JP2020008684A - 防音構造体 - Google Patents

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崇史 山本
Takashi Yamamoto
崇史 山本
秀樹 古澤
Hideki Furusawa
秀樹 古澤
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Abstract

【課題】 人が不快に感じる500〜2000Hzの周波数領域の騒音に対する対策が可能な防音構造体を提供する。【解決手段】 剛壁部と、上記剛壁部から空気層を隔てて設けられたレゾネータ部とからなる防音構造体であって、上記レゾネータ部は、上記剛壁部側の第1面と、上記第1面の裏側の第2面とを有し、上記第1面には、上記第1面に第1開口部を有する第1くび部と上記第1くび部に連結した第1空洞部とからなる第1非貫通孔が形成されており、上記第2面には、上記第2面に第2開口部を有する第2くび部と上記第2くび部に連結した第2空洞部とからなる第2非貫通孔が形成されており、上記第1空洞部と上記第2空洞部とは内壁を隔てて対向しており、上記第1開口部の重心と、上記第2開口部の重心とは略同軸上にあることを特徴とする防音構造体。【選択図】 図1

Description

本発明は、防音構造体に関する。
自動車等の車両は、エンジンなどの動力源を有し、人の操作によって移動できる機械であり、様々な振動や騒音を発生させる。車両内に伝達される音としては、動力源が発する音だけではなく、車両が走行する際に発生するロードノイズ、タイヤパターンノイズ、風切音等の、車両の外で発生する音も含まれる。これらの音が車両内に伝達されてしまうと、人に対して不快感を与えてしまうため、エンジン、エンジンルーム内、内装、ボディ、排気管周辺等において、遮音材・吸音材を用いて防音対策が行われている。
特許文献1には、発泡成形により成形された柔軟な多孔質発泡体に、一方の面に開口する導入通路と、該導入通路の奥に形成され該導入通路よりも大きな断面積を持つ中空部とからなる多数の共鳴室を有する吸音材が開示されている。
特許文献2には、表面又は裏面に開口部を有する複数個の独立した盲空洞を有する樹脂成形体と吸音材を備え、特定の100Hz〜10kHz共鳴吸音ピーク周波数を有する吸・遮音構造体が開示されている。
特開平08−260589号公報 特開2001−249666号公報
自動車の技術改良に伴い、自動車に対する新たな防音対策の必要が生じている。例えば、自動車の燃費向上の方策の一つとして、自動車の重心及び最低地上高を下げることが検討されている。自動車の重心を下げることで車両の安定感及び操作性が向上し、最低地上高を下げることで空気抵抗を低減することができる。しかしながら、自動車の最低地上高が低くなることで、走行時に車両と路面との間を流れる空気の粘性が高まる。そうすると、タイヤノイズやパターンノイズ等の走行時に路面から発生する騒音が車体下の周囲に反射・拡散しにくく、車室内に侵入する音の度合いが高くなり、人員に伝達されると推定される。このような自動車の技術改良に伴い、新たな防音対策は、内燃機関を有する自動車だけでなく、電気自動車でも起こりうる。
このような自動車の技術改良に伴い、新たな防音対策を鑑み、従来技術である特許文献1に記載された吸音材や特許文献2に記載された樹脂成形体を車両に配置して防音構造体とすることにより、吸音、遮音する方法が考えられていた。
しかしながら、このような防音構造体を用いた場合、特定の周波数の音が車室内に透過するという問題があった。特に、500〜2000Hzの周波数の音が透過すると、車室内の人員が不快と感じやすくなる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされた発明であり、本発明は、人が不快に感じる500〜2000Hzの周波数領域の騒音に対する対策が可能な防音構造体を提供することを目的とする。
本発明の防音構造体は、剛壁部と、上記剛壁部から空気層を隔てて設けられたレゾネータ部とからなる防音構造体であって、上記レゾネータ部は、上記剛壁部側の第1面と、上記第1面の裏側の第2面とを有し、上記第1面には、上記第1面に第1開口部を有する第1くび部と上記第1くび部に連結した第1空洞部とからなる第1非貫通孔が形成されており、上記第2面には、上記第2面に第2開口部を有する第2くび部と上記第2くび部に連結した第2空洞部とからなる第2非貫通孔が形成されており、上記第1空洞部と上記第2空洞部とは内壁を隔てて対向しており、上記第1開口部の重心と、上記第2開口部の重心とは略同軸上にあることを特徴とする。
本発明の防音構造体は、剛壁部側から音を受けることになる。
また、本発明の防音構造体は、剛壁部及びレゾネータ部からなる二重壁構造と見なすことができる。
レゾネータ部に非貫通孔が形成されていない場合、二重壁構造の防音構造体では、共鳴透過現象により、ある特定の周波数の音が透過してしまう。すなわち、共鳴透過周波数において、透過損失が落ち込んでしまうことになる。
また、レゾネータ部の第1面にのみ非貫通孔が形成されている場合、当該非貫通孔はヘルムホルツ共鳴機構として機能する。その結果、共鳴透過周波数は、低い方へシフトすることになる。しかし、透過損失の落ち込みは充分に抑制することができない。
一方、本発明の防音構造体は、剛壁部と、剛壁部から空気層を隔てて設けられたレゾネータ部とからなり、レゾネータ部は、第1非貫通孔及び第2非貫通孔を有する。
本発明の防音構造体が音を受けると、一部の音は剛壁部により遮音され、一部の音は剛壁部を透過し、レゾネータ部に到達することになる。レゾネータ部に到達した音は、第1非貫通孔、内壁、第2非貫通孔と伝達されることになる。
第1非貫通孔はヘルムホルツ共鳴機構として機能する。その結果、共鳴透過周波数は、低い方へシフトすることになる。さらに、共鳴透過周波数における音を、第2非貫通孔は吸収することになる。
その結果、共鳴透過周波数における透過損失の落ち込みが抑制される。
このような作用により、本発明の防音構造体は、特に500〜2000Hzの周波数の音が透過することを防ぐことができるので、透過する音による人への不快感が抑制される。
本発明の防音構造体では、上記第1開口部の開口面積は、0.7〜350mmであることが望ましい。また、本発明の防音構造体では、上記第2開口部の開口面積は、0.7〜350mmであることが望ましい。
開口部の開口面積を上記の範囲にすることにより、周波数が500〜2000Hzの音がレゾネータ部側に透過することをより防ぐことができる。
本発明の防音構造体では、上記第1主面には、複数の第1非貫通孔が形成されており、上記第2主面には、複数の第2非貫通孔が形成されていることが望ましい。
このような構造の本発明の防音構造体は、効率よく音を吸収することができる。
本発明の防音構造体では、上記レゾネータ部が樹脂からなることが望ましい。
レゾネータ部が樹脂製であると、非貫通孔に対する成形加工性に優れ、軽量化が図りやすいため車両用部品として望ましい。
図1は、本発明の防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。 図3は、第1非貫通孔のみが形成されたレゾネータ部からなる従来の防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、第1非貫通孔のみが形成されたレゾネータ部からなる従来の防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。 図5は、剛壁部、空気層及び非貫通孔が形成されていないレゾネータ部からなる防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、図5に示す防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。 図7は、剛壁部、空気層及び第1非貫通孔のみが形成されているレゾネータ部からなる吸音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、図7に示す防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。 図9(a)及び(b)は、本発明の防音構造体のレゾネータ部を作製する方法の一例を模式的に示す模式図である。 図10は、防音構造体に対する音響透過損失試験の概要を模式的に示す説明図である。 図11は、透過損失の測定の結果を示すグラフである。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の防音構造体について詳述する。
本発明の防音構造体は、剛壁部と、上記剛壁部から空気層を隔てて設けられたレゾネータ部とからなる防音構造体であって、上記レゾネータ部は、上記剛壁部側の第1面と、上記第1面の裏側の第2面とを有し、上記第1面には、上記第1面に第1開口部を有する第1くび部と上記第1くび部に連結した第1空洞部とからなる第1非貫通孔が形成されており、上記第2面には、上記第2面に第2開口部を有する第2くび部と上記第2くび部に連結した第2空洞部とからなる第2非貫通孔が形成されており、上記第1空洞部と上記第2空洞部とは内壁を隔てて対向しており、上記第1開口部の重心と、上記第2開口部の重心とは略同軸上にあることを特徴とする。
本発明の防音構造体は、剛壁部側から音を受けることになる。
剛壁部に到達した音は、剛壁部により遮音されることになるが、一部の音は剛壁部を透過し、レゾネータ部に到達する。
本発明のレゾネータ部は、レゾネータ部の第1面に第1非貫通孔が形成されており、第2面に第2非貫通孔が形成されている
図1は、本発明の防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の防音構造体の一例である防音構造体1は、剛壁部10と、剛壁部10から空気層20を隔てて設けられたレゾネータ部30とからなる。
レゾネータ部30は、剛壁部10側の第1面31と、第1面31の裏側の第2面32とを有する。
第1面31には、第1面31に第1開口部41を有する第1くび部42と第1くび部42に連結した第1空洞部43とからなる第1非貫通孔40が形成されている。
第2面32には、第2面32に第2開口部51を有する第2くび部52と第2くび部52に連結した第2空洞部53とからなる第2非貫通孔50が形成されている。
第1空洞部43と第2空洞部53とは内壁60を隔てて対向している。
また、第1開口部41の重心と、第2開口部51の重心とは略同軸α上にある。
防音構造体1は、剛壁部10側から音を受けることになる。
また、防音構造体1は、剛壁部10及びレゾネータ部30からなる二重壁構造と見なすことができる。
レゾネータ部に非貫通孔が形成されていない場合、二重壁構造の防音構造体では、共鳴透過現象により、ある特定の周波数の音が透過してしまう。すなわち、共鳴透過周波数において、透過損失が落ち込んでしまうことになる。
また、レゾネータ部の第1面にのみ非貫通孔が形成されている場合、当該非貫通孔はヘルムホルツ共鳴機構として機能する。その結果、共鳴透過周波数は、低い方へシフトすることになる。しかし、透過損失の落ち込みは充分に抑制することができない。
一方、防音構造体1は、剛壁部10と、剛壁部10から空気層20を隔てて設けられたレゾネータ部30とからなり、レゾネータ部30は、第1非貫通孔40及び第2非貫通孔50を有する。
防音構造体1が音を受けると、一部の音は剛壁部10により遮音され、一部の音は剛壁部10を透過し、レゾネータ部30に到達することになる。レゾネータ部30に到達した音は、第1非貫通孔40、内壁60、第2非貫通孔50と伝達されることになる。
第1非貫通孔40はヘルムホルツ共鳴機構として機能する。その結果、共鳴透過周波数は、低い方へシフトすることになる。さらに、共鳴透過周波数における音を、第2非貫通孔50は吸収することになる。
その結果、共鳴透過周波数における透過損失の落ち込みが抑制される。
図2は、本発明の防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。
図2に示すように、本発明の防音構造体は、二重壁構造(剛壁部10及びレゾネータ部30)なので、共鳴透過周波数(図2中、「a」で示す周波数帯)において、透過損失の落ち込みが発生するものの、その落ち込みを抑えることができる。
すなわち、第1非貫通孔を透過した特定の周波数の音は、内壁及び第2非貫通孔を伝達する過程において吸収されることになる。
このような作用により、本発明の防音構造体は、特に、500〜2000Hzの周波数の音が透過することを防ぐことができるので、透過する音による人への不快感が抑制される。
ここで、第1非貫通孔のみが形成されたレゾネータ部からなる従来の防音構造体について説明をする。
図3は、第1非貫通孔のみが形成されたレゾネータ部からなる従来の防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、従来の防音構造体の一例である防音構造体101は、第1面131と、第1面131の裏側の第2面132とを有するレゾネータ部130からなる。
第1面131には、第1面131に第1開口部141を有する第1くび部142と第1くび部142に連結した第1空洞部143とからなる第1非貫通孔140が形成されている。
また、第2面132には非貫通孔は形成されていない。すなわち、レゾネータ部130に第1非貫通孔140のみが形成されている。
防音構造体101の第1貫通孔140は、ヘルムホルツ共鳴機構であり、特定周波数の音の吸音性に優れている。
その一方で、音の透過損失は質量にも依存する。防音構造体101では、レゾネータ部130に第1非貫通孔140が形成されているので、第1非貫通孔140が形成されていない場合に比べ質量が少なくなっている。そのため、透過損失が全体的に低くなってしまう。そのため、音の透過が充分に抑制されにくくなる。
図4は、第1非貫通孔のみが形成されたレゾネータ部からなる従来の防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。
図4に示すように、レゾネータ部に第1非貫通孔のみが形成されている従来の防音構造体では全体的に透過損失が低めであり、音の透過が充分に抑制されにくくなる。
次に、比較技術として、剛壁部、空気層及び非貫通孔が形成されていないレゾネータ部からなる防音構造体、並びに、剛壁部、空気層及び第1非貫通孔のみが形成されているレゾネータ部からなる吸音構造体について説明をする。
図5は、剛壁部、空気層及び非貫通孔が形成されていないレゾネータ部からなる防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図6は、図5に示す防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。
図5に示す防音構造体201は、剛壁部210と、剛壁部210から空気層220を隔てて設けられたレゾネータ部230からなる。また、レゾネータ部230には、非貫通孔が形成されていない。
防音構造体201は、二重壁構造(剛壁部210及びレゾネータ部230)なので、共鳴透過周波数(図6中、「b」で示す周波数帯)において、透過損失の落ち込みが発生する。
そのため、共鳴透過周波数の音は、防音構造体201を透過しやすいといえる。
図7は、剛壁部、空気層及び第1非貫通孔のみが形成されているレゾネータ部からなる吸音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図8は、図7に示す防音構造体における音の周波数と透過損失の関係を模式的に示すグラフである。
図7に示す防音構造体301は、剛壁部310と、剛壁部310から空気層320を隔てて設けられたレゾネータ部330とからなる。
レゾネータ部330は、剛壁部310側の第1面331と、第1面331の裏側の第2面332とを有する。
第1面331には、第1面331に第1開口部341を有する第1くび部342と第1くび部342に連結した第1空洞部343とからなる第1非貫通孔340が形成されている。
第2面332には、非貫通孔は形成されていない。
防音構造体301は二重壁構造(剛壁部310及びレゾネータ部330)なので、共鳴透過周波数(図8中、「c」で示す周波数帯)において、透過損失の落ち込みが発生する。
防音構造体301では、レゾネータ部330に第1非貫通孔340が形成されているので、共鳴透過周波数が、上記防音構造体201における共鳴透過周波数に比べ、低い方へシフトしている。
しかし、透過損失の落ち込み自体は発生している。
そのため、共鳴透過周波数の音は、防音構造体301を透過しやすいといえる。
このように、防音構造体201及び防音構造体301では、共鳴透過周波数において音が透過してしまう。
このように透過した音の周波数が500〜2000Hzであると、人が不快と感じてしまう。
次に、本発明の防音構造体の各構成について詳述する。
(剛壁部)
剛壁部は、特に限定されないが、剛性のある材質がよく、その一例として鋼がより望ましい。鋼は遮音性能が高い素材であるので、本発明の防音構造体の防音機能を向上させることができる。
なお、本発明の防音構造体を設置する場所が車内である場合、車体を構成する鋼板の一部を剛壁部とみなすこともできる。
剛壁部の厚さは、特に限定されないが、0.1〜100mmであることが望ましい。
剛壁部の厚さが0.1mm未満であると、剛壁の機能が低減され、遮音性能が低下する。
剛壁部の厚さが100mmを超えると、本発明での遮音性能の効果が得られにくくなる。また、防音構造体が大きくなり、重くなる。そのため、車載向けの防音構造体として、設計がしにくくなる。
剛壁部の面積は、特に限定されないが、レゾネータ部の第1面の面積よりも広いことが望ましい。
剛壁部の面積が、レゾネータ部の第1面の面積より広い方が本発明の剛壁としての効果が得られやすい。剛壁部を透過した音は、減衰されている。このように減衰された音は、レゾネータ部により充分に吸音・遮音されることになる。
(空気層)
空気層の厚さは特に限定されないが、一定であることが望ましい。すなわち、剛壁部とレゾネータ部の第1面は平行な関係であることが望ましい。
レゾネータ部の第1非貫通孔はヘルムホルツ共鳴機構として機能する。ヘルムホルツ共鳴機構は、所定の周波数の音を吸収することができるが、剛壁部とレゾネータ部の第1面との距離は、吸音する音の周波数にも影響する。
空気層の厚さが一定である場合、吸音できる音の周波数が、防音構造体において一定である。そのため、狙った周波数の音を効率よく防音することができる。
空気層の厚さは、0mmを超える厚さであり、1〜100mmであることが望ましい。
この範囲にすることで透過損失の落ち込みが抑制される。
なお、空気層の厚さは、剛壁部とレゾネータ部の第1面の間の距離の平均値(9点での平均値)として算出する。
(レゾネータ部)
レゾネータ部は、材質は限定されないが、樹脂からなることが望ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、発泡樹脂、ゴム等のエラストマー等からなることが望ましい。
レゾネータ部が樹脂製であると、非貫通孔に対する成形加工性に優れ、軽量化が図りやすいため車両用部品として望ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
発泡樹脂としては、発泡性樹脂粒子(ビーズ)からなる発泡樹脂、気泡を有する発泡樹脂等が挙げられる。
樹脂が発泡樹脂であると、その重量をより軽くすることができ、車両用部品とした場合に燃費の向上に寄与することができる。
発泡樹脂は、密度が0.01〜0.5g/cmである材料であることが望ましく、密度が0.02〜0.1g/cmであることがさらに望ましい。
発泡樹脂の密度が上記範囲内であると、レゾネータ部として必要な強度を得やすい。
一方、発泡樹脂の密度が0.01g/cm未満であると、レゾネータ部として充分な機械的強度を得られないことがある。
また、発泡樹脂の密度が0.5g/cmを超える場合には、レゾネータ部の重量が増加してしまい、車両の軽量化の妨げとなる。
なお、発泡樹脂は、発泡性樹脂粒子を発泡・成形して得られる。
発泡性樹脂粒子(ビーズ)は、樹脂粒子の内部に発泡剤を含有する粒子であり、公知のものを好適に使用することができる。
発泡性樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂が挙げられる。スチレン系樹脂としては、スチレン単重合体、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体(又はその誘導体)を共重合して得られる共重合体が挙げられる。スチレン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類等が挙げられる。
さらに、レゾネータ部は、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、耐光性安定剤、帯電防止剤及び着色剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の使用の一例としては、着色剤に黒系のものを用いれば、汚れが目立たなくなる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系難燃剤、赤リン、リン酸アンモニウム等のリン酸系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA(TABB)、臭素化ポリスチレン、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、炭酸アンモニウム、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。
充填剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
抗酸化剤としては、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノール、アルキルフェノールチオエーテル、β,β−チオプロピオン酸エステル、有機亜リン酸エステル及びフェノール・ニッケル複合体等が挙げられる。
耐光性安定剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系の安定剤等が挙げられる。
帯電防止剤としては、脂肪酸エステル化合物、脂肪族エタノールアミン化合物及び脂肪族エタノールアミド化合物等の低分子型帯電防止剤並びに高分子型帯電防止剤等が挙げられる。
着色剤としては、染料及び顔料等が挙げられる。
レゾネータ部の厚さ(すなわち、第1面〜第2面までの距離)の下限は、10mm以上であることが望ましい。レゾネータ部の厚さの上限は、120mm以下であることが望ましい。
レゾネータ部の厚さは、20〜100mmであることがより望ましい。
第1非貫通孔及び第2非貫通孔は、ヘルムホルツ共鳴機構として機能する。ヘルムホルツ共鳴機構は、所定の周波数の音を吸収することができるが、吸音する音の周波数は、第1非貫通孔及び第2非貫通孔の形状及び大きさに依存する。
レゾネータ部の厚さが10mm未満であると、第1非貫通孔及び第2非貫通孔の形状及び大きさの設計の自由度が低下してしまう。そのため、狙った周波数の音を吸音・遮音する防音構造体を設計しにくくなる。
また、充分な強度を得られにくくなる。
レゾネータ部の厚さが120mmを超えると、防音構造体が大きくなりすぎ扱いにくくなる。
次に、レゾネータ部の第1非貫通孔について説明する。
第1非貫通孔の第1開口部の形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、八角形等であることが望ましく、円形もしくは楕円形であることがより望ましい。第1開口部が、円形及び楕円形である場合には、角部が存在しないので、角を起点にして応力集中することがない。
第1非貫通孔の第1空洞部の形状は、多角柱系、円柱形、球形等であることが望ましく、円柱形であることが望ましい。円柱状である第1空洞部は角部が少なく、また、作製しやすい。
第1非貫通孔の第1開口部の面積は、0.7〜350mmであることが望ましい。
第1非貫通孔の第1くび部の長さは、1〜20mmであることが望ましい。
第1非貫通孔の第1空洞部の体積は、5〜40000mmであることが好ましい。
第1非貫通孔の大きさが上記範囲内であると、500〜2000Hzの周波数の音を好適に吸音、遮音することができる。
次に、レゾネータ部の第2非貫通孔について説明する。
第2非貫通孔の第2開口部の形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、八角形等であることが望ましく、円形もしくは楕円形であることがより望ましい。第2開口部が、円形及び楕円形である場合には、角部が存在しないので、角を起点にして応力集中することがない。
第2非貫通孔の第2空洞部の形状は、多角柱系、円柱形、球形等であることが望ましく、円柱形であることが望ましい。円柱状である第2空洞部は角部が少なく、また、作製しやすい。
第2非貫通孔の第2開口部の面積は、0.7〜350mmであることが望ましい。
第2非貫通孔の第2くび部の長さは、1〜20mmであることが望ましい。
第2非貫通孔の第2空洞部の体積は、5〜40000mmであることが好ましい。
第2非貫通孔の大きさが上記範囲内であると、500〜2000Hzの周波数の音を好適に吸音、遮音することができる。
次に、レゾネータ部の第1非貫通孔及び第2非貫通孔の関係について説明する。
第1非貫通孔の第1空洞部と、第2非貫通孔の第2空洞部とは内壁を隔てて対向している。
内壁の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上であることが望ましく、5〜20mmであることがより望ましい。
第1非貫通孔の第1空洞部の体積と第2非貫通孔の第2空洞部の体積との関係は、特に限定されないが、第1非貫通孔の第1空洞部の体積は、第2非貫通孔の第2空洞部の体積以上であることが望ましい。
レゾネータ部の第1面には、複数の第1非貫通孔が形成されており、第2面には、複数の第2非貫通孔が形成されていることが望ましい。
このような構造の本発明の防音構造体は、効率よく音を吸収することができる。
レゾネータ部において、複数の第1非貫通孔が形成されている場合、隣り合う第1非貫通孔の第1空洞部同士の間の距離は、特に限定されないが、隣り合う第1非貫通孔の第1空洞部同士の間の壁の厚さは、0.1mm以上であることが望ましく、5〜40mmであることがより望ましい。
レゾネータ部において、複数の第2非貫通孔が形成されている場合、隣り合う第2非貫通孔の第2空洞部同士の間の距離は、特に限定されないが、隣り合う第2非貫通孔の第2空洞部同士の間の壁の厚さは、0.1mm以上であることが望ましく、5〜40mmであることがより望ましい。
また、第1開口部の配列パターンは、正方形を縦横に連続して配置した平面において正方形の頂点に第1開口部を配置する正方配列であってもよく、正三角形を縦横に連続して配置した平面において三角形の頂点に第1開口部を配置する千鳥配列であってもよい。
同様に、第2開口部の配列パターンも正方配列であってもよく、千鳥配列であってもよい。
これらの中では、千鳥配列であることが望ましい。配列パターンが千鳥配列であると、隣接する非貫通孔が全て等間隔となりやすいため、音の減衰効率がよい。
レゾネータ部を上記構造にすることにより、周波数が500〜2000Hzの音がレゾネータ部側に透過することをより防ぐことができる。
次に、本発明の防音構造体の製造方法について説明する。
まず、レゾネータ部の作製方法について説明する。
レゾネータ部に第1非貫通孔の開口及び第2非貫通孔の開口を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂層にカッター等の工具やドリルを用いて手作業で第1非貫通孔及び第2非貫通孔を形成してもよい。
また、熱可塑性樹脂の樹脂ペレットを射出成形、押出成形等の成形加工によって第1非貫通孔及び第2非貫通孔を有するレゾネータ部を作製してもよい。
また、熱硬化性樹脂を金型に入れ、加圧し、金型温度を上げて、硬化させることで第1非貫通孔及び第2非貫通孔を有するレゾネータ部を作製してもよい。
また、光硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂で、3Dプリンターを用いて第1非貫通孔及び第2非貫通孔を有するレゾネータ部を作製してもよい。
また、以下に説明するように、孔が形成された板材を積層することにより第1非貫通孔及び第2非貫通孔を有するレゾネータ部を作製してもよい。
図9(a)及び(b)は、本発明の防音構造体のレゾネータ部を作製する方法の一例を模式的に示す模式図である。
孔が形成された板材を積層してレゾネータ部を作製する場合、まず、図9(a)に示すように、第1くび部42となる第1貫通孔61が形成された第1板材71と、第1空洞部43となる第2貫通孔62が形成された第2板材72と、内壁60となる第3板材73と、第2空洞部53となる第3貫通孔63が形成された第4板材74と、第2くび部52となる第4貫通孔64が形成された第5板材75を準備する。
なお、各板材の各貫通孔の形成位置は、各板材を積層した際に、各貫通孔の重心が略同軸上に位置するようにあらかじめ設計する。
次に、図9(b)に示すように、これらを積層することによりレゾネータ部30を作製することができる。
レゾネータ部30において、第1板材71の外面は第1面31となり、第5板材75の外面は第2面32となる。
第1板材〜第5板材を接着する方法としては、特に限定されないが、従来の接着剤を用いることができる。
このようにして作製したレゾネータ部の第1面側に空気層を隔てて剛壁部を設けることにより本発明の防音構造体を製造することができる。
また、防音構造体を設置する場所が車内である場合、車体を構成する鋼板の一部を剛壁部とみなし、剛壁部に対して所定距離離間するようにレゾネータ部を配置することによって、車内において防音構造体を得るようにしてもよい。
(実施例)
以下に、本発明をより具体的に説明する具体例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)板材の作製
発泡性樹脂粒子を予備発泡させた一次発泡粒子(ポリプロピレン製、平均粒径3.5mm、発泡剤:二酸化炭素)を金型に充填するとともに、加熱蒸気で発泡成形(143℃、10秒)し、金型から取り外した後、80℃で12時間乾燥させることにより、縦800mm×横800mm×厚さ10mmの第1板材を作製した。このとき、発泡樹脂の発泡倍率は30倍であった。
また、以下の大きさとなるように金型を変える以外は、第1板材を作製する方法と同様の方法で第2板材〜第5板材を作製した。
第2板材:縦800mm×横800mm×厚さ10mm
第3板材:縦800mm×横800mm×厚さ5mm
第4板材:縦800mm×横800mm×厚さ5mm
第5板材:縦800mm×横800mm×厚さ5mm
ドリルにより、第1板材に直径3mmの円形の第1貫通孔を形成した。
第1貫通孔は、千鳥配列となるように複数個形成した。
隣り合う第1貫通孔の重心間の距離は15mmとした。
ドリルにより、第2板材に直径10mmの円形の第2貫通孔を形成した。
第2貫通孔は、千鳥配列となるように複数個形成した。
隣り合う第2貫通孔の重心間の距離は15mmとした。
ドリルにより、第4板材に直径10mmの円形の第3貫通孔を形成した。
第3貫通孔は、千鳥配列となるように複数個形成した。
隣り合う第3貫通孔の重心間の距離は15mmとした。
ドリルにより、第5板材に直径3mmの円形の第4貫通孔を形成した。
第4貫通孔は、千鳥配列となるように複数個形成した。
隣り合う第4貫通孔の重心間の距離は15mmとした。
なお、第1貫通孔〜第4貫通孔を形成する際、第1板材〜第5板材を積層した際に、各貫通孔の重心が略同軸上に位置するようにした。
次に、第1板材〜第5板材を順に、接着剤(コニシ社製 品番:CV6205、塗布厚さ:100μm)を用いて接着・積層した。
以上の工程を経て、実施例1に係るレゾネータ部を作製した。
実施例1に係るレゾネータ部の各部の大きさ等は以下の通りとなる。
第1開口部の面積:7.1mm
第1非貫通孔のくび部の長さ:10mm
第1非貫通孔の空洞部の体積:785.4mm
内壁の厚さ:5mm
第2開口部の面積:7.1mm
第2非貫通孔のくび部の長さ:5mm
第2非貫通孔の空洞部の体積:392.7mm
次に、縦800mm×横800mm×厚さ0.8mmの鋼製の剛壁部を準備した。
レゾネータ部の第1面と剛壁部との間の距離が5mmとなるように、レゾネータ部及び剛壁部を配置し、実施例1に係る防音構造体を作製した。
(実施例2)
ABSライク樹脂を準備し、3Dプリンターを用いて、第1非貫通孔及び第2非貫通孔が複数個形成された実施例2に係るレゾネータ部を作製した。実施例2に係る第1非貫通孔及び第2非貫通孔の形状・大きさ等は以下の通りである。
第1開口部の形状:円形
第1開口部の配列:千鳥配列
第1開口部の面積:7.1mm
隣り合う第1開口部の重心間の距離:15mm
第1非貫通孔のくび部の長さ:10mm
第1非貫通孔の空洞部の形状:円柱形
第1非貫通孔の空洞部の体積:785.4mm
内壁の厚さ:5mm
第2開口部の形状:円形
第2開口部の配列:千鳥配列
第2開口部の面積:7.1mm
隣り合う第2開口部の重心間の距離:15mm
第2非貫通孔のくび部の長さ:5mm
第2非貫通孔の空洞部の形状:円柱形
第2非貫通孔の空洞部の体積:612.6mm
次に、縦800mm×横800mm×厚さ0.8mmの鋼製の剛壁部を準備した。
レゾネータ部の第1面と剛壁部との間の距離が5mmとなるように、レゾネータ部及び剛壁部を配置し、実施例2に係る防音構造体を作製した。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、第1貫通孔が形成された第1板材、及び、第2貫通孔が形成された第2板材を作製した。
次に、以下の大きさとなるように金型を変える以外は、上記第1板材を作製する方法と同様の方法で、縦800mm×横800mm×厚さ15mmの第3´板材を作製した。
次に、第1板材〜第3´板材を順に、接着剤(コニシ社製 品番:CV6205、塗布厚さ:100μm)を用いて接着・積層した。
以上の工程を経て、第1面に第1非貫通孔のみが形成されたレゾネータ部を作製し、これを比較例1に係る防音構造体とした。
比較例1に係るレゾネータ部の各部の大きさ等は以下の通りとなる。
第1開口部の形状:円形
第1開口部の配列:千鳥配列
第1開口部の面積:7.1mm
隣り合う第1開口部の重心間の距離:10mm
第1非貫通孔のくび部の長さ:5mm
第1非貫通孔の空洞部の形状:円柱形
第1非貫通孔の空洞部の体積:785.4mm
(比較例2)
以下の大きさとなるように金型を変える以外は第1板材を作製する方法と同様の方法で、縦800mm×横800mm×厚さ35mmの第6板材を作製した。
次に、縦800mm×横800mm×厚さ0.8mmの鋼製の剛壁部を準備した。
第6板材の一方の面と、剛壁部との間の距離が5mmとなるように、第6板材及び剛壁部を配置し、比較例2に係る防音構造体(すなわち、板材2枚からなる防音構造体)を作製した。
(比較例3)
比較例1と同様の方法でレゾネータ部を作製した。次に、縦800mm×横800mm×厚さ0.8mmの鋼製の剛壁部を準備した。
レゾネータ部の第1面と剛壁部との間の距離が5mmとなるように、レゾネータ部及び剛壁部を配置し、比較例3に係る防音構造体を作製した。
(透過損失の測定)
各実施例及び各比較例の防音構造体について、周波数を変化させながら透過損失を測定した。
透過損失の測定は、音響透過損失試験により行った。測定はJIS A 1416「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に準じて行った。
図10は、防音構造体に対する音響透過損失試験の概要を模式的に示す説明図である。
図10には、音響透過損失測定装置80を示している。音響透過損失測定装置80は、スピーカー83から音を発生させる音源室81と、試験体である防音構造体1を通して音を受音する受音室82が設けられている。音源室81には音源室側マイクロホン84が、受音室82には受音室側マイクロホン85がそれぞれ設けられていて、音源室側マイクロホン84で測定した音圧レベルL1と受音室側マイクロホン85で測定した音圧レベルL2を測定装置86に取り込めるようになっている。
吸音率を測定する際には、各実施例及び各比較例に係る吸音材及び遮音材(すなわち防音構造体)を図10に示す音源室−受音室の間にセットし、音源室においてスピーカーから音(100dB)を発生させ、音源室における音圧レベルL1及び受音室の音圧レベルL2をそれぞれ測定した。周波数100〜6300Hzの範囲で測定を行った。結果を図11に示す。
図11は、透過損失の測定の結果を示すグラフである。
なお、透過損失は、以下の(1)式及び(2)式により算出した。
透過率:r=L2/L1・・・(1)
透過損失(dB)=10Log10(1/r)・・・(2)
図11に示すように、実施例2にかかる防音構造体では、500〜2000Hzの周波数における共鳴周波数での透過損失の落ち込みが抑制された。そのため、500〜2000Hzの周波数での音の透過が抑制されていることとなり、その結果、防音構造体を介して伝達された音は、人への不快感が抑制されていることとなると推定される。
また、比較例1に掛かる防音構造体では、実施例2に係る防音構造体と比較し、全体的に透過損失が低い結果であった。そのため、500〜2000Hzの周波数での音の透過が充分に抑制されていないこととなり、その結果、防音構造体を介して伝達された音は、人への不快感が充分に抑制されていないことになると推定される。
さらに、比較例2および比較例3にかかる防音構造体では、500〜2000Hzの周波数における共鳴周波数での透過損失の落ち込みが実施例2の場合と比較し大きい。そのため、500〜2000Hzの周波数での音の透過が充分に抑制されていないこととなり、その結果、防音構造体を介して伝達された音は、人への不快感が充分に抑制されていないことになると推定される。
1、101、201、301 防音構造体
10、210、310 剛壁部
20、220、320 空気層
30、130、230、330 レゾネータ部
31、131、331 第1面
32、132、332 第2面
40、140、340 第1非貫通孔
41、141、341 第1開口部
42、142、342 第1くび部
43、143、343 第1空洞部
50 第2非貫通孔
51 第2開口部
52 第2くび部
53 第2空洞部
60 内壁
61 第1貫通孔
62 第2貫通孔
63 第3貫通孔
64 第4貫通孔
71 第1板材
72 第2板材
73 第3板材
74 第4板材
75 第5板材
80 音響透過損失測定装置
81 音源室
82 受音室
83 スピーカー
84 音源室側マイクロホン
85 受音室側マイクロホン
86 測定装置

Claims (5)

  1. 剛壁部と、
    前記剛壁部から空気層を隔てて設けられたレゾネータ部とからなる防音構造体であって、
    前記レゾネータ部は、前記剛壁部側の第1面と、前記第1面の裏側の第2面とを有し、
    前記第1面には、前記第1面に第1開口部を有する第1くび部と前記第1くび部に連結した第1空洞部とからなる第1非貫通孔が形成されており、
    前記第2面には、前記第2面に第2開口部を有する第2くび部と前記第2くび部に連結した第2空洞部とからなる第2非貫通孔が形成されており、
    前記第1空洞部と前記第2空洞部とは内壁を隔てて対向しており、
    前記第1開口部の重心と、前記第2開口部の重心とは略同軸上にあることを特徴とする防音構造体。
  2. 前記第1開口部の開口面積は、0.7〜350mmである請求項1に記載の防音構造体。
  3. 前記第2開口部の開口面積は、0.7〜350mmである請求項1又は2に記載の防音構造体。
  4. 前記第1主面には、複数の第1非貫通孔が形成されており、
    前記第2主面には、複数の第2非貫通孔が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の防音構造体。
  5. 前記レゾネータ部は、樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の防音構造体。
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