JP6185867B2 - 機能性積層材料、機能性積層材料の製造方法、および機能性積層材料を含む有機電界発光装置 - Google Patents

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本発明は、機能性積層材料に関する。より詳しくは、本発明は基板上に光取り出し層を有する機能性積層材料およびその製造方法に関する。また、本発明は機能性積層材料を含む有機電界発光装置に関する。
有機電界発光装置においては、従来から、有機電界発光層とその基板との間に光取り出し層を設けることが提案されている。光取り出し層は、有機電界発光層と基板との屈折率の差異に起因して低下する有機電界発光層からの発光の取り出し効率を上げるために設けられる層であり、その構成についてはこれまで様々な検討がなされている(例えば、特許文献1および2)。
特許文献2においては、光取り出し層として、平均粒径がミクロンオーダーの光拡散粒子とバインダーとを含む光拡散層形成材料から形成される光拡散層と、光拡散層表面の凹凸形状を平らにするための平坦化層とをこの順に有する構成が開示されている。バインダーおよび平坦化層の形成のための材料には、屈折率調整のために、ナノサイズの酸化チタン微粒子が添加されている。
特開2012−109255号公報 特開2012−155177号公報
特許文献2に記載のような光拡散層形成材料から塗布工程を含む方法で光拡散層を形成しようとすると、乾燥条件や湿度条件により、光取り出し性能の低下は引き起こされることがあった。また、同様に平坦化層を塗布工程を含む方法で形成すると、平坦化層形材料の乾燥条件や硬化条件により、平坦化層表面に形成された透明電極の抵抗値が上がるという問題が生じることがあった。しかし、上記の現象が生じないように各層の塗布膜の乾燥や硬化の条件を制限すると生産性に影響することも考えられる。
上記を鑑み、本発明の課題は、光取り出し層を有する機能性積層材料として、高性能の有機電界発光装置を容易に製造することを可能とする機能性積層材料を提供することである。本発明は、また、機能性積層材料の製造方法および機能性積層材料を含む有機電界発光装置を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題の解決のため、鋭意検討を重ね、光取り出し性能の低下が、光拡散粒子のサブミクロンオーダーの凝集により生じている場合があり、また、透明電極の結晶性の低下が、平坦化層の酸化チタン微粒子のサブナノメートルの凝集により生じている場合があることを発見し、この知見に基づいてこれらの凝集を防止できる光拡散層または平坦化層の組成や製造方法についての検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
以下の[1]〜[16]を提供するものである。
[1]基板および上記基板表面に設けられた光取り出し層を含み、
上記光取り出し層は光拡散層および平坦化層を含み、
上記光拡散層が上記平坦化層に対して上記基板側にあり、
上記光拡散層は、光拡散粒子とバインダーとを含む光拡散層形成材料から形成された層であり、
上記光拡散粒子が有機粒子であり、
上記バインダーは、酸化チタン微粒子と、下記式で表されるアクリル当量が200以下である多官能アクリルモノマー1と、フルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマー2とを含み、
上記平坦化層が平坦化層形成材料から形成された層であり、
上記平坦化層形成材料が、平均二次粒子径が70nm以下である酸化チタン微粒子と下記式で表されるアクリル当量が200以下である多官能アクリルモノマー3とを含み、
酸化チタン微粒子が上記平坦化層の20体積%以上を占める機能性積層材料;
式:アクリル当量=モノマーの分子量/(メタ)アクリロイル基の個数。
[2]上記バインダーにおいて、多官能アクリルモノマー1および多官能アクリルモノマー2の総質量に対する多官能アクリルモノマー2の割合が20質量%以上である[1]に記載の機能性積層材料。
[3]上記平坦化層形成材料がフルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマー4を含む[1]または[2]に記載の機能性積層材料。
[4]上記平坦化層形成材料において、多官能アクリルモノマー3および多官能アクリルモノマー3の総質量に対する多官能アクリルモノマー4の割合が20質量%以上である[3]に記載の機能性積層材料。
[5]上記光拡散層形成材料および上記平坦化層形成材料がいずれもフッ素系界面活性剤を含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の機能性積層材料。
[6]光拡散層の膜厚が0.5μ〜15μmであり、平坦化層の膜厚が0.5μ〜5μmであり、光拡散層と平坦化層の間には膜厚100nm以上の混合層が形成されている[1]〜[5]のいずれか一項に記載の機能性積層材料。
[7]上記基板が基材フィルムと上記基材フィルム上に設けられたバリア性積層体とを含むガスバリアフィルムであって、上記バリア性積層体は有機層および無機層を含む[1]〜[6]のいずれか一項に記載の機能性積層材料。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の機能性積層材料の製造方法であって、
(1)上記基板の表面に上記光拡散層形成材料を塗布すること;
(2)上記塗布後に得られる上記基板と光拡散層形成材料塗布膜との積層体に光照射すること;
(3)上記(2)の光照射後に得られる上記基板と光拡散層との積層体の上記光拡散層の表面に平坦化層形成材料を塗布すること;および
(4)上記塗布後に得られる上記基板と上記光拡散層と上記平坦化層形成材料塗布膜との積層体に光照射することを含み、
上記光拡散層形成材料および上記平坦化層形成材料はいずれも塗布される時点でSP値が8.5 (cal/cm31/2以上13 (cal/cm31/2以下である溶媒を含む機能性積層材料の製造方法。
[9]上記光拡散層形成材料中の溶媒と多官能アクリルモノマー1とのSP値の差が2(cal/cm31/2以内である[8]に記載の製造方法。
[10]上記平坦化層形成材料中の溶媒と多官能アクリルモノマー3とのSP値の差が2(cal/cm31/2以内である[8]または[9]に記載の製造方法。
[11]上記光拡散層形成材料および上記平坦化層形成材料はいずれも塗布される時点での粘度および表面張力がそれぞれ1Pa・s以上20Pa・s以下および21×10-5N以上27×10-5N 以下に調整されている[8]〜[10]のいずれか一項に記載の製造方法。
[12][1]〜[7]のいずれか一項に記載の機能性積層材料上に、透明電極、有機発光層を含む有機層、及び反射電極をこの順に有し、
上記平坦化層と上記透明電極とが直接接している有機電界発光装置。
[13]有機電界発光装置の光取り出し層形成用材料であって、
酸化チタン微粒子とアクリルモノマー混合物1と溶媒とを含み、
上記アクリルモノマー混合物1は、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有しかつ下記式で表されるアクリル当量が200以下であるアクリルモノマー1とフルオレン骨格を有するアクリルモノマー2とを含み、
上記酸化チタン微粒子の平均二次粒子径が70nm以下であり、
上記溶媒はSP値8.5 (cal/cm31/2以上13 (cal/cm31/2以下である光取り出し層形成用材料。
[14]上記溶媒のSP値と多官能アクリルモノマー1とのSP値の差が2(cal/cm31/2以内である[13]に記載の光取り出し層形成用材料。
本発明により、光取り出し層を有する機能性積層材料として、高性能の有機電界発光装置を容易に製造することを可能とする機能性積層材料が提供される。また、本発明によっては、機能性積層材料の製造方法、および機能性積層材料を含む有機電界発光装置が提供される。
本発明の機能性積層材料の一例の概略断面図である。 本発明の機能性積層材料の一例の概略断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味を表す。「(メタ)アクリロイル基」等も同様である。
<機能性積層材料>
本発明の機能性積層材料は、光取り出し機能を有する。光取り出し機能は、例えば、機能性積層材料の一方の面側に設けられる発光素子などからの発光を他方の面方向に効率良く取り出すことができる機能、またはフィルムの一方の面側に設けられる発光素子などからの発光を他方の面方向に拡散(散乱)させる機能である。機能性積層材料は有機電界発光装置用基板として用いることができる。
機能性積層材料は、基板および光取り出し層を含み、基板および光取り出し層の積層構造を有する。基板および光取り出し層は直接接していても、間に他の層が存在していてもよいが、直接接していることが好ましい。機能性積層材料において基板と光取り出し層との積層体の両外側には他の層が含まれていても含まれていなくてもよいが、含まれていないことが好ましい。
図1に機能性積層材料の一例の概略断面図を示す。図1に示す例では、基板としてガラス基板が用いられている。
図2に示す例では、ガスバリアフィルムが基板として用いられている、基材フィルム側から有機層、無機層、有機層、無機層がこの順に積層された構成を有しており、基材フィルム側から遠い方の無機層が光取り出し層における光拡散層と直接接している。
機能性積層材料はフィルム、シート、または板状のものなどであればよい。
機能性積層材料の膜厚は20μm〜200μmであることが好ましく、30μm〜150μmであることがより好ましい。
以下、機能性積層材料に含まれる各層について説明する。
<光取り出し層>
光取り出し層は、層の一方の面側に設けられる発光素子などからの発光を他方の面方向に効率良く取り出しかつ拡散させる機能を有していればよい。例えば、機能性積層材料が有機電界発光装置用基板として用いられる場合、光取り出し層の一方の面側に有機電界発光層を形成した構成で、有機電界発光層からの発光を他方の面側にある基板方向に、効率よく取り出して拡散させることができればよい。
光取り出し層の膜厚は1μm〜20μmであることが好ましく、3μm〜15μmであることがより好ましい。
光取り出し層は、光拡散層および平坦化層を含む。光取り出し層は、光拡散層および平坦化層以外の他の層を含んでいてもよいが、光拡散層および平坦化層からなることが好ましい。機能性積層材料においては、光拡散層が基板側にあればよい。
<光拡散層>
光拡散層は層の一方の面側に設けられる発光素子などからの発光を他方の面方向に効率良く取り出しかつ拡散させる機能を有する。具体的には、屈折率がガラス基板(n(屈折率)=1.5程度))または(メタ)アクリレートの重合により形成されるポリマー層(n=1.6程度)よりも高くなるように調整されていればよい。
光拡散層を付与した発光素子は、角度によらず一定の輝度を得ることができる、すなわちランバーシアンを特徴とする。
光拡散層は光拡散粒子とバインダーとを含む光拡散層形成材料から形成される。光拡散層形成材料は下記バインダーに光拡散粒子を分散させた分散液として形成されていればよい。光拡散層形成材料はバインダーと光拡散粒子とを攪拌などにより混合すること、下記バインダー各成分と光拡散粒子とを溶媒に添加し混合することなどにより形成することができる。
<バインダー>
バインダーは、酸化チタン微粒子と、多官能アクリルモノマー混合物とを含有する組成物である。バインダーは必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
<酸化チタン微粒子>
酸化チタン微粒子の添加により、光拡散層の屈折率を上げることができる。酸化チタン微粒子としては、特に限定されないが、光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子を用いることが好ましい。光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子としては、(1)酸化チタン微粒子表面をアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種で被覆した酸化チタン微粒子、(2)上記(1)の被覆した酸化チタン微粒子の被覆表面に樹脂を被覆してなる酸化チタン微粒子などが挙げられる。上記樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)などが挙げられる。
光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子が、光触媒活性を有さないことの確認は、例えばメチレンブルー法により行うことができる。
光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子における酸化チタン微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼが主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。
酸化チタン微粒子は、酸化チタン以外の金属酸化物を添加して複合化されたものであってもよい。
酸化チタン微粒子に複合化させることができる金属酸化物の例としては、Sn、Zr、Si、Zn、及びAlから選択される少なくとも1種の金属酸化物が好ましい。金属酸化物のチタンに対する添加量は、1モル%〜40モル%が好ましく、2モル%〜35モル%がより好ましく、3モル%〜30モル%が更に好ましい。
酸化チタン微粒子の一次平均粒径は、1nm〜30nmが好ましく、1nm〜25nmがより好ましく、1nm〜20nmが更に好ましい。一次平均粒径が、30nmを超えると、分散液が白濁し、沈降が起きることがあり、1nm未満であると、結晶構造がはっきりせずアモルファスに近いものとなり、経時でゲル化などの変化が起こるようになる。
一次平均粒径は、例えば、X線回折装置で測定された回折パターンの半値幅からの計算や電子顕微鏡(TEM)撮影像の直径からの統計計算などにより測定することができるが、本明細書においては、電子顕微鏡(TEM)撮影像の直径からの統計計算に基づき測定された値を基準とするものとする。
酸化チタン微粒子の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、又は不定形状が好ましい。酸化チタン微粒子は、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。
また、酸化チタン微粒子は、平均二次粒子径が100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることがさらに好ましい。二次粒子径については後述する。
酸化チタン微粒子は、屈折率が2.2以上3.0以下であり、2.2以上2.8以下がより好ましく、2.2以上2.6以下が更に好ましい。屈折率が、2.2以上であれば、光拡散層の屈折率を効果的に高めることができ、屈折率が、3.0以下であれば、酸化チタン微粒子が着色するなどの不都合がないので好ましい。
ここで、酸化チタン微粒子のように屈折率が高く(1.8以上)、平均一次粒径が1〜100nm程度の微粒子の屈折率を測定することは困難であるが、次のようにして屈折率を測定することができる。屈折率既知の樹脂材料に酸化チタン微粒子をドープし、酸化チタン微粒子が分散された樹脂材料をSi基板、又は石英基板上に塗布膜を形成する。塗布膜の屈折率をエリプソメーターで測定し、塗布膜を構成する樹脂材料と酸化チタン微粒子の体積分率から、酸化チタン微粒子の屈折率が判る。
以下の式から算出される酸化チタン微粒子の含有率は、バインダーに対し、20体積%以上50体積%以下であり、25体積%以上45体積%以下がより好ましく、30体積%以上40体積%以下が更に好ましい。
式:酸化チタン微粒子の含有率(体積%)=(酸化チタン微粒子の質量/4(比重))/[(酸化チタン微粒子の質量/4(比重))+(多官能アクリルモノマーの質量/多官能アクリルモノマーの比重)]
<多官能アクリルモノマー>
本明細書において、「多官能アクリルモノマー」とは、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するモノマーを意味する。多官能アクリルモノマーとして、具体的には、例えば特開2013−43382号公報の段落0024〜0036または特開2013−43384号公報の段落0036〜0048に記載の化合物を用いることができる。
フルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマーとしては、WO2013047524に記載の式(2)で表される式の化合物が挙げられる。具体的な例としては以下が挙げられる。下記の例の中で、特に、一般式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006185867
Figure 0006185867
Figure 0006185867
光拡散層形成材料中のバインダーは多官能アクリルモノマーとして、下記式で表されるアクリル当量が200以下である多官能アクリルモノマー1とフルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマー2とを含む。
式:アクリル当量=モノマーの分子量/(メタ)アクリロイル基の個数。
アクリル当量はモノマー中の(メタ)アクリロイル基の数とモノマーの分子量を調製することにより調整できる。
光拡散層形成材料において、多官能アクリルモノマー1および多官能アクリルモノマー2の総質量に対し多官能アクリルモノマー2が20質量%以上であることが好ましく30質量%以上であることがより好ましい。
また、以下の式から算出される多官能アクリルモノマーの含有率は、50〜80体積%が好ましく、55〜75体積%がより好ましい。
式:多官能アクリルモノマーの含有率(体積%)=(多官能アクリルモノマーの質量/多官能アクリルモノマーの比重)/[(酸化チタン微粒子の質量/4(比重))+(多官能アクリルモノマーの質量/多官能アクリルモノマーの比重)]
バインダーは添加剤として、多官能アクリルモノマー以外に、特開2012−155177号公報の段落[0020]〜[0045]に記載の熱可塑性樹脂、反応性硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせ、他の多官能モノマーや多官能オリゴマーなどを含んでいてもよい。
<重合開始剤>
バインダーは、重合開始剤を含有していてもよい。
重合開始剤の例としては、特開2012−155177号公報の段落[0046]〜[0058]に記載の光重合開始剤などが挙げられる。具体的な例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合に関与する化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。
<フッ素系界面活性剤>
バインダーは、フッ素系界面活性剤を含有していてもよい。
フッ素系界面活性剤の例としては、特開2002−255921号、特開2003−114504、 特開2003−140288号、特開2003−149759号、特開2003−195454号、特開2004−240187号の各公報に記載のフッ素系界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性(ベタイン性)のいずれであってもよく、特に限定されない。
具体的な化合物としては、特開2002−255921号公報記載のFS−1〜FS−29のアニオン性フッ素系界面活性剤、特開2003−114504号公報に記載のFS−1〜FS−71のカチオン性および両性フッ素系界面活性剤、特開2003−140288号公報に記載のFS−1〜FS−38のアニオン性フッ素系界面活性剤、特開2003−149759号公報に記載のFS−1〜FS−39のカチオン性フッ素系界面活性剤、特開2003−195454号公報のFS−1〜FS−32のアニオン性、カチオン性およびノニオン性フッ素系界面活性剤を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤は光拡散層形成材料の固形分全質量(溶媒を除いた後の質量)に対し、0.01質量%以上含まれていればよい。
<溶媒>
バインダーは上記各成分を溶媒に溶解し、形成したものであればよい。上記各成分と光拡散粒子とを溶媒に混合してバインダー中に光拡散粒子が分散した分散液として光拡散層形成材料を調製してもよい。溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、SP値(Solubility Parameter(溶解度パラメータまたは溶解性パラメータ)が14以下の有機溶媒が好ましい。
ここで、溶解性パラメータ(SP値)は、沖津法によって求めることができる。沖津法については、日本接着学会誌Vol.29、No.6(1993年)249〜259頁に詳述されている。
光拡散層形成材料および平坦化層形成材料に用いられる溶媒は、いずれもSP値が8.5 (cal/cm31/2以上13 (cal/cm31/2以下であることがより好ましい。また、光拡散層形成材料中、特にバインダー中の溶媒と多官能アクリルモノマー1とのSP値の差は2(cal/cm31/2以内であることが好ましい。同様に、平坦化層形成材料中の溶媒と多官能アクリルモノマー3とのSP値の差が2(cal/cm31/2以内であることが好ましい。なお、1 (cal/cm31/2は約2.05(MPa)1/2に相当する。
溶媒の例としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、アミド類、エーテル類、エーテルエステル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。具体的には、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、乳酸エチル等)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えばメチルクロロホルム等)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等)、エーテル(例えばジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等)、エーテルアルコール(例えば1−メトキシ−2−プロパノール、エチルセルソルブ、メチルカルビノール等)が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、芳香族炭化水素、ケトン類が好ましく、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンがより好ましく、トルエン、キシレンが特に好ましい。
SP値8.5(cal/cm31/2以上13(cal/cm31/2以下の溶剤の例としては、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル、 ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド、ジオキサン、テトラハイドロフランなどのエーテル、セロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルアルコールが挙げられる。
さらに、溶媒は多官能モノマーとのSP値の差が、±2(cal/cm31/2以下であることが好ましい。例えば、多官能モノマーがトリメチロールプロハントリアクリレート(SP値:9.58(cal/cm31/2)であった場合、SP値の近いメチルエチルケトン(SP値:9.19(cal/cm31/2)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値:9.21(cal/cm31/2)、アセトン(SP値:9.46(cal/cm31/2)と組み合わせることが好ましい。
<光拡散粒子>
光拡散粒子としては、光を拡散可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機粒子であればよい。2種以上の光拡散粒子を用いてもよい。
有機粒子としては、例えばポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、アクリル−スチレン共重合体粒子、メラミン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子、などが挙げられる。
これらの中でも、光拡散粒子としては、耐溶剤性とバインダー中の分散性の点で架橋状態の樹脂粒子が好ましく、架橋ポリメチルメタクリレート粒子が特に好ましい。
光拡散粒子が、架橋状態の樹脂粒子であることは、溶剤、例えばトルエン中に分散させ、樹脂粒子の溶け難さを見ることで確認することができる。
光拡散粒子の屈折率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜3.0が好ましく、1.2〜1.6がより好ましく、1.3〜1.5が更に好ましい。屈折率が、1.0未満及び3.0を超えると、光拡散(散乱)が強くなりすぎるため、後方散乱が強くなり、光取り出し効率が低下することがある。
光拡散粒子の屈折率は、例えば自動屈折率測定器(KPR−2000、株式会社島津製作所製)を用い、屈折液の屈折率を測定してから、精密分光計(GMR−1DA、株式会社島津製作所製)で、シュリブスキー法により測定することができる。
バインダーの屈折率Aと光拡散粒子の屈折率Bとの屈折率差|A−B|(絶対値)は、0.2以上1.0以下でればよく、0.2以上0.5以下が好ましく、0.2以上0.4以下が更に好ましい。
光拡散粒子の平均粒径は、0.5μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜6μmがより好ましく、1〜3μmが更に好ましい。光拡散粒子の平均粒径が、10μmを超えると、光の殆どが前方散乱になり、光拡散粒子による光の角度を変換する能力が低下してしまうことがある。一方、光拡散粒子の平均粒径が、0.5μm未満であると、可視光の波長より小さくなり、ミー散乱がレイリー散乱の領域に変化し、光拡散粒子の散乱効率の波長依存性が大きくなり、有機電界発光素子の色度が大きく変わったり、後方散乱が強くなり、光取り出し効率が低下することがあると予想される。
光拡散粒子の平均粒径は、例えば日機装株式会社製ナノトラックUPA−EX150等の動的光散乱法を利用した装置や、電子顕微鏡写真の画像処理により測定することができるが、本明細書において記載される、光拡散粒子の平均粒径の値はSEM写真の画像処理にて測定した値に基づくものとする。
光拡散粒子の、バインダーの固形分(揮発分が揮発した後の残分)中に占める割合は、20〜50質量%が好ましく、25〜40質量%がより好ましい。
<光拡散層(平坦化層)の形成方法>
光拡散層は、光拡散層形成材料を、基板表面に塗布し、さらに塗布膜を硬化することにより形成することができる。必要に応じて、塗布後の乾燥や、硬化前、硬化時もしくは硬化後の加熱を行ってもよい。なお、後述のように、基板表面ではなく、光拡散層表面に形成されるという点を除き、平坦化層も同様に形成すればよい。
塗布は、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の薄膜形成方法で行うことができる。このうち、下地無機層に接触しないような、非接触搬送と、ダイコーターもしくはスリットコーターを用いたエクストルージョンコート法による塗布が好ましい。
また、光拡散層形成材料および平坦化層形成材料はいずれも塗布される時点で、粘度が1Pa・s以上20Pa・s以下に調製されていることが好ましく、2Pa・s以上10Pa・s以下に調製されていることがより好ましい。さらに、光拡散層形成材料および平坦化層形成材料はいずれも塗布される時点で表面張力が21×10-5N以上27×10-5N 以下に調製されていることが好ましく、24×10-5N 以上27×10-5N 以下に調製されていることがより好ましい。上記の粘度の調整は添加する溶媒量を調整することにより行うことができる。また表面張力の調整は界面活性剤の添加量を調整することにより行うことができる。上記の範囲に粘度および表面張力を調製することにより、外乱の影響による塗布膜の表面張力ムラを抑制することができる。
塗布液は、光(例えば、紫外線)、電子線、または熱線にて、硬化させればよく、光によって硬化させることが好ましい。特に、塗布液を25℃以上の温度(例えば、30〜130℃)をかけて加熱しながら、硬化させることが好ましい。加熱により、多官能アクリルモノマーの自由運動を促進させることで効果的に硬化させ、かつ、基板にダメージを与えずに成膜することができる。
光照射の光源は、光重合開始剤の反応する波長(吸収波長)付近であればいずれでもよく、吸収波長が紫外領域の場合、光源として、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライド灯、キセノン灯、太陽光等が挙げられる。波長350nm〜420nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。また、吸収波長が赤外領域の場合、光源としてはハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプが挙げられ、波長750nm〜1,400nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。
光照射による光ラジカル重合の場合は、空気又は不活性気体中で行うことができるが、ラジカル重合性モノマーの重合の誘導期を短くするか、又は重合率を十分に高める等のために、できるだけ酸素濃度を少なくした雰囲気とすることが好ましい。酸素濃度範囲は0〜1,000ppmが好ましく、0〜800ppmがより好ましく、0〜600ppmが更に好ましい。照射する紫外線の照射強度は、0.1mW/cm2〜100mW/cm2が好ましく、塗布膜表面上での光照射量は、100mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜5,000mJ/cm2がより好ましく、100mJ/cm2〜1,000mJ/cm2が特に好ましい。
光照射量が、100mJ/cm2未満であると、光拡散層が十分に硬化せず、光拡散層上に平坦化層を塗布する際に溶解、また、基板洗浄時に崩壊することがある。一方、光照射量が、10,000mJ/cm2を超えると、光拡散層の重合が進み過ぎ表面が黄変し、透過率が低下し、光取り出し効率が低下することがある。
<光拡散層>
光拡散層における光拡散粒子の含有量は、30体積%以上66体積%以下が好ましく、40体積%以上60体積%以下がより好ましく、45体積%以上55体積%以下が特に好ましい。含有量が、30体積%未満であると、光拡散層に入射してきた光が光拡散粒子に散乱される確率が小さく、光拡散層の光角度を変換する能力が小さいので、光拡散層の厚みを充分に厚くしないと光取り出し効率が低下することがある。また、光拡散層の厚みを厚くすることはコストの増加に繋がり、光拡散層の厚みのバラツキが大きくなり、発光面内の散乱効果にバラツキが生じるおそれがある。一方、含有量が、66体積%を超えると、光拡散層の表面が大きく荒れ、内部にも空洞が生じることで、光拡散層の物理的強度が低下することがある。
光拡散層の平均厚みは、0.5μm〜15μmが好ましく、1μm〜7μmがより好ましく、1.5μm〜5μmが特に好ましい。
光拡散層の平均厚みは、例えば光拡散層の一部を切り取り、走査型電子顕微鏡(S−3400N、日立ハイテク株式会社製)で測定して、求めることができる。
また、光拡散層と平坦化層との膜厚の総計は1μm〜30μmであることが好ましい。
光拡散層中のバインダーの屈折率は、1.7〜2.2が好ましく、1.7〜2.1がより好ましく、1.7〜2.0が更に好ましい。バインダーの屈折率が、1.7未満であると、光取り出し効率が低下することがあり、2.2を超えると、光拡散層中のバインダー内の光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子量が増えているため、散乱が強くなりすぎ、光取り出し効率が低下することがある。
また、光拡散層中のバインダーの屈折率は、有機電界発光層中の発光層の屈折率と同等乃至高いことが好ましい。さらに、光拡散層の屈折率は具体的には1.5〜2.5程度であればよく、1.6〜2.2であることが好ましい。また、光拡散層は平坦化層との屈折率差(Δn)が0.05以下であることが好ましく、0.02以下であることがより好ましい。
光拡散層は表面に光拡散粒子が均一に分散していることが好ましく、高低差が0.3μm〜2μmであることが好ましい。
<平坦化層>
平坦化層は光拡散層に光拡散層表面の凸凹形状を平坦化するための層である。光拡散層表面の凸凹形状は主に光拡散粒子が分散されていることに起因して生じやすい。光拡散層表面に形成された平坦化層の表面では、表面粗さ(Ra)が10μm角(1辺が10μmの正方形)中で3nm以下となることが好ましい。なお、本明細書において、表面粗さの値は分子間力顕微鏡にて10μm角の大きさで測定したものとする。
<平坦化層形成材料>
平坦化層としては、光拡散層形成材料において光拡散粒子を含まない組成(バインダーの組成)の材料から形成されたものであればよく、光拡散層と同様にして形成することができる。
ただし、平坦化層形成材料における酸化チタン微粒子としては、平均二次粒子径が70nm以下、好ましくは60nm以下、より好ましくは50nm以下であるものが用いられる。
二次粒子径は、微粒子が理想的に分散した状態の粒子径と定義される一次粒径に対し、その一次粒子がある状態(環境中)で凝集した際の凝集体の大きさとして定義されるものである。一般的な微粒子が含有されている分散体中では、ある程度の大きさを持って凝集している場合が多い。また、平均二次粒子径の測定方法としては、動的光散乱法、レーザー回折法、画像イメージング法が挙げられるが、本明細書において定義される、平均二次粒子径の値は、動的散乱法に基づくものとする。
平均二次粒子径を制御する方法として、分散剤の添加が挙げられる。分散剤の種類・添加量にて、分散状態を制御し、平均二次粒子径を調整する。
分散剤としては アミン系、ポリカルボン酸アルキルエステル系、ポリエーテル系の分散剤が挙げられ、特に限定されない。所望の平均二次粒子径に分散した市販品を用いてもよい。
また、平坦化層形成材料の酸化チタン微粒子の含有率は、光拡散層形成材料のバインダーにおける、上記の酸化チタン微粒子の含有率と同様であればよい。
また、平坦化層形成材料は所定の粒子径の酸化チタン微粒子と多官能アクリルモノマーとを含んでいればよく、多官能アクリルモノマーは混合物であっても混合物でなくてもよい。混合物である場合、混合物は、アクリル当量が200以下である多官能アクリルモノマー3と、フルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマー4とを含むことも好ましい。アクリルモノマー3に対しアクリルモノマー4が40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがさらに、好ましい。このとき、1つの光取り出し層における多官能アクリルモノマー1(光拡散層)と光多官能アクリルモノマー3(平坦化層)は同一であっても同一でなくてもよい。1つの光取り出し層における多官能アクリルモノマー2(光拡散層)と光多官能アクリルモノマー4(平坦化層)は同一であっても同一でなくてもよい。1つの光取り出し層における光拡散層と平坦化層との形成材料の間では、酸化チタン微粒子、重合開始剤、界面活性剤、その他の添加剤等も同一であってもよく、異なっていてもよい。
平坦化層形成材料は光拡散層表面に塗布すればよい。この塗布の際、平坦化層形成材料は固形分濃度50%以下で溶媒を含む状態で、塗布量3mL/m2以上で塗布されることが好ましく、減率乾燥の時間が1秒以上となるように行うことが好ましい。
平坦化層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μ〜5μmが好ましく、1〜3μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
光拡散層と平坦化層の合計平均厚みは、2μm〜15μmが好ましく、3μm〜14μmがより好ましく、5μm〜12μmが特に好ましい。
平坦化層の屈折率は、1.7〜2.2が好ましく、1.7〜2.1がより好ましく、1.7〜2.0が更に好ましい。
平坦化層の屈折率は、光拡散層の屈折率と同じであるか、または光拡散層の屈折率よりも高いことが好ましい。平坦化層の屈折率と光拡散層の屈折率との差(Δn)は上述のように0.05以下であることが好ましく、0.02以下であることがより好ましい。
光拡散層と平坦化層の間には5nm以上の混合層が形成されていることが好ましい。
混合層の確認は、断面TEMにより行うことができる。また、混合層の膜厚の調整は平坦化層の形成の際の乾燥速度 、拡散層形成材料の固形分濃度により行うことができる。溶剤量を増やし、乾燥時間を長くすることによっては混合層の膜厚を厚くでき、拡散層形成材料の固形分濃度を減らすことによっては混合層の膜厚を薄くできる。
<基板>
基板としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、形状としては、例えば平板状などが挙げられ、構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、大きさとしては、機能性積層材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス(無アルカリガラス、ソーダライムガラス等)等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂が好ましく、ロールでの塗布適性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
基板としては、後述のガスバリアフィルムを用いてもよい。
基板の表面は、その上に設ける光拡散層との密着性を向上させるため、表面活性化処理を行うことが好ましい。表面活性化処理としては、例えばグロー放電処理、コロナ放電処理などが挙げられる。
基板は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。
基板の屈折率は、1.3〜1.8が好ましく、1.4〜1.7がより好ましく、1.4〜1.6が更に好ましい。基板の屈折率が、1.3未満であると、基板と光拡散層の屈折率差が大きくなり、光拡散層からの光が入射する際、フレネル反射が強くなり、光取り出し効率が低下することがあり、1.8を超えると、基板と空気(光出射側)の屈折率差が大きくなり、フレネル反射が強くなり、光取り出し効率が低下することがある。
以下、基板の好ましい一例であるガスバリアフィルムにつき説明する。
<ガスバリアフィルム>
機能性積層材料において、ガスバリアフィルムはバリア性およびフレキシビリティを有する基板として機能できる。 ガスバリアフィルムは、基材フィルムと、該基材フィルム上に形成されたバリア性積層体とを有する。ガスバリアフィルムにおいて、バリア性積層体は、基材フィルムの片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
ガスバリアフィルムはいずれの面で光取り出し層と対面していてもよいが、バリア性積層体を有する面側で光取り出し層と対面していることが好ましく、接していることがより好ましく、特に無機層で光取り出し層に接していることが好ましい。特に無機層と光反射層が直接接していることが好ましい。
ガスバリアフィルムはバリア性積層体、基材フィルム以外の構成成分(例えば、易接着層、または易滑性層等の機能性層)を有していてもよい。機能性層はバリア性積層体の上、バリア性積層体と基材の間、基材上のバリア性積層体が設置されていない側(裏面)のいずれに設置してもよい。
ガスバリアフィルムの膜厚は20μm〜200μmであることが好ましく、50μm〜150μmであることがより好ましい。
(基材フィルム)
ガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、バリア性積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
基材フィルムの膜厚は10μm〜250μmであることが好ましく、20μm〜130μmであることがより好ましい。
(バリア性積層体)
バリア性積層体は、少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層を含むものであり、2層以上の有機層と2層以上の無機層とが交互に積層しているものであってもよい。バリア性積層体は、少なくとも1つの無機層がその外側に有機層を有しないように構成されることが好ましい。
バリア性積層体を構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。また、有機層および無機層以外の他の構成層を含んでいてもよい。
バリア性積層体の膜厚は0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。また、バリア性積層体と上記光取り出し層との合計膜厚は1.5μm〜30μmであることが好ましく、2μm〜25μmであることがより好ましい。
バリア性積層体は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、バリア性積層体を構成する組成が膜厚方向に有機領域と無機領域が連続的に変化するいわゆる傾斜材料層を含んでいてもよい。特に、特定の有機層とこの有機層の表面に直接形成される無機層との間に傾斜材料層を含みうる。傾斜材料層の例としては、キムらによる論文「Journal of Vacuum Science and Technology A Vol. 23 p971−977(2005 American Vacuum Society) ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー A 第23巻 971頁〜977ページ(2005年刊、アメリカ真空学会)」に記載の材料や、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機領域と無機領域が界面を持たない連続的な層等が挙げられる。以降、簡略化のため、有機層と有機領域は「有機層」として、無機層と無機領域は「無機層」として記述する。
(有機層)
有機層は、好ましくは、重合性化合物を含む重合性組成物の硬化により形成することができる。
(重合性化合物)
上記重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物であることが好ましい。重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が特に好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、特にアクリレート系化合物が好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物として具体的には、例えば特開2013−43382号公報の段落0024〜0036または特開2013−43384号公報の段落0036〜0048に記載の化合物を用いることができる。
また、上述のフルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマーを用いることもできる。
(重合開始剤)
有機層形成のための重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合に関与する化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
(シランカップリング剤)
有機層形成のための重合性組成物は、シランカップリング剤を含んでいてもよい。シランカップリング剤としては、珪素に結合するメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の加水分解可能な反応基とともに、エポキシ基、ビニル基、アミノ基、ハロゲン基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基から選択される1つ以上の反応性基を有する置換基を同じケイ素に結合する置換基として有するものが好ましい。シランカップリング剤は、(メタ)アクリロイル基を有していること特に好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、WO2013/146069に記載の一般式(1)で表されるシランカップリング剤およびWO2013/027786に記載の一般式(I)で表されるシランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤の、重合性組成物の固形分(揮発分が揮発した後の残分)中に占める割合は、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
(有機層の作製方法)
有機層の作製のため、上記重合性組成物はまず、層状とされる。層状にするためには、通常、基材フィルムまたは無機層等の支持体の上に、重合性組成物を塗布すればよい。塗布方法としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法(ダイコート法とも呼ばれる)が例示され、この中でもエクストル−ジョンコート法が好ましく採用できる。
無機層の表面に有機層形成のための重合性組成物を塗布する際は、エクストルージョンコート法により行なうことが好ましい。
重合性組成物は、光(例えば、紫外線)、電子線、または熱線にて、硬化させればよく、光によって硬化させることが好ましい。特に、重合性組成物を25℃以上の温度(例えば、30〜130℃)をかけて加熱しながら、硬化させることが好ましい。加熱により、重合性組成物の自由運動を促進させることで効果的に硬化させ、かつ、基材フィルム等にダメージを与えずに成膜することができる。
照射する光は、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線であればよい。照射エネルギーは0.1J/cm2以上が好ましく、0.5J/cm2以上がより好ましい。重合性化合物は空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で0.5J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うことが特に好ましい。
硬化後の重合性組成物における重合性化合物の重合率は20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として3nm未満であることが好ましく、1nm未満であることがより好ましい。
有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いことが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
有機層の膜厚については特に限定はないが、脆性や光透過率の観点から、50nm〜5000nmが好ましく、200nm〜3500nmがより好ましい。
(無機層)
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でもよい。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有していてもよい。
無機層としては、特に、Siを含む無機層が好ましい。より透明性が高く、かつ、より優れたガスバリア性を有しているからである。その中でも特に、窒化ケイ素からなる無機層が好ましい。
無機層は、例えば、金属の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物が水素を含むことにより、適水素を含んでいてもよいが、前方ラザフォード散乱における水素濃度が30%以下であることが好ましい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として3nm未満であることが好ましく、1nm以下がより好ましい。
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは15〜50nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
(有機層と無機層の積層)
有機層と無機層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機層を順次繰り返し成膜することにより行うことができる。
(機能層)
本発明のバリア性積層体は、機能層を有していてもよい。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、耐溶剤層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、等が挙げられる。
上記のように、ガスバリアフィルムにおいて、基材フィルムと、有機層(バリア積層体において最も基材フィルム側にある有機層)との間に配される構成となるように、易接着層または易滑性層を設けてもよい。
易接着層の例としては、 ウレタンやウレタンアクリレート、アクリレートを材料として形成された層が挙げられる。また易滑性層の例としては、上記の易接着層の形成に用いられる材料にフィラーや粒子を添加して形成した層が挙げられる。
<機能性積層材料の用途>
機能性積層材料は、フィルムに、バリア性とともに、光拡散機能等が必要とされる用途のいずれに用いることもできる。機能性積層材料は特に有機電界発光装置用フィルム基板として用いられることが好ましい
(有機電界発光装置用フィルム基板)
本発明の機能性積層材料を含む有機電界発光装置は、例えば機能性積層材料上に、透明電極と反射電極とを含み、さらに透明電極と反射電極の間に有機電界発光層とを含む構成を有する。有機電界発光層は、少なくとも発光層を有し、さらに発光層以外の機能層として、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層を含んでいてもよい層を意味する。
有機電界発光装置はさらに、透明電極、反射電極、有機電界発光層を封止するための封止缶などの構成を含んでいてもよい。機能性積層材料中のガスバリアフィルムと追加の封止構造により、透明電極、反射電極、有機電界発光層、平坦化層、及び光拡散層が封入されていてもよい。光取り出し層の表面に透明電極が設けられる場合は、透明電極と光取り出し層との屈折率差(Δn)を小さくすることが好ましい。Δnは好ましくは0.2以下、0.15以下であることがより好ましい。なお、透明電極として一般的なITOは屈折率nが1.8〜2程度である。
有機電界発光層、有機電界発光層中各層、透明電極と反射陰極の作製材料や構成、積層順、および有機電界発光装置の構成については、特開2012−155177号公報の段落0081〜0122の記載を参照することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(光拡散層形成材料1の作製)
平均二次粒径110nmの酸化チタン微粒子分散液(テイカ社製HTD1061(溶媒:PGMEプロピレングリコールモノメチルエーテル))2060gに、バインダー樹脂材料として2官能のアクリレートモノマー共栄社化学社製:ライトアクリレートNP−A、アクリル当量:106))448gとフルオレン誘導体(大阪ガスケミカル社製:オグソールEA−0200((9,9− ビス(4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)フェニル)フルオレン)、アクリル当量:273))192gとを加え、MIBK(メチルイソブチルケトン)1520gで希釈しバインダーを用意した。得られたバインダーに770gの光拡散粒子(平均直径1.5μmの架橋アクリル系粒子、屈折率1.49)「MX−150綜研化学社製」を攪拌しながら加え、1時間攪拌した。得られた光拡散粒子入りバインダーに重合開始剤(IRGACURE819、Ciba社製)10g入れ、光拡散層形成材料1を5000g作製した。
(平坦化層形成材料1の作製)
平均二次粒径50nmの酸化チタン微粒子分散液(テイカ社製ND−139(溶媒:PGMEプロピレングリコールモノメチルエーテル))3826gに、バインダー樹脂材料として2種類の2官能のアクリレートモノマー(共栄社化学社製:ライトアクリレートNP−A、アクリル当量:106))490gとフルオレン誘導体(大阪ガスケミカル社製:オグソールEA−0200、アクリル当量:273))210gとを加え、MEK(メチルエチルケトン)460gで希釈しバインダーを用意した。得られたバインダーに重合開始剤(IRGACURE819、Ciba社製)14g入れ、平坦化層形成材料を5000g作製した。
(基板処理)
ガラス基板(コーニング社製、Eagle XG、屈折率1.51)を洗浄容器に入れ、中性洗剤中で超音波洗浄した後、純水中で超音波洗浄し、120℃で120分間加熱乾燥を行った。
その後、KBM5103(信越シリコーン社製)2g、イソプロパノール90g、水10g、酢酸2gを混合した塗布液を、上記のガラス基板にスピンコーターにて塗布を行い、120℃で10分間加熱乾燥を行った。
(ガラス基板上への光取り出し層形成)
表面処理したガラス基板にダイコーターを用いて上記光拡散層形成材料を塗布し、5分間25℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で100mW/cm2の紫外線(365nm)を1分間照射し硬化を行い、平均厚み4μmの光拡散層を作製した。
次に、光拡散層の上にダイコーターを用いて平坦化層形成材料を塗布し、5分間25℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で100mW/cm2の紫外線(365nm)を1分間照射し硬化を行い、平均厚み2μmの平坦化層を作製し、機能性積層材料1を作製した。
(光拡散層表面形状の評価)
作製した光拡散層の表面を、レーザー顕微鏡(VK−9500、キーエンス社製)により、100μm角の最大高低差を測定した。
(平坦化層表面粗さの評価)
作製した機能性積層材料1の表面を、電子間力顕微鏡(AFM:SPI3800N、セイコーインスツル社製)により、10μm角の表面粗さを測定した。
(陽極の抵抗値評価)
作製した機能性積層材料1の平坦化層上に、スパッタ法によりITO(Indium Tin Oxide)を厚みが100nmとなるように成膜した。基板を純水で超音波洗浄し、その後、120℃で2時間乾燥した。抵抗値は、低抵抗率計(Loresta-GP MCP-T600:三菱化学社製)を 用いて、四探針法にて測定した。
(光取り出し効率の評価)
上記ITO上に、HATCN(ヘキサアザトリフェニレン ヘキサカルボニトリル)を厚み10nmとなるように真空蒸着して正孔注入層を形成した。
正孔注入層上に、α−NPD(Bis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine)を厚み500nmとなるように真空蒸着して、第一の正孔輸送層を形成した。
第一の正孔輸送層上に、下記構造式で表される有機材料Aを厚み5nmとなるように真空蒸着して、第二の正孔輸送層を形成した。
Figure 0006185867
次に、第二の正孔輸送層上に、MCP(メタ−ジカルバゾ−9−リ ルベンゼン)をホスト材料として、このホスト材料に対して40質量%の燐光発光材料である下記構造式で表される発光材料Aをドープした材料を厚み30nmとなるように真空蒸着して、有機発光層を形成した。
Figure 0006185867
有機発光層上に、下記構造式で表されるBAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−(phenyl−phenolate)−aluminium(III))を厚み39nmとなるように真空蒸着して、第一の電子輸送層を形成した。
Figure 0006185867
第一の電子輸送層上に、下記構造式で表されるBCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)を厚み1nmとなるように真空蒸着して、第二の電子輸送層を形成した。
Figure 0006185867
第二の電子輸送層上にLiFを厚み1nmとなるように蒸着して電子注入層を形成した。
電子注入層の上にアルミニウムを厚み100nmとなるように蒸着して、反射電極を形成した。
次に、作製した積層体に、窒素ガス雰囲気中にて乾燥剤を貼り付け、基板との設置面に封止材を塗った封止ガラス缶にて基板の有機層側を封止した。以上により、有機電界発光装置を作製した。
東陽テクニカ株式会社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を各有機電界発光装置に2mA/cm2の電流値になるよう電圧を印加して発光させた。有機電界発光素子は積分球に配置し光量を測定した。同様に測定した比較例0の有機電界発光素子との光量比率(下式)にて光取出し効率を求めた。
各実施例及び比較例の光量/比較例0の光量=光取り出し効率(倍)
(経時安定性の評価)
発光面積のシュリンク測定にて有機電界発光装置の経時変化の評価を行った。温度40℃、湿度90%RH中に各有機電界発光装置を入れ、1週間放置した。1週間放置前後の発光面積の変化を比較し、変化が大きければ経時に弱く、変化が少なければ経時に強い結果となる。以下の基準で評価した。
発光面積の変化
90%以上:A
90%未満80%以上:B
80%未満60%以上:C
60%未満:D
(酸化チタン微粒子径の評価)
ZETA SIZER NANO-ZS(Malvern Instruments社製)を用い、動的散乱法にて上記平坦化層形成材料の粒径分布を測定し、その平均値を平均二次粒径とした。なお、スラリー(原料の酸化チタン微粒子分散液)中の粒径分布もほぼ同様であった。
さらに、以下および表1に示すように変更を加えて実施例1と同様に、機能性積層材料および有機電界発光装置を作製して実施例2〜19、比較例1〜10とした。実施例2〜19、比較例1〜10についても上記と同様に評価した。用いた多官能アクリルモノマーの一覧を表1に、結果を表2に示す。なお、表2において、光取り出し倍率は、機能性積層材料の代わりにガラス基板を用いて作製した有機電界発光装置(比較例0)での結果を基準として求めた。
[実施例2]
平坦化層形成材料のモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPHA(東亜合成社製:M405(6官能、アクリル当量:96))のみを用いる以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例3]
光拡散層形成材料のEA−0200を10g減らして代わりにフッ素系界面活性剤(3M社製FC4430)を10g添加し、平坦化層形成材料においてDPHAを10g減らし上記フッ素系界面活性剤を10g添加する以外は、実施例2と同様に行った。
[実施例4]
光拡散層形成材料の酸化チタン微粒子分散液としてHTD−780(酢酸エチル)を用い、平坦化層形成材料の酸化チタン微粒子分散液としてND−183(酢酸エチル)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例5]
光拡散層形成材料の酸化チタン微粒子分散液をHTD−760(溶媒:トルエン)とし、平坦化層形成材料の平坦化層の酸化チタン微粒子分散液をND−173、(溶媒:トルエン)とし、かつ希釈溶媒をトルエンとした以外は実施例1と同様に行った。
[実施例6]
上記ガラス基板の代わりにガスバリアフィルムを用いた以外は実施例1と同様に行った。ガスバリアフィルムは以下のように作製した。
(ガスバリアフィルムの作製方法)(第1層の形成)
重合性化合物(ダイセルサイテック社製、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)100質量部、光重合開始剤(チバケミカル社製、イルガキュア184)、およびメチルエチルケトン(MEK)を含む有機層塗布用組成物を調製した。MEKの量は、乾燥膜厚が1μmになるように調製し、光重合開始剤は組成物中に3質量%とした。
ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン社製、テオネックスQ65FA、厚さ100μm、幅1000mm)上に、上記で得られた有機層塗布用組成物をダイコーターを用いてロールツーロールにより上記PENフィルムに塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して硬化させ、巻き取った。基材フィルム上に形成された第一の有機層の厚さは、1μmであった。
(第2層の形成)
次に、ロールツーロールのCVD装置を用いて、上記有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を第2層として形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm:0℃、1気圧の標準状態、以下同じ)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源としては、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。成膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして第一の有機層の表面に無機層を積層した。得られた積層フィルムを巻き取った
(第3層の形成)
重合性化合物(ダイセルサイテック社製、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)100質量部、光重合開始剤(チバケミカル社製、イルガキュア184)、シランカップリング剤(KBM5103信越シリコーン社製)3質量部およびメチルエチルケトン(MEK)を含む有機層塗布用組成物を調整した。
この有機層塗布用組成物を、ダイコーターを用いてロールツーロールにより上記無機層表面に直接に塗布し、100℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、60℃に加熱したヒートロールに抱かせながら、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して硬化させ、巻き取った。基材フィルム上に形成された第二の有機層の厚さは、1μmであった。
得られた積層フィルムを巻き取った。
(第4層の形成)
次に、ロールツーロールのCVD装置を用いて、上記有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源としては、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。成膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして第一の有機層の表面に無機層を積層し、巻き取り、長さ100mのガスバリアフィルムを作製した。
[実施例7]
平坦化層形成材料のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を700gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例8]
光拡散層形成材料においてEA−0200を10g減らし代わりにフッ素系界面活性剤(3M社製FC4430)を10g添加し、さらに平坦化層作製材料においてDPHAを10g減らし代わりにフッ素系同界面活性剤を10g添加した以外は、実施例7と同様に行った。
[実施例9]
光拡散層形成材料の酸化チタン微粒子分散液をHTD−780(酢酸エチル)とし、平坦化層形成材料の酸化チタン微粒子分散液をND−183(酢酸エチル)とした以外は実施例6と同様に行った。)
[実施例10]
光拡散層形成材料の酸化チタン微粒子分散液をHTD−760(溶媒:トルエン)とし、かつ平坦化層形成材料の平坦化層の酸化チタン微粒子分散液をND−173 (溶媒:トルエン)とした以外は実施例6と同様に行った。
[実施例11]
以下の平坦化層形成材料を用いて平坦化層形成材料のND−139量を20%減らした以外は実施例6と同様に行った。
(平坦化層形成材料)
平均二次粒径50nmの酸化チタン微粒子分散液(テイカ社製ND−139)2480gに、バインダー樹脂材料として2種類の2官能のアクリレートモノマー(共栄社化学社製:ライトアクリレートNP−A、アクリル当量:106))686gとフルオレン誘導体(大阪ガスケミカル社製:オグソールEA−0200、アクリル当量:273))294gを加え、MEK 960gとPGME 580gで希釈しバインダーを用意した。得られたバインダーに重合開始剤(IRGACURE819、Ciba社製)20g入れ、平坦化層形成材料を5020g作製した。
[実施例12]
以下の平坦化層形成材料を用いて酸化チタン微粒子分散液量を50%増やした以外は実施例6と同様に行った。
(平坦化層形成材料)
平均二次粒径50nmの酸化チタン微粒子分散液(テイカ社製ND−139)4544gに、バインダー樹脂材料として2種類の2官能のアクリレートモノマー(共栄社化学社製:ライトアクリレートNP−A、アクリル当量:106))320gとフルオレン誘導体(大阪ガスケミカル社製:オグソールEA−0200、アクリル当量:273))136gを加え、バインダーを用意した。得られたバインダーに重合開始剤(IRGACURE819、Ciba社製)10gを入れ、平坦化層形成材料を5010g作製した。
[実施例13]
光拡散層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を1100g、フルオレン誘導体(オグソールEA−0200)を1100gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例14]
光拡散層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を440g、フルオレン誘導体(オグソールEA−0200)を1760gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例15]
光拡散層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を1760g、フルオレン誘導体(オグソールEA−0200)を440gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例16]
平坦化層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を420g、フルオレン誘導体(オグソールEA−0200)を280gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例17]
平坦化層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を350g、フルオレン誘導体(オグソールEA−0200)を350gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例18]
平坦化層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を140g、フルオレン誘導体(オグソールEA−0200)を560gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[実施例19]
平坦化層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を700gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[比較例1]
実施例2の平坦化層形成材料の酸化チタン微粒子分散液をHTD−1061とした以外は実施例2と同様に行った。
[比較例2]
実施例2の平坦化層形成材料の樹脂をEA−0200とした以外は実施例2と同様に行った。
[比較例3]
実施例7の平坦化層形成材料の酸化チタン微粒子分散液をHTD−1061とした以外は実施例7と同様に行った。なお、この例では素子が点灯しなかった。
[比較例4]
実施例7の平坦化層形成材料の樹脂をEA−0200とした。とした以外は実施例7と同様に行った。
[比較例5]
実施例7の拡散層の樹脂をEA−0200以外は実施例7と同様に行った。
[比較例6]
光拡散層形成材料として以下の光拡散層形成材料を用いた以外は実施例7と同様に行った。この例では素子が点灯しなかった。
(光拡散層形成材料)
平均二次粒径110nmの酸化チタン微粒子分散液(テイカ社製HTD1061)1490gに、バインダー樹脂材料として2官能のフルオレン誘導体(大阪ガスケミカル社製:オグソールEA−0200))450g、MIBK2500gで希釈しバインダーを用意した。得られたバインダーに550gの光拡散粒子(平均直径1.5μmの架橋アクリル系粒子、屈折率1.49)「MX−150綜研化学社製」を攪拌しながら加え、1時間攪拌した。得られた拡散粒子入りバインダーに重合開始剤(IRGACURE819、Ciba社製)10g入れ、拡散層液7を5000g作製した。
[比較例7]
平坦化層形成材料として以下の平坦化層形成材料を用いてND−139の含有量を10%下げた以外は実施例6と同様に行った。(平坦化層形成材料)
平均二次粒径50nmの酸化チタン微粒子分散液(テイカ社製ND−139)1345gに、バインダー樹脂材料として2種類の2官能のアクリレートモノマー(共栄社化学社製:ライトアクリレートNP−A、アクリル当量:106)) 833gとフルオレン誘導体(大阪ガスケミカル社製:オグソールEA−0200、アクリル当量:273)) 357gを加え、MEK 1010gとPGME 1455gで希釈しバインダーを用意した。得られたバインダーに重合開始剤(IRGACURE819、Ciba社製)27g入れ、拡散層の液を5027g作製した。
[比較例8]
光拡散層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を2200gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[比較例9]
光拡散層形成材料中のモノマーを、低分子モノマー(ライトアクリレートNP−A)を2200gに変えた以外は実施例6と同様に行った。
[比較例10]
平坦化層形成材料の酸化チタン微粒子分散液を平均二次粒径110nmのテイカ社製HTD−760に変えた以外は実施例6と同様に行った。
Figure 0006185867
Figure 0006185867
Figure 0006185867
Figure 0006185867
1 光取り出し層
2 ガスバリアフィルム
3 ガラス基板
11 光拡散層
12 平坦化層
21 無機層
22 有機層
23 基材フィルム

Claims (12)

  1. 基板および前記基板表面に設けられた光取り出し層を含み、
    前記光取り出し層は光拡散層および平坦化層を含み、
    前記光拡散層が前記平坦化層に対して前記基板側にあり、
    前記光拡散層は、光拡散粒子とバインダーとを含む光拡散層形成材料から形成された層であり、
    前記光拡散粒子が有機粒子であり、
    前記バインダーは、酸化チタン微粒子と、下記式で表されるアクリル当量が200以下である多官能アクリルモノマー1と、フルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマー2とを含み、
    前記平坦化層が平坦化層形成材料から形成された層であり、
    前記平坦化層形成材料が、平均二次粒子径が70nm以下である酸化チタン微粒子と下記式で表されるアクリル当量が200以下である多官能アクリルモノマー3とを含み、
    酸化チタン微粒子が前記平坦化層の20体積%以上を占める機能性積層材料;
    式:アクリル当量=モノマーの分子量/(メタ)アクリロイル基の個数。
  2. 前記バインダーにおいて、多官能アクリルモノマー1および多官能アクリルモノマー2の総質量に対する多官能アクリルモノマー2の割合が20質量%以上である請求項1に記載の機能性積層材料。
  3. 前記平坦化層形成材料がフルオレン骨格を有する多官能アクリルモノマー4を含む請求項1または2に記載の機能性積層材料。
  4. 前記平坦化層形成材料において、多官能アクリルモノマー3および多官能アクリルモノマー3の総質量に対する多官能アクリルモノマー4の割合が20質量%以上である請求項3に記載の機能性積層材料。
  5. 前記光拡散層形成材料および前記平坦化層形成材料がいずれもフッ素系界面活性剤を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の機能性積層材料。
  6. 光拡散層の膜厚が0.5μ〜15μmであり、平坦化層の膜厚が0.5μ〜5μmであり、光拡散層と平坦化層の間には膜厚100nm以上の混合層が形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の機能性積層材料。
  7. 前記基板が基材フィルムと前記基材フィルム上に設けられたバリア性積層体とを含むガスバリアフィルムであって、前記バリア性積層体は有機層および無機層を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の機能性積層材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の機能性積層材料の製造方法であって、
    (1)前記基板の表面に前記光拡散層形成材料を塗布すること;
    (2)前記塗布後に得られる前記基板と光拡散層形成材料塗布膜との積層体に光照射すること;
    (3)前記(2)の光照射後に得られる前記基板と光拡散層との積層体の前記光拡散層の表面に平坦化層形成材料を塗布すること;および
    (4)前記塗布後に得られる前記基板と前記光拡散層と前記平坦化層形成材料塗布膜との積層体に光照射することを含み、
    前記光拡散層形成材料および前記平坦化層形成材料はいずれも塗布される時点でSP値が8.5(cal/cm31/2以上13(cal/cm31/2以下である溶媒を含む機能性積層材料の製造方法。
  9. 前記光拡散層形成材料中の溶媒と多官能アクリルモノマー1とのSP値の差が2(cal/cm31/2以内である請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記平坦化層形成材料中の溶媒と多官能アクリルモノマー3とのSP値の差が2(cal/cm31/2以内である請求項8または9に記載の製造方法。
  11. 前記光拡散層形成材料および前記平坦化層形成材料はいずれも塗布される時点での粘度および表面張力がそれぞれ1Pa・s以上20Pa・s以下および21×10-5N以上27×10-5N 以下に調整されている請求項8〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の機能性積層材料上に、透明電極、有機発光層を含む有機層、及び反射電極をこの順に有し、
    前記平坦化層と前記透明電極とが直接接している有機電界発光装置。
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