JPH0651741U - 空調吹出口用結露防止金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結露の発生しにくい冬期や空気調和装置不使
用時期に容易に取り外せ、かつ、既存建物に容易に適用
できる空調吹出口用結露防止金具を提供する。 【構成】 空調吹出口の周囲の一定範囲を覆蓋可能な枠
状形状であって複数の貫通孔を有する風向ガイドベーン
と、この風向ガイドベーンの上面の複数箇所に設けられ
た金具であって空調吹出口にある風向ベーンを押圧して
風向ガイドベーンを空調吹出口から所定の距離をもって
設置する止め金具とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気調和装置の吹出口周辺の結露を防止するための空調吹出口用結 露防止金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

梅雨時などの外気の湿度が高いときに、玄関などの扉や窓の開閉によってその 湿度の高い外気が室内に入り込むことがある。その際、室内において、空気調和 装置を使用していると、図３に示すように、冷風を吹き出している空気調和装置 の吹出口取付金具７等に結露が生じ室内に水滴が落ちる現象が見られる。その水 滴は、人間に不快感を与えるのみならず、室内を傷めることをも引き起こす。

【０００３】 そこで、結露を防止するために以下のような種々の対策が講じられている。 (1) 吹出口の材質をプラスチックや塩化ビニル系のものとする。 (2) 吹出口の結露する面に電気ヒータを入れる。 (3) 吹出口の表面に植毛する。 (4) 吹出口の表面に結露防止材を塗布する。 (5) 吹出空気の温度を露点温度以上にする。

【０００４】 しかし、いずれの対策によっても、以下のような欠点がある。 (イ) (1) の場合でも結露を確実に防止することはできない。 (ロ) (2) の場合には冷風吹き出し時にヒータで吹出口を温めることになり、冷房 効果が低下する。 (ハ) (3) の場合でも結露を確実に防止することはできず、しかも、かびが発生し やすい。 (ニ) (4) の場合でも結露を確実に防止することはできない。 (ホ) (5) の場合には熱負荷などに対して支障をきたす。

【０００５】 以上のような従来の結露防止対策の他に、図４に示すような対策も知られてい る。図４において、４は天井５に設けられたダクト６の下部にある空調吹出口で あり、吹出口取付金具７を介して天井５に固定される。また、８は風向調節のた めの風向ベーンである。そして、空調吹出口４には、湾曲している側面９有する グリル型のアタッチメント１０が取り付けられる。つまり、そのアタッチメント １０と空調吹出口４側に固定された取付金具１１とがばね１２を介して固定され る。

【０００６】 空調吹出口４からの冷風は、アタッチメント１０の下面のグリルを通って室内 に吹き出されるとともに、アタッチメント１０の側面の湾曲部に沿って進む。従 って、その冷風の流れによって、露点温度以下になりやすい吹出口取付金具７に 湿度の高い空気が到達することが妨げられ、結露は防止される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

そのようなアタッチメント１０は着脱が可能であって、結露の発生しにくい冬 期などには取り外すことができる。しかし、アタッチメント１０を取り外したと きには、取付金具１１が空調吹出口４の下部に露出し、見栄えが悪くかつ危険で ある。また、その取付金具１１は空調吹出口製造時にあらかじめ取り付けられて いなければならず、そのような取付金具１１のない既存の建物にそのアタッチメ ント９を取り付けるのは困難である。

【０００８】 本考案はそのような課題を解消するためになされたものであって、結露の発生 しにくい冬期や空気調和装置不使用時期に容易に取り外せ、かつ、既存建物に容 易に適用できる空調吹出口用結露防止金具を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る空調吹出口用結露防止金具は、空調吹出口の周囲の一定範囲を覆 蓋可能な枠状形状であって複数の貫通孔を有する風向ガイドベーンと、この風向 ガイドベーンの上面の複数箇所に設けられた金具であって空調吹出口にある風向 ベーンを押圧して風向ガイドベーンを空調吹出口から所定の距離をもって設置す る止め金具とを備えたものである。

【００１０】

【作用】

本考案における風向ガイドベーンは、冷風の一部を空調吹出口の取付金具側に 導いて取付金具における結露を防止する。また、風向ガイドベーンの貫通孔は、 風向ガイドベーンにおける結露を防止する。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案の一実施例による空調吹出口用結露防止金具を示す斜視図である 。図に示すように、この結露防止金具は、空調吹出口の周囲形状に対応した枠状 の風向ガイドベーン１と、この風向ガイドベーン１に取り付けられ、空調吹出口 にある風向ベーンを押圧するばね式止め金具２とからなる。

【００１２】 ばね式止め金具２は、風向ガイドベーン１への取り付けのための固定部２１、 その固定部２１によって風向ガイドベーン１に固定されるばね部２２、およびば ね部２２の上部に形成された脱落防止用つめ２３を有する構造であり、風向ガイ ドベーン１の数箇所（図１では４箇所）に取り付けられている。そして、ばね部 ２２は、ばね作用によって左右方向（図２の矢印Ｂ方向）に伸縮可能である。な お、風向ガイドベーン１には、適宜多数の貫通孔が設けられている。また、風向 ガイドベーン１の材質は、鉄、アルミニューム、プラスチックのいずれでもよい 。

【００１３】 図２は空調吹出口４にその結露防止金具が取り付けられた様子を示す部分断面 図である。図に示すように、その結露防止金具は、ばね式止め金具２がばね作用 によって２つの風向ベーン８を押すことによって風向ベーン８に取り付けられる 。また、脱落防止用つめ２３は、風向ガイドベーン１が下方にずり落ちても風向 ベーン８に係止し、風向ガイドベーン１の脱落を防止する。その状態で、風向ガ イドベーン１は、空調吹出口４の下部の周囲部分を、所定の面積をもって、およ び空調吹出口４とは所定の距離をもって覆うことになる。

【００１４】 この状態で空調吹出口４からの冷風のうち一部は、図２において矢印Ａで示す ように、吹出口取付金具７側に導かれる。よって、その冷風の流れによって、露 点温度以下になりやすい吹出口取付金具７に室内の湿度の高い空気が到達するこ とは妨げられ、吹出口取付金具７における結露は防止される。また、冷風のうち 一部は風向ガイドベーン１の貫通孔を通過して流れるので、その冷風の流れによ って、湿度の高い空気が風向ガイドベーン１に到達することが妨げられ、風向ガ イドベーン１における結露も防止される。

【００１５】 そして、この結露防止金具は、ばね式止め金具２が既存の風向ベーン８を押圧 することで空調吹出口４に取り付けられるので、着脱が容易であって、かつ、既 存建物に容易に適用できる

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る空調吹出口用結露防止金具は、複数の貫通孔 を有する風向ガイドベーンと、この風向ガイドベーンの上面に設けられ空調吹出 口の風向ベーンを押圧して風向ガイドベーンを空調吹出口から所定の距離をもっ て設置する止め金具とを備えた構造であるから、取り付け時には十分に結露を防 止し、結露の発生しにくい冬期や空気調和装置不使用時期に容易に取り外せ、か つ、既存建物に安価に適用できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による空調吹出口用結露防止
金具を示す斜視図である。

【図２】空調吹出口に結露防止金具が取り付けられた様
子を示す部分断面図である。

【図３】空調吹出口の周辺の結露の様子を説明するため
の説明図である。

【図４】図４（Ａ）は従来の結露防止空調吹出口を示す
部分断面図である。図４（Ｂ）は結露防止空調吹出口の
下面を示す表面図である。

【符号の説明】

１ 風向ガイドベーン ２ ばね式止め金具 ４ 空調吹出口 ８ 風向ベーン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気調和装置の吹出口の周囲の一定範囲
   を覆蓋可能な枠状形状であって複数の貫通孔を有する風
   向ガイドベーンと、この風向ガイドベーンの上面の複数
   箇所に設けられた金具であって前記吹出口の風向ベーン
   を押圧して前記風向ガイドベーンを前記吹出口から所定
   の距離をもって設置する止め金具とを備えた空調吹出口
   用結露防止金具。