JPWO2018105419A1 - 重荷重用タイヤ及び重荷重用タイヤの製造方法 - Google Patents

重荷重用タイヤ及び重荷重用タイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

重荷重用タイヤ(1)は、ビードワイヤ(8)が円環状に複数回巻かれて形成されるビードコア(5)と、ゴム材からなるゴムシート(10)とを備える。ゴムシート(10)は、ビードワイヤ(8)の一方の端部と他方の端部とを含む領域に巻き付けられる。一方の端部は、タイヤ周方向において、他方の端部から最も近い端部である。

Description

本発明は、重荷重用タイヤ及び重荷重用タイヤの製造方法に関し、詳しくはビードコア周りの耐セパレーション性に優れる重荷重用タイヤ及び重荷重用タイヤの製造方法に関する。
ビードワイヤが円環状に巻かれて形成されるビードコアにおいて、ビードワイヤの跳ね上がりを抑制する技術が知られている。特許文献1に記載された発明では、ビードワイヤの端部を有機繊維テープで巻き付けることによりビードワイヤの跳ね上がりを抑制している。
特開2016−88259号公報
ところで、重荷重用タイヤのように過酷な環境下で用いられるタイヤでは、高速、高荷重で使用されるなど、さらに過酷な使用条件となる場合があり、高度な耐久性や耐劣化性が要求される。具体的には、ビードコア周りの耐セパレーション性向上の要求が想定される。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、ビードコア周りの耐セパレーション性が向上する重荷重用タイヤ及び重荷重用タイヤの製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、従来の有機繊維テープの代わりに後述するゴムシートを用いることにより、ビードコア周りの耐セパレーション性が向上することを見出して、本発明を完成するに至った。
第1の特徴に係る重荷重用タイヤは、ビードワイヤが円環状に複数回巻かれて形成されるビードコアと、ゴム材からなるゴムシートとを備える。ゴムシートは、ビードワイヤの一方の端部と他方の端部とを含む領域に巻き付けられる。一方の端部は、タイヤ周方向において、他方の端部から最も近い端部である。
第1の特徴において、ゴムシートは、測定温度25度の条件下で、JIS K6251にて測定する50%伸び引っ張り応力M50が、加硫後において1.0MPa以上である。
第1の特徴に係る重荷重用タイヤの製造方法は、ビードワイヤの一方の端部と他方の端部とを含む領域にゴム材からなるゴムシートを巻き付ける工程と、ゴムシートを巻き付けた後に加硫する工程と、を備える。一方の端部は、タイヤ周方向において、他方の端部から最も近い端部である。
本発明によれば、重荷重用タイヤにおけるビードコア周りの耐セパレーション性が向上する。
図1は、本発明の実施形態に係る重荷重用タイヤのトレッド幅方向に沿い、かつタイヤ周方向に直交する断面の一部を示す模式断面図である。 図2は、ビードコアの一部分を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る重荷重用タイヤの製造方法を示すフローチャートである。 図4は、ビードコア周りの亀裂面積とビードワイヤ端部からの角度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1を参照して、本実施形態に係る重荷重用タイヤ1の構成について説明する。本実施形態に係る重荷重用タイヤ1は、建設車両などの重荷重車両に適用される。
図1に示すように、重荷重用タイヤ1は、リム(不図示)に接する一対のビード部2と、重荷重用タイヤ1の骨格を形成するカーカス層3と、路面と接する接地面を有するトレッド部4と、を有する。
ビード部2は、ビードコア5と、ビードフィラー6とを有する。カーカス層3は、ビードコア5間にトロイド状に延在する。
ビードコア5は、トレッド幅方向に離間して少なくとも2つ配置される。また、ビードコア5は、1本のビードワイヤ8が円環状に複数回巻かれて形成される。ビードコア5は、重荷重用タイヤ1の内圧によって発生するカーカス層3のコード張力を支える。ビードワイヤ8は、ゴム材で被膜されている。
ビードフィラー6は、ビードコア5を補強するためのゴム材であり、カーカス層3の両側端部がビードコア5の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置される。
カーカス層3とトレッド部4との間には、ベルト層7が設けられている。ベルト層7は、タイヤ周方向に沿って複数重ねられている。
図2に示すように、ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bは、ビードコア5の径方向(重荷重用タイヤ1の径方向)に重複するように巻かれる。そして、図2に示すように、ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bとが重複する領域及びその近傍領域に、ゴムシート10が巻き付けられる。ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bとを含む領域にゴムシート10が巻き付けられる。換言すれば、ビードワイヤ8の一方の端部と他方の端部とを含む領域にゴムシート10が巻き付けられる。また、一方の端部は、タイヤ周方向において、他方の端部から最も近い端部である。つまり、巻き始め端部8aは、タイヤ周方向において、巻き終わり端部8bから最も近い端部である。巻き終わり端部8bは、タイヤ周方向において、巻き始め端部8aから最も近い端部である。図2に示すように、ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bとが重複する領域は、それ以外の領域よりもビードワイヤ8の本数が一本多くなっている。以下では、ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bとが重複する領域及びその近傍領域とを合わせて、ビードワイヤ8の端部とよぶ。
本実施形態で用いるゴムシート10は天然ゴムを主体とするが、これに限定されない。
ゴムシート10は、測定温度25度の条件下で、JIS K6251にて測定する50%伸び引っ張り応力M50が、加硫後において1.0MPa以上である。なお、本実施形態で用いるゴムシート10の寸法は、幅が45mm、厚さが1mm、長さが400mmであるが、これに限定されない。
図2に示すように、本実施形態ではビードワイヤ8の端部にゴムシート10を3回巻いたが、ゴムシート10を巻く回数は3回に限定されない。なお、ゴムシート10を3回巻く場合、図2に示すようにゴムシート10が3重に重ならないように巻くことが好ましい。また、図2に示す例では、ゴムシート10は、円環周方向に螺旋状に巻かれているが、これに限定されない。巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bが含まれる巻き方であればよく、巻き方は限定されない。例えば、同じ場所を複数回巻いてもよい。ただし、ゴムシート10が3重に重ならないように巻くことが好ましい。
図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係る重荷重用タイヤ1の製造方法を説明する。図3に示すように、重荷重用タイヤ1の製造方法は、ビードコア形成工程S10と、ゴムシート巻き付け工程S20と、加硫工程S30とを含む。
ビードコア形成工程S10は、1本のビードワイヤ8を円環状に複数回巻いてビードコア5を形成する工程である。
ゴムシート巻き付け工程S20は、ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bとを含む領域にゴムシート10を巻き付ける工程である。
加硫工程S30は、ゴムシート10が巻き付けられたビードコア5を含む生タイヤを加硫して重荷重用タイヤ1を得る工程である。
[比較結果]
次に、図4を参照して比較結果について説明する。具体的には、ビードワイヤ8の端部をゴムシート10で巻き付けた重荷重用タイヤ1(実施例)と、ビードワイヤ8の端部を従来の有機繊維テープで巻き付けた重荷重用タイヤ(比較例)を準備し耐久試験を行い、ビードコア5周りの亀裂面積を測定した。
図4に示す横軸は、ビードワイヤ8の端部を基準(0度)にした場合のタイヤ周方向の位置を示す。また、図4に示す縦軸は、ビードコア5周りの亀裂面積(指数)を示す。図4に示す縦軸の数値は低いほど耐セパレーション性がよいことを示す。
図4に示すように、ビードワイヤ8の端部において、従来の有機繊維テープを巻き付けた場合に比べ、ゴムシート10を巻き付けたほうが、亀裂面積が大きく減少していることがわかる。すなわち、有機繊維テープの代わりにゴムシート10を用いることにより、ビードコア5周りの耐セパレーション性が向上していることがわかる。このような測定結果になった理由は、ゴム材で被膜されたビードワイヤ8とゴムシート10との接着性が、ゴム材で被膜されたビードワイヤ8と従来の有機繊維テープとの接着性より良好なためである。
以上説明したように、本実施形態によれば、重荷重用タイヤ1はゴムシート10を備え、ゴムシート10は、ビードワイヤ8の巻き始め端部8aと巻き終わり端部8bとを含む領域に巻き付けられる。これにより、従来の有機繊維テープを巻き付けた場合に比べ、重荷重用タイヤ1におけるビードコア5周りの耐セパレーション性が向上する。
日本国特許出願第2016−238233号(出願日:2016年12月8日)の全内容は、ここに援用される。
1 重荷重用タイヤ
2 ビード部
3 カーカス層
4 トレッド部
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ビードワイヤ
8a 巻き始め端部
8b 巻き終わり端部
10 ゴムシート

Claims (3)

  1. ビードワイヤが円環状に複数回巻かれて形成されるビードコアを有する重荷重用タイヤであって、
    ゴム材からなるゴムシートを備え、
    前記ゴムシートは、前記ビードワイヤの一方の端部と他方の端部とを含む領域に巻き付けられ、
    前記一方の端部は、タイヤ周方向において、前記他方の端部から最も近い端部であることを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記ゴムシートは、測定温度25度の条件下で、JIS K6251にて測定する50%伸び引っ張り応力M50が、加硫後において1.0MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用タイヤ。
  3. ビードワイヤが円環状に複数回巻かれて形成されるビードコアを有する重荷重用タイヤの製造方法であって、
    前記ビードワイヤの一方の端部と他方の端部とを含む領域にゴム材からなるゴムシートを巻き付ける工程と、
    前記ゴムシートを巻き付けた後に加硫する工程と、
    を備え、
    前記一方の端部は、タイヤ周方向において、前記他方の端部から最も近い端部であることを特徴とする重荷重用タイヤの製造方法。
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