JPWO2018116844A1 - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、部材に貼り合わせる時の貼付性と追従性に優れ、高温下にさらされても形態を維持でき、かつ室温に戻した場合でも元の物性を維持できるような発泡体基材の粘着テープを提供することである。本発明は、発泡体基材の少なくとも一方の面側に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の25%圧縮強度が20〜170kPaであり、23℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE1とし、120℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE2としたときの比率E2/E1が0.1以上であるか、又は23℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE1’とし、120℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE2’としたときの比率E2’/E1’が0.1以上であることを特徴とする粘着テープに関するものである。

Description

本発明は、モバイル分野や自動車分野をはじめとする様々な電子機器を構成する部品の固定に使用可能な粘着テープに関する。
粘着テープは、モバイル分野や自動車分野をはじめとする様々な電子機器を構成する部品の固定に使用される。粘着テープは、例えば前記電子機器の製造場面であれば、電子機器を構成する2以上の筺体の固定等の用途で使用されている。
前記したような場面で粘着テープを使用する場合、圧着した部材とテープの接合界面に空気が残存しやすい。そのため、テープの厚さ方向に適度なクッション性があり、剛体同士の接合において、適度に追従し、接合部品と粘着層とが密着しやすいという特徴を有する発泡体基材の粘着テープが使用される。
このような用途では、例えば、従来ポリエチレン樹脂やウレタン樹脂などを用いた柔軟性に優れる発泡体基材の粘着テープが用いられてきた(特許文献1)。
しかし近年、モバイル分野や自動車分野では、より厳しい環境での接着信頼性が求められている。具体的には、100℃以上の高温環境に放置した後でも物性の変化がほとんどない粘着テープが求められており、従来の発泡体基材の粘着テープの耐熱性では不十分であった。
以上のとおり、前記用途で使用される粘着テープでは、柔軟で追従できる発泡体基材の粘着テープであり、かつ高温環境下にさらされても形態を維持でき、かつ室温に戻した場合でも元の物性を維持できるような発泡体基材の粘着テープが求められているものの、いまだに見出されていなかった。
特開2011−168658号公報
本発明が解決しようとする課題は、部材に貼り合わせる時の貼付性と追従性に優れ、高温環境下にさらされても形態を維持でき、かつ室温に戻した場合でも元の物性を維持できるような発泡体基材の粘着テープを提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討したところ、特定の25%圧縮強度と、23℃と120℃における引張弾性率の特定の比率を有する発泡体基材を有する粘着テープによって前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は発泡体基材の少なくとも一方の面側に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の25%圧縮強度が20〜170kPaであり、23℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE1とし、120℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE2としたときの比率E2/E1が0.1以上であるか、又は23℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE1’とし、120℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE2’としたときの比率E2’/E1’が0.1以上であることを特徴とする粘着テープに関するものである。
本発明の粘着テープは、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性を有し、高温環境下にさらされても形態を維持でき、かつ室温に戻した場合でも元の物性を維持できることから、例えばモバイル端末や自動車用途等の電子機器を構成する2以上の筺体の固定等に好適に使用することができる。
本発明の粘着テープは、電子機器を構成する部品の固定に使用する粘着テープであって、発泡体基材の少なくとも一方の面側に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の25%圧縮強度が20〜170kPaであり、23℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE1とし、120℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE2としたときの比率E2/E1が0.1以上であるか、又は23℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE1’とし、120℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE2’としたときの比率E2’/E1’が0.1以上であることを特徴とするとするものである。
[発泡体基材]
本発明の粘着テープを構成する基材としては、発泡体基材を使用する。
前記発泡体基材としては、その25%圧縮強度が、20〜170kPaのものを使用するが、30kPa〜140kPaであるものを使用することがより好ましく、40〜120kPaのものを使用することが、凹凸形状や粗面を備えた被着体に対して好適な追従性を発現するうえでさらに好ましい。
なお、25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した。25角に切断した試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせる。試料より大きな面積のステンレス板で試料をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で試料を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定する。
前記発泡体基材の、流れ方向と幅方向の引張弾性率は特に限定されないが、23℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE1とし、120℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE2としたとき、比率E2/E1が0.1以上であることが必要であるか、又は23℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE1’とし、120℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE2’としたとき、比率E2’/E1’が0.1以上であることが必要である。 前記比率E2/E1又はE2’/E1’は0.15以上であることが好ましく、0.2以上であることが、高温環境下にさらされても発泡体基材の形態を維持でき、高温環境下にさらされた後の物性を維持できるうえで好ましい。前記比率E2/E1又は2’/E1’は1.0以下であることが好ましい。
23℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率E1又は幅方向の引張弾性率E1’は、50〜400N/cm、50〜350が好ましく、50〜250が好ましい。120℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率E2又は幅方向の引張弾性率E2’は、5〜400が好ましく、10〜250が好ましく15〜200が好ましい。また、同じ温度における流れ方向及び幅方向の引張弾性率のうち引張弾性率が低い方向の引張弾性率Elと高い方向の引張弾性率Ehの比率Eh/Elが1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが加工性、寸法安定性を付与する上で好ましい。
なお、前述の発泡体基材の引張弾性率は、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmのサンプルを、テンシロン引張試験機を用い、温度23℃または120℃の環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した伸度100%の引張弾性率である。
また、前記発泡体基材の、流れ方向と幅方向の最大引張弾性率は特に限定されないが、23℃での最大引張弾性率はそれぞれ50〜450N/cmであることが好ましく、より好ましくは70〜400N/cmであることが、発泡した柔軟な基材であっても粘着テープの加工性の悪化や貼付作業性の低下を抑制できる。また、粘着テープを剥がす際に発泡体の層間破壊やチギレが発生にくく、層間割れが発生した場合でも粘着テープの剥がし易さを付与できる。また、23℃での流れ方向及び幅方向の最大引張弾性率のうち引張弾性率が低い方向の引張弾性率Elと高い方向の引張弾性率Ehの比率Eh/Elが1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが加工性、寸法安定性を付与する上で好ましい。
また、前記発泡体基材の、流れ方向と幅方向の最大引張弾性率は特に限定されないが、120℃での流れ方向又は幅方向の最大引張弾性率はそれぞれ15〜450N/cm以上であることが好ましく、より好ましくは15〜400N/cm以上であることが、高温環境下にさらされても発泡体基材の形態を維持でき、高温環境下にさらされた後の物性を維持できるうえで好ましい。また、120℃での流れ方向及び幅方向の最大引張弾性率のうち引張弾性率が低い方向の引張弾性率Elと高い方向の引張弾性率Ehの比率Eh/Elが1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが加工性、寸法安定性を付与する上で好ましい。
前記発泡体基材としては、その層間強度が4N/cm以上、好ましくは6N/cm〜150N/cm、より好ましくは10N/cm〜100N/cm、より好ましくは10N/cm〜60N/cmの発泡体基材を使用することが、被着体への良好な貼付性や追従性と優れた接着性とを実現できる。
上記層間強度は、以下の方法により測定される。層間強度を評価する発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたのち、40℃で48時間熟成し、層間強度測定用の粘着テープを作成する。次に、片側の粘着面を厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした幅1cm、長さ15cm(発泡体基材の流れ方向と幅方向)の粘着テープを、23℃及び50%RH下で厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに2kgローラー1往復で加圧貼付し60℃で48時間静置する。23℃で24時間静置後、23℃50%RH下で厚さ50μmmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り発泡体を引き裂いた際の最大強度を測定する。
前記発泡体基材の気泡構造は、独立気泡構造と連続気泡構造のどちらでもよいが、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、及び優れた接着強度を有するうえで独立気泡構造が好ましい。
前記発泡体基材の流れ方向および幅方向の平均気泡径は1.2〜700μmであり、好ましくは10〜500μm、より好ましくは30〜400μm、さらに好ましくは50〜300μmである。流れ方向および幅方向の平均気泡径を当該範囲とすることで、当該発明の粘着テープを用いて被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、及び優れた接着強度を有するうえで好ましい。
前記発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径は、発泡体基材の厚さによるが1〜150μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmであることが、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、及び優れた接着強度を有するうえで好ましい。
なお、平均気泡径の測定方法としては、はじめに、発泡体基材を幅方向1cm及び流れ方向1cmの正方形に切断する。次に、前記切断した発泡体基材の切断面をデジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)を用いて200倍に拡大したのち、発泡体基材の幅方向及び流れ方向の切断面を撮影した。
次に、前記発泡体基材の幅方向の切断面のうち、任意の、厚さ×幅方向距離(2mm)の範囲に存在するすべての気泡の気泡径を測定し、その平均値を算出した。また、上記測定を前記切断面の任意の10か所に対して行うことによって算出された10個の平均値を、さらに平均化したものを、幅方向の平均気泡径とした。
また、前記発泡体基材の流れ方向の切断面のうち、任意の、厚さ×流れ方向距離(2mm)の範囲に存在するすべての気泡の気泡径を測定し、その平均値を算出した。また、上記測定を前記切断面の任意の10か所に対して行うことによって算出された10個の平均値を、さらに平均化したものを、流れ方向の平均気泡径とした。
発泡体基材の見かけ密度は特に限定されないが、層間強度や圧縮強度、平均気泡径などを上記範囲に調整し、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、及び被着体との優れた密着性の両立を実現しやすいことから、0.05〜0.35g/cm、好ましくは0.075〜0.20g/cm、より好ましくは0.1〜0.15g/cmである。
なお、見かけ密度は、JISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を用意し、その質量を測定して見かけ密度を求める。
発泡体基材の厚さは使用する態様によって適宜調整すれば良いが、0.05〜1.5mmが好ましい。電子機器の部品固定用、特に小型、薄型のモバイル機器の場合には、薄いテープ厚さが求められるため、基材厚さは50〜500μmであることが好ましく、70〜400μmであることが好ましい。このような薄さにおいても十分な耐熱性を維持できる。
発泡体基材の圧縮強度、および引張弾性率などは、使用する基材の素材や発泡構造により適宜調整できる。本発明に使用する発泡体基材の種類は、上記25%圧縮強度や引張弾性率などを有するものであれば特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー等からなるポリオレフィン系発泡体やポリウレタン系発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマー等からなるゴム系発泡体等を使用でき、なかでも被着体表面の凹凸への追従性や高温下での形態保持性、高温下から取り出した後でも元の物性を維持しやすいことから、ポリオレフィン系発泡体を好ましく使用できる。
前記ポリオレフィン系発泡体を形成するポリオレフィン系樹脂のなかでも、ポリプロピレン系樹脂を使用することが、被着体表面の凹凸への追従性や高温下での形態保持性、高温下から取り出した後でも元の物性を維持しやすいため好ましい。
また、前記ポリオレフィン系樹脂は、樹脂を構成する全てのモノマー成分を100モル%とした際に、その樹脂中のオレフィン系炭化水素成分が10モル%以上100モル%以下のものを使用することが好適である。例えば、プロピレンの単独重合体やエチレン−プロピレン共重合体(ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン)などのプロピレン成分が含まれるポリプロピレン樹脂(A)、および、エチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとからなるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンと非オレフィンとの共重合体などのエチレン成分が含まれるポリエチレン樹脂(B)などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、1種類もしくは2種類以上混合して使用することができ、前記ポリプロピレン樹脂(A)及び/又はポリエチレン樹脂(B)を含むことが好ましく、ポリプロピレン樹脂(A)及びポリエチレン樹脂(B)を含むことが、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、高温下での形態維持性、高温下から取り出しても元の物性を維持できるうえで好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体を形成する上で、必要に応じて熱可塑性エラストマー系樹脂(C)をすることが出来る。前記熱可塑性エラストマー系樹脂(C)を加えることにより、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、高温下での形態維持性、高温下から取り出しても元の物性を維持できるうえでさらに好ましい。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(A)としては、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などが挙げられ、必要に応じてプロピレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体を用いることもできる。ポリオレフィン系樹脂中のポリプロピレン系樹脂(A)は、1種類のみでなく、2種類以上をブレンドして用いても良い。ポリプロピレン樹脂(A)100質量%中のエチレン含有率が5〜15質量%、融点が135〜155℃、MFR(230℃)が0.5〜5.0のランダムポリプロピレン、および/または、ポリプロピレン樹脂(B)100質量%中のエチレン含有率が1〜5質量%、融点が150〜170℃、MFR(230℃)が1.0〜7.0のブロックポリプロピレンが特に好ましい。
発泡体を構成する全樹脂中における前記ポリプロピレン樹脂(A)の含有する割合は、10〜80質量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましく、25〜65重量%であることがより好ましい。ポリプロピレン樹脂(A)を70重量%以上含有するものを用いる場合には、ポリオレフィン樹脂発泡体の十分な柔軟性を得られず、ポリプロピレン樹脂(A)を20重量%未満含有するものを用いる場合は、得られるポリオレフィン樹脂発泡の耐熱性を損なう恐れがある。
本発明で用いられるポリエチレン樹脂(B)は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)などが挙げられ、必要に応じてエチレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体を用いることもできる。これらのポリエチレン系樹脂(B)は、1種類のみでなく、2種類以上をブレンドしても良い。ポリエチレン樹脂(B)は、密度が890〜950kg/m、MFR(190℃)が1〜15g/20分の範囲内にあるものが好ましく用いられ、中でも密度が920〜940kg/m、MFR(190℃)が2〜10g/10分、融点が100〜130℃のエチレン−α−オレフィン共重合体がより好ましい。
前記ポリエチレン樹脂(B)の含有する割合は、5〜35質量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましく、15〜25重量%であることがより好ましい。ポリエチレン樹脂(B)を35重量%以上含有するものを用いる場合は、十分な柔軟性と耐熱性を得られず、ポリエチレン樹脂(B)を5重量%未満含有するものを用いる場合は、得られるポリオレフィン系発泡体の耐寒性を損なう恐れがある。
本発明で用いることができる熱可塑性エラストマー系樹脂(C)は、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(SBC、TPS)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE、TPC)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE、TPA)、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーなど、従来から公知の如何なるものでも良い。これらの熱可塑性エラストマー系樹脂(C)は、1種類のみでなく、2種類以上をブレンドしても良い。熱可塑性エラストマー系樹脂(C)は、密度が850〜920kg/m3、MFR(230℃)が1〜15の範囲内にあるものが好ましく用いられ、中でも密度が860〜910kg/m3、MFR(230℃)が5〜10であるものが、特に好ましく用いられる。
前記熱可塑性エラストマー系樹脂(C)の含有する割合は、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がより好ましい。熱可塑性エラストマー系樹脂(C)を5重量%未満含有するものを用いる場合は、十分な柔軟性が得られず、可塑性エラストマー系樹脂(C)を70重量%以上含有するものを用いる場合は、得られるポリオレフィン系発泡体の耐熱性を損なう恐れがある。
本発明における発泡体基材は、発泡体を構成する全樹脂中における前記ポリプロピレン樹脂(A)の含有する割合が30〜60質量%であり、前記ポリエチレン樹脂(B)が1〜20質量%であり、熱可塑性エラストマー系樹脂(C)が30〜60**質量%含有することが好ましく、前記ポリプロピレン樹脂(A)の含有する割合が30**〜55**質量%であり、前記ポリエチレン樹脂(B)が10**〜20**質量%であり、熱可塑性エラストマー系樹脂(C)が30**〜50**質量%含有することが、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性、高温下での形態維持性、高温下から取り出しても元の物性を維持できるうえでより好ましい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、フェノール系、リン系、アミン系およびイオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、エチレンビニルジメタクリレート、1,2−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステル、1,3−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステルおよび1,2,4−ベンゼントリカルボン酸ジアリルエステル等の架橋助剤、マイカやタルク等の充填剤、臭素系およびリン系等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、およびポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン用添加剤を添加することができる。
本発明の発泡体基材は、ポリオレフィン樹脂の混合物に気体を生ずることができる発泡剤を混合して製造するものであり、その製造方法としては、ポリオレフィン樹脂の混合物に、発泡剤として、熱分解型化学発泡剤を加えて溶融混錬し、常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、減圧しながら発泡するプレス発泡法、および押出機内で気体あるいは気化する溶剤を溶融混合し、高圧下で押出しながら発泡する押出発泡法等の方法が挙げられる。
ここで用いられる熱分解型化学発泡剤とは、熱を加えることで分解しガスを放出する化学発泡剤であり、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジドなどの有機系発泡剤、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムおよびカルシウムアジドなどの無機系発泡剤が挙げられる。
また、気体あるいは気化する溶剤としては、炭酸ガス、窒素、ヘリウム等の気体、プロパン、ノルマルブタンおよびイソブタン等の気化する溶剤が挙げられる。
発泡剤は、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。柔軟で成形性が高く表面平滑な高倍率な発泡体を得るため、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いた常圧発泡法が好適に用いられる。
次に、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定されず、前記ポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートをスライスする薄膜化の工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向或いは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって加熱延伸させて発泡テープを延伸し、かつ発泡シートの表面の擬似スキン層を設ける工程を含有する方法が挙げられる。
前記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程は、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材のゲル分率が好ましくは5質量%〜70質量%、より好ましくは20質量%〜60質量%、さらに好ましくは25質量%〜55質量%
になるように適宜調整されるが、5〜200kGyの範囲が好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な架橋構造を形成し、その結果、比較的均一な発泡構造を形成するうえで、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面から照射することが好ましく、その照射量を同じにすることが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
有機過酸化物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物中における熱分解型発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜30質量部がより好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材表面の外観に、表裏での差異が少ないので好ましい。
発泡体基材をスライスする方法としては、特には限定されず、スライスしてもしなくても良い。スライス加工を施す場合、発泡体基材の使用する厚さの態様によって適宜調整すれば良く、両方の表面がスライス加工されていてもよいし、一方の表面のみがスライス加工されていてもよい。
発泡体基材の加熱延伸させる方法としては、特には限定されず、加熱延伸してもしなくても良い。加熱延伸を施す場合、発泡体基材をスライスした後に行い、両方の表面に施してもよいし、一方の表面のみに施しても良い
更に、発泡体基材の延伸方向にあたっては、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向に向かって延伸させる。なお、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
発泡体基材は、粘着テープにおいて意匠性、遮光性や隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性や隠蔽性、耐光性を付与する場合、発泡体基材は黒色に着色される。黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、発泡体基剤は白色に着色される。白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、色調、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、酸化アルミニウムや酸化亜鉛が好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の物性を損なわない範囲で必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知のものを樹脂に任意に含有されていてもよい。本発明の粘着テープに使用するポリオレフィン系樹脂発泡体基材としては、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性を維持するため、ポリオレフィン系樹脂に対して0.1質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜7質量%が好ましい。
なお、前記着色剤や熱分解性発泡剤や発泡助剤などを発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に配合する場合、色ムラや部分的な過剰発泡や発泡不足防止の観点から、押し出し機に供給する前にあらかじめ発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物や発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物と相溶性が高い熱可塑性樹脂でマスターバッチ化することが好ましい。
発泡体基材は、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布等の表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、粘着剤との良好な密着性が得られる。密着性を向上させた発泡体基材は、連続工程で粘着剤層と貼り合わせてもよい。また、密着性を向上させた発泡体基材は一旦巻き取り加工をして保管したのち、後日別工程で粘着剤層と貼り合わされてもよい。
なお、密着性を向上させた発泡体基材を一旦巻き取る場合、前記発泡体基材のブロッキングを防止するうえで、紙やポリエチレンやポリプロピレンやポリエステル等からなるフィルムを介して巻き取ることが好ましい。前記フィルムは、厚さ25μm以下のポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムであることが好ましい。
[粘着剤層]
本発明の粘着テープの粘着剤層を構成する粘着剤組成物は、通常の粘着テープに使用される粘着剤組成物を用いることができる。当該粘着剤組成物としては、例えば(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられるが、(メタ)アクリレート単独又は(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体からなるアクリル系共重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤組成物を好ましく使用できる。
前記アクリル系粘着剤組成物としては、 炭素数1〜12の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のモノマーがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。なかでも、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が4〜8の直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリレートが更に好ましい。特にn−ブチルアクリレートは被着体との密着性を確保しやすいため好ましい。
アクリル系共重合体中の炭素数1〜12の(メタ)アクリレートの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の80〜98.5質量%であることが好ましく、90〜98.5質量%であることがより好ましい。
また、本発明に使用するアクリル系共重合体は高極性ビニルモノマーを共重合してもよく、高極性ビニルモノマーとしては、水酸基を有するビニルモノマー、カルボキシル基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが好ましい。
また、アミド基を有するモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、等が挙げられる。
その他の高極性ビニルモノマーとして、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー等があげられる。
高極性ビニルモノマーの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の1.5〜20質量%であることが好ましく、1.5〜10質量%であることがより好ましく、2〜8質量%であることが更に好ましい。当該範囲で含有することにより、粘着剤の凝集力や保持力、接着性を好適な範囲に調整しやすい。
なお、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合は、これと反応する官能基を有するビニルモノマーとしては水酸基含有ビニルモノマーが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。イソシアネート系架橋剤と反応する水酸基含有ビニルモノマーの含有量は、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分の0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜0.3質量%が特に好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、隗状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができるが、粘着剤の耐水性から溶液重合法や塊状重合法が好ましい。重合の開始方法も、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。
上記アクリル系共重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、40〜300万、好ましくは80〜250万である。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.5質量%(THF溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
本発明に使用するアクリル系粘着剤組成物中には、被着体との密着性や接着強度を向上させるため、粘着付与樹脂を使用することが好ましい。粘着付与樹脂としては、ロジン系、重合ロジン系、重合ロジンエステル系、ロジンフェノール系、安定化ロジンエステル系、不均化ロジンエステル系、水添ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、(メタ)アクリレート系樹脂等が例示できる。エマルジョン型の粘着剤組成物に使用する場合には、エマルジョン型の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
なかでも、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂が好ましい。粘着付与樹脂は1種または2種類以上を使用してもよい。
粘着付与樹脂の軟化点は、特に規定されないが30〜180℃、好ましくは70℃〜140℃である。軟化点の高い粘着付与樹脂を配合することで、高い接着性能が期待できる。(メタ)アクリレート系の粘着付与樹脂の場合は、ガラス転移温度が30〜200℃、好ましくは50℃〜160℃である。
アクリル系共重合体と粘着付与樹脂とを使用する際の配合比は、アクリル系共重合体100質量部に対する粘着付与樹脂の含有量が、5〜60質量部であることが好ましく、8〜50質量部であることが好ましい。両者の比率を当該範囲とすることで、被着体との密着性を確保しやすくなる。
アクリル系粘着剤組成物中には、粘着剤層の凝集力を上げるために粘着剤を架橋することが好ましい。このような架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等が挙げられる。そのなかでも、重合終了後に添加し、架橋反応を進行させるタイプの架橋剤が好ましく、(メタ)アクリル系共重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤が好ましく、発泡体基材との密着性が向上することからイソシアネート系架橋剤がより好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等が挙げられる。特に好ましいのは、3官能のポリイソシアネート系化合物である。3官能のイソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等が挙げられる。
架橋度合いの指標として、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。ゲル分率は、好ましくは25〜70質量%である。より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは30〜55質量%の範囲であれば、凝集性と接着性がともに良好である。
なお、ゲル分率の測定は下記による。剥離シート上に、乾燥後の厚さが50μmになるように粘着剤組成物を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃2日エージングしたものを50mm角に切り取り、これを試料とする。次に、予め上記試料のトルエン浸漬前の重量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求められる。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
粘着剤の添加剤として、必要に応じて、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ、金属粉末、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の公知のものを粘着剤組成物に任意で添加することができる。
本発明の粘着テープに使用する粘着剤層は、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が好ましくは温度が−40℃〜15℃であることが好ましい。粘着剤層の損失正接のピーク値を当該範囲とすることで、常温下での被着体との良好な密着性を付与しやすくなる。特に低温環境下での耐落下衝撃性の向上に際しては、−35℃〜10℃であることがより好ましく、−30℃〜6℃であることが常温下での被着体との良好な密着性を付与しやすくなるため好ましい。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G” / G’の式より求められる。
動的粘弾性特性は、粘着剤を構成するアクリル系共重合体に用いるモノマーの種類やその比率、重合開始剤の種類やその使用量、架橋剤、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂等粘着付与樹脂の種類や使用量、重合方法等を適宜選択することにより調整できる。
なお、前述の粘着剤層の動的粘弾性特性は、特定周波数、及び特定温度における、動的粘弾性スペクトルの損失正接、又は損失正接及び貯蔵弾性率により規定し、さらに、特定周波数における動的粘弾性スペクトルの損失正接の極大値を示す温度、または損失正接の極大値により規定する。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(TAインスツルメントジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。試験片は粘着剤層または粘着テープを厚さ約2mmに形成して、平行円盤の間に挟んで測定する。
本発明に使用する粘着剤層の厚さは、薄型のテープとした場合にも被着体との密着性ならびにリワーク適性や再剥離性が確保し易いことから、片面の厚みで10〜100μmが好ましく、30〜80μmであることがより好ましい。
本発明に使用する剥離シートとしては特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されているものが例示できる。
なかでも、ポリエチレンをラミネートした紙、およびポリエステルフィルムの片面に、シリコーン系剥離処理を施されている剥離シートが好ましい。
[粘着テープの製造方法]
本発明の粘着テープの製造方法としては、公知慣用の方法により製造できる。例えば前記基材の片面または両面に、ロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる。また、前記粘着テープは、予め離型ライナーの表面にロールコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層を形成し、次いで、前記粘着剤層を基材の片面または両面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
本発明の粘着テープは、上記発泡体基材と上記粘着剤層とを使用することにより、貼付時の追従性に優れ、高温下にさらされても形態を維持でき、高温下から取り出した後でも元の物性を維持できることから、モバイル分野や自動車分野をはじめとする様々な電子機器を構成する部品の固定に使用できる。
本発明の粘着テープの実施形態としては、発泡体基材を中芯とし、当該基材の片面、もしくは両面に粘着剤層が設けられた構成を基本構成とする。基材と粘着剤層との間は直接積層されていても、他の層を有していても良い。これら態様は使用用途によって適宜選択すればよく、テープにさらに寸法安定性や引張強さを付与する場合には、ポリエステルフィルムなどのラミネート層を、テープに遮光性を付与する場合には遮光層を、光反射性を確保する際には光反射層を設けても良い。
本発明の粘着テープの厚さは使用する態様によって適宜調整すれば良いが、70〜1700μmであることが好ましい。電子機器の部品固定用、特に小型、薄型の電子機器の場合には、薄いテープ厚さが求められるため、100〜600μmであることがより好ましく、120μm〜500μmであることが特に好ましい。
本発明の粘着テープは、被着体に貼り合わせる時の貼付性と追従性に優れ、高温下にさらされても形態を維持でき、高温下から取り出した後でも元の物性を維持できることから、モバイル分野や自動車分野をはじめとする様々な電子機器を構成する部品の固定に使用できる。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明する。
(アクリル重合体(a)の製造)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル重合体(a)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量であり、以下の方法で測定した。
GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
(アクリル重合体(b)の製造)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート96.4質量部、アクリル酸3.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部とを、酢酸エチル100質量部からなる溶剤に溶解し、70℃で12時間重合して、重量平均分子量が80万(ポリスチレン換算)のアクリル系共重合体(b)を得た。
(粘着剤溶剤(a)の調整)
容器に、前記アクリル重合体(a)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社製)15質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A−125(荒川化学工業株式会社製)10質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%の粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.4質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤溶剤(a)を得た。
(粘着剤溶剤(b)の調整)
容器に、前記アクリル重合体(b)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−135(荒川化学工業株式会社製)10質量部と、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A−100(荒川化学工業株式会社製)10質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてコロネートL−45(日本ポリウレタン社製、イソシアネート系架橋剤、固形分45%)を1.1質量部添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤溶剤(b)を得た。
[実施例1]
離型ライナーの表面に、粘着剤溶剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚さが50μmとなるように、バーコーターを用いて前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥させることによって粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、ポリオレフィン系発泡体基材A(ポリプロピレン発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.129g/cmに調整したもの)の両面に貼付し、40℃の環境下で48時間養生することによって粘着テープを作製した。
[実施例2]
前記ポリオレフィン発泡体Aの代わりにポリオレフィン発泡体B(ポリプロピレン+ポリエチレンエラストマー発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.158g/cmに調整したもの)を用い、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[実施例3]
前記ポリオレフィン発泡体Aの代わりにポリオレフィン発泡体C(ポリプロピレン+ポリエチレンエラストマー発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.158g/cmに調整したもの)を用い、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[実施例4]
前記ポリオレフィン発泡体Aの代わりにポリオレフィン発泡体D(ポリプロピレン+ポリエチレンエラストマー発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.060g/cmに調整したもの)を用い、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[実施例5]
前記ポリオレフィン発泡体Aの代わりにポリオレフィン発泡体E(ポリプロピレン+ポリエチレンエラストマー発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.066g/cmに調整したもの)を用い、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[実施例6〜10]
前記粘着剤溶剤(a)の代わりに粘着剤溶剤(b)を用い、前記ポリオレフィン発泡体A〜Eにそれぞれ実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[比較例1]
離型ライナーの表面に、粘着剤溶剤(a)を乾燥後の粘着剤層の厚さが50μmとなるように、バーコーターを用いて前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥させることによって粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、ポリオレフィン系発泡体基材F(ポリエチレン発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.179g/cmに調整したもの)の両面に貼付し、40℃の環境下で48時間養生することによって粘着テープを作製した。
[比較例2]
前記ポリオレフィン発泡体Fの代わりにポリオレフィン発泡体G(ポリエチレン発泡体、厚さ300μm、見かけ密度0.126g/cmに調整したもの)を用い、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[比較例3〜4]
前記粘着剤溶剤(a)の代わりに粘着剤溶剤(b)を用い、前記ポリオレフィン発泡体F,Gにそれぞれ実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
[発泡体基材の見かけ密度]
発泡体基材の見かけ密度は、JISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を用意し、その質量を測定して見かけ密度を求める。
[発泡体基材の25%圧縮荷重]
発泡体基材の25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した。25角に切断した試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせる。試料より大きな面積のステンレス板で試料をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で試料を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定する。
[発泡体基材の100%伸度の引張弾性率]
発泡体基材の引張弾性率は、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmの発泡体基材を、テンシロン引張試験機を用い、23℃50%RHもしくは120℃の環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した。得られた測定値から、伸度100%の引張弾性率を求めた。
[発泡体基材の最大引張弾性率]
発泡体基材の引張弾性率は、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmの発泡体基材を、テンシロン引張試験機を用い、23℃50%RH及び120℃の環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した。得られた測定値の最大強度である。
[発泡体基材の流れ方向及び幅方向の平均気泡径]
発泡体基材を流れ方向、幅方向とも約1cmに切断し、切断した発泡体基材の切断面中央部分をマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HIROX社製)で200倍に拡大したのち、発泡体基材の切断面がその基材厚さ方向の全長に亘って写真に納まるように、発泡体基材の幅方向または流れ方向の断面を写真撮影した。得られた写真において、流れ方向または幅方向の拡大前の実際の長さが2mm分の切断面に存在する気泡径を全て測定し、その平均値から平均気泡径を算出した。これを、任意の10カ所で測定し、その平均値を流れ方向(MD)、幅方向(CD)及び厚さ方向(VD)の平均気泡径とした。
[発泡体基材の寸法変化率]
発泡体基材の寸法変化率は、ポリオレフィン樹脂発泡体を10cm角に正確に切り取り、120℃に設定したオーブンの中に24時間放置する。24時間経過後、オーブンから取り出し約60分間室温で冷却する。サンプルの寸法を測定し、以下の式に基づいて寸法変化率を算出し、下記にて評価した。
寸法変化率(%)={(オーブンに入れる前のサンプル長―オーブンから取り出した後のサンプル長)/オーブンに入れる前のサンプル長}×100
◎:寸法変化率が10%未満
○:寸法変化率が10%〜20%
×:寸法変化率が20%より大きい、または原形を留めていない
[保持力]
粘着テープの保持力は、実施例及び比較例にて作成した粘着テープを流れ方向に対して、測定用試料を20mm幅×必要長さに切断して試験片を作成する。非測定側粘着面にアルミ箔等の裏打ち材を貼付し、室温にてSUSの試験板に20mm×20mmの面積が接するように貼付する。試験板に貼付した試験片を、2Kgゴムローラーを使用して約300mm/分の速度で1往復加圧する。加圧した試験片は、23℃に約1時間静置し、静置終了後、保持力計に試験板をセットし、試験片に荷重500gを加え、120℃環境下に24時間静置する。24時間後の試験片のズレ距離を下記にて評価した。
◎:ズレ距離が2mm未満
○:ズレ距離が2mm〜10mm
×:ズレ距離が10mm以上
[反発応力]
反発応力は、25mm角に切断した粘着テープを試料より大きな面積のステンレス板に貼付して、試験片を作成した。23℃で24時間放置したサンプルと、120℃で24時間放置後、23℃に戻したサンプルとを23℃環境下で10mm/分の速度で試料を50μm圧縮した時の強度を測定する。23℃保存後の強度σ1及び120℃保存後の強度σ2の強度の比σ2/σ1を下記にて評価した。
◎:σ2/σ1=5未満
○:σ2/σ1=5〜20
×:σ2/σ1=20より大きい
Figure 2018116844
Figure 2018116844
Figure 2018116844
上記のように、実施例の粘着テープにおいては、貼付性と追従性に優れる発泡体基材を用いており、発泡体基材の高温下における寸法変化が抑制され、かつ粘着テープの高温下での保持力に優れ、更に高温保存時の反発応力の変化が少ないことが分る。一方、比較例では、発泡体基材の高温下における寸法変化が大きく、粘着テープの高温下での保持力にも劣り、高温及び室温での反発応力の変化も大きくなってしまうことが分る。すなわち、高温環境下にさらされても形態を維持でき、かつ室温に戻した場合でも元の物性を維持できることが分かる。

Claims (7)

  1. 発泡体基材の少なくとも一方の面側に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の25%圧縮強度が20〜170kPaであり、23℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE1とし、120℃における伸度100%の流れ方向の引張弾性率をE2としたときの比率E2/E1が0.1以上であるか、又は23℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE1’とし、120℃における伸度100%の幅方向の引張弾性率をE2’としたときの比率E2’/E1’が0.1以上であることを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記発泡体基材の見かけ密度が0.05〜0.35g/cmである請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記発泡体基材の厚みが0.05〜1.5mmである請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 前記発泡体基材の23℃における流れ方向又は幅方向の最大引張弾性率が、50〜400N/cm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  5. 前記発泡体基材が、ポリオレフィン系発泡体基材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  6. 前記ポリオレフィン系発泡体基材が、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂のいずれか、もしくは両方を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  7. 前記粘着シートが電子部品の固定に使用される請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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