JP7319572B1 - 粘着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】貼り合わせ後の粘着力の昂進が少なく、貼り直しが容易な粘着剤組成物を提供する。【解決手段】炭素数1~12の直鎖状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体ブロックAと、芳香族ビニル化合物単位を含む重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を含み、前記重合体ブロックAと前記重合体ブロックBとの質量比(A/B)が3/97~40/60の範囲内であり、前記重合体ブロックAの酸価が4mgKOH/g以上であり、前記ブロック共重合体の酸価が4mgKOH/g以上である、粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物に関する。
粘着力の昂進が少ない粘着剤組成物として、アミノ基及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂と多価金属とを含有する粘着剤組成物が提案されている(特許文献1)。また、工業用に使用される粘着剤においてはコストや製造のしやすさ等から、アクリル系共重合体を使用したアクリル系粘着剤が一般に使用されている。
特開2017-66231号公報
粘着剤組成物を用いて被着体同士を貼り合わせる際、例えば、壁材やパネルに壁紙等の化粧シートを貼着する際に、貼り合わせ位置がずれることがあるので、粘着剤組成物には、充分な粘着力と共に、貼り直して再施工できることが求められる。
しかし、特許文献1の粘着剤組成物は、被着体へ貼り合わせた後の粘着昂進の度合いが未だ大きく、貼り直しが困難になることがある。
本発明は、貼り合わせ後の粘着力の昂進が少なく、貼り直しが容易な粘着剤組成物を提供する。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 炭素数1~12の直鎖状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体ブロックAと、芳香族ビニル化合物単位を含む重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を含み、前記重合体ブロックAと前記重合体ブロックBとの質量比(A/B)が3/97~40/60の範囲内であり、前記重合体ブロックAの酸価が4mgKOH/g以上であり、前記ブロック共重合体の酸価が4mgKOH/g以上である、粘着剤組成物。
[2] 前記重合体ブロックBのガラス転移温度が85℃以上である、[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] 前記ブロック共重合体が、B-A-B(ただし、Aは前記重合体ブロックAを示し、Bは前記重合体ブロックBを示す。)で表されるトリブロック体である、[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4] 前記重合体ブロックAが、カルボキシ基含有単量体単位を含む、[1]~[3]の何れか一項に記載の粘着剤組成物。
[5] さらに硬化剤を含む、[1]~[4]の何れか一項に記載の粘着剤組成物。
上記態様に係る粘着剤組成物は、貼り合わせ後の粘着力の昂進が少なく、貼り直しが容易である。また、室温領域(23℃程度)だけでなく高温領域(150℃程度)での粘着性に優れる。さらに、厚塗りすることが容易である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの総称である。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
本明細書においては、可逆的付加開裂連鎖移動重合を「RAFT重合」といい、RAFT重合に用いられる連鎖移動剤を「RAFT剤」という。
本明細書においては、数平均分子量を「Mn」ともいい、重量平均分子量を「Mw」ともいう。Mn及びMwはそれぞれ、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
ブロック共重合体の「酸価」とは、ブロック共重合体1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数のことであり、JIS K 2501:2003に準拠して測定される。
重合体ブロックAの「酸価」とは、重合体ブロックAの1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数のことであり、JIS K 2501:2003に準拠して測定される。
本明細書においては、ガラス転移点を「Tg」ともいう。
ブロック共重合体のTg(又はブロック共重合体を構成する重合体ブロックのTg)は、下記式(i)に示されるFoxの式から求められる値である。
1/(Tg+273.15)=Σ[Wm/(Tgm+273.15)] …(i)
式(i)中、Tgはブロック共重合体(又は重合体ブロック)のTg(℃)であり、Wはブロック共重合体(又は重合体ブロック)を構成する単量体(以下、「単量体m」ともいう。)の質量分率であり、Tgは単量体mの単独重合体(ホモポリマー)のTg(℃)である。
なお、Tgはホモポリマーの特性値として広く知られており、例えば、「POLYMER HANDBOOK、THIRD EDITION」に記載されている値や、メーカのカタログ値を用いればよい。ブロック共重合体(又は重合体ブロック)のTgは、単量体mの種類や質量分率によって調整できる。
本発明の一態様に係る粘着剤組成物は、特定のブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体X」ともいう。)を含む。
<ブロック共重合体X>
ブロック共重合体Xは、重合体ブロックAと、重合体ブロックB(ただし、重合体ブロックAとは異なる)とからなる。ブロック共重合体X中の重合体ブロックA、Bの数はそれぞれ独立に1つでもよく、2つ以上でもよい。
重合体ブロックAは、炭素数1~12の直鎖状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含む。
重合体ブロックBは、芳香族ビニル化合物単位を含む。
ブロック共重合体Xは酸価を有している(酸基を有している)ことが好ましい。この場合、重合体ブロックA、Bの少なくとも一方が酸価を有する。酸価を有する重合体ブロックは酸成分(例えばカルボキシ基含有単量体単位)を含むことができる。
各重合体ブロックについては後で詳しく説明する。
ブロック共重合体Xとしては、B-(A-B)-A-B、又はB-(A-B)-Aで表されるブロック共重合体が好ましい。ただし、Aは重合体ブロックAを示し、Bは重合体ブロックBを示し、nは0以上の整数を示す。
重合体ブロックBがブロック共重合体Xの少なくとも一方の末端に存在することで、貼り合わせ後の粘着力の昂進がより少なくなる。
nの値は、ブロック共重合体Xの製造しやすさを考慮すると、0又は1が好ましく、0が特に好ましい。すなわち、ブロック共重合体Xとしては、B-A-B-A-B又はB-A-B-Aで表されるブロック共重合体が好ましく、B-A-Bで表されるトリブロック体が特に好ましい。
重合体ブロックAと重合体ブロックBとの質量比(A/B)は、3/97~40/60の範囲内であり、5/95~35/65が好ましく、8/92~30/70がより好ましく、10/90~25/75がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、濡れ性に優れ、貼り合わせ後の粘着力の昂進が少なくなる。上記範囲の上限値以下であると、粘着力に優れる。
なお、ブロック共重合体X中に複数の重合体ブロックAがある場合は、各ブロックAの合計の質量を上記の質量比の計算に用いる。同様に、ブロック共重合体X中に複数の重合体ブロックBがある場合は、各ブロックBの合計の質量比を上記の質量比の計算に用いる。各ブロックの合計の質量比は、合成時の仕込み量から算出することができる。
ブロック共重合体Xの酸価は、4mgKOH/g以上であり、6~50mgKOH/gが好ましく、8~40mgKOH/gがより好ましく、10~35mgKOH/gがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、架橋構造が発現しやすく、クリープ特性に優れる。
上記範囲の上限値以下であると、保存安定性が向上する。
ミクロ相分離によって重合体ブロックB同士が隣接することを促すため、ブロック共重合体Xの酸価の少なくとも一部が重合体ブロックB由来であることが好ましい。
ブロック共重合体Xの酸価(mgKOH/g)のうち、重合体ブロックAの酸価(mgKOH/g)の割合は40%以下であり、重合体ブロックBの酸価(mgKOH/g)の割合は60%以上であることが好ましい。
ブロック共重合体X中に重合体ブロックAが複数ある場合、重合体ブロックAの酸価は、全ての重合体ブロックAの合計の酸価である。重合体ブロックBについても同様である。
ブロック共重合体Xの酸価がどの重合体ブロック由来であるかは、各重合体ブロックに含まれる酸成分(例えばカルボキシ基含有単量体単位)の含有量により判断できる。例えば、重合体ブロックBが酸成分を含み、重合体ブロックAが酸成分を含まない場合、ブロック共重合体Xの酸価の全てが重合体ブロックB由来であると判断する。また、重合体ブロックA及びBが酸成分を含む場合、全ての酸成分の含有量の合計を100質量%としたときの、重合体ブロックAに含まれる酸成分と重合体ブロックBに含まれる酸成分との質量比率が、ブロック共重合体Xの酸価のうちの重合体ブロックA由来の酸価と、重合体ブロックB由来の酸価との比率となる。
ブロック共重合体XのMwは、3万~70万が好ましく、5万~60万がより好ましく、6万~50万がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、クリープ特性がより優れ、上記範囲の上限値以下であると、塗工性がより優れる。
ブロック共重合体Xの分散度(Mw/Mn)は、1.2~5.0が好ましく、1.5~4.0がより好ましい。上記の好適な範囲であると再剥離性(リワーク性)の点で好ましい。
(重合体ブロックA)
重合体ブロックAは、炭素数1~12の直鎖状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「単量体a1」ともいう。)単位を含む。
単量体a1の側鎖としては、アルキル基、アルコキシアルキル基等が挙げられる。
側鎖の炭素数は1~12であり、4~8が好ましい。側鎖の炭素数が4以上であると、粘着剤組成物の被着体への濡れ性がより一層優れる。側鎖の炭素数が12以下であると、十分な粘着性が発現しやすい。
前記アルキル基及びアルコキシアルキル基に結合する任意の1つ以上の水素原子はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
単量体a1の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(n-プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(n-ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-エトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合体ブロックAは、単量体a1以外の単量体単位をさらに含んでいることが好ましい。
単量体a1以外の単量体としては、例えば、炭素数8以上の分岐状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシ基含有単量体、酸無水物等が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸、無水マレイン酸等が例示できる。その他のカルボキシ基含有単量体としては、後述する重合体ブロックBの説明において例示するカルボキシ基含有単量体が挙げられる。前記分岐鎖状の側鎖の炭素数の上限値の目安は例えば20が挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合体ブロックAを構成する全ての単量体単位の合計に対する単量体a1単位の割合は、100質量%であってもよいが、10~90質量%が好ましく、15~80質量%がより好ましい。
水酸基を有する単量体a1の含有割合は、重合体ブロックAを構成する全ての単量体単位の合計に対して、5質量%以下であることが好ましい。上記の好適な範囲であると被着体に対する密着性の点で好ましい。
重合体ブロックAを構成する全ての単量体単位の合計に対する単量体a1以外の単量体単位の割合は、10~90質量%が好ましく、20~85質量%がより好ましい。
重合体ブロックAのTgは、-75℃以上が好ましく、-70℃以上がより好ましい。
重合体ブロックAのTgが-75℃以上であれば、充分な粘着力が得られる。
重合体ブロックAのTgの上限は、特に限定されないが、例えば0℃である。
重合体ブロックAが単量体a1以外の単量体を含む場合であっても、充分な粘着力を得る観点から、重合体ブロックAのTgが-70℃以上であることが好ましい。
以上で説明した重合体ブロックAの好ましい物性値(Tg)は、ブロック共重合体Xが複数の重合ブロックAを有する場合、各々の重合体ブロックAの好ましい物性値として適用される。
(重合体ブロックB)
重合体ブロックBは、芳香族ビニル化合物(以下、「単量体b1」ともいう。)単位を含む。
単量体b1としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、o-,m-もしくはp-メチルスチレン、o-,m-もしくはp-クロロスチレンが挙げられる。
これらの単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
単量体b1としては、ミクロ相分離を起こしやすい点でスチレンが特に好ましい。スチレンを共重合させることによってブロック共重合体の端が疎水性となることでミクロ相分離を起こし、ブロック共重合体の分子の配列をブロックBが隣接しあった配列とすることができる。また、共重合体ブロックBを共重合体ブロックAの両端に配するトリブロック体とすることにより、さらに効果的にミクロ相分離構造を取らせることができる。
重合体ブロックBは、単量体b1以外の単量体単位をさらに含んでいてもよい。
単量体b1以外の単量体としては、例えば、カルボキシ基含有単量体、カルボキシ基以外の官能基を有する単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、その他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに結合する任意の1つ以上の水素原子はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
重合体ブロックBがカルボキシ基含有単量体単位を含むと、カルボキシ基同士の水素結合により、ブロック共重合体の配列に疑似的な架橋構造を引き起こすことができるため、粘弾性を向上させることができる。
カルボキシ基含有単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシペンチル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合体ブロックBがカルボキシ基以外の官能基を有する単量体単位を含むと、イソシアネート基やエポキシ基を有する硬化剤により架橋構造を持たせることができる。
カルボキシ基以外の官能基としては、例えばヒドロキシ基が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)・メチルアクリレートが挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(n-プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(n-ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-エトキシプロピル、アクリル酸2-(n-プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2-(n-ブトキシ)プロピルが挙げられる。
その他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、単量体a1に該当するものを除いて、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式基を含むものが挙げられる。
これらの単量体は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位の合計に対する単量体b1単位の合計の割合は、30~95質量%が好ましく、40~90質量%がより好ましく、50~85質量%がさらに好ましい。単量体b1単位の合計の割合が50質量%以上であると、重合体ブロックBの疎水性が高く、ブロック共重合体Xがミクロ相分離構造を取りやすい。
重合体ブロックBは単量体b1以外の単量体単位を含むことが、耐光性の観点から好ましい。重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位の合計に対する単量体b1単位以外の単量体単位の合計の割合は、5~50質量%が好ましく、20~40質量%がより好ましく、15~20質量%がさらに好ましい。上記の好適な範囲であると耐光性の点で好ましい。
重合体ブロックBがカルボキシ基含有単量体単位を含む場合、重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位の合計に対するカルボキシ基含有単量体単位の合計の割合は、5~40質量%が好ましく、8~30質量%がより好ましく、12~20質量%がさらに好ましい。上記の好適な範囲であると、耐熱性の点で好ましい。
重合体ブロックBがカルボキシ基以外の官能基を有する単量体単位を含む場合、重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位の合計に対するカルボキシ基以外の官能基を有する単量体単位の割合は、0.5~10質量%が好ましく、1~2質量%がより好ましい。上記の好適な範囲であると、昂進倍率の点で好ましい。
重合体ブロックBのTgは、85℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、95℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。重合体ブロックBのTgが上記の好適な範囲であると、クリープ特性がより優れる。
重合体ブロックBのTgの上限は特に限定されず、目安として例えば200℃が挙げられる。
以上で説明した重合体ブロックBの好ましい物性値(Tg)は、ブロック共重合体Xが複数の重合ブロックBを有する場合、各々の重合体ブロックBの好ましい物性値として適用される。
<硬化剤>
本態様の粘着剤組成物は硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤は、ブロック共重合体Xが有する官能基同士を架橋させ得る化合物であり、例えば、イソシアネート基を2つ以上有する公知のポリイソシアネート、エポキシ基を2つ以上有する公知の多官能エポキシ化合物等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、ブロック共重合体Xの100質量部に対して、例えば、0.01~5質量部の範囲で適宜設定することができる。
<ブロック共重合体Xの製造方法>
ブロック共重合体Xは、例えばリビング重合によって得ることができる。
リビング重合としては、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合、リビングラジカル重合等が挙げられるが、リビングラジカル重合が好ましい。リビングラジカル重合の仲ではRAFT重合が好ましい。
RAFT重合では、RAFT剤及び重合開始剤が用いられる。
RAFT剤としては、例えばジチオエステル、ジチオカルバメート、トリチオカルボナート、キサンタート等のイオウ系化合物が挙げられる。
重合開始剤としては、例えばアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
RAFT重合の方法としては特に限定されず、公知の方法を採用でき、例えば溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられる。
RAFT重合に用いられる溶媒については特に限定されず、公知の溶媒を用いることができる。
ブロック共重合体Xの製造方法を、RAFT重合によってB-A-B-A-Bで表されるブロック共重合体を製造する場合を例に挙げて詳しく説明する。
この例の製造方法では、重合開始剤及び下記式(1)で表されるRAFT剤の存在下で、単量体b1を含む単量体成分bを重合して重合体ブロックBを得て、次いでこの重合体ブロックBの存在下で、単量体a1を含む単量体成分aを重合してB-A-Bで表されるブロック共重合体X1が得られる。さらにこのブロック共重合体X1の存在下で、単量体b1を含む単量体成分bを重合してB-A-B-A-Bで表されるブロック共重合体X2を得る。ここで、「A」は重合体ブロックA、「B」は重合体ブロックBを表す。
単量体成分aは、単量体a1以外の単量体を含んでいてもよい。単量体成分bは、単量体b1以外の単量体を含んでいてもよい。
単量体成分a、bの少なくとも一方がカルボキシ基含有単量体を含むことが好ましい。
Figure 0007319572000001
(ただし、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であり、Rは、二価の有機基である。)
単量体成分a全体に対する単量体a1の好ましい割合は、重合体ブロックAを構成する全ての単量体単位の合計に対する単量体a1単位の好ましい割合と同様である。単量体a1以外の単量体についても同様である。
単量体成分b全体に対する単量体b1の好ましい割合は、重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位の合計に対する単量体b1単位の合計の好ましい割合と同様である。単量体b1以外の単量体についても同様である。
式(1)中、R及びRにおけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基が好ましい。
における二価の有機基としては、例えばアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。また、Rは任意の置換基が導入されていてもよいし、Rの炭素鎖間に任意の二価の連結基が導入されていてもよい。
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。アリーレン基が有していてもよい置換基としては、例えばメチル基等のアルキル基が挙げられる。
上記式(1)で表されるRAFT剤は反応部位を2つ有するため、このRAFT剤の存在下で単量体成分bを重合すると、RAFT剤(S-C(=S)-S-R-S-C(=S)-S)を挟んで重合体ブロックBが生成する。次いで単量体成分aを重合すると、RAFT剤と重合体ブロックBとの間に重合体ブロックAが成長する。さらに単量体成分bを重合すると、RAFT剤と重合体ブロックAとの間に重合体ブロックBが成長する。中心の2つの重合体ブロックBは単分子のRAFT剤で結合されているため、1つの重合体ブロックBとみなすことができる。
なお、反応部位を2つ有するRAFT剤であれば、式(1)で表されるRAFT剤以外のRAFT剤を用いても、上記と同様にしてブロック共重合体を製造できる。また、反応部位を1つ有するRAFT剤を用いる場合、各重合体ブロックを順次(例えばA、B、A、B、Aを順次)成長させることによりブロック共重合体Xを製造できる。
後述する実施例で詳細に示すように、まず第1段階で上記RAFT剤を用いて単量体b1等をRAFT重合して重合体ブロックB”を形成した後、第2段階にてその重合体ブロックB”の存在下で単量体a1等をRAFT重合して、重合体ブロックB”を2分割して重合体ブロックBとしつつ、各重合体ブロックBの間に重合体ブロックAを形成することにより、B-A-Bのトリブロック体が得られる。
第1段階で形成された分割前の重合体ブロックB”のMw,Mn,Mw/Mnは次の範囲であることが好ましい。
重合体ブロックB”のMnは、5,000~80,000が好ましく、8,000~60,000がより好ましく、10,000~50,000がさらに好ましい。重合体ブロックB”のMnが5,000以上であると、クリープ特性に優れ、80,000以下であれば、粘着力の昂進が少ないブロック共重合体Xが得られる。
重合体ブロックB”のMwは、5,000~100,000が好ましく、8,000~80,000がより好ましく、10,000~60,000がさらに好ましい。重合体ブロックB”のMwが5,000以上であると、クリープ特性に優れ、100,000以下であれば、粘着力の昂進が少ないブロック共重合体Xが得られる。
重合体ブロックB”の分散度(Mw/Mn)は、1.0~1.8が好ましく、1.1~1.5がより好ましい。上記の好適な範囲であると、耐熱性が良好なブロック共重合体Xが得られる。
重合体ブロックB”のTgは、85℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、95℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。重合体ブロックB”のTgが上記の好適な範囲であると、クリープ特性がより優れる。重合体ブロックB”のTgの上限は特に限定されず、目安として例えば200℃が挙げられ、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
<他の成分>
本態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、有機溶剤、水等の液状媒体を含んでいてもよい。また、本態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、濡れ性調製剤、粘着付与剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本態様の粘着剤組成物は、上述のようにしてブロック共重合体Xを製造し、必要に応じて、液状媒体や硬化剤やその他の添加剤を配合することにより製造できる。
本態様の粘着剤組成物の、後述する実施例に記載の粘着力の測定方法により測定される粘着力(180度引きはがし法による粘着力)は5~20N/25mmが好ましく、5~15N/25mmがより好ましい。
<作用効果>
以上説明した粘着剤組成物にあっては、重合体ブロックAと重合体ブロックBとからなるブロック共重合体Xを含むため、貼り合わせ後の粘着力の昂進が少なく、貼り直しが容易である。また、粘着剤の基本性能である粘着力及びクリープ特性も良好である。
重合体ブロックAが炭素数1~12の直鎖状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含むことで、粘着力が発現する。
重合体ブロックBが単量体b1単位を含むことで、ブロック共重合体Xの一部が疎水性となり、ミクロ相分離が起こる。ミクロ相分離により、ブロック共重合体Xの分子の配列が、重合体ブロックBが隣接しあった配列となる。
また、ブロック共重合体Xが酸価を有することで、ブロック共重合体Xの分子の配列に疑似的な架橋構造を引き起こすことができる。これにより、クリープ特性が向上する。
<用途>
本態様に係る粘着剤組成物は、各種用途に使用できる。
本態様に係る粘着剤組成物は、特に、壁材やパネルに壁紙等の化粧シートを貼着する際に用いられる粘着剤のように、被着体同士を貼り合わせた後に再剥離しない用途に好適である。壁材やパネルの材質としては、アルミニウム、ステンレス、石膏ボード、亜鉛メッキ鋼板、樹脂被覆鋼板等が挙げられる。化粧シートの材質としては塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート、オレフィン等が挙げられる。
本態様に係る粘着剤組成物は、ガラス基板、単結晶研磨に用いられる研磨パッドを固定する粘着剤のように、再剥離性が必要となる用途にも好適である。用いられる被着体としてはステンレス、アルミニウム等が挙げられる。研磨パッドの材質としてはポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<測定・評価>
(Tgの算出)
重合体ブロックA、BのTgは、上記式(i)に示されるFoxの式から求めた。
(分子量の測定)
重合体ブロックB”、ブロック共重合体それぞれのMn及びMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により下記条件にて測定した。なお、Mn及びMwは、ポリスチレン換算の値である。
GPCの測定条件:
GPC装置:GPC-101(昭光通商株式会社製)
カラム:Shodex A-806M×2本直列つなぎ(昭和電工株式会社製)
検出器:Shodex RI-71(昭和電工株式会社製)
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1mL/分
(酸価の測定)
酸価は、JIS K 2501:2003に準拠し、指示薬滴定法にて測定した。具体的には、水酸化カリウムを0.1規定になるようにメタノールに溶解させて調製した溶液を滴定することで測定した。
(粘着力の測定)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、乾燥後の膜厚が50μmとなるように粘着剤組成物を塗布し、100℃で5分間乾燥し、PETフィルム上に粘着層を有する試験片を得た。試験片を25mm幅でカットした。50mm×150mmサイズのステンレス板上に、カットした試験片の複数枚をそれぞれ、粘着層側の面をステンレス板側に向けて配置し、2kgのローラーを1往復させて貼り合わせた。その後、室温(23℃)、50%RHで、20分間静置した後に又は24時間静置した後に、ステンレス板に貼られた試験片のPETフィルムについて、23℃、50%RHの環境下において、JIS Z 0237:2009の10「粘着力」に準拠し、粘着力(N/25mm)を測定した。
測定した粘着力から下記式により粘着昂進度を算出した。粘着昂進度が小さいほど、粘着力の昂進が少ないことを示す。
粘着昂進度=Q/Q
ここで、Qは、20分間静置した後に測定した粘着力(N/25mm)であり、Qは、24時間静置した後に測定した粘着力(N/25mm)である。
(耐熱クリープ性の評価)
粘着力の測定の場合と同様にして、試験片を作製した。
JIS Z 0237:2009 13「保持力」に準拠して、試験片のPETフィルム側から圧着ロールで1往復した後、この試験片を40℃に調節したクリープ試験機に設置した。150℃の環境下において、1kgの錘を取り付けたPETフィルムがステンレス板から落下するまでの時間を測定した。なお、1時間経過してもPETフィルムがステンレス板から落下しない場合は、1時間経過後におけるPETフィルムのズレ(試験前の位置からの距離)を測定した。落下時間(分)またはズレ(mm)を耐熱クリープ性の指標とし、ズレ(mm)が小さいほど耐熱クリープ性に優れることを意味する。また、PETフィルムがステンレス板から落下した場合は、落下時間(分)が長いほど耐熱クリープ性に優れることを意味する。
ズレが1mm以下を合格とし、以下の評価基準にて評価した。
○:150℃の環境下で合格である。
×:150℃の環境下で不合格である。
<実施例1>
(1-1.重合体ブロックB”の製造)
スチレン(St)84.6gと、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)1.4gと、アクリル酸(AA)14gと、RAFT剤(1)1.9gと、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(ABN-E)0.35gと、を2口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら70℃に昇温した。その後、90℃で2時間撹拌して重合反応を行った(第一段階反応)。
反応終了後、フラスコ内にn-ヘキサン4000gを投入し、撹拌して反応物を沈殿させた後、未反応のモノマー及びRAFT剤(1)をろ別し、反応物を70℃で減圧乾燥して共重合体(重合体ブロックB”)を得た。
得られた共重合体(重合体ブロックB”)のTg、Mn、Mw及びMw/Mnを表1に示す。なお、重合体ブロックB”のTgは、後で合成するブロック共重合体X中の重合体ブロックBのTgと同じとみなしてよい。
(1-2.ブロック共重合体Xの製造)
アクリル酸n-ブチル(BA)24gと、アクリル酸2-エチルへキシル(2-EHA)74gと、アクリル酸(AA)2gと、ABN-E0.027gと、酢酸エチル50gとからなる混合物と、先に得られた共重合体(重合体ブロックB”)とを2口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら70℃に昇温した。その後、90℃で2時間撹拌して重合反応を行い(第二段階反応)、重合体ブロックAと2つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体X(トリブロック体:B-A-B)を含む反応液を得た。なお、混合物と共重合体(重合体ブロックB”の配合量は、得られるブロック共重合体Xにおける重合体ブロックAと重合体ブロックB”(2つの重合体ブロックBの合計)との質量比率が15/85となる量とした。ここで、重合体ブロックB”のモノマー比率(含有率)と、各重合体ブロックBのモノマー比率は同じとみなせる。
反応終了後、フラスコ内にn-ヘキサン4000gを投入し、撹拌して反応物を沈殿させた後、未反応のモノマー及び溶媒をろ別し、反応物を70℃で減圧乾燥してブロック共重合体Xを得た。
得られたブロック共重合体Xの重合体ブロックAのTg、酸価を表1に示す。また、ブロック共重合体XのMn、Mw及びMw/Mn、酸価を表1に示す。
(1-3.粘着剤組成物の製造)
得られたブロック共重合体Xの30gと、溶剤である70gと、硬化剤であるテトラッドCの0.03gと、を混合し、目的の粘着剤組成物を得た。
<実施例2~5、比較例1~4>
重合体ブロックA及び重合体ブロックB”を構成する単量体組成を表1~2に示すように変更し、第一段階反応及び第二段階反応の重合条件を表1~2に示すように変更し、重合体ブロックAと重合体ブロックB”(2つの重合体ブロックBの合計)の質量比率(A/B)を表1~2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてブロック共重合体Xと、これを含む粘着剤組成物を製造し、各種測定を行った。結果を表1~2に示す。
Figure 0007319572000002
Figure 0007319572000003
表1~2中の略号は下記化合物を示す。
「St」:スチレン(Tg:100℃)、
「HEA」:アクリル酸2-ヒドロキシエチル(Tg:-15℃)、
「AA」:アクリル酸(Tg:106℃)、
「MA」:アクリル酸メチル(Tg:10℃)、
「BA」:アクリル酸n-ブチル(Tg:-54℃)、
「2-EHA」:アクリル酸2-エチルへキシル(Tg:-70℃)。
「ABN-N」:2,2′‐アゾビス(2-メチルブチロニトリル)。
「コロネートL」:ポリイソシアネート(東ソー社製)
「テトラッドC」:多官能エポキシ樹脂(三菱ガス化学社製)
RAFT剤(1):下記式(2)で表される化合物。RAFT剤(1)は、特開2014-133801号公報の製造例1に記載の手順により製造した。
Figure 0007319572000004
なお、RAFT剤(1)はトリチオカルボナートの二量体であることから、実施例1~5、比較例1~4で得られたブロック共重合体Xは、B-A-Bで表されるトリブロック共重合体であると考えられる。なお、「A」は重合体ブロックA、「B」は重合体ブロックBを表す。
上記結果に示すとおり、各実施例の粘着剤組成物は、粘着力の昂進が少なかった。また、粘着力及びクリープ特性も良好であった。
比較例1の粘着剤組成物は、ブロック共重合体の酸価が0のため、粘着力の昂進が多かった。
比較例2の粘着剤組成物は、ブロック共重合体Bの酸価が4mgKOH/g未満であるため、粘着力の昂進が多かった。
比較例3の粘着剤組成物は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとの質量比(A/B)が3未満であるため、粘着力の昂進が多く、クリープ特性も劣っていた。
比較例4の粘着剤組成物は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとの質量比(A/B)が40以上であるため、粘着力が低く、粘着力の昂進が多かった。

Claims (7)

  1. 炭素数1~12の直鎖状の側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体ブロックAと、芳香族ビニル化合物単位を含む重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を含み、
    前記重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位に対する前記芳香族ビニル化合物単位の割合が50~95質量%であり、
    前記ブロック共重合体が、B-A-B(ただし、Aは前記重合体ブロックAを示し、Bは前記重合体ブロックBを示す。)で表されるトリブロック体であり、
    前記重合体ブロックAと前記重合体ブロックBとの質量比(A/B)が3/97~40/60の範囲内であり、
    前記重合体ブロックAの酸価が4mgKOH/g以上であり、
    前記ブロック共重合体の酸価が4mgKOH/g以上である、粘着剤組成物。
  2. 前記重合体ブロックBのガラス転移温度が85℃以上である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記重合体ブロックAのガラス転移温度が-75℃以上0℃以下である、請求項2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記重合体ブロックAが、カルボキシ基含有単量体単位を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記重合体ブロックBが、カルボキシ基含有単量体単位を含み、
    前記重合体ブロックBを構成する全ての単量体単位に対する前記カルボキシ基含有単量体単位の割合が5~40質量%である、請求項1~4の何れか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記ブロック共重合体の酸価の少なくとも一部が前記重合体ブロックB由来であり、
    前記ブロック共重合体の酸価のうち、前記重合体ブロックAの酸価の割合は40%以下であり、前記重合体ブロックBの酸価の割合は60%以上である、請求項5に記載の粘着剤組成物。
  7. さらに硬化剤を含む、請求項1~の何れか一項に記載の粘着剤組成物。
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