JPWO2018116447A1 - 防汚性シート、防汚性シート接合体、及び防汚性シート接合体の製造方法 - Google Patents

防汚性シート、防汚性シート接合体、及び防汚性シート接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

加熱溶着接合部の強度低下を起こすことなく、簡便な作業によって、効率的に加熱溶着接合できるようにするための防汚性シート、防汚性シート接合体、及び防汚性シート接合体の製造方法を提供する。布帛及び前記布帛の両面に熱溶融付着性樹脂被覆層を有する複合基材と、前記複合基材の少なくとも片面全面に設けられた熱収縮性を有する延伸フィルム層とを有する可撓性積層体シートを備え、前記可撓性積層体シートの側端部に帯状に設けられた貼付代部を有し、前記貼付代部は、前記延伸フィルム層の厚み方向を貫通するように複数の切込又は穿孔を有する、防汚性シート、その防汚性シートを用いた防汚性シート接合体、及びその防汚性シート接合体の製造方法である。

Description

本発明は、防汚性シート、複数の防汚性シートを接合した防汚性シート接合体、及びその防汚性シート接合体の製造方法の技術に関する。
従来、中・大型テント、テント倉庫、軒出しテント、トラック用の幌、又は看板用バックリットなどの産業資材用途のシートとしては、例えば、繊維性基布の片面又は両面に軟質ポリ塩化ビニル系樹脂による樹脂被覆層を積層したものが広く使用されている。これらのシートは使用期間が長くなるにつれて大気中の排煙、煤煙、油煙、又は粉塵などの汚染物質の堆積によりシート表面が汚れ、初期の美観が徐々に損なわれてしまうという問題がある。特にこれら軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を被覆層とするシートは、組成中に可塑剤や安定剤等液状物質等を多く含むため、表面処理がなされたとしても、屋外で長期間使用していると、可塑剤が表面に滲み出ることによって次第に表面が粘性を帯び、塵や埃が付着してシート表面の汚れが顕著となる。そして特にテント倉庫などの膜構造物では、天井部のシートに堆積した煤塵が、降雨によって側壁面のシートに沿って垂れ流れ、中途半端な降雨ではシート側壁面に垂れ流れた泥水が乾燥して黒い筋状の汚れ(雨筋汚れ)を生じる。特に中・大型テントやテント倉庫などの膜構造物では、その屋根部に人が日常的に登ることが想定されていないため、日頃の洗浄メンテナンスが困難で、汚れが放置された状態で使用を続けているのが現状で ある。そのため常時美観維持が必要なイベント用の膜構造物では専門業者による定期的な特殊洗浄を必要とするためクリーニングコストが嵩む実情がある。このため、本技術分野においては、以前よりシート表面が汚れ難いシートの開発が求められていた。
軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を樹脂被覆層としたシートの汚れ問題を根本的に改善する方法として、シートの表面に厚さ20〜50μm程度のフッ素樹脂を含むフィルムを積層し、可塑剤の滲み出しをブロックする設計がある。フッ素樹脂は耐薬品性が高いため汚れが付着したとしても汚れの除去が容易である。このようなフッ素フィルムとしては、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン共重合体、又はフッ化ビニル重合体などがある。軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を樹脂被覆層としたシートの端部同士の貼付(又は幅繋、はばつぎ)による接合を行う際は、1〜3m程度の幅の長尺のシート同士の端部を重ね、積重部分を加熱し(熱を加え、又は高周波で発熱させて)溶着することによって複数枚のシートを継ぎ足し一体化して行う。このように複数枚のシートを接合することによって得られた大面積のシート接合体は、鉄骨等のフレームに固定、展張して使用される。このような溶着接合を行うにはシートの表裏が溶融一体化する特質が求められる。例えば、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム(融点:151〜178℃)を積層した軟質ポリ塩化ビニル系樹脂製のシートにおいては、シートの裏面をアクリル系樹脂(融点:90〜105℃)で被覆した態様では、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を高周波発熱させ、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂の軟化温度150〜180℃に上昇させることによって、シートの表裏面同士の溶着接合を可能とする。シート表面にポリフッ化ビニリデン樹脂を用いた技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。
一方で、ポリフッ化ビニリデン樹脂以外のフッ素樹脂フィルムをシート表面に積層した場合、ポリフッ化ビニリデン樹脂以外のフッ素樹脂の融点が240℃以上となるので、裏面にアクリル樹脂等の処理がなされていても、高周波発熱による溶着手段では、軟質塩化ビニル系樹脂の軟化温度である150℃〜180℃程度の温度までしか温度が上がらず溶着が困難であり、仮にヒーターで240℃以上の温度を掛けたとしてもアクリル樹脂等との相溶性が不十分となりシート同士が剥離する傾向がある。そのため熱溶着加工部分のフッ素樹脂フィルム(防汚層)を予め除去する手間の掛かる工程を必要としていた。このような手間の問題を解決する提案として、軟質ポリ塩化ビニル樹脂層などの熱軟化性物質からなる被覆樹脂層に、フッ素樹脂などの難熱軟化性物質からなる層が設けられた積層体において、難熱軟化性層に加熱により軟化した熱軟化性物質成分が滲出可能な亀裂を形成する技術(特許文献2)、接合される面の樹脂の融点の異なる2種類の樹脂シートの接合において、融点の高い樹脂フィルムの接合を行おうとする部位に孔を穿ち、その部位に対して、融点の低い樹脂で覆われた樹脂シートを両側から挟むようにして、一方の融点以上かつもう一方の融点以下の温度で加熱・押圧することによって、融点の高い樹脂フィルムに穿たれた孔を介して溶着接合を行う技術(特許文献3)が開示されている。
特公平8−23111 特開2000−79654 特開2012−135978
しかしながら、特許文献2の技術では、難熱軟化性物質(フッ素樹脂)からなる層に格子又はストライプ状に亀裂を設け、亀裂から加熱により軟化した熱軟化性物質成分を強制的に滲出させることで、もう一方の積層体の熱軟化性物質からなる層と加熱溶着接合するものであるが、熱軟化性物質からなる層の厚さが薄いと、十分な熱軟化性物質成分の滲出がなされず、溶着接合部の強度低下を起こす問題がある。一方、特許文献3の技術においては、通常2枚のシートで済む加熱溶着接合において、さらにもう一枚のシートを必要とし、これに加えて最も融点の高いシートに大きな孔を設けるなど煩雑な作業を必要とする。
そこで本発明の防汚性シートは、加熱溶着接合部の強度低下を起こすことのない防汚性シートと、それを用いた防汚性シート接合体、及びその防汚性シートを効率的に加熱溶着接合できるようにすることのできる防汚性シート接合体の製造方法の提供を課題としている。
本実施形態の防汚性シートは、以下の態様であることが好ましい。
(1)布帛及び前記布帛の両面に熱溶融付着性樹脂被覆層を有する複合基材と、前記複合基材の少なくとも片面全面に設けられた熱収縮性を有する延伸フィルム層とを有する可撓性積層体シートを備え、前記可撓性積層体シートの側端部に帯状に設けられ、他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、前記貼付代部は、前記延伸フィルム層の厚み方向を貫通するように複数の切込又は穿孔を有する、防汚性シート。(2)25℃での長さに対する180℃で1min加熱した後の収縮長さの比率を乾熱収縮率としたとき、前記延伸フィルム層の長手方向及び幅方向から選ばれた少なくとも一方向についての前記乾熱収縮率が前記複合基材の前記一方向の前記乾熱収縮率よりも3.5%以上大きい、前記防汚性シート。(3)前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの面積が0.0078〜0.785mmである前記防汚性シート。(4)前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの25℃での面積に対する180℃で1min加熱した後の面積の比率である面積拡張率が、100〜10000%である前記防汚性シート。(5)前記複数の切込又は穿孔から選ばれた任意の5個の切込又は穿孔について、前記延伸フィルム層の平面上で最も長さの大きい方向における前記長さの平均が0.1〜1.00mmである切込又は穿孔が、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり5〜36個形成されている前記防汚性シート。(6)前記延伸フィルム層が、前記複数の切込又は穿孔の面積拡張剤として無機粒子を含み、前記無機粒子は、平均粒子径0.05〜3μmの金属塩又は金属複合塩である前記防汚性シート。(7)前記延伸フィルム層がフッ素系樹脂を含み、かつ前記熱溶融付着性樹脂被覆層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む前記防汚性シート。
本実施形態の防汚性シート接合体は、以下の態様を有することが好ましい。
(8)前記防汚性シートを複数接合してなる防汚性シート接合体であって、前記1の前記防汚性シートの前記貼付代部と他の前記防汚性シートの前記熱溶融付着性樹脂被覆層の一部とが対向して付着してなる、防汚性シート接合体。
本実施形態の防汚性シート接合体の製造方法は、以下の態様であることが好ましい。
(9)布帛を芯材としてその表裏に熱溶融付着性樹脂被覆層を有する複合基材と、前記複合基材の少なくとも片面全面に設けられた熱収縮性を有する延伸フィルム層とを有する可撓性積層体シートを備えた防汚性シートを、複数接合する防汚性シート接合体の製造方法であって、前記防汚性シートの少なくとも1は、前記可撓性積層体シートが側端部に帯状に設けられ他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、前記貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有し、前記1の防汚性シートの前記可撓性積層体シートの前記貼付代部上に、前記他の可撓性積層体シートの前記延伸フィルム層とは逆側に設けられた前記熱溶融付着性樹脂被覆層の側端部を覆い重ね、前記覆い重ねた部分を加熱して、前記延伸フィルム層を熱収縮させ、前記複数の切込又は穿孔の面積を拡張させ、この面積を拡張させた複数の切込又は穿孔を介して前記1の可撓性積層体シートの前記熱溶融付着性樹脂被覆層と、前記他の可撓性積層体シートの前記熱溶融付着性樹脂被覆層の側端部とを熱溶着して防汚性シート接合体を得る、防汚性シート接合体の製造方法。(10)前記貼付代部の少なくとも一部の面積100cmにおいて、前記面積を拡張させた複数の切込又は穿孔の面積の合計が、前記一部の面積100cmに対して30〜70%である、前記防汚性シート接合体の製造方法。(11)25℃での長さに対する180℃で1min加熱し収縮した後の収縮長さの比率を乾熱収縮率としたとき、前記延伸フィルム層の長手方向及び幅方向から選ばれた少なくとも一方向についての前記乾熱収縮率が前記複合基材の前記一方向の前記乾熱収縮率よりも3.5%以上大きい、前記防汚性シート接合体の製造方法。(12)前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの面積が0.0078〜0.785mmである前記防汚性シート接合体の製造方法。(13)前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの25℃での面積に対する180℃で1min加熱した後の面積の比率である面積拡張率が、100〜10000%である前記防汚性シート接合体の製造方法。(14)前記切込群又は穿孔群から選ばれた任意の5個の切込又は穿孔について、前記延伸フィルム層の平面上で最も長さの大きい方向における前記長さの平均が0.1〜1.00mmである切込又は穿孔が、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり5〜36個形成されている前記防汚性シート接合体の製造方法。(15)前記延伸フィルム層が、前記複数の切込群又は穿孔群の面積拡張剤として無機粒子を含み、前記無機粒子は、平均粒子径0.05〜3μmの金属塩又は金属複合塩である前記防汚性シート接合体の製造方法。(16)前記延伸フィルム層がフッ素系樹脂を含み、かつ前記熱溶融付着性樹脂被覆層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた1種を含む前記防汚性シート接合体の製造方法。(17)前記他の可撓性積層体シートが、側端部に帯状に設けられ他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、前記貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有する、前記防汚性シート接合体の製造方法。
本実施形態の防汚性シートは、シートの側端部に帯状に設けられた貼付代部を有し、この貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有するものとすることで、これらのシートから特別に延伸フィルム層を剥ぎ取ったり、削り取り除去する必要なく容易に防汚性シート接合体を得る。これによって接合部の強度低下がなく、強度の高い防汚性シート接合体を得ることができる。
また、本実施形態の防汚性シート接合体の製造方法は、特別な接着層の介在を必要とせず、シートの側端部同士を重ね合わせた部分を加熱又は発熱させるだけで、延伸フィルム層を熱収縮させ、それによって複数の切込又は穿孔の面積の拡張を促す作用で、延伸フィルム層の表面に熱溶融付着性樹脂被覆層の一部を付着面として他の防汚性シートに直接面し得るようにすることで防汚性シートの接合を容易に成して防汚性シートを得ることができる製造方法となる。これらの効果から、本実施形態の防汚性シート、防汚性シート接合体及び防汚性シート接合体の製造方法は、中・大型テント、テント倉庫、軒出しテント、トラック用の幌、看板用バックリットなどの膜構造物に用いる産業資材シートで、特に延伸フィルム層(フッ素樹脂フィルム層)を最外層に有する産業資材シートに適している。
本発明の防汚性シートの一実施形態を示す側断面概略図である。 図1の防汚性シートの貼付代部の一部及び接合時の作用を示す要部平面概略図である。 図2Aの防汚性シートのA−A側断面を示す要部側断面概略図である。 本発明の防汚性シートの他の実施形態を示す防汚性シートの貼付代部の一部及び接合時の作用を示す要部平面概略図である。 図3Aの防汚性シートのA−A側断面を示す要部側断面概略図である。 本発明の防汚性シートのまた他の実施形態を示す防汚性シートの貼付代部の一部及び接合時の作用を示す要部平面概略図である。 図4Aの防汚性シートのA−A側断面を示す要部側断面概略図である。 図1の防汚性シートを用いた防汚性シート接合体の製造過程を示す要部斜視概略図である。
以下、実施形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
図1は防汚性シートの一実施形態を示す側断面概略図である。防汚性シート10Aは、布帛11、熱溶融付着性樹脂被覆層12を備える複合基材30と、延伸フィルム層40とを備えた可撓性積層体シートを備えて概略構成される。前記可撓性積層体シートは、側端部に貼付代部20を備え、貼付代部20は本実施形態では複数の穿孔21を備えている。
本実施形態に使用できる布帛11としては、糸条を用いて製織された織物若しくは編物、又は、不織布などを用いることができる。糸条の構成素材としては、例えば、木綿、若しくはケナフなどの天然繊維全般;ガラス繊維、炭素繊維、並びに金属繊維などの無機繊維全般;ビスコースレーヨン、並びにキュプラなど再生繊維全般;アセテート繊維など半合成繊維全般;及び、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ乳酸繊維、ポリアリレート繊維、芳香族ポリエーテル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、並びにポリプロピレン繊維など合成繊維全般からなる群より選ばれた少なくとも1種を用いることができる。本実施形態においては、前記布帛11を構成する糸条としては、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート)、及びポリアリレート繊維、又は芳香族ポリエーテル繊維などを用いることが好ましい。これらの繊維を用いた糸条は、耐熱性に優れ、複合基材30(布帛11を芯材として、その両面に熱溶融付着性樹脂被覆層12を有する)の乾熱収縮性を小さくすることが出来る。
布帛11を構成する糸条の形状は、短繊維紡績糸、長繊維マルチフィラメント糸条、スプリットヤーン、又はテープヤーンなど、いずれの形態でもよい。前記糸条の形態としては、張力に対する寸法安定性に優れる長繊維マルチフィラメント糸条が好ましい。布帛11の編織組織に格別の制限はないが、糸条間隙(透孔)をおいて配置された経糸及び緯糸、或いは経糸及びバイアス糸により構成された目空き編織物(キーエンス社のデジタルマイクロスコープVHX−900F型の画像解析で測定される実寸面積6.45cmあたりに含む透孔部の面積の総和が占める割合である透孔面積率が、5.1〜50%であるもの)、又は非目空き編織物(前記透孔面積率が、0〜5%であるもの)がいずれも使用できる。布帛11の目付は50〜500g/m、特に100〜300g/mであることが好ましい。布帛11の編織組織は、平織、斜子織、三軸平織、四軸平織、綾織、朱子織、絡み織、模紗織、又はラッセル編などが例示できる。布帛11の強度は、張力下に固定されるような展張膜材として使用される用途では、392N/3cm(40kgf/3cm)以上、特に1960〜3920N/3cm(200〜400kgf/3cm)程度の引張強さ(JIS L1096:2010などの測定による)を有する布帛11が好ましい。これらの布帛11には、予め、フッ素系化合物やシリコーン系化合物などの撥水剤を用いて吸水防止処理を施したり、アミノ変性シリコーン化合物類を用いて柔軟加工を施すこと、又は、臭素系化合物やホスホン酸系化合物などを用いて防炎加工を施すこともできる。
複合基材30は、布帛11の両面に熱溶融付着性樹脂被覆層12を有する。熱溶融付着性樹脂とは、熱によって溶融して他の物体に対して付着する性質を発揮する樹脂の層である。熱によって溶融する樹脂とは、例えば熱可塑性樹脂を指す。熱可塑性樹脂を用いると、防汚性シート接合体の製造の際の加熱の作業が行いやすいため特に好ましい。熱溶融付着性樹脂被覆層12はこの樹脂を構成素材とし、布帛11を被覆するものである。
本実施形態の防汚性シートにおいて、熱溶融付着性樹脂被覆層12に用いる熱溶融付着性樹脂としては、上述の熱溶着接着性を有する樹脂であれば適宜選択できる。その他、カレンダー成形性又は押出成型性を有することが好ましい。このような樹脂としては具体的には、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂(エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の塩など)、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系共重合体樹脂、又はスチレン系共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂を、単独、又は2種以上併用することもできる。特に高周波ウェルダー法によるシートの溶着加工性が可能な熱溶融付着性樹脂被覆層12として、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂(エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の塩など)、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂(エラストマー)、フッ素系共重合体樹脂、又はこれらのブレンド組成物等が好ましい。熱溶融付着性樹脂被覆層12には、可塑剤(例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル)、軟化剤(例えば、パラフィン)、安定剤(例えば、バリウム/亜鉛複合化合物)、酸化防止剤(例えば、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)、紫外線吸収剤(例えば、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール)、光安定剤(例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、滑剤(例えば、脂肪族アミド系化合物)充填剤(例えば、炭酸カルシウム)、難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム)、着色剤(例えば、酸化チタン)、防黴剤(例えば、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール)、抗菌剤(銀−ゼオライト)、帯電防止剤(例えば、ポリエチレングリコール型非イオン活性剤)、及び硬化剤(例えば、ポリイソシアネート化合物)などを含む群から選ばれた1種以上の添加剤を必要に応じて混合して用いることができる。
複合基材30の製造は、可塑剤を含むペーストのコーティング及びその後ゲル化を行う塗膜、溶剤可溶樹脂の布帛11へのコーティング及びその後乾燥による塗膜、若しくはエマルジョン樹脂の布帛11へのコーティング及びその後乾燥による塗膜、又は、カレンダー圧延成型によるフィルムの布帛11への熱ラミネート、若しくはTダイス押出成型によるフィルムの布帛11への熱ラミネートなどによって行うことができる。
これら熱溶融付着性樹脂被覆層12は、キーエンス社のデジタルマイクロスコープVHX−900F型の画像解析によって測定した厚さ0.025〜0.5mmの塗膜又はフィルムであることが好ましい。
また、熱溶融付着性樹脂被覆層12は、無延伸もしくは長手方向張力による10%未満の乾熱収縮率のフィルムで、かつ複合基材30の乾熱収縮率が長手方向において3.5%未満であることが好ましく、かつ幅方向においても3.5%未満であることがさらに好ましい。ここで乾熱収縮率とは、後述する延伸フィルム層40のある方向の長さについて加熱前の長さに対する、加熱後に収縮した長さ(収縮長さ)の比率である。本実施形態では、延伸フィルム層40のある方向の長さについて25℃での長さに対する180℃で1min加熱した後の収縮長さの比率を指すとする。この時の複合基材30の乾熱収縮率が3.5%を超えて大きくなると、後述する延伸フィルム層40の乾熱収縮率と同調しやすくなるので、互いの収縮率差を3.5%未満とする傾向が高くなり延伸フィルム層40が熱収縮しても、後述する切込22の拡開及び穿孔21の面積拡張を促す効果が得られず、他の防汚性シートに対して直接面し得る熱溶融付着性樹脂被覆層12の面積が不足して本実施形態の防汚性シートの接合を困難とする。そのため、複合基材30の少なくとも1方向、例えば長手方向において乾熱収縮率が3.5%未満であることで、延伸フィルム層40の熱収縮による切込22の拡開及び穿孔21の面積拡張の効果が有効に得られる。
本実施形態の防汚性シート10Aは、前記布帛11を芯材として、その表裏に前記熱溶融付着性樹脂被覆層12を有する形態の複合基材30に対して、その少なくとも片面全面に延伸フィルム層40を設けられている。延伸フィルム層40は、複合基材30の片面に設けられていても、両面に設けられていてもよいが、本実施形態では片面(図1における上側の面)に設けられている。延伸フィルム層40を片面のみに設けることで、その他方の面(図1における下側の面)は、熱溶融付着性樹脂被覆層12を他の熱溶融付着性樹脂を有する面に対して、加熱のみで溶着することができる。
延伸フィルム層40とは、樹脂からなるフィルムで、フィルム全体として熱収縮性を有するものであり、主に製造時に延伸操作を行われているものである。熱収縮性とは、常温から100℃以上に、目安としては25℃から100〜200℃に、0.5〜5分加熱した際、少なくとも1方向についての大きさが減少する性質である。
前記延伸フィルム層40に用いる樹脂としては、防汚性を有するものが好ましい。前記延伸フィルム層40に用いる樹脂の具体例としては、厚さ0.05〜0.5mmの、アクリル樹脂フィルム、ポリエステル樹脂(PET)フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、又はフッ素樹脂フィルムなどを用いることができる。これらのフィルムは製造時に、長手方向に延伸された一軸延伸フィルム、幅方向に延伸された一軸延伸フィルム、又は長手方向と幅方向に延伸された二軸延伸フィルムが熱収縮性に優れるため好ましい。二軸延伸フィルムだと熱収縮性がより大きくなるので特に好ましい。ここで、延伸率は、延伸後の長さから延伸前の長さを引いた値の延伸前の長さに対する百分率(%)で示され、本発明においては50〜300%が好ましく、75〜200%がより好ましい。本実施形態の防汚シートにおいて、延伸フィルム層40は防汚性の観点においてフッ素樹脂フィルムが特に好ましく、二軸延伸フッ素樹脂フィルムが防汚性に優れ、しかも熱収縮性が高くさらに好ましい。フッ素樹脂フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:融点327℃)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロオレフィン共重合体(例えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体:FEP:融点260℃、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体:ETFE:融点270℃)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA:融点310℃)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE:融点220℃)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE:融点245℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:融点151〜178℃)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、若しくはポリフッ化ビニル(PVF:融点195℃)などから選ばれた1種からなるフィルム、これら2種以上のブレンドフィルム、これら2種以上の複層フィルム、又は、これらフッ素樹脂にアクリル樹脂をブレンドしてなる混合フィルムなどが例示できる。これらのフッ素樹脂フィルムには、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填材、着色剤、防黴剤、抗菌剤、又は帯電防止剤などを含むことができ、特に無機系着色剤、及び/又は紫外線吸収剤などを含むことで、防汚性シートの屋外耐久性を向上する。無機系着色剤としては、例えば酸化チタン、又はアルミニウムパウダーなどを用いることができる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、又はベンゾトリアゾール系化合物などを用いることができる。
延伸フィルム層40は、例えば厚さ0.01〜0.25mmのカレンダー圧延成型によるフィルム、又はTダイス押出成型による一軸延伸フィルム若しくは二軸延伸フィルムを用いることができる。
延伸フィルム層40は、前記延伸フィルム層40のある方向の長さについて25℃での長さに対する180℃で1min加熱した後の収縮長さの比率を乾熱収縮率としたとき、乾熱収縮率(長手方向及び/又は幅方向)が5%以上のものが好ましい。さらに、(前記延伸フィルム層40の乾熱収縮率は、前記複合基材30の乾熱収縮率)の値が、3.5%以上、特に7%(長手方向及び/又は幅方向)以上大きいことが好ましい。前記複合基材30は、乾熱収縮率が小さい程、複合基材30の寸法安定性に優れている。このような複合基材30上に接着されて形成される延伸フィルム層40の乾熱収縮率が、複合基材30の乾熱収縮率よりも3.5%以上大きいと、熱が掛かった状態で延伸フィルム層40だけが熱収縮を起こそうとするが、延伸フィルム層40は寸法安定性の良い複合基材30と接着しているために、熱収縮が偏在することで防汚性シートが湾曲(カール)したり、筒状に丸まるなどの変形を起こす。しかし、防汚性シートが後述する貼付代部20(幅繋代、はばつぎしろ)に後述の複数の切込22又は穿孔21を有することで、個々の切込22又は穿孔21が収縮歪エネルギーの緩和起点となり、延伸フィルム層40の熱収縮が切込22又は穿孔21の拡張現象に変換され、結果として熱溶融付着性樹脂被覆層12上において延伸フィルム層40が欠けた多数の部分(断裂空隙部)を生じることで、防汚性シート接合体の製造時にその部分において熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部が他の防汚性シートに接触することができる。
特に延伸フィルム層40には、後述する複数の切込22又は穿孔21の面積拡張剤として無機粒子を含むことが好ましい。さらに、この無機粒子が、HORIBA社製レーザー回析散乱式粒子径分布測定装置LA−960の方法により測定された平均粒子径0.05〜3μmの金属塩又は金属複合塩であることが好ましい。延伸フィルム層40に無機粒子を異物として含むことで、後述する延伸フィルム層40の熱収縮に伴う後述の切込22個々の拡開又は穿孔21個々の面積拡張、切込22同士の間の延伸フィルム層40の断裂による切込22の面積の結合、及び穿孔21同士穿孔21の間の延伸フィルム層40の断裂による切込22の面積の結合などを促し、熱溶融付着性樹脂被覆層12の他の防汚性シートに直接面し得る面積を総合的に向上させることができる。これら無機粒子の含有率は延伸フィルム層40の体積10cmに対して0.1〜10質量%である。10質量%を超えると延伸フィルム層40の熱収縮率を逆に低下させることがある。金属塩又は金属複合塩としては、酸化チタン、酸化亜鉛、若しくは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、水酸化アルムニウム、若しくは水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、リン酸ジルコニウムなどの金属リン酸塩、又は、ハイドロタルサイト、若しくはゼオライトなどの金属複合塩が挙げられる。
本実施形態の防汚性シートにおいて、熱溶融付着性樹脂被覆層12上に形成される延伸フィルム層40は、接着剤層(図示せず)を介在して接着されていることが好ましい。接着剤層は、熱溶融付着性樹脂被覆層12と延伸フィルム層40とを接着できるならば適宜選択した構成で構わない。好ましくは、接着剤層は架橋性を備えたものである。また、接着剤層の厚みは0.001〜0.1mmであることが好ましい。接着剤層の構成素材としては、イソシアネート基、オキサゾリン基、アジリジン基、エポキシ基などの反応性基を有するアクリル系樹脂若しくはアクリル系共重合体樹脂、上記反応性基を有するウレタン系樹脂若しくはウレタン系共重合体樹脂、上記反応性基を有するポリエステル系樹脂若しくはポリエステル系共重合体樹脂、上記反応性基を有するアクリレート化合物若しくはメタクリレート化合物が挙げられる。
また、A:接着剤層のバインダー、B:接着剤層に含まれる架橋性化合物、の組み合わせにおいて、
A:ポリウレタン、B:イソシアネート化合物、
A:ポリウレタン、B:オキサゾリン化合物、
A:ポリウレタン、B:アジリジン化合物、
A:ポリエステル、B:イソシアネート化合物、
A:ポリエステル、B:オキサゾリン化合物、
A:ポリエステル、B:アジリジン化合物、
等の組み合わせを用いることも好ましい。延伸フィルム層40の接着剤層に対する接着面にはコロナ処理が施されていることが好ましい。
前記可撓性積層体シートは、側端部に帯状に貼付代部20(overwrap width)を有する。貼付代部20は、他の可撓性積層体シートに対して接合可能な部位であり、また、接合可能な面積を拡張することが可能な構造を有する部位である。
帯状とは、幅方向より大きい長手方向を有する構造であり、本実施形態では貼付代部20の長手方向が可撓性積層体シートの長手方向又は幅方向に沿うようになっている。さらに具体的な貼付代部20の大きさ及び位置は、防汚性シートの接合を行う部位に応じて適宜調整できる。例えば、本実施形態の防汚性シート10Aは、長手方向の左右側端部10〜200mm、特に35〜100mmの範囲、又は長手方向の左右いずれか一方の側端部10〜200mm、特に35〜100mmの範囲の可撓性積層体シートの部位を、貼付代部20としている。
前記貼付代部20は、前記延伸フィルム層40の厚み方向を貫通するように複数の切込22(切込群)又は穿孔21(穿孔群)を有している。
切込22又は穿孔21の大きさや形状は、後述する合計した面積や面積の拡大率に応じて適宜選択してよい。本実施形態では、切込22又は穿孔21は、前記5個の切込22又は穿孔21の最大隣接円の径について、切込22又は穿孔21を任意に5個選んだ際の平均が0.1〜1.00mmである小切込又は小穿孔である。ここで、切込22又は穿孔21の最大隣接円の径とは、切込22又は穿孔21のそれぞれに対して外接する円を描いた際の径を、その切込22又は穿孔21の最も長い径としたとき、4個以上、好ましくは4〜10個、本実施形態では5個の切込22又は穿孔21を無作為に選択した際の最も長い径である。換言すれば、切込22又は穿孔21の最大隣接円の径とは、延伸フィルム層の平面上において、切込22又は穿孔21の最も長さの大きい方向における長さである。
前記複数の切込22又は穿孔21は、切込22が前記した小切込、穿孔21が前記した小穿孔である場合、切込22又は穿孔21が前記貼付代部20領域の面積6.45cm(1inch)あたり5〜36個好ましくは9〜25個設けられている。
複数の切込22又は穿孔21は、貼付代部20の面に対してほぼ一様に設けられていることが好ましい。複数の切込22又は穿孔21はどのような配置であってもよいが、例えば、規則的(等間隔)千鳥配列又はランダムに配置されていてよい。これら切込22及び穿孔21の数が前記貼付代部20領域の面積6.45cmあたり5個未満だと、延伸フィルム層40の熱収縮に伴う切込22の拡開又は穿孔21の面積拡張によって他の防汚性シートに直接面する熱溶融付着性樹脂被覆層12の溶着接合面積が不足して、十分な剥離強度が得られないことや接合部の(耐熱)クリープ性能(応力緩和)基準を満足しないことがある。一方、複数の切込22又は穿孔21の数が前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり36個を超えても、剥離強度と接合部の(耐熱)クリープ性能(応力緩和)の向上が大きく望めないことがある。すなわち前記貼付代部20領域の面積6.45cmあたり36個を超える複数の切込22又は穿孔21を緻密に設けても、その緻密さにつり合う効果が得られ難くなる。
また、複合基材30上に接着されて形成される延伸フィルム層40の前記乾熱収縮率が、複合基材30の乾熱収縮率よりも10%以上大きい場合は、熱溶融付着性樹脂被覆層の他の防汚性シートに直接面し得る面積が大きくなるので、複数の切込22又は穿孔21は、前記貼付代部20領域の面積6.45cmあたり5〜16個が適切である。また、前記乾熱収縮率差が10%未満の場合、例えば5%程度だと、熱溶融付着性樹脂被覆層12の他の防汚性シートに直接面し得る面積が小さくなるので、複数の切込22又は穿孔21の形成は、前記貼付代部20領域の面積6.45cmあたり17〜36個が適切となる。
切込22の形状は、マイナス(−)型、プラス(+)型(十字型)、又は放射(*)型などが挙げられる。これらの形状は、刃型やレーザーによって切込22を設けた際に形成される。また、切込1個あたりの切込長の総和(1の切込についての辺の長さの合計)は1〜30mmのものが例示される。例えば、切込22の形状が−型である場合に対して、プラス型である場合は切込長の総和が約2倍、放射型である場合は切込長の総和が約3倍となるので、切込22の形状によって切込長の総和が異なる。切込22の長さに対して切込長の総和が大きければ切込22が拡開しやすい。
穿孔21は、楕円(円を含む)、三角若しくは四角などの多角形、又は不定型などの形状であり、針又は熱針で突き刺して孔を貫通させたもの、パンチングで孔を打ち抜いたもの、レーザーで溶融貫通させたものなどの何れであってもよい。前記穿孔21の面積としては、例えば前記穿孔21の1個あたり0.0078〜0.78mmのものを用いることができる。切込22は、加熱による拡開前にはほとんど面積が無くてもよく、1個あたり0〜0.78mmでもよいが、目安としては0.002〜0.78mmが好ましい。加熱前の穿孔21の面積の合計をこの範囲とすることで、延伸フィルム40を前記素材とした場合に、加熱後に好適な穿孔21Aの面積が得られ、防汚性シート同士の接合がより容易となる。前記穿孔21の1個あたりの面積は0.01〜0.50mmがさらに好ましく、0.04〜0.25mmが特に好ましい。
なお、前記切込22又は穿孔21の形状は、例えば切込22を形成された直後の延伸フィルム層40を、顕微鏡を用いて撮影することで確認することができる。前記切込22又は穿孔21の大きさ又は径は、例えば前記撮影結果から測定することができる。
具体例として、例えば図1、図2A及び図2Bの防汚性シート10Aは、貼付代部20上に等間隔で円状の穿孔21を配置している。
本実施形態においては、特に10〜200mm幅、好ましくは35〜100mm幅、直径30〜100mmのロールに、金属針(断面が円を含む楕円、三角、四角若しくはその他の多角形、又は不定形など)を前記貼付代部20領域の面積6.45cmあたり5〜36個、好ましくは前記貼付代部20領域の面積6.45cmあたり9〜25個規則的(等間隔)、千鳥配列、又はランダムに配置した針ロール1機又は2機を用いてもよい。シートの製造機械の左右側端部、又は左右いずれか一方の側端部に針ロールを設置固定し、本実施形態の防汚性シートの帯状貼付代部20予定部と針ロールの位置を合わせて針ロールで防汚性シートを圧着して防汚性シートと連動させることで、防汚性シートの加工工程中に効率よく貼付代部20の穿孔加工を行うことができる。針ロールはゴム製のバックロールを装備し、この2つのロールに挟まれて防汚性シートが製造機械を走行する際に貼付代部20の穿孔加工が形成される。また針ロールを電気加熱することで、防汚性シートに対して溶融穿孔加工したものであってもよい。
複数の切込22又は穿孔21は、面積拡張率が100〜10000%、特に1000〜10000%であることが好ましい。ここで面積拡張率とは、貼付代部20の切込22又は穿孔21の加熱する前の面積に対する、加熱した後の面積の比率である。言い換えれば、貼付代部20に形成される断裂空隙部面積の加熱後での倍率である。本実施形態では、前記貼付代部20の切込22又は穿孔21の25℃での面積に対する180℃で1min加熱した後の面積の比率である。
特に、上述したような、加熱する前には前記5個の切込22又は穿孔21の最大隣接円の径について切込22又は穿孔21を任意に5個選んだ際の平均が0.1〜1.00mmである小切込又は小穿孔について、面積拡張率が100〜10000%、特に1000〜10000%であることがさらに好ましい。
本実施形態では、熱溶融付着性樹脂被覆層12の他の防汚性シートに直接面し得る面積(延伸フィルム層40からの露出率)が大きいほど接合部強度が大きくなり安定する。本実施形態の防汚性シートが備える可撓性積層体シートは、後述する防汚性シートの接合の際に、前記貼付代部の少なくとも一部の面積100cm内において、前記一部の面積を拡張させた複数の切込又は穿孔の面積の合計が、前記面積100cmに対して30〜70%である。
(防汚性シート接合体)
本実施形態の防汚性シート接合体は、1の防汚性シート10Aの貼付代部20と、他の前記防汚性シート10Aの熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部とが対向して付着してなる。具体的には、1の防汚性シート10Aの端部の貼付代部20と、他の前記防汚性シート10Aの端部のうち延伸フィルム層40の設けられた側とは逆側の熱溶融付着性樹脂被覆層12が対向し、付着している。
1の防汚性シート10Aの延伸フィルム層40上において、複数の切込22A又は穿孔21Aが設けられ、これらの部位において延伸フィルム層40が欠け、1の防汚性シート10Aの熱溶融付着性樹脂被覆層12と、他の防汚性シート10Aの熱溶融付着性樹脂被覆とが熱溶着により付着している。
本実施形態の防汚性シートは、上述のような構成を有するので、シートの側端部に帯状に設けられた貼付代部を有し、この貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有するものとすることで、これらのシートから特別に延伸フィルム層を剥ぎ取ったり、削り取り除去する必要なく容易に防汚性シート接合体を得る。これによって接合部の強度低下がなく、強度の高い防汚性シート接合体を得ることができる。
本実施形態の変更態様として、図3A及び図3Bの防汚性シート10Bは、貼付代部20上に千鳥配列で円状の穿孔21を配置している。この構成によれば、後述する防汚性シート接合体の製造時に防汚性シート10Bを加熱した際、図3A及び図3Bの右図に示すように穿孔21の面積が拡張し穿孔21Aとなるが、貼付代部20の単位面積あたりの穿孔21Aの面積を大きくすることができる。そのため熱溶融付着性樹脂被覆層12が他の防汚性シートと直接面する(直接接合し得る)面積が大きくなり、付着力が向上する。
図4A及び図4Bの防汚性シート10Cは、貼付代部20上に等間隔で十字状の切込22を複数配置している。この構成によれば、後述する防汚性シート接合体の製造時に防汚性シート10Bを加熱した際、図4A及び図4Bの右図に示すように、延伸フィルム層40の収縮により、延伸フィルム層40上に切込22が拡開して生じる十字状の穴の形状を有する切込22Aが生じる。十字状の切込によって生じる穴は延伸フィルム層40の収縮率が低い場合でも、延伸フィルム層40の収縮前と後とで穴の面積の拡大率が高く、また、一般に切込21は穿孔22よりも設けることが容易で、多数設けることができる。これらの作用のため、付着力が向上する。
(防汚性シートの製造方法)
本実施形態の防汚性シートの製造方法は、まず布帛11を用意する。布帛11には上述した吸水防止処理、柔軟加工又は防炎加工を施してもよい。この布帛11に対して、両面に前記熱溶融付着性樹脂被覆層12を設け、複合基材30とする。複合基材30の少なくとも片面全面に、本実施形態ではフッ素樹脂フィルムからなる延伸フィルム層40を設ける。この延伸フィルム層40の一部を貼付代部20とし、この貼付代部20の延伸フィルム層40の厚み方向を貫通するように複数の切込22又は穿孔21を設ける。
(防汚性シート接合体の製造方法)
本実施形態の防汚性シートを加熱溶着接合し、防汚性シート接合体を得る防汚性シート接合体の製造方法を、シートAとシートBの例で説明する。
本実施形態ではシートAとシートBは同一の構成を有するものを使用する。すなわち、本実施形態ではシートA及びBがいずれも、可撓性積層体シートが側端部に帯状に設けられ他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、前記貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有する。
本実施形態の防汚性シートの接合方法は、図5に示すように、上記説明のシートA及びシートBを用い、シートAの前記貼付代部20上に、シートBの裏面の側端部を覆い重ねた部分を加熱する。ここで加熱とは、外部からエネルギーを与えて温度を上昇させることで、具体的には加熱機器や加熱のための媒体(個体、液体又は気体)を接触させて加熱する他に、その他のエネルギーを与える手段(例えば、光、音や振動)を介して発熱させることを含む。加熱の手段としては、熱板加熱若しくは熱風加熱などの直接加熱、又は、高周波発熱若しくは超音波発熱などの分子振動発熱を用いることができる。具体的には、高周波誘導加熱、ヒーター加熱、又は熱コテ加熱などが好適に使用できる。加熱の条件はシートA及びBの構成素材によって適宜選択できるが、本実施形態の場合、例えば150〜200℃で1〜30sec等が好ましい。
この操作により、特定の貼付代部20部分内に含む延伸フィルム層40のみを熱収縮させ、それによってシートAに形成された切込22又は穿孔21の面積拡張を促す。切込22又は穿孔21は延伸フィルム層40の厚み方向を貫通するように設けられているので、延伸フィルム層40の収縮により、厚み方向とは垂直な方向に引っ張られ、切込22の拡開又は穿孔21の面積の拡張が促進される。例えば、シートAが図2A及び図2Bに示す防汚性シート10Aの場合、又は図3A及び図3Bに示す防汚性シート10Aの場合、図の左側に示す加熱前の穿孔21が、図の右側に示す加熱後には、延伸フィルム層40の収縮によって面積が拡張した穿孔21Aとなる。シートAが図4A及び図4Bに示す防汚性シート10Aの場合、図の左側に示す加熱前の切込22が、図の右側に示す加熱後には、延伸フィルム層40の収縮によって切込が拡開し、熱溶融付着性樹脂被覆層12が延伸フィルム層40上に露出した(他の防汚性シートに直接面し得る部位の面積が拡張した)切込22Aとなる。
また、延伸フィルム層40の収縮率が特に高い場合は、穿孔21又は切込22同士の間の延伸フィルム層40の断裂によって、穿孔21又は切込22同士が結合してさらに大きな面積の穿孔21A又は切込22Aとなる場合もある。
その結果、熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部を他の防汚性シートに直接面し得る部位の面積が拡張した状態とし、その部位を介してシートBの裏面との熱溶着が成され、防汚性シート接合体が得られる。
上記製造方法の変更態様として、3枚以上の防汚性シートを同様に重ねあわせていてもよい。例えばシートAと同じ構成の防汚性シートをさらに1枚用意し、シートBに対して上記同様に接合してもよく、加えて、シートAと同じ構成の防汚性シートをもう1枚用意し、前記シートBに接合したシートに対して上記同様に接合してもよく、これを任意の回数行ってもよい。最後に重ねあわせるシートは貼付代部20、切込22又は穿孔21を備えていなくともよく、それ以外の構成はシートAと同様であってもよい。例えば、図5に示した例では、シートAである防汚性シート10Aに重ねあわせるシートBである防汚性シート10Bは、切込22又は穿孔21を備えていない。
本実施形態の防汚性シートの製造方法の作用効果として、シートAとシートBの端部を重ね合わせての加熱溶着接合することは、シートAの表面側となる延伸フィルム層40と、シートBの裏面側となる熱溶融付着性樹脂被覆層12との接合であるから、従来技術においては、延伸フィルム層40と熱溶融付着性樹脂被覆層12との相溶性が無いと、接合不能となる。しかし、本実施形態のように延伸フィルム層40に切込22又は穿孔21が形成されていると、延伸フィルム層40と熱溶融付着性樹脂被覆層12との相溶性が無い組み合わせ、又は悪い組み合わせであっても、延伸フィルム層40が熱収縮することで切込22や穿孔21の面積が増大する。面積が増大した切込22Aや穿孔21Aの部位において熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部が他の防汚性シートに直接面し得る状態となり(延伸フィルム層40に断裂による空隙部位が生じ)、シートBの裏面側となる熱溶融付着性樹脂被覆層12との接合が、同じ熱溶融付着性樹脂同士で成される。この効果によって、本実施形態の防汚性シートの加熱溶着接合体の耐熱クリープ性が安定的かつ、耐久性向上にも大きく作用する。以上のようにシート端部の延伸フィルム層40に複数の切込22又は穿孔21が形成されることで、シート同士の端部を重ね合わせての加熱溶着接合が可能となる。
この接合方法によると、延伸フィルム層40を剥がしたり、削り取り除去する操作を別に行う必要がなく、また特別な接着層の介在なども必要とせずに防汚性シート接合体を得ることができるので、中・大型テント、テント倉庫、軒出しテント、トラック用の幌、又は看板用バックリットなどの膜構造物に用いる産業資材シートで、特にフッ素樹脂フィルム層を最外層に有する産業資材シートに適している。
以下に本実施形態の実施形態の一例を説明する。
[評価方法]
(1.加熱溶着性の評価)
高周波ウェルダー装置(山本ビニター株式会社、出力7.5kW:40mm幅フラット型ウェルドバー装着を使用し、陽極電流1A×高周波印加8秒×冷却時間3秒の条件による、防汚性シートの貼付代部20と熱溶融付着性樹脂被覆層12との重ね合わせ(貼付代部40mm)の加熱溶着接合を実施した。
(2.加熱溶着接合部の剥離強さの評価)
加熱溶着接合により得られた防汚性シートの接合部(貼付代部40mm)を含む試験片についてJIS L1096:2010に基づいて試験片を接合面と垂直方向を引張方向として剥離するT型剥離を行い、防汚性シート接合部の経糸方向の剥離強さをn=5で測定した。
(3.加熱溶着接合したシートの引張強さの評価)
加熱溶着接合により得られた防汚性シートの接合部(貼付代部40mm)を含む試験片についてJIS L1096:2010に基づいて試験片を接合面と垂直方向を引張方向として剥離するT型剥離試験を行い、経糸方向の引張強さをn=5で測定した。
(4.加熱溶着接合したシートの接合部耐熱クリープ性の評価)
加熱溶着接合により得られた防汚性シートの接合部(貼付代部40mm)を含む試験片について日本膜構造協会の定める接合部耐熱クリープ性評価として、60℃雰囲気下、防汚性シートの経糸方向の引張強さの1/10荷重(357N/3cm)を掛け、6時間後の接合部破断の有無をn=3で判定した。
(防汚性シート(1))
布帛11として、径糸方向の糸(経ヤーン):DEガラス75GF番手(2本合撚)、及び緯糸方向の糸(緯ヤーン):DEガラス75GF番手(2本合撚)からなる下記織組織による空隙率0%のガラス製平織物(180g/m)を使用した。
<ガラス製平織物>
DE75−1/2 × DE75−1/2
――――――――――――――――
29 × 32(本/25.4mm)
このガラス製平織物の表裏に、下記〔配合1〕の軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成物によるナイフコーティングを個々に行い、190℃で2分間ゲル化処理して表裏各々225g/mの熱溶融付着性樹脂被覆層12を形成し、質量630g/mの樹脂含浸被覆基材を得た。この樹脂含浸被覆基材の表面(片面)に、下記〔配合2〕の軟質ポリ塩化ビニル樹脂コンパウンド組成物によるカレンダー成型フィルム(厚さ0.12mm:170g/m)を表皮層として180℃で熱ラミネートして、25℃に対して180℃で1分間加熱後の乾熱収縮率が長手方向0.3%、幅方向0.4%の複合基材30を得た。更にこの表皮層上に、下記〔配合3〕のアクリル系反応性接着剤(デュポン株式会社、品番68080)を80メッシュのグラビアコーターによりwet20g/m塗布し、100℃の熱風乾燥炉で30秒処理した。次にこの接着剤塗工面に、酸化チタン(平均粒子径0.25μmの無機粒子)を5質量%含む厚さ25μmの二軸延伸白色ポリフッ化ビニルフィルム(デュポン株式会社製:テドラー(登録商標)PVF白色フィルム:35g/m:融点195℃)を150℃で熱ラミネートし、本実施形態の防汚性シート(1)(総質量840g/m)を得た。この二軸延伸白色ポリフッ化ビニルフィルムの乾熱収縮率(180℃×1min)は長手方向6.8%、幅方向5.7%であった。
〔配合1〕軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成物
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 20質量部
酸化チタン(白顔料) 2質量部
〔配合2〕軟質ポリ塩化ビニル樹脂コンパウンド組成物
懸濁重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル(可塑剤) 50質量部
エポキシ化大豆油(可塑剤) 10質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
芳香族リン酸エステル(防炎剤) 10質量部
酸化チタン(白顔料) 5質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
〔配合3〕アクリル系反応性接着剤組成物
アクリル系反応性接着剤(デュポン株式会社:品番68080) 100質量部
メチルエチルケトン(希釈剤) 50質量部
トルエン(希釈剤) 50質量部
(防汚性シート(2))
防汚性シート(1)に用いた防汚層用フィルム「酸化チタン(平均粒子径0.25μmの無機粒子)を5質量%含む厚さ25μmの二軸延伸白色ポリフッ化ビニルフィルム(デュポン株式会社製:テドラー(登録商標)PVF白色フィルム:35g/m)」を、「厚さ25μmの二軸延伸透明ポリフッ化ビニルフィルム(デュポン株式会社製:テドラー(登録商標)PVFフィルム:33g/m:融点195℃)の防汚層用フィルム」に変更した以外は防汚性シート(1)と同様として、本実施形態の防汚性シート(2)(総質量838g/m)を得た。この二軸延伸透明ポリフッ化ビニルフィルムの25℃に対して180℃で1分間加熱後の乾熱収縮率は長手方向7.2%、幅方向6.0%であった。
[実施例1,4]
(複数の切込を有する貼付代部の形成)
幅40mm、直径100mmの真鍮製ローラーの表面に、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり16個の千鳥配置で十字型刃(刃幅2mm)を取り付けた切込ロールをシート製造装置のガイドロールの片側の一部に装着し、防汚性シート(1)又は(2)の通過時に、十字型刃を防汚性シート(1)又は(2)の長手方向の片側縁部の幅40mmに接面させ、かつゴム製のバックロールで任意の押圧することで、防汚層用フィルム(テドラー(登録商標)PVFフィルム)(酸化チタン含有PVFフィルム:実施例1、透明PVFフィルム:実施例4)のみを貫通して、樹脂含浸被覆基材を貫通しない十字型の切込22群を連続形成し、この十字型の切込22群を形成した領域(長手方向の片側縁部の幅40mm)を貼付代部とした。これらの十字型の切込22群は格子状又は千鳥格子状に前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり16個、個々の十字型の切込22が2mm幅で形成されたものである。
(防汚性シートの加熱溶着接合)
防汚性シート(1)を複数用い、一方の防汚性シート(1)の貼付代部上に、もう一方の防汚性シート(1)裏面の側端部を覆い重ねた部分を高周波ウエルダー機に掛けることで、延伸フィルムによる防汚層を熱収縮させ、それによって複数の穿孔21の面積拡張率を約500〜10000倍に促すことで、延伸フィルム層40の表面に熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部を露出させ、露出した熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部と防汚性シート側端部裏面との熱溶着を成して防汚性シート(1)同士の接合体を得た。また防汚性シート(2)同士の接合体についても同様にして得た。
[実施例2,3,5]
(複数の穿孔を有する貼付代部の形成)
幅40mm、直径100mmの真鍮製ローラーの表面に、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり16個の千鳥配置で真鍮製ニードル(ニードル長6mm)取り付けた針ロール(実施例3,5)、又は前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり16個の格子配置で真鍮製ニードル(ニードル長6mm)取り付けた針ロール(実施例2)をシート製造装置のガイドロールの片側の一部に装着し、防汚性シート(1)及び2の通過時に、針ロールを防汚性シート(1)又は(2)の長手方向の片側縁部の幅40mmに接面させ、かつゴム製のバックロールで任意の押圧することで、防汚層用フィルム(テドラー(登録商標)PVFフィルム)のみを貫通して、樹脂含浸被覆基材を貫通しない複数の穿孔21を連続形成し、この複数の穿孔21を形成した領域(長手方向の片側縁部の幅40mm)を貼付代部とした。これらの複数の穿孔21は格子状又は千鳥格子状に、貼付代部の面積6.45cmあたり16個、個々の穿孔21の径が約0.25mmである。
(防汚性シートの加熱溶着接合)
防汚性シート(1)を複数用い、一方の防汚性シート(1)の貼付代部上に、もう一方の防汚性シート(1)裏面の側端部を覆い重ねた部分を高周波ウエルダー機に掛けることで、延伸フィルムによる防汚層を熱収縮させ、それによって穿孔21群の面積拡張率(25℃時の面積に対して、180℃で1min加熱後の面積)を約500〜10000倍に促すことで、延伸フィルム層40の表面に熱溶融付着性樹脂被覆層12の一部を露出させ、その露出した熱溶融付着性樹脂被覆層12と防汚性シート側端部裏面との熱溶着を成して防汚性シート(1)同士の接合体を得た。また防汚性シート(2)同士の接合体についても同様にして得た。
[実施例6,9]
(複数の切込を有する貼付代部の形成)
幅40mm、直径100mmの真鍮製ローラーの表面に、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり8個(実施例6)、又は前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり20個(実施例9)の千鳥配置で十字型刃(刃幅2mm)を取り付けた切込ロールを用いた以外は実施例1,4と同様にして、防汚性シート(1)同士、及び防汚性シート(2)同士の接合体を得た。
[実施例7,8,10]
(複数の穿孔を有する貼付代部の形成)
幅40mm、直径100mmの真鍮製ローラーの表面に、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり24個の千鳥配置で真鍮製ニードル(ニードル長6mm)取り付けた針ロール(実施例8,10)、又は前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり8個の格子配置で真鍮製ニードル(ニードル長6mm)取り付けた針ロール(実施例7)を用いた以外は実施例2,3,5と同様にして、防汚性シート(1)同士、及び防汚性シート(2)同士の接合体を得た。
Figure 2018116447
Figure 2018116447
[比較例1]
防汚性シート(1)(貼付代部部分のPVFフィルム層に切込22又は穿孔21群を形成しない)同士の加熱溶着接合を行った。
高周波溶着による複合基材裏面のアクリル系反応性接着剤の融点150〜170℃は、PVFフィルムの融点195℃を超えることが出来ないため、防汚性シート(1)同士の加熱溶融の接合性は全く得られなかった。また、互いの防汚性シート(1)とも二軸延伸白色PVFフィルム層のみが5%程度の熱収縮による歪みを生じたことでシートが湾曲(カール)した状態となっていた。
[比較例2]
実施例2の防汚性シート(1)の防汚層用フィルム(二軸延伸白色PVFフィルム:35g/m)を、無延伸白色PVFフィルム:35g/mに変更した以外は実施例2と同一として得た防汚性シート(比較例2)同士の加熱溶着接合を行った。比較例2の防汚性シートは、高周波溶着によるポリ塩化ビニル樹脂複合基材の発熱(170〜180℃)が無延伸白色PVFフィルムに十分伝わるものであるが、延伸白色PVFフィルムの熱収縮が複合基材30の熱収縮レベルに小さく乾熱収縮率差が3.5%未満のため穿孔21穴の拡張現象に至らないため、熱溶着に介在する熱溶融付着性樹脂被覆層12の面が欠如することで防汚性シート(比較例2)同士の加熱溶着接合の接合状態の評価(剥離強さ、引張強さ及び耐熱クリープ性)は不完全で実用の無いものとなった。
[比較例3]
実施例2の防汚性シート(1)のガラス製平織物を、経ヤーン:555dtex、及び緯ヤーン:555dtexからなる下記織組織による空隙率0%のポリエステル製平織物(165g/m)に変更した以外は実施例2と同一として得た防汚性シート(比較例3)同士の加熱溶着接合を行った。
<ポリエステル製平織物>
555dtex × 555dtex
――――――――――――――
32 × 34(本/25.4mm)
比較例3の防汚性シートは、高周波溶着によるポリ塩化ビニル樹脂複合基材の発熱(170〜180℃)が二軸延伸白色PVFフィルムに十分伝わるものであるが、複合基材の熱収縮が二軸延伸白色PVFフィルムの熱収縮レベルに大きく乾熱収縮率差が3.5%未満のため穿孔21穴の拡張現象に至らないため、熱溶着に介在する熱溶融付着性樹脂被覆層12の面が欠如することで防汚性シート(比較例3)同士の加熱溶着接合の接合状態の評価(剥離強さ、引張強さ及び耐熱クリープ性)は不完全で実用の無いものとなった。
[参考例1]
幅40mm、直径100mmの真鍮製ローラーの表面に、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり16個の千鳥配置で十字型刃(刃幅2mm)を取り付けた切込ロールを用いた実施例1の防汚性シート(1)の切込を、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたりcmあたり1個の千鳥配置に変更した以外は実施例1の防汚性シート(1)と同様にして得た防汚性シート(参考例1)同士の加熱溶着接合を行った。参考例1の防汚性シートは、高周波溶着によるポリ塩化ビニル樹脂複合基材の発熱(170〜180℃)が二軸延伸白色PVFフィルムに十分伝わり、二軸延伸フィルム層40の熱収縮が切込の拡開する現象に変換され、結果として二軸延伸フィルム層に複数の熱溶融付着性樹脂被覆層12が露出した部位を生じるが、熱溶融接合に関与する熱溶融付着性樹脂被覆層12の面積が少ないことで、防汚性シート(参考例1)同士の加熱溶着接合の接合状態の評価(剥離強さ、引張強さ及び耐熱クリープ性)は不完全で実用の無いものとなった。
[参考例2]
幅40mm、直径100mmの真鍮製ローラーの表面に、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり16個の千鳥配置で真鍮製ニードル(ニードル長6mm)取り付けた針ロールを用いた実施例3の防汚性シート(1)の穿孔21を、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり1個の千鳥配置に変更した以外は実施例3の防汚性シート(1)と同様にして得た防汚性シート(参考例2)同士の加熱溶着接合を行った。参考例2の防汚性シートは、高周波溶着によるポリ塩化ビニル樹脂複合基材の発熱(170〜180℃)が二軸延伸白色PVFフィルムに十分伝わり、二軸延伸フィルム層の熱収縮が穿孔21穴の拡張現象に変換され、結果とし二軸延伸フィルム層に複数の熱溶融付着性樹脂被覆層12が露出した部位を生じるが、熱溶融接合に関与する熱溶融付着性樹脂被覆層12の面積が少ないことで、防汚性シート(参考例2)同士の加熱溶着接合の接合状態の評価(剥離強さ、引張強さ及び耐熱クリープ性)は不完全で実用の無いものとなった。
Figure 2018116447
本実施形態の防汚性シートは、シートの側端部に帯状に設けられた貼付代部を有し、この貼付代部領域に含む延伸フィルム層に貫通配置された切込群又は穿孔群を有するものとすることで、これらのシートから特別に延伸フィルム層を剥ぎ取ったり、削り取り除去する必要なく、また特別な接着層の介在を必要とせず、シートの側端部同士を重ね合わせた部分を加熱又は発熱させるだけで、延伸フィルム層を熱収縮させ、それによって複数の切込又は穿孔の拡開又は面積の拡張を促す作用で、延伸フィルム層の表面に熱溶融付着性樹脂被覆層の一部を接着面として他の防汚性シートと直接面し得るようにすることで防汚性シートの接合を容易に成して防汚性シート接合体を得ることができるので、中・大型テント、テント倉庫、軒出しテント、トラック用の幌、又は看板用バックリットなどの膜構造物に用いる産業資材シートで、特にフッ素樹脂フィルム層を最外層に有する産業資材シートに広く用いることができる。
10A、10B、10C 防汚性シート
11 布帛
12 熱溶融付着性樹脂被覆層
20 貼付代部
21 穿孔
21A 面積拡張後の穿孔
22 切込
22A 面積拡張後の切込
30 複合基材
40 延伸フィルム層

Claims (17)

  1. 布帛及び前記布帛の両面に熱溶融付着性樹脂被覆層を有する複合基材と、前記複合基材の少なくとも片面全面に設けられた熱収縮性を有する延伸フィルム層とを有する可撓性積層体シートを備え、
    前記可撓性積層体シートの側端部に帯状に設けられ、他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、
    前記貼付代部は、前記延伸フィルム層の厚み方向を貫通するように複数の切込又は穿孔を有する、防汚性シート。
  2. 25℃での長さに対する180℃で1min加熱し収縮した長さの比率を乾熱収縮率としたとき、前記延伸フィルム層の長手方向及び幅方向から選ばれた少なくとも一方向についての前記乾熱収縮率が前記複合基材の前記一方向の前記乾熱収縮率よりも3.5%以上大きい、請求項1に記載の防汚性シート。
  3. 前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの面積が0.0078〜0.785mmである、請求項1又は2に記載の防汚性シート。
  4. 前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの25℃での面積に対する180℃で1min加熱した後の面積の比率である面積拡張率が、100〜10000%である請求項1〜3の何れか1項に記載の防汚性シート。
  5. 前記複数の切込又は穿孔から選ばれた任意の5個の切込又は穿孔について、前記5個の前記切込又は穿孔の最大隣接円の径の平均が0.1〜1.00mmである切込又は穿孔が、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり5〜36個形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の防汚性シート。
  6. 前記延伸フィルム層が、前記複数の切込又は穿孔の面積拡張剤として無機粒子を含み、
    前記無機粒子は、平均粒子径0.05〜3μmの金属塩又は金属複合塩である請求項1〜5の何れか1項に記載の防汚性シート。
  7. 前記延伸フィルム層がフッ素系樹脂を含み、かつ前記熱溶融付着性樹脂被覆層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の防汚性シート。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の前記防汚性シートを複数接合してなる防汚性シート接合体であって、
    前記1の前記防汚性シートの前記貼付代部と他の前記防汚性シートの前記熱溶融付着性樹脂被覆層の一部とが対向して付着してなる、防汚性シート接合体。
  9. 布帛を芯材としてその表裏に熱溶融付着性樹脂被覆層を有する複合基材と、前記複合基材の少なくとも片面全面に設けられた熱収縮性を有する延伸フィルム層とを有する可撓性積層体シートを備えた防汚性シートを、複数接合する防汚性シート接合体の製造方法であって、
    前記防汚性シートの少なくとも1は、前記可撓性積層体シートが側端部に帯状に設けられ他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、前記貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有し、
    前記1の防汚性シートの前記可撓性積層体シートの前記貼付代部上に、前記他の可撓性積層体シートの前記延伸フィルム層とは逆側に設けられた前記熱溶融付着性樹脂被覆層の側端部を覆い重ね、
    前記覆い重ねた部分を加熱して、前記延伸フィルム層を熱収縮させ、前記複数の切込又は穿孔の面積を拡張させ、
    前記面積を拡張させた複数の切込又は穿孔を介して前記1の可撓性積層体シートの前記熱溶融付着性樹脂被覆層と、前記他の可撓性積層体シートの前記熱溶融付着性樹脂被覆層の側端部とを熱溶着して防汚性シートを得る、防汚性シート接合体の製造方法。
  10. 前記貼付代部の少なくとも一部の面積100cm内において、前記面積を拡張させた複数の切込又は穿孔の面積の合計が、前記一部の面積100cmに対して30〜70%である請求項9に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
  11. 25℃での長さに対する180℃で1min加熱し収縮した後の長さの比率を乾熱収縮率としたとき、前記延伸フィルム層の長手方向及び幅方向から選ばれた少なくとも一方向についての前記乾熱収縮率が前記複合基材の前記一方向の前記乾熱収縮率よりも3.5%以上大きい、請求項9又は10に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
  12. 前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの面積が0.0078〜0.785mmである、請求項9〜11の何れか1項に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
  13. 前記複数の切込又は穿孔の1個当たりの25℃での面積に対する180℃で1min加熱した後の面積の比率である面積拡張率が、100〜10000%である請求項9〜11の何れか1項に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
  14. 前記切込群又は穿孔群から選ばれた任意の5個の切込又は穿孔について、前記5個の前記切込又は穿孔の最大隣接円の径の平均が0.1〜1.00mmである切込又は穿孔が、前記貼付代部領域の面積6.45cmあたり5〜36個形成されている請求項9〜13〜14の何れか1項に記載の防汚性シートの製造方法。
  15. 前記延伸フィルム層が、前記複数の切込群又は穿孔群の面積拡張剤として無機粒子を含み、前記無機粒子は、平均粒子径0.05〜3μmの金属塩又は金属複合塩である請求項9〜14の何れか1項に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
  16. 前記延伸フィルム層がフッ素系樹脂を含み、かつ前記熱溶融付着性樹脂被覆層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた1種を含む請求項9〜15の何れか1項に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
  17. 前記他の可撓性積層体シートが、側端部に帯状に設けられ他の可撓性積層体シートに対して接合可能な貼付代部を有し、前記貼付代部は前記延伸フィルム層を貫通するように複数の切込又は穿孔を有する、請求項9〜16の何れか1項に記載の防汚性シート接合体の製造方法。
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