JP2020122917A - 吸音材 - Google Patents

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秀樹 古澤
Hideki Furusawa
秀樹 古澤
達士 菅原
Tatsushi Sugawara
達士 菅原
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Abstract

【課題】2kHz前後の周波数領域を含む広い周波数領域での吸音性能を有する吸音材を提供する。【解決手段】吸音材1は、連通気孔を有さない硬質材料からなる固定材料層10と、固定材料層の上に形成され、連通気孔を有する多孔質材料からなり、くび部21及び空洞部22を有するヘルムホルツ共鳴器23が設けられている多孔質層31と、多孔質層の上に形成された表皮層40と、からなる。くび部では、多孔質材料が露出しており、空洞部の内壁が樹脂層25で覆われている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸音材に関する。
従来から、住宅や自動車等に様々な吸音材が用いられている。その中で騒音のターゲット周波数に対して、有効的な吸音効果を得るために、ヘルムホルツ構造を有する吸音材が用いられている。ヘルムホルツ構造を有する吸音材は、くび部と空洞部からなり、外部から音圧がくび部を通って、ヘルムホルツ構造の内部へ伝わることで生じる共鳴現象により、共鳴周波数(f)での吸音率が大きくなる。
ヘルムホルツ構造を有する吸音材は、特定の周波数に対して吸音性能を発揮するが、特定の周波数から外れると吸音性能が低下し、その効果が発揮されずに音漏れが発生するという課題があった。
特許文献1では、複数の中空室が内部に区画されたパネル材と繊維シートである吸音材を積層した吸遮音パネル部材が提案されている。特許文献1では、この吸遮音パネル部材を使用すると広い領域の周波数に対して吸音性能を発揮させることができると記載されている。
特許文献2では、共鳴器が多孔質材料により構成された吸音材が提案されており、この吸音材であると広い領域の周波数に対して吸音性能が発揮させることができると記載されている。
特開2011−180381号公報 特開平11−259076号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の吸音材は、吸音性能が安定しなかった。特許文献1及び特許文献2の吸音材では、想定された吸音率との乖離があり、特許文献1の吸音材では特に2kHz未満での周波数領域で吸音率が想定よりも下回ることがあった。
また、特許文献2の吸音材は、特に2kHz以上の周波数領域で吸音率が想定よりも下回ることがあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされた発明であり、本発明は、2kHz前後の周波数領域を含む広い周波数領域での吸音性能を有する吸音材を提供することを目的とする。
本発明の吸音材は、連通気孔を有さない硬質材料からなる固定材料層と、
上記固定材料層の上に形成され、連通気孔を有する多孔質材料からなり、くび部及び空洞部を有するヘルムホルツ共鳴器が設けられている多孔質層と、
上記多孔質層の上に形成された表皮層と、からなり、
上記くび部では上記多孔質材料が露出しており、
上記空洞部の内壁が樹脂層で覆われていることを特徴とする。
本発明の吸音材では多孔質層が設けられている。多孔質層は連通気孔を有しており、連通気孔を有する多孔質層を設けることで2kHz以上での周波数領域での吸音率を向上させることができる。
また、本発明の吸音材ではヘルムホルツ共鳴器により2kHz未満の周波数領域での吸音率を向上させることができる。ヘルムホルツ共鳴器の形状は多孔質層内のくび部及び空洞部によって形作られているが、ヘルムホルツ共鳴器を構成する空洞部の内壁が樹脂層で覆われているためヘルムホルツ共鳴器内の音が多孔質層の連通気孔から漏れることは防止されており、ヘルムホルツ共鳴器による共鳴効果が発揮される。
また、多孔質層に表皮層が設けられているので、吸音材に対して耐水性、耐熱性、耐油性等の使用時の耐久性を付与することができる。
さらに、ヘルムホルツ共鳴器を構成するくび部では多孔質材料が露出している。くび部において多孔質材料が露出していると、ヘルムホルツ共鳴器による吸音性能を安定させることができる。
このようにすることで、2kHz前後の周波数領域を含む広い周波数領域での吸音性能を有する吸音材とすることができる。
本発明の吸音材では、上記表皮層には開口部が形成されており、上記開口部が上記くび部と繋がっていることが好ましい。
表皮層に開口部が形成されていて開口部がくび部と繋がっていると、ヘルムホルツ共鳴器内に音が入りやすくなるので好ましい。
本発明の吸音材では、上記開口部の開口径が上記くび部の内径の0.5〜5倍であってもよい。
本発明の吸音材では、上記表皮層には開口部が形成されておらず、上記ヘルムホルツ共鳴器は上記表皮層で塞がれていてもよい。
本発明の吸音材では、上記空洞部の底面は上記固定材料層の表面であってもよい。また、上記空洞部の底面は上記樹脂層であってもよい。
本発明の吸音材では、上記多孔質材料が繊維又は軟質樹脂からなることが好ましい。
また、本発明の吸音材では、上記軟質樹脂がウレタンフォームであることが好ましい。
これらの材料を使用すると2kHz以上の周波数領域での吸音性能が好適に発揮される。
本発明の吸音材では、上記多孔質層の通気抵抗が0.01〜10(kPa・sec)/mであることが好ましい。
多孔質層の通気抵抗が上記の通りであると材料の空隙による音圧の減衰効果を得やすい。なお、多孔質層の通気抵抗が0.01(kPa・sec)/m未満であると、材料での空隙による音圧の減衰の効果を得られにくくなることがある。
本発明の吸音材では、上記多孔質層が、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa未満である多孔質材料からなることが好ましい。
上記のような圧縮強度を有する多孔質層を設けると、音圧の振動による膜振動および多孔質材料内の空隙による音の減衰効果が得られ、想定される吸音性能がより好適に発揮される。
本発明の吸音材では、吸音材を上面視した際に、ヘルムホルツ共鳴器が設けられている共鳴器領域と、その他の領域である多孔質領域の面積比率が、共鳴器領域:多孔質領域=1:9〜4:6であることが好ましい。
共鳴器領域の面積比率が1未満の場合は、2kHz未満での吸音率を高められないことがあり、共鳴器領域の面積比率が4を超える場合は、2kHz以上での吸音率を高められないことがある。
図1は、本発明の吸音材の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、共鳴器領域と多孔質領域の位置を説明するための、吸音材の上面図の一例である。 図3(a)、図3(b)及び図3(c)は、第1の多孔質層の上に表皮層を設ける工程を模式的に示す断面図である。 図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、第2の多孔質層内の空洞部に樹脂層を設ける工程を模式的に示す断面図である。 図5は、固定材料層を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の吸音材の他の一例を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の吸音材の他の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の吸音材の他の一例を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の吸音材の他の一例を模式的に示す断面図である。 図10は、実施例1に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。 図11は、実施例5に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。 図12は、比較例1に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。 図13は、比較例2に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。 図14は、比較例3に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。 図15は、比較例4に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の吸音材について詳述する。
本発明の吸音材は、連通気孔を有さない硬質材料からなる固定材料層と、
上記固定材料層の上に形成され、連通気孔を有する多孔質材料からなり、くび部及び空洞部を有するヘルムホルツ共鳴器が設けられている多孔質層と、
上記多孔質層の上に形成された表皮層と、からなり、
上記くび部では上記多孔質材料が露出しており、
上記空洞部の内壁が樹脂層で覆われていることを特徴とする。
固定材料層は、連通気孔を有さない硬質材料からなる。固定材料層は板状の層であることが好ましく、その厚さが1〜5mmであることが好ましい。
この範囲にすることで、吸音材としての役目を果たすための強度が得やすくなる。
硬質材料としては、樹脂材料であることが好ましい。
樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれかが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などを用いることができる。
固定材料層は、硬質材料であるが、具体的には、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa以上である樹脂材料であることが好ましい。
本明細書において、20%圧縮歪みのときの圧縮強度は、電気機械式万能試験機(例えばインストロン製、5567)により、圧縮試験を圧縮速度:5mm/min、変形率:0〜75%(0.00〜0.75)で行い、圧縮強度用測定サンプルの20%変形圧縮応力σ20を測定することにより得ることができる。
多孔質層は、固定材料層の上に形成され、連通気孔を有する多孔質材料からなる。
多孔質層には、くび部及び空洞部を有するヘルムホルツ共鳴器が設けられている。
連通気孔を有している多孔質層を設けることにより2kHz以上での周波数領域での吸音率を向上させることができる。
また、ヘルムホルツ共鳴器により2kHz未満の周波数領域での吸音率を向上させることができる。
多孔質層を構成する多孔質材料は、繊維又は軟質樹脂からなることが好ましい。
繊維としては、材質や繊維径等は、特に限定されないが、有機樹脂系繊維、無機系繊維、金属繊維を用いることが好ましい。有機樹脂系繊維としては、ポリエステル樹脂(ナイロン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂等が挙げられる。無機系繊維としては、グラスウール、ロックウール、炭素繊維、アルミナ繊維等が挙げられる。金属繊維としては、スチールウール、ステンレス繊維、ニッケル繊維、アルミニウム繊維等が挙げられる。繊維の形態としては、シート状、フェルト状、不織布、マット状の形態等にすることができる。
軟質樹脂としては、材質は、特に限定されないが、ウレタン樹脂等の発泡系樹脂を用いることが好ましい。特に、軟質樹脂がウレタンフォームであることが好ましい。
多孔質層は、連通気孔を有する材料からなるため、通気抵抗が低い層である。
具体的には、多孔質層の通気抵抗が0.01〜10(kPa・sec)/mの範囲であることが好ましい。
多孔質層の通気抵抗が上記の通りであると材料の空隙による音圧の減衰効果を得やすい。なお、多孔質層の通気抵抗が0.01(kPa・sec)/m未満であると、材料での空隙による吸音効果を得られにくくなることがある。
多孔質層の通気抵抗が10(kPa・sec)/mを超えても、材料内部に音波が入りにくくなり、吸音の効果を得られにくくなることがある。
多孔質層を構成する多孔質材料の通気抵抗の一例としては、ポリエステルフェルト:0.132(kPa・sec)/m、ウレタンフォーム:0.202(kPa・sec)/m、ポリエステル繊維:1.853(kPa・sec)/m等が挙げられる。
なお、通気抵抗は、多孔質材料の密度や厚さを調整することなどでも調整が可能である。
本明細書において、通気抵抗は、通気度試験[kes法 通気量:4cc/(cm・sec)]により測定することができる。通気度試験はkes通気性試験機という専用の装置により行い、同一サンプルでの3回測定した平均値を通気抵抗とする。
多孔質材料は軟質材料であることが好ましい。
具体的には、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa未満である多孔質材料であることが好ましい。この場合、多孔質層を設けた際に、音圧の振動による膜振動および多孔質材料内の空隙による音の減衰効果が得られ、想定される吸音性能が発揮される。さらに、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が0.1〜10kPaであると、膜振動と空隙による音の減衰効果を安定化させることができる。
多孔質材料の圧縮強度の一例としては、ポリエステルフェルト:2.1kPa、ウレタンフォーム:5.3kPa、ポリエステル繊維:1.2kPa等が挙げられる。
なお、圧縮強度は、多孔質材料の密度を調整することによっても調整することができる。
ヘルムホルツ共鳴器は、くび部及び空洞部を有する。
ヘルムホルツ共鳴器により2kHz未満の周波数領域での吸音率を向上させることができる。
くび部は、開口を有しており、くび部の内径(後述する円相当径)は0.5〜20mmであることが好ましい。
この開口により、開口と空洞部とでヘルムホルツ共鳴器が得られる。くび部の内径が0.5mm未満であると、吸音効果が得られにくいことがあり、くび部の内径が20mmを超えると、吸音効果が低減してしまうことがある。
くび部は、その長さが1〜10mmであることが好ましい。
くび部の開口の配列パターンは、正方形を縦横に連続して配置した平面において正方形の頂点に非貫通孔を配置する正方配列であってもよく、正三角形を縦横に連続して配置した平面において三角形の頂点に非貫通孔を配置する千鳥配列であってもよい。
これらの中では、千鳥配列であることが好ましい。開口の配列パターンが千鳥配列であると、隣接する非貫通孔が全て等間隔となりやすいため、音の減衰効率がよい。
隣り合う開口との距離は、特に限定されないが、開口の中心同士の距離を10〜40mmとすることが好ましい。
また、くび部の円相当径をd(cm)、くび部の長さをL(cm)、くび部の開口面積をS(cm)とし、空洞部の体積をV(cm)とした場合に、以下の式(1)により求められたf(Hz)について500(Hz)≦f<2000(Hz)が成り立つことが好ましい。
Figure 2020122917
(式(1)中、音速cは34000cm/secである。)
式(1)が成り立つ場合、本発明の吸音材は、人が不快に感じる500〜2000Hzの周波数領域の音を好適に吸収することができる。
なお、円相当径とは、くび部を長さ方向に対して垂直な方向に切断した際のくび部の断面積を、同面積の真円に置き換えた場合の直径である。くび部が真円の場合にはその直径をそのまま円相当径とすればよい。
くび部の形状は円柱状であることが好ましい。
くび部が円柱状であると、吸音特性に異方性がないため有利である。
空洞部の大きさ(体積)は特に限定されないが、上記式(1)をふまえて吸音材の所望の周波数帯の吸音性能に対応したものとすることが好ましい。
また、空洞部の形状は、特に限定されないが、円柱、立方体、角柱、球状のいずれでもよい。それらを組み合わせたものでもよい。
空洞部の内径は、特に限定されないが、5〜20mmであることが好ましい。この範囲にすることで、上記式(1)をふまえて所望の周波数帯の吸音性能に対応しやすくなることと吸音材としての役目を果たすための強度が得やすくなる。
空洞部の高さは、特に限定されないが、3〜25mmであることが好ましい。この範囲にすることで、上記式(1)をふまえて所望の周波数帯の吸音性能に対応しやすくなることと吸音材としての役目を果たすための強度が得やすくなる。
くび部においては、くび部を構成する多孔質材料が露出している。
くび部において多孔質材料が露出していると、ヘルムホルツ共鳴器による吸音性能を安定させることができる。
一方、空洞部の内壁は樹脂層で覆われている。
空洞部の内壁を覆う樹脂層は、空洞部の内壁のうち側面を少なくとも覆う。
空洞部の内壁を覆う樹脂層は、多孔質層より硬い材料からなる樹脂層が好ましい。
また、連通気孔を有さない硬質材料からなることが好ましく、通気性を有さない材料であることが好ましい。
ヘルムホルツ共鳴器の形状は多孔質層内のくび部及び空洞部によって形作られているが、ヘルムホルツ共鳴器を構成する空洞部の内壁が樹脂層で覆われているためヘルムホルツ共鳴器内の音が多孔質層の連通気孔から漏れることが防止され、ヘルムホルツ共鳴器による共鳴効果が発揮される。
樹脂層の材質としては、上述した固定材料層と同じ材料を使用することが好ましい。
すなわち、樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれかが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などを用いることができる。
樹脂層は、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa以上である樹脂材料であることが好ましい。
樹脂層を構成する樹脂材料の20%圧縮歪みのときの圧縮強度の一例としては、ポリアミド樹脂(射出成型樹脂板):70,000kPa、ポリプロピレン樹脂(射出成型樹脂板):50,000kPa、ポリイミド樹脂(射出成型樹脂板):30,000kPa、発泡樹脂(発泡倍率30倍 ポリプロピレン樹脂):180kPa等が挙げられる。
さらに、樹脂層を構成する樹脂材料が、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が10,000kPa以上である樹脂材料であると、ヘルムホルツ共鳴器での音の減衰効果が安定し、かつ、強度を有する吸音材となる。そのため、長期間の使用に対しても、変形しにくく、吸音性能を維持することができる。また、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が10,000kPa以上である樹脂材料では、プレス加工等の成形で折り曲げ加工ができなくなる。
なお、樹脂層を構成する樹脂材料の20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa未満であると、ヘルムホルツ共鳴器構造での想定される形状が維持されにくくなることがあり、吸音性能の低下又は吸音材の強度の低下が生じてしまうことがある。
空洞部の底面は樹脂層であってもよいし、固定材料層の表面であってもよいが、空洞部の底面が連通気孔を有さない材料となっていることが好ましい。
多孔質層の高さは、5〜40mmであることが好ましい。
多孔質層の高さは、くび部の長さと空洞部の高さの合計である。
この範囲にすることで所望の吸音性能とヘルムホルツ共鳴器の形状保持がされるので、使用頻度に関わらず吸音性能が維持されやすくなる。
多孔質層の高さが5mm未満では、特定の周波数帯に対する吸音性能が得られないことがある。
多孔質層の高さが40mmを超えると、吸音材が重くなり、吸音材の変形が生じて、使用頻度とともに吸音性能が低下することがある。
多孔質層の高さは、10〜30mmであることがより好ましい。この範囲にすることで所望の周波数帯に対する吸音性能が安定化しやすいからである。
多孔質層の上には表皮層が形成されている。
多孔質層に表皮層が設けられているので、吸音材に対して耐水性、耐熱性、耐油性を付与することができる。
表皮層の材質としては、ウレタン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等の樹脂あるいは、ガラス繊維、金属繊維等の繊維が挙げられる。表皮層の形成方法としては、予めシート状としたものを多孔質層に貼り付けたり、液状にした樹脂組成物を多層樹脂層に塗布したりしてもよい。
表皮層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜3mmであることが好ましい。この範囲にすることで、耐水性、耐熱性、耐油性等に対する耐性を有する表皮層となり、吸音性への影響を小さくすることができる。
表皮層には開口部が形成されていることが好ましく、開口部がくび部と繋がっていることが好ましい。
表皮層に開口部が形成されていて開口部がくび部と繋がっていると、ヘルムホルツ共鳴器内に音が入りやすくなるので好ましい。
表皮層に設けた開口部の開口径は、くび部の内径の0.5〜5倍であってもよい。また、開口部の開口径がくび部の内径よりも小さくてもよい。開口部の開口径も円相当径として換算する。
表皮層に開口部を設ける場合には、開口部の開口径をくび部の内径の0.5〜2倍とすることが好ましい。この範囲にすることで、耐水性、耐熱性、耐油性等に対する耐性を有する表皮層の効果が得られるし、吸音性能への影響も小さくなるからである。
表皮層に設けた開口部の開口径が大きすぎると表皮層による耐水性、耐熱性、耐油性等の効果が乏しくなることがある。
なお、表皮層において開口部を設けることは必須ではなく、ヘルムホルツ共鳴器は表皮層で塞がれていてもよい。
また、吸音材を上面視した際に、ヘルムホルツ共鳴器が設けられている共鳴器領域と、その他の領域である多孔質領域の面積比率が、共鳴器領域:多孔質領域=1:9〜4:6であることが好ましい。
共鳴器領域の面積比率が1未満の場合は、2kHz未満での吸音性能が高められないことがあり、共鳴器領域の面積比率が4を超える場合は、2kHz以上での吸音性能を高められないことがある。
共鳴器領域と多孔質領域の例については図面を用いて後述する。
上記構成を有する本発明の吸音材の一例を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の吸音材の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す吸音材1は、固定材料層10と、固定材料層10の上に形成された多孔質層20と、多孔質層20の上に形成された表皮層40とからなる。
多孔質層20にはくび部21と空洞部22を有するヘルムホルツ共鳴器23がある。
空洞部22の内壁が樹脂層25で覆われている。
樹脂層25は、空洞部22の側面を覆う樹脂層25a、空洞部22の底面を覆う樹脂層25b、空洞部22の上面を覆う樹脂層25cからなる、樹脂層25cはくび部21の部分以外を覆うように設けられている。
本発明の吸音材では、樹脂層は少なくとも空洞部の側面を覆うように設けられている。
一方、くび部21の内壁21aでは多孔質材料が露出している。
表皮層40には開口部41が形成されており、開口部41がくび部21と繋がっている。
図1に示す吸音材1では、開口部41の開口径はくび部21の内径と同じである。
多孔質層20は、くび部21を有する第1の多孔質層31と空洞部22を有する第2の多孔質層32を接着剤層50を介して接着することで得られる。
第1の多孔質層31の厚みがくび部21の長さとなり、第2の多孔質層32の厚みが空洞部22の高さとなる。
また、多孔質層20と固定材料層10の間にも接着剤層51が設けられている。
ここで、上述した共鳴器領域と多孔質領域の例について図面を用いて説明する。
図2は、共鳴器領域と多孔質領域の位置を説明するための、吸音材の上面図の一例である。
図2には、吸音材1におけるヘルムホルツ共鳴器23の位置及び大きさの例を示している。
図2にはヘルムホルツ共鳴器23の配列パターンが千鳥配列である例を示している。
このように上面視したヘルムホルツ共鳴器の配列パターンにおいて、点線で囲んだ単位格子領域S1を考える。この単位格子領域S1において、ヘルムホルツ共鳴器23の面積、すなわちヘルムホルツ共鳴器2つ分(ヘルムホルツ共鳴器1つ+ヘルムホルツ共鳴器1/4×4)の領域が共鳴器領域となり、それ以外の領域の面積が多孔質領域となる。
このようにして定めた共鳴器領域の面積、すなわち、ヘルムホルツ共鳴器2つ分の面積が共鳴器領域の面積である。単位格子領域S1の面積から共鳴器領域の面積を引いた面積が多孔質領域の面積である。
そして、ヘルムホルツ共鳴器が設けられている共鳴器領域と、その他の領域である多孔質領域の面積比率が、共鳴器領域:多孔質領域=1:9〜4:6であることが好ましい。
共鳴器領域の面積比率が1未満の場合は、2kHz未満での吸音率を高められないことがあり、共鳴器領域の面積比率が4を超える場合は、2kHz以上での吸音率を高められないことがある。
続いて、本発明の吸音材の製造方法について説明する。
本発明の吸音材の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下のようにして製造することができる。
図3(a)、図3(b)及び図3(c)は、第1の多孔質層の上に表皮層を設ける工程を模式的に示す断面図である。
まず、図3(a)に示すような、多孔質層の材料となるシート状の多孔質シート31´を準備する。
多孔質シートとしては、ポリエステルフェルト、ポリプロプレンフェルト、ウレタンフォーム、メラミンフォーム等が挙げられる。
多孔質シートは連通気孔を有する材料からなる。また、多孔質シートの通気抵抗が0.01〜10(kPa・sec)/m以上であることが好ましく、多孔質シートは20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa未満である多孔質材料であることが好ましい。
図3(b)に示すように、この多孔質シート31´の所定の位置に、くび部21となる所定の内径の開口を形成することで第1の多孔質層31が得られる。
続いて、図3(c)に示すように、開口部41を形成した表皮層40を準備し、表皮層40の開口部41と第1の多孔質層31のくび部21との位置を合わせて、表皮層40を第1の多孔質層31に貼り付ける。
図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、第2の多孔質層内の空洞部に樹脂層を設ける工程を模式的に示す断面図である。
まず、図4(a)に示すような、多孔質層の材料となるシート状の多孔質シート32´を準備する。これは図3(a)に示した多孔質シートと同様の材料を使用することができる。多孔質シートの厚さは空洞部の高さに合わせて決定する。
図4(b)に示すように、この多孔質シート32´の所定の位置に、空洞部22となる所定の内径の開口を形成することで第2の多孔質層32が得られる。
別途、図4(c)に示すような、空洞部22の形状に合わせて作製した樹脂層25を準備し、空洞部22となる開口に樹脂層25を埋め込む。
これにより、内壁が樹脂層で覆われた空洞部が形成される。
樹脂層25は、空洞部の側面となる円筒状の樹脂層25a、底面となる円板形の樹脂層25b、及び、上面となる、円板の中心にくび部に対応する孔が空いた樹脂層25cを組み合わせることにより形成される。
また、円柱形の樹脂層を作製しておき、上面となる樹脂層にくび部に対応する孔を空けることにより樹脂層25を得てもよい。
図5は、固定材料層を模式的に示す断面図である。
固定材料層10は、固定材料層を構成する材料からなる板材である。
固定材料層10と、空洞部22に樹脂層25が設けられた第2の多孔質層32と、表皮層40を表面に貼り付けた第1の多孔質層31を積層することで、図1に示す吸音材1が得られる。
固定材料層10と第2の多孔質層32の間、及び、第2の多孔質層32と第1の多孔質層31の間に接着剤層を配置して接着して位置関係を固定してもよい。
なお、ここまでは表皮層40を第1の多孔質層31に予め貼り付けた例を示したが、固定材料層10、第2の多孔質層32及び第1の多孔質層31を積層して接着しておき、最後に表皮層40を貼り付けるようにしてもよい。
各層を接着、積層する順序は特に限定されるものではなく、その他の順序であってもよい。
ここまで、多孔質層として第1の多孔質層と第2の多孔質層の2層を積層した例を示したが、多孔質層は2層積層によるものに限定されない。
例えば、1枚の多孔質シートから、エンドミルによる切削加工や熱線による加工によりくび部と空洞部を備える多孔質層を得るようにしてもよく、この多孔質層のくび部側に表皮層を設けて、空洞部側に固定材料層を設けてもよい。
また、3Dプリンターを用いることによりくび部と空洞部を備える多孔質層を得るようにしてもよい。
以下、本発明の吸音材の他の一例を、図面を用いて説明する。
図6、図7、図8及び図9は、本発明の吸音材の他の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示す吸音材2は、表皮層40の開口部42の径がくび部21の内径よりも大きい例である。
図7に示す吸音材3は、表皮層40の開口部43の径がくび部21の内径よりも小さい例である。
図8に示す吸音材4は、表皮層40に開口部が形成されておらず、ヘルムホルツ共鳴器23が表皮層40で塞がれている例である。
図9に示す吸音材5は、空洞部22の底面が固定材料層10の表面である。この場合、空洞部22の内壁を覆う樹脂層25は、空洞部22の側面となる樹脂層25a及び上面となる樹脂層25cを組み合わせることにより形成される。
(実施例)
以下に、本発明をより具体的に説明する具体例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
A 空洞部内に配置する樹脂層の作製
A−1 空洞部の側面となる樹脂層の作製
ポリプロピレン樹脂からなる樹脂ペレットを用いて、射出成型により内径:φ12mm、肉厚:0.5mmの中空状(ストロー形状)に成形をした成形物を得て、その後、成形物を長さ10mmでカットし、側面用樹脂層を作製した。
A−2 空洞部の底面となる樹脂層の作製
ポリプロピレン樹脂からなる樹脂ペレットを用いて、射出成型により外形:φ13mm 厚み:0.5mmの円形状に成形をした底面用樹脂層を得た。
A−3 空洞部の上面となる樹脂層の作製
ポリプロピレン樹脂からなる樹脂ペレットを用いて、射出成型により外形:φ13mm 厚み:0.5mmの円形状に成形をした成形物を得た。
この成形物に対して、内径:φ2mmの円をパンチングで中心に開口してくび部に該当する開口として、上面用樹脂層を得た。
A−4 樹脂層の作製
底面用樹脂層の上に側面用樹脂層を載置し、側面用樹脂層の上に上面用樹脂層を重ねて、接着剤(コニシ社製 GPクリアーボンド)を用いて接着させて、空洞部内に配置する樹脂層を得た。
なお、樹脂層の製造に使用したポリプロピレン樹脂は、圧縮強度(20%圧縮歪みのとき):50,000kPaであった。
B 多孔質層の作製
B−1 多孔質シートの準備
第1の多孔質層及び第2の多孔質層となる軟質材料(ウレタンフォーム カームフレックスF2)からなる多孔質シートを用意した。大きさは下記の通りである。
第1の多孔質層用の多孔質シート 縦100mm×横100mm×厚み10mm
第2の多孔質層用の多孔質シート 縦100mm×横100mm×厚み10mm
これらの軟質フォームの通気抵抗は0.202(kPa・sec)/mであり、圧縮強度(20%圧縮歪みのとき)は5.3kPaであった。
B−2 くび部の形成工程
第1の多孔質層用の多孔質シートには、くび部となる開口をドリルにより形成した。開口径は2mmとした。この開口には軟質フォームが露出している。
B−3 空洞部の形成工程
第2の多孔質層用の多孔質シートには、空洞部となる開口をドリルにより形成した。開口径は13mmとした。
B−4 空洞部への樹脂層の埋め込み
空洞部の内壁に接着剤(コニシ社製 GPクリアーボンド)を塗布し、樹脂層を埋め込んだ。
C 固定材料層の準備
固定材料層として、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂板を射出成形により成形して準備した。
大きさは下記の通りである。
固定材料層 縦100mm×横100mm×厚み1mm
固定材料層の圧縮強度(20%圧縮歪みのとき)は50,000kPaであった。
D 固定材料層、第2の多孔質層及び第1の多孔質層の接合
固定材料層、樹脂層が埋め込まれた第2の多孔質層、くび部となる開口が形成された第1の多孔質層を接着剤(コニシ社製 ボンド G17)により接合させた。
これにより、固定材料層の上にヘルムホルツ共鳴器が設けられた多孔質層を形成した。
E 表皮層の形成
シート状の表皮層(材質:ポリプロピレン製不織布 厚み:0.5mm)に、くび部に対応する開口部(開口径2mm)を開口し、第1の多孔質層のくび部の開口と表皮層の開口部が対応するように貼り付けて、吸音材を得た。
この吸音材は、表皮層の開口部の開口径がくび部の内径と同じであった。
(実施例2〜4)
実施例2〜4では実施例1の吸音材を以下のように改変した。
実施例2では、表皮層の開口部の開口径を4mmに変更して吸音材を得た。
この吸音材は、表皮層の開口部の開口径がくび部の内径の2倍であった。
実施例3では、表皮層に開口部を設けずに吸音材を得た。
この吸音材では、ヘルムホルツ共鳴器が表皮層で塞がれていた。
実施例4では、表皮層の開口部の開口径を1mmに変更して吸音材を得た。
この吸音材は、表皮層の開口部の開口径がくび部の内径の0.5倍であった。
(実施例5)
実施例5では、実施例1の吸音材を以下のように改変した。
実施例5では、第1の多孔質層に形成するくび部となる開口の開口径を3mmに変更した。また、表皮層の開口部の開口径を3mmに変更した。
この吸音材は、表皮層の開口部の開口径がくび部の内径と同じであった。
(実施例6〜7)
実施例6、7では実施例5の吸音材を以下のように改変した。
実施例6では、表皮層の開口部の開口径を6mmに変更して吸音材を得た。
この吸音材は、表皮層の開口部の開口径がくび部の内径の2倍であった。
実施例7では、表皮層に開口部を設けずに吸音材を得た。
この吸音材では、ヘルムホルツ共鳴器が表皮層で塞がれている。
(比較例1)
比較例1では、実施例1の吸音材を以下のように改変して吸音材を作製した。
くび部の内壁にも表皮層と同じ材料の樹脂材料を塗布して、くび部に多孔質材料が露出しないようにした。
また、空洞部の内壁を樹脂層で覆わなかった。
(比較例2)
多孔質層のみで形成した吸音材(縦:100mm×横:100mm×厚み10mm)を作製した。この吸音材の多孔質層には開口は設けていない。
(比較例3)
多孔質層のみで形成した吸音材(縦:100mm×横:100mm×厚み20mm)を作製した。この吸音材の多孔質層には開口は設けていない。
(比較例4)
比較例4として、硬質樹脂板でヘルムホルツ共鳴器を有する吸音材を作製した。
A−1 硬質樹脂板の準備工程
共鳴器を有する吸音材は、上層と中層と下層からなる三層構成とした。これらの各層は、ポリアミド樹脂からなる硬質樹脂板を用いた。硬質樹脂板は射出成型により成形した。このとき各層の大きさは以下に示した。
上層用樹脂板 縦100mm×横100mm×厚み5mm
中層用樹脂板 縦100mm×横100mm×厚み10mm
下層用樹脂板 縦100mm×横100mm×厚み5mm
比較例4に用いた硬質樹脂板の通気抵抗は、0.001(kPa・sec)/mであり、圧縮強度は、20%圧縮歪みのとき、243kPaであった。
A−2 上層の加工工程
上層用樹脂板には、ヘルムホルツ共鳴器のくび部をなす開口をドリルにより開口させた。このとき、開口径は、2mmとした。
A−3 中層の加工工程
中層用樹脂板には、ヘルムホルツ共鳴器の空洞部をなす開口をドリルにより開口させた。このとき、開口径は、12mmとした。
A−4 下層の加工工程
下層用樹脂板は、ヘルムホルツ共鳴器の底部をなすので、そのまま板材とした。
A−5 接合工程
加工した上層、中層、下層を接着剤(コニシ社製 ボンド G17)により接合させた。これにより、くび部と空洞部からなるヘルムホルツ共鳴器を有する吸音材を得た。
(吸音率測定)
吸音率測定は、垂直入射吸音率試験により、JIS A 1405−2:2007「音響管による吸音率及びインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法」に準じて行った。
吸音率を測定するために、各実施例及び比較例の吸音材を直径29mmの円形となるようにカットし、垂直入射吸音率の測定装置(日東紡音響エンジニアリング製 型番:WinZac MTX)における音響管に配置した後、周波数160〜6300Hzの範囲で測定を行った。
図10、図11、図12、図13、図14、図15は、それぞれ実施例1、実施例5、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4に係る吸音材の吸音率を示すグラフである。
縦軸が吸音率(吸音率=1で完全吸音)を示し、横軸が周波数を示す。
実施例1及び実施例5に係る吸音材では、2kHz未満の周波数領域において吸音率:0.6が得られ、2kHz以上の周波数領域においても吸音率:0.6が得られることが確認された。
比較例1では、2kHz以上の周波数領域において吸音率:0.6が得られたが、2kHz未満での周波数領域において吸音率:0.6が得られなかったことが確認された。
2kHz未満で吸音率が得られなかったのは、空洞部の内壁を樹脂層で覆わなかったため、共鳴器で得られる吸音性能が発揮できなかったと推定した。
比較例2及び3では、2kHz以上の周波数領域において吸音率:0.6が得られたが、2kHz未満での周波数領域において吸音率:0.6が得られなかった。
比較例4では2kHz未満の周波数領域において吸音率:0.6が得られたが、2kHz以上での周波数領域において吸音率:0.6が得られなかった。
この結果から、実施例では、2kHz未満での周波数領域及び2kHz以上での周波数領域の両方で吸音性能を得ることができた。比較例では、2kHz未満での周波数領域又は2kHz以上での周波数領域のいずれかでの吸音性能を得ることができなかった。
なお、実施例1及び実施例5以外の実施例でも実施例1及び実施例5と同様の吸音性能を得られることが確認できた。
1、2、3、4、5 吸音材
10 固定材料層
20 多孔質層
21 くび部
21a くび部の内壁
22 空洞部
23 ヘルムホルツ共鳴器
25、25a、25b、25c 樹脂層
31 第1の多孔質層
31´、32´ 多孔質シート
32 第2の多孔質層
40 表皮層
41、42、43 開口部
50、51 接着剤層
S1 単位格子領域

Claims (11)

  1. 連通気孔を有さない硬質材料からなる固定材料層と、
    前記固定材料層の上に形成され、連通気孔を有する多孔質材料からなり、くび部及び空洞部を有するヘルムホルツ共鳴器が設けられている多孔質層と、
    前記多孔質層の上に形成された表皮層と、からなり、
    前記くび部では前記多孔質材料が露出しており、
    前記空洞部の内壁が樹脂層で覆われていることを特徴とする吸音材。
  2. 前記表皮層には開口部が形成されており、前記開口部が前記くび部と繋がっている請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記開口部の開口径が前記くび部の内径の0.5〜5倍である請求項2に記載の吸音材。
  4. 前記表皮層には開口部が形成されておらず、前記ヘルムホルツ共鳴器は前記表皮層で塞がれている請求項1に記載の吸音材。
  5. 前記空洞部の底面は前記固定材料層の表面である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音材。
  6. 前記空洞部の底面は前記樹脂層である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音材。
  7. 前記多孔質材料が繊維又は軟質樹脂からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸音材。
  8. 前記軟質樹脂がウレタンフォームである請求項7に記載の吸音材。
  9. 前記多孔質層の通気抵抗が0.01〜10(kPa・sec)/mである請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸音材。
  10. 前記多孔質層が、20%圧縮歪みのときの圧縮強度が20kPa未満である多孔質材料からなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸音材。
  11. 吸音材を上面視した際に、ヘルムホルツ共鳴器が設けられている共鳴器領域と、その他の領域である多孔質領域の面積比率が、共鳴器領域:多孔質領域=1:9〜4:6である請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸音材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023189959A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 株式会社レゾナック 吸音材及び車両部材

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