JP6737422B2 - 粘着テープ及び物品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子機器をはじめとする様々な製品の製造場面で使用可能な粘着テープに関する。
粘着テープは、例えば電子機器や自動車をはじめとする様々な製品の製造場面で、広く使用されている。
前記粘着テープには、通常、水や熱等の影響によらず長期間にわたり優れた接着力を保持できることが求められる。なかでも、人が触れる機会の多い携帯電子機器の製造場面や自動車内装部材の固定場面で使用される粘着テープには、例えば汗や皮脂等が付着した場合であっても優れた接着力の保持可能な、いわゆる耐薬品性に優れることが求められている。
前記耐薬品性に優れる粘着テープとしては、例えば炭素原子数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)50〜90質量%、カルボキシル基含有モノマー(A2)3〜20質量%、水酸基含有モノマー(A3)3〜20質量%、及び、炭素原子数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A4)3〜15質量%を構成成分として含み、重量平均分子量が70万〜200万、理論Tgが−40℃以下である、ヒドロキシ基及びカルボキシル基を有するアクリル系共重合体(A)と、架橋剤(B)とを含有する粘着剤組成物を用いて得られる粘着テープが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、携帯電子機器や自動車内装の表面には、汗や皮脂、アルコール等の様々な物質との接触機会が頻繁にあるため、このような接触が何度も繰り返された場合では、上記粘着テープでは不十分であり、接着力の経時的な低下を引き起こす場合があった。
また、近年の携帯電子機器端末や自動車内装などの3D化に伴ってパネルや筐体のゆがみが大きくなるため、パネルや筐体のゆがみに耐えるための耐反発性が求められている。
国際公開2014/002203パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、汗や皮脂等が付着した場合であっても、長期間にわたり優れた接着力を維持可能であり、耐衝撃性及び耐反発性に優れた粘着テープを提供することである。
本発明者等は、特定含有量のカルボキシル基含有モノマーと特定含有量の水酸基含有モノマーと、それ以外の飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4未満である1種又は2種以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び/又は脂環式モノマーを選択し、それらを組み合わせたアクリル共重合体、及び架橋剤を特定量含有するアクリル系粘着剤と、特定の発泡密度を有する発泡体基材を用いて得られた粘着テープであれば、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、発泡体基材の少なくとも一方の面に直接又は他の層を介して粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の発泡密度が0.25〜0.75g/cmであり、前記粘着剤層がアクリル共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤を含有し、前記アクリル共重合体が、
(A)カルボキシル基含有モノマーを2〜30質量%、
(B)水酸基含有モノマーを1.0質量%以下、及び
(C)それ以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上を構成成分として含み、前記(C)のモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4未満であり、前記架橋剤の含有量が前記アクリル系粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して0.2質量部〜2.5質量部である粘着テープに関するものである。
本発明の粘着テープは、良好な初期接着力を有し、例えば汗や皮脂等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力を維持し、かつ優れた耐衝撃性及び耐反発性を有する。
本発明の粘着テープは、発泡体基材の少なくとも一方の面に直接又は他の層を介して粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の発泡密度が0.25〜0.75g/cmであり、前記粘着剤層がアクリル共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤を含有し、前記アクリル共重合体が、
(A)カルボキシル基含有モノマーを2〜30質量%、
(B)水酸基含有モノマーを1.0質量%以下、及び
(C)それ以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上を構成成分として含み、前記(C)のモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4未満であり、前記架橋剤の含有量が前記アクリル系粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して0.2質量部〜2.5質量部であることを特徴とする。
前記粘着テープの実施態様としては、発泡体基材の片面または両面に、直接または他の層を介して前記粘着剤層を有する粘着テープが挙げられるが、例えば電子機器等を構成する2以上の被着体の固定に使用する場合であれば、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープの実施態様で使用することが好ましい。また、ラベル等に使用する場合には、基材の片面に粘着剤層を有する片面粘着テープの実施態様で使用することが好ましい。
また、本発明の粘着テープは、その粘着剤層の表面に離型フィルムが積層された状態で保管等されていてもよい。
本発明の粘着テープの厚さは、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐久性を備え、かつ、優れた耐衝撃性を有するうえで、60μm以上の厚さを有するものを使用することが好ましく、80μm〜500μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、90μm〜400μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましく、150μm〜350μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。
(粘着剤層)
本発明の粘着テープを構成する粘着剤層としては、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐久性を備え、かつ、電子機器等の薄型化に貢献するうえで、5μm〜100μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましく、10μm〜90μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、30μm〜80μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。
前記粘着剤層に用いられるアクリル系粘着剤に含有する架橋剤の含有量はアクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して0.2質量部〜2.5質量部であるが、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐久性を発現するうえで、0.4質量部〜2.3質量部であることが好ましく、0.6質量部〜2.2質量部の範囲の含有量であることがより好ましく、0.9質量部〜1.8質量部の範囲の含有量であることがさらに好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、予め製造した前記アクリル共重合体またはその溶液と、混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
前記粘着層に用いるアクリル系粘着剤としては、(A)カルボキシル基含有モノマーを2〜30質量%、(B)水酸基含有モノマー1.0質量%以下、及び(C)それ以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の共重合体からなるアクリル共重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤を使用できる。
前記アクリル共重合体の製造に使用可能なカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐久性を発現するうえで好ましい。
前記アクリル共重合体を製造する際に使用するアクリル単量体の全量に対するカルボキシル基含有モノマーの含有量は、2〜30質量%であるが、3〜20質量%であることがより好ましく、4〜15質量%であることが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐久性を発現するうえでより好ましい。
前記アクリル共重合体の製造に使用可能な水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
前記アクリル共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する水酸基含有モノマーの含有量は、1.0質量%以下であるが、0.01〜0.85質量%であることが好ましく、0.02〜0.7質量%であることが好ましく、0.03〜0.5質量%であることがより好ましく、0.04〜0.3質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることが汗や皮脂等に対してより一層優れた耐久性を発現するうえで特に好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基は直鎖のものであっても分岐鎖のものであってもよい。前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素原子数が1〜18である(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができるが、2種以上使用することが好ましい。なかでも、アルキル基の炭素原子数が1〜12の(メタ)アクリレートモノマーを使用することが好ましく、炭素原子数が1〜10の(メタ)アクリレートモノマーを使用することがさらに好ましい。特に炭素原子数が1〜4の(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも一種を使用することで、前記(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の平均炭素原子数を4未満に調整しやすく、好ましい。
前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上が有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数は4未満であるが、1.0以上3.9以下の範囲であることがより好ましく、1.5以上3.8以下の範囲であることがより好ましく、2.0以上3.7以下の範囲であることがより好ましく、2.5以上3.6以下の範囲であることがより好ましい。上記範囲とすることで、良好な初期接着力を有し、且つ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力を維持することができる。
尚、上記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上が有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数は、含有する各飽和炭化水素基の炭素原子数とそのモル濃度(mol%)の積をそれぞれ足し合わせ、その合計を含有する全(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の全モル濃度(mol%)で割ることにより求められる。例えば、炭素原子数Aのアクリレートモノマーがa(mol%)、炭素原子数Bのアクリレートモノマーがb(mol%)を含有する場合、その平均炭素原子数は、(A×a+B×b)/(a+b)で求められる。
前記アクリル共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、79〜95質量%であることがより好ましく、84〜92質量%であることがさらに好ましい。
アクリル共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができるが、粘着剤の耐水性から溶液重合法や塊状重合法が好ましい。重合の開始方法は、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる
上記アクリル共重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、40万以上であることが好ましく、45〜110万であることがより好ましく、50〜100万であることが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐久性を発現するうえでより好ましい。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.5質量%(THF溶液)
サンプル注入量:100μL
溶離液:THF
流速:1.0mL/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHXL 4本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
本発明で使用することのできる粘着剤としては、より一層優れた接着性を備えた粘着シートを得るうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。
前記粘着付与樹脂の軟化点は、特に規定されないが、30〜180℃、好ましくは40℃〜140℃である。
前記粘着付与樹脂の含有量は、アクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して1質量部〜30質量部であるが、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐久性を発現する上で、2質量部〜25質量部であることが好ましく、3質量部〜20質量部の範囲の含有量であることがさらに好ましい。また、前記粘着付与樹脂は2種類以上を併用して用いてもよい。
本発明の粘着テープに使用する粘着剤層は、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度は−40℃〜5℃であることが好ましい。粘着剤層の損失正接のピーク値を当該範囲とすることで、常温下での被着体との良好な密着性を付与しやすくなる。更に耐落下衝撃性の向上の観点では、−30℃〜3℃であることがより好ましく、−20℃〜0℃であることがさらに好ましく、−15℃〜−3℃が最も好ましい。また発泡体基材の密度が高い場合には−15℃〜−4℃にすることが耐落下衝撃性の向上の観点から好ましい。
波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G” / G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、厚さ約2mmに形成した粘着剤層を同試験機の測定部である直径8mmの平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
前記粘着剤としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン、ビーズ、金属、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料、染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記粘着剤としては、その良好な塗工作業性等を維持するうえで溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等を使用できる。また、水系粘着剤組成物とする場合には、水又は、水を主体とする水性溶媒を使用できる。
(基材)
本発明の粘着テープは、発泡体基材の片面または両面に前記粘着剤層を備えた粘着テープである。
本発明の粘着テープは、前記発泡体基材の片面または両面に、ナイフコーターやロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる。また、前記粘着テープは、予め離型ライナーの表面にナイフコーターやロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層を形成し、次いで、前記粘着剤層を発泡体基材の片面または両面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
前記粘着剤組成物を乾燥させる方法としては、例えば、50℃〜140℃で30秒〜10分間乾燥させる方法が挙げられる。また、前記乾燥後、硬化反応を促進する点から、30℃〜50℃の範囲で更にエージングを行っても良い。
前記発泡体基材の厚みは、50μm〜400μmのものを使用することが好ましく、80μm〜300μmであるものを使用することがより好ましく、80μm〜200μmのものを使用することがより好ましい。発泡体基材の厚みを上記範囲とすることで、凹凸形状3D形状、粗面を備えた被着体に対して好適な接着力及び耐衝撃性を発現することができる。
前記発泡体基材としては、その25%圧縮強度が、20kPa以上のものを使用することが好ましく、30kPa〜1000kPaであるものを使用することがより好ましく、120kPa〜800kPaのものを使用することがより好ましく、150kPa〜700kPaのものを使用することがより好ましい。25%圧縮強度を上記範囲とすることで、凹凸形状や3D形状、粗面を備えた被着体に対して好適な接着力を発現することができる。
なお、25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した。25角に切断した試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせる。試料より大きな面積のステンレス板で試料をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で試料を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定する。
前記発泡体基材としては、その層間強度が4N/cm以上、好ましくは6N/cm〜150N/cm、より好ましくは10N/cm〜100N/cm、より好ましくは20N/cm〜60N/cmの発泡体基材を使用することができる。
前記層間強度が当該範囲の発泡体を使用することにより、被着体への良好な追従性と優れた耐衝撃性とを実現できる。さらに、携帯電子機器の製造時の歩留まり向上のために、仕掛かり品から粘着テープや部品等を剥がす(リワーク)場合や、完成品を修理または再生や再利用するため筐体や部品を分離、分解、解体する場合において基材の層間割れが発生した場合でも、粘着テープの剥がし易さを付与できる。
上記層間強度は、以下の方法により測定される。層間強度を評価する発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたのち、40℃で48時間熟成し、層間強度測定用の両面粘着テープを作成する。次に、片側の粘着面を厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした幅1cm、長さ15cm(発泡体基材の流れ方向と幅方向)の両面粘着テープを、23℃及び50%RH下で厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに2kgローラー1往復で加圧貼付し60℃で48時間静置する。23℃で24時間静置後、23℃50%RH下で厚さ50μmmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り発泡体を引き裂いた際の最大強度を測定する。
前記発泡体基材の、流れ方向と幅方向の引張弾性率は特に限定されないが、それぞれ200N/cm以上であることが好ましく、より好ましくは300〜1800N/cmである。また流れ方向及び幅方向のうち引張弾性率が低い方向の引張弾性率が500〜800N/cmであることが好ましく、600〜700N/cmであることがより好ましい。この際の高い方向の引張弾性率が700〜1800N/cmであることが好ましく、800〜1600N/cmであることがより好ましい。また、引張試験における切断時の引張伸度は特に限定されないが、流れ方向の引張伸度が200〜1500%であることが好ましく、より好ましくは400〜1000%、さらに好ましくは450〜800%である。引張弾性率や引張伸度が当該範囲の発泡体基材により、発泡した柔軟な基材であっても粘着テープの加工性の悪化や貼付作業性の低下を抑制できる。また、粘着テープを剥がす際に発泡体の層間破壊やチギレが発生にくく、層間割れが発生した場合でも粘着テープの剥がし易さを付与できる。
なお、前述の発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張弾性率は、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmのサンプルを、テンシロン引張試験機を用い、23℃・50%RHの環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した最大強度である。
前記発泡体基材の気泡構造は、独立気泡構造とすることにより、発泡体基材の切断面からの浸水を効果的に防ぐことができるため好ましい。独立気泡構造を形成する気泡の形状は、発泡体の厚さ方向の平均気泡径より、流れ方向や幅方向、もしくはその両方の平均気泡径が長い形状の独立気泡とすることにより、適度な追従性とクッション性を有するので好ましい。
前記発泡体基材の流れ方向および幅方向の平均気泡径は1.2〜700μmであり、好ましくは10〜500μm、より好ましくは30〜300μm、さらに好ましくは50〜200μmである。流れ方向および幅方向の平均気泡径を当該範囲とすることで、粘着テープの幅を狭くした場合にも単位幅当たりに存在する独立気泡が増えるため、発泡体基材断面からの浸水経路を好適に遮断できる。
前記発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径は、発泡体基材の厚さによるが1〜150μmが好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。
前記発泡体基材の、発泡体基材の厚さ方向における平均気泡径に対する発泡体基材の流れ方向における平均気泡径の比(流れ方向における平均気泡径/厚さ方向における平均気泡径)、および発泡体基材の厚さ方向における平均気泡径に対する、発泡体基材の幅方向における平均気泡径の比(幅方向における平均気泡径/厚さ方向における平均気泡径)がともに1.2〜15以下、より好ましくは1.2〜10、さらには2〜8である。当該比率が1.2以上であると厚さ方向の柔軟性を確保しやすいため追従性が向上する。また、当該比率が15倍以下であると、落下衝撃時の発泡体層間破壊に対する耐久性が飛躍的に向上する。また発泡体基材の流れ方向と幅方向の柔軟性や引張強さのばらつきが生じにくい。当該平均気泡径の比率を有する発泡体基材を用いた粘着テープは、厚さ方向に好適な追従性とクッション性を有するため、貼付の際の圧力が接合部に集中して接着界面に存在する空気を押し出しやすいため、剛体同士の接合においても、水が入り込む隙間を生じさせない優れた密着性を実現できる。
さらに、流れ方向と幅方向の平均気泡径の比率は特に限定されないが、流れ方向を1とした場合0.25〜4倍が好ましく、より好ましくは0.33〜3倍、さらに好ましくは0.6〜1.5倍、特に好ましくは0.7〜1.3倍である。上記比率範囲であると発泡体基材の流れ方向と幅方向の柔軟性や引張強度のばらつきが生じにくい。
発泡体基材の幅方向と流れ方向、厚さ方向の平均気泡径は、下記の要領で測定する。まず、発泡体基材を幅方向、流れ方向とも1cmに切断する。次に、発泡体基材の切断面をデジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)で200倍に拡大したのち、発泡体基材の幅方向または流れ方向の断面を撮影した。得られた拡大画像において、流れ方向または幅方向の拡大前の実際の長さが2mm分の切断面に存在する気泡の気泡径を全て測定し、その平均値から平均気泡径を算出する。任意の10カ所で測定した結果から平均気泡径を求めた。
発泡体基材の見かけ密度は特に限定されないが、層間強度や圧縮強度、平均気泡径などを上記範囲に調整し、耐衝撃性や被着体との優れた密着性の両立を実現しやすいことから、0.25〜0.75g/cm、好ましくは0.3〜0.7g/cm、より好ましくは0.35〜0.6g/cm、さらに好ましくは0.40〜0.55g/cmである。なお、見かけ密度は、JISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を約15cm分用意し、その質量を測定して見かけ密度を求める。
発泡体基材の層間強度や圧縮強度、および引張弾性率などは、使用する基材の素材や発泡構造により適宜調整できる。本発明に使用する発泡体基材の種類は、上記層間強度や25%圧縮強度、引張弾性率などを有するものであれば特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー等からなるポリオレフィン系発泡体やポリウレタン系発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマー等からなるゴム系発泡体等を使用でき、なかでも被着体表面の凹凸への追従性や緩衝吸収性等に優れた薄い独立気泡構造の発泡体基材を作製しやすいため、ポリオレフィン系発泡体を好ましく使用できる。
ポリオレフィン系樹脂を使用したポリオレフィン系発泡体のなかでも、ポリエチレン系樹脂を使用することで、均一な厚みで製造しやすく、また好適な柔軟性を付与しやすいため好ましい。特にポリオレフィン系樹中におけるポリエチレン系樹脂の含有量が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
また、当該ポリオレフィン系発泡体に使用するポリエチレン系樹脂としては、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂が、分子量分布が狭く、共重合体の場合、どの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入されることから、ポリオレフィン系発泡体を均一に架橋させることができる。このため、発泡シートを均一に架橋させていることから発泡シートを必要に応じて均一に延伸させやすく、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みを全体的に均一なものとしやすいため好ましい。
更に、ポリオレフィン系発泡体を構成しているポリオレフィン系樹脂には、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂が含有されていてもよい。このようなポリオレフィン系樹脂としては、上記以外のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
このようなポリエチレン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50重量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50重量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
また、上記ポリプロピレン系樹脂としては、特には限定されず、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50重量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系発泡体は架橋されていてもよいが、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤で発泡させる場合は、架橋されていることが好ましい。
次に、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向或いは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートを延伸する工程を含有する方法が挙げられる。なお、発泡シートを延伸する工程は必要に応じて行われればよく、複数回行われてもよい。
そして、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材を架橋させる方法としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材のゲル分率が前記の好ましい範囲になるように適宜調整されるが、5〜200kGyの範囲が好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な発泡状態を得やすいことから、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に照射するのが好ましく、両面に照射する線量を同じにするのがより好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
有機過酸化物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物中における熱分解型発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜30質量部がより好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材表面の外観に、表裏での差異が少ないので好ましい。
そして、発泡体基材の延伸は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後に行ってもよいし、或いは、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後、発泡体基材を延伸する場合には、発泡体基材を冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡体基材を延伸しても、或いは、発泡体基材を冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡体基材を延伸してもよい。
ここで、発泡体基材の溶融状態とは、発泡体基材を、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上に加熱した状態をいう。また、発泡体基剤の軟化とは、発泡体基材を発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の軟化点以上融点未満までの温度に加熱した状態をいう。上記発泡体基材を延伸することによって、発泡体基材の気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となったポリオレフィン系発泡体を製造することができる。
更に、発泡体基材の延伸方向にあたっては、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向に向かって延伸させる。なお、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記発泡体基材を流れ方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状の発泡シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法、得られた発泡体基材を延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡体基材を巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法などが挙げられる。
なお、前者の方法において、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって流れ方向に膨張するので、発泡体基材を流れ方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による流れ方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が流れ方向に延伸されるように、発泡体基材の供給速度と巻取り速度とを調整する必要がある。
また、上記発泡体基材を幅方向に延伸する方法としては、発泡体基材の幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡体基材を幅方向に延伸する方法が好ましい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、発泡体基材を幅方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が幅方向に延伸されるように調整する必要がある。
ここで、ポリオレフィン系発泡体の流れ方向における延伸倍率は、1.1倍〜2.0倍が好ましく、1.2倍〜1.5倍がより好ましい。
また、ポリオレフィン系発泡体基材の幅方向における延伸倍率は、1.2倍〜4.5倍が好ましく、1.5倍〜3.5倍がより好ましい。
発泡体基材は、粘着テープにおいて意匠性、遮光性や隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性や隠蔽性、耐光性を付与する場合、発泡体基材は黒色に着色される。黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、発泡体基剤は白色に着色される。白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、色調、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、酸化アルミニウムや酸化亜鉛が好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の物性を損なわない範囲で必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知のものを樹脂に任意に含有されていてもよい。本発明の粘着シートに使用するポリオレフィン系樹脂発泡体基材としては、適度な追従性とクッション性を維持するため、ポリオレフィン系樹脂に対して0.1質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜7質量%が好ましい。
なお、前記着色剤や熱分解性発泡剤や発泡助剤などを発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に配合する場合、色ムラや部分的な過剰発泡や発泡不足防止の観点から、押し出し機に供給する前にあらかじめ発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物や発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物と相溶性が高い熱可塑性樹脂でマスターバッチ化することが好ましい。
発泡体基材は、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布等の表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、粘着剤との良好な密着性が得られる。密着性を向上させた発泡体基材は、連続工程で粘着剤層と貼り合わせてもよく、一旦巻き取り加工をしてもよい。発泡体基材を一旦巻き取る場合は、密着性が上がった発泡体基材同士のブロッキング現象を防止するため、発泡体基材を紙やポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルムなどの合い紙とともに巻き取るのが好ましく、厚さ25μm以下のポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムが好ましい。
本発明の粘着テープの製造方法としては、発泡体基材の片面または両面に前記粘着剤組成物を塗工し、乾燥等することによって製造する方法(直接法)、または、離型ライナーの表面に粘着剤組成物を塗工し乾燥等することによって粘着剤層を形成した後、前記粘着剤層を、前記発泡体基材の片面または両面に転写することによって製造する方法(転写法)が挙げられる。
本発明の粘着テープは、良好な初期接着力を有し、例えば汗や皮脂等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力を維持し、かつ優れた耐衝撃性及び耐反発性を有することから、携帯電子端末やタブレットパソコン等の電子機器を構成するきょう体の貼り合せに用いられる両面テープ、前記きょう体の表面に意匠性を付与するラベル、防水テープ、医療用粘着テープ等の様々な分野で好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[調整例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート74.9質量部、アクリル酸10質量部、メチルアクリレート15質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量89万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が3.31のアクリル共重合体(A−1)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(A−1)溶液に、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(DIC株式会社製「バーノックD−40」、以下、「D−40」と略記する。)を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分1.1質量部配合し、粘着剤組成物(P−1)を得た。
[調整例2]
前記アクリル共重合体(A−1)に、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分1.3質量部配合することによって粘着剤組成物(P−2)を得た。
[調整例3]
n−ブチルアクリレートを59.9質量部、アクリル酸を5質量部、メチルアクリレート15質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子87万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が2.6のアクリル共重合体(A−2)溶液を得た。前記アクリル共重合体(A−2)溶液に、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.6質量部配合することによって粘着剤組成物(P−3)を得た。
[調整例4]
前記アクリル共重合体(A−2)溶液に、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.9質量部配合することによって粘着剤組成物(P−4)を得た。
[調整例5]
n−ブチルアクリレートを77.4質量部、アクリル酸を7.5質量部、メチルアクリレート15質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートを0.1質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子量88万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が3.33のアクリル共重合体(A−3)溶液を得た。前記アクリル共重合体(A−3)溶液に、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.9質量部配合することによって、粘着剤組成物(P−5)を得た。
[調整例6]
前記アクリル共重合体(A−1)溶液に、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.9質量部配合することによって粘着剤組成物(P−6)を得た。
[調整例7]
前記アクリル共重合体(A−1)溶液に、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分1.2質量部配合することによって粘着剤組成物(P−7)を得た。
[調整例8]
前記アクリル共重合体(A−3)溶液に、荒川化学工業株式会社「スーパーエステルA−75」を樹脂固形分100質量部に対して11.5質量部、D−40を樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.9質量部配合することによって粘着剤組成物(P−8)を得た。
[実施例1]
調整例1で得た粘着剤組成物(P−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが40μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ40μmの粘着剤層を2枚作製した。
次に、23℃環境下で、ポリオレフィン系発泡体(1)(厚さ170μm、密度0.45g/cm、25%圧縮強度:419kPa、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)の両面に、前記厚さ40μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ250μmの両面粘着テープ(T−1)を得た。
[実施例2]
粘着剤組成物(P−1)の代わりに粘着剤組成物(P−2)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−2)を得た。
[実施例3]
粘着剤組成物(P−1)の代わりに粘着剤組成物(P−3)を使用し、ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりにポリオレフィン系発泡体(2)(厚さ140μm、密度0.44g/cm、25%圧縮強度:301kPa、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)の両面に、前記厚さ55μmの粘着剤層を貼付する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−3)を得た。
[実施例4]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−4)を使用する以外は、実施例3と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−4)を得た。
[実施例5]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−5)を使用する以外は、実施例3と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−5)を得た。
[実施例6]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−6)を使用する以外は、実施例3と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−6)を得た。
[実施例7]
調整例3で得た粘着剤組成物(P−3)を、ポリオレフィン系発泡体(2)の代わりにポリオレフィン系発泡体(3)(厚さ100μm、密度0.54g/cm、25%圧縮強度:638kPa、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)の両面に、前記厚さ75μmの粘着剤層を貼付する以外は、実施例3と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−7)を得た。
[実施例8]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−4)を使用する以外は、実施例7と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−8)を得た。
[実施例9]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−5)を使用する以外は、実施例7と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−9)を得た。
[実施例10]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−6)を使用する以外は、実施例7と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−10)を得た。
[実施例11]
粘着剤組成物(P−3)の代わりに粘着剤組成物(P−7)を使用する以外は、実施例7と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−11)を得た。
[実施例12]
粘着剤組成物(P−1)の代わりに粘着剤組成物(P−8)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(T−12)を得た。
[比較調整例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート79.9質量部、2−エチルヘキシルアクリレート6質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量106万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4.4のアクリル共重合体(B−1)溶液を得た。
前記アクリル重合体(B−1)溶液にハリマ化成グループ株式会社製重合ロジンエステル「ハリタックPCJ」を5質量部、三井化学株式会社製芳香族系炭化水素樹脂「FTR6125」を15質量部混合し、更に、樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分1.3質量部混合することによって粘着剤組成物(Q−1)を得た。
「比較調整例2」
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート89.9質量部、アクリル酸10質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量71万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4.0のアクリル重合体(B−2)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(B−2)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.6質量部配合することによって粘着剤組成物(Q−2)を得た。
[比較調整例3]
前記アクリル共重合体(B−2)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分1.0質量部配合することによって粘着剤組成物(Q−3)を得た。
[比較調整例4]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート54.9質量部、メチルアクリレート35質量部、アクリル酸10質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液4質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前期混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量87万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が2.54のアクリル重合体(B−3)溶液を得た。
前記アクリル共重合体(B−3)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分1.2質量部配合することによって粘着剤組成物(Q−4)を得た。
[比較調整例5]
前記アクリル共重合体(A−2)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分0.11質量部配合することによって粘着剤組成物(Q−5)を得た。
[比較調整例6]
前記アクリル共重合体(A−2)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して架橋剤樹脂固形分3.1質量部配合することによって粘着剤組成物(Q−6)を得た。
[比較例1]
比較調整例1で得た粘着剤組成物(Q−1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが40μmとなるように塗工し、100℃で3分間乾燥させることによって、厚さ40μmの粘着剤層を2枚作製した。
次に、23℃環境下で、実施例1で使用したポリオレフィン系発泡体(1)の両面に、前記厚さ25μmの粘着剤層を貼付し、前記離型ライナーの上面から、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。
その後、40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ250μmの両面粘着テープ(U−1)を得た。
[比較例2]
粘着剤組成物(Q−1)の代わりに粘着剤組成物(Q−2)を使用する以外は、比較例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(U−2)を得た。
[比較例3]
粘着剤組成物(Q−1)の代わりに粘着剤組成物(Q−3)を使用する以外は、比較例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(U−3)を得た。
[比較例4]
粘着剤組成物(Q−1)の代わりに粘着剤組成物(Q−4)を使用する以外は、比較例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(U−4)を得た。
[比較例5]
粘着剤組成物(Q−1)の代わりに粘着剤組成物(P−1)を使用し、ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりにポリオレフィン系発泡体(5)(厚さ200μm、密度0.2g/cm、25%圧縮強度:75kPa、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を使用し、前記厚さ25μmの粘着剤層を貼付する以外は、比較例1と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(U−5)を得た。
[比較例6]
粘着剤組成物(P−1)の代わりに粘着剤組成物(P−5)を使用する以外は、比較例5と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープ(U−6)を得た。
[比較例7]
粘着剤組成物(Q−1)の代わりに粘着剤組成物(Q−5)を使用し、実施例7で使用しているポリオレフィン系発泡体(3)の両面に、前記厚さ75μmの粘着剤層を貼付する以外は、比較例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープ(U−7)を得た。
[比較例8]
粘着剤組成物(Q−1)の代わりに粘着剤組成物(Q−6)を使用する以外は、比較例7と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープ(U−8)を得た。
[プッシュ強度の測定方法]
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープを18.5mm角、幅2mmに裁断し、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で、前記両面粘着テープの一方の面側の離型ライナーを剥離し、厚さ3mmで、20mm角のソーダガラス板(色相:無色透明)に前記粘着テープ1枚を貼付した。
前記試験片の他方の面側の離型ライナーを剥離し、中心に直径12mmの穴の開いた、厚さ2mmのポリカーボネート板(バイエル社製、makrolon、色相:透明)の表面に貼付した後(接着面積1.32cm)、その上面を、50N/cmで10秒間圧着することによって貼付物を得た。
前記貼付物を23℃及び50%RHの雰囲気下で24時間放置した後、60℃及び90%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
次に、前記貼付物のポリカーボネート板の裏面から、直径7mmのプローブで、速度5mm/minでガラス板を押し、ガラス板が剥がれる強度(G1)を測定した。
[耐油性の評価方法]
前記[プッシュ強度の測定方法]で得た貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、濃度99質量%のオレイン酸溶液:スクアレン酸=1:1の溶液をポリカーボネート板の穴から10mg滴下した状態で、60℃及び90%RHの雰囲気下で24時間放置した。
その後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
次に、前記貼付物のポリカーボネート板の裏面から、直径7mmのプローブで、速度5mm/minでガラス板を押し、ガラス板が剥がれる強度(G2)を測定した。
前記プッシュ強度測定と耐油性評価で得られたプッシュ強度から、接着力保持率を算出した。
接着力保持率(%)=(G2/G1)×100
A:接着力保持率が70%以上であった。
B:接着力保持率が60%以上70%未満であった。
C:接着力保持率が50%以上60%未満であった。
D:接着力保持率が50%未満であった。
[耐衝撃性の評価方法]
前記[プッシュ強度の測定方法]で得た貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、デュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、前記試験片のガラス板が下向きになるよう設置した。
次に、前記ポリカーボネート板側から、直径9.5mm及び質量200gのステンレス製の撃芯を、高さ10cmの位置から3回落下させた後に、試験片の粘着シートの剥がれや基材破壊の有無を評価した。剥がれなどが無い場合は、落下高さを前回より10cm高くして、3回落下した後の試験片の粘着シートの剥がれや基材破壊の有無を確認する。以降、剥がれや基材破壊がない場合は、落下高さを10cmずつ高くして同様に試験を繰り返し行い、最終的に試験片の粘着シートの剥がれや基材破壊が認められたときの落下高さ(cm)を測定した。
A:上記落下高さが50cm以上であった。
B:上記落下高さが40cm以上50cm未満であった。
C:上記落下高さが30cm以上40cm未満であった。
D:上記落下高さが30cm未満であった。
[耐反発性の評価方法]
前記両面粘着テープを幅20mm、長さ150mmの長方形状に切り出し、前記試験片の一方の面側の離型ライナーを剥離し、幅20mm、長さ150mm、厚さ0.5mmのアルミニウム板に貼りあわせ、他方の面側の離型ライナーを剥離し、幅25mm、長さ200mm、厚さ2mmのポリカーボネート板に貼り合せ、2kgローラーで3往復圧着し、23℃及び50%RHで2時間静置した。次に、前記試験片を長さ200mmから193mmになるように曲げて固定し、70℃で24時間静置後に観察した。
A:テープの剥がれや浮きの発生が全く認められなかった。
B:テープの剥がれや浮きが無く、発泡体層や粘着層が伸びた。
C:テープの剥がれや浮きが発生した。
Figure 0006737422
Figure 0006737422
Figure 0006737422
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*平均炭素原子数:用いたアルキル(メタ)アクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数
上記結果より、本願発明である実施例1〜12は、初期接着力、耐油性、耐衝撃性及び耐反発性の全てにおいて良好な特性を有していることが分かる。一方、比較例1〜8では、上記特性のいずれか一つ以上が劣っていることが分かる。

Claims (4)

  1. 発泡体基材の少なくとも一方の面に直接又は他の層を介して粘着剤層を有する粘着テープであって、前記発泡体基材の発泡密度が0.25〜0.75g/cmであり、前記粘着剤層がアクリル共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤を含有し、
    前記アクリル系共重合体が、
    (A)カルボキシル基含有モノマーを2〜30質量%、
    (B)水酸基含有モノマーを1.0質量%以下、及び
    (C)それ以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上を構成成分として含み、前記(C)のモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4未満であり、前記架橋剤の含有量が前記アクリル系粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して0.2質量部〜2.5質量部であり、
    前記アクリル系粘着剤の周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が−40℃〜5℃である粘着テープ。
  2. 前記アクリル系共重合体の重量平均分子量が40万以上である請求項に記載の粘着テープ。
  3. 前記発泡体基材の厚みが50μm〜400μmである請求項1又は請求項2に記載の粘着テープ。
  4. 前記発泡体基材の25%圧縮強度が、20kPa以上ある請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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