JPWO2018189814A1 - 室内機および空気調和機 - Google Patents

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Abstract

室内機(100)は、吸込口(2)及び吹出口(3)を有する筐体(1)と、吸込口(2)と吹出口(3)とを結ぶ空気通路に配置されたプロペラファン(4)と、プロペラファン(4)の下流に設置された熱交換器(50)と、熱交換器(50)の下流に設置され、左右方向へ風向を変更する左右風向変更板(20)と、を備える。熱交換器(50)は、複数枚並べられたフィン(51)と、フィン(51)を貫通する複数の伝熱管(52)とを備えるフィンチューブ式の熱交換器である。左右風向変更板(20)は、伝熱管(52)の風流れ下流領域にスリット(21a、21b)を有する。

Description

本発明は、室内機および空気調和機に関する。
空気調和機は、室内機から流れ出る風の向きを変更するための風向変更板を備える。例えば、特許文献1に、風流れ上流端部領域と下流端部領域とを除く中間領域に、風流れ方向に細長く形成した複数のスリットを有する左右風向変更板が提案されている。
特開2008−80839号公報
左右風向変更板がフィンチューブ式の熱交換器の下流近傍に配置される場合がある。この場合、空気の温度分布及び絶対湿度分布が均一化されないまま左右風向変更板に到達し、左右風向変更板に結露が生じてしまうという問題がある。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、結露しにくい風向変更板を備える室内機および空気調和機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る室内機は、
空気通路に配置された送風機と、
複数のフィンと前記複数のフィンを貫通する伝熱管とを備え、前記送風機の下流に設置された熱交換器と、
前記熱交換器の下流に設置され、前記伝熱管の風流れ下流領域に開口部を有し、風向を変更する風向変更板と、を備える。
本発明によれば、風向変更板は、伝熱管の風流れ下流領域に開口部を有する。このため、風向変更板で結露が生じにくい。
本発明の実施の形態1に係る室内機の側面から見た断面図 実施の形態1に係る左右風向変更板の斜視図 正面手前斜め上から見た熱交換器と左右風向変更板の配置を示す図 実施の形態1に係る左右風向変更板の側面図 単位面積当たりのスリットの開口割合の変化を説明する図 冷房時の左右風向変更板の周囲を流れる空気の温度分布を示す数値解析のコンター図(等値線図) 図4に示す空気温度分布条件の場合に、左右風向変更板表面の結露速度分布を示す数値解析のコンター図 本発明の実施の形態2に係る左右風向変更板の側面図 本発明の実施の形態3に係る左右風向変更板の側面図 本発明の実施の形態4に係る左右風向変更板の側面図 本発明の実施の形態5に係る左右風向変更板の側面図 左右風向変更板表面の開口部の断面形状の一例を示す図 左右風向変更板表面の開口部の断面形状の一例を示す図 左右風向変更板表面の開口部の断面形状の一例を示す図 左右風向変更板表面の開口部の断面形状の一例を示す図 実施の形態1に係る空気調和機の図
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る室内機100を、図面を参照して説明する。なお、各図は模式的に描いたものであって、各部材の形状や大きさは図示する形態に限定されるものではない。また、各図において同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。また、本発明は結露の抑制に関するものであるため、特記しない場合は冷房運転時を想定して説明する。
実施の形態1に係る室内機100は、図11に示すように、冷媒管101を介して室外機102に接続され、全体として空気調和機110を構成している。
図1に示すように、室内機100の筐体1の上面に空気を吸い込む吸込口2が、下面及び前面下部に空気を吹き出す吹出口3がそれぞれ設けられている。なお、図1は室内機100を側面から見た断面図であり、図の左方向が空気を送り出す室内側で「前(方)」ともいい、図の右方向が室内機100を取り付ける壁側で「後(方)」ともいう。また図の上方向を「上(方)」、下方向を「下(方)」ともいう。
吸込口2と吹出口3とを結ぶ空気通路には、室内の空気を吸込口2から吸い込み、熱交換器側へ送り出す押し込み式のプロペラファン4と、プロペラファン4の風流れ方向下流かつ吹出口3の風流れ方向上流に位置する熱交換器50と、熱交換器50の下方に位置し、熱交換器50での結露により生じる水を受容及び排出するドレンパン6と、が設けられている。なお本書で「風流れ」とは、プロペラファン4によって引き起こされた空気の流れを意味する。プロペラファン4は送風機の一例である。
熱交換器50は、プロペラファン4によって送風される空気を加熱、又は冷却する。具体的には、熱交換器50は、前方に傾斜させた前方傾斜部50aと、前方傾斜部50aの後方に対向して位置し、後方に傾斜させた後方傾斜部50bと、後方傾斜部50bの後方に対向して位置し、前方に傾斜させた前方傾斜部50cと、前方傾斜部50cの後方に対向して位置し、後方に傾斜させた後方傾斜部50dとにより構成されており、W字状の配置となっている。
前方傾斜部50aと、後方傾斜部50bと、前方傾斜部50cと、後方傾斜部50dとは、それぞれが複数枚並べられた平板状のフィン51と、フィン51を貫通する複数の伝熱管52とで構成された、フィンチューブ式の熱交換器ユニットである。フィンチューブ式の熱交換器は、伝熱管52の内部に熱媒体を流し、冷房時は熱媒体の冷温を表面積の大きい平板状のフィン51に伝熱させて熱交換板として用いて、空気の冷却を効率的に行うものである。フィン51は、空気の流れを妨害しないように空気が流れる方向に平行に設けられ、伝熱管52は空気が流通する方向に直交する方向に設けられている。
筐体1の吹出口3には、前方に位置する前方側上下風向変更板7と、後方に位置する後方側上下風向変更板8とが設けられており、それぞれが空気の風向を上下方向に変更することができる。
前方側上下風向変更板7の下方には、下側左右風向変更板9が設けられている。下側左右風向変更板9は、後方傾斜部50b、前方傾斜部50c及び後方傾斜部50dで熱交換された空気の風向を左右方向に変更することができる。また前方傾斜部50aの下流には、複数の上側左右風向変更板20が設けられている。上側左右風向変更板20は、前方傾斜部50aで熱交換された空気の風向を左右方向に変更することができる。
図2Aに示すように、上側左右風向変更板20は、その円柱状の取付部15が、支持部16によって支持されている。支持部16は、ドレンパン6に固定された固定部10に取り付けられている。ドレンパン6は、室内機100の筐体1に取り付けられている。上側左右風向変更板20は支持部16に対し、取付部15の円柱軸を中心軸として右回り、又は左回りに回転可能に支持されている。
複数の上側左右風向変更板20は、それぞれが固定具14により1つの連結具12に接続され、すべての上側左右風向変更板20は、連結具12と連動して同時に向きを変えるようになっている。具体的には、連結具12を、図2Aの右方向に動かすと、すべての上側左右風向変更板20はその取付部15の円柱軸を中心軸として向かって左回り(反時計回り)に回転する。これにより、前方傾斜部50aで熱交換された空気の流れは右向きに変更される。逆に、連結具12を図2Aの左方向に動かすと、すべての上側左右風向変更板20はその取付部15の円柱の軸を中心軸として向かって右回り(時計回り)に回転する。これにより、空気の流れは左向きに変更される。こうして空気の左右の流れ方向を調節することができる。
図2Bに示すように、上側左右風向変更板20は、フィン51の向きと同じ向きに配向され、複数のフィン51の間を通過した空気の下流の位置に配置されている。複数のフィン51の間隔は短く、例えば、1mm程度である。そのため、複数のフィン51の間を通過した空気は、全体にフィン51の冷却効果を受け、温度の偏りは少ない。すなわち、上側左右風向変更板20の近傍を通過する空気流46と、上側左右風向変更板20の近傍以外を通過する空気流44との温度差は小さい。したがって、上側左右風向変更板20の図2Bにおける横方向の配置位置は、複数のフィン51で形成される全体の領域内を通過した空気の下流の位置であれば、任意の位置に配置してよい。
室内機100は、操作リモコン等により運転開始、運転停止を始め、温度、風量、風向の設定などが行われるが、その制御システムは従来技術と同じである。また、熱交換用の室外機102についても従来技術と同じである。
図3Aに示すように、それぞれの上側左右風向変更板20は、伝熱管52の風流れ下流の、周囲に比べて相対的に空気温度が低い領域に、風流れ上流から下流にかけて次第に幅が減少する2つの開口21a、21bを有する。以下、開口21a、21bを、その形状にあわせてスリット21a、21bと呼ぶ。なお、図3Aでは右上が風流れ上流であり、左下が風流れ下流である。
「伝熱管52の風流れ下流」とは、伝熱管52の周囲を流れた空気が通過する下流側の領域である。伝熱管52が複数存在するため、風流れ下流も複数存在する。「スリット」とは、細長い形状の開口を意味する。開口部とは、上側左右風向変更板20の一方の面から他方の面まで貫通した孔、切り欠き等を意味する。開口の幅を次第に減少させるということは、上側左右風向変更板20のある単位面積当たりの開口21a、21bの開口面積の割合を次第に減少させるということである。
例えば、図3Bに示すように、スリット21bの開口に重ねた点線で示す4つの仮想矩形28a、28b、28c、28dを考える。これらは、スリット21bの風流れ上流側から下流側に順に隣接して配置した同じ面積の矩形である。配置の仕方は、まず、仮想矩形28aに含まれるスリット21bの開口の割合が最も大きくなるように仮想矩形28aを配置する。次に仮想矩形28bを、仮想矩形28aに隣接させて、仮想矩形28bに含まれるスリット21bの開口の割合が最も大きくなるように配置する。同様にして仮想矩形28c、仮想矩形28dを順に配置する。こうすると、仮想矩形28aの面積に占めるスリット21bの開口の面積割合が最も大きく、次に仮想矩形28bに占めるスリット21bの開口割合が大きく、次に仮想矩形28cに占めるスリット21bの開口割合が大きく、最も開口割合が小さいのが最も下流側にある仮想矩形28dに占めるスリット21bの開口となる。この関係はスリット21aについても同様である。
このようなスリット21a、21bの作用を説明するために、図4、図5を用いて、スリット21a、21bが無い従来技術の左右風向変更板40を例に、結露が生じるメカニズムを説明する。
図4において、斜線を付した中間温度領域41は、伝熱管52によって冷却された空気が流れる低温度領域43と、室温に近い空気が流れる高温度領域42との中間の温度の空気が流れる領域である。破線は、低温度領域43と中間温度領域41の境界等温線を示す。点線は、高温度領域42と中間温度領域41の境界等温線を示す。したがって破線は、点線に比べて低温度の等温線である。このように空気の流れが湾曲するのは、伝熱管52の下方にドレンパン6が配置されており、ここで空気の流れがせき止められるためである。
図4に示すように、複数の伝熱管52の風流れ下流にある中間温度領域41の空気温度は、伝熱管52同士の中間を通過した空気が流れる高温度領域42の空気温度と比べて、相対的に低くなっている。この中間温度領域41の空気が左右風向変更板40の表面に触れることで、左右風向変更板40の表面が冷却される。左右風向変更板40内では、熱伝導が生じて低温部が高温度領域42の空気が通過する左右風向変更板40の領域まで到達し、その領域の表面温度が低下する。高温度領域42の空気が通過する領域の表面温度が高温度領域42の空気の露点温度以下になると、結露が発生する。
図5において、斜線部は結露速度がゼロ以上、すなわち結露が生じる結露領域47である。図5に示すように、伝熱管52の風流れ後部を発生点とする流線45が通過する付近の左右風向変更板40の表面では結露が生じておらず、その周囲の領域で結露が生じている。
図4及び図5からわかるように、伝熱管52によって冷却された、周囲に比べて相対的に低温の空気が左右風向変更板40に触れ、左右風向変更板40が部分的に冷却されること、及び左右風向変更板40内の熱伝導により冷却された領域が広がり、表面に接触する空気の露点以下となる部分が生じてしまうこと、が左右風向変更板40での結露の要因である。以上の結露メカニズムから、左右風向変更板40での結露を抑制するためには、左右風向変更板40が部分的に冷却されないようにする、即ち左右風向変更板40が、伝熱管52によって冷却された空気にできるだけ接触しないようにすればよいことがわかる。
そのため、本発明においては図3Aに示すように、伝熱管52の風流れ下流に位置する、上側左右風向変更板20の相対的に低温の空気が流れる領域にスリット21a、21bを設けた。これにより、相対的に低温の空気が上側左右風向変更板20に触れる面積を小さくすることができる。さらに、熱が伝達される領域が少なくなり、熱伝導を抑制する効果も期待できる。
また、図5に示すように、熱交換器50で冷却された空気は、風流れ上流から下流にかけて次第に周囲の相対的に暖かい空気と混合され、空気温度分布が平準化されて結露領域が下流にいくほど狭くなる。そこで、スリット21a、21bのように風流れ上流から下流にかけて次第にスリット幅を減少させることで、結露防止効果を得ながら、風向変更能力の減少を小さく抑えることができる。
このような構成によれば、上側左右風向変更板20に結露が生じるリスクを低減することができ、また結露が生じた場合にも結露量を低減することができる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、上側左右風向変更板20は、伝熱管52の後部の、周囲に比べて相対的に低温の空気に触れる領域に、風流れ上流から下流にかけて次第にスリット幅を減少させたスリット21a、21bを有する。これにより、上側左右風向変更板20がフィンチューブ式の熱交換器50の下流近傍に位置する場合でも結露しにくい室内機100を提供することができる。
なお、上述のように、スリット21a、21bの形状は、空気温度の分布に適合するように決定されるが、上側左右風向変更板20の位置によって空気温度の分布形状が異なる場合は、複数の上側左右風向変更板20で、スリット21a、21bの形状が異なってもよい。また、実施の形態1では2つのスリット21a、21bを有しているが、空気温度の分布状態に合わせて、スリットの数は任意に決定可能である。
また、実施の形態1における下側左右風向変更板9は、後方傾斜部50b、前方傾斜部50c及び後方傾斜部50dの伝熱管52の下流側に配置されているが、伝熱管52からの距離が長く、相対的に低温の空気と暖かい空気とが混合されるため、局所的な結露が生じにくい。そのため、下側左右風向変更板9にはスリットを設けていないが、伝熱管52と下側左右風向変更板9の配置関係により空気温度の分布が生じて結露しやすい場合は、下側左右風向変更板9にもスリットを設けることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1におけるスリット21a、21bに代えて、スリットの上流端が開放された形状を有する切り欠き22a、22bを設置した例である。切り欠き22a、22bも、スリット21a、21bと同様に、開口の一例である。図6は実施の形態2に係る上側左右風向変更板20aを側面から見た図である。
図6に示すように、上側左右風向変更板20aは、伝熱管52の風流れ下流の、周囲に比べて相対的に低温の空気が接触する領域に、風流れ上流から下流にかけて次第に切り欠きの幅を減少させた2つの切り欠き22a、22bを有している。「切り欠き」とは、上側左右風向変更板20aの端面まで開放した開口部のことである。実施の形態1の上側左右風向変更板20では、スリット21a、21bは端面までは開放されていない貫通孔であったが、切り欠き22a、22bは上側左右風向変更板20aの風流れ上流側の端面まで開放されている。切り欠きの幅を次第に減少させるということは、仮想単位面積当たりの切り欠き22a、22bの開口面積の割合を下流側に向かって次第に減少させるということである。なお、実施の形態1で説明したように、この場合も切り欠きの数は任意であり、2つに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。
このような構成によれば、冷房運転時の上側左右風向変更板20aの冷却を低減し、かつ上側左右風向変更板20a内の熱伝導を抑制することが可能となる。これにより、従来技術に比べて結露リスクを低減することができ、また結露した場合でも結露量を低減することができる。
さらに、実施の形態1と同様に、風流れ上流側から下流側に向かって切り欠き22a、22bの幅を次第に減少させることで、結露リスクを低減しつつ、風向変更能力の低下を抑制する効果がある。
また、上側左右風向変更板20aの上流端は、空気温度分布が最も平準化されていないため結露が生じ易い箇所であるが、上流端を切り欠くことで、結露リスクをより低減する効果がある。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1におけるスリット21a、21bに代えて、伝熱管52の風流れ下流領域のそれぞれに直径の異なる複数の貫通孔23を設置した例である。貫通孔23も開口の一例である。図7は実施の形態3に係る上側左右風向変更板20bを側面から見た図である。
図7に示すように、上側左右風向変更板20bは、伝熱管52の風流れ下流の、周囲に比べて相対的に低温の空気が流れる領域に、風流れ上流から下流に向かって次第に直径を減少させた複数の円形の貫通孔23を有している。円形の貫通孔23の直径を次第に減少させるということは、仮想単位面積当たりの貫通孔23の開口割合を下流側に向かって次第に減少させるということである。なお、円形の貫通孔23は2列に配置されているが、この場合も貫通孔の配置される列の数は任意であり、2列に限らず、1列又は3列以上の列に配置してもよい。
このような構成によれば、冷房運転時の上側左右風向変更板20bの冷却を低減し、かつ上側左右風向変更板20b内の熱伝導を抑制することが可能となる。これにより、従来技術に比べて結露リスクを低減することができ、また結露した場合でも結露量を低減することができる。
さらに、実施の形態1と同様に、風流れ上流から下流にかけて貫通孔23の開口割合を次第に減少させることで、結露リスクを低減しつつ、風向変更能力の低下を抑制する効果がある。
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態1におけるスリット21a、21bに代えて、伝熱管52の風流れ下流領域のそれぞれに同じ直径の円形の貫通孔24を複数並べて配置した例である。図8は実施の形態4に係る上側左右風向変更板20cを側面から見た図である。
図8に示すように、上側左右風向変更板20cは、伝熱管52の風流れ下流の、周囲に比べて相対的に低温の空気が流れる領域に、風流れ上流から下流に向かって次第に分布数を減少させた複数の円形の貫通孔24を有している。複数配置された貫通孔24の直径は同じであるが、その数(分布割合)が下流にいくにつれて少なくなっている。つまり、仮想単位面積当たりの貫通孔24の開口割合が下流側に向かって次第に減少している。なお、円形の貫通孔24は2列に配置されているが、この場合も貫通孔の配置される列の数は任意であり、2列に限らず、1列又は3列以上の列に配置してもよい。
このような構成によれば、冷房運転時の上側左右風向変更板20cの冷却を低減し、かつ上側左右風向変更板20c内の熱伝導を抑制することが可能となる。これにより、従来技術に比べて結露リスクを低減することができ、また結露した場合でも結露量を低減することができる。
さらに、風流れ上流から下流にかけて貫通孔24の数の分布割合を次第に減少させることで、実施の形態1と同様、結露リスクを低減しつつ、風向変更能力の低下を抑制する効果がある。
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態1におけるスリット21a、21bに代えて、貫通孔25を全面に多数配置した例である。図9は実施の形態5に係る上側左右風向変更板20dを側面から見た図である。
図9に示すように、上側左右風向変更板20dは、全域に偏りなく四角形の貫通孔25を有しており、メッシュ状となっている。なお、貫通孔25の形状は四角形に限定されず、任意の形状とすることができる。またその個数も任意に選択することができる。なお、貫通孔25の密度は図9に示すように全体に均一に配置することもできるが、貫通孔25の開口密度を上流側から下流側に向かって次第に減少させることがより好ましい。空気の流れが不規則になっても、上流側の空気が下流側の空気よりも冷却されているため、上流側の開口密度をより大きくすることが結露防止に効果的であるからである。
このような構成によれば、熱交換器50を通過後の空気温度分布及び絶対湿度分布が乱れた場合でも、上側左右風向変更板20dの結露防止効果を得ることができる。即ち、冷却された空気の流れが不規則に変化した場合であっても、上側左右風向変更板20d上において結露する可能性を低減することができる。なお、貫通孔25の開口密度を上側左右風向変更板20dの全体にわたって均一にすることにより、熱交換器50を通過後の空気温度分布及び絶対湿度分布がいかなるものであっても、上側左右風向変更板20dの結露防止効果を得ることができる。
(変形例1)
実施の形態においては、左右風向変更板に開口を形成する例を示したが、風向を変更する方向は限定されない。本発明の風向変更板は、左右方向に風の向きを変更するものでも、前後方向に風の向きを変更するものでもよい。フィンチューブ式の熱交換器の下流に配置される風向変更板ならば、この発明を適用できる。
(変形例2)
開口部の端面形状は特に限定されないが、できるだけ開口部を通過する空気の流れを乱さない形状が好ましい。開口部は、図10Aに示すような、上側左右風向変更板20の表面に直角の端面を有してもよいが、図10B〜図10Dに示すように湾曲又は傾斜した端面を有することが、空気の流通を乱さないという観点から好ましい。図10Bは、滑らかに湾曲させた端面形状、図10Cは傾斜させた端面形状、図10Dは両面側から斜面を形成した端面形状の例である。なお、上流側と下流側とで端面の形状を変えてもよい。
(変形例3)
実施の形態1〜5では、送風機はプロペラファンであるとした。送風機の種類はこれに限定されない。例えば、クロスフローファンを用いてもよい。また、プロペラファンでも、軸流プロペラファンでもよいし、斜流プロペラファンでもよい。さらに、遠心ファンを用いることも可能である。
本発明は、広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能である。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、空気調和機の室内機に好適に採用され得る。
1 筐体、2 吸込口、3 吹出口、4 プロペラファン、6 ドレンパン、7 前方側上下風向変更板、8 後方側上下風向変更板、9 下側左右風向変更板、10 固定部、12 連結具、14 固定具、15 取付部、16 支持部、20,20a,20b,20c,20d 上側左右風向変更板、21a,21b スリット、22a,22b 切り欠き、23,24,25 貫通孔、28a,28b,28c,28d 仮想矩形、31 集塵フィルター、32 フィルター固定具、40 左右風向変更板、41 中間温度領域、42 高温度領域、43 低温度領域、44 空気流、45 流線、46 空気流、47 結露領域、50 熱交換器、50a 前方傾斜部、50b 後方傾斜部、50c 前方傾斜部、50d 後方傾斜部、51 フィン、52 伝熱管、100 室内機 101 冷媒管、102 室外機、110 空気調和機
上記の目的を達成するため、本発明に係る室内機は、
空気通路に配置された送風機と、
複数のフィンと前記複数のフィンを貫通する伝熱管とを備え、前記送風機の下流に設置された熱交換器と、
前記熱交換器の下流に設置され、前記伝熱管の風流れ下流領域に開口部を有し、風向を変更する風向変更板と、を備え
前記開口部は、前記風向変更板の風流れ上流から下流に向かって開口割合が次第に減少する

Claims (9)

  1. 空気通路に配置された送風機と、
    複数のフィンと前記複数のフィンを貫通する伝熱管とを備え、前記送風機の下流に設置された熱交換器と、
    前記熱交換器の下流に設置され、前記伝熱管の風流れ下流領域に開口部を有し、風向を変更する風向変更板と、を備える、
    室内機。
  2. 前記開口部は、風流れ上流から下流に向かって開口割合が次第に減少する、請求項1に記載の室内機。
  3. 前記開口部は、前記風向変更板の風流れ上流から下流に延在するスリットを備える、請求項1又は2に記載の室内機。
  4. 前記スリットは、風流れ上流側が開放させた欠き形状を有する、請求項3に記載の室内機。
  5. 前記開口部は、複数の貫通孔を備える、請求項1又は2に記載の室内機。
  6. 前記複数の貫通孔は、前記風向変更板の全域に配置されている、請求項5に記載の室内機。
  7. 前記複数の貫通孔は、前記風向変更板の全域に均一に配置されている、請求項6に記載の室内機。
  8. 前記送風機は、プロペラファンを備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の室内機。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の室内機を備える空気調和機。
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