JPWO2018074305A1 - ジオール、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、熱安定性に優れたジオール、ならびに、ジオールの製造方法、ジ(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレートの製造方法を提供することを目的とするものである。
<1>下記一般式(1)で表されるジオール;
<2>前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、<1>に記載のジオール。
<3>前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、<1>に記載のジオール。
<4>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のジオール。
<5>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のジオール。
<6>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のジオール。
<7>前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が、水素原子である、<1>に記載のジオール。
<8>下記一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体と、下記一般式(3)で表されるトリオールを脱水環化反応させることを含む、ジオールの製造方法;
<9>前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、<8>に記載のジオールの製造方法。
<10>前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、<8>に記載のジオールの製造方法。
<11>前記脱水環化反応を酸触媒の存在下で行う、<8>〜<10>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<12>前記酸触媒が、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸の少なくとも1種を含む、<11>に記載のジオールの製造方法。
<13>前記ジオールの製造方法において、脱水環化反応により生成した水を、反応系から除去することを含む、<8>〜<12>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<14>前記脱水環化反応により生成した水の除去は、有機溶媒との共沸により行う、<13>に記載のジオールの製造方法。
<15>前記有機溶媒が、トルエンおよびシクロヘキサンの少なくとも一方を含む、<14>に記載のジオールの製造方法。
<16>前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびトリス(ヒドロキシメチル)トルエンの少なくとも1種である、<8>〜<15>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<17>前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンの少なくとも1種である、<8>〜<15>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<18>前記ジオールが、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のジオールである、<8>〜<17>のいずれか1つに記載のジオールの製造方法。
<19>下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレート;
<20>前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、<19>に記載のジ(メタ)アクリレート。
<21>前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、<19>に記載のジ(メタ)アクリレート。
<22>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<23>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<24>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<25>前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が水素原子である、<19>〜<21>のいずれか1つに記載のジ(メタ)アクリレート。
<26><1>〜<7>のいずれか1つに記載のジオールを、(メタ)アクリル酸と脱水縮合反応させることを含む、ジ(メタ)アクリレートの製造方法。
(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。(メタ)アクリル酸等についても同様である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
このような構成のジオールを採用することにより、熱安定性に優れたジオールが得られる。さらに、一般式(1)で表されるジオールは、スピログリコールよりも、通常、低い融点を有する傾向にあり、ハンドリング性が高い。さらに、一般式(1)で表される構造とすることにより、剛直な材料が得られる。
本実施形態における一般式(1)で表されるジオールの融点は、例えば、220℃以下とすることができ、さらには218℃以下、200℃以下、180℃以下とすることもできる。一般式(1)で表されるジオールの融点の下限値は、特に定めるものではないが、例えば、150℃以上、さらには160℃以上であっても十分にハンドリング性に優れる。
また、本実施形態の一般式(1)で表されるジオールは、2つの水酸基のβ位が水素原子を持たないネオ構造であり、β脱離によるオレフィンの生成が本質的に起こりにくいという利点もある。
但し、R1およびR2としての炭化水素基は、エーテル結合を含まない。また、R1およびR2の実施形態として、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す形態も挙げられる。
炭素数1〜7の直鎖のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
炭素数3〜7の分岐したアルキル基は、炭素数3〜5の分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数3または4の分岐したアルキル基であることがより好ましく、炭素数3の分岐したアルキル基であることがさらに好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基がさらに好ましく、フェニル基が一層好ましい。
これらの中ではR1とR2が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。また、R1とR2の少なくとも一方がフェニル基である態様も好ましい。また、製造方法が特に簡便になるという観点から、R1とR2が同一であることが好ましく、R1とR2が同一であって、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。また、R1とR2の両方がフェニル基である態様も好ましい。
ヘテロ原子を含む基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が例示される。
ヘテロ原子を含む基は、アルコキシ基、アルキルチオエーテル基、アミノ基、ニトロ基が好ましい例として挙げられる。また、アルコキシ基またはアルキルチオエーテル基を構成するアルキル鎖は、炭素数1〜6の直鎖のアルキル鎖が好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル鎖がより好ましい。
炭素数1〜6の直鎖のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。
炭素数3〜6の分岐したアルキル基は、炭素数3〜5の分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数3または4の分岐したアルキル基であることがより好ましく、炭素数3の分岐したアルキル基であることがさらに好ましい。
アリール基を含み、炭素数が6〜12である基は、フェニル基、フェニル基で置換されたアルキル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。フェニル基で置換されたアルキル基を構成するアルキル基の炭素数は、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。
これらの中ではR3は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基であるとより好ましい。また、工業的に入手が容易であるという観点から、R3が水素原子である場合が特に好ましい。
以下に、本実施形態で好ましく用いられるジオールを示す。本実施形態がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。尚、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を表す。
炭化水素基は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す。一実施形態としては、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す。但し、R5としての炭化水素基は、エーテル結合を含まない。
本実施形態では、酸触媒が、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸およびリン酸の少なくとも1種を含むことが好ましく、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸および硫酸の少なくとも1種を含むことがより好ましく、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸の少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。酸触媒は2種以上を併用してもよい。
酸触媒の使用量としては特に限定されないが、一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体の量に対してモル基準で0.00001〜0.1当量が好ましい。反応時間の観点からは0.00001当量以上がより好ましく、0.0001当量以上がさらに好ましく、副生物の生成抑制や触媒除去の観点からは0.1当量以下がより好ましく、0.05当量以下がさらに好ましい。
すなわち、本実施形態のジオールの製造方法において、脱水環化反応により生成した水を、反応系から除去することを含むことが好ましい。水を反応系内から除去する方法としては、特に限定されず、脱水反応によって生成する水を反応系内から除去する方法として一般的に知られている方法を採用することができる。本実施形態では、脱水環化反応により生成した水の除去は、上述の通り、有機溶媒との共沸により行うことが好ましいが、前記水の除去に際し、原料由来の水も一緒に除去することが好ましい。
有機溶媒との共沸を行う場合、有機溶媒と水とを共沸留分として留去したのち、2層分離した水のみを上記系内から除去する方法が例示される。水と共沸混合物を形成し得る有機溶媒を用いる場合の水を除去する反応温度は、水と有機溶媒が共沸する温度であれば特に限定されない。
ここで、「非水溶性または難水溶性」とは、室温における水に対する溶解度が2g/L以下である性質をいう。
本実施形態の製造方法によって得られるジオールは、中和、ろ過、洗浄、濃縮等の適当な後処理を行ったのち、公知の精製方法によって単離することができる。具体的には晶析、蒸留、吸着処理、カラムクロマトグラフィー、分取HPLC(液体クロマトグラフィー)、分取ガスクロマトグラフィー等があげられる。また、次反応の用途によっては、本実施形態の製造方法における後処理のみで、特に単離操作を行うことなく未精製のまま使用することもできる。
(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートであってもよいし、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ有するジ(メタ)アクリレートであってもよい。
本実施形態のジ(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記炭化水素基の実施形態の一例は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基であり、他の実施形態の一例は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基である。
一般式(4)におけるR3は、一般式(1)におけるR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)におけるR6は、水素原子が好ましい。
一般式(1)で表されるジオールと(メタ)アクリル酸の脱水縮合反応としては、酸触媒、有機溶媒および重合禁止剤を用い、公知の手法で行うことができる。
脱水縮合反応に用いることのできる酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、三フッ化ホウ素およびカチオン型イオン交換樹脂等公知のものから任意に選択できる。
触媒は2種以上を同時に用いてもよい。触媒の使用量はジオール1モルに対して、0.1〜10モル%であることが好ましく、1〜5モル%であることがより好ましい。
また重合禁止剤は2種以上を同時に使用してもよい。重合禁止剤の使用量は、(メタ)アクリル酸に対して、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、および(メタ)アクリル酸n−ブチルなどの公知の(メタ)アクリル酸エステル使用することができる。特に、生成するアルコールの留去が容易なことからエステル交換反応に用いる(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
また、反応で生じる低級アルコールを反応系中から除くことで反応を速やかに進行させることができるため、反応器としては蒸留塔を備えたものを用い、低級アルコールを留去しながら反応を行うことが好適である。
一方、エステル交換反応での公知の塩基触媒としては、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドなどを用いることができる。
触媒は支障がない範囲で適宜、2種以上を同時に用いてもよい。
重合禁止剤は、一般式(1)で表されるジオールと(メタ)アクリル酸の脱水縮合反応で述べた重合禁止剤が好ましく用いられる。
(1)反応収率および生成物の純度
反応収率および生成物の純度はガスクロマトグラフィー(装置名:Agilent 6850、アジレント社製)もしくは高速液体クロマトグラフィー(装置名:Chromaster、日立ハイテクサイエンス社製)にて、内部標準法で定量した。
(2)核磁気共鳴装置(NMR)
化合物の構造決定にはNMRを使用した(日本電子社製、型式:JNM−ECA500)。使用した重溶媒および測定周波数は各化合物の帰属中に記載した。
化合物の高分解能質量(ミリマス、MS)分析は、LC−MSのダイレクトインジェクション法、もしくはDART(Direct Analysis in Real Time)法にて行った。
HPLC(High-performance liquid chromatography)装置:U3000(Thermo Fisher Scientific社製)
DART装置:DART−Os(エーエムアール社製)
MS装置:LTQ Orbitrap Discovery(Thermo Fisher Scientific社製)
HPLC使用時の測定条件
カラム:なし
移動相:0.1質量%のギ酸水溶液:アセトニトリル(体積比50:50)の混合液
流速:0.2mL/分
試料濃度:100質量ppm
注入量:10μL
MS測定条件(LC−MSダイレクトインジェクション時)
イオン化法:Positive ESI
キャピラリ−温度:300℃
キャピラリ−電圧:22V
チューブレンズ電圧:100V
DART使用時の測定条件
イオン源温度:400℃
MS測定条件(DART時)
イオン化法:DART
キャピラリ−温度:200℃
キャピラリ−電圧:35V
チューブレンズ電圧:100V
化合物の融点は、示差走査型熱量計(型式:DSC7020、日立ハイテクサイエンス社製)を用い、試料約10mgをアルミ製の非密封容器に入れ、窒素ガス気流中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
化合物の耐熱性は、リガク社製Thermo Plus TG8120を使用した。150mL/分の窒素気流中、10℃/分の昇温速度で190℃まで昇温し、190℃一定条件での重量減少率を測定した。
1,4−シクロヘキサンジオン(東京化成工業社製、試薬)10.0gと、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)25.1gと、トルエン(和光純薬工業社製、特級試薬)300gと、メタンスルホン酸(東京化成工業社製、試薬)0.26gとを、300mLの丸底フラスコに収容し、常圧下で釜内温度が90℃〜112℃となるように加熱して脱水環化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、水の留出が止まるまで10時間反応させた。水を除去した後の反応系内は生成物がスラリー状になっていた。反応スラリー液を25℃まで冷却したのち、生成物をろ過、苛性ソーダ水にて中和洗浄、水にて洗浄、減圧乾燥をすることで化合物A30.3gを得た(GC純度98.4%、単離収率97%)。
下記に実施例1の反応スキームを示す。
トリメチロールプロパン25.1gをトリメチロールエタン(三菱ガス化学社製)22.5gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて、釜内温度95℃〜112で脱水環化反応を行った。減圧乾燥後に得られた化合物Bは27.1g(GC純度98.2%、単離収率94%)であった。
下記に実施例2の反応スキームを示す。
メタンスルホン酸0.26gを、パラトルエンスルホン酸1水和物(和光純薬工業社製、特級試薬)0.51gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて脱水環化反応を行った。減圧乾燥後に得られた化合物Aは30.9g(GC純度97.5%、単離収率98%)であった。
トルエン300gを、シクロヘキサン(和光純薬工業社製、特級試薬)300gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて脱水環化反応を行った。減圧乾燥後に得られた化合物Aは31.0g(GC純度96.5%、単離収率97%)であった。
トリメチロールプロパン25.1gを、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製)12.5gとトリメチロールエタン(三菱ガス化学社製)11.2gに変更した以外は実施例1と同様の条件にて、釜内温度95℃〜112で脱水環化反応を行った。減圧乾燥後の生成物は化合物Aと化合物Bと化合物Cの混合物として28.4g(GC純度96.5%、化合物A:化合物B:化合物C=44:7:49、単離収率96%但し全て化合物Cとして計算)であった。
下記に実施例5の反応スキームを示す。
実施例1で得られた化合物A17.2gにアクリル酸13.1g(和光純薬工業社製、特級試薬)、パラトルエンスルホン酸0.54g(和光純薬工業社製、特級試薬)、ヒドロキノン59.7mg(和光純薬工業社製、特級試薬)、パラメトキシフェノール80.6mg(和光純薬工業社製、特級試薬)、トルエン19.9g(和光純薬工業社製、特級試薬)、シクロヘキサン19.9g(和光純薬工業社製、特級試薬)を加え、96℃の油浴で13時間、留出する水を抜きながら反応させた。室温に冷却後、20質量%の水酸化ナトリウム水溶液15mLで4回洗浄後、水15mLで3回洗浄した。パラメトキシフェノール16mgを加えた後、エバポレーターで濃縮し、得られた固体をヘキサン/酢酸エチル:8/1(体積比)の混合液でよく洗浄し、結晶性の化合物Dを得た。下記に実施例5の反応スキームを示す。
1,4−シクロヘキサンジオン(東京化成工業社製、試薬)1.47gと、α、α、α−トリス(ヒドロキシメチル)トルエン(TORONTO RESEACH CHEMICALS社製)5.0gと、トルエン(和光純薬工業社製、特級試薬)100gと、パラトルエンスルホン酸1水和物(和光純薬工業社製、特級試薬)0.08gとを、300mLの丸底フラスコに収容し、常圧下で釜内の設定温度が90℃〜112℃となるように加熱して脱水環化反応を行った。その温度にて、反応によって生成した水をトルエンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系内から系外へ除去して、水の留出が止まるまで4時間反応させた。水を除去した後の反応系内は生成物がスラリー状になっていた。反応スラリー液を25℃まで冷却したのち、生成物をろ過、苛性ソーダ水にて中和洗浄、水にて洗浄、減圧乾燥をすることで化合物E5.0gを得た(HPLC純度98.5%、単離収率86%)。
下記に実施例7の反応スキームを示す。
Claims (26)
- 下記一般式(1)で表されるジオール;
- 前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、請求項1に記載のジオール。
- 前記一般式(1)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、請求項1に記載のジオール。
- 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオール。
- 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオール。
- 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオール。
- 前記一般式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が、水素原子である、請求項1に記載のジオール。
- 下記一般式(2)で表される1,4−シクロヘキサンジオン誘導体と、下記一般式(3)で表されるトリオールを脱水環化反応させることを含む、ジオールの製造方法;
- 前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、請求項8に記載のジオールの製造方法。
- 前記一般式(3)中、R5は、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、請求項8に記載のジオールの製造方法。
- 前記脱水環化反応を酸触媒の存在下で行う、請求項8〜10のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
- 前記酸触媒が、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸の少なくとも1種を含む、請求項11に記載のジオールの製造方法。
- 前記ジオールの製造方法において、脱水環化反応により生成した水を、反応系から除去することを含む、請求項8〜12のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
- 前記脱水環化反応により生成した水の除去は、有機溶媒との共沸により行う、請求項13に記載のジオールの製造方法。
- 前記有機溶媒が、トルエンおよびシクロヘキサンの少なくとも一方を含む、請求項14に記載のジオールの製造方法。
- 前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびトリス(ヒドロキシメチル)トルエンの少なくとも1種である、請求項8〜15のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
- 前記一般式(2)で表される化合物が、1,4−シクロヘキサンジオンであり、前記一般式(3)で表される化合物が、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンの少なくとも1種である、請求項8〜15のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
- 前記ジオールが、請求項1〜7のいずれか1項に記載のジオールである、請求項8〜17のいずれか1項に記載のジオールの製造方法。
- 下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリレート;
- 前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、炭素数3〜6の分岐したアルキル基または、アリール基を含み、炭素数が6〜12である基である、請求項19に記載のジ(メタ)アクリレート。
- 前記一般式(4)におけるR3が、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基である、請求項19に記載のジ(メタ)アクリレート。
- 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基、炭素数3〜7の分岐したアルキル基またはアリール基を表す、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
- 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基または炭素数3〜7の分岐したアルキル基を表す、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
- 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、炭素数1〜7の直鎖のアルキル基またはアリール基である、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
- 前記一般式(4)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に、エチル基、メチル基またはフェニル基であり、R3が水素原子である、請求項19〜21のいずれか1項に記載のジ(メタ)アクリレート。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のジオールを、(メタ)アクリル酸と脱水縮合反応させることを含む、ジ(メタ)アクリレートの製造方法。
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