JP2010164824A - 反射防止積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射率が低く、かつ入射光の波長による反射防止性能のばらつきが少ない反射防止積層体を提供する。
【解決手段】基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた第1の反射防止層と、前記第1の反射防止層上に設けられた第2の反射防止層とを有する反射防止積層体であって、前記第1の反射防止層は、数平均粒子径がD1である第1の微粒子と、第1のバインダーとを含み、前記第2の反射防止層は、数平均粒子径がD2である第2の微粒子と、第2のバインダーとを含み、D1及びD2はD2<D1の関係を満たす、反射防止積層体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止積層体及びその製造方法に関し、特に、液晶表示装置等の表示装置の表示面の光の反射を防止するために表示面上に設けられる反射防止積層体及びその製造方法に関する。
液晶表示装置等の表示装置の表示面においては、室内の蛍光管などの外部光源から照射された光の反射が大きいと、表示装置の視認性及び美観が損なわれることがある。例えば、表示面の表面で反射した光と、表示装置内の複数の層中の界面で反射した光とが干渉することにより、干渉縞によるムラが発生し視認性及び美観を損ねることがある。従って、表示装置の視認性及び美観の向上のため、表示装置の最外層の表示面に、そのような反射や干渉を低減する層を表示面に設けることが、従来より行なわれている。
かかる層としては、透明基材フィルム等の基材の上に、微粒子を含む層を設けてなる反射防止膜が知られている。例えば、特許文献1には、複数種類の微粒子が混在する薄層を複数層有する反射防止膜であって、それぞれの層における微粒子の混合比が異なるものが記載されており、これにより、反射率の低減が達成されている(特許文献1第3図参照)。
特開平2−245702号公報
しかしながら、従来技術における反射率の低減では、400〜700nmといった可視波長域の全ての領域において低い反射率が得られているわけではなく、例えば特許文献1の例では600nm付近に反射率が1.5%程度の領域があるというように、反射率の低減が不十分な領域がある。かかる部分的に反射率が高い領域は、全体的な反射率を高める上、反射防止膜を観察した差異に着色として観察され、表示装置の画質を損ねる。
したがって、本発明の目的は、反射率が低く、かつ入射光の波長による反射防止性能のばらつきが少ない反射防止積層体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため検討した結果、反射防止積層体を構成する複数層の反射防止層に含まれる微粒子の粒径を特定の範囲に制御することにより、良好な性能を有する反射防止積層体が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、下記〔1〕〜〔5〕が提供される。
〔1〕 基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた第1の反射防止層と、前記第1の反射防止層上に設けられた第2の反射防止層とを有する反射防止積層体であって、
前記第1の反射防止層は、数平均粒子径がD1である第1の微粒子と、第1のバインダーとを含み、
前記第2の反射防止層は、数平均粒子径がD2である第2の微粒子と、第2のバインダーとを含み、
D1は100nm以上であり、
D1及びD2はD2<D1の関係を満たす、反射防止積層体。
〔2〕 D1が100〜800nmであり、D2が50〜300nmである、〔1〕に記載の反射防止積層体。
〔3〕 前記第2の反射防止層上に設けられた第3の反射防止層をさらに含み、
前記第3の反射防止層は、数平均粒子径がD3の第3の微粒子と、バインダーとを含み、
D3が40〜150nmである、〔2〕に記載の反射防止積層体。
〔4〕 D1とD2とが、1/4≦(D2/D1)<1の関係を満たす、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の反射防止積層体の製造方法であって、
前記第1の反射防止層を形成するための、前記第1の微粒子、前記第1のバインダー及び第1の溶媒を含む第1の反射防止層材料、並びに前記第2の反射防止層を形成するための、前記第2の微粒子、前記第2のバインダー及び第2の溶媒を含む第2の反射防止層材料を調製し、
前記第1の反射防止層材料を、前記基材フィルム上に塗布して第1の塗膜を形成し、
前記第2の反射防止層材料を、前記第1の塗膜上に塗布して第2の塗膜を形成する
ことを含む製造方法。
本発明の反射防止積層体は、反射率が低く、かつ入射光の波長による反射防止性能のばらつきが少ないため、液晶表示装置等の各種の表示装置の表示面等における反射防止フィルムとして有用である。また本発明の反射防止積層体の製造方法では、前記本発明の反射防止積層体を簡便に製造することができる。
本発明の一実施形態にかかる反射防止積層体を、その面に垂直な面で切断した断面を概略的に示す縦断面図である。 微粒子の格子配列の態様を説明する上面図である。
本発明の反射防止積層体は、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた複数層の反射防止層とを有する。
前記基材フィルムを構成する材料としては、各種の透明樹脂を用いることができる。かかる透明樹脂とは、1mm厚で全光線透過率が80%以上の樹脂である。例えば、脂環式構造を有する樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。
基材フィルムは、透明樹脂の他に、他の配合剤を含んでいてもよい。配合剤としては、格別限定は無いが、無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択され、透明樹脂100重量部に対して、通常0〜5重量部、好ましくは0〜3重量部である。
基材フィルムは、単層であっても複数の層からなる積層体であってもよい。基材フィルムの厚みは、合計の厚みとして、好ましくは20〜300μmである。
基材フィルムの、反射防止層を設ける側の表面には、反射防止層を設けるのに先立ち、表面改質処理をすることができる。表面改質処理としては、エネルギー線照射処理や薬品処理等が挙げられる。また、基材表面に凹凸構造を有していてもよい。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。
薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、その後十分に水で洗浄する方法が挙げられる。浸漬した状態で振とうすると短時間で処理できるが、処理しすぎると表面が溶解したり、透明性が低下したりするので、適宜条件を調整することが好ましい。
本発明の反射防止積層体は、基材フィルム上に設けられた第1の反射防止層と、第1の反射防止層上に設けられた第2の反射防止層とを有する。また、任意に、第2の反射防止層上に設けられた第3の反射防止層をさらに含むことができ、さらに、必要に応じ、その上に1層以上の任意の層を有することもできる。
本発明において、第1の反射防止層は、数平均粒子径がD1である第1の微粒子と、第1のバインダーとを含み、第2の反射防止層は、数平均粒子径がD2第2の微粒子と、第2のバインダーとを含む。また、第3の反射防止層が存在する場合、第3の反射防止層は、数平均粒子径がD3の第3の微粒子と、バインダーとを含みうる。
本発明において、第1の微粒子の数平均粒子径D1と第2の微粒子の数平均粒子径D2は、D2<D1の関係を満たす。当該関係を満たす粒子をそれぞれ有する複数の反射防止層を有することにより、良好な反射防止効果を得ることができる。
本発明において、第1の微粒子の数平均粒子径D1は、好ましくは100〜800nmであり、第2の微粒子の数平均粒子径D2は、好ましくは50〜300nmである。また、第3の反射防止層が存在する場合、第3の微粒子の数平均粒子径D3は、好ましくは40〜150nmである。各微粒子の粒子径をこの範囲とすることにより、反射率が低く、かつ入射光の波長による反射防止性能のばらつきが少ない反射防止積層体と得ることができる。
本発明において、第1〜第3の微粒子のそれぞれの粒径はなるべく均一であることが好ましい。具体的にはCV値(標準偏差/平均粒径)が20%以内であることが好ましい。
本発明において、第1〜第3の微粒子の形状は、球形であることが好ましい。球形であることにより、微粒子の製造が容易となり、且つ良好な反射防止効果を得ることができる。ここで、球形であるとは、完全な球形のみならず、歪んだ球形であってもよく、その場合の長径と短径との比は1:1〜1.3:1の範囲とすることができる。
第1〜第3の微粒子を構成する材料は、特に限定されず、各種の有機又は無機の材料を用いることができる。前記有機材料としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂等を挙げることができる。また前記無機材料としては、二酸化珪素、酸化アンチモン(V)(Sb)、ジルコニア、酸化アルミニウム、PTO、酸化チタン等を挙げることができる。
本発明において、第1〜第3の反射防止層を形成する方法は、特に限定されないが、特に好ましい方法としては、
工程(i):微粒子、バインダー材料及び溶媒を含む反射防止層材料を調製する工程。
工程(ii):工程(i)で得た反射防止層材料を、基材フィルム(第1の反射防止層の場合)又は他の反射防止層(第2及び第3の反射防止層の場合)上に塗布して塗膜を形成する工程。
工程(iii):工程(ii)で得た塗膜中の溶媒を揮発させて反射防止層を得る工程。
を含む製造方法を挙げることができる。
前記工程(i)において、バインダー材料とは、反射防止層のバインダーを構成しうる材料であり、バインダーを構成する樹脂、又は後の工程において重合することによりバインダーを構成しうる重合性モノマー、及びこれらの混合物を用いることができる。バインダーを構成する樹脂としては、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化型樹脂が挙げられるが、皮膜の強度、加工性の点で、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、シリコーン樹脂、ポリシロキサン樹脂が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を必要に応じて加えてもよい。
電離放射線硬化型樹脂は、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマーが、電離放射線の照射により硬化する樹脂である。電離放射線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は紫外線又は電子線を用いる。
紫外線または電子線により硬化する樹脂としては特に制限はなく、従来から使用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。紫外線硬化型樹脂としては、光重合性プレポリマー、又は光重合性モノマーと光重合開始剤や光増感剤を含有するもの、また、電子線硬化型樹脂としては、光重合性プレポリマー又は光重合性モノマーを含有するものが挙げられる。
前記光重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。これらの光重合性プレポリマーは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また,光重合性モノマーとしては、例えばポリメチロールプロパントリアクリレート、ポリメチロールプロパントリメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、ヘキサンジオールメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等が挙げられる。
本発明においては、プレポリマーとしてウレタンアクリレート系、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート若しくはジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートを用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を単独又は混合して用いることができる。
反射防止層材料における、前記微粒子と前記バインダーとの割合、ならびに溶媒と固形分(微粒子及びバインダー等の、溶媒を揮発した後に残留する溶媒以外の成分)との割合は、後述する所定の形態を有する反射防止層が得られるよう適宜調整することができるバインダーに対する粒子割合が30〜70%であることが特に好ましい。また、溶媒と固形分との割合は粒子粒径の突出高さとの関係および塗工方式に応じて適宜調整しうる。例えば、マイクログラビアコータにより塗工する場合、おおむね固形分割合を重量比で0.1〜10%に調整すると塗工しやすい。
使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等が挙げられる。
反射防止層材料は、上記成分に加え、必要に応じて任意成分を含むことができる。具体的には例えば、バインダー材料の重合のための重合開始剤、架橋のための架橋剤、レベリングのためのレベリング剤等を含むことができる。レベリング剤としては、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が挙げられる。フッ素系の界面活性剤としては、スリーエム社製のフロラードFC-431等のパーフルオロアルキルスルホン酸アミド基含有ノニオン、大日本インキ社製のメガファックF-171、F-172、F-173、F-176PF、F-470、F-471等のパーフルオロアルキル基含有オリゴマー等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等のオリゴマー等の各種の置換基で側鎖や主鎖の末端が変性されたポリジメチルシロキサン等が挙げられる。重合開始剤としては、公知の光重合開始剤が挙げられ、具体的にはアリールケトン系光重合開始剤(例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類など);含硫黄系光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン類など);アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤;その他の光重合開始剤がある。また、光重合開始剤はアミン類などの光増感剤と組み合わせても使用できる。
光重合開始剤の含有量は、電離放射線硬化樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
前記工程(ii)における反射防止層材料の塗布は、ダイコータ、マイクログラビアコータ、グラビアコータ、スプレーコータ等により行なうことができる。
前記工程(iii)における溶媒の揮発は、加熱、乾燥等の任意の方法により行なうことができる。また、バインダー材料が重合性のモノマーである場合や、ポリマーを架橋させる場合は、溶媒の揮発と同時又は前若しくは後に、加熱、エネルギー線照射等により重合及び/又は架橋の反応を行い、バインダー材料を硬化させることができる。
第1〜第3の反射防止層の形成は、いわゆるウェットオンウェットの工程により行なうこともできる。ウェットオンウェットの工程とは、ある層の硬化が完結する前に、次の層の材料を塗布し、2層以上の塗膜の硬化の工程の少なくとも一部を同時に行う工程である。例えば、第1の反射防止層について、工程(iii)における溶媒の揮発の一部又は全部を行なう前に、第2の反射防止層について工程(ii)を行い、その後第1及び第2の反射防止層について工程(iii)を完結させることができる。このような工程を採用することにより、層間の界面の一体化を図ったり、工程の所要時間を短縮したりする効果を得うる。
本発明において、第1の反射防止層は、その面の法線方向から観察した場合において第1の微粒子が存在しない平坦領域1と、第1の微粒子が突出することにより形成された凸部領域とを有し、平坦領域1から粒径D1(=数平均粒子径)の前記第1の微粒子が前記凸部として突出している高さが、D1の40〜80%であることが好ましい。
また本発明において、第1の微粒子の数平均粒子径D1と第2の微粒子の数平均粒子径D2とは、1/4≦(D2/D1)<1の関係を満たすことが好ましい。
ここで、反射防止層を「その面の法線方向」から観察するとは、反射防止層の、基材フィルムと反対側の面を、反射防止層の法線方向から観察することを意味する。
この特徴を、図1を参照して説明する。図1は、基材フィルム上に第1の反射防止層を形成した状態の積層体を、その面に垂直な面で切断した断面を概略的に示す縦断面図である。なお、以下の反射防止積層体の構造に関する説明においては、別に断らない限り、反射防止積層体を、図1に示すように、その反射防止機能を有する面である反射防止層側を水平に上に向けた状態で説明する。従って、反射防止層を上側から観察することにより、反射防止層の面の法線方向から観察することとなる。
図1において、積層体10は、基材フィルム11と、その上面に設けられた第1の反射防止層12とを有し、第1の反射防止層12は、バインダー17と、微粒子15とを有している。反射防止層12を上側から観察すると、領域16は、微粒子が突出することにより形成された凸部により占められる凸部領域となる。その他の領域は微粒子が存在しない平坦領域1となる。
微粒子15の粒径は矢印H21で示され、平坦部分の厚さは矢印H23で示され、平坦領域1から微粒子15が凸部として突出している高さは、矢印H22で示される。第1の反射防止層においては、(H22/H21)×100で求められる値が40〜80(%)となることが好ましい。このような突出の割合を有することにより、この上にさらに第2の反射防止層を設けたときに、良好な反射防止効果が得られる。
また、第2の反射防止層は、平坦領域2から粒径D2(=数平均粒子径)の前記第2の微粒子が前記凸部として突出している高さが、D2の40〜80%であることが好ましく、第3の反射防止層は、平坦領域3から粒径D3(=数平均粒子径)の前記第3の微粒子が前記凸部として突出している高さが、D2の40〜80%であることが好ましい。ここで、平坦領域2及び3の高さ、ならびに第2及び第3の微粒子の突出している高さは、第2及び第3の反射防止層を形成する材料を、平坦な面上に塗布した場合の値を測定又は計算することにより求めることができる。
本発明では、反射防止層に含まれる微粒子の数は特に限定されないが、第1の反射防止層における、((第1の反射防止層の単位面積に含まれる第1の微粒子の数)/(前記単位面積に1層の第1の微粒子を格子配列した場合の第1微粒子の数))×100(%)で表される粒子割合R1が、30≦R1≦100の要件を満たすことが好ましい。また、第2の反射防止層における、((第2の反射防止層の単位面積に含まれる微粒子の数)/(前記単位面積に1層の前記第2の微粒子を格子配列した場合の第2の微粒子の数))×100(%)で表される粒子割合R2と、粒子割合R1とが、0.5≦(R2/R1)≦1.8の関係を満たすことが好ましい。
以下、それぞれの反射防止層の単位面積に含まれる前記微粒子の数を「現実粒子数」という場合があり、また前記単位面積に1層の前記微粒子を格子配列した場合の前記微粒子の数を「理想粒子数」という場合がある。
ここで微粒子の格子配列とは、図2に示すように、微粒子を縦横に隙間無く並べた配列である。微粒子の粒子径にばらつきがある場合は、その数平均粒子径と同一の粒子径を有するものを単位面積に格子配列した場合の微粒子の数を、理想粒子数とすることができる。
理想粒子数は、その数平均粒子径から容易に計算することができる。現実粒子数は、得られた反射防止層を観察して求めることができる。または、反射防止層の形成に用いた反射防止層材料中の各成分の含有割合から計算することもできる。
本発明において、第1〜第3の反射防止層のそれぞれの厚みは、微粒子の粒子径及び突出の割合に応じた所望の厚みとすることができる。
本発明の反射防止積層体は、基材フィルム及び反射防止層のうちの反射防止層側の表面において、反射防止効果を有する。即ち、反射防止層側の面に入射した光の反射率が低い。反射率の具体的な値としては、好ましくは0〜1.0%、より好ましくは0〜0.5%とすることができる。ここで反射率の測定は、分光光度計(紫外可視近赤外光光度計V−550、日本分光社製)を用いて入射角5°で測定した値である。
このような反射防止効果が得られる理由は、特に限定されないが、反射防止層が特定の粒子を含有することにより、フィルムの厚み方向の屈折率が連続的に光の波長に比べて短い周期で変化するためであると考えられる。特に、第1の反射防止層が上に述べた特定の凸部を有している場合において、その上にさらに第2〜第3の反射防止層を設けることにより、フィルムの厚み方向の屈折率の変化がより急峻になる、いわゆるモスアイ様構造が形成され、さらに高い反射防止効果が達成されるものと考えられる。
本発明の反射防止積層体においては、従来技術における粒子とバインダーとを含む反射防止層を有する防眩フィルムに比べて、粒子とバインダーとの屈折率の差について特段の制限が無いため、屈折率差にかかわらず、その他の所望の条件において有利な微粒子及びバインダーを適宜選択して構成することができる。従って、例えば、製造コストが低い材料を選択することにより、製造コストを低減することが可能となる。また、フィルムの物性を、反射防止以外の目的、例えば表示装置の保護に適した物性に調整し、そのような目的に適った物性を兼ね備えるフィルムとすることも容易に行なうことができる。
本発明の反射防止積層体は、より好ましくは、波長430〜700nmにおいて測定波長間隔1nmで測定した反射率の最大値と最小値との差が、好ましくは0.6以内、より好ましくは0.3以内とすることができる。かかる反射率の差が少ない反射防止積層体は、例えば第1の反射防止層に含まれる微粒子の数平均粒子径と第2の反射防止層に含まれる微粒子の数平均粒子径との比率を1/4≦(D2/D1)<1にすることにより得ることができる。かかる反射率の差が少ない反射防止積層体とすることにより、外観における色つきなどを防止し、より良好な外観を得ることができる。
本発明の反射防止積層体の用途は、特に限定されないが、液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、陰極管表示装置、フィールドエミッション表示装置、電子ペーパー、タッチパネル等の表示装置の表示面の部材として好ましく用いることができる。本発明の反射防止積層体は、これらの表示装置に貼付して用いることもでき、また、従来の表示装置の最外層に位置する偏光板保護フィルム、前面板などの部材を置換するものとしてこれらの表示装置に組み込み用いることもできる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以下において、成分の量比に関する「部」及び「%」は、別に断らない限り重量部を表す。
<製造例1:基材フィルムの作製>
2種3層の多層共押出装置を使用して、最表層を構成するためのポリメチルメタクリレート樹脂(スミペックスHT20Y、住友化学社製)、及び中間層を構成するための耐熱性の高いポリメチルメタクリレート樹脂(スミペックスMH、住友化学社製)をそれぞれ、20kg/hr、10kg/hrの押出量でT型ダイスより吐出させ、冷却し、基材フィルムを得た。得られた基材フィルムの各層の厚さは、最表層40μm、中間層40μm、及び最裏層40μm、であり、総厚は120μmであった。また、屈折率は1.49であった。
<実施例1>
(1−1:第1の反射防止層材料の調製)
バインダー材料(商品名「UV7000b」、日本合成化学工業社製、以下において、バインダー材料は全て同一である)100部と、第1の微粒子(SiO、数平均粒子径D1=500nm、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、シーアイ化成社製)220部と、溶媒(メチルイソブチルケトン、以下において、溶媒は全て同一である)7930部と重合開始剤(irugacure907 ciba社製、以下同じ)2部を混合し、第1の反射防止層材料を調製した。
(1−2:第2の反射防止層材料の調製)
バインダー材料 100部と、第2の微粒子(SiO、数平均粒子径D2=150nm、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、シーアイ化成社製)129部と、溶媒 7740部とを混合し、第2の反射防止層材料を調製した。
(1−3:第1の反射防止層の形成)
製造例1で得た基材フィルムをA4サイズに裁断し、その面上に、上記(1−1)で得た第1の反射防止層材料5mlをバーコータで塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第1の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層の層構成を有する積層体(1A)を作製した。
形成された第1の反射防止層をその面の法線方向から観察すると、第1の微粒子が存在しない平坦領域1と、第1の微粒子が突出することにより形成された凸部領域とが存在していた。第1の反射防止層の縦断面を観察すると、粒子径がD1=500nmである第1の微粒子が平坦領域1から凸部として突出している高さは400nmであり、即ち数平均粒子径D1の80%であった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は30%であった。
(1−4:第2の反射防止層の形成)
積層体(1A)の、第1の反射防止層側の面上に、上記(1−2)で得た第2の反射防止層材料5mlをバーコータで塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(1B)を作製し、これを実施例1の反射防止積層体とした。
一方、積層体(1B)とは別に、平坦な基材フィルムの面上に、第2の反射防止層材料を上記と同一の条件で塗布し塗膜を硬化させ、縦断面において粒子径がD2=150nmである第2の微粒子が平坦領域2から凸部として突出している高さを測定したところ、75nmであった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は50%であった。
(1−5:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、分光光度計(紫外可視近赤外光光度計V−550、日本分光社製)を用いて、波長430〜700nmにおける入射角5°での反射率を測定し(測定波長間隔は1nm)、前記波長領域における反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例2>
(2−1:第3の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第3の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D3=80nm。シーアイ化成社製)34.4部と、溶媒8915部とを混合し、第3の反射防止層材料を調製した。
(2−2:反射防止積層体の作製)
実施例1で得た積層体(1B)の、第2の反射防止層側の面上に、上記(2−1)で得た第3の反射防止層材料5mlを塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第3の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層−第3の反射防止層の層構成を有する、積層体(2C)を作製し、これを実施例2の反射防止積層体とした。
一方、積層体(2C)とは別に、平坦な基材フィルムの面上に、第3の反射防止層材料を上記と同一の条件で塗布し塗膜を硬化させ、縦断面において粒子径がD3=80nmである第3の微粒子が平坦領域3から凸部として突出している高さを測定したところ、40nmであった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は30%であった。
(2−3:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例3>
(3−1:第3の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第3の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D3=50nm、シーアイ化成社製)20.9 部と、溶媒13030部とを混合し、第3の反射防止層材料を調製した。
(3−2:反射防止積層体の作製)
実施例1で得た積層体(1B)の、第2の反射防止層側の面上に、上記(3−1)で得た第3の反射防止層材料5mlを塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第3の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層−第3の反射防止層の層構成を有する、積層体(3C)を作製し、これを実施例3の反射防止積層体とした。
一方、積層体(3C)とは別に、平坦な基材フィルムの面上に、第3の反射防止層材料を上記と同一の条件で塗布し塗膜を硬化させ、縦断面において粒子径がD3=50nmである第3の微粒子が平坦領域3から凸部として突出している高さを測定したところ、25nmであった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は30%であった。
(3−3:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例4>
(4−1:第2の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第2の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D2=80nm、シーアイ化成社製)60.5 部と、溶媒10520部とを混合し、第2の反射防止層材料を調製した。
(4−2:第2の反射防止層の形成)
実施例1の(1−3)で得た積層体(1A)の、第1の反射防止層側の面上に、上記(4−1)で得た第2の反射防止層材料5mlをバーコータで塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(4B)を作製し、これを実施例4の反射防止積層体とした。
一方、積層体(4B)とは別に、平坦な基材フィルムの面上に、第2の反射防止層材料5mlを上記と同一の条件で塗布し塗膜を硬化させ、縦断面において粒子径がD2=80nmである第2の微粒子が平坦領域2から凸部として突出している高さを測定したところ、40nmであった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は50%であった。
(4−3:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例5>
(5−1:第2の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第2の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D2=50nm、シーアイ化成社製)50部と、溶媒15920部とを混合し、第2の反射防止層材料を調製した。
(5−2:第2の反射防止層の形成)
実施例1の(1−3)で得た積層体(1A)の、第1の反射防止層側の面上に、上記(5−1)で得た第2の反射防止層材料5mlをバーコータで塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(5B)を作製し、これを実施例5の反射防止積層体とした。
一方、積層体(5B)とは別に、平坦な基材フィルムの面上に、第2の反射防止層材料5mlを上記と同一の条件で塗布し塗膜を硬化させ、縦断面において粒子径がD2=50nmである第2の微粒子が平坦領域2から凸部として突出している高さを測定したところ、25nmであった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は50%であった。
(5−3:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例6>
(6−1:第1の反射防止層材料の調製)
各成分の配合割合を、バインダー材料100部、微粒子395部及び溶媒12150部に変更した他は、実施例1の(1−1)と同様に操作し、第1の反射防止層材料を調製した。
(6−2:第1の反射防止層の形成)
第1の反射防止層材料として、(1−1)で調製したものに代えて上記(6−1)で調製したものを用いた他は、実施例1の工程(1−3)と同様に操作し、基材−第1の反射防止層の層構成を有する、積層体(6A)を作製した。
形成された第1の反射防止層をその面の法線方向から観察すると、第1の微粒子が存在しない平坦領域1と、第1の微粒子が突出することにより形成された凸部領域とが存在していた。第1の反射防止層の縦断面を観察すると、粒子径がD1=500nmである第1の微粒子が平坦領域1から凸部として突出している高さは400nmであり、即ち数平均粒子径D1の80%であった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は50%であった。
(6−3:第2の反射防止層の形成)
積層体(1A)に代えて、積層体(6A)を用いた他は、実施例1の工程(1−4)と同様に操作し、実施例1の工程(1−2)で得た第2の反射防止層材料を用いて第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(6B)を作製し、これを実施例6の反射防止積層体とした。
(6−4:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例7>
第2の反射防止層材料として、実施例1の工程(1−2)で調製したものに代えて実施例4の工程(4−1)で調製したものを用いた他は、実施例6と同様に操作し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(7B)を作製し、これを実施例7の反射防止積層体とした。
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表1に示す。
<実施例8>
第2の反射防止層材料として、実施例1の工程(1−2)で調製したものに代えて実施例5の工程(5−1)で調製したものを用いた他は、実施例6と同様に操作し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(8B)を作製し、これを実施例7の反射防止積層体とした。
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表2に示す。
<実施例9>
(9−1:第1の反射防止層材料の調製)
各成分の配合割合を、バインダー材料100部、微粒子365部及び溶媒4280部に変更した他は、実施例1の(1−1)と同様に操作し、第1の反射防止層材料を調製した。
(9−2:第1の反射防止層の形成)
第1の反射防止層材料として、(1−1)で調製したものに代えて上記(9−1)で調製したものを用いた他は、実施例1の工程(1−3)と同様に操作し、基材−第1の反射防止層の層構成を有する、積層体(9A)を作製した。
形成された第1の反射防止層をその面の法線方向から観察すると、第1の微粒子が存在しない平坦領域1と、第1の微粒子が突出することにより形成された凸部領域とが存在していた。第1の反射防止層の縦断面を観察すると、粒子径がD1=500nmである第1の微粒子が平坦領域1から凸部として突出している高さは250nmであり、即ち数平均粒子径D1の50%であった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は30%であった。
(9−3:第2の反射防止層の形成)
積層体(1A)に代えて、積層体(9A)を用いた他は、実施例1の工程(1−4)と同様に操作し、実施例1の工程(1−2)で得た第2の反射防止層材料を用いて第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(9B)を作製し、これを実施例9の反射防止積層体とした。
(9−4:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表2に示す。
<実施例10>
第2の反射防止層材料として、実施例1の工程(1−2)で調製したものに代えて実施例4の工程(4−1)で調製したものを用いた他は、実施例9と同様に操作し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(10B)を作製し、これを実施例10の反射防止積層体とした。
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表2に示す。
<実施例11>
第2の反射防止層材料として、実施例1の工程(1−2)で調製したものに代えて実施例5の工程(5−1)で調製したものを用いた他は、実施例9と同様に操作し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(11B)を作製し、これを実施例11の反射防止積層体とした。
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表2に示す。
<実施例12>
(12−1:第1の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第1の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D1=150nm、シーアイ化成社製)69.3部と、溶媒5830部とを混合し、第1の反射防止層材料を調製した。
(12−2:第1の反射防止層の形成)
第1の反射防止層材料として、(1−1)で調製したものに代えて上記(12−1)で調製したものを用いた他は、実施例1の工程(1−3)と同様に操作し、基材−第1の反射防止層の層構成を有する、積層体(12A)を作製した。
形成された第1の反射防止層をその面の法線方向から観察すると、第1の微粒子が存在しない平坦領域1と、第1の微粒子が突出することにより形成された凸部領域とが存在していた。第1の反射防止層の縦断面を観察すると、粒子径がD1=150nmである第1の微粒子が平坦領域1から凸部として突出している高さは75nmであり、即ち数平均粒子径D1の50%であった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は30%であった。
(12−3:第2の反射防止層の形成)
積層体(1A)に代えて、積層体(12A)を用いた他は、実施例4の工程(4−2)と同様に操作し、実施例4の工程(4−1)で得た第2の反射防止層材料を用いて第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(12B)を作製し、これを実施例12の反射防止積層体とした。
(12−4:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表2に示す。
<比較例1>
(C1−1:第1の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第3の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D3=80nm、シーアイ化成社製)34.4部と、溶媒8915部とを混合し、第3の反射防止層材料を調製した。
(C1−2:第2の反射防止層材料の調製)
バインダー材料100部と、第2の微粒子(SiO、短径に対する長径の比率1.2以下、CV値10%、数平均粒子径D2=50nm、シーアイ化成社製)50部と、溶媒15920部とを混合し、第2の反射防止層材料を調製した。
(C1−3:第1の反射防止層の形成)
製造例1で得た基材フィルムの面上に、上記(C1−1)で得た第1の反射防止層材料5mlをバーコータで塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第1の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層の層構成を有する積層体(C1A)を作製した。
形成された第1の反射防止層をその面の法線方向から観察すると、第1の微粒子が存在しない平坦領域1と、第1の微粒子が突出することにより形成された凸部領域とが存在していた。第1の反射防止層の縦断面を観察すると、粒子径がD1=80nmである第1の微粒子が平坦領域1から凸部として突出している高さは40nmであり、即ち数平均粒子径D1の50%であった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は30%であった。
(C1−4:第2の反射防止層の形成)
積層体(C1A)の、第1の反射防止層側の面上に、上記(C1−2)で得た第2の反射防止層材料5mlをバーコータで塗布して塗膜を形成し、塗膜をオーブンで70℃1分間乾燥後、紫外線ピーク照度100mW/cm、積算光量200mJ/cmをあて塗膜を硬化させ、第2の反射防止層を形成し、基材−第1の反射防止層−第2の反射防止層の層構成を有する、積層体(C1B)を作製し、これを比較例1の反射防止積層体とした。
一方、積層体(C1B)とは別に、平坦な基材フィルムの面上に、第2の反射防止層材料を上記と同一の条件で塗布し塗膜を硬化させ、縦断面において粒子径がD2=50nmである第2の微粒子が平坦領域2から凸部として突出している高さを測定したところ、25nmであった。また、理想粒子数に対する現実粒子数の粒子割合は50%であった。
(C1−5:反射防止積層体の評価)
得られた反射防止積層体について、実施例1と同様に反射率を測定した。測定された反射率の最大値及び最小値を、表2に示す。
Figure 2010164824
Figure 2010164824
表1の結果から明らかな通り、本願実施例の反射防止積層体は、比較例の反射防止積層体に比べて、反射率が低く、且つ反射率が波長430〜700nmの領域において均一であることが分かる。
10 積層体
11 基材フィルム
12 第1の反射防止層
15 第1の微粒子
16 凸部領域
17 バインダー

Claims (5)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた第1の反射防止層と、前記第1の反射防止層上に設けられた第2の反射防止層とを有する反射防止積層体であって、
    前記第1の反射防止層は、数平均粒子径がD1である第1の微粒子と、第1のバインダーとを含み、
    前記第2の反射防止層は、数平均粒子径がD2である第2の微粒子と、第2のバインダーとを含み、
    D1は100nm以上であり、
    D1及びD2はD2<D1の関係を満たす、反射防止積層体。
  2. D1が100〜800nmであり、D2が50〜300nmである、請求項1に記載の反射防止積層体。
  3. 前記第2の反射防止層上に設けられた第3の反射防止層をさらに含み、
    前記第3の反射防止層は、数平均粒子径がD3の第3の微粒子と、第3のバインダーとを含み、
    D3が40〜150nmである、請求項2に記載の反射防止積層体。
  4. D1とD2とが、1/4≦(D2/D1)<1の関係を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止積層体の製造方法であって、
    前記第1の反射防止層を形成するための、前記第1の微粒子、前記第1のバインダー及び第1の溶媒を含む第1の反射防止層材料、並びに前記第2の反射防止層を形成するための、前記第2の微粒子、前記第2のバインダー及び第2の溶媒を含む第2の反射防止層材料を調製し、
    前記第1の反射防止層材料を、前記基材フィルム上に塗布して第1の塗膜を形成し、
    前記第2の反射防止層材料を、前記第1の塗膜上に塗布して第2の塗膜を形成する
    ことを含む製造方法。
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