JPWO2018074305A1 - ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018074305A1
JPWO2018074305A1 JP2018546273A JP2018546273A JPWO2018074305A1 JP WO2018074305 A1 JPWO2018074305 A1 JP WO2018074305A1 JP 2018546273 A JP2018546273 A JP 2018546273A JP 2018546273 A JP2018546273 A JP 2018546273A JP WO2018074305 A1 JPWO2018074305 A1 JP WO2018074305A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
general formula
alkyl group
diol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018546273A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7021640B2 (ja
Inventor
佐藤 英之
英之 佐藤
岡本 淳
淳 岡本
健人 池野
健人 池野
哲也 下
哲也 下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Publication of JPWO2018074305A1 publication Critical patent/JPWO2018074305A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7021640B2 publication Critical patent/JP7021640B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/10Spiro-condensed systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B61/00Other general methods

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

熱安定性に優れたジオール、ならびに、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法の提供。下記一般式(1)で表されるジオール;一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭化水素基を表し、R3は、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基またはアリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す。

Description

本発明は、ジスピロ構造を有するジオールおよびジオールの製造方法、ならびに、ジオールを用いたジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
従来から、スピログリコール(3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)が検討されている。例えば、特許文献1〜3には、スピログリコール等の環式アセタールを有する多価アルコールの製造方法であって、高純度の環式アセタールを有する多価アルコールの製造方法が開示されている。
特開昭59−148776号公報 特開2000−44570号公報 特開2005−29563号公報
上記特許文献1〜3に記載されているスピログリコールは、優れた材料であるが、近年、より高い熱安定性が求められる。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、熱安定性に優れたジオール、ならびに、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、下記一般式(1)で表されるジオールが上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<26>により、上記課題は解決された。
<1>下記一般式(1)で表されるジオール;
一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す。
<2>前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、<1>に記載のジオール。
<3>前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、<1>に記載のジオール。
<4>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のジオール。
<5>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のジオール。
<6>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のジオール。
<7>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が、水素原子である、<1>に記載のジオール。
<8>下記一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体と、下記一般式(3)で表されるトリオールを脱水環化反応させることを含む、ジオールの製造方法;
一般式(2)中、R4は、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す;
一般式(3)中、R5は、炭化水素基を表す。
<9>前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、<8>に記載のジオールの製造方法。
<10>前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、<8>に記載のジオールの製造方法。
<11>前記脱水環化反応を酸触媒の存在下で行う、<8>〜<10>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<12>前記酸触媒が、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸の少なくとも1種を含む、<11>に記載のジオールの製造方法。
<13>前記ジオールの製造方法において、脱水環化反応により生成した水を、反応系から除去することを含む、<8>〜<12>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<14>前記脱水環化反応により生成した水の除去は、有機溶媒との共沸により行う、<13>に記載のジオールの製造方法。
<15>前記有機溶媒が、トルエンおよびシクロヘキサンの少なくとも一方を含む、<14>に記載のジオールの製造方法。
<16>前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびトリス(ヒドロキシメチル)トルエンの少なくとも1種である、<8>〜<15>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<17>前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンの少なくとも1種である、<8>〜<15>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<18>前記ジオールが、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のジオールである、<8>〜<17>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<19>下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレート;
一般式(4)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
<20>前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、<19>に記載のジ(メタ)アクリレート。
<21>前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、<19>に記載のジ(メタ)アクリレート。
<22>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<23>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<24>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<25>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が水素原子である、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<26><1>〜<7>のいずれか1つに記載のジオールを、(メタ)アクリル酸と脱水縮合反応させることを含む、ジ(メタ)アクリレートの製造方法。
本発明により、熱安定性に優れたジオール、ならびに、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。(メタ)アクリル酸等についても同様である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
本実施形態のジオールは、下記一般式(1)で表されるジオールであることを特徴とする。
一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す。
このような構成のジオールを採用することにより、熱安定性に優れたジオールが得られる。さらに、一般式(1)で表されるジオールは、スピログリコールよりも、通常、低い融点を有する傾向にあり、ハンドリング性が高い。さらに、一般式(1)で表される構造とすることにより、剛直な材料が得られる。
本実施形態における一般式(1)で表されるジオールの融点は、例えば、220℃以下とすることができ、さらには218℃以下、200℃以下、180℃以下とすることもできる。一般式(1)で表されるジオールの融点の下限値は、特に定めるものではないが、例えば、150℃以上、さらには160℃以上であっても十分にハンドリング性に優れる。
また、本実施形態の一般式(1)で表されるジオールは、2つの水酸基のβ位が水素原子を持たないネオ構造であり、β脱離によるオレフィンの生成が本質的に起こりにくいという利点もある。
一般式(1)で表されるジオールは、2つの6員環アセタール構造に起因する複数の幾何異性体を有してもよく、本実施形態では幾何異性体のいずれか一つまたは複数の混合物を示す。また3つの連続した6員環構造のそれぞれの立体配座も固定されておらず、可能な配座を自由に取ることができる。一般式(1)で表されるジオールの幾何異性体の生成比率は、反応条件(反応溶媒種、反応触媒種、反応温度)などによって変化し、特に制限は無い。本実施形態で得られるジスピロ構造を有するジオールの幾何異性体の混合物は、混合物のまま、あるいは従来公知の方法によって、各幾何異性体に分離して利用することができる。
一般式(1)において、R1およびR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭化水素基であり、好ましくは、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表し、より好ましくは、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表し、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基がさらに好ましい。
但し、R1およびR2としての炭化水素基は、エーテル結合を含まない。また、R1およびR2の実施形態として、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す形態も挙げられる。
炭素数1〜7の直鎖のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
炭素数3〜7の分岐したアルキル基は、炭素数3〜5の分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数3または4の分岐したアルキル基であることがより好ましく、炭素数3の分岐したアルキル基であることがさらに好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基がさらに好ましく、フェニル基が一層好ましい。
一般式(1)におけるR1およびR2としては、例えば、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,5−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1―エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、2−プロピルブチル基、3−プロピルブチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−2−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、および1,2,3−トリメチルブチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
これらの中ではR1とR2が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。また、R1とR2の少なくとも一方がフェニル基である態様も好ましい。また、製造方法が特に簡便になるという観点から、R1とR2が同一であることが好ましく、R1とR2が同一であって、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。また、R1とR2の両方がフェニル基である態様も好ましい。
一般式(1)において、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表し、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐したアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子が一層好ましい。
ヘテロ原子を含む基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が例示される。
ヘテロ原子を含む基は、アルコキシ基、アルキルチオエーテル基、アミノ基、ニトロ基が好ましい例として挙げられる。また、アルコキシ基またはアルキルチオエーテル基を構成するアルキル鎖は、炭素数1〜6の直鎖のアルキル鎖が好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル鎖がより好ましい。
炭素数1〜6の直鎖のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
炭素数3〜6の分岐したアルキル基は、炭素数3〜5の分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数3または4の分岐したアルキル基であることがより好ましく、炭素数3の分岐したアルキル基であることがさらに好ましい。
アリール基を含み、炭素数が6〜12である基は、フェニル基、フェニル基で置換されたアルキル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。フェニル基で置換されたアルキル基を構成するアルキル基の炭素数は、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記一般式(1)におけるR3としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、エトキシ基、プロキオキシ基、ブトキシ基、メチルチオエーテル基、エチルチオエーテル基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基、およびベンジル基が挙げられる。
これらの中ではR3は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基であるとより好ましい。また、工業的に入手が容易であるという観点から、R3が水素原子である場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるジオールの好ましい実施形態として、一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が水素原子であるジオールが例示される。また、一般式(1)で表されるジオールの好ましい他の実施形態として、一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基またはメチル基であり、R3が水素原子であるジオールが例示される。
以下に、本実施形態で好ましく用いられるジオールを示す。本実施形態がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。尚、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を表す。
一般式(1)で表されるジオールの分子量は、300〜550が好ましく、300〜500がより好ましい。
本実施形態のジオールは、下記一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体と、下記一般式(3)で表されるトリオールを脱水環化反応させることによって得られる。一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体および一般式(3)で表されるトリオールは、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
一般式(2)中、R4は、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す。
一般式(3)中、R5は、炭化水素基を表す。
炭化水素基は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す。一実施形態としては、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す。但し、R5としての炭化水素基は、エーテル結合を含まない。
一般式(2)におけるR4は、一般式(1)におけるR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本実施形態で用いる、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体の製造方法については、特に制限は無く、従来公知の方法で製造されたものを用いることができる。例えば、Organic Syntheses, Coll. Vol. 5, p.288(1973)およびVol. 45, p.25(1965)にはコハク酸ジエステルから2段階での1,4−シクロヘキサンジオンの合成方法が報告されている。また、J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1979, p3095にはカルボニルのα位へアルキル基を導入した1,4−シクロヘキサンジオン誘導体の合成方法がある。より簡便に使用する際には、工業製品として流通しているものを精製して用いてもよいし、もしくは未精製のまま使用してもよい。
本発明者は、1,4−シクロヘキサンジオン以外のシクロヘキサンジオン異性体(1,2−体、1,3−体)を用いて本実施形態と同様な検討を試みた。結果、各異性体に対応した1,2−ジスピロ体および1,3−ジスピロ体の生成が確認できたが、反応収率は著しく低かった。同様の事例が、WO2016/052476号公報の段落0021にも記載されていることから、本実施形態のジスピロ構造を有するジオールの原料として、工業的に容易に高収量を得るためには1,4−シクロヘキサンジオン誘導体を用いることが好ましい。
一般式(3)におけるR5としては、一般式(1)におけるR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本実施形態では、一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびトリス(ヒドロキシメチル)トルエンの少なくとも1種(好ましくは、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタンの少なくとも1種)である場合が特に好ましい。
本実施形態の脱水環化反応において、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体の使用量に対する上記一般式(3)で表されるトリオールの使用量は、所望のジスピロ構造を有するジオールを生成できる量であれば特に限定されない。但し、未反応分が少ない方が工業的に有利であることから、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体の使用量に対する一般式(3)で表されるトリオールの使用量は、モル基準で、下限値が、2.00当量以上であることが好ましく、2.05当量以上であることがより好ましく、2.08当量以上であることがさらに好ましく、2.10当量以上であることが一層好ましい。上記使用量の上限値は、5.00当量以下であることが好ましく、3.00当量以下であることがより好ましく、2.50当量以下であることがさらに好ましく、2.30当量以下であることが一層好ましい。
本実施形態における脱水環化反応(アセタール化反応)は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては公知の酸触媒を使用すればよく、特に制限はない。そのような酸触媒として、具体的にはパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸類や、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸といった鉱酸類、ナフィオン(Sigma−Aldrich社製、商品名)や陽イオン交換樹脂といった固体酸触媒を用いることができる。但し、本実施形態では反応生成物が、通常、固体として反応液中に析出してくることから、反応後処理の簡便性という観点からは有機酸類または鉱酸類を用いることが好ましい。特に、本発明で用いる酸触媒としては、有機酸類が好ましい。また、酸触媒は、均一系酸触媒であることが好ましい。さらに、酸触媒は、水和物であってもよい。
本実施形態では、酸触媒が、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸およびリン酸の少なくとも1種を含むことが好ましく、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸および硫酸の少なくとも1種を含むことがより好ましく、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸の少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。酸触媒は2種以上を併用してもよい。
酸触媒の使用量としては特に限定されないが、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体の量に対してモル基準で0.00001〜0.1当量が好ましい。反応時間の観点からは0.00001当量以上がより好ましく、0.0001当量以上がさらに好ましく、副生物の生成抑制や触媒除去の観点からは0.1当量以下がより好ましく、0.05当量以下がさらに好ましい。
本実施形態における脱水環化反応においては、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体および一般式(3)で表されるトリオール、ならびに、酸触媒以外に、反応溶媒として有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒を用いることにより、脱水環化反応によって生成する水を反応系外に容易に除去でき、脱水環化反応の進行を早くすることができる。従って、有機溶媒としては、原料と副反応を起こさないものであれば特に限定されず、水と2層分離し、かつ水と共沸する有機溶媒が好ましい。尚、本発明では、脱水環化反応により生成した水に加え、原料由来の水も除去されることが好ましい。
すなわち、本実施形態のジオールの製造方法において、脱水環化反応により生成した水を、反応系から除去することを含むことが好ましい。水を反応系内から除去する方法としては、特に限定されず、脱水反応によって生成する水を反応系内から除去する方法として一般的に知られている方法を採用することができる。本実施形態では、脱水環化反応により生成した水の除去は、上述の通り、有機溶媒との共沸により行うことが好ましいが、前記水の除去に際し、原料由来の水も一緒に除去することが好ましい。
有機溶媒との共沸を行う場合、有機溶媒と水とを共沸留分として留去したのち、2層分離した水のみを上記系内から除去する方法が例示される。水と共沸混合物を形成し得る有機溶媒を用いる場合の水を除去する反応温度は、水と有機溶媒が共沸する温度であれば特に限定されない。
また、反応系内からの水の除去を容易にするという観点から、有機溶媒は、非水溶性または難水溶性であることが好ましく、炭化水素系溶媒がさらに好ましい。炭化水素系溶媒としては、パラフィン類、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類が好ましく、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、リグロインおよび石油エーテルがより好ましく、トルエンおよびシクロヘキサンがさらに好ましい。有機溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ここで、「非水溶性または難水溶性」とは、室温における水に対する溶解度が2g/L以下である性質をいう。
有機溶媒の使用量は特に限定されないが、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体および一般式(3)で表されるトリオールの総量100質量部に対して、10〜10000質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜5000質量部、さらに好ましくは30〜1000質量部である。有機溶媒の使用量が上記数値範囲内にあることにより、有機溶媒が水と共沸混合物を形成し得るものである場合に、より有効かつ確実に水を上記系内から除去することができる。
本実施形態である脱水環化反応の反応温度は、上記有機溶媒を用いる場合にはその沸点にもよるが、例えば、50〜180℃であり、好ましくは70〜150℃の温度であり、より好ましくは85〜125℃の温度である。反応温度が50℃以上であると反応時間をより短くすることができ、反応温度が180℃以下であると、副反応による着色等を抑制することができる。また脱水環化反応の反応圧力は、上記反応温度において、脱水環化反応が進行するような圧力であれば特に限定されず、常圧であってもよく、場合によっては減圧下で反応を行うことも有効である。この反応時の反応系周囲の雰囲気は特に限定されず、例えば、空気雰囲気下、窒素雰囲気下、窒素流通下のいずれであってもよい。反応時間は触媒量や反応温度によって適宜調整すればよいが、通常2〜48時間で行うのが好ましく、5〜20時間で行うのがより好ましい。
本実施形態の製造方法では、得られる一般式(1)で表されるジオールのGC分析(GC分析での測定が困難な場合はHPLC分析)による純度を95質量%以上とすることもできる。また、得られる一般式(1)で表されるジオールの単離収率を90質量%以上とすることもできる。
本実施形態の製造方法によって得られるジオールは、中和、ろ過、洗浄、濃縮等の適当な後処理を行ったのち、公知の精製方法によって単離することができる。具体的には晶析、蒸留、吸着処理、カラムクロマトグラフィー、分取HPLC(液体クロマトグラフィー)、分取ガスクロマトグラフィー等があげられる。また、次反応の用途によっては、本実施形態の製造方法における後処理のみで、特に単離操作を行うことなく未精製のまま使用することもできる。
本実施形態のジオールは、各種工業材料の原料として用いることができる。例えば、本実施形態のジオールは、熱可塑性樹脂の原料や(メタ)アクリレートの原料として用いることができる。
(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートであってもよいし、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ有するジ(メタ)アクリレートであってもよい。
本実施形態のジ(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
一般式(4)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
上記炭化水素基の実施形態の一例は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基であり、他の実施形態の一例は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基である。
一般式(4)におけるR1およびR2は、一般式(1)におけるR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)におけるR3は、一般式(1)におけるR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)におけるR6は、水素原子が好ましい。
本実施形態のジ(メタ)アクリレートは、本実施形態の一般式(1)で表されるジオールと、(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応、または、本実施形態の一般式(1)で表されるジオールと、(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応によって合成される。(メタ)アクリル酸はアクリル酸が好ましく、(メタ)アクリル酸エステルはアクリル酸エステルが好ましい。
脱水縮合反応の場合、ポリオール1モルに対し、(メタ)アクリル酸は、2〜10モルの範囲で使用することが好ましく、さらに好ましくは2.5〜5モルである。また、エステル交換反応の場合、ポリオール1モルに対し、(メタ)アクリル酸エステルは2〜20モルの範囲で使用することが好ましく、さらに好ましくは2.5〜8モルである。
一般式(1)で表されるジオールと(メタ)アクリル酸の脱水縮合反応としては、酸触媒、有機溶媒および重合禁止剤を用い、公知の手法で行うことができる。
脱水縮合反応に用いることのできる酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、三フッ化ホウ素およびカチオン型イオン交換樹脂等公知のものから任意に選択できる。
触媒は2種以上を同時に用いてもよい。触媒の使用量はジオール1モルに対して、0.1〜10モル%であることが好ましく、1〜5モル%であることがより好ましい。
また、有機溶媒としては原料と副反応を起こさないものであれば特に限定されないが、反応の進行を早めるために生成する水を系外に除去できるもの、すなわち水と2層分離し、かつ共沸する有機溶媒が好ましい。例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等から選ばれる有機溶媒を好適に用いることができる。有機溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。また、有機溶媒の使用量は、生成する水の理論量と使用する有機溶媒との共沸組成比から共沸脱水に必要な有機溶媒の最低必要量を導くことができる。また、ディーン・スターク装置を用いれば、共沸有機溶媒を連続的に反応容器へ返送しながら脱水できるため、使用量は、理論値より減らすことも可能である。より簡易的には、一般式(1)で表されるジオールおよび(メタ)アクリル酸の総質量に対して、20〜200質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
重合禁止剤としてはラジカルを捕捉しうる化合物であれば特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、パラメトキシフェノール、tert−ブチルハイドロキノン、パラベンゾキノンおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシド等の公知のものから任意に選択できる。
また重合禁止剤は2種以上を同時に使用してもよい。重合禁止剤の使用量は、(メタ)アクリル酸に対して、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましい。
一般式(1)で表されるジオールと(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応としては触媒(ルイス酸触媒または塩基触媒、好ましくはルイス酸触媒)、および重合禁止剤を用いて公知の手法で行うことができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、および(メタ)アクリル酸n−ブチルなどの公知の(メタ)アクリル酸エステル使用することができる。特に、生成するアルコールの留去が容易なことからエステル交換反応に用いる(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
また、反応で生じる低級アルコールを反応系中から除くことで反応を速やかに進行させることができるため、反応器としては蒸留塔を備えたものを用い、低級アルコールを留去しながら反応を行うことが好適である。
エステル交換反応には公知のルイス酸触媒を用いることができ、例えば、ジメチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジメチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジクロリド、アルミニウムイソプロポキシド、亜鉛アセチルアセトナート、テトラメトキシチタン、テトライソプロポキシチタンおよびテトラブトキシチタン等から選ばれる。また、塩基を用いて反応系中でこれらのルイス酸触媒を発生させてもよい。
一方、エステル交換反応での公知の塩基触媒としては、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドなどを用いることができる。
触媒は支障がない範囲で適宜、2種以上を同時に用いてもよい。
重合禁止剤は、一般式(1)で表されるジオールと(メタ)アクリル酸の脱水縮合反応で述べた重合禁止剤が好ましく用いられる。
本実施形態の一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレートは、反応性希釈剤や粘度調節剤として塗料、コーティング剤、ハードコート剤、インキ、接着剤、粘着剤、レジスト材料、成形材料、および表面加工剤等の用途に使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。例中の「%」の表示は、特記しない限り、質量基準である。
実施例中の物性等の分析方法は以下の通りである。
(1)反応収率および生成物の純度
反応収率および生成物の純度はガスクロマトグラフィー(装置名:Agilent 6850、アジレント社製)もしくは高速液体クロマトグラフィー(装置名:Chromaster、日立ハイテクサイエンス社製)にて、内部標準法で定量した。
(2)核磁気共鳴装置(NMR)
化合物の構造決定にはNMRを使用した(日本電子社製、型式:JNM−ECA500)。使用した重溶媒および測定周波数は各化合物の帰属中に記載した。
(3)高分解能質量分析
化合物の高分解能質量(ミリマス、MS)分析は、LC−MSのダイレクトインジェクション法、もしくはDART(Direct Analysis in Real Time)法にて行った。
HPLC(High-performance liquid chromatography)装置:U3000(Thermo Fisher Scientific社製)
DART装置:DART−Os(エーエムアール社製)
MS装置:LTQ Orbitrap Discovery(Thermo Fisher Scientific社製)
HPLC使用時の測定条件
カラム:なし
移動相:0.1質量%のギ酸水溶液:アセトニトリル(体積比50:50)の混合液
流速:0.2mL/分
試料濃度:100質量ppm
注入量:10μL
MS測定条件(LC−MSダイレクトインジェクション時)
イオン化法:Positive ESI
キャピラリ−温度:300℃
キャピラリ−電圧:22V
チューブレンズ電圧:100V
DART使用時の測定条件
イオン源温度:400℃
MS測定条件(DART時)
イオン化法:DART
キャピラリ−温度:200℃
キャピラリ−電圧:35V
チューブレンズ電圧:100V
(4)融点
化合物の融点は、示差走査型熱量計(型式:DSC7020、日立ハイテクサイエンス社製)を用い、試料約10mgをアルミ製の非密封容器に入れ、窒素ガス気流中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(5)耐熱性の測定
化合物の耐熱性は、リガク社製Thermo Plus TG8120を使用した。150mL/分の窒素気流中、10℃/分の昇温速度で190℃まで昇温し、190℃一定条件での重量減少率を測定した。
実施例1
1,4−シクロヘキサンジオン(東京化成工業社製、試薬)10.0gと、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)25.1gと、トルエン(和光純薬工業社製、特級試薬)300gと、メタンスルホン酸(東京化成工業社製、試薬)0.26gとを、300mLの丸底フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が90℃〜112℃となるように加熱して脱水環化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、水の留出が止まるまで10時間反応させた。水を除去した後の反応系内は生成物がスラリー状になっていた。反応スラリー液を25℃まで冷却したのち、生成物をろ過、苛性ソーダ水にて中和洗浄、水にて洗浄、減圧乾燥をすることで化合物A30.3gを得た(GC純度98.4%、単離収率97%)。
下記に実施例1の反応スキームを示す。
実施例1で得られた化合物Aの構造は1HNMR、13CNMR、DEPT、H−HCOSY、HMQCの各種スペクトルから同定した。
13C NMRのδ25.7と30.4は、DEPT135およびHMQCスペクトルから、シクロヘキサン環の4つのメチレン基が2つずつ非等価に観測されていると帰属した。
さらにLC−MS分析(エレクトロスプレー法[ESIポジティブモード]、高分解能質量分析[ミリマス])を用いて、化合物Aの分子量を測定した。エレクトロスプレー法に従った質量分析では、分子をほとんどフラグメント化させずにイオン化して質量分析するため、分子量の情報を得ることができ、同時に高分解能質量分析することで組成式として検証することができる。分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が345.22620(C18336)であったことから、化合物Aの組成式はC18326と求められた。
実施例2
トリメチロールプロパン25.1gをトリメチロールエタン(三菱ガス化学社製)22.5gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて、釜内温度95℃〜112で脱水環化反応を行った。減圧乾燥後に得られた化合物Bは27.1g(GC純度98.2%、単離収率94%)であった。
下記に実施例2の反応スキームを示す。
実施例2で得られた化合物Bの構造は1HNMR、13CNMR、DEPT、H−HCOSY、HMQCの各種スペクトルから同定した。
13C NMRのδ25.8と30.3は、DEPT135およびHMQCスペクトルから、シクロヘキサン環の4つのメチレン基が2つずつ非等価に観測されていると帰属した。
さらにLC−MS分析を用いて、化合物Bの分子量を測定した。プロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が317.19489(C16296)であったことから、化合物Bの組成式はC16286と求められた。
実施例3
メタンスルホン酸0.26gを、パラトルエンスルホン酸1水和物(和光純薬工業社製、特級試薬)0.51gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて脱水環化反応を行った。減圧乾燥後に得られた化合物Aは30.9g(GC純度97.5%、単離収率98%)であった。
実施例4
トルエン300gを、シクロヘキサン(和光純薬工業社製、特級試薬)300gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて脱水環化反応を行った。減圧乾燥後に得られた化合物Aは31.0g(GC純度96.5%、単離収率97%)であった。
実施例5
トリメチロールプロパン25.1gを、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)12.5gとトリメチロールエタン(三菱ガス化学社製)11.2gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて、釜内温度95℃〜112で脱水環化反応を行った。減圧乾燥後の生成物は化合物Aと化合物Bと化合物Cの混合物として28.4g(GC純度96.5%、化合物A:化合物B:化合物C=44:7:49、単離収率96%但し全て化合物Cとして計算)であった。
下記に実施例5の反応スキームを示す。
実施例5で得られた化合物Cは、DART−MS分析を用いて、ミリマスを測定することによって同定した。プロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が331.21131(C17316)であったことから、化合物Cの組成式はC17306と求められた。
実施例1で得られた化合物A、実施例2で得られた化合物B、および実施例5で得られた化合物Cを含む混合物の融点を、DSCにて測定した。併せて比較例1として、スピログリコール(三菱ガス化学社製)、参考例1として、イソソルビド(東京化成工業社製、純度98%以上)、参考例2として、シクロヘキサンジオール(東京化成工業社製、シス−トランス混合物、純度99%以上)の融点をDSCにて測定した。測定結果を表1に示す。
表1の結果から、本実施形態にて得られる一般式(1)で表されるジオールは、類似のスピロ構造を有するスピログリコールよりも融点が低い傾向にあることがわかった。
実施例1で得られた化合物A、実施例2で得られた化合物Bおよび実施例5で得られた化合物Cを含む混合物の耐熱性を上述の方法に従って評価した。併せて比較例1としてスピログリコール(三菱ガス化学社製)の耐熱性も評価した。240分後の各化合物の重量減少率を表2に示す。
表2の結果から、190℃一定の条件下において240分後にはスピログリコールはほぼ消失するのに対して、本実施形態にて得られる一般式(1)で表されるジオールは、約50%の重量を保持しており、スピログリコールに比較して、顕著に高い耐熱性を有することがわかった。
実施例6
実施例1で得られた化合物A17.2gにアクリル酸13.1g(和光純薬工業社製、特級試薬)、パラトルエンスルホン酸0.54g(和光純薬工業社製、特級試薬)、ヒドロキノン59.7mg(和光純薬工業社製、特級試薬)、パラメトキシフェノール80.6mg(和光純薬工業社製、特級試薬)、トルエン19.9g(和光純薬工業社製、特級試薬)、シクロヘキサン19.9g(和光純薬工業社製、特級試薬)を加え、96℃の油浴で13時間、留出する水を抜きながら反応させた。室温に冷却後、20質量%の水酸化ナトリウム水溶液15mLで4回洗浄後、水15mLで3回洗浄した。パラメトキシフェノール16mgを加えた後、エバポレーターで濃縮し、得られた固体をヘキサン/酢酸エチル:8/1(体積比)の混合液でよく洗浄し、結晶性の化合物Dを得た。下記に実施例5の反応スキームを示す。
実施例6で得られた化合物Dの構造は1HNMR、13CNMR、DEPT、HMQCの各種スペクトルから同定した。
13C NMRのδ24.5と31.9は、DEPT135およびHMQCスペクトルから、シクロヘキサン環の4つのメチレン基が2つずつ非等価に観測されていると帰属した。
実施例6で得られた化合物Dの融点をDSCにて測定した。併せて、比較例2としてスピログリコールジアクリレート(特開昭63−268722号公報に記載の化合物)、参考例3としてイソソルビドジアクリレート(GB586141号公報に記載の化合物)、参考例4としてtrans−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(Journal of Polymer Science, Part A−1:Polymer Chemistry (1966),4, 519−28.に記載の化合物)、参考例5としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sigma−Aldrich社製)の融点を記す。
表3の結果から、本発明のジアクリレートは、類似の脂環式構造を有するスピログリコールジアクリレートよりも融点が高いことが分かった。
実施例7
1,4−シクロヘキサンジオン(東京化成工業社製、試薬)1.47gと、α、α、α−トリス(ヒドロキシメチル)トルエン(TORONTO RESEACH CHEMICALS社製)5.0gと、トルエン(和光純薬工業社製、特級試薬)100gと、パラトルエンスルホン酸1水和物(和光純薬工業社製、特級試薬)0.08gとを、300mLの丸底フラスコに収容し、常圧下で釜内の設定温度が90℃〜112℃となるように加熱して脱水環化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、水の留出が止まるまで4時間反応させた。水を除去した後の反応系内は生成物がスラリー状になっていた。反応スラリー液を25℃まで冷却したのち、生成物をろ過、苛性ソーダ水にて中和洗浄、水にて洗浄、減圧乾燥をすることで化合物E5.0gを得た(HPLC純度98.5%、単離収率86%)。
下記に実施例7の反応スキームを示す。
実施例7で得られた化合物Eの構造は1HNMR、13CNMR、DEPT、H−HCOSY、HMQCの各種スペクトルから同定した。
13C NMRのδ25.1と31.3は、DEPT135およびHMQCスペクトルから、シクロヘキサン環の4つのメチレン基が2つずつ非等価に観測されていると帰属した。
実施例7で得られた化合物Eは、DART−MS分析を用いて、ミリマスを測定することによって同定した。プロトン化された[M+H]+の質量数(分子量M+1)が441.22717(C26336)であったことから、化合物Eの組成式はC26326と求められた。
本実施形態で得られるジスピロ構造を有するジオールは、スピログリコールよりも熱安定性が高く、かつ、融点が低い傾向にあり、ハンドリング性が向上している。よって、ジオール成分を原料に用いる各種樹脂(熱可塑性樹脂)の製造において、生産効率や作業性の改善が見込まれる。また、剛直な構造を有するモノマージオールなので、得られる各種樹脂(熱可塑性樹脂)の物性向上(高硬度や耐擦性、透明性や耐熱性、耐候性、光学特性)も期待できる。よって本発明の産業上の利用可能性は大きい。

Claims (26)

  1. 下記一般式(1)で表されるジオール;
    一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す。
  2. 前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、請求項1に記載のジオール。
  3. 前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、請求項1に記載のジオール。
  4. 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオール。
  5. 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオール。
  6. 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオール。
  7. 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が、水素原子である、請求項1に記載のジオール。
  8. 下記一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体と、下記一般式(3)で表されるトリオールを脱水環化反応させることを含む、ジオールの製造方法;
    一般式(2)中、R4は、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表す;
    一般式(3)中、R5は、炭化水素基を表す。
  9. 前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、請求項8に記載のジオールの製造方法。
  10. 前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、請求項8に記載のジオールの製造方法。
  11. 前記脱水環化反応を酸触媒の存在下で行う、請求項8〜10のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
  12. 前記酸触媒が、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸の少なくとも1種を含む、請求項11に記載のジオールの製造方法。
  13. 前記ジオールの製造方法において、脱水環化反応により生成した水を、反応系から除去することを含む、請求項8〜12のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
  14. 前記脱水環化反応により生成した水の除去は、有機溶媒との共沸により行う、請求項13に記載のジオールの製造方法。
  15. 前記有機溶媒が、トルエンおよびシクロヘキサンの少なくとも一方を含む、請求項14に記載のジオールの製造方法。
  16. 前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびトリス(ヒドロキシメチル)トルエンの少なくとも1種である、請求項8〜15のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
  17. 前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンの少なくとも1種である、請求項8〜15のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
  18. 前記ジオールが、請求項1〜7のいずれか1項に記載のジオールである、請求項8〜17のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
  19. 下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレート;
    一般式(4)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭化水素基を表し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含む基、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基を表し、R6は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
  20. 前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、請求項19に記載のジ(メタ)アクリレート。
  21. 前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、請求項19に記載のジ(メタ)アクリレート。
  22. 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
  23. 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
  24. 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
  25. 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が水素原子である、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
  26. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のジオールを、(メタ)アクリル酸と脱水縮合反応させることを含む、ジ(メタ)アクリレートの製造方法。
JP2018546273A 2016-10-18 2017-10-11 ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法 Active JP7021640B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016204125 2016-10-18
JP2016204125 2016-10-18
PCT/JP2017/036844 WO2018074305A1 (ja) 2016-10-18 2017-10-11 ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018074305A1 true JPWO2018074305A1 (ja) 2019-09-05
JP7021640B2 JP7021640B2 (ja) 2022-02-17

Family

ID=62018563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018546273A Active JP7021640B2 (ja) 2016-10-18 2017-10-11 ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10633391B2 (ja)
EP (1) EP3530664B1 (ja)
JP (1) JP7021640B2 (ja)
KR (1) KR102388871B1 (ja)
CN (1) CN110167945A (ja)
TW (1) TWI731180B (ja)
WO (1) WO2018074305A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6943018B2 (ja) * 2017-05-26 2021-09-29 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエステル樹脂、成形品およびポリエステル樹脂の製造方法
JP7205493B2 (ja) * 2017-12-15 2023-01-17 三菱瓦斯化学株式会社 ジオールの製造方法
KR102652058B1 (ko) * 2018-03-28 2024-03-27 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 폴리카보네이트 및 성형체
CN111377939A (zh) * 2020-03-02 2020-07-07 上海大学 螺二醇双烯酸酯及其制备方法
JP7436927B2 (ja) 2020-10-27 2024-02-22 新日本理化株式会社 環式ジオール化合物、該化合物の製造方法及び該化合物の用途
JPWO2022091996A1 (ja) * 2020-10-27 2022-05-05
WO2023074439A1 (ja) * 2021-10-29 2023-05-04 帝人株式会社 熱可塑性樹脂および光学部材

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6072883A (ja) * 1983-09-29 1985-04-24 Toagosei Chem Ind Co Ltd 環状アクリル酸エステル
JP2006083172A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Dongjin Semichem Co Ltd スピロ環状ケタール基を有するフォトレジスト用モノマー、ポリマーおよびこれを含むフォトレジスト組成物
JP2008297327A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Fujifilm Corp 液晶組成物、液晶素子及びスピロ環化合物
CN102020627A (zh) * 2009-09-23 2011-04-20 天津市化学试剂研究所 一种三羟甲基丙烷缩酮丙烯酸酯的制备方法
JP2016013986A (ja) * 2014-07-02 2016-01-28 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエーテルポリオール及びその製造方法
WO2016052476A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエーテルジオール及びその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB586141A (en) 1944-05-30 1947-03-07 Walter Norman Haworth Preparation of acrylic and methacrylic resinoid derivatives
JPS59148776A (ja) 1983-02-14 1984-08-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 多価アルコ−ルの製造方法
JPS63268722A (ja) 1987-04-28 1988-11-07 Dainippon Ink & Chem Inc 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2000044570A (ja) 1998-07-27 2000-02-15 Mitsubishi Gas Chem Co Inc スピログリコールの製造方法
JP4604562B2 (ja) 2003-06-18 2011-01-05 三菱瓦斯化学株式会社 スピログリコールの製造方法
JP2005343837A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Fuji Photo Film Co Ltd 1,3−ジオキソラン−4,6−ジオン化合物の製造方法
KR101202402B1 (ko) * 2004-09-15 2012-11-16 주식회사 동진쎄미켐 스피로 환형 케탈기를 가지는 포토레지스트용 모노머, 폴리머 및 이를 포함하는 포토레지스트 조성물
KR20170076732A (ko) 2014-10-22 2017-07-04 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 트리아크릴레이트 화합물 및 그 제조 방법 그리고 조성물

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6072883A (ja) * 1983-09-29 1985-04-24 Toagosei Chem Ind Co Ltd 環状アクリル酸エステル
JP2006083172A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Dongjin Semichem Co Ltd スピロ環状ケタール基を有するフォトレジスト用モノマー、ポリマーおよびこれを含むフォトレジスト組成物
JP2008297327A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Fujifilm Corp 液晶組成物、液晶素子及びスピロ環化合物
CN102020627A (zh) * 2009-09-23 2011-04-20 天津市化学试剂研究所 一种三羟甲基丙烷缩酮丙烯酸酯的制备方法
JP2016013986A (ja) * 2014-07-02 2016-01-28 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエーテルポリオール及びその製造方法
WO2016052476A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエーテルジオール及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3530664B1 (en) 2020-11-25
US20190256524A1 (en) 2019-08-22
US10633391B2 (en) 2020-04-28
EP3530664A1 (en) 2019-08-28
TW201827440A (zh) 2018-08-01
EP3530664A4 (en) 2019-08-28
KR102388871B1 (ko) 2022-04-20
WO2018074305A1 (ja) 2018-04-26
KR20190099193A (ko) 2019-08-26
JP7021640B2 (ja) 2022-02-17
TWI731180B (zh) 2021-06-21
CN110167945A (zh) 2019-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2018074305A1 (ja) ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法
JP6565687B2 (ja) シクロブタンテトラカルボン酸誘導体の製造方法
JP6565686B2 (ja) シクロブタンテトラカルボン酸誘導体の製造方法
KR102492874B1 (ko) 시클로부탄테트라카르복실산 유도체의 제조 방법
KR102656753B1 (ko) 디올의 제조 방법
JP5003180B2 (ja) グリセリルモノ(メタ)アクリレートの製造法
WO2014180921A1 (en) Process of production of dehydrolinalyl acetate (ii)
WO2021046010A1 (en) A process to make aromatic enol ethers and olefin isomers of aromatic enol ethers
JP5261169B2 (ja) 1,4−ビス(ジクロロメチル)テトラフルオロベンゼンの製造方法
JP2008201730A (ja) 芳香族化合物の製造方法
WO2010087394A1 (ja) ジオキサン構造を有するアルコール化合物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190405

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220118

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7021640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151