JP7334410B2 - 米飯食品の製造方法 - Google Patents
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すなわち、本発明は以下の通りである。
[2](B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを添加することを更に含む、[1]記載の製造方法。
[3]前記(A)が、リパーゼを含む、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4]前記(B)が、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、ブランチングエンザイム、マルトトリオシル転移酵素、マルトテトラオース生成酵素、グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼからなる群より選択される少なくとも一つである、[2]又は[3]記載の製造方法。
[5]前記(B)が、下記(i)~(xii)のいずれかである、[2]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
(i)グルコースオキシダーゼ
(ii)トランスグルタミナーゼ
(iii)α-アミラーゼ
(iv)マルトトリオシル転移酵素
(v)グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼ
(vi)グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素
(vii)グルコースオキシダーゼ及びβ-アミラーゼ
(viii)グルコースオキシダーゼ及びグルコアミラーゼ
(ix)グルコースオキシダーゼ及びα-グルコシダーゼ
(x)グルコースオキシダーゼ及びブランチングエンザイム
(xi)グルコースオキシダーゼ及びマルトテトラオース生成酵素
(xii)グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼ
[6](A)リパーゼ及びホスホリパーゼから選択される少なくとも一つを含有する酵素組成物であって、
生米に油脂を添加することを含む、米飯食品の製造方法において用いるためのものである、組成物。
[7](B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、[6]記載の組成物。
[8]前記(A)が、リパーゼを含む、[6]又は[7]記載の組成物。
[9]前記(B)が、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、ブランチングエンザイム、マルトトリオシル転移酵素、マルトテトラオース生成酵素、グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼからなる群より選択される少なくとも一つである、[7]又は[8]記載の組成物。
[10]前記(B)が、下記(i)~(xii)のいずれかである、[7]~[9]のいずれか一つに記載の組成物。
(i)グルコースオキシダーゼ
(ii)トランスグルタミナーゼ
(iii)α-アミラーゼ
(iv)マルトトリオシル転移酵素
(v)グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼ
(vi)グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素
(vii)グルコースオキシダーゼ及びβ-アミラーゼ
(viii)グルコースオキシダーゼ及びグルコアミラーゼ
(ix)グルコースオキシダーゼ及びα-グルコシダーゼ
(x)グルコースオキシダーゼ及びブランチングエンザイム
(xi)グルコースオキシダーゼ及びマルトテトラオース生成酵素
(xii)グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼ
[11]生米に油脂、並びに(A)リパーゼ及びホスホリパーゼからなる群より選択される少なくとも一つを添加することを含む、米飯食品の改質方法。
[12](B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを添加することを更に含む、[11]記載の改質方法。
[13]前記(A)が、リパーゼを含む、[11]又は[12]記載の改質方法。
[14]前記(B)が、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、ブランチングエンザイム、マルトトリオシル転移酵素、マルトテトラオース生成酵素、グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼからなる群より選択される少なくとも一つである、[12]又は[13]記載の改質方法。
[15]前記(B)が、下記(i)~(xii)のいずれかである、[12]~[14]のいずれか一つに記載の改質方法。
(i)グルコースオキシダーゼ
(ii)トランスグルタミナーゼ
(iii)α-アミラーゼ
(iv)マルトトリオシル転移酵素
(v)グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼ
(vi)グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素
(vii)グルコースオキシダーゼ及びβ-アミラーゼ
(viii)グルコースオキシダーゼ及びグルコアミラーゼ
(ix)グルコースオキシダーゼ及びα-グルコシダーゼ
(x)グルコースオキシダーゼ及びブランチングエンザイム
(xi)グルコースオキシダーゼ及びマルトテトラオース生成酵素
(xii)グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼ
本発明によれば、米飯食品本来の好ましい風味を有し、食感(付着性等)が改質された米飯食品の製造に好適に用いられ得る酵素組成物を提供できる。
本発明によれば、米飯食品の食感(付着性等)を、米飯食品本来の好ましい風味が損なわれることを抑えて、改質し得る。
本発明の米飯食品の製造方法(本明細書において「本発明の製造方法」と称する場合がある)は、生米に、油脂、並びに(A)リパーゼ及びホスホリパーゼからなる群より選択される少なくとも一つ(本明細書において「リパーゼ及びホスホリパーゼからなる群より選択される少なくとも一つ」を、単に「(A)」と称する場合がある)を添加することを含むことを、特徴の一つとする。
オリーブ油25mLと2%PVA(ポリビニルアルコール)試液75mLを乳化させて基質とし、当該基質5mLにマッキルベン緩衝液(pH7.0)4mL及び酵素液1mLを混和し、37℃にて30分間反応させ、反応停止後、生成した脂肪酸を滴定法で測定する。遊離した脂肪酸1μモルに相当する酸を遊離させる酵素量を1U(ユニット)と定義する。
ホスファチジルコリンを含む基質溶液0.9mLに酵素溶液0.1mLを混和し、37℃にて30分間反応させ、反応停止後、コリンエステラーゼを含む発色溶液1mLに反応液50μLを加え5分反応させ、反応停止後、コリンより生成した色素量を測定する。ホスファチジルコリンを基質として37℃、1分間に1μモルのコリンを遊離する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
本発明の製造方法は、生米に油脂及び(A)を添加することに加えて、(B)を添加することを更に含むことにより、米飯食品の食感(例、付着性、耐老化性、粒感等)をより効果的に向上し得る。
ブロックp-ニトロフェニルマルトヘプタオサイドを基質としてα-アミラーゼを作用させる。その後、生成したp-ニトロフェニルマルトサッカライドを耐熱性α-グルコシダーゼで分解しリン酸三ナトリウムで反応停止させ、生成したp-ニトロフェノールを410nmでの吸光度を測定する。1分間で1μモルのp-ニトロフェノールを遊離させる酵素量を1U(ユニット)と定義する。
p-ニトロフェニル-β-D-マルトトリオシド(PNP-β)を基質としてβ-アミラーゼを作用させる。その後、生成したp-ニトロフェノール(PNP)の量を400nmの吸光度で測定する。1分間に1μモルのPNPを解離させる酵素量を1U(ユニット)と定義する。
4-ニトロフェニルβ-マルトシドを基質としてグルコアミラーゼを作用させると、4-ニトロフェニルβ-グルコシドを生じる。さらにβ-グルコシダーゼを添加することで発生する4-ニトロフェノール(PNP)を測定する。1分間に1μモルのPNPを遊離する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
1mM α-メチル-D-グルコシド1mLに0.02M酢酸バッファー(pH5.0)1mLを加え、酵素溶液0.5mL添加して、40℃、60分間を作用させた時に、反応液2.5mL中に1μgのブドウ糖を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
0.08Mリン酸バッファー(pH7.0)に溶解させた0.1%アミロースB(ナカライテスク)50μLに0.1Mリン酸バッファー(pH7.0)に溶解させた酵素溶液50μLを加え、50℃、30分間反応後にヨウ素試薬(0.26g I2と0.26g KIを10mL超純水にて溶解した液0.5mLと1N HCl 0.5mLを混ぜ、130mLに希釈した液)2mLを添加し、660nm吸光度を測定する。本反応系で反応1分間に660nm吸光度を1%低下させる酵素量を1U(ユニット)と定義する。
マルトテトラオースを基質としてマルトトリオシル転移酵素を作用させると、マルトトリオースおよびグルコースが生じる。生成した過酸化水素にアミノアンチピリン及びフェノール存在下でペルオキシダーゼを作用させることで生成したキノンイミン色素が呈する色調を、波長500nmで測定し定量する。1分間に1μモルのブドウ糖を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
可溶性デンプンを基質とし、マルトテトラオース生成酵素を作用させると還元糖が生じる。生成した還元糖をソモギー・ネルソン法により測定する。1分間に1μモルのブドウ糖に相当する還元糖を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
グルコースを基質として、酸素存在下でグルコースオキシダーゼを作用させることで過酸化水素を生成させ、生成した過酸化水素にアミノアンチピリン及びフェノール存在下でペルオキシダーゼを作用させることで生成したキノンイミン色素が呈する色調を、波長500nmで測定し定量する。1分間に1μモルのグルコースを酸化するのに必要な酵素量を1U(ユニット)と定義する。
ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質としてトランスグルタミナーゼに作用させ、ヒドロキサム酸にトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmでの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め、酵素活性を算出する。37℃、pH6.0で1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成する酵素量を1U(ユニット)と定義する。
(i)グルコースオキシダーゼ
(ii)トランスグルタミナーゼ
(iii)α-アミラーゼ
(iv)マルトトリオシル転移酵素
(v)グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼ
(vi)グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素
(vii)グルコースオキシダーゼ及びβ-アミラーゼ
(viii)グルコースオキシダーゼ及びグルコアミラーゼ
(ix)グルコースオキシダーゼ及びα-グルコシダーゼ
(x)グルコースオキシダーゼ及びブランチングエンザイム
(xi)グルコースオキシダーゼ及びマルトテトラオース生成酵素
(xii)グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼ
また本発明の製造方法が、生米に油脂及び(A)を添加することに加えて、(B)を添加することを更に含む場合、生米への油脂、(A)及び(B)の添加の順序、間隔は特に制限されず、例えば油脂、(A)及び(B)の順序、あるいはその逆の順序等で添加してよい。また油脂、(A)及び(B)を同時に添加してもよい。
本発明の製造方法が、生米に油脂及び(A)を添加することに加えて、(B)を添加することを更に含み、生米への(A)及び(B)の添加が同時である場合、生米への(A)及び(B)の添加は、(A)及び(B)を含有する酵素組成物(例えば、後述の本発明の組成物等)を使用して行ってよい。
本発明において「米飯食品本来の好ましい風味」とは、異風味(例、油脂臭等)が抑えられた、米飯食品に通常備わる好ましい香り、味をいう。
本発明において、米飯食品の「付着性」とは、口内での米同士のくっつき易さの程度をいう。
本発明において、米飯食品の「耐老化性」とは、老化(経時的な、食感等の品質の劣化)しにくさの程度をいう。
米飯食品本来の好ましい風味、米飯食品の付着性及び耐老化性は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。
本発明は、生米に、油脂、並びに(A)リパーゼ及びホスホリパーゼからなる群より選択される少なくとも一つを添加することを含む、米飯食品の改質方法(本明細書において「本発明の改質方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の改質方法は、生米に油脂及び(A)を添加することに加えて、(B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを添加することを更に含むことが好ましい。
したがって本発明の改質方法は、一態様として、米飯食品の付着性の改質方法、米飯食品の耐老化性の改質方法、並びに、米飯食品の付着性及び耐老化性の改質方法のいずれかであり得る。
本発明は、(A)リパーゼ及びホスホリパーゼから選択される少なくとも一つを含有する酵素組成物(本明細書において「本発明の組成物」と称する場合がある)も提供する。
本発明の組成物は、(A)に加えて、(B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有することが好ましい。
本発明の組成物に含まれる(A)、(B)が二つ以上の製剤に含有される場合、本発明の組成物に含まれる(A)、(B)の量は、各製剤に含まれる(A)、(B)の量を合計して算出される。
[試験サンプル(炊飯米)の作製]
(実施例1)
生米(品種「ひとめぼれ」)400gを市水にて洗米(研ぎ20回、水入れ換え5回)して、市販の炊飯器(三菱電機社製「炭炊釜 NJ-LH064-R」)に投入し、吸水分も含め、生米(乾燥重量)100gあたり140gの市水を投入し、1時間浸漬させた後、生米(乾燥重量)100gあたり0.4gの食用油脂、及び生米(乾燥重量)100gあたり2U/gとなる量のリパーゼを加えて炊飯し、炊飯米(実施例1のサンプル)を得た。
リパーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり16U/gとなる量のホスホリパーゼを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、炊飯米(実施例2のサンプル)を得た。
食用油脂の量を、生米(乾燥重量)100gあたり0.8gとし、リパーゼを用いなかったこと以外は実施例1と同様の手順で、炊飯米(比較例1のサンプル)を得た。
リパーゼを用いなかったこと以外は実施例1と同様の手順で、炊飯米(比較例2のサンプル)を得た。
リパーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.6U/gとなる量のグルコースオキシダーゼを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、炊飯米(比較例3のサンプル)を得た。
リパーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.04U/gとなる量のα-アミラーゼを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、炊飯米(比較例4のサンプル)を得た。
リパーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.1U/gとなる量のマルトトリオシル転移酵素を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、炊飯米(比較例5のサンプル)を得た。
実施例1、2及び比較例1~5の炊飯米の風味、食感(付着性、耐老化性)について官能評価を実施した。
[風味の評価基準]
5:米飯(炊飯米)本来の風味が非常に強い
4:米飯本来の風味が強い
3:米飯本来の風味がやや強い
2:米飯本来の風味が少し弱い
1:米飯本来の風味が弱い
[食感(付着性)の評価基準]
5:米同士の付着が非常に少なく粒感が強い
4:米同士の付着が少なく粒立ちがしっかりしている
3:米同士の付着がやや少なく、粒立ちがある
2:米同士の付着が強く、べたつく
1:米同士の付着がかなり強く、練られ感がある
[食感(耐老化性)の評価基準]
5:老化食感がない
4:老化食感がほとんどない
3:老化食感が少しある
2:老化食感が強い
1:老化食感が非常に強い
生米100gあたり0.4gの食用油脂を添加した比較例2のサンプルは、米飯本来の風味は非常に強かったが、米同士の付着がかなり強いものであった。
生米100gあたり0.4gの食用油脂に加えて、グルコースオキシダーゼ、α-アミラーゼ又はマルトトリオシル転移酵素を添加した比較例3~5は、米同士の付着が強いものであった。
一方、生米100gあたり0.4gの食用油脂に加えて、リパーゼ、ホスホリパーゼを添加した実施例1、2は、米飯本来の風味は非常に強く、かつ米同士の付着が少なく粒立ちがしっかりしているものであった。
[試験サンプル(炊飯米)の作製]
(実施例3)
生米(品種「ひとめぼれ」)400gを市水にて洗米(研ぎ20回、水入れ換え5回)して、市販の炊飯器(三菱電機社製「炭炊釜 NJ-LH064-R」)に投入し、吸水分も含め、生米(乾燥重量)100gあたり140gの市水を投入し、1時間浸漬させた後、生米(乾燥重量)100gあたり0.4gの食用油脂、生米(乾燥重量)100gあたり2U/gとなる量のリパーゼ、及び生米(乾燥重量)100gあたり0.6U/gとなる量のグルコースオキシダーゼを加えて炊飯し、炊飯米(実施例3のサンプル)を得た。
グルコースオキシダーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.1U/gとなる量のトランスグルタミナーゼを用いたこと以外は実施例3と同様の手順で、炊飯米(実施例4のサンプル)を得た。
グルコースオキシダーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.04U/gとなる量のα-アミラーゼを用いたこと以外は実施例3と同様の手順で、炊飯米(実施例5のサンプル)を得た。
グルコースオキシダーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.1U/gとなる量のマルトトリオシル転移酵素を用いたこと以外は実施例3と同様の手順で、炊飯米(実施例6のサンプル)を得た。
実施例3~6の各サンプルの風味、食感(付着性、耐老化性)について、試験例1と同様の方法で官能評価を実施した。
生米100gあたり0.4gの食用油脂に加えて、リパーゼ及びグルコースオキシダーゼ、リパーゼ及びトランスグルタミナーゼ、あるいはリパーゼ及びα-アミラーゼを添加した実施例3~5は、米飯本来の風味は非常に強く、かつ米同士の付着が非常に少なく粒感が強いものであった。
また、生米100gあたり0.4gの食用油脂に加えて、リパーゼ及びマルトトリオシル転移酵素を添加した実施例6は、米飯本来の風味は非常に強く、かつ米同士の付着が少なく粒立ちがしっかりしているものであった。
さらに実施例5及び6は、炊飯から1日後においても、老化食感がほとんどなかった。
[試験サンプル(炊飯米)の作製]
(実施例7)
生米(品種「ひとめぼれ」)400gを市水にて洗米(研ぎ20回、水入れ換え5回)して、市販の炊飯器(三菱電機社製「炭炊釜 NJ-LH064-R」)に投入し、吸水分も含め、生米(乾燥重量)100gあたり140gの市水を投入し、1時間浸漬させた後、生米(乾燥重量)100gあたり0.4gの食用油脂、生米(乾燥重量)100gあたり2U/gとなる量のリパーゼ、生米(乾燥重量)100gあたり0.6U/gとなる量のグルコースオキシダーゼ、及び生米(乾燥重量)100gあたり0.04U/gとなる量のα-アミラーゼを加えて炊飯し、炊飯米(実施例7のサンプル)を得た。
α-アミラーゼに代えて、生米(乾燥重量)100gあたり0.1U/gとなる量のマルトトリオシル転移酵素を用いたこと以外は実施例7と同様の手順で、炊飯米(実施例8のサンプル)を得た。
実施例7及び8の各サンプルの風味、食感(付着性、耐老化性)について、試験例1と同様の方法で官能評価を実施した。
一方、表3に示されるように、生米100gあたり0.4gの食用油脂に加えて、リパーゼ、グルコースオキシダーゼ及びα―アミラーゼ、あるいはリパーゼ、グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素を添加した実施例7及び8は、米飯本来の風味は非常に強く、かつ米同士の付着が非常に少なく粒感が強いものであった。
さらに実施例7及び8は、炊飯から1日後においても、老化食感がなかった。
本発明によれば、米飯食品本来の好ましい風味を有し、食感(付着性等)が改質された米飯食品の製造に好適に用いられ得る酵素組成物を提供できる。
本発明によれば、米飯食品の食感(付着性等)を、米飯食品本来の好ましい風味が損なわれることを抑えて、改質し得る。
Claims (9)
- 生米に、油脂、並びに(A)リパーゼあるいはリパーゼ及びホスホリパーゼを添加することを含む、米飯食品の製造方法。
- (B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを添加することを更に含む、請求項1記載の製造方法。
- 前記(B)が、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、ブランチングエンザイム、マルトトリオシル転移酵素、マルトテトラオース生成酵素、グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項2記載の製造方法。
- 前記(B)が、下記(i)~(xii)のいずれかである、請求項2又は3記載の製造方法。
(i)グルコースオキシダーゼ
(ii)トランスグルタミナーゼ
(iii)α-アミラーゼ
(iv)マルトトリオシル転移酵素
(v)グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼ
(vi)グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素
(vii)グルコースオキシダーゼ及びβ-アミラーゼ
(viii)グルコースオキシダーゼ及びグルコアミラーゼ
(ix)グルコースオキシダーゼ及びα-グルコシダーゼ
(x)グルコースオキシダーゼ及びブランチングエンザイム
(xi)グルコースオキシダーゼ及びマルトテトラオース生成酵素
(xii)グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼ - (A)リパーゼあるいはリパーゼ及びホスホリパーゼを含有する酵素組成物であって、
生米に油脂を添加することを含む、米飯食品の製造方法において当該生米に添加するためのものである、組成物。 - (B)糖質改質酵素及び蛋白質架橋酵素からなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、請求項5記載の組成物。
- 前記(B)が、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、ブランチングエンザイム、マルトトリオシル転移酵素、マルトテトラオース生成酵素、グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項6記載の組成物。
- 前記(B)が、下記(i)~(xii)のいずれかである、請求項6又は7記載の組成物。
(i)グルコースオキシダーゼ
(ii)トランスグルタミナーゼ
(iii)α-アミラーゼ
(iv)マルトトリオシル転移酵素
(v)グルコースオキシダーゼ及びα-アミラーゼ
(vi)グルコースオキシダーゼ及びマルトトリオシル転移酵素
(vii)グルコースオキシダーゼ及びβ-アミラーゼ
(viii)グルコースオキシダーゼ及びグルコアミラーゼ
(ix)グルコースオキシダーゼ及びα-グルコシダーゼ
(x)グルコースオキシダーゼ及びブランチングエンザイム
(xi)グルコースオキシダーゼ及びマルトテトラオース生成酵素
(xii)グルコースオキシダーゼ及びトランスグルタミナーゼ - 生米に油脂、並びに(A)リパーゼあるいはリパーゼ及びホスホリパーゼを添加することを含む、米飯食品の改質方法。
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