JPWO2019021483A1 - 吸音部材、車両用部品及び自動車 - Google Patents

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Abstract

導入通路と上記導入通路を介して外部と接続される中空部からなるヘルムホルツ共鳴構造を有する吸音部材であって、上記吸音部材は、第1層と、上記第1層に積層された第2層を含み、上記第1層は、第1主面及び上記第1主面と反対側の第2主面とを有し、上記第2層は、上記第2主面と対面する第3主面及び上記第3主面と反対側の第4主面を有し、上記第1層は、上記第1主面から上記第2主面を貫通し、上記導入通路を形成する第1貫通孔を有し、上記第2主面は、上記第1貫通孔の端部である第2主面開口部と、それ以外の第2主面平坦部とからなり、上記第3主面は、上記中空部の端部である第3主面開口部と、それ以外の第3主面平坦部とからなり、上記第2主面開口部の開口面積は、上記第3主面開口部の開口面積よりも小さく、上記第2主面平坦部と、上記第3主面平坦部との間の少なくとも一部には、第1空気層が形成されていることを特徴とする吸音部材。

Description

本発明は、吸音部材、車両用部品及び自動車に関する。
自動車等の車両は、エンジンなどの動力源を有し、人の操作によって移動できる機械であり、様々な振動や騒音を発生させる。車両内に伝達される音としては、動力源が発する音だけではなく、車両が走行する際に発生するロードノイズ、タイヤパターンノイズ、風切音等の、車両の外で発生する音も含まれる。これらの音が車両内に伝達されてしまうと、人に対して不快感を与えてしまうため、エンジン、エンジンルーム内、内装、ボディ、排気管周辺等において、遮音材・吸音部材を用いて防音対策が行われている。
また、自動車の技術改良に伴い、自動車に対する新たな防音対策の必要が生じている。例えば、自動車の燃費向上の方策の一つとして、自動車の重心及び最低地上高を下げることが検討されている。自動車の重心を下げることで車両の安定感及び操作性が向上し、最低地上高を下げることで空気抵抗を低減することができる。しかしながら、自動車の最低地上高が低くなることで、走行時に車両と路面との間を流れる空気の粘性が高まる。そうすると、タイヤパターンノイズ(500〜3000Hzの周波数領域であり、単にパターンノイズともいう)等の走行時に路面から発生する騒音が車体下の周囲に反射・拡散しにくく、車両内に侵入する音の度合いが高くなると推定される。同様の問題は電気自動車でも起こりうる。
従って、自動車の燃費向上のために自動車の重心及び最低地上高を下げた場合、従来は自動車外に拡散していた騒音が、自動車に乗車している人に伝達されてしまうことが想定される。特に、車両後部、かつ、収容スペースが配置されているラゲッジルーム下部(床下空間)の底部からこれらの騒音が侵入しやすいと考えられる。これらの騒音には人が不快に感じる500〜2000Hzの周波数領域の騒音も含まれるため、その対策が求められている。
特許文献1には、発泡成形により成形された柔軟な多孔質発泡体に、一方の面に開口する導入通路と、該導入通路の奥に形成され該導入通路よりも大きな断面積を持つ中空部とからなる多数の共鳴室を有する吸音部材が開示されている。
特許文献2には、表面又は裏面に開口部を有する複数個の独立した盲空洞を有する樹脂成形体と吸音部材を備え、特定の100Hz〜10kHz共鳴吸音ピーク周波数を有する吸・遮音構造体が開示されている。
特開平08−260589号公報 特開2001−249666号公報
ここで、特許文献1に記載された吸音部材や特許文献2に記載された樹脂成形体には、ヘルムホルツ共鳴構造と呼ばれる孔が形成されている。
ヘルムホルツ共鳴構造は、表面に開口する導入通路と、導入通路を介して外部と接続される中空部からなる。
ヘルムホルツ共鳴構造の導入通路に音が到達すると、導入通路の空気は、音に押され中空部に入ろうとする。
この際、空気は弾性体なので中空部の空気は、導入通路の空気を外に押し出そうとする。すなわち、中空部の空気はバネとして機能することになる。
この場合、導入通路の空気の動きは、単振動の動きとして表すことができ、この周波数において、導入通路に到達した音は共鳴し打ち消されることになる。すなわち、吸音されることになる。
このように、ヘルムホルツ共鳴構造は、所定の周波数の音を吸収することができるが、その吸音周波数は、中空部の体積、並びに、導入通路の長さ及び開口面積に依存する。
そのため、中空部の体積、並びに、導入通路の長さ及び開口面積を調節することにより吸音周波数を調節することができる。
その一方で、吸音部材の吸音率の向上も望まれていた。
特に、吸音部材を車両に用いる場合には、収容スペースが限られているので、従来の大きさと同等又はそれ以下の大きさであり、かつ、吸音率が高い吸音部材の開発が求められていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされた発明であり、本発明は、吸音率が充分に高い吸音部材を提供することを目的とする。
本発明の吸音部材は、導入通路と上記導入通路を介して外部と接続される中空部からなるヘルムホルツ共鳴構造を有する吸音部材であって、
上記吸音部材は、第1層と、上記第1層に積層された第2層を含み、
上記第1層は、第1主面及び上記第1主面と反対側の第2主面とを有し、
上記第2層は、上記第2主面と対面する第3主面及び上記第3主面と反対側の第4主面を有し、
上記第1層は、上記第1主面から上記第2主面を貫通し、上記導入通路を形成する第1貫通孔を有し、
上記第2主面は、上記第1貫通孔の端部である第2主面開口部と、それ以外の第2主面平坦部とからなり、
上記第3主面は、上記中空部の端部である第3主面開口部と、それ以外の第3主面平坦部とからなり、
上記第2主面開口部の開口面積は、上記第3主面開口部の開口面積よりも小さく、
上記第2主面平坦部と、上記第3主面平坦部との間の少なくとも一部には、第1空気層が形成されていることを特徴とする。
本発明の吸音部材は、導入通路を形成する第1層と、中空部を形成する第2層とが積層された吸音部材でありヘルムホルツ共鳴構造を有する。そのため、所定の周波数の音を効率よく吸収することができる。
さらに、本発明の吸音部材では、第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間の少なくとも一部には、第1空気層が形成されている。吸音部材がこのような構造であると、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材では、上記第2主面平坦部と上記第3主面平坦部とは、一部が接触していてもよい。
第2主面平坦部と第3主面平坦部との一部が接触していたとしても、第2主面平坦部と第3主面平坦部との間の一部に、第1空気層が形成されていれば吸音率が向上する。
また、上記第2主面平坦部と上記第3主面平坦部は、その少なくとも一方に湾曲又はうねりがあり、上記第2主面平坦部と上記第3主面平坦部とは、一部が接触していてもよい。
第2主面平坦部と第3主面平坦部の少なくとも一方に湾曲又はうねりがあることにより、第1空気層を形成させることができ、吸音率を向上させることができる。
本発明の吸音部材では、上記中空部の底面は、上記第2層にあってもよい。
このような構造の吸音部材では、第2層が、中空部を形成する非貫通孔を有することになる。
このような構造の吸音部材は、第1層及び第2層を積層することにより製造することができる。
本発明の吸音部材では、上記第2層の下層には、上記第4主面と対面する第5主面と、上記第5主面と反対側の第6主面を有する第3層が積層されており、上記第2層には、上記第3主面から上記第4主面を貫通し、上記中空部の側面を形成する第2貫通孔を有し、上記第5主面は、上記中空部の底面を形成していてもよい。
一つの層に非貫通孔を形成し中空部とするよりも、一つの層に中空部の側面となる貫通孔を形成し、その下に中空部の底面となる層を積層して中空部を形成した方が、効率的に吸音部材を製造することができる。
すなわち、このような構造の吸音部材は、製造効率が高い。
本発明の吸音部材では、上記第4主面は、上記第2貫通孔の端部である第4主面開口部と、それ以外の第4主面平坦部とからなり、上記第4主面平坦部と上記第5主面との間の少なくとも一部には、第2空気層が形成されていることが望ましい。
第1空気層に加え、第2層の第4主面平坦部と第3層の第5主面との間の少なくとも一部には、第2空気層があると、吸音効率がさらに向上する。
本発明の吸音部材では、上記第4主面平坦部と上記第5主面とは、一部が接触していてもよい。
第4主面平坦部と第5主面との一部が接触していたとしても、第4主面平坦部と第5主面との間の一部に、第2空気層が形成されていれば吸音率が向上する。
また、上記第4主面平坦部と上記第5主面は、その少なくとも一方に湾曲又はうねりがあり、上記第4主面平坦部と上記第5主面とは、一部が接触していてもよい。
第4主面平坦部と第5主面の少なくとも一方に湾曲又はうねりがあることにより、第2空気層を形成させることができ、吸音率を向上させることができる。
本発明の吸音部材では、上記第1主面は、上記第1貫通孔の端部である第1主面開口部と、それ以外の第1主面平坦部とからなり、上記第1主面平坦部には、さらに繊維層が形成されてなることが望ましい。
吸音部材がヘルムホルツ共鳴構造を有すると、所定の周波数領域の音を吸音することができるが、吸音できる周波数領域の幅は広くなく、特に、2000Hz以上の高周波数領域の音を充分に吸収しにくい。
しかし、繊維層が形成されていると、2000Hz以上の高周波数領域の音を吸音することができる。
本発明の吸音部材は、樹脂及び/又は繊維質材料からなることが望ましい。上記樹脂は、発泡樹脂、ゴムなどのエラストマーであることが望ましい。
吸音部材が樹脂製であると、軽量化が図りやすいため車両用部品として特に望ましい。
また、樹脂が発泡樹脂であると、その重量をより軽くすることができ、車両用部品とした場合に燃費の向上に寄与することができる。
本発明においては、樹脂及び繊維の複合材であってもよい。複合化の方法としては、樹脂と繊維を混合してもよく、樹脂と繊維をブロック状に組み合わせてもよく、樹脂と繊維の板状体を積層してもよい。
本発明の車両用部品は、本発明の吸音部材を備えることを特徴とする。
本発明の吸音部材は吸音性能に優れるため、車両用部品として優れる。
本発明の吸音部材を備える車両用部品としては、嵩上げ材、仕切り部材、ラゲッジボックス等が挙げられる。
本発明の自動車は、本発明の吸音部材の導入通路を路面方向に向けて配置してなることを特徴とする。
このような向きに本発明の吸音部材を配置することで、路面から伝わるタイヤパターンノイズの騒音を吸収することができ、騒音が車内に伝わることを防止することができる。
図1は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。 図10(a)は、本発明の吸音部材が配置される部位の一例を模式的に示す説明図であり、図10(b)は、図10(a)における破線部で示す領域の部分拡大図である。 図11は、吸音部材に対する残響室法吸音率を模式的に示す説明図である。 図12は、本発明の実施例1に係る吸音部材の残響室法吸音率試験の結果を示すグラフである。 図13は、本発明の実施例2に係る吸音部材の残響室法吸音率試験の結果を示すグラフである。 図14は、本発明の比較例1に係る吸音部材の残響室法吸音率試験の結果を示すグラフである。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の吸音部材は、導入通路と上記導入通路を介して外部と接続される中空部からなるヘルムホルツ共鳴構造を有する吸音部材であって、
上記吸音部材は、第1層と、上記第1層に積層された第2層を含み、
上記第1層は、第1主面及び上記第1主面と反対側の第2主面とを有し、
上記第2層は、上記第2主面と対面する第3主面及び上記第3主面と反対側の第4主面を有し、
上記第1層は、上記第1主面から上記第2主面を貫通し、上記導入通路を形成する第1貫通孔を有し、
上記第2主面は、上記第1貫通孔の端部である第2主面開口部と、それ以外の第2主面平坦部とからなり、
上記第3主面は、上記中空部の端部である第3主面開口部と、それ以外の第3主面平坦部とからなり、
上記第2主面開口部の開口面積は、上記第3主面開口部の開口面積よりも小さく、
上記第2主面平坦部と、上記第3主面平坦部との間の少なくとも一部には、第1空気層が形成されていることを特徴とする。
本発明の吸音部材は、導入通路を形成する第1層と、中空部を形成する第2層とが積層された吸音部材でありヘルムホルツ共鳴構造を有する。そのため、所定の周波数の音を効率よく吸収することができる。
さらに、本発明の吸音部材では、第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間の少なくとも一部には、第1空気層が形成されている。吸音部材がこのような構造であると、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材では、第1空気層が、中空部と繋がっていてもよく、中空部と繋がっていなくてもよいが、中空部と繋がっている方がより望ましい。
第1空気層が中空部と繋がっていると吸音率が向上する。
本発明の吸音部材では、第2主面平坦部と第3主面平坦部とは、一部が接触していてもよい。
第2主面平坦部と第3主面平坦部との一部が接触していたとしても、第2主面平坦部と第3主面平坦部との間の一部に、第1空気層が形成されていれば吸音率が向上する。
また、本発明の吸音部材では、第1空気層を形成するために第2主面平坦部と第3主面平坦部との間にスペーサーを設けてもよく、設けなくてもよい。
スペーサーを設けることにより、本発明の吸音部材に確実に第1空気層を形成することができる。
スペーサーを設けない場合には、バネマス効果がスペーサーにより減殺されないため有利である。
本発明の吸音部材は、その全体の厚さが10〜120mmであることが望ましい。吸音部材の厚さは、20〜100mmであることがさらに望ましい。
吸音部材の厚さが、10mm未満である場合、ヘルムホルツ共鳴構造を形成しにくくなる。
吸音部材の厚さが、120mmを超える場合、吸音部材が大きくなりすぎ、所望のスペースに配置しにくくなる。
上記の通り、本発明の吸音部材では、導入通路(第1貫通孔)の開口部の円相当径は、1〜30mmであることが望ましく、3〜25mmであることがより望ましい。
また、導入通路(第1貫通孔)の長さは、1〜20mmであることが望ましく、3〜15mmであることがより望ましい。
また、中空部の体積は、24〜329,860mmであることが望ましく、257〜246,766mmであることがより望ましい。
本発明の吸音部材では、吸音部材が第1層及び第2層の2つの層からなっていてもよく、第1層、第2層及び第3層の3つの層からなっていてもよい。
以下に、吸音部材が2つの層からなる場合と、吸音部材が3つの場合からなる場合に分けて説明する。
まず、吸音部材が2つの層からなる場合について説明する。
この場合、本発明の吸音部材では、中空部の底面が第2層にあることになる。
すなわち、本発明の吸音部材では、第2層が、中空部を形成する非貫通孔を有することになる。
このような構造であると、第1層及び第2層を積層することによりヘルムホルツ共鳴構造を有する本発明の吸音部材を製造することができる。
また、第1層と第2層とは、第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層が形成されてさえいれば、どのように積層されていても構わない。
例えば、第2主面平坦部及び第3主面平坦部との間の一部に接着剤層を形成し第1層及び第2層を積層してもよい。この際、第1層と第2層の端部のみで第1層と第2層とを接着してもよい。
また、第2主面平坦部及び第3主面平坦部に嵌合部(雄部及び雌部)を形成し、これらを嵌合させて第1層及び第2層を積層してもよい。
本発明の吸音部材では、第1貫通孔は、円柱状であることが望ましく、長さ方向に垂直な方向の断面形状が真円であることが望ましい。第1貫通孔が円柱状であると導入通路は円柱状となる。導入通路が円柱状であると、吸音特性に異方性がないため有利である。
本発明の吸音部材では、第1貫通孔が円柱状である場合の底面の直径は、1〜30mmであることが好ましい。
すなわち、本発明の吸音部材では、導入通路の内径は1〜30mmであることが好ましい。
また、第1貫通孔の形状が円柱状でない場合、第1貫通孔の径は円相当径として定める。円相当径とは、第1貫通孔を長さ方向に対して垂直な方向に切断した際の第1貫通孔の断面積を、同面積の真円に置き換えた場合の直径である。第1貫通孔の断面形状が真円の場合にはその直径をそのまま円相当径とすればよい。
本発明の吸音部材において、第1層に設けられる第1貫通孔の配列パターンは、正方形を縦横に連続して配置した平面において正方形の頂点に第1貫通孔を配置する正方配列であってもよく、正三角形を縦横に連続して配置した平面において三角形の頂点に第1貫通孔を配置する千鳥配列であってもよい。
これらの中では、千鳥配列であることが望ましい。第1貫通孔の配列パターンが千鳥配列であると、隣接する第1貫通孔が全て等間隔となりやすいため、吸音効果が向上する。また、第1層の板材としての強度が得られる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材は樹脂からなることが好ましい。
上記樹脂は、発泡樹脂、ゴムなどのエラストマーであることが望ましい。
第1層を構成する板材が樹脂製であると、軽量化が図りやすいため車両用部品として特に望ましい。
また、樹脂が発泡樹脂であると、その重量をより軽くすることができ、車両用部品とした場合に燃費の向上に寄与することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材は、樹脂及び繊維の複合材であってもよい。複合化の方法としては、樹脂と繊維を混合してもよく、樹脂と繊維をブロック状に組み合わせてもよく、樹脂と繊維の板状体を積層してもよい。
樹脂としては、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂、気泡を有する発泡樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれかであることが望ましい。
上記樹脂の密度が0.01〜1g/cmである材料であることが好ましく、さらに、樹脂の密度が0.02〜0.1g/cmであることがさらに好ましい。なお、上記樹脂が発泡樹脂である場合、樹脂の密度は、発泡成形された発泡樹脂の密度を指す。
樹脂の密度が上記範囲内であると、吸音部材として必要な強度を得やすい。
一方、樹脂の密度が0.01g/cm未満であると、吸音部材として充分な機械的強度を得られないことがある。また樹脂の密度が1g/cmを超える場合には、吸音部材の重量が増加してしまい、車両の軽量化の妨げとなる。
また、樹脂は、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂がより望ましい。樹脂が発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂であると、強度を維持したまま吸音部材の重量を軽くすることができ、車両用部品に使用した場合に燃費の向上に寄与することができる。
なお、発泡樹脂は、発泡性樹脂粒子を発泡・成形して得られる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子(ビーズ)は、樹脂粒子の内部に発泡剤を含有する粒子であり、公知のものを好適に使用することができる。
発泡性樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン単重合体、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体(又はその誘導体)を共重合して得られる共重合体が挙げられる。スチレン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子には、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、耐光性安定剤、帯電防止剤及び着色剤等の公知の添加剤を添加してもよい。添加剤の使用の一例としては、着色剤に黒系のものを用いれば、汚れが目立たなくなる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系難燃剤、赤リン、リン酸アンモニウム等のリン酸系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA(TABB)、臭素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、炭酸アンモニウム、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。
充填剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
抗酸化剤としては、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノール、アルキルフェノールチオエーテル、β,β−チオプロピオン酸エステル、有機亜リン酸エステル及びフェノール・ニッケル複合体等が挙げられる。
耐光性安定剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系の安定剤等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸エステル化合物、脂肪族エタノールアミン化合物及び脂肪族エタノールアミド化合物等の低分子型帯電防止剤並びに高分子型帯電防止剤等が挙げられる。
着色剤としては、染料及び顔料等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子の平均粒径は、300μm〜2400μmであることが望ましく、800μm〜2000μmであることがより望ましい。
発泡性樹脂粒子の発泡倍率は、10〜60倍であることが望ましい。
発泡倍率を10〜60倍の範囲にすることにより、樹脂の密度を0.02〜0.1g/cmの範囲に調整しやすくなる。
一方、発泡倍率が10倍未満の場合、吸音部材が硬くなりすぎたり、重くなりすぎる場合がある。また発泡倍率が60倍を超える場合、吸音部材として強度が不足することがある。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡樹脂としては、ポリウレタン等を用いることができる。主剤となるポリウレタン、発泡剤等を混合し、発泡、成形させることで、気泡を有する発泡樹脂を得ることができ、それにより板材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂(ナイロン6−6等)、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂を樹脂ペレットとして成形し、樹脂ペレットを加熱させ、射出成形、押出成形等の成形加工を行うことにより吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド及びポリアクリルアミドなどを用いることができる。熱硬化性樹脂を予熱し、金型に入れ、加圧し、金型温度を上げて、硬化させることで吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材としては、樹脂製の他に、無機材、金属材等の材料を使用してもよい。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材の厚さは1〜20mmであることが好ましい。板材の厚さは第1貫通孔の長さとなり、導入通路の長さとなる。すなわち、第1貫通孔の長さは1〜20mmであることが好ましい。また、導入通路の長さも1〜20mmであることが好ましい。
また本発明の吸音部材において、第1主面は、第1貫通孔の端部である第1主面開口部と、それ以外の第1主面平坦部とからなるが、第1主面平坦部には、さらに繊維層が形成されてなることが望ましい。
吸音部材がヘルムホルツ共鳴構造を有すると、所定の周波数領域の音を吸音することができるが、吸音できる周波数領域の幅は広くなく、特に、2000Hz以上の高周波数領域の音を充分に吸収しにくい。
しかし、繊維層が形成されていると、2000Hz以上の高周波数領域の音を吸音することができる。
繊維層を構成する材料としては、天然繊維、合成樹脂繊維、無機繊維から選ばれることが好ましい。天然繊維としては、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維が挙げられる。合成樹脂繊維としては、ポリアミド系樹脂(ナイロン等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。無機繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカーアルミナ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ロックウール等が挙げられる。
繊維層はフェルト状や不織布として成形されていてもよい。
繊維層の厚さは1〜20mmであることが好ましい。
なお、繊維層には、繊維と繊維との間に空隙が形成されているので、その空隙内において空気振動が生じ、高周波数領域の音を吸音することができる。
第1主面平坦部と繊維層の間は接着剤層により接着されていてもよく、接着されていなくてもよい。
第2層には、非貫通孔が設けられた板材であり、第1層と積層されている。
第2層の非貫通孔が第1層の第1貫通孔、すなわち導入通路と繋がることで非貫通孔が外部と接続されてヘルムホルツ共鳴構造が形成される。
本発明の吸音部材において第2層に設けられる非貫通孔の形状は、円柱状であることが望ましく、長さ方向に垂直な方向の断面形状が真円であることが望ましい。
本発明の吸音部材において第2層に設けられる非貫通孔が円柱状である場合、その高さは、1〜20mmであることが望ましく、3〜15mmであることがさらに望ましい。
また、非貫通孔の形状が円柱状でない場合、非貫通孔の径は円相当径として定める。円相当径とは、非貫通孔を長さ方向に対して垂直な方向に切断した際の非貫通孔の断面積を、同面積の真円に置き換えた場合の直径である。非貫通孔の断面形状が真円の場合にはその直径をそのまま円相当径とすればよい。
本発明の吸音部材において、第2層に設けられる非貫通孔の配列パターンは、正方形を縦横に連続して配置した平面において正方形の頂点に非貫通孔を配置する正方配列であってもよく、正三角形を縦横に連続して配置した平面において三角形の頂点に非貫通孔を配置する千鳥配列であってもよい。
これらの中では、千鳥配列であることが望ましい。非貫通孔の配列パターンが千鳥配列であると、隣接する非貫通孔が全て等間隔となりやすいため、吸音効果が向上する。また、第2層の板材としての強度が得られる。
本発明の吸音部材において、導入通路と非貫通孔の位置関係は、非貫通孔が導入通路を介して外部と接続されていればよく、導入通路と非貫通孔の中心(厚さ方向に垂直な方向に切断した際の断面形状における中心)は、一致していてもよく、一致していなくてもよい。
第2層の非貫通孔は、板材に対して機械加工により形成されていることが好ましく、エンドミルによる切削加工や熱線による加工が好適に用いられる。
また、板材を製造する際に、射出成形やプレス成形によって非貫通孔を有する板材を一体成形してもよい。
また、板材として発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂を使用する場合、非貫通孔の形状に対応する突起を有する金型の中で発泡成形を行うことによっても非貫通孔を有する板材を作製することができる。
第2層を構成する板材は樹脂及び/又は繊維質材料からなることが望ましい。上記樹脂は、発泡樹脂、ゴムなどのエラストマーであることが望ましい。
第2層を構成する板材が樹脂製であると、軽量化が図りやすいため車両用部品として特に望ましい。
また、樹脂が発泡樹脂であると、その重量をより軽くすることができ、車両用部品とした場合に燃費の向上に寄与することができる。
第2層を構成する板材は、樹脂及び繊維の複合材であってもよい。複合化の方法としては、樹脂と繊維を混合してもよく、樹脂と繊維をブロック状に組み合わせてもよく、樹脂と繊維の板状体を積層してもよい。
樹脂としては、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂、気泡を有する発泡樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれかであることが望ましい。
上記樹脂の密度が0.01〜1g/cmである材料であることが好ましく、さらに、樹脂の密度が0.02〜0.1g/cmであることがさらに好ましい。なお、上記樹脂が発泡樹脂である場合、樹脂の密度は、発泡成形された発泡樹脂の密度を指す。
樹脂の密度が上記範囲内であると、吸音部材として必要な強度を得やすい。
一方、樹脂の密度が0.01g/cm未満であると、吸音部材として充分な機械的強度を得られないことがある。また樹脂の密度が1g/cmを超える場合には、吸音部材の重量が増加してしまい、車両の軽量化の妨げとなる。
また、樹脂は、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂がより望ましい。樹脂が発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂であると、強度を維持したまま吸音部材の重量を軽くすることができ、車両用部品に使用した場合に燃費の向上に寄与することができる。
なお、発泡樹脂は、発泡性樹脂粒子を発泡・成形して得られる。
発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂である板材は、連通気孔を有さない。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子(ビーズ)は、樹脂粒子の内部に発泡剤を含有する粒子であり、公知のものを好適に使用することができる。
発泡性樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン単重合体、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体(又はその誘導体)を共重合して得られる共重合体が挙げられる。スチレン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子には、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、耐光性安定剤、帯電防止剤及び着色剤等の公知の添加剤を添加してもよい。添加剤の使用の一例としては、着色剤に黒系のものを用いれば、汚れが目立たなくなる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系難燃剤、赤リン、リン酸アンモニウム等のリン酸系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA(TABB)、臭素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、炭酸アンモニウム、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。
充填剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
抗酸化剤としては、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノール、アルキルフェノールチオエーテル、β,β−チオプロピオン酸エステル、有機亜リン酸エステル及びフェノール・ニッケル複合体等が挙げられる。
耐光性安定剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系の安定剤等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸エステル化合物、脂肪族エタノールアミン化合物及び脂肪族エタノールアミド化合物等の低分子型帯電防止剤並びに高分子型帯電防止剤等が挙げられる。
着色剤としては、染料及び顔料等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子の平均粒径は、300μm〜2400μmであることが望ましく、800μm〜2000μmであることがより望ましい。
発泡性樹脂粒子の発泡倍率は、10〜60倍であることが望ましい。
発泡倍率を10〜60倍の範囲にすることにより、樹脂の密度を0.02〜0.1g/cmの範囲に調整しやすくなる。
一方、発泡倍率が10倍未満の場合、吸音部材が硬くなりすぎたり、重くなりすぎる場合がある。また発泡倍率が60倍を超える場合、吸音部材として強度が不足することがある。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される発泡樹脂としては、ポリウレタン等を用いることができる。主剤となるポリウレタン、発泡剤等を混合し、発泡、成形させることで、気泡を有する発泡樹脂を得ることができ、それにより板材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂(ナイロン6−6等)、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂を樹脂ペレットとして成形し、樹脂ペレットを加熱させ、射出成形、押出成形等の成形加工を行うことにより吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド及びポリアクリルアミドなどを用いることができる。熱硬化性樹脂を予熱し、金型に入れ、加圧し、金型温度を上げて、硬化させることで吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材として使用される繊維は、有機繊維、無機繊維であることが望ましく、有機繊維としてはポリエステル、ポリアミド、アセテート等を使用できる。無機繊維としては、アルミナ、シリカ、ムライトファイバーが望ましい。繊維をバインダで相互に接着してフェルト状にすることが望ましい。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材としては、樹脂製の他に、無機材、金属材等の材料を使用してもよい。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材の厚さは10〜120mmであることが好ましい。また、20〜100mmであることがさらに望ましい。
本発明の吸音部材において第1層及び第2層は接着剤により接着されていてもよい。
また、上層及び下層の接触部に雌部と雄部を設け、これらを嵌合させて上層及び下層を接続してもよい。
吸音部材が2つの層からなる場合について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図3は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図4は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図5は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の吸音部材は、図1に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材100は、第1層10と、第1層10に積層された第2層20とからなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21側に非貫通孔30aが形成されている。さらに、第3主面21は、非貫通孔30aの端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材100において、第1層10と、第2層20とは、その一部が接着剤層40により接着されており、非貫通孔30aは、中空部30を形成しており、中空部30の底面31は、第2層20にあることになる。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には、第1空気層50が形成されている。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図2に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材200は、第1層10と、第1層10に積層された第2層20とからなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21側に非貫通孔30aが形成されている。さらに、第3主面21は、非貫通孔30aの端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材200において、第1層10と、第2層20とは、その一部が接着剤層40により接着されており、非貫通孔30aは、中空部30を形成しており、中空部30の底面31は、第2層20にあることになる。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には、第1空気層50が形成されている。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続していない。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図3に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材300は、第1層10と、第1層10に積層された第2層20とからなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21側に非貫通孔30aが形成されている。さらに、第3主面21は、非貫通孔30aの端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材300において、第2主面平坦部12bの縁部と、第3主面平坦部21bの縁部とは、接着剤層40により接着されている。そして、非貫通孔30aは、中空部30を形成しており、中空部30の底面31は、第2層20にあることになる。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には、第1空気層50が形成されており、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図4に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材400は、第1層10と、第1層10に積層された第2層20とからなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21側に非貫通孔30aが形成されている。さらに、第3主面21は、非貫通孔30aの端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材400において、第2主面平坦部12bには雄部12αが形成されており、第3主面平坦部21bには雌部21βが形成されており、これらが嵌合することにより第1層10と、第2層20とが接続されている。
吸音部材400において、非貫通孔30aは、中空部30を形成しており、中空部30の底面31は、第2層20にあることになる。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には、第1空気層50が形成されている。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図5に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材500は、第1層10と、第1層10に積層された第2層20とからなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21側に非貫通孔30aが形成されている。さらに、第3主面21は、非貫通孔30aの端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材500において、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとは端部で接着剤により接着されている。
吸音部材500において、非貫通孔30aは、中空部30を形成しており、中空部30の底面31は、第2層20にあることになる。
また、第1層10は上に凸になるように湾曲しており、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には第1空気層50が形成されている。
すなわち、第2主面平坦部12bが上に凸になるように湾曲している。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
続いて、吸音部材が2つの層からなる場合の吸音部材を製造する方法について説明する。
本発明の吸音部材は、板材に第1貫通孔が設けられてなる第1層と、中空部が設けられてなる第2層を積層することによって製造することができる。
本発明の吸音部材を製造する方法は、
導入通路となる柱状の第1貫通孔を有する板材である上層を作製する工程と、
中空部を有する板材である第2層を作製する工程と、
第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層が形成されるように第1層と第2層を積層する工程を含む。
(第1層を作製する工程)
板材として使用することのできる樹脂等の材料からなる所定の厚さの板材を準備する。
貫通孔を有さない板材に対して、パンチング、ドリルやレーザー等の手段で第1貫通孔を形成することにより第1層を作製することができる。
また、板材として発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂を使用する場合、金型内に第1貫通孔を形成するための突起を設けて、発泡性樹脂粒子を発泡させる方法によっても、板材に第1貫通孔が設けられた第1層を作製することができる。
なお、後述する第1層と第2層を積層する工程において接着剤層を形成せずに第1層と第2層とを積層する場合には、第1層に嵌合部(雄部又は雌部)を形成してもよい。
(第2層を作製する工程)
板材として使用することのできる樹脂等の材料からなる所定の厚さの板材を準備する。
貫通孔を有さない板材に対して、その厚さ方向の途中までに、中空部となる非貫通孔を形成することにより第2層を作製することができる。非貫通孔の径が第1貫通孔の径より大きくなるようにする。
非貫通孔は機械加工により形成することが好ましく、エンドミルによる切削加工や熱線による加工が好適に用いられる。
また、板材を製造する際に、射出成形やプレス成形によって非貫通孔を有する板材を一体成形してもよい。
また、板材として発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂を使用する場合、非貫通孔の形状に対応する突起を有する金型の中で発泡成形を行うことによっても非貫通孔を有する板材を作製することができる。
なお、後述する第1層と第2層を積層する工程において接着剤層を形成せずに第1層と第2層とを積層する場合には、第2層に嵌合部(雄部又は雌部)を形成してもよい。
(第1層と第2層を積層する工程)
次に、接着剤により第1層と第2層とを接着する場合には、シート状の接着剤を第2層の非貫通孔(中空部)の形状及び位置に合わせてくり抜いたものを準備する。この際、第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層が形成されるようにシート状の接着剤層の形状を加工する。
第1層と第2層の間に挟んで接着剤の接着力を発揮させることにより、第1層と第2層を接着剤層により接着することができる。
第1層と接着剤層と第2層を積層する際には、第1層の第1貫通孔と第2層の中空部(非貫通孔)の位置を合わせてヘルムホルツ共鳴構造が形成されるようにする。
第2層の非貫通孔(中空部)の形状及び位置に合わせて接着剤を塗布し、第1層と第2層を積層して接着剤の接着力を発揮させることにより、第1層と第2層を接着剤層により接着することができる。
接着剤の接着力を発揮させる条件としては、接着剤の接着特性に合わせた条件を使用すればよい。
また、嵌合部により第1層と第2層とを接続する場合には、第1層及び第2層の嵌合部を嵌合させ第1層及び第2層を接続する。
次に、吸音部材が3つの層からなる場合について説明する。
この場合、本発明の吸音部材は、導入通路を形成する第1層と、中空部を形成する第2層及び第3層とを積層することによりヘルムホルツ共鳴構造を有する本発明の吸音部材を製造することができる。
また、第1層と第2層とは、第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層が形成されてさえいれば、どのように積層されていても構わない。
例えば、第2主面平坦部及び第3主面平坦部との間の一部に接着剤層を形成し第1層及び第2層を積層してもよい。この際、第1層と第2層の端部のみで第1層と第2層とを接着してもよい。
また、第2主面平坦部及び第3主面平坦部に嵌合部(雄部及び雌部)を形成し、これらを嵌合させて第1層及び第2層を積層してもよい。
本発明の吸音部材では、第1貫通孔は、円柱状であることが望ましく、長さ方向に垂直な方向の断面形状が真円であることが望ましい。第1貫通孔が円柱状であると導入通路は円柱状となる。導入通路が円柱状であると、吸音特性に異方性がないため有利である。
本発明の吸音部材では、第1貫通孔が円柱状である場合の底面の直径は、1〜30mmであることが好ましい。
すなわち、本発明の吸音部材では、導入通路の内径は1〜30mmであることが好ましい。
また、第1貫通孔の形状が円柱状でない場合、第1貫通孔の径は円相当径として定める。円相当径とは、第1貫通孔を長さ方向に対して垂直な方向に切断した際の第1貫通孔の断面積を、同面積の真円に置き換えた場合の直径である。第1貫通孔の断面形状が真円の場合にはその直径をそのまま円相当径とすればよい。
本発明の吸音部材において、第1層に設けられる第1貫通孔の配列パターンは、正方形を縦横に連続して配置した平面において正方形の頂点に第1貫通孔を配置する正方配列であってもよく、正三角形を縦横に連続して配置した平面において三角形の頂点に第1貫通孔を配置する千鳥配列であってもよい。
これらの中では、千鳥配列であることが望ましい。第1貫通孔の配列パターンが千鳥配列であると、隣接する第1貫通孔が全て等間隔となりやすいため、吸音効果が向上する。また、第1層の板材としての強度が得られる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材は樹脂からなることが好ましい。
上記樹脂は、発泡樹脂、ゴムなどのエラストマーであることが望ましい。
第1層を構成する板材が樹脂製であると、軽量化が図りやすいため車両用部品として特に望ましい。
また、樹脂が発泡樹脂であると、その重量をより軽くすることができ、車両用部品とした場合に燃費の向上に寄与することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材は、樹脂及び繊維の複合材であってもよい。複合化の方法としては、樹脂と繊維を混合してもよく、樹脂と繊維をブロック状に組み合わせてもよく、樹脂と繊維の板状体を積層してもよい。
樹脂としては、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂、気泡を有する発泡樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれかであることが望ましい。
上記樹脂の密度が0.01〜1g/cmである材料であることが好ましく、さらに、樹脂の密度が0.02〜0.1g/cmであることがさらに好ましい。なお、上記樹脂が発泡樹脂である場合、樹脂の密度は、発泡成形された発泡樹脂の密度を指す。
樹脂の密度が上記範囲内であると、吸音部材として必要な強度を得やすい。
一方、樹脂の密度が0.01g/cm未満であると、吸音部材として充分な機械的強度を得られないことがある。また樹脂の密度が1g/cmを超える場合には、吸音部材の重量が増加してしまい、車両の軽量化の妨げとなる。
また、樹脂は、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂がより望ましい。樹脂が発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂であると、強度を維持したまま吸音部材の重量を軽くすることができ、車両用部品に使用した場合に燃費の向上に寄与することができる。
なお、発泡樹脂は、発泡性樹脂粒子を発泡・成形して得られる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子(ビーズ)は、樹脂粒子の内部に発泡剤を含有する粒子であり、公知のものを好適に使用することができる。
発泡性樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン単重合体、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体(又はその誘導体)を共重合して得られる共重合体が挙げられる。スチレン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子には、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、耐光性安定剤、帯電防止剤及び着色剤等の公知の添加剤を添加してもよい。添加剤の使用の一例としては、着色剤に黒系のものを用いれば、汚れが目立たなくなる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系難燃剤、赤リン、リン酸アンモニウム等のリン酸系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA(TABB)、臭素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、炭酸アンモニウム、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。
充填剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
抗酸化剤としては、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノール、アルキルフェノールチオエーテル、β,β−チオプロピオン酸エステル、有機亜リン酸エステル及びフェノール・ニッケル複合体等が挙げられる。
耐光性安定剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系の安定剤等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸エステル化合物、脂肪族エタノールアミン化合物及び脂肪族エタノールアミド化合物等の低分子型帯電防止剤並びに高分子型帯電防止剤等が挙げられる。
着色剤としては、染料及び顔料等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子の平均粒径は、300μm〜2400μmであることが望ましく、800μm〜2000μmであることがより望ましい。
発泡性樹脂粒子の発泡倍率は、10〜60倍であることが望ましい。
発泡倍率を10〜60倍の範囲にすることにより、樹脂の密度を0.02〜0.1g/cmの範囲に調整しやすくなる。
一方、発泡倍率が10倍未満の場合、吸音部材が硬くなりすぎたり、重くなりすぎる場合がある。また発泡倍率が60倍を超える場合、吸音部材として強度が不足することがある。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される発泡樹脂としては、ポリウレタン等を用いることができる。主剤となるポリウレタン、発泡剤等を混合し、発泡、成形させることで、気泡を有する発泡樹脂を得ることができ、それにより板材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂(ナイロン6−6等)、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂を樹脂ペレットとして成形し、樹脂ペレットを加熱させ、射出成形、押出成形等の成形加工を行うことにより吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材として使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド及びポリアクリルアミドなどを用いることができる。熱硬化性樹脂を予熱し、金型に入れ、加圧し、金型温度を上げて、硬化させることで吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材としては、樹脂製の他に、無機材、金属材等の材料を使用してもよい。
本発明の吸音部材において、第1層を構成する板材の厚さは1〜20mmであることが好ましい。板材の厚さは第1貫通孔の長さとなり、導入通路の長さとなる。すなわち、第1貫通孔の長さは1〜20mmであることが好ましい。また、導入通路の長さも1〜20mmであることが好ましい。
また本発明の吸音部材において、第1主面は、第1貫通孔の端部である第1主面開口部と、それ以外の第1主面平坦部とからなるが、第1主面平坦部には、さらに繊維層が形成されてなることが望ましい。
吸音部材がヘルムホルツ共鳴構造を有すると、所定の周波数領域の音を吸音することができるが、吸音できる周波数領域の幅は広くなく、特に、2000Hz以上の高周波数領域の音を充分に吸収しにくい。
しかし、繊維層が形成されていると、2000Hz以上の高周波数領域の音を吸音することができる。
繊維層を構成する材料としては、天然繊維、合成樹脂繊維、無機繊維から選ばれることが好ましい。天然繊維としては、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維が挙げられる。合成樹脂繊維としては、ポリアミド系樹脂(ナイロン等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。無機繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカーアルミナ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ロックウール等が挙げられる。
繊維層はフェルト状や不織布として成形されていてもよい。
繊維層の厚さは1〜20mmであることが好ましい。
なお、繊維層には、繊維と繊維との間に空隙が形成されているので、その空隙内において空気振動が生じ、高周波数領域の音を吸音することができる。
第1主面平坦部と繊維層の間は接着剤層により接着されていてもよく、接着されていなくてもよい。
本発明の吸音部材において第2層は、第1貫通孔よりも開口径が大きい柱状の第2貫通孔が設けられた板材であり、第3層は貫通孔が設けられていない板材からなっていてもよい。
第2層及び第3層を積層することにより中空部を形成することができる。
第2層は板材からなり、板材に第2貫通孔が設けられてなる。
第2貫通孔は柱状であり、空気のみで柱状の空間を有する部分である。板材の厚さ方向において入口側から出口側まで貫通孔の径が一定であることが好ましい。
すなわち、多孔質材料における連通気孔のような、厚さ方向にガスが通るが厚さ方向の上面視において向こう側が見えない(貫通していない)という形態は含まないことが好ましい。
第2貫通孔は、貫通孔を有さない板材に対して機械加工により形成された貫通孔であることが好ましく、パンチング、ドリルやレーザー等による穴あけが好適に用いられる。
本発明の吸音部材では、第2層に設けられる第2貫通孔は、円柱状であることが望ましく、長さ方向に垂直な方向の断面形状が真円であることが望ましい。第2貫通孔が円柱状であると中空部は円柱状となる。中空部が円柱状であると、吸音特性に異方性がないため有利である。
本発明の吸音部材では、第2貫通孔が円柱状である場合の底面の直径(開口径)は、4〜171mmであることが好ましく、10mm以上であることが好ましく、150mm以下であることが好ましい。
本発明の吸音部材において、第2層に設けられる第2貫通孔の配列パターンは、正方形を縦横に連続して配置した平面において正方形の頂点に第2貫通孔を配置する正方配列であってもよく、正三角形を縦横に連続して配置した平面において三角形の頂点に第2貫通孔を配置する千鳥配列であってもよい。
これらの中では、千鳥配列であることが望ましい。第2貫通孔の配列パターンが千鳥配列であると、隣接する第2貫通孔により形成される中空部が全て等間隔となりやすいため、吸音効果が向上する。また、第2層の板材としての強度が得られる。
本発明の吸音部材において、第2層を構成する板材の厚さは、1〜20mmであることが望ましく、3〜15mmであることがさらに望ましい。第2層を構成する板材の厚さは第2貫通孔の長さとなり、中空部の高さとなる。すなわち、第2貫通孔の長さは1〜20mmであることが好ましい。
第3層は板材からなり、貫通孔が設けられていない。
第2層と第3層を重ねることにより、第2層の第2貫通孔と第3層とにより中空部が形成される。
本発明の吸音部材では、第3層を構成する板材の厚さは、1〜20mmであることが好ましい。
第2層の第4主面において、第2貫通孔の端部を第4主面開口部とし、それ以外の部分を第4主面平坦部とする。
また、第2層の第4主面と対面する面を第3層の第5主面とし、第5主面と反対側の面を第3層の第6主面とする。
この場合において、本発明の吸音部材では、第4主面平坦部と第5主面との間の少なくとも一部には、第2空気層が形成されていることが望ましい。
第1空気層に加え、第2層の第4主面平坦部と第3層の第5主面との間に、第2空気層があると、吸音効率がさらに向上する。
本発明の吸音部材では、第2空気層が、中空部と繋がっていてもよく、中空部と繋がっていなくてもよいが、中空部と繋がっている方がより望ましい。
第2空気層が中空部と繋がっていると吸音率が向上する。
第2層及び第3層はどのように積層されていても構わない。
例えば、第4主面平坦部及び第5主面との間の一部に接着剤層を形成し第2層及び第3層を積層してもよい。また、第2層と第3層の端部のみで第2層と第3層とを接着してもよい。
さらに、第4主面平坦部及び第5主面に嵌合部(雄部及び雌部)を形成し、これらを嵌合させて第2層及び第3層を積層してもよい。
本発明の吸音部材では、第4主面平坦部と第5主面とは、一部が接触していてもよい。
第4主面平坦部と第5主面との一部が接触していたとしても、第4主面平坦部と第5主面との間の一部に、第2空気層が形成されていれば吸音率が向上する。
また、本発明の吸音部材では、第2空気層を形成するために第4主面平坦部と第5主面との間にスペーサーを設けてもよく、設けなくてもよい。
スペーサーを設けることにより、本発明の吸音部材に確実に第2空気層を形成することができる。
スペーサーを設けない場合には、バネマス効果がスペーサーにより減殺されないため有利である。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材は樹脂及び/又は繊維質材料からなることが望ましい。上記樹脂は、発泡樹脂、ゴムなどのエラストマーであることが望ましい。
なお、第2層及び第3層を構成する板材は、同じ材料であることが好ましいが、異なる材料であってもよい。
上記樹脂は、発泡樹脂であることが望ましい。
第2層及び第3層を構成する板材が樹脂製であると、軽量化が図りやすいため車両用部品として特に望ましい。
また、樹脂が発泡樹脂であると、その重量をより軽くすることができ、車両用部品とした場合に燃費の向上に寄与することができる。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材は、樹脂及び繊維の複合材であってもよい。複合化の方法としては、樹脂と繊維を混合してもよく、樹脂と繊維をブロック状に組み合わせてもよく、樹脂と繊維の板状体を積層してもよい。
樹脂としては、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂、気泡を有する発泡樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれかであることが望ましい。
上記樹脂の密度が0.01〜1g/cmである材料であることが好ましく、さらに、樹脂の密度が0.02〜0.1g/cmであることがさらに好ましい。なお、上記樹脂が発泡樹脂である場合、樹脂の密度は、発泡成形された発泡樹脂の密度を指す。
樹脂の密度が上記範囲内であると、吸音部材として必要な強度を得やすい。
一方、樹脂の密度が0.01g/cm未満であると、吸音部材として充分な機械的強度を得られないことがある。また樹脂の密度が1g/cmを超える場合には、吸音部材の重量が増加してしまい、車両の軽量化の妨げとなる。
また、樹脂は、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂がより望ましい。樹脂が発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂であると、強度を維持したまま吸音部材の重量を軽くすることができ、車両用部品に使用した場合に燃費の向上に寄与することができる。
なお、発泡樹脂は、発泡性樹脂粒子を発泡・成形して得られる。
発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂である板材は、連通気孔を有さない。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子(ビーズ)は、樹脂粒子の内部に発泡剤を含有する粒子であり、公知のものを好適に使用することができる。
発泡性樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン単重合体、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体(又はその誘導体)を共重合して得られる共重合体が挙げられる。スチレン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子には、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、耐光性安定剤、帯電防止剤及び着色剤等の公知の添加剤を添加してもよい。添加剤の使用の一例としては、着色剤に黒系のものを用いれば、汚れが目立たなくなる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系難燃剤、赤リン、リン酸アンモニウム等のリン酸系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA(TABB)、臭素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、炭酸アンモニウム、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。
充填剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
抗酸化剤としては、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノール、アルキルフェノールチオエーテル、β,β−チオプロピオン酸エステル、有機亜リン酸エステル及びフェノール・ニッケル複合体等が挙げられる。
耐光性安定剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系の安定剤等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸エステル化合物、脂肪族エタノールアミン化合物及び脂肪族エタノールアミド化合物等の低分子型帯電防止剤並びに高分子型帯電防止剤等が挙げられる。
着色剤としては、染料及び顔料等が挙げられる。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される発泡性樹脂粒子の平均粒径は、300μm〜2400μmであることが望ましく、800μm〜2000μmであることがより望ましい。
発泡性樹脂粒子の発泡倍率は、10〜60倍であることが望ましい。
発泡倍率を10〜60倍の範囲にすることにより、樹脂の密度を0.02〜0.1g/cmの範囲に調整しやすくなる。
一方、発泡倍率が10倍未満の場合、吸音部材が硬くなりすぎたり、重くなりすぎる場合がある。また発泡倍率が60倍を超える場合、吸音部材として強度が不足することがある。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される発泡樹脂としては、ポリウレタン等を用いることができる。主剤となるポリウレタン、発泡剤等を混合し、発泡、成形させることで、気泡を有する発泡樹脂を得ることができ、それにより板材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂(ナイロン6−6等)、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂を樹脂ペレットとして成形し、樹脂ペレットを加熱させ、射出成形、押出成形等の成形加工を行うことにより吸音部材を製作することができる。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材として使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド及びポリアクリルアミドなどを用いることができる。熱硬化性樹脂を予熱し、金型に入れ、加圧し、金型温度を上げて、硬化させることで吸音部材を製作することができる。
第2層及び第3層を構成する板材として使用される繊維は、有機繊維、無機繊維であることが望ましく、有機繊維としてはポリエステル、ポリアミド、アセテート等を使用できる。無機繊維としては、アルミナ、シリカ、ムライトファイバーが望ましい。繊維をバインダで相互に接着してフェルト状にすることが望ましい。
本発明の吸音部材において、第2層及び第3層を構成する板材としては、樹脂製の他に、無機材、金属材等の材料を使用してもよい。
吸音部材が3つの層からなる場合について、図面を用いて説明する。
図6は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図7は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図8は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
図9は、本発明の吸音部材の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の吸音部材は、図6に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材600は、第1層10、第2層20及び第3層60が順に積層してなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21から第4主面22を貫通する第2貫通孔25を有する。さらに、第3主面21は、第2貫通孔25の端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。また、第4主面22は、第2貫通孔25のもう一方の端部である第4主面開口部22aとそれ以外の第4主面平坦部22bとからなる。
第3層60は、第4主面22と対面する第5主面61と、第5主面61と反対側の第6主面62を有する。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材600において、第1層10と、第2層20とは、その一部が接着剤層40により接着されている。
第2貫通孔25は、中空部30の側面を形成しており、第5主面61が中空部30の底面31となる。
第2層20と第3層60とは、第4主面平坦部22及び第5主面61全体が接着剤層40により接着されることにより積層されている。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には、第1空気層50が形成されている。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、空気層によるバネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図7に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材700は、第1層10、第2層20及び第3層60が順に積層してなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21から第4主面22を貫通する第2貫通孔25を有する。さらに、第3主面21は、第2貫通孔25の端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。また、第4主面22は、第2貫通孔25のもう一方の端部である第4主面開口部22aとそれ以外の第4主面平坦部22bとからなる。
第3層60は、第4主面22と対面する第5主面61と、第5主面61と反対側の第6主面62を有する。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
吸音部材700において、第1層10と、第2層20とは、その一部が接着剤層40により接着されている。
第2貫通孔25は、中空部30の側面を形成しており、第5主面61が中空部30の底面31となる。
第2層20と第3層60とは、第4主面平坦部22及び第5主面の一部が接着剤層40により接着されることにより積層されている。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には、第1空気層50が形成されている。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
さらに、第4主面平坦部22と、第5主面61との間には、第2空気層70が形成されている。
そして、第2空気層70は、中空部30と接続している。
第2空気層70が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図8に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材800は、第1層10、第2層20及び第3層60が順に積層してなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21から第4主面22を貫通する第2貫通孔25を有する。さらに、第3主面21は、第2貫通孔25の端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。また、第4主面22は、第2貫通孔25のもう一方の端部である第4主面開口部22aとそれ以外の第4主面平坦部22bとからなる。
第3層60は、第4主面22と対面する第5主面61と、第5主面61と反対側の第6主面62を有する。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
第2貫通孔25は、中空部30の側面を形成しており、第5主面61が中空部30の底面31となる。
吸音部材800において、第2主面平坦部12bには雄部12αが形成されており、第3主面平坦部21bには雌部21βが形成されており、これらが嵌合することにより第1層10と、第2層20とが接続されている。
また、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとは、雄部12α及び雌部21β以外で接触しておらず、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には第1空気層50が形成されている。
吸音部材800において、第4主面平坦部22bには雌部22βが形成されており、第5主面には雄部61αが形成されており、これらが嵌合することにより第2層20と、第3層60とが接続されている。
また、第4主面平坦部22bと、第5主面61とは、雌部22β及び雄部61α以外で接触しておらず、第4主面平坦部22bと、第5主面61との間には第2空気層70が形成されている。
そして、第2空気層70は、中空部30と接続している。
第2空気層70が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
本発明の吸音部材は、図9に示すような構成であってもよい。
すなわち、本発明の吸音部材の一例である吸音部材900は、第1層10、第2層20及び第3層60が順に積層してなる。
第1層10は、第1主面11及び第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。また、第1層10は、第1主面11から第2主面12を貫通し、導入通路を形成する第1貫通孔15を有する。さらに、第2主面12は、第1貫通孔15の端部である第2主面開口部12aと、それ以外の第2主面平坦部12bとからなる。
第2層20は、第2主面12と対面する第3主面21及び第3主面21と反対側の第4主面22を有する。また、第2層20は、第3主面21から第4主面22を貫通する第2貫通孔25を有する。さらに、第3主面21は、第2貫通孔25の端部である第3主面開口部21aと、それ以外の第3主面平坦部21bとからなる。また、第4主面22は、第2貫通孔25のもう一方の端部である第4主面開口部22aとそれ以外の第4主面平坦部22bとからなる。
第3層60は、第4主面22と対面する第5主面61と、第5主面61と反対側の第6主面62を有する。
第2主面開口部12aの開口面積は、第3主面開口部21aの開口面積よりも小さい。
第2貫通孔25は、中空部30の側面を形成しており、第5主面61が中空部30の底面31となる。
吸音部材900において、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとは端部で接着剤により接着されている。
また、第1層10は上に凸になるように湾曲しており、第2主面平坦部12bと、第3主面平坦部21bとの間には第1空気層50が形成されている。
すなわち、第2主面平坦部12bが上に凸になるように湾曲している。
そして、第1空気層50は、中空部30と接続している。
第1空気層50が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
吸音部材900において、第4主面平坦部22bと、第5主面61とは端部で接着剤により接着されている。
また、第3層60は下に凸になるように湾曲しており、第4主面平坦部22bと、第5主面61との間には第2空気層70が形成されている。
すなわち、第5主面61が下に凸になるように湾曲している。
そして、第2空気層70は、中空部30と接続している。
第2空気層70が形成されることで、バネマス効果により、吸音率が向上する。
続いて、吸音部材が3つの層からなる場合の吸音部材を製造する方法について説明する。
本発明の吸音部材を製造する方法は、
導入通路となる柱状の第1貫通孔を有する板材である上層を作製する工程と、
第2貫通孔を有する板材である第2層を作製する工程と、
第3層となる板材を準備する工程と、
第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層が形成されるように第1層と第2層を積層する工程と、
中空部が形成されるように第2層と第3層を積層する工程を含む。
(第1層を作製する工程)
板材として使用することのできる樹脂等の材料からなる所定の厚さの板材を準備する。
貫通孔を有さない板材に対して、パンチング、ドリルやレーザー等の手段で第1貫通孔を形成することにより第1層を作製することができる。
また、板材として発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂を使用する場合、金型内に第1貫通孔を形成するための突起を設けて、発泡性樹脂粒子を発泡させる方法によっても、板材に第1貫通孔が設けられた第1層を作製することができる。
なお、後述する第1層と第2層を積層する工程において接着剤層を形成せずに第1層と第2層とを積層する場合には、第1層の第2主面平坦部に嵌合部(雄部又は雌部)を形成してもよい。
(第2層を作製する工程)
板材として使用することのできる樹脂等の材料からなる所定の厚さの板材を準備する。
貫通孔を有さない板材に対して、パンチング、ドリルやレーザー等の手段で第2貫通孔を形成することにより第2層を作製することができる。第2貫通孔の径が第1貫通孔より大きくなるようにする。
また、板材として発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂を使用する場合、金型内に第2貫通孔を形成するための突起を設けて、発泡性樹脂粒子を発泡させる方法によっても、板材に第2貫通孔が設けられた第2層を作製することができる。
なお、後述する第1層と第2層を積層する工程において接着剤層を使用しない場合には、第2層の第3主面平坦部に嵌合部(雄部又は雌部)を形成してもよい。
また、後述する第2層と第3層を積層する工程において第2層の第4主面平坦部に嵌合部(雄部又は雌部)を形成してもよい。
(第3層となる板材を準備する工程)
板材として使用することのできる樹脂等の材料からなり、貫通孔が設けられていない所定の厚さの板材を準備する。
なお、後述する第2層と第3層を積層する工程において接着剤層を形成しない場合には、第5主面に嵌合部(雄部又は雌部)を形成してもよい。
(第1層と第2層とを積層する工程)
次に、接着剤により第1層と第2層とを接着する場合には、シート状の接着剤を第2層の第2貫通孔の形状及び位置に合わせてくり抜いたものを準備する。この際、第1層の第2主面平坦部と、第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層が形成されるようにシート状の接着剤層の形状を加工する。
第1層と第2層の間に挟んで接着剤の接着力を発揮させることにより、第1層と第2層を接着剤層により接着することができる。
第1層と接着剤層と第2層を積層する際には、第1層の第1貫通孔と第2層の第2貫通孔の位置を合わせてヘルムホルツ共鳴構造が形成されるようにする。
第2層の第2貫通孔の形状及び位置に合わせて接着剤を塗布し、第1層と第2層を積層して接着剤の接着力を発揮させることにより、第1層と第2層を接着剤層により接着することができる。
接着剤の接着力を発揮させる条件としては、接着剤の接着特性に合わせた条件を使用すればよい。
また、嵌合部により第1層と第2層とを接続する場合には、第1層及び第2層の嵌合部を嵌合させ第1層及び第2層を接続する。
(第2層と第3層を積層する工程)
次に、接着剤により第2層と第3層とを接着する場合には、シート状の接着剤を第2層の第2貫通孔の形状及び位置に合わせてくり抜いたものを準備する。この際、第2層の第4主面平坦部と、第3層の第5主面との間に第2空気層が形成されるようにシート状の接着剤層の形状を加工してもよい。
第2層と第3層の間に挟んで接着剤の接着力を発揮させることにより、第2層と第3層を接着剤層により接着することができる。これにより中空部を形成することができる。
また、嵌合部により第2層と第3層とを接続する場合には、第2層及び第3層の嵌合部を嵌合させ第2層及び第3層を接続する。
本発明の車両用部品は、本発明の吸音部材を備えることを特徴とする。
本発明の吸音部材は吸音性能に優れるため、車両用部品として優れる。
本発明の吸音部材を備える車両用部品としては、嵩上げ材、仕切り部材、ラゲッジボックス等が挙げられる。
本発明の自動車は、本発明の吸音部材の導入通路を路面方向に向けて配置してなることを特徴とする。
このような向きに本発明の吸音部材を配置することで、路面から伝わるタイヤパターンノイズの騒音を吸収することができ、騒音が車内に伝わることを防止することができる。
本発明の吸音部材は、車両部品として使用されることになる。
本発明の吸音部材を車両用部品として用いた例、及び、本発明の吸音部材を配置してなる自動車の例について、図10(a)及び図10(b)を用いて説明する。
図10(a)は、本発明の吸音部材が配置される部位の一例を模式的に示す説明図であり、図10(b)は、図10(a)における破線部で示す領域の部分拡大図である。
図10(a)に示すように、自動車1は、後部座席2の後方にラゲッジルーム3を備える。ラゲッジルーム3の下部には、板状のフロア部材4が敷設されており、フロア部材4の下には床下空間5が存在する。
吸音部材100がその導入通路15が路面方向に向くようにして、自動車1の床下空間5の下に配置される。
(実施例)
以下に、本発明をより具体的に説明する具体例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)板材の作製
(1−1)第1層となる板材の作製
発泡性樹脂粒子を予備発泡させた一次発泡粒子(ポリプロピレン製、平均粒径3.5mm、発泡剤:二酸化炭素)を金型に充填するとともに、加熱蒸気で発泡成形(143℃、10秒)し、金型から取り外した後、80℃で12時間乾燥させることにより、発泡樹脂からなり、縦800mm×横800mm×厚さ10mmの大きさであり、一方の主面の縁部に雄部である嵌合部が形成された第1層となる板材を作製した。このとき、発泡樹脂の発泡倍率は30倍であった。
(1−2)第2層となる板材の作製
発泡性樹脂粒子を予備発泡させた一次発泡粒子(ポリプロピレン製、平均粒径3.5mm、発泡剤:二酸化炭素)を金型に充填するとともに、加熱蒸気で発泡成形(143℃、10秒)し、金型から取り外した後、80℃で12時間乾燥させることにより、発泡樹脂からなり、縦800mm×横800mm×厚さ10mmの大きさであり、両方の主面の縁部に雌部である嵌合部が形成された第2層となる板材を作製した。このとき、発泡樹脂の発泡倍率は30倍であった。
(1−3)第3層となる板材の作製
発泡性樹脂粒子を予備発泡させた一次発泡粒子(ポリプロピレン製、平均粒径3.5mm、発泡剤:二酸化炭素)を金型に充填するとともに、加熱蒸気で発泡成形(143℃、10秒)し、金型から取り外した後、80℃で12時間乾燥させることにより、発泡樹脂からなり、縦800mm×横800mm×厚さ10mmの大きさであり、一方の主面の縁部に雄部である嵌合部が形成された板材(第3層)を作製した。このとき、発泡樹脂の発泡倍率は30倍であった。
(2)貫通孔の形成
上記(1−1)で作製した第1層となる板材に、孔ピッチ10mmの千鳥配列となるよう、直径3mmの円形に貫通孔(第1貫通孔)を形成して、第1層を作製した。
上記(1−2)で作製した第2層となる板材に、孔ピッチ10mmの千鳥配列となるよう、直径10mmの円形に貫通孔(第2貫通孔)を形成して、第2層を作製した。
(3)積層及び接着
第1層、第2層及び第3層の各嵌合部に接着剤(コニシ社製 ホンドGクリアー)を塗布し、第1層、第2層及び第3層を積層した。これにより、嵌合部以外の第2主面平坦部と第3主面平坦部との間に第1空気層を形成し、嵌合部以外の第4主面平坦部と第5主面との間に第2空気層を形成した。
これにより、図8に示す構造を有する実施例1に係る吸音部材を作製した、
実施例1に係る吸音部材では、第2主面平坦部と第3主面平坦部との間の距離は100μmであり、第4主面平坦部と第5主面との間の距離は100μmであった。
(実施例2)
(1)板材の作製
発泡性樹脂粒子を予備発泡させた一次発泡粒子(ポリプロピレン製、平均粒径3.5mm、発泡剤:二酸化炭素)を金型に充填するとともに、加熱蒸気で発泡成形(143℃、10秒)し、金型から取り外した後、80℃で12時間乾燥させることにより、発泡樹脂からなる縦800mm×横800mm×厚さ10mmの板材3枚を作製した。このとき、発泡樹脂の発泡倍率は30倍であった。
(2)貫通孔の形成
上記(1)で作製した板材のうちの1枚に、孔ピッチ10mmの千鳥配列となるよう、直径3mmの円形に貫通孔(第1貫通孔)を形成して、第1層を作製した。
続いて、上記(1)で作製した板材の別の1枚に、孔ピッチ10mmの千鳥配列となるよう、直径10mmの円形に貫通孔(第2貫通孔)を形成して、第2層を作製した。
上記(1)で作製した残りの1枚の板材には加工を施さず、第3層とした。
(3)積層及び接着
第2層の第3主面開口部の周囲の所定の一定の範囲に接着剤が塗布されないように、第2層の第3主面平坦部に、接着剤(コニシ社製 ホンドGクリアー、塗布厚さ:100μm)塗布した。
この際、第3主面平坦部において、接着剤が塗布される領域の面積と、接着剤が塗布されない面積の比が1:1となるようにした。
その後、第1層に形成された第1貫通孔の中心位置と第2層に形成された第2貫通孔の中心位置とが一致するように第1層と第2層とを接着した。これにより、第1層の第2主面平坦部と接着剤が塗布されていない第2層の第3主面平坦部との間に第1空気層を形成した。
続いて、第2層の第4主面開口部の周囲の所定の一定の範囲に接着剤が塗布されないように、第2層の第4主面平坦部に、接着剤(コニシ社製 ホンドGクリアー、塗布厚さ:100μm)を塗布した。
この際、第4主面平坦部において、接着剤が塗布される領域の面積と、接着剤が塗布されない面積の比が1:1となるようにした。
その後、第2層と第3層とを接着した。これにより、接着剤が塗布されていない第2層の第4主面平坦部と第3層の第5主面との間に第2空気層を形成した。
これにより図7に示す構造を有する実施例2に係る吸音部材を製造した。
実施例2に係る吸音部材では、第2主面平坦部と第3主面平坦部との間の距離は100μmであり、第4主面平坦部と第5主面との間の距離は100μmであった。
(比較例1)
上記実施例2に係る吸音部材の製造方法の「(3)積層及び接着」において、第2層の第3主面平坦部及び第4主面平坦部の全面に接着剤を塗布し、第1層、第2層及び第3層を積層した以外は、実施例2と同様に、比較例1に係る吸音部材を製造した。
(吸音周波数測定及び吸音率測定実験)
実施例1及び2、並びに、比較例1に係る吸音部材について、周波数を変化させながら吸音周波数及び吸音率を実測した。
吸音率の測定は、残響室法吸音率試験により行った。測定はJIS A 1409−:1998「残響室吸音率の測定方法」に準じて行った。
図11は、吸音部材に対する残響室法吸音率を模式的に示す説明図である。
図11に示すように、吸音率を測定する際には、各実施例及び各比較例に係る吸音部材100を導入通路の開口を上面にして、残響室80の床面81に載置し、残響室80内でノイズ信号発生器82からスピーカー83を通じ電気的なノイズを放射させる。次に音の放射を止め、音をマイクロホン84で測定し、減衰過程を信号分析器85で分析する。試験体が設置される前の状態で、分析された減衰曲線から音が60dB減衰する時間である残響時間、T1〔sec.〕、試験体が床面に設置された後の状態で、測定された減衰曲線から音が60dB減衰する時間である残響時間、T2〔sec.〕を求める。測定は300−5000Hzで行う。
残響室法吸音率試験の結果のグラフを図12〜図14に示す。
図12は、本発明の実施例1に係る吸音部材の残響室法吸音率試験の結果を示すグラフである。
図13は、本発明の実施例2に係る吸音部材の残響室法吸音率試験の結果を示すグラフである。
図14は、本発明の比較例1に係る吸音部材の残響室法吸音率試験の結果を示すグラフである。
図12〜図14に示すように、実施例1及び2に係る吸音部材では、吸音性能が高く、特に、吸音率のピークが高かった。
1 自動車
2 後部座席
3 ラゲッジルーム
4 フロア部材
5 床下空間
10 第1層
11 第1主面
12 第2主面
12a 第2主面開口部
12b 第2主面平坦部
12α、61α 雄部
15 第1貫通孔
20 第2層
21 第3主面
21a 第3主面開口部
21b 第3主面平坦部
21β、22β 雌部
22 第4主面
22a 第4主面開口部
22b 第4主面平坦部
25 第2貫通孔
30 中空部
30a 非貫通孔
31 底面
40 接着剤層
50 第1空気層
60 第3層
61 第5主面
62 第6主面
70 第2空気層
80 残響室
81 床面
82 ノイズ信号発生器
83 スピーカー
84 マイクロホン
85 信号分析器
100、200、300、400、500、600、700、800、900 吸音部材

Claims (13)

  1. 導入通路と前記導入通路を介して外部と接続される中空部からなるヘルムホルツ共鳴構造を有する吸音部材であって、
    前記吸音部材は、第1層と、前記第1層に積層された第2層を含み、
    前記第1層は、第1主面及び前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、
    前記第2層は、前記第2主面と対面する第3主面及び前記第3主面と反対側の第4主面を有し、
    前記第1層は、前記第1主面から前記第2主面を貫通し、前記導入通路を形成する第1貫通孔を有し、
    前記第2主面は、前記第1貫通孔の端部である第2主面開口部と、それ以外の第2主面平坦部とからなり、
    前記第3主面は、前記中空部の端部である第3主面開口部と、それ以外の第3主面平坦部とからなり、
    前記第2主面開口部の開口面積は、前記第3主面開口部の開口面積よりも小さく、
    前記第2主面平坦部と、前記第3主面平坦部との間の少なくとも一部には、第1空気層が形成されていることを特徴とする吸音部材。
  2. 前記第2主面平坦部と前記第3主面平坦部とは、一部が接触している請求項1に記載の吸音部材。
  3. 前記第2主面平坦部と前記第3主面平坦部は、その少なくとも一方に湾曲又はうねりがあり、前記第2主面平坦部と前記第3主面平坦部とは、一部が接触している請求項1に記載の吸音部材。
  4. 前記中空部の底面は、前記第2層にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音部材。
  5. 前記第2層の下層には、前記第4主面と対面する第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面を有する第3層が積層されており、
    前記第2層には、前記第3主面から前記第4主面を貫通し、前記中空部の側面を形成する第2貫通孔を有し、
    前記第5主面は、前記中空部の底面を形成している請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音部材。
  6. 前記第4主面は、前記第2貫通孔の端部である第4主面開口部と、それ以外の第4主面平坦部とからなり、
    前記第4主面平坦部と前記第5主面との間の少なくとも一部には、第2空気層が形成されている請求項5に記載の吸音部材。
  7. 前記第4主面平坦部と前記第5主面とは、一部が接触している請求項6に記載の吸音部材。
  8. 前記第4主面平坦部と前記第5主面は、その少なくとも一方に湾曲又はうねりがあり、前記第4主面平坦部と前記第5主面とは、一部が接触している請求項6に記載の吸音部材。
  9. 前記第1主面は、前記第1貫通孔の端部である第1主面開口部と、それ以外の第1主面平坦部とからなり、
    前記第1主面平坦部には、さらに繊維層が形成されてなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸音部材。
  10. 前記吸音部材が樹脂及び/又は繊維質材料からなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸音部材。
  11. 前記樹脂は、発泡樹脂である請求項10に記載の吸音部材。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸音部材を備えることを特徴とする車両用部品。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸音部材の導入通路を路面方向に向けて配置してなることを特徴とする自動車。
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