JP6442375B2 - 反射防止物品、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止物品の製造方法 - Google Patents
反射防止物品、偏光板、カバーガラス、及び画像表示装置、並びに反射防止物品の製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明者らは、鋭意検討の結果、モスアイ構造を形成する粒子として、CV値が4%以下の単分散粒子を用い、反射防止層に含まれる粒子のうち真球状の粒子の割合(真球粒子比率)が99.9%以上であり、粒子の面積占有率を25%以上64%以下とすることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、下記手段により上記課題を解決できる。
<1>
基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有する反射防止物品であって、
上記無機粒子は、平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、上記無機粒子全体のCV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の粒子であり、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、
反射防止物品。
<2>
上記無機粒子の最近接粒子間距離の平均値が30nm以上である、<1>に記載の反射防止物品。
<3>
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率が25%以上50%以下である、<1>又は<2>に記載の反射防止物品。
<4>
上記無機粒子の押し込み硬度が400MPa以上である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の反射防止物品。
<5>
上記無機粒子がシリカ粒子である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の反射防止物品。
<6>
上記無機粒子がアルミナ粒子である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の反射防止物品。
<7>
上記無機粒子が、表面修飾された粒子である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の反射防止物品。
<8>
上記基材がプラスチック基材である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の反射防止物品。
<9>
上記プラスチック基材と、上記反射防止層との間に、上記プラスチック基材を構成する成分と、上記反射防止層中のバインダー樹脂とを含有する浸透層を有する、<8>に記載の反射防止物品。
<10>
上記プラスチック基材が、フィルム状のプラスチック基材であり、上記反射防止物品がフィルム状の反射防止物品である、<8>又は<9>に記載の反射防止物品。
<11>
JIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数が1000回以上の繰り返しの折り曲げ耐性を有する<10>に記載の反射防止物品。
<12>
偏光子と、上記偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、上記保護フィルムの少なくとも1枚が<10>又は<11>に記載の反射防止物品である偏光板。
<13>
<10>又は<11>に記載の反射防止物品を保護フィルムとして有するカバーガラス。
<14>
<1>〜<11>のいずれか1項に記載の反射防止物品、<12>に記載の偏光板、又は<13>に記載のカバーガラスを有する画像表示装置。
<15>
基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有し、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、全体のCV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の無機粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物とを含有する反射防止層形成用組成物を、基材上に塗布する工程、
塗布されたバインダー樹脂形成用重合性化合物を重合してバインダー樹脂層を形成する工程、
上記バインダー樹脂層をエッチングすることにより、上記凹凸形状からなるモスアイ構造を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
<16>
プラスチック基材と、浸透層と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とをこの順に有し、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、全体のCV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の無機粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物と、プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒とを含有する反射防止層形成用組成物を、プラスチック基材上に塗布し、上記プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒及び上記バインダー樹脂形成用重合性化合物の一部を上記プラスチック基材に浸透させ、浸透層を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
本発明は上記<1>〜<16>に関するものであるが、参考のためその他の事項(下記[1]〜[16]など)についても記載した。
基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有する反射防止物品であって、
上記無機粒子は、平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、CV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の粒子であり、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、
反射防止物品。
[2]
上記無機粒子の最近接粒子間距離の平均値が30nm以上である、[1]に記載の反射防止物品。
[3]
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率が25%以上50%以下である、[1]又は[2]に記載の反射防止物品。
[4]
上記無機粒子の押し込み硬度が400MPa以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の反射防止物品。
[5]
上記無機粒子がシリカ粒子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の反射防止物品。
[6]
上記無機粒子がアルミナ粒子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の反射防止物品。
[7]
上記無機粒子が、表面修飾された粒子である[1]〜[6]のいずれかに記載の反射防止物品。
[8]
上記基材がプラスチック基材である、[1]〜[7]のいずれかに記載の反射防止物品。
[9]
上記プラスチック基材と、上記反射防止層との間に、上記プラスチック基材を構成する成分と、上記反射防止層中のバインダー樹脂とを含有する浸透層を有する、[8]に記載の反射防止物品。
[10]
上記プラスチック基材が、フィルム状のプラスチック基材であり、上記反射防止物品がフィルム状の反射防止物品である、[8]又は[9]に記載の反射防止物品。
[11]
JIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数が1000回以上の繰り返しの折り曲げ耐性を有する[10]に記載の反射防止物品。
[12]
偏光子と、上記偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、上記保護フィルムの少なくとも1枚が[10]又は[11]に記載の反射防止物品である偏光板。
[13]
[10]又は[11]に記載の反射防止物品を保護フィルムとして有するカバーガラス。
[14]
[1]〜[11]のいずれかに記載の反射防止物品、[12]に記載の偏光板、又は[13]に記載のカバーガラスを有する画像表示装置。
[15]
基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有し、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、CV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の無機粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物とを含有する反射防止層形成用組成物を、基材上に塗布する工程、
塗布されたバインダー樹脂形成用重合性化合物を重合してバインダー樹脂層を形成する工程、
上記バインダー樹脂層をエッチングすることにより、上記凹凸形状からなるモスアイ構造を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
[16]
プラスチック基材と、浸透層と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とをこの順に有し、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、CV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の無機粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物と、プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒とを含有する反射防止層形成用組成物を、プラスチック基材上に塗布し、上記プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒及び上記バインダー樹脂形成用重合性化合物の一部を上記プラスチック基材に浸透させ、浸透層を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
本発明の反射防止物品は、
基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有する反射防止物品であって、
上記無機粒子は、平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、CV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の粒子であり、
上記反射防止層は、表面に上記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における上記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、
反射防止物品である。
図1の反射防止物品10は、基材1と反射防止層2とを有する。反射防止層2は、基材1と反対側の表面にモスアイ粒子(無機粒子)3により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
反射防止層2は、モスアイ粒子3と、バインダー樹脂4とを含んでなる。
反射防止層の基材側の界面とは反対側の表面は、無機粒子によって形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有する。
ここで、モスアイ構造とは、光の反射を抑制するための物質(材料)の加工された表面であって、周期的な微細構造パターンをもった構造のことを指す。特に、可視光の反射を抑制する目的の場合には、780nm未満の周期の微細構造パターンをもった構造のことを指す。微細構造パターンの周期が380nm未満であると、反射光の色味が小さくなり好ましい。また、モスアイ構造の凹凸形状の周期が100nm以上であると波長380nmの光が微細構造パターンを認識でき、反射防止性に優れるため好ましい。モスアイ構造の有無は、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等により表面形状を観察し、上記微細構造パターンが出来ているかどうか調べることによって確認することができる。
B/Aは、硬化後の反射防止層におけるバインダー樹脂と無機粒子の体積比により制御することができる。そのため、バインダー樹脂と無機粒子の配合比を適切に設計することが重要である。また、バインダー樹脂がモスアイ構造を作製する工程の中で基材に浸透したり、揮発したりすることにより反射防止層におけるバインダー樹脂と無機粒子の体積比が反射防止層形成用組成物中の配合比と異なる場合もあるため、基材とのマッチングを適切に設定することも重要である。
反射防止層のモスアイ構造を形成する無機粒子(「モスアイ粒子」ともいう)は金属酸化物粒子であることが好ましい。
基材上に粒子を含有する塗布液を塗布して反射防止層を作成する場合、塗布液作成における粒子の分散時や焼成処理後の解粒時の衝撃力が強すぎると、粒子の変形や損壊を生じ、特に粒子占有率の低い領域において、粒子の分布均一性を損なうため好ましくない。
CV値=([平均一次粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100
によって計算して求めることができる値(単位:%)であり、小さいほど平均一次粒径がそろっていることを意味する。平均一次粒径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行う。粒子の平均粒径及びその標準偏差は、200個以上の粒子の粒径の測定値に基づいて算出する。平均一次粒径の異なる複数種の粒子の混合物の場合も、粒子全体としてのCV値を算出する。
無機粒子の平均一次粒径は、150nm以上230nm以下が好ましく、160nm以上200nm以下がより好ましい。
CV値を小さく出来るという理由から、無機粒子として、一次粒径が150nm以上250nm以下の金属酸化物粒子のみを含有することが好ましく、一次粒径が160nm以上230nm以下の金属酸化物粒子のみを含有することがより好ましく、一次粒径が160nm以上200nm以下の金属酸化物粒子のみを含有することが更に好ましい。
無機粒子の押し込み硬度は、ナノインデンター等によって測定することが出来る。具体的な測定手法としては、無機粒子をそれ自身より硬い基板(ガラス板、石英板等)に一段以上重なりが生じないように並べてダイヤモンド圧子で押し込んで測定することができる。この際、粒子が動かないように、樹脂などで固定することが好ましい。ただし、樹脂で固定する場合には粒子の一部が露出するように調節して行う。また、トライボインデンターにより押し込み位置を特定することが好ましい。
本発明においても、基板上に無機粒子を並べ、測定値に影響を及ぼさない様に微量の硬化性樹脂を用いて粒子同士を結着・固定させた試料を作成し、その試料を圧子による測定方法を用いて無機粒子の押し込み硬度を求めた。
特に、バインダー成分との結着性を付与し、膜強度を向上させる観点から、粒子表面を不飽和二重結合および粒子表面と反応性を有する官能基を有する化合物で表面修飾し、粒子表面に不飽和二重結合を付与することが好ましく、(メタ)アクリロイル基が付与されることがより好ましい。
焼成シリカ粒子は、加水分解が可能なシリコン化合物を水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解、縮合させることによってシリカ粒子を得た後、シリカ粒子を焼成するという公知の技術により製造することができ、たとえば特開2003−176121号公報、特開2008−137854号公報などを参照することができる。
焼成シリカ粒子を製造する原料のシリコン化合物としては特に限定されないが、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン等のクロロシラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、3−、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン等のアシロキシシラン化合物;ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール等のシラノール化合物;等が挙げられる。上記例示のシラン化合物のうち、アルコキシシラン化合物が、より入手し易く、かつ、得られる焼成シリカ粒子に不純物としてハロゲン原子が含まれることが無いので特に好ましい。本発明にかかる焼成シリカ粒子の好ましい形態としては、ハロゲン原子の含有量が実質的に0%であり、ハロゲン原子が検出されないことが好ましい。
焼成温度は特に限定されないが、800〜1300℃が好ましく、1000℃〜1200℃がより好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面修飾されたアルミナ粒子を用いることで、バインダー樹脂中の(メタ)アクリロイル基と架橋し、アルミナ粒子がバインダー樹脂に強固に固定され、得られる微粒子層の鉛筆硬度がより高くなり、折り曲げ時にもアルミナ粒子がより脱落しにくくなるため好ましい。表面処理方法の具体例及びその好ましい例は、特開2007−298974号公報の[0119]〜[0147]の記載を参照できる。
具体的な例としては、スノーテックスMP−2040(平均一次粒径200nm、日産化学工業(株)製シリカ)、シーホスターKE−P10(平均一次粒径150nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、シーホスターKE−P20(平均一次粒径200nm、日本触媒(株)製アモルファスシリカ)、ASFP−20(平均一次粒径200nm、日本電気化学工業(株)製アルミナ)、HIT−60A(平均一次粒径200nm、住友化学工業(株)製高純度アルミナ)などを好ましく用いることができる。さらに、本発明の無機粒子の要件を満たすものであれば、市販されている粒子をそのまま用いても良い。
(無機粒子の質量/バインダー樹脂の質量)が10/90以上であるとモスアイ構造の凹凸形状のB/Aが大きくなり、反射率が低下するため好ましい。(無機粒子の質量/バインダー樹脂の質量)が95/5以下であると無機粒子と基材との密着性が高くなったり、製造過程で無機粒子が凝集しにくく、故障やヘイズの悪化を招かないため好ましい。
反射防止層のバインダー樹脂について説明する。
反射防止層のバインダー樹脂はヒドロキシル基を有する樹脂を含むことが好ましい。反射防止層のバインダー樹脂がヒドロキシル基を有する樹脂であることにより、前述の表面ヒドロキシル基量が1.00×10−1以下である金属酸化物粒子であっても分散性が高く、バインダー樹脂中で金属酸化物粒子が凝集せず、反射防止層のヘイズを低くでき、反射率も低くできる。
重合性化合物1分子のヒドロキシル基当量は、1〜10000が好ましく、100〜5000がより好ましく、200〜3000がさらに好ましい。本発明においてヒドロキシル基当量とは、ヒドロキシル基1個あたりの分子量であり、重合性化合物の分子量を1分子中に含まれるヒドロキシル基の数で除した値である。
エチレン性不飽和二重結合を有する基を有する重合性化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、又はアリル基を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CH2を有する化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
また、粒子の凝集抑制効果が高く、金属酸化物微粒子やヒドロキシル基を有する樹脂との相溶性か良好な観点からウレタン化合物であることが好ましく、耐擦傷性に優れる観点から4官能以上のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。具体的には、紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EA、同UV−2750B(日本合成化学(株)製)、UL−503LN(共栄社化学(株)製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA(大日本インキ化学工業(株)製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830,EB−4858(ダイセルUCB(株)製)、ハイコープAU−2010、同AU−2020((株)トクシキ製)、アロニックスM−1960(東亜合成(株)製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904(根上工業(株)製)、NKオリゴU−4HA、U−15HA(新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
ゴム系ポリマー/オリゴマーにエチレン性不飽和二重結合を有する基を持つ市販品としては、例えばBAC−45(ポリブタジエン末端ジアクリレート、大阪有機化学工業(株)製)やSPBDA−S30(水添ポリブタジエン末端ジアクリレート、大阪有機化学工業(株)製)が挙げられる。
本発明の反射防止物品における基材は、特に限定はないが、プラスチック基材やガラス基材が好ましい。
プラスチック基材としては、種々用いることができ、例えば、セルロース系樹脂;セルロースアシレート(トリアセテートセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース)等、ポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート等、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、オレフィン系樹脂等を含有する基材が挙げられ、セルロースアシレート、ポリエチレンテレフタレート、又は(メタ)アクリル系樹脂を含有する基材が好ましく、セルロースアシレートを含有する基材がより好ましい。セルロースアシレートとしては、特開2012−093723号公報に記載の基材等を好ましく用いることが出来る。
プラスチック基材の厚さは、通常、10μm〜1000μm程度であるが、取り扱い性が良好で、透光性が高く、かつ十分な強度が得られるという観点から20μm〜200μmが好ましく、25μm〜100μmがより好ましい。プラスチック基材の透光性としては、可視光の透過率(好ましくは400〜750nmの平均透過率)が90%以上のものが好ましい。
本発明の反射防止物品は、基材がフィルム状のプラスチック基材であることが好ましく、この場合は反射防止物品がフィルム状の反射防止物品となり、すなわち反射防止フィルムとなる。
式(1) N(10)≧1.1×N(0)
ここでN(10)は、ポリマー100質量部に対して柔軟化素材を10質量部含む基材のJIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数であり、N(0)は、ポリマーのみからなる基材の耐折回数である。
ポリマーとしては、光学的な透明性、機械的強度、熱安定性、などに優れるポリマーが好ましく、JIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数が、500回以上が好ましく、1000回以上がさらに好ましい。
ポリマーの重量平均分子量は、自己支持性を確保するために1万〜200万が好ましく、2万〜200万がさらに好ましい。
本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより下記の条件で測定された値である。
[溶媒] テトラヒドロフラン
[装置名] TOSOH HLC−8220GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super HZM−H
(4.6mm×15cm)を3本接続して使用。
[カラム温度] 25℃
[試料濃度] 0.1質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000〜1050までの7サンプルによる校正曲線を使用。
フィルム状の基材は、上記のポリマーをさらに柔軟化する素材(柔軟化素材)を用いても良い。柔軟化素材としては、ゴム質弾性体、脆性改良剤、可塑剤、スライドリングポリマー等を用いることが出来る。本発明における柔軟化素材とは、耐折回数を上述の式(1)を満たすように、上記ポリマーの耐折回数を向上させるものとする。
本発明においては、フィルム状の基材に柔軟性を与えるため、ゴム質弾性体を含んでもよい。本発明においてゴム質弾性体とは、JIS K6200(2008)におけるゴムの定義に含まれる材料であるとともに、ポリマーと混合した際に、上述の式(1)を満たす素材をいう。また、ゴム質弾性は単独でも柔軟性を持つことから、本発明においては、ポリマーと混合せずに基材として用いても良い。
「芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合」とは、炭素−炭素二重結合のうち、芳香環に含まれるものを除いたものである。ゴム質弾性体としては、重合体であることが好ましく、主鎖に芳香環を構成しない炭素−炭素二重結合を有することがより好ましく、下記一般式(B)で表される繰り返し単位を含有することがさらに好ましい。
一般式(B)
Rは水素原子であることが好ましい。
本発明では、ゴム質弾性体としてコア−シェル粒子を用いることができる。コア−シェル粒子は、種々のポリマーの2種類(コアと1つのシェル)またはそれ以上(コアと、1つ以上のシェル)の交互層を有する。これらの粒子は、個々の層が、異なるガラス転移温度Tgのポリマーから構成されているという点である。本明細書では、ガラス転移温度の低いポリマーを、コアとなるゴム相と称し、ガラス転移温度の高いポリマーを、シェルとなる硬質相(hard phase)と称することとする。この種の粒子は、例えば、エマルション重合により製造することができる。コア−シェル粒子の形とサイズが、ブレンド中に変化しないように、1種以上の層を製造時に化学的に架橋させてもよい。
架橋型のコア−シェル粒子を用いることにより、製膜時に粒径が変化することがないため、フィルム状の基材中に存在するコア−シェル粒子の粒子径制御が行いやすくなる。
共役ジエンモノマー類(例えば、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン)、モノエチレン性不飽和モノマー類、例えば、アルキル及びアリールアクリレート類(但し、アルキル基は線状、環式若しくは分岐であってもよく、アリール基は、それ自体置換基を有していてもよい)、アルキル及びアリールメタクリレート類(但し、アルキル基は、線状、環式若しくは分岐であってもよく、アリール基は、それ自体置換基を有していてもよい)、置換アルキル及びアリールメタクリレート及びアクリレート類(但し、置換基は、線状、環式若しくは置換アルキル基または置換アリール基であってもよい)、アクリロニトリル及び置換アクリロニトリル類(例えば、メタクリロニトリル、α−メチレングルタロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−フェニルアクリロニトリル)、アルキル−及びアリールアクリルアミド類及び置換アルキル−及びアリールアクリルアミド類、ビニルエステル及び置換ビニルエステル類、ビニルエーテル類及び置換ビニルエーテル類、ビニルアミド類及び置換ビニルアミド類、ビニルケトン類及び置換ビニルケトン類、ハロゲン化ビニル類及び置換ハロゲン化ビニル類、例えば、オレフィン性ゴムを製造するのに使用するような1つ以上の二重結合を有するオレフィン類、特に、エチレン、プロピレン、ブチレン及び1,4−ヘキサジエン、並びにビニル芳香族化合物類(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ハロスチレン類及びtert−ブチルスチレン類)から誘導することができる。
硬質相用の未架橋ベース材料であるポリマーは、50℃以上、好ましくは80℃以上、特に好ましくは100℃以上のガラス転移温度を有する。
なお、コア−シェル粒子の形態としては、ブタジエンをコアとし、スチレン及びメチルメタクリレートの少なくとも一方(より好ましくはスチレン比率が10モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上)をシェルとするコア−シェル粒子(MBS)を用いることが好ましい。
本発明では、ゴム質弾性体としてゴム質重合体を用いることもできる。ゴム質重合体は、ガラス転移温度が40℃以下の重合体である。ゴム質重合体にはゴムや熱可塑性エラストマーが含まれる。ブロック共重合体のごとくガラス転移温度が2点以上ある場合は、最も低いガラス転移温度が40℃以下であればゴム質重合体として用いることができる。ゴム質重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常5〜300である。
なお、ゴム質重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)を用いることが好ましい。
ゴム質弾性体の粒径としては、10nm〜500nmが好ましく、より好ましくは50nm〜300nmであり、更に好ましくは50nm〜100nmである。
ゴム質弾性体の粒径が10nm以上であるとフィルムと偏光子との密着性が優れ、500nm以下であるとフィルムのヘイズ特にフィルムの内部ヘイズが小さい。
ゴム質弾性体の重量平均分子量としては、5万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜15万であり、更に好ましくは5万〜10万である。ゴム質弾性体の重量平均分子量が5万以上であると偏光子密着に優れ、20万以下であるとヘイズが小さい。
ゴム質弾性体の重量平均分子量は前述した条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量をいう。
本発明においては、フィルム状の基材に柔軟性を与えるため、脆性改良剤を含んでもよい。脆性改良剤としては、例えば下記のような化合物を挙げることができる。
以下に、本発明で好ましく用いられる繰り返し単位を有する化合物である多価アルコールと多塩基酸との縮合物、および、アクリル酸エステルの付加物について種類別に記述する。
まず、フィルム状の基材に用いられる多価アルコールと多塩基酸との縮合物について説明する。好ましい多価アルコールと多塩基酸との縮合物としては、特に限定されないが、二塩基酸とグリコールの反応によって得られるものであることが好ましい。上記二塩基酸とグリコールの反応によって得られる反応物の両末端は反応物のままでもよいが、更にモノカルボン酸やモノアルコールを反応させて、所謂末端の封止を実施すると湿熱環境下で保持した場合のレタデーション変化を抑制することができ好ましい。このような縮合物では、末端が未封止の縮合物と比較して水酸基価が低下し、水酸基価が40mgKOH/g未満以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましく、10mgKOH/g以下であることが更に好ましい。本発明で使用される多価アルコールと多塩基酸との縮合物は、炭素数3〜12のグリコールと炭素数5〜12の二塩基酸とから合成することが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。なかでも、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸を含むことが脆性向上の観点から好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。なかでも、フタル酸及びテレフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。
本発明に用いる二塩基酸の炭素数は、5〜12であることが好ましく、6〜10であることがより好ましく、6〜8であることが特に好ましい。本発明では2種以上の二塩基酸の混合物を用いてもよく、この場合、2種以上の二塩基酸の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。 脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを併用することも好ましい。具体的には、アジピン酸とフタル酸との併用、アジピン酸とテレフタル酸との併用、コハク酸とフタル酸との併用、コハク酸とテレフタル酸のとの併用が好ましく、コハク酸とフタル酸との併用、コハク酸とテレフタル酸との併用がより好ましい。脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを併用する場合、両者の比率(モル比)は特に限定されないが、95:5〜40:60が好ましく、55:45〜45:55がより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、アルキルジオール又は脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エチレングリコール(エタンジオール)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールの少なくとも1種であり、特に好ましくは、1,4−ブタンジオール及び1,2−プロパンジオールの少なくとも1種である。2種用いる場合は、エチレングリコール及び1,5−ペンタンジオールを用いることが好ましい。
グリコールの炭素数は、3〜12であることが好ましく、4〜10であることがより好ましく、4〜8であることが特に好ましい。2種以上のグリコールを用いる場合には、上記2種以上の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。
その場合、モノアルコール残基としては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコール残基が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
このとき、両末端のモノカルボン酸残基の炭素数が3以下であると、揮発性が低下し、多価アルコールと多塩基酸との縮合物の加熱による減量が大きくならず、工程汚染の発生や面状故障の発生を低減することができる。このような観点からは、封止に用いるモノカルボン酸類としては脂肪族モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸が炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸であることが更に好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体等が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸(末端がアセチル基となる)が最も好ましい。封止に用いるモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。
アクリル酸エステルの付加物の組成は、脂肪族のアクリル酸エステルモノマー、芳香族環を有するアクリル酸エステルモノマー又はシクロへキシル基を有するアクリル酸エステルモノマーを主成分として含むことが好ましく、脂肪族のアクリル酸エステルモノマーを主成分として含むものがより好ましい。主成分とは、(共)重合体中で他の共重合可能な成分よりも構成質量比率が高いことをいう。
好ましくは、これら成分の構成質量比率が、40〜100質量%、更に好ましくは60〜100質量%、最も好ましくは70〜100質量%である。
本発明においては、フィルム状の基材に柔軟性を与えるために可塑剤を用いてもよい。
これらの好ましい可塑剤は、25℃においてTPP(融点約50℃)以外は液体であり、沸点も250℃以上である。
また、耐揮発性、ブリードアウト、低ヘイズなどの点で優れる可塑剤としては、例えば特開2009−98674号公報に記載の両末端が水酸基であるポリエステルジオールを用いるのが好ましい。また、フィルム状の基材の平面性や低ヘイズなどの点で優れる可塑剤としては、WO2009/031464号公報に記載の糖エステル誘導体も好ましい。
フィルム状の基材には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、紫外線吸収剤、マット剤、酸化防止剤、剥離促進剤、レターデーション(光学異方性)調節剤、など)を添加できる。それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に劣化防止剤の混合などである。またその添加する時期はフィルム状の基材を作製する工程において何れで添加しても良く、素材調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。
以下、それぞれについて説明する。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系またはサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
フィルム状の基材は、マット剤を含有することが、フィルムすべり性、及び安定製造の観点から好ましい。上記マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
上記無機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。上記二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。上記酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
上記有機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などが好ましい。シリコーン樹脂の中では、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120及びトスパール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
酸化防止剤としては、フィルム状の基材に用いられる樹脂をフィルム状に成形したり使用したりする際に、酸化や劣化、熱分解や熱着色を防止する化合物であれば好適に添加することができる。樹脂の酸化で生成するアルキルラジカルや過酸化物ラジカルを捕捉もしくは分解する作用機構で、各々に適した酸化防止剤を添加することで効果が期待できる。例えば、BASF社製IRGANOX−1010、IRGANOX−1076、住友化学社製SUMILIZER GM、SUMILIZER GS等を例示することができる。
フィルム状の基材には、レターデーション調整剤を添加してもよい。本発明においてレターデーション調整剤としては、レターデーションを発現するもの(以下、レターデーション発現剤とも言う)および、レターデーションを低減させるもの(以下、レターデーション低減剤とも言う)のどちらも、好ましく用いることができる。
フィルム状の基材は、微粒子層と基材とを含むことを特徴とし、それぞれ単独で作製しても、両者を同時に作製してもよく、いずれの作製方法にも限定されない。たとえば、あらかじめ作製した基材の上に微粒子層を塗工や積層等の手段により順次作製しても良いし、微粒子層と基材とを同時に押し出し機などから製膜するような手段で作製しても良い。
フィルム状の基材に用いられる基材は、熱可塑性のポリマーを熱溶融して製膜しても良いし、ポリマーを均一に溶解した溶液から溶液製膜(ソルベントキャスト法)によって製膜しても良い。熱溶融製膜の場合は、上述の柔軟化素材や種々の添加剤を、熱溶融時に加えることができる。一方、フィルム状の基材に用いられる基材を、溶液から調整する場合は、ポリマー溶液(以下、ドープともいう)には、各調製工程において上述の柔軟化素材や種々の添加剤を加えることができる。またその添加する時期はドープ作製工程において何れでも添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
フィルム状の基材の厚みは、1000μm以下であることがのぞましい。
フィルム状の基材は、場合により表面処理を行うことによって、フィルムと他の層(例えば、偏光子、下塗層及びバック層)や、その他の基材との密着・接着を向上することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
フィルム状の基材は、必要に応じて緩和層を有していることが好ましい。緩和層とは、基材の有する繰り返し折り曲げ耐性をさらに改善するための層である。10μm未満の厚みに設計することにより、基材よりもより柔軟で、しなやかな素材を用いることが出来、硬さを有し、丈夫な基材を用いた場合にも折り曲げ耐性を良くすることが出来る。また、フィルムの丈夫さを鉛筆硬度で測定することがしばしばあるが、柔軟な緩和層を設けることにより、鉛筆硬度試験でついた傷が回復し、傷つかなくなる効果も得られる場合がある。
本発明の微粒子層と基材であるフィルム状の基材に、折れ曲げ回数に耐え得る密着性を付与するためには、基材上に隣接した易接着層を持つことが好ましい。その易接着層に用いる素材、製造法等の具体例及びその好ましい例は、特開2014−209162号公報の[0068]〜[0107]のハードコート層側易接着層に関する記載を参照できる。
本発明の反射防止物品は、プラスチック基材と、反射防止層との間に、プラスチック基材を構成する成分と、反射防止層中のバインダー樹脂とを含有する浸透層を有する反射防止物品であることも好ましい。
本発明において、浸透層とは、プラスチック基材成分と反射防止層のバインダー樹脂成分とを含む層(領域)である。浸透層は、プラスチック基材に、プラスチック基材に対して浸透性を有する溶媒(基材浸透性溶媒)と、反射防止層のバインダー樹脂成分を含む反射防止層形成用組成物を塗布し、基材浸透性溶媒がプラスチック基材に浸透するとともに、反射防止層のバインダー樹脂成分もプラスチック基材に浸透することで得られる。反射防止層のバインダー樹脂成分は、バインダー樹脂又はバインダー樹脂の材料であるモノマーを含む概念である。プラスチック基材成分とは、プラスチック基材を構成する成分を指す。プラスチック基材がハードコート層等の別の樹脂層を表面に備えている場合は、その別の樹脂層を構成する成分もプラスチック基材成分とする。
本発明では以後、プラスチック基材とは、プラスチック基材成分を含み、かつ、反射防止層のバインダー樹脂成分を含まない部分を指すこととする。また、反射防止層とは、反射防止層のバインダー樹脂成分を含み、かつプラスチック基材成分を含まない部分を指すこととする。
また、浸透層は、本発明の反射防止物品をミクロトームで切削し、断面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で分析した時に、プラスチック基材成分と、反射防止層のバインダー樹脂成分が共に検出される部分として測定することができ、この領域の膜厚も同様にTOF−SIMSの断面情報から測定することができる。
また、浸透層は、例えば光の干渉を利用した反射分光膜厚計やTEM(透過型電子顕微鏡)による断面観察により、基材と反射防止層の中間に別の1層を検出することによっても測定することが出来る。反射分光膜厚計としては、FE−3000(大塚電子(株)製)等を用いることが出来る。
浸透層の厚さは、塗布組成物中の粒子含率を高くしすぎずにモスアイ層を形成できる観点から、0.1μm以上5μm以下が好ましい。
浸透層は、効率よく浸透層が形成できる観点から、基材浸透性溶媒を含有することが好ましい。反射防止層形成用組成物における基材浸透性溶媒の含有量は、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましい。
基材浸透性溶媒については後述する。
本発明の反射防止物品は、反射防止層以外の機能層を有していてもよい。
たとえば、基材と反射防止層との間にハードコート層を有する態様が好ましく挙げられる。また、密着性を付与するための易接着層、帯電防止性を付与するための層等を備えていても良く、これらを複数備えていても良い。この場合に、ハードコート層等に反射防止層のバインダー樹脂を浸透させる態様も好ましい。
本発明の反射防止物品の製造方法は特に限定されないが、下記2つの方法が好ましい。
基材と、バインダー樹脂及び粒子を含有する反射防止層とを有し、
上記反射防止層は、表面に上記粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、CV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物とを含有する反射防止層形成用組成物を、基材上に塗布する工程、
塗布されたバインダー樹脂形成用重合性化合物を重合してバインダー樹脂層を形成する工程、
上記バインダー樹脂層をエッチングすることにより、上記凹凸形状からなるモスアイ構造を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
反射防止層形成用組成物に用いる粒子は前述と同様であるが、粒子分散液の状態で用いられることが好ましく、分散の際に粒子の形状が変形しないように調節されることが好ましい。
バインダー樹脂形成用重合性化合物としては前述したものと同様である。
エッチングとしては、好ましい形状形成の観点から、異方性の強い真空エッチングが好ましい。
溶媒としては、粒子と極性が近い物を選ぶのが分散性を向上させる観点で好ましい。具体的には、例えば粒子が金属酸化物粒子の場合にはアルコール系の溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また、例えば粒子が疎水化表面修飾がされた金属樹脂粒子の場合には、ケトン系、エステル系、カーボネート系、アルカン、芳香族系等の溶剤が好ましく、メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライド、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶剤は、分散性を著しく悪化させない範囲で複数種混ぜて用いてもかまわない。
粒子の分散剤は、粒子同士の凝集力を低下させることにより、粒子を均一に配置させ易くすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、硫酸塩、リン酸塩などのアニオン性化合物、脂肪族アミン塩、四級アンモニウム塩などのカチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が好ましく、吸着基と立体反発基それぞれの選択の自由度が高いため高分子化合物がより好ましい。分散剤としては市販品を用いることもできる。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK160、DISPERBYK161、DISPERBYK162、DISPERBYK163、DISPERBYK164、DISPERBYK166、DISPERBYK167、DISPERBYK171、DISPERBYK180、DISPERBYK182、DISPERBYK2000、DISPERBYK2001、DISPERBYK2164、Bykumen、BYK−2009、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S、Anti−Terra203、Anti−Terra204、Anti−Terra205(以上商品名)などが挙げられる。
レベリング剤は、塗布液の表面張力を低下させることにより、塗布後の液を安定させ粒子やバインダー樹脂を均一に配置させ易くすることができる。例えば、特開2004−331812号公報、特開2004−163610号公報に記載の化合物等を用いることができる。
防汚剤は、モスアイ構造に撥水撥油性を付与することにより、汚れや指紋の付着を抑制することができる。例えば、特開2012−88699号公報に記載の化合物等を用いることができる。
バインダー樹脂形成用重合性化合物が光重合性化合物である場合は、反射防止層形成用組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
プラスチック基材と、浸透層と、バインダー樹脂及び粒子を含有する反射防止層とをこの順に有し、
上記反射防止層は、表面に上記粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
上記反射防止層の表面における無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、CV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物と、プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒とを含有する反射防止層形成用組成物を、プラスチック基材上に塗布し、プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒及びバインダー樹脂形成用重合性化合物の一部をプラスチック基材に浸透させ、浸透層を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
上記態様2においても、粒子、バインダー樹脂形成用重合性化合物、重合開始剤、粒子の分散剤、レベリング剤、防汚剤、その他の添加物、塗布方法、反射防止層形成用組成物の固形分濃度については前述と同様である。
プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒(基材浸透性溶媒とも称することがある)について説明する。
プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒とは、プラスチック基材の表面対する溶解能及び膨潤能を有する溶剤である。
この溶媒がプラスチック基材の表面に対して溶解能及び膨潤能を有することで、バインダー樹脂がプラスチック基材に浸透し、モスアイ構造を均一に形成することができる。
ここで、本発明において基材に対して溶解能を有する溶剤とは、24mm×36mm(厚み80μm)の大きさの基材フィルムを上記溶剤の入った15ccの瓶に室温下(25℃)で60秒浸漬させて取り出した後に、浸漬させた溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析したとき、基材成分(基材が複数の層を有している場合には、その表面の成分)のピーク面積が400mV/sec以上である溶剤のことを意味する。若しくは24mm×36mm(厚み80μm)の大きさの基材フィルムを上記溶剤の入った15ccの瓶に室温下(25℃)で24時間経時させ、適宜瓶を揺らすなどして、フィルムが完全に溶解して形をなくすものも、基材に対して溶解能を有する溶剤を意味する。
基材浸透性溶媒としては、プラスチック基材を構成する成分によって異なるが、セルロースアシレート基材の場合は、メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライド等を好ましく用いることが出来るが基材を溶解しうるものであればこれによらない。メチルエチルケトン(MEK)、炭酸ジメチル、酢酸メチルがより好ましい。
アクリル基材の場合は、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましい。
また基材として透明アラミドフィルムを用いる場合を例に、溶解能を有する溶剤を例示すると、特許第5699454号公報の[0044]〜[0046]に記載の、塗布助剤として臭化リチウム5質量%含有したN−メチル−2−ピロリドン、もしくは含有しないN−メチル−2−ピロリドンを挙げることができる。
前述のとおり、本発明の反射防止物品の好ましい形態としては、反射防止フィルムである。
反射防止フィルムは、JIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数が1000回以上の繰り返しの折り曲げ耐性を有することが好ましい。
本発明によれば、柔軟性に富むプラスチック基材上に薄いモスアイ構造の反射防止層を積層したJIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数が1000回以上の繰り返しの折り曲げ耐性を有する反射防止フィルムも得ることができるため、フレシキブルな画像表示装置に用いることが可能な低反射表面フィルムを提供することもできる。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、保護フィルムの少なくとも1枚が本発明の反射防止物品(反射防止フィルム)である。
本発明のカバーガラスは、本発明の反射防止物品(反射防止フィルム)を保護フィルムとして有する。
本発明の画像表示装置は、本発明の反射防止物品(反射防止フィルム)、偏光板、又はカバーガラスを有する。
本発明の偏光板は液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に好適に用いることができ、特に液晶表示装置が好ましい。
一般的に、液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有し、液晶セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、又は液晶セルと双方の偏光板との間に2枚配置されることもある。液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。
[シリカ粒子a−1の合成]
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量200Lの反応器に、メチルアルコール67.54kgと、28質量%アンモニア水(水および触媒)26.33kgとを仕込み、撹拌しながら液温を33℃に調節した。一方、滴下装置に、テトラメトキシシラン12.70kgをメチルアルコール5.59kgに溶解させた溶液を仕込んだ。反応器中の液温を33℃に保持しながら、滴下装置から上記溶液を44分間かけて滴下し、滴下終了後、さらに44分間、液温を上記温度に保持しながら撹拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解および縮合を行い、シリカ粒子前駆体を含有する分散液を得た。この分散液を、瞬間真空蒸発装置((ホソカワミクロン(株)社製クラックス・システムCVX−8B型)を用いて加熱管温度175℃、減圧度200torr(27kPa)の条件で気流乾燥させることにより、シリカ粒子a−1を得た。平均粒子径は180nm、粒子径の分散度(CV値):3.3%であった。押し込み硬度は、340MPaであった。
シリカ粒子a−1 5kgをルツボに入れ、電気炉を用いて900℃で2時間焼成した後、冷却して、次いで粉砕機を用いて粉砕し、分級前焼成シリカ粒子を得た。さらにジェット粉砕分級機(日本ニューマ社製IDS−2型)を用いて解砕および分級を行うことにより焼成シリカ粒子b−1を得た。得られたシリカ粒子の平均一次粒径は180nm、粒径の分散度(CV値):3.3%であった。押し込み硬度は、470MPaであった。
b−1に対して、滴下、攪拌時間を調整することで、得られたシリカ粒子の平均一次粒径は210nm、粒径の分散度(CV値):3.6%であった。押し込み硬度は、450MPaであった。
シリカ粒子b−1、b−2それぞれ2kgを高速撹拌混合機スパルタンミキサー(DULTON製)に投入し、30分間攪拌した後取り出して焼成シリカ粒子b−3を得た。得られたシリカ粒子の平均一次粒径は195nm、粒径の分散度(CV値):14.6%であった。
b−1に対して、滴下、攪拌時間を調整することで、得られたシリカ粒子b−4の平均一次粒径は195nm、粒径の分散度(CV値):3.4%であった。押し込み硬度は、462MPaであった。
シリカ粒子b−1、b−4それぞれ2kgを高速撹拌混合機スパルタンミキサー(DULTON製)に投入し、30分間攪拌した後取り出して焼成シリカ粒子b−5を得た。得られたシリカ粒子の平均一次粒径は188nm、粒径の分散度(CV値):7.6%であった。
分級前焼成シリカ粒子b−1 5kgを、加熱ジャケットを備えた容量20Lのヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製FM20J型)に仕込んだ。焼成シリカ粒子b−1を撹拌しているところに、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM5103)45gを、メチルアルコール90gに溶解させた溶液を滴下して混合した。その後、混合撹拌しながら150℃まで約1時間かけて昇温し、150℃で12時間保持して加熱処理を行った。加熱処理では、掻き落とし装置を撹拌羽根とは逆方向に常時回転させながら、壁面付着物の掻き落としを行った。また、適宜、へらを用いて壁面付着物を掻き落とすことも行った。加熱後、冷却し、ジェット粉砕分級機を用いて解砕および分級を行い、シランカップリング剤処理シリカ粒子c−1を得た。平均一次粒径は181nm、粒径の分散度(CV値):3.3%であった。押し込み硬度は、470MPaであった。シリカ粒子c−1の表面にはアクリロイル基が付与されている。
各金属酸化物粒子10g、イルガキュア184(BASFジャパン(株)社製)0.3g、KAYARAD PET30(日本化薬(株)社製)6.7gをエタノール91gに投入し、10分間攪拌後、超音波分散機により10分間分散して15質量%の分散液を得た。この分散液をガラス板にWet塗布量約3ml/m2で塗布し、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して硬化した。その後、金属酸化物粒子が一段以上に積み重なっていないことをSEMで観察した。この試料をトライボインデンター(ハイジトロン社製TI−950)を用いて直径1μmのダイヤモンド圧子、押し込み荷重0.05mNの測定条件で金属酸化物粒子の押し込み硬度を測定した。
分散処方Aと同様にして6時間分散した。
シリカ粒子を50g、MEK200g、直径0.05mmジルコニアビーズ600gを直径12cmの1L瓶容器に入れ、ボールミルV−2M(入江商会)にセットし、250回転/分で10時間分散した。
ミキシングタンクに酢酸メチル10.5質量部、MEK10.5質量部、NKエステルA−TMMT(新中村化学(株)社製)20.52質量部、AD−TMP(新中村化学(株)社製)8.30質量部、イルガキュア184 0.94質量部を投入し、攪拌して、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗布液(固形分濃度58質量%)とした。
セルローストリアセテートフィルム(TDH60UF、富士フイルム(株)製)上に、ハードコート層形成用塗布液を塗布し、窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量30mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、膜厚6μmのハードコート層を形成した。このようにしてハードコート層付き基材を作製した。
シリカ粒子分散液(シリカ粒子濃度 20質量%)29g、イルガキュア127 0.5g、NKオリゴU−4HA 2.3g、KAYARAD PET30 4.7g、C3 4.7g、MEK30g、エタノール30gをミキシングタンクに投入し、60分間攪拌し、15分間超音波分散機により分散し、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して反射防止層形成用塗布液Aとした。
なお、シリカ粒子分散液は、表1に記載のシリカ粒子を用いて、表1に記載の分散処方でMEK溶媒中に分散させた分散液である。
KAYARAD PET30(日本化薬(株)社製):ペンタエリストールトリアクリレート60%とペンタエリストールテトラアクリレート40%の混合物
イルガキュア127:光重合開始剤(BASFジャパン(株)製)
NKオリゴU−4HA(新中村化学工業(株)製)
[C3]
還流冷却器、温度計を付けたフラスコに信越化学工業製KBE−9007 19.3gとグリセリン1,3−ビスアクリラート3.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート 6.8g ジラウリン酸ジブチル錫0.1g、トルエン70.0gを添加し、室温で12時間撹拌した。撹拌後、メチルハイドロキノン500ppmを加え、減圧留去を行いC3を得た。
ハードコート層付き基材のハードコート層上に、下記表1に記載の各反射防止層形成用組成物をグラビアコーターを用いてWet塗布量約2.8ml/m2で塗布し、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、反射防止フィルムを作製した。粒子の面積占有率が表1の値となるように、反射防止層形成用塗布液の固形分濃度一定で、シリカ分散液とバインダ−総量(NKオリゴU−4HA、PET30、C3)の比率を調整した。また、開始剤は、バインダー量との比率を固定するように調整した。
ハードコート層付き基材のハードコート層上に、焼成シリカ粒子b−1を含む反射防止層形成用組成物をグラビアコーターを用いてWet塗布量約2.8ml/m2で塗布し、120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら空冷メタルハライドランプで照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、反射防止フィルムA−16を作製した。
以下の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。結果を表1に示す。
反射防止フィルムの裏面(セルローストリアセテートフィルム側)をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、平均反射率を算出して反射防止性を評価した。
反射防止フィルム試料の基材側をガラス板に貼り付け、直径25μmのダイヤモンド圧子を用い、10g荷重、700mm/分の条件で反射防止層表面に対して引っかき試験を行った後、反射防止層表面を観察し、下記の基準で評価した。
A:試験後にあとが見られない
B:試験後に弱いあとが2本以下見えるが問題にならない
C:試験後に弱いあとが3本以上見えるが許容範囲内
D:試験後に著しいあとが見えて目立つ
反射防止フィルム試料をミクロトームで切削して断面を出し、断面にカーボン蒸着後10分間エッチング処理した。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて5000倍で20視野観察、撮影した。得られた画像で、無機粒子の、隣り合う頂点間の距離を100点測長し、平均値として算出した。この距離から、全粒子の平均粒径を引いた値を、最近接粒子間距離とした。
反射防止フィルムを黒表示したディスプレイ表面に貼り付けて、色味を20人で官能評価した。
A:わずかでも青みを感じた人が、1人以下
B:わずかでも青みを感じた人が、2人〜3人
C:わずかでも青みを感じた人が、4人〜5人
D:わずかでも青みを感じた人が、6人以上
反射防止フィルムのSEM画像から、1000個観察し、反射防止層の表面に対して垂直方向から観察した際の、長径と短径の比が、0.95〜1.05であるものの割合を真球粒子率として算出した。
凸部の粒子の面積占有率は、SEMにより反射防止層の表面に対して垂直な方向から反射防止層の表面を10000倍で2視野撮影し、凸部を形成する粒子の個数をカウントした。反射防止層に含まれる樹脂が粒子を覆い、粒子の判別が難しい場合は、粒子が露出し観察できるまでエッチング処理を行った。
(面積占有率)=(π×R2)/4×(粒子の個数)/(全体の面積)×100 (%) として算出した。
Rは粒子の平均一次粒径を表す。
[基材の作製]
重量平均分子量130万、メチルメタクリレート(MMA)比率100%のアクリル樹脂(PMMA)を、以下の方法で合成した。メカニカルスターラー、温度計、冷却管をつけた1Lの三ツ口フラスコにイオン交換水300g、ポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1700)0.6gを加えて攪拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、メチルメタクリレート100g、過酸化ベンゾイル0.15gを添加し、85℃で6時間反応させた。得られた懸濁液をナイロン製ろ過布によりろ過、水洗し、ろ過物を50℃で終夜乾燥することで、目的のポリマーをビーズ状で得た(92.0g)。
[芳香族ポリアミドの合成]
攪拌機を備えた重合槽にN−メチル−2−ピロリドン674.7kg、無水臭化リチウム10.6g(シグマアルドリッチジャパン社製)、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(東レファインケミカル社製「TFMB」)33.3g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)2.9gを入れ窒素雰囲気下、15℃に冷却、攪拌しながら300分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)18.5g、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東レファインケミカル社製「4BPAC」)6.4gを4回に分けて添加した。60分間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。
特開2014−209162号公報の[0148]〜[0171]に記載されている方法で厚み40μmのポリエチレンテレフタレート基材を作製した。基材フィルムPET40の耐折回数は170万回であった。
デンカASFP−20(アルミナ粒子)を、湿式分吸装置スーパークロンTR−5を用いて、平均粒子径185nm、粒子径の分散度(CV値):4%のアルミナ粒子を得た。この粒子5kgを、加熱ジャケットを備えた容量20Lのヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製FM20J型)に仕込んだ。粒子を撹拌しているところに、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM5103)45gを、メチルアルコール90gに溶解させた溶液を滴下して混合した。その後、混合撹拌しながら150℃まで約1時間かけて昇温し、150℃で10時間保持して加熱処理を行った。加熱処理では、掻き落とし装置を撹拌羽根とは逆方向に常時回転させながら、壁面付着物の掻き落としを行った。また、適宜、へらを用いて壁面付着物を掻き落とすことも行った。加熱後、冷却し、ジェット粉砕分級機を用いて解砕および分級を行い、シランカップリング剤処理アルミナ粒子d−1を得た。平均一次粒径は185nm、粒径の分散度(CV値):3.9%であった。押し込み硬度は、3800MPaであった。
実施例1と同様にして、分散処方Cで粒子d−1の分散液を作製し、実施例1の反射防止層形成用塗布液Aと同様にして反射防止層形成用塗布液Bを調製した。
分散処方Dで分散したアルミナ粒子分散液(アルミナ粒子濃度 20質量%)29g、イルガキュア127 0.5g、NKオリゴU−4HA 2.3g、KAYARAD PET30 4.7g、C3 4.7g、メチルイソブチルケトン(MIBK)60gをミキシングタンクに投入し、60分間攪拌し、15分間超音波分散機により分散し、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して反射防止層形成用塗布液Cとした。
表2に記載の基材上に、表2に記載の反射防止層形成用塗布液を実施例1と同様に塗布し、実施例1におけるプラズマ処理と同様にプラズマ処理を行うことで反射防止フィルムB−1〜B−10を得た。
(耐折回数)
耐折度試験機(テスター産業(株)製、MIT、BE−201型、折り曲げ半径0.4mm)を用いて、25℃、相対湿度65%の状態に1時間以上静置させた、幅15mm、長さ80mmの反射防止フィルム試料を使用し、荷重500gの条件で、JIS P8115(2001)に準拠して測定し、破断するまでの回数で評価した。耐折回数は、回数が多いほど折れ曲がりに強いことを表し、繰り返しの折り曲げ耐性に優れている。
反射防止フィルム試料の表面をラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストを行うことで、耐擦傷性の指標とした。
評価環境条件:25℃、相対湿度60%
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定
移動距離(片道):13cm、
こすり速度:13cm/秒、
荷重:200g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、
こすり回数:10往復
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を評価した。
A :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
B :注意深く見ると弱い傷が見えるが、問題にならない
C :一目見ただけで分かる傷があり、非常に目立つ
2 反射防止層
3 モスアイ粒子(無機粒子)
4 バインダー樹脂
10 反射防止物品
A 隣り合う凸部の頂点間の距離
B 隣り合う凸部の頂点間の中心と凹部との距離
Claims (16)
- 基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有する反射防止物品であって、
前記無機粒子は、平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、前記無機粒子全体のCV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の粒子であり、
前記反射防止層は、表面に前記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の表面における前記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、
反射防止物品。 - 前記無機粒子の最近接粒子間距離の平均値が30nm以上である、請求項1に記載の反射防止物品。
- 前記反射防止層の表面における前記無機粒子の面積占有率が25%以上50%以下である、請求項1又は2に記載の反射防止物品。
- 前記無機粒子の押し込み硬度が400MPa以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止物品。
- 前記無機粒子がシリカ粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止物品。
- 前記無機粒子がアルミナ粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止物品。
- 前記無機粒子が、表面修飾された粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防止物品。
- 前記基材がプラスチック基材である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止物品。
- 前記プラスチック基材と、前記反射防止層との間に、前記プラスチック基材を構成する成分と、前記反射防止層中のバインダー樹脂とを含有する浸透層を有する、請求項8に記載の反射防止物品。
- 前記プラスチック基材が、フィルム状のプラスチック基材であり、前記反射防止物品がフィルム状の反射防止物品である、請求項8又は9に記載の反射防止物品。
- JIS P8115(2001)に従いMIT試験機によって測定した耐折回数が1000回以上の繰り返しの折り曲げ耐性を有する請求項10に記載の反射防止物品。
- 偏光子と、前記偏光子を保護する少なくとも1枚の保護フィルムとを有する偏光板であって、前記保護フィルムの少なくとも1枚が請求項10又は11に記載の反射防止物品である偏光板。
- 請求項10又は11に記載の反射防止物品を保護フィルムとして有するカバーガラス。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の反射防止物品、請求項12に記載の偏光板、又は請求項13に記載のカバーガラスを有する画像表示装置。
- 基材と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とを有し、
前記反射防止層は、表面に前記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の表面における前記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、全体のCV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の無機粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物とを含有する反射防止層形成用組成物を、基材上に塗布する工程、
塗布されたバインダー樹脂形成用重合性化合物を重合してバインダー樹脂層を形成する工程、
前記バインダー樹脂層をエッチングすることにより、前記凹凸形状からなるモスアイ構造を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。 - プラスチック基材と、浸透層と、バインダー樹脂及び無機粒子を含有する反射防止層とをこの順に有し、
前記反射防止層は、表面に前記無機粒子により形成された凹凸形状からなるモスアイ構造を有し、
前記反射防止層の表面における前記無機粒子の面積占有率は25%以上64%以下である、反射防止物品の製造方法であって、
平均一次粒径が150nm以上250nm以下であり、全体のCV値が4%以下であり、かつ99.9%以上が真球状の無機粒子と、バインダー樹脂形成用重合性化合物と、プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒とを含有する反射防止層形成用組成物を、プラスチック基材上に塗布し、前記プラスチック基材に対する浸透性を有する溶媒及び前記バインダー樹脂形成用重合性化合物の一部を前記プラスチック基材に浸透させ、浸透層を形成する工程、
を有する、反射防止物品の製造方法。
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