JP2016177180A - 凹凸構造体及び反射防止膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接する凸部同士の間に均一な間隔を有し、構造の均一性の高い凹凸構造体、及び、可視光領域の光を照射した際に発色を生じることがなく、可視光領域の光の透過性能に優れた反射防止膜を提供する。
【解決手段】平均粒径50〜500nmの粒子及び樹脂によって基材上に形成される凹凸構造体であって、前記基材の面内方向に四方格子状に規則配列している凸部の割合が、全ての凸部の50〜90%であることを特徴とする凹凸構造体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、凸部同士の間に均一な間隔を有する微細な凹凸構造体及び反射防止膜に関する。
液晶ディスプレイなどの表示装置やカメラなどの光学装置において、外部からの光の反射光による視認性の低下を抑制する為に、反射防止フィルムが利用されている。反射防止フィルムとしては、気相プロセスで作成した誘電体多層膜の光学干渉又は基板上にコーティングした低屈折率材料の光学干渉により低反射率を実現したものが知られている。しかしながら、前者は蒸着等で製膜するために高コストであり、後者は反射防止性能が不十分であるという問題がある。また、基板表面にμmオーダー程度の凹凸を設け、光の散乱により反射像をぼかすことで映り込みを防ぐ防眩フィルムも知られているが、反射そのものを低減するものではなく、高ヘーズであり、画像の鮮明性が低下するという問題がある。
これらとは別の原理で表面に蛾の目のような微細凹凸構造(モスアイ構造)を形成し、反射率を低減する方法が提案されている。これは表面に設けた微細凹凸構造の空間占有率が空気界面から基材側にかけて連続的に変化し、実質的な屈折率が空気界面から基材側にかけて連続的に変化する屈折率傾斜構造を形成することで、反射界面が無くなり、反射が起こらなくなることを利用する方法である。
このような方法を用いて反射防止性を付与したものとして、例えば、特開2008−209540号公報(特許文献1)では、表面に周期100〜400nm程度の微細凹凸構造を設けることで優れた反射防止性能を示す反射防止物品が提案されている。そして、特許文献1では該反射防止物品における微細凹凸構造体を、鋳型を利用して形成する方法が提案されているが、該方法では目的の構造に応じて高価な鋳型が必要であるという問題があり、生産性も低いという問題があった。さらに、鋳型を用いる為に大面積のシートの製造は困難であるという問題があった。
一方、モスアイ構造を有する反射防止膜を安価かつ大面積で製造する方法の一つとして、微粒子を含有するコロイドを利用した方法が提案されている。このようなコロイドを利用した方法で製造されたモスアイ構造の反射防止膜としては、例えば、特許4625014号公報(特許文献2)では、微粒子が分散したアクリル樹脂を基板上にスピンコート法により塗布し硬化せしめてコロイド結晶膜を形成し、アクリル樹脂の一部をプラズマエッチングにより除去することで微細凹凸構造体を作製する方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のようなコロイド結晶膜やそのレプリカ膜においては、可視光領域内の入射光に対して特定の波長の光を反射するBragg反射を生じ、干渉色に似た発色が生じるという問題があった。
特許文献2における干渉色の問題を解決する方法として、特開2009−139796号公報(特許文献3)では、特許文献2と同様の手法を採用しつつ、粒子として粒径の分散度が5%以上の多分散粒子または粒径の大きく異なる粒子の混合物を用いることで、粒子の規則配列周期がいずれの方向でも粒子20個を超えないアモルファス構造となる微細凹凸構造体を作製する方法が提案されている。しかしながら特許文献3の方法では、粒径が不揃いな粒子を用いる必要性から、作製可能な凹凸構造体の凹凸高さのばらつきが大きく、構造の均一性に欠けるという問題があった。また、得られる反射防止膜は反射防止性能こそ優れるものの、その反射防止効果は反射光を拡散させる防眩効果が主であり、光の透過率向上効果は皆無であるという問題があった。
特開2008−209540号公報 特許4625014号公報 特開2009−139796号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、隣接する凸部同士の間に均一な間隔を有し、凹凸高さが均一であり、構造の均一性の高い凹凸構造体を提供することにある。本発明の目的はまた、該凹凸構造体を用いることで、可視光領域の光を照射した際に発色を生じることがなく、可視光領域の光の透過性能に優れた反射防止膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の凹凸構造体が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、平均粒径50〜500nmの粒子及び樹脂によって基材上に形成される凹凸構造体であって、前記基材の面内方向に四方格子状に規則配列している凸部の割合が、全ての凸部の50〜90%であることを特徴とする凹凸構造体に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の凹凸構造体は、平均粒径50〜500nmの粒子と樹脂によって基材上に形成されることを特徴とする。
本発明において、粒子の平均粒径が50nm未満の場合、光の波長に対して粒径が過小であり、反射防止性の発現に必要な凹凸高さを有する凹凸構造が形成されず、反射防止性能を有する凹凸構造体が得られない。また、粒子の平均粒径が500nmより大きい場合、光の波長に対して粒径が過大であり、通過する光が散乱しヘーズが高くなるため、透過性能に優れた凹凸構造体が得られない。
本発明では、反射防止性能及び光の透過性能に優れた凹凸構造を得るのにより好適なため、平均粒径が100〜300nmの粒子を用いることが好ましく、平均粒径が150〜250nmの粒子を用いることがさらに好ましい。
また、本発明において、より凹凸構造の高さのばらつきが小さく、より優れた均一性を有する凹凸構造体が得られるため、粒子の粒径分布の指標である分散度が20%未満であることが好ましく、10%未満がさらに好ましく、5%未満が特に好ましい。
本発明に用いる粒子としては特に制限はなく、例えば、シリカ粒子、アルミナ被覆シリカ粒子、酸化スズ粒子等の無機粒子;ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、アクリル系樹脂粒子等の有機粒子等が挙げられ、有機粒子に関しては架橋したものであっても非架橋であっても良い。性能向上のための表面への官能基導入が可能であることから無機粒子が好ましく、入手容易性、硬度、表面への官能基導入が容易である点でシリカ粒子がさらに好ましい。
前記粒子として無機粒子を用いる場合には、粒子の分散性に優れ、塗膜内での粒子配列の乱れが少ないことから、粒子表面が有機官能基をもつシランカップリング剤で処理されていることが好ましい。また、耐摩耗性や耐擦傷性、耐クラック性等の機械的強度に優れるものとなることから、粒子表面が電子線又は紫外線により重合可能な官能基を含む有機基で修飾されており、有機基シリカ粒子と共有結合で繋がっているものであることがさらに好ましく、粒子表面がメタクリル基又はアクリル基から選ばれる1つ以上の官能基を含む有機基で修飾されていることが特に好ましい。
前記のメタクリル基又はアクリル基から選ばれる1つ以上の官能基を含む有機基としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン等のシランカップリング剤;2−ヒドロキシエチルアクリレートとアミノエチルトリメトキシシランの縮合物;これら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基、水酸基、及び/又はアルキル基に置換された化合物等が挙げられる。
本発明に用いる樹脂としては特に制限はなく、例えば、熱可塑性樹脂、電子線又は紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。なかでも、粒子の分散性に優れ、短時間で生産可能で、耐擦傷性や耐摩耗性に優れるものとなることから、電子線又は紫外線硬化性樹脂が好ましい。
前記の電子線又は紫外線硬化性樹脂としては、塗工液を用いて本発明の凹凸構造体を作製する際に、より凸部同士の間の間隔を均一にするのに好適であるため、沸点が150℃以上のものが好ましい。また、該塗工液を用いる場合において、より好適な温度条件下で本発明の凹凸構造体を得ることができるため、沸点150〜400℃であるものがさらに好ましく、沸点150〜200℃であるものが特に好ましい。
前記の電子線又は紫外線硬化性樹脂としては、例えば、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。単独で用いても、複数の種類の樹脂を組み合わせた混合物を用いても良い。必要に応じて、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート等の単官能アクリレートを混合しても良い。特に、粒子としてシリカ粒子を用いる場合には、シリカ粒子の分散性に優れ、粒子配列の乱れが少なく、規則的で粒子間隔の揃ったものになりやすいことから、樹脂がエチレングリコール部位若しくはプロピレングリコール部位を有するアクリレート、又はエチレングリコール部位若しくはプロピレングリコール部位を有するメタクリレート等のエチレングリコール基(―OCHCH―)やプロピレングリコール基(―OCHCH(CH)―)等のシリカ粒子と親和性を有する官能基を有している樹脂であることが好ましく、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレートがさらに好ましい。
本発明において、粒子と樹脂の組成比としては、より均一な凹凸構造体を得るのに好適であるため、体積比で、粒子/樹脂=10/90〜50/50であることが好ましく、粒子/樹脂=25/75〜45/55であることがさらに好ましい。
本発明で用いる樹脂は、必要に応じてその一部を光開始剤、酸化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、シランカップリング剤等の添加剤で置換しても良い。この場合、これらの添加剤を樹脂の一部として考え、塗工液における粒子と樹脂の組成比が前記範囲内にあればよい。
前記の光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、チオキサントン、アントラキノン等の水素引き抜きによってラジカルを発生するタイプの化合物;ベンゾイン、ジアルコキシアセトフェノン、アシルオキシムエステル、ベンジルケタール、ヒドロキシアルキルフェノン、ハロゲノケトン等の分子内分裂によってラジカルを発生するタイプの化合物が挙げられる。市販品としては、IRUGACURE184、IRUGACURE651、IRUGACURE500、IRUGACURE907、DAROCUR1116、DAROCUR1173(BASF社製)等を挙げることができる。また、硬化を促進するためにメチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリブチルアミン等の三級アミン等を併用しても良い。
本発明に用いる基材としては特に制限はなく、例えば、樹脂、ガラス、セラミックス等が挙げられ、形状的にはフィルム、シート、板の他、曲面を有する形状の構造物等如何なる形状の基材であっても用いることができる。
樹脂基材としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエーテル樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
前記の基材の表面には耐擦傷性や密着性等を高めるため、ハードコート層やアンカーコート層等のコート層を形成してあっても良く、密着性や塗工性等を高めるため、UVオゾン洗浄、プラズマ処理、コロナ処理等の表面処理を施してあっても良い。
本発明の凹凸構造体は、基材の面内方向に四方格子状に規則配列している凸部の割合が、全ての凸部の50〜90%であり、該凸部は粒子によって形成されるものである。
ここで本発明において、「四方格子状」とは、凸部が基材面内方向に四角形状に配列した構造であることをいう。そして、任意の凸部の配列のうち、「四方格子状」の配列パターンであるとは、互いの頂点間距離の和が最小となるように4つの凸部を選択し、それらの頂点を結ぶことで形成される四角形の内角が、全て75°以上105°未満の範囲にあるものをいう。また、本発明では、凸部が基材面内方向に六角形状に配列した構造を「六方格子状」とよび、任意の凸部の配列のうち、「六方格子状」の配列パターンであるとは、互いの頂点間距離の和が最小となるように4つの凸部を選択し、それらの頂点を結ぶことで形成される四角形の内角が、45°以上75°未満または105°以上135°未満の範囲にあるものをいう。また、本発明において規則配列の方向とは、四方格子状または六方格子状に配列した凸部が直線状に列をなして連なる方向を示す。
本発明において、四方格子状に規則配列している凸部の割合が50%未満である場合、凹凸構造体を形成する際に粒子同士の凝集が生じ、均一な凹凸構造体を得られないものとなる。また、本発明において、四方格子状に規則配列している凸部の割合が90%よりも大きいとき、可視光域の特定波長の光の反射が強められ、発色を生じるものとなる(干渉光が発生)。すなわち、本発明は、凸部が一定以上の割合で規則配列することにより粒子の凝集を抑制して凸部同士の間隔を一定に保つものでありながら、全ての凸部の規則配列の方向が同じではないことにより、Bragg反射による発色を抑制することを可能にしているものである。
本発明では、より均一な凹凸構造体を得るのに好適なため、四方格子状に規則配列している凸部の割合が80〜90%であることが好ましい。
本発明において、四方格子状の配列割合は、凹凸構造体表面の電子顕微鏡写真または原子間力顕微鏡写真上で無作為に選んだ100点以上の凸部の内、四方格子状に配列している粒子の割合を求めることで算出可能である。
本発明の凹凸構造体はその表面において、同一の凸部配列パターンが繰り返された領域(例えば、四方格子状の配列パターンの領域)を有するものである。本発明において、規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期としては、干渉光を抑制するのに好適であるため、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。ここで本発明において、規則配列の平均周期とは、同一の配列パターンが繰り返された領域内において、規則配列する凸部の最長の列の長さを示すものであり、該長さは規則配列の方向に沿った最も長い境界間距離に相当するものである。
本発明の凹凸構造体に含まれる粒子は、優れた光の透過性能及び均一な構造を有する凹凸構造体を得るのにより好適であるため、膜厚方向に2粒子層〜100粒子層に積層されていることが好ましく、5粒子層〜100粒子層に積層されていることがさらに好ましく、10粒子層〜100粒子層に積層されていることが特に好ましい。ここで、粒子の位置固定化(樹脂の硬化等による位置固定化)を行わずに樹脂を除去する際には粒子の凝集が生じやすい傾向があるところ、粒子が2粒子層以上に積層されている場合、該積層された粒子層には粒子の凝集を抑制する効果が有り、均一な構造を有する凹凸構造体を得るのにより好適となるものである。なお、本発明において、粒子層が100粒子層以下であることで、光の透過性能をより優れたものとすることができる。
前記の積層される粒子は各配列パターンの領域において単純立方格子構造または体心立方格子構造等を形成しており、(100)面内に存在する粒子の頂点間平均距離は、反射防止性に優れる凹凸構造体となるために、粒子間に空隙を有することが好ましく、かつ、光の透過性能に優れる凹凸構造体となるために、可視光域の光の波長に対し過剰に大きな頂点間距離をもたないことが好ましいため、粒径の1.05〜1.8倍であることが好ましい。ここで粒子(または凸部)の頂点間平均距離とは、基材の面内方向に近接する粒子同士の頂点間の距離の平均を示し、電子顕微鏡像または原子間力顕微鏡像で観察した表面形状像において、無作為に選んだ100点以上の凸部の頂点間の距離の平均から算出可能である。
本発明の凹凸構造体は、可視光域の光に対する高い反射防止性の発現のため、凹凸平均高さが50〜500nmであることが好ましい。また、可視光域の光の散乱を防ぎ、かつ、高い透明性を得るのにより好適なため、凹凸平均高さ/平均粒径の比(アスペクト比)が0.5以上であることが好ましい。すなわち、アスペクト比が0.5未満となる場合、同じ凹凸平均高さを得る為により大きな粒子を用いる必要があり、凸部の頂点間平均距離が大きくなることで可視光域の光の散乱の防止や、凹凸構造体を反射防止膜に用いる際に高い透明性を得ることが、より困難となる傾向がある。
本発明の凹凸構造体は、高アスペクト比の凹凸構造体を得るのに好適であるため、凸部の頂点間平均距離/平均粒径の比が1.05以上であることが好ましい。
本発明の凹凸構造体は、可視光域の光の散乱を防ぎ、かつ、高い透明性を得るのにより好適なため、凸部の頂点間距離の標準偏差が凸部の頂点間平均距離の20%以下であることが好ましい。
本発明の凹凸構造体は、発現する反射防止効果が場所により変化しない均一性を示すのにより好適であるため、凹凸高さの標準偏差/凹凸平均高さの比が0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
本発明の凹凸構造体は、光の透過性能に優れた凹凸構造体となるのにより好適であるため、全光線透過率が93%以上であることが好ましく、94%以上であることがさらに好ましい。
本発明の凹凸構造体は、光散乱による視認性低下の抑制のため、ヘーズ値が5%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
本発明の凹凸構造体は、外光の映り込みによる視認性低下の抑制のため、可視光域の波長における最小の反射率(最小反射率)が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。ここで、本発明において、「可視光域の波長」とは、波長380〜780nmであることをいう。
本発明の凹凸構造体は、凸部が特定の規則配列であることで基板表面での反射の防止ができるものであるところ、該反射防止の効果により、その分の透過率の向上の効果をも有することを特徴とするものである。
本発明の凹凸構造体は、光の損失が少なく透過性能及びエネルギー効率に優れた反射防止膜を得るのにより好適であるため、可視光域の全範囲の波長において透過率が92%以上であることが好ましく、94%以上であることがさらに好ましい。
本発明の凹凸構造体の製造方法としては、本発明の凹凸構造体が得られる方法であれば特に制限はなく、例えば、粒子と樹脂を含む塗工液を用い、前記塗工液を基材上に塗布した後樹脂を加熱し、硬化させた上で、エッチングして凹凸を形成する方法等が挙げられる。
前記塗工液の基材への塗工方法は如何なる方法であっても良いが、例えば、バーコート、スピンコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、ディップコート等を挙げることができる。
前記塗工液は必要に応じて膜厚の調整等のために、粒子が分散可能かつ樹脂及び樹脂に含まれる各成分が溶解可能な有機溶剤を希釈剤として加えても良い。ただし、希釈剤が全て揮発した後に得られる塗膜において、粒子と樹脂の組成比が塗工液における好ましい組成範囲と同様の範囲、すなわち、体積比で粒子/樹脂=10/90〜50/50の範囲内にあることが好ましいことから、前記希釈剤としては揮発性に優れるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等を挙げることができる。
前記塗工液の基材への塗布に際して、塗工液の塗布は、凹凸平均高さ/平均粒径の比が好ましい範囲(0.5未満)となる条件で行うことが好ましい。ここで、このときの凹凸平均高さとは、塗工液を基材に塗布した後に、希釈剤のみが全て揮発した際に得られるウェット塗膜における凹凸平均高さを示し、該高さは、ウェット塗膜を加熱せずに紫外線照射等により膜を硬化させることで得られる凹凸構造体の凹凸高さを測定することによって算出することができる。凹凸平均高さ/平均粒径の比が0.5未満となる塗膜を得る為には、ウェット塗膜における粒子と樹脂の組成比が、塗工液における好ましい組成範囲と同様の範囲、すなわち、体積比で粒子/硬化性樹脂=10/90〜50/50の範囲となる条件で塗布すればよい。
前記塗工液については、塗布時の温度が高すぎる場合、塗布過程で樹脂の揮発が生じ、塗膜における粒子と樹脂の組成比が前記範囲から外れる原因となる場合がある。塗布時の好ましい温度は用いる樹脂の種類によって異なるものであるが、例えば、樹脂としてトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(平均分子量Mw=428)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート(平均分子量Mw=571)、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(平均分子量Mw=470)等を用いる場合、50℃以下の温度で基材へ塗布することが好ましい。
前記塗工液を基材へ塗布した後、凸部の四方格子状の配列割合が50%〜90%の範囲となるよう粒子の配列を変化させるのにより好適であるため、150℃以上の温度で1分以上の加熱を行うことが好ましい。
加熱方法としては特に制限はないが、例えば、熱風乾燥、遠赤外線乾燥、UV乾燥等を挙げることができる。
加熱後の塗膜の硬化方法としては特に制限はないが、例えば、電子線又は紫外線照射による光硬化を挙げることができる。硬化時間に特に制限はないが、凹凸構造体の量産性を損なわない範囲で十分な樹脂の硬化度を得るためには、10秒〜20分程度が好ましい。
硬化後のエッチングの方法としては、樹脂をエッチングすることが可能な方法であれば特に制限はなく、プラズマエッチング等のドライエッチング法を採用してもよく、樹脂を溶解することが可能な溶液を用いたウェットエッチング法を採用してもよい。また、このようなエッチングの際の周波数や温度等の条件も特に制限されず、凸部の平均高さが50〜500nmとなる凹凸形状を形成することが可能な条件であればよく、用いた材料等に応じてその条件を適宜変更できる。
本発明の凹凸構造体は、反射防止膜として用いることができる。本発明の凹凸構造体を反射防止膜として用いる場合には、該反射防止膜がない場合と比較して可視光域の光の散乱を増加させないことから、ディスプレイの視認性を損なうことなく、外光の映り込みを防止することができる。また、反射を防止した分だけ透過光量を向上させることが可能であることから、太陽電池の光取り込み効率の向上、及び有機ELの光取り出し効率の向上のために用いることができる。
本発明によれば、隣接する凸部同士の間に均一な間隔を有し、凹凸高さが均一であり、構造の均一性の高い凹凸構造体を提供することができる。また、本発明によれば、該凹凸構造体を用いることで、可視光領域の光を照射した際に発色を生じることがなく、可視光領域の光の透過性能に優れた反射防止膜を提供することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によってより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例における凹凸高さ、凹凸の頂点間平均距離、全光線透過率、ヘーズ値、反射率、各波長の透過率の測定、及び干渉光の確認は以下の方法により行った。
[凹凸高さ、凸部の頂点間距離の測定]
凹凸高さは原子間力顕微鏡(日立ハイテクサイエンス社製AFM5100)を用い、オリンパス社製カンチレバーOMCL−AC200TSを用いてダイナミックフォースモードで形状像を測定し、近接する凸部と凹部の高さの差を求めることで算出した。また、無作為に選んだ100点の凸部の凹凸高さの平均値を凹凸平均高さとした。
凸部の頂点間距離は原子間力顕微鏡で観察した形状像において、基材の面内方向に近接する凸部同士の距離とした。また、無作為に選んだ100点の凸部間の頂点間距離の平均値を凸部の頂点間平均距離とした。
凹凸構造の規則配列の周期は原子間力顕微鏡または走査型電子顕微鏡で観察した形状像において、同一の配列パターンが繰り返された領域の凸部の配列方向に沿った最長の距離とした。また、無作為に選んだ10領域の配列周期の平均を規則配列の平均周期とした。
[全光線透過率、ヘーズ値の測定]
全光線透過率、ヘーズ値の測定は日本電色工業製NDH−5000を用いてJIS−K−7136に従い、基材となるガラス基板を含めて測定した。なお、用いたガラス基板の全光線透過率は92.0%、ヘーズ値は0.4%であった。
[反射率の測定]
反射率は分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製U−4100)及び角度可変絶対反射付属装置を用い、入射角10°、波長380〜780nmにおける反射率を5nm間隔で測定した。反射率測定にあたっては裏面反射の影響を除くために、試料の裏面をマジックで黒く塗りつぶし、さらに裏面に黒色テープを貼り測定した。
[各波長における透過率の測定]
可視光域の各波長における透過率については、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製U−4100)を用い、入射角0°、波長380〜780nmにおける透過率を5nm間隔で測定した。
[干渉光の確認]
干渉光による発色の有無確認は白色蛍光灯(パナソニック社製FLA40S・W/M−X)の下、基材面に対し約45°の角度から試料を目視で観察することにより確認した。また、干渉光が観察されない場合は波長250〜2600nmの光における反射率を分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製U−4100、入射光角度10°)を用いて測定し、Bragg反射による反射光の強め合いが発生していないことをさらに確認した。
干渉光の有無は次のように評価した。
無:目視により干渉光(虹色の光)が観察されず、Bragg反射も確認されなかった。
有:目視により干渉光が観察された。
[実施例1]
冷却管、スターラーを備えたフラスコに平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部、エタノール150部、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−503)4部、28wt%アンモニア水0.2gを撹拌しながら加え、60℃で3時間反応させ室温まで冷却することで表面がメタクリレート基で修飾されたシリカ粒子を得た。その後、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部、メタノール150部を加えた。エバポレータにより溶媒を留去し、メタノール500部を加え再度溶媒を留去する操作を3回繰り返した。サンプル重量に変化がなくなるまでエバポレータで濃縮し、光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2.8部を加えることで塗工液を調製した。
40×50mm角のガラス基板上に上記の塗工液を滴下し、600rpmで120秒間スピンコートし、200℃で2分間熱風乾燥後、ガラス製密閉容器に移し、容器内を窒素置換後、高圧水銀灯を用い6mW/cm2の照射強度となる条件で20分間紫外線照射を行うことで塗膜を硬化させた。プラズマ表面処理装置(真空デバイス社製PIB−20)を用い、キャリアガスとして空気を用い、圧力13.3Pa、出力30Aで2分30秒間プラズマエッチングを行うことでガラス基板上に形成された凹凸構造体を得た。
得られた凹凸構造体表面の電子顕微鏡写真を図1〜図3にそれぞれ示す。凸部が主に四方格子状に配列し、配列方向の異なる複数の領域によって構成されている様子が観察された。
凹凸平均高さは140nm、凹凸の頂点間平均距離は250nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
また、凹凸構造体が形成されたガラス基板の外観写真を図4に示す。Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例2]
実施例1において固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)(平均粒径180nm)100部を用いる代わりに、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子分散液(日産化学工業社製MP−1040)(平均粒径110nm)100部を用い、また、プラズマエッチング時間を1分30秒間とし、その他の操作は実施例1と同様の方法で凹凸構造体を作製した。
得られた凹凸構造体の凹凸平均高さは90nm、凹凸の頂点間平均距離は170nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例3]
平均粒径280nmの粉末状シリカ粒子(株式会社日本触媒製KE−P30)40部にトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)60部を加え、光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)3部を加えることで塗工液を調製した。
40×50mm角のガラス基板上に上記の塗工液を滴下し、600rpmで120秒間スピンコートし、200℃で2分間熱風乾燥後、ガラス製密閉容器に移し、容器内を窒素置換後、高圧水銀灯を用い6mW/cm2の照射強度となる条件で20分間紫外線照射を行うことで塗膜を硬化させた。プラズマ表面処理装置(真空デバイス社製PIB−20)を用い、キャリアガスとして空気を用い、圧力13.3Pa、出力30Aで3分30秒間プラズマエッチングを行うことでガラス基板上に形成された凹凸構造体を得た。
凹凸平均高さは230nm、凹凸の平均頂点間距離は400nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例4]
実施例1においてトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部及び光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2.8部を加える代わりに、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)88.6部及び光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)4.7部を加えた塗工液を用い、その他の操作は実施例1と同様の方法で凹凸構造体を作製した。
凹凸平均高さは140nm、凹凸の平均頂点間距離は280nm、凸部の規則配列の平均周期が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)は10μm以下であった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例5]
実施例1においてトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部及び光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2.8部を加える代わりに、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)38部及び光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2部を加えた塗工液を用い、その他の操作は実施例1と同様の方法で凹凸構造体を作製した。
凹凸平均高さは140nm、凹凸の平均頂点間距離は210nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例6]
実施例1において塗工液とした溶液40部に対し、メタノール60部を加えて新たな塗工液を調製した。該新たな塗工液を用い、その他の操作は実施例1と同様の方法で凹凸構造体を作製した。
凹凸平均高さは140nm、凹凸の平均頂点間距離は250nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例7]
実施例1において塗工液とした溶液20部に対し、メタノール80部を加えて新たな塗工液を調製した。該新たな塗工液を用い、その他の操作は実施例1と同様の方法で凹凸構造体を作製した。
凹凸平均高さは140nm、凹凸の平均頂点間距離は250nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[実施例8]
実施例7の凹凸構造体をガラス基板の両面に形成することで、両面に反射防止膜が形成されたガラス基板を作製した。
得られた反射防止膜付きガラス基板の可視光域の光の透過率を、反射防止膜の形成されていない通常のガラス基板の結果と共に図5に示す。反射防止膜によって可視光域の全ての波長の光の透過率が向上していることが確認された。
また、得られた反射防止膜は、Bragg反射による干渉光が観察されず、発色を生じない無色透明な膜であることが確認された。
[比較例1]
実施例1における塗工液の代わりに、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部に光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2.8部を加えた塗工液を用い、その他の操作は実施例1と同様の方法で塗膜を形成した。粒子が存在しない為に凹凸が形成されなかった。
[比較例2]
実施例1においてトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部及び光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2.8部を加えず、その他の操作は実施例1と同様の方法で凹凸構造体を作製した。粒子が凝集したために四方格子状の凹凸は得られず、凹凸高さに大きなばらつきを生じた。
[比較例3]
平均粒径280nmの粉末状シリカ粒子(株式会社日本触媒製KE−P30)40部にトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)60部を加え、光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)3部を加えることで塗工液を調製した。
40×50mm角のガラス基板上に上記の塗工液を滴下し、200rpmで60秒間、300rpmで60秒間、1000rpmで30秒間、3000rpmで10秒間、6000rpmで10秒間、8000rpmで150秒間スピンコートし、ガラス製密閉容器に移し、容器内を窒素置換後、高圧水銀灯を用い6mW/cm2の照射強度となる条件で20分間紫外線照射を行うことで塗膜を硬化させた。プラズマ表面処理装置(真空デバイス社製PIB−20)を用い、キャリアガスとして空気を用い、圧力13.3Pa、出力30Aで3分30秒間プラズマエッチングを行うことでガラス基板上に形成された凹凸構造体を得た。
凹凸平均高さは230nm、凹凸の平均頂点間距離は400nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は20μm以上であった。
また、得られた凹凸構造体において、四方格子状に規則配列している凸部の割合が100%であることから、Bragg反射による干渉光が観察された。
[比較例4]
平均粒径550nmの粉末状シリカ粒子(株式会社日本触媒製KE−P50)40部にトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)60部を加え、光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)3部を加えることで塗工液を調製した。
40×50mm角のガラス基板上に上記の塗工液を滴下し、600rpmで120秒間スピンコートし、200℃で2分間熱風乾燥後、ガラス製密閉容器に移し、容器内を窒素置換後、高圧水銀灯を用い6mW/cm2の照射強度となる条件で20分間紫外線照射を行うことで塗膜を硬化させた。プラズマ表面処理装置(真空デバイス社製PIB−20)を用い、キャリアガスとして空気を用い、圧力13.3Pa、出力30Aで3分30秒間プラズマエッチングを行うことでガラス基板上に形成された凹凸構造体を得た。
凹凸平均高さは420nm、凹凸の平均頂点間距離は760nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は10μm以下であった。
粒子の粒径が大きいために、ヘーズ値が大きかった。
また、Bragg反射による干渉光は観察されなかった。
[比較例5]
特許文献2を参考に、六方格子状に規則配列した凹凸構造体を作製した。冷却管、スターラーを備えたフラスコに平均粒径180nm、固形分濃度40wt%のコロイダルシリカ粒子水分散液(日産化学工業社製MP−2040)100部、エタノール150部、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−503)4部、28wt%アンモニア水0.2gを撹拌しながら加え、60℃で3時間反応させ室温まで冷却することで表面がメタクリレート基で修飾されたシリカ粒子を得た。その後、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)56部、メタノール150部を加えた。エバポレータにより溶媒を留去し、メタノール500部を加え再度溶媒を留去する操作を3回繰り返した。サンプル重量に変化がなくなるまでエバポレータで濃縮し、光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)2.8部を加えることで塗工液を調製した。40×50mm角のガラス基板上に上記の塗工液を滴下し、600rpmで120秒間スピンコートした後、熱風乾燥を行わず、ガラス製密閉容器に移し、容器内を窒素置換後、高圧水銀灯を用い6mW/cm2の照射強度となる条件で20分間紫外線照射を行った。プラズマ表面処理装置(真空デバイス社製PIB−20)を用い、キャリアガスとして空気を用い、圧力13.3Pa、出力30Aで2分30秒間プラズマエッチングを行うことでガラス基板上に形成された凹凸構造体を得た。
凹凸平均高さは140nm、凹凸の頂点間平均距離は250nm、凸部の規則配列が一定方向となる領域(配列パターンが同一の領域)の平均周期は20μm以上であった。
また、凹凸構造体が形成されたガラス基板の外観写真を図4に合わせて示す。Bragg反射による干渉光が観察された。
[比較例6]
特許文献3を参考に、アモルファス構造の凹凸構造体薄膜がガラス基板の両面に形成された反射防止膜付きガラス基板を作製した。平均粒子径280nmのシリカ粒子(日本触媒製KE−P30)と、平均粒径500nmのシリカ粒子(日本触媒製KE−P50)とを、粒子数の比がKE−P30:KE−P50=18.5:1となるよう混合した。次に、得られた混合粒子40部に対して、56部のトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセルオルネクス社製TMPEOTA)を加え、超音波を印加し、十分に分散させた後、光開始剤として2−ヒドロキシ−2―メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)を2.8部加えた。この混合物100部にメタノール300部を加えた固形分25%の塗工液を用い、40×50mm角のガラス基板上に塗工液を滴下し、600rpmで120秒間スピンコートした後、熱風乾燥を行わず、ガラス製密閉容器に移し、容器内を窒素置換後、高圧水銀灯を用い6mW/cm2の照射強度となる条件で20分間紫外線照射を行った。プラズマ表面処理装置(真空デバイス社製PIB−20)を用い、キャリアガスとして空気を用い、圧力13.3Pa、出力30Aで3分間プラズマエッチングを行うことでガラス基板上に形成された凹凸構造体を得た。同様にガラス基板の裏面にも凹凸構造体薄膜を作製し、両面に反射防止膜(凹凸構造体)が形成されたガラス基板を作製した。
凹凸構造体表面の電子顕微鏡写真を図6に示す。特許文献3と同様のアモルファス構造が得られ、凹凸平均高さは250nm、凹凸の頂点間平均距離は320nmであった。
得られた凹凸構造体はBragg反射による干渉光を示さないことが確認された。
両面に反射防止膜が形成されたガラス基板の可視光域の光の透過率を図5に合わせて示す。可視光域の光の透過率は反射防止膜を形成していないガラス基板の値を全波長域で下回っており、反射防止膜は光の透過率向上に寄与しないものとなっていた。
Figure 2016177180
Figure 2016177180
本発明によれば、隣接する凸部同士の間に均一な間隔を有し、凹凸高さが均一であり、構造の均一性の高い凹凸構造体を提供することができる。本発明はまた、該凹凸構造体を用いることで、可視光領域の光を照射した際に発色を生じることがなく、可視光領域の光の透過性能に優れた反射防止膜を提供することができ、視認性の高いディスプレイ、光取り込み効率の高い太陽電池、光取り出し効率の高い有機EL等に応用可能である。
実施例1の凹凸構造体表面の走査型電子顕微鏡写真(低倍率) 実施例1の凹凸構造体表面の走査型電子顕微鏡写真(高倍率) 実施例1の凹凸構造体断面の走査型電子顕微鏡写真 実施例1及び比較例5の凹凸構造体付きガラス基板の外観写真 実施例8及び比較例6の反射防止膜付きガラス基板の光の透過率を示すグラフ 比較例6の凹凸構造体表面の走査型電子顕微鏡写真(低倍率)

Claims (9)

  1. 平均粒径50〜500nmの粒子及び樹脂によって基材上に形成される凹凸構造体であって、前記基材の面内方向に四方格子状に規則配列している凸部の割合が、全ての凸部の50〜90%であることを特徴とする凹凸構造体。
  2. 粒子が膜厚方向に2粒子層〜100粒子層に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の凹凸構造体。
  3. 粒子の規則配列が単純立方格子構造または体心立方格子構造を成しており、(100)面内の粒子の頂点間平均距離が、粒子の平均粒径の1.05〜1.8倍であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凹凸構造体。
  4. 粒子と樹脂の組成比が体積比で粒子/樹脂=10/90〜70/30であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の凹凸構造体。
  5. 粒子がシリカ粒子であり、樹脂がエチレングリコール部位若しくはプロピレングリコール部位を有するアクリレート、又はエチレングリコール部位若しくはプロピレングリコール部位を有するメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の凹凸構造体。
  6. シリカ粒子がシランカップリング剤で表面処理されていることを特徴とする請求項5に記載の凹凸構造体。
  7. 粒子の粒径の分散度が5%未満であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の凹凸構造体。
  8. 凹凸構造体の凹凸平均高さが50〜500nmであり、凹凸平均高さ/平均粒径の比が0.5以上であり、凸部の頂点間平均距離/平均粒径の比が1.05以上であり、凸部の頂点間距離の標準偏差が凸部の頂点間平均距離の20%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の凹凸構造体。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の凹凸構造体を用いた反射防止膜。
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