JPWO2018168786A1 - 電磁波シールド部材 - Google Patents
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Abstract
GHz帯の電磁波に対しては高いシールド特性を有し、紫外領域から中赤外領域の電磁波を透過することができる電磁波シールド部材を提供する。厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成された金属箔を備え、貫通孔の平均開口径が0.1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、貫通孔の開口径が1μm〜1.5μmでは、紫外領域から可視領域において貫通孔の開口径の半分の波長までの透過率が開口率の10%以上であり、貫通孔の開口径が1.5μm〜5μmでは、紫外領域から可視領域の透過率が貫通孔の開口率の−5%〜+5%の範囲で、近赤外領域において貫通孔の開口径の半分の波長までの透過率が開口率の10%以上であり、貫通孔の開口径が5μm以上では、紫外領域から近赤外領域の透過率が貫通孔の開口率の−5%〜+5%の範囲で、中赤外領域において貫通孔の開口径の半分の波長までの透過率が開口率の10%以上である。
Description
本発明は、電磁波シールド部材に関する。
近年、携帯電話等の通信機器の需要拡大に伴い、電磁波を用いた通信の使用周波数帯域が拡大されている。具体的には、従来のMHz帯からGHz帯への応用検討が進んでいる。
これに伴い、GHz帯の電磁波に対して高いシールド特性を有する電磁波シールド部材が求められている。
これに伴い、GHz帯の電磁波に対して高いシールド特性を有する電磁波シールド部材が求められている。
例えば、特許文献1には、少なくとも、アルミニウム箔の裏面側に接着層を介して薄葉紙と中間剥離性紙とよりなる壁紙用裏打ち紙層を設け、これに針状突起による挿通孔を設けた電磁波シールド壁紙が記載されている([請求項1])。
この特許文献1には、1GHz〜8GHzの周波数帯域において、50dB以上の電磁波シールド特性を有することが記載されている([表1])。
この特許文献1には、1GHz〜8GHzの周波数帯域において、50dB以上の電磁波シールド特性を有することが記載されている([表1])。
ところで、表示装置を有する電子機器などにおいては、外部からの電界波が電子機器内に進入しノイズ源となることを抑制するために、通信用の周波数帯域の電磁波は遮蔽し、可視光領域の電磁波を透過する電磁波シールド部材が求められている。
例えば、特許文献2には、透明な熱可塑性樹脂フィルムの片面に、金属および誘電体よりなる層(A)を設け、その反対面に金属層(B)を設けた積層体であって、金属層(B)面におけるフィルム面積に対する金属部分の被覆率が20%以上80%以下であり、積層体の可視光透過率(Tvis)と近赤外透過率(Tnir)の比(Tnir/Tvis)が0.75以下であり、かつ80MHz〜1000MHzの周波数帯における電界波シールド特性が30dB以上である電磁波シールド用積層体が記載されている([請求項1])。
ここで、MHz帯の電磁波の場合には、金網のような大きな貫通孔を有する金属性のシールド部材を用いることで高いシールド特性を得られる。そのため、可視光領域での透過性を高くすることができる。
しかしながら、GHz帯の電磁波に対しては、金網のような大きな貫通孔を有するシールド部材では高いシールド特性を得られないため、高いシールド特性と紫外領域、可視光領域、近赤外領域、および、中赤外領域の電磁波の透過性とを両立することができないという問題があった。
しかしながら、GHz帯の電磁波に対しては、金網のような大きな貫通孔を有するシールド部材では高いシールド特性を得られないため、高いシールド特性と紫外領域、可視光領域、近赤外領域、および、中赤外領域の電磁波の透過性とを両立することができないという問題があった。
そこで、本発明は、GHz帯の電磁波に対しては高いシールド特性を有し、紫外領域から中赤外領域の電磁波を透過することができる電磁波シールド部材を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成された金属箔を備え、貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満において、紫外領域から可視領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満において、紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、近赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、貫通孔の平均開口径が5μm以上において、紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、中赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
[1] 厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成された金属箔を備え、
貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、
貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満において、
紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
前記貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満において、
紫外領域から可視領域において、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
近赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
貫通孔の平均開口径が5μm以上において、
紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
中赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上である電磁波シールド部材。
[2] 金属箔の厚みが5μm〜1000μmである[1]に記載の電磁波シールド部材。
[3] 金属箔が、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、ステンレス箔、チタン箔、タンタル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ジルコニウム箔、タングステン箔、ベリリウム銅箔、燐青銅箔、黄銅箔、洋白箔、錫箔、鉛箔、亜鉛箔、半田箔、鉄箔、ニッケル箔、パーマロイ箔、ニクロム箔、42アロイ箔、コバール箔、モネル箔、インコネル箔、および、ハステロイ箔からなる群から選択される箔であり、または、この群から選択される箔と選択された箔とは異なる種類の金属とが積層されてなる箔である、[1]または[2]に記載の電磁波シールド部材。
貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、
貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満において、
紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
前記貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満において、
紫外領域から可視領域において、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
近赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
貫通孔の平均開口径が5μm以上において、
紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
中赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上である電磁波シールド部材。
[2] 金属箔の厚みが5μm〜1000μmである[1]に記載の電磁波シールド部材。
[3] 金属箔が、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、ステンレス箔、チタン箔、タンタル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ジルコニウム箔、タングステン箔、ベリリウム銅箔、燐青銅箔、黄銅箔、洋白箔、錫箔、鉛箔、亜鉛箔、半田箔、鉄箔、ニッケル箔、パーマロイ箔、ニクロム箔、42アロイ箔、コバール箔、モネル箔、インコネル箔、および、ハステロイ箔からなる群から選択される箔であり、または、この群から選択される箔と選択された箔とは異なる種類の金属とが積層されてなる箔である、[1]または[2]に記載の電磁波シールド部材。
以下に説明するように、本発明によれば、GHz帯の電磁波に対しては高いシールド特性を有し、紫外領域から中赤外領域の電磁波を透過することができる電磁波シールド部材を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[電磁波シールド部材]
本発明の電磁波シールド部材は、
厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成された金属箔を備え、
貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、
貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満において、
紫外領域から可視領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満において、
紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
近赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
貫通孔の平均開口径が5μm以上において、
紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
中赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上である電磁波シールド部材。
次に、本発明の電磁波シールド部材の構成について、図1を用いて説明する。
本発明の電磁波シールド部材は、
厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成された金属箔を備え、
貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、
貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満において、
紫外領域から可視領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満において、
紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
近赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、
貫通孔の平均開口径が5μm以上において、
紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
中赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上である電磁波シールド部材。
次に、本発明の電磁波シールド部材の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の電磁波シールド部材の好適な実施態様の一例を示す模式的な平面図である。図2は、図1のB−B線断面図である。
図1および図2に示す電磁波シールド部材10は、金属箔3を厚み方向に貫通する複数の貫通孔5を有する。
図1および図2に示す電磁波シールド部材10は、金属箔3を厚み方向に貫通する複数の貫通孔5を有する。
ここで、本発明の電磁波シールド部材においては、金属箔に形成される貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満の場合には、紫外領域から可視領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満の場合には、紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、近赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上であり、貫通孔の平均開口径が5μm以上の場合には、紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、中赤外領域において、貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、平均開口率の10%以上である。
前述のとおり、GHz帯の電磁波に対しては、金網のような大きな貫通孔を有するシールド部材では高いシールド特性を得られないため、高いシールド特性と紫外領域、可視光領域、近赤外領域、および、中赤外領域の電磁波の透過性とを両立することができないという問題があった。
これに対して本発明の電磁波シールド部材は、金属箔に上記範囲の平均開口径および平均開口率の貫通孔を形成して、貫通孔の平均開口径に応じて、紫外領域、可視光領域、近赤外領域および中赤外領域の透過率を上記範囲とする。
これにより、GHz帯の電磁波に対して高いシールド特性を得られ、かつ、紫外領域、可視光領域、近赤外領域、および、中赤外領域の電磁波の透過性と確保することができる。
これにより、GHz帯の電磁波に対して高いシールド特性を得られ、かつ、紫外領域、可視光領域、近赤外領域、および、中赤外領域の電磁波の透過性と確保することができる。
ここで、貫通孔の平均開口径は、電磁波シールド部材の一方の面から、高分解能走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて電磁波シールド部材の表面を倍率100〜10000倍で撮影し、得られたSEM写真において、周囲が環状に連なっている貫通孔を少なくとも20個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、これらの平均値を平均開口径として算出する。
なお、倍率は、貫通孔を20個以上抽出できるSEM写真が得られるように上述した範囲の倍率を適宜選択することができる。また、開口径は、貫通孔部分の端部間の距離の最大値を測定した。すなわち、貫通孔の開口部の形状は略円形状に限定はされないので、開口部の形状が非円形状の場合には、貫通孔部分の端部間の距離の最大値を開口径とする。従って、例えば、2以上の貫通孔が一体化したような形状の貫通孔の場合にも、これを1つの貫通孔とみなし、貫通孔部分の端部間の距離の最大値を開口径とする。
なお、倍率は、貫通孔を20個以上抽出できるSEM写真が得られるように上述した範囲の倍率を適宜選択することができる。また、開口径は、貫通孔部分の端部間の距離の最大値を測定した。すなわち、貫通孔の開口部の形状は略円形状に限定はされないので、開口部の形状が非円形状の場合には、貫通孔部分の端部間の距離の最大値を開口径とする。従って、例えば、2以上の貫通孔が一体化したような形状の貫通孔の場合にも、これを1つの貫通孔とみなし、貫通孔部分の端部間の距離の最大値を開口径とする。
また、貫通孔の平均開口率は、電磁波シールド部材の一方の面側に平行光光学ユニットを設置し、平行光を透過させて、電磁波シールド部材の他方の面から、光学顕微鏡を用いて電磁波シールド部材の表面を倍率100倍で撮影し、写真を取得する。得られた写真の10cm×10cmの範囲における100mm×75mmの視野(5箇所)について、透過した平行光によって投影される貫通孔の開口面積の合計と視野の面積(幾何学的面積)とから、比率(開口面積/幾何学的面積)を算出し、各視野(5箇所)における平均値を平均開口率として算出する。
また、本発明において、紫外領域から可視光領域とは、紫外領域および可視光領域を含む、波長が250nm以上750nm未満の帯域のことである。また、近赤外領域とは、波長が750nm以上2500nm未満の帯域のことである。したがって、紫外領域から近赤外領域とは、紫外領域、可視光領域および近赤外領域を含む、波長が250nm以上2500nm未満の帯域のことである。また、中赤外領域とは、波長2500nm以上18000nm以下の帯域のことである。
また、電磁波の透過率は、シールドボックス内で特定周波数の電磁波を発信させ、電磁波シールド部材を通過する電磁波を他方で受信し、電磁波シールド部材を通過する前の電磁波の強度に対する電磁波シールド部材を通過した後の電磁波の強度の比として求めることができる。
上述した各波長域における電磁波の透過率は、該当する波長帯域における電磁波の透過率の平均値である。
上述した各波長域における電磁波の透過率は、該当する波長帯域における電磁波の透過率の平均値である。
また、GHz帯の電磁波とは、1GHz〜18GHzの周波数帯の電磁波である。
本発明においては、1GHz〜18GHzの周波数帯における電磁波シールド特性の平均値が60dB以上とすることができる。
ここで、電磁波シールド特性とは、電磁波シールド部材を通過する前の電界強度と電磁波シールド部材を通過した後の電界強度の比を対数で表したものである。
本発明においては、1GHz〜18GHzの周波数帯における電磁波シールド特性の平均値が60dB以上とすることができる。
ここで、電磁波シールド特性とは、電磁波シールド部材を通過する前の電界強度と電磁波シールド部材を通過した後の電界強度の比を対数で表したものである。
ここで、貫通孔の平均開口径は、1μm以上45μm以下であることが好ましく、1μm以上40μm以下がより好ましく、1μm以上30μm以下がさらに好ましい。
貫通孔の平均開口径を上記範囲とすることで、電磁波シールド特性をより好適にすることができる。また、電磁波シールド部材が多数の貫通孔を有するものとした場合でも、十分な引張強度を有するものとすることができる。
貫通孔の平均開口径を上記範囲とすることで、電磁波シールド特性をより好適にすることができる。また、電磁波シールド部材が多数の貫通孔を有するものとした場合でも、十分な引張強度を有するものとすることができる。
また、貫通孔の平均開口率は、2%〜45%であるのが好ましく、2%〜30%がより好ましく、2%〜20%がさらに好ましい。
貫通孔の平均開口率を上記範囲とすることで、電磁波シールド特性をより好適にすることができる。また、電磁波シールド部材が多数の貫通孔を有するものとした場合でも、十分な引張強度を有するものとすることができる。
貫通孔の平均開口率を上記範囲とすることで、電磁波シールド特性をより好適にすることができる。また、電磁波シールド部材が多数の貫通孔を有するものとした場合でも、十分な引張強度を有するものとすることができる。
〔金属箔〕
金属箔は、GHz帯の電磁波に対して高いシールド特性を有する箔であれば限定されないが、上述した平均開口径および平均開口率の貫通孔を容易に形成可能な金属および/または金属化合物から構成される箔であることが好ましく、金属から構成される箔がより好ましい。また、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントに対して溶解する金属原子を含む金属箔であることも好ましい。
金属箔としては、具体的には、例えば、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、ステンレス箔、チタン箔、タンタル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ジルコニウム箔、タングステン箔、ベリリウム銅箔、燐青銅箔、黄銅箔、洋白箔、錫箔、鉛箔、亜鉛箔、半田箔、鉄箔、ニッケル箔、パーマロイ箔、ニクロム箔、42アロイ箔、コバール箔、モネル箔、インコネル箔、および、ハステロイ箔などが挙げられる。
また、金属箔は上記種類の金属を含む異なる2種以上の金属が積層されたものであってもよい。
金属箔の積層手法は特に限定されないが、メッキまたはクラッド材であることが好ましい。メッキに用いる金属はエッチャントに対して溶解する金属原子を含む金属であるのが好ましく、金属であることが好ましい。メッキ種としては、例えば、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、亜鉛、錫、銅、銀、金、白金、パラジウム、および、アルミニウム、などが挙げられる。
メッキの手法は特に問わず、無電解メッキ、電解メッキ、溶融メッキ、および、化成処理、などがいずれも用いられる。
また、上記金属箔に対してクラッド材を形成するのに用いる金属はエッチャントに対して溶解する金属原子を含む金属であるのが好ましく、金属であることが好ましい。金属種としては、例えば、上記金属箔に用いられる金属が挙げられる。
金属箔は、GHz帯の電磁波に対して高いシールド特性を有する箔であれば限定されないが、上述した平均開口径および平均開口率の貫通孔を容易に形成可能な金属および/または金属化合物から構成される箔であることが好ましく、金属から構成される箔がより好ましい。また、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントに対して溶解する金属原子を含む金属箔であることも好ましい。
金属箔としては、具体的には、例えば、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、ステンレス箔、チタン箔、タンタル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ジルコニウム箔、タングステン箔、ベリリウム銅箔、燐青銅箔、黄銅箔、洋白箔、錫箔、鉛箔、亜鉛箔、半田箔、鉄箔、ニッケル箔、パーマロイ箔、ニクロム箔、42アロイ箔、コバール箔、モネル箔、インコネル箔、および、ハステロイ箔などが挙げられる。
また、金属箔は上記種類の金属を含む異なる2種以上の金属が積層されたものであってもよい。
金属箔の積層手法は特に限定されないが、メッキまたはクラッド材であることが好ましい。メッキに用いる金属はエッチャントに対して溶解する金属原子を含む金属であるのが好ましく、金属であることが好ましい。メッキ種としては、例えば、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、亜鉛、錫、銅、銀、金、白金、パラジウム、および、アルミニウム、などが挙げられる。
メッキの手法は特に問わず、無電解メッキ、電解メッキ、溶融メッキ、および、化成処理、などがいずれも用いられる。
また、上記金属箔に対してクラッド材を形成するのに用いる金属はエッチャントに対して溶解する金属原子を含む金属であるのが好ましく、金属であることが好ましい。金属種としては、例えば、上記金属箔に用いられる金属が挙げられる。
金属箔の平均厚みは、5μm〜1000μmであることが好ましい。ハンドリング性の観点から金属箔の平均厚みは、5μm〜50μmであることがより好ましく、8μm〜30μmであることが更に好ましい。
ここで、金属箔の平均厚みは、接触式膜厚測定計(デジタル電子マイクロメータ)を用いて、任意の5点を測定した厚みの平均値をいう。
ここで、金属箔の平均厚みは、接触式膜厚測定計(デジタル電子マイクロメータ)を用いて、任意の5点を測定した厚みの平均値をいう。
<アルミニウム>
金属箔としてアルミニウムを用いる場合のアルミニウムとしては、特に限定はされず、例えば、3000系(例えば、3003材など)、8000系(例えば、8021材など)等の公知のアルミニウム合金を用いることができる。
このようなアルミニウム合金としては、例えば、下記第1表に示す合金番号のアルミニウム合金を用いることができる。
金属箔としてアルミニウムを用いる場合のアルミニウムとしては、特に限定はされず、例えば、3000系(例えば、3003材など)、8000系(例えば、8021材など)等の公知のアルミニウム合金を用いることができる。
このようなアルミニウム合金としては、例えば、下記第1表に示す合金番号のアルミニウム合金を用いることができる。
[電磁波シールド部材の製造方法]
次に、本発明の電磁波シールド部材の製造方法について説明する。
電磁波シールド部材の製造方法は、特に限定されないが、金属箔としてアルミニウム基材を用いる場合には、例えば、アルミニウム基材の少なくとも一方の表面に水酸化アルミニウム皮膜を形成する皮膜形成工程と、皮膜形成工程の後に、貫通孔形成処理を行って貫通孔を形成する貫通孔形成工程1と、貫通孔形成工程1の後に、水酸化アルミニウム皮膜を除去する皮膜除去工程と、皮膜除去工程の後に、貫通孔を有するアルミニウム基材の少なくとも一方の表面に樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有する方法などが挙げられる。
次に、本発明の電磁波シールド部材の製造方法について説明する。
電磁波シールド部材の製造方法は、特に限定されないが、金属箔としてアルミニウム基材を用いる場合には、例えば、アルミニウム基材の少なくとも一方の表面に水酸化アルミニウム皮膜を形成する皮膜形成工程と、皮膜形成工程の後に、貫通孔形成処理を行って貫通孔を形成する貫通孔形成工程1と、貫通孔形成工程1の後に、水酸化アルミニウム皮膜を除去する皮膜除去工程と、皮膜除去工程の後に、貫通孔を有するアルミニウム基材の少なくとも一方の表面に樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有する方法などが挙げられる。
以下、金属箔としてアルミニウム基材を用いる場合の電磁波シールド部材の製造方法(以下、第1の製造方法ともいう)の各工程を図3〜図6を用いて説明した後に、各工程について詳述する。
図3〜図6は、電磁波シールド部材の製造方法の好適な実施態様の一例を示す模式的な断面図である。
第1の製造方法は、図3〜図6に示すように、アルミニウム基材1の両面に対して皮膜形成処理を施し、水酸化アルミニウム皮膜2を形成する皮膜形成工程(図3および図4)と、皮膜形成工程の後に電解溶解処理を施して貫通孔5を形成し、貫通孔を有するアルミニウム基材3および貫通孔を有する水酸化アルミニウム皮膜4を有する積層体を作製する貫通孔形成工程1(図4および図5)と、貫通孔形成工程1の後に、貫通孔を有する水酸化アルミニウム皮膜4を除去し、貫通孔を有するアルミニウム基材3を作製する皮膜除去工程(図5および図6)とを有する製造方法である。
第1の製造方法は、図3〜図6に示すように、アルミニウム基材1の両面に対して皮膜形成処理を施し、水酸化アルミニウム皮膜2を形成する皮膜形成工程(図3および図4)と、皮膜形成工程の後に電解溶解処理を施して貫通孔5を形成し、貫通孔を有するアルミニウム基材3および貫通孔を有する水酸化アルミニウム皮膜4を有する積層体を作製する貫通孔形成工程1(図4および図5)と、貫通孔形成工程1の後に、貫通孔を有する水酸化アルミニウム皮膜4を除去し、貫通孔を有するアルミニウム基材3を作製する皮膜除去工程(図5および図6)とを有する製造方法である。
なお、図4に示す例では、皮膜形成工程において、アルミニウム基材1の両面に水酸化アルミニウム皮膜2を形成するとしたが、これに限定はされず、アルミニウム基材1の片面のみに水酸化アルミニウム皮膜2を形成するものであってもよい。
〔皮膜形成工程〕
本発明において、電磁波シールド部材の製造方法が有する皮膜形成工程は、アルミニウム基材の表面に皮膜形成処理を施し、水酸化アルミニウム皮膜を形成する工程である。
本発明において、電磁波シールド部材の製造方法が有する皮膜形成工程は、アルミニウム基材の表面に皮膜形成処理を施し、水酸化アルミニウム皮膜を形成する工程である。
<皮膜形成処理>
上記皮膜形成処理は特に限定されず、例えば、従来公知の水酸化アルミニウム皮膜の形成処理と同様の処理を施すことができる。
皮膜形成処理としては、例えば、特開2011−201123号公報の[0013]〜[0026]段落に記載された条件や装置を適宜採用することができる。
上記皮膜形成処理は特に限定されず、例えば、従来公知の水酸化アルミニウム皮膜の形成処理と同様の処理を施すことができる。
皮膜形成処理としては、例えば、特開2011−201123号公報の[0013]〜[0026]段落に記載された条件や装置を適宜採用することができる。
本発明においては、皮膜形成処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間1秒〜20分であるのが適当であり、所望の皮膜量となるように調整される。
本発明においては、電解液として、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸もしくはシュウ酸、または、これらの酸の2以上の混酸を用いて電気化学的処理を行うのが好ましい。
硝酸または塩酸を含む電解液中で電気化学的処理を行う場合には、アルミニウム基材と対極との間に直流を印加してもよく、交流を印加してもよい。アルミニウム基材に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜60A/dm2であるのが好ましく、5〜50A/dm2であるのがより好ましい。連続的に電気化学的処理を行う場合には、アルミニウム基材に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが好ましい。
硝酸または塩酸を含む電解液中で電気化学的処理を行う場合には、アルミニウム基材と対極との間に直流を印加してもよく、交流を印加してもよい。アルミニウム基材に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜60A/dm2であるのが好ましく、5〜50A/dm2であるのがより好ましい。連続的に電気化学的処理を行う場合には、アルミニウム基材に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが好ましい。
本発明においては、皮膜形成処理により形成される水酸化アルミニウム皮膜の量は0.05〜50g/m2であるのが好ましく、0.1〜10g/m2であるのがより好ましい。
〔貫通孔形成工程1〕
貫通孔形成工程1は、皮膜形成工程の後に電解溶解処理を施し、貫通孔を形成する工程である。
貫通孔形成工程1は、皮膜形成工程の後に電解溶解処理を施し、貫通孔を形成する工程である。
<電解溶解処理>
上記電解溶解処理は特に限定されず、直流または交流を用い、酸性溶液を電解液に用いることができる。中でも、硝酸および塩酸の少なくとも一方の酸を用いて電気化学処理を行うのが好ましく、これらの酸に、硫酸、燐酸およびシュウ酸の少なくとも1以上の酸を加えた混酸を用いて電気化学的処理を行うのがより好ましい。
上記電解溶解処理は特に限定されず、直流または交流を用い、酸性溶液を電解液に用いることができる。中でも、硝酸および塩酸の少なくとも一方の酸を用いて電気化学処理を行うのが好ましく、これらの酸に、硫酸、燐酸およびシュウ酸の少なくとも1以上の酸を加えた混酸を用いて電気化学的処理を行うのがより好ましい。
本発明においては、電解液である酸性溶液としては、上記酸のほかに、米国特許第4,671,859号、同第4,661,219号、同第4,618,405号、同第4,600,482号、同第4,566,960号、同第4,566,958号、同第4,566,959号、同第4,416,972号、同第4,374,710号、同第4,336,113号、同第4,184,932号の各明細書等に記載されている電解液を用いることもできる。
酸性溶液の濃度は0.1〜2.5質量%であるのが好ましく、0.2〜2.0質量%であるのが特に好ましい。また、酸性溶液の液温は20〜80℃であるのが好ましく、30〜60℃であるのがより好ましい。
また、上記酸を主体とする水溶液は、濃度1〜100g/Lの酸の水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、及び/又は、硝酸アンモニウム等の硝酸イオンを有する硝酸化合物または塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、及び/又は、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸化合物、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、及び/又は、硫酸アンモニウム等の硫酸イオンを有する硫酸化合物少なくとも一つを1g/Lから飽和するまでの範囲で添加して使用することができる。
ここで、「主体とする」とは、水溶液中に主体となる成分が、水溶液に添加した成分全体に対して、30質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれていることをいう。以下、他の成分においても同様である。
また、上記酸を主体とする水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、及び/又は、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。好ましくは、酸の濃度0.1〜2質量%の水溶液にアルミニウムイオンが1〜100g/Lとなるように、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、及び/又は、硫酸アルミニウム等を添加した液を用いることが好ましい。
ここで、「主体とする」とは、水溶液中に主体となる成分が、水溶液に添加した成分全体に対して、30質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれていることをいう。以下、他の成分においても同様である。
また、上記酸を主体とする水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、及び/又は、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。好ましくは、酸の濃度0.1〜2質量%の水溶液にアルミニウムイオンが1〜100g/Lとなるように、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、及び/又は、硫酸アルミニウム等を添加した液を用いることが好ましい。
電気化学的溶解処理には、主に直流電流が用いられるが、交流電流を使用する場合にはその交流電源波は特に限定されず、サイン波、矩形波、台形波、及び/又は、三角波等が用いられ、中でも、矩形波または台形波が好ましく、台形波が特に好ましい。
(硝酸電解)
本発明においては、硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的溶解処理(以下、「硝酸溶解処理」とも略す。)により、容易に、平均開口径が1μm以上100μm以下となる貫通孔を形成することができる。
ここで、硝酸溶解処理は、貫通孔形成の溶解ポイントを制御しやすい理由から、直流電流を用い、平均電流密度を5A/dm2以上とし、かつ、電気量を50C/dm2以上とする条件で施す電解処理であるのが好ましい。なお、平均電流密度は100A/dm2以下であるのが好ましく、電気量は10000C/dm2以下であるのが好ましい。
また、硝酸電解における電解液の濃度や温度は特に限定されず、高濃度、例えば、硝酸濃度15〜35質量%の硝酸電解液を用いて30〜60℃で電解を行ったり、硝酸濃度0.7〜2質量%の硝酸電解液を用いて高温、例えば、80℃以上で電解を行ったりすることができる。
また、上記硝酸電解液に濃度0.1〜50質量%の硫酸、シュウ酸、および、燐酸の少なくとも1つを混ぜた電解液を用いて電解を行うことができる。
本発明においては、硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的溶解処理(以下、「硝酸溶解処理」とも略す。)により、容易に、平均開口径が1μm以上100μm以下となる貫通孔を形成することができる。
ここで、硝酸溶解処理は、貫通孔形成の溶解ポイントを制御しやすい理由から、直流電流を用い、平均電流密度を5A/dm2以上とし、かつ、電気量を50C/dm2以上とする条件で施す電解処理であるのが好ましい。なお、平均電流密度は100A/dm2以下であるのが好ましく、電気量は10000C/dm2以下であるのが好ましい。
また、硝酸電解における電解液の濃度や温度は特に限定されず、高濃度、例えば、硝酸濃度15〜35質量%の硝酸電解液を用いて30〜60℃で電解を行ったり、硝酸濃度0.7〜2質量%の硝酸電解液を用いて高温、例えば、80℃以上で電解を行ったりすることができる。
また、上記硝酸電解液に濃度0.1〜50質量%の硫酸、シュウ酸、および、燐酸の少なくとも1つを混ぜた電解液を用いて電解を行うことができる。
(塩酸電解)
本発明においては、塩酸を主体とする電解液を用いた電気化学的溶解処理(以下、「塩酸溶解処理」とも略す。)によっても、容易に、平均開口径が1μm以上100μm以下となる貫通孔を形成することができる。
ここで、塩酸溶解処理は、貫通孔形成の溶解ポイントを制御しやすい理由から、直流電流を用い、平均電流密度を5A/dm2以上とし、かつ、電気量を50C/dm2以上とする条件で施す電解処理であるであるのが好ましい。なお、平均電流密度は100A/dm2以下であるのが好ましく、電気量は10000C/dm2以下であるのが好ましい。
また、塩酸電解における電解液の濃度や温度は特に限定されず、高濃度、例えば、塩酸濃度10〜35質量%の塩酸電解液を用いて30〜60℃で電解を行ったり、塩酸濃度0.7〜2質量%の塩酸電解液を用いて高温、例えば、80℃以上で電解を行ったりすることができる。
また、上記塩酸電解液に濃度0.1〜50質量%の硫酸、シュウ酸、および、燐酸の少なくとも1つを混ぜた電解液を用いて電解を行うことができる。
本発明においては、塩酸を主体とする電解液を用いた電気化学的溶解処理(以下、「塩酸溶解処理」とも略す。)によっても、容易に、平均開口径が1μm以上100μm以下となる貫通孔を形成することができる。
ここで、塩酸溶解処理は、貫通孔形成の溶解ポイントを制御しやすい理由から、直流電流を用い、平均電流密度を5A/dm2以上とし、かつ、電気量を50C/dm2以上とする条件で施す電解処理であるであるのが好ましい。なお、平均電流密度は100A/dm2以下であるのが好ましく、電気量は10000C/dm2以下であるのが好ましい。
また、塩酸電解における電解液の濃度や温度は特に限定されず、高濃度、例えば、塩酸濃度10〜35質量%の塩酸電解液を用いて30〜60℃で電解を行ったり、塩酸濃度0.7〜2質量%の塩酸電解液を用いて高温、例えば、80℃以上で電解を行ったりすることができる。
また、上記塩酸電解液に濃度0.1〜50質量%の硫酸、シュウ酸、および、燐酸の少なくとも1つを混ぜた電解液を用いて電解を行うことができる。
〔皮膜除去工程〕
皮膜除去工程は、化学的溶解処理を行って水酸化アルミニウム皮膜を除去する工程である。
上記皮膜除去工程は、例えば、後述する酸エッチング処理、及び/又は、アルカリエッチング処理を施すことにより水酸化アルミニウム皮膜を除去することができる。
皮膜除去工程は、化学的溶解処理を行って水酸化アルミニウム皮膜を除去する工程である。
上記皮膜除去工程は、例えば、後述する酸エッチング処理、及び/又は、アルカリエッチング処理を施すことにより水酸化アルミニウム皮膜を除去することができる。
<酸エッチング処理>
上記溶解処理は、アルミニウムよりも水酸化アルミニウムを優先的に溶解させる溶液(以下、「水酸化アルミニウム溶解液」という。)を用いて水酸化アルミニウム皮膜を溶解させる処理である。
上記溶解処理は、アルミニウムよりも水酸化アルミニウムを優先的に溶解させる溶液(以下、「水酸化アルミニウム溶解液」という。)を用いて水酸化アルミニウム皮膜を溶解させる処理である。
ここで、水酸化アルミニウム溶解液としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、シュウ酸、クロム化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、リチウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、ケイフッ化ナトリウム、フッ化亜鉛、マンガン化合物、モリブデン化合物、マグネシウム化合物、バリウム化合物およびハロゲン単体からなる群から選択される少なくとも1種を含有した水溶液が好ましい。
具体的には、クロム化合物としては、例えば、酸化クロム(III)、および、無水クロム(VI)酸等が挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、フッ化ジルコンアンモニウム、フッ化ジルコニウム、および、塩化ジルコニウムが挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、酸化チタン、および、硫化チタンが挙げられる。
リチウム塩としては、例えば、フッ化リチウム、および、塩化リチウムが挙げられる。
セリウム塩としては、例えば、フッ化セリウム、および、塩化セリウムが挙げられる。
マグネシウム塩としては、例えば、硫化マグネシウムが挙げられる。
マンガン化合物としては、例えば、過マンガン酸ナトリウム、および、過マンガン酸カルシウムが挙げられる。
モリブデン化合物としては、例えば、モリブデン酸ナトリウムが挙げられる。
マグネシウム化合物としては、例えば、フッ化マグネシウム・五水和物が挙げられる。
バリウム化合物としては、例えば、酸化バリウム、酢酸バリウム、炭酸バリウム、塩素酸バリウム、塩化バリウム、フッ化バリウム、ヨウ化バリウム、乳酸バリウム、シュウ酸バリウム、過塩素酸バリウム、セレン酸バリウム、亜セレン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、亜硫酸バリウム、チタン酸バリウム、水酸化バリウム、および、硝酸バリウム、あるいはこれらの水和物等が挙げられる。
上記バリウム化合物の中でも、酸化バリウム、酢酸バリウム、および、炭酸バリウムが好ましく、酸化バリウムが特に好ましい。
ハロゲン単体としては、例えば、塩素、フッ素、および、臭素が挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、フッ化ジルコンアンモニウム、フッ化ジルコニウム、および、塩化ジルコニウムが挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、酸化チタン、および、硫化チタンが挙げられる。
リチウム塩としては、例えば、フッ化リチウム、および、塩化リチウムが挙げられる。
セリウム塩としては、例えば、フッ化セリウム、および、塩化セリウムが挙げられる。
マグネシウム塩としては、例えば、硫化マグネシウムが挙げられる。
マンガン化合物としては、例えば、過マンガン酸ナトリウム、および、過マンガン酸カルシウムが挙げられる。
モリブデン化合物としては、例えば、モリブデン酸ナトリウムが挙げられる。
マグネシウム化合物としては、例えば、フッ化マグネシウム・五水和物が挙げられる。
バリウム化合物としては、例えば、酸化バリウム、酢酸バリウム、炭酸バリウム、塩素酸バリウム、塩化バリウム、フッ化バリウム、ヨウ化バリウム、乳酸バリウム、シュウ酸バリウム、過塩素酸バリウム、セレン酸バリウム、亜セレン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、亜硫酸バリウム、チタン酸バリウム、水酸化バリウム、および、硝酸バリウム、あるいはこれらの水和物等が挙げられる。
上記バリウム化合物の中でも、酸化バリウム、酢酸バリウム、および、炭酸バリウムが好ましく、酸化バリウムが特に好ましい。
ハロゲン単体としては、例えば、塩素、フッ素、および、臭素が挙げられる。
中でも、上記水酸化アルミニウム溶解液が、酸を含有する水溶液であるのが好ましく、酸として、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、および、シュウ酸等が挙げられ、2種以上の酸の混合物であってもよい。中でも、酸として硝酸を用いるのが好ましい。
酸濃度としては、0.01mol/L以上であるのが好ましく、0.05mol/L以上であるのがより好ましく、0.1mol/L以上であるのが更に好ましい。上限は特にないが、一般的には10mol/L以下であるのが好ましく、5mol/L以下であるのがより好ましい。
酸濃度としては、0.01mol/L以上であるのが好ましく、0.05mol/L以上であるのがより好ましく、0.1mol/L以上であるのが更に好ましい。上限は特にないが、一般的には10mol/L以下であるのが好ましく、5mol/L以下であるのがより好ましい。
溶解処理は、水酸化アルミニウム皮膜が形成されたアルミニウム基材を上述した溶解液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
浸せき法は、水酸化アルミニウム皮膜が形成されたアルミニウム基材を上述した溶解液に浸せきさせる処理である。浸せき処理の際にかくはんを行うと、ムラのない処理が行われるため、好ましい。
浸せき処理の時間は、10分以上であるのが好ましく、1時間以上であるのがより好ましく、3時間以上、5時間以上であるのが更に好ましい。
浸せき処理の時間は、10分以上であるのが好ましく、1時間以上であるのがより好ましく、3時間以上、5時間以上であるのが更に好ましい。
<アルカリエッチング処理>
アルカリエッチング処理は、上記水酸化アルミニウム皮膜をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解させる処理である。
アルカリエッチング処理は、上記水酸化アルミニウム皮膜をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解させる処理である。
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム(カセイソーダ)、カセイカリが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、例えば、メタケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、および、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、および、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、および、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、および、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、および、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチング速度が速い点および安価である点から、カセイアルカリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、水酸化ナトリウムの水溶液が好ましい。
アルカリ溶液の濃度は、0.1〜50質量%であるのが好ましく、0.2〜10質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液中にアルミニウムイオンが溶解している場合には、アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.1〜3質量%であるのがより好ましい。アルカリ溶液の温度は10〜90℃であるのが好ましい。処理時間は1〜120秒であるのが好ましい。
水酸化アルミニウム皮膜をアルカリ溶液に接触させる方法としては、例えば、水酸化アルミニウム皮膜が形成されたアルミニウム基材をアルカリ溶液を入れた槽の中を通過させる方法、水酸化アルミニウム皮膜が形成されたアルミニウム基材をアルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アルカリ溶液を水酸化アルミニウム皮膜が形成されたアルミニウム基材の表面(水酸化アルミニウム皮膜)に噴きかける方法が挙げられる。
また、金属箔の材料としてアルミニウム以外の金属を用いる場合の製造方法としては、例えば、以下に示す樹脂層形成工程、貫通孔形成工程2および樹脂層除去工程を有する製造方法(以下、第2の製造方法ともいう)が挙げられる。なお、金属箔の材料としてアルミニウムを用いる場合にも第2の製造方法を適用できる。
樹脂層形成工程は、金属箔の一方の主面に、複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物を用いて、金属粒子の各々の一部が埋設された樹脂層を形成する工程である。
貫通孔形成工程2は、樹脂層形成工程の後に、樹脂層を有する金属箔をエッチャントに接触させて金属粒子および金属箔の一部を溶解し、金属箔に貫通孔を形成する工程である。
樹脂層除去工程は、貫通孔形成工程2の後に、樹脂層を除去し、貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製する工程である。
樹脂層形成工程は、金属箔の一方の主面に、複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物を用いて、金属粒子の各々の一部が埋設された樹脂層を形成する工程である。
貫通孔形成工程2は、樹脂層形成工程の後に、樹脂層を有する金属箔をエッチャントに接触させて金属粒子および金属箔の一部を溶解し、金属箔に貫通孔を形成する工程である。
樹脂層除去工程は、貫通孔形成工程2の後に、樹脂層を除去し、貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製する工程である。
また、第2の製造方法は、貫通孔形成工程2の前に、金属箔の、樹脂層が形成される面とは反対側の主面に、重合体成分を含有する組成物を用いて保護層を形成する保護層形成工程を有していることが好ましい。
第2の製造方法においては、樹脂層形成工程を経た後に、金属粒子および金属箔の一部を溶解して貫通孔を形成する貫通孔形成工程2を行い、その後に樹脂層を除去することにより、複数の微細な貫通孔を有する金属箔を簡便に作製できる。
次に、第2の製造方法における各工程の概要について図7〜図10を用いて説明した後に、第2の製造方法が有する各処理工程について詳述する。
第2の製造方法は、複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物を用いた樹脂層形成工程により、図7に示すように、金属箔12の一方の主面に、複数の金属粒子16の各々の一部が埋設された樹脂層14が形成される。
また、第2の製造方法は、重合体成分を含有する組成物を用いた任意の保護層形成工程により、図8に示すように、金属箔12の、樹脂層14が形成される面とは反対側の主面に、保護層18を形成することが好ましい。
また、第2の製造方法は、樹脂層を有する金属箔をエッチャントに接触させて金属粒子および金属箔の一部を溶解する貫通孔形成工程2により、図9に示すように、樹脂層14および金属箔12に貫通孔5が形成される。
また、第2の製造方法は、樹脂層を除去する樹脂層除去工程により、図10に示すように、複数の貫通孔5を有する金属箔3を備える電磁波シールド部材10が形成される。なお、保護層形成工程を有している場合、図10に示すように、樹脂層除去工程により、樹脂層および保護層が除去されることにより、複数の貫通孔5を有する電磁波シールド部材10が形成される。
第2の製造方法は、複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物を用いた樹脂層形成工程により、図7に示すように、金属箔12の一方の主面に、複数の金属粒子16の各々の一部が埋設された樹脂層14が形成される。
また、第2の製造方法は、重合体成分を含有する組成物を用いた任意の保護層形成工程により、図8に示すように、金属箔12の、樹脂層14が形成される面とは反対側の主面に、保護層18を形成することが好ましい。
また、第2の製造方法は、樹脂層を有する金属箔をエッチャントに接触させて金属粒子および金属箔の一部を溶解する貫通孔形成工程2により、図9に示すように、樹脂層14および金属箔12に貫通孔5が形成される。
また、第2の製造方法は、樹脂層を除去する樹脂層除去工程により、図10に示すように、複数の貫通孔5を有する金属箔3を備える電磁波シールド部材10が形成される。なお、保護層形成工程を有している場合、図10に示すように、樹脂層除去工程により、樹脂層および保護層が除去されることにより、複数の貫通孔5を有する電磁波シールド部材10が形成される。
[樹脂層形成工程]
第2の製造方法が有する樹脂層形成工程は、金属箔の一方の主面に、複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物を用いて、金属粒子の各々の一部が埋設された樹脂層を形成する工程である。
第2の製造方法が有する樹脂層形成工程は、金属箔の一方の主面に、複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物を用いて、金属粒子の各々の一部が埋設された樹脂層を形成する工程である。
〔組成物〕
樹脂層形成工程で用いる組成物は、少なくとも複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物である。
樹脂層形成工程で用いる組成物は、少なくとも複数の金属粒子および重合体成分を含有する組成物である。
<金属粒子>
上記組成物に含まれる金属粒子は、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントに対して溶解する金属原子を含む粒子であれば特に限定されないが、金属および/または金属化合物から構成される粒子であることが好ましく、金属から構成される粒子がより好ましい。
上記組成物に含まれる金属粒子は、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントに対して溶解する金属原子を含む粒子であれば特に限定されないが、金属および/または金属化合物から構成される粒子であることが好ましく、金属から構成される粒子がより好ましい。
金属粒子を構成する金属としては、具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレス、チタン、タンタル、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム、タングステン、ベリリウム、および、これらの合金などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、アルミニウム、ニッケル、および、銅であることが好ましく、アルミニウム、および、銅であることがより好ましい。
これらのうち、アルミニウム、ニッケル、および、銅であることが好ましく、アルミニウム、および、銅であることがより好ましい。
金属粒子を構成する金属化合物としては、例えば、酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、窒化物、炭化物、硫化物、および、これらの少なくとも2種以上の複合化物などが挙げられる。具体的には、酸化銅、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、および、硼酸アルミニウム等が挙げられる。
第2の製造方法においては、後述する貫通孔除去工程で用いるエッチャントを回収し、溶解した金属のリサイクルなどを図る観点から、金属粒子と上述した金属箔とが同一の金属原子を含有していることが好ましい。
金属粒子の形状は特に限定されないが、球状であることが好ましく、真球状に近いほどより好ましい。
また、金属粒子の平均粒子径は、組成物における分散性などの観点から、1μm〜10μmであることが好ましく、2μm超6μm以下であることがより好ましい。
ここで、金属粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3000)で測定される粒度分布の累積50%径をいう。
また、金属粒子の平均粒子径は、組成物における分散性などの観点から、1μm〜10μmであることが好ましく、2μm超6μm以下であることがより好ましい。
ここで、金属粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3000)で測定される粒度分布の累積50%径をいう。
また、金属粒子の含有量は、組成物に含まれる全固形分に対して、0.05〜95質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましく、3〜25質量%であることが更に好ましい。
<重合体成分>
上記組成物に含まれる重合体成分は特に限定されず、従来公知の重合体成分を用いることができる。
重合体成分としては、具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、シリコーンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、エステルアクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、および、フェノール系樹脂などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐酸性に優れ、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントとして酸性溶液を用いた場合にも、所望の貫通孔が得られやすくなる理由から、重合体成分が、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂およびポリイミド系樹脂からなる群から選択される樹脂材料であることが好ましい。
上記組成物に含まれる重合体成分は特に限定されず、従来公知の重合体成分を用いることができる。
重合体成分としては、具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、シリコーンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、エステルアクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、および、フェノール系樹脂などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐酸性に優れ、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントとして酸性溶液を用いた場合にも、所望の貫通孔が得られやすくなる理由から、重合体成分が、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂およびポリイミド系樹脂からなる群から選択される樹脂材料であることが好ましい。
本発明においては、後述する樹脂層除去工程における除去が容易となる観点から、組成物に含まれる重合体成分が、水不溶性、且つ、アルカリ水可溶性の高分子(以下、「アルカリ水可溶性高分子」とも略す。)、即ち、高分子中の主鎖もしくは側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体またはこれらの混合物であることが好ましい。
アルカリ水可溶性高分子としては、酸性基を高分子の主鎖および/または側鎖中に有するものが、後述する樹脂層除去工程における除去が更に容易となる観点で好ましい。
酸性基の具体例としては、フェノール基(−Ar−OH)、スルホンアミド基(−SO2NH−R)、置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕、カルボキシル基(−CO2H)、スルホ基(−SO3H)、および、ホスホン基(−OPO3H2)が挙げられる。
なお、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
酸性基の具体例としては、フェノール基(−Ar−OH)、スルホンアミド基(−SO2NH−R)、置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕、カルボキシル基(−CO2H)、スルホ基(−SO3H)、および、ホスホン基(−OPO3H2)が挙げられる。
なお、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
上記酸性基を有するアルカリ水可溶性高分子の中でも、フェノール基、カルボキシル基、スルホンアミド基および活性イミド基を有するアルカリ水可溶性高分子が好ましく、特に、フェノール基またはカルボキシル基を有するアルカリ水可溶性高分子が、形成される樹脂層の強度と、後述する樹脂層除去工程における除去性とのバランスの観点から最も好ましい。
上記酸性基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
フェノール基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、および、キシレノール等のフェノール類の1種又は2種以上と、ホルムアルデヒド、および、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類から製造されるノボラック樹脂、およびピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることができる。さらに、フェノール基を有する化合物を共重合させた共重合体を挙げることもできる。フェノール基を有する化合物としては、フェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはヒドロキシスチレン等が挙げられる。
具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、および、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、ノボラック樹脂またはヒドロキシスチレンの共重合体が好ましい。ヒドロキシスチレンの共重合体の市販品としては、丸善化学工業株式会社製、マルカリンカーM H−2、マルカリンカーM S−4、マルカリンカーM S−2、マルカリンカーM S−1、日本曹達株式会社製、VP−8000、および、VP−15000などを挙げることができる。
スルホンアミド基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、スルホンアミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、窒素原子に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基と、を分子内に有する低分子化合物が好ましい。
特に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、及び/又は、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
特に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、及び/又は、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
活性イミド基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、活性イミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、下記構造式で表される活性イミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物を挙げることができる。
具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、および、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
カルボキシル基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、カルボキシル基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、および、イタコン酸等の不飽和カルボン酸化合物を用いた重合体が挙げられる。
スルホ基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、スルホ基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成単位とする重合体を挙げることができる。
ホスホン基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、ホスホン基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
スルホ基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、スルホ基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成単位とする重合体を挙げることができる。
ホスホン基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、ホスホン基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
アルカリ水可溶性高分子を構成する、酸性基を有する最小構成単位は、特に1種類のみである必要はなく、同一の酸性基を有する最小構成単位を2種以上、または異なる酸性基を有する最小構成単位を2種以上共重合させたものを用いることもできる。
共重合の方法としては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、及び/又は、ランダム共重合法等を用いることができる。
上記共重合体は、共重合させる酸性基を有する化合物が共重合体中に10モル%以上含まれているものが好ましく、20モル%以上含まれているものがより好ましい。
本発明では、化合物を共重合して共重合体を形成する場合、その化合物として、酸性基を含まない他の化合物を用いることもできる。酸性基を含まない他の化合物の例としては、下記(m1)〜(m11)に挙げる化合物を挙げることができる。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、および、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、および、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、および、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、および、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、および、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、および、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、および、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、および、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、および、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、および、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、および、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、および、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、および、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、および、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、および、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、および、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、および、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、および、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、および、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、および、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
重合体成分としては、単独重合体、共重合体に係わらず、重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105で、数平均分子量が5.0×102〜1.0×105の範囲にあるものが好ましく。また、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものが好ましい。
重合体成分として共重合体を用いる場合、その主鎖および/または側鎖を構成する、酸性基を有する化合物に由来する最小構成単位と、主鎖の一部および/または側鎖を構成する、酸性基を含まない他の最小構成単位と、の配合重量比は、50:50〜5:95の範囲にあるものが好ましく、40:60〜10:90の範囲にあるものがより好ましい。
上記重合体成分は、それぞれ1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよく、組成物に含まれる全固形分に対して、30〜99質量%の範囲で用いるのが好ましく、40〜95質量%の範囲で用いるのがより好ましいが、更には50〜90質量%の範囲で用いることが特に好ましい。
第2の製造方法においては、後述する貫通孔形成工程2において貫通孔の形成が容易となる理由から、上述した金属粒子および重合体成分に関して、金属粒子の比重が重合体成分の比重よりも大きいことが好ましい。具体的には、金属粒子の比重が1.5以上であり、重合体成分の比重が0.9以上1.5未満であることがより好ましい。
<界面活性剤>
上記組成物は、塗布性の観点から、特開昭62−251740号、及び/又は、特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、及び/又は、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
上記組成物は、塗布性の観点から、特開昭62−251740号、及び/又は、特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、及び/又は、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、及び/又は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、及び/又は、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記界面活性剤を含有する場合の含有量は、組成物に含まれる全固形分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
<溶媒>
上記組成物は、樹脂層を形成する際の作業性の観点から、溶媒を添加することができる。
溶媒としては、具体的には、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、および、水等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記組成物は、樹脂層を形成する際の作業性の観点から、溶媒を添加することができる。
溶媒としては、具体的には、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、および、水等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<形成方法>
上述した組成物を用いた樹脂層の形成方法は特に限定されないが、金属箔上に組成物を塗布して樹脂層を形成する方法が好ましい。
金属箔上への塗布方法は特に限定されず、例えば、バーコート法、スリットコート法、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、および、転写法等の方法を用いることができる。
上述した組成物を用いた樹脂層の形成方法は特に限定されないが、金属箔上に組成物を塗布して樹脂層を形成する方法が好ましい。
金属箔上への塗布方法は特に限定されず、例えば、バーコート法、スリットコート法、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、および、転写法等の方法を用いることができる。
本発明においては、後述する貫通孔形成工程2において貫通孔の形成が容易となる理由から、下記式(1)を満たすように樹脂層を形成することが好ましい。
n<r ・・・(1)
ここで、式(1)中、nは、形成される樹脂層の厚みを表し、rは、組成物に含まれる金属粒子の平均粒子径を表し、nおよびrの単位はいずれもμmを表す。
n<r ・・・(1)
ここで、式(1)中、nは、形成される樹脂層の厚みを表し、rは、組成物に含まれる金属粒子の平均粒子径を表し、nおよびrの単位はいずれもμmを表す。
また、第2の製造方法においては、後述する貫通孔形成工程2で用いるエッチャントに対する耐性や、後述する樹脂層除去工程における作業性の観点などから、樹脂層形成工程により形成される樹脂層の厚みが0.5〜4μmであることが好ましく、1μm以上2μm以下であることが好ましい。
ここで、樹脂層の平均厚みは、ミクロトームを用いて切削し、断面を電子顕微鏡で観察した際に測定された任意の5点の厚みの平均値をいう。
ここで、樹脂層の平均厚みは、ミクロトームを用いて切削し、断面を電子顕微鏡で観察した際に測定された任意の5点の厚みの平均値をいう。
[保護層形成工程]
更に、第2の製造方法においては、後述する貫通孔形成工程2における作業性の観点から、貫通孔形成工程2の前に、金属箔の、樹脂層が形成される面とは反対側の主面に、重合体成分を含有する組成物を用いて保護層を形成する保護層形成工程を有していることが好ましい。
ここで、重合体成分としては、上述した樹脂層形成工程で用いる組成物に含まれる重合体成分と同一のものが挙げられる。すなわち、任意の保護層形成工程で形成される保護層は、上述した金属粒子が埋設されていない以外は、上述した樹脂層と同様の層であり、保護層の形成方法についても、上述した金属粒子を用いない以外は、上述した樹脂層と同様の方法で形成することができる。
なお、保護層形成工程を有する場合、貫通孔形成工程2の前の工程であれば、特に順序は限定されず、上述した樹脂層形成工程の前後または同時に行う工程であってもよい。
更に、第2の製造方法においては、後述する貫通孔形成工程2における作業性の観点から、貫通孔形成工程2の前に、金属箔の、樹脂層が形成される面とは反対側の主面に、重合体成分を含有する組成物を用いて保護層を形成する保護層形成工程を有していることが好ましい。
ここで、重合体成分としては、上述した樹脂層形成工程で用いる組成物に含まれる重合体成分と同一のものが挙げられる。すなわち、任意の保護層形成工程で形成される保護層は、上述した金属粒子が埋設されていない以外は、上述した樹脂層と同様の層であり、保護層の形成方法についても、上述した金属粒子を用いない以外は、上述した樹脂層と同様の方法で形成することができる。
なお、保護層形成工程を有する場合、貫通孔形成工程2の前の工程であれば、特に順序は限定されず、上述した樹脂層形成工程の前後または同時に行う工程であってもよい。
[貫通孔形成工程2]
第2の製造方法が有する貫通孔形成工程2は、上述した樹脂層形成工程の後に、樹脂層を有する金属箔をエッチャントに接触させて金属粒子および金属箔の一部を溶解し、金属箔に貫通孔を形成する工程であり、いわゆる化学エッチング処理により金属箔に貫通孔を形成する工程である。
第2の製造方法が有する貫通孔形成工程2は、上述した樹脂層形成工程の後に、樹脂層を有する金属箔をエッチャントに接触させて金属粒子および金属箔の一部を溶解し、金属箔に貫通孔を形成する工程であり、いわゆる化学エッチング処理により金属箔に貫通孔を形成する工程である。
〔エッチャント〕
エッチャントとしては、金属粒子および金属箔の金属種に適したエッチャントであれば、酸またはアルカリの化学溶液などを適宜用いることが可能である。
酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、過酸化水素、および、酢酸などが挙げられる。
また、アルカリの例としては、カセイソーダ、および、カセイカリなどが挙げられる。
また、アルカリ金属塩としては、例えば、タケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、および、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、および、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、および、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、および、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、および、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。
また、塩化鉄(III)、および、塩化銅(II)などの無機塩も用いることができる。
また、これらは1種類でも、2種類以上混合して使用してもよい。
エッチャントとしては、金属粒子および金属箔の金属種に適したエッチャントであれば、酸またはアルカリの化学溶液などを適宜用いることが可能である。
酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、過酸化水素、および、酢酸などが挙げられる。
また、アルカリの例としては、カセイソーダ、および、カセイカリなどが挙げられる。
また、アルカリ金属塩としては、例えば、タケイ酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸カリ、および、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケイ酸塩;炭酸ソーダ、および、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸塩;アルミン酸ソーダ、および、アルミン酸カリ等のアルカリ金属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、および、グルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、および、第三リン酸カリ等のアルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。
また、塩化鉄(III)、および、塩化銅(II)などの無機塩も用いることができる。
また、これらは1種類でも、2種類以上混合して使用してもよい。
〔処理方法〕
貫通孔を形成する処理は、樹脂層を有する金属箔を上述したエッチャントに接触させることにより行う。
接触させる方法は特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
浸せき処理の時間は、15秒〜10分であることが好ましく、1分〜6分であることがより好ましい。
また、浸漬させる際のエッチャントの液温は、25〜70℃であることが好ましく、30〜60℃であることがより好ましい。
貫通孔を形成する処理は、樹脂層を有する金属箔を上述したエッチャントに接触させることにより行う。
接触させる方法は特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
浸せき処理の時間は、15秒〜10分であることが好ましく、1分〜6分であることがより好ましい。
また、浸漬させる際のエッチャントの液温は、25〜70℃であることが好ましく、30〜60℃であることがより好ましい。
[樹脂層除去工程]
本発明の製造方法が有する樹脂層除去工程は、上述した貫通孔形成工程2の後に、樹脂層を除去し、貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製する工程である。
樹脂層を除去する方法は特に限定されないが、重合体成分として上述したアルカリ水可溶性高分子を用いる場合には、アルカリ性水溶液を用いて樹脂層を溶解して除去する方法が好ましい。
本発明の製造方法が有する樹脂層除去工程は、上述した貫通孔形成工程2の後に、樹脂層を除去し、貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製する工程である。
樹脂層を除去する方法は特に限定されないが、重合体成分として上述したアルカリ水可溶性高分子を用いる場合には、アルカリ性水溶液を用いて樹脂層を溶解して除去する方法が好ましい。
〔アルカリ性水溶液〕
アルカリ性水溶液としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、および、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、および、n−プロピルアミン等の第一アミン類;ジエチルアミン、および、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類;トリエチルアミン、および、メチルジエチルアミン等の第三アミン類;ジメチルエタノールアミン、および、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、および、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩;ピロール、および、ピヘリジン等の環状アミン類;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記アルカリ性水溶液に、アルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ性水溶液としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、および、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、および、n−プロピルアミン等の第一アミン類;ジエチルアミン、および、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類;トリエチルアミン、および、メチルジエチルアミン等の第三アミン類;ジメチルエタノールアミン、および、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、および、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩;ピロール、および、ピヘリジン等の環状アミン類;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記アルカリ性水溶液に、アルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
〔処理方法〕
樹脂層を除去する処理は、例えば、貫通孔形成工程2後の樹脂層を有する金属箔を上述したアルカリ性水溶液に接触させることにより行う。
接触させる方法は特に限定されず、例えば、浸せき法、および、スプレー法等が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
浸せき処理の時間は、5秒〜5分であることが好ましく、10秒〜2分であることがより好ましい。
また、浸漬させる際のアルカリ性水溶液は、25〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。
樹脂層を除去する処理は、例えば、貫通孔形成工程2後の樹脂層を有する金属箔を上述したアルカリ性水溶液に接触させることにより行う。
接触させる方法は特に限定されず、例えば、浸せき法、および、スプレー法等が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
浸せき処理の時間は、5秒〜5分であることが好ましく、10秒〜2分であることがより好ましい。
また、浸漬させる際のアルカリ性水溶液は、25〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。
[防食処理]
第2の製造方法は、防食処理を施す工程を有していることが好ましい。
また、防食処理を施すタイミングは特に限定されず、例えば、樹脂層形成工程で用いる金属箔に対して施す処理であってもよく、樹脂層除去工程においてアルカリ性水溶液に対して後述するトリアゾール類などを添加する処理であってもよく、樹脂層除去工程後に施す処理であってもよい。
第2の製造方法は、防食処理を施す工程を有していることが好ましい。
また、防食処理を施すタイミングは特に限定されず、例えば、樹脂層形成工程で用いる金属箔に対して施す処理であってもよく、樹脂層除去工程においてアルカリ性水溶液に対して後述するトリアゾール類などを添加する処理であってもよく、樹脂層除去工程後に施す処理であってもよい。
防食処理としては、例えば、少なくともトリアゾール類を溶媒に溶解したpH5〜8.5の溶液に金属箔を浸漬させ、有機誘電体皮膜を形成する処理が挙げられる。
トリアゾール類としては、例えば、ベンゾトリアゾール(BTA)、および、トリルトリアゾール(TTA)などが好適に挙げられる。
また、トリアゾール類とともに、各種の有機防錆材、チアゾール類、イミダゾール類、メルカプタン類、及び/又は、トルエタノールアミンなども使用することができる。
また、トリアゾール類とともに、各種の有機防錆材、チアゾール類、イミダゾール類、メルカプタン類、及び/又は、トルエタノールアミンなども使用することができる。
防食処理に用いる溶媒としては、水または有機溶媒(特にアルコール類)を適宜用いることができるが、形成される有機誘電体皮膜の均一性と量産時における厚み制御が行いやすく、また簡便であり、更には環境への影響などのことを考えると、脱イオン水を主体とする水であることが好ましい。
トリアゾール類の溶解濃度は、形成する有機誘電体皮膜の厚みや処理可能時間との関係で適宜に決められるが、通常、0.005〜1重量%程度であればよい。
また、溶液の温度は室温であればよいが、必要に応じては加温して使用してもよい。
また、溶液の温度は室温であればよいが、必要に応じては加温して使用してもよい。
溶液への金属箔の浸漬時間は、トリアゾール類の溶解濃度や形成する有機誘電体皮膜の厚みとの関係で適宜に決められるが、通常、0.5〜30秒程度であればよい。
防食処理の他の具体例としては、三酸化クロム,クロム酸塩,重クロム酸塩の群から選ばれる少なくとも1種を水に溶解して成る水溶液に金属箔を浸漬することにより、クロムの水和酸化物を主体とする無機誘電体皮膜を形成する方法が挙げられる。
ここで、クロム酸塩としては例えばクロム酸カリウムやクロム酸ナトリウムを好適とし、また重クロム酸塩としては例えば重クロム酸カリウムや重クロム酸ナトリウムを好適とする。そして、その溶解濃度は、通常、0.1〜10質量%に設定され、また液温は室温〜60℃程度でよい。水溶液のpH値は、酸性領域からアルカリ性領域まで格別限定されるものではないが、通常、1〜12に設定される。
また、金属箔の浸漬時間は、形成する無機誘電体皮膜の厚みなどにより適宜に選定される。
また、金属箔の浸漬時間は、形成する無機誘電体皮膜の厚みなどにより適宜に選定される。
本発明においては、上述した各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、及び/又は、水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
[ロール・ツー・ロールによる処理]
本発明においては、カットシート状の金属箔を用いて、いわゆる枚葉式で各工程の処理を施すものであってもよいし、長尺な金属箔を、所定の搬送経路で長手方向に搬送しつつ各工程の処理を施す、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)(以下、「RtoR」ともいう。)による処理を行うものであってもよい。
本発明におけるRtoRとは、長尺な金属箔を巻回してなるロールから金属箔を送り出して、長手方向に搬送しつつ、搬送経路上に配置された各処理装置によって、上述した樹脂層形成工程、貫通孔形成工程などの処理を連続的に順次、行い、処理済の金属箔(すなわち、電磁波シールド部材)を、再度、ロール状に巻回する製造方法である。
本発明においては、カットシート状の金属箔を用いて、いわゆる枚葉式で各工程の処理を施すものであってもよいし、長尺な金属箔を、所定の搬送経路で長手方向に搬送しつつ各工程の処理を施す、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)(以下、「RtoR」ともいう。)による処理を行うものであってもよい。
本発明におけるRtoRとは、長尺な金属箔を巻回してなるロールから金属箔を送り出して、長手方向に搬送しつつ、搬送経路上に配置された各処理装置によって、上述した樹脂層形成工程、貫通孔形成工程などの処理を連続的に順次、行い、処理済の金属箔(すなわち、電磁波シールド部材)を、再度、ロール状に巻回する製造方法である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<電磁波シールド部材の作製>
平均厚さ20μm、大きさ200mm×300mmのアルミニウム基材(JIS H−4160、合金番号:1085−H、アルミニウム純度:99.85%)の表面に、以下に示す処理を施し、電磁波シールド部材を作製した。
<電磁波シールド部材の作製>
平均厚さ20μm、大きさ200mm×300mmのアルミニウム基材(JIS H−4160、合金番号:1085−H、アルミニウム純度:99.85%)の表面に、以下に示す処理を施し、電磁波シールド部材を作製した。
(a−1)水酸化アルミニウム皮膜形成処理(皮膜形成工程)
50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、上記アルミニウム基材を陰極として電解処理を施し、アルミニウム基材に水酸化アルミニウム皮膜を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は、40A/dm2とし、30秒間印加した。
水酸化アルミニウム皮膜形成後、スプレーによる水洗を行った。
50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、上記アルミニウム基材を陰極として電解処理を施し、アルミニウム基材に水酸化アルミニウム皮膜を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は、40A/dm2とし、30秒間印加した。
水酸化アルミニウム皮膜形成後、スプレーによる水洗を行った。
(b−1)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が780C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は25A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が780C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は25A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
(c−1)水酸化アルミニウム皮膜の除去処理(皮膜除去工程)
次いで、電解溶解処理後のアルミニウム基材を、水酸化ナトリウム濃度5質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%の水溶液(液温35℃)中に30秒間浸漬した後、硫酸濃度30%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%の水溶液(液温50℃)中に20秒間浸漬させることにより、水酸化アルミニウム皮膜を溶解し除去した。
アルミニウム皮膜の除去後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させることにより複数の貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製した。
次いで、電解溶解処理後のアルミニウム基材を、水酸化ナトリウム濃度5質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%の水溶液(液温35℃)中に30秒間浸漬した後、硫酸濃度30%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%の水溶液(液温50℃)中に20秒間浸漬させることにより、水酸化アルミニウム皮膜を溶解し除去した。
アルミニウム皮膜の除去後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させることにより複数の貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製した。
[実施例2]
上記(a−1)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理に代えて、下記(a−2)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理を施し、上記(b−1)に示す電解溶解処理に代えて、下記(b−2)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)を施した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
上記(a−1)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理に代えて、下記(a−2)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理を施し、上記(b−1)に示す電解溶解処理に代えて、下記(b−2)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)を施した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
(a−2)水酸化アルミニウム皮膜形成処理(皮膜形成工程)
50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、上記アルミニウム基材を陰極として電解処理を施し、アルミニウム基材に水酸化アルミニウム皮膜を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は、40A/dm2とし、40秒間印加した。
水酸化アルミニウム皮膜形成後、スプレーによる水洗を行った。
50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、上記アルミニウム基材を陰極として電解処理を施し、アルミニウム基材に水酸化アルミニウム皮膜を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は、40A/dm2とし、40秒間印加した。
水酸化アルミニウム皮膜形成後、スプレーによる水洗を行った。
(b−2)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が300C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は5A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が300C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は5A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
[実施例3]
上記(b−1)に示す電解溶解処理に代えて、下記(b−3)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)を施した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
上記(b−1)に示す電解溶解処理に代えて、下記(b−3)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)を施した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
(b−3)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が1000C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は22A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が1000C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は22A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
[実施例4]
金属箔として、平均厚さ9.0μm、大きさ200mm×300mmのアルミニウム基材(JIS H−4160、合金番号:1085−H、アルミニウム純度:99.85%)を用い、アルミニウム基材の一方の表面に、特開2013−121673号公報に記載された方法で、厚さ125μmのPETを樹脂層としてラミネートした。その後、上記(a−1)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理に代えて、下記(a−3)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理を施し、上記(b−1)に示す電解溶解処理に代えて、下記(b−4)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)を施した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
金属箔として、平均厚さ9.0μm、大きさ200mm×300mmのアルミニウム基材(JIS H−4160、合金番号:1085−H、アルミニウム純度:99.85%)を用い、アルミニウム基材の一方の表面に、特開2013−121673号公報に記載された方法で、厚さ125μmのPETを樹脂層としてラミネートした。その後、上記(a−1)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理に代えて、下記(a−3)に示す水酸化アルミニウム皮膜形成処理を施し、上記(b−1)に示す電解溶解処理に代えて、下記(b−4)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)を施した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド部材を作製した。
(a−3)水酸化アルミニウム皮膜形成処理(皮膜形成工程)
50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、上記アルミニウム基材を陰極として電解処理を施し、アルミニウム基材に水酸化アルミニウム皮膜を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は、55A/dm2とし、10秒間印加した。
50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、上記アルミニウム基材を陰極として電解処理を施し、アルミニウム基材に水酸化アルミニウム皮膜を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は、55A/dm2とし、10秒間印加した。
(b−4)電解溶解処理(貫通孔形成工程1)
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が400C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は35A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
次いで、50℃に保温した電解液(硝酸濃度1%、硫酸濃度0.2%、アルミニウム濃度0.5%)を用いて、アルミニウム基材を陽極として、電気量総和が400C/dm2の条件下で電解処理を施し、アルミニウム基材及び水酸化アルミニウム皮膜に貫通孔を形成した。なお、電解処理は直流電源で行った。電流密度は35A/dm2とした。
貫通孔の形成後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させた。
[実施例5]
<電磁波シールド部材の作製>
金属箔として、平均厚さ10μm、大きさ200mm×300mmの銅箔(JIS C 1100−H、電解銅箔)を用いた。
<電磁波シールド部材の作製>
金属箔として、平均厚さ10μm、大きさ200mm×300mmの銅箔(JIS C 1100−H、電解銅箔)を用いた。
(d−1)樹脂層形成工程
銅箔上の片面に、下記組成に調製した樹脂層形成用組成物1を塗布し、乾燥させ、厚みが約1μmの樹脂層A1を形成した。
また、銅箔の逆側の面には、銅粒子を除いた以外は下記樹脂層形成用組成物1と同様の比率で調製した組成物を塗布し、乾燥させ、厚みが約1μmの保護層B1を形成した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
樹脂層形成用組成物1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・m,p−クレゾールノボラック
(m/p比=6/4、重量平均分子量4100) 1.2g
・HXR−Cu(銅粒子、平均粒子径:5.0μm、
日本アトマイズ加工(株)社製) 0.4g
・メガファックF−780−F(界面活性剤、DIC(株)製)0.1g
・メチルエチルケトン 1.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.0g
―――――――――――――――――――――――――――――――――
銅箔上の片面に、下記組成に調製した樹脂層形成用組成物1を塗布し、乾燥させ、厚みが約1μmの樹脂層A1を形成した。
また、銅箔の逆側の面には、銅粒子を除いた以外は下記樹脂層形成用組成物1と同様の比率で調製した組成物を塗布し、乾燥させ、厚みが約1μmの保護層B1を形成した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
樹脂層形成用組成物1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・m,p−クレゾールノボラック
(m/p比=6/4、重量平均分子量4100) 1.2g
・HXR−Cu(銅粒子、平均粒子径:5.0μm、
日本アトマイズ加工(株)社製) 0.4g
・メガファックF−780−F(界面活性剤、DIC(株)製)0.1g
・メチルエチルケトン 1.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.0g
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(e−1)貫通孔形成工程2
次いで、40℃に保温したエッチャント〔塩化鉄(III)濃度:30質量%、塩酸濃度:3.65質量%〕に、樹脂層A1および保護層B1を有する銅箔を3分間浸漬し、その後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させることにより、貫通孔を形成した。
次いで、40℃に保温したエッチャント〔塩化鉄(III)濃度:30質量%、塩酸濃度:3.65質量%〕に、樹脂層A1および保護層B1を有する銅箔を3分間浸漬し、その後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させることにより、貫通孔を形成した。
(f−1)樹脂層除去工程
次いで、貫通孔形成後の銅箔を、液温50℃のアルカリ性水溶液(水酸化ナトリウム濃度:0.4質量%)中に120秒間浸漬させることにより、樹脂層A1および保護層B1を溶解し、除去した。
その後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させることにより、貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製した。
次いで、貫通孔形成後の銅箔を、液温50℃のアルカリ性水溶液(水酸化ナトリウム濃度:0.4質量%)中に120秒間浸漬させることにより、樹脂層A1および保護層B1を溶解し、除去した。
その後、スプレーによる水洗を行い、乾燥させることにより、貫通孔を有する電磁波シールド部材を作製した。
[比較例1]
国際公開第2008/078777号に記載された方法に従い、アルミニウム基材を作製した。
具体的には、結晶配向を揃えたアルミニウム箔(厚み:20μm)に対して、塩酸電解液の温度と電解処理の電気量を調整し、平均開口径3μmの貫通孔を有するアルミニウム基材を作製した。
国際公開第2008/078777号に記載された方法に従い、アルミニウム基材を作製した。
具体的には、結晶配向を揃えたアルミニウム箔(厚み:20μm)に対して、塩酸電解液の温度と電解処理の電気量を調整し、平均開口径3μmの貫通孔を有するアルミニウム基材を作製した。
[比較例2]
国際公開第2008/078777号に記載された方法に従い、アルミニウム基材を作製した。
具体的には、硬質アルミニウム箔(厚み:20μm)の表面に、レジスト印刷にてパターンを形成し、アルカリ処理液で化学的なエッチング処理を施すことにより、平均開口径110μmの貫通孔を有するアルミニウム基材を作製した。
国際公開第2008/078777号に記載された方法に従い、アルミニウム基材を作製した。
具体的には、硬質アルミニウム箔(厚み:20μm)の表面に、レジスト印刷にてパターンを形成し、アルカリ処理液で化学的なエッチング処理を施すことにより、平均開口径110μmの貫通孔を有するアルミニウム基材を作製した。
[比較例3]
国際公開第2008/078777号に記載された方法に従い、アルミニウム基材を作製した。
具体的には、硬質アルミニウム箔(厚み:20μm)に対してパンチングダイにより機械的に貫通孔(平均開口径:300μm)を形成し、アルミニウム基材を作製した。
国際公開第2008/078777号に記載された方法に従い、アルミニウム基材を作製した。
具体的には、硬質アルミニウム箔(厚み:20μm)に対してパンチングダイにより機械的に貫通孔(平均開口径:300μm)を形成し、アルミニウム基材を作製した。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材における金属箔の厚み、貫通孔の平均開口径および平均開口率を、上述した方法により測定した。
[評価]
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材のGHz帯の電磁波シールド特性、紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率、および、中赤外領域の電磁波の透過率を評価した。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材のGHz帯の電磁波シールド特性、紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率、および、中赤外領域の電磁波の透過率を評価した。
<電磁波シールド特性>
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材を、図11に示すように、2室シールドルームの中間隔壁の開口480mm×480mmにアタッチメントを用いて取り付けた。なお、取り付けられた電磁波シールドの表出部の大きさは250mm×190mmとなる。
また、大略遠方界平面波によるシールド効果が得られる様に、中間隔壁面より各1mの距離(アンテナ間隔2m)に送信アンテナおよび受信アンテナを配置した。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材を、図11に示すように、2室シールドルームの中間隔壁の開口480mm×480mmにアタッチメントを用いて取り付けた。なお、取り付けられた電磁波シールドの表出部の大きさは250mm×190mmとなる。
また、大略遠方界平面波によるシールド効果が得られる様に、中間隔壁面より各1mの距離(アンテナ間隔2m)に送信アンテナおよび受信アンテナを配置した。
送信アンテナとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、バイログアンテナ(SCHAFFNER社製 CBL6140A)を用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲はホーンアンテナ(RAVEN社製 96001)を用いた。
受信アンテナとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、バイコニアンテナ(株式会社富士通ゼネラルEMC研究所製)を用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲は、ホーンアンテナ(SCHWARZBECK社製 9120D)を用いた。
パワーアンプとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、株式会社ノイズ研究所製 NA10MF3G2を用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲はAgilent社製 83017Aを用いた。
プリアンプとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、スタック電子株式会社製のプリアンプを用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲はHP社製 8449Bを用いた。
ネットワークアナライザ(NA)としては、株式会社アドバンテスト製 R3770を用いた。
受信アンテナとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、バイコニアンテナ(株式会社富士通ゼネラルEMC研究所製)を用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲は、ホーンアンテナ(SCHWARZBECK社製 9120D)を用いた。
パワーアンプとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、株式会社ノイズ研究所製 NA10MF3G2を用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲はAgilent社製 83017Aを用いた。
プリアンプとしては、30NHz〜1000MHzの範囲は、スタック電子株式会社製のプリアンプを用いた。また、1GHz〜18GHzの範囲はHP社製 8449Bを用いた。
ネットワークアナライザ(NA)としては、株式会社アドバンテスト製 R3770を用いた。
電磁波シールド特性を電波の漏れが最大となる部分(シールドが最も弱い部分)で規定すべく、受信アンテナを中心±240mm(480mm×480mm)の範囲に渡って走査して、Max Hold機能により電界強度の最大レベルを記録した。電磁波シールド部材を通過する前の電磁波の強度と電磁波シールド部材を通過した後の電磁波の強度の最大レベルとから電磁波シールド特性を求めた。なお、電磁波シールド特性は電磁波シールド部材無しの状態をリファレンスとし、1GHz〜18GHzの範囲の平均値とした。
<紫外領域から可視光領域の透過率>
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材の紫外領域から可視光領域の透過率を測定した。
透過率は、株式会社島津製作所製 SolidSpec-3700を用いて透過率を測定し、平均値を求めた。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材の紫外領域から可視光領域の透過率を測定した。
透過率は、株式会社島津製作所製 SolidSpec-3700を用いて透過率を測定し、平均値を求めた。
<近赤外領域の透過率>
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材の近赤外領域の透過率を測定した。
透過率は、日本分光株式会社製分光器V−7200を用いて透過率を測定し、平均値を求めた。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材の近赤外領域の透過率を測定した。
透過率は、日本分光株式会社製分光器V−7200を用いて透過率を測定し、平均値を求めた。
<中赤外領域の透過率>
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材の中赤外領域の透過率を測定した。
2500nm〜18000nmの範囲で、Bluker社製FT−IR Vertex70を用いて透過率を測定し、2500nmから平均開口径の半分の長さの波長までの範囲での平均値を求めた。
結果を表2に示す。
実施例1〜5および比較例1〜3で作製した各電磁波シールド部材の中赤外領域の透過率を測定した。
2500nm〜18000nmの範囲で、Bluker社製FT−IR Vertex70を用いて透過率を測定し、2500nmから平均開口径の半分の長さの波長までの範囲での平均値を求めた。
結果を表2に示す。
表2に示すとおり、比較例1ではGHz帯のシールド特性が高いものの、紫外領域から近赤外領域および中赤外領域で透過性を有さない。一方、比較例2および3では紫外領域から可視光領域、近赤外領域および中赤外領域で透過性を有するものの、GHz帯のシールド特性が低くなる。
これに対して、本発明の実施例はGHz帯のシールド特性を60dB以上とでき、かつ、紫外領域から可視光領域の透過率、近赤外領域の透過率および中赤外領域の透過性を確保することができることがわかる。
以上より本発明の効果は明らかである。
これに対して、本発明の実施例はGHz帯のシールド特性を60dB以上とでき、かつ、紫外領域から可視光領域の透過率、近赤外領域の透過率および中赤外領域の透過性を確保することができることがわかる。
以上より本発明の効果は明らかである。
1 アルミニウム基材
2 水酸化アルミニウム皮膜
3 貫通孔を有する金属箔
4 貫通孔を有する水酸化アルミニウム皮膜
5 貫通孔
10 電磁波シールド部材
12 金属箔
14 樹脂層
16 金属粒子
18 保護層
2 水酸化アルミニウム皮膜
3 貫通孔を有する金属箔
4 貫通孔を有する水酸化アルミニウム皮膜
5 貫通孔
10 電磁波シールド部材
12 金属箔
14 樹脂層
16 金属粒子
18 保護層
Claims (3)
- 厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成された金属箔を備え、
前記貫通孔の平均開口径が1μm〜100μm、平均開口率が1%〜50%であり、
前記貫通孔の平均開口径が1μm以上、1.5μm未満において、
紫外領域から可視領域において、前記貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、前記平均開口率の10%以上であり、
前記貫通孔の平均開口径が1.5μm以上、5μm未満において、
紫外領域から可視領域の電磁波の透過率が、前記貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
近赤外領域において、前記貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、前記平均開口率の10%以上であり、
前記貫通孔の平均開口径が5μm以上において、
紫外領域から近赤外領域の電磁波の透過率が、前記貫通孔の平均開口率の絶対値−5%から+5%の範囲であり、
中赤外領域において、前記貫通孔の平均開口径の半分の長さの波長までの電磁波の透過率が、前記平均開口率の10%以上である電磁波シールド部材。 - 前記金属箔の厚みが5μm〜1000μmである請求項1に記載の電磁波シールド部材。
- 前記金属箔が、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、ステンレス箔、チタン箔、タンタル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ジルコニウム箔、タングステン箔、ベリリウム銅箔、燐青銅箔、黄銅箔、洋白箔、錫箔、鉛箔、亜鉛箔、半田箔、鉄箔、ニッケル箔、パーマロイ箔、ニクロム箔、42アロイ箔、コバール箔、モネル箔、インコネル箔、および、ハステロイ箔からなる群から選択される箔であり、または、前記群から選択される箔と選択された箔とは異なる種類の金属とが積層されてなる箔である、請求項1または2に記載の電磁波シールド部材。
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