JPWO2018221564A1 - 接着剤及び構造体 - Google Patents
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Abstract
一実施形態は、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)とを含むポリマーを含有する、接着剤に関する。
Description
本開示は、接着剤及び構造体に関する。
近年、自動車分野をはじめとする様々な分野で、接着性、貯蔵安定性、防錆性、耐熱性、耐候性等の高い要求を満たす接着材料が求められている。なかでも接着性に関しては、金属、ガラス、ポリイミド等の難接着性の素材への接着強度の向上が求められている。
接着剤として使用される樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等、多岐に亘る(例えば、特許文献1及び2参照)。
例えば、アクリル樹脂は、透明性及び耐候性に優れ、接着剤として着実に需要を伸ばしている。しかしながら、用途によっては、金属、ガラス、ポリイミド等に対する接着強度が不十分であった。
そこで、本開示は、優れた接着力を有する接着剤を提供する。また、本開示は、優れた強度を有する構造体を提供する。
本発明には様々な実施形態が含まれる。実施形態の例を以下に列挙する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
一実施形態は、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)とを含むポリマーを含有する、接着剤に関する。
一実施形態によれば、前記ポリマーに含まれる前記エチレン構造単位(A)の割合は、前記エチレン構造単位(A)以外の構造単位の合計を基準として0.05〜55モル%であることが好ましい。
一実施形態によれば、前記ポリマーの重量平均分子量は、70,000以上であることが好ましい。
一実施形態によれば、前記隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基は、下記式(a1)で表される基を含むことが好ましい。
(式中、Arは芳香環を表し、Rは置換基を表し、lは0以上の整数であり、Rの数を表す。lが2以上の場合、複数のRは、互いに同一であっても、異なってもよい。「*」は他の原子との結合位置を表す。)
一実施形態によれば、前記エチレン構造単位(A)は、下記式(A1)で表される構造単位を含むことが好ましい。
(式中、Aは隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。「*」は他の原子との結合位置を表す。)
一実施形態によれば、前記エチレン構造単位(B)は、下記式(B1)で表される構造単位を含むことが好ましい。
(式中、Rb1〜Rb4は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。「*」は他の原子との結合位置を表す。)
一実施形態によれば、前記ポリマーは、下記式(P1)で表されるポリマーであることが好ましい。
(式中、
Aは隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
Rb1〜Rb4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
「*」は他の原子との結合位置を表す。
a及びbは、0.05≦[a/b(mol/mol)]×100≦55を満たす。)
Aは隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
Rb1〜Rb4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
「*」は他の原子との結合位置を表す。
a及びbは、0.05≦[a/b(mol/mol)]×100≦55を満たす。)
一実施形態によれば、前記ポリマーは、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基と、エチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)を含有するモノマーの共重合体であることが好ましい。
一実施形態によれば、接着剤は、溶媒を更に含有してもよい。
他の一実施形態は、被着体(1)、接着剤層、及び被着体(2)を備え、前記被着体(1)と前記被着体(2)とが前記接着剤層を介して接着しており、前記接着剤層が前記いずれかの接着剤を含有する、構造体に関する。
一実施形態によれば、前記被着体(1)は、ステンレス、銅、アルミニウム、マグネシウム、ガラス、及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
一実施形態によれば、前記被着体(2)は、ステンレス、銅、アルミニウム、マグネシウム、ガラス、及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本開示によれば、優れた接着力を有する接着剤が提供される。また、本開示によれば、優れた強度を有する構造体が提供される。
本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
<接着剤>
一実施形態において、接着剤は、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)とを含むポリマーを含有する(以下、該ポリマーを「接着性ポリマー」という場合がある。)。接着剤は、溶媒、添加剤等の任意の成分を含有してもよい。
<接着剤>
一実施形態において、接着剤は、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)とを含むポリマーを含有する(以下、該ポリマーを「接着性ポリマー」という場合がある。)。接着剤は、溶媒、添加剤等の任意の成分を含有してもよい。
[接着性ポリマー]
一実施形態において、接着性ポリマーは、エチレン構造単位(A)とエチレン構造単位(B)とを含む。接着性ポリマーは、エチレン構造単位(A)及びエチレン構造単位(B)以外の任意の構造単位を有してもよい。
一実施形態において、接着性ポリマーは、エチレン構造単位(A)とエチレン構造単位(B)とを含む。接着性ポリマーは、エチレン構造単位(A)及びエチレン構造単位(B)以外の任意の構造単位を有してもよい。
(エチレン構造単位(A))
エチレン構造単位(A)は、構造単位内に、ポリマー骨格となるエチレン構造を有し、かつ、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を少なくとも1つ有する構造単位である。芳香環基は、芳香環から誘導される置換基であり、エチレン構造に直接又は2価の連結基を介して結合している。芳香環としては、芳香族炭化水素環と芳香族複素環とが挙げられる。芳香環は、芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
エチレン構造単位(A)は、構造単位内に、ポリマー骨格となるエチレン構造を有し、かつ、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を少なくとも1つ有する構造単位である。芳香環基は、芳香環から誘導される置換基であり、エチレン構造に直接又は2価の連結基を介して結合している。芳香環としては、芳香族炭化水素環と芳香族複素環とが挙げられる。芳香環は、芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
「隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基」とは、芳香環を構成する隣接する2つの原子にそれぞれ結合する水素原子が、ヒドロキシル基により置換された芳香環基をいう(以下、該芳香環基を「ジヒドロキシアリール基」という場合がある。)。具体的には、芳香環基がフェニル基である場合、ベンゼン環を構成する隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合する水素原子が、ヒドロキシル基により置換されたフェニル基をいう(以下、該フェニル基を「カテコール基」という場合がある。)。例として、2,3−ジヒドロキシフェニル基及び3,4−ジヒドロキシフェニル基が挙げられる。優れた接着力を得る観点から、3,4−ジヒドロキシフェニル基が好ましい。
式中、Arは芳香環を表し、Rは置換基を表し、lは0以上の整数であり、Rの数を表す。lの上限は、Arの構造に応じて定められる。本開示において、「*」は他の原子との結合位置を表す。以下同様である。lが2以上の場合、複数のRは、互いに同一であっても、異なってもよい。
Rは、好ましくは、ヒドロキシル基以外の置換基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
Rは、好ましくは、ヒドロキシル基以外の置換基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
式中、Rは置換基を表し、lは0〜3の整数であり、Rの数を表す。lは好ましくは0である。lが2又は3の場合、複数のRは、互いに同一であっても、異なってもよい。
Rは、好ましくは、ヒドロキシル基以外の置換基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
Rは、好ましくは、ヒドロキシル基以外の置換基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
ジヒドロキシアリール基は、直接又は2価の連結基を介してエチレン構造に結合している。2価の連結基として、例えば、アミド結合(−NH−CO−)を含む2価の基、及び、エステル結合(−O−CO−)を含む2価の基が挙げられる。
式中、nは0〜10の整数を表す。接着力の向上の観点から、nは1以上が好ましい。また、粘着性を抑える観点から6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
式中、Aはジヒドロキシアリール基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては、好ましくはジヒドロキシアリール基以外の基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
Aは、式(a1)で表される基であることが好ましく、式(a2)で表される基であることがより好ましく、式(a3)で表される基であることが更に好ましい。
Xは、式(x1)で表される基又は式(x2)で表される基であることが好ましく、式(x1)で表される基であることがより好ましい。
mは、1であることが好ましい。
Ra1及びRa2は、水素原子であることが好ましい。
Ra3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
Xは、式(x1)で表される基又は式(x2)で表される基であることが好ましく、式(x1)で表される基であることがより好ましい。
mは、1であることが好ましい。
Ra1及びRa2は、水素原子であることが好ましい。
Ra3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
(エチレン構造単位(B))
エチレン構造単位(B)は、構造単位内に、ポリマー骨格となるエチレン構造を有し、かつ、ジヒドロキシアリール基を有しない構造単位である。
エチレン構造単位(B)は、構造単位内に、ポリマー骨格となるエチレン構造を有し、かつ、ジヒドロキシアリール基を有しない構造単位である。
式中、Rb1〜Rb4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基は、ジヒドロキシアリール基以外の基である。置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、エステル結合を含む1価の基、及びアミド結合を含む1価の基が挙げられる。
Rb1及びRb2は、水素原子であることが好ましい。
Rb3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
Rb4は、エステル結合を含む1価の基又はアミド結合を含む1価の基であることが好ましく、アルキルオキシカルボニル基(R−O−CO−基(Rはアルキル))、モノアルキルアミノカルボニル基(R−NH−CO−基(Rはアルキル))、又はジアルキルアミノカルボニル基(R−NR’−CO−基(R及びR’はアルキル))であることが好ましく、アルキルオキシカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基であることがより好ましく、アルキルオキシカルボニル基であることが更に好ましい。ここでのアルキルの炭素数は、好ましくは1〜4である。
Rb3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
Rb4は、エステル結合を含む1価の基又はアミド結合を含む1価の基であることが好ましく、アルキルオキシカルボニル基(R−O−CO−基(Rはアルキル))、モノアルキルアミノカルボニル基(R−NH−CO−基(Rはアルキル))、又はジアルキルアミノカルボニル基(R−NR’−CO−基(R及びR’はアルキル))であることが好ましく、アルキルオキシカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基であることがより好ましく、アルキルオキシカルボニル基であることが更に好ましい。ここでのアルキルの炭素数は、好ましくは1〜4である。
(構造単位の比)
一実施形態においては、接着力向上の観点から、構造単位(A)の比率は、接着性ポリマー中の他の構造単位の合計に対して、0.05モル%以上であることが好ましく、0.1モル%以上であることがより好ましく、1モル%以上であることが更に好ましく、1.5モル%以上であることが特に好ましい。また、同様に接着力向上の観点から、構造単位(A)の比率は、接着性ポリマー中の他の構造単位の合計に対して、55モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、7.5モル%以下であることが更に好ましく、3モル%以下であることが特に好ましい。構造単位(A)の比率が前記範囲内であると、接着力が向上しやすい。推定される理由の一つとして、構造単位(A)の比率が55モル%以下である場合は、ポリマー内での相互作用に起因し、被着体との接着力向上に寄与する構造単位(A)の実質的な量が増加することが挙げられる。構造単位(A)の比率は、核磁気共鳴分光法(NMR分光法)により求めることができる。「他の構造単位」は、構造単位(A)以外の構造単位である。
一実施形態においては、接着力向上の観点から、構造単位(A)の比率は、接着性ポリマー中の他の構造単位の合計に対して、0.05モル%以上であることが好ましく、0.1モル%以上であることがより好ましく、1モル%以上であることが更に好ましく、1.5モル%以上であることが特に好ましい。また、同様に接着力向上の観点から、構造単位(A)の比率は、接着性ポリマー中の他の構造単位の合計に対して、55モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、7.5モル%以下であることが更に好ましく、3モル%以下であることが特に好ましい。構造単位(A)の比率が前記範囲内であると、接着力が向上しやすい。推定される理由の一つとして、構造単位(A)の比率が55モル%以下である場合は、ポリマー内での相互作用に起因し、被着体との接着力向上に寄与する構造単位(A)の実質的な量が増加することが挙げられる。構造単位(A)の比率は、核磁気共鳴分光法(NMR分光法)により求めることができる。「他の構造単位」は、構造単位(A)以外の構造単位である。
(重量平均分子量)
一実施形態によれば、接着力向上の観点から、重量平均分子量は、70,000以上であることが好ましく、80,000以上であることがより好ましく、100,000以上であることが更に好ましく、120,000以上であることが特に好ましい。また、同様に接着力向上の観点から、重量平均分子量は、200,000以下であることが好ましく、180,000以下であることがより好ましく、160,000以下であることが更に好ましい。
一実施形態によれば、接着力向上の観点から、重量平均分子量は、70,000以上であることが好ましく、80,000以上であることがより好ましく、100,000以上であることが更に好ましく、120,000以上であることが特に好ましい。また、同様に接着力向上の観点から、重量平均分子量は、200,000以下であることが好ましく、180,000以下であることがより好ましく、160,000以下であることが更に好ましい。
(数平均分子量)
一実施形態によれば、接着力向上の観点から、数平均分子量は、18,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、25,000以上であることが更に好ましい。また、同様に接着力向上の観点から、数平均分子量は、40,000以下であることが好ましく、35,000以下であることがより好ましく、33,000以下であることが更に好ましい。
一実施形態によれば、接着力向上の観点から、数平均分子量は、18,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、25,000以上であることが更に好ましい。また、同様に接着力向上の観点から、数平均分子量は、40,000以下であることが好ましく、35,000以下であることがより好ましく、33,000以下であることが更に好ましい。
(分散度(PDI=Mw/Mn))
一実施形態によれば、接着力向上の観点から、PDIは、6以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましい。下限は特に限定されないが、通常、1以上である。
一実施形態によれば、接着力向上の観点から、PDIは、6以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましい。下限は特に限定されないが、通常、1以上である。
本開示において、重量平均分子量及び数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定できる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値を、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
式中、
Aはジヒドロキシアリール基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、R1a〜R3aはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
R1b〜R4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
a及びbは、0.05≦[a/b(mol/mol)]×100≦55を満たす。
Aはジヒドロキシアリール基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、R1a〜R3aはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
R1b〜R4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
a及びbは、0.05≦[a/b(mol/mol)]×100≦55を満たす。
2つの構造単位のモル比[a/b]は、核磁気共鳴分光法(NMR分光法)により求めることができる。また、接着性ポリマーの末端は特に限定されず、通常は、モノマー、重合開始剤等に由来する構造が含まれる。
高い接着力を得る観点から、0.1≦[a/b]であることが好ましく、1≦[a/b]であることがより好ましく、1.5≦[a/b]であることが更に好ましい。また、同様に、高い接着力を得る観点から、[a/b]≦10であることが好ましく、[a/b]≦7.5であることがより好ましく、[a/b]≦3であることが更に好ましい。
また、一実施形態において、接着性ポリマーは、ジヒドロキシアリール基と、エチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、ジヒドロキシアリール基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)を含有するモノマーの共重合体である。モノマー(A)、モノマー(B)等については、後述する。接着性ポリマーは、モノマー(A)及びモノマー(B)からなるモノマーの共重合体であってもよい。
(製造方法)
一実施形態において、接着性ポリマーは、エチレン性不飽和基を有する少なくとも2種類のモノマーを、重合させて得られる。2種類のモノマーは、ジヒドロキシアリール基とエチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、ジヒドロキシアリール基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)である。したがって、接着性ポリマーの製造方法の一実施形態は、モノマー(A)とモノマー(B)とを含有するモノマーを、共重合させることを含む。
一実施形態において、接着性ポリマーは、エチレン性不飽和基を有する少なくとも2種類のモノマーを、重合させて得られる。2種類のモノマーは、ジヒドロキシアリール基とエチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、ジヒドロキシアリール基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)である。したがって、接着性ポリマーの製造方法の一実施形態は、モノマー(A)とモノマー(B)とを含有するモノマーを、共重合させることを含む。
少なくとも2種類のモノマーを共重合させる方法は特に限定されない。ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の方法を用いることができる。また、重合方法は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等のいずれであってもよい。
(モノマー(A))
接着性ポリマーの製造方法に用いられるエチレン性不飽和基を有するモノマーは、少なくとも2種類であり、1種類のモノマーが、モノマー(A)である。モノマー(A)は、分子内に、ジヒドロキシアリール基を少なくとも1つ有し、かつ、エチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する。
接着性ポリマーの製造方法に用いられるエチレン性不飽和基を有するモノマーは、少なくとも2種類であり、1種類のモノマーが、モノマー(A)である。モノマー(A)は、分子内に、ジヒドロキシアリール基を少なくとも1つ有し、かつ、エチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する。
ジヒドロキシアリール基については、上述のとおりである。モノマー(A)は、エチレン性不飽和基を、「エチレン性不飽和基を含む基」として有してよく、エチレン性不飽和基を含む基の例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミノ基、及びメタクリロイルアミノ基が挙げられ、メタクリロイルアミノ基が好ましい。
モノマー(A)としては、例えば、カテコール基を有するビニル化合物、カテコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物、及びカテコール基を有する(メタ)アクリルアミド系化合物を挙げることができる。
式中の符号については、式(A1)において説明したとおりである。
好ましくは、モノマー(A)の例として、下記式で表される化合物(1)を挙げることができる。
(モノマー(B))
接着性ポリマーの製造方法に用いられる少なくとも2種類のモノマーのうちの他の1種類のモノマーは、モノマー(B)である。モノマー(B)は、分子内に、ジヒドロキシアリール基を有さず、かつ、エチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する。ジヒドロキシアリール基及びエチレン性不飽和基について、上述のとおりである。
接着性ポリマーの製造方法に用いられる少なくとも2種類のモノマーのうちの他の1種類のモノマーは、モノマー(B)である。モノマー(B)は、分子内に、ジヒドロキシアリール基を有さず、かつ、エチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する。ジヒドロキシアリール基及びエチレン性不飽和基について、上述のとおりである。
式中の符号については、式(B1)において説明したとおりである。
モノマー(B)は、例えば、スチレン(ビニルベンゼン);アクリルアミド、メタクリルアミド;ジメチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド等のアルキル置換アクリルアミド又はアルキル置換メタクリルアミド;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノマー(B)として、分子内に反応性官能基を含むモノマーを用いることも可能である。反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。例えば、反応性官能基を含むモノマーとして、上記のアルキル置換アクリルアミド、アルキル置換メタクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステルのアルキル基に、反応性官能基が置換した化合物が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等のウレタン(メタ)アクリレートを用いてもよい。
モノマー(A)による効果を十分に得る観点、又は、優れた貯蔵安定性を得る観点から、モノマー(B)は、アルキル置換アクリルアミド、アルキル置換メタクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルから選択される1種以上を含むことが好ましく、アルキル置換メタクリルアミド及びメタクリル酸アルキルエステルから選択される1種以上を含むことがより好ましい。アルキル置換メタクリルアミドとしては、ジメチルアクリルアミドが好ましく、メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル等が好ましい。
一実施形態においては、接着性ポリマーを合成する際に使用するモノマー(A)の比率は、モノマー中のモノマー(A)以外のモノマーの合計に対して、0.05モル%以上であることが好ましい。また、モノマー(A)の比率は、モノマー中のモノマー(A)以外のモノマーの合計に対して、55モル%以下であることが好ましい。モノマー(A)を前記範囲で含有するモノマー組成物を重合して得られる接着性ポリマーが、様々な被着体に対してより高い接着強度を発現する。接着強度の観点から、モノマー(A)の比率は、0.1モル%以上であることがより好ましく、1モル%以上であることが更に好ましく、1.5モル%以上であることが特に好ましい。同様に、モノマー(A)の比率は、10モル%以下であることがより好ましく、7.5モル%以下であることが更に好ましく、3モル%以下であることが特に好ましい。
一実施形態においては、モノマー(B)におけるアルキル置換アクリルアミド、アルキル置換メタクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルから選択される1種以上の合計の比率は、全モノマー(B)中、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましい。前記範囲を満たす場合、より優れた接着強度と貯蔵安定性とが得られる。上限は100モル%とできる。
(ラジカル重合開始剤)
接着性ポリマーを得る際、モノマーを重合させるためにラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、特に制限なく、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。例えば、アゾ系化合物、過酸化物等が好ましく挙げられる。具体的には、熱により遊離ラジカルを発生させるアゾ系ラジカル開始剤及び有機過酸化物が好ましい。
接着性ポリマーを得る際、モノマーを重合させるためにラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、特に制限なく、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。例えば、アゾ系化合物、過酸化物等が好ましく挙げられる。具体的には、熱により遊離ラジカルを発生させるアゾ系ラジカル開始剤及び有機過酸化物が好ましい。
アゾ系ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、商品名V−60、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)(商品名V−59、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業(株)製)、ジメチル−2,2’−アゾビス(イソブチレート)(商品名V−601、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−70、和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマーの種類に応じて適宜選択することができ、一般的な量で使用される。具体的には、モノマーの全量に対して、0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
(反応溶媒)
接着性ポリマーを得る際、反応溶媒を使用して溶液重合で合成することが好ましい。反応溶媒は有機溶媒であることが好ましく、有機溶媒はモノマーが溶解すれば特に限定されない。モノマー(A)の溶解性の観点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いることが好ましい。
接着性ポリマーを得る際、反応溶媒を使用して溶液重合で合成することが好ましい。反応溶媒は有機溶媒であることが好ましく、有機溶媒はモノマーが溶解すれば特に限定されない。モノマー(A)の溶解性の観点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いることが好ましい。
反応溶媒の配合量に特に制限は無く、重合速度、重合後のポリマー分子量等の観点から決定するとよい。例えば、重合後のポリマー分子量(Mw)が10万程度である場合、モノマーの全量が、溶媒に対して、15〜60質量%であることが好ましい。
(重合温度)
接着性ポリマーを合成する際の温度は、特に制限はなく、使用するモノマーの種類、溶媒の沸点、重合開始剤の半減期温度等を考慮して決定するとよい。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いて重合させる場合、反応温度は60〜70℃であることが好ましい。
接着性ポリマーを合成する際の温度は、特に制限はなく、使用するモノマーの種類、溶媒の沸点、重合開始剤の半減期温度等を考慮して決定するとよい。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いて重合させる場合、反応温度は60〜70℃であることが好ましい。
(後処理)
接着性ポリマーを溶液重合により得た場合は、反応後、接着性ポリマーをそのままポリマー溶液として取り出すこともできるが、沈殿精製してもよい。例えば、反応後のポリマー溶液を接着性ポリマーに対する貧溶媒に滴下し、接着性ポリマーを沈殿物として得ることにより、ポリマー溶液中に残存する未反応のモノマー等を除くことが可能である。具体的には、化合物(1)とメタクリル酸メチルの2種のモノマーをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて重合させる場合、反応後に接着性ポリマーの貧溶媒となる水中にポリマー溶液を滴下し、沈殿物を得ることで、未反応のモノマー成分を除くことが可能である。
接着性ポリマーを溶液重合により得た場合は、反応後、接着性ポリマーをそのままポリマー溶液として取り出すこともできるが、沈殿精製してもよい。例えば、反応後のポリマー溶液を接着性ポリマーに対する貧溶媒に滴下し、接着性ポリマーを沈殿物として得ることにより、ポリマー溶液中に残存する未反応のモノマー等を除くことが可能である。具体的には、化合物(1)とメタクリル酸メチルの2種のモノマーをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて重合させる場合、反応後に接着性ポリマーの貧溶媒となる水中にポリマー溶液を滴下し、沈殿物を得ることで、未反応のモノマー成分を除くことが可能である。
ただし、接着性ポリマーの製造方法は、以上に説明した方法に限定されない。エチレン構造単位を含むポリマーにジヒドロキシアリール基を導入する方法などによって、接着性ポリマーを製造することも可能である。
[任意成分]
接着剤は、接着性ポリマーのほかに、溶媒、添加剤、他のポリマー、その他の接着性成分等の任意の成分を含有してもよい。溶媒は、有機溶媒であることが好ましく、具体的には、反応溶媒として挙げた溶媒を使用できる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、及び界面活性剤が挙げられる。
接着剤は、接着性ポリマーのほかに、溶媒、添加剤、他のポリマー、その他の接着性成分等の任意の成分を含有してもよい。溶媒は、有機溶媒であることが好ましく、具体的には、反応溶媒として挙げた溶媒を使用できる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、及び界面活性剤が挙げられる。
[含有量]
接着剤中の接着性ポリマーの含有量に特に制限はない。より優れた接着力を得る観点から、接着性ポリマーの含有量は、接着剤の全量(ただし、接着剤が溶媒を含む場合は、溶媒の質量を除く固形分の全質量)を基準として、例えば、80〜100質量%である。接着剤を用いて被着体を接着する際には、塗布法により接着剤を被着体へ容易に適用できることから、接着剤は溶媒を含有していることが好ましい。この場合、接着性ポリマーの含有量は、接着剤の全量(溶媒の質量も含む全質量)を基準として、例えば、5〜30質量%である。
接着剤中の接着性ポリマーの含有量に特に制限はない。より優れた接着力を得る観点から、接着性ポリマーの含有量は、接着剤の全量(ただし、接着剤が溶媒を含む場合は、溶媒の質量を除く固形分の全質量)を基準として、例えば、80〜100質量%である。接着剤を用いて被着体を接着する際には、塗布法により接着剤を被着体へ容易に適用できることから、接着剤は溶媒を含有していることが好ましい。この場合、接着性ポリマーの含有量は、接着剤の全量(溶媒の質量も含む全質量)を基準として、例えば、5〜30質量%である。
[接着方法]
接着剤を用いた接着方法について特に制限はない。例えば、溶媒を含有する接着剤を塗布後、溶媒を乾燥させる方法により接着させてもよく、接着剤を加熱溶融して塗布後、固化させる方法により接着させてもよい。
接着剤を用いた接着方法について特に制限はない。例えば、溶媒を含有する接着剤を塗布後、溶媒を乾燥させる方法により接着させてもよく、接着剤を加熱溶融して塗布後、固化させる方法により接着させてもよい。
一実施形態において、接着剤は、補修用途、補強用途等に用いてもよい。補修用途、補強用途等として用いる対象としては、建造物の床、壁等の建材、コンクリートなどが挙げられる。用いる対象の材質としては、金属、ガラス、プラスチック、コンクリート等が挙げられる。
<構造体>
一実施形態において、構造体は、被着体(1)、接着剤層、及び被着体(2)を備え、被着体(1)と被着体(2)とが接着剤層を介して接着しており、該接着剤層が前記実施形態の接着剤を含有する。被着体(1)と被着体(2)とが、高い接着力を有する接着剤によって接着されているために、構造体は優れた強度を有する。
一実施形態において、構造体は、被着体(1)、接着剤層、及び被着体(2)を備え、被着体(1)と被着体(2)とが接着剤層を介して接着しており、該接着剤層が前記実施形態の接着剤を含有する。被着体(1)と被着体(2)とが、高い接着力を有する接着剤によって接着されているために、構造体は優れた強度を有する。
被着体(1)及び被着体(2)の例として、金属、ガラス、プラスチック、及びコンクリートが挙げられ、金属、ガラス、プラスチック、及びコンクリートの種類は特に限定されない。プラスチックとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。被着体(1)と被着体(2)の両方、又は、いずれか一方が、ステンレス、銅、アルミニウム、マグネシウム、ガラス、及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
構造体は、例えば、溶媒を含有する接着剤を用いて得ることができる。一実施形態によれば、構造体は、被着体(1)と被着体(2)の両方、又は、いずれか一方に接着剤を塗布し、被着体(A)と被着体(B)とを接着し、溶媒を除去することによって製造することができる。塗布方法としては、ポッティング法、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の方法が挙げられる。溶媒の除去には、加熱、減圧、それらの組み合わせ等により乾燥する方法が挙げられる。
構造体の例として、自動車用部品、家電用部品、表示装置、携帯端末、電子部品、建材、コンクリート等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<接着剤の作製及び評価1>
接着性ポリマーを含む接着剤を作製し、接着強度及び貯蔵安定性を評価した。
接着性ポリマーを含む接着剤を作製し、接着強度及び貯蔵安定性を評価した。
[接着性ポリマーの合成]
モノマー(A)とモノマー(B)の割合を変化させ、接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。
(実施例1)
50mLの2つ口ナス型フラスコに、化合物(1)((N−(3,4−ジヒドロキシフェニルエチル)メタクリルアミド))100mg、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)75mg、及び回転子を入れ、還流管及び窒素導入管を取り付けた。系内を脱気してから窒素で置換した後、メチルメタクリレート(MMA)9.1g及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)17.0gを加え、マグネティックスターラーを用いて100rpmで撹拌し、化合物(1)とAIBNを溶解させた。20mL/分で窒素を導入し、30分間バブリングした後、窒素導入管を液面から上げて、窒素の導入を続け、65℃まで昇温した。65℃に到達した時点を反応開始とし、10時間反応を続けた後、AIBNを失活させるため75℃に昇温し30分間保持した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液を得た。2Lのビーカーに純水1,000gを入れ、回転子を入れ撹拌しながら、ポリマー溶液を、滴下漏斗を使用して水中に滴下した。30分間撹拌した後、沈殿物をろ過により回収し、80℃で8時間乾燥させ、収率92質量%で固形の接着性ポリマーを得た。
モノマー(A)とモノマー(B)の割合を変化させ、接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。
(実施例1)
50mLの2つ口ナス型フラスコに、化合物(1)((N−(3,4−ジヒドロキシフェニルエチル)メタクリルアミド))100mg、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)75mg、及び回転子を入れ、還流管及び窒素導入管を取り付けた。系内を脱気してから窒素で置換した後、メチルメタクリレート(MMA)9.1g及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)17.0gを加え、マグネティックスターラーを用いて100rpmで撹拌し、化合物(1)とAIBNを溶解させた。20mL/分で窒素を導入し、30分間バブリングした後、窒素導入管を液面から上げて、窒素の導入を続け、65℃まで昇温した。65℃に到達した時点を反応開始とし、10時間反応を続けた後、AIBNを失活させるため75℃に昇温し30分間保持した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液を得た。2Lのビーカーに純水1,000gを入れ、回転子を入れ撹拌しながら、ポリマー溶液を、滴下漏斗を使用して水中に滴下した。30分間撹拌した後、沈殿物をろ過により回収し、80℃で8時間乾燥させ、収率92質量%で固形の接着性ポリマーを得た。
(接着性ポリマーの分子量測定)
接着性ポリマー0.05gをテトラヒドロフラン(THF)5gに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー((株)日立ハイテクノロジーズ製「CHROMASTER」、カラム:GL−A130S、GL−A150S、GL−A160(3連結、全てジーエルサイエンス(株)製)、検出器:RI、溶離液:THF、流速:1.0mL/min、カラム温度:35℃、注入量:70μL)により、接着性ポリマーの重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。結果を表1に示す。
接着性ポリマー0.05gをテトラヒドロフラン(THF)5gに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー((株)日立ハイテクノロジーズ製「CHROMASTER」、カラム:GL−A130S、GL−A150S、GL−A160(3連結、全てジーエルサイエンス(株)製)、検出器:RI、溶離液:THF、流速:1.0mL/min、カラム温度:35℃、注入量:70μL)により、接着性ポリマーの重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。結果を表1に示す。
(接着性ポリマーの組成分析)
接着性ポリマー10mgを重水素化ジメチルスルホキシド0.8mLに溶解し、核磁気共鳴装置(ブルカー・バイオスピン(株)製「AV400M」、周波数:400MHz、積算回数:16、温度:25℃、基準物質:テトラメチルシラン(TMS))を用い、1H−NMR測定を行った。得られたスペクトルのプロトン比から、接着性ポリマーに含まれる構造単位の比率を算出した。結果を表1に示す。
接着性ポリマー10mgを重水素化ジメチルスルホキシド0.8mLに溶解し、核磁気共鳴装置(ブルカー・バイオスピン(株)製「AV400M」、周波数:400MHz、積算回数:16、温度:25℃、基準物質:テトラメチルシラン(TMS))を用い、1H−NMR測定を行った。得られたスペクトルのプロトン比から、接着性ポリマーに含まれる構造単位の比率を算出した。結果を表1に示す。
(実施例2)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)200mg、AIBN75mg、MMA9.1g、及びDMF17.2gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は86質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)200mg、AIBN75mg、MMA9.1g、及びDMF17.2gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は86質量%であった。
(実施例3)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN76mg、MMA9.1g、及びDMF17.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は89質量%であった。図1に、1H−NMRスペクトルを示す。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN76mg、MMA9.1g、及びDMF17.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は89質量%であった。図1に、1H−NMRスペクトルを示す。
(実施例4)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)900mg、AIBN70mg、MMA8.1g、及びDMF16.8gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は83質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)900mg、AIBN70mg、MMA8.1g、及びDMF16.8gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は83質量%であった。
(実施例5)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)1.7g、AIBN69mg、MMA7.7g、及びDMF17.4gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は83質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)1.7g、AIBN69mg、MMA7.7g、及びDMF17.4gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は83質量%であった。
(実施例6)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)5.0g、AIBN56mg、MMA4.5g、及びDMF17.7gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は93質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)5.0g、AIBN56mg、MMA4.5g、及びDMF17.7gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は93質量%であった。
(比較例1)
接着性ポリマーの合成において、AIBN62mg、MMA7.5g、及びDMF14.5gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は84質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、AIBN62mg、MMA7.5g、及びDMF14.5gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は84質量%であった。
(比較例2)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)6.0g、AIBN22mg、及びDMF11.1gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成した。収率は84質量%であった。接着性ポリマーがテトラヒドロフランに溶解しなかったために、分子量の測定を行うことができなかった。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)6.0g、AIBN22mg、及びDMF11.1gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成した。収率は84質量%であった。接着性ポリマーがテトラヒドロフランに溶解しなかったために、分子量の測定を行うことができなかった。
(比較例3)
接着性ポリマーの合成において、AIBN115mg、MMA13.9g、アクリル酸(AA)100mg、及びDMF26.0gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は84質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、AIBN115mg、MMA13.9g、アクリル酸(AA)100mg、及びDMF26.0gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は84質量%であった。
[接着強度の評価]
実施例1〜6及び比較例1〜3の接着性ポリマー(接着剤)について、接着強度を評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜6及び比較例1〜3の接着性ポリマー(接着剤)について、接着強度を評価した。結果を表1に示す。
(ポリマー溶液の調製)
20ccのサンプル管に、作製した接着性ポリマー1.5g及び酢酸エチル10gを入れ、超音波照射を10分間行い、次いでミックスローターを用いて30分間混合し、固形分15質量%のポリマー溶液(塗布用の接着剤)を得た。
20ccのサンプル管に、作製した接着性ポリマー1.5g及び酢酸エチル10gを入れ、超音波照射を10分間行い、次いでミックスローターを用いて30分間混合し、固形分15質量%のポリマー溶液(塗布用の接着剤)を得た。
(試験片の作製)
大きさ20mm×70mm、厚さ1mmの金属基材(ステンレス(SUS304)、銅、アルミニウム、マグネシウム)、及び、大きさ20mm×70mm、厚さ8mmのガラス基材(フロートガラス)それぞれの表面を、アセトンを注いで洗浄し、十分に乾燥させた。
各基材の片端(金属基材:20mm×10mm、ガラス基材:20mm×5mm)に、マイクロピペットを用いて作製したポリマー溶液0.1mLを滴下し、ガラス棒で液面を平滑にした。各種類の基材につきポリマー溶液を塗布した基材を2枚作製し、80℃の乾燥機に10分間静置して溶媒を除去した後、2枚の基材を、ポリマー溶液を塗布した部分同士が接着するように重ね合わせ、クリップで固定して180℃の乾燥機に2時間静置し、せん断接着強度の評価のための試験片を得た。
金属基材の接着幅は10mmであり、ガラス基材の接着幅は5mmであった。また、いずれの基材も、接着剤層の厚さは約60μmであった。
大きさ20mm×70mm、厚さ1mmの金属基材(ステンレス(SUS304)、銅、アルミニウム、マグネシウム)、及び、大きさ20mm×70mm、厚さ8mmのガラス基材(フロートガラス)それぞれの表面を、アセトンを注いで洗浄し、十分に乾燥させた。
各基材の片端(金属基材:20mm×10mm、ガラス基材:20mm×5mm)に、マイクロピペットを用いて作製したポリマー溶液0.1mLを滴下し、ガラス棒で液面を平滑にした。各種類の基材につきポリマー溶液を塗布した基材を2枚作製し、80℃の乾燥機に10分間静置して溶媒を除去した後、2枚の基材を、ポリマー溶液を塗布した部分同士が接着するように重ね合わせ、クリップで固定して180℃の乾燥機に2時間静置し、せん断接着強度の評価のための試験片を得た。
金属基材の接着幅は10mmであり、ガラス基材の接着幅は5mmであった。また、いずれの基材も、接着剤層の厚さは約60μmであった。
(引張せん断接着強度の評価)
オートグラフ試験機((株)島津製作所製「AUTOGRAPH AGS−X」)に作製した試験片を取り付け、引張速度10mm/分、角度180°(接着面に平行な方向)、温度23℃の条件で引張せん断接着強度を測定した。
オートグラフ試験機((株)島津製作所製「AUTOGRAPH AGS−X」)に作製した試験片を取り付け、引張速度10mm/分、角度180°(接着面に平行な方向)、温度23℃の条件で引張せん断接着強度を測定した。
実施例1〜6の金属基材を用いた引張せん断接着強度の測定では、凝集破壊が生じた。実施例1〜6のガラス基材を用いた測定では、基材破壊が生じた。また、比較例1〜3の測定では、いずれの基材の場合も界面破壊が生じた。
実施例1〜6に示されるように、構造単位(A)と構造単位(B)とを含む接着性ポリマーは、様々な金属及びガラスに対する接着強度が大きく向上した。特に、構造単位(A)の割合が2モル%である接着性ポリマーでは、最も接着強度が大きいという結果が得られた。
一方、比較例1〜3に示されるように、構造単位(A)のみを含む接着性ポリマー(比較例2)と、構造単位(B)のみを含む接着性ポリマー(比較例1及び3)は、接着強度が小さかった。
[貯蔵安定性の評価]
実施例2、3及び5、並びに比較例1〜3の接着性ポリマーについて、貯蔵安定性を評価した。評価は、接着性ポリマーを、以下の条件1又は条件2に従い静置した後、組成比を分析し、静置前後の組成比を比較することにより行った。結果を表2に示す。組成比の変動が小さい接着性ポリマーは、貯蔵安定性が優れているといえる。
実施例2、3及び5、並びに比較例1〜3の接着性ポリマーについて、貯蔵安定性を評価した。評価は、接着性ポリマーを、以下の条件1又は条件2に従い静置した後、組成比を分析し、静置前後の組成比を比較することにより行った。結果を表2に示す。組成比の変動が小さい接着性ポリマーは、貯蔵安定性が優れているといえる。
(条件1:耐熱性の評価)
作製した接着性ポリマー1gをサンプル管に入れ、60℃で30日間静置した。静置後、上述の方法に従い、接着性ポリマーの組成分析を行った。
(条件2:耐溶剤性の評価)
上述の方法と同様に作製したポリマー溶液を常温(25℃)で30日間静置した。静置後、溶媒の酢酸エチルをエバポレータで除去し、40℃で12時間真空乾燥させて接着性ポリマーを回収した。回収後、上述の方法に従い、接着性ポリマーの組成分析を行った。
作製した接着性ポリマー1gをサンプル管に入れ、60℃で30日間静置した。静置後、上述の方法に従い、接着性ポリマーの組成分析を行った。
(条件2:耐溶剤性の評価)
上述の方法と同様に作製したポリマー溶液を常温(25℃)で30日間静置した。静置後、溶媒の酢酸エチルをエバポレータで除去し、40℃で12時間真空乾燥させて接着性ポリマーを回収した。回収後、上述の方法に従い、接着性ポリマーの組成分析を行った。
表2に示されるように、実施例2、3及び5の接着性ポリマーは、静置後も組成が変化しなかった。構造単位(A)と構造単位(B)とを含む接着性ポリマーによれば、高い接着強度と、優れた貯蔵安定性との両立が可能である。
一方、比較例3の接着性ポリマーは、カルボキシル基を有することで構造が変化したと考えられ、1H−NMR分析においてプロトン比を正確に算出できず組成の解析が不可能であった。
<接着剤の作製及び評価2>
接着性ポリマーを含む接着剤を作製し、接着強度を評価した。
接着性ポリマーを含む接着剤を作製し、接着強度を評価した。
[接着性ポリマーの合成]
ラジカル重合開始剤の使用量を変化させ、接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。
(実施例7)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN28mg、MMA9.1g、及びDMF17.6とする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は86質量%であった。
ラジカル重合開始剤の使用量を変化させ、接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。
(実施例7)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN28mg、MMA9.1g、及びDMF17.6とする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は86質量%であった。
(実施例8)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN15mg、MMA9.1g、及びDMF17.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は84質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN15mg、MMA9.1g、及びDMF17.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は84質量%であった。
[接着強度の評価]
実施例7及び8の接着性ポリマー(接着剤)について、実施例1と同様に接着強度を測定した。結果を、実施例3の結果とともに表3に示す。
実施例7及び8の接着性ポリマー(接着剤)について、実施例1と同様に接着強度を測定した。結果を、実施例3の結果とともに表3に示す。
表3に示されるように、実施例7及び8の接着性ポリマーも高い接着強度を示した。特に、実施例7の接着性ポリマーにおいて最も高い接着強度が得られた。
<接着剤の作製及び評価3>
接着性ポリマーを含む接着剤を作製し、接着強度を評価した。
接着性ポリマーを含む接着剤を作製し、接着強度を評価した。
[接着性ポリマーの合成]
モノマー(B)の種類を変え、接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。
(実施例9)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN75mg、n−ブチルメタクリレート(BMA)12.8g、及びDMF17.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は89質量%であった。
モノマー(B)の種類を変え、接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。
(実施例9)
接着性ポリマーの合成において、化合物(1)400mg、AIBN75mg、n−ブチルメタクリレート(BMA)12.8g、及びDMF17.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は89質量%であった。
(比較例4)
接着性ポリマーの合成において、AIBN75mg、BMA10.0g、及びDMF18.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は88質量%であった。
接着性ポリマーの合成において、AIBN75mg、BMA10.0g、及びDMF18.6gとする点を除き、実施例1と同様に接着性ポリマーを合成し、分子量及び組成比を求めた。収率は88質量%であった。
[接着強度の評価]
実施例9及び比較例4の接着性ポリマー(接着剤)について、実施例1と同様に接着強度を評価した。結果を、実施例3の接着性ポリマーの結果とともに表4に示す。
実施例9及び比較例4の接着性ポリマー(接着剤)について、実施例1と同様に接着強度を評価した。結果を、実施例3の接着性ポリマーの結果とともに表4に示す。
表4に示されるように、実施例9の接着性ポリマーも高い接着強度を示した。
<接着剤の作製及び評価4>
接着性ポリマーを含む接着剤のプラスチックへの接着強度を評価した。
接着性ポリマーを含む接着剤のプラスチックへの接着強度を評価した。
[接着強度の評価]
実施例9及び比較例4で作製したポリマー(接着剤)について、ポリイミド基材への接着強度を評価した。結果を表5に示す。
実施例9及び比較例4で作製したポリマー(接着剤)について、ポリイミド基材への接着強度を評価した。結果を表5に示す。
(ポリマー溶液の調製)
実施例9で作製したポリマー1g及びメチルエチルケトン4gを、ミックスローターを用いて混合し、ポリマー溶液(塗布用の接着剤)を得た。
(試験片の作製)
ポリマー溶液をポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製「カプトン200EN」)に、100μmのアプリケーターを使用して塗布した。80℃の乾燥機で1時間乾燥させた後、常温に戻し、試験片を得た。
(碁盤目試験)
試験片の接着剤層にカッターでクロスに切り込みを入れ、100個のマス目(1mm×1mm)を形成した。100個のマス目にセロハンテープを貼り付けて一気に剥がし、マス目の剥離の有無を確認した(剥離しなかったマスの数/100マス)。
実施例9で作製したポリマー1g及びメチルエチルケトン4gを、ミックスローターを用いて混合し、ポリマー溶液(塗布用の接着剤)を得た。
(試験片の作製)
ポリマー溶液をポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製「カプトン200EN」)に、100μmのアプリケーターを使用して塗布した。80℃の乾燥機で1時間乾燥させた後、常温に戻し、試験片を得た。
(碁盤目試験)
試験片の接着剤層にカッターでクロスに切り込みを入れ、100個のマス目(1mm×1mm)を形成した。100個のマス目にセロハンテープを貼り付けて一気に剥がし、マス目の剥離の有無を確認した(剥離しなかったマスの数/100マス)。
表5に示されるように、構造単位(A)と構造単位(B)とを含む接着性ポリマーは、ポリイミドに対する接着強度が大きく向上した。
以上の結果から、構造単位(A)と構造単位(B)とを含む接着性ポリマーは、優れた接着強度を示すことがわかる。
本願の開示は、2017年5月31日に出願された特願2017−108374号に記載の主題と関連しており、その全ての開示内容は引用によりここに援用される。
Claims (12)
- 隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)とを含むポリマーを含有する、接着剤。
- 前記ポリマーに含まれる前記エチレン構造単位(A)の割合が、前記エチレン構造単位(A)以外の構造単位の合計を基準として0.05〜55モル%である、請求項1に記載の接着剤。
- 前記ポリマーの重量平均分子量が、70,000以上である、請求項1又は2に記載の接着剤。
- 前記ポリマーが、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基と、エチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)を含有するモノマーの共重合体である、請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤。
- 溶媒を更に含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤。
- 被着体(1)、接着剤層、及び被着体(2)を備え、前記被着体(1)と前記被着体(2)とが前記接着剤層を介して接着しており、前記接着剤層が請求項1〜9のいずれかに記載の接着剤を含有する、構造体。
- 前記被着体(1)が、ステンレス、銅、アルミニウム、マグネシウム、ガラス、及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載の構造体。
- 前記被着体(2)が、ステンレス、銅、アルミニウム、マグネシウム、ガラス、及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項10又は11に記載の構造体。
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