以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、空気調和機の室内ユニットを天井裏に据え付けた状態を概略的に示す側面図、図2および図3は、夫々室内ユニットの斜視図、図4は、室内ユニットの断面図である。
図1に示すように、室内ユニット1は、例えば建屋の天井裏に据え付けられている。本実施形態において、天井裏とは建屋の梁2と天井板3との間に規定された天井空間4のことを指している。
図2および図3に示すように、室内ユニット1は、四角い偏平な箱形の要素であって、奥行き寸法D、幅寸法Wおよび厚さ寸法Hを有している。室内ユニット1の奥行き寸法Dは、幅寸法Wよりも小さい。室内ユニット1の厚さ寸法Hは、奥行き寸法Dおよび幅寸法Wよりも十分に小さい。
図2ないし図4に示すように、室内ユニット1は、筐体5を備えている。筐体5は、例えば板金材のような薄肉な金属板で構成され、室内ユニット1の外郭を規定している。筐体5は、天板6、底板7、第1の側板8、第2の側板9および仕切り板10を主要な要素として備えている。
天板6および底板7は、水平方向に延びているとともに、筐体5の厚さ方向に互いに間隔を存して向かい合っている。本実施形態によると、底板7は、第1の板部7aと第2の板部7bとに二分割されている。第1の板部7aおよび第2の板部7bは、夫々筐体5の奥行き方向に沿う長さが室内ユニット1の奥行き寸法Dの半分程度に設定されている。
第1の側板8および第2の側板9は、天板6と底板7との間に跨るように起立しているとともに、筐体5の幅方向に間隔を存して向かい合っている。
図2に示すように、天板6、底板7、第1の側板8および第2の側板9は、筐体5の奥行き方向に沿う一端に吸込口12を規定している。吸込口12は、筐体5の幅方向に沿う細長い開口形状を有している。吸込口12は、図示しないフィルタを介して図1に示す吸込みダクト13に接続されている。
図3に示すように、天板6、底板7、第1の側板8および第2の側板9は、筐体5の奥行き方向に沿う他端に吹出口14を規定している。吹出口14は、筐体5の幅方向に沿う細長い開口形状を有している。吹出口14は、図1に示す吹出しダクト15に接続されている。
図4および図5に示すように、仕切り板10は、筐体5の幅方向に延びているとともに、筐体5の内部を送風室16と熱交換室17との二室に区画している。送風室16および熱交換室17は、筐体5の奥行き方向に並んでいる。送風室16は、筐体5の吸込口12に通じている。熱交換室17は、筐体5の吹出口14に通じている。
熱交換室17に面した天板6の内面は、例えば発泡スチロールのような断熱材18で覆われている。同様に、熱交換室17に面した第2の側板9の内面は、図示しない他の断熱材で覆われている。
第1の側板8に隣接した熱交換室17の端部に機械室19が形成されている。機械室19は、熱交換室17から隔てられた独室した室であり、当該機械室19に図示しないドレンポンプ、冷媒分配器および複数の冷媒配管のような各種の冷凍サイクル機器20が収容されている。
さらに、筐体5の四つの角部に吊金具21が固定されている。吊金具21は、筐体5の四つの角部から筐体5の四方に向けて水平に張り出しており、当該吊金具21に建屋の梁2から垂下された四本の吊りボルト22の下端部が連結されている。
したがって、筐体5は、吊りボルト22を介して建屋の梁2から吊り下げられている。
図2、図4ないし図7に示すように、送風装置24が筐体5の送風室16に収容されている。送風装置24は、ファンモータ25、第1のファンユニット26および第2のファンユニット27を主要な要素として備えている。
ファンモータ25は、モータハウジング28に支持された回転軸29を有している。回転軸29は、モータハウジング28の一端から水平に突出された第1の軸部29aと、モータハウジング28の他端から水平に突出された第2の軸部29bと、を含んでいる。第1の軸部29aおよび第2の軸部29bは、互いに同軸状に配置されている。
図2および図5に示すように、第1のファンユニット26および第2のファンユニット27は、ファンモータ25を間に挟んで向かい合うように互いに間隔を存して配置されている。第1のファンユニット26および第2のファンユニット27は、夫々円筒状の多翼ファン31およびファンケース32を備えている。
第1のファンユニット26の多翼ファン31は、回転軸29の第1の軸部29aの先端部に同軸状に取り付けられている。第2のファンユニット27の多翼ファン31は、回転軸29の第2の軸部29bの先端部に同軸状に取り付けられている。
ファンケース32は、多翼ファン31を取り囲んでいる。ファンケース32は、吸気孔33およびノズル部34を有している。吸気孔33は、多翼ファン31の軸方向に沿う両側で送風室16に開口されている。
図4および図5に示すように、ノズル部34は、仕切り板10を貫通するとともに、熱交換室17に開口された吐出口35を有している。吐出口35は、筐体5の幅方向に沿う横長の四角い開口形状を有している。さらに、第1のファンユニット26の吐出口35および第2のファンユニット27の吐出口35は、筐体5の幅方向に互いに間隔を存して並んでいる。
第1および第2のファンユニット26,27の多翼ファン31が回転すると、送風室16内の空気が吸気孔33を通じて多翼ファン31の内側に吸い込まれる。多翼ファン31に吸い込まれた空気は、多翼ファン31の外周部からファンケース32の内部に吐出されるとともに、ノズル部34の吐出口35を通じて熱交換室17に吹き出す。
図3ないし図6に示すように、熱交換器38およびドレンパン39が筐体5の熱交換室17に収容されている。熱交換器38は、筐体5の第2の側板9と機械室19との間に跨るように筐体5の幅方向に延びている。
ドレンパン39は、例えば発泡スチロールのような断熱材で構成されている。ドレンパン39は、熱交換器38から滴下する水滴を受け止めるように熱交換器38を下方から支えているとともに、断熱材18および他の断熱材と協働して熱交換器38を取り囲んでいる。さらに、ドレンパン39の下面は、底板7の第2の板部7bで覆われている。
図4、図6、図7および図11に示すように、本実施形態の熱交換器38は、第1の熱交換ユニット41、第2の熱交換ユニット42および第3の熱交換ユニット43を備えている。第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43は、互いに独立した要素であって、予め決められた三次元的な立体形状に組み合わされている。
第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43は、夫々複数のフィン45および冷媒が流れる伝熱管46を備えている。フィン45は、例えばアルミニウム製の細長い四角い薄板で構成されている。図11に示すように、各フィン45は、一対の真っ直ぐな長辺45a,45bおよび一対の真っ直ぐな短辺45c,45dを有している。長辺45a,45bは、互いに平行である。短辺45c,45dは、互いに平行であるとともに、長辺45a,45bに対し交差するように斜め方向に延びている。
さらに、フィン45は、筐体5の幅方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。隣り合うフィン45の間には、送風装置24から送られる空気が流通する通風路47が形成されている。通風路47は、筐体5の奥行き方向に沿って延びている。
伝熱管46は、筐体5の幅方向に水平に延びているとともに、フィン45の配列方向に沿ってフィン45の間を貫通することでフィン45と一体化されている。本実施形態によると、複数の伝熱管46は、フィン45の長辺45a,45bの方向およびフィン45の短辺45c,45dの方向に互いに間隔を存して並んでいる。
図4、図6および図11に示すように、第1の熱交換ユニット41は、フィン45の長辺45a,45bを筐体5の奥行き方向に沿わせた横置きの姿勢で熱交換室17の上部に配置されている。そのため、第1の熱交換ユニット41は、仕切り板10から筐体5の吹出口14に向けて筐体5の奥行き方向に延びているとともに、吹出口14に近づくに従いやや下向きに傾斜されている。
第2の熱交換ユニット42は、フィン45の長辺45a,45bを筐体5の奥行き方向に沿わせた横置きの姿勢で熱交換室17の底部に配置され、第1の熱交換ユニット41に対し筐体5の厚さ方向に離れている。さらに、第2の熱交換ユニット42は、仕切り板10から筐体5の吹出口14に向けて筐体5の奥行き方向に延びているとともに、吹出口14に近づくに従いやや上向きに傾斜されている。このため、第1の熱交換ユニット41および第2の熱交換ユニット42は、夫々仕切り板10よりも吹出口14の側に位置された一端を有している。
第3の熱交換ユニット43は、第1の熱交換ユニット41の一端と第2の熱交換ユニット42の一端との間に介在されている。第3の熱交換ユニット43は、フィン45の長辺45a,45bを筐体5の厚さ方向に沿わせた縦置きの姿勢で熱交換室17に配置されている。言い換えると、第3の熱交換ユニット43は、仕切り板10と向かい合うように起立されているとともに、第1の熱交換ユニット41の一端の方向に進むに従い仕切り板10に近づくように傾いている。
したがって、本実施形態では、第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43は、筐体5を側方から見た時に、仕切り板10に向けて拡開するような形状に組み合わされている。
図5および図7に示すように、機械室19に隣接した第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43の一方の端部は、第1の端板50を介して一体的に連結されている。同様に、第2の側板9に隣接した第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43の他方の端部は、第2の端板51を介して一体的に連結されている。これにより、第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43は、互いに組み合わされた状態を維持している。
図11に示すように、第1ないし第3の熱交換ユニット41,42,43が互いに連結された状態では、第1の熱交換ユニット41の一端に位置されたフィン45の短辺45cが第3の熱交換ユニット43のフィン45の長辺45aの上端部に突き合わされている。 言い換えると、第3の熱交換ユニット43のフィン45の上端部は、第1の熱交換ユニット41のフィン45に対し熱交換室17を流れる空気の流れ方向に沿う下流側に位置されている。
そのため、第1の熱交換ユニット41の通風路47を通過した空気は、そのまま第3の熱交換ユニット43の上端部の通風路47に流入し、第1の熱交換ユニット41と第3の熱交換ユニット43との間の境界から空気漏れの要因となる隙間が排除されている。
一方、第2の熱交換ユニット42の一端に位置されたフィン45の短辺45cは、第3の熱交換ユニット43の下端に位置されたフィン45の短辺45dに対し下から突き合わされている。このため、例えば第2の熱交換ユニット42の長手方向に沿う中間部が下向きに撓むように変形した場合、第2の熱交換ユニット42の長手方向に沿う中間部では、フィン45の短辺45cが第3の熱交換ユニット43のフィン45の短辺45dから離れてしまい、第2の熱交換ユニット42と第3の熱交換ユニット43との間の境界に隙間が生じる可能性があり得る。
図5ないし図7に示すように、熱交換室17内で起立された第3の熱交換ユニット43は、仕切り板10に開口された二つの吐出口35の真正面に位置された二つの領域53a,53bを有している。二つの領域53a,53bは、筐体5の幅方向に互いに離れているとともに、夫々吐出口35の側から風量調整板54で覆われている。
風量調整板54は、中間部材又は調整部材の一例であって、熱交換室17内で第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bと二つの吐出口35との間に配置されている。風量調整板54は、互いに共通の構成を有するので、一方の領域53aに対応した風量調整板54を代表して説明する。
図6ないし図8に示すように、風量調整板54は、例えば薄肉の平坦な金属板で構成され、第3の熱交換ユニット43の領域53aに沿うように展開されている。風量調整板54は、第3の熱交換ユニット43の長手方向に延びた四角い本体部55を有している。
複数の円形の通孔56が本体部55に形成されている。通孔56は、吐出口35から第3の熱交換ユニット43に向かう空気を通す第1の部分の一例であって、本体部56の全面にマトリクス状に分散して配置されている。
さらに、本体部55は、通孔56から外れた遮蔽部57を有している。遮蔽部57は、吐出口35から第3の熱交換ユニット43に向かう空気を遮る第2の部分の一例であって、通孔56の周囲に位置されている。
図8および図10に示すように、本体部55は、第1のフランジ部58aおよび第2のフランジ部58bを備えている。第1のフランジ部58aは、本体部55の長手方向に沿う一側縁部から仕切り板10に向けて張り出すように直角に折り曲げられている。第1のフランジ部58aの下部には、張り出し高さが格段に大きな支持部59aが形成されている。
同様に、第2のフランジ部58bは、本体部55の長手方向に沿う他側縁部から仕切り板10に向けて張り出すように直角に折り曲げられている。第2のフランジ部58bの下部には、張り出し高さが格段に大きな支持部59bが形成されている。
図8、図9および図11に示すように、風量調整板54は、その一側縁部および他側縁部が夫々一対のブラケット61を介して熱交換器38に支持されている。ブラケット61は、互いに共通した要素であって、図9に示すような構成を有している。
具体的に述べると、本実施形態のブラケット61は、合成樹脂製の一体構造物であって、本体部55の一側縁部および他側縁部に沿って延びる細長い板状に形成されている。ブラケット61の厚さtは、例えば熱交換器38の隣り合うフィン45の間隔と略同等か同等以上である。
ブラケット61は、第1の固定部62、一対の第2の固定部63a,63b、ねじ挿通孔64および凸部65を有している。第1の固定部62は、ブラケット61の長手方向に沿う一端に位置されるとともに、ブラケット61の厚さ方向に延びている。
第1の固定部62は、ブラケット61の厚さ方向に沿う一方の側に張り出す第1のねじ受け部67aと、ブラケット61の厚さ方向に沿う他方の側に張り出す第2のねじ受け部67bとを有している。第1のねじ受け部67aおよび第2のねじ受け部67bには、夫々スリット68が形成されている。スリット68は、ブラケット61の厚さ方向に延びているとともに、第1のねじ受け部67aの先端および第2のねじ受け部67bの先端に開口されている。
第2の固定部63a,63bは、夫々熱交換器38の隣り合うフィン45の間に挿入される要素であって、ブラケット61の長手方向に互いに離れている。一方の第2の固定部63aは、ブラケット61の長手方向に沿う一端部から第1の固定部62とは反対側に向けて突出されている。第2の固定部63aは、フィン45の間で伝熱管46の外周面に引っ掛かる一対の爪部69a,69bを有している。爪部69a,69bは、互いに協働して伝熱管46の外周面を挟み込む。爪部69a,69bの先端部では、第2の固定部63aを隣り合うフィン45の間に容易に挿入し得るように、爪部69a,69bの肉厚が次第に減じられている。
他方の第2の固定部63bは、ブラケット61の長手方向に沿う他端部から一方の第2の固定部63aと同方向に突出されている。第2の固定部63bは、フィン45の間で伝熱管46の外周面を挟み込む一対の爪部71a,71bを有している。爪部71a,71bの先端部では、第2の固定部63bを隣り合うフィン45の間に容易に挿入し得るように、爪部71a,71bの肉厚が次第に減じられている。
ねじ挿通孔64は、第1の固定部63aと第2の固定部63bとの間でブラケット61を厚さ方向に貫通している。凸部65は、ねじ挿通孔64と第2の固定部63bとの間でブラケット61の厚さ方向に沿う両側に向けて突出されている。このため、ねじ挿通孔64および凸部65は、ブラケット61の長手方向に互いに離れている。
図8、図10および図11は、風量調整板54の一側縁部および他側縁部が夫々二つのブラケット61を用いて熱交換器38に固定された状態を示している。風量調整板54の一側縁部では、一方のブラケット61は、第1の固定部62および第2の固定部63aを上向きにした姿勢で風量調整板54の一側縁部に沿うように起立されている。
第1の固定部62の第1のねじ受け部67aは、風量調整板54の正面(吐出口35と対向する面)の上部に重ねられている。第1のねじ受け部67aのスリット68に第1のねじ72が挿入されている。第1のねじ72はスリット68を貫通して風量調整板54に開けたねじ孔73にねじ込まれている。このねじ込みにより、一方のブラケット61が風量調整板54の一側縁部に固定され、一対の第2の固定部63a,63bが風量調整板54の裏面から突出されている。
他方のブラケット61は、第1の固定部62および第2の固定部63aを下向きにした姿勢で風量調整板54の一側縁部に沿うように起立されている。他方のブラケット61は、第1のフランジ部58aの支持部59aの外面に重ね合わされている。他方のブラケット61のねじ挿通孔64は、支持部59aに開けたねじ孔74と合致し、他方のブラケット61の凸部65は、支持部59aに開けた位置決め孔75に嵌合されている。
他方のブラケット61のねじ挿通孔64に第2のねじ76が挿入されている。第2ねじ76は、ねじ挿通孔64を貫通してねじ孔74にねじ込まれている。このねじ込みにより、他方のブラケット61が風量調整板54の一側縁部に固定されている。
他方のブラケット61が風量調整板54に固定された状態では、他方のブラケット61の第2の固定部63bが一方のブラケット61の第2の固定部63bと重なり合うとともに、風量調整板54の裏面から突出されている。
さらに、他方のブラケット61は、第1の固定部62および第2の固定部63aが風量調整板54の正面(吐出口35と対向する面)の方向に進出するように傾いているとともに、第1の固定部62および第2の固定部63aが風量調整板54の下方に張り出している。
図8に示すように、風量調整板54の他側縁部では、一方のブラケット61の第2のねじ受け部67bが第1のねじ72を介して風量調整板54に固定されている。これ以外の風量調整板54の他側縁部に対するブラケット61の取り付け構造は、風量調整板54の一側縁部に対するブラケット61の取り付け構造と同様である。
風量調整板54に固定された一方のブラケット61は、一対の第2の固定部63a,63bが第3の熱交換ユニット43の吐出口35(仕切り板10)と対向する側から隣り合うフィン45の間に挿入される。これにより、隣り合うフィン45の間を横切る伝熱管46が第2の固定部63aの爪部69a,69bおよび第2の固定部63bの爪部71a,71bの間に入り込み、爪部69a,69b,71a,71bが伝熱管46の外周面に引っ掛かる。
他方のブラケット61では、第2の固定部63bが第3の熱交換ユニット43の吐出口35と対向する側から隣り合うフィン45の間に挿入される。第2の固定部63bの爪部71a,71bは、一方のブラケット61の第2の固定部63bの爪部71a,71bと一緒に同じ伝熱管46の外周面に引っ掛かる。
さらに、他方のブラケット61では、風量調整板54の下方に張り出した第2の固定部63aが第2の熱交換ユニット42の隣り合うフィン45の間に挿入される。これにより、隣り合うフィン45の間を横切る伝熱管46が第2の固定部63aの爪部69a,69bの間に入り込み、爪部69a,69bが伝熱管46の外周面に引っ掛かる。したがって、他方のブラケット61は、第2の熱交換ユニット42と第3の熱交換ユニット43との間に跨っている。
この結果、風量調整板54が第3の熱交換ユニット43の領域53a,53bを覆った状態で熱交換器38に固定される。
図4および図11に示すように、風量調整板54が熱交換器38に固定された状態では、風量調整板54が第3の熱交換ユニット43の領域53a,53bから僅かに離れた位置で、領域53a,53bと平行に配置されている。このため、風量調整板54と第3の熱交換ユニット43の領域53a,53bとの間には、例えば数mmの隙間Gが形成されている。風量調整板54の通孔56は、隙間Gに開口されている。
したがって、第3の熱交換ユニット43の領域53a,53bに対応した位置では、隣り合うフィン45の間に規定された通風路47の一部が隙間Gを介して風量調整板54の遮蔽部57と向かい合っている。
さらに、本実施形態では、複数のブラケット61を利用して第2の熱交換ユニット42の長手方向に沿う中間部と第3の熱交換ユニット43の長手方向に沿う中間部との間が連結されている。
図7および図12に示すように、複数のブラケット61は、第3の熱交換ユニット43の領域53a,53bの間に間隔を存して一列に配列されている。ブラケット61の一方の第2の固定部63aは、第2の熱交換ユニット42の隣り合うフィン45の間に挿入されている。これにより、隣り合うフィン45の間を横切る伝熱管46が爪部69a,69bの間に入り込み、爪部69a,69bが伝熱管46の外周面に引っ掛かっている。
さらに、ブラケット61の他方の第2の固定部63bは、第3の熱交換ユニット43の吐出口35(仕切り板10)と対向する側から隣り合うフィン45の間に挿入されている。これにより、隣り合うフィン45の間を横切る伝熱管46が爪部71a,71bの間に入り込み、爪部71a,71bが伝熱管46の外周面に引っ掛かっている。
したがって、複数のブラケット61は、個々に第2の熱交換ユニット42の長手方向に沿う中間部と第3の熱交換ユニット43の長手方向に沿う中間部との間に跨ることで、第2の熱交換ユニット42の中間部と第3の熱交換ユニット43の中間部との間を連結している。
この結果、第2の熱交換ユニット42のフィン45の短辺45cが第3の熱交換ユニット43のフィン45の短辺45dに突き当たった状態を維持している。
このような構成の室内ユニット1において、送風装置24が作動すると、第1および第2のファンユニット26,27の吐出口35から熱交換室17に向けて空気が吹き出す。熱交換室17に吹き出した空気は、熱交換器38のフィン45の間の通風路47を通過するとともに、この流れの過程で伝熱管46内を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。熱交換により得られた冷気もしくは暖気は、筐体5の吹出口14から吹出しダクト15を通じて建屋内の空調すべき箇所に送られる。
第1および第2のファンユニット26,27の吐出口35は、熱交換室17内で第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bの真正面に位置されている。このため、吐出口35から熱交換室17に吹き出す空気の多くは、図4に矢印で示すように、熱交換室17の内部を第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bに向けて流れる。よって、熱交換器38を通過する空気の流速は、吐出口35と正対する第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bの箇所が最も早くなる。
本実施形態によると、第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bは、夫々吐出口35の側から風量調整板54で覆われている。このため、吐出口35から熱交換室17に吹き出す空気流の一部が風量調整板54の通孔56を通って第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bに導かれる。残りの空気流は、風量調整板54の遮蔽部57によって遮られる。遮られた空気流は、風量調整板54の周囲に拡散された後、熱交換器38に導かれる。
この結果、第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bに向かう空気量そのものが減少し、隣り合うフィン45の間の通風路47を通過する空気の流速が低下する。さらに、風量調整板54の遮蔽部57で遮られた空気流は、第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bの周囲に分散される。これにより、領域53a,53bに向かう空気量が減少することと相まって、第3の熱交換ユニット43の吐出口35(仕切り板10)と対向する面に向かう空気量を第3の熱交換ユニット43の全長に亘って均等化することができる。
したがって、特に高温・高湿の条件下での冷房運転時において、熱交換器38に向かう空気の流量を最大とした場合であっても、熱交換器38に生じた水滴が空気流に乗じて筐体5の吹出口14に飛散する、所謂水飛びを防止することができる。
加えて、通孔56の数および直径を変化させた開口率が異なる幾つかの風量調整板54を準備するとよい。これにより、例えば室内ユニット1の性能に応じた最適な開口率を有する風量調整板54を選択することで、第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bを通過する空気の流速を適正化することができる。
しかも、本実施形態によると、風量調整板54と第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bとの間に隙間Gが存在するので、通孔56を通過した空気流が隙間Gに万遍なく行き渡る。このため、空気流が隙間Gを通じて第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bに全面的に導かれる。
言い換えると、風量調整板54が第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bに隙間なく密接している場合、二つの領域53a,53bのうち風量調整板54の遮蔽部57に対応した箇所は、空気流を受けることができない。このため、第3の熱交換ユニット43を通過する空気量が大きく減少し、第3の熱交換ユニット43の熱交換性能が低下する。
これに対し、本実施形態では、第3の熱交換ユニット43の二つの領域53a,53bのうち風量調整板54の遮蔽部57に対応した箇所にも隙間Gを通じて空気流が導かれる。この結果、二つの領域53a,53bを吐出口35の側から風量調整板54で覆ったにも拘らず、第3の熱交換ユニット43を通過する空気量を確保することができ、第3の熱交換ユニット43の熱交換性能を良好に維持できる。
本実施形態によると、風量調整板54を熱交換器38に固定する一対のブラケット61のうちの他方は、図11に示すように、第2の固定部63aの爪部69a,69bが第2の熱交換ユニット42の伝熱管46に引っ掛かり、第2の固定部63bの爪部71a,71が第3の熱交換ユニット43の伝熱管46に引っ掛っている。
そのため、他方のブラケット61は、第3の熱交換ユニット43と第2の熱交換ユニット42との間に架け渡され、第3の熱交換ユニット43と第2の熱交換ユニット42との相対的な位置関係を一定に保っている。
この結果、第2の熱交換ユニット42のフィン45の短辺45cが第3の熱交換ユニット43のフィン45の短辺45dに突き当たった状態を維持できる。
それとともに、本実施形態では、第2の熱交換器ユニット42の長手方向に沿う中間部と第3の熱交換ユニット43の長手方向に沿う中間部との間が複数のブラケット61で連結されている。
このため、例えば第2の熱交換ユニット42の長手方向に沿う中間部が自重で下向きに撓むように変形するのを回避でき、第2の熱交換ユニット42のフィン45の短辺45cが第3の熱交換ユニット43のフィン45の短辺45dに突き当たった状態を維持できる。
したがって、第2の熱交換ユニット42と第3の熱交換ユニット43との境界に空気漏れの要因となる隙間が生じるのを防止でき、熱交換器38の熱交換性能を良好に維持することができる。
さらに、風量調整板54を熱交換器38に固定するブラケット61と、第2の熱交換ユニット42の中間部と第3の熱交換ユニット43の中間部との間を連結するブラケット61とは、互いに共通の要素である。このため、室内ユニット1を構成する部品の種類が増えることはなく、室内ユニット1のコストの低減に寄与する。
加えて、図11に最もよく示されるように、風量調整板54を熱交換器38に固定する一方のブラケット61は、風量調整板54の一側縁部および他側縁部に沿うように延びている。これに対し、第3の熱交換ユニット43と第2の熱交換ユニット42との間に跨る他方のブラケット61は、第2の固定部63aが風量調整板54に対し当該風量調整板54の正面(吐出口35と対向する面)の方向に進出するように傾いている。
このため、一方のブラケット61の第2の固定部63a,63bと、他方のブラケット61の第2の固定部63a,63bとでは、熱交換器38の伝熱管46を挟み込む方向が互いに異なっている。
したがって、例えば一方のブラケット61の第2の固定部63a,63bを伝熱管46から引き抜くような力が一方のブラケット61に加わった場合でも、当該力に対し他方のブラケット61が対抗する。この結果、風量調整板54が熱交換器38から脱落したり、ずれ動くのを回避でき、風量調整板54と熱交換器38との位置関係を適切に維持することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態では、金属製の風量調整板に合成樹脂製のブラケットをねじで固定したが、例えば風量調整板およびブラケットを合成樹脂材料で一体的に成形し、ブラケットを風量調整板と一体構造物としてもよい。
さらに、空気が通過する通孔の形状も円形に限らず、例えば角孔や細長いスリット状でもよい。それとともに、中間部材又は調整部材は、平板に孔を開けた構成に限らず、例えばメッシュ状の要素でも同様に実施可能である。