソスルホニウムおよびメチル硫酸トリメチルオキソスルホニウムが挙げられ、入手の容易な点から、臭化トリメチルオキソスルホニウムおよびヨウ化トリメチルオキソスルホニウムが好ましい。
トリメチルスルホニウム塩としては、例えば、塩化トリメチルスルホニウム、臭化トリメチルスルホニウム、ヨウ化トリメチルスルホニウムおよびメチル硫酸トリメチルスルホニウムが挙げられ、入手の容易な点から、臭化トリメチルスルホニウムおよびヨウ化トリメチルスルホニウムが好ましい。
脱離基としては、例えば、−OSO21(R1は、置換されていてもよい炭素数が1〜12のアルキル基または置換されていてもよいフェニル基を示す。)が挙げられ、好ましくは−OSO2CH3が挙げられる。R1の置換されていてもよい炭素数が1〜12のアルキル基における炭素数が1〜12のアルキル基とは、炭素数が1〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を意味する。
1の置換されていてもよい炭素数が1〜12のアルキル基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子が挙げられる。R1における置換されていてもよい炭素数が1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、フルオロメチル基およびトリフルオロメチル基が挙げられ、中でも、メチル基およびトリフルオロメチル基が好ましい。
1の置換されていてもよいフェニル基における置換基としては、例えば、炭素数が1〜12のアルキル基およびハロゲン原子が挙げられ、好ましくはメチル基が挙げられる。R1における置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基および4−ブロモフェニル基が挙げられ、好ましくは4−メチルフェニル基が挙げられる。
本発明における化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)および化合物(VI)において、Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基であり、Rがメチル基であるのが特に好ましい。
本発明における化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)および化合物(VI)は、一以上の不斉炭素原子を有する場合があり、本発明における化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)および化合物(VI)としては、任意の光学活性体およびその混合物(例えば、ラセミ体、エナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物など)を含む。
化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)および化合物(VI)において、それぞれの好ましい立体配置を有する化合物は、式(Ia)、式(IIa)、式(IIIa)、式(IVa)、式(Va)および式(VIa)で表される化合物である。
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(III)、化合物(IV)および化合物(V)は、1,2,4−トリアゾール環を有しており、塩の形態であってもよい。化合物(III)、化合物(IV)および化合物(V)の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸およびリン酸の付加塩が挙げられる。
本発明の製造方法についてまとめると、以下のスキームになる。
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
1.トリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液の製造方法(工程A)
工程Aでは、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る。
反応は、一般にトリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で混合することにより行われる。トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基との混合において、混合順序に特に限定はなく、例えば、溶媒とトリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩との混合物に塩基を添加する方法;および溶媒と塩基との混合物にトリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩を添加する方法により実施できる。
工程Aで用いる塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属水素化物;ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルアルカリ金属;ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド;およびカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられ、好ましくは水素化ナトリウムが挙げられる。
水素化ナトリウムは流動パラフィンなどの鉱油に分散させて滴下してもよい。
工程Aにおける塩基の使用量は、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩1モルに対して、通常0.25モル〜1.1モル、好ましくは0.5モル〜1.0モルの割合である。
工程Aで用いる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒;モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等、流動パラフィンなどの鉱油およびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)とトルエンとの混合溶媒、テトラヒドロフラン(THF)とジメチルスルホキシド(DMSO)との混合溶媒、トルエンとジメチルスルホキシド(DMSO)との混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩1kgに対して、通常0.5L〜50L、好ましくは1L〜30L、さらに好ましくは2L〜25Lの割合である。
工程Aにおける反応は、通常−10℃〜100℃、好ましくは−5℃〜80℃、さらに好ましくは0℃〜60℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜8時間行う。
トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することは、例えば、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させた後、生じた固体を濾過により除去するか、あるいは上澄み部分を分取する方法により行われる。
トリメチルオキソスルホニウムイリドまたはトリメチルスルホニウムイリドの収率を向上させるため、除去後、除去した固体を溶媒により洗浄し、得られた洗浄液と先に得られた濾液とを合わせてもよい。洗浄を行う場合、洗浄に使用する溶媒は、工程Aの反応にて使用された溶媒が好ましい。洗浄に使用する溶媒の量は、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩1kgに対して、通常0.5L〜10Lの割合である。
トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することにより得られたトリメチルオキソスルホニウムイリドまたはトリメチルスルホニウムイリドを含む溶液を工程Bで用いることにより、工程Bの反応において、化合物(II)の構造異性体である式(VII)
Figure 2019031240
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(VII)と記す)の副生を抑えることができる。
2.化合物(II)の製造方法(工程B)
工程Bでは、化合物(I)と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて化合物(II)を得る。
反応は、一般に化合物(I)と工程Aで得られたトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを混合することにより行われる。具体的には、化合物(I)に工程Aで得られたトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を添加する方法;および得られたトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液に化合物(I)を添加する方法が挙げられ、得られたトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液に化合物(I)を添加する方法が好ましい。
化合物(I)は、通常溶媒と混合した溶液として用いられる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、ニトロベンゼン、二硫化炭素、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはトルエンが挙げられる。
また、工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液は、さらに溶媒と混合した溶液として用いてもよい。その溶媒の例は、前記の化合物(I)について記載したものと同じである。
工程Bにおける溶媒の使用量は、化合物(I)1kgに対して、通常0.5L〜50L、好ましくは1L〜30L、さらに好ましくは2L〜25Lの割合である。
工程Bにおけるトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液の使用量は、該溶液が含有するトリメチルオキソスルホニウムイリドまたはトリメチルスルホニウムイリドの量を基準として、化合物(I)1モルに対して、通常0.8モル〜5.0モル、好ましくは1.0モル〜3.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜2.0モルの割合である。
トリメチルオキソスルホニウムイリドまたはトリメチルスルホニウムイリドを含む溶液中のトリメチルオキソスルホニウムイリドまたはトリメチルスルホニウムイリドの濃度は、常法で容易に決定でき、例えばEncyclopedia of Reagents for Organic Synthesis Second Edition,p4336に記載の方法を参考にすることができる。
工程Bにおける反応は、通常−40℃〜120℃、好ましくは−20℃〜60℃、さらに好ましくは−10℃〜40℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜8時間行う。
工程Bで得られる化合物(II)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水と混合し、分液後、有機層を酸性水溶液および/または塩基性水溶液により洗浄し、乾燥、減圧濃縮することによって、化合物(II)を単離することができる。
単離後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィに付して精製することもできる。また化合物(II)は、精製することなしに工程C又は工程Fに供することもできる。
化合物(I)は、US6884892等に記載の方法により製造することができる。
工程Bにおいて、化合物(I)の光学活性体を用いることにより、化合物(II)の光学活性体を得ることができる。例えば、工程Bにおいて式(Ia)で表される化合物を用いることにより、式(IIa)で表される化合物を得ることができる。
3.化合物(III)またはその塩の製造方法(工程C)
工程Cでは、化合物(II)と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて、化合物(III)を得る。
反応は、通常、溶媒中、化合物(II)と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で混合することにより行われる。化合物(II)と1,2,4−トリアゾールとの塩基の存在下での混合において、試薬の混合順序に特に限定はなく、例えば、化合物(II)に、溶媒、塩基および1,2,4−トリアゾールを添加する方法;溶媒、1,2,4−トリアゾールおよび塩基を混合した後、化合物(II)を添加する方法;溶媒および1,2,4−トリアゾールの混合物に塩基を添加して反応させた溶液を、溶媒および化合物(II)の混合物に添加する方法により実施できる。
工程Cで用いる塩基としては、特に限定はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属水素化物;ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルアルカリ金属;ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド;カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミンが挙げられ、好ましくは水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムが挙げられる。水素化ナトリウムは流動パラフィンなどの鉱油に分散させて滴下してもよい。
工程Cにおける1,2,4−トリアゾールの使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常0.8モル〜5.0モル、好ましくは1.0モル〜3.0モル、さらに好ましくは1.1モル〜2.0モルの割合である。
工程Cにおける塩基の使用量は、1,2,4−トリアゾール1モルに対して、通常0.05モル〜1.3モル、好ましくは0.1モル〜1.1モル、さらに好ましくは0.15モル〜1.0モルの割合である。
反応を促進するために、例えば、臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム塩;臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等のトリアルキルベンジルアンモニウム塩等の相間移動触媒を添加してもよい。
工程Cで用いる溶媒としては、反応に不活性なものであればよく、例えば、THF、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;DMF、DMAc、DMSO、スルホラン、NMP、DMI、HMPA、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、メチルエチルケトンが挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(II)1kgに対して、通常1L〜50L、好ましくは1.5L〜30L、さらに好ましくは2L〜20Lの割合である。
工程Cにおける反応は、通常−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、さらに好ましくは20℃〜90℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
工程Cで得られる化合物(III)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水と混合し、分液後、有機層を洗浄、乾燥、減圧濃縮することによって、化合物(III)を単離することができる。単離後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィに付して精製することもできる。
得られた化合物(III)に、酸を添加することにより、化合物(III)の塩を得ることもできる。添加する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸およびリン酸が挙げられる。酸の使用量は、化合物(III)1モルに対して、通常1モル〜5モルの割合である。
また、化合物(III)またはその塩は、精製することなしに工程Dに供することもできる。
工程Cで用いられる化合物(II)は、例えば、工程Bで得られたものを用いることができる。工程Cにおいて、化合物(II)の光学活性体を用いることにより、化合物(III)の光学活性体または化合物(III)の光学活性体の塩を得ることができる。例えば、工程Cにおいて式(IIa)で表される化合物を用いることにより、式(IIIa)で表される化合物を得ることができる。
4.化合物(IV)またはその塩の製造方法(工程D)
工程Dでは、化合物(III)またはその塩の1級または2級水酸基を脱離基に変換し、化合物(IV)を得る。脱離基としては、例えばスルホニルオキシ基(−OSO21)が挙げられ、好ましくは−OSO2CH3が挙げられる。
工程Dは、具体的には、化合物(III)またはその塩の1級または2級水酸基をスルホニルオキシ基(−OSO21)に変換することによって実施することができる。ここで、R1は前記と同義である。
工程Dにおいて、化合物(III)またはその塩の1級または2級水酸基をスルホニルオキシ基に変換する方法としては、例えば、溶媒中、塩基の存在下で化合物(III)またはその塩と式(XI)
YSO21 (XI)
(式中、Yは、塩素原子または臭素原子を示し、R1は前記と同義である。)
で表されるスルホン酸ハライド(以下、スルホン酸ハライド(XI)と記す)または式(XII)
O(SO212 (XII)
(式中、R1は前記と同義である。)
で表されるスルホン酸無水物(以下、スルホン酸無水物(XII)と記す)とを反応させる方法が挙げられる。反応は、通常、溶媒中、塩基の存在下で化合物(III)またはその塩とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)とを混合することにより行われる。塩基の存在下での化合物(III)またはその塩とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)との混合において、試薬の混合順序に特に限定はない。塩基の存在下での化合物(III)またはその塩とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)との混合は、例えば、溶媒中、化合物(III)またはその塩と塩基とを混合した後、スルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)を添加する;溶媒、化合物(III)またはその塩とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)とを混合した後、塩基を添加する、方法により実施できるが、溶媒中、化合物(III)またはその塩と塩基とを混合した後、スルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)を添加する方法が、3級の水酸基がスルホニルオキシ基に変換される副反応を抑制できることから望ましい。
工程Dにおけるスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)の使用量は、化合物(III)またはその塩1モルに対して、通常0.8モル〜5.0モル、好ましくは1.0モル〜3.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜2.0モルの割合である。
工程Dで用いる塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等の脂肪族第3級アミン;ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、コリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;アンバーライトIRA−67、アンバーライトIRA−900等の塩基性イオン交換樹脂が挙げられ、トリエチルアミンまたは炭酸ナトリウムが好ましく、特に、トリエチルアミンが好ましい。
工程Dにおける塩基の使用量は、化合物(III)を用いる場合、スルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)1モルに対して、通常0.8モル〜3.0モル、好ましくは1.0モル〜2.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜1.5モルの割合であり、化合物(III)の塩を用いる場合、スルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)1モルに対して、通常1.8モル〜8.0モル、好ましくは2.0モル〜5.0モル、さらに好ましくは2.0モル〜2.5モルの割合である。
工程Dで用いる溶媒としては、当該反応に不活性なものであればよく、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、トルエン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはトルエンが挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(III)またはその塩1kgに対して、通常0.5L〜50L、好ましくは1L〜30L、さらに好ましくは2L〜25Lの割合である。
工程Dにおける反応は、通常−30℃〜80℃、好ましくは−10℃〜60℃、さらに好ましくは−5℃〜30℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
工程Dで得られる化合物(IV)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水にあけ、分液後、有機層を洗浄、乾燥、減圧濃縮などすることによって、化合物(IV)を単離することができる。単離後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィに付して精製することもできる。
工程Dで得られる化合物(IV)に、酸を添加することにより、化合物(IV)の塩を得ることもできる。添加する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸およびリン酸が挙げられる。酸の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常1モル〜5モルの割合である。
また、化合物(IV)またはその塩は、精製することなしに工程Eに供することもできる。
工程Dで用いられる化合物(III)またはその塩は、例えば、工程Cで得られたものを用いることができる。工程Dにおいて、化合物(III)の光学活性体またはその塩を用いることにより、化合物(IV)の光学活性体またはその塩を得ることができる。例えば、工程Dにおいて式(IIIa)で表される化合物を用いることにより、式(IVa)で表される化合物を得ることができる。
5.化合物(V)またはその塩の製造方法(工程E)
工程Eでは、化合物(IV)またはその塩と塩基とを反応させて、化合物(V)を得る。
反応は、通常、溶媒中、化合物(IV)またはその塩と塩基とを混合することにより実施できる。化合物(IV)またはその塩と塩基との混合において、試薬の添加順序に特に限定はない。化合物(IV)またはその塩と塩基との混合は、例えば、溶媒と塩基との混合物に化合物(IV)またはその塩を添加する;溶媒と化合物(IV)またはその塩との混合物に塩基を添加する、方法により実施できる。溶媒と塩基との混合物を、溶媒と化合物(IV)またはその塩との混合物に加えてもよい。
工程Eで用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属水素化物;ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルアルカリ金属;ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド;カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;およびトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等の脂肪族第3級アミンが挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムおよびトリエチルアミンが挙げられる。水酸化ナトリウムは水に溶解させて使用してもよい。
工程Eにおける塩基の使用量は、化合物(IV)を用いる場合、化合物(IV)1モルに対して、通常0.8モル〜15モル、好ましくは1.5モル〜10モル、さらに好ましくは2モル〜5モルの割合であり、化合物(IV)の塩を用いる場合、化合物(IV)の塩1モルに対して、通常1.8モル〜20モル、好ましくは2.5モル〜13モル、さらに好ましくは3モル〜6モルの割合である。
反応を促進するために、臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム塩;臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等のトリアルキルベンジルアンモニウム塩等の相間移動触媒を添加してもよい。
工程Eで用いる溶媒としては、当該反応に不活性なものであればよく、例えば、THF、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;DMF、DMAc、DMSO、スルホラン、NMP、DMI、HMPA、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、およびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(IV)またはその塩1kgに対して、通常0.5L〜50L、好ましくは0.75L〜30L、さらに好ましくは1L〜25Lの割合である。
工程Eにおける反応は、通常−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、さらに好ましくは10℃〜70℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
工程Eで得られる化合物(V)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水と混合し、分液後、有機層を洗浄、乾燥、減圧濃縮することによって、化合物(V)を単離することができる。単離後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィや再結晶に付して精製することもできる。
工程Eで得られる化合物(V)に、酸を添加することにより、化合物(V)の塩を得ることもできる。添加する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸およびリン酸が挙げられる。酸の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常1モル〜5モルの割合である。
また、化合物(V)またはその塩は、精製することなしに、目的とする抗真菌剤へと誘導する反応等に供することもできる。
工程Eで用いられる化合物(IV)またはその塩は、例えば、工程Dで得られたものを用いることができる。工程Eにおいて、化合物(IV)の光学活性体またはその塩を用いることにより、化合物(V)の光学活性体またはその塩を得ることができる。例えば、工程Eにおいて式(IVa)で表される化合物を用いることにより、式(Va)で表される化合物を得ることができる。
6.化合物(VI)の製造方法(工程F)
工程Fでは、化合物(II)の水酸基を脱離基に変換し、化合物(VI)を得る。脱離基としては、例えばスルホニルオキシ基(−OSO21)が挙げられ、好ましくは−OSO2CH3が挙げられる。
工程Fは、具体的には、化合物(II)の水酸基をスルホニルオキシ基(−OSO21)に変換することによって実施することができる。ここで、R1は前記と同義である。
工程Fにおいて、化合物(II)の水酸基をスルホニルオキシ基に変換する方法としては、例えば、溶媒中、塩基の存在下で化合物(II)をスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)とを反応させる方法が挙げられる。反応は、通常、溶媒中、塩基の存在下で化合物(II)とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)とを混合することにより行われる。塩基の存在下での化合物(II)とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)との混合において、試薬の添加順序に特に限定はない。塩基の存在下での化合物(II)とスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)との混合は、例えば、溶媒中、化合物(II)および塩基を混合した後、スルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)を添加する方法;溶媒、化合物(II)およびスルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)を混合した後、塩基を添加する方法により実施できる。
工程Fにおけるスルホン酸ハライド等の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常0.8モル〜3.0モル、好ましくは1.0モル〜2.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜1.5モルの割合である。
工程Fで用いる塩基としては、例えば、脂肪族第3級アミン、芳香族アミン、アルカリ金属炭酸塩、塩基性イオン交換樹脂が挙げられ、トリエチルアミンまたは炭酸ナトリウムが好ましく、特に、トリエチルアミンが好ましい。
工程Fにおける塩基の使用量は、スルホン酸ハライド(XI)またはスルホン酸無水物(XII)1モルに対して、通常0.8モル〜3.0モル、好ましくは1.0モル〜2.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜1.5モルの割合である。
工程Fで用いる溶媒としては、当該反応に不活性なものであればよく、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、トルエン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはトルエンが挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(II)1kgに対して、通常1L〜50L、好ましくは4L〜30L、さらに好ましくは5L〜25Lの割合である。
工程Fにおける反応は、通常−30℃〜80℃、好ましくは−10℃〜60℃、さらに好ましくは−5℃〜30℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
工程Fで得られる化合物(VI)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水と混合し、分液後、有機層を洗浄、乾燥、減圧濃縮することによって、化合物(VI)を単離することができる。単離後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィに付して精製することもできる。また、化合物(VI)は、精製することなしに工程Gに供することもできる。
工程Fで用いられる化合物(II)は、例えば、工程Bで得られたものを用いることができる。工程Fにおいて、化合物(II)の光学活性体を用いることにより、化合物(VI)の光学活性体を得ることができる。例えば、工程Fにおいて式(IIa)で表される化合物を用いることにより、式(VIa)で表される化合物を得ることができる。
7.化合物(V)またはその塩の製造方法(工程G)
工程Gでは、化合物(VI)と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて、化合物(V)を得る。
反応は、通常、溶媒中、化合物(VI)と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で混合することにより行われる。化合物(VI)と1,2,4−トリアゾールとの塩基の存在下での混合において、試薬の添加順序に特に限定はない。化合物(VI)と1,2,4−トリアゾールとの塩基の存在下での混合は、例えば、溶媒、1,2,4−トリアゾールおよび塩基を混合した後、化合物(VI)を添加する方法;溶媒および1,2,4−トリアゾールの混合物に塩基を添加して反応させた溶液を、溶媒および化合物(VI)の混合物に添加する方法により実施できる。
工程Gにおける1,2,4−トリアゾールの使用量は、化合物(VI)1モルに対して、通常0.8モル〜5.0モル、好ましくは1.0モル〜3.0モル、さらに好ましくは1.1モル〜2.0モルの割合である。
工程Gで用いる塩基としては、特に限定はなく、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水素化物、アルキルアルカリ金属、アルカリ金属アミドおよびアルカリ金属アルコキシドが挙げられ、好ましくは水素化ナトリウム、炭酸カリウムおよびナトリウムメトキシドが挙げられる。水素化ナトリウムは流動パラフィンなどの鉱油に分散させて滴下してもよい。
工程Gにおける塩基の使用量は、1,2,4−トリアゾール1モルに対して、通常0.3モル〜1.3モル、好ましくは0.5モル〜1.1モル、さらに好ましくは0.8モル〜1.0モルの割合である。
反応を促進するために、臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム塩;臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等のトリアルキルベンジルアンモニウム塩等の相間移動触媒を添加してもよい。
工程Gで用いる溶媒としては、当該反応に不活性なものであればよく、例えば、THF、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;DMF、DMAc、DMSO、スルホラン、NMP、DMI、HMPA、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、ニトロべンゼン、二硫化炭素、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロべンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはDMFが挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(VI)1kgに対して、通常0.5L〜50L、好ましくは0.75L〜30L、さらに好ましくは1L〜25Lの割合である。
工程Gにおける反応は、通常−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、さらに好ましくは20℃〜90℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
工程Gで得られる化合物(V)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水と混合し、分液後、有機層を洗浄、乾燥、減圧濃縮することによって、化合物(V)を単離することができる。単離後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィや再結晶に付して精製することもできる。
工程Gで得られる化合物(V)に酸を添加することにより、化合物(V)の塩を得ることもできる。添加する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸およびリン酸が挙げられる。酸の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常1モル〜5モルの割合である。
また、化合物(V)またはその塩は、精製することなしに、目的とする抗真菌剤へと誘導する反応等に供することもできる。
工程Gで用いられる化合物(VI)は、例えば、工程Fで得られたものを用いることができる。工程Gにおいて、化合物(VI)の光学活性体を用いることにより、化合物(V)の光学活性体またはその塩を得ることができる。例えば、工程Gにおいて式(VIa)で表される化合物を用いることにより、式(Va)で表される化合物を得ることができる。
化合物(V)は、公知の方法に従って、抗真菌剤として有用なトリアゾール化合物に誘導することができる。その際、例えば特開平4−356471号公報、US−5177094等を参考にすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
以下の実施例において、得られた化合物(II)は、下記の条件に従って分析を行い、絶対検量線法でその含有量を求めた。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析条件>
カラム:YMC−Pack ODS−A,4.6mmφ×100mm,S−3μm,12nm
移動相:A液 蒸留水またはイオン交換水
B液 アセトニトリル/2−プロパノール=95/5 (v/v)
グラジエント条件:
[表1]
Figure 2019031240
流速:1.5mL/min
カラム温度:35℃
検出波長:254nm
試料希釈液:アセトニトリル/2−プロパノール=1/1 (v/v)
注入量:15μL
保持時間:
[表2]
Figure 2019031240
<実施例1>
工程A
トリメチルオキソスルホニウムブロミド124.46g、THF304.44gおよび流動パラフィン54.79gを混合し、約50℃に昇温した後、水素化ナトリウム24.76g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を少しずつ添加し、水素の発泡がおさまるまで保温・撹拌した。得られたスラリーから固形物を濾別し、濾過物をTHF194.84gで洗浄して、トリメチルオキソスルホニウムイリドのTHF溶液568.26gを得た。
工程B
工程Aで得られたトリメチルオキソスルホニウムイリドのTHF溶液527.65gとトルエン259.94gとを混合し、0℃へ冷却した。得られた混合物に(R)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−プロパノン128.29g(0.537mol、含量:78.0%)とトルエン69.52gとの混合物を5時間かけて滴下し、さらにトルエン17.40gで器具付着分を洗い込んだ。HPLC分析を行ったところ、得られた反応混合物中の(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は94.52g(0.472mol、収率:87.9%)であった。また、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は5.05:94.95であった。得られた混合物に、クエン酸一水和物22.58gを水200.00gに溶解して調製した混合物とトルエン43.30gとを別々に0℃で滴下し、25℃まで昇温し、撹拌した後、分液した。次いで、炭酸水素ナトリウム2.26gを水100.00gに溶解して調製した弱アルカリ水溶液および水100.00gによる有機層の洗浄を行い、(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのTHF−トルエン溶液942.69gを得た。HPLC分析を行ったところ、この溶液中の(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は91.75g(0.458mol、収率:85.3%)であった。また、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は5.33:94.67であった。
<実施例2>
工程A
トリメチルオキソスルホニウムブロミド124.46g、THF304.44gおよび流動パラフィン54.79gを混合し、約50℃に昇温した後、水素化ナトリウム24.76g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を少しずつ添加し、水素の発泡がおさまるまで保温・撹拌した。得られたスラリーから固形物を濾別し、濾過物をTHF194.84gで洗浄して、トリメチルオキソスルホニウムイリドのTHF溶液559.86gを得た。
工程B
工程Aで得られたトリメチルオキソスルホニウムイリドのTHF溶液89.69gとトルエン48.71gとを混合し、0℃へ冷却した。得られた混合物に(R)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−プロパノン21.87g(0.0940mol、含量:80.0%)とトルエン12.12gとの混合物を5時間かけて滴下し、さらにトルエン3.03gで器具付着分を洗い込んだ。HPLC分析を行ったところ、得られた反応混合物中の(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は15.59g(0.0779mol、収率:82.8%)であった。また、構造異性体である1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は1.92:98.08であった。得られた混合物に、クエン酸一水和物8.30gを水153.13gに溶解して調製した混合物とトルエン7.58gとを別々に0℃で滴下し、25℃まで昇温し、撹拌した後、分液した。得られた水層をさらにトルエン62.14gで抽出し、得られた有機層を合わせた。次いで、炭酸水素ナトリウム0.39gを水71.75gに溶解して調製した弱アルカリ水溶液による有機層の洗浄を行い、さらに水71.75gによる有機層の洗浄を2回行い、(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのTHF−トルエン溶液228.75gを得た。HPLC分析を行ったところ、この溶液中の(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は15.26g(0.0762mol、収率:81.1%)であった。また、構造異性体である1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は1.32:98.68であった。
<実施例3>
工程A
トリメチルオキソスルホニウムヨージド27.19g、トルエン30.00g、DMSO30.00gおよび流動パラフィン9.20gを混合し、5℃に冷却した後、水素化ナトリウム4.27g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を少しずつ添加し、水素の発泡がおさまるまで保温・撹拌した。得られたスラリーにトルエン30.00gを滴下し、保温した後、固形物を濾別し、濾過物をトルエン20.00gで洗浄して、トリメチルオキソスルホニウムイリドのトルエン−DMSO溶液84.25gを得た。
工程B
工程Aで得られたトリメチルオキソスルホニウムイリドのトルエン−DMSO溶液37.16gとDMSO5.00gとを混合し、0℃へ冷却した。得られた混合物に(R)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−プロパノン6.01g(0.0269mol、含量:82.3%)、トルエン2.00gおよびDMSO4.50gの混合物を約16時間かけて滴下し、さらに器具付着分をトルエン0.50gとDMSO0.50gとの混合液で洗い込んだ。HPLC分析を行ったところ、得られた反応混合物中の(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は4.04g(0.0202mol、収率:75.2%)であった。また、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は4.39:95.61であった。得られた混合物に、クエン酸一水和物1.13gを水22.50gに溶解して調製した混合物を滴下し、25℃まで昇温し、撹拌した後、分液した。得られた水層をさらにトルエン10.00g、次いでトルエン5.00gで抽出し、得られた有機層を合わせた。次いで、炭酸水素ナトリウム0.11gを水15.00gに溶解して調製した弱アルカリ水溶液および水15.00gによる有機層の洗浄を行い、(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのトルエン溶液52.74gを得た。HPLC分析を行ったところ、この溶液中の(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は3.78g(0.0189mol、収率:70.3%)であった。また、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は4.34:95.66であった。
<実施例4>
工程A
トリメチルオキソスルホニウムクロリド2.43g、THF8.00gおよび水素化ナトリウム0.65g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を混合し、約50℃に昇温した後、水素の発泡がおさまるまで保温・撹拌した。得られたスラリーから固形物を濾別し、濾過物をTHF5.12gで洗浄して、トリメチルオキソスルホニウムイリドのTHF溶液12.35gを得た。
工程B
工程Aで得られたトリメチルオキソスルホニウムイリドのTHF溶液4.23gとトルエン2.60gとを混合し、0℃へ冷却した。得られた混合物に(R)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−プロパノン1.20g(0.00537mol、含量:83.2%)とトルエン0.69gとの混合物を5時間かけて滴下し、さらにトルエン0.17gで器具付着分を洗い込んだ。HPLC分析を行ったところ、得られた反応混合物中の(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は0.959g(0.00479mol、収率:89.2%)であった。また、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は2.95:97.05であった。得られた混合物に、クエン酸一水和物0.23gを水4.00gに溶解して調製した混合物とトルエン4.00gとを別々に0℃で滴下し、25℃まで昇温し、撹拌した後、分液した。次いで、炭酸水素ナトリウム0.02gを水2.00gに溶解して調製した弱アルカリ水溶液による有機層の洗浄、さらに水2.00gによる有機層の洗浄を行い、(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのTHF−トルエン溶液10.91gを得た。HPLC分析を行ったところ、この溶液中の(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノール重量は0.888g(0.00444mol、収率:82.6%)であった。また、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は3.00:97.00であった。
<参考例1>
参考までに、固体を除去する操作を含まない場合の実験を以下の方法で行った。
DMSO40.59gとTHF13.82gとの混合物にトリメチルオキソスルホニウムヨージド9.50gおよび流動パラフィン2.76gを添加し、8℃まで冷却した後、水素化ナトリウム1.37g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を少しずつ添加した。水素の発生が止まった後、この混合物を3℃まで冷却し、(R)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−プロパノン6.00g(0.0322mol、含量:83.1%)とDMSO17.09gとの混合物を3℃でゆっくりと滴下した。HPLC分析を行ったところ、構造異性体である1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−メチル−2−オキシラニル)メタノールと(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールの比は11.75:88.25であった。
<実施例5>
(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのTHF−トルエン溶液513.72g(0.250mol、含量:9.7%)を減圧下で濃縮し、油状物124.19gを得た。得られた油状物に、メチルエチルケトン150.00g、炭酸カリウム10.36gおよび1,2,4−トリアゾール25.88gを加え、65℃で8時間保温した。室温まで冷却し、水50.00gを加えて撹拌した後、静置した。有機層を分取し、20%並塩水75.00gとトルエン75.00gとを加えて撹拌し、分液した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、である(2R,3R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2,3−ブタンジオールを含む油状物を得た。
<実施例6>
(2R,3R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2,3−ブタンジオールを含む油状物156.42g、THF134.20gおよびトルエン134.50gの混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン35.38gを加えた後、メタンスルホニルクロリド40.05gを−5〜5℃でゆっくりと滴下し、1時間保温した。室温まで昇温し、10%並塩水201.76gを加えて撹拌した後、分液した。有機層を分離し、水酸化ナトリウム29.97gを水201.76gに溶解した水溶液を滴下し、撹拌した後、分液した。得られた有機層に、35%塩酸3.25gと水23.54gとの混合物を滴下し、撹拌した後、分液した。得られた有機層を、炭酸水素ナトリウム1.47gを水23.54gに溶解した弱アルカリ水溶液で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた油状物、2−プロパノール50.38gおよびヘプタン36.32gを混合し、50℃付近まで昇温した後、冷却し、結晶を析出させた後、
得られた混合物を0℃まで冷却し、保温した。生じた結晶を濾過し、取得した結晶を2−プロパノール11.65gとヘプタン36.80gとの混合液および、ヘプタン46.00gで洗浄し、乾燥することにより、(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシラン39.29gを得た。
<実施例7>
(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのTHF−トルエン溶液228.75g(0.0762mol、含量:6.7%)を減圧下で濃縮し、油状物33.64gを得た。得られた油状物に、メチルエチルケトン45.78g、炭酸カリウム3.16gおよび1,2,4−トリアゾール7.90gを加え、65℃で8時間保温した。室温まで冷却し、水22.89gを加えて撹拌した後、静置した。有機層を分取し、20%並塩水22.89gとトルエン22.89gとを加えて撹拌した後、分液して、有機層88.74gを得た。得られた有機層のうち43.63gを減圧下で濃縮した後、トルエン22.50gおよびTHF11.25gを加え、析出した固体を濾過した。濾物をトルエン7.50gとTHF3.75gとの混合液で洗浄した。濾液と洗浄液とを合一した後、減圧下で濃縮して(2R,3R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2,3−ブタンジオールを含む油状物を得た。
<実施例8>
(2R,3R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2,3−ブタンジオールを含む油状物16.17g、THF20.18gおよびトルエン20.18gの混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン4.17gを加えた後、メタンスルホニルクロリド4.29gを0〜3℃でゆっくりと滴下した。2時間保温した後、さらにトリエチルアミン0.42gおよびメタンスルホニルクロリド0.43gを加え、1時間保温した。室温まで昇温し、10%並塩水20.18gを加えて撹拌した後、分液した。有機層を分離し、水酸化ナトリウム3.00gを水20.18gに溶解した水溶液を滴下し、撹拌した後、分液した。得られた有機層に、20%並塩水20.18gを加え、撹拌した後、分液した。得られた有機層を、35%塩酸0.24gを水3.53gで希釈した酸性水溶液で2回洗浄した。得られた有機層を、炭酸水素ナトリウム0.33gを水7.06gに溶解した弱アルカリ水溶液で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた油状物とトルエン30.26gを混合し、35%塩酸0.24gを水3.53gで希釈した酸性水溶液で洗浄した。得られた有機層を、35%塩酸0.12gを水3.53gで希釈した酸性水溶液で洗浄した。得られた有機層を、炭酸水素ナトリウム0.22gを水7.06gに溶解した弱アルカリ水溶液で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた油状物、トルエン10.09gおよびMTBE10.09gを混合し、40℃付近まで昇温した後、冷却し、結晶を析出させた後、ヘプタン10.09gを滴下し、得られた混合物を0℃付近まで冷却し、2時間保温した後、結晶を濾過した。取得した結晶をMTBE5.05gとヘプタン10.09gとの混合液およびヘプタン15.14gで洗浄し、乾燥することにより、(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシラン5.94gを得た。
<実施例9>
(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのトルエン溶液69.85g(0.0600mol、含量:17.2%)とトリエチルアミン6.68gとを混合し、得られた混合物を0℃に冷却した。得られた混合物を0〜10℃に保持しながら、メタンスルホニルクロリド7.22gを滴下した。さらにトリエチルアミン0.61gとメタンスルホニルクロリド0.69gとをそれぞれ2回(16時間後、さらに2.5時間後)添加した。1時間保温した後、水33.60gを加え、攪拌した後、分液した。得られた有機層を、水33.60g、次いで、10%食塩水33.60gで洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、得られた油状物にDMF11.34gを加えて、(R)−1−[(R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキシラニル]エチル メタンスルホン酸エステルのDMF溶液を得た。
<実施例10>
1,2,4−トリアゾール4.91g、DMF14.18gおよび流動パラフィン4.80gを混合し、0〜5℃へ冷却した後、水素化ナトリウム2.59g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を、0〜5℃に保持しながら少しずつ加え、水素の発泡がおさまるまで保温および撹拌した。得られた混合物を40℃付近へ昇温し、その後、室温へ冷却することにより、1,2,4−トリアゾールナトリウム塩スラリーを調製した。次に、調製した1,2,4−トリアゾールナトリウム塩スラリーを、45〜50℃に保温した実施例9に記載の(R)−1−[(R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキシラニル]エチル メタンスルホン酸エステルのDMF溶液31.24gに対して滴下し、器具付着分をDMF2.13gで洗い込んだ。得られた混合物を40〜45℃で14時間保温した後、室温まで冷却し、得られた反応混合物を、食塩1.05g、水15.00gおよびトルエン23.38gの混合液に対して滴下した後、器具付着分を水6.00gおよびトルエン5.20gで洗い込んだ。得られた混合物を分液し、水層をトルエン18.19gおよび9.09gを用いて順次抽出した。得られた有機層を合一し、水酸化ナトリウム0.086gを水10.50gに溶解した強アルカリ水で洗浄した。次いで、35%塩酸0.35gを水5.25gで希釈した酸性水溶液で2回洗浄した。さらに炭酸水素ナトリウム0.32gを水10.50gに溶解した弱アルカリ水溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧下で濃縮した。得られた油状物にトルエン22.47gおよびヘプタン7.90gを加え、50℃付近まで昇温した後、冷却し、結晶を析出させた後、得られた混合物を5℃付近まで冷却し、保温した後、結晶を濾過し、取得した結晶をトルエン2.60gとヘプタン8.21gとの混合液およびヘプタン10.26gで洗浄し、乾燥することにより、(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシラン7.01gを得た。
<実施例11>
(2R,3R)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールのトルエン溶液68.42g(0.0500mol、含量:14.6%)とトリエチルアミン6.18gとを混合し、得られた混合物を0℃に冷却した。得られた混合物を0〜10℃に保持しながら、メタンスルホニルクロリド6.36gを滴下し、2時間保温した。水31.11gを反応混合物に添加し、攪拌した後、分液した。得られた有機層を、水33.60g、次いで、水28.00gで洗浄した。得られた有機層に、硫酸マグネシウム1.20gを加えて撹拌した後、濾過し、トルエンで濾物を洗浄した。得られた濾液および洗浄液にDMF14.55gを加えて減圧下で濃縮することにより、(R)−1−[(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−オキシラニル]エチル メタンスルホン酸エステルのDMF溶液を得た。
<実施例12>
1,2,4−トリアゾール6.42g、DMF13.14gおよび流動パラフィン6.20gを混合し、0〜5℃へ冷却した後、水素化ナトリウム3.38g(約60%ミネラルオイルディスパージョン)を、0〜5℃に保持しながら少しずつ加え、水素の発泡がおさまるまで保温および撹拌した。得られた混合物を室温へ昇温し、1,2,4−トリアゾールナトリウム塩スラリーを調製した。次に、調製した1,2,4−トリアゾールナトリウム塩スラリーを、50℃付近に保温した実施例11に記載の(R)−1−[(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−オキシラニル]エチル メタンスルホン酸エステルのDMF溶液38.07gに対して滴下し、器具付着分をDMF5.91gで洗い込んだ。得られた混合物を50℃付近で4時間保温した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応混合物を、並塩0.97g、水13.90gおよびトルエン21.67gの混合液に対して滴下した後、器具付着分を水5.56gおよびトルエン4.82gで洗い込んだ。得られた混合物を分液し、水層をトルエン16.85gおよび8.43gを用いて順次抽出した。得られた有機層を合一し、35%塩酸0.32gを水4.87gで希釈した酸性水溶液で2回洗浄した。次いで、炭酸水素ナトリウム0.29gを水9.73gに溶解した弱アルカリ水溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧下で濃縮した。得られた油状物にトルエン22.39gを加え、55℃付近まで昇温した後、ヘプタン9.89gを加えた。得られた混合物を28℃付近まで冷却し、結晶を析出させた後、得られた混合物を10℃付近まで冷却し、保温した後、結晶を濾過し、取得した結晶をトルエン8.55gとヘプタン12.27gとの混合液およびヘプタン19.02gで洗浄し、乾燥することにより、(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシラン5.75gを得た。
本発明により、抗真菌剤の製造に有用なエポキシアルコール化合物及びエポキシトリアゾール化合物を望まない構造異性体の副生を抑制して高収率で製造することができる。

Claims (30)

  1. 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;および
    工程B:式(I)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;
    を有する式(II)で表される化合物の製造方法。
  2. 式(I)で表される化合物が式(Ia)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物であり、式(II)で表される化合物が式(IIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物である請求項1に記載の方法。
  3. Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である請求項1または2に記載の方法。
  4. Rがメチル基である請求項3に記載の方法。
  5. 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である請求項4に記載の方法。
  6. 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;
    工程B:式(I)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;および
    工程C:式(II)で表される化合物と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて式(III)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;
    を有する式(III)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  7. 式(I)で表される化合物が式(Ia)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物であり、式(II)で表される化合物が式(IIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(III)で表される化合物が式(IIIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物である請求項6に記載の方法。
  8. Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である請求項6または7に記載の方法。
  9. Rがメチル基である請求項8に記載の方法。
  10. 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である請求項9に記載の方法。
  11. 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;
    工程B:式(I)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;
    工程C:式(II)で表される化合物と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて式(III)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;および
    工程D:式(III)で表される化合物またはその塩の1級または2級水酸基を脱離基に変換し、式(IV)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;
    を有する式(IV)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  12. 式(I)で表される化合物が式(Ia)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物であり、式(II)で表される化合物が式(IIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(III)で表される化合物が式(IIIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(IV)で表される化合物が式(IVa)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物である請求項11に記載の方法。
  13. Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である請求項11または12に記載の方法。
  14. Rがメチル基である請求項13に記載の方法。
  15. 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である請求項14に記載の方法。
  16. 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;
    工程B:式(I)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;
    工程C:式(II)で表される化合物と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて式(III)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;
    工程D:式(III)で表される化合物またはその塩の1級または2級水酸基を脱離基に変換し、式(IV)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;および
    工程E:式(IV)で表される化合物またはその塩と塩基とを反応させて、式(V)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;
    を有する式(V)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  17. 式(I)で表される化合物が式(Ia)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物であり、式(II)で表される化合物が式(IIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(III)で表される化合物が式(IIIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(IV)で表される化合物が式(IVa)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(V)で表される化合物が式(Va)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物である請求項16に記載の方法。
  18. Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である請求項16または17に記載の方法。
  19. Rがメチル基である請求項18に記載の方法。
  20. 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である請求項19に記載の方法。
  21. 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;
    工程B:式(I)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;および
    工程F:式(II)で表される化合物の水酸基を脱離基に変換し、式(VI)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;
    を有する式(VI)で表される化合物の製造方法。
  22. 式(I)で表される化合物が式(Ia)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物であり、式(II)で表される化合物が式(IIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(VI)で表される化合物が式(VIa)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物である請求項21に記載の方法。
  23. Arが2,4−ジフルオロフェニル基および2,5−ジフルオロフェニル基からなる群から選ばれる基である請求項21または22に記載の方法。
  24. Rがメチル基である請求項23に記載の方法。
  25. 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である請求項24に記載の方法。
  26. 工程A:トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを溶媒中で反応させ、生じた固体を除去することによりトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液を得る工程;
    工程B:式(I)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物と工程Aで得たトリメチルオキソスルホニウムイリド溶液またはトリメチルスルホニウムイリド溶液とを反応させて式(II)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;および
    工程F:式(II)で表される化合物の水酸基を脱離基に変換し、式(VI)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物を得る工程;および
    工程G:式(VI)で表される化合物と1,2,4−トリアゾールとを塩基の存在下で反応させて、式(V)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物またはその塩を得る工程;
    を有する式(V)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  27. 式(I)で表される化合物が式(Ia)
    Figure 2019031240
    (式中、Arはハロゲン原子およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜3の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    で表される化合物であり、式(II)で表される化合物が式(IIa)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(VI)で表される化合物が式(VIa)
    Figure 2019031240
    (式中、Xは脱離基を表し、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物であり、式(V)で表される化合物が式(Va)
    Figure 2019031240
    (式中、ArおよびRは前記と同義である。)
    で表される化合物である請求項26に記載の方法。
  28. Arが2,4−ジフルオロフェニル基または2,5−ジフルオロフェニル基である請求項26または27に記載の方法。
  29. Rがメチル基である請求項28に記載の方法。
  30. 工程Aにおいて、トリメチルオキソスルホニウム塩またはトリメチルスルホニウム塩と塩基とを反応させる溶媒が、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トルエンまたはそれらの混合溶媒である請求項29に記載の方法。
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