JP6727572B2 - 多層からなる防音材 - Google Patents

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Description

本発明は遮音性および吸音性の二つを有して優れた防音性能を発揮することができる多層からなる防音材に関する。
従来から、自動車等の各種車両や土木及び建築の分野における防音対策に、例えばポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を相互に略全面で融着するように成形した遮音性に優れた発泡成形体や、発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着するように成形した吸音性に優れた発泡成形体が利用されていた。ただし、各々が目的に応じて単独で使用されるのが普通であった。
一方、最近では防音材ではないが、制振性を有する発泡成形体層と通気性を有する発泡成形体層を積層した多層からなる発泡複合成形体(例えば、特許文献1を参照)や、発泡成形体層からなる芯層の表面を特定の配合からなる融着性に優れた発泡成形体層で積層したもの(特許文献2を参照)などが提案されている。このように、機能の異なる複数の発泡成形体層を積層した場合は、それぞれの発泡成形体層が特有の効果を発揮するため、使用用途に対応して優れた材料を提供することができる。
また、本件出願人自身も通気性を有しない発泡成形体層と、通気性を有する発泡成形体層を積層した防音材を開発し、先に特許出願している(特許文献3を参照)。
しかしながら、従来の多層からなる防音材は、それぞれの発泡成形体層を別々に成形しておき、後工程で接着剤により貼り合せて一体化するものであった。しかも、それぞれの発泡成形体層を所定の大きさに切断加工して貼り合せるため、作業が煩雑で長時間かかるという問題があった。また製造コストも高くなるという問題もあった。
特開平11−42725号公報 特許第5829717号公報 特許第4079851号公報
そこで、1つの成形型で一体的に成形する多層からなる防音材の開発が望まれていたが、発泡成形の工程上、蒸気または加熱空気の通過による加熱工程が不可欠であり、通気性を有しない発泡成形体層がある場合はそれが蒸気等の流通を妨げるため、1つの成形型において多層のものを一体的に成形することはできないという技術的課題があった。
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、通気性を有しない発泡成形体層と通気性を有する発泡成形体層の異なる複数の発泡成形体層を積層した発泡成形体を、二次加工で貼り合せるのではなく、1つの成形型で一体的に成形することができる多層からなる防音材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、遮音性を有する第1の発泡成形体層と、吸音性を有する第2の発泡成形体層を積層一体化した多層からなる防音材であって、
前記第1の発泡成形体層と第2の発泡成形体層の接合面が融着しているとともに、
前記第1の発泡成形体層には厚み方向に貫通する第1呼吸穴が形成されており、この第1呼吸穴の内部に第2の発泡成形体層が食い込んだ状態で融着していることを特徴とする多層からなる防音材であり、これを請求項1に係る発明とする。
その他の好ましい実施形態によれば、前記第1の発泡成形体層を中心層として、前記第2の発泡成形体層と反対側には吸音性を有する第3の発泡成形体層が積層一体化されており、
また、前記第1の発泡成形体層および前記第2の発泡成形体層には厚み方向に貫通する第2呼吸穴が形成されていて、この第2呼吸穴の内部に前記第3の発泡成形体層が食い込んだ状態で融着している請求項1に記載の多層からなる防音材であり、これを請求項2に係る発明とする。
その他の好ましい実施形態によれば、前記第1の発泡成形体層は、発泡粒子からなる原料ビーズが相互に略全面で融着するように成形されたものであり、前記第2と第3の発泡成形体層は、発泡粒子からなる原料ビーズが発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着するように成形されたものであることが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
また、前記第1の発泡成形体層の空隙率は5%未満であり、前記第2および第3の発泡成形体層の空隙率は10〜40%であることが好ましく、これを請求項4に係る発明とする。
また、その他の好ましい実施形態によれば、前記第1呼吸穴および前記第2呼吸穴の内径を、25〜50mmとすることが好ましく、これを請求項5に係る発明とする。また、前記第1呼吸穴および第2呼吸穴の取付ピッチを、100〜300mmとすることが好ましく、これを請求項6に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、第1の発泡成形体層には厚み方向に貫通する第1呼吸穴が形成されており、この第1呼吸穴の内部に第2の発泡成形体層が食い込んだ状態で融着しているので、第1の発泡成形体層と第2の発泡成形体層の結合をより強固なものとすることができる。また、通気性を有しない第1の発泡成形体層と、通気性を有する第2の発泡成形体層を型内で積層一体化することができる。
請求項2に係る発明では、第1の発泡成形体層を中心層として、第2の発泡成形体層と反対側には吸音性を有する第3の発泡成形体層が積層一体化されており、また、前記第1の発泡成形体層および第2の発泡成形体層には厚み方向に貫通する第2呼吸穴が形成されていて、この第2呼吸穴の内部に第3の発泡成形体層が食い込んだ状態で融着しているので、第1の発泡成形体層と第2の発泡成形体層と第3の発泡成形体層の結合をより強固なものとすることができる。また、通気性を有しない第1の発泡成形体層を芯材とし、両側に通気性を有する第2の発泡成形体層と第3の発泡成形体層を設けた三層の防音材を、型内で積層一体化することができる。
請求項3に係る発明では、前記第1の発泡成形体層は、発泡粒子からなる原料ビーズが相互に略全面で融着するように成形されたものであり、第2と第3の発泡成形体層は、発泡粒子からなる原料ビーズが発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着するように成形されたものであるので、第1の発泡成形体層が遮音性を発揮し、第2と第3の発泡成形体層が吸音性を発揮して、全体として優れた防音性能を発揮することができる。
請求項3に係る発明では、前記第1の発泡成形体層の空隙率は5%未満であり、第2および第3の発泡成形体層の空隙率は10〜40%としたので、それぞれの層が異なる特性を有しており積層体として複合化した優れた特性を奏することができる。
請求項5に係る発明では、第1呼吸穴および第2呼吸穴の内径を25〜50mmとし、また請求項6に係る発明では、第1呼吸穴および第2呼吸穴の取付ピッチを100〜300mmとしたので、第1呼吸穴および第2呼吸穴の内部に発泡成形体層が食い込んだ状態となって、各発泡成形体層の結合をより強固なものとすることができる。また、通気性を有しない第1の発泡成形体層を有する多層からなる防音材を、型内で積層一体化することができる。
2層からなる本発明の実施形態を示す斜視図である。 図1の要部を示す拡大断面図である。 3層からなる本発明の実施形態を示す斜視図である。 図3の要部を示す拡大断面図である。 2層からなる発泡成形体の成形工程における1次キャビティへの原料ビーズの充填工程を示す説明図である。 冷却工程を示す説明図である。 2次キャビティを形成する工程を示す説明図である。 加熱工程を示す説明図である。 冷却工程を示す説明図である。 3層からなる発泡成形体の成形工程における1次キャビティへの原料ビーズの充填工程を示す説明図である。 冷却工程を示す説明図である。 2次キャビティを形成する工程を示す説明図である。 加熱工程を示す説明図である。 3次キャビティを形成する工程を示す説明図である。 3次キャビティへの原料ビーズの充填工程を示す説明図である。 冷却工程を示す説明図である。 2層からなる発泡成形体と3層からなる発泡成形体の周波数と吸音率の関係を示すグラフである。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明に係る2層からなる防音材の斜視図、図2は、図1の要部の拡大断面図、図3は、本発明に係る3層からなる防音材の斜視図、図4は、図3の要部の拡大断面図である。
図1〜図4において、1は多層からなる防音材であり、1aは第1の発泡成形体層、1bは第2の発泡成形体層、1cは第3の発泡成形体層である。
前記第1の発泡成形体層1aは、発泡粒子からなる原料ビーズが相互に略全面で融着するように成形されたもので、通気性を有しないため優れた遮音性を有するものである。また、第2の発泡成形体層1bと第3の発泡成形体層1cは、発泡粒子からなる原料ビーズが発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着するように成形されたもので、通気性を有しているため優れた吸音性を有するものするものである。
図2に示されるように2層からなる場合は、前記第1の発泡成形体層1aには厚み方向に貫通する第1呼吸穴8aが形成されており、この第1呼吸穴8aの内部に第2の発泡成形体層1bが食い込んだ状態で融着している。
また、図4に示されるように3層からなる場合は、前記構成に加えて更に、前記第1の発泡成形体層1aおよび第2の発泡成形体層1bには厚み方向に貫通する第2呼吸穴8bが形成されていて、この第2呼吸穴8bの内部に第3の発泡成形体層1cが食い込んだ状態で融着している。
このような構造の積層体とすることで、各発泡成形体層の結合をより強固なものとしている。なお、前記呼吸穴8a、8bは、成形時における加熱用蒸気等の流通路としての役割を果たす意味もあり、この点については後述する。
このように、本発明の多層からなる防音材は、遮音性を有する第1の発泡成形体層1aと、吸音性を有する第2の発泡成形体層1bを積層一体化した2層からなるものである。あるいは、遮音性を有する第1の発泡成形体層1aを中心層として、その両側に吸音性を有する第2の発泡成形体層1bと吸音性を有する第3の発泡成形体層1cをサンドイッチ状に積層一体化した3層からなるものである。
第1の発泡成形体層1aは、通気性を有しないため音が通らず優れた遮音性を発揮する。一方、第2の発泡成形体層1bおよび第3の発泡成形体層1cは、粒子間空隙とこの粒子間空隙を相互に連通させる細い通路とを有する。そして、この粒子間空隙と細い通路は、進行する音と反射する音とが干渉し合って音の減衰を促進させることにより優れた吸音性を発揮することとなる。
なお、第1の発泡成形体層1aの空隙率は5%未満とし、第2および第3の発泡成形体層1b、1cの空隙率は10〜40%とすることが好ましい。第1の発泡成形体層1aの空隙率が5%以上では、遮音性を発揮するのが難しいからである。また、第2および第3の発泡成形体層1b、1cの空隙率が10%未満では、十分な吸音性を発揮するのが難しく、一方、40%より大きいと成形体としての強度が弱くなるからである。
以上のように、異なった層からなる多層の成形体とすることにより、それぞれの層の特徴を発揮して、従来にない複数の効果を奏する複合体を提供することができる。しかも、本発明の吸音材は、従来のように別々に成形したものを貼り合せて一体化したものではなく、発泡成形機により1サイクルで一体成形することができたものであり、効率よく安価に生産することができる。
前記第1〜第3の発泡成形体層は、熱可塑性樹脂からなるものである。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなるものが好ましい。あるいは、これらの樹脂を2種類以上混合した樹脂からなるものとすることもできる。なお、成形性、機械的強度、融着性等の観点からポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、またはこれらの混合樹脂が特に好ましい。
前記第1呼吸穴8aおよび第2呼吸穴8bの内径は、25〜50mmの範囲が好ましい。また、第1呼吸穴8aおよび第2呼吸穴8bの取付ピッチは、100〜300mmの範囲とするのが好ましい。これは、第1呼吸穴8aおよび第2呼吸穴8bの内部に発泡成形体層が食い込んだ状態とすることによって、各発泡成形体層の結合を強固なものとしており、十分な結合を得るには上記の範囲とする必要があるからである。更には、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aを有した多層からなる防音材を、型内で積層一体成形するには、前記第1呼吸穴8aおよび第2呼吸穴8bの内径および取付ピッチを上記の範囲として加熱用蒸気等の流通を図る必要があるからである。
(2層からなる発泡成形体の製造方法)
次に、本発明の多層からなる防音材の製造方法について説明する。
図5において、2は凹型の固定型、3は凸型の移動型、4aはこれらの一対の固定型2と移動型3で形成した1次キャビティである。5は固定型2の背面に設けた原料ビーズの充填器、6aは呼吸穴形成用の第1ピンである。
先ず、図5に示すように、一対の固定型2と移動型3で形成した1次キャビティ4a内(厚み:t1)に、呼吸穴形成用の第1ピン6aを侵入させた状態で、充填器5から原料ビーズを充填する。なお、前記第1ピン6aは、例えばエアシリンダ7によって出没自在としてある。なお、厚み:t1は、5<t1<200mmの範囲が好ましい。
次いで、型の背面側にあるチャンバ室に加熱媒体(加熱蒸気)を供給して加熱処理を行い、発泡粒子からなる原料ビーズを相互に略全面で融着させた後、型の背面側にあるチャンバ室に冷却媒体(冷却エア)を供給して冷却処理を行い、通気性を有しない第1の発泡成形体層1a(厚み:t1)を成形する(図6を参照)。
次いで、前記第1ピン6aをその先端部が固定型2の底面と面一となる位置まで後退させた後、図7に示すように、前記移動型3を第1の発泡成形体層1aとともに後退させて、固定型2と第1の発泡成形体層1aの間に2次キャビティ4b(厚み:t2)を形成する。なお、厚み:t2は、5<t1<200mmの範囲が好ましい。
次いで、前記2次キャビティ4b内に原料ビーズを充填後、図8に示すように、型の背面側にあるチャンバ室に加熱媒体(加熱蒸気)を供給して加熱処理を行い、発泡粒子からなる原料ビーズを発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着させる。この時、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aが介在しているが、前記加熱媒体は第1呼吸穴8aを通じて型背面側にあるチャンバ室間を流通するので、十分に加熱処理を行うことができる。
その後、図9に示すように、型の背面側にあるチャンバ室に冷却媒体(冷却エア)を供給して冷却処理を行う。この時も冷却媒体は第1呼吸穴8aを通じて型背面側にあるチャンバ室間を流通するので、十分に冷却処理を行うことができる。
この結果、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aと通気性を有する第2の発泡成形体層1bとが積層一体化されるうえに、前記第1呼吸穴8a内には第2の発泡成形体樹脂が入り込んだ状態となっているので、より強固に接合した2層からなる発泡成形体が成形されることとなる。
最後に、移動型3が後退させられた後、エジェクトピン(図示せず)の作動により、発泡成形体は固定型2の外へ排出されて、成形の1サイクルが終了する。
(3層からなる発泡成形体の製造方法)
次に、3層からなる発泡成形体の製造方法について説明する。
図10に示すように、一対の固定型2と移動型3で形成した1次キャビティ4a内(厚み:t1)に、呼吸穴形成用の第1ピン6aおよび第2ピン6bを侵入させた状態で、充填器5から原料ビーズを充填する。お、前記第1ピン6aおよび第2ピン6bは、例えばエアシリンダ7によって出没自在としてある。
次いで、型の背面側にあるチャンバ室に加熱媒体(加熱蒸気)を供給して加熱処理を行い、発泡粒子からなる原料ビーズを相互に略全面で融着させた後、図11に示すように、型の背面側にあるチャンバ室に冷却媒体(冷却エア)を供給して冷却処理を行い、通気性を有しない第1の発泡成形体層1a(厚み:t1)を成形する。
次いで、前記第1ピン6aをその先端部が固定型2の底面と面一となる位置まで後退させた後、図12に示すように、前記移動型3を第1の発泡成形体層1aとともに後退させて、固定型2と第1の発泡成形体層1aの間に2次キャビティ4b(厚み:t2)を形成する。なお、8aは第1呼吸穴である。
次いで、2次キャビティ4b内に充填器5から原料ビーズを充填する。この時、第1呼吸穴8aにも原料ビーズが充填される。次いで、図13に示すように、型の背面側にあるチャンバ室に加熱媒体(加熱蒸気)を供給して加熱処理を行い、発泡粒子からなる原料ビーズを発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着させる。この時、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aが介在しているが、前記加熱媒体は第1呼吸穴8aを通じて型背面側にあるチャンバ室間を流通するので、十分に加熱処理を行うことができる。
その後、型の背面側にあるチャンバ室に冷却媒体(冷却エア)を供給して冷却処理を行う。この時も冷却媒体は第1呼吸穴8aを通じて型背面側にあるチャンバ室間を流通するので、十分に冷却処理を行うことができる。
この結果、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aと通気性を有する第2の発泡成形体層1bとが積層一体化され、更に、前記第1呼吸穴8a内には第2の発泡成形体樹脂が入り込んだ状態となるため、より強固に接合した状態の2層からなる発泡成形体が成形されることとなる。
次いで、図14に示すように、2層からなる発泡成形体を固定型2に残して移動型3のみを後退させ、移動型3と第1の発泡成形体層1aとの間に3次キャビティ4c(厚み:t3)を形成する。なお、厚み:t3は、5<t1<200mmの範囲が好ましい。
その後、前記第2ピン6bをその先端部が固定型2の底面と面一となる位置まで後退させて、厚み方向に貫通した第2呼吸穴8bを形成し、次いで、図15に示すように、移動型側にある充填器9から3次キャビティ4c内に原料ビーズを充填する。この時、前記第2呼吸穴8a内にも原料ビーズが充填される。
次いで、型の背面側にあるチャンバ室に加熱媒体(加熱蒸気)を供給して加熱処理を行い、発泡粒子からなる原料ビーズを発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着させる。この時、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aが介在しているが、前記加熱媒体は第2呼吸穴8bを通じて型背面側にあるチャンバ室間を流通するので、十分に加熱処理を行うことができる。
その後、図16に示すように、型の背面側にあるチャンバ室に冷却媒体(冷却エア)を供給して冷却処理を行う。この時も冷却媒体は第2呼吸穴8bを通じて型背面側にあるチャンバ室間を流通するので、十分に冷却処理を行うことができる。
この結果、通気性を有しない第1の発泡成形体層1aを中心層として、その両側に通気性を有する第2の発泡成形体層1bと第3の発泡成形体層1cとが積層一体化される。しかも、前記第1呼吸穴8a内には第2の発泡成形体樹脂が入り込み、また前記第2呼吸穴8b内には第3の発泡成形体樹脂が入り込んだ状態となっているので、より強固に接合した3層からなる発泡成形体が成形されることとなる。
最後に、移動型3が後退させられた後、エジェクトピン(図示せず)の作動により、発泡成形体は固定型2の外へ排出されて、成形の1サイクルが終了する。
このようにして得られた本発明の防音材は、遮音性を有する第1の発泡成形体層1aと吸音性を有する第2の発泡成形体層1bを積層一体化した多層からなるものであり、前記第2の発泡成形体層1bを音の発生側(例えば、車両用の防音材であれば、車体側)、第1の発泡成形体層1aをその内側(車両用の防音材であれば、車内側)に設置する。
これにより、発生した音は先ず第2の発泡成形体層1bで吸音され、次いで、ここで吸音できなかった音が第1の発泡成形体層1aで反射されて、再び第2の発泡成形体層1bへ入射される。再度入射した音は第2の発泡成形体層1bで更に吸音されるため、防音効果は非常に高いものとなる。
また本発明の防音材は、従来のようにそれぞれの発泡成形体層を別々に成形しておき、後工程で接着剤により貼り合せて一体化するものでなく、1つの成形型で一体的に成形することができるので、短時間かつ安価に製造することができる。しかも、前記第1の発泡成形体層1aには厚み方向に貫通する第1呼吸穴8aが形成されており、この第1呼吸穴8aの内部に第2の発泡成形体層1bが食い込んだ状態で融着しているので、両者の結合をより強固なものとすることができる。
(実施例1)
図1に示すように、ポリスチレンからなる発泡ビーズを用いて、図5〜図9に示す製法により第1の発泡成形体層と第2の発泡成形体層を積層一体化した防音材(厚さ30mm)を得た。遮音性を有する第1の発泡成形体層は厚さ10mm、吸音性を有する第2の発泡成形体層は厚さ20mmで、騒音が吸音性を有する第2の発泡成形体層から入射するようにして使用に供する。また、前記第1の発泡成形体層の空隙率は3%、第2の発泡成形体層の空隙率は40%であった。また、第1の呼吸穴の内径は30mmで穿孔ピッチは200mmとした。
得られた防音材の吸音率を、JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率の測定方法」で規定された垂直入射吸音率で測定した。図17に測定結果を線図Aとして示す。図17のグラフから明らかなように、本発明の防音材は1kHz以上の周波数に対して高い吸音率を示すことが確認できた。
(実施例2)
図3に示すように、ポリスチレンからなる発泡ビーズを用いて、図10〜図16に示す方法により第1の発泡成形体層を中心層として、第2の発泡成形体層と第3の発泡成形体層を積層一体化した防音材(厚さ50mm)を得た。遮音性を有する第1の発泡成形体層は厚さ10mm、吸音性を有する第2の発泡成形体層と第3の発泡成形体層は厚さ20mmであった。また、前記第1の発泡成形体層の空隙率は3%、第2の発泡成形体層の空隙率は40%であった。また、第1の呼吸穴の内径は30mmで穿孔ピッチは200mmであった。
得られた防音材の吸音率を、実施例1と同様に、JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率の測定方法」で規定された垂直入射吸音率で測定した。図17に測定結果を線図Bとして示す。図17のグラフから明らかなように、3層からなる防音材は1kHz以上の周波数に対して高い吸音率を示し、また前記の2層からなる防音材よりも高い吸音率を示すことが確認できた。
1 発泡成形体
1a 第1の発泡成形体層
1b 第2の発泡成形体層
1c 第3の発泡成形体層
2 固定型
3 移動型
4a 1次キャビティ
4b 2次キャビティ
4c 3次キャビティ
5 充填器
6a 第1ピン
6b 第2ピン
7 エアシリンダ
8a 第1呼吸穴
8b 第2呼吸穴
9 充填器

Claims (6)

  1. 遮音性を有する第1の発泡成形体層と、吸音性を有する第2の発泡成形体層を積層一体化した多層からなる防音材であって、
    前記第1の発泡成形体層と第2の発泡成形体層の接合面が融着しているとともに、
    前記第1の発泡成形体層には厚み方向に貫通する第1呼吸穴が形成されており、この第1呼吸穴の内部に第2の発泡成形体層が食い込んだ状態で融着していることを特徴とする多層からなる防音材。
  2. 前記第1の発泡成形体層を中心層として、前記第2の発泡成形体層と反対側には吸音性を有する第3の発泡成形体層が積層一体化されており、
    また、前記第1の発泡成形体層および前記第2の発泡成形体層には厚み方向に貫通する第2呼吸穴が形成されていて、この第2呼吸穴の内部に前記第3の発泡成形体層が食い込んだ状態で融着している請求項1に記載の多層からなる防音材。
  3. 前記第1の発泡成形体層は、発泡粒子からなる原料ビーズが相互に略全面で融着するように成形されたものであり、前記第2および第3の発泡成形体層は、発泡粒子からなる原料ビーズが発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着するように成形されたものである請求項2に記載の多層からなる防音材。
  4. 前記第1の発泡成形体層の空隙率は5%未満であり、前記第2および第3の発泡成形体層の空隙率は10〜40%である請求項2〜3のいずれかに記載の多層からなる防音材。
  5. 前記第1呼吸穴および前記第2呼吸穴の内径が、25〜50mmである請求項2〜4のいずれかに記載の多層からなる防音材。
  6. 前記第1呼吸穴および前記第2呼吸穴の穿孔ピッチが、100〜300mmである請求項2〜5のいずれかに記載の多層からなる防音材。
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