JPWO2018074137A1 - 反射防止フィルム、偏光板、画像表示装置、反射防止物品、積層体の製造方法、および反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、特許文献1に記載の反射防止フィルムでは、曲率半径2mmの耐屈曲性、耐擦傷性および透明性が得られることが記載されているが、1〜2%程度以下の低反射率は実現できていない。また、特許文献2に記載の反射防止構造体では、低反射率が得られ、微細突起の破断伸びが向上していることが記載されているが、反射防止構造体は基板上に形成され、基板を含めた耐屈曲性については記載されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い耐屈曲性、および透明性を有し、屈曲の前後において反射率の変動を抑制することができる反射防止フィルムを提供することを目的とする。また、そのような反射防止フィルムを用いた偏光板、反射防止物品、画像表示装置を提供することをも目的とする。さらには、そのような反射防止フィルム、およびその反射防止フィルムを含む積層体を簡便に得るための製造方法を提供することを目的とする。
微粒子は、平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、かつ硬度が400MPa以上であり、
バインダーは、ポリアクリレートおよびポリウレタンアクリレートの少なくとも一方を含み、
反射防止フィルムの伸び率は10%以上であることが好ましい。
基材と基材上に設けられた粘着剤層とを有してなる粘着フィルムの粘着剤層と、第一の層の支持体とは反対側の表面とを貼り合わせる第二の工程と、
微粒子が、第一の層および粘着剤層を合わせた層中に埋没し、かつ、第一の層の支持体側の界面とは反対側の界面から微粒子が突出するように、第一の層と粘着剤層との界面の位置を支持体側に下げる第三の工程と、
微粒子が、第一の層および粘着剤層を合わせた層中に埋没した状態で第一の層を硬化する第四の工程と、をこの順に有し、
粘着フィルムを剥がした後の伸び率が10%以上の積層体を製造する方法である。
基材と基材上に設けられた粘着剤層とを有してなる粘着フィルムの粘着剤層と、第一の層の支持体とは反対側の表面とを貼り合わせる第二の工程と、
微粒子が、第一の層および粘着剤層を合わせた層中に埋没し、かつ、第一の層の支持体側の界面とは反対側の界面から微粒子が突出するように、第一の層と粘着剤層との界面の位置を支持体側に下げる第三の工程と、
微粒子が、第一の層および粘着剤層を合わせた層中に埋没した状態で第一の層を硬化する第四の工程と、
粘着フィルムを剥がす第五の工程と、
をこの順に有し、伸び率10%以上の反射防止フィルムを製造する方法である。
本発明の偏光板、画像表示装置、および反射防止物品は、本発明の反射防止フィルムを備えているため、高い耐屈曲性および透明性を有し、屈曲の前後で反射率の変動が良好に抑制されている。
また、本発明の積層体の製造方法、および反射防止フィルムの製造方法によれば、可視光の波長領域において優れた反射防止機能を有し、かつ、高い耐屈曲性および透明性を有する反射防止フィルム、および反射防止フィルムを含む積層体を簡便に得ることができる。
[反射防止フィルム]
本発明の反射防止フィルムの各構成要素の詳細について、図1を参照しながら説明する。
本発明の反射防止フィルム10は、図1に示すように、透過率80%以上の支持体11上に、反射防止層12が積層され、90°異なる二軸方向にR=0.8mmの外曲げまたは内曲げした際の変形前後の反射率差が1.0%以内である。
本発明の反射防止フィルムは、低反射を維持しながら、高い耐屈曲性および透明性を有し、屈曲の前後において反射率の変動を抑制することができる。
さらに、微粒子として、硬度が400MPa以上のものを用いると、反射防止フィルムの耐擦傷性が向上するため好ましい。
上記構成では、微粒子として、400MPa以上の硬度を有するものを用いているため、耐擦傷性にも優れる。
本発明の反射防止フィルムは、伸び率は10%以上であることが好ましく、反射防止層のバインダー、および支持体を後述する構成とすることにより作製することができる。伸び率は、より好ましい実施形態では20%以上、さらには45%以上、最も好ましい形態では100%である。
ここで、本明細書における伸び率は、JIS K5600に準拠して、反射防止フィルムを測定方向の長さが100mm、幅が10mmとなるように切り出し、25℃60%RHの環境に2時間放置した直後、インテスコ(株)製全自動引張試験機を用い、25℃60%RH雰囲気中、チャック間長さ100mm、引張速度10%/分で延伸させた際の破断伸度を伸び率(%)とする。
本発明の反射防止フィルムは、反射率1.3%以下が好ましい。これにより反射防止機能に優れるものとすることができる。反射率は、より好ましい実施形態では1.1%以下、さらに好ましい形態では0.9%以下である。
ここで、本明細書において、反射率とは、積分反射率を示す。積分反射率は以下の方法による測定値とする。
メチルイソブチルケトン(MIBK)で洗浄する前後の反射防止フィルムにおいて、フィルムの裏面(基材側)をサンドペーパーで粗面化した後に油性黒インキ(補填用マジックインキ:寺西化学)を塗り、裏面反射をなくした状態で、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°に測定した積分反射率とする。
さらに、本発明の反射フィルムは異なる二軸方向にR=0.8mmの外曲げまたは内曲げした際の、変形前後の反射率差が1.0%以内である。すなわち、本発明の反射フィルムは、90°異なる二軸方向にR=0.8mmの外曲げまたは内曲げしても、支持体および反射防止層のいずれにもクラックが入らず、低反射率を維持することができる。より好ましい実施形態では、反射率差は0.5%以内とすることができる。
ここで、異なる二軸方向とは、フィルム平面方向の任意の一軸方向と、任意の一軸方向に対して90°交差する軸方向とを意味する。
なお、反射率差は、変形後の反射率−変形前の反射率により求めた値とする。
また、「外曲げ」とは、反射防止層側を外側にして曲げる場合を意味し、「内曲げ」は反射防止層を内側にして曲げることを意味する。
この場合、反射率差は、外曲げおよび内側の少なくとも一方で1.0%以内であることを意味する。外曲げの場合に反射率差が1.0%以内であることがより好ましい。外曲げは、反射防止層を有する側を曲げるため、クラックが入り易いが、本発明の反射防止フィルムは、60°の三軸方向に外曲げした場合であっても、変形前後の反射率差を1.0%以内、さらには0.5%以内とすることができる。
本発明の反射防止フィルムは、耐擦傷性試験で、擦り前後での反射率差が0.2%以内であることが好ましく、この範囲であると耐擦傷性に優れる。より好ましい実施形態では0.2%以下であり、さらに好ましい実施形態では0.1%以内である。
本明細書における耐擦傷性は、日本スチールウール株式会社製、品番B−204、等級(番手)#0000のスチールウールをラビングテスターの1cm角の先端部に巻いて、反射防止層の、支持体とは反対側の表面を50g/cm2の荷重で擦ったとき、擦った部分と擦っていない部分との反射率差が0.2%以内であるか否かを判断基準とする。
<バインダー>
伸び率が10%以上の反射防止フィルムを実現するためには、少なくとも反射防止層が10%以上の伸び率を有していればよい。反射防止層は、バインダーと微粒子とを含み、延伸した場合に、バインダーの光学膜厚の変化が最も反射防止フィルムの反射率に影響を及ぼす。したがって、バインダーの伸び率が少なくとも10%以上であることが好ましい。このようなバインダーとしては、スペーサーあるいはゴム状構造を有するポリアクリレートまたはポリウレタンアクリレートが挙げられ、その一方のみ含んでも両方含んでもよい。
またゴム構造とは、高分子内に重合性基を有するポリマーである。重合性基が高分子間を架橋することによって硬化物はゴム弾性を有する。重合性基としては、例えば、不飽和重合性基が好ましく、ビニル基を有することがより好ましい。
スペーサーあるいはゴム状構造を有する(メタ)アクリロイルの市販品としては、BAC−45(ポリブタジエン末端ジアクリレート,破断伸度100%,大阪有機化学工業株式会社製)、ハイドランUV−100A(水溶性アクリル樹脂,破断伸度45%,大日本インキ化学工業株式会社製)が好ましい。
微粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。金属酸化物粒子としては、シリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、五酸化アンチモン粒子などが挙げられるが、多くのバインダーと屈折率が近いためヘイズを発生しにくく、かつモスアイ構造が形成し易い観点からシリカ粒子が好ましい。シリカ粒子については、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよい。微粒子の形状は、球形が最も好ましいが、不定形等の球形以外であっても差し支えない。また、微粒子は、1種のみ使用してもよいし、平均一次粒径の異なる2種以上の粒子を用いてもよい。
また高硬度の観点から焼成シリカ粒子であることが特に好ましい。
焼成シリカ粒子を製造する原料のシリコン化合物としては特に限定されないが、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロシラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。上記例示のシラン化合物のうち、アルコキシシラン化合物が、より入手し易く、かつ、得られる焼成シリカ粒子に不純物としてハロゲン原子が含まれることが無いので特に好ましい。本発明にかかる焼成シリカ粒子の好ましい形態としては、ハロゲン原子の含有量が実質的に0%であり、ハロゲン原子が検出されないことが好ましい。
焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、1000℃〜1200℃がより好ましい。
反射防止フィルムの表面が耐擦傷性を有するためには、微粒子の硬度は、400MPa以上であることが好ましく、450MPa以上であることがより好ましく、550MPa以上であることがさらに好ましい。微粒子の押し込み硬度が400MPa以上であるとモスアイ構造の厚み方向の圧力に対する耐久性が高くなるため好ましい。また、脆くて割れやすくならないようにするために微粒子の押し込み硬度は1000MPa以下であることが好ましい。
本発明においても、基板上に微粒子を並べ、測定値に影響を及ぼさない様に微量の硬化性樹脂を用いて粒子同士を結着・固定させた試料を作製し、その試料を圧子による測定方法を用いて微粒子の押し込み硬度を求める。
微粒子の平均一次粒径は、150nm以上250nm以下である。220nm以下が好ましく、190nm以下がより好ましい。
<<支持体>>
<透過率>
本発明の反射防止フィルムに用いる支持体の透過率は、80%以上である。より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。80%以上の透過率であることによって、本発明の反射防止フィルムを用いたディスプレイ全体の透過率を高くすることができ、より輝度を高く、消費電力のより少ないディスプレイを設計することができる。また本発明の反射防止フィルムを用いた反射防止物品全体の透過率も高くすることができ、内部物品の視認性が向上する。
支持体の厚さは60μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、25μm以下であることがさらに好ましい。支持体の厚みが薄くなるほど、折れ曲げ時の表面と裏面の曲率差が小さくなり、クラック等が発生し難くなり、複数回の折れ曲げでも、基材の破断が生じなくなるため、好ましい。
本発明の反射防止フィルムの支持体には、ポリマー樹脂と、下記式(1)を満たす柔軟化素材とを含むことが好ましい。
N(10)≧1.1×N(0)・・・式(1)
ここでN(10)は、ポリマー樹脂100質量部に対して柔軟化素材を10質量部含む支持体の耐屈曲回数であり、N(0)は、ポリマー樹脂のみからなる支持体の耐屈曲回数である。
支持体の伸び率は、20%以上であることが好ましい。この場合の伸び率は、上記反射防止フィルムの伸び率の測定方法を用いて、支持体単独で測定した値を意味する。
本発明の反射防止フィルムの支持体は、上記のポリマー樹脂をさらに柔軟化する素材を含有してもよい。柔軟化素材としては、ゴム質弾性体、脆性改良剤、可塑剤、スライドリングポリマー等を用いることができる。本発明における柔軟化素材とは、耐屈曲回数を上記の式(1)を満たすように、上記ポリマー樹脂の耐屈曲回数を向上させるものとする。
本発明においては、反射防止フィルムに柔軟性を与えるため、支持体にゴム質弾性体を含んでもよい。本発明においてゴム質弾性体とは、JIS K6200におけるゴムの定義に含まれる材料であるとともに、ポリマー樹脂と混合した際に、上記の式(1)を満たす素材をいう。また、ゴム質弾性は単独でも柔軟性を持つことから、本発明においては、ポリマー樹脂と混合せずに単独で支持体として用いてもよい。
「芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合」とは、炭素−炭素二重結合のうち、芳香環に含まれるものを除いたものである。ゴム質弾性体としては、重合体であることが好ましく、主鎖に芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有することがより好ましく、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を含有することがさらに好ましい。
Ra1は水素原子であることが好ましい。
本発明では、溶液製膜法を用いて支持体を製造することが好ましいが、支持体を形成する組成物に含有されるゴム質弾性体が、芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有することにより、溶液への溶解性および分散性が優れたものとなり、得られるフィルムのヘイズ(特にフィルムの内部ヘイズ)を低下させることができる。
ゴム質弾性体としてコア−シェル構造を有する粒子(コア−シェル粒子)を用いることができる。コア−シェル粒子は、種々のポリマーの2種類(コアと1つのシェル)または3種類以上(コアと、2つ以上のシェル)の交互層を有する。コア−シェル粒子は、個々の層が、異なるガラス転移温度(Tg)のポリマーから構成されていることが好ましい。
ガラス転移温度の低いポリマーを、コアとなるゴム相と称し、ガラス転移温度の高いポリマーを、シェルとなる硬質相(hard phase)と称することとする。
コア−シェル粒子は、例えば、エマルション重合により製造することができる。コア−シェル粒子の形とサイズが、ブレンド中に変化しないように、1種以上の層を製造時に化学的に架橋させてもよい。
架橋型のコア−シェル粒子を用いることにより、製膜時に粒径が変化することがないため、支持体中に存在するコア−シェル粒子の粒子径制御が行いやすくなる。
架橋したゴム相に使用できる未架橋のベース材料は、そのガラス転移温度が好ましくは0℃未満、より好ましくは−20℃未満、特に好ましくは−40℃未満のポリマーである。
コア−シェル粒子の硬質相で使用することができるポリマーは、ホモまたはコポリマー類である。本明細書中、コポリマー類は、2種以上のモノマーから構成されていてもよい。好適なホモおよびコポリマーに共通する特徴は、50℃以上のガラス転移温度である。
硬質相用の未架橋ベース材料であるポリマーは、50℃以上、好ましくは80℃以上、特に好ましくは100℃以上のガラス転移温度を有する。
なお、コア−シェル粒子の形態としては、ブタジエンをコアとし、スチレンおよびメチルメタクリレートの少なくとも一方(より好ましくはスチレン比率が10モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上)をシェルとするコア−シェル粒子(MBS)を用いることが好ましい。
本発明では、ゴム質弾性体としてゴム質重合体を用いることもできる。ゴム質重合体は、ガラス転移温度が40℃以下の重合体である。ゴム質重合体にはゴムや熱可塑性エラストマーが含まれる。ブロック共重合体のごとくガラス転移温度が2点以上ある場合は、最も低いガラス転移温度が40℃以下であればゴム質重合体として用いることができる。ゴム質重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常5〜300である。
なお、ゴム質重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)を用いることが好ましい。
ゴム質弾性体の粒径としては、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜300nmであり、さらに好ましくは50nm〜100nmである。
ゴム質弾性体の粒径が10nm以上であるとフィルムと偏光子との密着性が優れ、500nm以下であるとフィルムのヘイズ特にフィルムの内部ヘイズが小さい。
ゴム質弾性体の重量平均分子量としては、5万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜15万であり、さらに好ましくは5万〜10万である。ゴム質弾性体の重量平均分子量が5万以上であると偏光子密着に優れ、20万以下であるとヘイズが小さい。
本発明においては、反射防止フィルムに柔軟性を与えるため、支持体に脆性改良剤を含んでもよい。脆性改良剤としては、例えば下記のような化合物を挙げることができる。
以下に、本発明で好ましく用いられる繰り返し単位を有する化合物である多価アルコールと多塩基酸との縮合物、および、アクリル酸エステルの付加物について種類別に記述する。
多価アルコールと多塩基酸との縮合物について説明する。好ましい多価アルコールと多塩基酸との縮合物としては、特に限定されないが、二塩基酸とグリコールの反応によって得られるものであることが好ましい。上記二塩基酸とグリコールの反応によって得られる反応物の両末端は反応物のままでもよいが、さらにモノカルボン酸やモノアルコールを反応させて、所謂末端の封止を実施すると湿熱環境下で保持した場合のレタデーション変化を抑制することができ好ましい。このような縮合物では、末端が未封止の縮合物と比較して水酸基価が低下し、水酸基価が40mgKOH/g未満以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましく、10mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。本発明で使用される多価アルコールと多塩基酸との縮合物は、炭素数3〜12のグリコールと炭素数5〜12の二塩基酸とから合成することが好ましい。
以下、多価アルコールと多塩基酸との縮合物の合成に好ましく用いることができる二塩基酸およびグリコールについて説明する。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。なかでも、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を含むことが脆性向上の観点から好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。なかでも、フタル酸およびテレフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。
本発明に用いる二塩基酸の炭素数は、5〜12であることが好ましく、6〜10であることがより好ましく、6〜8であることが特に好ましい。本発明では2種以上の二塩基酸の混合物を用いてもよく、この場合、2種以上の二塩基酸の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを併用することも好ましい。具体的には、アジピン酸とフタル酸との併用、アジピン酸とテレフタル酸との併用、コハク酸とフタル酸との併用、コハク酸とテレフタル酸のとの併用が好ましく、コハク酸とフタル酸との併用、コハク酸とテレフタル酸との併用がより好ましい。脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを併用する場合、両者の比率(モル比)は特に限定されないが、95:5〜40:60が好ましく、55:45〜45:55がより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールまたは脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エチレングリコール(エタンジオール)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、および1,6−ヘキサンジオールの少なくとも1種であり、特に好ましくは、1,4−ブタンジオールおよび1,2−プロパンジオールの少なくとも1種である。2種用いる場合は、エチレングリコールおよび1,5−ペンタンジオールを用いることが好ましい。
グリコールの炭素数は、3〜12であることが好ましく、4〜10であることがより好ましく、4〜8であることが特に好ましい。2種以上のグリコールを用いる場合には、上記2種以上の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。
その場合、モノアルコール残基としては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコール残基が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
このとき、両末端のモノカルボン酸残基の炭素数が3以下であると、揮発性が低下し、上記多価アルコールと多塩基酸との縮合物の加熱による減量が大きくならず、工程汚染の発生や面状故障の発生を低減することができる。このような観点からは、封止に用いるモノカルボン酸類としては脂肪族モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸が炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸であることがさらに好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸およびその誘導体等が好ましく、酢酸またはプロピオン酸がより好ましく、酢酸(末端がアセチル基となる)が最も好ましい。封止に用いるモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。
アクリル酸エステルの付加物の組成は、脂肪族のアクリル酸エステルモノマー、芳香族環を有するアクリル酸エステルモノマーまたはシクロへキシル基を有するアクリル酸エステルモノマーを主成分として含むことが好ましく、脂肪族のアクリル酸エステルモノマーを主成分として含むものがより好ましい。主成分とは、(共)重合体中で他の共重合可能な成分よりも構成質量比率が高いことをいう。
好ましくは、これら成分の構成質量比率が、40〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%、最も好ましくは70〜100質量%である。
本発明においては、反射防止フィルムに柔軟性を与えるために基材に可塑剤を用いてもよい。
好ましく添加される可塑剤としては、上記の物性の範囲内にある分子量190〜5000程度の低分子〜オリゴマー化合物が挙げられ、例えばリン酸エステル、カルボン酸エステル、ポリオールエステル等が用いられる。
これらの好ましい可塑剤は、25℃においてTPP(融点約50℃)以外は液体であり、沸点も250℃以上である。
また、耐揮発性、ブリードアウト、低ヘイズなどの点で優れる可塑剤としては、例えば特開2009−98674号公報に記載の両末端が水酸基であるポリエステルジオールを用いるのが好ましい。また、本発明の反射防止フィルムの平面性や低ヘイズなどの点で優れる可塑剤としては、WO2009/031464号公報に記載の糖エステル誘導体も好ましい。
可塑剤は単独若しくは2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、反射防止フィルムに柔軟性を与えるためにスライドリングポリマーも望ましく用いることができる。
支持体には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、紫外線吸収剤、マット剤、酸化防止剤、剥離促進剤、レターデーション(光学異方性)調節剤、など)を添加できる。それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点または沸点において特に限定されるものではない。また添加剤を添加する時期は支持体を作製する工程においていずれの時点で添加しても良く、素材調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。さらにまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。
以下、それぞれについて説明する。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系またはサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
支持体は、マット剤を含有することが、フィルムすべり性、および安定製造の観点から好ましい。マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
無機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリンおよびリン酸カルシウム等が好ましく、さらに好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。上記二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。上記酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976およびR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
酸化防止剤としては、支持体に用いられるポリマー樹脂をフィルムに成形したり使用したりする際に、酸化または劣化、熱分解または熱着色を防止する化合物であれば好適に添加することができる。樹脂の酸化で生成するアルキルラジカルまたは過酸化物ラジカルを捕捉若しくは分解する作用機構で、各々に適した酸化防止剤を添加することで効果が期待できる。例えば、BASF社製IRGANOX−1010、IRGANOX−1076、住友化学社製SUMILIZER GM、SUMILIZER GS等を例示することができる。
成膜用基板から剥離する際の剥離抵抗を小さくするために剥離促進剤を加えることができる。好ましい剥離促進剤としては燐酸エステル系の界面活性剤、カルボン酸あるいはカルボン酸塩系の界面活性剤、スルホン酸あるいはスルホン酸塩系の界面活性剤、硫酸エステル系の界面活性剤が効果的である。また上記界面活性剤の炭化水素鎖に結合している水素原子の一部をフッ素原子に置換したフッ素系界面活性剤も有効である。具体的な例としては特開2012−181516号公報の段落<0124>〜<0138>の(有機酸)の項に記載の化合物を参考することができる。
剥離促進剤の添加量は、ポリマー全量対して0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましく、0.1〜0.5質量%が最も好ましい。
支持体には、レターデーション調整剤を添加してもよい。レターデーション調整剤としては、レターデーションを発現するものおよび、レターデーションを低減させるもののどちらも、好ましく用いることができる。
本発明の反射防止フィルムは、支持体と反射防止層の間にハードコート層を有してもよい。ハードコート層は、重合性基を有する化合物である硬化性化合物(好ましくは電離放射線硬化性化合物)の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、ハードコート層は、電離放射線硬化性の多官能モノマー、または多官能オリゴマーを含む塗布組成物を基材上に塗布し、多官能モノマー若しくは多官能オリゴマーを架橋反応、または、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマー、および多官能オリゴマーの官能基(重合性基)としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましい。さらに、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
本発明の積層体の製造方法における積層体とは、反射防止フィルムを得るためものである。図2に、積層体の製造方法の一実施形態の断面模式図を示す。
本発明の積層体の製造方法は、図2(1)に示すように、支持体11上に、硬化性化合物12と、平均一次粒径が150nm以上250nm以下、かつ硬度が400MPaの微粒子13とを含む硬化性組成物を塗布して、硬化性化合物を含む第一の層15中に微粒子13が埋没する厚さdで第一の層15を設ける第一の工程と、
図2(2)に示すように、基材31と基材31上に設けられた粘着剤層32とを有してなる粘着フィルム33の粘着剤層32と、第一の層15の支持体11とは反対側の界面16とを貼り合わせる第二の工程と、
図2(3)に示すように、微粒子13が、第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没し、かつ、第一の層15と粘着剤層32との界面16から微粒子13が突出するように、界面16の位置を支持体11側に下げる第三の工程と、
図2(4)に示すように、微粒子13が、第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態で第一の層15を硬化する第四の工程と、
をこの順に有する。
本発明では、第二の工程において粘着フィルムと第一の層とを貼り合わせ、後述する第三の工程において微粒子を第一の層および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没し、かつ、第一の層の基材側の界面とは反対側の界面から突出させ、後述する第四の工程において微粒子が第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態で第一の層を硬化することで、微粒子が第一の層の硬化前に空気界面に露出しないようにすることで、凝集を抑制し、微粒子によって形成された良好な凹凸形状を作製できることを見出した。
なお、本発明の積層体を作製した後に、粘着フィルムを剥離することで、反射防止フィルムを作製することができる。
第一の工程は、支持体上に、硬化性化合物と平均一次粒径が150nm以上250nm以下の微粒子とを、硬化性化合物を含む第一の層中に微粒子が埋没する厚みで設ける工程である。
本発明において、「硬化性化合物を含む層中に微粒子が埋没する厚み」とは、微粒子の平均一次粒径の0.8倍以上の厚みを表すものとする。
第一の工程において、支持体上に第一の層を設ける方法は特に限定されないが、支持体上に第一の層を塗布することにより設けることが好ましい。この場合、第一の層は、硬化性化合物と、平均一次粒径が150nm以上250nm以下の微粒子とを含む組成物を塗布してなる層である。塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等が挙げられる。
第一の層を形成するための組成物における硬化性化合物は、上記反射防止フィルムの構成で説明した、バインダーに用いるポリアクリレートまたはポリウレタンアクリレートと同じであるので説明は省略する。また微粒子は、上記反射防止フィルムの構成で説明した微粒子であるので説明は省略する。
溶媒としては、微粒子と極性が近いものを選ぶのが分散性を向上させる観点で好ましい。具体的には、例えば微粒子が金属酸化物粒子の場合にはアルコール系の溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、例えば微粒子が疎水化表面修飾がされた金属樹脂粒子の場合には、ケトン系、エステル系、カーボネート系、アルカン、芳香族系等の溶剤が好ましく、メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライド、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶剤は、分散性を著しく悪化させない範囲で複数種混ぜて用いてもかまわない。
微粒子の分散剤は、粒子同士の凝集力を低下させることにより、微粒子を均一に配置させ易くすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、硫酸塩、リン酸塩などのアニオン性化合物、脂肪族アミン塩、四級アンモニウム塩などのカチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が好ましく、吸着基と立体反発基それぞれの選択の自由度が高いため高分子化合物がより好ましい。分散剤としては市販品を用いることもできる。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK160、DISPERBYK161、DISPERBYK162、DISPERBYK163、DISPERBYK164、DISPERBYK166、DISPERBYK167、DISPERBYK171、DISPERBYK180、DISPERBYK182、DISPERBYK2000、DISPERBYK2001、DISPERBYK2164、Bykumen、BYK−2009、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S、Anti−Terra203、Anti−Terra204、Anti−Terra205(以上商品名)などが挙げられる。
レベリング剤は、第一の層の表面張力を低下させることにより、塗布後の液を安定化させ硬化性化合物及び微粒子を均一に配置させ易くすることができる。
本発明において用いられる第一の層形成用組成物は、少なくとも1種のレベリング剤を含有することができる。
これにより、乾燥風の局所的な分布による乾燥バラツキに起因する膜厚ムラ等を抑制したり、塗布物のハジキを改良したり、硬化性化合物及び微粒子を均一に配置させ易くすることができる。
フルオロ脂肪族基を有するモノマーと共重合される、親媒性基を有するモノマーの代表的な例としては、ポリ(オキシアルキレン)アクリレート、ポリ(オキシアルキレン)メタクリレート等が挙げられる。
第一の層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することができる。
第一の層には、重合開始剤を含んでいてもよく、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落<0133>〜<0151>に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
光酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。また、トリアジン類(例えば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなど)、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物を挙げることもできる。
また、光により酸を発生する基、または化合物をポリマーの主鎖もしくは側鎖に導入した化合物を用いることができる。
さらに、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al.,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
熱酸発生剤としては、酸と有機塩基からなる塩を挙げることができる。
上記の酸としては、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸など有機酸や硫酸、リン酸のような無機酸が挙げられる。硬化性化合物に対する相溶性の観点からは、有機酸がより好ましく、スルホン酸、ホスホン酸が更に好ましく、スルホン酸が最も好ましい。好ましいスルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸(PTS)、ベンゼンスルホン酸(BS)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)、p−クロロベンゼンスルホン酸(CBS)、1,4−ナフタレンジスルホン酸(NDS)、メタンスルホン酸(MsOH)、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸(NFBS)などが挙げられる。
光塩基発生剤としては、活性エネルギー線の作用により塩基を発生する物質を挙げることができる。より具体的には、(1)紫外線、可視光、又は赤外線の照射により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、(2)分子内求核置換反応や転位反応などにより分解してアミン類を放出する化合物、あるいは(3)紫外線、可視光、又は赤外線の照射により何らかの化学反応を起こして塩基を放出するものを使用できる。
本発明に用いられる光塩基発生剤は、紫外線、電子線、X線、赤外線および可視光線などの活性エネルギー線の作用により塩基を発生する物質であれば特に限定されない。
具体的には特開2010−243773に記載のものを好適に用いる事ができる。
第二の工程は、基材31上に粘着剤層32を有する粘着フィルム33を、第一の層15と貼り合わせる工程である。
第一の層15と粘着フィルム33とを貼り合わせる方法としては特に限定されず公知の方法を用いることができ、たとえばラミネート法が挙げられる。
第一の層15と粘着剤層32とが接するように粘着フィルム33を貼り合わせる。
第二の工程の前に、第一の層を乾燥する工程を有していてもよい。第一の層15の乾燥温度は20〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。乾燥時間は0.1〜120秒が好ましく、1〜30秒がより好ましい。
粘着フィルム33は、基材と粘着剤層とを有する。
粘着フィルム33における基材31について説明する。
基材31としては、透明性および可撓性を有する樹脂からなるプラスチックフィルムが好ましく用いられる。支持体用のプラスチックフィルムとしては、好適には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルフィルム、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、セルロースアシレート等のセルロース系樹脂等からなるフィルムが挙げられる。ただし、上記(メタ)アクリル系樹脂は、ラクトン環構造を有する重合体、無水グルタル酸環構造を有する重合体、グルタルイミド環構造を有する重合体を含む。
このほか、必要な強度を有しかつ光学適性を有するものであれば、他のプラスチックフィルムも使用可能である。支持体は、無延伸フィルムであっても、一軸または二軸延伸されていてもよく、また、延伸倍率または延伸の結晶化に伴い形成される軸方法の角度を制御したプラスチックフィルムでもよい。
具体的には、基材31の波長250nm〜300nmにおける最大透過率が20%以上であることが好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、60%以上であることが最も好ましい。波長250nm〜300nmにおける最大透過率が20%以上であると塗工層側から紫外線を照射して第一の層を硬化させやすく好ましい。
また、基材31上に粘着材層32を形成した粘着フィルム33の波長250nm〜300nmにおける最大透過率が20%以上であることが好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、60%以上であることが最も好ましい。
粘着剤層32は、ゲル分率が95.0%以上の粘着剤からなることが好ましい。
粘着剤32のゲル分率が95.0%以上であることで、本発明の積層体から粘着フィルムを剥離して反射防止フィルムを製造する際に、粘着剤成分が反射防止フィルム表面に残りにくく、洗浄を行わなくても、十分に反射率が低い反射防止フィルムを得ることができる。
粘着剤32のゲル分率は、95.0%以上99.9%以下であることが好ましく、97.0%以上99.9%以下であることがより好ましく、98.0%以上99.9%以下であることが更に好ましい。
粘着剤32のゲル分率は、粘着剤を、25℃で、テトラヒドロフラン(THF)に12時間浸漬した後の不溶解分の比率であり、下記式から求められる。
ゲル分率=(粘着剤のTHFへの不溶解分の質量)/(粘着剤の総質量)×100(%)
粘着剤32のゾル成分は、粘着剤を、25℃で、テトラヒドロフラン(THF)に12時間浸漬した後のTHFへの溶解分を表す。重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析することができる。
粘着剤層組成物は、上記重合体と架橋剤とを含むことが好ましく、熱又は紫外線(UV)などを用いて架橋しても良い。架橋剤としては、2官能以上のイソシアネート系架橋剤、2官能以上のエポキシ系架橋剤、アルミニウムキレート系架橋剤からなる化合物群のうちから選択される1種以上の架橋剤が好ましい。架橋剤を用いる場合は、本発明の積層体から粘着フィルムを剥離して反射防止フィルムを製造する際に、粘着剤成分を反射防止フィルム表面に残りにくくする観点から、上記重合体の100質量部に対して、0.1〜15質量部含有することが好ましく、3.5〜15質量部含有することがより好ましく、5.1〜10質量部含有することが更に好ましい。
また、3官能以上のイソシアネート化合物が、1分子中に少なくとも3個以上のイソシアネート(NCO)基を有するポリイソシアネート化合物であり、特にヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のアダクト体、イソホロンジイソシアネート化合物のアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のビュレット体、イソホロンジイソシアネート化合物のビュレット体からなる化合物群の中から選択された、少なくとも一種以上であることが好ましい。
2官能以上のイソシアネート系架橋剤は、重合体100質量部に対して、0.01〜5.0質量部含まれることが好ましく、0.02〜3.0質量部含まれることがより好ましい。
炭素数14〜20のアルキル基としては、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが挙げられる。天然油脂に由来する混合アルキル基であってもよい。炭素数14〜20のアルケニル基としては、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、オレイル基、リノレイル基、ノナデセニル基、イコセニル基などが挙げられる。
イオン性液体としては、陰イオンと陽イオンとから成り、常温(例えば25℃)で液体である非高分子物質である。陽イオン部分としては、イミダゾリウムイオンなどの環状アミジンイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン等が挙げられる。また、陰イオン部分としては、CnH2n+1COO−、CnF2n+1COO−、NO3 −、CnF2n+1SO3 −、(CnF2n+1SO2)2N−、(CnF2n+1SO2)3C−、PO4 2−、AlCl4 −、Al2Cl7 −、ClO4 −、BF4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −等が挙げられる。
HLBとは、例えばJIS K3211(界面活性剤用語)等で規定する親水親油バランス(親水性親油性比)である。
第三の工程は、微粒子13が、第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没し、かつ、第一の層15の支持体側の界面とは反対側の界面16から突出するように、第一の層15と粘着剤層32の界面16の位置を支持体11側に下げる工程である。
本発明では、「微粒子が、第一の層および粘着剤層を合わせた層中に埋没」するということは、第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17の厚みが微粒子13の平均一次粒径の0.8倍以上であることを表すものとする。
第三の工程は、硬化性化合物の一部を支持体11(支持体が機能層を有する場合は機能層であってもよい)に浸透させることにより行われるか、硬化性化合物の一部を粘着剤層32に浸透させることにより行われることが好ましい。
第三の工程において、硬化性化合物の一部を支持体11(支持体が機能層を有する場合は機能層であってもよい)に浸透させる場合、支持体11、第一の層15、および粘着剤層32を有する積層体を加熱することが好ましい。加熱することによって、効果的に硬化性化合物の一部を基材に浸透させることができる。加熱における温度は、支持体のガラス転移温度より小さいことが好ましく、具体的には、60〜180℃であることが好ましく、80〜130℃であることがより好ましい。
第三の工程において、硬化性化合物の一部を粘着剤層32に浸透させる場合、支持体11、第一の層15、および粘着剤層32を有する積層体を60℃未満に保つことが好ましく、40℃以下に保つことがより好ましい。温度を40℃以下に保つことで、硬化性化合物および粘着剤の粘度を高く保つことができるとともに、粒子の熱運動を抑制することができるため、粒子の凝集による反射防止能の低下およびヘイズや白濁感の上昇を防ぐ効果が大きい。支持体11、第一の層15、および粘着剤層32を有する積層体を保つ温度の下限は特に限定されるものではなく、室温であっても、室温より低い温度であってもよい。
第四の工程は、微粒子13が第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態で第一の層15を硬化する工程である。
本発明では、「微粒子が第一の層および粘着剤層を合わせた層中に埋没した状態」とは、第一の層および粘着剤層を合わせた層の厚みが微粒子の平均一次粒径の0.8倍以上であることを表すものとする。
第一の層15を硬化するとは、第一の層15に含まれる硬化性化合物を重合させることを表し、これにより、出来上がりの反射防止フィルムの反射防止層におけるバインダー14を形成することができる。第四の工程で微粒子13が第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態を維持することで、微粒子13の凝集を抑制し、モスアイ構造を形成することができる。
なお、粘着剤層32を設けた後に粘着剤層32または第一の層15の成分の揮発あるいは、基材31(基材が機能層を有する場合は機能層)への浸透などにより、微粒子13が第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態を維持できないと考えられる場合は、粘着剤層32をあらかじめ厚くしておく等の操作を行うことができる。
微粒子13が第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態を維持することで粒子凝集が抑制されるメカニズムとしては、第一の層が硬化するまでに微粒子13が空気界面に露出すると、横毛管力と言われる表面張力由来の大きな引力が働く事が知られており、第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に微粒子を埋没させておくことで上記引力を小さくできるためと推定している。
第一の層15の膜厚と粘着剤層32の膜厚の合計の膜厚が、微粒子13の平均一次粒径よりも大きいと微粒子13が第一の層15および粘着剤層32を合わせた層17中に埋没した状態にすることができ、好ましい。
ただし、後述する第五の工程で粘着剤層を含む粘着フィルムを剥離した場合に第一の15層の表面から微粒子が突出した形状(モスアイ構造)を得るという理由から、第四の工程において、第一の層15の膜厚は微粒子の平均一次粒径よりも小さいことが好ましく、微粒子13の平均一次粒径の半分以下であることがより好ましい。
第四の工程における第一の層15の膜厚は、これを硬化して得られた層(図5(5)における層14)の支持体11側の界面とは反対側の界面16の高さが、微粒子13の平均一次粒径の半分以下となるように調整することが好ましく、より好ましくは、膜断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、任意に100箇所の膜厚を計測してその平均値を求めた場合に、10nm〜100nm、より好ましくは20nm〜90nm、さらに好ましくは30nm〜70nmとなるように調整するのが好ましい。
特に、バインダー成分との結着性を付与し、膜強度を向上させる観点から、粒子表面を不飽和二重結合および粒子表面と反応性を有する官能基を有する化合物で表面修飾し、粒子表面に不飽和二重結合を付与することが好ましく、(メタ)アクリロイル基が付与されることがより好ましい。
第四の工程の前の段階で、界面16から突出した微粒子によって形成された凹凸形状を有しているようにするためには、上記第三の工程で、硬化性化合物の一部を支持体11(支持体がハードコート層などの機能層を有する場合はその機能層)に浸透させることが好ましい。
この工程で硬化性化合物の一部を硬化させることにより、微粒子を動きにくくして、微粒子が凝集することを抑制することができる。
硬化性化合物の一部を硬化させるとは、硬化性化合物のすべてではなく、一部のみを硬化させることを表す。この工程で硬化性化合物の一部のみを硬化させることで、第三の工程で微粒子13が第一の層15の支持体11側の界面とは反対側の界面16から突出するように第一の層15と粘着剤層32の界面16の位置を支持体11側に下げた際に良好な凹凸形状(モスアイ構造)を形成することができる。
本発明の反射防止フィルムの製造方法は、上記本発明の積層体の製造方法における第四の工程の後に、粘着フィルム33を剥がす第五の工程(図2(5)参照)を備えたものであり、第一の工程から第四の工程は、上記積層体の製造方法と同様であるため、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
粘着フィルム33を剥がす第五の工程を備えることによって、支持体11上に、微粒子13とバインダー14と有する反射防止層12を備えた反射防止層を得ることができる。
図3に示すように、偏光板20は、偏光膜21と、偏光膜を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が反射防止フィルム10である。
偏光膜21の種類は特に制限はなく、通常用いられている偏光膜を利用することができ、例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料(二色性有機染料)を利用した染料系偏光膜、および、ポリエン系偏光膜のいずれも用いることができる。ヨウ素系偏光膜、および、染料系偏光膜は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
偏光膜21の膜厚は特に制限されないが、薄型化の点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。また、偏光膜21の膜厚は、通常1μm以上で、5μm以上であることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に適用することもできる。
画像表示装置としては、陰極線管(CRT)を利用した表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、蛍光表示ディスプレイ(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、および液晶ディスプレイ(LCD)を挙げることができ、特に液晶表示装置が好ましい。
一般的に、液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板を有し、液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、または液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置されることもある。液晶セルは、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、IPS(In−Plane Switching)モードなど様々な駆動方式の液晶セルが適用できる。
本発明の偏光板を備えた画像表示装置の一実施形態として、IPS型液晶表示装置について説明する。図4に、IPS型液晶表示装置の概略断面図を示す。
図4に示すように、本実施形態のIPS型液晶表示装置40は、2枚の偏光板41および42の間にIPS型の液晶セル43が配置されている。偏光板42は、λ/2板であり、保護フィルムを視認側(紙面上側)に有する。液晶セル43は、ガラス基板44および45との間に、液晶分子(46aおよび46b)が封入されている。ガラス基板44上には透明陽極47および透明陰極48が形成されている。電圧無印加の状態では、液晶分子は液晶分子46aのように透明陽極47および透明陰極48に平行に並んでいるが、電圧印加により90度水平に回転し、液晶分子46bのように、透明陽極47および透明陰極48に亘って並ぶ。無印加と印加で液晶分子が面内方向で90度回転することにより、2枚の偏光板の間で透過および遮蔽を作り出す。
本実施形態のIPS型液晶表示装置では、本発明の反射防止フィルムを備えた偏光板を備えているので、外光反射が無く、画面への像の映り込みが無いため鮮明な画像を得ることができる。
本発明の反射防止フィルムは反射防止物品に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは、耐屈曲性があり、かつ変形前後の反射率の変動がないため、3次元的な形状を有する反射防止物品に用いることができる。3次元的な形状を有する反射防止物品としては、例えば、車のフロントガラスやリアガラス、速度メータのカバーガラス、車の内装部品、ガラスショーケース等が挙げられる。
(支持体S−1の作製)
水溶性アクリレートポリマー液(大日本インキ化学工業株式会社、UV100A)を用いて、最終のフィルム厚みが40μmになるようにTダイを用いて100℃のエンドレスベルト上に流延し、ポリマー濃度が40質量%になる様に乾燥してエンドレスベルトから剥離した。次に溶媒を含んだフィルムを40℃の大気中でMD方向に1.1倍延伸した。さらに180℃の乾燥炉でTD方向に1.2倍延伸し、水溶性アクリレートからなる、厚み40μmの支持体S−1(伸び率:45%)を得た。
コア−シェル構造を持つゴム粒子(カネカ製 カネエースM−210)を加熱プレス機(東洋精機製作所製、ミニテストプレス)にて220℃で30MPaの圧力をかけて2分間加熱溶融し、その後圧力を開放して常温・常圧に戻して、厚み40μmの基材フィルムS−2(伸び率:334%)を作製した。
[芳香族ポリアミドの合成]
攪拌機を備えた重合槽にN−メチル−2−ピロリドン674.7kg、無水臭化リチウム10.6g(シグマアルドリッチジャパン社製)、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(東レファインケミカル社製「TFMB」)33.3g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)2.9gを加えた。重合槽中の混合物を窒素雰囲気下、15℃に冷却、攪拌しながら、300分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)18.5g、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東レファインケミカル社製「4BPAC」)6.4gを4回に分けて添加した。60分間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。
実施例1〜3および比較例105を除いた他の実施例及び比較例においては、ハードコート層を形成した。
支持体上に、後述するハードコート層用塗布液を、ダイコーターを用いて塗布した。30℃で90秒、続いて60℃で1分間乾燥した後、酸素濃度がおよそ0.3体積%の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度200mW/cm2、照射量60mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ10μmのハードコート層を形成した。
下記の組成で各成分を添加し、得られた組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌し、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液HC−1〜HC−6とした。
UA−122P(ウレタンアクリレート,新中村化学工業(株)製)・・・33.6質量部
イルガキュア127(光重合開始剤,BASFジャパン(株)製)・・・1.4質量部
メチルエチルケトン(MEK)・・・35.8質量部
酢酸メチル・・・29.2質量部
UA−122Pの代わりに、UV2750B(紫外線硬化型ウレタンアクリレート、日本合成化学工業(株)製)を用いた以外はハードコート層用塗布液HC−1と同じ配合である。
UA−122Pの代わりに、BAC−45(ウレタンアクリレート(新中村化学工業(株)製)を用いた以外はハードコート層用塗布液HC−1と同じ配合である。
UA−122Pの代わりに、A−TMMT22.5質量部(ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製))及びAD−TMP11.1質量部(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製))を用いた以外はハードコート層用塗布液HC−1と同じ配合である。
UA−122Pの代わりに、KAYARAD DPCA20(6官能アクリレートモノマー(日本化薬(株)製)を用いた以外はハードコート層用塗布液HC−1と同じ配合である。
UA−122Pの代わりに、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレート混合物)を用いた以外はハードコート層用塗布液HC−1と同じ配合である。
(シリカ粒子分散液PA−1の作製)
シランカップリング剤処理シリカ粒子(KEA−18、平均一次粒径180nm、日本触媒(株)製)を50g、MEK(メチルエチルケトン)200g、直径0.05mmジルコニアビーズ600gを直径12cmの1L瓶容器に入れ、ボールミルV−2M(入江商会)にセットし、250回転/分で10時間分散した。このようにして、シリカ粒子分散液PA−1(固形分濃度20質量%)を作製した。
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 19.3gとグリセリン1,3−ビスアクリラート3.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.8g、ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行い、化合物C3を得た。化合物C3は硬化性化合物である。
下記の組成となるように各成分をミキシングタンクに投入し、60分間攪拌し、30分間超音波分散機により分散し組成物(A−1)〜(A−4)を調製した。
UV6630B(ウレタンアクリレートオリゴマー、大日本インキ化学工業(株)製)
・・・1.0質量部
化合物C3・・・8.7質量部
イルガキュア127(光重合開始剤、BASFジャパン(株)製)・・・0.4質量部
化合物P(2-(4-Methoxyphenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine(光酸発生剤、東京化成工業(株)製))・・・0.1質量部
シリカ粒子分散液PA−1・・・25.4質量部
化合物A F−784−F(DIC(株)製)・・・0.10質量部
エタノール・・・15.0質量部
メチルエチルケトン・・・34.4質量部
アセトン・・・15.0質量部
UV7510B(ウレタンアクリレートオリゴマー、大日本インキ化学工業(株)製)・・・1.0質量部
化合物C3・・・8.7質量部
イルガキュア127(光重合開始剤、BASFジャパン(株)製)・・・0.4質量部
化合物P(2-(4-Methoxyphenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine(光酸発生剤、東京化成工業(株)製))・・・0.1質量部
シリカ粒子分散液PA−1・・・25.4質量部
化合物A F−784−F(DIC(株)製)・・・0.10質量部
エタノール・・・15.0質量部
メチルエチルケトン・・・34.4質量部
アセトン・・・15.0質量部
BAC−45(ポリブタジエン末端ジアクリレート、大阪有機化学工業(株)製)・・・1.0質量部
化合物C3・・・8.7質量部
イルガキュア127(光重合開始剤,BASFジャパン(株)製)・・・0.4質量部
化合物P(2-(4-Methoxyphenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine(光酸発生剤、東京化成工業(株)製)・・・0.1質量部
シリカ粒子分散液PA−1・・・25.4質量部
化合物A F−784−F(DIC(株)製)・・・0.10質量部
エタノール・・・15.0質量部
メチルエチルケトン・・・34.4質量部
アセトン・・・15.0質量部
Sirius501(デンドリマー多官能型アクリレート、大阪有機化学工業(株)製)・・・1.0質量部
化合物C3・・・8.7質量部
イルガキュア127(光重合開始剤、BASFジャパン(株)製)・・・0.4質量部
化合物P(2-(4-Methoxyphenyl)-4,6-bis(trichloromethyl)-1,3,5-triazine(光酸発生剤、東京化成工業(株)製))・・・0.1質量部
シリカ粒子分散液PA−1・・・25.4質量部
化合物A F−784−F(DIC(株)製)・・・0.10質量部
エタノール・・・15.0質量部
メチルエチルケトン・・・34.4質量部
アセトン・・・15.0質量部
支持体上に、第一の層形成用組成物を、ダイコーターを用いて2.8ml/m2塗布し、30℃で90秒乾燥させた。
次いで、乾燥後の第一の層上に、藤森工業(株)製の保護フィルム(マスタックTFB AS3−304)から剥離フィルムを剥離して得られる粘着フィルムを、粘着剤層が第一の層側になるように貼り合わせた。貼り合わせには、業務用ラミネーターBio330(DAE−EL Co.製)を使用し、速度1で実施した。
なお、ここでの保護フィルムとは、基材、粘着剤層及び剥離フィルムから構成される積層体を指し、保護フィルムから剥離フィルムを剥がした、基材及び粘着剤層から構成される積層体が粘着フィルムである。
・マスタックTFB AS3−304(藤森工業(株)製 帯電防止機能付き光学用保護フィルム)(以下、「AS3−304」ともいう)
基材:ポリエステルフィルム(厚み38μm)
粘着剤層厚み:20μm
剥離フィルムを剥がした状態での波長250nm〜300nmにおける最大透過率:0.1%未満
粘着フィルムを貼り合わせたまま、120℃で15分間加熱し、硬化性化合物の一部をハードコート層へ浸透させた。
上記の加熱に続いて、酸素濃度が0.01体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、第一の層が塗布された面側から照度200mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して第一の層を硬化させた。
上記作製した積層体から粘着フィルムを剥離した。粘着フィルム(マスタックTFB AS3−304から剥離フィルムを剥がしたもの)を剥離した後、粘着フィルムが貼り合わせてあった面にメチルイソブチルケトンを掛け流して粘着剤層の残渣を洗い流した。その後、25℃で10分乾燥して反射防止フィルムを得た。
支持体にS−1を用い、第一の層形成用組成物A−1を用いて、上記の製造方法により反射防止フィルムを作製した。
第一の層形成用組成物をA−2にした以外は、実施例1と同様に作製した。
第一の層形成用組成物をA−3にした以外は、実施例1と同様に作製した。
ハードコート層用塗布液HC−1を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
第一の層形成用組成物をA−2にした以外は実施例4と同様に作製した。
第一の層形成用組成物をA−3にした以外は実施例4と同様に作製した。
ハードコート層用塗布液HC−2を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
第一の層形成用組成物をA−2にした以外は実施例7と同様に作製した。
第一の層形成用組成物をA−3にした以外は実施例7と同様に作製した。
ハードコート層用塗布液HC−3を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
[実施例11]
第一の層形成用組成物をA−2にした以外は実施例10と同様に作製した。
第一の層の用組成物をA−3にした以外は実施例10と同様に作製した。
支持体にS−2を用いた以外は実施例4と同様に作製した。
支持体にS−2を用いた以外は実施例5と同様に作製した。
支持体にS−2を用いた以外は実施例9と同様に作製した。
支持体にS−2を用いた以外は実施例7と同様に作製した。
支持体にS−2を用いた以外は実施例11と同様に作製した。
支持体にS−2を用いた以外は実施例12と同様に作製した。
支持体にフジタックTG60UL(セルロースアアシレートフィルム、富士フイルム(株)製)を用い、第一の層形成用組成物A−4を用い、ハードコート塗布液HC−4を用いた以外は実施例4と同様に作製した。
支持体に38μm厚のコスモシャインA−4300(二軸延伸ポリエステルフィルム、東洋紡製)を用い、ハードコート層用塗布液HC−5を用い、反射防止層用組成物A−4を用いた以外は実施例4と同様に作製した。
支持体にS−3を用い、ハードコート層用塗布液HC−6を用い、第一の層形成用組成物A−4を用いた以外は実施例4と同様に作製した。
支持体に100μm厚のSC50NNS(シリコーンゴムシート、クレハエラストマー(株)製)用い、ハードコート層用塗布液HC−5を用い、第一の層形成用組成物A−2を用いた以外は、実施例4と同様に作製した。
支持体にS−2を用い、第一の層形成用組成物A−4を用いた以外は、実施例1と同様に作製した。
反射防止フィルムは以下のとおり評価した。
耐折度試験機(テスター産業(株)製、MIT、BE−201型、折り曲げ直径0.8mm)を用いて、25℃、65%RHの状態に1時間以上静置させた、幅15mm、長さ80mmの試料フィルムを使用した。試料フィルムに対して、荷重500gの条件で、JIS P8115に準拠して、2000回折れ曲げを行い、折れ曲げ部と正常部(折れ曲げしていない部分)の反射率差を測定した。折り曲げしていない部分の反射率は変形前の反射率と同じであるので、折り曲げ部と正常部との反射率差を変形前後の反射率差として求めた。
A:3軸(X、X+60°方向、X+120°方向)に折り曲げた(外曲げした)際の反射率変化がΔ0.5%以下
B:2軸(X、X+90°方向)に折り曲げた(外曲げまたは内曲げした)際の反射率変化がΔ0.5%以下である
C:2軸(X、X+90°方向)に折り曲げた(外曲げまたは内曲げした)際の反射率変化がΔ1.0%以下である
D:2軸(X、X+90°方向)に折り曲げた(外曲げまたは内曲げした)際の反射率変化がΔ1.0%を越える
E:1軸(X方向)に折り曲げた(外曲げまたは内曲げした)際の反射率変化がΔ1.0%を越える
反射防止フィルムにおいて、フィルムの裏面(支持体側)をサンドペーパーで粗面化した後に油性黒インキ(補填用マジックインキ:寺西化学)を塗り、裏面反射をなくした状態で、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°に測定した積分反射率とする。
反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、断面にカーボン蒸着後10分間エッチング処理した。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて5000倍で20視野観察、撮影した。得られた画像で、空気と試料が作る界面において、隣り合う凸部の頂点間の距離を100点測長し、粒子間距離の平均値として算出した。
反射防止フィルムの反射防止層側の表面を、ラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストを行うことで、耐擦傷性の指標とした。
(条件)
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定した。
移動距離(片道):13cm
こすり速度:13cm/秒
荷重:50g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm
こすり回数:10往復
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射率を測定し、こすり部分の傷を評価した。
A:スチールウール擦り部と正常部(擦っていない部分)の反射率差がΔ0.1%以内
B:スチールウール擦り部と正常部(擦っていない部分)の反射率差がΔ0.1%を超え、Δ0.2%以内
C:スチールウール擦り部と正常部(擦っていない部分)の反射率差がΔ0.2%を超え、Δ0.5%以内
反射防止層12の表面に対して、高周波プラズマ装置を用いて13.56MHzの条件でプラズマ化したアルゴンガスでエッチングした。プラズマ処理は、酸素:アルゴン=1:1の組成のガスを導入しながら、圧力2.7Paの条件下において、50Wの高周波を25秒間印加して行った。反射防止フィルムの表面および断面をSEM観察し、表面観察から微粒子の380nm以下の繰り返し周期性を確認し、エッチング前とエッチング後の断面観察からバインダー高さを求め、微粒子に対するバインダーのエッチングレート比を算出した。
JIS K5600に準拠して、反射防止フィルムを測定方向の長さが100mm、幅が10mmとなるように切り出し、25℃60%RHの環境に2時間放置した直後、インテスコ(株)製全自動引張試験機を用い、25℃60%RH雰囲気中、チャック間長さ100mm、引張速度10%/分で延伸させた際の破断伸度を伸びとした。
ヘイズメータ(日本電色工業社製 NDH2000)を用いて、支持体の全光線透過率を測定した。なお、測定に関しては、JIS−K7136に基づき、25℃55%RHの環境下にて測定を行った。
また、硬化性化合物に、ウレタンアクリレート(UA−122P)を用いた場合(実施例4〜6)は、ウレタンアクリレートオリゴマー(UA2750B)を用いた場合(実施例7〜9)、ポリブタジエン末端ジアクリレート(BAC−45)を用いた場合(実施例10〜12)に比べて、耐擦傷性に優れることがわかる。
さらに、バインダーの硬化性化合物として、破断伸度100%のポリブタジエン末端ジアクリレート(BAC−45)を用いた場合は、破断伸度が12%または20%のウレタンアクリレートオリゴマー(UB6630BまたはUV7510B)を用いた場合に比べて、伸び率が高いことがわかる。
11 支持体
12 反射防止層
13 微粒子
14 バインダー
15 第一の層
16 界面
17 第一の層および粘着剤層を合わせた層
20 偏光板
21 偏光膜
30 積層体
31 基材
32 粘着剤層
33 粘着フィルム
40 IPS型液晶表示装置
41,42 偏光板
43 液晶セル
44,45 ガラス基板
46a,46b 液晶分子
47 透明陽極
48 透明陰極
Claims (15)
- 透過率80%以上の支持体上に、反射防止層が積層されてなり、
90°異なる二軸方向にR=0.8mmの外曲げまたは内曲げした際の変形前後の反射率差が1.0%以内である反射防止フィルム。 - 前記反射防止層が、バインダーと微粒子とを含み、可視光波長380nm以下の周期構造を有するものであり、
前記微粒子が、平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、
前記バインダーが、ポリアクリレートおよびポリウレタンアクリレートの少なくとも一方を含み、
前記反射防止フィルムの伸び率が10%以上である請求項1記載の反射防止フィルム。 - 前記微粒子の硬度が400MPa以上である請求項2記載の反射防止フィルム。
- 前記支持体と前記反射防止層との間にハードコート層を有する請求項1から3いずれか1項記載の反射防止フィルム。
- 前記ハードコート層の厚さが10μm以下である請求項4記載の反射防止フィルム。
- 前記支持体の伸び率が20%以上である請求項1から5いずれか1項記載の反射防止フィルム。
- 前記支持体の厚さが60μm以下である請求項6記載の反射防止フィルム。
- 前記反射防止層の表面は、13.56MHzでプラズマ化したアルゴンガスでエッチングしたときのエッチングレートが10倍以上異なる領域を、380nm以下の周期で繰り返し有する請求項1から7いずれか1項記載の反射防止フィルム。
- 日本スチールウール株式会社製、品番B−204、等級(番手)#0000のスチールウールをラビングテスターの1cm角の先端部に巻いて、50g/cm2の荷重で前記反射防止層の支持体とは反対側の表面を擦ったとき、擦った部分と擦っていない部分との反射率差が0.2%以内である請求項1から8いずれか1項記載の反射防止フィルム。
- 60°異なる三軸方向にR=0.8mmの外曲げした際の、変形前後の反射率差が1.0%以内である請求項1から9いずれか1項記載の反射防止フィルム。
- 請求項1から10いずれか1項記載の反射防止フィルムを保護フィルムとして有する偏光板。
- 請求項1から10いずれか1項記載の反射防止フィルム、または請求項11記載の偏光板を備えた画像表示装置。
- 請求項1から10いずれか1項記載の反射防止フィルムを備えた反射防止物品。
- 支持体上に、硬化性化合物と、平均一次粒径が150nm以上250nm以下、かつ硬度が400MPaの微粒子とを含む硬化性組成物を塗布して、前記硬化性化合物を含む層中に前記微粒子が埋没する厚さで第一の層を設ける第一の工程と、
基材と該基材上に設けられた粘着剤層とを有してなる粘着フィルムの該粘着剤層と、前記第一の層の前記支持体とは反対側の表面とを貼り合わせる第二の工程と、
前記微粒子が、前記第一の層および前記粘着剤層を合わせた層中に埋没し、かつ、前記第一の層の前記支持体側の界面とは反対側の界面から該微粒子が突出するように、前記第一の層と前記粘着剤層との界面の位置を前記支持体側に下げる第三の工程と、
前記微粒子が、前記第一の層および前記粘着剤層を合わせた層中に埋没した状態で前記第一の層を硬化する第四の工程と、
をこの順に有し、
前記粘着フィルムを剥がした後の伸び率が10%以上の積層体の製造方法。 - 支持体上に、硬化性化合物と、平均一次粒径が150nm以上250nm以下、かつ硬度が400MPa以上の微粒子とを含む硬化性組成物を塗布して、前記硬化性化合物を含む層中に前記微粒子が埋没する厚さで第一の層を設ける第一の工程と、
基材と該基材上に設けられた粘着剤層とを有してなる粘着フィルムの該粘着剤層と、前記第一の層の前記支持体とは反対側の表面とを貼り合わせる第二の工程と、
前記微粒子が、前記第一の層および前記粘着剤層を合わせた層中に埋没し、かつ、前記第一の層の前記支持体側の界面とは反対側の界面から該微粒子が突出するように、前記第一の層と前記粘着剤層との界面の位置を前記支持体側に下げる第三の工程と、
前記微粒子が、前記第一の層および前記粘着剤層を合わせた層中に埋没した状態で前記第一の層を硬化する第四の工程と、
前記粘着フィルムを剥がす第五の工程と、
をこの順に有し、伸び率10%以上の反射防止フィルムの製造方法。
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