JPWO2018151185A1 - 酵素を用いた湯種パンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程、及び、調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程を含む、湯種パンの製造方法であって、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を、前記でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程及び前記調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程のいずれか又は両方において添加することを特徴とする、湯種パンの製造方法を提供する。

Description

本発明は、酵素を用いた湯種パンの製造方法、並びに、酵素を含んでなる湯種、パン生地、及びパン生地改質用酵素製剤に関する。
日本人の主食の一つであるパンは、年々多様化する消費者の嗜好やライフスタイルを背景に、味、風味、食感、老化耐性等をはじめとする様々な側面において多岐にわたるニーズが存在し、かかる背景から多くの製造法が開発されている。
パンの味や食感等を改変する製造法の一例としては、例えば、小麦粉の一部を熱湯で捏ねる工程を特徴とする、いわゆる「湯種製法」や、アミラーゼ等の酵素を添加することでパンの物性改良を実現する方法等が報告されている(特許文献1〜3)。
特許第3080368号公報 特許第5907799号公報 特開2016-106530号公報
現時点において、パンの味や食感等を改変する方法は多数報告されてはいるものの、一方で消費者のパンに対する嗜好の高度化・多様化も加速しており、これまでにない品質を有するパンの製法の開発が強く求められている。従って本発明は、パンの「しっとり感」や「噛みごたえ」等を改良し得る新規のパン製造法を提供することをその目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、湯種製法を用い、更にブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼの少なくとも1つの酵素を、製造中の混練工程のいずれかで作用させることで、良好な「しっとり感」及び「噛みごたえ」のある湯種パンを製造し得ることを見出した。また、これらの酵素に合わせて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、又はリパーゼを作用させることで、良好な「しっとり感」及び「噛みごたえ」を有するのみならず、良好な「口どけの良さ」を有する湯種パンを製造できることをも見出した。さらに、かかる製造方法を用いると、食感の改善に加え、パン製造工程中におけるパン生地のべたつきが低減され、従って本捏ね工程時の作業性に顕著な改善がもたらされることをも見出した。本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程、及び、調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程を含む、湯種パンの製造方法であって、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を、前記でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程及び前記調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程のいずれか又は両方において添加することを特徴とする、湯種パンの製造方法。
[2]前記1以上の酵素を、前記でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程において添加する、[1]記載の方法。
[3]前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、[1]又は[2]記載の方法。
[4]前記1以上の酵素と合わせて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに添加することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか記載の方法。
[5]ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む、湯種。
[6]前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、[5]記載の湯種。
[7]グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む、[5]又は[6]記載の湯種。
[8]ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む、湯種パン製造用パン生地。
[9]前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、[8]記載のパン生地。
[10]グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む、[8]又は[9]記載のパン生地。
[11]ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含んでなる、湯種パン用パン生地改質用酵素製剤。
[12]前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、[11]記載の酵素製剤。
[13]グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む、[11]又は[12]記載の酵素製剤。
[14]湯種パン用パン生地改質用酵素製剤としての、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素の使用。
[15]前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、[11]記載の使用。
[16]前記1以上の酵素と、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに組み合わせることを特徴とする、[14]又は[15]記載の使用。
本発明によれば、「しっとり感」、「噛みごたえ」及び「口どけの良さ」等が改善される湯種パンを製造することができる。また、本発明により、パン生地のべたつきが抑えられ、本捏ね時の作業効率が向上し、その結果生産性の向上も実現される。
図1は、対照区4(α-アミラーゼを含む湯種)、試験区1(ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼを含む湯種)、試験区2(ブランチングエンザイムを含む湯種)、試験区3(α-グルコシダーゼを含む湯種)、試験区6(ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼを含む湯種)の本捏ね一次混合時における、各生地の形状を示す図である。試験区1〜3、6においては生地のべたつきが抑えられ、作業性の良さは酵素無添加の湯種を用いた場合と比較して維持又は向上した。一方で、対照区4においては、生地のべたつきが高まり作業性が大きく低下した。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.湯種パンの製造方法
本発明は、でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程、及び、調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程を含む、湯種パンの製造方法であって、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を、前記でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程及び前記調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程のいずれか又は両方において添加することを特徴とする、湯種パンの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)を提供する。
本明細書における「湯種パン」とは、原材料のでん粉質原料の一部を熱水と共に混捏すること等により「湯種(又は湯種生地)」を調製し、この湯種と残りの原材料とをさらに混捏してパン生地を調製し、かかるパン生地を発酵、加熱等することにより製造されたパンを意味する。また、例えば、湯種に対して元種等を加えることにより製造されたパン等の、湯種とは別に調製された生地等を、湯種と組み合わせて製造するパンも、本明細書における「湯種パン」に含まれ得る。なお、本明細書において用いられる「でん粉質原料」とは、でん粉を含む可食性原料を意味する。本明細書において用いられる「でん粉質原料」には、例えば、小麦粉(強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉等)、米粉(上新粉、上用粉、餅粉、白玉粉、玄米粉等)、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、あわ粉、ひえ粉、はと麦粉、大豆粉、そば粉、加工でん粉等が例示される。かかるでん粉質原料は、単独又は組み合わせて使用してもよい。本発明における好ましい一態様において、でん粉質原料は強力粉である。
本発明に用いられる酵素「ブランチングエンザイム」とは、1,4-α-D-グルカン鎖の一部を受容体1,4-α-Dグルカンの6-OH基に転移させ、アミロペクチン又はグリコーゲンのようなα-1,6結合の枝分かれ構造を生成する酵素であり、国際生化学・分子生物学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology; IUBMB)によるEC番号は、EC2.4.1.18である。本発明の好ましい一態様において、ブランチングエンザイムは食品に添加可能なブランチングエンザイムである。食品に添加可能なブランチングエンザイムとしては、例えば、「ブランチングエンザイムA」(長瀬産業株式会社製)等が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において、ブランチングエンザイムの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、0.08Mリン酸バッファー(pH7.0)に溶解させた0.1%アミロースB(ナカライテスク株式会社製)50μlに、0.1Mリン酸バッファー(pH7.0)に溶解させた酵素溶液50μlを加え、50℃、30分間反応後にヨウ素試薬(0.26g I2と2.6g KIを10mlミリQ水にて溶解した液0.5mlと1N HCl 0.5mlを混ぜ、130mlに希釈した液)2mlを添加し、660nm吸光度の変化を測定する。本反応系で反応1分間に660nm吸光度を1%低下させる酵素量を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるブランチングエンザイムの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して2.0×10-16〜2.0×103 Uであり、より好ましくは1.0×10-2〜1.0×101 Uである。
また、本発明の製造方法において用いられる酵素「α-グルコシダーゼ」とは、非還元末端α-1,4-グルコシド結合を加水分解し、α-グルコースを生成する酵素であり、EC番号は、EC3.2.1.20である。本発明の好ましい一態様において、α-グルコシダーゼは食品に添加可能なα-グルコシダーゼである。さらに本発明のより好ましい一態様において、α-グルコシダーゼは、トランスグルコシダーゼである。食品に添加可能であるトランスグルコシダーゼとしては、例えば、「トランスグルコシダーゼL「アマノ」」(天野エンザイム株式会社製)等が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において、α-グルコシダーゼの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、1mM α-メチル-D-グルコシド1mlに0.02M酢酸バッファー(pH5.0)1mlを加え、酵素溶液0.5mlを添加して、40℃で60分間作用させた時に、反応液2.5ml中に1μgのブドウ糖を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるα-グルコシダーゼの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して1.0×10-4〜3.0×105 Uであり、より好ましくは1.0×10-1〜1.0×103 Uである。
また、本発明の製造方法において用いられる酵素「グルコースオキシダーゼ」とは、FAD(flavin adenine dinucleotide)を補酵素としてグルコースを分解し、グルコノラクトンと過酸化水素を作る酵素であり、EC番号は1.1.3.4である。本発明の好ましい一態様において、グルコースオキシダーゼは食品に添加可能なグルコースオキシダーゼである。食品に添加可能なグルコースオキシダーゼとしては、例えば、「ハイデラーゼ15」(天野エンザイム株式会社製)や、「スミチームPGO」(新日本化学株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、グルコースオキシダーゼの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、グルコースを基質として、酸素存在下でグルコースオキシダーゼを作用させることで過酸化水素を生成させる。生成した過酸化水素にアミノアンチピリン及びフェノール存在下でペルオキシダーゼを作用させることでキノンイミン色素を生成させる。波長500nmでの吸光度を測定し、キノンイミン色素の量を検量線より求め、酵素活性を算出する。1分間に1μmolのグルコースを酸化するのに必要な酵素量を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるグルコースオキシダーゼの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して1.0×10-10〜1.0×103 Uであり、より好ましくは1.0×10-2〜1.0×101 Uである。
好ましい一態様において、本発明の製造方法において用いられる1以上の酵素は、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼの組合せ、又はブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼの組合せである。また、本発明のより好ましい態様において、本発明の製造方法において用いられる1以上の酵素は、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼの組合せである。かかる酵素の組合せを用いることにより、「しっとり感」及び「噛みごたえ」が顕著に向上した、湯種パンを製造することが可能となる。なお、本発明により製造された湯種パンは、製造時に「しっとり感」が顕著に向上しており、従って、従来法により製造されたパンよりも長期間好ましい食感を維持することが可能となる。すなわち、本発明により製造された湯種パンは、でん粉の老化耐性においても優れた特性を有し得る。
別の好ましい一態様において、本発明の製造方法においては、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ及び/又はグルコースオキシダーゼに加えて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに添加してもよい。
本発明の製造方法の一態様において用いられる酵素「グルコアミラーゼ」とは、デンプンの構成要素であるアミロースとアミロペクチンのα-1,4グルコシド鎖を、非還元性末端からグルコース単位にエキソ型で切断し、アミロペクチンの分岐鎖のα-1,6結合も分解する酵素であり、EC番号は3.2.1.3である。本発明の好ましい一態様において、グルコアミラーゼは食品に添加可能なグルコアミラーゼである。食品に添加可能なグルコアミラーゼとしては、例えば、「酒造用グルコアミラーゼ「アマノ」SD」(天野エンザイム株式会社製)や、「グルクザイムAF6」(天野エンザイム株式会社製)や、「グルコチーム #20000」(長瀬産業株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、グルコアミラーゼの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、pH5.0、40℃の条件下で可溶性澱粉から30分間に10mgのグルコース相当の還元力を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるグルコアミラーゼの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して1.0×10-10〜1.5×105 Uであり、より好ましくは1.0×10-2〜5.0×101 Uである。
また、本発明の製造方法の一態様において用いられる酵素「マルトテトラオース生成アミラーゼ」とは、デンプンを分解してマルトテトラオースを生成するアミラーゼの一種であり、EC番号は、3.2.1.60である。本発明の好ましい一態様において、マルトテトラオース生成アミラーゼは食品に添加可能なマルトテトラオース生成アミラーゼである。食品に添加可能なマルトテトラオース生成アミラーゼとしては、例えば、「デナベイク(登録商標)EXTRA」(長瀬産業株式会社製)等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の製造方法に用いられるマルトテトラオース生成アミラーゼの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、可溶性デンプンを基質としてマルトテトラオース生成アミラーゼを作用させ、還元糖を生成させる。生成した還元糖の還元力をソモギー・ネルソン法により定量し、酵素活性を算出する。40℃、pH7.0で1分間に1μモルのブドウ糖に相当する還元力を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるマルトテトラオース生成アミラーゼの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して1.0×10-10〜4.0×103 Uであり、より好ましくは1.0×10-2〜1.0×102 Uである。
本発明の製造方法の一態様において用いられる酵素「ヘミセルラーゼ」とは、ヘミセルロースを加水分解する酵素の総称であり、EC番号は3.2.1.8(キシラナーゼの場合)又は3.2.1.89(ガラクタナーゼの場合)である。本発明の好ましい一態様において、ヘミセルラーゼは食品に添加可能なヘミセルラーゼである。食品に添加可能なヘミセルラーゼとしては、例えば、「ヘミセルラーゼ「アマノ」90」(天野エンザイム株式会社製)や、「スミチームX」(新日本化学工業株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、ヘミセルラーゼの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、10mg/mlキシラン溶液を基質とし、基質1mlと0.1mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5) 3mLに酵素溶液1mLを加え、40℃、30分間反応させ、ソモギー試液2mlを加え、沸騰水浴中で20分加熱後、冷却し、ネルソン液1mlを加え、亜酸化銅の沈殿を完全に溶解するまで混和し、水を加え25mlとする。遠心分離後、500nm吸光度の変化を測定し、生成したキシロース量を算出する。1分間に1mgのキシロースに相当する還元糖を生成する酵素量を100U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるヘミセルラーゼの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して1.0×10-10〜1.0×104 Uであり、より好ましくは1.0×10-2〜1.0×101 Uである。
本発明の製造方法の一態様において用いられる酵素「リパーゼ」とは、脂肪酸エステルを脂肪酸とグリセリンとに加水分解する反応の触媒となる酵素であり、EC番号は3.1.1.3等が例示される。本発明の好ましい一態様において、リパーゼは食品に添加可能なリパーゼである。食品に添加可能なリパーゼとしては、例えば、「リリパーゼA-10D」(長瀬産業株式会社製)、「リパーゼDF「アマノ」」、「ニューラーゼ」、「リパーゼR」、「リパーゼA「アマノ」6」(天野エンザイム株式会社製)、「リパーゼOF」、「リパーゼPL」(名糖産業株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、リパーゼの酵素活性は、以下のように定義される。すなわち、オリーブ油100mlと2%PVA試液150mlを乳化させ基質とし、基質5ml、マッキルベイン緩衝液(pH7.0) 4ml及び酵素液1mlを混和し、37℃にて60分間反応させ、反応停止後、生成した脂肪酸を滴定法で測定する。遊離したオレイン酸1μmolに相当する酸を遊離させる活性を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法において用いられるリパーゼの添加量は、本発明の製造方法の所望の効果が得られる限り特に限定されないが、例えば、使用されるでん粉質原料1gに対して1.0×10-10〜1.0×103 Uであり、より好ましくは1.0×10-2〜1.0×101 Uである。
本発明の製造方法において用いられる1以上の酵素の組合せとしては、以下が例示される:
[1酵素]
(1)ブランチングエンザイムのみ;
(2)α-グルコシダーゼのみ;
(3)グルコースオキシダーゼのみ;
[2酵素]
(4)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ;
(5)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ;
(6)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ;
(7)ブランチングエンザイム、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(8)ブランチングエンザイム、ヘミセルラーゼ;
(9)ブランチングエンザイム、リパーゼ;
(10)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ;
(11)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ;
(12)α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(13)α-グルコシダーゼ、ヘミセルラーゼ;
(14)α-グルコシダーゼ、リパーゼ;
(15)グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ;
(16)グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(17)グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ;
(18)グルコースオキシダーゼ、リパーゼ;
[3酵素]
(19)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ;
(20)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ;
(21)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(22)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、ヘミセルラーゼ;
(23)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、リパーゼ;
(24)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ;
(25)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(26)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ;
(27)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、リパーゼ;
(28)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ;
(29)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(30)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ;
(31)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、リパーゼ;
(32)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(33)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(34)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(35)ブランチングエンザイム、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(36)ブランチングエンザイム、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(37)ブランチングエンザイム、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(38)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(39)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(40)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(41)α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(42)α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(43)α-グルコシダーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(44)グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(45)グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(46)グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(47)グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(48)グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(49)グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
[4酵素]
(50)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ;
(51)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(52)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ;
(53)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、リパーゼ;
(54)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(55)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(56)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(57)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(58)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(59)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(60)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(61)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(62)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(63)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(64)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(65)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(66)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(67)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(68)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(69)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(70)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(71)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(72)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(73)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(74)ブランチングエンザイム、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(75)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(76)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(77)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(78)α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(79)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(80)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(81)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(82)ブランチングエンザイム、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(83)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
[5酵素]
(84)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ;
(85)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(86)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、リパーゼ;
(87)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(88)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(89)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(90)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(91)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(92)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(93)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(94)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(95)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(96)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(97)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(98)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(99)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(100)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(101)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(102)ブランチングエンザイム、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(103)α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(104)グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
[6酵素]
(105)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ;
(106)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、リパーゼ;
(107)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(108)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(109)ブランチングエンザイム、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(110)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
(111)α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ;
[7酵素]
(112)ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ。
本発明の製造方法において用いられる1以上の酵素は、「でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程」、又は「調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程」のいずれにおいて添加してもよく、或いは、両方の工程に添加することもできる。両方の工程に1以上の酵素を添加する場合に関し、各酵素の添加時期は特に限定されず、例えば2種類の酵素を使用する態様においては、1の酵素を「でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程」に添加し、もう一方の酵素を「調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程」に添加してもよく、或いは、両工程に該2種類の酵素を添加することもできる。「でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程」において酵素を添加する場合は、例えば、該でん粉質原料の一部に酵素を添加し、軽く混合した後に、該混合物に熱水を加えて湯捏ねすることにより湯種を調製することができる。また、「調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程」において酵素を添加する場合は、例えば、酵素を該残りの原材料の混合物に添加し、軽く混合した後に、該混合物と湯種とを混練することができる。なお、「調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程」は、2段階以上の複数の工程に分離することもできる。例えば、2段階の工程とする場合では、調製された湯種と、残りの原材料の一部とを混練する第一混練工程と、次いで、該第一混練工程において混練しなかった原材料と、該第一混練工程により調製された湯種を含む混合物とを混練する工程を、第二混練工程とすることができる。2段階の工程に分離する実施形態における例示としては、先ず湯種を調製し、次いで、ショートニングを除く残りのすべての原材料と湯種とを混練(本捏ね1次混合)し、次いで、得られた湯種を含む調製物と、ショートニングとを混練(本捏ね2次混合)してもよい。このような複数段階の混練工程を用いる場合の適切な段階数や原材料の振り分け等の条件は、当業者であれば適宜決定することができる。また、本発明の所望の効果が得られる限り、複数段階の混練工程を用いる際の酵素の添加時期は特に限定されず、複数の混練段階の1段階以上において酵素を添加してもよく、又は全ての段階において酵素を添加してもよい。本発明における一態様では、酵素は、「でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程」において添加され得る。
2.湯種
本発明はまた、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む、湯種(以下、単に「本発明の湯種」と称する場合がある)を提供する。好ましい一態様において、本発明の湯種は、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ及び/又はグルコースオキシダーゼに加えて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む。
本発明の湯種に用いられる各種酵素及びその組み合わせは、本発明の製造方法において説明したものと同様である。また、その添加量も同様の範囲とすることができる。
本発明の湯種は、自体公知の湯種の製造工程において、上記した組合せにおいて1以上の酵素を添加することにより調製することができる。例えば、強力粉等のでん粉質原料と該1以上の酵素を混合した後に、かかる混合物に熱水(通常70℃〜100℃、より好ましくは80℃〜100℃)を加えて混練することによって本発明の湯種を調製することができるが、これに限定されない。
本発明の湯種は調製直後に使用してもよく、又は、調製後、粗熱等をとるために冷却工程を経た後等、ある程度時間が経過したものを使用してもよい。添加した酵素を原材料へ充分に作用させる観点から、湯種調製後、ある程度の時間(例えば、0.5時間〜10時間)が経過した湯種を使用することがより好ましい場合がある。なお、湯種の冷却に関しては、温度や時間等の条件は、本発明の湯種の所望の効果が得られる限り特に限定されない。さらに、本発明の湯種を、冷蔵保存後又は冷凍保存後に使用してもよい。
3.湯種パン製造用パン生地
本発明はまた、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む湯種を含む、湯種パン製造用パン生地(以下、単に「本発明のパン生地」と称する場合がある)を提供する。好ましい一態様において、本発明のパン生地は、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ及び/又はグルコースオキシダーゼに加えて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む。
本発明のパン生地に用いられる各種酵素及びその組み合わせは、本発明の製造方法において説明したものと同様である。また、その添加量も同様の範囲とすることができる。
本明細書における「パン生地」とは、パンの原材料を全て混捏して得られる製パン用の生地を指す。製パン過程において、当該「パン生地」を成型、最終発酵させた後、焼成する、揚げる、蒸す等の処理を行うことにより、パンを完成させることができる。例えば、予め湯種を調製する態様においては、湯種と残りの原材料とを本捏ね工程において混捏したものが「パン生地」に該当する。
本発明のパン生地は、冷凍されていてもよく、又は冷凍されていなくてもよい。本発明のパン生地の冷凍は、自体公知の方法を用いることができ、例えば、緩慢冷凍又は急速冷凍を用いることができる。冷凍によるパン生地からの離水を抑制し得る等の理由から、急速冷凍を用いることが好ましい。また、本発明のパン生地の冷凍のタイミングは、本捏ね工程直後、本捏ね後成型の後、又は、部分的に或いは完全にパン生地を最終発酵させた後等、状況に応じて適宜変更することができる。
4.パン生地改質用酵素製剤
本発明はまた、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む、パン生地改質用酵素製剤(以下、単に「本発明のパン生地改質用酵素製剤」と称する場合がある)を提供する。好ましい一態様において、本発明のパン生地改質用酵素製剤は、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ及び/又はグルコースオキシダーゼに加えて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成酵素、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む。
本発明のパン生地改質用酵素製剤に用いられる各種酵素及びその組み合わせは、本発明の製造方法において説明したものと同様である。また、本発明のパン生地改質用酵素製剤に配合する各酵素の配合量は、当該酵素製剤が使用される条件若しくは形態、又は他の配合物の有無等に応じて適宜調整することができる。なお、本発明のパン生地改質用酵素製剤の形態は、液体状、ペースト状、顆粒状、又は粉末状等の任意の形態を採用し得る。
また、本発明のパン生地改質用酵素製剤の所望の効果が得られる限りにおいて、本発明のパン生地改質用酵素製剤には、上記した酵素以外の物質を含有させてもよい。一例としては、該酵素の他に、カタラーゼ、トランスグルタミナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、マルトトリオース生成アミラーゼ、マルトペンタオース生成アミラーゼ、マルトヘキサオース生成アミラーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、リポキシゲナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、があり、これら酵素のうち1種以上を含有しても構わない。また、これら以外にも、pH調整剤や、保存料、イーストフード、無機塩、酸化剤、還元剤、乳化剤、澱粉等を適宜含有しても構わない。
5.パン生地改質用酵素製剤としての酵素の使用
本発明はまた、パン生地改質用酵素製剤としての、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素の使用(以下、単に「本発明の使用」と称する場合がある)を提供する。好ましい一態様において、本発明の使用においては、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ及び/又はグルコースオキシダーゼに加えて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成酵素、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素が組み合わせて用いられる。
本発明の使用に用いられる各種酵素及びその組み合わせは、本発明の製造方法において説明したものと同様である。また、その添加量も同様の範囲とすることができる。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
「しっとり感」や「噛みごたえ」等の食感が改善されたパンの新規製法を確立するため、複数種の酵素及び製法の組み合わせを用いてパンを調製し、その改質効果を比較検討した。
酵素及び製法
物性を改質する目的において添加される酵素としては、ブランチングエンザイム(「ブランチングエンザイムA(3,650U/g)」、長瀬産業株式会社製)、α-グルコシダーゼ(「トランスグルコシダーゼL「アマノ」(600,000U/g)」、天野エンザイム株式会社製)、グルコースオキシダーゼ(「ハイデラーゼ15(2,000U/g)」、天野エンザイム株式会社製)、及びα-アミラーゼ(「ビオザイムA、(16,000U/g)」、天野エンザイム株式会社製)の4種類、又はこれらの組合せを用いた。なお、α-アミラーゼの酵素活性は、α-AMYLASEASSAY KIT(MEGAZYME社)に従い測定し、定義した。すなわち、ブロックp‐ニトロフェニルマルトヘプタオサイド(BPNPG7)溶液(耐熱性α-グルコシダーゼが存在)を基質とし、これがα-アミラーゼの反応によって加水分解される。かかる反応により生成した糖鎖は、α−グルコシダーゼにより加水分解され、最終的にp‐ニトロフェノール(PNP)が遊離し、発色する。リン酸三ナトリウムで反応を停止後、遊離したp‐ニトロフェノール(PNP)の量を、400nmの吸光度を測定することにより決定する。かかる条件において、1分間に1μmolのPNPを解離させるα-アミラーゼ活性を、1U(ユニット)と定義する。
パンの製法としては、「直捏生地法」及び「湯種生地法」を用いた。なお、本明細書における「直捏生地法」とは、ストレート法とも称される製法であり、パンを製造するための全原材料を一度に混捏する製法である。また、「湯種生地法」とは、パンを製造するための原材料の一部を用いて湯種を調製し、その後、得られた湯種と残りの原材料とを本捏ねすることによりパンを製造する方法である。
直捏生地法(ストレート法)
以下の表1に記載される配合のうち、ショートニングを除く全ての原材料及び各酵素を加え、縦型ミキサーHPi20M(関東混合機工業株式会社製)で一次混合した。得られた混合物にショートニングを加え、2次混合した後、50gに生地分割した。得られた生地を急速冷凍し、使用まで冷凍保存した。冷凍生地を20℃、湿度70%条件下で2時間静置することにより解凍し、次いで、35℃、湿度75%条件下で1時間発酵させた後、オーブンで焼成した(180℃、13分)。
湯種生地法
[湯種の調製]
以下の表2に示す配合において、強力粉又は強力粉と酵素の混合物に熱水を加えて混練し、その後、常温(15℃〜25℃)になるまで冷却することで湯種を調製した。なお、湯種に配合される酵素量を、表3に示す。
[本捏ね]
ショートニングを除くすべての原材料及び湯種を加え一次混合した。得られた混合物にショートニングを加え、2次混合した後、50gに生地分割した。得られた生地を急速冷凍し、使用まで冷凍保存した。冷凍生地を、20℃、湿度70%条件下で2時間静置することにより解凍し、次いで、35℃、湿度75%条件下で1時間発酵させた後、オーブンで焼成した(180℃、13分)。
評価方法
[官能評価]
上述した各条件により調製されたパンに関し、「しっとり感」及び「噛みごたえ」について、担当者4名にて官能評価を実施した。官能評価は、焼成1日後のパンに対して行った。対照区3(酵素無添加、湯種生地法)の調製物を基準(0点)として、±5点、0.5点刻みで評価し、評点の平均値を四捨五入し評価数値を得た。なお、本明細書における「しっとり感」とは、パンを複数回咀嚼しても、口中の唾液を取られず保水性を保っている感じを意味する。また、「噛みごたえ」とは、パンを噛み切る際に要する力を意味する。
[作業性]
上述した各条件におけるパン生地の調製時(本捏ね時)の作業性に関し、「生地の付着性(べたつき)が低く、成型のしやすさの程度」について、担当者2名により評価を行った。作業性の評価に関しても対照区3を基準(0点)として、±5点、0.5点刻みで評価し、評点の平均値を四捨五入し評価数値を得た。評価結果を以下の表4に示す。また、対照区4、試験区1〜3、及び試験区6に関して、本捏ね一次混合時の生地の状態を示す写真を図1に示す。
表4に示される通り、湯種生地法を用い、且つ、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、又はグルコースオキシダーゼの少なくとも1つを作用させた場合(試験区1〜試験区6)、酵素無添加の湯種生地法により調製された湯種パン(対照区3)に対して、しっとり感、噛みごたえ、作業性が維持又は改善されており、良好な物性改質が達成されていた。一方で、直捏生地法を用いた場合は、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼを原材料に添加した場合(対照区2)、直捏生地法無添加区(対照区1)と比較すると、しっとり感、噛みごたえは向上しているものの、湯種生地法でブランチングエンザイム及びα−グルコシダーゼを同量添加した場合と比べ改善効果は小さく(対照区3と試験区1)、湯種生地法を用いることで添加効果が大きく向上した。また、湯種生地法において湯種にα-アミラーゼを添加した場合(対照区4)、作業性が大きく低下し、好ましい物性改質効果は得られなかった。
[実施例2]
本発明者らは、さらに複数の酵素の組合せを用いてパンを調製し、その改質効果を比較検討した。
表5に示される配合に従い、強力粉に熱湯を加え混錬し湯種を調製した。得られた湯種、湯種以外の原料(表5参照)、および各酵素(表6参照)をホームベーカリーHBK-100(エムケー精工株式会社製)に投入し、生地の調製から一次発酵を行い(メニュー番号「12」)、分割、成型後1斤型に詰め、二次発酵後焼成した(210℃、35分)。焼成1日後に、専門パネル3名により、調製されたパンについての官能評価を行った。官能評価は「しっとり感」、「噛みごたえ」、「作業性の良さ」、及び「口どけの良さ」について行った。本明細書における「口どけの良さ」とは、パンが、咀嚼中に口中においてダマを形成せず、溶けてなくなることを意味する。なお、評価の尺度は実施例1と同様である。
結果を以下の表7に示す。ただし、「作業性の良さ」については、本実施例において検討した全ての試験区において良好であったことから、以下表7においては記載を省略した。
表7に示される通り、ブランチングエンザイム及びα−グルコシダーゼに加えて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、又はリパーゼを使用した場合に、顕著に好ましい食感の改質効果が認められた。
本発明の製造方法等を用いることにより、「しっとり感」及び「噛みごたえ」が向上しており、さらに老化耐性が向上した湯種パンを製造することができる。また、一態様においては、湯種パンの「口どけの良さ」をも向上させることができる。加えて、本発明の製造方法等を用いることにより、パン生地のべたつきが抑えられ、本捏ね時の作業効率が向上するため、湯種パンの生産において非常に有用である。
本出願は、日本で出願された特願2017-028226(出願日:2017年2月17日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (13)

  1. でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程、及び、調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程を含む、湯種パンの製造方法であって、ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を、前記でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程及び前記調製された湯種と残りの原材料とを混練する工程のいずれか又は両方において添加することを特徴とする、湯種パンの製造方法。
  2. 前記1以上の酵素を、前記でん粉質原料の一部を湯捏ねして湯種を調製する工程において添加する、請求項1記載の方法。
  3. 前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記1以上の酵素と合わせて、グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む、湯種。
  6. 前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、請求項5記載の湯種。
  7. グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む、請求項5又は6記載の湯種。
  8. ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含む、湯種パン製造用パン生地。
  9. 前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、請求項8記載のパン生地。
  10. グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む、請求項8又は9記載のパン生地。
  11. ブランチングエンザイム、α-グルコシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼからなる群から選択される1以上の酵素を含んでなる、湯種パン用パン生地改質用酵素製剤。
  12. 前記1以上の酵素が、ブランチングエンザイム及びα-グルコシダーゼ、又は、ブランチングエンザイム及びグルコースオキシダーゼである、請求項11記載の酵素製剤。
  13. グルコアミラーゼ、マルトテトラオース生成アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリパーゼからなる群から選択される1以上の酵素をさらに含む、請求項11又は12記載の酵素製剤。
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