JP2019183078A - 粘着剤 - Google Patents

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JP2019183078A
JP2019183078A JP2018079024A JP2018079024A JP2019183078A JP 2019183078 A JP2019183078 A JP 2019183078A JP 2018079024 A JP2018079024 A JP 2018079024A JP 2018079024 A JP2018079024 A JP 2018079024A JP 2019183078 A JP2019183078 A JP 2019183078A
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耀平 大古田
Yohei Okoda
耀平 大古田
公二 西口
Koji Nishiguchi
公二 西口
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Abstract

【課題】優れた粘着力を有する粘着剤を提供する。【解決手段】隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)を含み、ガラス転移温度が0℃以下であるポリマーを含有する、粘着剤。【選択図】なし

Description

本開示は、粘着剤に関する。
近年、光学用部材、自動車分野等の様々な分野で、粘着力、貯蔵安定性、防錆性、耐候性等の高い要求を満たす粘着材料が求められている。なかでも粘着力に関しては、ガラス等の難接着性の素材への粘着強度の向上が求められている。
粘着剤として使用される樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等、多岐に亘る(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2016−210909号公報 特開2015−131886号公報
例えば、アクリル樹脂は透明性及び耐候性に優れるため、液晶パネル、携帯電話、自動車等に広く使用されている。しかしながら、用途によってはガラス等に対する粘着力が不十分であった。そこで、本開示は、優れた粘着力を有する粘着剤を提供することを課題とする。
本発明には様々な実施形態が含まれる。実施形態の例を以下に列挙する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の一実施形態は、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)を含み、ガラス転移温度が0℃以下であるポリマーを含有する、粘着剤に関する。
好ましい一実施形態によれば、前記エチレン構造単位(A)の比率は、前記ポリマーに含まれる全構造単位を基準として1〜50質量%である。
好ましい一実施形態によれば、前記ポリマーは、下記式(P1)で表される。
Figure 2019183078
(式中、
Aは隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
b1〜Rb4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
a及びbは、ポリマー中に含まれる構造単位の質量比率を表し、1≦[a/(a+b)]×100≦50を満たす。)
好ましい一実施形態によれば、前記エチレン構造単位(B)は、下記式(B3)で表される構造単位を含む。
Figure 2019183078
(式中、Rb5は水素原子又はメチル基を表し、Rb6は置換又は非置換の炭化水素基を表す。)
好ましい一実施形態によれば、前記ポリマーの重量平均分子量は50,000以上である。
好ましい一実施形態によれば、前記粘着剤は、更に溶媒を含有する。
本開示によれば、優れた粘着力を有する粘着剤が提供される。
本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
<粘着剤>
一実施形態において、粘着剤は、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)とを含むポリマーを含有する(以下、該ポリマーを「粘着性ポリマー」という場合がある。)。粘着性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下である。粘着剤は、溶媒、添加剤等の任意の成分を含有してもよい。
[粘着性ポリマー]
一実施形態において、粘着性ポリマーは、エチレン構造単位(A)とエチレン構造単位(B)とを含む。粘着性ポリマーは、エチレン構造単位(A)及びエチレン構造単位(B)以外の任意の構造単位を有してもよい。
(エチレン構造単位(A))
エチレン構造単位(A)は、構造単位内に、ポリマー骨格となるエチレン構造を有し、かつ、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を少なくとも1つ有する構造単位である。芳香環基は、芳香環から誘導される置換基であり、エチレン構造に直接又は2価の連結基を介して結合している。芳香環としては、芳香族炭化水素環と芳香族複素環とが挙げられる。芳香環は、芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
「隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基」とは、芳香環を構成する隣接する2つの原子にそれぞれ結合する水素原子が、ヒドロキシル基により置換された芳香環基をいう(以下、該芳香環基を「ジヒドロキシアリール基」という場合がある。)。具体的には、芳香環基がフェニル基である場合、ベンゼン環を構成する隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合する水素原子が、ヒドロキシル基により置換されたフェニル基をいう。例として、2,3−ジヒドロキシフェニル基及び3,4−ジヒドロキシフェニル基が挙げられる。優れた粘着力を得る観点から、3,4−ジヒドロキシフェニル基が好ましい。
ジヒドロキシアリール基の例として、下記式(a1)で表される基が挙げられる。
Figure 2019183078
式中、Arは芳香環を表し、Rは置換基を表し、lは0以上の整数であり、Rの数を表す。lの上限は、Arの構造に応じて定められる。本開示において、「*」は他の原子との結合位置を表す。lが2以上の場合、複数のRは、互いに同一であっても、異なってもよい。
Rは、好ましくは、ヒドロキシル基以外の置換基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
好ましくは、ジヒドロキシアリール基の例として、下記式(a2)で表される基が挙げられる。
Figure 2019183078
式中、Rは置換基を表し、lは0〜3の整数であり、Rの数を表す。lは好ましくは0である。lが2又は3の場合、複数のRは、互いに同一であっても、異なってもよい。
Rは、好ましくは、ヒドロキシル基以外の置換基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
より好ましくは、ジヒドロキシアリール基の例として、下記式(a3)で表される基が挙げられる。
Figure 2019183078
ジヒドロキシアリール基は、直接又は2価の連結基を介してエチレン構造に結合している。2価の連結基として、例えば、アミド結合(−NH−CO−)を含む2価の基、及び、エステル結合(−O−CO−)を含む2価の基が挙げられる。
2価の基の例として、下記式(x1)で表される基及び下記式(x2)で表される基が挙げられる。
Figure 2019183078
式中、nは0〜10の整数を表す。粘着力の向上の観点から、nは1以上が好ましい。
また、凝集力の低下を抑える観点から6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。
エチレン構造単位(A)の例として、下記式(A1)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2019183078
式中、Aはジヒドロキシアリール基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基としては、好ましくはジヒドロキシアリール基以外の基であり、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
Aは、式(a1)で表される基であることが好ましく、式(a2)で表される基であることがより好ましく、式(a3)で表される基であることが更に好ましい。
Xは、式(x1)で表される基又は式(x2)で表される基であることが好ましく、式(x1)で表される基であることがより好ましい。
mは、1であることが好ましい。
a1及びRa2は、水素原子であることが好ましい。
a3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
(エチレン構造単位(B))
エチレン構造単位(B)は、構造単位内に、ポリマー骨格となるエチレン構造を有し、かつ、ジヒドロキシアリール基を有しない構造単位である。
エチレン構造単位(B)の例として、下記式(B1)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2019183078
式中、Rb1〜Rb4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基は、ジヒドロキシアリール基以外の基である。置換基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、エステル結合を含む1価の基、及びアミド結合を含む1価の基が挙げられる。
b1及びRb2は、水素原子であることが好ましい。
b3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
b4は、エステル結合を含む1価の基又はアミド結合を含む1価の基であることが好ましく、アルキルオキシカルボニル基(R−O−CO−基(Rはアルキル))、モノアルキルアミノカルボニル基(R−NH−CO−基(Rはアルキル))、又はジアルキルアミノカルボニル基(R−NR’−CO−基(R及びR’はアルキル))であることが好ましく、アルキルオキシカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基であることがより好ましく、アルキルオキシカルボニル基であることが更に好ましい。ここでのアルキルの炭素数は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜8である。
好ましくは、エチレン構造単位(B)の例として、下記式(B3)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2019183078
式中、Rb5は水素原子又はメチル基を表し、Rb6は置換又は非置換の炭化水素基を表す。置換の炭化水素基は、ジヒドロキシアリール基以外の基である。
炭化水素基は、アルキル基又は芳香族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば1〜12であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜8である。芳香族炭化水素基の炭素数は、例えば6〜15であり、好ましくは6〜10である。
炭化水素基が有してもよい置換基として、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。
b5は、水素原子であることが好ましい。
b6は、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましい。具体的には、Rb6は、n−ブチル基又は2−エチルヘキシル基であることが好ましく、n−ブチル基であることがより好ましい。
(構造単位の比)
粘着力向上の観点から、粘着性ポリマーに含まれる構造単位(A)の比率は、粘着性ポリマー中の全構造単位を基準として、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。また、同様に粘着力向上の観点から、粘着性ポリマーに含まれる構造単位(A)の比率は、粘着性ポリマー中の全構造単位を基準として、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。構造単位(A)の比率が前記範囲内であると、粘着力が向上しやすい。また、構造単位(A)の比率が前記範囲内であると、高温条件下においても十分な粘着力が得られやすい。推定される理由の一つとして、構造単位(A)の比率が50質量%以下である場合は、ポリマー内での相互作用が抑えられ、被着体との粘着力向上に寄与する構造単位(A)の実質的な量が増加することが挙げられる。構造単位(A)の比率は、核磁気共鳴分光法(NMR分光法)により求めることができる。また、構造単位(A)の比率は、粘着性ポリマーの合成に用いたモノマーの質量から求めることができる。
(重量平均分子量)
一実施形態によれば、粘着力向上の観点から、重量平均分子量は、50,000以上であることが好ましく、100,000以上であることがより好ましい。また、粘着性ポリマーの流動性の観点から、重量平均分子量は、350,000以下であることが好ましい。
(数平均分子量)
一実施形態によれば、粘着力向上の観点から、数平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、25,000以上であることがより好ましい。また、粘着性ポリマーの流動性の観点から、数平均分子量は、100,000以下であることが好ましい。
(分散度(PDI=Mw/Mn))
一実施形態によれば、粘着力向上の観点から、PDIは、6以下であることが好ましく、5.5以下であることがより好ましく、4.5以下であることが更に好ましい。下限は特に限定されないが、通常、1以上である。
本開示において、重量平均分子量及び数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定できる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値を、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
(ガラス転移温度)
一実施形態によれば、粘着力向上の観点から、ガラス転移温度は、0℃以下であることが好ましく、−45℃以下であることがより好ましい。また、粘着剤として適用可能であれば特に限定されないが、通常、ガラス転移温度は−100℃以上である。
本開示において、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry、DSC)により測定できる。具体的には示差走査熱量計を用いた熱分析によって求められる。
粘着性ポリマーのガラス転移温度を調整する方法として、次の方法が挙げられる。例えば、置換基として導入する炭化水素基の炭素数を大きくすることでガラス転移温度を小さくすることができる。構造単位(B)において、Rb3が水素原子である場合にも、粘着性ポリマーは低いガラス転移温度を示す傾向がある。一方、置換基として導入する炭化水素基の炭素数を小さくすることでガラス転移温度を大きくすることができる。また、炭素数が同程度である場合は、置換基として分岐又は脂環式の炭化水素基を導入すること、剛直な骨格を導入すること等により、ガラス転移温度が大きくなる傾向がある。
(粘着性ポリマーの具体例)
一実施形態において、粘着性ポリマーは、下記式(P1)で表すことができる。
Figure 2019183078
式中、
Aはジヒドロキシアリール基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、R1a〜R3aはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
1b〜R4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
a及びbは、ポリマー中に含まれる構造単位の質量比率を表し、1≦[a/(a+b)]×100≦50を満たす。
粘着性ポリマーの末端は特に限定されず、通常は、モノマー、重合開始剤等に由来する構造が含まれる。
aは、粘着性ポリマーの質量を基準とする、粘着性ポリマーに含まれる式(A1)で表される構造単位の全質量の比率であり、bは、粘着性ポリマーの質量を基準とする、粘着性ポリマーに含まれる式(B1)で表される構造単位の全質量の比率である。2種の構造単位の質量比率から求められる比率[a/(a+b)]は、核磁気共鳴分光法(NMR分光法)により算出することができる。また、比率[a/(a+b)]は、粘着性ポリマーの合成に用いたモノマーの質量から求めることができる。
高い粘着力を得る観点から、1≦[a/(a+b)]×100であることが好ましく、2≦[a/(a+b)]×100であることがより好ましく、3≦[a/(a+b)]×100であることが更に好ましい。また、同様に、高い粘着力を得る観点から、[a/(a+b)]×100≦50であることが好ましく、[a/(a+b)×100]≦20であることがより好ましく、[a/(a+b)]×100≦7であることが更に好ましい。
また、一実施形態において、粘着性ポリマーは、ジヒドロキシアリール基と、エチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、ジヒドロキシアリール基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)を含有するモノマーの共重合体である。モノマー(A)、モノマー(B)等については、後述する。
粘着剤は、エチレン構造単位(A)とエチレン構造単位(B)とを含み、ガラス転移温度が0℃以下である粘着性ポリマーを含有することによって、優れた粘着力を示す。好ましくは、粘着剤は、高温条件下においても良好な粘着力を維持することができる。高温条件下とは、例えば、60℃の雰囲気下をいう。
(製造方法)
一実施形態において、粘着性ポリマーは、エチレン性不飽和基を有する少なくとも2種類のモノマーを、重合させて得られる。2種類のモノマーは、ジヒドロキシアリール基とエチレン性不飽和基とを有するモノマー(A)、及び、ジヒドロキシアリール基を有さず、エチレン性不飽和基を有するモノマー(B)である。したがって、粘着性ポリマーの製造方法の一実施形態は、モノマー(A)とモノマー(B)とを含有するモノマーを、共重合させることを含む。
少なくとも2種類のモノマーを共重合させる方法は特に限定されない。ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の方法を用いることができる。また、重合方法は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等のいずれであってもよい。
(モノマー(A))
粘着性ポリマーの製造方法に用いられるエチレン性不飽和基を有するモノマーは、少なくとも2種類であり、1種類のモノマーが、モノマー(A)である。モノマー(A)は、分子内に、ジヒドロキシアリール基を少なくとも1つ有し、かつ、エチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する。
ジヒドロキシアリール基については、上述のとおりである。モノマー(A)は、エチレン性不飽和基を、「エチレン性不飽和基を含む基」として有してよく、エチレン性不飽和基を含む基の例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミノ基、及びメタクリロイルアミノ基が挙げられ、メタクリロイルアミノ基が好ましい。
モノマー(A)としては、例えば、ジヒドロキシアリール基を有するビニル化合物、ジヒドロキシアリール基を有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物、及びジヒドロキシアリール基を有する(メタ)アクリルアミド系化合物を挙げることができる。特に(メタ)アクリルアミド系化合物が好ましい。
モノマー(A)の具体例として、下記式(A2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019183078
式中の符号については、式(A1)において説明したとおりである。
好ましくは、モノマー(A)の例として、下記式で表される化合物(1)を挙げることができる。
Figure 2019183078
(モノマー(B))
粘着性ポリマーの製造方法に用いられる少なくとも2種類のモノマーのうちの他の1種類のモノマーは、モノマー(B)である。モノマー(B)は、分子内に、ジヒドロキシアリール基を有さず、かつ、エチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する。ジヒドロキシアリール基及びエチレン性不飽和基については、上述のとおりである。
モノマー(B)の具体例として、下記式(B2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019183078
式中の符号については、式(B1)において説明したとおりである。
モノマー(B)としては、例えば、スチレン(ビニルベンゼン);アクリルアミド、メタクリルアミド;ジメチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド等のアルキル置換アクリルアミド又はアルキル置換メタクリルアミド;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル(BA)、メタクリル酸n−ブチル(BMA)、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステル;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート(アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル(BZMA));1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノマー(B)として、分子内に反応性官能基を含むモノマーを用いることも可能である。反応性官能基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。例えば、反応性官能基を含むモノマーとして、上記のアルキル置換アクリルアミド、アルキル置換メタクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステルのアルキル基に、反応性官能基が置換した化合物が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等のウレタン(メタ)アクリレートを用いてもよい。
モノマー(A)による効果を十分に得る観点、所望のガラス転移温度を得る観点、又は、優れた貯蔵安定性を得る観点から、モノマー(B)は、アルキル置換アクリルアミド、アルキル置換メタクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルから選択される1種以上を含むことが好ましく、アルキル置換アクリルアミド及びアクリル酸アルキルエステルから選択される1種以上を含むことがより好ましい。アクリル酸アルキルエステルとして、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を用いた場合、粘着性ポリマーのガラス転移温度を0℃以下に調整しやすい傾向がある。また、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を用いた場合、適度な濡れ性と凝集力が得られやすい。
一実施形態においては、粘着性ポリマーを合成する際に使用するモノマー(A)の比率は、モノマーの全質量を基準とし、1質量%以上であることが好ましい。また、モノマー(A)の比率は、モノマーの全質量を基準とし、50質量%以下であることが好ましい。モノマー(A)を前記範囲で含有するモノマー組成物を重合して得られる粘着性ポリマーは、様々な被着体に対してより高い粘着力を発現することができる。粘着性の観点から、モノマー(A)の比率は、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。同様に、モノマー(A)の比率は、20質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。
一実施形態においては、モノマー(B)におけるアルキル置換アクリルアミド、アルキル置換メタクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルから選択される1種以上の合計の比率は、全モノマー(B)中、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。前記範囲を満たす場合、より優れた粘着性と貯蔵安定性とが得られる。上限は100質量%とできる。
(ラジカル重合開始剤)
粘着性ポリマーを得る際、モノマーを重合させるためにラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、特に制限なく、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。例えば、アゾ系化合物、過酸化物等が好ましく挙げられる。具体的には、熱により遊離ラジカルを発生させるアゾ系ラジカル開始剤及び有機過酸化物が好ましい。
アゾ系ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、例えば、商品名V−60、和光純薬工業株式会社製)、2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)(例えば、商品名V−59、和光純薬工業株式会社製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(例えば、商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)、ジメチル−2,2’−アゾビス(イソブチレート)(例えば、商品名V−601、和光純薬工業株式会社製)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(例えば、商品名V−70、和光純薬工業株式会社製)等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマーの種類に応じて適宜選択することができ、一般的な量で使用される。具体的には、モノマーの全質量に対して、0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
(反応溶媒)
粘着性ポリマーを得る際、反応溶媒を使用して溶液重合で合成することが好ましい。反応溶媒は有機溶媒であることが好ましく、有機溶媒はモノマーが溶解すれば特に限定されない。モノマー(A)の溶解性の観点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、又はN,N−ジメチルホルムアミドを用いることが好ましい。
反応溶媒の配合量に特に制限は無く、重合速度、重合後のポリマー分子量等の観点から決定するとよい。例えば、重合後のポリマー分子量(Mw)が20万程度である場合、モノマーの全質量が、溶媒に対して、15〜50質量%であることが好ましい。
(重合温度)
粘着性ポリマーを合成する際の温度は、特に制限はなく、使用するモノマーの種類、溶媒の沸点、重合開始剤の半減期温度等を考慮して決定するとよい。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いて重合させる場合、反応温度は60〜70℃であることが好ましい。
(後処理)
粘着性ポリマーを溶液重合により得た場合は、反応後、粘着性ポリマーをそのままポリマー溶液として取り出すこともできるが、脱溶媒してもよい。
ただし、粘着性ポリマーの製造方法は、以上に説明した方法に限定されない。エチレン構造単位を含むポリマーにジヒドロキシアリール基を導入する方法などによって、粘着性ポリマーを製造することも可能である。
[任意成分]
粘着剤は、粘着性ポリマーのほかに、溶媒、添加剤、他のポリマー、希釈モノマー、重合開始剤、その他の粘着性成分等の任意の成分を含有してもよい。溶媒は、有機溶媒であることが好ましく、具体的には、反応溶媒として挙げた溶媒を使用できる。添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、及び界面活性剤が挙げられる。重合開始剤はラジカル重合開始剤を用いることが好ましく、ラジカル重合開始剤として挙げた重合開始剤を使用できる。
[含有量]
粘着剤中の粘着性ポリマーの含有量に特に制限はない。より優れた粘着力を得る観点から、粘着性ポリマーの含有量は、粘着剤の全質量(ただし、粘着剤が溶媒及び/又はモノマーを含む場合は、溶媒及びモノマーの質量を除く固形分の全質量)を基準として、例えば、80〜100質量%である。粘着剤を用いて被着体を接着する際には、塗布法により粘着剤層を容易に形成できることから、粘着剤は溶媒及び/又はモノマーを含有していることが好ましい。この場合、粘着性ポリマーの含有量は、粘着剤の全質量(溶媒及びモノマーの質量も含む全質量)を基準として、例えば、5〜50質量%である。
[接着方法]
粘着剤を用いた接着方法について特に制限はない。例えば、粘着性ポリマーと溶媒を含有する粘着剤を塗布後、溶媒を乾燥させる方法により接着させる;粘着性ポリマーとモノマーと重合開始剤を含有する粘着剤を塗布後、硬化させる方法により接着させる;粘着性ポリマーを含有する粘着剤を加熱溶融して塗布後、固化させる方法により接着させる;又は、あらかじめ粘着剤を用いて作製した粘着剤層を使用する方法により接着させることが可能である。
<構造体>
一実施形態において、構造体は、被着体(1)、粘着剤層、及び被着体(2)を備え、被着体(1)と被着体(2)とが粘着剤層を介して接着しており、該粘着剤層が前記実施形態の粘着剤を含有する。被着体(1)と被着体(2)とが、高い粘着力を有する粘着剤によって接着されているために、構造体は優れた強度を有する。
被着体(1)と被着体(2)の両方、又は、いずれか一方が、ステンレス、銅、アルミニウム、マグネシウム、ガラス、及びポリエチレンテレフタラートからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。
構造体は、例えば、溶媒を含有する粘着剤を用いて形成された粘着剤層を利用して得ることができる。一実施形態によれば、構造体は、次の方法により製造することができる。粘着剤を剥離フィルム(1)上に塗布し、溶媒を除去し、粘着剤層を形成する。粘着剤層上に剥離フィルム(2)を積層し、剥離フィルム(1)、粘着剤層、及び剥離フィルム(2)を有する積層フィルムを得る。剥離フィルム(1)を剥離し、被着体(1)と粘着剤層とを貼り合わせる。剥離フィルム(2)を剥離し、粘着剤層と被着体(2)とを貼り合わせる。粘着剤の塗布方法としては、ポッティング法、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の方法が挙げられる。溶媒の除去には、加熱、減圧、それらの組み合わせ等により乾燥する方法が挙げられる。
構造体の例として、光学用部材、自動車用部品、家電用部品、表示装置、携帯端末、電子部品、建材、コンクリート等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<粘着剤の作製及び評価>
粘着性ポリマーを含む粘着剤を作製し、粘着性を評価した。
[粘着性ポリマーの合成]
モノマー(A)とモノマー(B)の比率を変化させ、粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。
(実施例1)
200mLの2つ口ナス型フラスコに、化合物(1)(N−(3,4−ジヒドロキシフェニルエチル)メタクリルアミド)0.2g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)50mg、及び回転子を入れ、還流管及び窒素導入管を取り付けた。系内を脱気してから窒素で置換した後、アクリル酸n−ブチル(BA)9.8g及びメチルイソブチルケトン(MIBK)18.6gを加え、マグネティックスターラーを用いて300rpmで撹拌し、化合物(1)とAIBNを溶解させた。50mL/分で窒素を導入し、30分間バブリングした後、窒素導入管を液面から上げて、窒素の導入を続け、65℃まで昇温した。65℃に到達した時点を反応開始とし、7時間反応を続けた後、AIBNを失活させるため75℃に昇温し30分間保持した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液は不揮発分37質量%であり、固形分換算での収率は81質量%であった。
(粘着性ポリマーの分子量測定)
粘着性ポリマー0.05gをテトラヒドロフラン(THF)5gに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「CHROMASTER」、カラム:GL−A130S、GL−A150S、GL−A160(3連結、全てジーエルサイエンス株式会社製)、検出器:RI、溶離液:THF、流速:1.0mL/min、カラム温度:35℃、注入量:70μL)により、粘着性ポリマーの重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。結果を表1に示す。
(粘着性ポリマーのガラス転移温度測定)
粘着性ポリマー0.005gをアルミニウム製のサンプルセル(株式会社島津製作所製「AlクリンプセルAUS」)に量り取り、示差走査熱量計(株式会社島津製作所製「DSC−60A Plus」、昇温速度:10℃/min、測定範囲:−80℃〜30℃)により、粘着性ポリマーのガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
粘着性ポリマーの合成において、化合物(1)0.4g及びBA9.6gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。得られたポリマー溶液は不揮発分35質量%であり、収率は87質量%であった。
(実施例3)
粘着性ポリマーの合成において、化合物(1)0.8g及びBA9.2gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。得られたポリマー溶液は不揮発分36質量%であり、収率は86質量%であった。
(実施例4)
粘着性ポリマーの合成において、化合物(1)1.5g及びBA8.5gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。得られたポリマー溶液は不揮発分34質量%であり、収率は80質量%であった。
(比較例1)
粘着性ポリマーの合成において、BA10.0gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。得られたポリマー溶液は不揮発分35質量%であり、収率は88質量%であった。
(比較例2)
粘着性ポリマーの合成において、BA9.6g及びメタクリル酸ベンジル(BZMA)0.4gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。得られたポリマー溶液は不揮発分36質量%であり、収率は90質量%であった。
(比較例3)
粘着性ポリマーの合成において、化合物(1)0.4g及びメタクリル酸n−ブチル(BMA)9.6gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量及びガラス転移温度を求めた。得られたポリマー溶液は不揮発分35質量%であり、収率は88質量%であった。
[粘着性の評価]
実施例1〜4並びに比較例1〜3の粘着性ポリマーについて、粘着性を評価した。評価結果を表1に示す。
(試験片の作製)
粘着剤(粘着性ポリマーを含有するポリマー溶液)を軽剥離セパレータ(株式会社フジコー製「BD−50」(フィルム厚み:50μm))にアプリケーター(塗布厚:300μm)で塗布した。塗布した粘着剤を防爆乾燥機で乾燥させ、粘着剤層を形成した後、粘着剤層に重剥離セパレータ(中本パックス株式会社製「HTA−75」(フィルム厚み:75μm))をラミネートした。得られた積層フィルムを25mm×800mmサイズに切り出した後、軽剥離セパレータを剥がしてフロートガラスに貼り合わせた。次に重剥離セパレータを剥がし、粘着剤層に30mm×200mmサイズに切り出した両面易接着ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A4300」(フィルム厚み:75μm))をラミネートし、試験片を得た。粘着剤層の厚さは約100μmであった。
(180゜剥離接着強さの評価)
オートグラフ試験機(株式会社島津製作所製「AUTOGRAPH AGS−X」)に作製した試験片を取り付け、引張速度300mm/分、角度180°(接着面に平行な方向)、温度25℃の条件で剥離接着強さ(ピール強度)を測定した。実施例2及び比較例1の粘着性ポリマーについては、温度60℃の条件での測定も行った。
Figure 2019183078
実施例1〜4に示されるように、構造単位(A)と構造単位(B)とを含み、ガラス転移温度が0℃以下である粘着性ポリマーを含有する粘着剤は、粘着強度が大きく向上した。特に、構造単位(A)の比率が4質量%である粘着性ポリマーを含有する粘着剤では、最も粘着強度が大きいという結果が得られた。
一方、比較例1及び2に示されるように、構造単位(B)のみを含む粘着性ポリマーを含有する粘着剤は、粘着強度が小さかった。
また、比較例3に示されるように、ガラス転移温度が0℃を超える粘着性ポリマーを含有する粘着剤は、粘着強度が小さかった。
また、実施例2に示されるように、構造単位(A)と構造単位(B)とを含み、ガラス転移温度が0℃以下である粘着性ポリマーを含有する粘着剤は、60℃においても粘着性を保持した。構造単位(A)と構造単位(B)とを含み、ガラス転移温度が0℃以下である粘着性ポリマーを含有する粘着剤の60℃でのピール強度は、比較例1〜3の粘着剤の25℃でのピール強度よりも高い値を示した。
<粘着剤の作製及び評価>
粘着性ポリマーを含む粘着剤を作製し、実施例1と同様に粘着性を評価した。結果を、実施例2の結果とともに表2に示す。
(実施例5)
粘着性ポリマーの合成において、化合物(1)0.4g、BA9.6g、及びMIBK40.0gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量を求めた。ただし、合成終了後に減圧濃縮し、不揮発分35%に調製した。収率は83質量%であった。
(実施例6)
粘着性ポリマーの合成において、化合物(1)0.4g、BA9.6g、及びMIBK12.2gとする点を除き、実施例1と同様に粘着性ポリマーを合成し、分子量を求めた。ただし、合成終了後にMIBKを追加し、不揮発分36%に調製した。収率は70質量%であった。
Figure 2019183078
表2に示されるように、実施例5及び6の粘着性ポリマーを含有する粘着剤も高い粘着強度を示した。構造単位(A)と構造単位(B)とを含み、ガラス転移温度が0℃以下である粘着性ポリマーを含有する粘着剤は、粘着性ポリマーの広い範囲の分子量において、高い粘着強度を示した。
以上の結果から、構造単位(A)と構造単位(B)とを含み、ガラス転移温度が0℃以下である粘着性ポリマーを含有する粘着剤は、優れた粘着性を示すことがわかる。

Claims (6)

  1. 隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有するエチレン構造単位(A)と、隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を有しないエチレン構造単位(B)を含み、ガラス転移温度が0℃以下であるポリマーを含有する、粘着剤。
  2. 前記エチレン構造単位(A)の比率が、前記ポリマーに含まれる全構造単位を基準として1〜50質量%である、請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記ポリマーが、下記式(P1)で表される、請求項1又は2に記載の粘着剤。
    Figure 2019183078
    (式中、
    Aは隣接する2つのヒドロキシル基を有する芳香環基を表し、Xは2価の連結基を表し、mは0又は1の整数を表し、Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
    b1〜Rb4はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
    a及びbは、ポリマー中に含まれる構造単位の質量比率を表し、1≦[a/(a+b)]×100≦50を満たす。)
  4. 前記エチレン構造単位(B)が、下記式(B3)で表される構造単位を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤。
    Figure 2019183078
    (式中、Rb5は水素原子又はメチル基を表し、Rb6は置換又は非置換の炭化水素基を表す。)
  5. 前記ポリマーの重量平均分子量が50,000以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤。
  6. 更に溶媒を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤。
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