JPH11192052A - 焼成品用生地及びその製造法 - Google Patents
焼成品用生地及びその製造法Info
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- JPH11192052A JPH11192052A JP10303262A JP30326298A JPH11192052A JP H11192052 A JPH11192052 A JP H11192052A JP 10303262 A JP10303262 A JP 10303262A JP 30326298 A JP30326298 A JP 30326298A JP H11192052 A JPH11192052 A JP H11192052A
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Abstract
さを改善し、さらに固化の進行を妨げる。 【構成】焼成品用原料に生澱粉分解活性を該原料1kg
当たり15単位以上となるように生地中に導入する。更に
グルコースオキシダーゼ及び/又はヘミセルラーゼを含
有してなる。
Description
にパン生地の改良に関する。より詳細には有効量の生澱
粉分解活性を有する酵素を焼成品用生地に導入し、その
生地の特性を改良し、焼成品の柔らかさを改善し、さら
に固化の進行を妨げることができ、従来使用されていた
乳化剤の代替えとしての、例えばパン改良剤組成物の形
態での酵素の使用に関する。
化剤、還元剤、酵素、乳化剤等が利用されている。
ウ素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、L−アスコルビ
ン酸が生地改良剤として利用されていた。また、還元剤
としてはシステイン等が利用されている。更に、酵素
(グルコースオキシダーゼ、カタラーゼ、α−アミラー
ゼ、ヘミセルラーゼ等)、乳化剤(DATA−DATEM、CS
L、SSL、レシチン等)等も製パン改良剤として組み
合わされて利用されている。
いないが、通常澱粉が老化するかまたは澱粉の分子が会
合して結晶性領域を形成することによって時間の経過に
伴ってパンの堅さが増すものと考えられている。
大規模の製パン業者にとっては経済的な面で大きな問題
を含んでいる。すなわち、パンが固化することにより、
小売店でのパンの貯蔵寿命が制限され、消費者において
もその消費期限が制限される。従来より、種々の乳化剤
がパンの貯蔵寿命を延長することができることが知ら
れ、使用されている。
の化学添加物使用に対しての抵抗が増加し、従来から使
用されている乳化剤の添加を減ずること又は添加を回避
することが強く望まれている。そのために、上述したよ
うな酵素の使用が乳化剤の代替えとして期待され、種々
検討されている。これまでの製パンに使用されている種
々のタイプの酵素は製パン性の改良の為に適用されてお
り、その中には固化を抑制するために使用されている酵
素もある。
良剤は完全な乳化剤の代替えとしての使用においては十
分ではなく、さらに作業性やかま伸びなどの品質の点で
満足出来るものではない。このような点で、天然系でよ
り焼成品の固化を抑制することができる焼成品生地に対
する添加剤の開発が強く望まれていた。
な問題点を解決するために、種々の酵素について鋭意検
討した。その結果、焼成品の原料である小麦粉に生澱粉
分解活性を有する酵素剤を有効量適用することによって
製パン性が著しく改善されるばかりでなく、更に焼成品
のソフトネスの持続性改善に対して非常に有効であるこ
とを見い出し、本発明である、酵素を用いた焼成品の製
造法を完成した。
を得るために使用する原料となる澱粉を含有するもので
あり、たとえば小麦粉等を意味する。焼成品用生地とは
小麦粉等を主原料とし、これに水等を加え更に油脂、糖
類、乳製品、卵、イーストフード、必要に応じて各種酵
素類、各種乳化剤等の原料を添加し、イーストの添加の
有無に拘らず、混捏工程を経て得られた一般的生地、餅
や饅頭生地やドーナッツ生地、パイ生地、ピザ生地、ホ
ットケーキ生地、スポンジケーキ生地、クレープ生地、
餃子生地等も包含し、これらは蒸したり、焼いたり或い
は油揚げすることにより焼成品を得ることができる。更
に上記焼成品用原料としては小麦粉以外の穀物、例えば
ライ麦等を混入したものをも包含する。以下これらを包
含して製パン生地とも記載する。
焼成品原料である小麦粉などの澱粉に1kg当たり15単位
以上を添加した後、混捏工程を経て得られる生地に関す
る。更に、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコア
ミラーゼ、サイクロデキストリングルカノトランスフェ
ラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペントサナー
ゼ、β−グルカナーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ア
ラビノフラノシダーゼ、澱粉枝切り酵素、マルトトリオ
ース生成酵素、マルトテトラオース生成酵素、マルトペ
ンタオース生成酵素、マルトヘキサオース生成酵素など
の各種オリゴ糖生成酵素、グルコースオキシダーゼ、カ
タラーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、リポキシゲナ
ーゼ、パーオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペプチダー
ゼ、グルタミナーゼ、トランスグルタミナーゼ、リパー
ゼ、ホスファターゼ等を併用することを特徴とする焼成
品の製造法に関する。特にグルコースオキシダーゼ及び
/又はヘミセルラーゼとの併用がより好ましい。
焼成された製品は、そのソフトネスが長期間にわたり良
好に保たれ、更に他の酵素剤と併用することにより、生
地の弾力性も向上し、生地表面が乾燥した状態になり、
作業性が非常に良好になる。又、良好な製パン性も示
す。
長鎖のα−1,4グルカンの分解はほとんど進行しな
い。これに対して、本発明に使用される生澱粉分解酵素
とは澱粉が糊化する以前の、いわゆる生澱粉に作用する
ことができる性質を有するアミラーゼである。例えば、
アスペルギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bacillu
s)属、リゾプス(Rhizopus)属、ズーグレア(Zoogloe
a)属由来の酵素が知られている。より具体的にはグル
クザイムAF6(Rhizopus niveus由来グルコアミラー
ゼ剤;天野製薬製)、グルコアミラーゼ“アマノ”(As
pergillus niger由来グルコアミラーゼ剤:天野製薬
製)、Zoogloea ramigera KO -159由来の生澱粉分解酵
素(特開平4−141082)などが挙げられる。
としては、以下に述べる生澱粉分解活性の測定法と可溶
性澱粉分解活性の測定法による測定結果において、生澱
粉分解活性/可溶性澱粉分解活性比率(%)が0.1%以上で
あり、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上で
あることがその利用の点で望ましいが、生澱粉分解酵素
の活性として有効に働くならばこれらに限定されない。
ことにより、小麦粉などの焼成品原料の生澱粉が分解さ
れる。通常これまでの製パン用改良剤として使用されて
いるアミラーゼは糊化していない澱粉にはほとんど作用
しないため生澱粉の状態である生地の段階でのその効果
は発揮されない。しかしながら、本発明のように生澱粉
分解活性を有する酵素を生地に導入することにより、生
地調製段階から原料澱粉に作用してグルコースなどを生
成し、イーストによる発酵を促進することができる。
可溶性澱粉分解活性は以下のようにして求められる。
05M酢酸緩衝液、pH5.0に懸濁)10mlをいれ、これに酵
素液を0.1ml添加し、40℃の振とう恒温槽(振幅3cm、1
20回/分)にて三角フラスコの底に基質が静止しないよ
うに振とうしながら1時間反応させた。反応後、反応液
を3,000rpmで10分間遠心し、上清を得、その上清中の生
成還元糖を3,5-ジニトロサリチル酸試薬を用いて、グル
コース検量線を基に定量した。本条件下、1分間に1mg
のグルコース相当量の還元糖を生成する酵素活性を1単
位とする。
mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液 pH5.0)を入れ、こ
れに酵素液0.5mlを添加し、40℃にて15分間反応させ
た。反応後3,5-ジニトロサリチル酸試液(1L中に10g
のNaOH、10gの3,5-ジニトロサリチル酸、0.5gの無水硫
酸ナトリウム及び40mlの5%フェノールを含む)3mlを
加えて混合し、沸騰水浴中で20分間加熱した後、流水中
で冷却した。その後、水を15.5ml添加して混合後、波長
560nmの吸光度を測定した。本条件下、1分間に1μmol
eのブドウ糖に相当する還元力を生成する酵素量を1単
位とした。
素活性は焼成品原料1kg当たり15単位以上である。15
単位に満たない場合には本発明の効果であるソフトネス
の向上と固化の遅延効果が発揮されない。また、通常の
実用的使用範囲としては50単位〜700単位が利用され得
る。焼成品原料としての小麦粉の場合には,通常その70
%程度が澱粉である。
は原料の穀粉、工程によって変化するが、焼成試験によ
って容易に決定できる。
剤を併用することも可能である。他の酵素剤としては、
従来から使用されている各種の酵素剤が使用できるが、
本発明の特徴は他の酵素剤を併用することによって、製
パン性の改善効果は驚くほどより一層発揮されることに
もある。すなわち例えば、通常の糊化した澱粉に作用す
るアミラーゼ、ヘミセルラーゼやグルコースオキシダー
ゼとの併用が相補的相乗効果を有することが見いだされ
た。
常使用されるアミラーゼであり、具体的にはα−アミラ
ーゼ、Aspergillus属、麦芽由来のβ−アミラーゼ、イ
ソアミラーゼなどが利用できる。
ギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアスペルギ
ルス・アワモリ(Aspergillus awamori)由来が焼成品
用酵素として知られている。より具体的にはヘミセルラ
ーゼ”アマノ”90(商品名:天野製薬社製)が利用でき
る。
ルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来が知られ
ている。より具体的にはハイデラーゼ15(商品名:天
野製薬製)が使用できる。
ボリューム、ソフトネス向上等製パン性への影響は非常
に優れるが、生地はゆるみ過ぎ、粘着性を生じベタツク
為作業性が悪くなる。しかし、グルコースオキシダーゼ
と併用することにより、これらの欠点は、解消されると
共にヘミセルラーゼ単独で用いるよりも製パン性も良好
になる。
粉1Kgに対して0〜50000単位が使用され、グルコース
オキシダーゼは0〜1000単位が使用され得る。
製パン改良剤を併用することも可能であるが、本発明の
生澱粉分解活性を有する酵素を使用すれば乳化剤等のよ
うな化学品を使用することなく焼成品のソフトネスを長
期間にわたり維持することができる。
セルラーゼ、グルコースオキシダーゼの活性の単位は以
下のようにして求めた。
温水槽に入れ10分間放置し、これに試料溶液1 ml[希釈
液は0.05 M酢酸―酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)]を
加え、よく振り混ぜ直ちに40±0.1℃の恒温水槽に入れ
正確に30分間放置する。30分後にフェーリング試液を4
ml加えよく振り混ぜる。この液をガスバーナー(ガラス
セラッミク板上)にのせ60±30秒間で沸騰するように火
力を調節し、正確に2分間沸騰させた後、流水中で冷却
する。冷却後、ヨウ化カリウム溶液(30%)2 ml、硫酸
溶液(25%)2 mlをこの順序で加え直ちに0.05 Mチオ硫
酸ナトリウム溶液(定量用)で滴定する。滴定の終点は
液の色が白色になった時である。終点が判りにくいは、
デンプン試液2〜3滴を加え白色になるまで滴定する。別
にブランクとして試料溶液の代わりに水を用いて同様に
操作する。
相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1単位とす
る。
量の水に懸濁し、これを約100 mlの沸騰水中に加え、沸
騰し始めてから5分間煮沸した後、流水中で冷却する。
冷却後、1M酢酸―酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を10
mlと水を加えて200 mlとする。
5)3mlを加え、攪拌後、40℃、10分間予熱する。その
後、酵素液1mlを加え40℃で30分間反応する。反応後、
ソモギー溶液2mlを加えて振り混ぜ、沸騰水中で20分間
加熱する。冷後、ヒ素モリブデン酸アンモニウム溶液1
mlを加えて振り混ぜ、水で全量を25mlとし、遠心分離
(3000rpm、10分間)した後、波長500nmの吸光度を測定
する。上記条件下において、1分間に1mgのキシロース
に相当する還元糖を生成するに要する酵素量を100単位
とする。
液2ml、基質(グルコース 2.5g/ml)0.5ml、パーオキ
シダーゼ溶液(パーオキシダーゼ25単位/ml)及びアミ
ノアンチピリン溶液(4mg/ml)を量り、37℃で10分間
放置した後、試料溶液0.1mlを加えよく混合し、直ちに3
7℃で放置する。反応後、2分及び5分経過した後、こ
の液につき水を対照として層長10mm、波長500nmにおけ
る吸光度を測定する。本条件下、1分間に1μmoleのグ
ルコースを酸化するのに必要な酵素量を1単位とする。
する酵素、糊化した澱粉に作用するアミラーゼ、ヘミセ
ルラーゼ、グルコースオキシダーゼなどは精製されたも
のの他、粗精製酵素も使用することができる。更に、こ
れらの酵素は微生物の醗酵により得ることもできるが、
その培養液を酵素に代えて使用することも可能である。
必要に応じてこれらの培養液は濃縮、乾燥して使用する
こともできる。
酵素以外においても焼成品生地用成分として知られてい
る各種成分を適宜配合することもできる。例えば、砂
糖、塩、レシチン、グルテン、大豆粉、モルト、上述し
た以外で製パンに利用できうる酵素類等も使用すること
もできる。
は常法による製パン法により焼成され製品を得ることが
できる。
イム法、オーバーナイト法、中種法、冷凍及び冷蔵生地
製法など何れの方法にも適用することができる。
トネスの向上ばかりでなく、焼成品の固化が著しく遅延
され、更に生地のハンドリングの改善、生地の弾力性、
伸展性が改善され、外観や食感に優れたパンを製造する
ことができる。
細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではなく、当業者の任意な変更も本発明に含
まれる。
可溶性澱粉分解活性の比率 試料として、グルクザイムAF6、グルコアミラーゼ
「アマノ」、ビオザイムF−10(いずれも天野製薬
製)及びZoogloea ramigera KO -159由来の酵素(特開
平4−141082)を用いて、生澱粉分解活性と可溶性澱粉
分解活性を測定した。その結果を表1に示す。
ぼす影響 以下に示す配合でノータイム法によりワンローフ食パン
を製造した。酵素は、グルクザイムAF6(Rhizopus n
iveus由来グルコアミラーゼ剤;天野製薬製)を使用し
た。
した。 処方1:酵素剤無添加(対照) 処方2:生澱粉分解活性として15単位 (7.5単位/小麦
粉1kg) 処方3:生澱粉分解活性として30単位 (15単位/小麦
粉1kg) 処方4:生澱粉分解活性として75単位 (37.5単位/小
麦粉1kg) 処方5:生澱粉分解活性として150単位(75単位/小麦
粉1kg)
定) レオメーターの条件 試料 :パンのクラム 厚さ2 cm プランジャー:φ25 mm 円形平板プランジャー 押し込み速度:2 cm / min 押し込み :パンのクラムの厚さが0.5 mmになるま
で押し込み、そのときの応力を測定 パンの保存 :20℃ (3)クラストの色 (4)風味 (5)食感
練者が以下の判断基準により判断した。尚、室温で5日
間放置した後ソフトネスの測定を行い、固化の状態を測
定した。
麦粉1kg当たり15単位以上の添加がソフトネスの向上
及び固化の遅延に有効であることがわかる。
ンへの応用(1) 上述の試験例に示す配合でノータイム法によりワンロー
フ食パンを製造した。酵素は、グルクザイムAF6(Rh
izopus niveus由来グルコアミラーゼ剤;天野製薬製)
を使用した。尚、以下の実施例においては基本配合、工
程及び評価方法は特に断らない限り試験例に記載した方
法と同一とした。 処方1:酵素剤無添加(対照) 処方2:グルクザイムAF6を100ppm(生澱粉分解活性
として150単位) 結果をまとめて表3に示す。
成型後、ブラストフリーザーで凍結し、-20℃で3ヶ月
保存した後、解凍して38℃で最終プルーフを行い、焼成
したパンについても評価した。その結果を表4に示す。
分解酵素活性を有する酵素を製パンに応用することによ
り、パンのボリュームアップ、シェルフライフの延長、
クラストの色付けが非常に良好になることがわかる。生
澱粉分解作用により、生地の調製時において生地中の生
澱粉に作用してグルコースが生成し、イーストの発酵力
が向上したものと考えられる。すなわち、生地作成時お
よびベーキング時のいずれの段階でも澱粉に作用しパン
の老化を抑制することができたものと考える。
も顕著であることがわかる。
パンへの応用(2) 実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。
生澱粉分解酵素としてグルクザイムAF6(Rhizopus n
iveus由来グルコアミラーゼ剤:天野製薬製)、ヘミセ
ルラーゼとしてヘミセルラーゼ“アマノ”90(Asperg
illus niger由来ヘミセルラーゼ剤:天野製薬製)、グ
ルコースオキシダーゼとしてハイデラーゼ 15(Aspe
rgillus niger由来グルコースオキシダーゼ剤:天野製
薬製)を使用した。
成型後、ブラストフリーザーで凍結し、-20℃で3ヶ月
保存した後、解凍して38℃で最終プルーフを行い、焼成
したパンについても評価した。その結果を表6に示す。
ノ”90を併用(処方6)することによって、ボリュー
ムのアップ、風味の改善、クラムの柔らかさの維持(シ
ェルフライフの延長)、クラストの色つきを濃くする
(着色)効果が対照と比較して著しく改善され、更に生
澱粉分解酵素のみの添加(処方2)及びヘミセルラーゼ
のみの添加(処方3)と比べても、明らかに良好な結果
を示している。
のグルコースが生成され、イーストの発酵力が向上し風
味が増加し、さらに、ヘミセルラーゼ“アマノ”90の
働きによりペントサンとグルテンの相互作用を改善し、
生地のガス保持力も向上し、その結果、両酵素の相乗効
果としてパンのボリュームが増加した。
ヘミセルラーゼ“アマノ”90の作用と、生澱粉分解酵
素とグルクザイムAF6中にある他のアミラーゼの作用
と相加して損傷澱粉のみならず生澱粉(澱粉粒)も分解
したため、澱粉が糊化後、再結晶化(老化)する機会を
減らすことができたためと考えられる。
(処方7)することによって、ボリュームアップ、風味
の改善、クラムの柔らかさの維持(シェルフライフの延
長)、クラストの色つきを濃くする(着色)、作業性の
改善(生地のハンドリングの改善)の効果が対照と比較
して著しく改善されていることがわかる。また、これら
の酵素を単独で加えた各処方と比較しても明らかに優れ
た効果を示している。
のグルコースが生成され、イーストの発酵力が向上し、
さらに、生成されたグルコースはグルコースオキシダー
ゼの基質となりハイデラーゼ15がより効果的に働き、
グルテンネットワーク構造を改善し、べたつきをなく
し、作業性をを改善するものと考えられる。
ノ”90とハイデラーゼ15の併用(処方8)すること
によって、ボリュームアップ、風味の改善、シェルフラ
イフの延長、作業性の改善の効果が発揮されている。
スの量が増え、イーストの発酵力が増大し、損傷澱粉の
みならず生澱粉(澱粉粒)を分解し、澱粉の糊化後の再
結晶化(老化)を強く抑制することができ、ヘミセルラ
ーゼ“アマノ”90の作用によりペントサン−グルテン
相互作用が改善され、また、生地中の豊富なグルコース
を基質としハイデラーゼ15も効果的に働き、生地物性
を粘弾性に富んだものとした。その結果、上述のような
効果が発揮されたものと考えられる。
と、生地の軟化、粘着性が増し、生地のハンドリングに
悪影響を及ぼすことが知られているが、ハイデラーゼ1
5を併用したことでヘミセルラーゼ剤の持つマイナス点
を補うことができた。それだけではなく、生地により弾
力性を与え、生地表面も乾燥したものにし、大量生産を
行う上で生地状態を改善する事ができた。
パンへの応用(3) 実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。
生澱粉分解酵素としてはグルコアミラーゼ“アマノ”
(Aspergillus niger由来グルコアミラーゼ剤:天野製
薬製)を使用した。
分解活性として60単位) 結果をまとめて表7に示す。
成型後、ブラストフリーザーで凍結し、-20℃で3ヶ月保
存した後、解凍して38℃で最終プルーフを行い、焼成し
たパンについても評価した。
ることにより非常に良好な結果を示した。
パン性への応用(4) 実施例1の配合を基本とし酵素を以下の様に添加した。
酵素はZoogloea ramigera KO - 159由来の生澱粉分解酵
素を使用した。
ることにより非常に良好な結果を示した。
の素材であり、安全性に優れたものである。本技術は、
各種製パン法に適用することができ、従来の技術では得
られなかったパン品質が得られると共に、従来から望ま
れていた乳化剤を添加することなくパンの固化を効率的
に抑制することができ、更に作業性にも優れ、従来から
の製パン改良剤としての乳化剤の代替え品として利用可
能である。
Claims (6)
- 【請求項1】焼成品用原料に生澱粉分解活性を該原料1
kg当たり15単位以上となるように生地中に導入されて
なる焼成品用生地。 - 【請求項2】更にグルコースオキシダーゼを含有してな
る請求項1記載の焼成品用生地。 - 【請求項3】更にヘミセルラーゼを含有してなる請求項
1又は請求項2記載の焼成品用生地。 - 【請求項4】焼成品用原料に生澱粉分解活性を該原料1
kg当たり15単位以上となるように生地中に導入するこ
とを特徴とする焼成品用生地の製造法。 - 【請求項5】更にグルコースオキシダーゼ及び/又はヘ
ミセルラーゼを含有してなる請求項4記載の焼成品用生
地の製造法。 - 【請求項6】請求項4又は請求項5記載の製造法により
生地を製造し、常法に従って焼成してなる焼成品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10303262A JPH11192052A (ja) | 1997-10-31 | 1998-10-08 | 焼成品用生地及びその製造法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-315953 | 1997-10-31 | ||
JP31595397 | 1997-10-31 | ||
JP10303262A JPH11192052A (ja) | 1997-10-31 | 1998-10-08 | 焼成品用生地及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11192052A true JPH11192052A (ja) | 1999-07-21 |
Family
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Family Applications (1)
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JP10303262A Withdrawn JPH11192052A (ja) | 1997-10-31 | 1998-10-08 | 焼成品用生地及びその製造法 |
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Country | Link |
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