JPWO2018179336A1 - 硬化性樹脂組成物、ガラス部材、表示装置及び携帯端末 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ガラス部材、表示装置及び携帯端末 Download PDF

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Abstract

ガラス基材の端部を保護する硬化物を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物であって、該組成物は、第1のラジカル重合性化合物と、リン酸エステル構造を有する第2のラジカル重合性化合物と、ラジカル開始剤と、を含有し、第2のラジカル重合性化合物の含有量が、第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜5質量部である。

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、ガラス部材、表示装置及び携帯端末に関する。
スマートフォン、タブレット等の携帯端末では、大画面化と、軽量化を目的とした薄型化とが進んでいる。それに伴い、カバーガラス、液晶ディスプレイに使用されるガラス基板等のガラス部材も薄型化が進んでいる。カバーガラスには強度の高い化学強化ガラスが広く採用されているが、化学強化ガラスであっても端部に衝撃が加わるとクラックが発生する場合がある。
ガラス基材の端部の強度及び耐クラック性を高めるために、ガラス基材の外周をポリマーコーティングなどのプラスチック膜で縁取る方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2012−111688号公報 特表2012−527399号公報
ガラス基材の端面に樹脂製の保護膜を設ける場合、生産性及びプロセスの容易性の観点から、塗布が可能な硬化性の樹脂組成物を用いることが望ましい。しかし、塗料等に使用される一般的なUV硬化型の樹脂組成物では、ガラスの表面に繰り返しの衝撃に耐え得る硬化物を設けることが困難である。特に、高温環境下におかれた硬化物は、ガラスに対する接着力が低下しやすく、ガラスを保護する機能が不足する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガラスとの接着性に優れた硬化物を形成することができる硬化性樹脂組成物、保護機能に優れた硬化物を有するガラス部材、並びに、係るガラス部材を備える表示装置及び携帯端末を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、ラジカル重合系の樹脂組成物に、特定の構造を有するラジカル重合性化合物を特定量配合することにより、高温環境下であってもガラスに対する接着力を充分維持できる硬化物を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1のラジカル重合性化合物と、リン酸エステル構造を有する第2のラジカル重合性化合物と、ラジカル開始剤と、を含有する、硬化性樹脂組成物であって、第2のラジカル重合性化合物の含有量が、第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜5質量部であり、ガラス基材の端部を保護する硬化物を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の硬化性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、高温環境下であってもガラスに対する充分な接着力を維持できる硬化物を形成することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、第2のラジカル重合性化合物の含有量が、第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜1.5質量部であることが好ましい。この場合、高湿環境下であっても、ガラスに対する接着力を充分維持できる硬化物を形成することができる。
さらに、第2のラジカル重合性化合物の含有量が、第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜0.5質量部であることが好ましい。この場合、高温環境下であっても或いは高湿環境下であっても、ガラスに対する接着力を長期にわたって充分維持できる硬化物を形成することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、UV硬化性であってもよい。
本発明はまた、ガラス基材と、該ガラス基材の端部の少なくとも一部に設けられた上記本発明に係る硬化性樹脂組成物の硬化物とを備えるガラス部材を提供する。
本発明のガラス部材は、端部が本発明に係る硬化性樹脂組成物の硬化物によって保護されていることにより耐クラック性に優れたものになり得る。また、本発明のガラス部材は、高温環境下であっても充分な耐クラック性を有することができる。
本発明はまた、上記本発明に係るガラス部材を備える表示装置を提供する。
本発明はまた、上記本発明に係るガラス部材を備える携帯端末を提供する。
本発明によれば、ガラスとの接着性に優れた硬化物を形成することができる硬化性樹脂組成物、保護機能に優れた硬化物を有するガラス部材、並びに、係るガラス部材を備える表示装置及び携帯端末を提供することができる。
図1(a)は、本発明に係るガラス部材の一実施形態を示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されるガラス部材の断面を示す模式断面図である。 図2は、本発明に係るガラス部材の端部の拡大写真を示す図である。 本発明に係る表示装置の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<硬化性樹脂組成物>
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、(A)第1のラジカル重合性化合物(以下、(A)成分という場合もある)と、(B)リン酸エステル構造を有する第2のラジカル重合性化合物(以下、(B)成分という場合もある)と、(C)ラジカル開始剤(以下、(C)成分という場合もある)とを含有する。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、ガラス基材の端部を保護する硬化物を形成するために用いることができる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、光硬化性、熱硬化性、湿気硬化性、2液反応硬化性であってもよい。生産性、安定性、タクトタイムの観点から、光硬化性であることが好ましく、紫外線(UV)硬化性であることがより好ましい。
光硬化性樹脂組成物の場合、硬化には、紫外線が好ましく用いられる。使用される光源は、特に限定されず、例えば、LEDランプ、水銀ランプ(低圧、高圧、超高圧等)、メタルハライドランプ、エキシマランプ、キセノンランプ等が挙げられ、好ましくは、LEDランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ等である。
熱硬化性樹脂組成物の場合、硬化には、高温反応炉が好ましく用いられる。
((A)第1のラジカル重合性化合物)
(A)成分としては、ラジカル重合性基を有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基(エテニル基)、エチニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基等の炭素−炭素二重結合を有する基が挙げられる。(A)成分は、硬化後の物理特性(例えば硬化収縮率、表面硬化性、硬化速度、外観)の観点から、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を含むことが好ましい。
ラジカル重合性基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(以下、(A−1)成分という場合もある)、(メタ)アクリルアミド系単量体(以下、(A−2)成分という場合もある)、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物(以下、(A−3)成分という場合もある)等が挙げられる。(A)成分は、後述する(B)リン酸エステル構造を有する第2のラジカル重合性化合物とは異なる化合物が使用される。
1官能の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート、(メタ)アクリル酸とグリシジルエステル(例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「カージュラーE−10」)との反応物等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2官能の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(A−1)成分として、後述する(A−3)成分、その他の添加成分との相溶性、また、硬化時の硬度特性等の観点から、1官能の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を用いることが好ましく、1官能の脂環式(メタ)アクリレートを用いることがより好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレートを用いることがさらに好ましい。
(メタ)アクリルアミド系単量体としては、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、n−プロピル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジ−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、n−ペンチル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−ペンチル(メタ)アクリルアミド、n−へキシル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−へキシル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
(A−2)成分として、後述する(A−3)成分、その他の添加成分との相溶性、また、硬化時の硬度特性等の観点から、(メタ)アクリロイルモルホリンを用いることが好ましい。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも1個有することができる。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO及びPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としてウレタンオリゴマーも好ましく用いられる。
(A−3)成分の重量平均分子量は、液状状態での塗布性、ハンドリング性、硬化後の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性等の観点から、好ましくは800以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは4,000以上である。また、(A−3)成分の重量平均分子量は、同様の観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは9,000以下、更に好ましくは7,000以下である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用する。
市販品として、例えば、根上工業株式会社製の「アートレジン UN−904」、「アートレジン UN−6060S」等が挙げられる。
上述した(A)成分のうち、(A−1)成分と(A−2)成分とを組み合わせて用いることが好ましく、(A−1)成分として1官能の(メタ)アクリル酸エステル系単量体と(A−2)成分とを組み合わせて用いることがより好ましい。
(A−1)成分及び(A−2)成分の合計含有量は、液状状態での塗布性、ハンドリング性、硬化後の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性の観点から、硬化性樹脂組成物の全質量を基準として、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。また、(A−1)成分及び(A−2)成分の合計含有量は、液状状態での塗布性、ハンドリング性、硬化後の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性の観点から、硬化性樹脂組成物の全質量を基準として、90質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
(A−3)成分の含有量は、液状状態での塗布性、ハンドリング性、硬化後の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性の観点から、硬化性樹脂組成物の全質量を基準として、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。また、(A−3)成分の含有量は、液状状態での塗布性、ハンドリング性、硬化後の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性の観点から、硬化性樹脂組成物の全質量を基準として、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
((B)第2のラジカル重合性化合物)
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物としては、リン酸基及びリン酸エステル基から選択されるいずれか少なくとも1種と、少なくとも1種のラジカル重合性基とを有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基(エテニル基)、エチニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基等の炭素−炭素二重結合を有する基が挙げられる。(B)成分は、(メタ)アクリロイルオキシ基と、リン酸エステル構造を有する化合物を含むことが好ましい。
(B)成分としては、例えば、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシブチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシペンチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート等の下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
[式中、Rは水素又はメチル基を、Rは直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を、nは1以上の数を、mは1〜3の数を表す。]
式(1)で表される化合物において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9、更に好ましくは1〜6である。nは、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3である。mは、好ましくは1〜2であり、より好ましくは1である。
また、(B)成分としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
[式中、Rは水素又はメチル基を、R及びRはそれぞれ独立に、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を、xは1〜3の数を表す。]
式(2)で表される化合物において、R及びRのアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
また、(B)成分として、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニル(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、アリルアルコールアシッドホスフェート等が挙げられる。
さらに、(B)成分は、上述した化合物のモノメタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の塩であってもよい。
(B)成分は、好ましくは式(2)で表される化合物であり、より好ましくは式(2)において、Rがメチル基、Rが−CHCH−であり、Rが−CHCHCHCHCH−であり、xが1.5である。
(B)成分の含有量は、ガラス基材への良好な密着性を得る観点から、(A)成分の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましい。(B)成分の含有量はこの範囲であると、高温環境下であってもガラスに対する充分な接着力を維持できる硬化物を形成することができる。
また、(B)成分の含有量は、高湿環境下でのガラス基材への良好な密着性を得る観点から、(A)成分の合計100質量部に対して、0.05〜1.5質量部であることが好ましい。この場合、高湿環境下であっても、ガラスに対する接着力を充分維持できる硬化物を形成することができる。
さらに、(B)成分の含有量は、更に高水準のガラス基材への密着性を得る観点から、(A)成分の合計100質量部に対して、0.05〜0.5質量部であることが好ましい。この場合、高温環境下であっても或いは高湿環境下であっても、ガラスに対する接着力を長期にわたって充分維持できる硬化物を形成することができる。
((C)ラジカル開始剤)
硬化性樹脂組成物を光硬化性樹脂組成物とする場合には、ラジカル開始剤として光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤には、増感剤と呼ばれるものも包含される。硬化性樹脂組成物を熱硬化性樹脂組成物とする場合には、ラジカル開始剤として熱重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アクリジン;分子内に少なくとも1つのアクリジニル基を有するアクリジン系化合物;ベンゾフェノン;N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルメタノン等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾイルアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン;アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;N−フェニルグリシン;N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物;オニウム塩などが挙げられる。
光硬化性樹脂組成物における(C)成分は、深部硬化性と表面硬化性とのバランス、及び硬化物の物理特性の観点から、芳香族ケトンを含むことが好ましく、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルメタノン、及び/又は、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを含むことがより好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、ジドデシルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2.2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’―アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系化合物が挙げられる。
(C)成分の含有量は、硬化性樹脂組成物を十分に硬化させ、硬化物の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましい。また、(C)成分の含有量は、硬化物の硬化収縮性、表面硬化性、硬度、伸び等の物理特性の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
(添加剤)
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて様々な添加剤を含有してもよい。添加剤として、例えば、着色剤、カップリング剤等の密着性向上剤、重合禁止剤、光安定剤、消泡剤、フィラー、酸化防止剤、連鎖移動剤、チキソトロピー付与剤、可塑剤、難燃剤、離型剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤として、公知の添加剤を使用できる。
着色剤としては、染料、顔料が挙げられる。硬化性樹脂組成物が着色剤を含むことにより、形成される硬化物を保護層としてだけでなく、遮光層或いはデザイン層として機能させることができる。
均一な硬化性樹脂組成物を得る観点から、(A)成分及び(B)成分に溶解する着色剤を選択してもよい。
着色剤が単量体成分に溶解することは、以下の方法により確認できる。50mLのビーカーに、単量体成分10mL(温度25℃)及び着色剤10mg(固形分質量)を加え、ガラス棒を用いて1分間撹拌する。その後、目視で着色剤の固形物が確認できない場合、当該着色剤は単量体成分に溶解すると判断する。
遮光性の観点から、着色剤の可視光の平均透過率が、50%以下、45%以下、又は40%以下であってもよい。ここで、可視光の平均透過率とは、波長400〜700nmの光の平均透過率をいう。可視光の平均透過率は、着色剤が溶解する溶媒100質量部と、着色剤0.1質量部とからなる着色剤溶液の光透過率を、分光測色計(例えば、株式会社コニカミノルタ製「CM−3700A」)を用いて、400〜700nmの範囲で1nm毎に測定し、得られた各測定値の平均値を求め、平均透過率とする方法により測定することができる。着色剤が溶媒に溶解することは、上記の「着色剤が単量体成分に溶解すること」と同じ方法によって確認できる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物であり、着色剤を含む場合、硬化反応を進行させるために照射される光(活性エネルギー線)のピーク波長における着色剤の光透過率(以下、「照射透過率」ともいう。)が、可視光の平均透過率よりも10%以上、20%以上、30%以上高くてもよい。照射光透過率は、60%以上、65%以上、又は70%以上であってもよい。高い照射光透過率を有する着色剤を用いることにより、十分な遮光性を確保しながら、光ラジカル重合による硬化反応を効率的に進行させることができる。着色剤の照射光透過率は、着色剤が溶解する溶媒100質量部と、着色剤0.1質量部とからなる着色剤溶液の、硬化反応を進行させるために照射される光(活性エネルギー線)のピーク波長における着色剤の光透過率を、分解波長は1nmの条件で測定する方法により、決定することができる。測定装置としては、可視紫外分光光度計(例えば、株式会社島津製作所製「UV−2400PC」)を用いることができる。測定範囲は、例えば300〜780nmに設定される。
着色剤は、例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオディン・グリーン、ジアゾイエロー、アニリンブラック、ペリレンブラック、及びフルオランからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。
着色剤の含有量は、可視光を遮光する効果を得る観点から、硬化性樹脂組成物の総量に対して、0.1質量%以上、0.3質量%以上、又は0.5質量%以上であってもよく、10質量%以下、7.5質量%以下、又は5質量%以下であってもよい。
カップリング剤としては、例えば、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤等を用いることができる。チタネート系カップリング剤として、少なくとも炭素数1〜60のアルキレート基を有するチタネート系カップリング剤、アルキルホスファイト基を有するチタネート系カップリング剤、アルキルホスフェート基を有するチタネート系カップリング剤、アルキルパイロホスフェート基を有するチタネート系カップリング剤等が挙げられる。シラン系カップリング剤として、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ピロガロール等のキノン類などが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系オイル、フッ素系オイル、ポリカルボン酸系ポリマー等が挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
硬化性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分、並びに、必要に応じて上述した添加剤を、撹拌により混合することによって製造できる。撹拌は、撹拌子、撹拌羽根等を用いた公知の方法により行えばよい。撹拌時の温度は、例えば、20〜80℃とすることができる。
<ガラス部材>
図1(a)は、本発明に係るガラス部材の一実施形態を示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されるガラス部材の断面を示す模式断面図である。本実施形態のガラス部材100は、ガラス基材1と、該ガラス基材の端部の少なくとも一部に設けられた上記本実施形態に係る硬化性樹脂組成物の硬化物10とを備える。
ガラス基材の端部とは、ガラス基材の少なくとも側面(端面)を含む部分をいい、ガラス基材の側面のみならず、ガラス基材の一方又は両方の面の縁を含む部分であってもよい。ガラス部材100においては、ガラス基材の端面2に硬化物10が設けられている。
(ガラス基材)
ガラス基材の材質は特に限定されない。ガラスとしては、無アルカリガラス、低アルカリガラス、アルカリガラス、石英ガラスなどが挙げられる。イオン交換法により、化学強化されたガラス基材であってもよい。
ガラス基材のサイズ及び厚さも特に限定されず、用途に応じて、適宜定めることができる。一例を挙げると、ガラス基材を携帯電話に用いる場合、サイズは約60mm×120mmであり、厚さは約0.55mmである。
本実施形態のガラス部材は、端部が本発明に係る硬化性樹脂組成物の硬化物によって保護されていることにより耐クラック性に優れたものになり得る。また、本実施形態のガラス部材は、高温環境下であっても充分な耐クラック性を有することができる。
硬化物10は、ガラス基材1の端面2に、本実施形態の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗布層を形成し、光を照射すること又は加熱することによって塗布層を硬化させ、形成することができる。
塗布方法としては、ポッティング法、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の方法が挙げられる。塗布に、シリンジ式ディスペンサー、ジェット式ディスペンサー等のディスペンサーを用いてもよい。
光照射には上述の光源を使用でき、加熱は上述の熱源を使用できる。
図2は、本発明に係るガラス部材の端部の拡大写真を示す図である。この図に示されるように、ガラスの耐クラック性、デザイン性、ハンドリング性を向上させる観点から、硬化物の表面が湾曲していることが好ましい。この場合、ガラス基材の厚さDに対する硬化物の最大厚tの比t/Dが、0.05〜1.5であることが好ましく、0.2〜0.7であることがより好ましい。なお、図では、ガラス基材の端面に沿った面20と、面20の垂線22と硬化物の表面とが交わる点との距離tが硬化物の最大厚として示されている。
本実施形態に係るガラス部材は、硬化物が設けられるガラス基材が他の部材を有していてもよい。例えば、図3に示されるガラス部材110のように、ガラス基材1と他の部材5との接合部の周囲(2及び6)に硬化物10が設けられているものであってもよい。
<表示装置>
本実施形態のガラス部材は表示装置の表示部に用いることができる。すなわち、本発明に係る表示装置は本実施形態のガラス部材を備えることができる。表示装置として、例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)が挙げられ、具体的には、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンスパネル(OELP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、陰極線管(CRT)、電子ペーパー等が挙げられる。
<携帯端末>
本実施形態のガラス部材は携帯端末に用いることができる。例えば、ガラス部材は、携帯端末の表示部に用いられる。携帯端末としては、携帯電話機、スマートフォン、パソコン、電子辞書、電卓、ゲーム機等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では以下の材料を用いた。
(A−1)成分
IBOA:イソボルニルアクリレート(株式会社日本触媒製製)
(A−2)成分
ACMO:アクリロイルモルホリン(株式会社興人製)
(A−3)成分
UN−904:根上工業株式会社製、製品名「アートレジンUN−904」、ウレタンアクリレート系化合物
UN−6060S:根上工業株式会社製、製品名「アートレジンUN−6060S」、ウレタンアクリレート系化合物
(B)成分
PM−21:日本化薬株式会社製、製品名「KAYAMER PM−21」、リン酸エステル
(C)成分
IRG−184:BASF製、製品名「Irgacure 184」
(その他)
ELIXA BLACK 850:オリヱント化学工業株式会社製、黒色着色剤
[硬化性樹脂組成物の調製]
(実施例1)
(A−1)成分としてイソボルニルアクリレート41.4質量部、(A−2)成分としてアクリロイルモルホリン4.6質量部、(A−3)成分として「UN−904」(根上工業株式会社製、製品名、ウレタンアクリレート系化合物)27質量部及び「UN−6060S」(根上工業株式会社製、製品名、ウレタンアクリレート系化合物)27質量部、(B)成分として「PM−21」(日本化薬株式会社製、製品名「KAYAMER PM−21」、リン酸エステル)0.1質量部、(C)成分として「IRG−184」(BASF製、製品名「Irgacure 184」)10質量部、及び、着色剤として「ELIXA BLACK 850」(オリヱント化学工業株式会社製、黒色着色剤)0.8質量部を、60℃で加熱しながら撹拌し、硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2〜3、及び比較例1)
表1に示される組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物をそれぞれ得た。
[硬化物の評価]
ガラス基材(松浪ガラス工業株式会社製、マイクロスライドガラス「S9213」)上に、上記で得られた硬化性樹脂組成物を滴下し、スキージングにて塗膜を得た。塗膜をパナソニック製UV−LEDランプ(3000mW/cm、5000mJ/cm)にて硬化し、試験用サンプルとした。
作製したサンプルを、エスペック製恒温槽「SH−661」に入れ、下記の条件で保存した。
85℃/0%RH:100時間、250時間、500時間、750時間、1000時間
60℃/95%RH:100時間、250時間、500時間、750時間、1000時間
保存後の各サンプルについて、旧JIS K5400に準拠してクロスカット試験を行った。100マス中100マス残存である場合を「A」、100マス中1マス以上剥離である場合を「B」として、結果を表に示す。
1…ガラス基材、2…端面、10…硬化物(保護膜)、100,110…ガラス部材。

Claims (7)

  1. 第1のラジカル重合性化合物と、リン酸エステル構造を有する第2のラジカル重合性化合物と、ラジカル開始剤と、を含有する、硬化性樹脂組成物であって、
    前記第2のラジカル重合性化合物の含有量が、前記第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜5質量部であり、
    ガラス基材の端部を保護する硬化物を形成するために用いられる、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記第2のラジカル重合性化合物の含有量が、前記第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜1.5質量部である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記第2のラジカル重合性化合物の含有量が、前記第1のラジカル重合性化合物の合計100質量部に対して0.05〜0.5質量部である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. UV硬化性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. ガラス基材と、該ガラス基材の端部の少なくとも一部に設けられた、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物と、を備える、ガラス部材。
  6. 請求項5に記載のガラス部材を備える、表示装置。
  7. 請求項5に記載のガラス部材を備える、携帯端末。
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