JPWO2018180820A1 - せん断加工方法、せん断加工装置、およびせん断加工設備 - Google Patents

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Abstract

板状の被加工材(6)の厚さ方向にせん断力を作用させて被加工材(6)を破断するせん断加工方法は、被加工材(6)の厚さ方向に垂直な面方向に作用点(21、31)のクリアランス(C)をもって、被加工材(6)にせん断力を作用させることを開始する工程と、せん断力を作用させることを開始した後、被加工材(6)に破断面が発生するまでせん断力を作用させる工程と、せん断力を作用させることを開始した後、被加工材(6)に破断面が発生するまでの間に、被加工材(6)の厚さ方向の変形に応じて、クリアランス(C)を増加させる工程とを含む。

Description

本発明は、せん断加工方法、せん断加工装置、およびせん断加工設備に関する。
せん断加工は、例えば自動車、鉄道車両、建材、船舶、家電製品などに用いられる金属部品の製造において、金属部材の切断、打抜き、穴抜き、シェービング、トリミングなどのために実施される。一般的に、せん断加工は、部材に当接された下刃に対して上側から上刃を押し込むことによって実行される。このとき、部材は上刃と下刃との間で塑性変形し、最終的には破断する。このようなせん断加工では、破断後の部材端面に塑性変形に伴う加工硬化の影響を受けた部分が残ることが知られている。後工程としてフランジアップなどを実施する場合、加工硬化の影響を受けた部分には割れが発生することがある。
そこで、せん断加工時の部材の加工硬化を抑制して伸びフランジ加工性に優れるせん断加工面を得るための技術が、種々提案されている。例えば、特許文献1には、数値シミュレーションを利用してパンチ刃の傾斜角度を適切に設定することによって、伸びフランジ加工性に優れるせん断加工面を得る技術が記載されている。また、特許文献2には、後工程における伸びフランジ割れのシミュレーションに基づいて判定された危険部位から外れるにしたがってクリアランスを徐々に大きくすることによって、伸びフランジ加工性に優れるせん断加工面を得る技術が記載されている。
特開2011−88152号公報 特開2016−87642号公報
しかしながら、せん断加工が部材を塑性変形させる以上、加工硬化自体は避けがたい。また、上刃と下刃とを結ぶ面に沿って発生する部材の破断面は、加工硬化が集中的に発生している領域を横切ることになる。従って、例えば上記の特許文献1,2に記載された技術を採用しても、依然として破断後の部材端面には加工硬化の影響を受けた部分が残り、伸びフランジ性などの特性にはなおも改善の余地がある。
そこで、本発明は、破断後の部材端面における加工硬化の影響を低減することを可能にする、新規かつ改良されたせん断加工方法、せん断加工装置、およびせん断加工設備を提供することを目的とする。
本発明のいくつかの観点によれば、以下が提供される。
[1]板状の被加工材の厚さ方向にせん断力を作用させて被加工材を破断するせん断加工方法であって、
被加工材の厚さ方向に垂直な面方向に作用点のクリアランスをもって、被加工材にせん断力を作用させることを開始する工程と、
せん断力を作用させることを開始した後、被加工材に破断面が発生するまでせん断力を作用させる工程と、
せん断力を作用させることを開始した後、被加工材に破断面が発生するまでの間に、被加工材の厚さ方向の変形に応じて、前記クリアランスを増加させる工程と
を含む、せん断加工方法。
[2]下刃と、前記下刃と被加工材の厚さ方向に相対的に移動可能な上刃とを備え、被加工材の面方向に沿った下刃および上刃のクリアランスが異なる複数のせん断加工装置により実施され、
クリアランスを増加させる工程は、複数のせん断加工装置のうち、クリアランスの小さなせん断加工装置から、クリアランスの大きなせん断加工装置の順に、被加工材にせん断力を作用させていく、
[1]に記載のせん断加工方法。
[3]被加工材の下面に当接する下刃と、被加工材の厚さ方向では下刃に対して相対的に移動可能な上刃とを備えた1台のせん断加工装置により実施され、
下刃を被加工材の下面に当接させる工程と、
被加工材の面方向に沿って下刃とクリアランスをもって上刃を被加工材の上面に当接するまで前記厚さ方向に移動させる工程と、
被加工材の上面に当接した上刃を、被加工材に破断面が発生するまでさらに被加工材の厚さ方向に移動させる工程と、
上刃が前記被加工材の上面に当接した後、破断面が発生するまでの間に、被加工材の厚さ方向における上刃および下刃の相対移動量に応じてクリアランスを増加させる工程と
を含む、[1]に記載のせん断加工方法。
[4]下刃は、被加工材の面方向で上刃に対して相対的に移動可能であり、
クリアランスを増加させる工程は、上刃の移動量に応じて前記下刃を前記上刃から離隔させる工程を含む、[3]に記載のせん断加工方法。
[5]クリアランスを増加させる工程は、被加工材の厚さ方向における上刃および下刃の相対移動量に応じてクリアランスを連続的に増加させる工程を含む、[3]または[4]に記載のせん断加工方法。
[6]クリアランスを増加させる工程は、被加工材の厚さ方向における上刃および下刃の相対移動量に応じてクリアランスを段階的に増加させる工程を含む、[3]または[4]に記載のせん断加工方法。
[7]クリアランスを増加させる工程は、被加工材の厚さ方向における上刃および下刃の相対移動量に応じて決定される単一のタイミングでクリアランスを増加させる工程を含む、[3]または[4]に記載のせん断加工方法。
[8]クリアランスを増加させる工程は、クリアランスが所定値に固定された場合に、上刃が被加工材の上面に当接してから破断面が発生するまでの被加工材の厚さ方向における上刃および下刃の相対移動量に対応する基準移動量の20%以上の移動量の範囲で実行される、[3]から[7]のいずれかに記載のせん断加工方法。
[9]被加工材は、引張強度270MPa以上の鋼板である、[1]から[8]のいずれかに記載のせん断加工方法。
[10]被加工材は、板厚が0.2mm以上、2mm以下の鋼板である、[1]から[9]のいずれかに記載のせん断加工方法。
[11]下刃と、
下刃に対して接近離間方向に移動可能であり、接近離間方向に垂直な方向では、クリアランスをもって下刃に対向する上刃と、
上刃の接近方向の移動量に応じて、クリアランスを増加させるクリアランス調節機構と
を備えるせん断加工装置。
[12]下刃は、上刃の接近離間方向に垂直な方向に相対的に移動可能であり、
クリアランス調節機構は、上刃および下刃の接近方向の相対移動量に応じて下刃を上刃から離隔させる、[11]に記載のせん断加工装置。
[13]クリアランス調節機構は、クリアランスを上刃および下刃の接近方向の相対移動量に応じて連続的に増加させる、[11]または[12]に記載のせん断加工装置。
[14]クリアランス調節機構は、
上刃および下刃の相対移動方向に、上刃とともに一体で移動可能な第1傾斜面と、
第1傾斜面に摺接し、上刃および下刃の相対移動方向とは垂直な方向に、下刃とともに一体で移動可能な第2傾斜面と
を含み、
せん断加工装置は、第1傾斜面と第2傾斜面とが摺接していない状態において、クリアランスを保持するクリアランス保持機構をさらに備える、[13]に記載のせん断加工装置。
[15]クリアランス調節機構は、前記上刃の接近方向の移動に伴って、前記上刃の接近方向に垂直な方向から前記下刃が受ける押圧力に対抗する弾性力を下刃に与える弾性手段を含む、[13]に記載のせん断加工装置。
[16]クリアランス調節機構は、上刃および下刃の接近方向の相対移動量に応じてクリアランスを段階的に増加させる、[11]または[12]に記載のせん断加工装置。
[17]クリアランス調節機構は、上刃および下刃の接近方向の相対移動量に応じて決定される単一のタイミングでクリアランスを増加させる、[11]または[12]に記載のせん断加工装置。
[18]クリアランス調節機構は、加工開始から加工終了までの上刃および下刃の相対移動量に対応する基準移動量の20%以上の移動量の範囲でクリアランスを増加させる、[11]から[17]のいずれかに記載のせん断加工装置。
[19]被加工材を搬送する搬送装置と、搬送装置の搬送経路に沿って配置され、被加工材に対するせん断加工を分担して行う複数のせん断加工装置とを備えたせん断加工設備であって、
複数のせん断加工装置のそれぞれは、下刃と、下刃に対して接近離間方向に移動可能であり、接近離間方向に垂直な方向では、クリアランスをもって下刃に対向する上刃とを備え、
複数のせん断加工装置は、搬送経路の上流から下流に向かうにしたがって、クリアランスが大きくなっていくように配置される
せん断加工設備。
本発明によれば、せん断加工中に、クリアランスを大きくする方向に変化させることにより、破断後の部材端面における加工硬化の影響を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るせん断加工装置を示す概略的な断面図である。 図1に示すせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 図1に示すせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 図1に示すせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 図2Aと対比して、従来のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 図2Bと対比して、従来のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 図2Cと対比して、従来のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態におけるクリアランス調節機構の別の例を示す概略的な断面図である。 本発明の一実施形態におけるクリアランス調節機構のさらに別の例を示す概略的な断面図である。 本発明の一実施形態におけるクリアランス調節機構のさらに別の例を示す概略的な断面図である。 本発明の一実施形態におけるクリアランス調整機構のさらに別の例を示す概略的な断面図である。 本発明の一実施形態におけるクリアランス調整のさらに別の例を示す概略的な断面図である。 クリアランスを連続的に増加させた本発明の実施例について説明するためのグラフである。 クリアランスを段階的に増加させた本発明の実施例について説明するためのグラフである。 本発明の実施例における破断後の被加工材の端面形状を示す写真である。 比較例における破断後の被加工材の端面形状を示す写真である。 本発明の実施例および比較例における破断後の被加工材の端面の平均ビッカース硬さを示すグラフである。 本発明の実施例および比較例における破断後の被加工材の穴広げ性を示すグラフである。 クリアランスを段階的に増加させた本発明の別の実施例について説明するためのグラフである。 図13に示された実施例および比較例におけるサイドベンド試験の開口率を示すグラフである。 クリアランスを移動量に応じて決定されるタイミングで一括して増加させた本発明の実施例について説明するためのグラフである。 図16に示された実施例および比較例におけるサイドベンド試験の開口率を示すグラフである。 クリアランスを移動量に応じて決定されるタイミングで一括して増加させた場合のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 クリアランスを移動量に応じて決定されるタイミングで一括して増加させた場合のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 クリアランスを移動量に応じて決定されるタイミングで一括して増加させた場合のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。 クリアランスを移動量に応じて決定されるタイミングで一括して増加させた場合のせん断加工装置の動作および被加工材の挙動を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るせん断加工装置1を示す概略的な断面図である。図1を参照すると、本実施形態に係るせん断加工装置1は、ダイ2と、パンチ3と、ホルダ4と、アクチュエータ5aとを含む。ダイ2には、板状の被加工材6の下面に当接する下刃21が形成される。パンチ3には、上刃31が形成される。パンチ3は、図示しない電動機または液圧機構などによって駆動され、被加工材6の厚さ方向(上刃31および下刃21の接近離間方向)についてダイ2に対して相対移動可能である。パンチ3が移動することによって、上刃31は、被加工材6の上方に位置した状態から、図示されているように被加工材6の上面に当接させられ、さらに被加工材6に押し込まれる。上刃31が被加工材6に押し込まれる過程で、下刃21と上刃31との間に破断面が発生し、これによってパンチ3が押し込まれた部分の被加工材6が切り落とされる。ホルダ4は、被加工材6の上面に当接され、ダイ2との間で被加工材6を挟持する。アクチュエータ5aは、例えば電動機または液圧機構などである。アクチュエータ5aはダイ2に連結され、ダイ2を被加工材6の面方向、すなわち被加工材6の厚さ方向に対して垂直な方向に移動させる。
なお、上記説明では、下刃21に対して上刃31が接近離間方向に相対移動するとして説明していたが、これに限らず、上刃31が固定され、下刃21が相対移動してもよく、上刃31および下刃21が互いに相対移動してもよい。
ここで、被加工材6の面方向(上刃31の接近離間方向に垂直な方向)について、上刃31は、クリアランスCをもって下刃21に対向している。アクチュエータ5aがダイ2を被加工材6の面方向に移動させることによって、下刃21を上刃31に対して接近または離間させることができる。下刃21が上刃31に接近するとクリアランスCは縮小し、下刃21が上刃31から離隔するとクリアランスCは拡大する。アクチュエータ5aは、上刃31が被加工材6の上面に当接した後、被加工材6に破断面が発生するまでの間に、上刃31の移動量に応じてクリアランスCを増加させる。具体的には、アクチュエータ5aは、上刃31の被加工材6の厚さ方向の移動量に応じて下刃21を上刃31から離隔させる。このようにして、本実施形態において、アクチュエータ5aはクリアランス調節機構として機能する。なお、アクチュエータ5aは、上刃31の移動量に応じて下刃21を連続的に上刃31から離隔させてもよいし、あるいは上刃31の移動量に応じて下刃21を段階的に上刃31から離隔させてもよい。また、アクチュエータ5aは、上刃31の厚さ方向の移動量に応じて決定される単一のタイミングで下刃21を所定の距離だけ上刃31から離隔させてもよい。
図2Aから図2Cは、図1に示すせん断加工装置1の動作および被加工材6の挙動を模式的に示す図である。
図2Aには、上刃31が被加工材6の上面に当接した状態が示されている。このとき、クリアランスCはcに設定されている。以下の説明では、このときの上刃31の移動量H(被加工材6の厚さ方向の移動量)を0とする。図2Aに示す状態から、上刃31がさらに移動して被加工材6に押し込まれ始めることによって、被加工材6の内部では材料の塑性変形と、それに伴う加工硬化とが始まる。このとき、材料の加工硬化は、下刃21と上刃31とを結ぶ面に沿った領域R1Aに集中する。
本実施形態では、図2Aの状態が、被加工材6の厚さ方向に垂直な面方向に作用点のクリアランスをもって、被加工材6にせん断力を作用することを開始する工程(加工開始)に相当する。
図2Bには、図2Aに示す状態から上刃31がさらに移動して被加工材6に押し込まれた状態が示されている。このとき、上刃31の移動量Hはhである。図2Aに示す状態の後、アクチュエータ5aがダイ2を移動させ、下刃21が上刃31から離隔したことによって、クリアランスCはcからcまで増加している。被加工材6の内部における材料の加工硬化は、領域R1Bで発生している。領域R1Bは、領域R1Aと比較して、被加工材6の下面側において広がった形状を有する。
図2Cには、図2Bに示す状態から上刃31がさらに移動して、より深く被加工材6に押し込まれた状態が示されている。上刃31の移動量Hはhよりも大きいhである。このとき、被加工材6には破断面61が発生する。図2Bに示す状態の後、アクチュエータ5aがダイ2をさらに移動させ、下刃21が上刃31からさらに離隔したことによって、クリアランスCはcからcまで、さらに増加している。被加工材6の内部における材料の加工硬化は、領域R1Cで発生している。領域R1Cは、領域R1Aと比較して、被加工材6の下面側においてさらに広がった形状を有する。
本実施形態では、図2Bおよび図2Cの状態が、せん断力を作用させることを開始した後、被加工材6に破断面が発生するまでせん断力を作用させる工程(加工終了)と、せん断力を作用させることを開始した後、被加工材6に破断面61が発生するまでの間に、被加工材6の厚さ方向の変形に応じて、クリアランスを増加する工程に相当する。
ここで、図2Cに示されているように、被加工材6の破断面61は、加工硬化が発生している領域R1Cを横切って発生する。従って、破断後の被加工材6の端面には、加工硬化の影響を受けた領域が残ることになる。しかしながら、後述するように、本実施形態では、せん断加工中に上刃31の移動量Hに応じてクリアランスCが増加したことによって、加工硬化が従来よりも広い領域に分散して発生している。それゆえ、本実施形態では、破断後の被加工材6の端面における加工硬化の影響が従来よりも低減されている。
図3Aから図3Cは、図2Aから図2Cと対比して、従来のせん断加工装置の動作および被加工材6の挙動を模式的に示す図である。図示された従来の例では、せん断加工の間を通じて、クリアランスCがc(図2CにおけるクリアランスCと同じ)に固定されている。
図3Aに示す状態において、被加工材6の内部における材料の加工硬化は領域R2Aで発生している。図2Aに示された領域R1Aと同様に、領域R2Aは下刃21と上刃31とを結ぶ面に沿った領域である。
図3Bに示す状態において、被加工材6の内部における材料の加工硬化は領域R2Bで発生している。なお、図2Bに示された領域R1Bは被加工材6の下面側において広がった形状を有していたが、図3Bに示された領域R2Bにはそのような広がりがない。
図3Cに示す状態において、被加工材6の内部における材料の加工硬化は、領域R2Cで発生している。なお、図2Cに示された領域R1Cは被加工材6の下面側においてさらに広がった形状を有していたが、図3Cに示された領域R2Cにはそのような広がりがなく、領域R2Cは下刃21と上刃31とを結ぶ面に沿った比較的狭い領域である。
ここで、図2Cに示される本実施形態と、図3Cに示される従来の例との間では、被加工材6に破断面61が発生するときのクリアランスCが同じ(c)であるため破断後の被加工材6の端面形状に大きな違いはない。また、破断後の被加工材6の端面に加工硬化の影響を受けた領域が残る点も同じである。しかしながら、本実施形態において破断時に加工硬化が発生している領域R1Cは、従来の場合の領域R2Cよりも広い。つまり、本実施形態では、加工硬化が従来よりも広い領域に分散して発生している。従って、本実施形態では、破断後の被加工材6の端面における加工硬化の影響を従来よりも低減することができる。
図4は、本発明の一実施形態におけるクリアランス調節機構の別の例を示す概略的な断面図である。図4を参照すると、この例において、せん断加工装置1は、クリアランス調節機構としてリニアカム機構5bを備える。リニアカム機構5bは、パンチ3に形成される第1傾斜面51と、ダイ2に形成される第2傾斜面52とを含む。第1傾斜面51は、パンチ3に形成された上刃31とともに一体で被加工材6の厚さ方向に移動可能である。また、第2傾斜面52は、第1傾斜面51に摺接し、ダイ2に形成された下刃21とともに一体で被加工材6の面方向に移動可能である。せん断加工装置1には、さらに、被加工材6の面方向でダイ2をパンチ3に向かって付勢するばね22が設けられる。ばね22は、第1傾斜面51と第2傾斜面52とが摺接していないときにクリアランスCを保持する、クリアランス保持機構として機能する。
上記の例では、パンチ3が被加工材6の厚さ方向に移動したことによって第1傾斜面51が第2傾斜面52に接触した時点で、ダイ2が被加工材6の面方向に移動し、下刃21が上刃31から離隔し始める。その後、第1傾斜面51と第2傾斜面とが摺接した状態でパンチ3が被加工材6の厚さ方向への移動を継続すると、それに伴って連続的に下刃21は上刃31から離隔していく。このようにして、上記の例では、リニアカム機構5bが、上刃31の移動量に応じて下刃21を連続的に上刃31から離隔させる。
クリアランス調節機構としてリニアカム機構5bを用いた場合、パンチ3の駆動力を利用してクリアランスCを変化させることができるため、例えば設備の簡略化や工程の高速化が実現できる。これに対して、クリアランス調節機構として上述したアクチュエータ5aを用いた場合、パンチ3の駆動とは独立した動作としてクリアランスCを変化させることができるため、例えばクリアランスCの変化のさせ方(変化量、変化の割合、変化の開始時点および終了時点など)を任意に調節できる。
図5Aおよび図5Bは、本発明の一実施形態におけるクリアランス調節機構のさらに別の例を示す概略的な断面図である。
図4で説明した例では、下刃21が設けられた剛性の高いダイ2を、リニアカム機構5bによって、クリアランスが変化する方向に強制的に移動させることにより、クリアランスCを変化させていた。
これに対して、本例では、図5Aを参照すると、せん断加工装置1のダイ2は、ダイ本体2aと、弾性体5cを備え、剛性の低いダイ本体2aの下刃21を、弾性体5cで支持することにより、クリアランスが変化する方向の下刃21の逃げ方を制御するものである。
ダイ本体2aのクリアランスの変化方向の移動を許容する状態で、弾性体5cがダイ本体2aを支持する。
ダイ本体2aは、下刃21を含む上側部分における、クリアランスが変化する方向での厚さが、上下方向での他の部分より薄い肉薄部分を備えている。
弾性体5cは、パンチ3が被加工材6に接触している状態で、少なくともダイ本体2aの肉薄部分を支持する。
ダイ本体2aおよび弾性体5cは、必ずしも接合されている必要はなく、せん断力の非作用時に離間していてもよい。また、肉薄部分の厚さは上下方向で異なっていてもよい。
弾性体5cは、下刃21の延在方向に沿って連続する状態で配置されていればよい。
弾性体5cの上下方向の長さおよびクリアランス変化方向の長さは、たとえばホルダ4の配置との関係や弾性体5cの弾性率等に基づいて適宜設定される。
弾性体5cは、ダイ本体2aとは反対側で図示しない壁面などに取り付けられている。下刃21が受ける被加工材6の面方向の押圧力により、弾性変形した下刃21の上側部分は、クリアランスが変化する方向に弾性変形する。弾性体5cは、被加工材6の面方向に垂直な方向から下刃21が受ける押圧力に対抗する弾性力を、下刃21を含むダイ本体2aに与える。これにより、下刃21に作用する被加工材6の面方向の押圧力が徐々に増大するに伴って、弾性変形したダイ本体2aの上側部分が弾性変形した弾性体5cに支持された状態で徐々に被加工材6の面方向の押圧力の向きに移動する。
なお、ダイ本体2aが肉薄部分を備えない構成としてもよい。この場合は、ダイ本体2aの全体を、被加工材6の面方向に沿って移動自在に取り付け、弾性体5cが、ダイ2の移動を許容する状態で支持することになる。下刃21に作用する被加工材6の面方向の押圧力が徐々に増大するに伴って、ダイ本体2aの全体が被加工材6の面方向に沿って移動することで、下刃21が徐々に被加工材6の面方向の押圧力の向きに移動する。
せん断加工装置1では、上刃31を含むパンチ3が被加工材6の上面に当接した後、さらに被加工材6の厚さ方向に移動するに伴って、下刃21を含むダイ2に被加工材6の面方向の押圧力、具体的には下刃21が上刃31から離隔する向きの押圧力が作用する場合がある。押圧力は、上刃31の移動に伴って徐々に増大する。この場合、上記のように弾性体5cが押圧力に対抗する弾性力をダイ本体2aに与えることによって、上刃31の移動量に応じてクリアランスCを連続的に増加させることができる。
なお、この例において、弾性体5cの初期厚さ(被加工材6がない場合、または上刃31が被加工材6に当接していない場合の厚さ)や、弾性体5cの特性は、クリアランスCの初期値cに応じて決定される。また、弾性体5cの弾性率(ヤング率)等の特性は、上刃31の移動量Hに対するクリアランスCの適切な増加割合に応じて決定される。
また、弾性体5cに代えて、コイルばねや空気ばねを利用した機械的な弾性手段を用いてもよい。例えば、下刃21の裏面に下刃21を支持する支持部を設け、さらに支持部の移動ととともに駆動するカム機構、リンク機構等を設け、カム機構およびリンク機構が所定量だけ駆動したら、コイルばね、空気ばねに圧縮力を作用させ、下刃21の押圧力に対抗する弾性力をダイ本体2aに与えてもよい。
図6は、本発明の一実施形態におけるクリアランス調整機構のさらに別の例を示す概略的な断面図である。図6を参照すると、この例において、待機状態のパンチ3は、図6の実線で示される位置に配置されている。パンチ3が、図6の実線で示される位置にあると、被加工材6の法線方向から見たときに、パンチ3の上刃31が、ダイ2の存在領域に位置している。
次に、パンチ3が下降を開始する前、下降を開始すると同時、または、下降を開始した後のいずれかのタイミングでダイ2に対してパンチ3が後退し、パンチ3が被加工材6の面に到達すると、パンチ3は図6の二点鎖線で示される位置に位置する。パンチ3が図6の二点鎖線で示される位置にあると、パンチ3がクリアランスC=cを持った状態で被加工材6の上面と当接している。
すなわち、待機状態では、パンチ3はどの位置で待機していてもよく、パンチ3が駆動し、被加工材6の面に到達するまでにまたは到達すると同時に、パンチ3およびダイ2がクリアランスC=cを確保できる位置となるように待機状態からのパンチ3の移動が完了すればよい。
なお、図6では、ダイ2に対して、パンチ3が移動する形で説明をしているが、ダイ2およびパンチ3の移動は、相対移動する場合を含むものであればよい。たとえば、パンチ3に対してダイ2が移動する場合であっても、ダイ2およびパンチ3の両者が移動する場合であってもよい。
図7は、本発明の一実施形態におけるクリアランス調整のさらに別の例を示す概略的な断面図である。図7を参照すると、この例においては、せん断加工設備7は、搬送装置8、およびせん断加工装置1Aからせん断加工装置1Cを備え、搬送装置8に沿って配置されたせん断加工装置1A、せん断加工装置1B、せん断加工装置1Cで分担して、被加工材6の加工を行う。なお、本実施形態では、それぞれのせん断加工装置1A、1B、1Cには、クリアランス調節機構は設けられてはいない。
搬送装置8は、ロボットアームや、ベルトコンベア等から構成され、せん断加工装置1Aからせん断加工装置1Cの順番で被加工材6を上流から下流に向かって搬送する。
せん断加工装置1Aでは、クリアランスがC=cに設定されている。せん断加工装置1Bでは、せん断加工装置1Aのクリアランスよりも大きなクリアランスC=cに設定されている。せん断加工装置1Cでは、せん断加工装置1Bのクリアランスよりも大きなクリアランスがC=cに設定されている。
そして、せん断加工装置1Aにより、被加工材6をクリアランスC=c、押込量(被加工材6の厚さ方向における上刃31および下刃21の移動量)H=0の状態で押圧力を作用させる。この状態で図2Aに示す加工硬化領域R1Aが発生したら、搬送装置8により、被加工材6をせん断加工装置1Bに移動し、せん断加工装置1Bにより、被加工材6を、図2Bに示すクリアランスC=c、押込量H=hまで加工する。最後に、搬送装置8により、被加工材6をせん断加工装置1Cに移動し、せん断加工装置1Cにより、被加工材6を図2Cに示すクリアランスC=c、押込量H=hまで加工する。つまり、本例においては、複数のせん断加工装置1A、1B、1Cは、搬送経路の上流から下流に向かうにしたがって、クリアランスが大きくなっていくように配置される。
上記例では、せん断加工設備が、3台のせん断加工装置1A、1B、1Cを備えるものを例示したが、せん断加工設備がせん断加工装置を2台または4台以上備えていてもよい。なお、せん断加工装置を3台以上備える場合、せん断加工装置1Aに設定されたクリアランスC=c、せん断加工装置1Bに設定されたクリアランスC=c、せん断加工装置1Cに設定されたクリアランスC=cを維持した状態で、被加工材6における他の部位の加工を行ってもよい。
このように複数のせん断加工装置1Aからせん断加工装置1Cを用いても、被加工材6の厚さ方向に垂直な面方向に作用点のクリアランスをもって、被加工材6にせん断力を作用させることを開始する工程と、せん断力を作用させることを開始した後、被加工材6に破断面61が発生するまでせん断力を作用させる工程と、せん断力を作用させることを開始した後、前記被加工材に破断面が発生するまでの間に、被加工材6の厚さ方向の変形に応じて、クリアランスを増加する工程と、を実施できる。従って、前述と同様な作用および効果を享受できる。
なお、本発明の実施形態におけるクリアランス調節機構の例は、上記の例には限られない。例えば、クリアランス調節機構として、せん断加工中に交換可能な複数のダイ2を用いてもよい。この場合、異なるクリアランスCに対応する複数のダイ2を、上刃31の移動量Hに応じて順次交換して用いることによって、クリアランスCを段階的に変化させることができる。また、クリアランスCの初期値(図2Aに示されたクリアランスc)および終了値(図2Cに示されたクリアランスc)に対応する2種類のダイ2を、上刃31の移動量Hに応じて決定される単一のタイミングで交換して用いることによって、クリアランスCを増加させてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明した。なお、図1の断面図に示されたようなせん断加工装置の構成は、必ずしもせん断加工装置の全体について共通でなくてもよい。つまり、本実施形態に係るせん断加工装置は、せん断加工部分の一部において、上述のようなクリアランス調節機構(アクチュエータ5a、リニアカム機構5bなど)が設けられる一方で、せん断加工部分の他の部分にはクリアランス調節機構が設けられず、従ってクリアランスが固定されるものであってもよい。より具体的には、例えば、伸びフランジ割れが発生しやすい曲線部分に限定してクリアランス調節機構が配置されてもよい。
続いて、本発明の実施例について説明する。なお、以下で説明する実施例に共通して、被加工材は引張強度615MPaの鋼板であり、板厚は1mmである。また、せん断加工は直径10mmのパンチを用いた穴抜きである。ダイについては、穴部分の内径が10.1mmから10.4mmまで0.025mm刻みで変化する12種類を用意し、以下で図8および図9を参照して説明するところに従って順次交換しながらせん断加工を実施した。
図8は、クリアランスを連続的に増加させた本発明の実施例について説明するためのグラフである。図8に示すグラフでは、実施例1から実施例7におけるクリアランスCと、上刃の移動量Hとの関係が示されている。なお、以下の実施例の説明において、クリアランスCは板厚tに対する割合(C/t)で記述される。各実施例では、ダイの交換によってクリアランスCが0.05mmから0.2mmまで0.0125mm刻みで増加するが、この場合C/tは5%から20%まで、1.25%刻みで増加することになる。また、以下の実施例の説明において、移動量Hは、基準移動量H_refに対する割合(H/H_ref)で記述される。ここで、基準移動量H_refは、実施例と同様の被加工材を、クリアランスを最大値(C/t=20%)に固定してせん断した場合に、破断面が発生する移動量Hに対応する。基準移動量H_refは予め行われた試験によって測定され、各実施例に共通してクリアランスCの制御のための指標として用いられている。
図示されている各実施例では、H/H_refが0から所定値(実施例1では10%、実施例2では20%、実施例3では40%、実施例4では60%、実施例5では80%、実施例6では90%、実施例7では100%)に達するまでの間に、上記の12種類のダイを順次交換することによって、C/tが5%から20%まで疑似連続的に増加させられている。H/H_refが所定値に到達した後は、C/tを20%に維持したまま、被加工材に破断面が発生するまで上刃の移動を継続した。
図9は、クリアランスを段階的に増加させた本発明の実施例について説明するためのグラフである。図9に示すグラフでは、実施例4および実施例4sにおけるクリアランスC(C/t)と、上刃の移動量H(H/H_ref)との関係が示されている。なお、実施例4のグラフは、図8に示されたものと同一である。実施例4sでは、実施例4と同程度の移動量Hの範囲で、ダイを順次交換することによってC/tが5%から20%まで増加させられている。ただし、実施例4sでは、上記の12種類のダイのうち4種類だけを使用することで、クリアランスCが0.0375mm刻みで(すなわち、C/tが3.75%刻みで)段階的に変化するようにしている。
図10Aおよび図10Bは、本発明の実施例および比較例における破断後の被加工材の端面形状を示す写真である。図10Aには、上記で図8に示した実施例6における破断後の被加工材の端面形状が示されている。図10Bには、各実施例と同様の被加工材を、クリアランスを最大値(C/t=20%)に固定してせん断した比較例(比較例1)における、破断後の被加工材の端面形状が示されている。これらの写真に示されているように、実施例6と比較例1との間で、破断後の被加工材の端面形状に大きな差異はなかった。実施例2から実施例5および実施例7についても同様に、比較例1との間で破断後の被加工材の端面形状に大きな差異はなかった。実施例1のみ、比較例1に比べて若干の端面形状の変化が見られたが、この点については後述する。
図11は、本発明の実施例および比較例における破断後の被加工材の端面の平均ビッカース硬さを示すグラフである。それぞれの例において、硬さは、破断後の被加工材を端面に交差する方向で切断し、端面から80μmの位置で被加工材の厚さ方向に配列された14点の測定点で、ビッカース硬さ試験(JIS Z 2244)を実施することによって測定された。なお、図10Aおよび図10Bにおいて観察される被加工材の端面付近の点は、ビッカース硬さ試験の測定点である。図11のグラフには、それぞれの例におけるビッカース硬さ試験の測定値の全測定点での平均値(Hv_ave)が示されている。
グラフを参照すると、実施例1から実施例7、および実施例4sのすべてにおいて、Hv_aveの値は比較例1を下回っており、各実施例において破断後の被加工材の端面における加工硬化の影響が低減されていることがわかる。一方、各実施例を比較すると、Hv_aveの値が特に小さいのは、クリアランスCが連続的に増加し、かつクリアランスCの増加がH_refの20%〜80%にあたる移動量Hの範囲で実行される場合(実施例2から実施例5)であった。なお、実施例1については、上述のように比較例1および他の実施例に比べて若干の端面形状の変化が発生したために、硬さが他の実施例よりもやや大きかったものと考えられる。
図12は、本発明の実施例および比較例における破断後の被加工材の穴広げ性を示すグラフである。それぞれの例において、穴広げ性は、上記のように直径10mmのパンチを用いて穴抜き加工された被加工材に対して、穴広げ試験(JIS Z 2256)を実施することによって測定された。図12のグラフには、それぞれの例における穴広げ試験によって測定された穴広げ率(λ)が示されている。
グラフを参照すると、実施例1から実施例7、および実施例4sのすべてにおいて、λの値は比較例1を上回っており、各実施例において破断後の被加工材の穴広げ性が改善していることがわかる。一方、各実施例を比較すると、λの値が特に大きいのは、クリアランスCが連続的に増加し、かつクリアランスCの増加がH_refの20%〜80%にあたる移動量Hの範囲で実行される場合(実施例2〜実施例5)であった。なお、実施例1については、上述のように比較例および他の実施例に比べて若干の端面形状の変化が発生したために、穴広げ性が他の実施例よりもやや低下したものと考えられる。
図13は、クリアランスを段階的に増加させた本発明の別の実施例について説明するためのグラフである。図13に示すグラフでは、実施例8および実施例9におけるクリアランスC(C/t)と、上刃の移動量H(H/Href)との関係が示されている。実施例8は、クリアランスCを段階的に増加させた例であり、C/tの初期値を5%としてせん断加工を開始した後、H/Hrefが16%、32%、および48%の時にそれぞれC/tが3.75%刻みで増加するようにダイを交換している。これによって、C/tは、初期値の5%から最大値の20%まで4段階で増加する。実施例9は、実施例8と同様にクリアランスCを段階的に増加させた例であるが、H/Hrefが32%、64%、および96%の時にダイを交換することによって、C/tをより緩やかに増加させている。
図14は、図13に示された実施例および比較例におけるサイドベンド試験の開口率を示すグラフである。なお、サイドベンド試験については、吉田、外5名、「伸びフランジ成形性の評価方法と対策技術」、新日鉄技報、新日本製鐵株式会社、2012年、第393号、p.18-24に詳細に記載されている。図12には、図11に示された実施例8および実施例9、ならびにクリアランスを最大値(C/t=20%)に固定してせん断した比較例1における、サイドベンド試験の開口率が示されている。グラフを参照すると、実施例8および実施例9のいずれにおいても開口率は比較例1を上回っており、両実施例において伸びフランジ性が向上していることがわかる。一方、実施例8と実施例9とを比較すると、開口率がより大きいのは、C/tをより緩やかに増加させた実施例9であった。
ここで、上述した実施例1から実施例7では、クリアランスCの増加がH_refの80%を超える移動量Hの範囲で実行される実施例6および実施例7において、ビッカース硬さ試験の測定値や穴広げ率の改善は認められるものの、改善幅は実施例2から実施例5に比べてやや小さいという結果が見られた。これに対して、実施例8と実施例9との間では、クリアランスCの増加がH/H_ref=48%で終了した実施例8よりも、クリアランスCの増加がH/H_ref=96%で終了した実施例9の方が開口率の改善幅が大きいことが示された。この結果によって、せん断加工後の被加工材に要求される特性によっては、クリアランスCを増加させる工程をH_refの80%以下の移動量Hの範囲で実行するのがよいとは限らず、むしろHrefの80%を超える移動量Hの範囲まで実行した方がよい場合もあることが示されたといえる。
図15は、クリアランスの相対移動量に応じて決定される単一のタイミングで増加させた本発明の実施例について説明するためのグラフである。図15に示すグラフでは、比較例2、実施例10、実施例11、および実施例12におけるクリアランスC(C/t)と、上刃の移動量H(H/H_ref)との関係が示されている。
比較例2では、始めからC/tが最大値の20%に増加するようにダイを固定している。
実施例10では、H/Hrefが32%のタイミングで、C/tが最大値の20%まで増加するようにダイを交換している。
一方、実施例11では、H/Hrefが64%のタイミングで、C/tが5%から20%まで増加するようにダイを交換している。
さらに、実施例12では、H/H_refが96%のタイミングで、C/tが5%から20%まで増加するようにダイを交換している。
図16は、図15に示された実施例10から実施例12および比較例2におけるサイドベンド試験の開口率を示すグラフである。図16には、図15に示された比較例2および実施例10から実施例12における、サイドベンド試験の開口率が示されている。図16を参照すると、比較例2では、開口率が46%と低くなっているが、ダイの交換のタイミングとなるH/H_refを大きくすると、開口率が徐々に大きくなっており、実施例12では、開口率が大幅に向上している。
実施例10から実施例12に示すように、サイドベンド試験の開口率が向上したのは、以下の知見によるものと推測される。
まず、図17Aに示すように、パンチ3の上刃31による加工当初は、クリアランスC=cの状態で被加工材6の加工が開始され、上刃31および下刃21の間に加工硬化領域R3Aが生じる。そのまま、上刃31が下降すると、図17Bに示すように、被加工材6に加工硬化領域R3Bが拡大する。
さらに、上刃31が下降すると、図17Cに示すように、最も加工硬化の進んだ領域R3Cとなり、破断面が生じる直前となる。この際、ダイ2の下刃21を後退させると、図17Dに示すように、上刃31および下刃21間を結ぶ破断面61は、加工硬化が生じた領域R3Cではなく、加工硬化が生じていない領域に到達する。
これにより、被加工材6の端部に加工硬化の領域がほとんど生じなくなるため、加工後の被加工材6は、加工硬化の影響を受けていない領域が破断面となり、開口率が大きくなる。
上記の結果によって、移動量Hに応じてクリアランスCを増加させる例として、移動量Hに応じてクリアランスCを連続的に、または段階的に増加させる例だけではなく、移動量Hに応じて決定される単一のタイミングでクリアランスCを増加させる例も、破断後の部材端面における加工硬化の影響を低減するために有効であることが示されたといえる。ただし、クリアランスCを増加させるタイミングによっては、実施例10および実施例11のように十分な効果が得られない場合もありうるため、試験等によって移動量Hに応じた適切なタイミングを予め決定しておく必要がある。
なお、図16から判るように、ダイ交換となるタイミングH/H_refが、破断面61が生じる直前に近ければ近いほど開口率が向上している。したがって、最もよいタイミングは、破断面61が生じる直前のタイミングで、クリアランスCを増加させるのがよいと推定される。
以上で説明したような実施例によって、本発明が、破断後の被加工材の端面における加工硬化の影響を低減し、後処理における穴広げ等の加工性を向上させるために有効であることが示された。
なお、上記の実施例では、クリアランスCを増加させる工程が移動量Hが0の時点、すなわち上刃が被加工材の上面に当接した直後から開始されたが、当該工程を移動量Hが0よりも大きい所定の値になった時点から、すなわち上刃が被加工材にある程度押し込まれた途中の時点から開始してもよい。
また、上記の実施例では、引張強度615MPaの鋼板を被加工材としてせん断加工を実施したが、本発明者らの知見によれば、本発明をより効果的に実施できる被加工材は、引張強度270MPa以上の、比較的強度が高い鋼板である。その理由は、上記で本発明の一実施形態として説明したような被加工材の挙動は、せん断加工時に延性破壊亀裂が発生することを前提にしたものであるが、強度が低い鋼板では局部変形能に優れるため、そのような延性破壊亀裂が発生しにくいためである。本発明者らの知見によれば、例えば引張強度980MPa以上の高強度鋼板であれば、せん断加工中に延性破壊亀裂が安定して生じるため、本発明は効果的に実施できる。
また、上記の実施例では、板厚が1mmの鋼板を被加工材としてせん断加工を実施したが、本発明者らの知見によれば、本発明をより効果的に実施できる被加工材は、板厚が0.2mm以上、2mm以下の鋼板である。その理由は、板厚が小さすぎると、それに伴ってクリアランスCの値も小さくなり、クリアランス調節機構によるクリアランスCの安定的な制御が困難になるためである。一方、板厚が大きすぎると、クリアランスCが変化したことに伴って端面形状の変化が生じる場合が多く、被加工材の端面における加工硬化の影響を低減する効果が得られにくいためである。なお、被加工材の材質、およびせん断加工部分の形状などによっては、板厚が0.1mm以上、4mm以下、あるいは板厚が0.05mm以上、8mm以下の場合も、本発明の効果的な実施が可能でありうる。また、本発明における被加工材は必ずしも鋼板には限られず、他の金属材料、例えばアルミニウム合金などの板であってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1A、1B、1C…せん断加工装置、2…ダイ、21…下刃、22…ばね、3…パンチ、31…上刃、4…ホルダ、5a…アクチュエータ、5b…リニアカム機構、5c…弾性体、51…第1傾斜面、52…第2傾斜面、6…被加工材、61…破断面、7…せん断加工設備、8…搬送装置。

Claims (19)

  1. 板状の被加工材の厚さ方向にせん断力を作用させて前記被加工材を破断するせん断加工方法であって、
    前記被加工材の厚さ方向に垂直な面方向に作用点のクリアランスをもって、前記被加工材にせん断力を作用させることを開始する工程と、
    前記せん断力を作用させることを開始した後、前記被加工材に破断面が発生するまでせん断力を作用させる工程と、
    前記せん断力を作用させることを開始した後、前記被加工材に破断面が発生するまでの間に、前記被加工材の厚さ方向の変形に応じて、前記クリアランスを増加させる工程と
    を含む、せん断加工方法。
  2. 下刃と、前記下刃と前記被加工材の厚さ方向に相対的に移動可能な上刃とを備え、前記被加工材の面方向に沿った前記下刃および前記上刃のクリアランスが異なる複数のせん断加工装置により実施され、
    前記クリアランスを増加させる工程は、前記複数のせん断加工装置のうち、クリアランスの小さなせん断加工装置から、クリアランスの大きなせん断加工装置の順に、前記被加工材にせん断力を作用させていく、
    請求項1に記載のせん断加工方法。
  3. 前記被加工材の下面に当接する下刃と、前記被加工材の厚さ方向では前記下刃に対して相対的に移動可能な上刃とを備えた1台のせん断加工装置により実施され、
    前記下刃を前記被加工材の下面に当接させる工程と、
    前記被加工材の面方向に沿って前記下刃とクリアランスをもって前記上刃を前記被加工材の上面に当接するまで前記厚さ方向に移動させる工程と、
    前記被加工材の上面に当接した前記上刃を、前記被加工材に破断面が発生するまでさらに前記被加工材の厚さ方向に移動させる工程と、
    前記上刃が前記被加工材の上面に当接した後、前記破断面が発生するまでの間に、前記被加工材の厚さ方向における前記上刃および前記下刃の相対移動量に応じて前記クリアランスを増加させる工程と
    を含む、請求項1に記載のせん断加工方法。
  4. 前記下刃は、前記被加工材の面方向で前記上刃に対して相対的に移動可能であり、
    前記クリアランスを増加させる工程は、前記被加工材の厚さ方向における前記上刃および前記下刃の相対移動量に応じて前記下刃および前記上刃を相対的に離隔させる工程を
    含む、請求項3に記載のせん断加工方法。
  5. 前記クリアランスを増加させる工程は、前記被加工材の厚さ方向における前記上刃および前記下刃の相対移動量に応じて、前記クリアランスを連続的に増加させる工程を
    含む、請求項3または4に記載のせん断加工方法。
  6. 前記クリアランスを増加させる工程は、前記被加工材の厚さ方向における前記上刃および前記下刃の相対移動量に応じて、前記クリアランスを段階的に増加させる工程を
    含む、請求項3または4に記載のせん断加工方法。
  7. 前記クリアランスを増加させる工程は、前記被加工材の厚さ方向における前記上刃および前記下刃の相対移動量に応じて決定される単一のタイミングで前記クリアランスを増加させる工程を含む、請求項3または4に記載のせん断加工方法。
  8. 前記クリアランスを増加させる工程は、前記クリアランスが所定値に固定された場合に、前記上刃が前記被加工材の上面に当接してから前記破断面が発生するまでの前記被加工材の厚さ方向における前記上刃および前記下刃の相対移動量に対応する基準移動量の20%以上の移動量の範囲で実行される、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のせん断加工方法。
  9. 前記被加工材は、引張強度が270MPa以上の鋼板である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のせん断加工方法。
  10. 前記被加工材は、板厚が0.2mm以上、2mm以下の鋼板である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のせん断加工方法。
  11. 下刃と、
    前記下刃に対して接近離間方向に移動可能であり、前記接近離間方向に垂直な方向では、クリアランスをもって前記下刃に対向する上刃と、
    前記上刃の接近方向の移動量に応じて、前記クリアランスを増加させるクリアランス調節機構と
    を備えるせん断加工装置。
  12. 前記下刃は、前記上刃の接近離間方向に垂直な方向に相対的に移動可能であり、
    前記クリアランス調節機構は、前記上刃および前記下刃の接近方向の相対移動量に応じて前記下刃を前記上刃から離隔させる、請求項11に記載のせん断加工装置。
  13. 前記クリアランス調節機構は、前記クリアランスを前記上刃および前記下刃の接近方向の相対移動量に応じて連続的に増加させる、請求項11または請求項12に記載のせん断加工装置。
  14. 前記クリアランス調節機構は、
    前記上刃および前記下刃の相対移動方向に、前記上刃とともに一体で移動可能な第1傾斜面と、
    前記第1傾斜面に摺接し、前記上刃および前記下刃の相対移動方向とは垂直な方向に、前記下刃とともに一体で移動可能な第2傾斜面と、
    を含み、
    前記せん断加工装置は、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とが摺接していない状態において、前記クリアランスを保持するクリアランス保持機構をさらに備える、請求項13に記載のせん断加工装置。
  15. 前記クリアランス調節機構は、前記上刃の接近方向の移動に伴って、前記上刃の接近方向に垂直な方向から前記下刃が受ける押圧力に対抗する弾性力を前記下刃に与える弾性手段を含む、請求項13に記載のせん断加工装置。
  16. 前記クリアランス調節機構は、前記上刃および前記下刃の接近方向の相対移動量に応じて前記クリアランスを段階的に増加させる、請求項11または請求項12に記載のせん断加工装置。
  17. 前記クリアランス調節機構は、前記上刃および前記下刃の接近方向の相対移動量に応じて決定される単一のタイミングで前記クリアランスを増加させる、請求項11または請求項12に記載のせん断加工装置。
  18. 前記クリアランス調節機構は、加工開始から加工終了までの前記上刃および前記下刃の相対移動量に対応する基準移動量の20%以上の移動量の範囲で前記クリアランスを増加させる、請求項11から請求項17のいずれか1項に記載のせん断加工装置。
  19. 被加工材を搬送する搬送装置と、前記搬送装置の搬送経路に沿って配置され、前記被加工材に対するせん断加工を分担して行う複数のせん断加工装置とを備えたせん断加工設備であって、
    前記複数のせん断加工装置のそれぞれは、下刃と、前記下刃に対して接近離間方向に移動可能であり、前記接近離間方向に垂直な方向では、クリアランスをもって前記下刃に対向する上刃とを備え、
    前記複数のせん断加工装置は、前記搬送経路の上流から下流に向かうにしたがって、前記クリアランスが大きくなっていくように配置される
    せん断加工設備。
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