JPWO2018163563A1 - 蒸発固液分離方法 - Google Patents

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Abstract

微量の成分組成が重要な用途にも使用できるミネラル水と塩混合物、及びその製造方法を提供することを課題とし、海水を蒸発固液分離して、塩混合物とミネラル水に分離する蒸発固液分離方法であって、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下に維持すると共に、減圧器を用いて容器内の圧力を1kPa以上20kPa以下に維持することを特徴とする蒸発固液分離方法、該製造方法で製造された塩混合物及びミネラル水により課題を解決した。

Description

本発明は、特定の温度と特定の圧力で海水を蒸発させて、有用で新規な組成のミネラル水と塩混合物とに分離する蒸発固液分離方法に関するものである。また更に、該蒸発固液分離方法を用いて得られた新規の組成のミネラル水と塩混合物、及び、該蒸発固液分離方法用の蒸発固液分離装置に関するものである。
海水から塩化ナトリウムを除去し淡水を得る方法は多く知られている。
例えば、特許文献1〜3には、逆浸透膜を用いる、脱塩処理方法、塩分濃縮液の製造方法、淡水兼用浄水装置等が記載されている。
また、特許文献4には、モザイク荷電膜を用いた海水の処理方法が記載され、特許文献5、6には、イオン交換膜を用いたミネラル成分含有組成物(ミネラル水等)の製造方法が記載されている。
また、例えば、特許文献7等には、フラッシュ蒸発に関する装置や方法が記載されている。
加熱して海水中の水を蒸発させ、得られた水蒸気を液化させるものとして、例えば特許文献8には、多重効用型造水装置用蒸発器が記載され、特許文献9、10には、浸透膜を併用する蒸発装置や造水装置が記載されている。
しかしながら、これらの技術は、単純に海水から淡水を得ることが目的であり、得られた淡水は主に塩化ナトリウム濃度が飲料等に使用できるまでに減少していればよいものであり、また、残渣として得られる塩類の組成、微量元素の有無等にまで配慮したものではなかった。
すなわち、これらの従来技術は、単なる通常の飲料を確保したり、単に河水代替の農業用水を確保したりするものであり、得られた「淡水(軟水)と言った液」を、例えば、化粧料(の原料)、健康食品(の原料)等、微量な成分(の含有比)が重要になる分野に使用するものではなかった。
すなわち、微量の成分組成が重要な用途にも優位性をもって使用できる海水の固液分離方法は、今までに殆ど存在しない。
特開2007−267747号公報 特開2015−029935号公報 特開2016−203056号公報 特開2006−007084号公報 特開2002−238515号公報 特開2015−019638号公報 特開2000−107502号公報 特開2007−198701号公報 特開2015−150553号公報 特開2016−097328号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、僅かの成分比が重要な用途や微量の成分(元素)の有無が重要な用途にも使用できるミネラル水と塩混合物を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、対象物の温度を25℃以上60℃以下に維持しつつ好適に蒸発固液分離するために必要な「特定の圧力範囲と(より好ましくは気体排出能力)」を見出し、そのような条件を(工業的な量でも)達成できる装置を初めて実現できた。
そして、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、その蒸発条件等を海水に適用させた結果、意外にも、微量の成分(元素)が天然物のまま残存(維持)できている新規な組成のミネラル水(と塩混合物)が得られることを見出して本発明に至った。
すなわち、本発明は、海水を蒸発固液分離して、塩混合物とミネラル水に分離する蒸発固液分離方法であって、
少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下に維持すると共に、減圧器を用いて容器内の圧力を1kPa以上20kPa以下に維持することを特徴とする蒸発固液分離方法を提供するものである。
また、本発明は、少なくとも以下の操作(1)ないし(4)の全てを行って海水を蒸発固液分離する上記の蒸発固液分離方法を提供するものである。
(1)少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下の温度範囲を維持するように上記容器内を加熱ユニットで加熱する加熱操作、
(2)少なくとも主たる蒸発固液分離中は、水エジェクタを減圧器として用いて減圧して、該容器内を1kPa以上20kPa以下に維持し、該海水に含有される水の蒸発熱で該海水を冷却して該海水の温度を25℃以上60℃以下の温度範囲に維持する冷却操作、
(3)該容器から流出された気体を、冷却器を用いて液化してミネラル水を得る液化操作、
(4)該容器内に残った塩混合物を、該容器の粉末取出口から取り出して塩混合物を得る取出操作
また、本発明は、上記の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離することを特徴とする塩混合物の製造方法及びミネラル水の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の蒸発固液分離方法用の蒸発固液分離装置であって、
少なくとも、撹拌機、加熱ユニット及び粉末取出口を有する容器;水エジェクタである減圧器;並びに;冷却器を具備するものであることを特徴とする蒸発固液分離装置を提供するものである。
また、本発明は、上記の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離して得られるものであることを特徴とする塩混合物及びミネラル水を提供するものである。
本発明は、前記した従来の問題点や課題を解決し、天然の海水に含まれている微量成分(元素)を保持しているミネラル水や、天然の海水に近い塩混合物を提供することができる。その結果、微量の成分組成が重要な用途にも使用できる新規な成分組成のミネラル水と塩混合物を提供することができる。
(常圧等で)水の沸点まで加熱する従来の蒸留とは異なり、過度の加熱による海水内の微量成分の変質・逸失もなく、また、かかる汎用(通常)の蒸留に比較して、「得られる蒸発分」の中にも、海水内の金属イオン等が存在(残存)するので、すなわち本来の蒸発では除去されてしまうような微量金属イオン等も「蒸発されるものの中」に含有されるので、「圧倒的に多い塩化ナトリウムの性質以外の性質」に関して、「原料となる自然界の海水の性質」を、より有したままのミネラル水(蒸発で得られる蒸発分)が得られる。その結果、本発明のミネラル水を生物に適用した結果、後述するように該生物に優れた効果を及ぼす。
一方、60℃以下で、十分に減圧(例えばロータリーポンプで約1Pa(10−2mmHg))して水を蒸発させ淡水を得るような方法は当然知られている。しかしながら、このような方法では、本発明のような優れたミネラル水や塩混合物が得られない。すなわち、圧力の下限が重要である。
しかも、温度を25℃以上60℃以下と言う低温に維持しつつ、圧力を1kPa以上20kPa以下と言う比較的高圧で(減圧度を上げずに)、工業的に通用する海水量を工業的に通用する時間内で蒸発させることは、特殊の減圧器が必要である;また得られたものが優れたものであるという予想がつかなかった;等の理由から従来行われていない。
従来の海水の蒸発は、蒸発効率、コストダウン等を重視し、飲み水を確保したり、農業用の水(塩化ナトリウム濃度を一定濃度以下にしただけの水)を確保したりするものであったが、本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造されるミネラル水は、生体に適応する等の特徴があるため、上記したような高付加価値のファインケミカルに好適に利用できるものである。
本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造されるミネラル水は、市販のミネラル水に比べ、カルシウム(Ca)の含有量は概ね少ないが、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)の含有量については確実に多いことが確かめられている。また、その他の海水の成分も散逸せずに残存している可能性が高い。
本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造されるミネラル水は、海水からその圧倒的主成分である塩化ナトリウム(NaCl)だけを減らしたものであり、その他の海水の(微量)成分は散逸せずに残存している。
一方、海水を100℃で蒸発させたり、膜を使用して淡水化させたりした水は、塩化ナトリウム(NaCl)のみならず、他の(微量)成分(金属元素である可能性が高い)まで除去されてしまっている。
本発明のミネラル水は、「天然物である海水」からの散逸物質が殆どない。そのため、生体に必要な微量成分(元素)がそのまま残存していると考えられる。
該「(微量)成分」は明らかになっていないが、散水した土壌での植物(野菜等)の生長速度、該野菜の風味;本発明のミネラル水自体の風味、該ミネラル水を使用した料理の味や漬物の味;等が、「微量成分(元素)を長年補っていない土壌」から得られたものとは全く異なることから明らかである。なお、該「他の(微量)成分」は、有機成分ではなく、特定の元素(例えば、金属又は金属塩)である可能性が高い。
該(微量)成分は、本発明において具体的には明らかになっていないが、現在の(分析)先端技術でも全て明らかにはなっていない。本発明は、現在の(分析)技術では到底分からない上記したような生体に関する作用向上について、該(微量)成分の特定(分析)からアプローチすることは諦め、抗菌剤を天然物である抗生物質に頼るように、天然物である海水に頼ってなされたものである。
本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造される塩混合物は、市販の塩(しお)に比べ、塩化ナトリウム(NaCl)の含有量も、ナトリウム(Na)の含有量も極めて少ない(実施例参照)。一方、本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造される塩混合物は、市販の塩(しお)に比べ、マグネシウム(Mg)の含有量も、カルシウム(Ca)の含有量も、カリウム(K)の含有量も多い(実施例参照)。
本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造される蒸発分であるミネラル水も、その残余である塩混合物も、何れも新規の組成や水の構造を有するため、例えば、化粧水等の化粧料(の原料);健康食品(の原料);漬物、飲用水等の一般食品(の原料)、農産物用の水;魚類等の養殖用の水(の原料);等、「微量成分(の含有比)が、その性能を左右する(ために重要になる)用途」に特に好適に使用できる。
本発明の蒸発固液分離方法を用いて製造されるミネラル水と塩混合物は、何れも新規の組成や水のクラスター構造等を有するであろうことは、上記用途に使用したときに、実際に従来品と異なる風味やヒト(の肌等)への効果等を示したことから確かめられている。
なお、ヒトが感知することができる「味と臭い」(風味)の差異や、ヒト(の肌)等への影響の差異は、現在の機器分析の能力を超えている(検出限界以下である)ことは技術常識であるところ、該優れた効果を示す微量成分や微妙な成分含有比を直接特定することは、不可能であるか又はおよそ実際的でない(「不可能・非実際的事情」がある)。
本発明に使用される装置の全体の一形態を示す概略図である。 本発明に使用される装置に具備されている容器、冷却器、回収容器等の一形態を示す概略断面図である。 本発明に使用される装置に具備されている容器が有する撹拌機の一形態を示す概略斜視図である。 本発明に使用される装置に具備されている好ましい減圧器である横噴射型の水エジェクタの一形態を示す概略断面図である。 本発明に使用される装置に具備されている好ましい減圧器である横噴射型の水エジェクタと水タンクと循環ポンプ等の一形態を示す概略断面図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的態様に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明の蒸発固液分離方法は、海水を蒸発固液分離して、塩混合物とミネラル水に分離する蒸発固液分離方法であって、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下に維持すると共に、減圧器を用いて容器内の圧力を1kPa以上20kPa以下に維持することを特徴とする。
本発明に用いる蒸発固液分離装置は、用途が「本発明の蒸発固液分離方法」に限定された装置である。本発明に用いる蒸発固液分離装置は、本発明の蒸発固液分離方法に用いられ得る能力を有する蒸発固液分離装置であって、少なくとも、撹拌機、加熱ユニット及び粉末取出口を有する容器;減圧器(好ましくは水エジェクタである減圧器);並びに;冷却器を具備する。
本発明に用いる装置の好ましい一例は、例えば図1及び図2に示したように、少なくとも、
海水Aを撹拌する撹拌機110、海水A及び容器100内を加熱する加熱ユニット120、海水Aから発生する気体を取り出す気体取出口130、及び、処理後に塩混合物Bを取り出す粉末取出口140を有する容器100;
該気体取出口130から取り出された気体を冷却する冷却器200;
該容器100内を減圧する減圧器300;並びに;
該冷却器200で冷却されて液化したミネラル水Cを回収する回収容器400;を具備している。
本発明の蒸発固液分離方法は、好ましくは、少なくとも以下の操作(1)ないし(4)の全てを行うものである。
(1)少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下の温度範囲を維持するように該容器内を加熱ユニットで加熱する加熱操作、
(2)少なくとも主たる蒸発固液分離中は、水エジェクタを減圧器として用いて減圧して、該容器内を1kPa以上20kPa以下に維持し、該海水に含有される水の蒸発熱で該海水を冷却して該海水の温度を25℃以上60℃以下の温度範囲に維持する冷却操作、
(3)該容器から流出された気体を、冷却器を用いて液化してミネラル水を得る液化操作、
(4)該容器内に残った塩混合物を、該容器の粉末取出口から取り出して塩混合物を得る取出操作
本発明の、海水Aを蒸発固液分離して塩混合物Bとミネラル水Cを製造する特に好ましい方法は、下記に限定はされないが、具体的には例えば下記のように行なわれる。
まず、操作開始に当り、冷却水供給装置に冷却水を充填し、冷却器200に冷却水を循環させる。次いで、海水Aを海水投入口103から容器100内に投入して蓋104を閉じる。
海水Aを容器100内に投入したら、要すれば撹拌機110を回転させ、該海水Aを容器100内で撹拌する撹拌操作を行う。撹拌操作と撹拌機110の(特に)好ましい条件・構造については後述する。
次いで、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水Aの温度を25℃以上60℃以下の温度範囲を維持するように該容器100内を加熱ユニット120で加熱する加熱操作を行う。
本発明で、「主たる蒸発固液分離」とは、蒸発固液分離操作の初期から容器に投入した海水の70質量%以上が蒸発固液分離されるまでを言う。また、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは98質量%以上が蒸発固液分離されるまで後記する特定の温度条件、特定の圧力条件に維持しておくことが望ましい。
蒸気供給装置から蒸気室121内に加熱用蒸気を供給することにより、外部から熱を加える。容器100には、海水A及び容器100内を加熱する加熱ユニット120が設置されており、該加熱ユニット120では、蒸気供給装置122によって加熱された水蒸気が、容器100(好ましくは容器100の下部半円筒部101)の周囲に設置された蒸気室に送り込まれる。
容器100に加えられた熱は、海水Aに伝達され、海水Aが撹拌機110によって又は沸騰によって撹拌されることにより、海水A中の水の蒸発が起こると共に、(濃縮された)海水Aの温度、濃度、粘度等が均一になる。
なお、本発明では、海水Aの温度を25℃以上60℃以下に維持し、該温度での水の蒸気圧と同じ又は若干低い圧力(例えば10%低い圧力)で留去することが好ましいが、その際、海水Aは沸騰する。従って、該沸騰によって撹拌がなされるので、撹拌機110は必須ではないが、より均一な温度伝達、最後の取出し等のために撹拌機110が存在することが好ましい。
蒸気室121内に送り込む加熱用蒸気の温度や量を適宜調整して海水Aを加熱する。
一方、減圧器300である水エジェクタ301に供給する水の量・圧力・噴射速度等を調整して気体排出能力や容器100内の圧力を適切に設定して、蒸発速度を調整することによってその蒸発熱で海水Aを冷却する。
すなわち、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該容器100内を1kPa以上20kPa以下に維持し、該海水Aに含有される水の蒸発熱で該海水Aを冷却して、該海水Aの温度を25℃以上60℃以下の温度範囲に維持する。
減圧器300の気体排出能力を、「内容積が1mの容器を用いた場合に換算して、常圧体積20m/時間以上」とすることによって、加熱ユニット120によって海水Aが急速に加熱(昇温)されそうになっても、海水A中の水の蒸発熱で該海水Aの温度を所定温度以下に下げることができる。
容器100の実質体積は、特に限定はないが、その範囲は本発明における蒸発固液分離の条件が有効に効くか否かの点から重要である。
海水Aの最大投入容量(L)として、すなわち投入できる海水Aの嵩(L)として、20L以上5000L以下が好ましく、35L以上4000L以下が好ましく、50L以上3000L以下が特に好ましい。なお、海水Aの最大投入容量(L)は、前記した容器100の下部半円筒部101の体積にほぼ等しいことが好ましい。
容器100の実質体積、又は、図2、図3のような形状の容器を用いるときはその下部半円筒部101の体積が小さ過ぎると、1回の処理量が少なくなり過ぎてコストアップになるので商業的に使用できなくなる。また、本発明における前記又は後記する特殊な蒸発固液分離の条件(容器内圧力、気体排出能力等)や装置(撹拌機、減圧器等)を適用する意味が薄れる場合がある。
一方、大き過ぎると、本発明の前記効果を発揮できるような、減圧器300が存在しない又は現実的でないほど極めて高価となる場合;特に、海水Aの昇温を水の蒸発熱で抑制できるだけの「容器の大きさに見合った気体排出能力と減圧度」を有する減圧器300が存在しない又は現実的でないほど極めて高価となる場合;容器100の筐体に減圧負荷がかかり過ぎる場合;等がある。
1回の処理で蒸発固液分離する海水Aの質量は、使用する容器100の体積に依存するので特に限定はないが、5kg以上300kg以下が好ましく、20kg以上200kg以下がより好ましく、30kg以上100kg以下が特に好ましい。
少な過ぎても多過ぎても、上記した「容器100又は下部半円筒部101の体積」が小さ過ぎる場合や大き過ぎる場合と同様のことが起こる場合がある。
特に、海水Aが少な過ぎる場合は、本発明における「主たる蒸発固液分離中の圧力」、減圧器種類、気体排出能力、蒸発熱を冷却に利用すること、等の(好ましい)要件・特徴が生かされない場合がある。本発明は、海水Aの量が上記下限以上の時に特にその効果を奏する。
本発明の蒸発固液分離方法においては、上記容器の体積をV[L]とし、該容器に投入される海水Aの質量をM[kg]とするときに、V[L]をM[kg]の2倍以上5倍以下に設定することが好ましく、2.2倍以上3.5倍以下がより好ましく、2.5倍以上3.0倍以下が特に好ましい。
V[L]/M[kg]の値が小さ過ぎると、撹拌、蒸発等を良好に実行できない場合がある。一方、V[L]/M[kg]の値が大き過ぎると、大きな容器100が無駄になる場合;容器100が大き過ぎて、減圧器300の気体排出能力が十分に発揮できず、その結果、蒸発熱による海水Aの冷却ができず、該海水Aの温度が前記温度範囲の上限を超えてしまう場合;等がある。また、小さ過ぎても大き過ぎても、上記した「容器100又は下部半円筒部101の体積」が小さ過ぎる場合や大き過ぎる場合と同様のことが起こる場合がある。
このように、加熱ユニット120による海水Aに対する加熱操作と、減圧器300による海水Aに対する冷却操作を行い、海水Aの温度を25℃以上60℃以下の範囲(更には、後述するより好ましい範囲や特に好ましい範囲)に維持する。
容器100には、容器100内の圧力(減圧度)を計測する真空計108と温度計109a、109bが設けられている。これらは、容器100内の圧力(減圧度)と温度を測定し、海水Aの温度を間接的に測定するために設けられたものであり、また、蒸発固液分離の操作開始と終了を判定するためにも設ける。
温度計109a、109bは、(撹拌機110を含む)容器100の熱伝導等を利用して海水Aの温度を正確に測定できるように設置する。すなわち、水の蒸発熱で海水Aが急速に冷却されそうになっても、逆に、上記加熱ユニット120によって海水Aが急速に加熱されそうになっても、海水Aの温度を十分正確に測定できるようにする。
本発明においては、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水Aの温度を25℃以上60℃以下に維持することが必須であるが、好ましくは27℃以上50℃以下、より好ましくは29℃以上45℃以下、更に好ましくは31℃以上40℃以下、特に好ましくは33℃以上37℃以下に維持する。
該温度が低過ぎると、商業的規模や工業的規模を考えた場合、蒸発固液分離に時間がかかり過ぎる場合;低い温度における水の蒸気圧の低さに適応した低圧力まで、「商業的規模や工業的規模の海水Aの量に十分に対応した気体排出能力の大きさを有しつつ、真空度(減圧度)を上げられる減圧器」が存在しない又は極めて大型になる場合;等がある。
一方、該温度が高過ぎると、蒸発分は、従来の蒸留法による淡水(軟水)と同様又は近似のものになってしまい、残渣は、従来の製法による天然塩と同様又は近似の成分組成になってしまい、本発明の効果を示さない場合がある。
本発明では、海水Aの温度下限を規定することによって、商業的な量であっても許容される処理時間(操作時間)で、塩混合物Bとミネラル水Cとを製造できる。
一方、海水Aの温度上限を規定することによって、従来の「海水の蒸留水」や、従来の「海水の蒸発乾固による天然塩」とは異なり、新規の成分組成のものができる。
温度が高過ぎると、得られる塩混合物Bやミネラル水Cが従来のものと同様又は近似のものになってしまう場合があり、その結果として、具体的には、例えば、得られた塩混合物を使用した「漬物等の食品」の風味改善がなされなかったり、得られた塩混合物を溶解した水で養殖した魚の風味改善がなされなかったり、得られたミネラル水を撒いた(給水した)農産物の風味改善がなされなかったりする場合等がある。
容器100には、海水Aから発生する気体を取り出す気体取出口130が設置されている。気体取出口130の近傍も、十分な熱伝導等で前記温度範囲に維持して、気体取出口130の近傍で水滴が生じないようにする(結露させないようにする)ことが好ましい。
該容器100から流出された気体を、冷却器200を用いて液化する液化操作を行う。本発明の蒸発固液分離方法においては、例えば図1に示したように、上記容器100の後ろに、該容器100に設けられた気体取出口130から取り出した気体を冷却する冷却器200を設けて液化すると共に容器100内を減圧することが好ましい。
該冷却器200の冷却媒体としては、「10℃以上であり、上記容器100の気体取出口130から取り出された気体の温度より5℃以上低い(特に好ましくは7℃以上低い)温度」の水を用いることが、冷却して液化する効率の点から好ましい。
冷却媒体である水の温度が高過ぎると、気体の一部が液化されない場合がある。このような冷却器200は、公知のものが用いられ得る。
本発明においては、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、水エジェクタ301を減圧器300として用いて減圧して、該容器100内を1kPa以上20kPa以下に維持し、海水Aに含有される水の蒸発熱で該海水Aを冷却して、該海水Aの温度を25℃以上60℃以下の温度範囲に維持する冷却操作を行う。
本発明に使用する装置には、例えば図1に示したように、上記冷却器200の後ろに、容器100内を減圧する減圧器300が具備されている。
図1に示したように、減圧器300は水エジェクタ301であることが好ましく、該水エジェクタ301は、水循環ポンプを有する横噴射型の水エジェクタ301であることが特に好ましい。
水エジェクタ301、特に水循環ポンプを有する横噴射型の水エジェクタ301であれば、減圧度(容器内の圧力)については、水の蒸気圧や減圧下での水の沸点を勘案すれば最適であり、気体排出能力については、水エジェクタ301、特に水循環ポンプを有する横噴射型の水エジェクタ301が、該能力が極めて大きいために最適である。
減圧器300で吸引することにより、容器100内の気体、すなわち、海水A中のミネラル等を含む水蒸気及び空気を、気体配管131を通じて吸引し、容器100内の海水Aに含まれている水と他の成分(金属イオン等)を蒸発させる。
その際、減圧器300で吸引する量や吸引力を調節して、該容器100内の圧力(減圧度)を調整する。水エジェクタ301を減圧器300として用いる場合は、噴射ノズル径、噴射する水の噴射量や温度、水エジェクタ301自体の大きさ等を調節して、後記する十分な気体排出能力を有するようにし、容器100内を所定の圧力(範囲)に保つようにする。
該減圧器300としては、水の蒸発熱で海水Aの温度が60℃を超えないように(好ましくは45℃を超えないように)、内容積が1mの容器を用いた場合に換算して、常圧体積20m/時間以上の気体排出能力を有するものを用いることが好ましい。
容器100の内容積が大きければ、大きい気体排出能力を有する減圧器300を用いる必要がある。容器100の内容積に比較して小さい気体排出能力しか有さない減圧器300を用いると(容器100の内容積に応じて気体排出能力を大きくしていかないと)、水の蒸発熱で海水Aを冷却することができ難くなり、海水Aが昇温してしまう場合等がある。
具体的には、例えば、内容積が1mの容器を用いた場合は、常圧体積20m/時間以上の気体排出能力を有する水エジェクタ301が好ましく、内容積が0.1mの容器を用いた場合は、常圧体積2m/時間以上の気体排出能力を有する水エジェクタ301が好ましく、内容積が0.5mの容器を用いた場合は、常圧体積10m/時間以上の気体排出能力を有する水エジェクタ301が好ましく、内容積が2mの容器を用いた場合は、常圧体積40m/時間以上の気体排出能力を有する水エジェクタ301が好ましい。
「内容積が1mの容器を用いた場合に換算して、常圧体積20m/時間以上の気体排出能力」が好ましいが、該値は、常圧体積22m/時間以上300m/時間以下がより好ましく、常圧体積25m/時間以上200m/時間以下が更に好ましく、常圧体積27m/時間以上150m/時間以下が特に好ましい。
減圧器300の気体排出能力が小さ過ぎると、処理時間が長くなる場合、水の蒸発熱による海水Aの過昇温防止効果が得られ難くなって、該海水Aの温度が上がり過ぎる場合等がある。
減圧器300の気体排出能力が大き過ぎると、そもそも下記する減圧度を達成しつつ、このような大きな気体排出能力を有する減圧器300が存在しない、又は、極めて高価若しくは極めて大型となる場合等がある。
図1に一例を示したように、水タンク303に水(好ましくは、予め水チリングユニットで冷却した水)を貯め、水循環ポンプ302で加圧した水を送液し、水エジェクタ301において該加圧水を噴出させることにより減圧する。流動液体は静止液体より圧力が低い性質(ベルヌーイの定理)を用いて水蒸気等の気体を排気する。
減圧器300による容器内圧力(減圧度)は、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、海水Aの温度における蒸気圧の0.1倍以上1倍以下が好ましく、0.2倍以上0.99倍以下がより好ましく、0.4倍以上0.95倍以下が更に好ましく、0.6倍以上0.9倍以下が特に好ましい。
容器内圧力が上記下限以上であると、そのような能力を有する減圧器が実現できる。また、過度の蒸発熱による海水Aの冷却がない。一方、容器内圧力が上記上限以下であると、海水Aが穏やかに沸騰して留去が効率的である。
具体的には、減圧器300による容器内圧力(減圧度)は、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、1kPa(1気圧(101.3kPa)に対して、−100.3kPa)以上、20kPa(1気圧(101.3kPa)に対して、−81.3kPa)以下に維持して蒸発固液分離することが必須である。
該容器100内の圧力を1.5kPa(1気圧(101.3kPa)に対して、−99.8kPa)以上、15kPa(1気圧(101.3kPa)に対して、−86.3kPa)以下に維持することが好ましい。
より好ましくは2kPa(1気圧に対して、−99.3kPa)以上、10kPa(1気圧に対して、−90.3kPa)以下であり、
更に好ましくは2.5kPa(1気圧に対して、−98.8kPa)以上、8.6kPa(1気圧に対して、−92.7kPa)以下であり、
特に好ましくは3.3kPa(1気圧に対して、−98kPa)以上、8.3kPa(1気圧に対して、−93kPa)以下である。
容器内圧力(減圧度)が低過ぎると(圧力が高過ぎると)、水の蒸発熱による海水Aの冷却が期待できずに、海水Aの温度が高くなり過ぎる場合、蒸発固液分離に時間がかかり過ぎる場合等があり、その結果、得られる塩混合物やミネラル水が従来のものと同様又は近似のものになってしまう場合がある。具体的には、例えば、前記した温度が高過ぎる場合と同様のことが起こる場合がある。
一方、容器内圧力(減圧度)が高過ぎると(圧力が低過ぎると)、下記する「該圧力における水の沸点」と「海水の前記した必須温度範囲又は好ましい温度範囲」との関係で、そこまで低圧力にする必要がない場合があり、また、前記した工業的・商業的に通用する1回の海水処理量の下限を満たした上で、そもそも前記した気体排出能力を有し、かつ、そこまで減圧度を上げられる減圧器300が存在しない、又は、非現実的なほど極めて大型で高価になる場合等がある。
水の蒸気圧の温度依存性を下記に示す。
水の温度(℃) 水の蒸気圧(kPa)
15 1.7
20 2.3
25 3.2
30 4.2
35 5.6
40 7.4
45 9.6
50 12.3
55 15.7
60 19.9
65 25.0
上記減圧器300は、水循環ポンプ302を有する横噴射型の水エジェクタ301であることが、高い減圧度と共に高い気体排出能力を有するために好ましい。すなわち、減圧度と気体排出能力の両立ができ、前記本発明の効果を奏し易い点から好ましい。水循環ポンプ302を有して横噴射型であると、特に気体排出能力を上げ易い。
減圧器には、一般的に、ロータリーポンプ、オイル拡散ポンプ、水銀拡散ポンプ、差動ポンプ等がある。例えば、ロータリーポンプでは約1Pa(10−2mmHg)、オイル拡散ポンプでは約0.1mPa(10−6mmHg)という何れも高真空度は達成できるものの気体排出能力が極めて低い。一方、市販の又は一般的なエジェクタでは、通常は20kPaより高い圧力にしかならない(減圧度を上げられない)場合がある。
上記気体排出能力と減圧度の両立は、「水エジェクタ301」でしか達成し得ないし、特に、水循環ポンプ302を有する横噴射型の水エジェクタ301を用いることによって、好適に両立が可能である。
前記した高い気体排出能力の数値は、かかる水エジェクタ301で達成できるとは言っても汎用的な数値ではない。前記した高い気体排出能力の数値は、噴射する水の温度、噴射ノズル径、噴射速度、単位時間当たりの噴射量、噴射距離等を調整して得られる。
本発明における特に好ましい「横噴射型の水エジェクタ」の態様を図4と図5に示す。
図4と図5に示した「横噴射型の水エジェクタ」は、駆動水を受ける筒形の駆動水入口片1と、該駆動水入口片1の下流側に設けられ、該駆動水入口片1から流入する駆動水と吸引ガスとを混合する主管スロート6と、該主管スロート6の下流側端部に接続して設けられ、内径が末広がり形状をなすパイプからなる出力片7を有している。
更に要すれば、円筒形状をなし、該出力片7の下流側端部に設けられ、駆動水と吸引ガスとの混合気体を流す消音器12と、該消音器12に取付けられ、駆動水が流出する際に該消音器12内に空気を取り入れて、該消音器12内の気圧の急変を防止する吸気管11とを備えている。
また、上記した水エジェクタ301においては、駆動水入口片1と主管スロート6と出力片7とを収容する外被管8を備え、該外被管8に、吸引ガスを供給する吸引管3を取付け、該外被管8を消音器12に接続し、主管スロート6は、駆動水入口片1の終端部に連接して設けられ複数個のガス吸引孔4を有する円筒形パイプからなる。
また、前記水タンク303からの水を吸込んで駆動水入口片1より吐出する循環ポンプ16、前記駆動水入口片1、前記主管スロート6、前記出力片7、及び、前記消音器12を含む循環路を、前記水タンク302内の水位17より低く設定してあることが好ましい。
図4は、水エジェクタ301とそれに連結される消音器12の概略を、図5には、水エジェクタ301を横方向に設置して水タンク303に接続する形態を示す。図4の水エジェクタ301において、駆動水入口片1は、水の流れ抵抗を減少させるため面取りが施されている。
該駆動水入口片1よりも直径の太い主管スロート6が入口片1に接続されている。該主管スロート6の形状は単純なパイプ形状である。
該主管スロート6の入口部には、パイプ管壁を貫通する複数個の吸引孔4が開けられており、該吸引孔4は、吸引管3を通じ真空引き(減圧)する際に、吸込みガスを主管スロート6内に吸引するためのものである。
主管スロート6の終端付近には、直径が主管スロート6より太いパイプ状の出方片7が連結されている。該出口片7は、出口方向に向かって末広がり状に広がる内部形状を有している。
また、駆動水入口片1、主管スロート6、及び、出口片7を被覆する外被管8が、外側に円筒状に接続されている。これら1〜8で示す部材により、水エジェクタ301が構成される。
12は消音器であり、図4のように、該消音器12の内径は、水エジェクタ301の出力片7の出口の内径より太いパイプ形状を有する。
図4に示す水エジェクタ入口片1には、図5に示す循環ポンプ16からの吐出配管15を、入口側フランジ2を介して接続されている。
真空引き機能は、吸引管3だけを通じて行うように、中空円形状の仕切板5が設けられている。該仕切板5の内側部は、主管スロート6の外側部に固着され、該仕切板5の外周部は、外被管8に固着され十分な気密性が保たれるようになっている。
本発明における減圧器300は、図5に示すように、水エジェクタの極めて高い気体排出能力を図るために、消音器12を漬ける水を溜めた水タンク303を備え、水エジェクタ301で使用された駆動水は、一旦、水タンク303に蓄えられる構造になっている。
水エジェクタ301は、その終端の出力側フランジ9を使い、該水タンク303の外側より固着されている。
消音器12は、フランジ10で水タンク303の内側より、出力側フランジ9と同位置に固着されている。これにより水タンク303内では、水エジェクタ301と消音器12は、水タンク303の内部で連結されている。
消音器12は、水平部12aとその先端で直角に下方に曲げた垂直部12bとを有し、終端12cからは、吸引ガスが混合された駆動水が水タンク303内の水中に流出する構成となっている。
また、水流を作る循環ポンプ16に接続されている戻り配管14を通じて、駆動水が循環して再利用される構造となっている。
戻り配管14、循環ポンプ16、吐出配管15、水エジェクタ301、及び、消音器12からなる循環路は、水タンク303内の水位17より低く設定されている。
消音器12における水エジェクタ301の連接部近くに、空気を取入れる吸気管11が設けられ、吸気管11の吸気口は、水タンク水位17より上部に位置させることにより、吸気口が水面下に浸らない構造とする。水タンク303には、水位17の設定のためのオーバーフロー通風口18が設置されている。
本発明における好ましい水エジェクタ301は、図4に示したように、主管スロート6に吸引孔4が設けられている。それによって、管同士の隙間からガスを吸込む従来のエジェクタと比べて高い(大きい)気体排出能力を有する。
また、本発明の好ましい水エジェクタ301とそれに連結される消音器12は、図5のように、水の循環路が水タンク303の水位17より低く、横向き水平に使用設置することが可能となり、該「水循環ポンプを有する横噴射型の水エジェクタ」は、従来のエジェクタ等の減圧器と比べて高い(大きい)気体排出能力を有する。
容器100から流出された気体を、冷却器200を用いて液化してミネラル水Cを得る際の流出速度は、前記温度と圧力を優先して決定されるが、また、容器100の大きさと容器内の海水Aの量にも依存するが、3〜50L/hrが好ましく、10〜40L/hrがより好ましく、20〜30L/hrが特に好ましい。「L」は、得られてくるミネラル水Cの体積である。
本発明の蒸発固液分離方法は、「海水の蒸発固液分離における最適温度」における水の蒸気圧を勘案して、該蒸気圧に対し必要以上に容器100内の圧力(減圧度)を低くすることに拘らず、その分を気体排出能力の向上に振り向けて、海水Aを蒸発熱で冷却することで初めて工業的(商業的)規模で達成できた(完成した)。
「海水」や「該海水中の水等が蒸発して高粘度になった液」は、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、沸騰していることが好ましいので、撹拌は必須ではないが、撹拌は行うことが好ましい。
撹拌機は、横羽根型のものでもスクリュー型のものでもよいが、好ましくは、図3に示したような撹拌機110を用い、回転凹部113a、113bと固定凸部111とによって撹拌されるものが特に好ましい。
蒸発の操作中は、撹拌機110を図2及び図3の矢印Rの回転方向に回転させ、容器100内の海水Aを撹拌しながら、回転凹部113a、113bと固定凸部111との間で海水Aを撹拌する。
該撹拌は、「複数の回転凹部113a、113bを有する回転凹部体112a、112b」及び「容器100の内面(好ましくは上記下部半円筒部101の下内面)に設けられた複数の固定凸部111」を備えた容器100内で行うことが、上記効果を得るために特に好ましい。
例えば、図3は、撹拌機110の構成を示す斜視図であり、撹拌機110は、容器100の外部に設けられたモータにより回転されるものであり、容器100の端壁105a、105bに回転可能に支持される左右の端板106a、106bと、その先端間に両端が固定された、ほぼ「く」の字115の形をなす回転凹部体112a、112bとによって構成することにより、中心軸を有しない構造(中心軸なしで回転可能の構造)に構成されている。図3記載の装置は、回転凹部体が2個(112a、112b)あるが、回転凹部体112は1個でもよい。
回転凹部体112a、112bをほぼ「く」の字形にすることによって、海水Aを撹拌し易くすると共に、蒸発固液分離の操作完了後は、塩混合物Bを容器100の内壁から良好に掻き取り、(容器100の下側のほぼ中央に位置する)粉末取出口140に向けて掻き寄せることによって、歩留まり良く好適に塩混合物Bを粉末取出口140から獲得できる。
本発明の蒸発固液分離方法は、上記撹拌機110が2個以上の回転凹部体を有し、該回転凹部体を同方向に回転させることで上記海水Aを撹拌し、蒸発固液分離後には、上記塩混合物Bを上記容器100の内壁から掻き取り、上記粉末取出口に向けて掻き寄せることが好ましい。
撹拌機110の回転速度、すなわち、容器100の左右の端壁105a、105bに回転可能に支持されている左右の端板106a、106bの回転速度は、1回転/分以上8回転/分以下が好ましく、2回転/分以上6回転/分以下がより好ましく、4回転/分以上5回転/分以下が特に好ましい。
回転速度が低過ぎるときは、撹拌の効率が悪くなる場合、海水Aに温度ムラが生じる場合等があり、一方、回転速度が高過ぎるときは、撹拌機110に過剰の負荷がかかる場合等がある。
本発明の蒸発固液分離方法は、限定はされないが、上記容器100の下部が円筒状になっており、その内壁に複数の固定凸部111を有すると共に、上記撹拌機110は、1個に複数の回転凹部113a、113bを有する回転凹部体112a、112bを有し、該回転凹部体112a、112bを回転させることによって、容器100内の海水Aを、該固定凸部111と該回転凹部113a、113bとで撹拌することが好ましい。
図3における111は、下部半円筒部101の内面に固着された複数の固定凸部であり、回転凹部体112a、112bにおける固定凸部111に対応する箇所には、回転凹部体112a、112bにおける固定凸部111の部分を通過するための回転凹部溝114a、114bが形成され、その溝の両側に、固定凸部111との間で海水Aを撹拌するための回転凹部113a、113bが設けられている。
なお、図3では、固定凸部111と回転凹部113a、113bとは、噛み合いが時間をずらして順次行なわれるように、周方向に位置をずらして配設し、これにより撹拌機110の駆動モータの動力の瞬間的増大が起こらないようにしている。
1個の回転凹部体に設けられる回転凹部の対数は、容器100、撹拌機110、回転凹部体112a、112bの大きさや、蒸発固液分離の対象となる海水Aの種類にも依存するが、1個の回転凹部体に、回転凹部が、5対以上20対以下で設けられていることが好ましく、8対以上14対以下が特に好ましい。
1個の回転凹部体に設けられた回転凹部が少な過ぎると、撹拌の効率が悪くなる場合、蒸発が抑制されて温度が上昇する場合等があり、一方、多過ぎると、過度の撹拌が行われるために、回転に負荷がかかる場合、蒸発速度が上がり過ぎて水の蒸発熱で海水Aの温度が下がり過ぎる場合等がある。
なお、回転凹部体に設けられた回転凹部の上記対数は、1個の回転凹部溝に1対の回転凹部があるとする。例えば、図3では、1個の回転凹部体に回転凹部溝が10個設けられているので、1個の回転凹部体に回転凹部は10対設けられていることになる。
操作の最後に、該容器100内の塩混合物Bを該容器100の粉末取出口から取り出す取出操作を行う。本発明における撹拌機110は、該撹拌機110が有する2個以上の回転凹部体の特殊構造によって、海水Aを好適に撹拌できると共に、得られた塩混合物Bを、好適に容器100から掻き取り、粉末取出口140に向けて好適に掻き寄せることができるようになっていることが好ましい。
主たる蒸発固液分離(蒸発固液分離操作の初期から、容器に投入した海水中の水の90質量%が蒸発固液分離されるまで)に要する時間は、投入量にも依存(比例)するが、(投入する海水30kg換算で)、1時間以上20時間以下が好ましく、2時間以上13時間以下がより好ましく、3時間以上8時間以下が特に好ましい。
該時間が短過ぎる場合は、水の蒸発熱による冷却ができないで過度に昇温してしまう場合等がある。また、そもそも本格生産規模で、60℃以下(好ましくは前記温度以下)と言う比較的低温で、短時間で水を蒸発させるだけの減圧器がない又は現実的でないほど極めて大型になる場合がある。
一方、時間が長過ぎる場合は、時間が無駄でコストアップになる場合がある。また、本発明における前記又は後記する特殊な蒸発固液分離の条件(容器内圧力や温度、気体排出能力等)や装置(撹拌機、減圧器等)を適用する意味が薄れる場合がある。言い換えると、本発明における「主たる蒸発固液分離中の圧力」、減圧器種類、気体排出能力等による蒸発熱(吸熱)を冷却に利用することの(好ましい)要件・特徴が生かされない場合等がある。
上記した本発明の蒸発固液分離方法は、バッチ式(回分式)でも、連続式でもよい。バッチ式(回分式)の場合には、操作を確実に行うことができ、連続式の場合には、操作を円滑に行うことができる。
海水Aの場合には、塩混合物Bの嵩密度が大きいため容器100が満杯になり難いので、連続式も好ましい。連続式の場合は、容器100内の圧力を前記範囲に保ちつつ、海水Aを容器100内に連続的にフィードする。
容器100には、塩混合物Bを取り出す粉末取出口140が設けられている。粉末取出口140は、図3に示したように、容器100のほぼ下部中央(下部半円筒部101の下部中央近傍)に設けることが好ましい。
撹拌機110を前記したような構造にすることによって、すなわち、図3に示したように、回転凹部体112a、112bを「く」の字115a、115bの形にすることによって、蒸発固液分離終了後の塩混合物Bを、容器100の下部中央に集め易くなり、該塩混合物Bの取り出しが容易となるが、そのために、粉末取出口140は、容器100の下部中央近傍に設けられることが好ましい。
かかる形状の回転凹部体112a、112bは、塩混合物Bを容器100の内壁から良好に掻き取り、容器100の下部中央近傍に設けられた粉末取出口140に向けて良好に掻き寄せることによって、歩留まり良く(さらさらの)塩混合物Bが獲得できる。
回収液の蒸気が容器100の気体取出口130から殆ど出てしまった後は、すなわち前記した「主たる蒸発固液分離」が終わった後は、容器100内の温度は上記上限温度よりも高くして、水を完全に蒸発させて良好な粉末化を図ることも好ましい。
本発明は、前記の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離して得られるものであることを特徴とする塩混合物でもある。該塩混合物は、少なくとも、例えば「60℃より高い」と言った高温を経験していないこと、例えば「1kPa以上20kPa以下」と言った圧力範囲が限定されている条件下で得られているので、新規な成分組成のものであり、その結果、前記したような優れた効果を奏する。
一方、気体の方は、容器100内を、気体配管131を通して吸引し、冷却器200に導入して液化し、回収液として回収容器400内に溜める。
回収容器400内に、回収液であるミネラル水Cが貯まったら、減圧器300での吸引を停止し、ミネラル水Cを液取出口404から獲得する。
本発明は、前記の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離して得られるものであることを特徴とするミネラル水でもある。該ミネラル水は、少なくとも、例えば「60℃より高い」と言った高温を経験していないこと、例えば「1kPa以上20kPa以下」と言った圧力範囲が限定されている条件下で得られているので、新規の成分組成、水の構造(クラスター等)であり、その結果、前記したような優れた効果を奏する。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
<ミネラル水の製造と評価>
実施例1
小豆島沖で採取した海水30.0kgを、フィルター濾過により分散されているゴミを取り除き、図1〜3に示した容器(投入容量500L、容器の体積(内容積)1m)に投入し、図3に示したような2個の回転凹部体112a、112bを有する撹拌機110(1.5kW)によって、回転凹部体を4回転/分で回転させ、撹拌しながら蒸発固液分離を行った。
蒸気量28〜140kg/hrの加熱ユニット120で加熱すると共に、図4と図5に示した水エジェクタ301で真空引きし、水の蒸発熱で海水の温度を35℃±2℃に保った。
その際、水エジェクタ301の水温と、冷却器200の冷却水の水温は、共に10℃±2℃に保った。
使用した水エジェクタ301は、図4に示すような横噴射型の水エジェクタ(3.7kW)であり、引かれる方がオープンの場合、常圧体積20m/時間以上の気体排出能力を有する水エジェクタ301であった。
容器100内の圧力は、少なくとも主たる蒸発固液分離中は、3.3kPa(1気圧に対して、−98.0kPa)以上6.3kPa(1気圧に対して、−95.0kPa)以下に保った。
主たる蒸発固液分離に要した時間は、5時間であった。
最後に、容器100の粉末取出口140から塩混合物を1.0kg得た。
また、回収容器に貯まったミネラル水を、液取出口404から、29.0kg得て、後記のように評価した。
実施例2
実施例1において、小豆島沖で採取した海水30.0kgを使用したことに代えて、瀬戸内海で採取した海水30.0kgを使用した以外は、実施例1と同様にして、塩混合物とミネラル水を得て、後記のように評価した。
実施例3
実施例1において、小豆島沖で採取した海水30.0kgを使用したことに代えて、沖縄沖で採取した海水30.0kgを使用した以外は、実施例1と同様にして、塩混合物とミネラル水を得て、後記のように評価した。
比較例1〜13
表1に記載した市販品であるミネラル水を入手し、それらを使用して後記のように評価した。
比較例21
海水を、常法に従って、常圧で100℃に加熱して蒸留した後、冷却して蒸留水を得て、後記のように評価した。
参考例1
平均的な海水のナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)及びカルシウム(Ca)のみの含有量を表1に記載する。
参考例2
市販の「海洋深層水をイオン交換樹脂で脱塩した水」の上記4元素(4種の金属イオン)のみの含有量を表1に記載する。
評価例1
上記実施例、上記比較例及び上記参考例で得られた「ミネラル水等の水」に含有されるナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)及びカルシウム(Ca)の含有量を表1に記載する。ナトリウム(Na)とカリウム(K)の含有量は、原子吸光光度法を用いて測定し、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の含有量は、ICP発光分析法を用いて測定した。
Figure 2018163563
表1の結果は、限られた4種の金属イオンのみの含有濃度であるので、本発明の前記した効果を十分に示すものではないが、実施例1〜3と比較例1〜13を比べると、ナトリウム(Na)の含有量については、実施例1〜3は多いが、比較例1〜13では全てそれらより少なかった。
また、マグネシウム(Mg)の含有量については、実施例1〜3は多いが、比較例9を除き比較例1〜13では全てそれらより少なかった。
また、カリウム(K)の含有量については、実施例1〜3は多いが、比較例7と11を除き比較例1〜13では全てそれらより少なかった。
また、カルシウム(Ca)の含有量については、実施例1〜3は少ないが、比較例6を除き比較例1〜13では全てそれらより多かった。
また、比較例21は、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)及びカルシウム(Ca)の含有量は何れも検出限界以下だった。
また、測定していないその他の微量成分(の組成)が本発明の前記した効果に影響している可能性がある。
<<ミネラル水の評価>>
評価例2
実施例1〜3で得られた3種のミネラル水をそれぞれ100mL、何回かに分けてゆっくり飲んでその風味を調べた。
また、比較例1〜5、比較例21で得られた水も上記と同様に飲んでその風味を調べ比較した。
その結果、実施例1〜3で得られたミネラル水は、何れも比較例で得られた水とは、明らかに異なる風味(味や香り)を有していた。
評価例3
実施例1〜3で得られた3種のミネラル水のそれぞれ1Lに、エタノール50gとグリセリン10gを加え、化粧水として、1日5回毎日10日間、手の甲に塗って評価した。
また、比較例1〜5、比較例21で得られた水、市販の医療用精製水、水道水も上記と同様に評価してそれぞれを比較した。
その結果、実施例1〜3で得られたミネラル水は何れも、比較例で得られた水とは異なり、生体に近似しているため、化粧水の原料として優れていることが分かった。
評価例4
約2mの畑で、同じ土壌と同じ肥料を用いて、実施例1〜3で得られた3種のミネラル水を常に散水し、長ねぎとほうれん草を育て収穫した。収穫した長ねぎとほうれん草を、それぞれ同じ条件で茹でて味わって評価した。
また、比較例21で得られた水、通常の農業用水を散水して育てた長ねぎとほうれん草も、上記と同様に評価して比較した。
その結果、実施例1〜3で得られたミネラル水は、何れも比較例21や通常の農業用水を用いて得られたものとは異なり、長ねぎとほうれん草の風味(特に臭い)が異なっており、美味しかった。
実施例1〜3で得られた3種のミネラル水を常に散水して育てた長ねぎとほうれん草は、比較例21や通常の農業用水を散水して育てた長ねぎとほうれん草に比べ、成長速度が、10%〜100%(2倍)も速かった。
水耕栽培をした場合、根の体積が実施例は比較例に比べて約2倍あった。
<塩混合物の製造と評価>
比較例31、32、33
表2に記載した市販品である食塩を入手し、それらを使用して後記のように評価した。
評価例5
分析機関である公益財団法人塩事業センター、海水総合研究所にて、塩試験方法第4版に記載の方法で、実施例1の塩混合物、比較例31〜33それぞれの金属と塩化ナトリウムとを定量分析した。
測定方法は表2の最下行に示す。また、測定結果を表2に示す。
Figure 2018163563
蒸発固液分離方法を用いて得られた実施例1の塩混合物には、市販品である比較例31〜33の食塩に比べて、塩化ナトリウム(NaCl)とナトリウム(Na)の量が少なかった。
それに対して、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)の量については、比較例33のカリウム(K)を除き、全て実施例1の塩混合物の方が多かった。
評価例6
実施例1〜3で得られた塩混合物、及び、比較例31の市販食塩それぞれ30gを用いて、25℃で、それぞれ同量の水にできるだけ多く溶解し、同じ固形分濃度の無色透明の濃厚水溶液を作製した。該濃厚水溶液は飽和水溶液に近いものであった。
10日間25℃に放置したところ、実施例1〜3で得られた塩混合物の濃厚水溶液には、全く変化が見られなかったが、比較例31の市販食塩の濃厚水溶液は、結晶が容器壁一面に析出していた。
実施例1〜3で得られた塩混合物は、多くの塩の混合物であるため、塩化ナトリウム(NaCl)の結晶化(析出)が阻害された。
評価例7
実施例1〜3及び比較例31で得られた塩混合物をそれぞれ用いて、ナスの漬物を作った。
両者を食して比較したところ、実施例1〜3で得られた塩混合物の方が、市販の塩(比較例31)に比べて風味が良かった。
本発明の蒸発固液分離方法で得られた塩混合物とミネラル水は、何れも今までの塩混合物やミネラル水とは、成分組成や水のクラスター構造等が異なると考えられるため、それを用いて調製した化粧料、健康食品、一般食品、農業用水、魚類等の養殖用水等として有用である。
そのため、本発明は、健康食品分野、一般食品分野、化粧料分野、医農薬分野、農業分野、漁業分野等において広く利用されるものである。
1 駆動水入口片
2 入口側フランジ
3 吸引管
4 吸引孔
5 仕切板
6 主管スロート
7 出方片
8 外被管
9 出力側フランジ
10 フランジ
11 吸気管
12 消音器
12a 水平部
12b 垂直部
12c 終端
14 戻り配管
15 吐出配管
16 循環ポンプ
17 水タンク水位
18 オーバーフロー通風口
100 容器
101 下部半円筒部
102 上部角形部
103 海水投入口
104 蓋
105a 端壁
105b 端壁
106a 端板
106b 端板
107 傾斜面
108 真空計
109a 温度計
109b 温度計
110 撹拌機
111 固定凸部
112a 回転凹部体
112b 回転凹部体
113a 回転凹部
113b 回転凹部
114a 回転凹部溝
114b 回転凹部溝
115a 「く」の字
115b 「く」の字
120 加熱ユニット
121 蒸気室
122 蒸気供給装置
130 気体取出口
131 気体配管
140 粉末取出口
200 冷却器
300 減圧器
301 水エジェクタ
302 水循環ポンプ
303 水タンク
400 回収容器
404 液取出口
A 海水
B 塩混合物
C ミネラル水
R 回転方向

Claims (10)

  1. 海水を蒸発固液分離して、塩混合物とミネラル水に分離する蒸発固液分離方法であって、
    少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下に維持すると共に、減圧器を用いて容器内の圧力を1kPa以上20kPa以下に維持することを特徴とする蒸発固液分離方法。
  2. 少なくとも以下の操作(1)ないし(4)の全てを行って海水を蒸発固液分離する請求項1に記載の蒸発固液分離方法。
    (1)少なくとも主たる蒸発固液分離中は、該海水の温度を25℃以上60℃以下の温度範囲を維持するように上記容器内を加熱ユニットで加熱する加熱操作、
    (2)少なくとも主たる蒸発固液分離中は、水エジェクタを減圧器として用いて減圧して、該容器内を1kPa以上20kPa以下に維持し、該海水に含有される水の蒸発熱で該海水を冷却して該海水の温度を25℃以上60℃以下の温度範囲に維持する冷却操作、
    (3)該容器から流出された気体を、冷却器を用いて液化してミネラル水を得る液化操作、
    (4)該容器内に残った塩混合物を、該容器の粉末取出口から取り出して塩混合物を得る取出操作
  3. 上記水エジェクタの気体排出能力が、内容積が1mの容器を用いた場合に換算して、常圧体積20m/時間以上を有するものである請求項2に記載の蒸発固液分離方法。
  4. 上記水エジェクタが、水循環ポンプを有する横噴射型の水エジェクタである請求項2又は請求項3に記載の蒸発固液分離方法。
  5. 上記容器の体積をV[L]とし、該容器に投入される海水の質量をM[kg]とするときに、V[L]をM[kg]の2倍以上5倍以下に設定する請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の蒸発固液分離方法。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離することを特徴とする塩混合物の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離することを特徴とするミネラル水の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の蒸発固液分離方法用の蒸発固液分離装置であって、
    少なくとも、撹拌機、加熱ユニット及び粉末取出口を有する容器;水エジェクタである減圧器;並びに;冷却器を具備するものであることを特徴とする蒸発固液分離装置。
  9. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離して得られるものであることを特徴とする塩混合物。
  10. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の蒸発固液分離方法を使用して海水を蒸発固液分離して得られるものであることを特徴とするミネラル水。

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