JPH03208514A - 塗装鋼板の切断方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、塗装鋼板の端面部の耐食性を向上させること
ができる塗装鋼板の切断方法に関し、建材、家電製品、
自動車など塗装鋼板を使用する分野で利用できる． 〈従来の技術〉 塗装鋼板は、切断された後に加工されて製品になるため
、その端面部は塗装されない状態のままで使用される。

このため、端面部の耐食性が、各種の加工工程を経てか
ら塗装される（ボストコート）製品に比べて悪いという
欠点がある。塗装鋼板の端面部の耐食性を向上するため
に、これまで、塗装原板としてめっき鋼板やステンレス
鋼板を用いる、塗装前処理を工夫する、など材料面から
の検討や、切断後に端面部を塗装するなど後処理の検討
がなされてきた。しかし、いずれも不十分な効果しかな
く、或はかなりのコストアッ′プになるなどの欠点があ
った． 〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、簡単な方法で塗装鋼板の端面部の耐食性を十
分に、しかもコストアップを抑えて向上させる方法を提
案するものである． く課題を解決するための手段〉 本発明は、めっき鋼板を原板とする塗装鋼板において、
これを強制的に加温してから切断することを特徴とする
塗装鋼板の切断方法を要旨とするものである． 特に、塗装鋼板を塗膜のガラス転移点より高い温度に加
熱すること、塗装鋼板の表面から裏面に向かって切断す
ることを特徴としている。このような方法で、塗装鋼板
を切断することにより、塗装鋼板の切断端面部の耐食性
が向上する．く作用〉 本発明における塗装鋼板とは、鋼板に何等かの有機皮膜
層を形威した物で、切断された後に使用される物をさす
．以下有機皮膜層を塗膜と称するが、これは塗料を塗っ
て乾燥させた塗膜、予めフィルム状になっている有機皮
膜を張り付けたフィルム層何れをも含むものとする。

塗装鋼板断面の一例を第１図に模式的に示す。

（ａ）は、該鋼板断面構造、（ロ）は、切断端面の状況
である． 本発明者らは、この塗装鋼板の切断後の端面部の状態を
研究した結果、切断端面にも塗膜が残って端面の一部が
被覆された状態になること、切断の方法によってその被
覆の状態が異なることを見出して本発明を完戒するに至
った。すなわち、切断時の塗装鋼板の温度が高いほど切
断面の塗膜による被覆部分が多くなり、端面が塗膜で良
く被覆された状態になる．この理由は、塗膜が一般に高
分子物質で粘弾性体であることから、その物性が温度に
大きく依存していることによる．つまり、塗膜の温度が
高いと、一ａに塗膜の伸びは大きく、塗膜の弾性率や抗
張力は小さくなり、塗膜は変形し易くなる。このため、
塗装鋼板を切断するときにその温度が高いと、塗膜が切
断用の刃に良く追随し、切断端面を良く被覆する。更に
、塗膜がそのガラス転移点より高い温度に加温された場
合には、特に効果がある．これは、ガラス転移点を越え
ると塗膜の柔軟性が著しく増加し、切断後端面の塗膜被
覆率が大きく向上するためである。

本発明では、ガラス転移点は、島津製作所ＤＴ２００型
熱分析装置を用い、熱機械分析法の針入モードで、加重
２０ｇ／１ｍｍφ，昇温速度１０″Ｃ／分で測定して得
られた値を用いたが、その測定は、一般に行われる如何
なる方法でも良い。また、加熱温度は塗膜の耐熱性を考
慮して適宜選択すれば良い． 切断の方法としては、シャーによる切断、ポンチによる
打ち抜きなど機械的に鋼板に剪断力を与えることによる
ものに適用できる．なお、塗膜の粘弾性的な性質から、
切断の速度が遅いほど塗膜は柔らかい状態となるため、
端面の塗膜被覆率は向上し、耐食性も良くなる． 加温は、塗装鋼板を切断する機械のある部屋或は作業場
全体を加温する、機械の周辺のみを加温する、塗装鋼板
のみを加温する、或は別の箇所で塗装鋼板を予め加温し
ておいてから切断するなど、切断時の塗装鋼板の温度が
、外気温（加温なしの状態）よりも高い状態になれば、
如何なる方法でもよい．加温するための手段としては、
空調機によって雰囲気温度を上げる方法、温風を塗装鋼
板に直接吹き付ける方法、塗装鋼板に近赤外線、遠赤外
線などのエネルギー線を照射する方法、高周波誘導加熱
によって塗装鋼板を直接加熱する方法、など切断時に塗
装鋼板の温度が加温された状態にあれば如何なる方法で
もよい。

塗装鋼板は通常両面を塗装されているが、最終的な製品
に組み立てられた後で表になる面（以下表面と称する）
には、裏になる面（以下裏面と称する）よりも通常厚く
塗装が施されている。塗装鋼板を切断するとき、表面か
ら裏面に向かって切断する方が、塗膜厚みが表面の方が
厚い分だけ端面の塗膜被覆率は向上するので、望ましい
。

塗装原板にメッキ鋼板を使用すると、塗膜の他にメッキ
による端面部の被覆、メッキの犠牲防食作用が期待でき
、冷延鋼板を用いるよりも端面部の防食性は大幅に向上
する。メッキ鋼板としては、例えば溶融亜鉛メッキ鋼板
、電気亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、電
気亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、鉛合
金メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板
などが挙げられる。

以下、本発明を実施例によって説明する．（実施例） 本実施例の切断試験で使用した塗装鋼板の構戒を第１表
に、また、その製造条件を第２表にまとめた。なお、第
１表において、メッキ付着量は、表・裏両面の合計値で
あり、ガラス転移点は、前述のように、島津製作所製Ｄ
Ｔ２００型熱分析装置を用いて熱機械分析法により求め
た。この際の針入モードは、荷重２　０　ｇ　／　１　
ｍａφ、昇温速度１０″Ｃ／分とした． まず、これら第１表の各塗装鋼板を所定の条件にて加温
した後に切断し、端面部の塗膜被覆率、塩水噴霧（ＳＳ
Ｔ）２４０時間テスト後の塗膜膨れ幅、切断面の赤錆発
生率を調べて、その結果を第３表にまとめた。

この切断試験は、第３表のＮα１〜１２、ｌ５、１６、
１８、１９については冬の気温５゜Ｃの日に行ない、そ
の他のＮｃＬｌ３、１４、ｌ７については春の気温２０
゜Ｃの日に行なった。

加温方法としては、切断を行なう部屋全体を空調機で加
温（第３表中では「空調」）する場合と、塗装鋼板の切
断前に誘導加熱装置を用いて所定温度に加温する場合の
二通りを行ない、その後直ちに切断した。

また、切断方法としては、電動シャーを用いる場合と、
５０ａｍφの円形打抜きを行なう場合の二通りを実施し
た． 端面部の塗膜被覆率は、断面を光学顕微鏡で観察し、断
面厚み方向長さに占める塗膜被覆長さの割合を％表示し
た。さらに、塩水噴霧（ＳＳＴ）２４０時間テスト後の
端面の塗膜膨れ幅を測定し（単位：Ｗ）、切断面の赤錆
発生率を目視で評価して％表示した。

その結果、第３表を見れば分かるように、加温すること
によって切断面の塗膜被覆率が上昇し、一方、赤錆発生
率、塗膜膨れ幅は共に小さくなって、本発明の有効性を
確認できる．特に、メッキを施した鋼板の場合には、塗
膜のガラス転移点以上の温度まで加温すると、塗膜被覆
率向上効果が著しく表われ、何れの場合も２０％以上の
値となる．また、切断を表から裏の方向に行なった場合
は、逆方向に切断した場合と比べて耐食性が良好となっ
ていることも分かる。

第 １ 表 塗装鋼板の構成 Ｇｌ・・・溶融亜鉛メッキ鋼板 ＡＳ・・・合金化溶融亜鉛メッキ鋼板 ＣＲ・・・冷延鋼板 第 ２ 表 塗装鋼板の製造条件 （発明の効果） 以上のように、本発明によれば、簡単な設備あるいは装
置を用いて塗装鋼板を加温してから切断することによっ
て、塗装鋼板の大きな問題点の一つである端面耐食性を
改善することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、塗装鋼板断面の一例を示しており、（ａ）は
該鋼板の断面構造図、伽）は該鋼板の切断端面を横から
見た断面構造図である。 １・・・鋼板、２・・・表面塗膜、２′・・・裏面塗膜
、３・・・化威処理層、４・・・メッキ層。 区 一

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）めっき鋼板を塗装原板とする塗装鋼板において、
   これを強制的に加温してから切断することを特徴とする
   塗装鋼板の切断方法。
2. （２）塗装鋼板を塗膜のガラス転移点より高い温度に加
   熱することを特徴とする請求項１記載の塗装鋼板の切断
   方法。
3. （３）塗装鋼板の表面から裏面に向かって切断すること
   を特徴とする請求項１または２記載の塗装鋼板の切断方
   法。