JP5187495B2 - 反射防止膜、反射防止膜の製造方法、反射防止膜用鋳型、反射防止膜用鋳型を用いて得られた反射防止膜及びレプリカ膜を用いて得られた反射防止 - Google Patents

反射防止膜、反射防止膜の製造方法、反射防止膜用鋳型、反射防止膜用鋳型を用いて得られた反射防止膜及びレプリカ膜を用いて得られた反射防止 Download PDF

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本発明は、反射防止膜、反射防止膜の製造方法、反射防止膜用鋳型、反射防止膜用鋳型を用いて得られた反射防止膜及びレプリカ膜を用いて得られた反射防止膜に関する。
従来から光学部品等の表面での光の反射を防止するために、様々な種類の反射防止膜が研究されてきている。このような反射防止膜としては、異なる屈折率からなる誘電体により構成される誘電体多層膜、多孔質膜などの低屈折率膜、表面の凹凸を利用した膜等が知られている。しかしながら、前記誘電体多層膜は、その製造に真空蒸着法やスパッタ成膜法が採用され、高価な装置と多大な作製時間が必要である。また、前記低屈折率膜は、設計波長に対しては高い反射防止性能を有するが、可視光全域にわたって高い反射防止性能を発現することはできない。また、前記低屈折率膜の屈折率としては1.23程度の低い値が必要であるが、均一な物質でこのような低い屈折率を持つ材料が存在せず、一般に多孔質膜等が用いられ、膜自体が脆く、耐久性が十分なものとはならないという問題があった。また、前記表面の凹凸を利用した膜のうち、光の散乱を利用するものは、反射光を散乱させて見かけ上の眩しさを低減することは可能であるが、反射光の量を低減するものではなく、全体が白っぽくなるという問題があった。そのため、このような反射防止膜としては、表面の凹凸を利用した膜の1種であるMotheye(モスアイ;蛾の眼)と呼ばれる微細な構造(モスアイ構造)を有する反射防止膜が注目されている。
このようなモスアイ構造の反射防止膜は、1970年前後の自然科学者が蛾(moth)の眼が光を反射しないことに着目し、蛾の眼の表面を電子顕微鏡で観察して、高さ200nm程度の円錐状の突起が200nm程度の間隔で敷き詰められていることを発見したことから見出された。このようなモスアイ構造が反射防止効果を有する理由としては、モスアイ構造により形成される凹凸が擬似的な屈折率傾斜層として機能することによるものと考えられている。そして、このようなモスアイ構造の構造体に反射防止性能を発現させるためには、その構造体に波長の40%程度の高さの凹凸部が形成されていることが必要なことが知られている。また、このようなモスアイ構造の反射防止効果は、光の入射角度による依存性が小さく、比較的広い波長域にわたって高い反射防止効果を有するという利点がある。
このようなモスアイ構造の反射防止膜としては、例えば、特開2003−43203号公報(特許文献1)において、光透過性プラスチック基材の少なくとも一方の表面に、微細な凹凸を有し、前記凹凸の周期が35nm〜400nmの範囲内であり、且つ前記凹凸の深さが100nm〜700nmの範囲内である反射防止膜が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような反射防止膜は、その加工に多大な時間と費用がかかるとともに、大面積化が困難であるという問題があった。
一方、安価で大面積化が容易なモスアイ構造の反射防止膜を製造する方法の一つとして、微粒子を含有するコロイドを利用した方法が研究されている。このようなコロイドを利用した方法で製造されたモスアイ構造の反射防止膜としては、微粒子が分散したアクリルモノマーを基板にスピンコート法により塗布し硬化せしめてコロイド結晶膜を形成し、これを鋳型としてもちいて形成した樹脂膜(レプリカ膜)が知られている(Nicholas Linn et.al,.「Self−Assembled moth−eye antireflection coating」,The81st Colloid & Surface Science Symposium,2007年(非特許文献1参照))。しかしながら、非特許文献1に記載のようなコロイド結晶膜やそのレプリカ膜においては、可視光領域内の入射光に対して特定の波長の光を反射し、干渉色に似た発色が生じるという問題があった(Peng Jiang,「Large−Scale Fabrication of Periodic Nanostructured Materials by Using Hexagonal Non−Close−Packed Colloidal Crystals as Templates」,Langmuir,Vol22,2006年発行,3955〜3958頁(非特許文献2参照))。
特開2003−43203号公報 Nicholas Linn et.al,.「Self−Assembled moth−eye antireflection coating」,The81st Colloid & Surface Science Symposium,279,2007年発行 Peng Jiang,「Large−Scale Fabrication of Periodic Nanostructured Materials by Using Hexagonal Non−Close−Packed Colloidal Crystals as Templates」,Langmuir,Vol22,2006年発行,3955〜3958頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有し、しかも簡便な方法で製造することが可能な反射防止膜、その反射防止膜の製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有する膜を簡便に製造するのに用いることが可能な反射防止膜用鋳型、その鋳型を用いて得られる反射防止膜及びその鋳型を用いて得られるレプリカ膜により成型して得られる反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先ず、透明樹脂と前記透明樹脂中に分散された微粒子とからなる反射防止膜において、微粒子の配列構造が規則構造となっていなくても、粒子同士の平均的な中心間距離を可視光の波長以下とすることによって、十分な反射防止性能を有することが可能となることを見出した。そして、このような知見に基づいて、上記目的を達成すべく更に鋭意研究を重ねた結果、透明基材上に積層される反射防止膜を、透明樹脂と前記透明樹脂中に分散された微粒子とからなるものとし、前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmとなるようにし、前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造となるようにし且つ前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状を形成させることによって、その反射防止膜が、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有し、しかも簡便な方法で製造することが可能なものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の反射防止膜は、透明基材上に積層される反射防止膜であって、
前記反射防止膜が、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された微粒子とからなり、
前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、且つ、
前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されていること、
を特徴とするものである。このような第一の反射防止膜において、前記微粒子は、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以上の粒子からなる微粒子、又は、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり且つ前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数100個に対して5個〜(100/α )個の範囲にある微粒子である。
上記本発明の第一の反射防止膜においては、前記反射防止膜の膜厚が1粒子層〜50μmであることが好ましい。
また、本発明の反射防止膜の第一の製造方法は、透明基材の表面上に、微粒子を透明樹脂モノマー中に分散させた分散液を供給して硬化させた後、透明樹脂をエッチングすることにより反射防止膜を製造する反射防止膜の製造方法であって、
前記微粒子の平均粒子径が50〜500nmであり、前記微粒子の粒子径の分散度が5%以上であり、且つ、前記反射防止膜が上記本発明の第一の反射防止膜であることを特徴とする方法である。
さらに、本発明の反射防止膜の第二の製造方法は、透明基材の表面上に、透明樹脂モノマー中に微粒子を分散させた分散液を供給して硬化させた後、透明樹脂をエッチングすることにより反射防止膜を製造する反射防止膜の製造方法であって、
前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり、
前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数100個に対して5(100/α 個の範囲にあり、且つ、
前記反射防止膜が上記本発明の第一の反射防止膜であることを特徴とする方法である。
また、本発明の反射防止膜用鋳型は、基材と、基材上に積層された樹脂膜とからなる反射防止膜用鋳型であって、
前記樹脂膜が、樹脂と該樹脂中に分散された微粒子とからなり、
前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
前記樹脂膜中の前記微粒子の配列構造が、アモルファス構造であり
前記樹脂膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されており、且つ、
前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以上の粒子からなる微粒子、又は、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり且つ前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数100個に対して5個〜(100/α )個の範囲にある微粒子、であること、
を特徴とするものである。
さらに、本発明の反射防止膜用鋳型においては、前記樹脂膜が上記本発明の反射防止膜であることが好ましい。
また、本発明の第二の反射防止膜は、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に透明樹脂膜形成用材料及び/又は透明無機膜形成用材料を供給して硬化させた後、離型して得られたものであることを特徴とするものである。
さらに、本発明の第三の反射防止膜は、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に樹脂膜形成用材料及び/又は無機膜形成用材料を供給して硬化させた後に離型して得られたレプリカ膜を、スタンパとして用いて成型されたものであることを特徴とするものである。
なお、上記本発明の反射防止膜が、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有する理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の反射防止膜においては、先ず、前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造である。そして、前記微粒子の配列構造をアモルファス構造とした場合においても、前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離を50〜800nmの範囲とすることによって、粒子間距離を平均的に可視光の波長程度の範囲に保つことができ、これによって十分な反射防止性能が発揮される。また、前記反射防止膜の表面に形成される凹凸形状の凸部の平均高さを40〜500nmの範囲とすることによって、その凹凸が擬似的な屈折率傾斜層として十分に機能することから、十分に優れた反射防止効果が発現される。また、上記非特許文献1に記載のような従来の微粒子のコロイド結晶膜(反射防止膜)が特定方向に特定波長の光を反射して発色現象を示す原因は、膜中において微粒子が規則配列していることにある。すなわち、従来の反射防止膜及びそのレプリカ膜において生じる発色現象は、微粒子の規則配列構造に基づくBragg回折によって、可視光の一部が特定方向に回折されるために生じている。これに対して、本発明の反射防止膜においては、前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であるため、微粒子の規則構造に由来する発色(着色)現象を示さない。従って、本発明においては、微粒子の配列構造をアモルファス構造とすることにより発色現象が防止され、膜中の微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離及び反射防止膜の凹凸形状を上記特定の範囲にすることにより十分に優れた反射防止性能が発揮されるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有し、しかも簡便な方法で製造することが可能な反射防止膜、その反射防止膜の製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有する膜を簡便に製造するのに用いることが可能な反射防止膜用鋳型、その鋳型を用いて得られる反射防止膜及びその鋳型を用いて得られるレプリカ膜により成型して得られる反射防止膜を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の第一の反射防止膜について説明する。すなわち、本発明の第一の反射防止膜は、透明基材上に積層される反射防止膜であって、
前記反射防止膜が、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された微粒子とからなり、
前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、且つ、
前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されていること、
を特徴とするものである。
本発明にかかる透明樹脂としては、反射防止膜に用いることが可能な透明性を有する樹脂であればよく、特に限定されず、公知の透明樹脂を適宜用いることができる。このような透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)等が挙げられ、中でも、前記微粒子がシリカ粒子である場合に屈折率の差が小さくなるという観点から、アクリル樹脂やポリエステルが好ましい。
また、本発明にかかる微粒子は、反射防止膜に用いることが可能な微細な粒子であればよく、特に制限されず、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の酸化物の粒子、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホウ素等の窒化物の粒子、炭化ケイ素等の炭化物の粒子、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等のポリマーの粒子が挙げられる。
このような微粒子の平均粒子径としては、50〜500nm(より好ましくは150〜400nm)の範囲にあることが好ましい。このような微粒子の平均粒子径が前記下限未満では、反射防止膜の表面に形成される凹凸形状の平均的な周期が可視光領域の(400〜700nm程度)と比べて著しく小さくなることから十分な反射防止性能を示さなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、反射防止膜の表面に形成される凹凸形状の平均的な周期が、得られる反射防止膜が可視光領域の波長(400〜700nm程度)の光に対して大きくなり過ぎて十分な反射防止性を示さなくなる傾向にある。
また、このような微粒子として好適に用いることが可能なものとしては、以下の微粒子が挙げられる。すなわち、本発明において好適に用いることが可能な微粒子としては、先ず、平均粒子径が50〜500nmの範囲にあり且つ粒子径の分散度が5%以上の微粒子が挙げられる。このような粒子径の分散度が5%以上の微粒子によれば、粒径のばらつきが大きいため、反射防止膜中において微粒子のアモルファス構造を容易に形成せしめることが可能となる。なお、従来の反射防止膜の製造に用いられる微粒子としては、単分散度の高い粒子(分散度が5%未満のもの)が一般的である。このような粒子径の分散度が5%未満では、その微粒子の高い単分散度により自己組織化的に規則配列体が形成されるため、アモルファス構造を形成できず、得られる反射防止膜において発色現象が生じる傾向にある。
また、本発明において、「粒子径の分散度」とは、下記式(1):
[分散度]=([粒子径の標準偏差]/[平均粒子径])×100 (1)
を計算して求めることができる値(単位:%)をいい、いわゆる分散性Cv値を意味する。なお、微粒子の粒子径の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行う。そして、前記微粒子の平均粒子径及び粒子径の標準偏差は、200個以上の微粒子の粒子径の測定値に基づいて算出する。また、ここにいう粒子径とは、粒子が球形でない場合には外接円の最大直径をいう。
また、本発明において好適に用いることが可能な他の微粒子としては、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなる微粒子が挙げられる。このように平均粒子径が異なる粒子(A)と粒子(B)とを混合した微粒子によれば、意図的に微粒子の粒子径の分布のばらつきを大きくでき、アモルファス構造の反射防止膜を容易に形成できる傾向にある。
このような粒子(A)の平均粒子径は、50〜500nm(より好ましくは150〜400nm)の範囲にある。また、このような粒子(A)及び粒子(B)の粒子径の分散度は5%以下である。
また、前記粒子(B)は、粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍[αは、0.9(より好ましくは0.8)以下の数値あるいは1.1以上2.6以下(より好ましくは1.2以上2.0以下)の数値を示す。]の大きさ(α×d)の平均粒子径を有するという条件を満たす微粒子である。このようなαの値が、0.9<α<1.1で表される範囲の数値である場合には、粒子(A)と粒子(B)の平均粒子径が近くなって、粒子(A)と粒子(B)とを混合しても微粒子の粒子径の分布のばらつきが十分に大きくならず、反射防止膜の製造時に規則的な配列が形成されやすくなり、本発明の第一の反射防止膜が得られなくなる傾向にある。
また、このような粒子(A)と粒子(B)との混合物からなる微粒子においては、前記粒子(B)の含有比率を、前記混合物中の粒子(B)の粒子数が粒子(A)の粒子数100個に対して5〜100/α個(αは、前述の数値を示す。)の範囲となるようにする必要がある。このような粒子(A)の粒子数100個に対する前記混合物中の粒子(B)の粒子数が5個未満では、粒径の異なる粒子を含有させても微粒子の粒子径の分布のばらつきが十分に大きくならないため、微粒子の配列構造を後述するアモルファス構造とすることができなくなる傾向にある。なお、このような粒子(B)としては、上述の粒子(B)の条件を満たす微粒子の1種を単独で用いてもよく、上記粒子(B)の条件を満たす微粒子を2種以上混合してもよい。
また、本発明の第一の反射防止膜は、前記透明樹脂と前記透明樹脂中に分散された微粒子とからなる膜である。このような反射防止膜中に分散された微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離は、50〜800nm(より好ましくは100〜500nm)である。このような微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が前記上限を超えると、表面の凹凸形状が擬似的な屈折率傾斜層として十分に機能しなくなるため、得られる反射防止膜が可視光領域の光に対して十分な反射防止性能を発揮することができなくなる傾向にあり、他方、前記下限未満では、同様に表面の凹凸形状が擬似的な屈折率傾斜層として十分に機能しなくなるため、得られる反射防止膜が可視光領域の光に対して十分な反射防止性能を発揮することができなくなる傾向にある。なお、このような微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて膜表面を観察し、200点以上の最近接粒子同士の中心間距離を測定して平均することにより測定することができる。
また、本発明においては、反射防止膜中の微粒子の配列構造はアモルファス構造である。本発明にいう「反射防止膜中の微粒子の配列構造」とは、反射防止膜と透明基材との界面に対して平行な面内における反射防止膜中の微粒子の配列構造をいう。また、本発明にいう「アモルファス構造」とは、反射防止膜と透明基材との界面に対して平行な面内のあらゆる方向において、微粒子の規則配列の周期が粒子20個を超えない非結晶状又は微結晶状の構造をいう。本発明の第一の反射防止膜においては、微粒子の配列構造がアモルファス構造となっているため、従来のコロイド膜を利用した反射防止膜において生じていた可視光のBragg回折による発色(着色)が十分に防止できる。
さらに、本発明においては、反射防止膜の表面(透明基材と接触しない側の表面)に、凸部の平均高さが40〜500nm(より好ましくは100〜400nm)の範囲にある凹凸形状が形成されている。このような凸部の平均高さが前記下限未満では、凹凸形状により形成される擬似的な屈折率傾斜層の厚さが光の波長に比べて小さすぎるため、反射防止効果を十分に発揮することができなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、凹凸形状の凸部の平均高さが前記微粒子の好適な平均粒子径を超えるため、粒子の固定が十分になされず、凹凸形状を維持するために十分な強度が得られなくなる傾向にある。なお、このような凹凸形状の凸部の平均高さとは、凸部以外の領域の透明樹脂の表面の高さを基準とした凸部の高さの平均値をいい、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて反射防止膜中の任意の5μm角の領域にある凸部の高さを50点以上測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
また、このような反射防止膜の膜厚としては、1粒子層〜50μmであることが好ましく、1粒子層〜20μmであることがより好ましい。このような膜厚が前記下限未満では、膜が形成されなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粒子による光の散乱の影響が大きくなり、反射防止膜としての膜の透明度が低下する傾向にある。
また、本発明の第一の反射防止膜は、透明基材上に積層するものである。このような透明基材としては、透明性を有する基材であればよく特に制限されず、公知の透明基材を適宜用いることができる。このような透明基材としては、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート等の樹脂シート、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルム、ガラス基板等が挙げられる。更に、前記透明基材の形状は特に制限されず、用途等に応じてその設計を適宜変更することができる。
このような本発明の第一の反射防止膜によれば、発色現象が生じないばかりか、波長が400〜700nmの範囲の可視光領域の光に対する反射率を1%以下とすることも可能となる。そのため、本発明の第一の反射防止膜は、ディスプレイの表示材料や車のフロントガラス等の高い透明性が要求される材料に用いる反射防止膜として特に有用である。
以上、本発明の第一の反射防止膜について説明したが、以下、このような本発明の第一の反射防止膜を製造する方法として好適な本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法について説明する。
本発明の反射防止膜の第一の製造方法は、透明基材の表面上に、微粒子を透明樹脂モノマー中に分散させた分散液を供給して硬化させた後、透明樹脂をエッチングすることにより反射防止膜を製造する反射防止膜の製造方法であって、
前記微粒子の平均粒子径が50〜500nmであり、前記微粒子の粒子径の分散度が5%以上であり、且つ、前記反射防止膜が上記本発明の第一の反射防止膜であることを特徴とする方法である。
また、本発明の反射防止膜の第二の製造方法は、透明基材の表面上に、透明樹脂モノマー中に微粒子を分散させた分散液を供給して硬化させた後、透明樹脂をエッチングすることにより反射防止膜を製造する反射防止膜の製造方法であって、
前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり、
前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数を100個とした場合に、5〜100/α個の範囲にあり、且つ、
前記反射防止膜が上記本発明の第一の反射防止膜であることを特徴とする方法である。
本発明の反射防止膜の第一の製造方法に用いられる粒子径の分散度が5%以上の微粒子は、上記本発明の第一の反射防止膜に用いることが可能な微粒子として説明したものと同様のものである。なお、このような粒子径の分散度が5%以上の微粒子の製造方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用でき、例えば、合成方法としてStober法を採用し、得られる微粒子の粒子径の分散度が5%以上となるようにした条件下で製造してもよい。
また、本発明の反射防止膜の第二の製造方法に用いられる、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり且つ前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数を100とした場合に、5〜100/αの範囲にある微粒子は、上記本発明の第一の反射防止膜に用いることが可能な微粒子として説明したものと同様のものである。なお、このような分散度が5%以下の微粒子の製造方法も特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、合成方法としてStober法を採用し、得られる微粒子の粒子径の分散度が5%以下となるようにした条件で製造してもよい。また、市販の微粒子を利用してもよい。
なお、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法において用いられる微粒子が、それぞれ、上述のような微粒子でない場合には、微粒子を含有する分散液をスピンコート等のせん断力を伴う供給方法により透明基材の表面上に供給した場合に、微粒子の規則配列構造が形成され、得られる膜がコロイド結晶膜となってしまい、上記本発明の第一の反射防止膜を製造することができなくなる。
また、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法において用いられる透明樹脂モノマーは、上記本発明の反射防止膜において説明した透明樹脂を形成するために用いることが可能なモノマーであればよく、特に制限されず、公知の透明樹脂のモノマーを適宜用いることができ、微粒子のモノマー中での分散性の観点から、非イオン性の親水基を含むモノマー(例えばアクリルモノマー等)を用いることが好ましい。
さらに、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法において、前記分散液中における微粒子の含有割合は特に制限されないが、透明樹脂モノマーの総量に対する微粒子の質量比([微粒子]/[微粒子+透明樹脂モノマー])が10〜70質量%の範囲であることが好ましく、20〜60質量%の範囲にあることがより好ましい。このような質量比が前記下限未満では、粒子の存在しない平坦な樹脂部分の割合が増し、凹凸形状が屈折率反射層として十分に機能しなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、分散液の濃度が高くなり、分散液を膜として塗布することが困難になる傾向にある。
さらに、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法において、前記分散液の供給方法は特に制限されず、例えば、スピンコート法、ディッピング法、ナイフエッジ法等の公知の方法を適宜採用することができる。なお、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法においては、分散液中の微粒子がそれぞれ上述のような微粒子であるため、スピンコート等のせん断力が働く条件下でも規則配列構造が形成されず、微粒子の配列構造をアモルファス構造とすることが可能である。
また、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法において採用される、前記分散液を供給後に透明樹脂モノマーを硬化させる方法(条件等)としては、特に制限されず、公知の方法(条件等)を適宜採用することができる。
さらに、本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法においては、前記透明樹脂モノマーを硬化させた後、透明樹脂をエッチングする。そして、このようなエッチングに際しては、得られる反射防止膜の表面形状を、凸部の平均高さが40〜500nmとなる凹凸形状とするようにエッチングする必要がある。このようなエッチングの際に前記凸部の平均高さが前記範囲外となるような加工を施すと、上記本発明の第一の反射防止膜が得られなくなる。
このようなエッチングの方法としては、透明樹脂をエッチングすることが可能な公知の方法を適宜採用することができ、例えばプラズマエッチング等のドライエッチング法を採用してもよく、透明樹脂を溶解することが可能な溶液を用いたウェットエッチング法を採用してもよい。また、このようなエッチングの際の周波数や温度等の条件も特に制限されず、凸部の平均高さが50〜500nmとなる凹凸形状を形成することが可能な条件であればよく、用いた材料等に応じてその条件を適宜変更できる。また、透明樹脂を溶解することが可能な溶液としては、特に制限されず、透明樹脂を溶解することが可能な公知の溶液を適宜用いることができ、例えば透明樹脂がアクリル樹脂である場合には、アセトンを好適に用いることができる。
このような本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法によれば、上記本発明の第一の反射防止膜を製造できる。このように、本発明の第一の反射防止膜は、非常に簡便で、しかも安価な方法で製造することが可能である。
以上、本発明の反射防止膜の製造方法について説明したが、以下、本発明の反射防止膜用鋳型について説明する。
本発明の反射防止膜用鋳型は、基材と、基材上に積層された樹脂膜とからなる反射防止膜用鋳型であって、
前記樹脂膜が、樹脂と該樹脂中に分散された微粒子とからなり、
前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
前記樹脂膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、且つ、
前記樹脂膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されていること、
を特徴とするものである。
本発明の反射防止膜用鋳型において用いられる基材は、基材表面に樹脂膜を形成することが可能なものであればよく、特に制限されず、樹脂製のものであっても無機材料からなるものであってもよい。また、このような基材は、透明性を有するものであっても、透明性がないものであってもよい。更に、前記基材の形状は特に制限されず、用途等に応じてその設計を適宜変更することができる。
また、本発明にかかる樹脂膜を形成するために用いる樹脂は特に制限されず、透明性のない樹脂であっても透明性を有する樹脂であってもよく、公知の樹脂を適宜用いることができ、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル等の透明樹脂の他、フェノールウレタン、エポキシ等の不透明樹脂等を用いてもよい。
本発明の反射防止膜用鋳型において用いられる微粒子、前記樹脂膜中の前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離、前記樹脂膜中の前記微粒子の配列構造、及び、前記樹脂膜の表面形状は、それぞれ、上記本発明の第一の反射防止膜において説明したものと同様である。また、本発明の反射防止膜用鋳型においては、前記樹脂膜が上記本発明の第一の反射防止膜であってもよい。すなわち、本発明の反射防止膜用鋳型としては、基材上に上記本発明の第一の反射防止膜が形成されたものを好適に用いることができる。
また、このような樹脂膜の製造方法は特に制限されず、上記本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法と同様の方法を採用することができる。なお、本発明の反射防止膜用鋳型においては、樹脂膜は透明性がないものであってもよいことから、上記本発明の反射防止膜の第一及び第二の製造方法を採用する場合においては、かかる製造方法に用いられる分散液中の透明樹脂モノマーを、設計に応じて、上記樹脂膜を形成するために用いる樹脂のモノマーから適宜選択されたモノマーに変更することができる。
以上、本発明の反射防止膜用鋳型について説明したが、以下、本発明の第二の反射防止膜について説明する。
本発明の第二の反射防止膜は、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に透明樹脂膜形成用材料及び/又は透明無機膜形成用材料を供給して硬化させた後、離型して得られたものであることを特徴とするものである。従って、このような本発明の第二の反射防止膜の表面には、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状が反転されたパターンの凹凸形状が形成される。そのため、本発明の第二の反射防止膜は、十分な反射防止性能を有するものとなる。
このような第二の反射防止膜を形成するために用いる透明樹脂膜形成用材料としては、特に制限されず、透明性を有する樹脂膜を形成することが可能な材料であればよく、上記本発明の反射防止膜に用いられる透明樹脂モノマー(例えば、アクリルモノマーや、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂モノマー等)を用いてもよい。なお、このような透明樹脂膜形成用材料としては、塗工性の観点から、前記樹脂モノマーを各種溶媒等と混合した分散液としてもよい。このような溶媒としては特に制限されず、各種樹脂膜を形成させる際に用いることが可能な公知の溶媒を適宜用いることができる。また、前記透明無機膜形成用材料も特に制限されず、透明性を有する無機膜を形成することが可能な公知の材料を適宜用いることができる。このような透明無機膜形成用材料としては、例えば、テトラエトキシシラン等のシリカ材料、チタニウムブトキシド等のチタン材料等が挙げられる。
また、このような透明樹脂膜形成用材料又は透明無機膜形成用材料を上記本発明の反射防止膜用鋳型に供給する方法としては、特に制限されず、前記材料を前記反射防止膜用鋳型の表面に供給することが可能な公知の方法を適宜採用することができ、例えば、例えば、グラビアコート、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、はけ塗り等の方法を採用してもよい。なお、透明樹脂膜形成用材料を前記反射防止膜用鋳型の表面に供給した場合においては、より均一な状態の樹脂膜を製造するという観点から、真空条件下において静置して脱泡することが好ましい。
また、前記透明樹脂膜形成用材料又は透明無機膜形成用材料を硬化させる方法としては特に制限されず、例えば、前記透明樹脂膜形成用材料を用いた場合には、用いた樹脂の種類に応じて、温度や雰囲気等の条件を適宜変更して硬化させる方法を採用できる。また、透明無機膜形成用材料を用いた場合には、いわゆるゾルゲル法を採用してゲル膜を得た後、これを焼成することにより硬化させる方法を採用することができる。
そして、このようにして樹脂膜形成用材料又は無機膜形成用材料を硬化させた後、得られた膜を離型することで、前記反射防止膜用鋳型の凹凸形状が反転された表面構造が形成された本発明の第二の反射防止膜が得られる。
以上、本発明の第二の反射防止膜について説明したが、以下、本発明の第三の反射防止膜について説明する。
本発明の第三の反射防止膜は、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に樹脂膜形成用材料及び/又は無機膜形成用材料を供給して硬化させた後に離型して得られたレプリカ膜を、スタンパとして用いて成型されたものであることを特徴とするものである。
このようなスタンパとして用いるレプリカ膜は、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に樹脂膜形成用材料及び/又は無機膜形成用材料を供給して硬化させた後、離型して得られたものである。従って、このようなレプリカ膜の表面には、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状が反転されたパターンの凹凸形状が形成される。そのため、このレプリカ膜をスタンパとして用いた場合には、上記本発明の反射防止膜用鋳型の凹凸形状のパターンと同様の凹凸形状のパターンを有する第三の反射防止膜を製造することが可能である。
このようなレプリカ膜を形成するために用いる樹脂膜形成用材料としては、樹脂膜を形成できるものであればよく、特に制限されず、例えば、上記透明樹脂膜形成用材料の他、透明性のない樹脂のモノマー(例えば、フッ素樹脂等)を用いてもよい。なお、前記樹脂膜形成用材料としては、塗工性の観点から、前記樹脂モノマーを各種溶媒等と混合した分散液としてもよい。このような溶媒としては特に制限されず、各種樹脂膜を形成させる際に用いることが可能な公知の溶媒を適宜用いることができる。また、前記無機膜形成用材料も特に制限されず、無機膜を形成することが可能な公知の材料を適宜用いることができ、上記透明無機膜形成用材料を用いてもよい。
また、このような樹脂膜形成用材料又は無機膜形成用材料を上記本発明の反射防止膜用鋳型に供給する方法としては、特に制限されず、前記材料を前記反射防止膜用鋳型の表面に供給することが可能な公知の方法を適宜採用することができ、例えば、例えば、グラビアコート、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、はけ塗り等の方法を採用してもよい。なお、樹脂膜形成用材料を前記反射防止膜用鋳型の表面に供給した場合においては、より均一な状態の樹脂膜を製造するという観点から、真空条件下において静置して脱泡することが好ましい。また、前記樹脂膜形成用材料又は無機膜形成用材料を硬化させる方法としては特に制限されず、例えば、前記樹脂膜形成用材料を用いた場合には、用いた樹脂の種類に応じて、温度や雰囲気等の条件を適宜変更して硬化させる方法を採用できる。また、無機膜形成用材料を用いた場合には、いわゆるゾルゲル法を採用してゲル膜を得た後、これを焼成することにより硬化させる方法を採用することができる。そして、このようにして樹脂膜形成用材料又は無機膜形成用材料を硬化させた後、得られた膜を離型することで、前記反射防止膜用鋳型の凹凸形状が反転された表面構造が形成されたレプリカ膜が得られる。なお、このようなレプリカ膜として上記本発明の第二の反射防止膜を用いてもよい。
また、本発明の第三の反射防止膜は、透明樹脂膜であっても、透明性を有する無機膜からなるものであってもよい。このような透明樹脂膜を形成させるための材料としては特に制限されず、上記本発明の第二の反射防止膜において説明した透明樹脂膜形成用材料と同様のものを用いてもよい。また、成型がより容易となるという観点からは、上記透明樹脂膜を形成させるための材料として、紫外線硬化樹脂を用いてもよい。また、このような透明樹脂膜を形成させるための材料を硬化させる方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。更に、前記無機膜を形成させるための材料としては特に制限されず、透明性を有する無機膜を形成させることが可能な材料(例えば、テトラエトキシシラン等)を適宜用いることができる。また、その硬化方法も特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。
このような第三の反射防止膜の成型方法としては特に制限されず、上記レプリカ膜をスタンパとして用いて、得られる膜の表面に、レプリカ膜の凹凸形状が反転された表面形状を形成できる方法であればよい。例えば、第三の反射防止膜として紫外線硬化樹脂からなる膜を製造する場合には、基材の表面に紫外線硬化樹脂を供給して未硬化樹脂膜を形成させる工程と、前記レプリカ膜をスタンパとして前記未硬化樹脂膜に対して押し付ける工程と、スタンパを押し付けたまま紫外線を照射して樹脂を硬化させる工程と、前記スタンパを離型し、第三の反射防止膜を得る工程とからなる方法を採用してもよい。また、第三の反射防止膜を無機膜とする場合には、前記レプリカ膜をスタンパとして用い、前記無機膜を形成させるための材料を用いて、いわゆるゾルゲル法を採用し、ゲル化した後に焼成して、レプリカ膜の凹凸形状が反転された表面形状を有する無機膜を形成せしめる方法を採用してもよい。
このようにして得られる本発明の第三の反射防止膜は、前記レプリカ膜の凹凸形状が反転されたパターンの表面形状を有するものとなる。したがって、第三の反射防止膜は、十分に高い反射防止性能を示すものとなる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、Stober法により合成したシリカ粒子(平均粒子径:320nm、粒子径の分散度(Cv値):8.6%)の水分散液から、真空エバポレーターにより水を蒸発させて、シリカ粒子のみからなる10gの固形物を得た。次に、ガラス容器中に入れられた10gのエタノール中に、前記固形物10gを加え、目視にて固形物が確認できなくなるまで超音波を印加して、乳白色の懸濁液を得た。次いで、ガラス容器中の前記懸濁液に対して、15gのアクリルモノマー(東亞合成製の商品名「M−350」)加え、よく攪拌し、その後、ガラス容器ごと45℃に保持された乾燥機に入れて、前記懸濁液からエタノールを約5g蒸発させた後、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名「DAROCUR1173」)を0.2g加えることにより、シリカ粒子がアクリルモノマー中に分散された分散液(I)を得た。
次に、前記分散液(I)を、予めUV/オゾンクリーナーにて表面クリーニングを行った100mm角のガラス基板(アサヒテクノグラス社製のアルカリガラス」)の表面に滴下し、スピンコーターを用いて、200rpmで120秒、引き続き600rpmで120秒という条件で前記ガラス基板を回転させてガラス基板の表面全体に前記分散液を塗布した。その後、前記分散液(I)を塗布した基板を、窒素雰囲気のグローブボックスに搬送し、グローブボックス内でUVキュアランプを1分間照射することによってアクリルモノマーを光重合により硬化させ、ガラス基板上にアクリル樹脂中にシリカ微粒子が分散された透明樹脂膜を得た。
次いで、得られた透明樹脂膜の表面に対して、高周波プラズマ装置を用いて13.56MHzの条件でプラズマ処理して、透明樹脂膜中のアクリル樹脂をエッチングし、表面に凹凸形状を顕在化させることにより、反射防止膜を得た。なお、このようなプラズマ処理は、酸素:アルゴン=1:1の組成のガスを導入しながら、圧力2.7Paの条件下において50Wの高周波を30秒間印加して行った。また、得られた反射防止膜の膜厚は、20μmであった。
(実施例2)
先ず、単分散シリカ粒子(A)(日本触媒製の商品名「KE−P30」:平均粒子径300nm、Cv値3.8%)と、Stober法により合成した単分散シリカ粒子(B)(平均粒子径200nm、Cv値3.6%)とを、粒子数の比(粒子(A):粒子(B))が3:1となるようにして混合して、前記粒子(A)と前記粒子(B)の混合物を得た。次に、得られた混合物に対して、1.5倍の重量のアクリルモノマー(東亞合成製の商品名「M−350」)を加え、超音波を印加し、十分に分散させた後、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名「DAROCUR1173」)を0.2g加えることにより、シリカ粒子がアクリルモノマー中に分散された分散液(II)を得た。そして、分散液(I)の代わりに分散液(II)を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。なお、得られた反射防止膜の膜厚は、20μmであった。
(実施例3)
先ず、単分散シリカ粒子(A)(日本触媒製の商品名「KE−P30」:平均粒子径300nm、Cv値3.8%)と、単分散シリカ粒子(B)(日本触媒製の商品名「KE−P50」:平均粒子径510nm,Cv値3.2%)とを、粒子数の比(粒子(A):粒子(B))が18.5:1となるよう混合して、前記粒子(A)と前記粒子(B)の混合物を得た。次に、得られた混合物に対して、1.5倍の重量のアクリルモノマー(東亞合成製の商品名「M−350」)を加え、超音波を印加し、十分に分散させた後、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名「DAROCUR1173」)を0.2g加えることにより、シリカ粒子がアクリルモノマー中に分散された分散液(III)を得た。そして、分散液(I)の代わりに分散液(III)を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止膜を得た。なお、得られた反射防止膜の膜厚は、22μmであった。
(比較例1)
先ず、単分散シリカ粒子(日本触媒製の商品名「KE−P30」:平均粒子径300nm、Cv値3.8%)に、1.5倍の重量のアクリルモノマー(東亞合成製の商品名「M−350」)を加え、超音波を印加し、十分に分散させた後、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製の商品名「DAROCUR1173」)を0.2g加えることにより、シリカ粒子がアクリルモノマー中に分散された分散液(IV)を得た。そして、分散液(I)の代わりに分散液(IV)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較のための反射防止膜を得た。なお、得られた反射防止膜の膜厚は、18μmであった。
[実施例1〜3及び比較例1で得られた反射防止膜の特性の評価]
<反射防止膜の凸部の高さの測定>
実施例1〜3及び比較例1で得られた反射防止膜の表面形状を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定し、凸部の高さの平均値を求めた。なお、このような測定は、各反射防止膜の表面上の任意の5μm角の領域50点に対して行った。このような測定の結果、各反射防止膜の凸部の高さの平均値は、それぞれ200nm(実施例1)、180nm(実施例2)、220nm(実施例3)、200nm(比較例1)であった。
<走査型電子顕微鏡(SEM)による測定>
実施例1〜3及び比較例1で得られた反射防止膜を、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定した。得られたSEM写真を、それぞれ図1〜4に示す。なお、図1は、実施例1で得られた反射防止膜のSEM写真であり、図2は、実施例2で得られた反射防止膜のSEM写真であり、図3は、実施例3で得られた反射防止膜のSEM写真であり、図4は、比較例1で得られた反射防止膜のSEM写真である。
図1に示すSEM写真からも明らかなように、実施例1で得られた透明樹脂膜においては、一部の粒子に接触しているものがあるものの多くの粒子は互いに接触することなくはなれた配置となっており、粒子が全くランダムな配列をとっていることが確認された。また、図2に示すSEM写真からは、実施例2で得られた透明樹脂膜においては、300nmの粒子(A)が粒子5個分程度の領域においては規則配列しているところがあるものの、200nmの粒子(B)の存在によって構造が乱されており、全体として微結晶構造(アモルファス構造)が形成されていることが確認された。更に、図3に示すSEM写真からも明らかなように、実施例3で得られた透明樹脂膜においては、300nmの粒子(A)が粒子10個分程度の領域においては規則配列しているところがあるものの、510nmの粒子(B)の存在によって構造が乱され、全体として微結晶構造(アモルファス構造)が形成されていることが確認された。このような結果から、実施例1〜3で得られた反射防止膜においては、シリカ粒子の配列構造がアモルファス構造となっていることが確認された。一方、図4に示す結果からも明らかなように、比較例1で得られた反射防止膜においては、シリカ粒子が規則配列されてコロイド結晶を形成していることが確認された。また、このような結果から、実施例1のように粒子径の分散度が5%以上の粒子を用いて得られた反射防止膜、並びに、実施例2〜3のように異径粒子を意図的に特定の割合で混合して得られた反射防止膜においては、粒子径の分散度が5%以未満の単分散の粒子を用いた場合にはコロイド結晶膜が形成されるような成膜条件においても、シリカ粒子の配列構造がアモルファス構造となり、簡便な方法でアモルファス構造の反射防止膜を製造できることが分かった。
<シリカ粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離の測定>
実施例1〜3及び比較例1で得られた反射防止膜を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、15000倍の倍率で得たSEM写真数枚から200点の最近接粒子同士の中心間距離を測定し、その値を平均して、各反射防止膜中のシリカ粒子の最近接粒子同士の中心間の距離を求めた。このような測定の結果、各反射防止膜中のシリカ粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離は、それぞれ420nm(実施例1)、410nm(実施例2)、430nm(実施例3)、420nm(比較例1)であった。
<反射防止性能の測定(I)>
実施例1〜3及び比較例1で得られた反射防止膜に関して、プラズマ処理前後の透明樹脂膜(プラズマ処理前の膜)及び反射防止膜(プラズマ処理後)を測定試料として用いて反射スペクトルを測定した。また、比較のために、各実施例及び比較例で用いたガラス基板についても反射スペクトルを測定した。なお、このような反射スペクトルの測定には、測定装置として相馬光学製のマルチチャンネル式分光器S−2650を用いた。また、このような反射スペクトルの測定は、前記測定装置に内蔵されたハロゲンランプを光源として用い、同軸型の光ファイバを用いて測定試料の表面に対して垂直に光を照射し、正反射光を検出することにより行った。そして、真空蒸着法にてガラス基板に成膜したアルミニウム膜(膜厚200nm)からの反射光を参照光とし、測定試料からの反射光の強度を参照光の強度で除することにより反射率を測定した。なお、反射スペクトルの測定に際しては、各測定試料の裏面からの反射を抑制するため、各測定試料の裏面(ガラス基板裏面)を黒色マジックペンにて黒く塗りつぶした。得られた結果を図5〜8に示す。なお、図5は、実施例1で用いたガラス板並びに同実施例で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜の反射スペクトルのグラフであり、図6は、実施例2で用いたガラス板並びに同実施例で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜の反射スペクトルのグラフであり、図7は、実施例3で用いたガラス板並びに同実施例で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜の反射スペクトルのグラフであり、図8は、比較例1で用いたガラス板並びに同比較例で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜の反射スペクトルのグラフである。なお、可視光には、通常、400〜450nmの波長領域の光も含まれるが、上記測定系では、400〜450nmの波長領域の反射スペクトルの測定値の信頼性が十分でないことから、400〜450nmの波長領域については、以下において議論しないこととする。
図5〜7に示す結果からも明らかなように、実施例1〜3で得られた反射防止膜は、波長が可視光領域の範囲(450〜700nm)にある光に対して0.5%以下の反射率を有することが確認された。更に、実施例1〜3で得られた反射防止膜においては、波長が700〜1000nmの範囲にある光に対しても0.5%以下の反射率を有することが確認された。また、図5〜8に示すように、波長が450〜700nmの範囲にある可視光領域において、ガラス基板のみの場合の反射率が約4%であること及び各透明樹脂膜(プラズマ処理前)の反射率が約3%であることからも明らかなように、実施例1〜3で得られた反射防止膜は、十分に高い反射防止性能を有することが確認された。また、図8に示す結果からも明らかなように、比較例1で得られた反射防止膜においても、その表面に対して垂直に光を照射した場合に可視光領域全体に亘って0.5%以下の反射率を示していることが分かった。
<発色現象の確認>
実施例1〜3及び比較例1で得られた各透明樹脂膜(プラズマ処理前の膜)及び各反射防止膜(プラズマ処理後)に関して、白熱電球(東芝ライテック社製の「クールビーム100形」)の光を照射した際の発色現象の有無を確認した。目視にて確認したところ、実施例1〜3で得られた各透明樹脂膜(プラズマ処理前の膜)及び各反射防止膜(プラズマ処理後)に関しては、発色現象(構造色)は確認されなかった。一方、比較例1で得られた透明樹脂膜(プラズマ処理前の膜)及び反射防止膜(プラズマ処理後)においては、目視にて発色現象(構造色)が確認された。このような発色は、比較例1で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜中のシリカ粒子の配列構造がコロイド結晶構造になっていることに起因するものと推察される。なお、図9に、比較例1で得られた透明樹脂膜(プラズマ処理前の膜)及び反射防止膜(プラズマ処理後)を、デジタルカメラを用いて、そのカメラに付属のストロボを点灯させて撮影した外観写真を示す。また、図10に、反射防止膜(実施例2及び比較例1)並びに比較のためのガラス基板の外観写真を示す。図11に、蛍光灯を映しこんだ際の反射防止膜(実施例2及び比較例1)並びに比較のためのガラス基板の外観写真を示す。図9に示すように、比較例1で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜においては、基板の中心付近から六方向に伸びた発色パターンが観察された。また、図9に示す結果から、比較例1で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜(コロイド結晶膜)においては、反射防止効果を発現するものの、ある入射角の光に対してある特定の波長の光を反射してしまい、それによって発色が生じることが分かる。更に、図10に示す結果から、実施例2で得られた反射防止膜は発色を示さないことが確認され、他方、比較例1で得られた反射防止膜においては発色を示すことが確認された。図11に示す結果から、実施例2で得られた反射防止膜は高い反射防止性能を有しながら発色現象を示さないことが分かった。
(実施例4)
反射防止膜用の鋳型として実施例3で得られた反射防止膜を用い、前記鋳型の表面(前記反射防止膜の凹凸形状の形成された表面)にポリジメチルシロキサン(PDMS:Dow Corning社製の商品名「Sylgard 184」)を、硬化後の厚みが約1.5mmとなるようにして塗布した後、これをロータリーポンプで排気された真空容器中に入れて脱泡し、更に、大気中、室温(25℃)で4時間、60℃で2時間放置してPDMSを硬化させることにより、硬化膜を得た。次いで、得られた硬化膜を、前記鋳型から注意深く剥離することによって、前記鋳型の表面に形成されている凹凸構造が反転した表面構造を有するPDMS膜(反射防止膜)を得た。
(比較例2)
反射防止膜用の鋳型として比較例1で得られた反射防止膜を用いた以外は、実施例4と同様にして、比較のためのPDMS膜(反射防止膜)を得た。
[実施例4及び比較例2で得られたPDMS膜の特性の評価]
<反射防止性能の測定(II)>
実施例4で得られたPDMS膜の表面が反射防止効果を有していることを確認するため、比較例2で得られたPDMS膜と比較して、膜への室内照明の移り込みが低減されていること及び特定の波長の光の反射による発色の有無を目視にて確認した。このような測定の結果、実施例4で得られたPDMS膜においては、膜への室内照明の移り込みが十分に低減されており、更には、比較例2で得られたPDMSレプリカ膜と比較して発色が十分に低減されていた。一方、比較例2で得られたPDMS膜は、膜への室内照明の移り込みは低減されているものの特定の波長の光の反射による発色を示していた。このような結果から、実施例4で得られたPDMS膜は、十分に高い反射防止効果を有していることが分かった。なお、実施例4で得られたPDMS膜の反射スペクトルは、裏面からの反射の影響を除去できないため、測定できなかった。
<走査型電子顕微鏡(SEM)による測定>
実施例4及び比較例2で得られたPDMS膜(反射防止膜)を、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定した。得られた結果として、実施例4で得られたPDMS膜のSEM写真を図12に示し、比較例2で得られたPDMS膜のSEM写真を図13に示す。
図12〜13に示す結果からも明らかなように、実施例4及び比較例1で得られたPDMS膜においては、用いた鋳型の表面に形成されている凹凸構造が反転した表面構造が形成されていることが確認された。このような結果から、実施例4で得られたPDMS膜においては、アモルファス構造の凹凸形状が反転された表面形状を有することが分かる。
(実施例5)
先ず、ガラス基板(アサヒテクノグラス社製のアルカリガラス)に紫外線硬化樹脂(幕張プロキュアメント合資会社製のウレタンアクリレートとアクリルモノマーと光反応開始剤の混合物)をスピンコーターを用いて、300rpmで120秒、1000rpmで120秒という条件で薄く塗布し、未硬化樹脂膜を形成させた。次に、実施例4で得られたPDMS膜をスタンパとして用いて前記未硬化樹脂膜に押し当て、その状態で紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させて硬化樹脂膜を形成し、PDMS膜を除去することで、ガラス基板上に前記PDMSレプリカ膜の表面凹凸形状が転写された反射防止膜(厚み:12μm)得た。
(比較例3)
スタンパとして比較例1で得られたPDMS膜を用いた以外は、実施例5と同様にして、比較のための反射防止膜を得た。
[実施例5及び比較例3で得られた反射防止膜の特性の評価]
<反射防止性能の測定(III)>
上述の反射防止性能の測定(I)において採用した方法と同様の方法を採用して、実施例5で得られた反射防止膜(本発明の第二の反射防止膜)の反射スペクトルを測定した。このような測定の結果、可視光領域の全域において反射率が1.0%以下であるこが分かり、反射防止膜として十分に高い性能を有することが確認された。
<走査型電子顕微鏡(SEM)による測定>
実施例5及び比較例3で得られた反射防止膜を、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定した。実施例5で得られた反射防止膜のSEM写真を図14に示し、比較例3で得られた反射防止膜のSEM写真を図15に示す。
図14に示す結果からも明らかなように、実施例5で得られた反射防止膜においては、表面の凹凸形状に規則性がないことが確認された。他方、図15に示す結果からも明らかなように、比較例3で得られた反射防止膜においては、凹凸形状の凸部の配列が規則配列となっていることが確認された。また、図14〜15に示す結果からも明らかなように、実施例5及び比較例3で得られた反射防止膜においては、用いたスタンパの表面に形成されている凹凸構造が反転した表面構造が形成されていることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有し、しかも簡便な方法で製造することが可能な反射防止膜、その反射防止膜の製造方法、可視光領域の波長の光を照射した際に発色を生じることなく、可視光領域の波長の光に対して十分に優れた反射防止性能を有する膜を簡便に製造するのに用いることが可能な反射防止膜用鋳型、その鋳型を用いて得られるレプリカ膜及びそのレプリカ膜を用いて得られる反射防止膜を提供することが可能となる。
したがって、本発明の反射防止膜は、発色が十分に防止されているため、ディスプレイ等の表示材料や車のフロントガラス等の高い透明性が要求される材料に用いる反射防止膜として特に有用である。
実施例1で得られた反射防止膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例2で得られた反射防止膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例3で得られた反射防止膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1で得られた反射防止膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜並びにガラス基板の反射スペクトルを示すグラフである。 実施例2で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜並びにガラス基板の反射スペクトルを示すグラフである。 実施例3で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜並びにガラス基板の反射スペクトルを示すグラフである。 比較例1で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜並びにガラス基板の反射スペクトルを示すグラフである。 比較例1で得られた透明樹脂膜及び反射防止膜(薄膜)の写真である。 実施例2及び比較例1で得られた反射防止膜(薄膜)の写真である。 蛍光灯を映しこんだ状態の実施例2及び比較例1で得られた反射防止膜(薄膜)の写真である。 実施例4で得られたPDMS膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例2で得られたPDMS膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例5で得られた反射防止膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例3で得られた反射防止膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。

Claims (10)

  1. 透明基材上に積層される反射防止膜であって、
    前記反射防止膜が、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された微粒子とからなり、
    前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
    前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり
    前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されており、且つ、
    前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以上の粒子からなること、
    を特徴とする反射防止膜。
  2. 前記反射防止膜の膜厚が1粒子層〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 透明基材上に積層される反射防止膜であって、
    前記反射防止膜が、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された微粒子とからなり、
    前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
    前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、
    前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されており、且つ、
    前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり、
    前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数100個に対して5(100/α 個の範囲にあることを特徴とする反射防止膜。
  4. 前記反射防止膜の膜厚が1粒子層〜50μmであることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜。
  5. 透明基材の表面上に、微粒子を透明樹脂モノマー中に分散させた分散液を供給して硬化させた後、透明樹脂をエッチングすることにより反射防止膜を製造する反射防止膜の製造方法であって、
    前記微粒子の平均粒子径が50〜500nmであり、前記微粒子の粒子径の分散度が5%以上であり、且つ、前記反射防止膜が請求項1又は2に記載された反射防止膜であることを特徴とする反射防止膜の製造方法。
  6. 透明基材の表面上に、透明樹脂モノマー中に微粒子を分散させた分散液を供給して硬化させた後、透明樹脂をエッチングすることにより反射防止膜を製造する反射防止膜の製造方法であって、
    前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり、
    前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数100個に対して5(100/α 個の範囲にあり、且つ、
    前記反射防止膜が請求項3又は4に記載された反射防止膜であることを特徴とする反射防止膜の製造方法。
  7. 基材と、基材上に積層された樹脂膜とからなる反射防止膜用鋳型であって、
    前記樹脂膜が、樹脂と該樹脂中に分散された微粒子とからなり、
    前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、
    前記樹脂膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、
    前記樹脂膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されており、且つ、
    前記微粒子が、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以上の粒子からなる微粒子、又は、平均粒子径が50〜500nmであり且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(A)と、前記粒子(A)の平均粒子径(d)のα倍(αは、0.9以下の数値あるいは1.1以上2.6以下の数値を示す。)の大きさ(α×d)の平均粒子径を有し且つ粒子径の分散度が5%以下の粒子(B)との混合物からなり且つ前記混合物中の粒子(B)の粒子数が、粒子(A)の粒子数100個に対して5個〜(100/α )個の範囲にある微粒子、であること、
    を特徴とする反射防止膜用鋳型。
  8. 前記樹脂膜が、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の反射防止膜であることを特徴とする請求項7に記載の反射防止膜用鋳型。
  9. 請求項7又は8に記載の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に透明樹脂膜形成用材料及び/又は透明無機膜形成用材料を供給して硬化させた後、離型して得られたものであることを特徴とする反射防止膜。
  10. 請求項7又は8に記載の反射防止膜用鋳型の凹凸形状の表面上に樹脂膜形成用材料及び/又は無機膜形成用材料を供給して硬化させた後に離型して得られたレプリカ膜を、スタンパとして用いて成型されたものであることを特徴とする反射防止膜。
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