JP2019059902A - 粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温での粘着力および耐熱クリープ性能に優れる粘着剤組成物を提供する。【解決手段】炭素数が1〜12である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体(a1)と、カルボキシル基含有単量体(a2)と、酢酸ビニル(a3)を含む単量体を重合することによって得られるアクリルポリマー(A)、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)、軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)および架橋剤(C)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。【選択図】なし
Description
本発明は粘着剤組成物に関するものであり、より詳しくは常温での粘着力および耐熱クリープ性能に優れる粘着剤組成物に関する。
粘着剤は各種用途に使用されており、近年ではエレクトロニクス技術の急速な進歩に伴い、液晶パネル、有機ELパネル、タッチパネルの電子デバイス用途の需要が拡大している。これらの接着工程において使用される粘着剤に対しては、高温下においても透明性を維持できる耐変色性が要求されている。また、これらの工程用保護フィルムとして使用される粘着剤に対しては、高温処理後であっても接着力が過度にせず、容易にはく離できることが要求されている。
一方、粘着剤は建築分野でも需要が拡大している。これは、建築現場における熟練職人の不足や短工期が要求されるリフォーム市場の拡大により、簡便に施工できることが要求されているためと考えられる。建築用途においては、粘着層に対して材料の重量や復元力に起因する応力がかかるため、直射日光を受ける部位などは高温下における耐クリープ性能が要求されることとなる。
耐熱クリープ性能を向上させる手段としては、ガラス転移温度が高い樹脂を用いることや、架橋構造を導入することなどが考えられるが、常温における接着力は逆に低下する傾向となってしまうため、両者を満足させることは容易ではなかった。
特許文献1には、常温における接着力と高温下における耐白化性に優れる粘着剤組成物が開示されているものの、耐熱クリープ性については検討されていない。
特開2016-79256号公報
本発明の課題は、常温での粘着力および耐熱クリープ性能に優れる粘着剤組成物を提供することである。
本発明は炭素数が1〜12である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体(a1)と、カルボキシル基含有単量体(a2)と、酢酸ビニル(a3)を含む単量体を重合することによって得られるアクリルポリマー(A)、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)および軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)を含有することを特徴とする粘着剤組成物である。
本発明の粘着剤組成物は常温での粘着力および耐熱クリープ性能に優れるため、建築現場において施工されるボードやフィルムの裏面に塗布される粘着剤として特に有用である。
本発明の粘着剤組成物は、炭素数が1〜12である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体(a1)と、カルボキシル基含有単量体(a2)と、酢酸ビニル(a3)を含む単量体を重合することによって得られるアクリルポリマー(A)を含有する。
炭素数が1〜12である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体(a1)は、アクリルポリマー(A)を構成する単量体の主成分となり、主に常温における接着力に寄与する。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体(a2)は、常温における接着力および耐熱クリープ性に寄与する。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。なお、カルボキシル基含有単量体の割合が過剰になるとタックが低下して貼り合わせ作業性が悪化するおそれがある。よって、アクリルポリマー(A)を構成する単量体全体に対して、カルボキシル基含有単量体の割合は5〜16重量%であることが好ましい。
酢酸ビニル(a3)を用いることにより、タックを低下させることなく、常温における接着力および耐熱クリープ性が向上できる。アクリルポリマー(A)を構成する単量体全体に対して、酢酸ビニルの割合は10〜20重量%であることが好ましい。
アクリルポリマー(A)を構成する単量体として、その他公知の単量体を用いてもよい。アミド基含有単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
水酸基含有単量体としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルコキシエステルとしては、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メタクリル酸3−メトキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシブチル、メタクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキレングリコールとしては、アクリル酸エチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸プロピレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール、メタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アリールとしては、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェニルなどが挙げられる。
さらに、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどの飽和脂肪酸ビニル系単量体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン系単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレートなどの多官能単量体が挙げられる。
前記アクリル系単量体を例えば溶媒中で重合開始剤とともに加熱することによってアクリルポリマーを合成できる。アクリルポリマー合成時に用いる溶媒としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネートなど有機溶剤が挙げられる。ただし、これら以外の溶媒を使用しても何ら差し支えなく、また、2種以上の溶媒を併用してもよい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メトキシプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、[1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)]、などのアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド等の有機化酸化物系化合物等を使用することができる。
アクリルポリマーの分子量が大きい程耐熱クリープ性能が向上する傾向があるため、重量平均分子量は80万以上であることが好ましい。なお、本発明における重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミネーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値を言う。サンプルは、試料をテトラヒドロフランに溶解して0.1重量%の溶液とし、水を加えた超音波洗浄装置に10分間放置した後、0.20μmのメンブレンフィルターで濾過した濾液を用いた。詳細は下記のとおりである。
分析装置:SHIMADZU社製、LC20AD
カラム:SHIMADZU社製 GPC−80M ×2
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
入口圧:10kgf
検出器:示差屈折計(RI)
カラム温度:40℃
注入量:50μl
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
標準試料:ポリスチレン
分析装置:SHIMADZU社製、LC20AD
カラム:SHIMADZU社製 GPC−80M ×2
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
入口圧:10kgf
検出器:示差屈折計(RI)
カラム温度:40℃
注入量:50μl
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
標準試料:ポリスチレン
本発明の粘着剤組成物は軟化点が異なる2種の粘着付与樹脂を含有する。軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)は常温における接着力および耐熱クリープ性に寄与し、軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)はタックの向上に寄与する。
粘着付与樹脂の具体例として、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらロジンのグリセリンエステルやペンタエリスリトールエステル、これらの水素添加物などのロジン系樹脂、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、これらの水素添加物などのテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加物などのテルペンフェノール系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ピュアーモノマー系石油樹脂、これらの水素添加物などの石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ダンマル、コーパル、シェラックなどが挙げられる。
軟化点の条件を満たすものであればいずれも使用可能であるが、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)としてはテルペン系樹脂が好ましく、軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)としてはロジン系樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂の具体例として、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらロジンのグリセリンエステルやペンタエリスリトールエステル、これらの水素添加物などのロジン系樹脂、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、これらの水素添加物などのテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加物などのテルペンフェノール系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ピュアーモノマー系石油樹脂、これらの水素添加物などの石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ダンマル、コーパル、シェラックなどが挙げられる。
軟化点の条件を満たすものであればいずれも使用可能であるが、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)としてはテルペン系樹脂が好ましく、軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)としてはロジン系樹脂が好ましい。
これらの粘着付与樹脂の配合量としては、前記アクリルポリマー(A)100重量部に対して、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)は10〜20重量部が好ましく、軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)は5〜20重量部が好ましい。
本発明の粘着剤組成物には、さらに架橋剤(C)を加えることができる。架橋剤を添加することにより、該粘着剤組成物を硬化させ、凝集力をあげることで粘着力を上げることができる。架橋剤としては、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が挙げられる。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート系、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノボルネンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート系、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の上記芳香族ジイソシアネートの水添物などが挙げられる。また、これらのアダクト型、イソシアヌレート型、ビウレット型など多官能化したポリイソシアネート構造物や、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、トリメチロールプロパン変性ポリイソシアネート等の反応生成物であってもよい。
エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙がられる。
その他、金属錯体化合物を加えてもよい。金属錯体化合物は、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物等が挙げられる。具体例としては、アルミニウムにアセチルアセトンが配位したナーセムアルミニウム(日本化学産業社製、商品名)が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物には、紫外線吸収剤、近赤外吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調整剤等の各種添加剤が含まれていても良い。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。
実施例1
撹拌機、還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに単量体として2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)85重量部、アクリル酸(AA)5重量部および酢酸ビニル10重量部を、重合開始剤として2,2´−アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル0.03部、溶剤として酢酸エチル83部を添加して30分以上窒素ガスを導入し、重合系内の酸素を除去した。65℃まで1℃/1minの速度で昇温し、65±1℃に保ったまま5時間攪拌後、反応温度を70℃に昇温し、70±1℃にて1時間保ち熟成した。その後、反応温度を78℃に昇温し、78±1℃にて1時間保ち熟成した。反応終了後、酢酸エチルを加えて冷却し、淡黄色透明の粘性液体である実施例1のアクリルポリマー溶液を得た。粘度は5000mPa・s、固形分は40%、重量平均分子量は900,000であった。
撹拌機、還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに単量体として2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)85重量部、アクリル酸(AA)5重量部および酢酸ビニル10重量部を、重合開始剤として2,2´−アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル0.03部、溶剤として酢酸エチル83部を添加して30分以上窒素ガスを導入し、重合系内の酸素を除去した。65℃まで1℃/1minの速度で昇温し、65±1℃に保ったまま5時間攪拌後、反応温度を70℃に昇温し、70±1℃にて1時間保ち熟成した。その後、反応温度を78℃に昇温し、78±1℃にて1時間保ち熟成した。反応終了後、酢酸エチルを加えて冷却し、淡黄色透明の粘性液体である実施例1のアクリルポリマー溶液を得た。粘度は5000mPa・s、固形分は40%、重量平均分子量は900,000であった。
実施例1のアクリルポリマー溶液のポリマー固形分100重量部に対し、粘着付与樹脂であるYSポリスターT160(ヤスハラケミカル社製、軟化点160度、商品名)を10重量部とエステルガムH(荒川化学社製、軟化点70度、商品名)を10重量部、架橋剤としてナーセムアルミニウム(日本化学産業社製、商品名)0.5重量部を加え、さらに酢酸エチルを加えて実施例1の粘着剤組成物を調製した。
実施例2〜7、比較例1〜9
実施例1で用いた材料の他、単量体としてMA(メチルアクリレート)、BA(ブチルアクリレート)、ブチルメタクリレート(BMA)、ラウリルメタクリレート(LMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)を用い、粘着付与剤としてYSポリスターT145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145度、商品名)、YSポリスターG150(ヤスハラケミカル社製、軟化点150度、商品名)、YSポリスターS145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145度、商品名)とスーパーエステルA75(荒川化学社製、軟化点75度、商品名)を用い、架橋剤として多官能イソシアネート化合物であるコロネートL(東ソー社製、商品名)とエポキシ化合物であるTETRAD−C(三菱ガス化学社製、商品名)を用いて表1記載の配合にてポリマーの重合および配合を行った他は実施例1と同様に行い、実施例2〜7、比較例1〜9の各粘着剤組成物を調製した。
実施例1で用いた材料の他、単量体としてMA(メチルアクリレート)、BA(ブチルアクリレート)、ブチルメタクリレート(BMA)、ラウリルメタクリレート(LMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)を用い、粘着付与剤としてYSポリスターT145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145度、商品名)、YSポリスターG150(ヤスハラケミカル社製、軟化点150度、商品名)、YSポリスターS145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145度、商品名)とスーパーエステルA75(荒川化学社製、軟化点75度、商品名)を用い、架橋剤として多官能イソシアネート化合物であるコロネートL(東ソー社製、商品名)とエポキシ化合物であるTETRAD−C(三菱ガス化学社製、商品名)を用いて表1記載の配合にてポリマーの重合および配合を行った他は実施例1と同様に行い、実施例2〜7、比較例1〜9の各粘着剤組成物を調製した。
粘着シートの作製
各粘着剤組成物を離型フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム)上に乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、90℃で20分間加熱乾燥後、別の離型フィルムと貼り合わせ、さらに40℃で3日間エージングを行い、基材レスの粘着シートを作成した。
各粘着剤組成物を離型フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム)上に乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、90℃で20分間加熱乾燥後、別の離型フィルムと貼り合わせ、さらに40℃で3日間エージングを行い、基材レスの粘着シートを作成した。
粘着力測定
各粘着シートをPETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4100、厚さ50μm)に貼り合わせ、幅25mm、長さ100mmのフィルム片を作製した。フィルム片の離型フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてSUS板に貼着し23℃、50%RH環境下で24時間静置後、剥離角度180度、剥離速度300mm/分で粘着力を測定した。
各粘着シートをPETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4100、厚さ50μm)に貼り合わせ、幅25mm、長さ100mmのフィルム片を作製した。フィルム片の離型フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてSUS板に貼着し23℃、50%RH環境下で24時間静置後、剥離角度180度、剥離速度300mm/分で粘着力を測定した。
耐熱保持力
各粘着シートをPETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4300、厚さ50μm)に
貼り合わせ、幅25mm、長さ25mmのフィルム片を作製した。フィルム片の離型フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてSUS板に貼着し23℃、50%RH環境下で24時間静置後、70℃雰囲気下で重さ600gの荷重を掛け、ズレが観察されるまでの時間(分)で評価した。100分経過後もズレが観察されなかったものは○と評価した。
各粘着シートをPETフィルム(東洋紡績社製、商品名A4300、厚さ50μm)に
貼り合わせ、幅25mm、長さ25mmのフィルム片を作製した。フィルム片の離型フィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気にてSUS板に貼着し23℃、50%RH環境下で24時間静置後、70℃雰囲気下で重さ600gの荷重を掛け、ズレが観察されるまでの時間(分)で評価した。100分経過後もズレが観察されなかったものは○と評価した。
ボールタック測定
JIS Z0237に準じた方法で測定を行った。使用した試験台は上島製作所製ボールタックテスターで、使用したボールは高炭素クロム軸受鉄鋼材のSUJ2を用いた。試験フィルム片の離型フィルムを剥がし傾斜30°の試験台に静置し、粘着表面にボールを転がして最大となるボールNo.を試験結果とした。
JIS Z0237に準じた方法で測定を行った。使用した試験台は上島製作所製ボールタックテスターで、使用したボールは高炭素クロム軸受鉄鋼材のSUJ2を用いた。試験フィルム片の離型フィルムを剥がし傾斜30°の試験台に静置し、粘着表面にボールを転がして最大となるボールNo.を試験結果とした。
表2記載のように実施例の各粘着剤組成物は各物性がいずれも良好であった。一方、比較例の各粘着剤組成物においては、いずれかの物性が十分ではなかった。
Claims (5)
- 炭素数が1〜12である置換基を有する(メタ)アクリル系単量体(a1)と、カルボキシル基含有単量体(a2)と、酢酸ビニル(a3)を含む単量体を重合することによって得られるアクリルポリマー(A)、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)および軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
- 前記アクリルポリマー(A)を構成する単量体全体に対して、カルボキシル基含有単量体(a2)の割合が5〜16重量%、酢酸ビニル(a3)の割合が10〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
- 前期アクリルポリマー(A)の重量平均分子量が80万以上であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物
- 前記軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(B1)がテルペン系樹脂であり、前記軟化点が60〜80℃である粘着付与樹脂(B2)がロジン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の粘着剤組成物。
- さらに架橋剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の粘着剤組成物。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021095510A (ja) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 粘着組成物および粘着シート |
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2017
- 2017-09-28 JP JP2017187902A patent/JP2019059902A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021095510A (ja) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 粘着組成物および粘着シート |
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